JP6584296B2 - 3軸能動制御型磁気軸受及びその組立方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2のFIG5にも、同様な3軸能動制御型磁気軸受が記載されている。
永久磁石は、磁性体へ吸着する力が強いが、強度は弱いため、リング形状にした大形の永久磁石を磁気軸受内に組み込む場合、装置内の磁性体部品への吸着によって破損せずに、所定の位置へ永久磁石を組み込むことが難しい。
そのため、磁気軸受の組立作業が煩雑になってしまう問題があった。
これにより、大形なリング形状の永久磁石を使用する従来構造に比べて、磁気軸受の組立性が向上する。
更に、ラジアル制御用固定子の内周側のティースにラジアル巻線を各々巻回し、これら永久磁石及びラジアル巻線を既に組み込んだラジアル制御用固定子をスラスト制御用固定子に形成される空間内に収容する構成とすれば、組立性がより一層向上する。
ロータコア8及びシャフト9は、第1スラストステータコア1及び第2スラストステータコア2よりなる円筒状部分の中心を貫通している(図8、図9参照)。
この3軸能動制御型磁気軸受においては、軸支持力の発生原理は後述する通りであり、ロータコア8及びシャフト9が3軸支持力を受けて回転可能である。
先ず、図2に矢印で示すように、径方向に磁化された複数の永久磁石7をラジアルステータコア5の外周部に周方向等間隔に形成されたスリット5aへ各々挿入する(埋め込む)。
ラジアルステータコア5は、略リング状であり、スリット5aに挿入された永久磁石7の間には隙間を設ける。各永久磁石7として、平板形状の小型のものを使用すると、簡単に挿入でき、組立性が向上する。
ラジアルステータコア5は、ティース5bを少なくとも3個以上備える。
第1スラストステータコア1は、ロータコア8及びシャフト9を取り囲む円筒部分1aと、円筒部分1aの軸方向一方向側(紙面奥側)内向きに配置された円環状部分1bとからなる(図1、図8、図9参照)。
永久磁石7及びラジアル巻線6は、ラジアルステータコア5に既に組み込まれた状態で、第1スラストステータコア1に収容されるので、取り扱いが容易であり、組立性が向上する。
特に、リング形状にした大形の永久磁石を磁気軸受内に組み込む場合には、装置内の磁性体部品への吸着によって破損せずに、所定の位置へ永久磁石を組み込むことが難しかったが、そのようなことも起こらない。
第2スラストステータコア2は、円筒部分1aの軸方向他方向側(紙面手前側)内向きに取り付けられる円環状部分である。
図8ではスラスト力の発生原理を示し、永久磁石7によって発生する磁束φaを太い破線、スラスト巻線3,4に流れる電流によって発生する磁束φbを細い破線で示している。
これにより、大形なリング形状の永久磁石を使用する従来構造に比べて磁気軸受装置の組立性が向上する。
更に、ラジアルステータコア5の内周側のティース5bにラジアル巻線6を各々巻回し、これら永久磁石7及びラジアル巻線6を既に組み込んだラジアルステータコア5を第1スラストステータコア1及び第2スラストステータコア2に形成される空間内に収容する構成とすれば、組立性がより一層向上する。
即ち、実施例1では、第1スラストステータコア1は円筒部分1aと円環状部分1bとが一体であるところ、本実施例では、円筒部分1aを第1スラスト制御用固定子(第1スラストステータコア)11aとし、環状部分1bを第2スラスト制御用固定子(第2スラストステータコア)11bとし、これら第1スラストステータコア11aと第2スラストステータコア11bとを別部品とした。
つまり、スラスト制御用固定子は、実施例1では2部品より構成されるのに対し、本実施例では3部品より構成される。
従って、本実施例においては、図14に示すように、第1スラストステータコア11aの円筒部分の軸方向一方向側(図中右側)に第2スラストステータコア11bが取り付けられると共に第1スラストステータコア11aの円筒部分の軸方向他方向側(図中左側)に第3スラストステータコア12が取り付けられる。
なお、図13及び図14では、回転子であるロータコア及びシャフトは省略した。
上述した以外の構造については、実施例1に示す3軸能動制御型磁気軸受の構造と同様である。
先ず、実施例1と同様に、図2に矢印で示すように、径方向に磁化された複数の永久磁石7をラジアルステータコア5の外周部に周方向等間隔に形成されたスリット5aへ各々挿入する(埋め込む)。
次に、実施例1と同様に、図3に示すように、ラジアルステータコア5の内周側に形成された4ヶ所のティースにラジアル巻線6を各々巻く(巻回する)。
永久磁石7及びラジアル巻線6は、ラジアルステータコア5に既に組み込まれた状態で、第1スラストステータコア11aに収容されるので、取り扱いが容易であり、組立性が向上する点については実施例1と同様である。
特に、リング形状にした大形の永久磁石を磁気軸受内に組み込む場合には、装置内の磁性体部品への吸着によって破損せずに、所定の位置へ永久磁石を組み込むことが難しかったが、そのようなことも起こらない点についても実施例1と同様である。
即ち、永久磁石7及びラジアル巻線6を組み込んだラジアルステータコア5を間に挟んで、半径方向に巻いた二つのスラスト巻線3,4を第1スラストステータコア11aに収容する。
即ち、図12に示すように、永久磁石7及びラジアル巻線6を既に組み込んだラジアルステータコア5及びスラスト巻線3,4を間に挟んで、第1スラストステータコア11aの円筒部分の軸方向一方向側(図中奥側)に第2スラストステータコア11bを取り付けると共に第1スラストステータコア11aの円筒部分の軸方向他方向側(図中奥側)に第3スラストステータコア12を取り付ける。
なお、本実施例に係る3軸能動制御型磁気軸受の支持力発生原理も図8、図9に示す通りである。
1a 円筒部分
1b 円環状部分
2 第2スラストステータコア(第2スラスト制御用固定子)
3,4 スラスト巻線
5 ラジアルステータコア(ラジアル制御用固定子)
5a スリット
5b ティース
6 ラジアル巻線
7 永久磁石
8 ロータコア
9 シャフト
11a 第1スラストステータコア(第1スラスト制御用固定子)
11b 第2スラストステータコア(第2スラスト制御用固定子)
12 第3スラストステータコア(第3スラスト制御用固定子)
φa,φb,φc,φd 磁束
Claims (5)
- 3軸方向に軸支持力を発生する3軸能動制御型磁気軸受において、
前記軸支持力を受けて回転可能な回転子と、
前記回転子を取り囲む円筒部分と、前記円筒部分の軸方向一方向側に配置された円環状部分とを備えた第1スラスト制御用固定子と、
前記円筒部分の軸方向他方向側に取り付けられる円環状部分である第2スラスト制御用固定子と、
前記第1及び第2スラスト制御用固定子に形成される空間内に収容されるラジアル制御用固定子、ラジアル巻線、永久磁石及びスラスト巻線とを備え、
前記ラジアル制御用固定子は、略リング状であり、内周側にティースが少なくとも3個以上備えられると共に外周部に周方向等間隔にスリットが形成され、
前記ラジアル巻線は、前記ティースに各々巻回され、
前記永久磁石は、前記スリットに各々挿入され、
前記スラスト巻線の一方は、前記第1スラスト制御用固定子の前記円筒部分、前記円環状部分及び前記ラジアル制御用固定子との間において周方向に巻回され、前記スラスト巻線の他方は、前記第1スラスト制御用固定子の前記円筒部分、前記第2スラスト制御用固定子の前記円環状部分及び前記ラジアル制御用固定子との間において周方向に巻回され、
前記ラジアル巻線により前記ラジアル制御用固定子において径方向に発生するラジアル磁束と、前記永久磁石により前記ラジアル制御用固定子において放射状に、或いは、その逆に発生するバイアス磁束との重ね合わせによって生じる磁束密度の不平衡によって、前記回転子に対してラジアル方向2軸の軸支持力が発生する一方、
前記スラスト巻線により発生し、前記円環状部分から前記回転子又は前記円筒部分に向かって方向を変え、更に前記ラジアル制御用固定子へ方向を変えるスラスト磁束と、前記永久磁石により発生し、前記各円環状部分から前記回転子の中央に向かって、或いは、その逆に前記回転子の中央から前記各円環状部分に向かって方向をそれぞれ変えるバイアス磁束との重ね合わせによって生じる磁束密度の不平衡によって、前記回転子に対してスラスト方向1軸の軸支持力が発生する
ことを特徴とする3軸能動制御型磁気軸受。 - 3軸方向に軸支持力を発生する3軸能動制御型磁気軸受において、
前記軸支持力を受けて回転可能な回転子と、
前記回転子を取り囲む円筒部分よりなる第1スラスト制御用固定子と、
前記円筒部分の軸方向一方向側に取り付けられる円環状部分である第2スラスト制御用固定子と、
前記円筒部分の軸方向他方向側に取り付けられる円環状部分である第3スラスト制御用固定子と、
前記第1、第2及び第3スラスト制御用固定子に形成される空間内に収容されるラジアル制御用固定子、ラジアル巻線、永久磁石及びスラスト巻線とを備え、
前記ラジアル制御用固定子は、略リング状であり、内周側にティースが少なくとも3個以上備えられると共に外周部に周方向等間隔にスリットが形成され、
前記ラジアル巻線は、前記ティースに各々巻回され、
前記永久磁石は、前記スリットに各々挿入され、
前記スラスト巻線の一方は、前記第1スラスト制御用固定子、前記第2スラスト制御用固定子及び前記ラジアル制御用固定子との間において周方向に巻回され、前記スラスト巻線の他方は、前記第1スラスト制御用固定子、前記第3スラスト制御用固定子及び前記ラジアル制御用固定子との間において周方向に巻回され、
前記ラジアル巻線により前記ラジアル制御用固定子において径方向に発生するラジアル磁束と、前記永久磁石により前記ラジアル制御用固定子において放射状に、或いは、その逆に発生するバイアス磁束との重ね合わせによって生じる磁束密度の不平衡によって、前記回転子に対してラジアル方向2軸の軸支持力が発生する一方、
前記スラスト巻線により発生し、前記円環状部分から前記回転子又は前記円筒部分に向かって方向を変え、更に前記ラジアル制御用固定子へ方向を変えるスラスト磁束と、前記永久磁石により発生し、前記各円環状部分から前記回転子の中央に向かって、或いは、その逆に前記回転子の中央から前記各円環状部分に向かって方向をそれぞれ変えるバイアス磁束との重ね合わせによって生じる磁束密度の不平衡によって、前記回転子に対してスラスト方向1軸の軸支持力が発生する
ことを特徴とする3軸能動制御型磁気軸受。 - 前記永久磁石は、平板形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の3軸能動制御型磁気軸受。
- 請求項1記載の3軸能動制御型磁気軸受を組み立てる方法において、
(A)前記永久磁石を前記スリットに各々挿入する工程と、
(B)前記ラジアル巻線を前記ティースに各々巻回する工程と、
(C)前記スラスト巻線を第1スラスト制御用固定子内に収容する工程と、
(D)前記永久磁石が前記スリットに各々挿入されると共に前記ラジアル巻線が前記ティースに各々巻回された前記ラジアル制御用固定子を前記スラスト巻線が既に収容された前記第1スラスト制御用固定子内に更に収容する工程と、
(E)前記永久磁石が前記スリットに各々挿入されると共に前記ラジアル巻線が前記ティースに各々巻回された前記ラジアル制御用固定子及び前記スラスト巻線が既に収容された第1スラスト制御用固定子内に更に前記スラスト巻線を収容する工程と、
(F)前記永久磁石が前記スリットに各々挿入されると共に前記ラジアル巻線が前記ティースに各々巻回された前記ラジアル制御用固定子及び二つの前記スラスト巻線が既に収容された前記第1スラスト制御用固定子に前記第2スラスト制御用固定子を取り付ける工程と、
を含むことを特徴とする3軸能動制御型磁気軸受の組立方法。 - 請求項2記載の3軸能動制御型磁気軸受を組み立てる方法において、
(G)前記永久磁石を前記スリットに各々挿入する工程と、
(H)前記ラジアル巻線を前記ティースに各々巻回する工程と、
(I)前記永久磁石が前記スリットに各々挿入されると共に前記ラジアル巻線が前記ティースに各々巻回された前記ラジアル制御用固定子を前記第1スラスト制御用固定子内に収容する工程と、
(J)前記永久磁石が前記スリットに各々挿入されると共に前記ラジアル巻線が前記ティースに各々巻回された前記ラジアル制御用固定子が既に収容された第1スラスト制御用固定子内に更に二つの前記スラスト巻線を各々収容する工程と、
(K)前記永久磁石が前記スリットに各々挿入されると共に前記ラジアル巻線が前記ティースに各々巻回された前記ラジアル制御用固定子及び二つの前記スラスト巻線が既に収容された前記第1スラスト制御用固定子に前記第2及び第3スラスト制御用固定子を取り付ける工程と、
を含むことを特徴とする3軸能動制御型磁気軸受の組立方法。
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