JP6583150B2 - シーラー塗布要件チェック装置、シーラー塗布要件チェックプログラム、及び記憶媒体 - Google Patents
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また、本発明のシーラー塗布要件チェックプログラムは、コンピュータに、ワークを構成する複数の部品の3次元データと、前記部品のうち、重ね合わせする上側部品と下側部品間に設定されたシーラー線の3次元データを記憶する記憶部と、前記部品に穴がある場合に、該穴を塞ぐ閉塞面を形成する閉塞面形成部と、前記シーラー線と直交するシーラー幅内に位置する干渉検出子を生成する干渉検出子生成部と、前記干渉検出子を前記シーラー線上に沿わせて所定量移動させる毎に、前記閉塞面と前記干渉検出子との干渉の有無をチェックする干渉チェック部と、前記干渉チェック部のチェック結果を出力する出力部として機能させるものである。
前記シーラー線は、前記ワーク上の部品間において、シーラーを施すべきラインであり、すなわち、相互に重ね合わせする上側部品の側縁と下側部品間に設定されたラインであって、3次元データからなる。すなわち、前記シーラー線は、前記ワークに施工されるシーラーに関する複数のシーラー線がある。また、ワーク毎に、前記シーラー線が関連付けられている。シーラーの仕上げタイプは、シーラー塗布後に、仕上げ用へら及びハケを使用して仕上げを行うか、否かの情報等のシーラーの仕上げの種類である。
上記のように構成されたシーラー塗布要件チェック装置10の作用を説明する。
図2は、前記シーラー塗布要件チェックプログラムに従ってCPU100が実行する穴ラップチェックのフローチャートであって、シーラーの塗布可否のフローチャートである。シーラー塗布要件チェックプログラムは、上側部品Wb1のシーラー塗布領域には、穴がないワークに対応したシーラー塗布要件チェックプログラムであって、シーラー線の近傍に設けられたシール禁止の穴に対してはシーラーを塗布しないようにすることを目的としている。
(S10)
図2に示すようにS10では、CPU100は、記憶装置130から、前記識別コードに対応するワークの3次元データ、すなわち、種々の部品が組み付けられたワーク、並びに、そのワークに関連付けられたシーラー線、シーラーの仕上げタイプ、及び部品情報を読み込む。前記ワークの3次元データは、前記種々の部品の3次元データを、ワークを構成するように組み付けた場合のデータである。
S20では、CPU100は、前記部品情報に基づいて、前記ワークを構成している部品の3次元データに部品の板厚を、板厚方向に従って作成し前記表示画面160aに表示する。例えば、図3(a)は、部品Wb1,Wb2の板厚を付与する前の画像を示し、図3(b)は部品Wb1,Wb2の板厚を付与した後の画像を示している。なお、図3(a)、図3(b)において、部品Wb1,Wb2の境界線L(すなわち、両部材の板合わせ部分)を実線で示し、シーラー線SEを一点鎖線で示している。また、図3(a)及び図3(b)においては、実際にはシーラー線SEは境界線Lと同じ線上にあるが、説明の便宜上、若干ずらして平行に図示している。ここで、部品Wb1は上側部品に相当し、部品Wb2は下側部品に相当する。すなわち、上側部品は、重ね合わせする部品の中で、シーラーが施される際にシーラーを塗布するシーラーガン(図示しない)に近位に位置する側の部品を指す。また、下側部品は、重ね合わせする部品の中で、前記シーラーガン(図示しない)に遠位に位置する側の部品を指す。
S30では、CPU100は穴の検出を行う。具体的には、まず、CPU100は、上側部品Wb1を除いた下側部品Wb2においては、上側部品Wb1が重ね合っていない側の面に、エッジがあるか否かを判定する。また、CPU100は、下側部品Wb2の裏面側(すなわち、上側部品Wb1が位置する面とは反対側の面側)に重ね合せている裏側部品Wb3(図4(a)参照)について、穴のエッジがあるか否かを判定する。
S40では、CPU100は、S30で検出した穴を閉塞する閉塞面haを形成する。図4(b)の例では、下側部品Wb2の穴h1、及び裏側部品Wb3の穴h2がそれぞれソリッドモデルの閉塞モデルhg1、hg2により閉塞され、その閉塞モデルhg1、hg2の上面を閉塞面ha1、ha2としている。なお、個別の閉塞モデルhg1、hg2でなく、閉塞モデルを代表として説明するときは、符号をhgで説明する。
図2に示すS50〜S80は、ループ処理であって、前記シーラー線SEの始端から開始して、これらの処理を行い、シーラー線SEの終端に達するとこのループ処理を終了し、S90に移行する。
S50では、CPU100は、シーラー幅Sw全体に亘って複数の干渉検出子Kn(nは生成する個数:n=1,2,3,…)のソリッドモデルを等ピッチで生成する。前記ピッチは、例えば、1〜数mmが好ましい。シーラー幅Swは、シーラー線SEに直交しており、シーラー線SEは、シーラー幅Swの中央、または略中央に位置する。なお、複数の干渉検出子Knを配置する場合、等ピッチに配置することに限定するものではない。例えば、上側部品Wb1がない領域であって、下側部品Wb2に対応配置する側の干渉検出子のピッチについては、上側部品Wb1に対応配置する干渉検出子のピッチよりも狭くしてもよい。
S60では、CPU100は、干渉検出子Knと干渉した部品等の識別コードを取得するとともに、当該干渉検出子の上端面から干渉した相手の上面までの距離とを測定する。前記距離は、具体的には、当該干渉検出子が干渉している部品等(上側部品Wb1、下側部品Wb2、裏側部品Wb3、閉塞モデルhg)の上面(閉塞面haを含む)と、干渉検出子の上端面間の距離である。
すなわち、CPU100は、干渉検出子Knが部品、或いは閉塞モデルhgと干渉しているか否かの検出を、干渉検出子Knの形状及び位置と、ソリッドモデルの上側部品Wb1、下側部品Wb2、裏側部品Wb3、及び閉塞モデルhgの形状及び位置とに基づいて、例えば、公知のブーリアン演算をすることにより行う。
例えば、1つの干渉検出子が下側部品Wb2と干渉し、かつ裏側部品Wb3の穴に設けられた閉塞モデルhgに干渉している場合、CPU100は、得られた距離の大小関係に基づいて、距離が短い方を下側部品とし、距離が長い方を裏側部品Wb3の穴に設けられた閉塞モデルhgと判定する。従って、このような場合には、閉塞モデルとの干渉によって穴の識別コード(ホール名)が取得されていても、S60の判定を「No」とする。
S70では、CPU100は、下側部品Wb2において検出した穴とシーラー幅Swとのラップ量を、穴を区切るエッジ(縁部)の3次元データ、閉塞モデルhgと干渉した干渉検出子の3次元データ等に基づいて測定(算出)する。
この場合は、穴h1のエッジにおいて、シーラー幅Sw内にあるエッジと、共通の閉塞モデルに干渉している干渉検出子のうち、前記シーラー幅内にあるエッジから最も遠い位置にある干渉検出子の軸心と、該エッジ間の距離をラップ量とする。
(S80)
S80では、CPU100は、NGフラグがセットされるとともに、シーラー幅Swの一部がラップしている穴に関して、前記ワークの3次元データ及び3次元データのシーラー線に基づいて、画像作成を行い、シーラー線毎に関連づけしてバッファに一旦記憶する。画像作成には、図8に示すワーク全体の画像(すなわち、全体図)の作成を含む。このワーク全体の画像において、太線はシーラー線SEを示している。このようにして、本実施形態では、判定対象のシーラー線SEの全体の画像を作成するようにしている。なお、判定対象のシーラー線SEの全体の画像が作成できるのであれば、ワーク全体の画像は必ずしも必要ではない。例えば、ワークの全体画像を作成すると、帳票作成の時に、判定対象のシーラー線SEの全体が極めて小さくなる場合には、ワーク全体ではなく、そのワークの一部に前記判定対象のシーラー線SEの全体が入るように作成してもよい。
(S90)
上記ループ処理が終了すると、CPU100はS90の処理を行う。すなわち、CPU100は複数(全数を含む)のシーラー線のチェックを行うための選択ボタンが選択されていた場合、シーラー線毎に、複数(全数を含む)のNGフラグがセットされた穴を、識別番号順に、3D座標を載せて結果リストを作成する。穴の3D座標は、ラップ量(最大値)が得られた座標である。なお、穴の3D座標は、ラップ量(最大値)が得られた座標に限定するものではなく、穴の中心位置、或いは始端位置、或いは終端位置であってもよい。
図10は、1つのシーラー線毎に作成した結果リストの一例である。
(S100)
S100では、CPU100は、操作者が表示画面160a上に表示された資料作成ボタンが、作業者のマウス180等による操作により押下されるまで待機する。前記資料作成ボタンが押下されると、CPU100は、図2に示すシーラー塗布要件チェックプログラムにおけるS110〜S130の帳票作成のための処理を実行する。
S110〜S130は、帳票作成のためのループ処理であり、CPU100は全てのシーラー線毎に繰り返して処理する。
S110では、CPU100は、S90で、シーラー線毎に作成した結果リストの識別番号順にシーラーがラップした穴があるか否かを、NGフラグに基づいて判定する。NGフラグがない場合には、次のシーラー線について同様に処理を行う。S110で、1つでもNGフラグがある場合には、CPU100はS120に移行する。
S120では、CPU100は前記結果リストの、シーラーがラップしている穴の識別番号毎に、予め設定されている帳票フォーマットに対してS80で作成した画像(全体図、拡大図、拡大断面図)を組み込む(貼付する)。なお、帳票フォーマットは、前記プログラムに予め記述されている。
(S130)
S130では、図7に示す前記帳票フォーマットにある「問題」の書き込み欄P2に対して、定型文「ラップ量がn mmあります。」を使用して、前記「n」に、当該ラップ量を入れて、コメントを作成する。また、CPU100は、ワークを構成している部品において、当該シーラー線に関係している部品の部品情報に基づいて部材の品番「○○○○○○○○」、「××××××××」すなわち記号作成を行う(図9参照)。なお、図9では、説明の便宜上、品番を省略して図示している。
(S140)
S140では、CPU100はループ処理で得られた帳票を表示装置160の表示画面160aに表示出力し、このフローチャートを終了する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・前記実施形態では、シーラー塗布要件チェック装置10を単一のコンピュータにより構成した。この構成に代えて、記憶部をサーバーとして分離して構成し、残りの各部を単一のコンピュータにより構成して、該コンピュータとサーバーとをLAN(Local Area Network)等により通信可能に接続してもよい。また、各部をそれぞれコンピュータにて構成し、LAN等により通信可能にできるように構成してもよい。
・前記各実施形態ではS80で拡大断面図を作成するようにしたが、拡大が必要でない場合には、単に断面図としてもよい。
SE…シーラー線、Kn…干渉検出子、ha,ha1,ha2…閉塞面、
hg1、hg2…閉塞モデル、
10…シーラー塗布要件チェック装置(コンピュータ)、
100…CPU(閉塞面形成部、干渉検出子生成部、干渉チェック部、及び出力部)、 110…ROM(記憶媒体)、120…RAM、
130…記憶装置(記憶部)、150…バス、160…表示装置、
160a…表示画面、170…キーボード、180…マウス、
190…プリンタ、200…シーラー断面、205…上側部品、
210…下側部品、210a…上面、210b…塗布領域、
210c…端部、210d…段。
Claims (5)
- ワークを構成する複数の部品の3次元データと、前記部品のうち、重ね合わせする上側部品と下側部品間に設定されたシーラー線の3次元データを記憶する記憶部と、
前記下側部品に穴がある場合に、該穴を塞ぐ閉塞面を形成する閉塞面形成部と、
前記シーラー線と直交するシーラー幅内に位置する干渉検出子を生成する干渉検出子生成部と、
前記干渉検出子を前記シーラー線上に沿わせて所定量移動させる毎に、前記閉塞面と前記干渉検出子との干渉の有無をチェックする干渉チェック部と、
前記干渉チェック部のチェック結果を出力する出力部を有するシーラー塗布要件チェック装置。 - 前記干渉検出子生成部は、前記干渉検出子を、前記シーラー幅内に複数形成するものである請求項1に記載のシーラー塗布要件チェック装置。
- コンピュータに、
ワークを構成する複数の部品の3次元データと、前記部品のうち、重ね合わせする上側部品と下側部品間に設定されたシーラー線の3次元データを記憶する記憶部と、
前記下側部品に穴がある場合に、該穴を塞ぐ閉塞面を形成する閉塞面形成部と、
前記シーラー線と直交するシーラー幅内に位置するとともに、干渉検出子を生成する干渉検出子生成部と、
前記干渉検出子を前記シーラー線上に沿わせて所定量移動させる毎に、前記閉塞面と干渉検出子との干渉の有無をチェックする干渉チェック部と、
前記干渉チェック部のチェック結果を出力する出力部として機能させるためのシーラー塗布要件チェックプログラム。 - コンピュータに、
前記干渉検出子生成部として機能させる際、前記干渉検出子を、前記シーラー幅内に複数形成する請求項3に記載のシーラー塗布要件チェックプログラム。 - 請求項3または請求項4に記載のシーラー塗布要件チェックプログラムを記憶する記憶媒体。
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