JP6581799B2 - 保護システム、及び保護方法 - Google Patents
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Description
つまり、太陽光発電システムの発電事業者は、イニシャルコストを重要視するため、接続箱から各ストリングに接続される個々の電線路に対しては配線保護を行わないことが多い。このため、ストリングの電線路の上位系統で短絡事故等が発生した場合、ストリングに接続される電線路は、過電流により損傷する可能性がある。また、この電線路の損傷とともに接続箱の内部においても損傷が発生する可能性がある。
また、上記保護システムにおいて、前記複数のケーブルの間に設けられ、前記複数のケーブルの被覆が互いに離隔した状態に保持する支持具を備え、前記温度検出部は、前記支持具によって離隔された前記複数のケーブルの間に設けられることを特徴とする。
また、上記保護システムにおいて、前記支持具は、前記ケーブルの延伸方向に交差する面に沿った前記支持具の断面において、前記支持具の外周部に複数の凹部を有し、前記凹部によって、前記支持具の外周に沿う方向の前記ケーブルの移動が制限され、前記支持具は、対にして用いられる第1支持具と第2支持具を備え、前記第1支持具と前記第2支持具は、前記第1支持具の凹部の位置と前記第2支持具の凹部の位置とが、前記ケーブルの延伸方向に軸を規定した場合の周方向の角度が揃うように前記ケーブルに係止されることを特徴とする。
また、上記保護システムにおいて、前記支持具は、対にして用いられる第1支持具と第2支持具を備え、前記第1支持具と前記第2支持具は、第1ストリングの電力を送る第1ケーブルと第2ストリングの電力を送る第2ケーブルの延伸方向に所定の距離を隔てて互いに平行になるように配置され、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとを支持し、前記温度検出部は、前記第1支持具と前記第2支持具の間に配置されることを特徴とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係わる保護システム120を備える太陽光発電システム1の構成例を示す構成図である。この図1に示す太陽光発電システム1は、パワーコンディショナ10と、n個(nは整数)の接続箱100−1、100−2、・・・、100−nと、各接続箱にそれぞれ接続されるストリング200−1、ストリング200−2と、を備えて構成されている。
また、図1に示す例では、各接続箱100に、ストリング200−1とストリング200−2との2つのストリングが接続される例を示しているが、各接続箱100には、1つのストリングだけが接続される場合があり、又は、3つ以上のストリングが接続される場合がある。
また、電線路L101+と、電線路L101−との何れか一方或いは両方を示す際に「電線路L101」と記載することがある。電線路L102についても同様である。また、接続箱100内の接続線L100+と、接続線L100−との何れか一方或いは両方を示す際に「接続線L100」と記載することがある。
また、PCS10において、負極側の給電線L2−には、各接続箱100に繋がる負極側の給電路L31−、L32−、・・・、L3n−が共通に接続されている。また、負極側の給電線L2−は、大地アースGに接地されている。
接続箱100−1は、遮断器110と、逆流防止用のダイオードD101、D102と、保護システム120と、を含んで構成されている。また、保護システム120は、温度検出部121、122と、遮断器制御部123と、を含んで構成されている。また、接続箱100−1は、電線路L101、L102が接続される端子台(不図示)と、給電路L31が接続される端子台(不図示)を備えている。
また、遮断器110は、外部から操作されてトリップするように構成されている。例えば、遮断器110は、後述するように、外部から操作されてトリップするトリップボタンを備えている。遮断器制御部123は、遮断器110のトリップボタンを操作することにより、遮断器110を強制的にトリップさせる。
そして、電線路L101+の温度が所定の閾値温度(例えば、80℃)に達したことが温度検出部121により検出された場合、温度検出部121は、電線路L101+の温度が閾値温度に達したことを示す温度検出信号Ts1を、遮断器制御部123に出力する。遮断器制御部123は、電線路L101+の温度が閾値温度に達したことを示す温度検出信号Ts1を温度検出部121から入力すると、遮断器110を強制的にトリップさせる。
なお、電線路L102+に流れる電流Ig2が、電線路L102+の温度を最高許容温度を超えて発熱させる電流値以上である場合も同様である。
なお、図3に示す例では、図面の見易さのために、PCS10内の交流給電線L1A及びL1Bを単線の給電線L1で示している。また、給電線L2と、給電路L31からL3nと、電線路L101、L102と、接続箱100内の接続線L100とは、正極側の電線や電路を示しており、負極側の電線や電路は省略されている。
この故障の場合、電流Icの電流値は、PCS10内の給電線L2の電圧と、ストリング200−1の出力電圧と、ストリング200−1の内部インピーダンスと、電線路L101の線路インピーダンスと、給電路L31の線路インピーダンス等に応じて決まる。
そして、電線路L101の温度が所定の閾値温度に達したことが温度検出部121により検出された場合、温度検出部121は、電線路L101の温度が閾値温度に達したことを示す温度検出信号Ts1を、遮断器制御部123に出力する。遮断器制御部123は、電線路L101の温度が閾値温度に達したことを示す温度検出信号Ts1を温度検出部121から入力すると、遮断器110を強制的にトリップさせる。
なお、ダイオードD11とダイオードD102とが故障した場合についても同様である。
このような構成の保護システム120では、複数のストリング200までの電線路L101、L102の温度を検出する。そして、保護システム120は、電線路L101、L102が閾値温度を超えて発熱する場合に、遮断器110をトリップさせて、接続箱100−1と、PCS10との間の接続を遮断する。
なお、図1に示す例において、接続箱100−1、100−2、・・・、100−nの全てが、温度検出部121、122と、遮断器制御部123を備える必要はなく、例えば、所定の接続箱100のみが、保護システム120を備えるようにしてもよい。
また、温度検出部121、122は、接続箱100の内部に設備することができる他、接続箱100の外部に設けることもできる。
図4は、本発明の第2実施形態に係わる保護システム120Aの構成例を示す構成図である。
なお、図4に示す例では、図3に示す例と同様に、図面の見易さのために、交流給電線L1を単線で示している。また、給電線L2と、給電路L31からL3nと、電線路L101、L102と、接続線L100とは、正極側の電線や電路を示しており、負極側の電線や電路は省略されている。
また、ブレーカ111は、補助接点113を備えている。この補助接点113は、ブレーカ111のON、OFF(導通、遮断)動作に連動する。例えば、補助接点113は、ブレーカ111のON状態の場合にONになり、ブレーカ111のOFF状態の場合にOFFになる。
また、保護システム120Aでは、電線路L101、L102のそれぞれの温度を検出する温度検出部として、サーモスタット121A、122Bを用いている。また、保護システム120Aでは、遮断器制御部123として、ソレノイド124と、ソレノイド電源部127と、補助接点113と、を用いている。
ソレノイド電源部127は、例えば、接続線L100から電力の供給を受けて、ソレノイド124のコイル125を駆動する直流電源である。また、例えば、このソレノイド電源部127は、接続線L100から供給される電力により充電される蓄電池(不図示)を供え、この蓄電池によりソレノイド124のコイル125に通電を行うようにしてもよい。
これにより、保護システム120Aは、太陽光発電システム1において短絡故障等が発生した場合に、電線路L101、L102や接続箱100−1Aが受ける影響を低減することができる。
また、本実施形態の保護システム120Aは、運用中の太陽光発電設備を停止させることなく、本保護システム120Aを接続箱100−1Aに実装することができる。
また、図5は、本発明の第3実施形態に係わる保護システム120Bの構成例を示す構成図である。なお、この図5に示す例は、図3に示す例と同様に、交流給電線L1を単線で示している。また、給電線L2と、給電路L31からL3nと、電線路L101、L102と、接続箱100内の接続線L100とは、正極側の電線や電路を示しており、負極側の電線や電路は省略されている。
この電線路用遮断器110A、110Bは、予め設定した整定電流値以上の電流が流れる場合に、所定の限時特性を持ってトリップする。また、電線路用遮断器110A、110Bは、短絡電流のように非常に大きな電流が流れる場合、瞬時(例えば、数10msec以内)にトリップする。また、電線路用遮断器110A、110Bは、外部から操作されてトリップするように構成されている。例えば、電線路用遮断器110A、110Bは、図4で示したブレーカ111と同じようにトリップボタン112を備える。そして、遮断器制御部123Bは、トリップボタン112を操作することにより電線路用遮断器110A、110Bを強制的にトリップさせることができる。
そして、電線路L101の温度が所定の閾値温度を超えたことが温度検出部121により検出された場合、遮断器制御部123Bは、電線路用遮断器110Aを強制的にトリップさせる。また、電線路L102の温度が所定の閾値温度を超えたことが温度検出部122により検出された場合、遮断器制御部123Bは、電線路用遮断器110Bを強制的にトリップさせる。
なお、遮断器制御部123Bは、第1実施形態の遮断器制御部123と同様にして、PCS10側の給電路L31に繋がる遮断器110を強制的にトリップさせる機能も備えている。
なお、この場合、温度検出部121、122は、温度検出信号Ts1、Ts2として、電線路L101、L102の温度情報を遮断器制御部123Bに出力する。遮断器制御部123Bでは、電線路L101、L102の温度情報に基づいて、電線路L101、L102のそれぞれの温度が、第1の閾値温度と、第2の閾値温度とに達しているか否かを判定する。
そして、例えば、電線路L101が発熱して温度が上昇し第1の閾値温度に達した場合、遮断器制御部123Bは、電線路用遮断器110Aを強制的にトリップさせる。そして、電線路用遮断器110Aを強制的にトリップさせた後、電線路L101の温度がさらに上昇し第2の閾値温度に達した場合、遮断器制御部123Bは、遮断器110を遮断する。
また、電線路L102の系統のみに故障が発生して電線路L102のみが発熱する場合も同様であり、接続箱100−1Bでは、電線路用遮断器110Bを強制的にトリップさせて、電線路L102の系統を切り離すことができる。そして、接続箱100−1Bでは、健全な電線路L101の系統からPCS10への発電電力の供給を継続させることができる。
そして、電流Isにより電線路L101が発熱し、電線路L101の温度が所定の第1の閾値温度(例えば、70℃)を超えたことが温度検出部121により検出された場合、遮断器制御部123Bは、電線路用遮断器110Aを強制的にトリップさせる。
これにより、電線路L101に電流Isが流れて発熱するが、この電流Isの電流値が電線路用遮断器110Aをトリップさせる電流に達していない場合でも、遮断器制御部123Bは、電線路用遮断器110Aを強制的にトリップさせることができる。
ダイオードD102が故障して電線路L102が発熱する場合も同様である。
これにより、太陽光発電システム1Bにおいて短絡故障等が発生した場合に、電線路L101、L102や接続箱100−1Bが受ける影響を低減することができる。
例えば、上記の実施形態に示した温度検出部(サーモスタット)は、1つのストリング200の電線路にそれぞれ設ける場合を例示したが、複数のストリング200の電線路に対して1つの温度検出部(サーモスタット)を設けるように構成してもよい。
図7(A)は、2つの電線路L101+、L102+に対して1つの温度検出部を設ける場合に使用する装着具300の概略構成を示している。
図7(B)は、図7(A)において装着具300をX方向から見た図を示している。この図7(B)では、2つの電線路L101+、L102+が装着具300に取り付けられた状態を示し、また、電線路L101+、L102+を断面図で示している。
図7(C)は、図7(A)において、装着具300をY方向から見た図を示している。但し、図7(C)では、図面の見易さのために支柱302を省略している。
そして、1つの電線路の側面が、電線固定板301Aの凹部m1と電線固定板301Bの凹部m1とに、2箇所で押し付けられることにより、この電線路の温度検出部121Bに対する位置が規制される。電線固定板301A、301Bの凹部m2についても同様である。
その後、図7(C)に示すように、電線路L101+、L102+の側面(装着具300に対向する側面)と温度検出部121Bとの間には、熱伝導性の充填剤が充填される。これにより、装着具300では、各電線路L101+、L102+と温度検出部121Bとの間の熱伝導率を高めるようにしている。
なお、この図7では、2つのストリング200の電線路L101+、L102+に対して1つの温度検出部121Bを設ける例を示しているが、3つ以上のストリング200の電線路に対して1つの温度検出部を設ける場合も同様である。
10・・・パワーコンディショナ(PCS)、
100−1,100−2,100−n・・・接続箱、
100−1A,100−1B・・・接続箱、
110・・・遮断器、110A,110B・・・電線路用遮断器、
111・・・ブレーカ、112・・・トリップボタン、
120,120A,120B・・・保護システム、
121,121B,122・・・温度検出部、
121A,122A・・・サーモスタット(温度検出部)、
123,123B・・・遮断器制御部、
124・・・ソレノイド、125・・・コイル、
126・・・プランジャ、127・・・ソレノイド電源部、
200,200−1,200−2・・・太陽電池ストリング(ストリング)、
L100・・・接続線(接続点)、L101,L102・・・電線路、
L31,L32,L3n・・・給電路
Claims (8)
- 並列に接続された複数のストリングを有する太陽光発電システムの保護システムであって、
複数のストリングから当該複数のストリングを並列に接続する接続点までの電線路として、前記電線路を形成する複数のケーブルが並走する区間があり、前記区間における前記複数のケーブルの間に設けられ前記電線路の温度を検出する温度検出部と、
前記検出された温度に応じて、前記接続点と前記接続点より負荷側にある回路との間に設けた遮断器の導通状態を制御する遮断器制御部と、
を備えることを特徴とする保護システム。 - 前記複数のケーブルの間に設けられ、前記複数のケーブルの被覆が互いに離隔した状態に保持する支持具
を備え、
前記温度検出部は、
前記支持具によって離隔された前記複数のケーブルの間に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の保護システム。 - 前記支持具は、
前記ケーブルの延伸方向に交差する面に沿った前記支持具の断面において、前記支持具の外周部に複数の凹部を有し、
前記凹部によって、前記支持具の外周に沿う方向の前記ケーブルの移動が制限され、
前記支持具は、
対にして用いられる第1支持具と第2支持具を備え、
前記第1支持具と前記第2支持具は、
前記第1支持具の凹部の位置と前記第2支持具の凹部の位置とが、前記ケーブルの延伸方向に軸を規定した場合の周方向の角度が揃うように前記ケーブルに係止される
ことを特徴とする請求項2に記載の保護システム。 - 前記支持具は、
対にして用いられる第1支持具と第2支持具を備え、
前記第1支持具と前記第2支持具は、
第1ストリングの電力を送る第1ケーブルと第2ストリングの電力を送る第2ケーブルの延伸方向に所定の距離を隔てて互いに平行になるように配置され、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとを支持し、
前記温度検出部は、
前記第1支持具と前記第2支持具の間に配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の保護システム。 - 前記遮断器制御部の制御に応じて導通状態が制御される遮断器
を備え、
前記遮断器制御部は、
前記電線路の温度が予め定めた温度に達した場合に前記遮断器を遮断させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の保護システム。 - 前記遮断器制御部は、
前記電線路の温度が予め定めた温度に達した場合にコイルに電流が流れるように構成されたソレノイドを備え、
前記ソレノイドが前記コイルの通電に応じて前記遮断器を遮断させる
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の保護システム。 - 前記遮断器制御部は、
前記温度検出部により検出された温度に応じて、前記複数のストリングの電線路のそれぞれと前記接続点との間に設けた電線路用遮断器の導通状態を制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の保護システム。 - 並列に接続された複数のストリングを有する太陽光発電システムの保護方法であって、
複数のストリングから当該複数のストリングを並列に接続する接続点までの電線路として、前記電線路を形成する複数のケーブルが並走する区間があり、前記区間における前記複数のケーブルの間に設けられた温度検出器が前記電線路の温度を検出する過程と、
前記検出された温度に応じて、前記接続点と前記接続点より負荷側にある回路との間に設けた遮断器の導通状態を制御する過程と
を含むことを特徴とする保護方法。
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