以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1は、セキュリティシステム100のシステム構成の一例を概略的に示す。セキュリティシステム100は、ATM110と、管理サーバ120とを備える。管理サーバ120は、例えば、情報格納部122と、システム管理部124とを有する。本実施形態において、セキュリティシステム100及びATM110は、判定装置又は入力支援装置の一例であってよい。情報格納部122は、格納部の一例であってよい。システム管理部124は、通知部の一例であってよい。
セキュリティシステム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。例えば、プログラムが実行されることにより、1又は複数のコンピュータが、セキュリティシステム100の各部として機能する。
上記のソフトウエア又はプログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。ソフトウエア又はプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、セキュリティシステム100の各コンピュータにインストールされてよい。
コンピュータを、セキュリティシステム100の各部として機能させるプログラムは、セキュリティシステム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インターフェース等に働きかけて、セキュリティシステム100の各部として機能させたり、セキュリティシステム100の各部における情報処理方法を実行させたりする。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、セキュリティシステム100のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じたセキュリティシステム100を構築することができる。
セキュリティシステム100の各部は、一般的な構成の情報処理装置において、セキュリティシステム100の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。セキュリティシステム100又はその一部として用いられる情報処理装置は、CPU等のプロセッサ、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、キーボード、タッチパネル、マイクなどの入力装置と、液晶ディスプレイ、透過型ディスプレイ、プロジェクタなどの表示装置と、スピーカなどの出力装置と、メモリ、HDDなどの記憶装置とを備えてよい。上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。
ATM110は、現金自動預け払い機(automated teller machine)であり、通信ネットワーク10を介して、管理サーバ120と情報を送受する。ATM110は、ユーザのキャッシュカード(銀行カードなどと称される場合もある。)に配された記録部に記録された識別情報を読み取り、当該識別情報を管理サーバ120に送信する。記録部は、磁気テープ、ICチップなどのメモリであってよい。ATM110は、ユーザからの入力を受け付け、入力された情報を管理サーバ120に送信する。ATM110は、管理サーバ120からの指示を受信し、当該指示に基づいて、ユーザに金融サービスを提供する。
キャッシュカードは、有体物の一例であってよい。キャッシュカードの記録部に記録された識別情報は、各キャッシュカードを識別するための識別情報であってもよく、各ユーザを識別するための識別情報であってもよい。
通信ネットワーク10は、無線通信の伝送路であってもよく、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10としては、移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット、専用回線及びこれらの組み合わせを例示することができる。
本実施形態において、ATM110は、キャッシュカードの携行者が、当該キャッシュカードを使用しているときの動作に基づいて、キャッシュカードの携行者の正当性を判定する。ATM110は、例えば、キャッシュカードの現在の携行者の動作又は動作パターンと、当該キャッシュカードが過去に使用された時に記録された、当時の携行者の動作又は動作パターンとを比較する。ATM110は、比較結果に基づいて、キャッシュカードの現在の携行者の正当性を判定する。例えば、現在の携行者の動作若しくは動作パターン、及び、過去の携行者の動作若しくは動作パターンが略同一である場合、又は、両者が類似する場合、ATM110は、キャッシュカードの現在の携行者が正当な携行者であると判断する。
なお、ATM110は、キャッシュカードの携行者の正当性を判定する場合に、当該キャッシュカードを用いてサービスを提供するサービス提供者、又は、当該サービス提供者から当該キャッシュカードを譲渡又は貸与された者(ユーザ若しくは正当な携行者と称する場合がある。)により事前に登録された情報を利用してもよい。また、ATM110は、判定結果を管理サーバ120に送信してもよい。
本実施形態によれば、例えば、キャッシュカードの携行者がATM110に近接した後、ATM110がキャッシュカードから識別情報を読み取るまでの期間の少なくとも一部における、当該携行者の動作に基づいて、当該携行者の正当性を判定することができる。そのため、キャッシュカードの不正利用を効果的に防止することができる。
また、本実施形態によれば、同一人物の過去の動作パターン、又は、同種の操作を行った複数人の過去の動作パターンに基づいて、当該携行者の正当性を判定することができる。そのため、様々な操作に対応する複数パターンの動作を事前に登録しておく手間を省略することができる。また、ユーザが無意識にする動作に基づいて、キャッシュカードの携行者の正当性を判定することもできる。さらに、動作のバラつきに関する情報も取得することができるので、判定精度を向上させることができる。
本実施形態において、ATM110は、ユーザの動作を検出して、検出された動作に基づいて、ユーザの入力操作を支援するための情報の種類及び出力態様の種類の少なくとも一方を決定する。ATM110の操作方法が分からない場合のユーザの動作としては、例えば、(i)動作を停止する、(ii)動作速度が遅くなる、(iii)指先の軌跡が安定しない、首をかしげる、腕を組む、手を顔に持っていく、眉をひそめる、しかめっ面になる、画面をのぞきこむ、眼鏡をかけるなどの特徴的な動作をする、などが挙げられる。ATM110は、このような動作を検出すると、ユーザの操作を支援するための処理を実行する。これにより、ユーザフレンドリーなインターフェースを提供することができる。
管理サーバ120は、ユーザに、各種のサービスを提供する。本実施形態において、管理サーバ120は、ATM110を介して、ユーザに金融サービスを提供する。管理サーバ120は、通信ネットワーク10を介して、ユーザ端末20及びATM110のそれぞれとの間で情報を送受する。
ユーザ端末20は、管理サーバ120と情報を送受することができる装置であればよく、詳細については特に限定されない。ユーザ端末20は、パーソナルコンピュータ、携帯端末、無線端末、及びこれらの組み合わせであってよい。携帯端末としては、携帯電話若しくはスマートフォン、ノートブック・コンピュータ若しくはラップトップ・コンピュータ、PDA、タブレット端末、ウェアラブル・コンピュータなどを例示することができる。ウェアラブル・コンピュータとしては、アイウエア型、腕輪型、指輪型などの情報処理装置を例示することができる。
一実施形態において、情報格納部122は、ユーザに関する情報を格納する。ユーザに関する情報としては、キャッシュカードに記録された識別情報、ユーザの個人情報、ユーザがキャッシュカード又はATMを利用する場合の動作の特徴を示す情報(動作の特徴を示す情報を動作パターンと称する場合がある。)などを例示することができる。情報格納部122は、ユーザの動作の種類毎に、当該ユーザに固有の動作パターンを格納してもよい。
キャッシュカードに記録された識別情報としては、口座番号、キャッシュカードに固有の番号などを例示することができる。口座番号は、管理サーバ120により提供されるサービスにおいて、当該ユーザを識別するためのユーザIDの一例であってよい。キャッシュカードに記録された識別情報は、キャッシュカードの表面に印刷された情報であってもよく、キャッシュカードに配された記憶装置に記憶された情報であってもよい。上記の記憶装置としては、磁気テープ、ICチップなどを例示することができる。
ユーザの個人情報としては、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、キャッシュカードを利用するための認証情報などを例示することができる。上記の認証情報としては、パスワード、生体情報などを例示することができる。生体情報としては、指紋、掌形、掌紋、声紋、掌、網膜などの血管パターン、虹彩パターン、顔のパターンなどを例示することができる。上記の認証情報は、ユーザIDの認証処理に利用される情報の一例であってよい。
他の実施形態において、情報格納部122は、ATM110の操作の種類毎に、当該操作における典型的な動作の特徴を示す1以上の動作パターンを格納する。例えば、情報格納部122は、ATM110にユーザの入力操作を支援するための情報(ガイド情報と称する場合がある。)を出力させるべき動作の特徴を示す1以上の動作パターンを格納する。情報格納部122は、ATM110のヘルプ操作と対応付けて、ATM110にガイド情報を出力させるべき動作の特徴を示す1以上の動作パターンを格納してもよい。
ガイド情報は、ATM110の入力画面の一部に表示される情報であってもよく、デフォルトの入力画面とは異なる第2の入力画面であってもよく、音声情報であってもよく、光の点滅であってもよい。第2の入力画面としては、操作方法に関する情報が強調された画面、言語の選択を指示するための領域が強調された画面、文字、記号又は数字を入力するための領域が強調された画面などを例示することができる。
システム管理部124は、セキュリティシステム100を管理する。例えば、システム管理部124は、ATM110から、キャッシュカードの識別情報及びパスワードを受信して、認証処理を実行する。また、システム管理部124は、ユーザがATM110に入力した指示を受信して、当該指示に応じた処理を実行する。システム管理部124は、ユーザの認証処理が完了した後、今回の操作にともなう当該ユーザの動作を示す情報をATM110から取得して、当該情報を、キャッシュカードの識別情報に対応付けて情報格納部122に格納してもよい。
本実施形態において、システム管理部124は、ATM110から、キャッシュカードの現在の携行者がその正当な携行者ではない可能性のあることを示す情報、又は、キャッシュカードの携行者の正当性を判定することができないこと示す情報を受信した場合に、当該キャッシュカードの正当な携行者のユーザ端末20に対して、判定結果に関するメッセージを通知する。これにより、キャッシュカードの不正利用を防止することができる。
システム管理部124は、ユーザ端末20にメッセージを通知するとともに、又は、それに代替して、キャッシュカードの現在の携行者にメッセージを通知してもよい。例えば、システム管理部124は、ATM110の表示部にメッセージを表示させることにより、キャッシュカードの現在の携行者にメッセージを通知する。
システム管理部124は、正当な携行者のユーザ端末20にメッセージを通知する場合、当該メッセージに、現在の携行者の身体的特徴に関する情報を添付して、現在の携行者を正当な携行者として承認するか否かを問い合わせてもよい。これにより、例えば、(i)ユーザが、ATM110を利用するときに、普段とは異なる動作をした場合、又は、(ii)ユーザの関係者が、当該ユーザのキャッシュカードを用いてATM110を利用した場合であっても、ユーザが現在の携行者を正当な携行者として承認することにより、当該携行者はATM110の利用を継続することができる。ユーザの関係者としては、ユーザの家族、親族、友人、知人などを例示することができる。
図2は、ATM110のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、ATM110は、近接センサ210と、3次元スキャナ220と、カードリーダ230と、タッチパネル式ディスプレイ240と、スピーカ250と、制御部260とを備える。本実施形態において、制御部260は、通信制御部262と、メモリ264と、認証部266と、出力制御部268とを備える。ATM110は、複数の3次元スキャナ220を備えてもよい。
3次元スキャナ220は、第1動作情報取得部、第3動作情報取得部、動作検出部、入力部及び近接センサの少なくとも1つの一例であってよい。カードリーダ230は、識別情報取得部の一例であってよい。タッチパネル式ディスプレイ240は、入力部及び出力部の少なくとも一方の一例であってよい。スピーカ250は、出力部の一例であってよい。制御部260は、判定装置及び入力支援装置の少なくとも一方の一例であってよい。通信制御部262は、第2動作情報取得部及び第4動作情報取得部の少なくとも一方の一例であってよい。メモリ264は、格納部の一例であってよい。認証部266は、判定部、識別情報取得部、第1動作情報取得部、第2動作情報取得部、第3動作情報取得部、第4動作情報取得部、及び、判定装置の少なくとも1つの一例であってよい。
近接センサ210は、キャッシュカードの携行者の近接を検出する。近接センサ210は、キャッシュカードの近接を検出することで、キャッシュカードの携行者の近接を検出してもよい。近接センサ210は、キャッシュカードの携行者の近接を検出すると、当該携行者の近接を示す情報を制御部260に送信する。近接センサ210としては、圧力センサ、赤外線センサ、超音波センサ、磁気センサ、ビーコン受信装置、撮像装置、入力装置などを例示することができる。入力装置としては、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、操作ボタン、3次元入力デバイスなどを例示することができる。
3次元スキャナ220は、キャッシュカードの携行者の動作を示す情報を取得する。3次元スキャナ220としては、リープモーション社製のリープモーション(Leap Motion)などの3次元入力デバイスを例示することができる。3次元スキャナ220は、取得した情報を制御部260に送信してよい。
一実施形態によれば、3次元スキャナ220は、タッチパネル式ディスプレイ240の近傍におけるユーザの動作を検出する。他の実施形態によれば、3次元スキャナ220は、キャッシュカードの携行者が、キャッシュカードを使用しているときの動作を示す情報を取得する。
キャッシュカードを使用しているときの動作を示す情報は、キャッシュカードの現在の携行者が当該キャッシュカードを使用している期間の少なくとも一部における、当該携行者の身体の特定の部分の(i)軌跡、(ii)移動速度、(iii)形状又は大きさ、(iv)向き、及び、(v)当該携行者の身体の他の部分との位置関係の少なくとも1つに関する情報を含んでよい。身体の特定の部分は、頭部、腕、手及び指の少なくとも1つを含んでよい。
キャッシュカードを使用しているときの動作を示す情報は、(i)キャッシュカードの現在の携行者が、当該キャッシュカードを収容する収容スペースから、当該キャッシュカードを取り出す動作、(ii)当該現在の携行者が、当該キャッシュカードをカードリーダ230に近接させる又は挿入する動作、及び、(iii)当該現在の携行者が、カードリーダ230における識別情報の取得処理の完了を待っている間の動作、(iv)当該現在の携行者がATM110を操作する動作、(v)当該現在の携行者が、当該キャッシュカードを当該収容スペースに収納する動作の少なくとも1つに関する情報を含んでよい。上記の収容スペースとしては、鞄、財布、ポケットなどを例示することができる。3次元スキャナ220が取得した情報は、第1動作情報又は第3動作情報の一例であってよい。キャッシュカードの携行者がATM110を操作する動作は、当該携行者がサービスの提供を受けるための動作の一例であってよい。
カードリーダ230は、キャッシュカードを識別する識別情報を、当該キャッシュカードから取得する。カードリーダ230は、取得した識別情報を制御部260に送信してよい。タッチパネル式ディスプレイ240は、入力画面、ガイド画面などの各種の画面を表示する。また、タッチパネル式ディスプレイ240は、キャッシュカードの携行者又はユーザからの入力を受け付ける。スピーカ250は、例えば、音声ガイドなどの音声を出力する。制御部260は、ATM110を制御する。メモリ264は、各種の情報を格納する。
通信制御部262は、制御部260と、ATM110の他の構成要素又は管理サーバ120との間の通信を制御する。通信制御部262は、通信インターフェースであってもよい。通信制御部262は、近接センサ210、3次元スキャナ220、カードリーダ230又はタッチパネル式ディスプレイ240が送信した情報を受信して、メモリ264に格納する。また、通信制御部262は、タッチパネル式ディスプレイ240又はスピーカ250を制御して、情報を出力させる。
通信制御部262は、管理サーバ120にアクセスして、キャッシュカードの識別情報に対応付けて情報格納部122に格納されている情報を取得する。通信制御部262は、取得した情報をメモリ264に格納してよい。一実施形態において、通信制御部262は、管理サーバ120にアクセスして、ATM110の操作の種類に対応付けて格納されている動作パターンを取得する。
他の実施形態において、通信制御部262は、キャッシュカードの識別情報に対応づけて記録されている、キャッシュカードが過去に使用されていたときの動作を示す情報を取得する。さらに他の実施形態において、通信制御部262は、キャッシュカードの識別情報に対応づけて記録されている、キャッシュカードの携行者が、過去に、1又は複数のATM110のうちの何れかのタッチパネル式ディスプレイ240などを操作して、指示を入力していたときの動作を示す情報を取得する。
通信制御部262が取得した情報は、キャッシュカードが過去に使用されていた期間の少なくとも一部における、キャッシュカードの当時の携行者の身体の特定の部分の(i)軌跡、(ii)移動速度、(iii)形状又は大きさ、(iv)向き、及び、(v)当該当時の携行者の身体の他の部分との位置関係の少なくとも1つに関する情報を含んでよい。身体の特定の部分は、頭部、腕、手及び指の少なくとも1つを含んでよい。
通信制御部262が取得した情報は、(i)キャッシュカードの当時の携行者が、当該キャッシュカードを収容する収容スペースから、当該キャッシュカードを取り出す動作、(ii)当該当時の携行者が、当該キャッシュカードをカードリーダ230に近接させる又は挿入する動作、及び、(iii)当該当時の携行者が、カードリーダ230における識別情報の取得処理の完了を待っている間の動作の少なくとも1つに関する情報を含んでよい。通信制御部262が取得した情報は、第2動作情報又は第4動作情報の一例であってよい。
認証部266は、3次元スキャナ220が取得した情報と、通信制御部262が取得した情報とに基づいて、キャッシュカードの現在の携行者の正当性を判定する。認証部266は、これらの情報をメモリ264から取得してもよく、3次元スキャナ220及び管理サーバ120から直接取得してもよい。
認証部266は、キャッシュカードの携行者の動作を正規化してよい。例えば、認証部266は、3次元スキャナ220が取得した情報の中から、大きさが既知である部分を抽出する。大きさが既知である部分としては、ATM110の特定の2箇所の距離、特定の部材、キャッシュカードなどを例示することができる。認証部266は、既知の大きさを基準として、キャッシュカードの携行者の動作を正規化する。認証部266は、正規化された動作に基づいて、キャッシュカードの現在の携行者の正当性を判定してもよい。認証部266は、正規化された動作に関する情報をメモリ264に格納してもよい。
認証部266は、現在の携行者が正当な携行者でないと判定した場合、例えば、当該判定結果を示す情報を、現在の携行者及び正当な携行者の少なくとも一方に通知する。一実施形態において、認証部266は、判定結果を示す情報を管理サーバ120のシステム管理部124に送信する。これにより、管理サーバ120を介して、ユーザ端末20に判定結果を含むメッセージを送信する。なお、認証部266は、当該メッセージを、管理サーバ120を介さずにユーザ端末20に送信してもよい。他の実施形態において、認証部266は、出力制御部268と協働して、タッチパネル式ディスプレイ240に判定結果を含むメッセージを表示させる。
認証部266は、判定結果を含むメッセージをユーザ端末20に送信する場合に、当該メッセージと関連付けて、現在の携行者を正当な携行者と判定してよいか否かを問い合わせるメッセージを、ユーザ端末20に送信してもよい。認証部266は、これらのメッセージをユーザ端末20に送信する場合に、これらのメッセージと関連付けて、現在の携行者の身体的特徴を示す情報をユーザ端末20に送信してよい。現在の携行者の身体的特徴を示す情報は、カメラ、3次元スキャナ220などにより取得された現在の携行者の顔の画像であってよい。
認証部266は、ユーザ端末20から、上記の問い合わせに対する応答として、キャッシュカードの現在の携行者の正当性に関する情報を取得する。認証部266は、上記の応答に、キャッシュカードの現在の携行者の正当性が確認されたことを示す情報が含まれる場合、当該現在の携行者を正当な携行者と判定する。認証部266は、現在の携行者を、ユーザ端末20を携帯する第1の正当な携行者とは異なる、第2の正当な携行者と判定してもよい。
認証部266は、現在の携行者が正当な携行者であると判定した場合、現在の携行者の認証処理を実行する。例えば、認証部266は、出力制御部268及びタッチパネル式ディスプレイ240と協働して、キャッシュカードの現在の携行者から、当該キャッシュカードのパスワードを取得する。認証部266は、取得したパスワードを管理サーバ120に送信して、認証処理を要求する。認証部266は、管理サーバ120から認証処理の結果を受信する。キャッシュカードの現在の携行者が管理サーバ120により認証されると、ATM110は、現在の携行者に対してサービスの提供を開始する。
認証部266は、現在の携行者が正当な携行者であると判定した場合、3次元スキャナ220により取得された現在の携行者に関する情報を、メモリ264に格納してよい。認証部266は、現在の携行者に関する情報を、ユーザ端末20を携帯する第1の正当な携行者に関する情報と区別して、メモリ264に格納してよい。認証部266は、現在の携行者に関する情報を、キャッシュカードの識別情報に対応付けて、メモリ264に格納してよい。
出力制御部268は、タッチパネル式ディスプレイ240及びスピーカ250の少なくとも一方を制御する。一実施形態において、出力制御部268は、出力する情報の種類、及び、情報の出力態様の種類を制御する。他の実施形態において、出力制御部268は、3次元スキャナ220が検出したユーザの動作に基づいて、ユーザの入力操作を支援するための情報の種類及び出力態様の種類の少なくとも一方を決定して、出力部に出力させる。これにより、ユーザフレンドリーなインターフェースを提供することができる。
出力制御部268は、通信制御部262と協働して、ATM110から管理サーバ120に送信される情報を制御してもよい。例えば、出力制御部268は、現在の携行者の正当性の判定処理、又は、認定処理が完了した後、3次元スキャナ220又はメモリ264から、各種の操作にともなうキャッシュカードの携行者の動作を示す情報を取得して、システム管理部124に送信する。出力制御部268は、複数の正当な携行者が存在する場合、正当な携行者ごとの動作を示す情報を、システム管理部124に送信してよい。これにより、上記の情報を情報格納部122に格納して、次回以降の判定に利用することができる。
本実施形態において、識別情報の記録された有体物がキャッシュカードであり、ATM110は、カードリーダ230を用いて、磁気テープ又はICチップに記録された識別情報を取得する場合について説明した。しかしながら、有体物及びATM110は本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、有体物は、携帯端末又はICカードのように、非接触通信機能を有する物体であってよい。この場合、ATM110は、近距離無線通信、赤外線通信などの非接触通信技術を用いて、携帯端末のメモリに記録された識別情報を取得する。近距離無線通信の通信方式としては、赤外線通信、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、RFIDなどを例示することができる。
他の実施形態において、有体物は、携帯端末のように、表示装置を有する物体であってもよい。この場合、ATM110は、カメラ、スキャナなどの読み取り装置を用いて、携帯端末の表示装置に表示された識別情報を取得する。表示装置に表示される識別情報は、文字列情報又は画像情報であってもよく、バーコード(登録商標)、QRコード(登録商標)などのように符号化された情報であってもよい。
さらに他の実施形態において、有体物は、識別情報が印刷された物であってよい。この場合、ATM110は、例えば、カメラ、スキャナなどの読み取り装置を用いて、当該識別情報を取得する。印刷された識別情報は、文字列情報又は画像情報であってもよく、バーコード(登録商標)、QRコード(登録商標)などのように符号化された情報であってもよい。
さらに他の実施形態において、有体物は、ユーザの身体の一部分であってもよい。この場合、識別情報は、ユーザの生体情報であってよい。生体情報としては、指紋、掌形、掌紋、声紋、掌、網膜などの血管パターン、虹彩パターン、顔のパターンなどを例示することができる。ATM110は、例えば、カメラ、スキャナなどの読み取り装置を用いて、ユーザの生体情報を取得する。
本実施形態において、ATM110が、識別情報を取得する場合について説明した。しかしながら、セキュリティシステム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、識別情報は、ATM110とは物理的に異なる位置に配された装置により取得されてよい。例えば、銀行の店舗の入口に、近距離無線通信機能を有する識別情報の読み取り装置が設置されており、ユーザが店舗に入店したときに、当該読み取り装置が、ユーザのキャッシュカード、携帯端末などから、識別情報を取得してもよい。上記の読み取り装置は、取得した識別情報を、ATM110又は管理サーバ120に送信してよい。
本実施形態において、3次元スキャナ220を用いて、キャッシュカードの携行者の動作に関する情報を取得する場合について説明した。しかしながら、キャッシュカードの携行者の動作に関する情報を取得する方法は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ATM110は、ビデオカメラなどの撮像装置を用いて、キャッシュカードの携行者の動作に関する情報を取得してよい。また、本実施形態において、認証部266がATM110に配される場合について説明した。しかし、他の実施形態において、認証部266は管理サーバ120に配されてもよい。
図3は、カードリーダ230の一例を概略的に示す。本実施形態において、カードリーダ230は、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口310と、ガイド用ライト320と、キャッシュカードから当該キャッシュカードの識別情報を読み取る読取部330とを備える。ガイド用ライト320は、出力制御部268の指示に基づいて、点灯したり、消灯したりする。出力制御部268は、例えば、ガイド用ライト320を点灯又は点滅させることで、ユーザに対して、カード挿入口310の位置を示し、カードの挿入を促す。ガイド用ライト320を点灯又は点滅は、ユーザの入力操作を支援するための情報の一例であってよい。
図4は、出力制御部268のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、出力制御部268は、動作パターン検出部402と、決定部404と、動作パターン生成部406とを備える。決定部404は、出力決定部の一例であってよい。
動作パターン検出部402は、タッチパネル式ディスプレイ240の近傍におけるユーザの動作を検出する。動作パターン検出部402は、3次元スキャナ220が検出したユーザの動作の中から、特定の動作パターンを検出することで、ユーザの動作を検出してよい。例えば、動作パターン検出部402は、3次元スキャナ220が検出したユーザの動作と、特定の操作に対応付けられた1以上の動作パターンとを比較して、当該1以上の動作パターンの少なくとも1つの有無を検出する。特定の操作に対応付けられた1以上の動作パターンは、情報格納部122、メモリ264などに格納されていてもよい。
一実施形態において、特定の操作に対応付けられた1以上の動作パターンは、同一の操作における複数のユーザの動作を解析して生成される。他の実施形態において、特定の操作に対応付けられた1以上の動作パターンは、各ユーザの識別情報と対応付けて、ユーザ毎に格納される。この場合、特定の操作に対応付けられた1以上の動作パターンは、各ユーザが各操作を行うときの動作を解析して生成される。
特定の操作に対応付けられた1以上の動作パターンがユーザ毎に格納されている場合、動作パターン検出部402は、ユーザ毎の動作パターンを利用して、ユーザの動作を検出してよい。ユーザの認証は、認証部266により実施されてよい。認証部266は、公知の方法を利用して、認証処理を実施してよい。例えば、認証部266は、キャッシュカードに記録された識別情報と、ユーザから取得した認証情報とを利用して、認証処理を実施する。認証部266は、生体認証技術を利用して、認証処理を実施してもよい。
動作パターン検出部402は、3次元スキャナ220が検出したユーザの動作に関する情報を、3次元スキャナ220から取得してもよく、メモリ264から取得してもよい。動作パターン検出部402は、特定の操作に対応付けられた1以上の動作パターンの少なくとも1つを、管理サーバ120の情報格納部122から取得してもよく、メモリ264から取得してもよい。
一実施形態において、動作パターン検出部402は、1以上の操作の種類のそれぞれに対応付けて、情報格納部122又はメモリ264に格納されている、当該操作における典型的な動作の特徴を示す1以上の動作パターンの少なくとも1つについて、その有無を検出する。これにより、ATM110の周囲にいる人(例えば、ユーザである。)又は物が、検出された動作パターンに対応する特定の操作若しくは動作をしていること、又は、当該特定の操作若しくは動作をしようとしていることを検出できる。
また、特定の操作に対応する動作パターンが検出されなかった場合には、ATM110の周囲にいる人又は物が、当該特定の操作以外の操作若しくは動作をしていること、又は、当該特定の操作以外の操作若しくは動作をしようとしていることを検出できる。例えば、ヘルプ操作に対応する動作パターンが検出されなかった場合、ユーザが、ヘルプ操作以外の操作又は動作(例えば、入金操作である。)をしていることを検出できる。
ATM110の全ての操作(ATM110に対する不正な操作を含む。)に対応する動作パターンが検出されなかった場合、動作パターン検出部402は、ATM110の周囲にいる人又は物が、通常とは異なる動作をしていることを検出することができる。この場合、一実施形態によれば、動作パターン検出部402は、ユーザが、入力操作の支援を必要としている、又は、当該支援を必要とするであろうことを検出する。他の実施形態によれば、動作パターン検出部402は、ATM110の周囲にいる人が、ATM110に対して不正な操作をしている、又は、当該不正な操作をしようとしていることを検出する。なお、ATM110の全ての操作とは、当該操作に対応する動作パターンが登録又は格納されている全ての操作を意味してよい。
例えば、不正を試みる者(不審者と称する場合がある。)が、ATM110の本体にスキミング装置を取り付けたり、ATM110の周囲に監視カメラを取り付けたりする場合がある。このような場合、不審者がATM110に近接すると、近接センサ210が、当該不審者の近接を検出する。近接センサ210が不審者の近接を検出すると、3次元スキャナ220が、当該不審者の動作を示す情報の取得処理を開始する。これにより、不審者が、ATM110の本体にスキミング装置を取り付けたり、ATM110の周囲に監視カメラを取り付けたりする動作を示す情報が取得される。
動作パターン検出部402は、3次元スキャナ220により取得された動作の動作パターンと、ATM110の各種操作に対応付けて登録された動作パターンとを比較して、3次元スキャナ220により取得された動作に対応する、ATM110の操作の種類を決定する。3次元スキャナ220により取得された動作に対応する操作が検出されない場合、動作パターン検出部402は、ATM110の周囲にいる人が、ATM110に対して不正な操作をしている、又は、当該不正な操作をしようとしていることを検出する。この場合において、動作パターン検出部402は、3次元スキャナ220により取得された動作の動作パターンを、不正な操作に対応する動作パターンとして、メモリ264に格納してよい。
他の実施形態において、動作パターン検出部402は、ガイド情報を出力させるべき動作の特徴を示す動作パターンの有無を検出する。ガイド情報を出力させるべき動作としては、ヘルプ操作、キャンセル操作を例示することができる。これにより、ユーザが、入力操作の支援を必要としていることを検出できる。なお、ガイド情報は、タッチパネル式ディスプレイ240及びスピーカ250の少なくとも一方により出力されてよい。
決定部404は、動作パターン検出部402の検出結果に基づいて、出力する情報の種類、及び、情報の出力態様の種類の少なくとも一方を決定する。例えば、決定部404は、動作パターン検出部402が、ガイド情報を出力させるべき動作の特徴を示す動作パターンを検出した場合に、出力する情報の種類、及び、情報の出力態様の種類の少なくとも一方を決定する。ガイド情報を出力させるべき動作は、(i)ユーザが、ATM110に対して、ガイド情報の出力を要求する指示(ヘルプ操作と称する場合がある。)を入力する時の動作であってもよく、(ii)ユーザが、ATM110に対して、サービスの提供を中止する指示、又は、事前の操作を取り消す指示(キャンセル操作と称する場合がある。)を入力する時の動作であってもよい。
決定部404は、動作パターン検出部402が、ヘルプ操作及びキャンセル操作の少なくとも一方の操作以外のATM110の全ての操作(ATM110に対する不正な操作を含む。)に対応する動作パターンが検出されなかった場合に、出力する情報の種類、及び、情報の出力態様の種類の少なくとも一方を決定してもよい。なお、これら場合において、ATM110の全ての操作とは、当該操作に対応する動作パターンが登録されている全ての操作を意味する。
一実施形態において、出力する情報の種類は、入力画面に表示される情報の種類、及び、入力画面に表示される言語の種類の少なくとも一方を含んでよい。情報の出力態様の種類は、入力画面における、情報の位置、大きさ、範囲、形状、色彩、模様、及び、強調処理の種類の少なくとも1つを含んでよい。上記の情報は、ガイド情報を含んでよい。
これにより、ユーザが入力操作の支援を必要としている場合に、デフォルトの入力画面とは異なる第2の入力画面を出力したり、音声ガイドを出力したり、ライトを点滅させたりすることができる。第2の入力画面としては、(i)言語選択ボタンが強調された外国人用の入力画面、(ii)デフォルトの入力画面と比較して、選択ボタンが少ない初心者用の画面、(iii)デフォルトの入力画面と比較して、操作に関する説明が多い初心者用の画面、(iv)デフォルトの入力画面と比較して、文字(記号及び数字を含む。)の大きさが大きい高齢者用の画面、(v)デフォルトの入力画面と比較して、文字を入力するための領域が強調された入力ミス防止用の画面、及び、これらの組み合わせを例示することができる。本実施形態によれば、ユーザの動作に基づいてユーザの状況を推測し、適切と思われる入力画面を出力することができる。
出力される入力画面は、動作パターンの解析により検出されたカード携行者の操作、カード携行者の操作の速度、カード携行者の身体的特徴及びこれらの組み合わせに基づいて、決定されてよい。例えば、ヘルプ操作の特徴を示す動作パターンが検出された場合には、上記の(i)〜(iii)の特徴を有する入力画面を出力する。キャッシュカードの携行者の動作速度が特定の閾値よりも遅い場合には、(iv)の特徴を有する入力画面を出力してよい。また、キャンセル操作の特徴を示す動作パターンが検出された場合には、(v)の特徴を有する入力画面を出力してよい。カード携行者の顔の特徴から、外国人である可能性が高い場合には、(i)の特徴を有する入力画面を出力してもよい。
他の実施形態において、情報の出力態様の種類は、情報の出力スピード及び出力間隔の少なくとも一方を含んでもよい。これにより、例えば、ユーザが入力操作の支援を必要としている場合には、入力ガイドの音声を通常よりもゆっくり出力したり、次の操作を促すための情報を出力するまでの時間を通常よりも長く設定したりすることができる。
動作パターン生成部406は、3次元スキャナ220が取得したユーザの動作に基づいて、特定の操作に対応する動作パターンを生成する。一実施形態において、例えば、タッチパネル式ディスプレイ240が、ガイド情報の出力を要求する指示(ヘルプ操作と称する場合がある。)を受け付けた場合、動作パターン生成部406は、3次元スキャナ220が記録した情報の中から、タッチパネル式ディスプレイ240が当該指示を受け付けた時点を含む予め定められた期間における、ユーザの動作に関する記録を抽出する。例えば、タッチパネル式ディスプレイ240がヘルプ操作を受け付ける30秒前から、タッチパネル式ディスプレイ240がヘルプ操作を受け付けるまでの期間における、記録を抽出する。
次に、動作パターン生成部406は、抽出された動作の特徴を示す情報を生成する。動作の特徴を示す情報としては、ユーザの身体の特定の部分の(i)軌跡、(ii)移動速度、(iii)形状又は大きさ、(iv)向き、及び、(v)ユーザの身体の他の部分との位置関係の少なくとも1つに関する情報を含んでよい。身体の特定の部分は、頭部、腕、手及び指の少なくとも1つを含んでよい。動作パターン生成部406は、生成された情報を、ヘルプ操作に対応付けられた動作パターンとして、メモリ264又は情報格納部122に格納してよい。
他の操作についても、同様の手順により対応する動作パターンを生成することができる。例えば、タッチパネル式ディスプレイ240が、サービスの提供を中止する指示、又は、事前の操作を取り消す指示(キャンセル操作と称する場合がある。)を受け付けた場合、キャンセル操作に対応付けられた動作パターンを生成することができる。
図5は、データテーブル500の一例を概略的に示す。本実施形態において、データテーブル500は、キャッシュカードの識別情報の一例であるカードID502と、カードID502で識別されるカードのユーザの連絡先を示す通知先アドレス504と、ATM110の操作の種類を示す操作種別506と、操作種別506で識別される操作の前後におけるユーザの動作パターンが格納された動作パターンデータのURI508とを対応付けて格納する。
本実施形態によれば、データテーブル500は、第1登録者512及び第2登録者514を含む複数の正当な携行者のそれぞれの動作パターンデータのURIを格納する。複数の正当な携行者のそれぞれの動作パターンデータは、それぞれ別個のデータファイルとして格納されていてもよく、カードIDごとに1つのデータファイルに格納されていてもよい。
一実施形態において、第1登録者512及び第2登録者514は、サービス提供者により、キャッシュカードの正当な携行者として予め登録される。他の実施形態において、第1登録者512は、サービス提供者により、キャッシュカードの正当な携行者として予め登録され、第2登録者514は、第1登録者512により正当な携行者として承認されることにより登録される。
サービスによっては、契約者本人だけでなく、その関係者も利用することができる場合がある。例えば、金融機関が、1つの銀行口座に対して、複数のキャッシュカード又はクレジットカード(法人カード、家族カードなどと称される場合がある。)を発行して、金融サービスを提供する場合がある。本実施形態によれば、複数の正当な携行者の動作パターンを登録することができるので、このような場合であっても、ATM110は、キャッシュカードカードの現在の携行者が正当な携行者であるか否かを判定することができる。
本実施形態において、有体物が金融サービスの提供を受けるためのキャッシュカードであり、登録者が人である場合について説明した。しかしながら、登録者は人に限定されない。有体物を利用して提供されるサービスによっては、登録者は動物などの物であってもよい。
図6は、認証部266における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、ユーザの正当性の判定処理及びユーザ認定処理の一例が示される。まず、ステップ602(ステップをSと省略する場合がある。)において、近接センサ210が、キャッシュカードの携行者の近接を検出する。近接センサ210は、携行者がATM110に近接したことを示す情報を制御部260に通知する。S604において、制御部260は、3次元スキャナ220を起動して、携行者の動作を記録する。制御部260は、3次元スキャナ220が取得した情報をメモリ264に格納する。
次に、S606において、キャッシュカードの携行者が、キャッシュカードをカードリーダ230の挿入口に挿入すると、カードリーダ230が、キャッシュカードの識別情報を読み取る。カードリーダ230は、キャッシュカードの識別情報を制御部260に通知する。S608において、通信制御部262が、カードリーダ230が取得した識別情報を管理サーバ120に送信して、当該識別情報で識別されるキャッシュカードが過去に使用されていたときの携行者の動作を示す情報を要求する。通信制御部262は、管理サーバ120から取得した情報をメモリ264に格納する。また、認証部266が、3次元スキャナ220が取得した情報と、通信制御部262が取得した情報とに基づいて、キャッシュカードの現在の携行者の正当性を判定する。
認証部266が、キャッシュカード現在の携行者は、当該キャッシュカードの正当な携行者でないと判定した場合(S610のNOの場合)、S612において、認証部266が、判定結果を示す情報を管理サーバ120に送信する。管理サーバ120は、例えば、データテーブル500の通知先アドレス504に格納された連絡先(例えば、ユーザ端末20である。)に、判定結果及び現在の携行者の顔の画像を含むメッセージを送信して、現在の携行者を正当な携行者と判定してよいか否かを問い合わせる。
S614において、認証部266は、ユーザ端末20から、上記のメッセージに対する応答を受信する。上記の応答に、キャッシュカードの現在の携行者の正当性が確認されたことを示す情報が含まれる場合(S614のYESの場合)、認証部266は、当該現在の携行者を正当な携行者と判定する。一方、上記の応答に、キャッシュカードの現在の携行者の正当性が確認されたことを示す情報が含まれない場合(S614のNOの場合)、ATM110は、例えば、取引を中止する旨をタッチパネル式ディスプレイ240に表示して、処理を終了する。
認証部266が、キャッシュカード現在の携行者は、当該キャッシュカードの正当な携行者であると判定した場合(S610のYES、及び、S614のYESの場合)、認証部266は、認証処理を実行する。その後、ATM110は、ユーザの指示に基づいてサービスを提供する。
図7は、認証部266における情報処理の他の例を概略的に示す。図7において、図6における情報処理と同一又は類似する処理については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。本実施形態によれば、ユーザがATM110の操作に関する指示を入力した場合の処理の一例が示される。
まず、S606において、カードリーダ230がキャッシュカードの識別情報を取得し、S620におけるユーザの認証処理が終了した後、S704において、3次元スキャナ220が、キャッシュカードの携行者の動作を記録する。制御部260は、3次元スキャナ220が取得した情報をメモリ264に格納する。S706において、タッチパネル式ディスプレイ240が、ATM110の操作に関するユーザの指示を受け付ける。
S708において、通信制御部262が、カードリーダ230が取得した識別情報と、タッチパネル式ディスプレイ240が取得した指示に対応する操作の種類に関する情報を管理サーバ120に送信して、当該識別情報で識別されるキャッシュカードが過去に使用されていた場合において、タッチパネル式ディスプレイ240が取得した指示に対応する操作がなされたときの携行者の動作を示す情報を要求する。通信制御部262は、管理サーバ120から取得した情報をメモリ264に格納する。
また、認証部266は、タッチパネル式ディスプレイ240が指示を受け付けた時点の前後において3次元スキャナ220が取得した情報と、通信制御部262が取得した情報とに基づいて、キャッシュカードの現在の携行者の正当性を判定する。認証部266が、キャッシュカード現在の携行者は、当該キャッシュカードの正当な携行者であると判定した場合(S610のYES、及び、S614のYESの場合)、S720において、制御部260がユーザの指示を受け付けて、当該指示に対応する処理を実行する。これにより、ユーザ認証処理により不正利用を防止することができなかった場合であっても、キャッシュカードの不正利用を防止することができる。
図8は、出力制御部268における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、ガイド情報を含む入力画面の生成方法が示される。まず、S802において、3次元スキャナ220がATM110のユーザの動作を検出する。S804において、通信制御部262が、カードリーダ230が取得した識別情報を管理サーバ120に送信して、当該識別情報に対応付けられた動作パターンを取得する。通信制御部262は、管理サーバ120から取得した情報をメモリ264に格納する。また、認証部266が、3次元スキャナ220が取得した情報と、通信制御部262が取得した情報とに基づいて、ユーザがガイド情報を必要としているか否かを判定する。
認証部266が、ユーザがガイド情報を必要としていると判定した場合、S806において、出力制御部268が、ガイド情報として出力する情報の種類を決定する。また、S808において、出力制御部268が、ガイド情報として出力する情報の出力態様の種類を決定する。その後、出力制御部268は、決定された情報の種類及び出力態様に基づいて、ガイド情報を含む入力画面を生成して、タッチパネル式ディスプレイ240に出力させる。
図9は、出力制御部268における情報処理の他の例を概略的に示す。本実施形態によれば、動作パターンの生成処理の一例が示される。まず、S902において、3次元スキャナ220が、ATM110のユーザの動作を検出する。3次元スキャナ220は、検出した動作をメモリ264に記録する。S904において、タッチパネル式ディスプレイ240が、ATM110の操作に関するユーザからの指示を受け付ける。次に、S906において、動作パターン生成部406は、メモリ264に記録された情報を検索して、タッチパネル式ディスプレイ240がユーザからの指示を受け付けた時点を含む予め定められた期間におけるユーザの動作に関する記録を抽出する。次に、動作パターン生成部406は、抽出されたユーザの動作に関する記録を処理して、上記の操作に対応する動作パターンを生成する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
また、本明細書には、下記の事項が開示されている。
[項目1]
有体物を識別する識別情報を上記有体物から取得する識別情報取得部と、
上記有体物の携行者が上記有体物を使用しているときの動作を示す第1動作情報を取得する第1動作情報取得部と、
上記有体物の上記識別情報に対応づけて記録されている、上記有体物が過去に使用されていたときの動作を示す第2動作情報を取得する第2動作情報取得部と、
上記第1動作情報及び上記第2動作情報に基づいて、上記有体物の携行者の正当性を判定する判定部と、
を備える、判定装置。
[項目2]
上記第1動作情報は、上記有体物の携行者が上記有体物を使用している期間の少なくとも一部における、上記携行者の身体の特定の部分の(i)軌跡、(ii)移動速度、(iii)形状又は大きさ、(iv)向き、及び、(v)上記携行者の身体の他の部分との位置関係の少なくとも1つに関する情報を含み、
上記第2動作情報は、上記有体物が過去に使用されていた期間の少なくとも一部における、上記携行者の身体の特定の部分の(i)軌跡、(ii)移動速度、(iii)形状、(iv)向き、及び、(v)上記携行者の身体の他の部分との位置関係の少なくとも1つに関する情報を含む、
項目1に記載の判定装置。
[項目3]
上記身体の特定の部分は、頭部、腕、手及び指の少なくとも1つを含む、
項目2に記載の判定装置。
[項目4]
上記有体物の携行者が上記有体物を使用しているときの動作、及び、上記有体物が過去に使用されていたときの動作の少なくとも一方は、(i)上記有体物の携行者が、上記有体物を収容する収容スペースから、上記有体物を取り出す動作、(ii)上記有体物の上記携行者が、上記有体物を上記識別情報取得部に近接させる又は挿入する動作、及び、(iii)上記有体物の上記携行者が、上記識別情報取得部における上記識別情報の取得処理の完了を待っている間の動作、(iv)上記有体物の前記携行者が、上記有体物を利用してサービスの提供を受けるための動作、(v)上記有体物の上記携行者が、上記有体物を上記収容スペースに収納する動作の少なくとも1つを含む、
項目1から項目3までの何れか一項に記載の判定装置。
[項目5]
上記有体物の携行者からの入力を受け付ける入力部と、
上記有体物の携行者が上記入力部に入力しているときの動作を示す第3動作情報を取得する第3動作情報取得部と、
上記有体物の上記識別情報に対応づけて記録されている、上記有体物の携行者が過去に上記入力部に入力していたときの動作を示す第4動作情報を取得する第4動作情報取得部と、
を備え、
上記判定部は、上記第3動作情報及び上記第4動作情報に基づいて、上記有体物の携行者の正当性を判定する、
項目1から項目4までの何れか一項に記載の判定装置。
[項目6]
上記判定部が、上記有体物の携行者が上記有体物の正当な携行者でないと判定した場合に、上記有体物の携行者及び上記有体物の正当な携行者の少なくとも一方に、当該判定結果を通知する通知部をさらに備える、
項目1から項目5までの何れか一項に記載の判定装置。
[項目7]
上記通知部は、上記判定部が、上記有体物の携行者が上記有体物の正当な携行者でないと判定した場合に、上記有体物の携行者の身体的特徴に関する情報を、上記有体物の正当な携行者の通信端末に送信する、
項目6に記載の判定装置。
[項目8]
上記判定部は、
上記有体物の正当な携行者の上記通信端末から、上記有体物の携行者の正当性に関する情報を取得し、
上記正当性に関する情報に、上記有体物の携行者の正当性が確認されたことを示す情報が含まれる場合、上記有体物の携行者を正当な携行者と判定する、
項目7に記載の判定装置。
[項目9]
コンピュータが、有体物を識別する識別情報を上記有体物から取得する識別情報取得段階と、
上記コンピュータが、上記有体物の携行者が上記有体物を使用しているときの動作を示す第1動作情報を取得する第1動作情報取得段階と、
上記コンピュータが、上記有体物の上記識別情報に対応づけて記録されている、上記有体物が過去に使用されていたときの動作を示す第2動作情報を取得する第2動作情報取得段階と、
上記コンピュータが、上記第1動作情報及び上記第2動作情報に基づいて、上記有体物の携行者の正当性を判定する判定段階と、
を有する、判定方法。
[項目10]
コンピュータを、項目1から項目8までに記載された何れか一項に記載の判定装置として機能させるためのプログラム。