以下、添付図面を参照して、本願の開示する入力装置、表示装置、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る表示装置を概略的に説明する図である。図1に示すように、実施形態に係る表示装置は、例えば、タッチパネルであり、振動素子を備えたパネル式の入力装置(以下、単に入力装置と記載する)及びディスプレイを含む。
入力装置は、ディスプレイの表示画面上に配置される操作面を有し、ユーザの操作面に対する接触操作を検出した場合、ユーザの操作面に対する接触操作に基づく処理の結果として、例えば、ディスプレイの表示画面に表示する画像の全体又は一部を変化させることができる。ここで、操作面に対する接触操作としては、例えば、接触面における接触位置で操作面を押圧する操作や接触面に接触して接触面における接触位置を移動させる操作が挙げられる。
また、入力装置は、操作面を振動させる少なくとも一つの振動素子を有しており、かかる振動素子の振動状態を制御することによって操作面を操作しているユーザに対して振動素子の振動に基づく触感を与えることができる。
さらに、入力装置は、振動素子の振動に基づく所望の触感を得るために、少なくともユーザの操作面に対する接触操作の内容と振動素子の振動パラメータとが関連付けられた設定のユーザ入力を受け付けることができる。すなわち、ユーザによって入力された設定に基づいて振動素子の振動状態を制御することによって、操作面を操作しているユーザに対して所定の触感を与えることができる。このように、ユーザは、操作面を操作しているユーザに対して所定の触感を得るように、操作面に対する接触操作の内容に応じた振動素子の振動パラメータを設定することが可能になる。なお、操作の内容は、操作それ自体及び操作に基づいた処理の結果を含む。振動素子の振動パラメータとしては、例えば、振動モード(振動のオンオフの切り替えのパターン、例えば、振動素子の振動のオンオフ比)、振動強度、振動周波数、振動位置などが挙げられる。なお、入力装置は、操作面に対する接触操作の内容と振動素子の振動パラメータに加えて、例えば、表示装置の動作モードをもまた関連付けられた設定のユーザ入力を受け付けることができる。また、入力装置は、操作面に対する接触操作の内容と振動素子の振動パラメータに加えて、例えば、表示画像の色又は表示画像に含まれる表示要素の色とが関連付けられた設定のユーザ入力を受け付けることができる。
また、入力装置は、少なくともユーザの操作面に対する接触操作の内容と振動素子の振動パラメータとが関連付けられた設定のユーザ入力を変更可能に受け付けることができることが好ましい。ユーザの入力操作により変更可能に入力される設定に基づいて振動素子の振動状態を制御することによって、操作面を操作しているユーザに対して与える触感を調整することができる。例えば、ユーザは、振動素子の振動に基づく所望の触感を得るために、少なくともユーザの操作面に対する接触操作の内容と振動素子の振動パラメータとが関連付けられた設定の入力を繰り返すことが可能になる。このように、ユーザは、操作面に対する接触操作の内容に対して所望の触感を得るように、操作面に対する接触操作の内容に応じた振動素子の振動パラメータの設定を変更することが可能になる。
ここで、ユーザが入力装置の操作面に対してスクロール操作を行う場合のスクロール操作の内容と振動素子の振動パラメータとが関連付けられた設定について説明する。
図1(a)は、ユーザが入力装置の操作面に指を接触させた後、操作面上で指を横に移動させて画像を横方向にスクロールする場合(横スクロール操作)を示し、図1(b)は、ユーザが入力装置の操作面に指を接触させた後、操作面上で指を縦に移動させて画像を縦方向にスクロールする場合(縦スクロール操作)を示す。
図1(c)に示すように、入力装置は、例えば、図1(a)に示す横スクロール操作と振動素子の高い振動周波数及び強い振動強度とが関連付けられた設定の入力を予め受け付けてテーブルに記憶しておくことができる。また、入力装置は、例えば、図1(b)に示す縦スクロール操作と振動素子の低い振動周波数及び弱い振動強度とが関連付けられた設定のユーザ入力を予め受け付けてテーブルに記憶しておくことができる。
図1(a)に示すように、ユーザが横スクロール操作を実行した場合、入力装置は、横スクロール操作が行われたことを検出し、横スクロール操作と関連付けられた振動素子の振動周波数及び振動強度を検索する。入力装置は、横スクロール操作と関連付けられた振動素子の振動周波数及び振動強度が、それぞれ、高い振動周波数及び強い振動強度であることを検出し、高い振動周波数及び強い振動強度で振動素子を振動させる。
図1(b)に示すように、ユーザが縦スクロール操作を実行した場合、入力装置は、縦スクロール操作が行われたことを検出し、縦スクロール操作と関連付けられた振動素子の振動周波数及び振動強度を検索する。入力装置は、縦スクロール操作と関連付けられた振動素子の振動周波数及び振動強度が、それぞれ、低い振動周波数及び弱い振動強度であることを検出し、低い振動周波数及び弱い振動強度で振動素子を振動させる。
これにより、ユーザの操作面に対する接触操作の内容に応じて操作面の触感が変わるため、ユーザは、ユーザの操作面に対する接触操作の内容を触感によって把握することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
例えば、高い振動周波数として超音波周波数で振動素子を振動させた場合、ユーザの指と操作面との間の摩擦力が低下し、横スクロール操作における操作感を変えることができる。また、低い振動周波数として超音波周波数よりも低い振動周波数で振動素子を振動させた場合、ユーザの指に対してユーザが認識しうる振動を与えることができ、これによって、縦スクロール操作における操作感を変えることができる。
このように、実施形態に係る入力装置を備える表示装置は、ユーザの入力操作により操作面に対する接触操作の内容と振動素子の振動パラメータとが関連付けられた設定を受け付けると共に、その設定に基づいて振動素子の振動状態を制御することでユーザに所定の触感を与えることができる。また、ユーザは、操作面に対する接触操作の内容と振動素子の振動パラメータとが関連付けられた設定を適宜変更することにより、操作面に対する接触操作の内容に対応する触感を適宜調整することができる。
次に、図1を用いて概略的に説明した実施形態に係る表示装置1の構成を説明する。図2は、実施形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示す表示装置1は、入力装置2と、表示部3と、照明部5とを備える。入力装置2は、操作部21と、記憶部22と、振動部23と、通信I/F(インターフェース)24と、受信データ25と、制御部26とを備える。
記憶部22は、操作データ22aと、振動データ22bと、表示データ22cとを備える。制御部26は、操作検出部26aと、設定部26bと、振動制御部26cと、表示制御部26dとを備える。振動部23は、第一の振動素子23aと、第二の振動素子23bと、振動素子駆動回路23cとを備える。
表示装置1は、入力装置2によって制御される画像を表示部3に表示する装置である。表示装置1は、例えば、車両に搭載されるカーナビゲーション装置やスマートフォンやタブレット端末等に用いられるタッチパネル等である。
入力装置2は、操作部21を通じて入力された操作に基づいて表示部3の画像表示及び振動部23の振動状態を制御することができる装置である。入力装置2は、例えば、タッチパネルに用いられるパネル式の位置入力装置である。
操作部21は、入力装置2に入力された操作を受け付ける操作面を備える。操作部21は、例えば、静電容量の変化により接触位置を検出する方式の透過性のあるパネルであり、ユーザの指やタッチペン等のポインティングデバイスなどの接触(押圧感知)によって操作面を介して入力装置2に入力された操作を検出する。なお、操作部21と表示部3とによってタッチパネルディスプレイが構成される。
記憶部22は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される。記憶部22は、操作部21を介して入力された操作に基づいて振動部23や表示部3などを制御する際に使用されるデータとして、操作データ22aと、振動データ22bと、表示データ22cとを記憶する。
操作データ22aは、操作部21の操作面を介して入力される操作に関するデータである。操作データ22aは、例えば、操作面に接触して行われる押圧操作、フリック操作、上下左右スクロール操作、回転操作などの接触操作自体に関するデータであってもよく、接触操作に基づいた処理の結果に関するデータであってもよい。
振動データ22bは、第一の振動素子23aの振動状態及び第二の振動素子23bの振動状態に関するデータである。振動データ22bは、例えば、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動モード(振動のオンオフの切り替えのパターン)、振動強度、振動周波数などの振動パラメータに関するデータであってもよい。
表示データ22cは、記憶部22に記憶された表示部3に表示される画像に関するデータである。表示データ22cは、例えば、各種交通情報等に基づいて作成された地図情報に関するデータ、音声や映像に関するデータ、カメラによって撮影された写真に関するデータなどであってもよい。表示データ22cは、表示画像に含まれる所定の表示要素に関するデータを含む。
第一の振動素子23aは、第一の振動周波数で振動する振動素子である。第一の振動素子23aは、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)であってもよい。第一の振動素子23aは、超音波周波数で振動する振動素子であってもよい。
第一の振動素子23aの振動周波数が超音波周波数である場合には、第一の振動素子23aの振動状態をオンにすることによって、操作部21の操作面に対する摩擦力を低減させることが可能となる。すなわち、第一の振動素子23aの振動状態をオンにすることによって、操作部21の操作面は、ユーザに低減された摩擦による触感を与えることが可能になる。また、第一の振動素子23aの振動強度を変更することによって、操作部21の操作面に対する摩擦力を変更することが可能になる。
一方、第一の振動素子23aの振動状態をオフにすることによって、操作面の本来の摩擦力が再現される。すなわち、第一の振動素子23aの振動状態をオフにすることによって、操作部21の操作面は、ユーザに操作面の本来の摩擦による触感を与えることが可能になる。
また、第一の振動素子23aの振動周波数が超音波周波数である場合には、第一の振動素子23aの振動状態のオンオフを切り替えることによって、操作部21の操作面に対する摩擦力を繰り返し変化させることが可能になる。例えば、第一の振動素子23aの振動のオンオフを周期的に切り替えることによって、例えば、第一の振動素子23aの振動を一定のオンオフ比で切り替えることによって、操作部21の操作面の摩擦力を周期的に変化させることが可能になる。その結果、操作部21の操作面は、例えば、ユーザに操作面に凹凸面があるかのような触感を与えることが可能になる。
第二の振動素子23bは、第一の振動周波数と異なる第二の振動周波数で振動する振動素子である。第二の振動素子23bは、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)であってもよく、また、操作面を振動する部材を出力軸に設けたモータであってもよい。
第二の振動素子23bは、第一の振動素子23aの振動周波数よりも低い振動周波数で振動する振動素子であってもよい。例えば、第二の振動素子23bは、超音波周波数よりも低い周波数で振動する振動素子であってもよい。第二の振動素子23bが、超音波周波数よりも低い周波数で振動する振動素子である場合には、操作部21の操作面は、ユーザに振動の触感を与えることが可能になる。
超音波周波数で振動する第一の振動素子23a及び超音波周波数よりも低い振動周波数で振動する第二の振動素子23bを組み合わせることで、操作部21の操作面は、ユーザに変動する摩擦の触感と振動の触感との両方を与えることが可能になる。
振動素子駆動回路23cは、振動制御部26cから出力された信号に基づいて第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bを駆動する回路である。
通信I/F24は、無線電波等を送受信するアンテナ4に接続されており、無線通信を行うための通信デバイスで構成される。
受信データ25は、通信I/F24を介して受信されたデータである。受信データ25は、例えば、無線電波の信号等である。
表示部3は、表示データ22cや受信データ25に基づいた画像を表示するデバイスである。表示部3は、操作部21の操作面と対向して設けられてもよい。表示部3は、入力装置2と一体に設けられてもよく、入力装置2と別個に設けられてもよい。表示部3は、例えば、パネル式の液晶ディスプレイデバイスであってもよい。また、表示部3は、例えば、HUD(ヘッドアップ・ディスプレイ)等のディスプレイによって車両の運転者前方のフロントガラス部分に半透明状に構成されてもよいし、車両の運転者前方の計器部分や車両のルームミラー部分に構成されてもよい。
照明部5は、操作部21の操作面を照明する。照明部5は、例えば、パネル式液晶ディスプレイデバイスを背面から照明するバックライト装置であってもよい。
制御部26は、表示装置1の全体制御を行う。
操作検出部26aは、操作部21の操作面に接触して行われた操作を検出する。また、操作検出部26aは、記憶部22に記憶された操作データ22aを読み出し、検出された操作の内容を判定する。操作検出部26aは、検出された操作の内容に関する信号を振動制御部26c及び表示制御部26dに送信する。
設定部26bは、操作データ22aと振動データ22bを関連付けてそれぞれ操作データ22aと振動データ22bとして記憶部22に記憶する。また、設定部26bは、表示部3に表示する画像に関するデータを表示データ22cとして記憶部22に記憶する。ここで、設定部26bにおいて行われる操作データ22aと振動データ22bとが関連付けや記憶、表示データ22cの記憶などは、操作部21を介した入力を変更可能に受け付けることによって行われる。設定部26bは、操作データ22aと振動データ22bと表示データ22cとを関連付けてそれぞれ操作データ22aと振動データ22bと表示データ22cとして記憶部22に記憶してもよい。この場合にも、設定部26bにおいて行われる操作データ22aと振動データ22bと表示データ22cとの関連付けや記憶などは、操作部21を介した入力を変更可能に受け付けることによって行われる。
表示制御部26dは、操作検出部26aから送信された操作の内容に関する信号を受信し、表示データ22cや受信データ25に基づいて、操作に応じた画像の信号を表示部3に送信する。また、表示制御部26dは、操作に応じた画像に関する信号を振動制御部26cに送信する。さらに、表示制御部26dは、操作部21の操作面21aを照明するための照明部5を制御する信号を照明部5に送信する。
そして、表示部3は、表示制御部26dから受信した操作に応じた画像の信号を受信し、操作に応じた画像を表示画面に表示する。
振動制御部26cは、操作検出部26aから送信された操作の内容に関する信号及び表示制御部26dから送信された操作に応じた画像に関する信号を受信し、操作検出部26aから送信された操作の内容又は操作に応じた画像が、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの少なくとも一方が振動する条件を満たすか否かを判定する。振動制御部26cは、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの少なくとも一方が振動する条件を満たす場合には、記憶部22に記憶された振動データ22bを読み出し、振動データ22bに基づいて振動部23に含まれる第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの少なくとも一方の振動状態を制御する。
次に、図2を用いて説明した実施形態に係る表示装置1の例を図3及び図4を用いて説明する。
図3は、実施形態に係る表示装置1の例を示す図である。図3(a)は、実施形態に係る表示装置1の平面図であり、図3(b)は、実施形態に係る表示装置1の断面図(図3(a)に示すA−A’の断面図)である。なお、図3に示す第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの配置や大きさは、一例であり、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの配置や大きさは、図3に示されるものに限定されない。
図3に示すように、実施形態に係る表示装置1においては、パネル式の表示部3がパネル式の入力装置2と一体的に設けられている。パネル式の表示部3は、パネル式の入力装置2の操作部21の操作面21aと対向するように設けられている。
また図3に示す表示装置1においては、入力装置2に第一の振動周波数で振動する第一の振動素子23a及び第一の振動周波数と異なる第二の振動周波数で振動する第二の振動素子23bが矩形の表示部3の一辺に平行に設けられている。なお、図3においては、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bが、矩形の表示部3の短辺に平行に設けられているが、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bが、矩形の表示部3の長辺に平行に設けられてもよい。また、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bは、操作面21aの全体を均一に振動させることができるように、配置されることが好ましい。なお、図3に示す表示装置1においては、振動素子駆動回路23cは、矩形の表示部3の一つの隅に設けられているが、表示装置1における振動素子駆動回路23cの配置は、特に限定されない。
図4は、実施形態に係る表示装置1の別の例を示す図である。
図4に示すように、表示装置1においては、表示部3が、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bを備えた入力装置2と別個に設けられていてもよい。表示部3は、入力装置2と通信するように構成される。尚、入力装置2には表示機能はないが、表示部3の表示面の位置と、入力装置2の操作面の位置が相似関係(例えば代表的な位置を例にとると、表示部3の表示面の右上端部、右下端部、左上端部、左下端部、中央の位置がそれぞれ、入力装置2の操作面の右上端部、右下端部、左上端部、左下端部、中央の位置に対応付けられている)で関連付けられている。
次に、図2を用いて説明した実施形態に係る表示装置1の動作の例を図5及び図6を用いて説明する。
図5は、地図表示における領域指定に関して実施形態に係る表示装置1の動作の例を説明する図である。
図5に示すように、表示装置1は、カーナビゲーション装置に用いられる表示装置であり、表示制御部26dは、地図情報を含むナビゲーション画面を表示部3に表示する。すなわち、図5に示すように、ユーザが表示装置1の動作モードとして地図表示モードを選択したものとする。この場合において、操作部21の操作面21aに対するユーザの接触操作の内容と第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータとが関連付けられた設定を説明する。
図5(a)に示すように、設定部26bは、例えば、初期設定として、表示部3に表示される画像の種類に対応して分割された入力装置2の操作面21aの矩形の領域である領域A、領域B、及び領域Cを設定する。あるいは、設定部26bは、操作部21を介したユーザの入力を受け付けることによって、入力装置2の操作面21aの分割された矩形の領域である領域A、領域B、及び領域Cを設定してもよい。例えば、設定部26bは、操作面21aの分割された矩形の領域である領域A、領域B、及び領域Cの外枠をユーザの指がなぞるような操作面21aに対する接触操作を検出してもよい。例えば、領域A、領域B、及び領域Cは、それぞれ、二次元地図表示領域、三次元拡大図表示領域(例えば、交差点拡大図表示領域)、及びボタン表示領域であってもよい。図5(a)に示すように、操作面21aに対してXY座標系を設定すると、領域Aは、領域始点(X1,Y1)と領域終点(X2,Y2)とで定義される矩形の領域であり、領域Bは、領域始点(X2,Y1)と領域終点(X3,Y2)とで定義される矩形の領域であり、領域Cは、領域始点(X1,Y2)と領域終点(X3,Y3)とで定義される矩形の領域である。なお、図5においては、操作面21aに対して矩形の領域を定義しているが、操作面21aに対して中心位置と半径で円形の領域など他の形状の領域を定義してもよい。
図5(a)に示すように、例えば、ユーザが入力装置2の操作面21aの領域Aにおける位置に指を接触させると、操作検出部26aは、操作面21aの領域Aに対する接触操作(領域Aの指定)が行われたことを検出する。
操作検出部26aが、操作面21aの領域Aに対する接触操作が行われたことを検出すると、振動制御部26cは、操作面21a上の領域Aに対する接触操作に関連付けて設定された振動素子の振動パラメータのテーブルに基づいて振動部23の振動素子を振動させる。
例えば、図5(b)に示すように、振動制御部26cは、高い振動周波数及び中程度の振動強度で、例えば、第一の振動素子23aを振動させる。ここで、高い振動周波数が超音波周波数である場合には、第一の振動素子23aを振動させることによって、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力を減少させることができる。
ユーザは、操作面21a上で指を移動させることにより、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力の減少を知覚する。その結果、ユーザは、操作面21aの領域Aに対する接触操作を行ったことを触感で把握することができる。
同様に、操作検出部26aが、操作面21aの領域Bに対する接触操作が行われたこと(領域Bの指定)を検出すると、図5(b)に示すように、振動制御部26cは、高い振動周波数及び弱い振動強度で、例えば、第一の振動素子23aを振動させる。ここで、高い振動周波数が超音波周波数である場合には、第一の振動素子23aを振動させることによって、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力を減少させることができる。しかしながら、振動強度が弱いため、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力の減少は抑制される。
ユーザは、操作面21a上で指を移動させることにより、ユーザの指と操作面21との間の摩擦力が、ユーザの指と操作面21aとの間の本来の摩擦力に近いことを知覚する。その結果、ユーザは、操作面21aの領域Bに対する接触操作を行ったことを触感で把握することができる。
同様に、操作検出部26aが、操作面21aの領域Cに対する接触操作が行われたこと(領域Cの指定)を検出すると、図5(b)に示すように、振動制御部26cは、低い振動周波数及び強い振動強度で、例えば、第二の振動素子23bを振動させる。ここで、低い振動周波数が超音波周波数よりも低い周波数である場合には、第二の振動素子23bを振動させることによって、ユーザの指に操作面21aの振動の感触を与えることができる。
よって、ユーザは、操作面21aの振動の感触により、操作面21aの領域Cに対する接触操作を行ったことを触感で把握することができる。
ここで、設定部26bは、操作面21aの領域Aに対する接触操作(領域Aの指定)と第一の振動素子23aの高い振動周波数及び中程度の振動強度とのユーザによって関連付けられた設定を受け付けることができる。同様に、設定部26bは、操作面21aの領域Bに対する接触操作(領域Bの指定)と第一の振動素子23aの高い振動周波数及び弱い振動強度とのユーザによって関連付けられた設定を受け付けることができる。また、設定部26bは、操作面21aの領域Cに対する接触操作(領域Cの指定)と第二の振動素子23bの低い振動周波数及び強い振動強度とのユーザによって関連付けられた設定を受け付けることができる。
具体的には、設定部26bが、操作部21を介して、操作面21aの所定の領域(領域A、領域B、領域C)に対する接触操作(領域A、領域B、領域Cの指定)を受け付けると、表示制御部26dは、図5(a)に示すような振動素子の振動周波数の選択肢(高、中、低)及び振動強度の選択肢(強、中、弱)をユーザに選択させるためのスイッチを表示部3に表示させる。
例えば、設定部26bが、操作部21を介して、領域Aの指定と関連付けられる振動素子の振動周波数及び振動強度として、それぞれ、“高”の選択肢及び“中”の選択肢のユーザによる選択の入力を受け付けると、設定部26bは、領域Aの指定と第一の振動素子23aの高い振動周波数及び中程度の振動強度との関連付けられた設定を操作データ22a及び振動データ22bとして記憶する。なお、高い振動周波数と第一の振動素子23aとが予め関連付けられている。
同様に、設定部26bが、操作部21を介して、領域Bの指定と関連付けられる振動素子の振動周波数及び振動強度として、それぞれ、“高”の選択肢及び“弱”の選択肢のユーザによる選択の入力を受け付けると、設定部26bは、領域Bの指定と第一の振動素子23aの高い振動周波数及び低い振動強度との関連付けられた設定を操作データ22a及び振動データ22bとして記憶する。
例えば、設定部26bが、操作部21を介して、領域Cの指定と関連付けられる振動素子の振動周波数及び振動強度として、それぞれ、“低”の選択肢及び“強”の選択肢のユーザによる選択の入力を受け付けると、設定部26bは、領域Cの指定と第二の振動素子23bの低い振動周波数及び強い振動強度との関連付けられた設定を操作データ22a及び振動データ22bとして記憶する。なお、中程度の又は低い振動周波数と第二の振動素子23bとが予め関連付けられている。
設定部26bが、操作面21aの所定の領域(領域A、領域B、領域C)に対する接触操作と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度との関連付けられた設定を受け付けた後、操作検出部26aが、設定に係る所定の領域に対する接触操作を検出すると、振動制御部26cは、設定に係る振動周波数及び振動強度で第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bを振動させる。このように、ユーザは、操作面21aの所定の領域に対する接触操作と関連付けられた第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動による触感を確認することができる。
このように、ユーザは、設定部26bを介して、操作面21aの所定の領域に対する接触操作(領域の指定)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とを適宜関連付けることができる。よって、ユーザは、操作面21aの所定の領域に対する接触操作(領域の指定)ごとに第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動による触感を調整することができる。
設定部26bは、操作面21aの所定の領域に対する接触操作(領域の指定)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とが関連付けられた設定を変更可能に受け付けることが好ましい。ユーザは、第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動による所望の触感を得るために、設定の変更を繰り返すことができる。
なお、表示制御部26dは、操作面21aの所定の領域を指定する接触操作に伴って指定された領域に対応する画像の色を変更するようにしてもよい。この場合には、ユーザは、指定された領域を視覚的に認識することができる。あるいは、表示制御部26dは、表示装置1に設けられた照明部5から入力装置2への照明の色等を変更することによって、指定された領域に応じて画像の色を変更するようにしてもよい。この場合にも、ユーザが、指定された領域を視覚的に認識することができるようにしてもよい。
このため、設定部26bは、操作面21aの所定の領域を指定する接触操作(領域の指定)と、第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度と、指定された領域に対応する画像の色又は指定された領域に応じた画像の色とが関連付けられた設定を受け付ける。この場合、ユーザは、設定部26bを介して、操作面21aの所定の領域に対する接触操作(領域の指定)と、第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度と、指定された領域に対応する画像の色又は指定された領域に応じた画像の色とを適宜関連付けることができる。
よって、ユーザは、操作面21aの所定の領域に対する接触操作(領域の指定)ごとに、第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動による触感と、指定された領域に対応する画像の色又は指定された領域に応じた画像の色による色覚とを関連付けて調整することができる。例えば、ユーザは、第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数と画像の色の色相とを関連付けることができる。ユーザは、相対的に高い振動周波数と暖色系の色とを関連付けることができる一方、ユーザは、相対的に低い振動周波数と寒色系の色とを関連付けることができる。また、例えば、ユーザは、第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動強度と画像の色の彩度又は明度とを関連付けることができる。ユーザは、相対的に高い振動強度と高い彩度又は明度とを関連付けることができる一方、ユーザは、相対的に低い振動強度と低い彩度又は明度とを関連付けることができる。
なお、設定部26bが、操作面21aの所定の領域に対する接触操作(領域の指定)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とが関連付けられた設定を受け付ける際に、表示制御部26dは、ユーザが領域の指定中であることを示すように、指定された領域に対応する画像の色又は指定された領域に応じた画像の色を調整することや指定された領域に対応する画像の枠の表示形態を変更することが好ましい。また、表示制御部26dは、ユーザが操作面21aの所定の領域に対する接触操作(領域の指定)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とが関連付けられた設定を完了したか否かを判定し、その判定結果に基づいて、画像の表示形態を変更することが好ましい。
図6は、操作面21aに接触してなされたジェスチャーに関して実施形態に係る入力装置2の動作の例を説明する図である。
図6に示すように、入力装置2は、スマートフォンやタブレット端末に用いられる位置入力装置である。図6(a)に示す例では、ユーザが表示装置1の動作モードとして手書き文字モードを選択している。図6(b)に示す例では、ユーザが表示装置1の動作モードとしてトラックアップダウンモードを選択している。図6(c)に示す例では、ユーザが表示装置1の動作モードとしてアルバムアップダウンモードを選択している。図6(d)に示す例では、ユーザが表示装置1の動作モードとして音量コントロールモードを選択している。これらの場合において、操作部21の操作面21aに対するユーザの接触操作の内容と第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータとが関連付けられた設定を説明する。
図6(a)に示すように、例えば、ユーザが入力装置2の操作面21aに指を接触させた後、操作面21a上である文字を描くように指を移動させると、操作検出部26aは、操作面21a上で移動させられた指の軌跡を解析し、操作面21aに対する手書き文字を描く接触操作(ジェスチャーA)が行われたことを予測又は検出する。
操作検出部26aが、操作面21aに対する手書き文字を描く接触操作(ジェスチャーA)が行われたことを予測又は検出すると、振動制御部26cは、操作面21aに対する手書き文字を描く接触操作(ジェスチャーA)と関連付けて設定された振動素子の振動パラメータのテーブルに基づいて振動部23の振動素子を振動させる。
例えば、図6(e)に示すように、振動制御部26cは、低い振動周波数及び強い振動強度で、例えば、第二の振動素子23bを振動させる。ここで、低い振動周波数が超音波周波数より低い振動周波数である場合には、第二の振動素子23bを振動させることによって、ユーザの指に操作面21aの振動の触感を与えることができる。
よって、ユーザは、操作面21aの振動の感触により、操作面21aに対する手書き文字を描く接触操作(ジェスチャーA)を行ったことを触感で把握することができる。
同様に、図6(b)に示すように、例えば、ユーザが入力装置2の操作面21aに指を接触させた後、操作面21a上で横方向に指を移動させると、操作検出部26aは、操作面21a上で移動させられた指の軌跡を解析し、操作面21aに対する横方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーB)が行われたことを検出する。
操作検出部26aが、操作面21aに対する横方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーB)が行われたことを検出すると、振動制御部26cは、操作面21aに対する横方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーB)と関連付けて設定された振動素子の振動パラメータのテーブルに基づいて振動部23の振動素子を振動させる。
例えば、図6(e)に示すように、振動制御部26cは、高い振動周波数及び中程度の振動強度で、例えば、第一の振動素子23aを振動させる。ここで、高い振動周波数が超音波周波数である場合には、第一の振動素子23aを振動させることによって、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力を減少させることができる。
ユーザは、操作面21a上で指を移動させることにより、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力の減少を知覚する。その結果、ユーザは、操作面21aに対する横方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーB)を行ったことを触感で把握することができる。
同様に、図6(c)に示すように、例えば、ユーザが入力装置2の操作面21に指を接触させた後、操作面21a上で縦方向に指を移動させると、操作検出部26aは、操作面21上で移動させられた指の軌跡を解析し、操作面21aに対する縦方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーC)が行われたことを検出する。
操作検出部26aが、操作面21aに対する縦方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーC)が行われたことを検出すると、振動制御部26cは、操作面21aに対する縦方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーC)と関連付けて設定された振動素子の振動パラメータのテーブルに基づいて振動部23の振動素子を振動させる。
例えば、図6(e)に示すように、振動制御部26cは、高い振動周波数及び強い振動強度で、例えば、第一の振動素子23aを振動させる。ここで、高い振動周波数が超音波周波数である場合には、第一の振動素子23aを振動させることによって、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力を減少させることができる。図6(c)に示す例における第一の振動素子23aの振動強度は、図6(b)に示す例における第一の振動素子23aの振動強度よりも強い。このため、図6(c)に示す例においては、図6(b)に示す例と対比して、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力をより減少させることができる。
ユーザは、操作面21a上で指を移動させることにより、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力のさらなる減少を知覚する。その結果、ユーザは、操作面21aに対する縦方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーC)を行ったことを触感で把握することができる。
同様に、図6(d)に示すように、例えば、ユーザが入力装置2の操作面21aに指を接触させた後、操作面21a上で指を回転移動させると、操作検出部26aは、操作面21a上で移動させられた指の軌跡を解析し、操作面21aに対する指を回転させる接触操作(ジェスチャーD)が行われたことを予測又は検出する。
操作検出部26aが、操作面21aに対する指を回転させる接触操作(ジェスチャーD)が行われたことを予測又は検出すると、振動制御部26cは、操作面21aに対する指を回転させる接触操作(ジェスチャーD)と関連付けて設定された振動素子の振動パラメータのテーブルに基づいて振動部23の振動素子を振動させる。
例えば、図6(e)に示すように、振動制御部26cは、高い振動周波数及び強/弱の周期的な振動強度で、例えば、第一の振動素子23aを振動させる。ここで、高い振動周波数が超音波周波数である場合には、第一の振動素子23aを振動させることによって、ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力を周期的に増減させることができる。
ユーザは、操作面21a上で指を移動させることにより、ユーザの指と操作面21との間の摩擦力の周期的な増減を知覚する。ユーザの指と操作面21aとの間の摩擦力の周期的な増減は、操作面21aに凹凸があるかのような触感をユーザに与えることができる。その結果、ユーザは、操作面21aに対する指を回転させる接触操作(ジェスチャーD)を行ったことを触感で把握することができる。
ここで、設定部26bは、操作面21aに対する手書き文字を描く接触操作(ジェスチャーA)と第二の振動素子23bの低い振動周波数及び強い振動強度とのユーザによって関連付けられた設定を受け付けることができる。同様に、設定部26bは、操作面21aに対する横方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーB)と第一の振動素子23aの高い振動周波数及び中程度の振動強度とのユーザによって関連付けられた設定を受け付けることができる。また、設定部26bは、操作面21aに対する縦方向に指を移動させる接触操作(ジェスチャーC)と第一の振動素子23aの高い振動周波数及び強い振動強度とのユーザによって関連付けられた設定を受け付けることができる。さらに、設定部26bは、操作面21aに対する指を回転させる接触操作(ジェスチャーD)と第一の振動素子23aの高い振動周波数及び強/弱の周期的な振動強度とのユーザによって関連付けられた設定を受け付けることができる。
このように、ユーザは、設定部26bを介して、操作面21aに対する指を移動させる接触操作(ジェスチャー)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とを適宜関連付けることができる。よって、ユーザは、操作面21aに対する指を移動させる接触操作(ジェスチャー)ごとに第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動による触感を調整することができる。
設定部26bは、操作面21aに対する指を移動させる接触操作(ジェスチャー)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とが関連付けられた設定を変更可能に受け付けることが好ましい。ユーザは、第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動による所望の触感を得るために、設定を繰り返すことができる。
次に、図7を用いて実施形態に係る入力装置2の設定手順の詳細を説明する。図7は、実施形態に係る入力装置2の設定手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、ステップS101において、設定部26bは、操作部21を介して入力装置2へ入力された表示装置1の動作モードと、その動作モードにおける操作面21aに対する接触操作の内容と、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータとを関連付けて記憶部22に仮記憶する。ここで、設定部26bは、表示装置1の動作モードと操作面21aに対する接触操作の内容を操作データ22aとして記憶する。また、設定部26bは、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータを振動データ22bとして記憶する。
ステップS102において、設定部26bは、操作部21を介して、ユーザが仮記憶された動作モードを変更するか否かについての判定を受け付ける。ユーザが仮記憶された動作モードを変更する場合(ステップS102:Yes)には、入力装置2の処理は、ステップS103へ進む。一方、ユーザが仮記憶された動作モードを変更しない場合(ステップS102:No)には、入力装置2の処理は、ステップS104へ進む。
ステップS103において、設定部26bは、操作部21を介して、ユーザによって変更された動作モードを受け付け、ユーザによって変更された動作モードを操作データ22aとして記憶する。ここで、ユーザによって変更された動作モードは、操作データ22aとして記憶された接触操作の内容及び振動データ22bとして記憶された振動パラメータと関連付けられている。その後、入力装置2の処理は、ステップS104へ進む。
ステップS104において、設定部26bは、操作部21を介して、ユーザが仮記憶された接触操作の内容を変更するか否かについての判定を受け付ける。ユーザが仮記憶された接触操作の内容を変更する場合(ステップS104:Yes)には、入力装置2の処理は、ステップS105へ進む。一方、ユーザが仮記憶された接触操作の内容を変更しない場合(ステップS104:No)には、入力装置2の処理は、ステップS106へ進む。
ステップS105において、設定部26bは、操作部21を介して、ユーザによって変更された接触操作の内容を受け付け、ユーザによって変更された接触操作の内容を操作データ22aとして記憶する。ここで、ユーザによって変更された接触操作の内容は、操作データ22aとして記憶された動作モード及び振動データ22bとして記憶された振動パラメータと関連付けられている。その後、入力装置2の処理は、ステップS106へ進む。
ステップS106において、設定部26bは、操作部21を介して、ユーザが仮記憶された振動パラメータを変更するか否かについての判定を受け付ける。ユーザが仮記憶された振動パラメータを変更する場合(ステップS106:Yes)には、入力装置2の処理は、ステップS107へ進む。一方、ユーザが仮記憶された振動パラメータを変更しない場合(ステップS106:No)には、入力装置2の処理は、ステップS108へ進む。
ステップS107において、設定部26bは、操作部21を介して、ユーザによって変更された振動パラメータを受け付け、ユーザによって変更された振動パラメータを振動データ22bとして記憶する。ここで、ユーザによって変更された振動パラメータは、操作データ22aとして記憶された動作モード及び接触操作の内容と関連付けられている。その後、入力装置2の処理は、ステップS108へ進む。
ステップS108において、設定部26bは、操作部21を介して、仮記憶された動作モード、接触操作の内容、及び振動パラメータに基づいた第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動状態の制御に関する試行操作をユーザが行うか否かについての判定を受け付ける。ユーザが試行操作を行う場合(ステップS108:Yes)には、入力装置2の処理は、ステップS109へ進む。一方、ユーザが試行操作を行わない場合(ステップS108:No)には、入力装置2の処理は、ステップS111へ進む。
ステップS109において、操作検出部26a及び振動制御部26cは、仮記憶された動作モード、接触操作の内容、及び振動パラメータに基づいた第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動状態の制御に関する試行操作を実行する。その後、入力装置2の処理は、ステップS110へ進む。
ステップS110において、設定部26bは、操作部21を介して、試行操作を完了したか否かについての判定を受け付ける。試行操作を完了した場合(ステップS110:Yes)には、入力装置2の処理は、ステップS111へ進む。試行操作を完了していない場合(ステップS110:No)には、入力装置2は、試行操作を完了するまで待機する。
ステップS111において、設定部26bは、操作部21を介して、動作モード、接触操作の内容、及び振動パラメータの設定を完了したか否かについての判定を受け付ける。例えば、設定部26bは、表示データ22cを参照する表示制御部26dを介して、表示部3に完了スイッチを表示することで、設定を完了したか否かについてのユーザの入力を受け付けることができる。ここで、設定部26bは、設定を完了したか否かについてのユーザの入力が所定時間以上無い場合には、設定を完了したと判定することにしてもよい。設定を完了した場合(ステップS111:Yes)には、入力装置2の処理は、ステップS112進む。設定を完了していない場合(ステップS111:No)には、入力装置2は、ステップS102〜ステップS111を繰り返す。
ステップS112において、設定部26bは、仮記憶された動作モード、接触操作の内容、及び振動パラメータを本記憶された動作モード、接触操作の内容、及び振動パラメータとする。
このように、入力装置2は、表示装置1の動作モードと、操作面21aに対する接触操作の内容と、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータとを関連付けて変更可能に設定することができる。これにより、ユーザは、表示装置1の所定の動作モードにおける操作面21aに対する接触操作に対応する第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動状態を適宜設定することができる。その結果、ユーザは、表示装置1の所定の動作モードにおける操作面21aに対する接触操作に対して所望の触感を得ることができる。
なお、設定部26bは、操作データ22aとしての表示装置1の動作モードと操作面21aに対する接触操作の内容と、振動データ22bとしての第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータと、操作部21を介して入力される表示データ22cとが関連付けられた設定を受け付けてもよい。例えば、操作部21を介して入力される表示データ22cは、表示部3に表示される表示画像の色又は表示部3に表示される表示画像に含まれる表示要素の色に関するデータを含むものであってもよい。これにより、ユーザは、表示装置1の所定の動作モードにおける操作面21aに対する接触操作に対応する第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動状態と表示部3に表示される表示画像の色又は表示部3に表示される表示画像に含まれる表示要素の色を適宜設定することができる。その結果、ユーザは、表示装置1の所定の動作モードにおける操作面21aに対する接触操作に対して所望の触感及び所望の色覚を得ることができる。
また、設定部26bは、表示装置1の動作モードに無関係に、操作面21aに対する指を移動させる接触操作(ジェスチャー)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とが関連付けられた設定を受け付けてもよい。これにより、ユーザは、表示装置1の動作モードに無関係に、操作面21aに対する接触操作に対応する第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動状態を適宜設定することができる。その結果、ユーザは、表示装置1の動作モードに無関係に、操作面21aに対する接触操作に対して所望の触感を得ることができる。
次に、図8を用いて実施形態に係る入力装置2の処理手順の詳細を説明する。図8は、実施形態に係る入力装置2の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップS201において、操作検出部26aは、操作部21を介して入力装置2へ入力された表示装置1の動作モードを検出する。
ステップS202において、操作検出部26aは、操作データ22aを参照して、検出された動作モードにおける操作面21aに対する接触操作の内容を検出する。操作検出部26aは、検出された動作モードにおける検出された接触操作の内容を振動制御部26cに送信する。
ステップS203において、振動制御部26cは、操作データ22aと関連付けられた振動データ22bを参照して、検出された動作モードにおける検出された接触操作の内容と関連付けられた第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータを検索する。
ステップS204において、振動制御部26cは、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの検索された振動パラメータに基づいて、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bを振動させる。
ステップS205において、操作検出部26aは、操作部21を介して、ユーザが操作面21aに対する接触操作を完了したか否かについての判定を受け付ける。ユーザが操作面21aに対する接触操作を完了した場合(ステップS205:Yes)には、入力装置2の処理を終了する。一方、ユーザが操作面21aに対する接触操作を完了していない場合(ステップS205:No)には、入力装置2は、ステップS204及びステップS205を繰り返す。
なお、設定部26bは、操作データ22aとしての表示装置1の動作モードと操作面21aに対する接触操作の内容と、振動データ22bとしての第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動パラメータと、表示データ22cとが関連付けられた設定を受け付けてもよい。振動制御部26cは、表示データ22c等を参照する表示制御部26dからの画像表示の信号を受信する。そして、振動制御部26cは、例えば、操作検出部26aから受信した接触操作の内容に基づいて変化する画像表示が所定の条件を満たす際に、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bの振動状態を制御することができる。また、表示データ22cが表示部3に表示される表示画像の色又は表示部3に表示される表示画像に含まれる表示要素の色に関するデータを含む場合には、振動制御部26cは、表示部3に表示される表示画像の色又は表示部3に表示される表示画像に含まれる表示要素の色と関連付けられた振動パラメータに基づいて、第一の振動素子23a及び第二の振動素子23bを振動させることができる。
また、設定部26bが、表示装置1の動作モードに無関係に、操作面21aに対する指を移動させる接触操作(ジェスチャー)と第一の振動素子23a又は第二の振動素子23bの振動周波数及び振動強度とが関連付けられた設定を受け付ける場合には、入力装置2は、ステップS201に示すような動作モードを検出するステップを省略することができる。
上記の実施形態に係る表示装置1の処理手順をコンピュータに実行させるプログラムをもまた提供することができる。上記のプログラムを記憶させたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をもまた提供することができる。
実施形態に係る表示装置1は、図9に一例として示す構成のコンピュータ300で実現することができる。図9は、表示装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
コンピュータ300は、CPU(Central Processing Unit)310と、ROM(Read Only Memory)320と、RAM(Random Access Memory)330と、HDD(Hard Disk Drive)340とを備える。また、コンピュータ300は、メディアインターフェース(I/F)350と、通信インターフェース(I/F)360と、入出力インターフェース(I/F)370とを備える。
なお、コンピュータ300は、SSD(Solid State Drive)を備え、かかるSSDがHDD340の一部または全ての機能を実行するようにしてもよい。また、HDD340に代えてSSDを設けることとしてもよい。
CPU310は、ROM320およびHDD340の少なくとも一方に格納されるプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM320は、コンピュータ300の起動時にCPU310によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ300のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。HDD340は、CPU310によって実行されるプログラムおよびかかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。
メディアI/F350は、記憶媒体380に格納されたプログラムやデータを読み取り、RAM330を介してCPU310に提供する。CPU310は、かかるプログラムを、メディアI/F350を介して記憶媒体380からRAM330上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。あるいは、CPU310は、かかるデータを用いてプログラムを実行する。記憶媒体380は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)などの光磁気記録媒体やSDカード、USBメモリなどである。
通信I/F360は、ネットワーク390を介して他の機器からデータを受信してCPU310に送り、CPU310が生成したデータを、ネットワーク390を介して他の機器へ送信する。あるいは、通信I/F360は、ネットワーク390を介して他の機器からプログラムを受信してCPU310に送り、CPU310がかかるプログラムを実行する。
CPU310は、入出力I/F370を介して、ディスプレイ等の表示部、スピーカ等の出力部、キーボードやマウス、ボタン、操作部21等の入力部を制御する。CPU310は、入出力I/F370を介して、入力部からデータを取得する。また、CPU310は、生成したデータを入出力I/F370を介して表示部や出力部に出力する。
例えば、コンピュータ300が表示装置1として機能する場合、コンピュータ300のCPU310は、RAM330上にロードされたプログラムを実行することにより、操作検出部26a、設定部26b、振動制御部26cおよび表示制御部26dを含む入力装置1の制御部26の各機能を実現する。
コンピュータ300のCPU310は、例えばこれらのプログラムを記憶媒体380から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワーク390を介してこれらのプログラムを取得してもよい。また、HDD340は、記憶部22が記憶する情報を記憶することができる。
なお、入力装置は、表示装置の動作モードに無関係に、操作部の操作面に対する接触作用の内容にしたがって、表示装置の所定の機能を操作するか又は呼び出すようにしてもよい。操作検出部は、操作面におけるユーザの指の軌跡の解析により、操作面に対する接触操作の内容を検出する。その結果、例えば、図6(a)に示すように、ユーザが操作面上で“A”という文字を描く接触操作をすることで、AMラジオを起動するようにしてもよい。また、図6(b)又は図6(c)に示すように、ユーザが操作面上で横又は縦方向のフリック操作をすることで、トラックアップダウン又はアルバムアップダウンの機能を呼び出すようにしてもよい。さらに、図6(d)に示すように、ユーザが操作面上で指を回転させる操作をすることで、スピーカの音量を調整するダイヤルを出現させてもよい。この場合には、表示装置の動作モードに無関係に表示装置の機能を操作するか又は呼び出すため、表示装置の機能の操作又は呼び出しをより迅速に直接的に行うことができる。このような表示装置の機能の操作又は呼び出しに応じて振動素子の振動状態を制御することでユーザに特有の触感を与えるようにしてもよい。また、表示装置の機能の操作又は呼び出しのための専用のハードスイッチを設ける必要がない。
また、例えば、入力装置がスピーカの音量調整や空調機の温度調整を行う入力操作を受け付ける場合、かかる音量や温度に応じてユーザに与える触覚を変更するようにしてもよい。例えば、ユーザがスピーカの音量調整や空調機の温度調整を行う場合、振動制御部は、超音波周波数の範囲内で振動部に含まれる振動周波数を周期的に切り替えてもよい。これにより、操作面とユーザとの間の摩擦力の大きさを周期的に増減させることができる。この場合には、ユーザに凸凹面があるかのような触覚を与えることができる。これにより、ユーザにスピーカの音量の増減や空調機の設定温度の上下に応じた触覚を与えることができる。例えば、スピーカの音量を増加させる、あるいは空調機の設定温度を上昇させるにつれて、振動周波数の切り替えの周波数を増加させてもよい。一方、スピーカの音量を減少させる、あるいは空調機の設定温度を低下させるにつれて、振動周波数の切り替えの周波数を減少させてもよい。
なお、上述した実施形態においては、操作部の操作面の形状が平面状である例を説明したが、例えば、操作部の操作面の形状は、曲面を有する形状であってもよい。この場合には、振動制御部は、操作面の形状及び操作面におけるユーザの接触位置に応じて、振動部に含まれる振動素子の振動状態を変更するようにしてもよい。これにより、操作面の形状及び操作面におけるユーザの接触位置に応じて、ユーザに与える触覚を変更することができる。
また、カーナビゲーション装置に用いられるタッチパネルとしての表示装置の入力装置にユーザが入力操作を行う場合であって、ユーザが表示部を注視している場合や又は障害物が車両に接近する場合に、ユーザに危険を通知するように振動素子の振動状態を変化させてもよい。なお、車両に対する障害物の接近は、車両に搭載された接近センサによる検出結果を用いて判定される。また、ユーザによる表示部の注視は、撮像装置によって取得される撮像画像に基づいたユーザの視線検出を行うことによって判定される。
また、ユーザが操作面に所定期間以上触れていると操作検出部が判定した場合、かかる判定結果に応じて表示制御部が所定の操作メニューボタンを表示するようにしてもよい。かかる操作メニューボタンは、例えば円形のボタンであり、円周に沿って入力を受け付ける操作を示す画像が配置される。ユーザは、例えば操作メニューボタンの外周に沿って接触位置を移動させることで操作を選択する。このとき、円形のボタンがユーザによる接触動作に応じて回転するのにあわせて、超音波周波数で振動する振動素子のオンオフを所定の周期で切り替えることによって、ユーザの指と操作面との間の摩擦力の大小を切り替える。これにより、ユーザに凹凸の触覚を与えることで、実際にダイヤルを回しているような触覚を与えることができる。
また、例えばファイルの完全削除など、操作を実行してしまうと、かかる操作の取り消しが行えない入力操作を受け付ける場合、入力装置が、かかる入力操作を受け付けると取り消して元の状態に戻せない旨の警告を触覚で与えるようにしてもよい。例えば、取り消しが行えない操作を受け付けるボタンにユーザの接触位置が近づくにつれて、超音波周波数で振動する振動素子の強度を減少させることによって、操作面の摩擦力を増加させてもよい。
また、例えばユーザがスピーカの音量を大きくする、あるいは空調機の設定温度を高くする場合、ユーザに操作面が膨らんでいるような凸の触覚を与えるようにし、スピーカの音量を小さくする、あるいは空調機の設定温度を低くする場合、ユーザに操作面がへこんでいるような凹の触覚を与えるようにしてもよい。これにより、ユーザは、どのような操作を行っているか触覚によって認識できるようになる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。