JP6583030B2 - 燃料電池単セル - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池単セルに関する。
従来、アノードと固体電解質層とカソードとを有する平板形の燃料電池単セルが知られている。
先行する特許文献1には、絶縁性材料からなり、複数の貫通孔を備えたハニカム構造をなす基板の各貫通孔内に第1の電極が充填されており、第1の電極面を含む基板前面に電解質層および第2の電極がこの順に形成されている固体酸化物形の燃料電池単セルが開示されている。
特開2005−322452号公報
ところで、アノードにおける燃料ガスのガス拡散性を向上させる手法としては、アノードの厚みを薄くし、造孔剤を用いて多孔質化を図る手法が一般的である。しかしながら、この手法によれば、アノード強度が低下する。アノード強度が低下すると、スタック時の応力や発電時の熱応力などによって燃料電池単セルが破損しやすくなる。
また、近年、燃料電池単セルには、高電流密度下での運転が求められている。高電流密度下での運転のためには、アノードにおける燃料ガスの拡散抵抗を低減し、固体電解質層寄りに存在する反応場へより速く燃料ガスを供給することが有効である。しなしながら、アノード内に形成された粒子間の隙間を通じて燃料ガスを拡散させる燃料電池単セルは、拡散抵抗の低減に限界がある。
なお、上述した従来技術では、絶縁性材料の貫通孔内に電極が充填されている。そのため、この技術によれば、充填された電極の気孔率が低くなり、高電流密度下での運転時に燃料ガスの拡散律速が発生し、発電性能の低下を招くおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、アノード強度を確保しつつ、燃料ガスの拡散抵抗を低減することが可能な燃料電池単セルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、アノード(2)と固体電解質層(3)とカソード(5)とを有し、上記アノードを支持体とする平板形の燃料電池単セル(1)であって、
上記アノードは、拡散層(21)と、該拡散層の上記固体電解質層側に配置された活性層(22)とを有しており、
上記拡散層は、ハニカム状に設けられた多孔質の隔壁(211)と、該隔壁により区画されるとともにアノード厚み方向に貫通する複数の貫通孔(212)とを有するハニカム構造体(210)より構成されており、
上記カソードの外形は、上記アノードの外形よりも小さく、
上記隔壁のうち、上記カソードを上記拡散層に投影した投影面(P)の内側に存在する内側隔壁(211a)の厚みは、上記投影面の外側に存在する外側隔壁(211b)の厚み以下である、燃料電池単セル(1)にある。
上記燃料電池単セルは、拡散層がハニカム構造体より構成されているので、アノード強度を十分に確保することができる。また、アノード強度を確保しやすいため、拡散層の厚みを薄くして燃料ガスのガス拡散性を向上させることもできる。また、ハニカム構造体は、ハニカム状に設けられた多孔質の隔壁と、隔壁により区画されるとともにアノード厚み方向に貫通する複数の貫通孔とを有している。そのため、拡散層に導入された燃料ガスは、貫通孔を通じて活性層の直下面まで速やかに到達することができる。それ故、上記燃料電池単セルは、燃料ガスの拡散抵抗を低減することができる。したがって、上記燃料電池単セルは、高電流密度下での運転時でも、燃料ガスの拡散律速が発生し難く、発電性能を確保しやすい。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
参考形態1の燃料電池単セルを模式的に示した斜視図である。 図1におけるII−II線断面を模式的に示した断面図である。 図1におけるIII−III線断面の一部を模式的に示した断面図である。 図2の変形例を示した断面図である。 図2の変形例を示した断面図である。 図2の変形例を示した断面図である。 図2の変形例を示した断面図である。 図2に対応させて、実施形態2の燃料電池単セルを模式的に示した断面図である。 実施形態3の燃料電池単セルにおける拡散層の一部を拡大して模式的に示した説明図である。
参考形態1)
参考形態1の燃料電池単セルについて、図1〜図7を用いて説明する。図1〜図7に例示されるように、本形態の燃料電池単セル1は、アノード2と固体電解質層3とカソード5とを有している。燃料電池単セル1は、材料の電気抵抗が下がり、高電流密度下での発電性能を向上させやすくなるなどの観点から、好ましくは500℃以上、より好ましくは550℃以上、さらに好ましくは600℃以上、さらにより好ましくは650℃以上で使用することができる。また、燃料電池単セル1は、スタック化する際に用いられる金属セパレータの耐熱性、セパレータに含まれうるCr成分の蒸発抑制などの観点から、好ましくは900℃以下で使用することができる。なお、固体電解質層3の固体電解質として固体酸化物セラミックスを用いる燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)と称される。
燃料電池単セル1は、固体電解質層3とカソード5との間に中間層4をさらに備えることができる。中間層4は、主に、固体電解質層材料とカソード材料との反応を抑制するための層である。本形態では、燃料電池単セル1は、具体的には、アノード2、固体電解質層3、中間層4、および、カソード5がこの順に積層され、互いに接合されている。燃料電池単セル1は、電極であるアノード2を支持体とするアノード支持型である。なお、燃料電池単セル1は、平板形である。各図では、燃料電池単セル1の外形が四角形状である例が示されているが、他にも、円形状等の形状とすることもできる。また、カソード5の外形は、アノード2の外形よりも小さく形成されている。
燃料電池単セル1において、アノード2は、拡散層21と活性層22とを有している。拡散層21は、主に、アノード2に導入される燃料ガスFを拡散させる層である。活性層22は、拡散層21の固体電解質層3側に配置されている。活性層22は、主に、アノード反応の場となる層である。なお、拡散層21と活性層22とは、互いに接合されている。本形態において、新鮮な燃料ガスFは、層面21aを介して拡散層21の内部に導入される。また、アノード反応により生じた水蒸気を含む排気ガスは、層面21aを介して拡散層21の外部に導出される。
ここで、アノード2における拡散層21は、ハニカム状に設けられた多孔質の隔壁211と、隔壁211により区画されるとともにアノード厚み方向に貫通する複数の貫通孔212とを有するハニカム構造体210より構成されている。なお、符号213は、外周壁である。本実施形態では、外周壁213の周面は、角形状に形成されている。
隔壁211は、外周壁213内に設けられ、拡散層21の骨格をなす。隔壁211は、多数の孔部(不図示)を含むとともに、電気導電性を有している。隔壁211は、例えば、触媒金属と絶縁材料とを含む混合物より形成することができる。この場合には、アノード強度と電気導電性とを確保しやすい。
触媒金属としては、例えば、Ni、NiO、NiFe合金などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。なお、NiOは、発電時の還元雰囲気でNiとなる。
絶縁材料は、具体的には、線熱膨張係数が5×10−6〜15×10−6/Kの範囲内にあるとよい。この場合には、固体電解質層3等の他の部位との熱膨張差を小さくしやすいので、燃料電池単セル1の昇温、降温時に生じる熱応力等によって燃料電池単セル1が破損し難くなる。また、反りの少ない燃料電池単セル1を得やすくなる。
絶縁材料の線熱膨張係数は、上記効果を確実なものとする、熱サイクル時のセルの破損を抑制しやすくなる等の観点から、好ましくは6×10−6/K以上、より好ましくは7×10−6/K以上、さらに好ましくは8×10−6/K以上とすることができる。また、絶縁材料の線熱膨張係数は、上記効果を確実なものとする、熱サイクル時のセルの破損を抑制しやすくなる等の観点から、好ましくは14×10−6/K以下、より好ましくは13×10−6/K以下、さらに好ましくは12×10−6/K以下とすることができる。なお、絶縁材料の線熱膨張係数は、基本的には、JIS R1618:2002 「ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法」に準拠して測定される。具体的には、絶縁材料より形成した試料を、全膨張式熱機械分析装置にセットし、温度を10℃/分の昇温速度で上げていく。温度TがT(=100℃)からT(=700℃)に上がるまでに、試料は長さLからLまで膨張する。この際の線熱膨張係数(/K)を、(dL/dT)T=T1/Lの計算式より算出する。但し、(dL/dT)T=T1は、温度TがTのときにおける長さ曲線の傾きである。
絶縁材料としては、例えば、ジルコニア、マグネシア、アルミナなどを例示することができる。ジルコニアとしては、具体的には、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等を例示することができる。絶縁材料は、1種または2種以上併用することができる。本形態では、絶縁材料として、具体的には、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いることができる。
隔壁211の厚みは、アノード強度を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上、さらに好ましくは100μm以上とすることができる。また、隔壁211の厚みは、発電性能の向上などの観点から、好ましくは150μm以下、より好ましくは125μm以下、さらに好ましくは100μm以下とすることができる。
拡散層21を構成するハニカム構造体210において、貫通孔212は、アノード厚み方向に沿って貫通している。ハニカム構造体210は、アノード厚み方向に垂直な断面視で、八角形、六角形、四角形、三角形、および、これらの組み合わせからなる群より選択される1種の形状を有する構成とすることができる。
この場合には、アノード強度を確保しつつ、燃料ガスFの拡散抵抗を低減することが可能な燃料電池単セル1を得やすくなる。なお、図2は、断面六角形状の貫通孔212を有するハニカム構造体210の例である。燃料電池単セル1において、拡散層21は、具体的には、例えば、図4〜図7に例示されるハニカム構造体210より構成することもできる。図4は、断面三角形状の貫通孔212を有するハニカム構造体210の例である。同様に、図5は、断面四角形状の貫通孔212を有するハニカム構造体210の例である。図6は、断面六角形状の貫通孔212と断面三角形状の貫通孔212との組み合わせを含むハニカム構造体210の例である。図7は、断面八角形状の貫通孔212と断面四角形状の貫通孔212との組み合わせを含むハニカム構造体210の例である。
拡散層21の厚みは、支持体としての強度確保、材料抵抗の低減等の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上とすることができる。拡散層21の厚みは、ガス拡散性の向上等の観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは700μm以下とすることができる。本形態では、拡散層21の厚みは、具体的には、400μmとすることができる。
アノード2における活性層22は、多数の孔部(不図示)を含む。活性層22の材料としては、例えば、Ni、NiO等の触媒と上記ジルコニア等の固体電解質との混合物などを例示することができる。本形態では、活性層22の材料として、具体的には、NiまたはNiOとイットリア安定化ジルコニアとの混合物を用いることができる。
活性層22の厚みは、電極反応抵抗の低減等の観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下とすることができる。本形態では、活性層22の厚みは、具体的には、25μmとすることができる。
燃料電池単セル1において、固体電解質層3の材料としては、強度、熱的安定性に優れる等の観点から、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の酸化ジルコニウム系酸化物を好適に用いることができる。固体電解質層3の材料としては、イオン伝導度、機械的安定性、他の材料との両立、空気雰囲気から燃料ガス雰囲気まで化学的に安定である等の観点から、イットリア安定化ジルコニアが好適である。本形態では、固体電解質層3の材料として、具体的には、イットリア安定化ジルコニアを用いることができる。
固体電解質層3の厚みは、オーミック抵抗の低減などの観点から、好ましくは3〜20μm、より好ましくは4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μmとすることができる。本形態では、固体電解質層3の厚みは、具体的には、5μmとすることができる。
燃料電池単セル1において、カソード5の材料としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物などを例示することができる。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、具体的には、例えば、LaSr1−xCoO系酸化物、LaSr1−xCoFe1−y系酸化物、SmSr1−xCoO系酸化物(但し、上記において、0≦x≦1、0≦y≦1)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。本形態では、カソード5の材料として、具体的には、LaSr1−xCoFe1−y系酸化物(0≦x≦1、0≦y≦1)を用いることができる。
カソード5の厚みは、ガス拡散性、電極反応抵抗、集電性などの観点から、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜80μmとすることができる。本形態では、カソード5の厚みは、具体的には、50μmとすることができる。
燃料電池単セル1において、中間層4の材料としては、例えば、CeO、または、CeOにGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。本形態では、中間層4の材料として、具体的には、CeOにGdがドープされたセリア系固溶体を用いることができる。
中間層4の厚みは、オーミック抵抗の低減、カソードからの元素拡散の抑制等の観点から、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜5μmとすることができる。本形態では、中間層4の厚みは、具体的には、3μmとすることができる。
燃料電池単セル1は、拡散層21がハニカム構造体210より構成されているので、アノード強度を十分に確保することができる。また、アノード強度を確保しやすいため、拡散層21の厚みを薄くして燃料ガスFのガス拡散性を向上させることもできる。また、ハニカム構造体210は、ハニカム状に設けられた多孔質の隔壁211と、隔壁211により区画されるとともにアノード厚み方向に貫通する複数の貫通孔212とを有している。そのため、拡散層21に導入された燃料ガスFは、貫通孔212を通じて活性層22の直下面まで速やかに到達することができる。それ故、燃料電池単セル1は、燃料ガスFの拡散抵抗を低減することができる。したがって、燃料電池単セル1は、高電流密度下での運転時でも、燃料ガスFの拡散律速が発生し難く、発電性能を確保しやすい。
(実施形態2)
実施形態2の燃料電池単セルについて、図8を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図8に例示されるように、本実施形態の燃料電池単セル1は、隔壁211のうち、カソード5を拡散層21に投影した投影面P内に存在する内側隔壁211aの厚みが、投影面Pの外側に存在する外側隔壁211bの厚み以下とされている。なお、この構成は、例えば、参考形態1に例示された図4〜図7のハニカム構造体に対して適用することができる。
アノード2を支持体とする平板形の燃料電池単セル1は、通常、アノード2の外周部がフレーム(不図示)により支持された状態でスタック化される場合がある。この場合に、上記構成によれば、発電に寄与しない外側隔壁211bの厚みを厚くすることで、支持力が要求されるアノード2の外周部の強度を確保しやすくなる。また、外側隔壁211bよりも強度の要求が厳しくなく、かつ、発電に寄与する内側隔壁211aの厚みを薄くすることで、材料抵抗が小さくなり、発電性能を向上させやすくなる。その他の構成、作用効果は、参考形態1と同様である。
内側隔壁211aの厚みは、上記効果を確実なものとする観点から、好ましくは、本実施形態に示されるように、外側隔壁211bの厚み未満とされているとよい。
また、外側隔壁211bの厚みは、具体的には、内側隔壁211aの厚みの1.5倍以上とすることができる。この場合には、上記効果を確実なものとすることができる。外側隔壁211bの厚みは、好ましくは、内側隔壁211aの厚みの2倍以上、より好ましくは、内側隔壁211aの厚みの2.5倍以上、さらに好ましくは、内側隔壁211aの厚みの3倍以上とすることができる。
(実施形態3)
実施形態3の燃料電池単セルについて、図9を用いて説明する。
図9に例示されるように、本実施形態の燃料電池単セル1は、貫通孔212の内壁に角R部212aを有している。角R部212aは、貫通孔212の内壁の角部にR形状が付与されたものである。したがって、角R部212aの表面は、角がなく、滑らかな湾曲面を有している。なお、この構成は、例えば、参考形態1、実施形態2に例示されたハニカム構造体に対して適用することができる。
貫通孔212の内壁に角R部212aを有している場合には、ハニカム構造体210より構成される拡散層21における応力集中を緩和しやすくなる。そのため、この場合には、アノード強度をより確保しやすい燃料電池単セルが得られる。なお、本実施形態では、貫通孔212の内壁における角部のすべてがR形状に形成されている例が示されている。
(実験例)
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
<試料1の燃料電池単セル>
−材料準備−
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、水と、セルロール系バインダーと、可塑剤と、潤滑剤と、造孔剤とを混練し、可塑性を有する練土を調製した。この際、NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、65:35とした。なお、上記平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である(以下、同様)。
得られた練土を、ハニカム形状を押出可能な押出機に投入して減圧空間中で細断、脱気するとともに、スクリューによって口金を通して押し出し成形することにより、ハニカム形状の成形体を得た。この成形体を乾燥し、押出方向に垂直に切断することにより、拡散層形成用のハニカム成形体を準備した。ハニカム成形体の厚み(押出方向)は、580μmとした。なお、ハニカム成形体の押出方向に垂直な断面は、図2に示されるような形態を有している。つまり、準備したハニカム成形体は、外周壁が四角形状であり、隔壁により区画された断面四角形状の貫通孔を複数有している。また、ハニカム成形体における隔壁の厚みは、各位置で同じ厚みとされている。
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.2μm)と、造孔剤と、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミルおよび1−ブタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。この際、NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、65:35とした。ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に上記スラリーを層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、四角形状の活性層形成用シートを準備した。活性層形成用シートの厚みは、30μmとした。
8YSZ粉末(平均粒子径:0.5μm)と、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミルおよび1−ブタノールとをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に上記スラリーを層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、四角形状の固体電解質層形成用シートを準備した。固体電解質層形成用シートの厚みは、8μmとした。
LSC(La0.6Sr0.4CoO)粉末(平均粒子径:2.0μm)と、エチルセルロースと、テルピネオールとを3本ロールにて混合することにより、カソード形成用ペーストを準備した。
―セル作製―
活性層形成用シート、および、固体電解質層形成用シートをこの順に積層し、圧着することにより、圧着体を得た。なお、圧着には、CIP成形法を用いた。CIP成形条件は、温度80℃、加圧力50MPa、加圧時間10分という条件とした。
次いで、ハニカム成形体の一方端面に、活性層形成用シートの作製時に調製したスラリーをスクリーン印刷法にて塗布した。なお、この際のスラリーの塗布厚は、ウェットベースで0.1mm以下とした。
次いで、上記圧着体における活性層形成用シートの表面に、上記ハニカム成形体におけるスラリー塗布面を接着し、80℃で10分間乾燥させた。これにより、圧着体にハニカム成形体が接合された積層体を準備した。
次いで、積層体を脱脂した。
次いで、上記積層体を1350℃で2時間焼成した。これにより、ハニカム構造体より構成される拡散層(400μm)、活性層(25μm)、および、固体電解質層(5μm)がこの順に積層された焼結体を得た。
次いで、上記焼結体における固体電解質層の表面に、カソード形成用ペーストをスクリーン印刷法により塗布し、950℃で2時間焼付けることにより、層状のカソード(50μm)を形成した。なお、カソード形成用ペーストは、拡散層の外形よりもひと回り小さくなるように塗布した。これにより、試料1の燃料電池単セルを得た。なお、ハニカム構造体における隔壁の厚みは、100μm、貫通孔の最大外径は、1000μmであった。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である
1 燃料電池単セル
2 アノード
21 拡散層
210 ハニカム構造体
211 隔壁
212 貫通孔
22 活性層
3 固体電解質層
5 カソード

Claims (7)

  1. アノード(2)と固体電解質層(3)とカソード(5)とを有し、上記アノードを支持体とする平板形の燃料電池単セル(1)であって、
    上記アノードは、拡散層(21)と、該拡散層の上記固体電解質層側に配置された活性層(22)とを有しており、
    上記拡散層は、ハニカム状に設けられた多孔質の隔壁(211)と、該隔壁により区画されるとともにアノード厚み方向に貫通する複数の貫通孔(212)とを有するハニカム構造体(210)より構成されており、
    上記カソードの外形は、上記アノードの外形よりも小さく、
    上記隔壁のうち、上記カソードを上記拡散層に投影した投影面(P)の内側に存在する内側隔壁(211a)の厚みは、上記投影面の外側に存在する外側隔壁(211b)の厚み以下である、燃料電池単セル(1)。
  2. 上記外側隔壁の厚みは、上記内側隔壁の厚みの1.5倍以上である、請求項に記載の燃料電池単セル。
  3. 上記貫通孔の内壁に角R部(212a)を有する、請求項1または2に記載の燃料電池単セル。
  4. 上記ハニカム構造体は、アノード厚み方向に垂直な断面視で、八角形、六角形、四角形、三角形、および、これらの組み合わせからなる群より選択される1種の形状を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池単セル。
  5. 上記隔壁は、触媒金属と絶縁材料とを含む混合物より形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池単セル。
  6. 上記絶縁材料の線熱膨張係数は、5×10−6〜15×10−6/Kの範囲内にある、請求項に記載の燃料電池単セル。
  7. 使用温度が500℃以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池単セル。
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