JP6582812B2 - 新規結晶性アルミノシリケート - Google Patents

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Description

本発明は新規な結晶性アルミノシリケートに関する。
銅を含有するチャバザイト型ゼオライトは、自動車や船舶などの移動体の内燃機関から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)の低下のための選択的触媒還元触媒(以下、「SCR触媒」ともいう。)として使用されている(特許文献1)。
しかしながら、窒素酸化物の排出に関する法規制の強化に伴い、SCR触媒の触媒特性をより一層の向上が要求されている。当該要求に答えるため、チャバザイト型ゼオライトに代わるSCR触媒用のゼオライトとして、チャバザイト型ゼオライトに関連した構造を有するゼオライトが検討されている。
チャバザイト型ゼオライトに代わるSCR触媒用のゼオライトとして、AEI型ゼオライトであるSSZ−39や、SAPO−18(特許文献2)、ERI構造とOFF構造との連晶を有するZSM−34(特許文献3)、AFX型ゼオライトであるSSZ−16、LEV型ゼオライトであるNu−3、DDR型ゼオライトであるSigma−1(非特許文献1)が検討されている。
国際公開2008/106519 国際公開2013/159825 国際公開2012/007873
Applied Catalysis B:Environmental 102 (2011) 441−448
本発明は、窒素酸化物の選択的還元触媒及びその基材として適した新規な結晶性アルミノシリケートであって、チャバザイト型ゼオライトに代わるSCR触媒用のゼオライトとして検討されているゼオライトと同等以上のSCR触媒特性を有するものを提供することを目的とする。更に、本発明は新規な結晶性アルミノシリケートの製造方法を提供することを別の目的とする。
本発明者は、SCR触媒及びその基材として適したゼオライトについて検討した。その結果、低温から高温までの幅広い温度領域でも高い窒素酸化物還元特性を有すること、なおかつ、高温度の熱水雰囲気下に晒されても窒素酸化物還元特性の低下が少ない新規のゼオライトを見出した。これにより本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は結晶構造がAFX構造とCHA構造の連晶である結晶性アルミノシリケートである。
以下、本発明の結晶性アルミノシリケートについて説明する。
本発明の結晶性アルミノシリケートは、結晶構造がAFX構造とCHA構造とからなる結晶性アルミノシリケートである。結晶性アルミノシリケートは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とが酸素(O)を介したネットワークの繰返しからなる結晶構造を有する。本発明における結晶性アルミノシリケートは、上記の結晶構造におけるアルミニウム(Al)の一部が他の金属に置換した結晶性アルミノシリケートである、置換型の結晶性アルミノシリケートが含まれていてもよい。一方、結晶性アルミノホスフェート(AlPO)や結晶性シリコアルミノフォスフェート(SAPO)など、主としてアルミニウム(Al)とリン(P)とが酸素(O)を介したネットワークの繰返しからなる結晶構造を有するものと、本発明の結晶性アルミノシリケートとは異なる。
AFX構造は国際ゼオライト学会(International ZeoliteAssociation)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コード(以下、単に「構造コード」ともいう。)でAFX型となる構造であり、CHA構造は構造コードでCHA型となる構造である。
本発明の結晶性アルミノシリケートの結晶構造はAFX構造とCHA構造の連晶(intergrowth)である。AFX構造やCHA構造は、それぞれ三次元的な周期的規則性を有する結晶構造である。一方、連晶は、三次元的な周期的規則性ではなく、二次元以下の周期的規則性を有する結晶構造である。AFX構造とCHA型構造の連晶は、a軸方向及びb軸方向にはAFX構造又はCHA構造の周期構造を有し、なおかつ、c軸方向にはAFX構造とCHA構造とが交互に積層した構造を有する結晶構造、すなわち、AFX構造とCHA型構造との積層不整を有する結晶構造である。
本発明の結晶性アルミノシリケートがAFX構造及びCHA構造の連晶であることは、本発明の結晶性アルミノシリケートの粉末X線回折(以下、「XRD」ともいう。)パターンと、DIFFaXを用いたシミュレーションにより得られるAFX構造及びCHA構造の連晶のXRDパターン(以下、「DIFFaXパターン」ともいう。)とを照合することや、透過型電子顕微鏡による観察によって確認できる。
なお、連晶のXRDパターンは、2つの結晶構造を物理混合して得られるXRDパターンとは異なるXRDパターンである。すなわち、AFX構造とCHA構造とを物理的に混合したものは、両者を足し合わせたXRDパターンが得られる。これに対し、AFX構造とCHA構造との連晶は、両者を足し合わせたXRDパターンではなく、当該連晶構造に由来する特徴的なXRDパターンを示し、例えば、AFX構造及びCHA構造の各結晶構造で有する一部のXRDピークがブロード化していることやピークシフトすることなどが挙げられる。
なお、アルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO/Al比」ともいう。)が低い結晶性アルミノシリケートとDIFFaXパターンとの照合において、XRDピークがピークシフトしている場合がある。DIFFaXパターンは、組成がSiO/Al=∞である結晶性シリケートの結晶構造を計算して求められたXRDパターンである。結晶性シリケートに対して結晶性アルミノシリケートは結晶格子が広くなるため、SiO/Al比が低い結晶性アルミノシリケートは結晶格子の広がりが、ピークシフトとしてXRDピークに反映される。そのため、DIFFaXパターンと比べて、SiO/Al比が低い結晶性アルミノシリケートは、高角側のXRDピークが低角側にシフトする傾向がある。
本発明の結晶性アルミノシリケートは、結晶構造におけるCHA構造とAFX構造との割合(以下、「連晶比率」ともいう。)は任意の値を取ることができる。連晶比率はAFX構造の比率(以下、「AFX比率」ともいう。)及びCHA型構造の比率(以下、「CHA比率」ともいう。)として、以下の(1)式又は(1)’式で表すことができる。
0<AFX比率/(AFX比率+CHA比率)<1 ・・・(1)
0<CHA比率/(AFX比率+CHA比率)<1 ・・・(1)’
本発明において、連晶比率は、結晶性アルミノシリケートのXRDパターンを、DIFFaXパターンと照合することにより求めることができる。
本発明の結晶性アルミノシリケートは、アルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO/Al比」ともいう。)が3以上、更には5以上、また更には7以上であることが好ましい。SiO/Al比が高くなると結晶性アルミノシリケートの耐熱性が高くなる傾向がある。一方、SiO/Al比は40以下、更には30以下、また更には25以下であることが挙げられる。
本発明の結晶性アルミノシリケートはAFX構造とCHA構造の連晶からなる結晶構造であることにより、高い耐熱性を有する。従って、本発明の結晶性アルミノシリケートは水熱耐久処理等の高温高湿雰囲気下に晒された後であっても、結晶構造が壊れにくい。
本発明における水熱耐久処理とは、ゼオライトを高温、かつ水蒸気を含む空気に晒す処理である。水熱耐久処理として、例えば、750℃で、10体積%のHOを含む空気を空間速度(SV)6,000hr−1で流通させる処理を挙げることができる。なお、水熱耐久処理の条件は任意であるが、温度が高くなるほど、また、時間が長くなるほど、ゼオライトへの熱負荷が大きくなる。そのため、水熱耐久処理の温度が高くなるほど、また、処理時間が長くなるほどゼオライト骨格からのアルミニウムの脱離をはじめとする結晶構造の崩壊が起こりやすくなる。
本発明の結晶性アルミノシリケートは銅を含有することが好ましい。これにより、結晶性アルミノシリケートと銅の間で相互作用が生じる。その結果、本発明の結晶性アルミノシリケートがSCR触媒として高い窒素酸化物還元特性を示し、特に高温高湿下に晒された後、低温域における窒素酸化物還元率が高くなる。
本発明の結晶性アルミノシリケートはSCR触媒として高い窒素酸化物還元特性を有するが、SCR触媒以外の触媒や、吸着剤等の用途で使用する場合、銅以外の遷移金属を含有してもよい。本発明の結晶性アルミノシリケートが含有する好ましい遷移金属として、周期表の8族、9族、10族及び11族からなる群の少なくとも1種、更には白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、銀(Ag)、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)及びインジウム(In)からなる群の1種以上、更には鉄又は銅の少なくともいずれか、また更には銅を挙げることができる。
遷移金属の含有量は、結晶性アルミノシリケートの乾燥重量に対する遷移金属の重量割合として、1.0重量%以上、更には1.5重量%以上、また更には2.0重量%以上であることが好ましい。遷移金属の含有量が1.0重量%以上であることで、触媒や吸着剤としての特性が発現しやすくなる。一方、遷移金属の含有量が5.0重量%以下、更には4.0重量%以下、また更には3.5重量%以下であれば、余剰な遷移金属とゼオライト骨格のアルミニウムとの副反応が生じにくくなる。なお、乾燥重量とは、吸着成分を含まない結晶性アルミノシリケートの重量であり、例えば、大気中、600℃で30分の熱処理を施した後の結晶性アルミノシリケートの重量である。
さらに、本発明の結晶性アルミノシリケートにおける遷移金属のイオン交換率(以下、単に「イオン交換率」ともいう。)は0.4以上、更には0.6以上であることが好ましい。イオン交換率が大きくなることで窒素酸化物還元が向上する。SCR触媒反応において窒素酸化物と遷移金属とを効率よく接触させるため、イオン交換率は1.0以下、更には0.95以下、また更には0.9以下が好ましい。
本発明において、イオン交換率は以下の式により求めることができる。
イオン交換率 = (Me×n)/Al
上記式においてMeは遷移金属の含有量(mol)、nは遷移金属の価数、及び、Alは結晶性アルミノシリケートの結晶構造中のアルミニウムの含有量(mol)である。
本発明の結晶性アルミノシリケートは、構造指向剤(以下、「SDA」ともいう。)を含む原料組成物を結晶化して得られる。そのため、本発明の結晶性アルミノシリケートは製造後、その細孔中にSDAを含む場合がある。しかしながら、本発明の結晶性アルミノシリケートを触媒として使用する場合、細孔中にSDAを含まないことが好ましい。
本発明の結晶性アルミノシリケート、連晶比率により、異なるXRDパターンを示す。そのため、本発明の結晶性アルミノシリケートは、連晶比率により2つの結晶性アルミノシリケートに区別することができる。すなわち、一方は結晶構造がAFX構造及びCHA構造の連晶であり、なおかつ、0.5≦AFX比率/(AFX比率+CHA比率)<1である結晶性アルミノシリケート(以下、「ZTS−1」とする。)であり、他方は結晶構造がAFX構造及びCHA構造の連晶であり、なおかつ、0<AFX比率/(AFX比率+CHA比率)<0.5である結晶性アルミノシリケート(以下、「ZTS−2」とする。)である。
ZTS−1は、結晶構造がAFX構造及びCHA構造の連晶であり、なおかつ、0.5≦AFX比率/(AFX比率+CHA比率)<1である結晶性アルミノシリケートである。ZTS−1は、結晶構造がAFX構造及びCHA構造の連晶であり、なおかつ、0<CHA比率/(AFX比率+CHA比率)<0.5である結晶性アルミノシリケートとも表すことができる。
ZTS−1は、0.5≦AFX比率/(AFX比率+CHA比率)<1であること、更には0.6≦AFX比率/(AFX比率+CHA比率)<1であることが例示できる。
ZTS−1のXRDパターンにおいては、以下のXRDピークを確認することができる。
なお、上表における2θは線源としてCuKα線(λ=1.5405Å)を用いた値である。ZTS−1の各XRDピークの相対的な回折強度は連晶比率により変化する。一方、ZTS−1のXRDパターンは、以下の(2)式及び(2)’式を満たす。
FWHM15.64 < FWHM8.8 ・・・(2)
FWHM15.64 < FWHM11.54 ・・・(2)’
上記(2)式及び(2)’式において、FWHM15.64は15.64±0.12°のXRDピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum)、FWHM8.8は8.8±0.3°のXRDピークの半値全幅、及び、FWHM11.54は11.54±0.2°のXRDピークの半値全幅である。
ZTS−1は、SiO/Al比が5以上であることが好ましい。SiO/Al比が高くなるとゼオライトの耐熱性が高くなる傾向がある。ZTS−1はSiO/Al比が5以上、更には7以上という、従来のSCR用触媒と比べて比較的低いSiO/Al比であったとしても、高い耐熱性を示す。一方、SiO/Al比が30以下、更には25以下であれば、SCR触媒として高い触媒活性を有する。
ZTS−2は、結晶構造がAFX構造及びCHA構造の連晶であり、なおかつ、0<AFX比率/(AFX比率+CHA比率)≦0.5である結晶性アルミノシリケートである。ZTS−2は、結晶構造がAFX構造及びCHA構造の連晶であり、なおかつ、0.5≦CHA比率/(AFX比率+CHA比率)<1である結晶性アルミノシリケートとも表すことができる。
ZTS−2は、0<AFX比率/(AFX比率+CHA比率)≦0.5であること、更には0<AFX比率/(AFX比率+CHA比率)<0.4であることが例示できる。
ZTS−2のXRDパターンにおいては、以下のXRDピークを確認することができる。
なお、上表における2θは線源としてCuKα線(λ=1.5405Å)を用いた値である。ZTS−2の各XRDピークの相対的な回折強度は連晶比率により変化する。一方、ZTS−2のXRDパターンは、以下の(3)式を満たす。
FWHM12.90 < FWHM9.3 ・・・(3)
上記(3)式において、FWHM12.90は12.90±0.2°のXRDピークの半値全幅、及び、FWHM9.3は9.3±0.3°のXRDピークの半値全幅である。
ZTS−2は、SiO/Al比が3以上であることが好ましい。SiO/Al比が高くなるとゼオライトの耐熱性が高くなる傾向がある。ZTS−1はSiO/Al比が3以上、更には7以上という、従来のSCR用触媒と比べて比較的低いSiO/Al比であったとしても、高い耐熱性を示す。一方、SiO/Al比が30以下、更には25以下であれば、SCR触媒として高い触媒活性を有する。
次に、本発明の結晶性アルミノシリケートの製造方法について説明する。
本発明の結晶性アルミノシリケートは、N,N,N−トリアルキルアダマンタンアンモニウムカチオン、N,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン、N−アルキル−3−キヌクリジノールカチオン、N,N,N−トリアルキルエキソアミノノルボルナンカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン及びセシウムカチオンからなる群の少なくとも1種のカチオン(以下、「SDA1」ともいう。)、以下の(A−1)乃至(F−1)からなる群の少なくとも1種(以下、「SDA2」ともいう。)、シリカ源、アルミナ源、水酸化物イオン源(以下、「OH源」ともいう。)及び水を含有する組成物を結晶化する結晶化工程、を有する製造方法により製造することができる。
本発明の製造方法では、SDA1、SDA2、シリカ源、アルミナ源、OH源及び水を含有する組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)を結晶化する。これにより、結晶構造がAFX構造とCHA構造の連晶である結晶性アルミノシリケートが得られる。
原料組成物はSDA1を含有する。SDA1はN,N,N−トリアルキルアダマンタンアンモニウムカチオン(以下、「TAAd」ともいう。)、N,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン(以下、「TAB」ともいう。)、N−アルキル−3−キヌクリジノールカチオン(以下、「A3Q」ともいう。)、N,N,N−トリアルキルエキソアミノノルボルナンカチオン(以下、「TAEAN」ともいう。)、カリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイオンからなる群の少なくとも1種であり、TAAd、TAB、カリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイオンからなる群の少なくとも1種であることが好ましい。
TAAdはN,N,N−トリメチルアダマンタンアンモニウムカチオンであることが好ましく、また、TABはN,N,N−トリメチルベンジルアンモニウムカチオンであることが好ましい。
原料組成物に含まれるSDA1源は、上記のSDA1の臭素化物、塩化物、ヨウ化物及び水酸化物からなる群の少なくとも1種、更には水酸化物又は臭化物の少なくともいずれかであればよい。
好ましいSDA1源として、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(以下、「TMAdOH」ともいう。)、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムブロミド(以下、「TMAdBr」ともいう。)、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムクロリド(以下、「TMAdCl」ともいう。)、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヨージド(以下、「TMAdI」ともいう。)、及びカリウムイオンからなる群の少なくとも1種、更にはTMAdOH又はカリウムイオンの少なくともいずれかを挙げることができる。
なお、SDA1のカウンターイオンとして水酸化物イオン(OH)が含まれる場合、当該カウンターイオンはOH源としての機能を有する。
原料組成物は、SDA2を含有する。SDA2は一般式(A−1)乃至(F−1)からなる群の少なくとも1のカチオンである。好ましいSDA2は、(B−1)又は(F−1)の少なくともいずれかのカチオン、すなわち、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン−C4−ジクアットカチオン、又は、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリウムカチオンの少なくともいずれかである。
原料組成物に含まれるSDA2源は、上記のSDA2の臭素化物、塩化物、ヨウ化物及び水酸化物からなる群の少なくとも1種、更には水酸化物又は臭化物の少なくともいずれかであればよい。
好ましいSDA2源として、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン−C4−ジクアットヒドロキシド(以下、「DC4OH」ともいう。)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン−C4−ジクアットクロリド(以下、「DC4Cl」ともいう。)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン−C4−ジクアットブロミド(以下、「DC4Br」ともいう。)及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン−C4−ジクアットヨージド(以下、「DC4I」ともいう。)、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリウムヒドロキシド(以下、「DAdIOH」ともいう。)、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリウムクロリド(以下、「DAdICl」ともいう。)、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリウムブロミド(以下、「DAdIBr」ともいう。)及び1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリウムヨージド(以下、「DAdII」ともいう。)からなる群の少なくとも1種、更にはDC4Br又はDAdIBrの少なくともいずれかを挙げることができる。
なお、SDA2のカウンターイオンとして水酸化物イオン(OH)が含まれる場合、当該カウンターイオンはOH源としての機能を有する。
原料組成物は上記の任意のSDA1及びSDA2を含んでいればよい。好ましいSDA1とSDA2との組合せとして、SDA1がTMAd又はカリウムイオンの少なくともいずれかであり、なおかつ、SDA2がDC4又はDAdIの少なくともいずれかであること挙げられる。この場合、SDA1源及びSDA2源は、SDA1源がTMAdOH又は水酸化カリウムの少なくともいずれかであり、なおかつ、SDA2源がDC4Br又はDAdIBrの少なくともいずれかであることが好ましい。
シリカ源は、シリカ(SiO)又はその前駆体となるケイ素化合物である。シリカ源として、例えば、コロイダルシリカ、無定型シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート、沈殿法シリカ、ヒュームドシリカ、結晶性アルミノシリケート及び非晶質アルミノシリケートからなる群の少なくとも1種を挙げることができ、ケイ酸ナトリウム、結晶性アルミノシリケート及び非晶質アルミノシリケートからなる群の少なくとも1種であることが好ましい。
アルミナ源は、アルミナ(Al)又はその前駆体となるアルミニウム化合物であり、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、非晶質アルミノシリケート、結晶性アルミノシリケート及び金属アルミニウムからなる群の少なくとも1種を用いることができ、非晶質アルミノシリケート又は結晶性アルミノシリケートの少なくともいずれかであることが好ましい。
OH源は、アニオンとして水酸化物イオン(OH)を含む化合物であり、アルカリ金属の水酸化物であることが好ましい。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムからなる群の少なくとも1種、並びに、シリカ源及びアルミナ源の少なくともいずれかに含まれる前述のアルカリ成分を挙げることができる。OH源は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのいずれか、更には水酸化ナトリウムであることが好ましい。
なお、OH源のカウンターイオンとして含まれるカリウムカチオン(K)、セシウムカチオン(Cs)及びルビジウムカチオン(Rb)からなる群の少なくとも1種は、SDA1として作用する。
原料組成物のシリカに対するアルミナのモル比(SiO/Al比)は4以上、更には5以上であることが好ましい。得られる結晶性アルミノシリケートのSiO/Al比を高くするため、原料組成物のSiO/Al比は10以上、更には20以上であることが好ましい。また、SiO/Alは100以下、更には60以下、また更には40以下、また更には30以下であることが好ましい。さらに、SiO/Al比が29以下であることで、結晶化においてシリカの溶解が少なくなり結晶化収率が高くなりやすい。
原料組成物のシリカに対する水のモル比(以下、「HO/SiO比」とする。)は、5以上、更には10以上であることが好ましい。HO/SiO比がこの範囲であれば、結晶化中に適度な攪拌が可能な粘度の混合物となる。またHO/SiO比は60以下、更には45以下であれば、結晶化が容易になる。好ましいHO/SiO比として10以上42以下、また更には10以上35以下が挙げられる。
原料組成物のシリカに対する水酸化物イオンのモル比(以下、「OH/SiO比」とする。)は、0.10以上であることが好ましい。結晶成長が速くなるため、OH/SiO比は0.60以上、更には0.70以上、また更には0.75以上であることが好ましい。また、OH/SiOは1.00以下、更には0.90以下、また更には0.85以下であれば、本発明の結晶性アルミノシリケート以外の構造の結晶性アルミノシリケートの生成が抑制されやすい。
本発明の結晶性アルミノシリケートを得るため、原料組成物のシリカに対するSDA1のモル比(以下、「SDA1/SiO比」とする。)及び、原料組成物のシリカに対するSDA2のモル比(以下、「SDA2/SiO比」とする。)は以下の範囲であることが好ましい。
SDA1/SiO比 =0.005以上1.00以下
SDA2/SiO比 =0.005以上1.00以下
SDA1/SiO比は上限値が0.50以下、また更には0.30以下、また更には0.20以下であることが好ましく、下限値が0.005以上、更には0.01以上、また更には0.015以上であることが好ましい。
SDA2/SiO比は上限値が0.50以下、更には0.30以下、また更には0.20以下、また更には0.10以下であることが好ましく、下限値が0.005以上、更には0.01以上、また更には0.02以上であることが好ましい。
原料組成物の好ましい組成として以下の組成を挙げることができる。但し、以下の組成における各割合はモル割合である。
SiO/Al比 4以上、100以下
OH/SiO比 0.10以上、1.00以下
SDA1/SiO比 0.005以上1.00以下
SDA2/SiO比 0.005以上、1.00以下
O/SiO比 5以上、60以下
さらに好ましい組成として以下の組成を挙げることができる。
SiO/Al比 4以上、60以下
OH/SiO比 0.10以上、1.00以下
SDA1/SiO比 0.01以上、0.5以下
SDA2/SiO比 0.01以上、0.1以下
O/SiO比 5以上、45以下
結晶化工程は、結晶化温度を90℃以上、200℃以下とすればよい。より好ましい結晶化温度として、95℃以上、190℃以下、更には100℃以上、180℃以下が挙げられる。これによりSDAが有機物の場合にその分解が抑制されやすい。
原料組成物が結晶化すれば結晶化方法は任意の方法であればよい。好ましい結晶化方法として、原料組成物を水熱処理することが挙げられる。例えば、原料組成物を密閉耐圧容器に入れ、これを加熱すればよい。水熱処理は、原料組成物を静置された状態又は攪拌された状態のいずれでもよい。結晶化物の組成がより均一になるため、結晶化は原料組成物を攪拌した状態で行うことが好ましい。好ましい水熱処理条件として以下のものを挙げることができる。
処理時間 :2時間以上、500時間以下、好ましく10時間以上、240時間以下
処理圧力 :自生圧
本発明の製造方法では、結晶化工程の後、洗浄工程、乾燥工程又は有機物除去工程のいずれかを含んでもよい。
洗浄工程は、結晶化工程後の混合物から本発明の結晶性アルミノシリケートと液相とを固液分離する。洗浄工程は、公知の方法で固液分離をし、固相として得られる本発明の結晶性アルミノシリケートを純水で洗浄すればよい。具体的には、水熱処理を行った混合物をろ過、洗浄し、液相と固相に分離し、本発明の結晶性アルミノシリケートを得る方法が挙げられる。
乾燥工程は、結晶化工程後又は洗浄工程後の本発明の結晶性アルミノシリケートから水分を除去する。乾燥工程の条件は任意であるが、結晶化工程後の混合物、又は洗浄工程後で得られた本発明の結晶性アルミノシリケートを、大気中、100℃以上、150℃以下の条件下で2時間以上処理することが例示できる。乾燥方法として、静置又はスプレードライヤーが例示できる。
有機物除去工程では、例えばSDA等の結晶性アルミノシリケート中に残存する有機物の除去を焼成、又は分解により行うことができる。
焼成は400℃以上、700℃以下の温度で行う。更には600℃以下の温度で行うことが好ましい。これにより脱アルミニウムの少ない結晶性アルミノシリケートが得られやすい。具体的な熱処理条件としては、大気中、600℃、1〜2時間を挙げることができる。
本発明の製造方法では、必要に応じてアンモニウム処理工程を有していてもよい。
アンモニウム処理工程は、本発明の結晶性アルミノシリケートに含有されるアルカリ金属を除去し、カチオンタイプをアンモニウム型(以下、「NH 型」とする。)にするために行う。アンモニウム処理工程は例えば、アンモニウムイオンを含有する水溶液を本発明の結晶性アルミノシリケートと接触させることで行う。
NH 型結晶性アルミノシリケートは、再度熱処理を行なってもよい。当該熱処理により、カチオンタイプがプロトン型(以下、「H型」とする。)の結晶性アルミノシリケートとなる。より具体的な熱処理条件としては、大気中、500℃、1〜2時間を挙げることができる。
本発明の製造方法は、遷移金属含有工程を有していてもよい。
遷移金属含有工程で使用する遷移金属としては、周期表の8族、9族、10族及び11族からなる群の1種以上の遷移金属を含む化合物であることが好ましく、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、銀(Ag)、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)及びインジウム(In)からなる群の1種以上を含む化合物であることがより好ましく、鉄又は銅の少なくともいずれかを含む化合物であることが更により好ましく、銅を含む化合物であることが好ましい。遷移金属を含む化合物として、これらの遷移金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物及び複合酸化物からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
本発明の結晶性アルミノシリケートに遷移金属を含有させる方法としては、結晶性アルミノシリケートと遷移金属化合物とを混合する方法(以下、「後含有法」とする。)、又は、混合物に少なくとも1種類以上の遷移金属化合物を加え、当該混合物を結晶化させる方法(以下、「前含有法」とする。)が挙げられる。
後含有法として、例えば、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法、及び物理混合法からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
前含有法として、遷移金属を含む混合物を結晶化する方法が挙げられる。前記遷移金属を含む原料組成物は、混合工程で遷移金属化合物を加えた混合物、又は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及びSDAのいずれかひとつ以上に、遷移金属を含有する化合物を用いた混合物を挙げることができる。
本発明により、窒素酸化物の選択的還元触媒及びその基材として適した、新規な結晶性アルミノシリケートを提供することができる。更に、本発明により新規な結晶性アルミノシリケートの製造方法を提供することができる。
実施例1の結晶性アルミノシリケートのXRDパターン、及びAFX比率/(AFX比率+CHA比率)=0.8のDIFFaXパターンを示した図(実線:実施例1、破線:DIFFaXパターン) 実施例2の結晶性アルミノシリケートのXRDパターン、及びAFX比率/(AFX比率+CHA比率)=0.2のDIFFaXパターンを示した図(実線:実施例2、破線:DIFFaXパターン) 実施例4の銅含有ZTS−1及び比較例3の銅含有AFX型ゼオライトの150℃でのアンモニアSCRにおける相対窒素酸化物還元率
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(粉末X線回折)
一般的なX線回折装置(商品名:MXP−3、マックサイエンス社製)を使用し、試料のXRD測定を行った。測定条件は以下のとおりである。
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : ステップスキャン
スキャン条件: 毎秒0.02°
発散スリット: 1.00deg
散乱スリット: 1.00deg
受光スリット: 0.30mm
計測時間 : 1.00秒
測定範囲 : 2θ=3.0°〜43.0°
得られたXRDのパターンとDIFFaXパターンとを対比し、試料の結晶構造を確認した。
(ケイ素、アルミニウム、及び銅の定量)
一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(装置名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を用いて、試料の組成分析を行った。試料をフッ酸と硝酸の混合溶液に溶解させ、測定溶液を調製した。得られた測定溶液を装置に投入して試料の組成を分析した。
得られたケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、及び銅(Cu)のモル濃度から、SiO/Al、銅含有量及びイオン交換率(Cu/Al)を算出した。
合成例1(DC4Brの合成)
The Journal of Physical Chemistry C 114 (2010) 1633−1640を参照して、DC4Brを合成した。
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン(試薬特級)20.00gをメタノール(試薬特級)19.77gに溶解し、得られた溶液を溶液Aとした。次に、1,4−ジブロモブタン(試薬特級)12.83gをメタノール6.6gに加え、15分間攪拌して得られた溶液を溶液Bとした。氷冷下、撹拌しながら溶液Aに溶液Bを滴下し、滴下後、2時間攪拌することで白色沈殿を得た。白色沈殿にジエチルエーテル100mLを添加後、これを濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。洗浄後の白色沈殿を風乾した後、重量減少が無くなるまで50℃で真空乾燥してDC4Brを得た。得られたDC4Brが40重量%となるように純水に溶解させ、40%DC4Br水溶液を調製した。
実施例1(ZTS−1の合成)
3号珪酸ソーダ(SiO;30%、NaO;9.1%、Al;0.01%)、水、40%DC4Br、25%TMAdOH(セイケム製)、48%NaOH及びY型ゼオライト(SiO/Al比=5.5、商品名:HSZ−320NAA、東ソー製)を加えて十分に撹拌混合して原料組成物を得た。原料組成物は、モル比で以下の組成であった。
SiO/Al比 =29.7
OH/SiO比 =0.80
Na/SiO比 =0.775
DC4Br/SiO比 =0.096
TMAdOH/SiO比 =0.025
O/SiO比 =28.4
得られた組成物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、140℃で37時間加熱して生成物を得た。生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。乾燥後の生成物を空気中、600℃で2時間焼成し、本実施例の結晶性アルミノシリケートとした。
XRD測定結果とDIFFaXの比較を図1に示す。本実施例の結晶性アルミノシリケートは表1のXRDピークを有していることが確認できた。これより、本実施例の結晶性アルミノシリケートはZTS−1であり、AFX構造及びCHA構造の連晶であり、AFX比率/(AFX比率+CHA比率)=約0.8、すなわち、CHA比率/(AFX比率+CHA比率)=約0.2の結晶性アルミノシリケートであることが確認できた。
本実施例の結晶性アルミノシリケートのSiO/Al比は8であった。
実施例2(ZTS−1の合成)
3号珪酸ソーダ(SiO;30%、NaO;9.1%、Al;0.01%)、98%硫酸、水及び硫酸アルミニウムを混合して生成したゲルを固液分離し、純水により洗浄して非晶質アルミノシリケートゲルを得た。得られた非晶質アルミノシリケートゲル、水、DAdIBr、25%TMAdOH、及び48%NaOHを加えて十分に撹拌混合して原料組成物を得た。原料組成物は、モル比で以下の組成であった。
SiO/Al比 =27.5
OH/SiO比 =0.13
Na/SiO比 =0.11
DAdIBr/SiO比 =0.02
TMAdOH/SiO比 =0.02
O/SiO比 =40
得られた混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で48時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。XRD測定、及びDIFFaXとの比較から、焼成後の生成物はZTS−1であり、AFX構造及びCHA構造の連晶であり、AFX比率/(AFX比率+CHA比率)=約0.8、すなわち、CHA比率/(AFX比率+CHA比率)=約0.2であることを確認した。また、当該生成物はZTS−1以外に微量のCHA型ゼオライトを含んでいた。
本実施例の結晶性アルミノシリケートのSiO/Alは26.7であった。
実施例3(ZTS−2の合成)
水、40%DC4Br、48%NaOH、48%KOH及びY型ゼオライト(商品名:SiO/Al比=5.5、HSZ−320HOA、東ソー株式会社製)を十分に撹拌混合した。組成物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al比 =5.4
OH/SiO比 =0.71
Na/SiO比 =0.59
K/SiO比 =0.13
DC4Br/SiO比 =0.096
O/SiO比 =16
得られた混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを100℃で71時間加熱して生成物を得た。生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。乾燥後の生成物を空気中、600℃で2時間焼成し、本実施例の結晶性アルミノシリケートとした。
XRD測定結果とDIFFaXの比較を図2に示す。本実施例の結晶性アルミノシリケートは表2のXRDピークを有していることが確認できた。これより、本実施例の結晶性アルミノシリケートはZTS−2であり、AFX構造及びCHA構造の連晶であり、AFX比率/(AFX比率+CHA比率)約0.2、すなわち、CHA比率/(AFX比率+CHA比率)=約0.8であることを確認した。
本実施例の結晶性アルミノシリケートのSiO/Alは4.2であった。さらに、図2において、2θ=30.4°のXRDピークなど高角側のXRDピークが、DIFFaXパターンよりも低角側にシフトしていることが確認できた。
比較例1
3号珪酸ソーダ、水、40%DC4Br、48%NaOH及びY型ゼオライト(商品名:HSZ−320NAA、東ソー株式会社製)を十分に撹拌混合して原料組成物を得た。原料組成物は、モル比で以下の組成であった。
SiO/Al比 =29.7
OH/SiO比 =0.80
Na/SiO比 =0.80
DC4Br/SiO比 =0.096
O/SiO比 =28.4
得られた混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、140℃で48時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。乾燥後の生成物を空気中、600℃で2時間焼成し、本比較例の結晶性アルミノシリケートとした。
XRD測定の結果、本比較例の結晶性アルミノシリケートはAFX構造の単一相であり、AFX型ゼオライトであることを確認した。
本比較例の結晶性アルミノシリケートのSiO/Alは8であった。
比較例2
25%TMAdOHの代わりに1−アダマンタンアミンを用いたこと以外は実施例2と同様の方法で原料組成物を得た。原料組成物は、モル比で以下の組成であった。
SiO/Al比 =19.8
OH/SiO比 =0.15
Na/SiO比 =0.15
DAdIBr/SiO比 =0.025
1−アダマンタンアミン/SiO比 =0.025
O/SiO比 =40
原料組成物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で112時間加熱して生成物を得た。生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。乾燥後の生成物を空気中、600℃で2時間焼成し、本比較例の結晶性アルミノシリケートとした。
XRD測定の結果、本比較例の結晶性アルミノシリケートはAFX型ゼオライト及びLEV型ゼオライトの混合物であり、連晶ではなかった。
実施例4
(銅の含有)
実施例1で得られたZTS−1を、20%塩化アンモニウム水溶液を用いてイオン交換しNH型ZTS−1を得た。当該NH型ZTS−1 9gに硝酸銅溶液を滴下し、乳鉢で5分間混合した後、110℃で一晩乾燥させた。硝酸銅水溶液には、硝酸銅三水和物1.08gを純水3.1gに溶解して得られたものを使用した。乾燥後のゼオライトを、空気中、550℃で2時間焼成した。
焼成後の銅含有ZTS−1は、銅が3.0重量%、及びCu/Alが0.15であった。
比較例3
比較例1のAFX型ゼオライトを用いたこと以外は、実施例4と同じ方法で、銅含有AFX型ゼオライトを得た。
焼成後のAFX型ゼオライトは、銅が3.0重量%、及びCu/Alが0.15であった。
測定例
実施例4の銅含有ZTS−1及び比較例3の銅含有AFX型ゼオライトについて、アンモニアSCR方法による窒素酸化物還元率の評価を行った。
(水熱耐久処理)
実施例4の銅含有ZTS−1及び比較例3の銅含有AFX型ゼオライトをそれぞれプレス成形して成形体とした。得られた成形体を12メッシュ〜20メッシュのふるいに通し、ふるいを通過した成形体を整粒物とした。得られた整粒物をそれぞれ3mL常圧固定庄流通式反応管に充填した。これに、10体積%のHOを含む空気を流通させながら、700℃又は750℃で20時間の熱処理を行った。処理ガスの流量は0.3L/min、及び空間速度(SV)は6,000hr−1とした。
(窒素酸化物還元率の評価)
水熱耐久処理前、700℃又は750℃で水熱耐久処理後の実施例4の銅含有ZTS−1及び比較例3の銅含有AFX型ゼオライトをそれぞれプレス成形し、得られた成形体を12メッシュ〜20メッシュのふるいに通し、ふるいを通過した成形体を整粒物とした。得られた整粒物から1.5mL量りとり、これを反応管に充填した。その後、当該反応管を150℃に加熱し、以下の組成からなる処理ガスを流通させた。
NO :200ppm
NH :200ppm
: 10容量%
O : 3容量%
残部 : N
処理ガスの流量は1.5L/min、及び空間速度(SV)は60,000hr−1としてた。
反応管に流通させた後の処理ガス中の窒素酸化物濃度(ppm)を求め、以下の式に従って、窒素酸化物還元率を求めた。
窒素酸化物還元率(%)
={1−(反応管流通後の処理ガス中の窒素酸化物濃度
/反応管流通前の処理ガス中の窒素酸化物濃度)}×100
水熱耐久処理前の実施例4の銅含有ZTS−1の窒素酸化物還元率に対する、各試料の窒素酸化物還元率の割合を相対窒素酸化物還元率として求めた。
結果を図3に示す。図3において、実施例4の銅含有ZTS−1の相対窒素酸化物還元率を黒棒で示し、比較例3の銅含有AFX型ゼオライトの相対窒素酸化物還元率を斜線棒で示した。また、図3中、Fresh、700℃×20h及び750℃×20hは、それぞれ、水熱耐久処理前、700℃での水熱耐久処理後及び750℃での水熱耐久処理後の相対窒素酸化物還元率である。図3より、水熱耐久処理前は、本発明の結晶性アルミノシリケート及びAFX型ゼオライトは同程度の窒素酸化物還元率を有していることが分かる。しかしながら、本発明の結晶性アルミノシリケートは700℃の水熱耐久処理後の相対窒素酸化物還元率が90%以上であるのに対し、AFX型ゼオライトの相対窒素酸化物還元率は80%未満であった。さらに、水熱耐久処理温度が高くなるほど、本発明と、従来のAFX型ゼオライトとの差が大きくなった。これより、AFX型ゼオライトよりも本発明の結晶性アルミノシリケートは、高温高湿下に晒された後であっても、低温域で高い窒素酸化物還元特性が維持されることが確認できた。
本発明の結晶性アルミノシリケートは、内燃機関から排出される窒素酸化物の還元触媒として、更にはSCR触媒として、例えば排気ガス処理システムに組み込まれる吸着剤又は触媒として使用できる。特に還元剤の存在下で自動車、特にディーゼル車の排ガス中の窒素酸化物を還元除去するSCR触媒、更にはDPFと一体化されたSCR触媒として使用できる。

Claims (7)

  1. 結晶構造がAFX構造及びCHA構造の連晶であり、以下のXRDピークを有する結晶性アルミノシリケート。
  2. アルミナに対するシリカのモル比が3以上である請求項1に記載の結晶性アルミノシリケート。
  3. 以下のXRDピークを有する請求項1又は2に記載の結晶性アルミノシリケート。
  4. 周期表の8族、9族、10族及び11族からなる群の少なくとも1種を含有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶性アルミノシリケート。
  5. N,N,N−トリアルキルアダマンタンアンモニウムカチオン、N,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン、N−アルキル−3−キヌクリジノールカチオン、N,N,N−トリアルキルエキソアミノノルボルナンカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン及びセシウムカチオンからなる群の少なくとも1種のカチオン、以下の(A−1)乃至(F−1)からなる群の少なくとも1種、シリカ源、アルミナ源、水酸化物イオン源及び水を含有する組成物を結晶化する結晶化工程、を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶性アルミノシリケートの製造方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶性アルミノシリケートを含有する窒素酸化物の還元触媒。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶性アルミノシリケートを使用する窒素酸化物の還元方法。
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