JP6583708B2 - 切削力適応制御方法及び切削力適応制御システム - Google Patents
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加工状況を把握する一つの指標として切削力が挙げられる。切削力はその時の加工状態を表し、また加工面の精度に影響する工具や被削材の変形量を予測するための有用な情報である。しかし、加工中の切削力を検出する切削力センサを工作機械に取付けることは、コストや耐久性の観点で現実的には難しい。
機械加工の中で加工プロセスを制御する方法として、加工中の切削力をフィードバックして工具送り速度を制御する適応制御の研究が行われているが、上述の如く、実用化に際しては、コストや耐久性の観点で切削力センサの設置が困難、またセンサレスでは精度や分解能の観点で切削力のモニタリングが困難といった問題がある。
工具送り速度については、製品表面に近い加工除去領域では工具送り速度を遅く,製品表面から離れた加工除去領域では送り速度を早く加工することが望まれることから、加工除去領域のボクセル属性値に、製品表面からの距離に対応した工具送り速度を設定する。具体的には、製品表面近傍のボクセルに境界条件として工具送り速度の下限値を設定し、製品表面近傍以外のボクセルに初期条件として工具送り速度の上限値を設定し、拡散方程式を用いたボクセル属性値(工具送り速度)の設定している。
かかる状況に鑑みて、本発明は、切削力をモニタリングするのではなく、切削力をリアルタイムで予測し、予測した切削力を適応制御に反映する切削力適応制御方法及びシステムを提供することを目的とする。
本発明の方法によれば、切削力センサを用いず、加工中の切削負荷(切削力あるいは切削トルク)をリアルタイムで予測し、予測した切削力あるいは切削トルクに応じて切削条件を逐次変更することにより適応制御を行うことができる。すなわち、切削加工中にリアルタイムで工具の切削力あるいは切削トルクを予測し、予測した切削力あるいは切削トルクに基づいて、工作機械に対する切削加工指令を修正し、修正された切削加工指令を工作機械に逐次出力して適応制御を行う。また、修正された切削加工指令をフィードバックして、工作機械の工具経路を再生成する。
ここで、切削加工指令は、工具移動指令、工具送り速度、工具送り停止指令、工具交換指令、主軸回転速度など対象とする工作機械を操作するための指令を意味する。
1)切削加工中の被削材をボクセルモデルで表現するステップ
2)リアルタイム性のある微小時間経過後、切削加工指令値に基づく切削後の被削材をボクセルモデルで表現するステップ
3)上記1)のボクセルモデルと上記2)のボクセルモデルの差分から実切込み厚さ方向のボクセル個数を求め、ボクセル個数とボクセルサイズから、実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測するステップ
4)予測された切削力から切削トルクを算出するステップ
5)算出した切削トルクと目標切削トルクとを比較して、目標範囲に収まるように次の微小時間の切削加工指令値を決定するステップ
6)決定された切削加工指令値を工作機械に出力するステップ
上記3)では、現時点の被削材のボクセルモデルと、微小時間経過後の切削後の被削材のボクセルモデルの差分から、実切込み厚さ方向のボクセル個数を求める。具体的には、工具切れ刃のすくい面を平面で近似し、工具回転角度の関数として工具軸を中心に回転掃引して、切れ刃によって除去される実切込み厚さ方向のボクセル個数を求める。ボクセルが立方体であれば、1辺の長さとボクセル個数から、実切込み厚さのx方向成分、y方向成分が求まるので、三平方の定理から実切込み厚さを求める。実切込み厚さを微小時間ごとに離散的に演算し、切削力を推定する。これにより、数式に依らず実切込み厚さが求められるため、工具切れ刃と被削材の関係が非一様な場合でも切削力を推定することができる。
また、上記5)の切削加工指令値を決定するステップにおいて、切削力や切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に、切削加工を停止し、切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、切削加工指令値を許容範囲の最大値とすることでもよい。
切削力の予測は、具体的には、工具切れ刃のすくい面を平面で近似し、工具回転角度の関数として工具軸を中心に回転掃引して、切れ刃によって除去される実切込み厚さ方向のボクセル個数を求める。また、切削加工パラメータを変更するとは、具体的には、切削力あるいは切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に工具送り速度を0(ゼロ)とし工具を停止するようにしたり、切削力あるいは切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、工具送り速度を許容範囲の最大値に変更したりする。
本発明の切削力適応制御システムは、NCプログラムを用いず、工作機械の工具経路を生成する工具経路生成部を有し、工作機械に対して切削加工中に切削加工指令を動的に変更して逐次出力する適応制御システムにおいて、被削材をボクセルモデルで表現して、生成された前記工具経路を用いて、実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測する切削力シミュレータ部と、予測した切削力あるいは切削トルクが目標範囲に収まるように、切削加工指令を動的に変更して逐次出力する逐次指令部を備える。
本発明の切削力適応制御システムによれば、切削力センサを用いず、加工中の切削負荷(切削力あるいは切削トルク)をリアルタイムで予測し、予測した切削力あるいは切削トルクに応じて切削条件を逐次変更することにより適応制御を行うことができる。
a)切削加工中の被削材をボクセルモデルで表現する手段
b)リアルタイム性のある微小時間経過後、切削加工指令値に基づく切削後の被削材をボクセルモデルで表現する手段
c)上記a)のボクセルモデルと上記b)のボクセルモデルの差分から実切込み厚さ方向のボクセル個数を求め、ボクセル個数とボクセルサイズから、実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測する手段
d)予測された切削力から切削トルクを算出する手段
e)算出した切削トルクと目標切削トルクとを比較して、目標範囲に収まるように次の微小時間の切削加工指令値を決定する手段
f)決定された切削加工指令値を工作機械に出力する手段
上記e)の切削加工指令値を決定する手段において、切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に、切削加工を停止し、切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、切削加工指令値を許容範囲の最大値とする。
ここで、切削加工指令値は、工具送り速度であり、切削加工中の切削負荷をフィードバッグして工具送り速度を増減することにより、シミュレーションで予測される切削負荷(切削力あるいは切削トルク)に応じて工具送り速度を増減するといった適用制御を行うことが可能になる。
数値制御の工作機械は、NC工作機械あるいはCNC工作機械であり、NCプログラムに基づいて運転される。また、切削力の予測は、エンドミルの場合、工具切れ刃のすくい面を平面で近似し、工具回転角度の関数として工具軸を中心に回転掃引して、切れ刃によって除去される実切込み厚さ方向のボクセル個数を求める。また、切削加工パラメータを変更するとは、具体的には、切削力あるいは切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に工具送り速度を0(ゼロ)とし工具を停止するようにしたり、切削力あるいは切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、工具送り速度を許容範囲の最大値に変更したりする。
現在、機械加工を行う工作機械に切削加工中の切削力を検出する切削力センサが組み込まれておらず、切削加工中の切削力をフィードバックして切削加工プロセスを制御することが行われていない。切削加工プロセスを制御していない現状では、切削加工中の異常や外乱に対処できないため、試し削りを行わざるを得ず、試し削りのための時間を浪費したり、加工条件を抑制し(加工効率を下げて)安全を確保していたが、本発明によって、切削加工中の異常や外乱に対処できるようになり、加工効率を下げることなく安全を確保することができる。
上述の如く、本発明で用いる切削力シミュレーションは、被削材をボクセルモデルで表現して実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測するものである。従来、エンドミル加工の切削力を予測する種々の切削モデルが提案されており、下記5種類に主に分類される。
(1)平均切削力モデル (Average Rigid Force, Static Deflection Model)
(2)瞬間切削力モデル (Instantaneous Rigid Force Model)
(3)瞬間切削力モデル,静変形モデル (Instantaneous Rigid Force, Static Deflection Model)
(4)工具変形を考慮した瞬間切削力モデル (Instantaneous Force with Static Deflection Feedback Model)
(5)切り屑再生効果を考慮した瞬間切削力モデル,動変形モデル (Regenerative Force, Dynamic Deflection Model)
瞬間切削力モデルでは、エンドミルを工具回転軸方向に沿って微小薄板要素に分割して個々の要素ごとに微小切削力を計算し、微小切削力を力の方向を考慮しながら足し合わせることによって、工具全体の切削力を求める。
そこで、本発明では、被削材の形状が複雑に変化する実加工の状態で切削力を予測するために、数学モデルに依らず、ボクセルモデルを用いてエンドミル加工の切削力シミュレーションを行う。
図11に、エンドミルの瞬間切削力モデルを示す。座標系は工具送り方向をx,工具軸方向をz,それらと直角な方向をyとしている。エンドミルは、一般的に複数の切れ刃があるが、ここではそのうちの一つの刃に着目し、エンドミルを工具回転軸方向に沿って微小薄板要素に分割する。通常、エンドミルの切れ刃はねじれており、薄板要素ごとに切れ刃の位置が異なるため、工具先端(z=0)を基準とすると、そこから要素ごとに遅れが生じ、その遅れ角は工具ねじれ角をi、工具半径をR0とすると下記数式1で表される。
本発明で用いる切削力の予測手順について説明する。
(手順1)先ず、被削材をボクセルで表現して、工具切れ刃を面で近似する。
(手順2)次に、切れ刃を微小回転角度だけ回転させて切削除去されるボクセルを検出し、x方向成分hx(θ,z)とy方向成分hy(θ,z)を求めて、上記数式7から実切込み厚さh(θ,z)を求める。
(手順3)さらに、上記数式2に求めた値を代入して、1枚の薄板要素に作用する切削力を求める。
(手順4)そして、全ての薄板要素の切削力を足し合わせることにより、全体の切削力を予測する。
図15(1)に示すように、工具切れ刃が通過したか、あるいは、通過してないかの判定方法は、ボクセルの中心の座標と工具切れ刃との距離をd、ボクセルの一辺の長さをlとし、下記数式8の条件を満たせば、工具切れ刃がボクセルを通過したと判定する。なお、数式8の右辺はボクセルの中心と工具切れ刃の距離が最大のときの長さである。
また、求めた実切込み厚さh(θ,z)の値を上記数式2に代入すれば、エンドミルの1枚の薄板要素に作用する切削力が得られる。これを薄板要素ごとに求める。但し、2枚目以降は、遅れ角を考慮して工具切れ刃を回転させていく。そして、全ての薄板要素に作用する切削力を足し合わせることにより、工具に作用する全体の切削力を求めることができる。ここで、ボクセルに精密なボクセルモデルを構築しようとすると、ボクセルの個数が膨大になってしまうため、工具切れ刃が切削除去する部分に、ボクセルのオクトツリー構造(1つのボクセルを8個に細分化したボクセルと置き換える構造)を使用して、精度を維持したままでボクセルの使用量を抑えている。
本発明の切削力シミュレーション結果と、従来の瞬間切削力モデルによって求めた切削力の推定結果を比べ、本発明の切削力の予測結果の妥当性を検証したところ、結果がよく一致しており、妥当性を確認できている。
以下の実施例では、被削材をボクセルモデルで表現して実切込み厚さを演算して切削力を求める上述の切削力シミュレーションを用いた切削力適応制御システムについて詳細に説明する。
切削力適応制御システムは、リアルタイムに工作機械の工具経路を生成する工具経路生成部と、被削材をボクセルモデルで表現して実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測する切削力シミュレータ部と、予測した切削力から算出した切削トルクに応じて、切削加工中に工具送り速度など切削加工指令を動的に変更する切削加工パラメータ変更部と、工具送り速度など切削加工指令をNCマシンに対して逐次出力する逐次指令部を備える。
切削力適応制御システムは、製品モデルと被削材(ワークピース)モデルの形状データ(CADデータ)を入力すると、CADデータに基づき、加工プロセス策定部が加工プロセスを策定し、工具経路生成部が工作機械の工具経路を生成する。工具経路生成部は、切削力シミュレータ部の切削力予測に基づいて工具経路を修正する。逐次指令部は、工具送り速度などの指令データをNCマシンに送る。
切削加工パラメータ変更部では、例えば、切削力あるいは切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に工具送り速度を0(ゼロ)とし工具を停止したり、切削力あるいは切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、工具送り速度を許容範囲の最大値に変更する。
仮想倣い加工システムは、加工中に工具経路や加工条件が変更できる。従来の機械加工では実際の加工を始める前に工具経路をすべて事前に決定し、それをNCコードに置き換えてプログラムを作成する必要があるため、切削異常が起こらないように入念にプログラムを作成しているが、仮想倣い加工システムでは事前に用意されたプログラムによる指令ではなく、工具経路を実時間で生成し、加工中に指令を動的に変更することができる逐次指令といった加工を行う。
生成された工具経路データに基づく仮想倣い加工システムによる指令と、修正された工具送り速度を、仮想倣い加工システムにフィードバックし、それを反映した工具経路と工具送り速度を計算して工作機械に逐次指令する。このように、2つのシミュレータと工作機械がリアルタイムで通信しながら同時に動作することで、切削負荷のモニタリングが不要な適応制御を実現する。
(1)切削トルク≧危険トルクの場合
切削トルクはまず、危険トルクと比較される(S105)。トルクが危険トルクを超えていた場合、危険と判断して瞬時に加工を停止させる(S115)(修正後の新たな送り速度=0)。
(2)危険トルク>切削トルク>上限目標切削トルクの場合
切削トルクが危険トルクは超えないものの上限目標切削トルクより大きい場合(S106)には、工具送り速度を予め設定された割合で下方修正する(S116)。
(3)下限目標切削トルク > 切削トルクの場合
切削トルクが下限目標切削トルクよりも小さい場合(S107)には、送り速度を予め設定された割合で上方修正する(S117)。
(4)切削トルク=0
切削トルクがほとんど発生しないと予測される場合(S108)は、工具送り速度を許容範囲の最大速度1500(mm/min)まで上げることで、加工時間を短縮する(S118)。
(5)上限目標切削トルク≧切削トルク≧下限目標切削トルクの場合
切削トルクの値が加工状況に対して適切とされる目標切削トルクの範囲内である場合には、切削条件の修正は行わない。
本発明の切削力適応制御方法では、NCプログラムによる加工とは違い、加工中に工具送り速度を制御することで、加工効率を上げられることがわかる。また、工具送り速度が適切に修正されることで工具に作用する切削負荷も平準化されていており、切削トルクの急増による工具破損といった加工トラブルの回避にもつながる。
先ず、工作機械に工具,動力計,被削材,アタッチメントを取り付ける。予め作成しておいたNCプログラムを用いて加工を行う。被削材に作用する切削力を動力計で検出し、チャージアンプで増幅したものをデータレコーダに記録する。データレコーダに記録されたデータをコンピュータで解析を行う。
切削力シミュレーションを行うために必要な切削係数は、実際に加工実験を行って得られた平均切削力と切削モデルの平均切削力を比較して求める。実験は6つの異なる送り速度(0.025mm、0.05mm、0.075mm、0.1mm、0.125mm、0.15mm)を設定して直線加工を行って切削力を計測した。この実験で使用した工具や被削材,各種切削条件を下記表3に示す。
アップカット,ダウンカットともに、実験結果と予測結果が良く一致し、どの加工位置においても被削材の形状を考慮して切削力が予測できていることが確認できた。
切削力適応制御システムでは、CNC装置の工具位置指令生成部から工具位置データを受け取り、切削力シミュレータ部で、被削材をボクセルモデルで表現して実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測する。そして、切削加工パラメータ変更部で、予測した切削力から算出した切削力あるいは切削トルクに応じて、CNC装置の工具送り速度を変更する。
切削加工パラメータ変更部では、切削力あるいは切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に工具送り速度を0(ゼロ)とし工具を停止する。また、切削力あるいは切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、工具送り速度を許容範囲の最大値に変更する。
Claims (11)
- NCプログラムを用いず、工作機械の工具経路を生成し、前記工作機械に対して切削加工中に切削加工指令を動的に変更して逐次出力する方法であって、
被削材をボクセルモデルで表現して、生成された前記工具経路を用いて、実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測し、予測した切削力あるいは切削トルクが目標範囲に収まるように、前記切削加工指令を動的に変更して逐次出力すると共に、前記動的に変更された前記切削加工指令をフィードバックして前記工具経路をリアルタイムに再生成することを特徴とする切削力適応制御方法。 - 1)切削加工中の被削材をボクセルモデルで表現するステップ、
2)リアルタイム性のある微小時間経過後、切削加工指令値に基づく切削後の被削材をボクセルモデルで表現するステップ、
3)上記1)のボクセルモデルと上記2)のボクセルモデルの差分から実切込み厚さ方向のボクセル個数を求め、前記ボクセル個数とボクセルサイズから、実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測するステップ、
4)予測された切削力から切削トルクを算出するステップ、
5)算出した切削トルクと目標切削トルクとを比較して、目標範囲に収まるように次の微小時間の切削加工指令値を決定するステップ、
6)決定された切削加工指令値を工作機械に出力するステップ、
7)上記1)〜6)のステップを繰り返す、
ことを特徴とする請求項1に記載の切削力適応制御方法。 - 上記の切削力を予測するステップにおいて、
工具切れ刃のすくい面を平面で近似し、工具回転角度の関数として工具軸を中心に回転掃引して、切れ刃によって除去される実切込み厚さ方向のボクセル個数を求めることを特徴とする請求項2に記載の切削力適応制御方法。 - 上記の切削加工指令値を決定するステップにおいて、
前記切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に、切削加工を停止し、
前記切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、切削加工指令値を許容範囲の最大値とする、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の切削力適応制御方法。 - 前記切削加工指令値は、工具送り速度であり、切削加工中の切削負荷をフィードバッグして工具送り速度を増減することを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の切削力適応制御方法。
- NCプログラムを用いず、工作機械の工具経路を生成する工具経路生成部を有し、切削加工パラメータで制御され、前記工作機械に対して切削加工中に切削加工指令を動的に変更して逐次出力する逐次指令部を備えた適応制御システムであって、
被削材をボクセルモデルで表現して、生成された前記工具経路を用いて、実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測する切削力シミュレータ部と、
予測した切削力あるいは切削トルクが目標範囲に収まるように、前記切削加工パラメータを動的に変更する切削加工パラメータ変更部、
を備え
前記動的に変更された前記切削加工パラメータに応じて、前記切削加工指令を動的に変更して逐次出力すると共に、前記動的に変更された前記切削加工指令をフィードバックして前記工具経路をリアルタイムに再生成することを特徴とする切削力適応制御システム。 - 前記切削力シミュレータ部は、
1)切削加工中の被削材を第1のボクセルモデルで表現する手段と、
2)リアルタイム性のある微小時間経過後、切削加工指令値に基づく切削後の被削材を第2のボクセルモデルで表現する手段と、
3)上記1)のボクセルモデルと上記2)のボクセルモデルの差分から実切込み厚さ方向のボクセル個数を求め、前記ボクセル個数とボクセルサイズから、実切込み厚さを離散的に演算して切削力を予測する手段、を備え、
前記逐次指令部は、
4)予測された切削力から切削トルクを算出する手段、
5)算出した切削トルクと目標切削トルクとを比較して、目標範囲に収まるように次の微小時間の切削加工指令値を決定する手段、
6)決定された切削加工指令値を前記工作機械に出力する手段、
を備えることを特徴とする請求項6に記載の切削力適応制御システム。 - 上記の切削力を予測する手段において、
エンドミルの場合、工具切れ刃のすくい面を平面で近似し、工具回転角度の関数として工具軸を中心に回転掃引して、切れ刃によって除去される実切込み厚さ方向のボクセル個数を求めることを特徴とする請求項7に記載の切削力適応制御システム。 - 上記の切削加工指令値を決定する手段において、
前記切削トルクが、継続加工は危険と判断される閾値を超える場合に、切削加工を停止し、
前記切削トルクが、略0(ゼロ)の場合に、切削加工指令値を許容範囲の最大値とする、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の切削力適応制御システム。 - 前記切削加工指令値は、工具送り速度であり、切削加工中の切削負荷をフィードバッグして工具送り速度を増減することを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の切削力適応制御システム。
- 請求項2〜5の何れかに記載の切削力適応制御方法に含まれる前記1)乃至7)のステップをコンピュータに実行させるための切削力適応制御プログラム。
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JP2016162149A (ja) | 2016-09-05 |
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