関連出願の参照による組み込み
出願データシート、またはそれに対する任意の補正書において特定されるあらゆる優先権主張は、37CFR1.57の下で参照によりここに組み込まれる。本出願は、2013年12月4日に出願された米国仮特許出願第61/911,958号、および2014年10月9日に出願された米国仮特許出願第62/062,081号に対する優先権を主張する。上記出願はそれぞれ、その全体が参照によりここに組み込まれ、それぞれ明示的に本明細書の一部を為す。
分野
肥満を処置するためのデバイスおよび方法が提供される。より詳細には、胃内デバイス、ならびにそれを製作する、展開する、膨張させる、配置する、追跡する、モニターする、収縮させる、および回収する方法が提供される。
背景
肥満は、先進国における主要な健康問題である。肥満は、高血圧、糖尿病および他の多くの深刻な健康問題を生じるより高いリスクを生じる。米国では、過剰体重または肥満であることの合併症は、アメリカ人の成人のほぼ3人に1人が罹患し、逸失賃金などの間接コストを含む、年間の医療コストは800億ドルを超え、総年間経済コストは1200億ドルを超えると見積もられている。稀な病態を除いて、体重増加は過食と直接相関する。
体重を減少させる非侵襲的方法としては、カロリーを燃焼させる代謝活動を増大させること、および/または行動を改変することによるか、もしくは食欲を減退させるための薬学的介入を用いて、カロリー摂取を減少させることが挙げられる。他の方法としては、胃の容積を減少させる手術、瘻孔のサイズを制限するための緊縛、および胃内空間を占有することにより食欲を減退させる胃内デバイスが挙げられる。
胃内容積占有デバイスは、わずか少量の食物を食べた後でも満腹感を患者に与える。したがって、人は膨満感と共に満足しながら、カロリー摂取は減少する。現在利用可能な容積占有デバイスは、多くの短所を有する。例えば、いくつかのデバイスを挿入するために、複雑な胃の処置が必要である。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,133,315号は、膨張可能なエラストマー性バッグとチューブの組合せを含む肥満を軽減するための装置を開示する。バッグを、嚥下により患者の胃に挿入することができる。バッグより遠位に取り付けられたチューブの末端を、患者の口の中に留置する。第2のチューブは鼻腔を通って蛇行し、患者の口の中に入る。患者の口に配置されたチューブ末端を、患者の鼻からバッグに向かう流体連絡のための連続チューブを形成するように接続する。あるいは、バッグを胃の処置により埋め込むことができる。食欲が減退するように、患者が食べる前に、バッグを所望の程度でチューブを通して膨張させる。患者が食べた後、バッグを収縮させる。処置の経過を通して、チューブは患者の鼻または腹腔を出て伸びる。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第5,259,399号、第5,234,454号および第6,454,785号は、外科的に埋め込まなければならない体重制御のための胃内容積占有デバイスを開示する。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,416,267号、第4,485,805号、第4,607,618号、第4,694,827号、第4,723,547号、第4,739,758号、および第4,899,747号ならびに欧州特許第246,999号は、内視鏡的に挿入することができる体重制御のための胃内容積占有デバイスに関する。これらのうち、内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,416,267号、第4,694,827号、第4,739,758号、および第4,899,747号は、所望の目標を達成するためにある特定の方法で表面が形成されたバルーンに関する。内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,416,267号および第4,694,827号においては、胃内腔を通る固体および液体の通過を容易にするために、バルーンを、広がった中央の開口を有するトーラス型に形状化する。内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,694,827号のバルーンは、複数の滑らかな表面の凸型の突起を有する。突起は、胃壁と接触する表面積量を減少させることによって、胃粘膜との過剰な接触の結果生じる有害な効果を軽減する。突起はまた、固体および液体が通過することができる、バルーンと胃壁とのチャネルを規定する。内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,739,758号のバルーンは、その外縁部に、噴門または幽門に対して緊密に固定するのを防ぐブリスターを有する。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,899,747号および第4,694,827号のバルーンを、膨張したバルーンを押すことにより挿入し、胃管の下方にチューブを解放可能に取り付ける。内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,723,547号は、そのバルーンを配置するための特別に適応された挿入カテーテルを開示する。内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,739,758号においては、注入管はバルーンの挿入を行う。内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,485,805号においては、バルーンを指サック中に挿入し、従来の胃管の末端に糸を付けることにより取り付け、患者の喉の下方に挿入する。欧州特許第246,999号のバルーンは、統合鉗子と共に胃カメラを用いて挿入される。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,416,267号、第4,485,805号、第4,694,827号、第4,739,758号、および第4,899,747号ならびに欧州特許第246,999号においては、バルーンを、患者の口から下方へ伸びるチューブから流体を用いて膨張させる。また、これらの特許において、バルーンに、自己密封孔(内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,694,827号)、注入部位(内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,416,267号および第4,899,747号)、自己密封型充填バルブ(内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,485,805号)、自己閉鎖バルブ(内容全体が参照によりここに組み込まれる欧州特許第246,999号)またはダックビルバルブ(内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,739,758号)を提供する。内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,723,547号は、長く厚いプラグを使用し、プラグを介して空気源に取り付けられた針を挿入することにより、バルーンを充填する。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,607,618号は、折り畳み式中空構造を形成するように連結される半剛性骨格メンバーから形成される折り畳み式器具を記載する。器具は膨張性ではない。それを、折り畳まれた器具を解放する排出ロッドを有する特別に適応されたブジーを用いて胃内に内視鏡的に挿入する。一度解放されたら、器具はそのより大きく弛緩したサイズおよび形状に戻る。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第5,129,915号は、嚥下されることが意図され、温度の効果の下で自動的に膨張する胃内バルーンに関する。胃内バルーンを、温度変化により膨張させることができる3つの方法が論じられている。固体酸および非毒性炭酸塩または重炭酸塩を含む組成物を、体温で融解するチョコレート、ココアペーストまたはココアバターのコーティングにより水から分離する。あるいは、体温で融解する非毒性の植物性または動物性脂肪でコーティングされ、水の存在下に置かれたクエン酸および重炭酸アルカリは、同じ結果をもたらすことができる。最後に、固体酸および非毒性炭酸塩または重炭酸塩を、浮袋を嚥下する直前に破壊するのに十分である低強度合成材料の単離ポーチにより水から単離する。単離ポーチの破壊は、酸、炭酸塩または重炭酸塩と水が混合する原因となり、バルーンはすぐに拡張し始める。膨張の温度的誘発の欠点は、それが安全な自己膨張型胃内バルーンにおいて望ましく必要な膨張のタイミングの制御および再現性の程度をもたらすことができないということである。
嚥下の後、食物および経口薬剤は、典型的には、1分足らずで患者の胃に達する。食物は、平均で1〜3時間、胃の中に留まる。しかしながら、滞留時間は変動性が高く、患者の飢餓状態または供給状態などの因子に依存する。したがって、胃内バルーンの膨張の適切なタイミングは、様々な態様の胃内デバイスの展開の成功における因子である。タイミングは、食道閉塞をもたらし得る食道における早すぎる膨張または腸閉塞をもたらし得る遅れた膨張を回避するように選択される。
胃内デバイスが胃の中にあることを検証するための方法は、それが胃内デバイスの投与後のタイミングにのみ依拠しない点で有用である。配置の検証を、X線撮影を用いて行うことができる。患者が封入されたバルーンを嚥下した後、X線不透過性マーカーにより可視化された封入されたバルーンにより、X線撮影を行って、嚥下後にバルーンが胃の中にあることを確保することができる。X線撮影技術は、放射線を用いてバルーンのリアルタイム画像を提供するx線または蛍光透視技術を含む。しかしながら、放射線は、高用量で延長または投与された場合、身体に対して有害であり得る。蛍光透視法は、典型的には、低用量の放射線を用いるが、反復的使用は患者に対する損害の危険を生じ得る。さらに、患者への非常に高用量の偶発的投与の危険がある。
電磁気に基づくシステムおよび方法は、例えば、X線撮影を超える利点を提供する。電磁気力とは、一般に、電流に対応する磁場を指す。電流を、磁場の存在により伝導性材料中で誘導することができる。また、磁場を、伝導性材料を通って走る電流の存在によって誘導することもできる。電磁気力は、多くの異なる文脈において用いられており、それは、胃内デバイスを配置し、特徴付ける文脈において用いられる場合に利点を提供する。
電圧に基づくシステムおよび方法もまた、例えば、X線撮影を超える利点を提供する。電圧は、ある点の電位が別の点の電位と異なる場合に作られる。電圧は多くの異なる文脈において用いられており、それは胃内デバイスを配置し、特徴付ける文脈において用いられる場合に利点を提供する。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第8,858,432号は、信号生成回路を含む摂取可能なマーカーを開示する。摂取可能な事象マーカーシステムは、摂取可能な事象マーカー(IEM)およびパーソナル信号受信器を含む。IEMは、消化管内部標的部位などの、身体の標的内部の生理学的部位との接触時に活性化される、生理学的に許容される担体などの識別子を含む。パーソナル信号受信器は、例えば、身体内部または身体上の生理学的位置と関連するように、また、IEMの信号を受信するように構成される。使用中に、IEMは、パーソナル信号受信器による受信される信号を送信する。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第8,836,513号は、摂取可能な製品が消費されたことを示す、該製品を有するシステムを記載する。このシステムは、類似しない材料の形態の導体素子、電子部品、および部分動力源を含む。伝導性流体との接触時に、電位が作られ、動力源が完成し、システムを起動する。電子部品は、類似しない材料間の伝導性を制御して、独特の電流シグナチャーをもたらす。このシステムは食物と関連し、受信器への食物材料の摂取に関するデータを通信してもよい。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第8,847,766号は、薬理学的薬剤の物理的送達のためのシステムを記載する。このシステムは、伝導信号を送信する識別子および類似しない材料から形成される消耗電極を含む。電極は、識別子にエネルギーを与えるための電圧を生成し、また、第1および第2の電極が体液と接触する時に身体に伝導信号を送信するように構成される。
超音波に基づくシステムおよび方法も、例えば、放射線医学を超える利点を提供する。超音波は、ヒトの可聴範囲の上限より大きい周波数で周期的に振動する音圧波である。したがって、超音波は、ヒトが聞くことができないという唯一の事実である、物理的特性の差異に基づいて「正常な」(聞こえる)音から分離される。この限界は人によって変化するが、それは健康な若い成人においては約20キロヘルツ(20,000ヘルツ)である。超音波デバイスは、20kHzから数ギガヘルツの周波数で動作する。
ウルトラソニックデバイスを用いて、対象物を検出し、距離を測定することができる。ウルトラソニック画像診断(ソノグラフィー)は、獣医学とヒト医学の両方において用いられている。製品および構造の非破壊検査においては、目に見えない傷を検出するために超音波が用いられる。工業的には、洗浄および混合のため、および化学プロセスを促進するために超音波が用いられる。コウモリおよびネズミイルカのような動物は、餌および障害物を見つけるために超音波を用いる。
ウルトラソニックは超音波の応用である。超音波を、医学的画像化、検出、測定および洗浄のために用いることができる。より高い出力レベルで、ウルトラソニックは物質の化学的特性を変化させるのに有用である。
医療用ソノグラフィー(ウルトラソノグラフィー)は、筋肉、腱、および多くの内臓を可視化する、そのサイズ、構造および任意の病変をリアルタイム断層画像と共に捕捉するために用いられる超音波に基づく医療用画像診断技術である。超音波は、少なくとも50年にわたって人体を画像化するために放射線科医および超音波検査技師によって用いられており、広く用いられる診断手段になっている。この技術は、特に、磁気共鳴画像化(MRI)およびコンピュータ断層撮影(CT)などの他の技術と比較した場合、相対的に安価であり、運搬もできる。また、超音波は、日常の、および緊急の妊婦健診の間に胎児を可視化するためにも用いられている。妊娠中に用いられるそのような診断適用は、産科的超音波検査と呼ばれる。医学界で現在適用されているように、適切に実施される超音波であれば、患者に対して危険を生じることはないことが知られている。ソノグラフィーは、イオン化放射線を使用せず、画像化のために用いられる出力レベルは、組織における有害な加熱または圧力効果を引き起こすには低すぎる。
また、超音波は、外傷および応急処置の事例においてもますまず用いられており、救急用超音波は多くのEMT応答チームの必需品になっている。さらに、超音波は、宇宙における科学実験または移動スポーツチーム診断などの、遠隔相談が必要とされる遠隔診断事例において用いられている。超音波はまた、骨盤異常の検出においても有用であり、腹部(経腹的)超音波検査、女性における膣(経膣的または膣内的)超音波検査、およびまた、男性における直腸(経直腸的)超音波検査として知られる技術を含んでもよい。
超音波は、多くの異なる文脈において用いられており、それは胃内デバイスを配置し、特徴付ける文脈において用いられる場合に利点を提供する。
医療用画像診断は、多数の疾患を診断するために用いられる。最も古い方法である、X線造影剤技術は、短い検査時間で高解像度の画像を送達する;しかしながら、それは患者をX線に曝露する欠点を有する。超音波画像化は、放射線を使用せずに機能する画像獲得の方法である。前記超音波画像化を用いた場合、超音波信号は超音波変換器を介して、検査される対象物に送られ、対応する制御デバイスは反射された超音波信号を受信し、画像化のために受信した信号を処理する。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第8,535,230号は、対象物が動くにつれてそれを追跡するためのロボットアーム上に超音波変換器を含む超音波デバイスを記載する。しかしながら、そのようなシステムは、体内のデバイスの追跡とは適合しない。
内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第8,105,247号は、胃緊縛デバイスのサイズを測定するためのウルトラソニック送受信機の使用を記載する。しかしながら、そのシステムは、固定された胃緊縛デバイスを意図するものであり、転換、回転および変形する胃内デバイスを配置し、特徴付けるのには直接適用できない。
概要
放射線への曝露を回避する胃内バルーンデバイスをin vivoで配置し、特徴付けるデバイスおよび方法が依然として必要である。
浮遊性もしくは係留された胃内容積占有デバイスまたは長時間にわたって容積および/もしくは内部圧力を所定の範囲内に維持するか、もしくは長時間にわたって容積および/もしくは内部圧力における所定の調整を受けるデバイスが開示される。所定の容積および/または内部圧力を維持することにより、構造的完全性における破損をもたらすデバイスに対するストレスを最小化し、早すぎる、および/もしくは未制御の膨張または他のデバイスの不具合を防止することができる。長時間にわたって容積および/または内部圧力における所定の調整を受けることにより、デバイスを用いた処置の経過にわたって胃のサイズの変化に順応させるための予め選択された容積プロファイルを得ることができる。デバイスは、自己膨張型(自動膨張型とも呼ばれる)または膨張型(係留による手動膨張型とも呼ばれる)であってもよい。
容積占有デバイスならびにそのようなデバイスを製造する、展開する、膨張させる、追跡する、配置する、収縮させる、および回収するための方法が提供される。好ましい態様のデバイスおよび方法を、過剰体重および肥満の個体を処置するために用いることができる。好ましい態様のデバイスを用いる方法は、侵襲的手順を用いる必要はなく、むしろ、患者は、カテーテルに取り付けられた、または取り付けられていないデバイスを単に嚥下すればよい。一度、患者の胃内に入れば、予め選択した流体、例えば、気体、液体、蒸気またはその混合物を用いて、デバイスを、予め選択された容積に膨張させる。したがって、ここの様々な態様を記載するための「気体」、例えば、初期充填気体などの1つの流体の使用は、同様に他の流体の使用を排除するものではない。さらに、初期充填流体などの「流体」は、気体または液体などの流体の中に含まれる、それと混合される、その中に担持される、またはそうでなければその中に混入される固体、液体、蒸気、または気体相にある材料または複数の材料も含む。流体は、1つの物質、または異なる物質の混合物を含んでもよく、ここにさらに記載されるように、塩水、生理的に許容される流体または物質などであるか、またはそれを含んでもよい。デバイスの壁は、その特定の流体、例えば、気体の拡散特性について予め選択される。一度、in vivoの環境に入れば、デバイス内の気体はデバイスの壁を通って拡散し、気体はin vivoの環境からデバイス中に拡散する。in vivoの環境からデバイス中への気体の拡散特性を考慮に入れて、デバイスの壁およびデバイスを膨張させるために初期に用いられる気体を予め選択することにより、デバイスの容積および/もしくは内部圧力を予め選択された範囲内に維持することができるか、またはそれは容積および/もしくは圧力の変化の予め選択されたプロファイルに従うことができる。所定の時間の後、内視鏡手段を用いてデバイスを除去することができるか、またはデバイスは患者の消化管の残余部分を通過するためにその容積を減少させるか、もしくは収縮する。
デバイスが患者によって嚥下された後、初期にはデバイスと接触する流体中に残存する除去可能なカテーテルの使用により、膨張を達成することができる。あるいは、自己膨張プロセス、例えば、一度、デバイスが胃に到達したら、嚥下時にデバイス内に含有される気体生成成分の反応によるデバイス中での気体の生成により、または除去可能なカテーテルの使用によるデバイス中への気体生成プロセス中の1つもしくは複数の成分の導入により、膨張を達成することができる。
デバイスの容積占有副部品を、例えば、ポリウレタン、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレートなどの可撓性の気体不透過性生体適合材料の注入、吹入または回転成型により形成させることができる。容積占有副部品の気体透過性/不透過性を制御するために用いることができる材料としては、透過性を低下させることを望む場合、限定されるものではないが、酸化ケイ素(SiOx)、金または任意の貴金属、サラン、絶縁保護コーティングなどが挙げられる。必要に応じて、デバイスの壁の気体不透過性を増強するために、容積占有副部品を、1つもしくは複数の気体障壁化合物でさらにコーティングするか、またはMylarポリエステルフィルムコーティングもしくはケルバライト、金属化された表面としての銀もしくはアルミニウムから形成させて、気体不透過性障壁を提供することができる。
さらなる態様において、デバイスは、患者の不快感を最小限にしながら、デバイスを嚥下することができるように、デバイスを包装する送達状態を用いる。送達状態において、デバイスをカプセル中に包装することができる。あるいは、デバイスを閉じ込め、嚥下を容易にするために動作し得る材料でデバイスをコーティングすることができる。例えば、湿潤化する、温度処理する、潤滑化する、および麻酔剤などの薬剤で処理することを含む、様々な技術を用いて、デバイスの嚥下を容易にすることもできる。
デバイスは、医師が、電磁気的、磁気的、電圧的、pH的、および/または音響的(例えば、ウルトラソニック)方法を用いて患者の体内でのデバイスの位置および/または配向および/または状態を決定することができる追跡または可視化部品または複数の部品を含む。追跡または可視化部品は、バルーンもしくはその部品もしくはその中の部品、またはバルーンもしくはその部品もしくはその中の部品に追加もしくは取り付けられた追加の部品、またはバルーンの場所を示す特性を有する追加の部品であってもよい。
いくつかの態様において、追跡副部品は、電磁エネルギーを放出する材料を含んでもよい。デバイスの電磁特性に対して応答する補完的電磁エネルギーセンサーを用いて、デバイスを追跡および配置することができる。そのような技術を用いて、デバイスが体内を移動するにつれて、限定されるものではないが、デバイスの位置、配向、サイズまたは状態などの、デバイスが患者の体内に留まる間のある特定のデバイス特異的な情報および明細を得ることもできる。体外の電磁気応答センサーは、エネルギーが、胃内デバイスまたは胃内デバイス中もしくは上の材料もしくは対象物に反射される、それにより作られる、またはさもなければそれから伝えられる内部デバイスによって中継される電磁エネルギーに関する情報を検出および処理することができる。次いで、体内に留置したまま、この情報を解釈して、デバイスの位置、配向、サイズおよび他の属性を同定することができる。電磁システムは、胃内デバイスを追跡する、配置する、および特徴付ける単純で非侵襲的で有害性の低い方法を提供する。
いくつかの態様において、追跡副部品は、ウルトラソニックまたは他の音響エネルギーに対して応答する材料を含んでもよい。デバイスを、デバイスの音響特性に対して応答する補完的ウルトラソニックエネルギーセンサーを用いて追跡および配置することができる。そのような技術を用いて、デバイスが体内を移動するにつれて、限定されるものではないが、デバイスの位置、配向、サイズまたは状態などの、デバイスが患者の体内に留まる間のある特定のデバイス特異的な情報および明細を得ることもできる。体外の音響応答性センサーは、エネルギーが、胃内デバイスまたは胃内デバイス中もしくは上の材料もしくは対象物に反射される、それにより作られる、またはさもなければそれから伝えられる内部デバイスによって中継される音響エネルギーに関する情報を検出および処理することができる。次いで、体内に留置したまま、この情報を解釈して、デバイスの位置、配向、サイズおよび他の属性を同定することができる。超音波システムは、胃内デバイスを追跡する、配置する、および特徴付ける単純で非侵襲的で有害性の低い方法を提供する。
いくつかの態様において、電磁システムまたはその一部を、音響システムまたはその一部と組み合わせることができる。システムまたはその一部の組合せを、in vivoでの胃内デバイスの配置および/または特徴付けをさらに増強するために実装することができる。
そのような技術を用いて、デバイスが体内を移動するにつれて、限定されるものではないが、デバイスの位置、配向、サイズまたは状態などの、デバイスが患者の体内に留まる間のある特定のデバイス特異的な情報および明細を得ることもできる。磁気応答性センサー、例えば、体外のセンサーは、胃内デバイスの磁場に関する情報を検出および中継することができる。次いで、体内に留置したまま、この情報を解釈して、デバイスの位置、配向、サイズおよび他の属性を同定することができる。磁場検出システムは、胃内デバイスを追跡する、配置する、および特徴付ける単純で非侵襲的で有害性の低い方法を提供する。
第1の側面において、体内に胃内デバイスを配置するための電磁システムであって、電磁場を発生させるように構成される電磁場発生器;システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中で電磁場に曝露された場合に電流を生成するようにさらに構成される嚥下可能な電磁気センサー;および胃内デバイスがin vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、バルブシステムを含む、システムが提供される。
第1の側面の態様において、電磁気センサーは、嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される。
第1の側面の態様において、電磁気センサーは、嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される。
第1の側面の態様において、電磁気センサーは、胃内デバイスと結合するように構成される。
第1の側面の態様において、システムは、体外に置かれ、磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーをさらに含む。
第1の側面の態様において、システムは、体外に置かれ、磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される3つの外部参照センサーをさらに含む。
第1の側面の態様において、システムは、電磁気センサーおよび少なくとも1つの外部参照センサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む。
第1の側面の態様において、システムは、センサーインタフェースユニットおよび電磁場発生器と電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む。
第1の側面の態様において、システムは、システム制御ユニットと電気的に通信し、体内の電磁気センサーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む。
第1の側面の態様において、システムは、体外に置かれ、磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーをさらに含み、コンピュータは少なくとも1つの外部参照センサーの位置を示す少なくとも1つの第2の識別子を表示するようにさらに構成される。
第1の側面の態様において、コンピュータは、体内の電磁気センサーにより伝播される経路を示す形跡を表示するようにさらに構成される。
第1の側面の態様において、システムは、胃内デバイスをさらに含み、胃内デバイスはバルーンである。
第1の側面の態様において、システムは、初期充填流体をさらに含み、胃内デバイスは、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境から胃内デバイスの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第1の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第1の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第1の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第1の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第1の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第1の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第1の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は初期充填流体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第1の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第1の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第1の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第2の側面において、患者の体内に胃内デバイスを電磁気的に配置するための方法であって、患者の体外に設置された電磁場発生器を用いて電磁場を発生させること;カテーテルと解放可能に結合し、磁場発生器により発生した電磁場の存在下で電流を生成するように構成される電磁気センサーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む胃内デバイスを、嚥下により、患者の体内に導入すること;電磁場により電磁気センサー中に誘導された電流を感知すること;および電磁気センサー中に誘導された電流の感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、方法を提供する。
第2の側面の態様において、患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置は、患者の胃である。
第2の側面の態様において、方法は、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、膨張していない胃内バルーンの内腔にカテーテルを介して初期充填流体を導入すること;ならびに少なくとも30日の耐用寿命にわたって、膨張した胃内バルーンをin vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境からバルーンの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第2の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第2の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第2の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第2の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第2の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第2の側面の態様において、第1の気体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第2の側面の態様において、第1の気体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は第1の気体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第2の側面の態様において、第1の気体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第2の側面の態様において、第1の気体は、気体N2および気体SF6を含む。
第2の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第2の側面の態様において、電磁気センサー中に誘導された電流の感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することは、電磁気センサーの位置を示す識別子をコンピュータ上に表示させることを含む。
第2の側面の態様において、方法は、電磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーを、患者の体外に置くこと;および電磁場により少なくとも1つの外部参照センサー中に誘導された電流を感知することをさらに含む。
第2の側面の態様において、電磁気センサー中に誘導された電流の感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することは、少なくとも1つの外部参照センサーの位置を示す少なくとも1つの第2の識別子をコンピュータ上に表示させることを含む。
第2の側面の態様において、電磁気センサーは、カテーテルと結合している。
第2の側面の態様において、電磁気センサーは、胃内デバイスと結合している。
第3の側面において、体内に胃内デバイスを配置するための磁気システムであって、磁場を感知するように構成される磁場センサー;システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中で局部的磁場を生成するようにさらに構成される嚥下可能な磁気マーカー;および胃内デバイスがin vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、バルブシステムを含む、システムを提供する。
第3の側面の態様において、磁気マーカーは、嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される。
第3の側面の態様において、磁気マーカーは、嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される。
第3の側面の態様において、磁気マーカーは、胃内デバイスと結合するように構成される。
第3の側面の態様において、システムは、体外に置かれ、局部的磁場を感知するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーをさらに含む。
第3の側面の態様において、システムは、磁気マーカーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む。
第3の側面の態様において、システムは、センサーインタフェースユニットおよび磁場センサーと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む。
第3の側面の態様において、システムは、システム制御ユニットと電気的に通信し、体内の磁気マーカーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む。
第3の側面の態様において、コンピュータは、体内の磁気マーカーにより伝播される経路を示す形跡を表示するようにさらに構成される。
第3の側面の態様において、システムは、胃内デバイスをさらに含み、胃内デバイスはバルーンである。
第3の側面の態様において、システムは、初期充填流体をさらに含み、胃内デバイスは、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境から胃内デバイスの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第3の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第3の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第3の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第3の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第3の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第3の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第3の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は初期充填流体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第3の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第3の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第3の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第4の側面において、患者の体内に胃内デバイスを磁気的に配置するための方法であって、カテーテルと解放可能に結合し、磁場センサーにより感知されるように構成される磁気マーカーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む胃内デバイスを、嚥下により、患者の体内に導入すること;磁場センサーを用いて磁場を感知すること;および磁場の感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、方法を提供する。
第4の側面の態様において、患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置は、患者の胃である。
第4の側面の態様において、方法は、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、膨張していない胃内バルーンの内腔にカテーテルを介して初期充填流体を導入すること;ならびに少なくとも30日の耐用寿命にわたって、膨張した胃内バルーンをin vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境からバルーンの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第4の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第4の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第4の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第4の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第4の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第4の側面の態様において、第1の気体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第4の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は初期充填流体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第4の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第4の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第4の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第4の側面の態様において、磁気マーカーにより発生した磁場の感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することは、磁気マーカーの位置を示す識別子をコンピュータ上に表示させることを含む。
第4の側面の態様において、磁気マーカーは、カテーテルと結合している。
第4の側面の態様において、電磁気センサーは、胃内デバイスと結合している。
第5の側面において、体内に胃内デバイスを配置するための発電システムであって、システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中で電圧を生成するようにさらに構成される嚥下可能な発電センサー;および胃内デバイスがin vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、バルブシステムを含む、システムを提供する。
第5の側面の態様において、発電センサーは、嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される。
第5の側面の態様において、発電センサーは、嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される。
第5の側面の態様において、発電センサーは、胃内デバイスと結合するように構成される。
第5の側面の態様において、システムは、体外に置かれ、発電センサーにより生成される電圧と関連するシグナルを受け取るように構成される少なくとも1つの受信器をさらに含む。
第5の側面の態様において、システムは、発電センサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む。
第5の側面の態様において、システムは、センサーインタフェースユニットおよび発電センサーと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む。
第5の側面の態様において、システムは、システム制御ユニットと電気的に通信し、体内の発電センサーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む。
第5の側面の態様において、システムは、胃内デバイスをさらに含み、胃内デバイスはバルーンである。
第5の側面の態様において、システムは、初期充填流体をさらに含み、胃内デバイスは、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境から胃内デバイスの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第5の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第5の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第5の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第5の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第5の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第5の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第5の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は初期充填流体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第5の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第5の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第5の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第6の側面において、患者の体内に胃内デバイスを発電的に配置するための方法であって、カテーテルと解放可能に結合し、胃内環境の存在下で電圧を生成するように構成される発電センサーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む胃内デバイスを、嚥下により、患者の体内に導入すること;胃内環境との接触に応答する発電センサーを用いて電圧を生成すること;および生成された電圧の感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、方法を提供する。
第6の側面の態様において、患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置は、患者の胃である。
第6の側面の態様において、方法は、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、膨張していない胃内バルーンの内腔にカテーテルを介して初期充填流体を導入すること;ならびに少なくとも30日の耐用寿命にわたって、膨張した胃内バルーンをin vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境からバルーンの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第6の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第6の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第6の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第6の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第6の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第6の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第6の側面の態様において、第1の気体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は初期充填流体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第6の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第6の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第6の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第6の側面の態様において、発電センサーは、カテーテルと結合している。
第6の側面の態様において、発電センサーは、胃内デバイスと結合している。
第7の側面において、体内に胃内デバイスを配置するためのpHに基づくシステムであって、システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中の流体のpHレベルを感知するようにさらに構成される嚥下可能なpHセンサー;および胃内デバイスがin vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、バルブシステムを含む、システムを提供する。
第7の側面の態様において、pHセンサーは、嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される。
第7の側面の態様において、pHセンサーは、嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される。
第7の側面の態様において、pHセンサーは、胃内デバイスと結合するように構成される。
第7の側面の態様において、システムは、体外に置かれ、pHセンサーにより感知されるpHレベルと関連するシグナルを受け取るように構成される少なくとも1つの受信器をさらに含む。
第7の側面の態様において、システムは、pHセンサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む。
第7の側面の態様において、システムは、センサーインタフェースユニットおよびpHセンサーと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む。
第7の側面の態様において、システムは、システム制御ユニットと電気的に通信し、体内のpHセンサーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む。
第7の側面の態様において、システムは、胃内デバイスをさらに含み、胃内デバイスはバルーンである。
第7の側面の態様において、システムは、初期充填流体をさらに含み、胃内デバイスは、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境から胃内デバイスの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第7の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第7の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第7の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第7の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第7の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第7の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第7の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は初期充填流体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第7の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第7の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第7の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第8の側面において、体内の流体のpHレベルの感知に基づいて患者の体内に胃内デバイスを配置するための方法であって、カテーテルと解放可能に結合し、体内の胃内環境中の流体のpHレベルを感知するように構成されるpHセンサーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む胃内デバイスを、嚥下により、患者の体内に導入すること;胃内環境とのpHセンサーの接触に応答する流体のpHレベルを感知すること;およびpHレベルの感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、方法を提供する。
第8の側面の態様において、患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置は、患者の胃である。
第8の側面の態様において、方法は、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、膨張していない胃内バルーンの内腔にカテーテルを介して初期充填流体を導入すること;ならびに少なくとも30日の耐用寿命にわたって、膨張した胃内バルーンをin vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境からバルーンの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第8の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第8の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第8の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第8の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第8の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第8の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第8の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は第1の気体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第8の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第8の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第8の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第8の側面の態様において、pHセンサーは、カテーテルと結合している。
第8の側面の態様において、pHセンサーは、胃内デバイスと結合している。
第9の側面において、体内に胃内デバイスを配置するための音響システムであって、音響シグナルを発生するように構成される音響シグナル発生器;システムと結合するように構成され、発生した音響シグナルに応答してin vivoの胃内環境中で音響応答を生成するようにさらに構成される嚥下可能な音響マーカー;および胃内デバイスがin vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含むバルブシステムを含む、システムを提供する。
第9の側面の態様において、音響マーカーは、嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される。
第9の側面の態様において、音響マーカーは、嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される。
第9の側面の態様において、音響マーカーは、胃内デバイスと結合するように構成される。
第9の側面の態様において、システムは、体外に置かれ、音響マーカーの音響応答を感知するように構成される少なくとも1つの外部音響センサーをさらに含む。
第9の側面の態様において、システムは、音響マーカーおよび音響センサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む。
第9の側面の態様において、システムは、センサーインタフェースユニットと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む。
第9の側面の態様において、システムは、システム制御ユニットおよび音響センサーと電気的に通信し、体内の音響マーカーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む。
第9の側面の態様において、コンピュータは、体内の磁気マーカーにより伝播される経路を示す形跡を表示するようにさらに構成される。
第9の側面の態様において、システムは、胃内デバイスをさらに含み、胃内デバイスはバルーンである。
第9の側面の態様において、システムは、初期充填流体をさらに含み、胃内デバイスは、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境から胃内デバイスの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第9の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第9の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第9の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第9の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第9の側面の態様において、初期充填流体は、N2から本質的になる。
第9の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になる。
第9の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は初期充填流体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第9の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第9の側面の態様において、初期充填流体は、N2およびSF6を含む。
第9の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第9の側面の態様において、音響シグナルは、超音波シグナルである。
第10の側面において、患者の体内に胃内デバイスを音響的に配置するための方法であって、胃内デバイスがカテーテルと解放可能に結合し、音響シグナルに応答して音響応答を生成するように構成される音響マーカーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む胃内デバイスを、嚥下により、患者の体内に導入すること;音響シグナルを発生させること;および音響シグナルに応答して生成される音響応答に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、方法を提供する。
第10の側面の態様において、患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置は、患者の胃である。
第10の側面の態様において、方法は、in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m2/日を超えるCO2の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、膨張していない胃内バルーンの内腔にカテーテルを介して初期充填流体を導入すること;ならびに少なくとも30日の耐用寿命にわたって、膨張した胃内バルーンをin vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、ポリマー壁を介するin vivoの胃内環境からバルーンの内腔へのCO2の拡散の速度および量は、少なくとも部分的には、初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される。
第10の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第10の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO2障壁材料を含む。
第10の側面の態様において、ポリマー壁は、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO2障壁材料を含む。
第10の側面の態様において、ポリマー壁は、エチレンビニルアルコール層を含むCO2障壁材料を含む。
第10の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2から本質的になる。
第10の側面の態様において、第1の気体は、N2およびCO2から本質的になる。
第10の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体CO2から本質的になり、気体N2は、第1の気体中の気体CO2に対して濃度過剰である。
第10の側面の態様において、初期充填流体は、液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF6を含む。
第10の側面の態様において、初期充填流体は、気体N2および気体SF6を含む。
第10の側面の態様において、ポリマー壁は、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m2/日を超えるCO2に対する透過性を有するように構成される。
第10の側面の態様において、音響応答の感知に基づいて患者内部の膨張していない胃内バルーンの位置を確認することは、音響マーカーの位置を示す識別子をコンピュータ上に表示させることを含む。
第10の側面の態様において、音響マーカーは、カテーテルと結合している。
第10の側面の態様において、音響マーカーは、胃内デバイスと結合している。
第10の側面の態様において、音響センサーは、超音波センサーであり、音響マーカーは超音波マーカーである。
第11の側面において、明細書および/または図面に実質的に記載されているシステムが提供される。
第12の側面において、明細書および/または図面に実質的に記載されている方法が提供される。
上記態様のいずれかを、他の態様または他の側面および関連する態様と組み合わせることができる。例えば、第2の側面の方法のいずれかを、第1の側面のシステムと関連して用いることができ、第4の側面の方法のいずれかを、第3の側面のシステムと関連して用いることができ、第6の側面の方法のいずれかを、第5の側面のシステムと関連して用いることができ、第8の側面の方法のいずれかを、第7の側面のシステムと関連して用いることができ、第10の側面の方法のいずれかを、第9の側面のシステムと関連して用いることなどができる。同様に、いずれかの側面のいずれかの態様を、いずれかの側面の1つ以上の他の態様と組み合わせて用いることができる。さらに、いずれか、または全ての態様は、「流体」として気相または液相材料を用いることができる。したがって、いずれかの態様における「気体」の記載は、それを気体性材料に限定することを意味するものではなく、ここにさらに詳細に記載されるように、液相材料をも同様に含んでもよい。
図1は、センサーを配置するための電磁気トラッキングシステムの態様を表す。
図2は、胃内デバイスを配置するためにセンサーを用いる電磁気トラッキングシステムの態様を表す。
図3Aは、ヒト患者の体内で胃内デバイスを配置するためにセンサーを用いる電磁気トラッキングシステムの態様を表す。
図3Bは、解剖学的視点のための外部参照センサーの態様を示す図3Aの患者の背面図である。
図4は、ヒト患者の体内で胃内デバイスを配置するためにセンサーを用いる支持体上の電磁気トラッキングシステムの態様を表す。
図5は、図2〜4のシステムと一緒に用いることができるディスプレイの態様を表す。
図6は、図2〜4のシステムと一緒に用いることができる電磁場発生器および対応する磁場エンベロープの態様を表す。
図7は、図2〜4のシステムと一緒に実装することができるシステム制御ユニット上の制御パネルの態様を表す。
図8は、図2〜4のシステムと一緒に実装することができるセンサー制御ユニットの態様を表す。
図9は、図2〜4のシステムと一緒に用いることができる一体化センサーを備えたカテーテルの態様を表す。
図10Aは、図2〜4のシステムと一緒に用いることができるカテーテルおよびセンサーの別の態様を表す。
図10Bは、図10Aのカテーテルと一緒に実装することができる電磁気センサーの態様を表す。
図10Cは、図10Aのカテーテルと一緒に実装することができる電圧センサーの態様を表す。
図11は、図2〜4のシステムと一緒に解剖学的参照マーカーとして用いることができる外部参照センサーの態様を表す。
図12は、図2〜4のシステムと一緒に用いることができるジャンパーケーブルの態様を表す。
図13は、磁気センサーの1つの可能な配置を例示する検出器の態様の平面図である。
図14は、磁石の位置を決定するために図3の磁気センサー構成を用いた磁場強度ベクターの発生を例示する。
図15Aは、磁石の位置を決定するように構成されたシステムの例示的態様の機能的ブロック図である。
図15Bは、従来の画像化システムとともに磁石の位置を提示するために図15Aのシステムのオペレーションを例示する機能的ブロック図である。
図15Cは、検出器システムの位置をモニターするための図15Aのシステムの態様を例示する。
図16は、センサーアレイを形成するために所定領域内に配置された多数の磁気センサーを例示する。
図17Aは、患者の目印となる位置を選択するための図15Cのシステムの使用を例示する。
図17Bは、選択された位置および磁石の位置の表示を例示する。
図18Aは、磁石の位置を決定するための図15Aのシステムによって用いられるフローチャートである。
図18Bは、図15Aのシステムの自動較正機能を例示するフローチャートである。
図19Aは、図13の検出器によって用いられる視覚表示の1つの態様を例示する。
図19Bは、図13の検出器で用いられるインジケータの代替の態様である。
図19Cは、図13の検出器で用いられるディスプレイのさらに別の代替の態様である。
図19Dは、検出器からの磁石の距離を示す深度計を備えた図13の検出器のディスプレイのさらに別の代替の態様である。
図20は、ヒト患者の体内に置かれた医療用チューブの末端に固定された複数の磁石の位置を例示する。
図21は、複数の磁石の位置を決定するために任意の磁気センサー構成を用いた磁場強度ベクターの発生を例示する。
図22は、チューブの回転角を検出するための単一のチューブの上の2つの磁石の配向を例示する。
図23は、胃内バルーンの封入容積中に電磁気、磁気または磁化可能なペレットを組み込んだ1つの態様のバルーンを表す。ペレットは、固定されていないかまたは胃内バルーンの壁に取り付けられてもよい。
図24は、胃内バルーンの反対側に取り付けられた電磁気、磁気または磁化可能なボタンを組み込んだ1つの態様のバルーンを表す。
図25Aは、隔壁プラグ、ヘッドユニット、リングストップ、チューブ隔壁、および電磁気のまたは磁化された止め輪を含むバルブシステムの断面を表す。
図25Bは、図25Aの線1D〜1Dに沿った断面で表されたバルブシステムの上面図である。
図25Cは、胃内バルーンの壁に組み込まれた図25Aおよび25Bのバルブシステムの上面図である。
図26は、膨張していない形の図25A〜Cの胃内バルーンを含有するゲルキャップ1400を表す。膨張していないバルーンを含有するゲルキャップは、胃内バルーンのバルブシステムによって、電磁気、磁気の、または磁化された部品を組み込んだプレスフィット接続構造を通して、2FRチューブおよび4FRチューブを含む二重カテーテルシステムと係合する。
図27は、超音波を用いて胃内デバイスを配置するかさもなければ特徴付けるためのシステムの態様を表す。
図28は、超音波を用いて胃内デバイスを配置するかさもなければ特徴付けるためのシステムの態様を表す。
図29は、図27〜28のシステムで使用するための胃内デバイスの態様を表し、デバイスは、膨らませることができる区画、固体基板および配置タブを有する内部コイルを有する。
図30Aは、お互いに同心状および同軸状に置かれた内部コイルおよび外部コイルを示す、誘導を用いる超音波感知機構の態様を表す。
図30Bは、お互いに同軸状非同心状配置で置かれた内部コイルおよび外部コイルを示す、誘導を用いる超音波感知機構の別の態様を表す。
図31Aは、図30Aの同心状、同軸状の誘導感知機構を用いることができるコイルホルダーの態様を表す。
図31Bは、図30Bの非同心状、同軸状の誘導感知機構を用いることができるコイルホルダーの態様を表す。
図32は、胃内デバイスまたはその上のマーカーを特徴付けるための超音波方法の態様を表す。
図33Aは、胃磁気感受性ファントムを用いた装置検証のためのシステムの態様の上面図である。
図33Bは、図33Aのシステムの側面図である。
図34は、調整可能な外部コイルの動作を示す胃磁気感受性ファントムを用いた装置検証のためのシステムの別の態様の側面図である。
図35は、図33〜34のシステムで測定された周波数データの表示を示すグラフである。
図36は、図33〜34のシステムを用いて胃内腔のサイズを決定するための方法の態様を示すフローチャートである。
図37は、胃内デバイスを特徴付けるためのシステムの態様を表し、システムは、システムに飛行時間型超音波技術を用いてマーカーおよび/またはデバイスのサイズおよび組成を測定させる、デバイスの中に置かれる2つのウルトラソニックモジュールを有する。
図38は、図37のシステムで測定されたデータの表示を示すグラフである。
図39は、ウルトラソニックモジュールを用いる飛行時間を表すパルスタイミング図の態様を表す。
図40は、本開示のウルトラソニックシステムおよび誘導システムで収集したデータのグラフ表示の態様を示す。
図41は、発電に基づく胃内配置システムで用いることができる識別子の態様の図示を表す。
図42は、発電に基づく胃内配置システムで用いることができる発電センサーの様々な態様の電子回路の特定の実装形態の詳細を提供する。
図43は、一態様に従う摂取可能な事象マーカー(IEM)集積回路(IC)の発電デバイス構成の態様を例示する。
図44は、IEM ICのための設計の態様を例示する概略図である。
図45は、発電センサーの一態様に従う「0010」のビットパターンのための伝送シーケンスの態様を例示する。
図46は、発電センサーの一態様に従うシーケンス「10101」の20kHz伝送のための波形の態様を例示する。
図47は、発電センサーの一態様に従うシーケンス「10101」の10kHz伝送の波形の態様を例示する。
図48は、発電センサーの一態様に従うIEM ICの態様のオペレーションを例示する状態図である。
図49は、発電センサーでバッテリーおよびシグナル伝送それぞれのために2つの別個の電極が用いられるIEMチップ構成の態様を例示する。
図50は、発電センサーの一態様に従う回路ラッチアップを最小にする例示的なチップ構成を示す。
図51は、IEMでのラッチアップを最小にするIEMチップのためのレイアウトの態様を例示する。
図52は、発電センサーで用いることができるIEMの態様の分解図である。
図53は、発電センサーに組み込むことができるシグナル受信器の態様を示す図である。
図54は、発電センサーに組み込むことができるシグナル受信器の態様の図である。
図55Aは、発電センサーの態様による外部受信器の態様の様々な側面に関する追加情報を提供する。
図55Bは、発電センサーの態様による外部受信器の態様の様々な側面に関する追加情報を提供する。
図56は、バルーンがその中に発電センサーを有する、送達/膨張カテーテルに取り付けられた胃内バルーンカプセルの態様の側面図である。
図57は、pHコーティングを有するアノードおよびカソードを有する胃内バルーンシステムの態様の側面図である。
図58は、発電センサー配置システムに組み込むことができる直列バッテリーの態様を表す。
図59は、発電センサー配置システムに組み込むことができる直列バッテリーの別の態様を表す。
図60は、発電センサー配置システムに組み込むことができる、2つのカソードおよび1つのアノードを有するオンチップバッテリーのためのプレーナーまたは嵌合(interdigitated)バッテリーの態様を示す。
図61は、発電センサー配置システムに組み込むことができる、オンチップバッテリーのための大きなプレート構成の態様を示す。
図62は、発電センサー配置システムに組み込むことができる、カソードの上で3つのアノードが架橋しているオンチップバッテリーの3d構成の態様を示す。
図63は、発電センサー配置システムに組み込むことができる、オンチップバッテリーの3d構成の透視図である。
図64は、発電センサー配置システムに組み込むことができるオンチップバッテリーの別の態様を表す。
図65は、発電センサー配置システムに組み込むことができるオンチップバッテリーの別の態様を表す。
図66は、発電センサー配置システムに組み込むことができる、ウエハー接着を用いるオンチップバッテリーの別の態様を表す。
図67は、事象マーカーを有する発電配置システムの態様の患者での使用を例示する。
図68は、アノードおよびカソードを有する発電配置システムの態様の患者での使用を例示する。
図69Aは、患者での使用の間に実証された、一体化したコントローラおよびディスプレイ、ならびに別個のコントローラユニットオプションによる本開示の態様を表す。
図69Bは、患者の近くで使用されたワイヤレス外部コントローラによる本開示の態様を表す。
図69Cは、胃の断面内の胃内デバイスの上に配置された、本開示のpHセンサーの態様の側面図を表す。
図70Aは、食道内の胃内デバイスに組み込むことができるpHモニターを有するヒトの概略側面図である。
図70Bは、図70AのpHモニターのための電気回路の一態様の概略図である。
図70Cは、回路がマイクロプロセッサーも含むpHモニター回路の態様の概略図である。
図71Aは、pHレベル検出のためにその化学特性表示素子を示す胃内チューブの態様の近位端断面の側面図である。
図71Bは、図71Aの断面線44〜44に沿ってとられた、図71Aの胃内チューブの代わりの態様の断面図である。
図71Cは、第1の例示構成におけるpHレベル検出のためのその化学特性表示媒体を示す、胃内チューブのさらなる態様の近位端断面の側面図である。
図71Dは、第2の例示構成におけるpHレベル検出のためのその化学特性表示媒体を示す、胃内チューブのさらなる態様の近位端断面の側面図である。
図71Eは、図71Cの断面線47〜47に沿ってとられた、図71Cの胃内チューブの代わりの態様の断面図である。
図71Fは、図71Dの断面線48〜48に沿ってとられた、図71Dの胃内チューブの代わりの態様の断面図である。
図71Gは、第3の例示構成におけるpHレベル検出のためのその化学特性表示媒体を示す、胃内チューブのさらなる態様の側面図である。
図71Hは、第4の例示構成におけるpHレベル検出のためのその化学特性表示媒体を示す、胃内チューブのさらなる代わりの態様の側面図である。
図72は、スペースフィラーと縦に接続されたpHセンサーを有する胃内デバイスの態様を示す。
図73Aは、pHレベルを検出するために胃内デバイスに組み込むことができるカプセルデバイスの概略図である。
図73Bは、互いに接続された2つのカプセルを有する、pHを測定するための胃内デバイスに組み込むことができるシステムの概略図である。
図74は、2つのハードカプセル様ユニットおよびカプセルユニットを接続するソフトフレキシブルチューブを有する、胃内デバイスへの組み込みのための、1つ以上のpHセンサーを備えたカプセルシステムの態様を例示する。
図75は、胃内デバイスの位置、配向および/または状態を決定するために、胃内デバイスでpHセンサーを用いるための方法の態様のフローチャートである。この方法は、電磁気、磁気、発電および超音波システムを含む他のシステムで用いることができる。
図76は、本開示の胃内配置システムのスーツケース態様の透視図である。
図77は、本開示の胃内配置システムのバックパック態様の透視図である。
図78は、充填ガスとしてのSF6および/またはN2の様々な濃度について、様々な胃内バルーン中の経時的圧の実験データを提供する。線Aは、ポリエチレン層およびナイロン層(PE/Nylon)を含む壁を有し、100%SF6を充填した第1のバルーンを指す。線Bは、ポリエチレン層およびナイロン層(PE/Nylon)を含む壁を有し、100%SF6を充填した第2のバルーンを指す。線Cは、ポリエチレン層およびナイロン層(PE/Nylon)を含む壁を有し、75%SF6/25%N2を充填したバルーンを指す。線Dは、ポリエチレン層およびナイロン層(PE/Nylon)を含む壁を有し、50%SF6/50%N2を充填したバルーンを指す。線Eは、ポリエチレン層およびナイロン層(PE/Nylon)を含む壁を有し、25%SF6/75%N2を充填したバルーンを指す。線Fは、ポリエチレン層およびナイロン層(PE/Nylon)を含む壁を有し、18〜20%SF6/78〜80%N2を充填したバルーンを指す。線Gは、エチレンビニルアルコール(EVOH)の層を含む壁を有し、100%N2を充填したバルーンを指す。線Hは、3.5ミルポリエチレン層およびナイロン層(PE/Nylon)を含む壁を有し、100%N2を充填したバルーンを指す。
詳細な説明
以下の説明および例は、本発明の好ましい態様を詳細に例示するものである。当業者であれば、本発明の範囲によって包含される本発明のいくつかの変動および改変が存在することを認識できる。したがって、好ましい態様の説明は、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。
ここで用いられる用語「分解性」は、広い用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用的な意味を与えられ(また、特殊な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、限定されるものではないが、収縮が起こるような、バルーンの構造的完全性が損なわれる(例えば、化学的、機械的、または他の手段(例えば、光、放射線、熱など)による)プロセスを指す。分解プロセスは、腐食、溶解、分離、消化、崩壊、剥離、粉砕、および他のそのようなプロセスを含んでもよい。摂取後の、所定の時間後、または所定の時間枠内での分解が特に好ましい。
ここで用いられる用語「CO2障壁材料」は、広い用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用的な意味を与えられ(また、特殊な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、限定されるものではないが、シミュレートされたin vivo条件(100%の湿度および37℃の体温)下で10cc/m2/日以下のCO2に対する透過性を有する材料を指す。ここで用いられる用語「in vivo条件」とは、in vivoの胃内条件などの実際のin vivo条件と、シミュレートされたin vivo条件の両方を指す。CO2に対する材料の透過性は、それが測定される条件に応じて変化し得る。
ここで用いられる用語「嚥下可能」は、広い用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用的な意味を与えられ(また、特殊な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、限定されるものではないが、外部カプセルおよびその構成要素が通常の蠕動運動により胃に送達されるような、患者によるバルーンの摂取を指す。好ましい態様のシステムは嚥下可能であるが、それらはまた、嚥下以外の方法による摂取によっても構成される。システムの嚥下可能性は、少なくとも部分的には、自己膨張型システムとカテーテルのための外部容器サイズおよび手動による膨張システムのための外部容器サイズによって誘導される。自己膨張型システムについては、外部カプセルは、内部容器と、その構成要素、投与前に注入される活性化薬剤の量、バルーンのサイズ、およびバルーン材料の厚さとを含有するのに十分なものである。システムは、好ましくは正常な食道の平均直径未満のサイズのものである。
ここに記載されるのは、デバイスまたはデバイスの状態を磁気的、電磁気的および/またはウルトラソニック的に配置、追跡、および/またはさもなければ感知する、経口摂取可能なデバイスのためのシステムである。好ましい態様において、デバイスは、消化管を横断することができる。デバイスは、例えば、胃内容積占有デバイスとして有用であり得る。デバイスは、現在の胃内容積占有デバイスにおいて見出される1つ以上の上記問題および欠点を克服する。ある特定の態様において、特定のデバイスが記載されるが、材料および方法を他のデバイスに適用することもできることが理解される。
好ましい態様の主題をより明確に説明するために、同じ副部品の異なる態様を、単一の関連する表題の小見出しの下で説明する。この組織化は、異なる副部品の態様を本発明に従って組み合わせることができる様式を限定することを意図するものではない。本明細書に開示される磁気、電磁気およびウルトラソニックシステムにおける使用のための様々な副部品を、そのそれぞれの小見出しのセクションの下で、または様々な追跡および可視化副部品について論じる任意のセクションもしくは複数のセクションを含む、任意の他のセクションの中で論じることができる。
嚥下可能な胃内バルーンシステム
選択される好ましい態様に従う嚥下可能な、自己膨張型または膨張型胃内バルーンシステムは、以下の部品:バルーンの管腔または内部容器への流体の添加のための自己密封型バルブシステム(「バルブシステム」)、収縮および圧縮状態にあるバルーン(「バルーン」)ならびにバルーンを含有する外部カプセル、容器、またはコーティング(「外部容器」)を含む。自己膨張型バルーンについては、1つ以上のCO2生成成分を含有する内部カプセルまたは他の容器(「内部容器」)は、バルーンの管腔の内側に存在する。システムはまた、口への、および/または食道を介するバルーンの送達を容易にするための様々な部品(「送達部品」)を含んでもよい。
膨張型バルーンについては、胃の中への摂取または配置後にバルーンを膨張させるための、膨張流体源、カテーテル、およびチューブ(「膨張アセンブリ」)が提供される。自己膨張型バルーン構成においては、バルブを、好ましくは、接着または他の手段(例えば、溶着)によってバルーンの内側表面に取り付け、バルブに、自己密封型バルブによりバルーンの管腔に液体活性化薬剤を注入するための針または他の手段によるバルーンおよび内部容器の壁の穿刺を防止するための接種スペーサーを提供する。膨張型バルーン構成においては、バルーンへのチューブの解放可能な取り付けを提供するバルブを提供する。好ましくは、膨張型構成におけるバルーンに取り付けられた(例えば、その内側表面上で)自己密封型バルブシステムは、「普遍的」であるか、または嚥下可能なカテーテルもしくは医師により支援されるカテーテルと適合する。バルブシステムは、針アセンブリを含む小型カテーテルを用いるバルーン膨張を可能にするために役立ち、膨張が完了した後のカテーテルの取り外しのための機構も提供する。
外部容器は、好ましくは、圧縮状態(例えば、折り畳まれる、および巻かれる)のバルーンを含み、好ましくは、自己膨張型バルーン構成においてバルーンに活性化液体を注入することができる十分な空間を有し、ここで、液体活性化剤は、内部容器中に含有される膨張剤との接触時に内部容器の分離、腐食、分解、および/または溶解ならびにCO2の生成を開始し、次いで、CO2気体圧力のため、外部容器の分離、腐食、分解、および/または溶解を引き起こす。膨張型バルーン構成においては、外部容器は圧縮状態にあるバルーンを含んでさえいれば十分である。
好ましい態様の嚥下可能な胃内バルーンシステムの選択される部品は、X線不透過リングを含むシリコンヘッド、トリミングされた30Dシリコン隔壁、Nylon6接種スペーサー、圧縮されたバルーン、内部容器(自己膨張型の場合)、および組み立てられていない形態のシステムの構成要素としての外部容器を含んでもよい。完全に組み立てられた外部容器は、液体活性化剤(自己膨張型の場合)を注入するための穿刺のための隔壁と共に整列した通気口またはチューブの接続のためのポート(膨張型の場合)を含んでもよい。以下にさらに論じられるように、特に好ましいシステムの部品は、ここに記載される属性を有する;しかしながら、ある特定の態様においては、他の属性を有する部品および/またはバルブを用いるシステムを用いることができる。
好ましい態様によるデバイスは、患者による摂取および侵襲的方法に頼る必要がない展開を意図される。したがって、好ましい態様のデバイスは、不快感を最小限にしながら患者が嚥下できるコンパクトな送達状態と適合するように作動可能であることが望ましい。一度、胃の中に入れば、デバイスは実質的により大きい展開された状態を取ることが望ましい。送達状態から展開状態への移行を達成するために、デバイスを膨張にかける。
内部容器
自己膨張型構成における膨張を開始させるために、膨張副部品は、活性化薬剤などの外側からの入力を必要とし得る。好ましくは、活性化薬剤を、25〜32のゲージ直径を有する針を有するシリンジを用いて注入する。針の長さは、好ましくは約0.25インチ(0.6cm)〜1インチ(2.54cm)の長さであり、30秒以内であるが、内部容器を物理的に損傷しないことによって、早すぎるCO2生成および膨張を引き起こす様式/流れ/流動で、膨張剤の全容量の送達を可能にする流量を作出する。活性化薬剤は、好ましくは、純水、または20℃で最大50%の濃度の無水クエン酸を含有する溶液、もしくは無水クエン酸の溶解度に基づいて変化する溶液温度のその等価物である。好ましくは、システムは、約0.3ml〜約4.5mlの外部容器中で圧縮形態にある場合、バルーンの中心管腔に占有可能な空隙を有するように構成され、活性化薬剤の対応する容量を空隙に注入することができる。
一態様においては、折り畳む前に、隔壁/接種スペーサーが、カプセルの先端の上に直接入るように、CO2生成のための膨張剤を含む浮遊性内部容器を、好ましくは自己密封型バルブシステムと垂直に整列させる。バルーンは、内部容器を含有する。自己密封型バルブシステムを、バルーンの壁の内部に接着剤で接着し、パッチで密封された孔を介する反転により、反転された構成のバルーンを提供する。バルーン壁の上側約1/4を、内部カプセル上で折り畳み、カプセルがあるひだに、紙飛行機を作る第2の工程において形成されるひだと同様の折り目を付けた後、左または右に折り畳む。次いで、球体の下側約3/4を、2つ以下の折り目を用いて蛇腹状に折り畳み、カプセル上で折り畳む。次いで、左側半分を、カプセルの右側半分の上で折り畳むか、またはその逆を行って、羽が触れるようにする。次いで、材料がきつい巻紙を作るまで、それを転がす。次いで、デバイスを外部容器の内部に入れる。
自己膨張型構成においては、バルーンを折り畳んで、内部カプセルの周囲にポケットを形成させ、自己密封型バルブシステムを介して注入された液体が、バルーンの全表面積の10%未満の面積に含まれることを確保する。内部カプセルを提供しない場合、膨張型構成においてポケットを提供する必要はない。折り畳みの総数を最小化して、外部材料に対する損傷の可能性または障壁特性の障害を最小化するように、バルーンを折り畳む。折り畳みの総数は、好ましくは10回未満である。外部容器中にバルーンを適合させるのに必要な折り目の数が最小化されるように可能な限りバルーン材料を巻く。これを、管腔材料の損傷を防止するために行う。また、自己密封型バルブを、好ましくは、バルーンの中心を外して構築して、互いの上部にその層を折り畳む回数を最小化する。
自己膨張型構成においては、バルーンの壁を形成する材料を加工し、折り畳んで、開始剤が内部容器内の反応物の近くに維持されるように、バルーンに注入される開始剤を局在化させることにより、反応効率を最大化する。一度、反応が開始し、外部容器が分離したら、バルーンが可能な最大表面積を作出する様式で広がり、バルーンが幽門括約筋を容易に通過するのを禁じるように、バルーンを折り畳む。膨張剤中の反応物と活性化薬剤との比は、バルーンの管腔内部の任意の残存液体のpHが酸性であり、6未満のpHであり、胃酸の進入を許すバルーンの漏れまたは破損がさらなるCO2生成およびその結果の意図的でない再膨張を引き起こさないように選択される。
自己膨張型構成においては、内部容器を保持するのに十分な空間および/または容量を最小化しながら、CO2生成のための反応物にとって良好な表面積利用可能性を提供する形状に、膨張剤を圧縮する、形成する、またはさもなければ保持する。好ましくは、内部容器は、約0.748インチ(1.9cm)〜1.06インチ(2.7cm)の長さ(最も長い寸法)および約0.239インチ(0.6cm)〜約0.376インチ(1cm)の直径または幅を有する。内部容器の容量は、好ましくは約0.41ml〜約1.37mlである。内部容器は、好ましくは、標準的な押し込み型ゼラチンカプセルの形態にあるが、押し込み型カプセルの代わりにゼラチンテープを用いることもできる。容器は、好ましくは、膨張剤を含有するためのものである;しかしながら、追加の密封または他の封入を用いて、膨張のタイミングを制御することができる。内部容器としての使用にとっては、ゼラチンが特に好ましい;しかしながら、他の材料、例えば、セルロースも使用にとって好適であってよい。システムの内部容量を最小化するために、一般的には単一の内部容器のみを含むことが好ましい;しかしながら、ある特定の態様においては、2つ以上の内部容器を有利に用いることができる。自己膨張のタイミングは、バルーンが食道通路を遮断するか、または幽門括約筋を時期尚早に通過することができるサイズに膨張しないように、通常の食道通過時間および大きい食物粒子の通常の胃内容排出時間に基づいて選択される。また、活性化薬剤が内部カプセルに隣接してバルーン中に実質的に局在化され、効率的なCO2自己膨張法を作出するように、バルーンを圧縮することにより、タイミングを制御する。内部容器中の膨張剤が液体活性化剤と接触し、それによって気体生成反応を開始させるように、バルーンの膨張を、液体活性化剤によって開始させ、内部容器の分解を引き起こす。
自己膨張型バルーンのための内部容器は、バルーンの管腔内に含まれ、バルーンの自己膨張のためのCO2発生器を含む。CO2発生器は、容器内に収納された膨張剤混合物を含む。好ましくは、用いられる全膨張剤の約10%〜約80%が、粉末状クエン酸を含み、残りは粉末状重炭酸ナトリウムを含む。CO2生成反応の完了時に、バルーンが上記の名目上の膨張圧で膨張を達成するように、十分な膨張剤を提供する。好ましくは、膨張させるバルーンのサイズに応じて、合計で約0.28〜4グラムの膨張剤混合物を用いる;好ましくは、名目上の圧力で300cm3のCO2を生成させるために、1.15グラムまでの重炭酸ナトリウムを使用し、残りは粉末状クエン酸である。
外部容器
好ましくは、バルーンを、構造物(「外部容器」)を保持する、含有する、または被覆するカプセルその他の中で収縮状態および折り畳まれた状態で提供する。好ましくは、外部容器は、標準的な押し込み型ゼラチンカプセルの形態にあり、押し込み型は収縮した/折り畳まれたバルーンを含有させるためのものである;しかしながら、ある特定の態様においては、ゼラチンラップを有利に用いることができる。外部容器としての使用にとっては、ゼラチンが特に好ましい;しかしながら、他の材料、例えば、セルロース、コラーゲンなども使用にとって好適であってよい。好ましくは、外部容器は、約0.95インチ(2.4cm)〜2.5インチ(6.3cm)の長さ(最も長い寸法)および約0.35インチ(0.9cm)〜約0.9インチ(2.4cm)の直径または幅を有する。内部容器の容量は、好ましくは、約1.2ml〜約8.25mlである。自己膨張型構成においては、外部容器は、好ましくは、それぞれの末端に、好ましくは、処理中に存在する凝縮または他の環境湿度への膨張剤の曝露のため作出される任意の気体が、反応効率に対する望ましくない効果を有し得る、液体活性化剤の接種後30秒前に内部容器の早すぎる分離および分解を引き起こさないように、通気口として働く、1つ以上の孔、スリット、通路または他の出口と共に構成される。そのような出口はまた、膨張型構成における膨張のためのバルーンを調製するための外部容器の溶解を促進することもできる。外部カプセルを分解する(例えば、分離する、溶解する、またはさもなければ開く)プロセスは、バルーンの膨張(自己膨張またはカテーテルを介する膨張)により引き起こされる圧力増大によって促進される。外部カプセルを水中に短時間浸して、材料を軟化させるが、嚥下とバルーン膨張との時間差を最小化するために、嚥下前にバルーンを解放しないようにすることができる。膨張型構成においては、バルーンアセンブリの押し込みまたは嚥下を容易にするために収納されたバルーンをその中に維持しながら、針を自己密封型バルブ中に挿入することができるように、カテーテル針収納部の直径が外部容器の孔の直径と機械的に適合する、膨張チューブ針アセンブリを収納するための孔を外部容器に提供する。好ましい態様においては、外部容器はカプセルである。カプセルの遠位側の半分を広げて(flared)、圧縮されたバルーンがカプセル中に挿入される時にカプセルの先端部によるバルーン材料の摩耗を防止することができる。カプセルはまた、ゲルバンドと一緒に保持され、膨張がより迅速に起こることができるように、カプセルのより迅速な分離を可能にする折り畳まれたバルーンを包含する2つの部分を含んでもよい。外部カプセルは、摂取された流体との接触(例えば、水の取込み)のため分解する(例えば、分離する、溶解する、またはさもなければ開く)、好ましくは、バルーン/カテーテルチューブを所定の位置にしながら、患者に対して不快感を引き起こさないように、5分以下以内、より好ましくは、2分以下以内に分解する。
好ましい態様においては、デバイスを、標準サイズのゼラチンカプセルに適合させる。デバイスが胃への進入の前にカプセルから解放されない、またはさもなければ展開されないように、既知の分解速度を有する材料からカプセルを形成させることができる。例えば、カプセル材料は、1つ以上の多糖および/または1つ以上の多価アルコールを含んでもよい。
あるいは、その送達状態にあるデバイスを、嚥下も容易にしながら、デバイスをその送達状態に閉じ込める物質中で被覆することができる。コーティングを、周囲圧力または陽圧で行うことができる浸漬、スパッタリング、蒸着、または噴霧プロセスによって適用することができる。
ある特定の好ましい態様においては、封入または被覆されたデバイスを潤滑化またはさもなければ処理して、嚥下を容易にする。例えば、封入または被覆されたデバイスを、患者による嚥下の前に、湿潤化、加熱、または冷却することができる。あるいは、封入または被覆されたデバイスを、食道を通るデバイスの通過を潤滑化するように役立つ粘性物質中に浸漬することができる。可能なコーティングの例は、潤滑特性および/または親水特性を有する任意の物質であってもよく、グリセリン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ワセリン、アロエ、シリコンに基づく材料(例えば、Dow 360)およびテトラフルオロエチレン(TFE)が挙げられる。コーティングを、スパッタリング、蒸着または噴霧プロセスによって適用することもできる。
さらなる態様において、コーティングまたはカプセルを、嚥下を容易にするために1つ以上の局部麻酔剤または鎮痛剤に含浸させるか、またはそれで処理する。そのような麻酔剤は、アルチカイン、リドカインおよびトリメカインなどのアミノアミド群の麻酔剤、ならびにベンゾカイン、プロカインおよびテトラカインなどのアミノエステル群の麻酔剤を含んでもよい。そのような鎮痛剤は、クロラセプティックを含んでもよい。
ある特定の態様においては、カプセルが投与され、食道を下方に移動するにつれて、および/またはそれが胃の中にある場合に適切な向きとなるように、カプセルをある特定の目的で計量することができる。計量する成分はポリマー材料または膨張反応物を含んでもよい。
嚥下中に食道にありながら早すぎる膨張が回避され、幽門括約筋を通過するのを防止するために、一度、胃の中に入ったら十分な膨張が確保されるように、自己膨張のタイミングを確実に制御する機構を、嚥下可能な自己膨張型胃内デバイスに提供する。大きい食物粒子のための通常の食道通過時間は4〜8秒であると実証されており、幽門を通る大きい食物粒子の胃内容排出は少なくとも15〜20分間は起こらない。外部容器は、好ましくは、収縮した/折り畳まれたバルーンが液体活性化剤の接種後15分以下ではなく、60秒以上で分離する、溶解する、分解する、腐食する、および/またはさもなければ広がり始めることができるように構成される。内部容器は、好ましくは、バルーンが膨張し始めるのに十分なCO2が液体活性化剤の接種後30秒より早く利用可能とはならないように、初期CO2生成化学反応を遅延させるが、バルーンの占有可能容積の少なくとも10%が30分以内に充填される、バルーンの占有可能容積の少なくとも60%が12時間以内に充填される、およびバルーンの占有可能容積の少なくとも90%が24時間以内に充填されるように、十分なCO2の生成を可能にするために化学的に、機械的に、またはその組合せによって構成される。このタイミングは、医療専門家による外部容器への活性化薬剤の注入、患者へのデバイスの手渡し、および患者による通常の蠕動手段による嚥下を可能にする。このタイミングはまた、直径7mmを超える対象物は容易に通過しないため、バルーンの胃内容排出が容易ではなくなるような十分なサイズまでバルーンが膨張されることによって、膨張していないバルーンの十二指腸への潜在的な通過を禁じる。
送達部品
ある特定の態様においては、最適な配向でデバイスを口に送達する、またはその食道通過を容易にするための送達手段を用いることが、デバイスの投与にとって有利であり得る。送達手段によって、デバイスの管理者は、デバイスを患者に投与する一部として、1つ以上の膨張剤または膨張気体をデバイスに注入することができる。好ましい態様において、そのような注入を、送達手段から口または食道にデバイスを解放するために用いられる管理者の同じ機械的動作において達成することができる。例えば、送達手段は、プランジャ、流体を含有するリザーバー、および注射針を含んでもよい。管理者は、プランジャを押し、連続的に、またはほぼ同時に、注射針をデバイス中に押し進めることによって、リザーバー中に含有される液体をデバイス中に注入する。プランジャへのその後の力の適用は、デバイスを送達手段から患者内の所望の位置に押し出す。さらに、送達手段はまた、デバイスの嚥下可能性を容易にするために患者の口または食道に麻酔剤または潤滑剤を投与する副部品を含んでもよい。
バルーン
好ましい態様の容積占有副部品(「バルーン」)は、一般に、外部表面と内部空洞とを規定する壁を形成する可撓性材料から形成される。様々な上記副部品を、容積占有副部品の壁または内部空洞中に組み込むことができる。容積占有副部品は、患者の内部寸法および所望の結果に応じてサイズおよび形状が変化してもよい。容積占有副部品を、容積占有副部品が圧力および/または温度の増大と共に伸長または拡張することができる、半従順となるように工学的に作製することができる。あるいは、いくつかの態様においては、容積の増大に対する抵抗性がほとんどない従順な壁が望ましいことがある。
ある特定の態様においては、球状の容積占有副部品が好ましい。あるいは、容積占有副部品を、中央に孔があるドーナツ型となるように構築し、計量し、逆止弁と同様、それが幽門括約筋の全部または一部を覆うように胃の中で向くように成形することができる。次いで、容積占有副部品の中央の孔は、胃の内容物が小腸に進入するための最初の通路として働き、胃から外への食物の通過を制限し、胃内容排出を減少させることによって満腹を誘導することができる。胃内容排出が減少することが望まれる程度に応じて、異なるサイズのドーナツ孔を有する容積占有副部品を製造することができる。容積占有副部品の送達、膨張および収縮を、上記の方法のいずれかによって達成することができる。
デバイスが患者の食道を移動するにつれてその圧縮された容量を最小化するためには、容積占有副部品の壁が、強度が高く、かつ薄いものであることが有利である。ある特定の態様においては、容積占有副部品に高いモジュラス値を付与する2軸配向を有する容積占有副部品の壁材料を製造する。
一態様において、容積占有副部品は、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、Nylon6、Nylon12、またはポリエーテルブロックアミド(PEBA)などのポリマー物質から構築される。容積占有副部品を、熱可塑性物質などの、気体障壁特性を改変する(長時間にわたって増加させる、減少させる、または変化させる)1つ以上の層の物質で被覆することができる。
好ましくは、気体障壁材料は、容積占有副部品を膨張させるのに用いることができる二酸化炭素または他の流体に対する低い透過性を有する。障壁層は、ベース材料に対する良好な接着性を有するべきである。好ましい障壁コーティング材料としては、生体適合性のポリ(ヒドロキシアミノエーテル)、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、サラン、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ酢酸ビニル、酸化ケイ素(SiOx)、アクリロニトリルコポリマーまたはテレフタル酸およびイソフタル酸とエチレングリコールおよび少なくとも1つのジオールとのコポリマーが挙げられる。代替的な気体障壁材料としては、ポリアミン−ポリエポキシドが挙げられる。これらの材料を、一般的には、溶媒または水性系熱硬化性組成物として獲得し、一般には、プレフォーム上に噴霧コーティングした後、熱硬化させて、完成品の障壁コーティングを形成させる。容積占有副部品に対するコーティングとして適用することができる代替的な気体障壁材料としては、銀またはアルミニウムなどの金属が挙げられる。容積占有副部品の気体不透過性を改善するために用いることができる他の材料としては、限定されるものではないが、例えば、表1a〜bに列挙されるような、金または任意の貴金属、サランで被覆されたPET、絶縁保護コーティングなどが挙げられる。
ある特定の好ましい態様においては、容積占有副部品は、注入、吹入または回転成形される。そのような成形の直後、または硬化期間の後、複合壁内に既に適用されていない場合、気体障壁コーティングを適用することができる。
別の態様においては、胃内容積占有副部品を、容積占有副部品の気体不透過性を改善するために、Mylarポリエステルフィルムコーティング、金属化された表面としての銀、アルミニウムまたはケルバライトを用いて形成させる。
容積占有副部品の壁が複数の層の材料から構成される事象においては、そのような複数の層を一緒に接続する、取り付ける、または保持するために、ある特定の物質または方法を用いることが必要であり得る。そのような物質としては、溶媒またはエーテル系接着剤が挙げられる。そのような複数の層を、一緒に熱結合することもできる。一度、そのような層を一緒に取り付けて、(例えば)容積占有副部品に作製される材料のシートを形成させたら、容積占有副部品に作製するために、一緒に密封することができる(例えば、ある特定の程度の熱および圧力の印加による)そのような材料に対して、追加の処理工程を適用することも必要であり得る。したがって、容積占有副部品中の追加の層として、密封するある特定の材料を含むことが有利であり得る。例えば、容積占有副部品に好ましい機械的特性および気体不透過性を付与する、PETとSiOx層との組合せから構成される容積占有副部品を、そのような容積占有副部品中に密封可能なポリエチレンの層を含有させることによって密封することができる。
好ましい態様の別の態様によれば、容積占有副部品および収縮部品の機能を、部分的に、または全体として組み合わせる。例えば、容積占有副部品を、望ましい時間にわたって胃内で分解される物質から形成させることができる。一度、分解プロセスが容積占有副部品の壁の破損を形成したら、容積占有副部品は収縮し、分解し続け、残りの消化管を通過する。
好ましくは、完全に構築された容積占有副部品を取り込み、内部空洞内の全ての空気を排出し、所望の送達状態に容積占有副部品を折り畳むか、または圧縮する自動化プロセスを用いる。例えば、容積占有副部品からの空気の排出を、減圧または機械的圧力(例えば、容積占有副部品を回転させること)により作動させることができる。ある特定の態様においては、送達状態にある場合に容積占有副部品中で生成される折り目の数を最小化することが望ましい。
容積占有副部品の収縮および/または膨張を、容積占有副部品の壁内の1つ以上の注入部位により達成することができる。例えば、2つの自己密封型注入部位を、容積占有副部品の反対側に組み込むことができる。容積占有副部品を、容積占有副部品から空気を排出するために2つの小ゲージ針を用いる固定具の中に配置することができる。
一態様において、自己密封型注入部位をさらに用いて、容積占有副部品の内部に膨張副部品の化学元素を挿入することができる。容積占有副部品への化学元素の注入後、同じ針を用いて、容積占有副部品の排出を実施することができる。
容積占有副部品を、例えば、負の減圧下または正の外部圧力下で、送達状態に包装することが望ましいことがある。
容積占有副部品壁材料を、一度、それらが最初に穿刺された、または破裂したら、そのような穿刺または破裂の点から比較的容易に裂けるように工学的に作製することもできる。そのような最初の破裂または穿刺はその後、範囲を増大させ、収縮プロセスを早め得る、および/または最大化し得るため、そのような特性は、例えば、容積占有副部品の収縮が、容積占有副部品の破裂または穿刺により開始された場合に有利であり得る。
また、容積占有副部品を、その収縮後の体外へのその通過を容易にする潤滑性物質により被覆することもできる。可能なコーティングの例は、潤滑特性および/または親水特性を有する任意の物質であってもよく、グリセリン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ワセリン、アロエ、シリコンに基づく材料(例えば、Dow 360)およびテトラフルオロエチレン(TFE)が挙げられる。コーティングを、周囲圧力または陽圧で行うことができる浸漬、スパッタリング、蒸着または噴霧プロセスによって適用することもできる。
バルーン複合壁材料は、内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許出願公開第2010−0100116−A1号に記載のものと類似する構造および組成のものであってもよい。材料は、例えば、N2、Ar、O2、CO2、もしくはその混合物、または胃内空間濃度をシミュレートする大気(N2、O2、Ar、CO2、Ne、CH4、He、Kr、H2、およびXeの混合物から構成される)などの、好ましくは、圧縮または非圧縮気体形態にある流体を含有することができる。ある特定の態様においては、バルーンは、膨張後、最大で6ヶ月間、好ましくは少なくとも1〜3ヶ月間、流体(気体)を保持し、許容される容積を維持することができる。特に好ましい充填気体としては、送達のために圧縮することができる非極性の高分子気体が挙げられる。
外部容器中に入れる前に、バルーンを収縮させ、折り畳む。収縮状態にある反転した構成においては、バルーンは平坦であり、バルーンの外周の周りに伸びる反転した縫い目を有する。自己密封型バルブシステムを、収縮したバルーンの中心に近い管腔の内壁に取り付け、内部容器を自己密封型バルブシステムに隣接して配置する。次いで、バルーンの壁を折り畳む。バルーン設計の一部として、外部容器中にバルーンを適合させるのに必要とされるそれ自身の折り畳みの回数(例えば、二重または三重)を最小化するために、自己密封型バルブシステムが「中心から外れて」置かれるような様式で、それを製造する。例えば、自己密封型バルブシステムを、バルーンの中心から1/2r±1/4r(ここで、rはバルーンの中心から隔壁を通って伸びる線に沿ったバルーンの半径である)に有利に置くことができる。
好ましい態様においては、自己密封型バルーンの360度周囲を完全に密封する。針シリンジによる膨張剤の注入を用いる、自己膨張型構成においては、好ましくは、中心管腔に対する外部開口または開口部はない。膨張型構成においては、中心管腔に膨張流体を提供するためのバルブ構造(突出している、埋め込まれている、またはバルーンの表面と同一平面である)を提供する。バルーンは、「非反転」、「反転」または「重なった」構成を有してもよい。「非反転」構成において、縫い目または接合部およびあるとすれば縫い代は、膨張したバルーンの外側にある。「重なった」構成においては、1回以上の折り畳みを任意で用いて層を重ね、接合部、縫い目、接着剤などにより互いに固定し、平滑な外部表面を得る。「反転」構成においては、バルーンは、膨張したバルーンの内部に縫い目、接合部、接着ビーズなどを有する平滑な外部表面を有する。反転構成を有するバルーン、例えば、外部の縫い代を有さないバルーン(バルーンの端部と、接合部、縫い目、または側面を一緒に連結する他の特徴との間に壁材料がない)を作出するために、2つのバルーンの半分をいくつかの様式で一緒に連結する(例えば、用いられるバルーン材料に基づいて接着剤または熱などを用いて接着する)。バルーンの半分の一方は、バルーンが2つの半分の接着後にそれ自身を乗り越えることができ、内部にバルーンの縫い目を有する開口を包含する。作出される開口は、好ましくは環状であるが、任意の類似する形状であってもよく、開口の直径は、好ましくは3.8cmを超えない;しかしながら、ある特定の態様においては、より大きい直径も許容される。元のバルーン半分の開口を覆うために、材料のパッチを接着させる(用いられる材料に基づいて、接着、熱溶接などによる)。続いて継ぎ合わされる、こうして作出された反転孔は、膨張中に働く力がバルーン中に流体を維持するのに用いられる材料を損傷しないために十分に小さい。
最終アセンブリにおける膨張したバルーンのための好ましい形状は、楕円体、好ましくは、回転楕円体または偏球であり、1インチ(2.5cm)〜3インチ(7.6cm)の名目半径、0.25インチ(0.6cm)〜3インチ(7.6cm)の名目高さ、90cm3〜350cm3の容積(37℃および内部名目圧力および/または完全膨張で)、0psi(0Pa)〜15psi(103421Pa)の内部名目圧力(37℃で)、ならびに15g未満の重量を有する。自己膨張型バルーンは、CO2を用いる自己膨張のために構成され、胃に滞在している場合、少なくとも25日間、好ましくは少なくとも90日間にわたって元の名目容積の75%以上を保持するように構成される。膨張型バルーンは、予め選択された時間にわたって予め選択された容積プロファイル(1つ以上の容積増大期間、容積減少期間、または定常状態容積期間を含む)を送達するために、気体の適切な混合物を用いる膨張のために構成される。
デバイスの耐用寿命にわたる安定な容積が好ましいある特定の態様においては、バルーンはその元の名目容積の少なくとも90%〜110%の容積を維持するように構成される。他の態様においては、その耐用寿命にわたって容積を増大および/または減少させることがバルーンにとって望ましい(例えば、直線的な様式で、段階的な様式で、または別の非直線的な様式で)。他の態様においては、バルーンは、その元の名目容積の75%〜125%の容積、または75%〜150%を維持する。
胃内デバイスは、単一の浮遊性デバイスまたは係留されたデバイスであってもよい。いくつかの態様においては、例えば、一房のブドウと同様の構成の、浮遊性の、または互いに係留された、複数のデバイス(2、3、4、5、6個以上)を提供することが望ましい。個々のデバイスを、全てのデバイスに接続された1つの膨張システムを用いて同時に膨張させるか、またはそれぞれのデバイスに、別々の膨張システムを提供することができる。
バルブシステム
好ましい態様においては、金属性同心円筒内に収納された自己密封型隔壁を含有する自己密封型バルブシステムが提供される。膨張型構成においては、自己密封型バルブシステムを、好ましくは、バルブの一部分のみがバルーン表面の外側にわずかに突出して、平滑な表面を確保するように、バルーン材料の下側に接着する。膨張型構成のためのバルブシステムは、自己膨張型構成のために設計された同じ自己密封型隔壁を用いることができる。隔壁は、好ましくは、20 Shore A〜60 Shore Dのデュロメーターを有する材料からなる。隔壁を、好ましくは円筒状である同心金属性保持構造のより小さい円筒中に挿入するか、またはさもなければ製作する。大きい方の円筒内の小さい方の円筒は、カテーテル針スリーブ/針アセンブリと隔壁とのアラインメントを制御し、カテーテル針がバルーン材料を貫通しないような硬い障壁(針停止機構)を提供し、バルブ/隔壁が膨張およびその後の針の抜去の後に再密封するような圧縮を提供する。
同心バルブシステムはまた、埋め込み中にX線不透過性も提供し、好ましくは、チタン、金、ステンレススチール、MP35N(非磁性、ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金)などである。非金属性ポリマー材料、例えば、アクリル、エポキシ、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレン、PEEK、ABS、もしくはPVCまたはx線下で見えるように製作される(例えば、バリウムと共に包埋される)任意の熱可塑性エラストマーもしくは熱可塑性ポリウレタンを用いることもできる。
隔壁は、膨張後の自己密封のために圧縮力が最大化されるように、好ましくは円錐状である。自己密封型隔壁は、プロセッシング/圧縮および外部容器への挿入のためにバルーンから空気を排出させ、膨張剤シリンジ針(自己膨張型構成)または膨張カテーテル針(膨張型構成)による貫通を可能にした後、膨張剤シリンジ針のその後の抜去もしくは膨張カテーテルの取り外しならびに膨張プロセスおよび針の抜去/カテーテルの取り外しの間のバルーンの外部への気体漏出を有意に制限するカテーテル針の抜去を可能にする。隔壁を、圧縮を提供する機械的適合機構を用いてバルブ中に挿入する。内部円筒の遠位末端に追加のリングを置いて、隔壁材料がそれ自身を再密封するのに十分に高密度であることを確保するさらなる圧縮を提供することができる。リングは、好ましくは天然では金属性であるが、アクリル、エポキシ、または熱可塑性エラストマーもしくは熱可塑性ポリウレタンなどの非金属性ポリマー材料であってもよい。リング材料は、好ましくは、円筒と同じ材料、チタンであるが、金、ステンレススチール、MP35Nなどであってもよい。
膨張型構成においては、同心バルブ収納部の大きい方の外部円筒は、内部円筒よりもわずかにより硬いデュロメーター材料(50Shore A以上)を含有するが、好ましくは、シリコンでもある。より硬いデュロメーター材料を用いる目的は、膨張のために針スリーブに接続した時の密封を確保することである。同心バルブの外部リング中に位置するシリコンを、内部表面からバルーンに接着する。外部円筒全体を充填し、内部円筒の直径よりわずかに大きく、バルーンの外部表面に伸びる、この同じ材料の小さい環状リップを提供する。リップは、ベル状の針スリーブと適合し、カテーテルへのバルブの接続を増強して、加えられる膨張圧力に耐えるための密封を提供し、また、カテーテルの張力を増大させる。このシリコンリップは、好ましくは、2mmを超えてバルーン表面を過ぎて突出せず、バルーン表面が比較的平滑なままであり、粘膜の摩耗または潰瘍形成を引き起こさないことを確保する。それは、膨張および取り外しのためのカテーテルの針スリーブに対する圧縮力を提供するように設計され、それによって、膨張カテーテルの針スリーブに接続された場合、膨張プロセス中の接続力が35PSIまで耐えることができる。次いで、40PSIを超え、200PSI未満である静水圧を用いて取り外し中に密封を破壊して、接続力を破壊する。好ましくは、同心バルブと同じ材料から作られる、2つのさらなる保持リングをバルブシステム中に含ませて、金属とバルブシリコンとの密封をさらに増強し、適切な機械的適合を確保するためのさらなる機械的支持を提供し、硬い(金属性)バルブシステムからのシリコン材料の滑り(張力の増大を引き起こす)を中断させることが意図される。
膨張型構成のためのバルブ構造は、機械的適合機構を用いて、カテーテルによる膨張およびその後のカテーテルの取り外しのための自己密封型バルブの機能を提供する;しかしながら、プライマーおよび/または接着剤を用いて、アセンブリの維持におけるさらなる支持を提供することができる。金属部品の表面を改変し、それらをより粘着性にする、またはより滑りやすくして、所望の機械的/締まりばめを提供することにより、構成を改変することができる。バルブとカテーテルとの間の締まりばめを改変して、膨張および/または取り外しのための圧力要件を変化させることができる。さらなるアセンブリは、機械的適合および引張強度ならびにカテーテル膨張および取り外し中にアセンブリを持続させるのに必要とされる力を確保するためのさらなる支持リングを省略することができるように、シリコン中に金属性部分または同心系をオーバーモールドすることを含んでもよい。
膨張型構成における総バルブ直径は、直径8French(2.7mm、0.105インチ)を超えない小型カテーテルシステムと適合するように設計される。嚥下を容易にするために、総直径は1インチ(2.54cm)を超えず、好ましくは、0.5インチ(1.27cm)未満である。必要に応じて、さらなるバルブを追加することができる;しかしながら、一般には、収縮した/折り畳まれたバルーンの容積(およびしたがって、外部容器の寸法)をできるだけ小さく維持するために、単一のバルブを用いるのが好ましい。バルブシステムを取り外すために9lbs(40N)より大きい剪断力が必要となるように、バルブシステムを、好ましくは、バルーンの内部表面に取り付ける。
自己膨張型構成においては、バルブシステムを、バルーンの壁中で開口、開口部、または他の導管を用いることなく、バルーンに(例えば、その内部表面上に)取り付けることができる。バルブシステムは、20Shore A〜60Shore Dのデュロメーターを有する隔壁を用いることができる。より高いデュロメーター、例えば、40Shore D〜70Shore D以上を有するバルブを、保持構造物中に挿入するか、またはさもなければ製作することができる。保持構造物を、シリコン、ゴム、軟質プラスチックまたはアクリル、エポキシ、熱可塑性エラストマーもしくは熱可塑性ポリウレタンなどの任意の好適な非金属性ポリマー材料から製作することができる。好ましくは、金属性もしくは非金属性であるが、X線不透過性であり(例えば、バリウム)、X線下で見えるか、または磁性もしくは磁化性であり、磁場の感知により検出可能であってよい、リングなどの構造物を、保持構造物中に包埋することができる。異なるデュロメーターの2つの構造物の機械的適合機構を用いて、大きい直径を有する1つの軟化剤(隔壁)を、スナッグ(snug)中に挿入することができ、より剛性のデュロメーターの構造物は、一度開いた開口部において圧縮力を作出して、CO2保持を可能にし、CO2気体漏出に対する感受性を低下させる。X線不透過のための金属性リングはまた、隔壁上で圧縮力を作出するのにも役立つ。自己密封型隔壁は、プロセッシング/圧縮および外部容器への挿入のためにバルーンから空気を排出させ、また、膨張開始のために膨張剤を外部容器中に注入させる。必要に応じて、さらなる隔壁を提供することができる;しかしながら、一般には、収縮した/折り畳まれたバルーンの容積(およびしたがって、外部カプセル)をできるだけ小さく維持するために、単一の隔壁を用いるのが好ましい。バルブシステムを取り外すために9lbs(40N)より大きい剪断力が必要となるように、バルブシステムを、好ましくは、バルーンの内部表面に取り付ける。くさび形隔壁と同様、自己密封型バルブシステムのシリコンヘッドおよび不透明リングを用いることができる。
自己膨張型構成においては、バルーンの管腔への液体活性化剤の注入のために自己密封型バルブに針を誘導するため、および収縮した/折り畳まれたバルーンの壁その他の場所を針が貫通し、バルーンの管腔内の圧力を維持することができなくなることを防止するために、好ましくは、接種スペーサーを組み込む。接種スペーサーはまた、液体活性化剤が内部容器または折り畳まれたバルーン材料を貫通するのを防止し、それによって、活性化剤を、適切な様式で、上記の基準に従ってCO2生成のための反応物を適切に混合することに集中させることも容易にする。接種スペーサーは、一般に、チューブまたは円筒の形態にある。接種スペーサーを、好ましくは、接着剤または他の固定手段を用いて内部容器および/または自己密封型バルブに取り付ける;しかしながら、ある特定の態様においては、接種スペーサーは「浮遊性」であってもよく、バルーンの壁の折り畳みまたは回転によって位置を維持することができる。接種スペーサーは、外部容器の分離、腐食、分解、消化、および/または溶解後に通過することができる任意の好適な材料を含んでもよい;しかしながら、好ましい材料としては、40以上の最小Shore Dデュロメーターを有する非金属性材料、任意の金属性材料、またはその組合せが挙げられる。好ましい態様においては、カップ付き針止め(接種スペーサー)を用いることができる。
膨張アセンブリ
ある特定の好ましい態様においては、容積占有副部品に、チューブを用いて流体を充填した後、これを容積占有副部品から取り外し、引き離す。容積占有副部品の一方の末端は、巻かれていない場合、口から胃までの、食道の全長に広がることができる十分な長さのチューブに接続されたポートを有する。このチューブは、容積占有副部品から引き離し、一度、容積占有副部品が膨張したら、自己密封することができる自己密封型バルブまたは隔壁を有する容積占有副部品に接続される。医師または他の医療専門家は、患者がデバイスを嚥下する時にチューブの一方の末端を固定する。一度、デバイスが胃内に滞在すれば、医師は、チューブを用いて、空気、窒素、SF6、他の気体、蒸気、塩水溶液、純水、in vivoの温度で、それぞれ蒸気または気体を形成する、外部周囲条件(例えば、室温)下での液体または蒸気(例えば、SF6)などの流体を、容積占有副部品中に伝送し、それによってそれを膨張させる。流体は、水性流体、例えば、水、1つ以上の添加剤(例えば、電解質、栄養素、香料、着色料、塩化ナトリウム、グルコースなど)を含む水、塩水溶液などの、生理学的に許容される流体を含む、様々な他の流体または同様に非流体材料であるか、またはそれを含んでもよい。容積占有副部品を完全に膨張させた後、チューブを解放し、患者の体内から引き出すことができる。
チューブを、いくつかの様式で解放することができる。例えば、チューブに対して、穏やかな力を加えるか、または強く引っ張ることにより、チューブを取り外すことができる。あるいは、磁気的または電気的解放などの、遠隔解放を作動することにより、チューブを取り外すことができる。さらに、自動排出機構によって容積占有副部品からチューブを解放することができる。そのような排出機構を、膨張した容積占有副部品の内部圧力によって作動させることができる。例えば、排出機構は、それが開いて過剰な圧力を解放すると同時にチューブを解放するものを超える特定の圧力に対して感受性であってもよい。この態様は、チューブの解放と、患者の胃の中の容積占有副部品の偶発的な過剰膨張を回避するのに役立つ安全弁とを組み合わせることによる望ましい特徴を提供する。
この自動解放態様はまた、デバイスの膨張工程をより密接にモニターし、制御することができるという利益も提供する。現在の技術は、クエン酸などの活性化剤を注入した後に一般的には4分の時間枠内で膨張し始める自己膨張型胃内容積占有副部品を可能にする。このアプローチでは、容積占有副部品は、いくつかの例においては、胃内に滞在する前(例えば、食道内)に膨張し始めてもよく、または、胃ダンピング症候群もしくは急速な胃内容排出を示す患者においては、容積占有副部品は、膨張が起こる時間より前に小腸に行き着いてもよい。したがって、ある特定の態様においては、一度、容積占有副部品が正確な位置に滞在していることが確認されたら、容積占有副部品を命令によって膨張させることが望ましいことがある。
ある特定の態様においては、容積占有副部品は長時間にわたって徐々に、もしくはいくつかの段階で膨張するか、または容積占有副部品は予め選択された範囲内の容積および/または内部圧力を維持することも有利であり得る。例えば、気体が所望の収縮時間の前に容積占有副部品を逃れる場合、デバイスを再膨張させて、それをその拡張状態に保持することが有益となり得る。
ある特定の態様においては、小型カテーテルによって手動で膨張される胃内バルーンシステムを用いることができる。このシステムは、好ましくは、「嚥下可能性」を保持する。送達のためのバルーンは圧縮状態にあり、好ましくは、直径4French(1.35mm)以下の可撓性の小型カテーテルに取り付けられる。カテーテルは、カテーテルの一部を、封入されたバルーンと共に送達するために自身を結束するか、または包み込み、胃への送達のために患者がカテーテルとバルーンとの両方を嚥下することができるように設計される。バルーンは、一度、それが胃内腔に到達したら、カテーテルの取り付けおよびバルーンの膨張のための自己密封型バルブシステムを含有してもよい。カテーテルの近位末端は、患者の口のすぐ左外側にあってもよく、好ましい膨張流体(気体または液体)を収納することができる膨張流体容器への接続を可能にしてもよい。膨張後、カテーテルをバルーンバルブから取り外し、口を通して引き戻すことができる。この方法により、胃内バルーンはその嚥下可能性を維持することができるが、カテーテルを介する流体源または流体源の混合物による膨張が可能となる。あるいは、バルーンバルブが嚥下型可撓性カテーテルまたは押し込み型剛性カテーテルアセンブリと適合する、より剛性の押し込み型システムを用いることができる。
ここに記載される膨張カテーテル(嚥下型、または管理者により支援される押し込み型)は、バルーンデバイスを経口的に、および任意の追加手段を用いることなく送達するように構成される。投与手順は、意識下鎮静もしくは他の同様の鎮静手順を必要とせず、または送達のために内視鏡手段を必要としない。しかしながら、他の型のデバイスを、可視化のための内視鏡手段と共に用いるか、またはバルーンデバイスを同様に経鼻胃的に送達することができるように適合させることができる。
動作中に、膨張カテーテルの近位末端を、膨張源または接続切断源への接続を可能にするバルブまたはコネクターに接続し、これは、好ましくは、Yアームコネクターまたは膨張バルブである。コネクター材料は、ポリカーボネートなどからなっていてもよく、単一または複数の管腔のカテーテルチューブに接続することができる。膨張カテーテルの遠位末端を、圧縮された、およびゼラチンカプセル内に収納された、またはゼラチンバンドを用いて圧縮されたバルーンの汎用バルーンバルブに接続する。カテーテルチューブは、好ましくは直径1French(0.33mm)〜6French(2mm)である。カテーテルは、好ましくは、口を通って伸長し(膨張コネクターまたはバルブに接続される)、少なくとも胃の中央に向かって食道を下方に横断するのに十分に長く、約50〜60cmである。チューブの末端が位置する場所を同定するのを補助するために、チューブまたはカテーテルに測定目盛りを付加することができる。2つの解剖学的供給源間の異なるpHに基づいて、食道(pH5〜7)と胃(pH1〜4)との位置の差を決定するpHセンサーをチューブに含有させることによって、膨張のタイミングを開始させるか、または拘束された空間(すなわち、食道)とあまり拘束されていない空間(すなわち、胃)における予想された圧力から誘導もしくは検証することができる。また、チューブは、嚥下のタイミングを考慮に入れて、体温への調節可能な伝送を有するニチノールを含有してもよい。また、チューブを、単一のカテーテル上で一連の封入された、または圧縮されたバルーンに接続することもできる。それぞれを別々に膨張させ、解放することができる。解放されるバルーンの数は、患者の必要性および望ましい体重減少に対して調節可能であってもよい。ある特定の態様においては、胃内バルーンまたはカテーテルを、以下に詳細に論じられるように、両方または一方のデバイスの磁性化部品の磁場を感知することによって、体内で配置または追跡する。
ある特定の態様においては、遠位末端にバルーンを有するカテーテル(空気で膨張させる)を用いて、バルーンを所定の位置に一時的に、かつ堅く保持する。小さく収縮したバルーンカテーテルを、胃バルーン(例えば、「バルーン内バルーン」)の頭部を通して配置した後、送達中に空気で膨張させて、カプセルとバルーンを所定の位置に堅く保持し、カテーテルからのバルーンの自発的な脱落を防止することができる。このバルーンカテーテルは、より大きな胃バルーンを膨張させることもできる(気体または液体による)二重チャネルを含んでもよい。一度、胃バルーンが満足のいくように膨張したら、小さい空気バルーンカテーテルを収縮させ、バルブから引き出し(バルブを自己密封させる)、体外へ引き出し、膨張した胃バルーンを胃の中に残すことができる。
他の態様においては、カテーテルを被覆して、嚥下可能性を増強するか、または嚥下を容易にするために1つ以上の局部麻酔剤もしくは鎮痛剤に含浸させるか、もしくはそれで処理する。そのような麻酔剤は、アルチカイン、リドカインおよびトリメカインなどのアミノアミド群の麻酔剤、ならびにベンゾカイン、プロカインおよびテトラカインなどのアミノエステル群の麻酔剤を含んでもよい。そのような鎮痛剤は、クロラセプティックを含んでもよい。
二重管腔カテーテル
好ましい態様においては、嚥下可能な二重管腔カテーテルを提供する。二重管腔カテーテルは、5French(1.67mm)以下、好ましくは、4French(1.35mm)以下の完全アセンブリの直径を有する2つの管腔を有する。内部管腔は、好ましくは3French(1mm)を超えず、膨張チューブとして機能し、外部管腔は、好ましくは5French(1.67mm)を超えず、接続切断チューブとして機能する;内部および外部管腔は、それぞれ、直径2French(0.66mm)および4French(1.35mm)を超えない。カテーテルアセンブリは、遠位末端で、以下でより詳細に説明される、針アセンブリに、近位末端で、二重ポート膨張コネクターに接続される。チューブは消化管を横断して胃内腔に入るため、カテーテルアセンブリが用いるチューブは、嚥下可能性のために可撓性であり、ねじれ耐性であり、体温に耐えることができ、酸に抵抗性であり、生体適合性である。チューブ材料は、好ましくは、加えられた圧力を管理するために、軟質かつ可撓性であり、中程度の引張強度および有意な量のフープ(hoop)強度を有する。管腔は、好ましくは、可撓性を提供するために、丸く、同軸であり、浮遊性である。二重管腔アセンブリはまた、好ましくは、接着剤またはのりを必要としない。代替的な管腔構成は、2つのD型管腔またはD型管腔と丸型管腔の組合せを含んでもよく、より堅い構成の最終的なカテーテルアセンブリにおいて用いることができる。チューブのための好ましい材料としては、PEBAX(登録商標)などの耐熱性ポリエチレンチューブまたはPELLETHANE(商標)、PEEKもしくはNylonなどの耐熱性ポリウレタンチューブが挙げられる。また、チューブを、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−L−アスパラギン酸(PLAA)、ポリ乳酸/グリコール酸(PLG)、ポリカプロラクトン(PCL)、DL−ラクチド−co−ε−カプロラクトン(DL−PLCL)などの生体吸収性材料から製造し、ここで、チューブを膨張および取り外しの後、解放し、いつも通り嚥下することができる。
カテーテルアセンブリの遠位末端で、内部管腔または膨張チューブを針アセンブリに取り付け、これを用いて、好ましくは、外部容器としてのゼラチンカプセルの内部に収納されたバルーンの一方の先端に位置する、バルーンの自己密封型バルブを穿刺する。外部管腔は、針スリーブに接続され、カテーテルアセンブリとバルーンとの接続力を提供し、アセンブリを一緒に維持しながら、バルーン膨張圧力、例えば、最大10psi以上の圧力に耐える引張強度を提供する。針スリーブは、バルーンバルブアセンブリと機械的に結合するように構成される。針は、好ましくは、金属、好ましくは、ステンレススチールなどから作られ、膨張タイミング目的で、25ゲージ(0.455mm)、好ましくは、30ゲージ(0.255mm)以上の最大サイズを有する。針スリーブは、好ましくは、ナイロンなどの軟質材料であるか、またはポリカーボネート、ポリエチレン、PEEK、ABSもしくはPVCであってもよい。身体が針から防護され、針がバルーン隔壁のみを貫通することができるように、針スリーブは、針全体の長さを覆う。好ましくは、針スリーブは、平坦であるか、または針の長さをわずかに超えて外へ伸長する。針は、嚥下の前にバルーン隔壁中に挿入され、バルーンバルブのシリコン領域に結合した場合、約0.33lb(0.15kg)の保持力を維持する。針スリーブは、好ましくはわずかにベル状であるか、またはバルブのシリコン領域に挿入された場合に、鍵と鍵穴機構が作られて、アセンブリの引張強度を増大させ、膨張のための密封を増強するような環状のレリーフもしくはリップを含有する。
近位末端で、カテーテルアセンブリは、好ましくは、ポリカーボネートから作られるYアダプターアセンブリに接続される。膨張気体および接続流体がカテーテルアセンブリに適切に接続され、正しい管腔に下るように、Yアダプターは「鍵状」である。
膨張の前に、接続切断管腔のプライミングを、液体を用いて使用することができる。例えば、バルーン膨張の前に、外部管腔を最初に2ccの水、塩水、DI水などで洗い流す。その後、膨張供給源容器を、内部管腔へ導くコネクターに取り付ける。膨張供給源容器は、理想気体の法則および圧減衰モデルを前提に動作する。所与の圧縮気体製剤について、バルーンの得られる最終圧力よりも高い出発圧力を用いてバルーンを膨張させるようにデバイスを設計して、均等化する。出発圧力および容積は、選択される気体製剤、ならびにカテーテルの長さおよび出発温度(典型的には、周囲温度)および最終温度(典型的には、体温)に依存する。
膨張後、水圧を用いてバルーンをカテーテルアセンブリから取り外す。水、DI水、または好ましくは塩水を充填したシリンジを、Yアセンブリのメス末端に取り付ける。シリンジは、2ccの液体を含有し、シリンジプランジャが押し込まれた場合、針がバルーンバルブから排出されるような十分な水圧が働く。
単一管腔カテーテル
膨張カテーテルの直径をさらに減少させることによって、嚥下快適性を増大させるために、直径2French(0.66mm)を超えない単一管腔カテーテルを用いることができる。
針/針スリーブアセンブリは、ここに記載される二重管腔カテーテルのものと設計において類似している。しかしながら、単一管腔システムに関しては、カテーテル管腔の遠位末端は、針スリーブにのみ接続し、内部に第2のカテーテルは存在しない。その代わりに、針ハブに取り付けられた単一の糸が、カテーテルの長さと同軸的に走り、取り外しのための引張強度および全体の可撓性を補助する。
針スリーブは、わずかにベル状であるか、またはバルブのシリコン領域に挿入された場合に、鍵と鍵穴機構が作られて、アセンブリの引張強度を増大させ、膨張のための密封を増強するような環状のレリーフもしくはリップを含有し、これは単一管腔アセンブリであり、リップはバルブから針を除去するのに必要とされる力を増大させるため、これは膨張プロセスの間に偶然には起こらない。
カテーテルの近位末端は、3方向バルブに接続され、バルーンの膨張および取り外しのために排除の方法を用いる。カテーテルの遠位末端は、ナイロンまたは他の類似する供給源から作られる針スリーブを含有する。針は金属性であり、好ましくはステンレススチールである。
チューブは消化管を横断して胃内腔に入るため、カテーテルアセンブリが用いるチューブは、嚥下可能性のために可撓性であり、ねじれ耐性であり、体温に耐えることができ、酸に抵抗性であり、生体適合性である。チューブ材料は、好ましくは、軟質かつ可撓性であり、好ましくは、同軸性であり、ネッキングまたはバッキングまたはねじれに対して抵抗性である。単一管腔システムについては、カテーテルチューブは、好ましくは、PEBAX(登録商標)から作られるが、PLA、PLAA、PLG、PCL、DL−PLCLなどの生体吸収性材料を含んでもよく、ここで、チューブを膨張および取り外しの後、解放し、いつも通り嚥下することができる。針に取り付けられたカテーテルチューブの内部のワイヤは、好ましくは、ナイロンモノフィラメントであるが、Kelvarまたはニチノールワイヤまたは他の好適な材料を用いることもできる。
バルーンを膨張させるために、カテーテルの遠位末端を、針が自己密封型バルブを通して突出するバルーンカプセルに取り付ける。容器を嚥下し、膨張カテーテルの一部は口の外に残る。膨張供給源容器を、近位の3方向バルブに接続し、そこで膨張気体のためのポートを、他のポートを除去することによって選択する。膨張流体(好ましくは、圧縮された窒素気体または気体の混合物)は、単一カテーテル管腔を下り、それによって、膨張気体は抵抗が最も小さい通路、またはより具体的には、針内腔からバルーンに向かう通路を選択する。バルーンを、好ましくは、3分未満内に膨張させる。
バルーンバルブから針を取り外し、抜去するために、2ccまたは他の好適な容量の水または他の液体を、高圧でカテーテルに注入する。水は高い表面張力および粘度を有するため、それは針の通路を塞ぎ、圧力を針スリーブの外部に移すことによって、針スリーブとバルーンバルブとの間の適合を破壊する。
水または酸または任意の代替的な液体などの、バルーン内部に物質を入れることが望ましい場合、より低い圧力を用いて液体を注入することにより、それを行うことができる。
小型の硬い本体の膨張カテーテル
ある特定の態様において、硬い本体の膨張カテーテルを用いることができ、経口的または経鼻的に入れることができる。このシステムは、直径1French(0.33mm)〜10French(3.3mm)、好ましくは、8French(2.7mm)であってもよい。押し込み性を増強するためには、より大きい直径が典型的には好ましく、壁の厚さも押し込み性およびねじれ耐性に寄与する。チューブの長さは、約50〜60cmであってもよい。上記で論じた通り、測定目盛りをチューブに付加して、チューブの末端がある位置を同定するか、またはカテーテル上のpHもしくは圧力センサーを用いて、バルーンの位置を検出することができる。
膨張/取り外しのためのこのシステムは、上記の二重管腔システムと類似するが、より大きい直径のチューブを収容するためにはより大きい針スリーブを用いる。管腔中で用いることができる材料としては、例えば、外部管腔のための延伸ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)および内部管腔のためのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が挙げられる。押し込み性も増強するために、ストレインリリーフデバイスを、遠位および近位末端に付加することができる。カテーテルが喉頭をバイパスし、食道に入ることを確保するために、遠位末端、例えば、1〜8インチ、好ましくは、6インチのところにストレインリリーフを有することが特に好ましい。近位末端は、例えば、Yアームの適合を確保するために、同様にストレインリリーフを有してもよい。ストレインリリーフのための好ましい材料は、ポリオレフィンである。膨張/取り外しのための方法は、外部管腔が針スリーブに接続し、内部管腔が針に接続する二重管腔構成と同じ方法である。手順の一部として、デバイスの滑らかな通過のために、患者は水または他の好適な液体を嚥下して、食道組織を膨張させることができる。また、喉を麻痺させ、咽頭反射を低下させるために、患者の喉の奥に麻酔剤を投与することもできる。
また、チューブを、単一カテーテル上の一連の封入または圧縮されたバルーンに接続して、必要に応じて、最大1000cc以上の総量を投与することもできる。それぞれを、別々に膨張させ、解放することができる。解放されるバルーンの数は、患者の必要性および望ましい体重減少に対して調節可能であってもよい。
さらに、「オーバーザワイヤ(over-the-wire)」または迅速交換式カテーテルと呼ばれる血管形成術において用いられるバルーンカテーテルと類似するカテーテルを、胃バルーンを投与するために用いることができる。患者がカテーテルを嚥下しようと試みるが、そうすることができない場合、硬いカテーテルまたは医師支援カテーテルは可撓性カテーテルを避けて通ることができ、バルーンを、医師支援カテーテルと同じ様式で押し下すことができる。異なる材料を用いて、変化する程度の可撓性を提供することができるか、または硬さの程度を変化させるために長さにわたって異なる直径を用いて製作された1つの材料を用いることができる。
嚥下可能な自己膨張型バルーン構築方法と、嚥下可能な膨張チューブ構築方法は両方とも、バルーンを入れるための内視鏡の必要性を除去し、バルーン投与プロセスを侵襲性の低いものにする。また、これにより、患者に入れられる総量が「滴定可能」または調節可能になる。バルーンを30日間入れる場合、患者は、時間と共に、彼らが食べることなく満腹感を失うことを報告することができる。補うために、鎮静状態および内視鏡なしに、別のバルーンを容易に入れることができる。非収縮性バルーンを内視鏡的に除去しようとする場合、医師が、患者の胃の中で残りの耐用寿命を有するバルーンを保持しながら、その耐用寿命の終わりにバルーンを除去するための視覚的マーカーを有するように、異なる色を用いてバルーン複合壁を塗り分けることが望ましい。
さらに、バルーンが内視鏡により穿刺された場合、それがそれ自身でより効率的に折り畳んで、その形状、硬さ、および/または壁材料の厚さのためバルーンによる食道穿孔および/または他の損傷を引き起こすことなく、薄い壁の構造物の除去を容易にするように、バルーン壁の自己密封型バルブから約180°の位置に印を付けることができる。
膨張流体容器
膨張流体容器を用いて、バルーンの内部に入れられた流体の量または容積を制御する。これは、例えば、PVC、ステンレススチール、または他の好適な材料のキャニスターの形態にあってもよい。容器はまた、シリンジ形態にあってもよい。用いられる材料は、好ましくは、気体形態の流体、例えば、圧縮もしくは非圧縮N2、Ar、O2、CO2、もしくはその混合物、または圧縮もしくは非圧縮大気(N2、O2、Ar、CO2、Ne、CH4、He、Kr、H2、およびXeの混合物)を含有してもよい。バルーン複合壁材料および対応する拡散勾配および気体透過性を用いて、胃内バルーンの膨張のための流体を選択して、膨張したバルーンのための経時的な所望の容積プロファイルを提供する。膨張流体容器材料は、それを膨張カテーテルのYアームコネクターまたはバルブに接続する前に流体の拡散または漏出がないか、または最小限であることを確保するように選択される。膨張流体容器は、好ましくは、圧力ゲージおよびコネクターを含む。それはまた、膨張が成功したかどうか、またはシステムエラーのためにバルーンを取り外すべきかどうかを医療専門家に通知するスマートチップを含有してもよい。
バルーンの「嚥下可能性」を維持し、手順の間の患者の快適性を確保するために、カテーテルを口/食道の中に入れる時間量を最小化するのが好ましい。膨張のタイミングを、所定の位置での時間を最小化するように選択することができる。外部容器−カテーテルアセンブリは、一度嚥下されたら、胃に到達するのに約4〜8秒かかる。一度、胃に入ったら、膨張供給源容器を、カテーテルシステムのバルブまたはポートに取り付けることができる。膨張のタイミングを、カテーテルの長さ、カテーテルチューブの直径、出発温度、および出発圧力を選択することにより制御することができる。窒素に関する理想気体の法則およびボイルの法則(P1V1=P2V2)を用いて、出発容積/圧力の量を誘導し、温度を、身体のものと一致するように膨張供給源容器の内部で制御することができる。バルーンの取り外しおよびカテーテルの抜去の前に、5分未満、好ましくは、2〜3分の、嚥下後の膨張時間を有することが望ましい。バルーンの膨張を誘導するための入力の使用(好ましくは、3分未満)は、膨張容器容積、膨張流体の型(好ましくは、圧縮気体または圧縮気体混合物)、出発圧力、カテーテルの長さおよび直径、ならびにバルーンの望ましい最終容積および圧力を含む。したがって、直径の差異のため、2Frenchのカテーテルシステムは、同じ圧縮気体製剤の使用を仮定すれば、同じ時間枠で同じ標的バルーン容積および圧力を達成するためにはより高い出発圧力を必要とする。一般に、同じ流量/容積でより高い圧力から開始すれば、膨張時間を減少させることができることが理解される。
膨張供給源容器は、圧減衰システムに基づいてエンドユーザーにフィードバックを提供する。バルーンが適切に膨張するかどうかを示す予想出発圧力および予想最終圧力が存在する場合、内視鏡による目視は必要ない。予想圧力出力のそれぞれのシナリオは、偽陽性の可能性を減少させるためにそれ自身の許容性を有してもよく、膨張流体容器はこれらの許容性に基づいてバルーンの膨張および取り外しの状態に関するフィードバックを提供することができる。固定容積のバルーンに基づく予想最終圧力が存在する場合、これは、理想気体の法則に基づいて誘導される。圧力が高いままであり、予想通り減衰しない場合、これはシステムの欠陥を示し得る(例えば、チューブにねじれがある、またはカテーテルシステムに他の欠陥があるため、例えば、バルーン容器が溶解しなかった、バルーンが食道中で拡張している)。例えば、膨張流体として窒素だけを用いる減衰の成功にとって、バルーンを250ccまで膨張させるための出発圧力は22PSIであり、ナイロン系材料については1.7psi(0.120kg/cm2)である。バルーン膨張の成功を示すために、少なくとも1つの視覚的、聴覚的、もしくは触知的通知を提供するか、またはさもなければ膨張が成功したかどうか、もしくは圧力曲線および所定の圧力許容性と予想される膨張のタイミングのセットに基づいてシステムにエラーがあるかどうかの通知を医療専門家または管理者に伝送するマスチップ(math chip)を膨張供給源容器に付加することができる。
ゲージ出力を読み取ることによる、バルーンが経験している(例えば、カプセルは溶解したが、バルーンは食道もしくは十二指腸にある、またはバルーンは胃の中にあり、カプセルは溶解していない)拘束の程度の検出のための別の方法は、第2のリザーバーまたはバルーン自体への気体の放出の選択を可能にする1つ以上のバルブと共に、少なくとも2つのリザーバー(一方は大きく、一方は小さい)と、少なくとも2つのゲージとを有する膨張キャニスターを用いることである。2つのリザーバーに関して、大きい方のリザーバーは、バルーンを充填するのに必要とされる流体の全量を含有してもよい。最初に、少量の流体を、大きい方のリザーバーから小さい方のリザーバーに放出して、バルーンの位置および完全な膨張のためのその即応性を決定することができる。小さい方のリザーバー中の少量の流体がバルーンカテーテル中に放出され、小さい方のリザーバーのゲージ上のフィードバックが、圧力が高いことを示す場合、これは、バルーンがカプセル中に依然として含まれ、膨張の準備ができていないことを示す。ゲージが中程度の圧力レベル(例えば、1〜4psi)をリードバックする場合、これは、バルーンが、食道または十二指腸などの拘束された空間にあり、膨張させるべきではないことを示す。ゲージ上で読み取られるバルーンカテーテルのフィードバックが約1psiである場合、これは、バルーンが胃の中にあり、膨張の準備ができていることを示す。フィードバックが0psiである場合、これは、バルーンバルブカテーテルシステムに漏出があり、デバイスを回収するべきであることを示す。一度、バルーンが胃内空間で検出されたら、大きい方のリザーバーを開き、バルーンをその望ましい圧力まで膨張させる。
あるいは、バネ機構、バルーン内バルーン機構、または他の圧力源を用いることにより、出発圧力に基づいてバルーンを充填することができる。これらの機構は、潜在的には、より予測可能な/一貫した圧減衰曲線をもたらすことができ、再度、エンドユーザーへのフィードバックのための付随する、所定の許容性を有してもよい。
複合壁
バルーンの複合壁のために選択される材料を、最適化して、元の膨張気体を有意に拡散させることなく維持することができるか、または一度、バルーンが胃の中に入ったら、胃内環境にある気体、例えば、CO2、O2、アルゴン、もしくはN2の拡散を可能にして、バルーンの壁を通して部分的もしくは全体的に膨張させることもできる。ここに記載される膨張カテーテルを用いてバルーンの内部に流体(液体または気体)を添加して、内部および外部環境に基づいてそれが静止状態に達した時に、バルーン複合壁の拡散方向を変化させることもできる。
窒素、CO2気体、単一流体(気体)または気体の混合物により膨張する胃バルーンは、障壁特性(流体保持)、胃内環境またはバルーンの中心管腔内の環境におけるpHおよび湿度条件に対する耐性を付与する特性、ならびに胃の運動力、in vivoでのバルーン壁の摩耗、ならびにバルーンの製造および折り畳み中の損傷に抵抗する構造的特性を提供する複合壁を用いる。バルーン材料中で用いられるある特定の材料は、異物(例えば、食物粒子)を破壊するように設計された敵対的胃内環境に耐えることができる。胃内環境が包含するいくつかの変数は以下の通りである:胃の供給状態に基づいて変化する頻度およびサイクル時間での1.5〜5の胃液pH;約37℃の温度;90〜100%の相対湿度;胃空間気体含量の進入;および0〜4psiの定常胃運動外部圧力。胃運動により付与される外部圧力はまた、バルーンの表面での摩耗を引き起こし得る。バルーン管腔の内部は、自己収縮のタイミングのためにバルーンに注入される溶液に由来する湿気または外部湿度環境のため膜を横断して移動した湿気を含有してもよい。これらの環境ストレスに加えて、壁材料は生体適合性要件を満たし、壁(障壁材料)の全厚が、有意な損傷または滞留なく嚥下可能なサイズの容器(「外部容器」)の内部で圧縮され、入れられるのに十分に薄いものであるように構築される。外部容器は、食道を乗り越えるのに十分に小さい(約2.5cmの直径を有する)。壁または障壁材料はまた、バルーン構築のために熱形成性および密封性であり、システムの気体環境が静止状態に達するまで、初期膨張圧力ならびに胃内腔からの気体分子の進入に起因する圧力により生成された最大10psiの内部気体圧力を含有してもよい結合強度を維持する。バルーンの複合壁における使用のための好適性を決定するために評価されるフィルム特性としては、pH耐性、水蒸気透過速度、気体障壁特性、機械的強度/摩耗特性、温度耐性、成形性、曲げ割れ(Gelbo)耐性、表面エネルギー(湿潤性)伸展性、および熱結合能力が挙げられる。
複合壁中の様々な層は、バルーンに対して1つ以上の望ましい特性(例えば、CO2保持、湿気に対する耐性、酸性環境に対する耐性、プロセッシングのための湿潤性、および構造的強度)を付与することができる。多層プレフォームシステム(「複合壁」)中で組み合わせることができるポリマー樹脂およびコーティングの一覧を、表1a〜bに提供する。これらのフィルムを、接着的に一緒に結合して、同時に押し出して、もしくは結合層により接着して、またはその組合せを行って、以下に論じられるような、複合壁のための特性の望ましい組合せを得ることができる。表1a〜b中にフィルムコーティングとして同定される材料は、ベースポリマーフィルム、例えば、PET、Nylon、または他の構造層に適用されるコーティングとして提供される。
表1a.フィルム樹脂
表1b.フィルムコーティング
流体保持層
好ましい態様においては、複数の層を用いる混合ポリマー樹脂を用いて、意図される使用の持続期間にわたって膨張流体を保持することにより膨張したバルーンの形状および容積を維持する。食品包装およびプラスチックボトル業界において広く用いられているある特定の障壁フィルムを、バルーンの複合壁においてこの目的のために有利に用いることができる。好ましくは、障壁材料は、二酸化炭素(または容積占有副部品を膨張させるために代替的または追加的に用いられる他の気体、液体、もしくは流体)に対する低い透過性を有する。これらの障壁層は、好ましくは、ベース材料に対する良好な接着性を有する。好ましい障壁コーティング材料およびフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、Nylon(PA)およびNylon−6(PA−6)などのポリアミド、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、生体適合性ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、サラン、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ酢酸ビニル、酸化ケイ素(SiOx)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ナノポリマー(例えば、ナノクレイ)、ポリイミド熱硬化性フィルム、EVALCA EVAL EF−XL、ホスタファンGN、ホスタファンRHBY、RHB MI、Techbarrier HX(SiOx被覆PET)、Triad Silver(銀で金属化されたPET)、Oxyshield 2454、Bicor 84 AOH、アクリロニトリルコポリマー、ならびにテレフタル酸およびイソフタル酸とエチレングリコールおよび少なくとも1つのジオールとのコポリマーが挙げられる。代替的な気体障壁材料としては、ポリアミン−ポリエポキシドが挙げられる。これらの材料を、典型的には、溶媒系または水性系熱硬化性組成物として提供し、典型的には、プレフォーム上に噴霧コーティングした後、熱硬化させて、完成品の障壁コーティングを形成させる。容積占有副部品に対してコーティングとして適用することができる代替的な気体障壁材料としては、銀またはアルミニウムなどの金属が挙げられる。容積占有副部品の気体不透過性を改善するために用いることができる他の材料としては、限定されるものではないが、金または任意の貴金属、サランで被覆されたPET、および絶縁保護コーティングが挙げられる。
膨張流体の拡散を遅延させるために包装業界で用いられる1つの方法は、材料を厚くすることである。患者による嚥下のためにバルーンを望ましい送達容器サイズに折り畳むことができるようにするために、複合壁の全厚は、0.004インチ(0.010cm)を超えないのが好ましいため、材料を厚くすることは、一般的には好ましくない。
バルーンの耐用寿命の経過にわたって胃内環境に耐えることができる多層ポリマーフィルムとしては、Nylon12フィルムに接着的に結合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。あるいは、PVDCなどの障壁特性を有するさらなるフィルム層を、複合壁に付加することができる。
気体障壁特性を提供する層は、Nylonなどの「構造的」と考えられる樹脂よりも機械的にあまり強固ではないため、好ましくは、それらを複合壁中の内部層として位置付ける。
構造層
ポリウレタン、Nylon、またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの層を、構造目的で複合壁に付加してもよく、そのような層のpH耐性が胃またはバルーンの中心管腔の酸性環境に耐えることができるという条件で、好ましくは、最も外側(胃内環境に対して近位またはバルーンの中心管腔に対して近位)の層として配置する。さらに、またはあるいは、限定されるものではないが、以下の「層の化学」のサブセクションに記載のものなどの、他の層を含有させることもできる。
層の化学
ポリエチレンテレフタレート(PET)
ポリエチレンテレフタレートは、ポリエステルファミリーの熱可塑性ポリマー樹脂である。ポリエチレンテレフタレートは、非晶質(透明)材料として、または半結晶性材料として存在し得る。半結晶性材料は、その結晶構造およびスフェルライトのサイズに応じて、透明(500nm未満のスフェルライト)または不透明および白色(数μmのサイズまでのスフェルライト)に見えてもよい。そのモノマー(ビス−β−ヒドロキシテレフタレート)を、副生成物としての水を用いたテレフタル酸とエチレングリコールとの間のエステル化反応により、または副生成物としてのメタノールを用いたエチレングリコールとジメチルテレフタレートとの間のトランスエステル化反応により合成することができる。重合は、モノマーと、副生成物としてのエチレングリコールとの重縮合反応(エステル化/トランスエステル化の直後に行われる)によるものである(エチレングリコールは、生成において直接再利用される)。PET生成物の商標名のいくつかは、Dacron、Diolen、Tergal、Terylene、およびTrevira繊維、Cleartuf、Eastman PETおよびPolyclearボトル樹脂、Hostaphan、Melinex、およびMylarフィルム、およびArnite、Ertalyte、Impet、RyniteおよびValox注入モデリング樹脂である。
PETは、C10H8O4反復単位を有する、エチレンテレフタレートモノマーの重合単位からなる。PETは、その厚さに応じて、半剛性から剛性であってもよく、非常に軽量である。それは、良好な気体およびかなりの湿度障壁、ならびにアルコールおよび溶媒に対する良好な障壁を作る。それは強く、衝撃耐性である。それは天然では無色であり、高い透明度を有する。
薄いフィルム(その商標名の1つ、「Mylar」によっても知られることが多い、二軸延伸PETフィルム)として生成された場合、金属の薄いフィルムをその上で蒸発させて、その透過性を低下させ、それは反射性および不透明にすることにより、PETにアルミめっきを施すことができる(MPET)。これらの特性は、可撓性食品包装などの多くの適用において有用である。ガラス粒子または繊維を充填した場合、それは有意により硬く、より耐久性になる。半結晶製剤での、このガラス充填プラスチックは、商標名Rynite、Arnite、Hostadur、およびCrastinの下で販売されている。
PETの最も重要な特徴の1つは、固有粘度である。デシリットル/グラム(dl/g)で測定される、材料の固有粘度は、そのポリマー鎖の長さに依存する。鎖が長くなるほど、材料は硬くなり、したがって、固有粘度も高くなる。特定のバッチの樹脂の平均鎖長を、重合中に制御することができる。複合壁における使用にとっては、約0.65dl/g〜0.84dl/gの固有粘度が好ましい。
純粋な(ホモポリマー)PETに加えて、共重合により改変されたPETも利用可能である。いくつかの場合、特定の適用にとっては、コポリマーの改変された特性がより望ましい。例えば、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を、エチレングリコールの代わりにポリマー骨格に付加することができる。この構成要素は、それが置きかわるエチレングリコールよりもはるかに大きい(6個のさらなる炭素原子)ため、それは、エチレングリコール単位ができる方法では近隣の鎖に適合しない。これは結晶化を妨げ、ポリマーの融点を低下させる。そのようなPETは一般に、PETGとして知られる(Eastman ChemicalおよびSK Chemicalsがただ2つの製造業者である)。PETGは、射出成形またはシート押出成形することができる透明な非晶質熱可塑性物質である。それを、プロセッシングの間に着色することができる。別の一般的な重合調整剤は、1,4−(パラ)結合したテレフタレート単位のいくつかを置きかえるイソフタル酸である。1,2−(オルト−)または1,3−(メタ−)結合は、鎖における角度を生み出し、結晶性も阻害する。そのようなコポリマーは、熱形成などのある特定の成形適用にとって有利である。他方で、機械的安定性および寸法安定性が重要である他の適用においては、結晶化は重要である。PETボトルについては、少量のCHDMまたは他のコモノマーの使用が有用であり得る:ほんの少量のコモノマーを用いる場合、結晶化は遅くなるが、全体としては阻害されない。結果として、ボトルは、延伸吹込成形(「SBM」)により取得可能であり、炭酸飲料中の二酸化炭素などの、芳香および気体に対する十分な障壁であるのに十分に透明かつ結晶性である。
結晶化は、ポリマー鎖が反復する対称的パターンでそれ自身を折り畳む時に起こる。長いポリマー鎖はそれ自身でもつれるようになる傾向があり、最も注意深く制御された環境を除いて完全な結晶化を妨げる。市販の製品については、ポリエステル繊維を除いて、60%の結晶化が上限である。
PETは、その天然の状態で、結晶性樹脂である。透明な生成物を、融解されたポリマーを急速に冷却して非晶質固体を形成させることにより生成することができる。ガラスと同様、非晶質PETは、その分子が、融解物が冷却される時に規則的様式でそれ自身を整列させる十分な時間を与えられない場合に形成する。室温で、その分子はその場で固まるが、十分な熱エネルギーがそれらに戻された場合、それらは再び動き始め、結晶は核を作り、成長する。この手順は、固体状態結晶化として知られる。
多くの材料と同様、PETは、1つの大きな単一の結晶を形成するよりもむしろ、非晶質固体から結晶化された場合に多くの小さい晶子を生成する傾向がある。光は、晶子と、それらの間の非晶質領域との境界と交差するため、光は散乱する傾向がある。この散乱は、結晶性PETが、多くの場合、不透明および白色であることを意味する。ファイバー引き上げは、ほぼ単一の結晶生成物を生成する数少ない工業的プロセスである。
CHDMまたはイソフタル酸などのコモノマーは、PETの融点を低下させ、結晶性を減少させる(ボトル製造のために材料を用いる場合に特に重要である)。したがって、樹脂を、より低い温度および/またはより小さい力で可塑的に形成させることができる。これは、許容される(すなわち、知覚できない)レベルで最終生成物のアセトアルデヒド含量を減少させる分解を防止するのに役立つ。ポリマーの安定性を改善するための他の方法は、安定剤、主に、亜リン酸塩などの酸化防止剤を用いることによる。最近では、ナノ構造化学物質を用いた材料の分子レベルでの安定化も考慮されている。
非強化PETは、以下の特性を有する:かさ密度0.800〜0.931g/cc;温度285〜285℃で密度1.10〜1.20g/cc、−285℃で1.25〜1.91g/cc;見かけのかさ密度0.000850g/cc;吸水率0.0500〜0.800%;平衡での吸湿度0.200〜0.300%;飽和での吸水率0.400〜0.500%;粒径2500μm;水蒸気透過速度0.490〜6.00g/m2/日;酸素透過速度5.10〜23.0cc−mm/m2−24hr−atm;粘度測定値0.550〜0.980;粘度試験74.0〜86.0cm3/g;厚み250〜254ミクロン;線形成形収縮率0.00100〜0.0200cm/cm;線形成形収縮率、横方向0.00200〜0.0110cm/cm;ロックウェル硬さM80.0〜95.0;ロックウェル硬さR105〜120 105〜120;鋼球押し込み硬度160〜170MPa;最大引張強度22.0〜207MPa;フィルム引張降伏強度、MD 55.0〜59.0MPa;フィルム引張降伏強度、TD 53.0〜57.0MPa;フィルム破断伸び、MD 40.0〜600%;フィルム破断伸び、TD 200〜600%;フィルム降伏伸び、MD 4.00〜6.00%;フィルム降伏伸び、TD 4.00〜6.00%;引張降伏強度47.0〜90.0MPa;破断伸び1.50〜600%;降伏伸び3.50〜30.0%;弾性率1.83〜14.0GPa;曲げ弾性率1.90〜15.2GPa;曲げ降伏強度55.0〜240MPa;圧縮降伏強度20.0〜123MPa;ノッチなしアイゾット衝撃強度2.67J/cm−NB;ノッチなし低温アイゾット衝撃強度(ISO)160〜181kJ/m2;ノッチあり低温アイゾット衝撃強度(ISO)3.10〜4.20kJ/m2;ノッチなしシャルピー衝撃強度3.00J/cm2−NB;ノッチあり低温シャルピー衝撃強度0.270〜0.500J/cm2;ノッチありシャルピー衝撃強度0.200〜1.40J/cm2;温度−40℃での衝撃試験0.800〜8.20J;摩擦係数0.190〜0.250;総引裂強度15.0〜120N;エルメンドルフ引裂強度、MD 3.14〜4.00g/ミクロン;エルメンドルフ引裂強度、TD 3.24〜5.20g/ミクロン;落槍1.08〜2.00g/ミクロン;テーバー摩耗、mg/1000サイクル;フィルム引張破断強度、MD 13.8〜60.0MPa;フィルム引張破断強度、TD 39.0〜48.0MPa;−40℃でのノッチありアイゾット衝撃強度0.270〜0.630J/cm;ノッチありアイゾット衝撃強度0.139〜100J/cm;ノッチありアイゾット衝撃強度(ISO)2.00〜10.0kJ/m2;電気抵抗5.00e+6〜1.00e+16オーム−cm;表面抵抗1.00e+14〜1.00e+16オーム;誘電率2.40〜3.90;誘電強度15.7〜60.0kV/mm;散逸率0.00100〜0.0250;耐アーク性80.0〜181sec;比較トラッキング指数175〜600V;融解熱56.0〜65.0J/g;CTE、線形25.0〜92.0μm/m−℃;CTE、線形、横断流48.0〜80.0μm/m−℃;比熱容量1.10〜1.20J/g−℃;60.0〜280℃で1.30〜2.30J/g−℃;熱伝導率0.190〜0.290W/m−K;融点200〜250℃;最高使用温度、空気中100〜225℃;0.46MPa(66psi)での収縮温度66.0〜245°;1.8MPa(264psi)での収縮温度60.0〜240℃;ビカット軟化温度74.0〜85.0℃;最低使用温度、空中−20.0℃;ガラス温度70.0〜78.0℃;UL RTI、電気75.0〜175℃;ヘーズ0.300〜10.0%;光沢108〜166%;可視光線透過率67.0〜99.0%;ガードナー色数−3.00〜85.0;加工温度120〜295℃;成形温度10.0〜163℃;乾燥温度70.0〜160℃;乾燥時間3.00〜8.00時間;湿度含量0.0100〜0.400%;射出圧力68.9〜120MPa;背圧8.00〜18.0MPa。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、商標名Hostaphan(登録商標)の下でMitsubishi Polyester Film of Wiesbaden、Germanyから入手可能である。Hostaphan(登録商標)GNは、ポリエチレンテレフタレート(PET)から作られる、ガラス透明二軸延伸フィルムであり、その優れた機械的強度および寸法安定性を伴う、その高い透明度および表面光沢およびその低いヘーズを特徴とする。Hostaphan(登録商標)GNは、滑りおよび加工性の改善のため、ならびにコーティング、印刷用インクまたは金属性層の接着の改善のために片面または両面が化学的に処理される。Hostaphan(登録商標)RHBYは、アルミニウム、Al2O3またはSiOxを用いる減圧コーティング後に酸素、水蒸気および他の気体ならびに芳香物質に対する以前は達成不可能であった障壁特性を提供するために最適化された構造を有するポリエチレンテレフタレート(PET)から作られる二軸延伸フィルムである。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、一般的にエチレンと長鎖オレフィンとの共重合により作製される、有意な数の短い分枝を有する実質的に直鎖状のポリマー(ポリエチレン)である。直鎖状低密度ポリエチレンは、長鎖分枝が存在しないため、従来の低密度ポリエチレンとは構造的に異なる。LLDPEの直鎖性は、LLDPEおよびLDPEの異なる製造プロセスから生じる。一般に、LLDPEは、エチレンと、ブテン、ヘキセン、またはオクテンなどのより高級なアルファオレフィンとの共重合により、より低温および圧力で生成される。共重合プロセスは、従来のLDPEよりも狭い分子量分布および直鎖構造と共に、有意に異なるレオロジー特性を有するLLDPEポリマーを生成する。
LLDPEの生成は、遷移金属触媒、特に、ZieglerまたはPhilips型の触媒により開始される。実際の重合プロセスを、溶液相または気相反応器中で行うことができる。通常、オクテンは溶液相中ではコポリマーであるが、ブテンおよびヘキセンは気相反応器中でエチレンと共に共重合される。気相反応器中で生成されたLLDPE樹脂は、顆粒形態にあり、顆粒として販売するか、またはペレットに加工することができる。LLDPEは、LDPEよりも高い引張強度ならびに高い衝撃および穿刺耐性を有する。それは非常に可撓性であり、応力下で延伸する。それを用いて、より良好な環境応力亀裂耐性を有する、より薄いフィルムを作製することができる。それは、化学物質および紫外線照射に対する良好な耐性を有する。それは良好な電気的特性を有する。しかしながら、それはLDPEほど加工が容易ではなく、光沢が少なく、熱密封のための範囲が狭い。
LDPEおよびLLDPEは、独特の理論的または融解流れ特性を有する。LLDPEは、そのより狭い分子量分布およびより短い鎖分枝のため、剪断感受性が低い。押出などの剪断プロセス中に、LLDPEは、同等の融解指数のLDPEよりも粘性のままであり、したがって、加工が難しい。LLDPEのより低い剪断感受性は、押出中にポリマー鎖のより速い応力緩和を可能にし、したがって、その物理特性はブローアップ比の変化の影響を受けやすい。融解伸長においては、LLDPEは全てのひずみ速度でより低い粘度を有する。これは、LDPEが延伸される場合に行うようにはひずみ硬化しないことを意味する。ポリエチレンの変形速度が増大するにつれて、LDPEは、鎖のもつれのため粘度の劇的な上昇を示す。この現象は、LLDPEにおける長鎖分枝の欠如のため、LLDPEについては観察されず、もつれるようになることなく、延伸の際に鎖が互いに「通り抜ける」ことができる。LLDPEフィルムを、高い強度および強靱性を維持しながら、容易にダウンゲージ(downgauge)することができるため、この特徴はフィルム用途にとって重要である。
フィルム等級のLLDPEの特性としては、以下が挙げられる:密度0.902〜0.960g/cc;湿度蒸気透過速度0.240〜0.470cc−mm/m2−24hr−atm;水蒸気透過速度6.00〜8.00g/m2/日;酸素透過速度0.720〜236cc−mm/m2−24hr−atm;酸素透過速度3500〜5000cc/m2/日;温度190〜190℃での粘度37000〜79000cP;剪断速度300〜5000l/sで37000〜79000cP;剪断速度300〜5000l/sで37000〜79000cP;厚み12.7〜76.2μm;融解流れ0.200〜40.0g/10min;ベース樹脂融解指数0.700〜3.50g/10min;アンチブロックレベル3500〜9000ppm;スリップレベル0.000〜1700ppm;最大引張強度9.80〜26.2MPa;フィルム引張降伏強度、MD 7.38〜74.0MPa;フィルム引張降伏強度、TD 6.90〜77.0MPa;フィルム破断伸び、MD 80.0〜1460%;フィルム破断伸び、TD 460〜1710%;フィルム降伏伸び、MD 435〜640%;フィルム降伏伸び、TD 670〜890%;引張降伏強度9.70〜22.1MPa;破断伸び8.00〜1000%;弾性率0.0110〜0.413GPa;割線係数、MD 0.0103〜0.717GPa;割線係数、TD 0.0106〜0.869GPa;衝撃強度48.0〜65.0;衝撃試験0.452〜5.00J;摩擦係数0.100〜2.00;静止摩擦係数0.170〜1.00;エルメンドルフ引裂強度、MD 25.0〜1080g2;エルメンドルフ引裂強度TD 180〜1470g;エルメンドルフ引裂強度、MD 0.0750〜20.9g/ミクロン;エルメンドルフ引裂強度、TD 0.275〜37.8g/ミクロン;落槍1.57〜42.5g/ミクロン;落槍試験30.0〜1350g;密封強度1800〜2400g/25min;フィルム引張破断強度、MD 9.65〜82.7MPa;フィルム引張破断強度、TD 7.24〜55.1MPa;熱密封強度開始温度72.0〜100℃;融点120〜128℃;結晶化温度104〜115℃;ビカット軟化温度93.0〜123℃;ヘーズ0.700〜80.0%;光沢3.00〜140%;加工温度90.0〜310℃;ダイオープニング0.0810〜0.254cm;ブローアップ比(BUR)1.50〜4.00。
エチレンビニルアルコール(EVOH)
エチレンビニルアルコールは、エチレンとビニルアルコールとの規則的コポリマーである。後者のモノマーは主にそのアセトアルデヒド互変異性体として存在するため、コポリマーは、エチレンと酢酸ビニルの重合、次いで、加水分解により調製される。プラスチック樹脂は、一般に食品用途、および自動車用のプラスチックガソリンタンクにおいて用いられる。その主な目的は、主に、食品包装保存期間の改善のための酸素障壁として、および燃料タンクのための炭化水素障壁としての障壁特性を提供することである。EVOHは、典型的には、カードボード、ホイル、または他のプラスチック間の薄層として共押出または積層化される。EVOHコポリマーは、モル%のエチレン含量により定義される:より低いエチレン含量等級はより高い障壁特性を有する;より高いエチレン含量等級は押出のためのより低い温度を有する。
エチレンビニルアルコール(EVOH)は、今日用いられている最も一般的な透明の高障壁フィルムの1つである。それは、共押出における個別の層として適用される。EVOHは、優れた酸素障壁特性(0.006〜0.12cc−mil/100in2−日)を提供する。特定のEVOHフィルムが提供する障壁は、いくつかの因子:モルパーセント(エチレンのモルパーセントが増大するにつれて、障壁は減少する);結晶性(結晶性が増大するにつれて、障壁特性は改善する);厚み(全てのフィルムについて、厚みが増大するにつれて、障壁は増大する);温度(温度が増大するにつれて、障壁は減少する);湿度(高い湿度レベルでは、EVOHにより提供される障壁は急速に低下する(それは、重要である周囲湿度よりもむしろEVOH境界面での湿度レベルである))に依存する。優れた酸素障壁を提供するだけでなく、EVOHは、優れた臭いおよび芳香障壁でもある。それは、3D適用にとって人気にする熱形成性であるという追加の利点を有する。
EVALCA EVAL(登録商標)EF−XLエチレンビニルアルコールコポリマーフィルムは、以下の特性:湿度蒸気透過速度0.600cc−mm/m2−24hr−atm 40℃、90%RH;酸素透過速度0.00400cc−mm/m2−24hr−atm 20℃;65%RH(透過性はより高い湿度含量で有意に増大する);厚み15.2ミクロン;フィルム破断伸び、MD 100% 10%/min;ASTM D638フィルム破断伸び、TD 100% 10%/min;ASTM D638割線係数、MD 3.50GPa;ヤング率、ASTM D638、10%/min;割線係数、TD 3.50GPa;ヤング率、ASTM D638、10%/min;エルメンドルフ引裂強度MD 260g;ASTM D638エルメンドルフ引裂強度TD 330g;ASTM D638エルメンドルフ引裂強度、MD 17.0g/ミクロン;ASTM D638エルメンドルフ引裂強度、TD 21.7g/ミクロン;ASTM D638フィルム引張破断強度、MD 205MPa 10%/min;ASTM D638フィルム引張破断強度、TD 195MPa 10%/min;表面抵抗2.70e+15オーム;誘電率5.00;散逸率0.220;比熱容量2.40J/g−℃;熱伝導率0.340W/m−K;融点181℃ DSC;ヘーズ0.500% 65%RH;光沢95.0% 65%RHを有する。EVAL(登録商標)エチレンビニルアルコールフィルムは、Houston、TXのKuraray America,Inc.から入手可能である。
ナイロン
ナイロンは、ポリアミドとして一般的に知られる合成ポリマーのファミリーの総称である。ナイロンは、熱可塑性の絹のような材料である。繊維用途のためにナイロンを作製する2つの一般的な方法がある。1つのアプローチにおいては、それぞれの末端上に酸(COOH)基を有する分子を、それぞれの末端上にアミン(NH2)基を含有する分子と反応させる。得られるナイロンは、2つの酸基と2つのアミンとを分離する炭素原子の数に基づいて命名される。これらのものを、中間の分子量のモノマーに形成し、次いで、反応させて長いポリマー鎖を形成する。
固体ナイロンは、以前は金属で鋳造されていた小ねじ、歯車および他の低〜中応力の部品などの機械部分のために用いられる。工学等級のナイロンは、押出、鋳造、および射出成形により加工される。固体ナイロンは、櫛において用いられる。タイプ6/6ナイロン101は、最も一般的な商業等級のナイロンであり、ナイロン6は最も一般的な商業等級の成形ナイロンである。ナイロンは、構造強度および衝撃強度および剛性を増大させるガラス充填変異体、および潤滑性を増大させる硫化モリブデン充填変異体で入手可能である。
アラミドは、主鎖中に芳香族基を含む全く異なる鎖構造を有する別の型のポリアミドである。そのようなポリマーは、優れた防弾繊維を作る。
ナイロンは、等量のジアミンとジカルボン酸とを反応させることにより形成される縮合コポリマーであり、ペプチド結合は、ポリペプチドバイオポリマーと同様のプロセスにおいて各モノマーの両末端で形成する。数字の添え字は、ジアミンを第1に、およびダイスを第2に、モノマーにより提供される炭素数を特定する。最も一般的な変異体は、ナイロン6−6であり、ジアミン(ヘキサメチレンジアミン)と二酸(アジピン酸)がそれぞれ、ポリマー鎖に6個の炭素を供給するという事実を指す。ポリエステルおよびポリウレタンのような他の規則的なコポリマーと同様、「反復単位」は、各モノマーの1つからなり、それらは鎖中で交互に存在する。このコポリマー中の各モノマーは両末端上に同じ反応性基を有するため、アミド結合の方向は、全体的な方向性を有する天然のポリアミドタンパク質と違って、各モノマー間で逆転している。実験室においては、ナイロン6−6を、アジピン酸の代わりにアジピン酸クロリドを用いて作製することもできる。比率を全く正しくするのは困難であり、逸脱は望ましい10,000ダルトン未満の分子量での鎖終結をもたらし得る。この問題を克服するために、正確に1:1の比の酸と塩基を用いて互いに中和させ、結晶性の固体「ナイロン塩」を室温で形成させることができる。285℃に加熱したら、塩が反応してナイロンポリマーを形成する。20,000ダルトンより上では、鎖を糸に紡ぐことは不可能であるため、これに対抗するために、いくらかの酢酸を添加して、ポリマー延伸中に遊離アミン末端基と反応させて、分子量を制限する。実際に、特にナイロン6,6については、モノマーを水溶液中で組み合わせることが多い。この溶液を作製するために用いられる水を、制御された条件下で蒸発させ、増大する濃度の「塩」を、最終分子量まで重合させる。
ホモポリマーナイロン6、またはポリカプロラクタムは、縮合ポリマーではないが、開環重合により形成される(あるいは、アミノカプロン酸を重合することにより作製される)。カプロラクタム内のペプチド結合は、モノマーがポリマー骨格の一部になるため、2つの新しい結合中に組み込まれるそれぞれの側に露出した活性基を用いて破壊される。この場合、全てのアミド結合は、同じ方向にあるが、ナイロン6の特性は、融点(N6はより低い)ならびにカーペットおよび織物のような製品におけるいくらかの繊維特性を除いて、ナイロン6,6のものとは識別不可能であることもある。ナイロン9も存在する。
ペンタメチレンジアミンとセバシン酸から作製される、ナイロン5,10は、優れた特性を有するが、作製するのはより高価である。この命名法に従えば、「ナイロン6,12」(N−6,12)または「PA−6,12」は、6Cジアミンと12C二酸とのコポリマーである。N−5,10 N−6,11;N−10,12などについても同様である。他のナイロンとしては、上記に列挙されたモノマーに基づくものではないコポリマー化されたジカルボン酸/ジアミン生成物が挙げられる。例えば、いくつかの芳香族ナイロンは、ポリエステルとより一般的に関連する、テレフタル酸(Kevlar)またはイソフタル酸(Nomex)のような二酸の添加を用いて重合される。N−6,6/N6のコポリマー;N−6,6/N−6/N−12のコポリマーなどが存在する。ポリアミドが形成される方法のため、ナイロンは未分枝の直鎖に限定されると考えられる。しかし、「星型」分枝鎖ナイロンを、ジカルボン酸と、3つ以上のアミノ基を有するポリアミドとの縮合により生成することができる。
その融点、Tmより上では、ナイロンのような熱可塑性物質は、非晶質の固体または粘性の流体であり、鎖はランダムコイルに近くなる。Tmより下では、非晶質領域は、層状結晶である領域と交互に存在する。非晶質領域は弾性に寄与し、結晶性領域は強度および剛性に寄与する。平面アミド(−CO−NH−)基は非常に極性であり、したがって、ナイロンは隣接する鎖間で複数の水素結合を形成する。ナイロン骨格は規則的および対称性であるため、特に、全てのアミド結合がtransの構成にある場合、ナイロンは高い結晶性を有し、優れた繊維を作ることが多い。結晶性の量は、形成の詳細、ならびにナイロンの種類に依存する。一見したところ、それは完全に非晶質の固体として融解物から急冷(quench)することは決してできない。
ナイロン6,6は、かなりの長さの正確に6個および4個の炭素の協調分離で近隣のペプチド結合と整列した複数の平行鎖を有してもよく、したがって、カルボニル酸素およびアミド水素が並んで、中断なしに、鎖間水素結合を反復的に形成することができる。ナイロン5,10は、5および8個の炭素の協調的ラン(coordinated runs)を有してもよい。したがって、平行(逆平行ではない)鎖は、天然のシルクフィブロインおよび羽毛におけるβ−ケラチン(アミノ酸のa−炭素のみを分離する連続的−CO−NH−基を有するタンパク質)に認められるものと類似する強力で頑健な超分子構造である、伸長した、破壊されない、多鎖β−折り畳みシートに関与することができる。ナイロン6は、混合した方向性を有する中断されないH結合シートを形成するが、β−シートの皺はいくらか異なる。それぞれのアルカン炭化水素鎖の三次元配置は、単一に結合した炭素原子の109.47°の四面体結合のまわりの回転に依存する。
ブロックナイロンは、形成中の剪断応力に起因して、表面近くを除いて、結晶性が低い傾向がある。ナイロンは透明かつ無色、またはミルク色であるが、容易に乾燥される。多鎖ナイロンコードおよびロープは滑りやすく、ほどけやすい。その末端を融解し、炎または電極などの熱源と融合させて、これを防止することができる。
乾燥した場合、ポリアミドは良好な電気絶縁体である。しかしながら、ポリアミドは吸湿性である。水の吸収は、その電気抵抗などのいくつかの材料の特性を変化させる。ナイロンはウールまたはコットンよりも吸収性は低い。
ナイロンを、ガラスまたは炭素繊維のような強化繊維との複合材料中のマトリックス材料として用いることができ、これは純粋なナイロンよりも高密度である。そのような熱可塑性複合材料(25%ガラス繊維)は、吸気マニホールドなどの、エンジンに隣接する自動車部品において用いられることが多く、そのような材料の良好な耐熱性はそれらを金属に対する実現可能な競争相手にする。
全てのナイロンは、特に、強酸による加水分解の影響を受けやすく、本質的には、上記に示された合成反応の逆の反応である。そのような攻撃を受けたナイロン製品の分子量は、急速に減少し、影響を受けたゾーンで迅速にクラック形成する。より下級のナイロン(ナイロン6など)は、ナイロン12などのより高級のものよりも影響を受ける。これは、ナイロン部分を、例えば、鉛−酸バッテリーにおいて用いられる電解質などの、硫酸との接触において用いることができないことを意味する。成形される場合、高温の水もポリマーを分解し得るため、成形機械バレルにおける加水分解を防止するために、ナイロンを乾燥させなければならない。
ポリイミド(PI)
ポリイミドは、イミドモノマーのポリマーである。熱硬化性ポリイミドは、硬化していない樹脂、保存形状、薄いシート、積層板および機械パーツとして商業的に入手可能である。熱可塑性ポリイミドは、偽熱可塑性物質と呼ばれることが非常に多い。2つの一般的な型のポリイミドが存在する。1つの型、いわゆる直鎖状ポリイミドは、イミドを長鎖中に組み合わせることにより作製される。芳香族ヘテロ環ポリイミドは、他の通常の種類である。ポリイミドフィルムの例としては、Apical、Kapton、UPILEX、VTEC PI、Norton THおよびKaptrexが挙げられる。ポリイミド部分および形状としては、VTEC PI、Meldin、Vespelが挙げられ、典型的なモノマーとしては、ピロメリト酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンが挙げられる。
熱硬化性ポリイミドは、熱安定性、良好な化学的耐性、優れた機械的特性、および特徴的な橙色/黄色で知られている。グラファイトまたはガラス強化繊維と化合したポリイミドは、最大50,000psiの曲げ強度および3,000,000psiの曲げ弾性率を有する。熱硬化性ポリイミドは、非常に低いクリープおよび高い引張強度を示す。これらの特性は、232℃の温度までの連続的使用の間に、および482℃もの高温での短い逸脱について維持される。成形ポリイミドパーツおよび積層板は非常に良好な耐熱性を有する。そのようなパーツおよび積層板のための通常の操作温度は、低温から260℃を超える温度までの範囲である。ポリイミドはまた、炎燃焼に対して本質的に耐性であり、通常は、難燃剤と混合する必要はない。多くはVTM−0のULレーティングを担持する。ポリイミド積層板は、249℃で400時間の曲げ強度半減期を有する。
典型的なポリイミドパーツは、炭化水素、エステル、エーテル、アルコールおよびフレオンなどの一般的に用いられる溶媒および油によって影響されない。それらはまた、弱酸に耐性であるが、アルカリまたは無機酸を含有する環境における使用のためには推奨されない。CPIおよびCORIN XLSなどのいくつかのポリイミドは、溶媒可溶性であり、高い光学的透明度を示す。溶解特性は、それらの噴霧および低温硬化適用に役立つ。
ポリイミド材料は軽量、可撓性、耐熱性および耐化学物質性である。したがって、それらは磁気ワイヤ上の絶縁フィルムとして、可撓性ケーブルのため、および医療用チューブのためにエレクトロニクス産業において用いられている。例えば、ラップトップコンピュータにおいては、メインロジックボードをディスプレイに接続するケーブル(ラップトップを開く、または閉じる毎回、曲がらなければならない)は、銅伝導体を含むポリイミドベースであることが多い。半導体産業は、ポリイミドを高温接着剤として用いる;また、それは機械的応力緩衝材としても用いられる。いくつかのポリイミドを、フォトレジストのように用いることができる;「ポジティブ」型と「ネガティブ」型の両方のフォトレジスト様ポリイミドが市場に存在する。
熱硬化性フィルムポリイミドは、以下の特性:密度1.40〜1.67g/cc;吸水率1.40〜3.00%;平衡での吸湿性0.400〜1.80%;飽和での吸湿性1.20〜2.50%;湿度蒸気透過速度2.40〜17.5cc−mm/m2−24hr−atm;酸素透過速度9.90cc−mm/m2−24hr−atm;厚み22.0〜187ミクロン;フィルム引張降伏強度、MD 49.0〜255MPa;フィルム引張降伏強度、TD 100〜160MPa;フィルム破断伸び、MD 10.0〜85.0%;フィルム降伏伸び、MD 40.0〜50.0%;フィルム降伏伸び、TD 45.0〜55.0%;引張降伏強度73.3〜160MPa;降伏伸び10.0〜45.0%;ポアソン比0.340;割線係数2.28〜5.20GPa;割線係数、MD 1.76〜9.12GPa;衝撃試験0.686〜1.56J;摩擦係数0.400〜0.480;静止摩擦係数0.630;引裂強度試験7.20〜430;剥離強度0.240kN/m;エルメンドルフ引裂強度MD 8.20〜270g;フィルム引張破断強度、MD 98.1〜736MPa;電気抵抗1.00e+10〜2.30e+17オーム−cm;温度200℃で1.00e+15〜1.00e+16オーム−cm;表面抵抗10000〜1.00e+17オーム;温度200℃で1.00e+15〜1.00e+15オーム;誘電率2.70〜4.00;温度200℃での誘電強度48.0〜272kV/mm;散逸率0.00130〜0.0100;CTE、線形、12.0〜20.0μm/m−℃;温度100〜300℃で32.0〜40.0μm/m−℃;比熱容量1.09〜1.13J/g−℃;熱伝導率0.120〜0.289W/m−K;最高使用温度、空気、180〜400℃;最低使用温度、空気、−269℃;ガラス温度360〜500℃;酸素指数37.0〜66.0%;収縮率0.0100〜0.200%;屈折率1.70を有する。
液晶ポリマー(LCP)
液晶ポリマー(LCP)は、芳香族ポリエステルポリマーのクラスである。それらは極端に非反応性かつ不活性であり、火に対して非常に耐性である。ポリマー中の液晶性は、ポリマーを溶媒に溶解することにより(リオトロピック液晶ポリマー)、またはそのガラスもしくは融解遷移点より上にポリマーを加熱することにより(サーモトロピック液晶ポリマー)生じ得る。液晶ポリマーは、融解した/液体または固体形態で存在する。液体形態では、液晶ポリマーは、主に、液晶ディスプレイ(LCD)における用途を有する。固体形態では、リオトロピックLCPの主な例は、Kevlarとして知られる商業用アラミドである。このアラミドの化学構造は、アミド基により連結された直鎖状に置換された芳香族環からなる。同様に、いくつかの一連のサーモトロピックLCPは、いくつかの会社(例えば、Vectra)により商標的に生産されてきた。1980年代に生産された、多数のLCPは、非ポリマー性液晶により示されるものと類似する融液相における秩序を示した。液晶相(または中間相)からのLCPのプロセッシングは、中間相における大分子配向から誘導される自己強化特性の結果として高い機械的特性を有する繊維および注入材料を生じる。今日では、LCPを、鋳型の細部の優れた複製により、高速で従来の装備上で溶融加工することができる。
p−ヒドロキシ安息香酸および関連するモノマーに基づくユニークなクラスの部分結晶性芳香族ポリエステルである液晶ポリマーは、液相にありながら高度に秩序的な構造の領域を形成することができる。しかしながら、秩序の程度は、規則的な固体結晶よりもいくらか低い。典型的には、LCPは、高温での高い機械的強度、極端な化学物質耐性、固有の難燃性、および良好な耐候性を有する。液晶ポリマーは、易焼結性高温から、射出成形性化合物までの様々な形態にある。LCPを溶接することができるが、溶接より作出された線は得られる製品の弱点である。LCPは、高いZ軸熱膨張係数を有する。
LCPは、例外的に不活性である。それらは芳香族またはハロゲン化炭化水素、強酸、塩基、ケトン、および他の侵攻性工業用物質などの、高温の多くの化学物質の存在下での応力亀裂に抵抗する。沸騰水中での加水分解安定性は優れている。ポリマーを劣化させる環境は、高温のスチーム、濃硫酸、および沸騰する腐食材料である。その様々な特性のため、LCPは、電気的および機械的パーツ、食品容器、ならびに化学的不活性および高い強度を必要とする任意の他の適用にとって有用である。
高密度ポリエチレン(HDPE)
高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリエチレン高密度(PEHD)は、石油から作られるポリエチレン熱可塑性物質である。HDPEは、分枝がほとんどなく、低密度ポリエチレンよりも強い分子間力および引張強度が得られる。それはまた、より硬く、より不透明であり、いくらかより高い温度(短時間では120℃、連続では110℃)に耐えることができる。高密度ポリエチレンは、ポリプロピレンと違って、通常に要求されるオートクレーブ条件には耐えることができない。分枝の欠如は、適切な触媒の選択(例えば、Ziegler−Natta触媒)および反応条件により確保される。HDPEは、化学元素、炭素および水素を含有する。ブロー成形により製造される中空商品は、HDPEのための最も一般的な応用分野である。
ポリプロピレン(PP)
ポリプロピレンまたはポリプロペン(PP)は、化学工業により作製され、包装、繊維製品(例えば、ロープ、保温下着およびカーペット)、文具、プラスチックパーツおよび様々な型の再利用可能な容器、実験室装備、ラウドスピーカー、自動車部品、およびポリマー紙幣などの、幅広い用途において用いられる熱可塑性ポリマーである。さらなるポリマーはモノマープロピレンから作製され、それは頑丈であり、多くの化学溶媒、塩基および酸に対して非常に耐性である。
多くの商業的ポリプロピレンは、イソタクチックであり、低密度ポリエチレン(LDPE)のものと高密度ポリエチレン(HDPE)のものとの中間レベルの結晶性を有する;そのヤング率も中間である。PPは、特に、エチレンと共重合させた場合、通常は頑丈かつ可撓性である。これにより、ABSなどの材料と競合する、エンジニアリングプラスチックとしてポリプロピレンを用いることができる。ポリプロピレンは、合理的に経済的であり、着色されていない場合、半透明にすることができるが、ポリスチレン、アクリルまたはある特定の他のプラスチックほど容易に透明にすることはできない。それは不透明である、および/または色素を用いて着色されることが多い。ポリプロピレンは、疲労に対する良好な耐性を有する。
ポリプロピレンは、示差走査熱量測定(DSC)により決定される場合、約160℃(320°F)の融点を有する。MFR(メルトフローレート)またはMFI(メルトフローインデックス)は、PPの分子量の尺度である。これは、溶融した生材料が加工中にどれぐらい容易に流動するかを決定するのに役立つ。MFRが高いほど、PPは射出成形または吹込成形製造プロセス中により容易にプラスチック鋳型を充填する。しかしながら、溶融流れが増大するにつれて、衝撃強度のようないくつかの物理的特性は減少する。
3つの一般的な型のPP:ホモポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーが存在する。用いられるコモノマーは、典型的にはエチレンである。PPホモポリマーに添加されるエチレン−プロピレンゴムまたはEPDMは、その低温衝撃強度を増大させる。PPホモポリマーに添加される無作為に重合されたエチレンモノマーは、ポリマーの結晶性を低下させ、ポリマーをより透明にする。
ポリプロピレンは、太陽光に存在するものなどのUV放射線への曝露からの鎖分解を受けやすい。外部的適用のためには、UV吸収性添加剤を用いる必要がある。カーボンブラックもまた、UV攻撃からのいくらかの防御を提供する。ポリマーはまた、高温で酸化される可能性があり、これは成形操作中の一般的な問題である。ポリマーの分解を防止するために、酸化防止剤が通常添加される。
近隣のモノマー上のメチル基と比較したそれぞれのメチル基の相対的配向は、それぞれのメチル基は場所を取り、骨格の曲げを制約するため、結晶を形成する最終的なポリマーの能力に対して強力な効果を有する。
多くの他のビニルポリマーと同様、重合中のアリル水素のより高い反応性(ダイマー化をもたらす)のため、有用なポリプロピレンを、ラジカル重合により作製することができない。さらに、そのようなプロセスの結果生じ得る材料は、無作為に配置されたメチル基を有してもよく、いわゆる、アタクチックPPである。長距離秩序の欠如は、そのような材料の結晶化を妨げ、非常に小さい強度およびニッチな最終使用にとって好適な特殊な品質のみを有する非晶質材料を与える。
Ziegler−Natta触媒は、入ってくるモノマーを特定の配向に制限し、それらが右方向に向いている場合、それらをポリマー鎖に添加することしかできない。多くの市販のポリプロピレンは、多くのイソタクチックポリプロピレンを生成する、そのようなZiegler−Natta触媒を用いて作製される。メチル基は一貫して一方の側にあるが、そのような分子はらせん形状に巻く傾向がある;次いで、これらのらせんは、互いに隣に並んで結晶を形成し、商業用ポリプロピレンに多くのその所望の特性を与える。
はるかにより高いレベルの制御を提供する、工学的により正確に作製されたKaminsky触媒を作製した。メタロセン分子に基づいて、これらの触媒は、添加されるモノマーを制御するために有機基を使用し、触媒の適切な選択は、イソタクチック、シンジオタクチック、もしくはアタクチックポリプロピレン、またはさらにはこれらの組合せを生成することができる。この定性的対照とは別に、それらはより良好な定量的対照を可能にし、以前のZiegler−Natta技術よりもはるかに高い比率の所望の立体規則性を示す。それらはまた、伝統的なZiegler−Natta触媒よりも狭い分子量分布をもたらし、特性をさらに改善することができる。
ゴム性ポリプロピレンを生成するために、イソタクチックポリプロピレンをもたらすが、相対的に弱い結合により所定の位置に保持された立体規則性に影響する有機基を有する触媒を作製することができる。触媒が、結晶化することができる短い長さのポリマーを生成した後、適切な周波数の光を用いて、この弱い結合を破壊し、鎖の残りの長さがアタクチックとなるように触媒の選択性を除去する。その結果は、中に小さい結晶が埋め込まれたほとんど非晶質の材料である。それぞれの鎖は結晶中に一方の末端を有するが、その長さの多くは軟質の非晶質の塊を有するため、結晶領域は加硫と同じ目的を果たす。
ポリプロピレンの溶融加工を、押出および成形により達成することができる。一般的な押出法は、メルトブローおよびスパンボンド繊維の生成を含み、フェイスマスク、フィルター、おむつおよび拭き取り繊維などの様々な有用な製品への将来の転換のために長い一巻を形成させる。最も一般的な形状化技術は射出成形であり、カップ、カトラリー、バイアル、キャップ、容器、家庭用品およびバッテリーなどの自動車パーツなどのパーツのために用いられる。押出および成形の両方を含む、吹入成形および射出伸長吹入成形の関連する技術も用いられる。
その製造中に特定の分子特性を有する等級および添加剤を調整する能力のため、PPのための多数の最終使用用途が可能であることが多い。例えば、帯電防止添加剤を添加して、PP表面を埃および汚れに耐性にするのを助けることができる。また、機械加工などの、多くの物理的仕上げ技術をPPに対して用いることもできる。表面処理をPPパーツに適用して、印刷用インクおよび塗料の接着を促進することができる。
ポリプロピレンは疲労に対して耐性であるため、フリップトップボトル上のものなどの、多くのプラスチック一体蝶番は、この材料から作られる。しかしながら、鎖分子は、強度を最大化するために蝶番を横断して向けられる。ある特定の高性能パルスおよび低損失RFコンデンサー内で誘電体としてポリプロピレンの極薄シートが用いられる。
高純度配管系を、ポリプロピレンを用いて構築する。飲用配管系、温水循環式暖房および冷房、ならびに再生水用途における使用が意図される、より強力な、より剛性の配管系も、ポリプロピレンを用いて製造される。この材料は、浸食および化学的浸出に対するその耐性、衝撃および凍結を含む多くの形態の物理的損傷に対するその耐性、ならびに糊付けよりもむしろ熱融合により連結されるその能力のために選択されることが多い。
ポリプロピレンはオートクレーブにおける熱に耐えることができるため、医学的または実験的使用のための多くのプラスチック製品を、ポリプロピレンから作製することができる。また、その耐熱性により、それを消費者等級のやかんの製造材料として用いることができる。それから作られる食品容器は、食洗機の中で融解せず、工業的熱充填加工の間に融解しない。この理由から、乳製品用の多くのプラスチックタブは、アルミホイルで密封されたポリプロピレン(両方とも耐熱性材料である)である。製品が冷却されたら、タブはLDPEまたはポリスチレンなどの耐熱性の低い材料から作られるフタを与えられることが多い。同じ厚みのPPに対してLDPEの弾性のある(より柔らかい、より可撓性である)感触が見てすぐわかるため、そのような容器は、係数の差異の良好な実践例を提供する。RubbermaidおよびSteriliteなどの様々な会社から消費者のために様々な形状およびサイズで作製される、頑丈な、半透明の、再使用可能なプラスチック容器は、一般的にはポリプロピレンから作られるが、フタはいくらかより可撓性であるLDPEから作られることが多く、それらは容器を閉鎖するために容器をパチンと留めることができる。また、ポリプロピレンを、液体、粉末化された、または同様の消費者用製品を含有するように使い捨てボトルに作製することもできるが、ボトルを作製するためにはHDPEおよびポリエチレンテレフタレートも一般的に用いられる。プラスチックバケツ、カーバッテリー、ごみ箱、クーラー容器、皿およびピッチャーは、ポリプロピレンまたはHDPEから作られることが多く、両方とも周囲温度でむしろ類似する外見、感触、および特性を有する。
ポリプロピレンは、不織布において用いられる主要なポリマーであり、50%を超えるものがおむつまたは衛生用品のために用いられ、水に天然に反発する(疎水性)よりもむしろ、水を吸収する(親水性)ように処理される。他の興味深い不織使用としては、空気、気体および液体のためのフィルターが挙げられ、繊維をシートまたはウェブに形成させ、ひだを付けて、0.5〜30ミクロン範囲の様々な効率で濾過するカートリッジまたは層を形成させることができる。そのような用途を、浄水フィルターまたは空調型フィルターとして家の中で見ることができる。高い表面積および天然に疎水性のポリプロピレンの不織布は、川の上の石油流出の近くで使いやすい浮遊式障壁を有する石油流出の理想的な吸収材である。
ポリプロピレンの一般的な用途は、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)としてのものである。これらのBOPPシートは、透明バッグを含む様々な材料を作製するために用いられる。ポリプロピレンが二軸延伸型である場合、それは澄み切った透明になり、芸術作品および小売用製品のための優れた包装材料として役立つ。
ポリプロピレンの最も一般的な医学的使用は、Ethicon Inc.により製造される、合成のナノ吸収性縫合糸Proleneにおけるものである。
ポリプロピレンは、融解しながら鋳型に注入されるプラスチック成形のために最も一般的に用いられ、比較的低コストかつ高容積で複雑な形状を形成し、例としてはボトルトップ、ボトルおよび建具が挙げられる。
近年では、それはシート形態で生産され、これは文具フォルダー、包装および保存用の箱の生産のために広く用いられている。広い色範囲、耐久性および汚れ耐性のため、それは紙および他の材料のための保護カバーとして理想的になる。それは、これらの特徴のため、ルービックキューブのステッカーにおいても用いられる。
発泡ポリプロピレン(EPP)は、発泡型のポリプロピレンである。EPPはその低い剛性のため、非常に良好な衝撃特性を有する;これにより、EPPは衝撃後にその形状を取り戻すことができる。EPPは、愛好家によって模型飛行機および他の無線操縦車において広く用いられる。これは主に、衝撃を吸収するその能力に起因するものであり、これを、初心者およびアマチュアのためのRC飛行機のための理想的な材料にする。
二酸化ケイ素(SiO2)
シリカとしても知られる、化合物二酸化ケイ素は、化学式SiO2を有するケイ素の酸化物である。「SiOx」と一般的に呼ばれるケイ素の酸化物は、二酸化ケイ素を含む。シリカは、砂または石英として自然に、ならびに珪藻の細胞壁に最も一般的に見出される。それは、多くの型のガラスおよびコンクリートなどの物質の主成分である。シリカは、地殻中の最も豊富な鉱物である。
SiO2は、非晶質に加えていくつかの異なる結晶形態を有する。スチショフ石および繊維状シリカを除いて、全ての結晶形態は異なる配置で共有頂点により一緒に連結される四面体SiO4単位を含む。ケイ素−酸素の結合長は異なる結晶形態間で変化する。石英においては、Si−O−Siの角度は144°である。通常条件下で唯一の安定な形態は、a−石英であり、これは二酸化ケイ素結晶が通常遭遇する形態である。
二酸化ケイ素は、ケイ素が酸素(または空気)に曝露された場合に形成される。いわゆる「自然酸化物」の非常に薄い層(約1nmまたは10Å)は、ケイ素が周囲条件下で空気に曝露された場合に表面上で形成される。高温および代替的な環境を用いて、例えば、600〜1200℃の間の温度で、それぞれ、O2またはH2Oを用いる、いわゆる「乾燥」または「湿潤」酸化を用いて、ケイ素上の二酸化ケイ素の良好に制御された層を成長させる。二酸化物により置き換えられるケイ素の層の厚みは、生成される二酸化ケイ素層の厚みの44%である。SiO2の層を沈殿させるために用いられる代替的な方法としては、シランの低温酸化(400〜450℃);680〜730℃でのテトラエチルオルトシリケート(TEOS)の分解;約400℃でのTEOSを用いるプラズマ化学気相成長法;触媒としてのアミノ酸を用いる100℃未満でのテトラエチルオルトシリケート(TEOS)の重合が挙げられる。
二酸化ケイ素の非常に微細な粒子形態である焼成シリカ(ヒュームドシリカまたはシリカヒュームと呼ばれることもある)は、酸素に富む炭化水素火炎中でSiCl4を燃焼させて、SiO2の「スモーク」を生成することにより調製される。非晶質シリカ、シリカゲルは、ケイ酸ナトリウムの溶液の酸性化してゼラチン状沈降物を生成し、次いで、洗浄した後、脱水して無色の細孔性シリカを生成することにより生成される。
酸化アルミニウム(Al2O3)
酸化アルミニウムは、化学式Al2O3を有する、アルミニウムの両性酸化物である。それはまた、アルミナ、コランダム、サファイア、ルビーまたはアロキサイトとも一般的に呼ばれる。酸化アルミニウムは、電気絶縁体であるが、セラミック材料に対する高い熱伝導率(40Wm−1K−1)を有する。コランダムまたはa−酸化アルミニウムと呼ばれるその最も一般的に存在する結晶形態では、その硬さにより、研磨剤として、および切削工具における部品としての使用が好適になる。酸化アルミニウムは、風化に対する金属アルミニウムの耐性の原因となる。金属アルミニウムは大気中酸素と非常に反応性であり、アルミナの薄い保護層(4nmの厚み)が、露出したアルミニウム表面上で約100ピコ秒以内に形成する。この層は、さらなる酸化から金属を保護する。この酸化物層の厚みおよび特性を、陽極処理と呼ばれるプロセスを用いて増強することができる。アルミニウム青銅などのいくつかの合金は、合金中に一定割合のアルミニウムを含有させて、浸食耐性を増強することにより、この特性を活用する。陽極処理により生成されるアルミナは、典型的には非晶質であるが、プラズマ電解酸化などの放電援用酸化プロセスはコーティングにおける有意な割合の結晶アルミナをもたらし、その硬度を増強する。最も一般的な形態の結晶アルミナである、a−酸化アルミニウムは、コランダムとして知られる。アルミナは、他の相でも存在する。それぞれ、独特の結晶構造および特性を有する。水酸化アルミニウム鉱物は、アルミニウムの主要鉱石であるボーキサイトの主成分である。アルミナは、例えば、単なるコランダムよりもむしろいくつかのアルミナ相を構成する、多相である傾向がある。
ポリビニルアルコール(PVOH、PVA、またはPVAL)
ポリビニルアルコール(PVOH、PVA、またはPVAL)は水溶性合成ポリマーである。ポリビニルアルコールは、優れたフィルム形成特性、乳化特性、および接着特性を有する。また、それは油、グリースおよび溶媒に対して耐性である。それは無臭であり、非毒性である。それは高い引張強度および可撓性、ならびに高い酸素および芳香障壁特性を有する。しかしながら、これらの特性は湿度に依存し、換言すれば、湿度が高いほど、多くの水が吸収される。次いで、可塑剤として作用する水は、その引張強度を低下させるが、その伸長および引裂強度を増大させる。PVAは完全に分解性であり、急速溶解性である。PVAは、それぞれ、完全加水分解等級および部分加水分解等級について、230℃および180〜190℃の融点を有する。それは高温で熱分解し得るため、200℃を超える温度では急速に分解する。
PVAは、アタクチック材料であるが、ヒドロキシル基はそれを破壊することなく格子中に適合するのに十分に小さいため、結晶性を示す。多くのビニルポリマーと違って、PVAは対応するモノマーの重合によって調製されない。モノマーであるビニルアルコールは、ほぼ例外なく互変異性形態であるアセトアルデヒドとして存在する。その代わり、PVAは、アセテート基を除去するためのポリビニル酢酸の部分または完全加水分解によって調製される。
ナノポリマー
ポリマーナノ複合材料(PNC)は、そのナノ粒子中に分散したポリマーまたはコポリマーである。これらのものは、異なる形状(例えば、プレートレット、繊維、回転楕円体)のものであってよいが、少なくとも1つの寸法は1〜50nmの範囲にある。マイクロ粒子からナノ粒子への移行は、物理特性ならびに化学特性の変化をもたらす。これにおける2つの主要な因子は、表面積と容積との比の増大、および粒子のサイズである。粒子が小さくなるにつれて増大する、表面積と容積の比の増大は、粒子の内部のものを超える粒子の表面積に対する原子の挙動の増大する支配をもたらす。これは、それらが他の粒子と反応している場合に粒子の特性に影響する。ナノ粒子のより高い表面積のため、混合物内での他の粒子との相互作用はより多く、これは強度、耐熱性などを増大させ、多くの因子が混合物について変化する。
ナノポリマーの例は、全く異なる特徴を示すケイ素ナノスフェアである。その粒径は40〜100nmであり、それはケイ素よりはるかに硬い(その硬度はサファイアとダイアモンドの硬度の中間である)。クロマトグラフィー、光学情報技術、センサー、触媒および薬物送達などのタンパク質、ウイルスまたは細菌のような生物学的対象物の多くの技術的応用には、その固定が必要である。カーボンナノチューブ、金粒子および合成ポリマーを、この目的のために用いる。この固定化は、主に吸着または化学的結合により、より低い程度では、これらの対象物をホストマトリックス中にゲストとして組み入れることにより達成された。ゲストホストシステムにおいては、生物学的対象物の固定化および階層構造へのその組み込みのための理想的な方法を、ナノスケールで構造化して、生物学的ナノ対象物とその環境との相互作用を容易にするべきである。多数の天然または合成ポリマーが利用可能であり、そのようなシステムをナノ繊維、ロッド、チューブなどに加工するために開発された技術の進歩のため、ポリマーは生物学的対象物の固定化のための良好なプラットフォームになる。
ポリマー繊維は、一般に、押出により技術的スケールで生産され、例えば、ポリマー融解物またはポリマー溶液を丸ダイスにポンプで通し、取り込みデバイスにより回転させる/汲み上げる。得られる繊維は、典型的には10μmスケール以上の直径を有する。直径を数百ナノメートルの範囲またはさらには数ナノメートルに下げるために、エレクトロスピニングが今日でも依然として利用可能な主要なポリマー加工技術である。103V/cmの規模の強力な電界を、丸ダイスから出現するポリマー溶液液滴に印加する。液滴の表面に蓄積する電荷は、表面張力が液滴進化に対抗するとしても、電界の方向に沿って液滴の変形を引き起こす。超臨界電界においては、電界強度は表面張力を圧倒し、流体ジェットは液滴先端から発散する。ジェットは対抗電極に向かって加速される。この輸送期の間に、溶媒蒸発まで、ジェットはジェットの強力な伸長および薄化を引き起こす強力な電気的に誘導される円形曲げ運動にかけられ、最終的に、固体ナノ繊維は対抗電極上に沈着する。
エレクトロスピニング、co−エレクトロスピニング、およびナノ繊維に基づく鋳型方法により、原理的には、無限に長いナノ対象物が得られる。触媒、組織工学、および埋込み体の表面改変を含む広範囲の適用のためには、この無限の長さが利点である。しかし、吸入療法または合成薬物送達のようないくつかの適用においては、明確に定義された長さが必要である。以下に記載される鋳型方法は、非常に高い精度でナノチューブおよびナノロッドの調製を可能にするような利点を有する。その方法は、多孔性アルミニウムまたはケイ素などの、明確に定義された多孔性鋳型の使用に基づくものである。この方法の基本的概念は、湿潤プロセスを活用することである。ポリマー融解物または溶液を、アルミニウムまたはケイ素などの高エネルギー表面を特徴とする材料中に配置された孔と接触させる。湿潤化が始まり、数十ナノメートルの規模の厚みを有する薄いフィルムを用いて孔の壁を被覆する。このプロセスは、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどの高粘度ポリマーについても、融点またはガラス遷移温度を約50K超える温度については、典型的には、1分以内に起こり、これは10,000ほどの大きさのアスペクト比を有する孔についても保持される。ナノチューブを得るために、ポリマー/鋳型システムを室温まで冷却するか、または溶媒を蒸発させ、得られる孔を固体層で被覆する。得られるチューブを、例えば、孔からそれらをちょうど引き出すことにより、または鋳型を選択的に溶解することにより、長さ10μmまでのチューブについて機械力により除去することができる。ナノチューブの直径、直径の分布、チューブに沿った均一性、および長さを制御することができる。
基質との弱い相互作用を有する自立しているフィルムまたは支援フィルムのサイズ依存的および圧力依存的ガラス遷移温度は、圧力およびサイズの減少と共に低下する。しかしながら、基質との強い相互作用を有する支援フィルムのガラス遷移温度は、圧力を増加させ、サイズを減少させる。
ナノ複合材料は、充填剤、典型的には、シリケートナノクレイを含有するポリマー構造であり、少なくとも1つの寸法はナノメートル範囲にある。充填剤は、層のマトリックス中に分散する小さいプレートレットに分離する。層のマトリックスは気体のための複雑な通り道を作出し、フィルムを通って浸透しようとするため、改変ポリマーの障壁特性は改善される。しかしながら、課題は、充填剤の分散が一貫していることを確保することである。より良好な障壁特性に加えて、ナノ複合材料改変フィルムはまた、改善された寸法安定性および剛性を有し、結晶性が増大するため、増強された透明度を有する。ナノ複合材料のマスターバッチは、ナイロンおよびポリオレフィンについて商業的に利用可能である。ナイロンナノ複合材料フィルムの酸素障壁は、非改変ナイロンよりも50パーセントほど高くてもよい。ポリエチレンおよびポリプロピレンナノ複合材料構造は、25〜50パーセントの気体障壁および実験室設定においては10〜15パーセントの水蒸気障壁の改善を示した。商業規模での一貫した障壁特性の達成は依然として困難である。ナノ複合材料技術は、非常に新興の科学である。それはかなりの有望さを示し、より多くの選択肢がフィルム用途のために利用可能となるため、それは障壁材料選択肢に対する有意な影響を有する。
サラン
サランは、他のモノマーに沿って、塩化ビニリデン(特に、ポリ塩化ビニリデンまたはPVDC)から作製されるいくつかのポリマーのための商標名である。サランフィルムは、他のプラスチックと比較して水蒸気、風味および芳香分子、ならびに酸素に対する透過性が非常に低い。酸素に対する障壁は、食品の損傷を防止し、風味および芳香分子に対する障壁は、食品がその風味および芳香を保持するのを助ける。サランはまた、気体障壁特性を有する。
ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)
ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)は、多くのPETと同じ利点を有する半結晶性ポリマーである。PTTは、良好な引張強度、曲げ強度、および剛性を示す。それは優れた流動および表面仕上げを有する。PTTは、いくつかの適用においては、競合する半結晶性材料よりも均一な収縮および良好な寸法安定性を有し得る。PTTは、室温で、脂肪族炭化水素、ガソリン、四塩化炭素、ペルクロロエチレン、油、脂肪、アルコール、グリコール、エステル、エーテルならびに希酸および塩基などの、広範囲の化学物質に対する優れた耐性を有する。強塩基は、PTT化合物を攻撃し得る。衝撃改質剤および強化繊維(長いガラス、短いガラス、または炭素)を用いて、PTTの衝撃特性、ならびに強度および剛性を増大させることができる。
ポリトリメチレンナフタレート(PTN)
ポリ(トリメチレンフタレートまたはナフタレート)およびコポリマーは、1,3−プロパンジオール(PDO)およびテレフタル酸(PTT)、イソフタル酸(PTI)もしくはナフタル酸(PTN)ならびに/またはコモノマー(イソフタル酸、1,4−ブタンジオールなど)との重縮合により作製される芳香族ポリエステルである。PTNのフィルムは、良好な障壁特性を有する。
ポリエチレンナフタレート(PEN)
ポリエチレンナフタレート(PEN)は、良好な障壁特性を有するポリエステルである(ポリエチレンテレフタレートよりもさらに良好である)。それは非常に良好な酸素障壁を提供するため、ビールなどの、酸化の影響を受けやすい飲料をビン詰めするのに特に適している。それは、縮合重合によりエチレングリコールおよび1つ以上のナフタレンジカルボン酸から調製される。
ポリウレタン
ポリウレタンは、ウレタン(カルバメート)結合により連結された有機単位の鎖からなる任意のポリマーである。ポリウレタンポリマーは、触媒の存在下で、少なくとも2つのイソシアネート官能基を含有するモノマーを、少なくとも2つのヒドロキシル(アルコール)基を含有する別のモノマーと反応させることによる逐次重合によって形成される。ポリウレタン製剤は、極端に広範囲の剛性、硬度、および密度を含む。ポリウレタンの特性は主にポリオールの選択によって決定されるが、ジイソシアネートはいくらかの影響を発揮し、その用途に適していなければならない。硬化速度は、官能基の反応性および官能性イソシアネート基の数によって影響される。機械的特性は、官能性および分子の形状によって影響される。ジイソシアネートの選択はまた、光への曝露の際のポリウレタンの安定性にも影響する。芳香族ジイソシアネートを用いて作製されたポリウレタンは光への曝露と共に黄色になるが、脂肪族ジイソシアネートを用いて作製されたものは安定である。より柔らかい、弾性の、およびより可撓性のポリウレタンは、一般的には、ポリエーテルポリオールと呼ばれる、直鎖状二官能性ポリエチレングリコールセグメントを用いてウレタン結合を作出する場合に生じる。この戦略は、スパンデックス弾性繊維および柔らかいゴムパーツ、ならびに気泡ゴムを作製するために用いられる。多官能性ポリオールを用いる場合、より剛性の製品が得られるが、これらのものは再度、低密度気泡の形態にあってよい三次元架橋構造を作出する。
ポリエーテルブロックアミド(PEBAX(登録商標))
ポリエーテルブロックアミドは、剛性ポリアミドセグメントと可撓性ポリエーテルセグメントの規則的な直鎖からなる可塑剤を含まない熱可塑性エラストマーまたは可撓性ポリアミドである。
パリレンC
パリレンは、湿度障壁および電気絶縁体として用いられる様々な化学蒸着ポリ(p−キシリレン)ポリマーのための商標名である。それらのうち、パリレンCは、障壁特性、コスト、および他の製造利点のその組合せのため、最も人気がある。
シリコーン
重合シロキサンまたはポリシロキサンとも呼ばれる、シリコーンは、化学式[R2SiO]n(ここで、Rはメチル、エチル、またはフェニルなどの有機基である)との混合無機−有機ポリマーである。これらの材料は、4配位である、ケイ素原子に結合した有機側基を有する無機ケイ素−酸素骨格(...−Si−O−Si−O−Si−O−...)からなる。いくつかの場合、有機側基を用いて、2つ以上のこれらの−Si−O−骨格を一緒に連結することができる。−Si−O−鎖の長さ、側基、および架橋を変化させることにより、様々な特性および組成を有するシリコーンを合成することができる。それらは、液体からゲル、ゴム、硬質プラスチックまで稠度において変化してもよい。多くの一般的なシロキサンは、直鎖状ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン油である。シリコーン材料の第2の最も大きいグループは、シリコーン樹脂であり、分枝状およびケージ状オリゴシロキサンにより形成される。
複合壁の製作
気体障壁層を含む複合壁の様々な層を、任意の特定の順序で配置する必要はないが、酸性度、温度、機械的摩耗に対する優れた耐性、および優れた生体適合性プロファイルのものを、胃内環境と接触する層として用いるのが好ましい。例えば、酸性度および温度に対する優れた耐性を有するものを、バルーンの中心管腔と接触する層として用いるのが好ましい。
壁の様々な層は、単一の層または最大で10以上の異なる単層を含んでもよい;しかしながら、得られるバルーンが嚥下可能なカプセル中に適合するように圧縮されるように、0.001インチ(0.0254cm)から0.004インチ(0.010cm)までのフィルム厚さが望ましい。得られる複合壁は、好ましくは、表1a〜bに列挙された各カテゴリーに関して良好な性能仕様を有する。
いくつかの接着剤は生体適合性の観点から望ましくない浸出物を含有し得るため、共押出されるフィルムが有利に用いられる。さらに、共押出は、この様式で組み合わせた場合に材料がその元の特性を維持し、胃運動力に曝露された場合に層間剥離を受ける可能性が低くなるような、より良好な混合を可能にする。
複合壁において、類似する特性を有するフィルム、例えば、優れた気体障壁特性を有する2つのフィルム層を組み合わせることは、膨張気体として窒素、酸素、CO2もしくはその混合物を含有する胃バルーンにおける使用にとって、または製品が置かれる外部環境、例えば、胃がCO2を含む気体の混合物を含有する場合、有利である。そのような複合フィルムの主な利点は、フィルム厚みに関する制限を、気体障壁特性を犠牲にすることなく観察することができることである。そのような構成はまた、加工損傷(例えば、製造および圧縮)およびin vivoでの条件(例えば、胃運動力)への曝露に起因する損傷の効果を減少させることにも寄与する。
特に好ましい態様において、複合壁は、複数の層を含む。第1の層は、胃内環境への曝露のために構成される外側の保護層である。この層は、機械力、水(蒸気)への曝露、摩耗、および高い酸度レベルに対して耐性である。ナイロン、またはより具体的には、ナイロン12は、胃内環境に曝露される層にとって特に好ましく、特に、機械力に対して耐性である。
代替的な態様において、ポリウレタンは、6〜7ミルの厚さの複合壁を得るためにサランに溶接されたRFである。別の態様において、2つのポリウレタン層間に挟まれたサランの層を含む5層システムが提供される。サラン層とそれぞれのポリウレタン層の間に結合層がある。この層を一緒に溶接し、共押出するか、または接着剤を用いて接着することができる。次いで、この3層をそれぞれの側でナイロンに対して共押出した後、全複合壁のために最終密封層(ポリエチレンなど)をナイロン層の1つに付加する。商業的に入手可能であるか、または製造可能である材料組合せの代表例を、表2に提供する。層の配向(最も内側−中心バルーン管腔と接触する、または最も外側−胃内環境と接触する)はまた、2つを超える層が示唆された複合壁を支持すると記載される場合にも示される。
表2に列挙されるフィルム樹脂の多くは、ある程度の気体障壁特性を提供する。したがって、多くを単独で用いて、単層フィルムとしてバルーン壁を形成させることができる;しかしながら、それらを他のフィルム樹脂と共に用いて、膨張気体およびバルーンが置かれる外部環境に基づくバルーンの耐用寿命のための望ましい気体保持および機械的仕様を満たすこともできる。これらのフィルム樹脂を、表1a〜bに列挙された気体障壁コーティングを用いて被覆することもできる。さらなる層を付加して、全複合壁を形成させることができる。そのようなさらなる層は実質的な障壁フィルム特性を付与しなくてもよいが、それらは構造的および/もしくは機械的特性、水蒸気、湿度、pHなどの影響を受けやすい複合壁の他の層に対する保護、または他の望ましい特性を提供することができる。フィルム層を、様々な接着剤を用いて、共押出により、ラミネート加工により、および/または結合層などを用いて集合させて、特殊な気体保持特性と共に、少なくとも25日間、または最大で90日以上にわたる使用にとって好適な胃内バルーンの要件を満たす複合壁を作出することができる。表2は、胃内バルーンのための複合壁における使用にとって好適な層および層の組合せの一覧を提供する。複合材料の説明、樹脂の省略形、構成(単層、二層、三層など)および商業的に利用可能な組合せの商標名を列挙する。示される層の数は複合壁を製作するために用いられる任意の接着剤層または結合層を含まず、6層複合壁は、例えば、全複合壁を作り上げる2つもしくは3つの接着剤層および/または結合層を有してもよく、したがって、層の総数は最終形態で8または9であってもよい。ここで用いられる用語「層」は広い用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用的な意味を与えられ(また、特殊な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、限定されるものではないが、単一の厚みの均一な物質(例えば、SiOxなどのコーティング、またはPETなどの層、または均一なポリマー混合物)、ならびにその上にコーティングを有する支持層(ここで、「コーティング」は、例えば、典型的にはコーティング層に対する構造的支持を提供する基質と共に用いられる材料である)を指す。例えば、PET−SiOx「層」は、ここでは、Si−Oxの層が支持PET層上に提供されるものを指す。以下の表、ならびに複合壁に関する他の表において、フォワードスラッシュ(「/」)は、特定の化学物質の層間の境界を示す。境界は不連続であるか、または記載の化学物質の層を分離する結合層、接着剤層、もしくは他の層であってもよい。
表2
特に好ましい態様において、複合壁は、0.005インチ以下(5.0ミル以下)の厚みを有する;しかしながら、ある特定の態様において、より厚い複合壁が許容されてもよい。一般的には、複合壁は0.004インチ(4.0ミル)以下の厚みを有する。
バルーンの製作
バルーンの良好な機械的強度を確保するために、バルーンを形成するために用いられる小片の端部が重なり合うように熱形成および密封するのが好ましい。これを、任意の好適な方法により達成することができる。例えば、2つの平面シートの材料を、磁化された端部を有するフレーム中に入れて、2つのシートを所定の位置に保持することができる。緩みをフィルムの小片に加えて、材料が熱形成プロセスの後でもその特性を保持するように向けさせることができる。フレームを、半球体であるバルーンの鋳型上に置くことができる。ヒーター(例えば、4520ワットの赤外線ヒーター)を用いて、材料を形成させ、減圧することができる。減圧をかける前に緩みを有する材料は、それが半球状の周りにより均等に分布するように材料を再度向けさせる。材料は、好ましくは、中央では最も厚く、側面ではより薄く作られ、ここで、それを第2の小片に溶接して、実質的に均一な壁の厚みを有する球体または楕円体を作出することができる。例えば、0.0295’’のフィルムから出発して、フィルムの中央またはその後の先端部は、0.0045’’の最終フィルム厚さを有し、端部は溶接プロセス中のその後の重ね合わせのために0.0265’’の最終厚さを有する。
バルブを、半球体の一方の(例えば、ポリエチレン、PE)側に接着し、反対(例えば、ナイロン)側から突出していてもよい。1つの半球体は、典型的には、最外層としてナイロンからなり、第2の半球体は、典型的には、最外層としてポリエチレン(密封ウェブ)を有する。2つの半球体の端部は、好ましくは、それらが少なくとも1mmかつ5mm以下重なり合うように整列される。2つの半球体のアラインメントおよびオーバーレイは、熱形成プロセス中に端部での薄化を相殺し、次いで、in vivoでの縫い目の破裂を阻害するために行われる。球体のそれぞれの半分を、固定具の上に置き、熱形成プロセスからの超過分を切り取る。多層フィルム上で、密封層、PEまたは同様の層を、第2のフィルム半分の密封層に結合させる。これを行うために、ナイロンが外部環境に曝露された半球体のフィルムを、それが最外層上でポリエチレンを用いて半球体に結合することができるように、球体の端部に沿って1/2を折り畳む。
次いで、2つのフィルム小片を、ローラーボンダーまたはバンドヒーターを用いて密封する。ローラーボンダーにおいては、空気が圧縮を提供し、ヒーターは密封熱を提供し、エリアの周りでボンダーを動かすモーターは適切な密封を確保するのに必要とされる時間を制御する。バンドヒーターにおいては、加熱エレメント、圧縮を提供する拡張可能プラグ、およびタイマーが存在する。バンドは、金属、好ましくは、銅であり、糸巻きのような固定具は、必要とされる圧縮を提供する。異なる融点のフィルム層の使用は、最終バルーン構成の障壁層の完全性を確保するのに役立つ。2つの類似する材料を溶接する場合、絶縁体を用いることができる。好ましい態様において、1つの球体には外に向くナイロン層を提供し、第2の球体は外に向くPE層を有する。
自発的収縮に対する耐性を有するバルーン
胃内バルーンの誤作動の最大のパーセンテージは、自発的収縮によるものである。自発的収縮は、(1)胃運動力に起因する胃内バルーンの外部穿刺、(2)気体および水蒸気の胃内環境の取り込みに由来するバルーン内圧の増大に起因する過剰膨張ならびに(3)過剰な材料の疲労およびその後のバルーンの穿刺をもたらすバルーンの過小膨張に起因して生じ得る。これらの2つの変数を管理し、これらの変数を動的胃内環境に耐えるように調整することにより、バルーンシステムを調整して、それがその耐用寿命を通して膨張したままであることを確保することができる。この胃内バルーンにおける自発的収縮の例を、複合壁材料および構築物の選択と共に出発膨張気体の選択により最小化することができる。胃空間内容物の特性を利用するための水蒸気透過に関する透過性特徴および複合壁の気体透過性の選択により、バルーンの中および外への気体の拡散の速度を制御することができる。この方法は、過小膨張および過剰膨張の防止のための調整可能な方法を可能にする。
胃バルーンおよび肥満に関して見られる別の現象は、一般に、胃適応である。胃適応のプロセスにおいては、胃は空間占有デバイスまたは摂取された過剰の食物を収容するように成長する。胃適応のプロセスにおいては、胃内バルーンを含有する胃の容積は時間と共に成長し、患者はより空腹になる。しかしながら、時間と共にバルーン壁を横断する気体拡散および水蒸気透過を制御することにより、バルーンのサイズを、体重減少を維持するために出発膨張気体および水およびフィルムの他のin vivoでの気体透過性特徴を選択することにより、時間と共に増大させることもできる。自発的収縮に加えて、出発気体と併せて複合壁の透過性特徴を選択し、胃内環境からのバルーン内部の気体および水の移動を用いて、バルーンを、胃適応に応答してその耐用寿命にわたって成長するように設計することができる。
in vivoでの胃気体および水環境を模倣する変化する外部気体環境と共に様々な出発膨張気体を選択する実験を行った。胃内環境は、水、酸(塩酸)、気体の混合物、および糜粥(胃により十二指腸に放出される部分的に消化された食物の半流動体の塊)からなる。胃気体は、通常、食べている間に空気を嚥下することから生じる。空気の組成は、窒素(N2)78.084%;酸素(O2)20.9476%;アルゴン(Ar)0.934%;二酸化炭素(CO2)0.0314%;ネオン(Ne)0.001818%;メタン(CH4)0.0002%;ヘリウム(He)0.000524%;クリプトン(Kr)0.000114%;水素(H2)0.00005%;およびキセノン(Xe)0.0000087%である。
5つの気体:N2、O2、CO2、H2およびメタンが胃腸系における気体の99%以上を占め、窒素が優位である。胃のpCO2は局部(内臓)動脈および流出静脈血のpCO2値と密接に平行する。胃酸の中和もまた気体を生成し得る。例えば、胃酸が消化液中の重炭酸塩(例えば、ある特定の制酸薬中に存在する場合)と反応する場合、化学プロセスはCO2を作出し、通常、血流中に吸収される。主に結腸細菌による発酵を介する、腸の中での食物の消化は、CO2、H2、およびメタンを生成する。微生物は、腸の中で産生される全ての水素およびメタンの唯一の供給源であると考えられる。これらのものは、栄養素の発酵および消化から生じる(果物および野菜に由来する多糖類は小腸の中で消化されない)。硫化水素、インドール、およびアンモニアなどの少量のいくつかの他の気体も生成され得る。
ある特定の態様において、初期充填気体の組成は、in vivoの胃内環境中の気体の混合物の組成に実質的に特徴的であることが好ましい。そのような初期充填気体は、N2およびCO2のみを含んでもよく、またはN2、CO2、およびO2のみを含んでもよく、またはN2およびCO2ならびにin vivoの環境中に存在する1つ以上の他の気体(例えば、水蒸気、H2、CH4、Ar、H2S、もしくはNH3)を含んでもよい。アルゴンまたは別の不活性気体(または複数の不活性気体)を、部分的または全体的に、好ましい態様の文脈における不活性気体と考えられる、N2に置換することができる。充填気体がN2またはCO2のみを含む態様において、初期充填気体が約75%v/v〜約96%v/vのN2、約5%v/v〜約15%(vol.)のO2、および約1%v/v〜約10%v/vのCO2、より好ましくは約80%(vol.)〜約85%(vol.)のN2、約5%(vol.)〜約13%(vol.)のO2、および約4%(vol.)〜約8%(vol.)のCO2を含むのが好ましい。充填気体がN2またはCO2のみを含む態様において、初期充填気体は約4%(vol.)〜約8%(vol.)のCO2を含み、残りはN2または別の不活性気体であるのが好ましい。初期充填気体がCO2および不活性気体に加えて他の気体を含む態様において、初期充填気体は約4%(vol.)〜約8%(vol.)のCO2を含むのが好ましい。
in vivoの環境における胃内バルーンの制御された自己膨張を、バルーン中で半透過性または透過性複合壁を使用し、N2またはO2などの予め選択された単一の気体をバルーンに初期充填することにより達成することができる。バルーンは、内部バルーン環境とin vivoの外部環境(GI/胃)との気体濃度の差異および水濃度の差異を利用して、時間と共に容積および/または圧力を増大および/または低下させる。容積および/または圧力の制御された低下を達成するために、in vivoの胃腸環境中に存在する他の気体よりも、バルーンを膨張させるために用いられる単一の気体に対する透過性が相対的に高い壁を用いることができる。例えば、窒素気体を、in vivo環境において時間と共に、膨張気体として用いる場合、バルーン中の容積および/または圧力は、窒素が酸素透過壁を通ってin vivo環境へと拡散するにつれて低下する。同様に、酸素気体を、in vivo環境において時間と共に、膨張気体として用いる場合、バルーン中の容積および/または圧力は、酸素が酸素透過壁を通ってin vivo環境へと拡散するにつれて低下する。バルーン中の単一気体の分圧(高い方)とin vivo環境の分圧(低い方)との差異は、平衡または恒常性が達成されるまでプロセスを誘導する。容積および/または圧力の制御された増大を達成するために、in vivoの胃腸環境中に存在する他の気体よりも、バルーンを膨張させるために用いられる単一気体に対する透過性が相対的に低い壁を用いることができる。例えば、窒素気体を、in vivo環境において時間と共に膨張気体として用いる場合、バルーン中の容積および/または圧力は、胃内環境中に存在するCO2、および他の全ての気体が、CO2透過壁を通ってバルーン中に拡散するにつれて増大する。バルーン中の透過性気体の分圧(低い方)とin vivo環境の分圧(高い方)との差異は、平衡が達成されるまでプロセスを誘導する。
さらに、バルーンの膨張の維持および/または制御を、内部バルーン環境と外部胃内環境との濃度差を用いて行って、バルーン容積/圧力を必要に応じて増大または低下させ、製品の耐用寿命を延長することもできる。圧力を低下させる1つの理由は、第1に、窒素のようなより不活性の気体だけでなく、CO2などの、大きいが、拡散性/溶解性が高い気体分子を用いてバルーンを膨張させ、バルーンを予め伸長させることであってよく、可溶性気体はバルーンから拡散し、バルーンの中に元々存在する他の気体はバルーンを充填するために移動する。
膨張気体を選択して、大きい不活性気体または選択された複合壁を通る低拡散性を有する気体を含むバルーン中の大部分の気体から開始させることができる。不活性気体の例としては、限定されるものではないが、窒素、ならびにSF6、C2F6、C3F8、C4F10、C4F8、C4F8、C3F6、CF4、およびCClF2−CF3が挙げられる。不活性気体がより可溶性/拡散性が高い気体に対して過剰である出発バルーン膨張気体組成を含むように、不活性気体を、胃内環境中でより可溶性であるあまり不活性でない気体と組み合わせることができる。ある特定の態様において、可溶性/拡散性がより高い気体としての窒素と、SF6、C2F6、C3F8、C4F10、C4F8、C4F8、C3F6、CF4、およびCClF2−CF3などの拡散性/溶解性がより低い気体とを組み合わせることが好ましい。例えば、ある特定の態様の充填気体は、5%(vol.)の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、95%(vol.)の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、5%のN2と共に95%のSF6);または10%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、90%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、10%のN2と共に90%のSF6);または15%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、85%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、15%のN2と共に85%のSF6);または20%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、80%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、20%のN2と共に80%のSF6);または25%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、75%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、25%のN2と共に75%のSF6);または30%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、70%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、30%のN2と共に70%のSF6);または35%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、65%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、35%のN2と共に65%のSF6);または40%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、60%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、40%のN2と共に60%のSF6);または45%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、55%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、45%のN2と共に55%のSF6);または50%の可溶性/拡散性の高い不活性気体と共に、50%の可溶性/拡散性の低い不活性気体(例えば、50%のN2と共に50%のSF6)を含んでもよい。ある特定の態様において、20%の可溶性/拡散性の低い不活性気体と、残りは可溶性/拡散性が高い不活性気体とからなる初期充填気体を用いる;または19〜21%の可溶性/拡散性の低い不活性気体と、残りは可溶性/拡散性が高い不活性気体とからなる初期充填気体を用いる;または18〜22%の可溶性/拡散性の低い不活性気体と、残りは可溶性/拡散性が高い不活性気体とからなる初期充填気体を用いる;または17〜23%の可溶性/拡散性の低い不活性気体と、残りは可溶性/拡散性が高い不活性気体とからなる初期充填気体を用いる;または16〜24%の可溶性/拡散性の低い不活性気体と、残りは可溶性/拡散性が高い不活性気体とからなる初期充填気体を用いる;または15〜25%の可溶性/拡散性の低い不活性気体と、残りは可溶性/拡散性が高い不活性気体とからなる初期充填気体を用いる。例えば、18〜20%のSF6と共に、残りは窒素を含む初期充填気体、または19〜21%のSF6と共に、残りは窒素を含む初期充填気体;または18〜22%のSF6と共に、残りは窒素を含む初期充填気体;または17〜23%のSF6と共に、残りは窒素を含む初期充填気体;または16〜24%のSF6と共に、残りは窒素を含む初期充填気体;または15〜25%のSF6と共に、残りは窒素を含む初期充填気体を用いることができる。
患者の食事および医薬は、主に胃内環境中で産生されたCO2濃度効果によって、バルーンの膨張状態に影響する/それを制御することもできる。さらに、胃のpHは、CO2濃度にも影響する。この特定の方法はまた、複合壁の材料、例えば、障壁/非障壁および拡散する気体が、障壁の壁と非障壁の壁を有する場合、バルーン中でより長く維持されるかどうかに基づいてデバイスの耐用寿命の高い程度の調整を可能にする。この特定の形態の自己膨張を、自己膨張型胃バルーン(例えば、嚥下後に開始されるバルーン中での気体生成反応により始めに膨張される)、または膨張型胃バルーン(例えば、経鼻胃的もしくは任意の他の送達方法により送達される、内視鏡で支援しながら、もしくは支援せずに、カテーテルを用いて膨張される)を用いて使用することができる。この方法を、嚥下可能なバルーンおよび例えば、内視鏡方法によって胃に入れたバルーンなどの、任意の胃バルーンと共に用いることができる。この方法は、胃内デバイスと共に使用するのに特に好ましい;しかしながら、それを、例えば、肺動脈楔入カテーテルおよび尿失禁バルーンデバイスにおける使用に適用することもできる。この技術に対する利点としては、胃へのバルーンの適合を可能にし、時間と共に容積が増大することによって、患者の満腹感を維持することができる、胃適応を補う能力が挙げられる。それにより、自己膨張型バルーンのためにより少量の膨張気体構成要素から出発することもできる。胃バルーンシステムとin vivoの胃環境との拡散勾配を用いることにより、それは自発的収縮を防止することができる。
膨張気体としてのSF6および/またはN2などの好適な不活性気体(追加の膨張気体としてのCO2を含む、または含まない)と共に用いられる、特に好ましい態様において、壁層のための多層共押出混合物を用いる。特に好ましい構成は、ナイロン12/エチルメチルアクリレート/ポリ塩化ビニリデン/エチルメチルアクリレート/ナイロン12/直鎖状低密度ポリエチレン+低密度ポリエチレン(共押出ナイロン12封入PVDC−ナイロン12−LLDPE+LDPE多層とも呼ばれる)である。別の特に好ましい構成は、共押出多層ナイロン12/直鎖状低密度ポリエチレン+低密度ポリエチレンである。複合壁構築物のための樹脂の選択(ならびに共押出法または接着剤の使用の選択)を変化させて、コンプライアンス(伸縮性)、穿刺耐性、厚み、接着、密封結合強度、配向、酸耐性、ならびに特定の効果を達成するための気体および水蒸気に対する透過性を制御することができる。
胃内バルーンシステムの自動収縮
自己膨張型(自動膨張型とも呼ばれる)または膨張型(手動膨張型とも呼ばれる)胃内バルーンに、収縮のタイミングを確実に制御するための機構を提供する。好ましい態様において、バルーンは自動収縮し、胃を通過し、下部消化管を通り、その所定の耐用寿命の終わりに(非自発的)、好ましくは30〜90日の間で体外に出るが、6カ月胃内に収縮するように時間を調整することができる。以下に記載の好ましい態様において、収縮のタイミングを、外部胃内環境により(例えば、温度、湿度、溶解度、および/もしくはpHの条件により)、または膨張したバルーンの管腔内の環境により達成することができる。内部バルーン環境を操作することにより、自己収縮プロセスの開始を制御することが、一貫性にとって好ましい。
他の態様において、上記のような逆転した縫い目を可能にするために適用されるパッチおよび/またはバルーン構築物に加えられる1つ以上のさらなるパッチもしくは他の構造物を、浸食性、分解性、または溶解性材料(天然もしくは合成)から作製し、バルーンの壁に組み入れる。パッチは、迅速な収縮を引き起こすのに十分な表面積の開口を確保し、バルーン中への胃液の漏出による再膨張を防止するのに十分なサイズのものである。バルーンパッチは、実質的に平坦な表面が維持されるようにバルーンに適用することができる材料を含み、好ましくは、単層または多層材料を含む。パッチは、浸食性、崩壊性、分解性または好ましくは、組織適合性であり、非毒性生成物に分解する、もしくは時間と共にゆっくりと加水分解する、および/もしくは分解する材料である他のそのような材料(例えば、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLG)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステルアミド(PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHBV)、ポリブチレンスクシネートアジペート(PBSA)、芳香族コポリエステル(PBAT)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)(PLCL)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−L−乳酸PLAA、プルラン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアリールエーテルケトン(PEEK)、マルチブロックポリエーテルエステル、ポリグレカプロン、ポリジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、および他の類似する材料)を用いて構築される。これらの浸食性、崩壊性、または分解性材料を、単独で、もしくは他の材料と組み合わせて用いることができるか、または非浸食性ポリマー(例えば、PETなど)と共に鋳型に流し込む/共押出する、ラミネート加工する、および/もしくは浸漬被覆し、バルーンの構築において用いることができる。分解/浸食は、胃内環境により(例えば、温度、湿度、溶解度、および/もしくはpHの条件により)起こり、開始され、および/もしくは制御されるか、またはパッチが曝露されるものに基づいてバルーンの管腔内で制御される(例えば、湿度および/もしくは誘導されるpHの条件により)。ポリマーの厚みならびに分解および曝露のタイミングに影響する環境も、分解のタイミングを容易にすることもできる。分解/浸食は、一度、所定のバルーン耐用寿命が完了したらそれらが起こるように時間調整される(例えば、膨張は、分解/浸食が収縮を可能にする開口の形成をもたらす前に胃の中でin vivoで25〜90日にわたって維持される)。パッチのための分解性材料を用いる代わりに(またはそれと共に)、パッチは、類似する流体保持障壁フィルムまたは弱い接着剤を用いてバルーンに接着される、もしくは溶接される、もしくは特定の時間量の後に、パッチが適用された領域から剥離し、膨張流体放出のための開口が収縮を可能にするように接着される、バルーンの残りの壁と同じフィルムを含んでもよい。または、迅速な収縮にとって必要と見なされる場合、バルーン全体の複合壁を侵食性材料から作製することができる。侵食性材料または所定の時間後に機械的に機能しなくなる材料を用いる機構は、同様に以下に記載される収縮機構に関する全ての態様について類似する。分解または侵食のタイミングを、外部胃内環境を用いて(例えば、温度、湿度、溶解度、および/もしくはpHの条件により)制御することができる、および/またはバルーンの管腔内の条件により(例えば、バルーン中の残留液体の湿度および/もしくはpHの条件により)制御することができる。
他の態様において、プラグまたは複数のプラグ(任意に、別の分解性保持構造と共に)を、バルーン構築物に組み入れることができ、それは、全部または一部が、上記のもの(例えば、PLGA、PLAA、PEGなど)と類似する、浸食性、崩壊性、またはさもなければ分解性の合成または天然ポリマーからなってもよい。プラグを、様々な表面:容積比を達成するために様々な形状(例えば、円筒形状)に形成させて、浸食性ポリマーのための予め選択された、予測可能なバルク分解パターンを提供することができる。プラグは、隔壁またはプラグ材料がバルーンから飛び出すか、またはバルーンの内部に落ちることによって、流体の放出およびその後のバルーンの収縮のための通路を作出するような、分解/浸食が始まった後に化学的に開始させることができる放出機構を含んでもよい。プラグと共に用いることができる機械的付加物は、プラグ(例えば、非分解性もしくは分解性材料の)を所定の位置に保持する分解性/浸食性/崩壊性材料または保持構造もしくはプラグ構造内に収納される圧縮バネを含む。より具体的には、収縮を達成するための1つの好ましい態様は、筺体、ラジアルシール、固体浸食コア、および浸食コアの外部表面に取り付けた保護フィルムを含んでもよい。浸食コアの内部は、内部バルーン液体に曝露される。コアは筺体に対してシールを保持する圧縮力を作出する。コアが浸食するにつれて、筐体とラジアルシールとの間の圧縮は、筐体とシールとの間にクリアランスがあるまで減少する。一度、クリアランスがあったら、気体はバルーンの内部から外部環境へと自由に移動することができる。シールは筐体から落ち、バルーンに入ってもよい。直径、長さ、および材料の型を調整して、所望の時点で収縮を作出することができる。この収縮機構を達成するために用いられる各部品のための例示的材料は、以下の通りであってよい:筐体:空気密封を形成する十分な半径方向力に耐えることができる、生体適合性構造材料。可能性のある材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、UHMWPE、チタン、ステンレススチール、コバルトクロム、PEEK、またはナイロンが挙げられる。ラジアルシール:ラジアルシールは酸性環境に対する液体および気体障壁を提供することができる、生体適合性弾性材料から構成される必要がある。可能な材料としては、ケイ素、ポリウレタン、およびラテックスが挙げられる。浸食コア:浸食コアは、所与の環境条件で予測可能な速度で破壊することができる材料である必要がある。可能な材料としては、PLGA、PLA、または時間と共に完全性を失い得る他のポリ無水物もしくは浸食特性を提供する上記に列挙された任意の材料が挙げられる。
バネ機構については、一度、材料が分解したら、バネが解放される、および/またはプラグ/隔壁がバルーンの中に引き込まれるか、もしくはバルーンから押し出され、したがって、一度、バネ機構の解放およびプラグの押し出しもしくは引き込みにより開口部が作出されたら、流体を放出する。
別の好ましい態様は、隔壁、注入ポート内部の湿気侵食材料、および湿気吸収拡張材料を含む。浸食材料は、湿気に曝露された場合、ゆっくりと浸食し、最終的には湿気吸収拡張材料を曝露する。湿気拡張材料が湿気を吸収し始めた時、拡張は、隔壁リップまたは隔壁に取り付けられたリングに対して押すことにより頭部における位置から隔壁を引き出す。隔壁を位置から引き出すことは、バルーンの即時の収縮を引き起こす。所望の時点まで湿気から拡張材料を保護するために、拡張材料を、パリレンなどの水遮断材料、ならびにゆっくりと水を分解する材料の中で覆うことができる。湿気の接触を、小さい注入ポートにより制御することができる。注入ポートは小さい穴、または制御された様式で湿気を引き出すウィック材料であってもよい。所望の収縮時間は、浸食材料、遮断材料、および注入ポートサイズの組合せにより達成される。
ある特定の態様において、バルーンは、圧縮されたペレットまたは気体放出ペレットを含有するバルーンの壁中に1つ以上のプラグを含んでもよい。ペレットは、活性化された場合、CO2気体を放出する、任意の組合せの構成要素(例えば、重炭酸ナトリウムおよびクエン酸、または重炭酸カリウムおよびクエン酸など)を含んでもよい。ペレットは、好ましくは、組織適合性であり、非毒性生成物に分解するか、または上記のプラグおよびパッチと同様にゆっくりと加水分解および/もしくは溶解する侵食性、崩壊性、または分解性材料(例えば、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−L−乳酸PLAA、プルラン、ポリエチレングリコール、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアリールエーテルケトン(PEEK)、マルチブロックポリエーテルエステル、ポリグレカプロン、ポリジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、および他の同様の材料)により保護された錠剤またはロッド形態にあってもよい。プラグの分解/浸食は、ペレット中での2つの化学物質の反応を開始させ、続いて、気体(例えば、CO2)の形成をもたらす。十分な気体が捕捉または構築される時、最終的には十分な圧力が生成され、軟化したポリマー材料を押し出し、バルーン中のCO2気体が逃げるためのより大きなチャネルを作出する。バルーンに対して胃によって印加される外部圧力(例えば、絞り)は、より大きいチャネルを作出するプロセスに寄与し得る。ポリマーを含むプラグの寸法および特性(直径、厚み、組成、分子量など)は分解のタイミングを誘導する。
他の態様において、上記のプラグのものと類似する異なる形状またはサイズのプラグまたはパッチを、半透膜を含む多層構成におけるバルーン管腔内で用いて、バルーン収縮を容易にすることができる。プラグまたはパッチは、上記のものと類似する分解性/浸食性/溶解性材料(例えば、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、PLAA、プルラン、および他の同様の材料)から作られ、溶質またはオスモライト(グルコース、スクロース、他の糖、塩、もしくはその組合せ)の濃縮溶液を含有する半透膜(オスモライトに対して不透過性である)により包み込まれた区画を含有する。一度、プラグまたはパッチが分解または浸食し始めたら、水分子は、浸透作用によって高い方の水濃度の領域から低い方の水濃度の領域に向かう水勾配を、半透膜を横断して下方へ移動して区画中の高張溶液中に入る。オスモライトを含有する区画は膨張し、最終的には破裂して、膜および分解したプラグまたはパッチを押し出し、それによって、新しく作られたチャネルまたはエリアを通って急速に気体を失わせる。
ある特定の態様において、隔壁、注入ポートの内部の湿気侵食材料、および湿気吸収拡張材料から構成されるバルーンを用いる。浸食材料は、湿気に曝露された場合、ゆっくりと浸食し、最終的には湿気吸収拡張材料を曝露する。湿気拡張材料が湿気を吸収し始めた時、拡張は、隔壁リップまたは隔壁に取り付けられたリングに対して押すことにより頭部における位置から隔壁を引き出す。隔壁を位置から引き出すことは、バルーンの即時の収縮を引き起こす。所望の時点まで湿気から拡張材料を保護するために、拡張材料を、パリレンなどの水遮断材料、ならびにゆっくりと水を分解する材料の中で覆うことができる。湿気の接触を、小さい注入ポートにより制御することができる。注入ポートは小さい穴、または制御された様式で湿気を引き出すウィック材料であってもよい。所望の収縮時間は、浸食材料、遮断材料、および注入ポートサイズの組合せにより達成される。
自己収縮のための別の機構は、急速な収縮を確保するためにより大きい表面積を提供することができる強制剥離スキームを作出することである。例えば、3層壁を有するバルーンにおいては、最外層は膨張流体(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)を保持するのに十分に実質的に強く、中央層は全体として浸食性材料(例えば、PVOHなど)を含むが、内側層はより弱い材料(例えば、ポリエチレン(PE)など)を含む。PETまたは最外層を、浸食性材料を用いて「溝をつける(score)」か、またはハッチングして、時間と共に浸食する小さいチャネルを作出する。これは、胃液がバルーン層中に染み込み、完全に浸食性の材料を分解し始めるようなチャネルを作出する。浸食性層が分解または溶解する場合、最内層を構成する材料は胃の力/環境に自然に耐えるのに十分に強くないため、それも浸食、分解または溶解する。次いで、バルーンは自身で崩壊し、最終的には下部消化管を通過する。浸食性層が強い層と弱い層との間に挟まれている場合、胃内環境により影響される浸食性プラグまたはパッチよりも長い通路長を作出することにより浸食のタイミングを容易にする。スコアまたは開口の間の距離を選択して、所望の収縮速度を提供することもできる。
所望の時間が経過した後にバルーンの突然の収縮を提供する別の態様において、バルーン全体の複合壁または複合壁の一部(パッチ)は、製造プロセスの間または膨張プロセスの間にバルーン内部に注入された水によってゆっくりと浸透されるいくつかの材料層を含む。この水は層を通って浸透し、最終的には、実質的に拡張する材料に到達し、薄い外部保護層を破裂させ、気体が逃げ、バルーンが収縮するための大きい穴を作出する。水拡張材料は、制御可能な量の湿気曝露を可能にする、パリレンなどのコーティングまたは鞘により液体から保護される。一度、水が拡張材料に達したら、それは保護外層に対して力を発揮し、その破裂を引き起こす。外層を、弱くなった結合領域、部分的に溝つけされた領域、または所望の破裂位置を確保し、自動収縮が起こる所望のタイミングを容易にするための他の方法を用いて作出してもよい。湿った環境と湿気拡張中心との間に任意数の層があってもよい。それぞれの材料層は、異なる浸食速度(例えば、速いか、または遅い)を有してもよく、それを、収縮が起こることが望まれる所定の時間(例えば、30日、60日、またはそれ以上後)によって選択することができる。それぞれの円周層の数、厚み、および速度を変化させることにより、収縮までの時間を正確に制御することができる。
あるいは、バルーン材料における穿孔上に接着的に結合される圧力密封ボタンを、収縮のために提供することができる。ボタンを結合する接着剤は、それが胃液から誘導される、またはバルーン内部に注入される湿気と接触した場合、時間と共に浸食する。一度、接着剤が、接着剤とボタンの間に最早結合できず、気密シールを作出することができなくなったら、バルーンは急速に収縮する。穴のサイズおよび接着剤の湿気曝露を制御することにより、浸食時間を正確に予測することができる。
収縮を、バルーン複合壁に取り付けられた隔壁内または別の類似する構造上に一連の接続ポートを作出することにより容易にすることもできる。ポートを、水または酸に溶解する、生体適合性の、透過性が低い物質、例えば、ゼラチンを用いて構築することができる。穴の直径、穴の数、チャネルの幅、およびチャネルの長さを全て調整して、溶解パラメータを制御することができる。一度、ポートおよびチャネル中の材料が溶解したら、バルーン中に捕捉された気体が逃げ、最終的にはバルーンの収縮をもたらす明確な通り道が存在する。水は胃液であってもよく、またはアセンブリ時に、もしくは膨張プロセス中にバルーン内部に水を含有させることによって内部的に制御することができる。気体透過を保証するための複数のポート開口が存在してもよい。さらに、溶解時間:ポート開口のサイズ;ポート開口の数;内部チャネルの長さ;内部チャネルの幅;および材料溶解の速度を制御するために調整することができるいくつかの変数が存在する。ポート/チャネルのレイアウト設計は、少量の表面積のみが任意の特定の時間で湿気に曝露され、それによって浸食および最終的な収縮の速度を制御することを確保することができる。
通過を容易にするための機構は、バルーンを、下部消化器系を予測可能に通過する確率がより高いサイズに破壊することができる浸食機構を含む。好ましくは、収縮したバルーンのサイズは、5cm長および2cm厚未満である(幽門括約筋を予測可能に、かつ容易に通過することが示された類似するサイズの様々な外来対象物と類似する)。これを、バルーンに「浸食性縫い目」を提供することにより達成することができる。複数のより小さいバルーン小片が解離反応において生成されるように、バルーン開口を(最小で)2つの半分に破壊する1つの縫い目、またはより多くの縫い目を提供する。用いられる縫い目の数を、バルーンの元の表面積に基づいて、また、消化管を予測可能により容易に通過することができるサイズのものである小片にバルーンを解離させるのに必要とされるものに基づいて選択することができる。縫い目の浸食の速度を、例えば、外部胃内環境、pH、液体、湿度、温度、またはその組合せにより影響される材料を用いることにより制御することができる。縫い目は、浸食性材料のみからなる単層、または多層であってもよい。自己収縮のタイミングを、縫い目層の設計によりさらに制御し、例えば、外部環境の代わりにバルーンの内部環境に依存して縫い目材料の反応および/または分解を行うことができる。浸食または分解が内部環境(例えば、バルーンの内部pH、湿度、または他の因子)により開始されるように反応を操作することにより、浸食のタイミングに影響し得る人の違いによる胃の変動(pHなど)の影響を最小化する。注入時に過剰の水を添加して、より湿度の高い内部環境を作出することにより内部バルーン環境を操作するか、または添加される成分の量を変化させてpHなどを操作することができる。
胃内バルーンシステムの収縮の確認
バルーンが自己収縮性であるとしても、または非自己収縮性であるとしても、様々な機構を実装してバルーンの収縮を確認することができる。好ましい態様において、バルーンは収縮し、患者の感覚の1つによる反応を誘発するように構成される感覚刺激を放出する。いくつかの態様において、デバイスは患者が嗅ぐ匂いを放出してもよい。いくつかの態様において、デバイスは患者が味わう味を放出してもよい。いくつかの態様において、デバイスは、患者が、例えば、トイレにおいて、着色剤を通過させた後、視覚的に見ることができる着色剤を放出してもよい。いくつかの態様において、感覚刺激は、収縮を示す生理学的応答を引き起こしてもよい。例えば、収縮したバルーンは、腸の通過を促進する物質を放出してもよい。
いくつかの態様において、香味剤を用いて、患者に対して収縮を示すことができる。これらのものは、いくつかの態様において、例えば、発電またはpHに基づく配置システムのための摂取可能な事象マーカーと共に用いることができる香味剤と同じか、または異なっていてもよい。したがって、ペパーミント、ウィンターグリーンオイル、チェリー香料などの香味剤を用いることもできる。さらに、着色剤を添加して、外見がより魅力的な、または製品の同定に役立つ剤形を作製するのが望ましい。
電磁気的および磁気的追跡および可視化副部品
追跡および可視化機能を、上記のデバイスおよびシステムに組み込むことができる。ここで用いられる場合、「可視化」は、磁場の強度、磁場の配向、磁場の時間的特徴、磁気センサーに対する磁場の効果、および対象の磁気的もしくは磁化された項目を追跡する、配置する、同定する、および特徴付けるのを容易にするために用いてもよい磁場の他の属性などの磁場データ、ならびに対象の磁化された項目を特徴付ける磁気データに基づく聴覚的、視覚的、触知的、または他の出力などによる、いくつかの方法で体内の対象項目を同定することを指すために広く用いられる。本発明のデバイスの非侵襲性のため、医師は、膨張の前に、処置の経過中に、または収縮の後に、デバイスの位置および配向を決定する、または確認することを望んでもよい。したがって、投与の全ての段階で胃内デバイスの位置、配向および状態を決定し、確認することができるように構成される磁気部品を含む胃内デバイスが提供される。
このセクションは、ここに記載される電磁気的および/または磁気的態様に実装してもよい磁気部品を考察する。用語「電磁気」および「磁気」は本開示において互換的に用いてもよいが、電磁気的態様が磁場に応答して電流を生成する「能動的」センサーを含むこと、および磁気的態様が磁場を生成する「受動的」センサーを含むことが理解される。電磁気および磁気システムの特定の態様は、例えば、それぞれ、「位置の電磁気的リアルタイム確認」および「位置の磁気的リアルタイム確認」のセクションに記載される。
マーカー
電磁気または磁気マーカー部品は、磁場を生成する、および/または磁場に応答する様々な材料または対象物を含んでもよい。磁場は、鉄などの他の強磁性材料を誘引する、および他の磁石を誘引するか、またはそれと反発する力である。
磁性は、他の磁石に対する磁石により発揮される力を含む物理現象のクラスである。それは電流および素粒子の基本的磁気モーメントを起源とする。これらのものは、他の電流およびモーメントに対して作用する磁場を生じる。全ての材料はある程度は磁場の影響を受ける。最も強い効果は、強磁性により引き起こされる持続的磁気モーメントを有する、永久磁石に対するものである。多くの材料は永久モーメントを有さない。いくらかのものは磁場に誘引される(常磁性);他のものは磁場によって拒絶される(反磁性);他のものは印加された磁場とのはるかにより複雑な関係を有する(スピングラス挙動および反強磁性)を有する。磁場により無視できる程度しか影響されない物質は、非磁性物質として知られる。それらのものとしては、銅、アルミニウム、気体、およびプラスチックが挙げられる。純粋な酸素は、液体状態に冷却された場合、磁気特性を示す。
永久磁石、強磁性材料およびフェリ磁性材料、常磁性物質、および反磁性物質により示されるものなどの磁気的挙動を、胃内デバイスと共に用いられる磁気配置システムの様々な態様において用いることができる。
いくつかの態様において、磁気配置システムは、強磁性材料またはフェリ磁性材料を用いてもよい。強磁性材料およびフェリ磁性材料は、磁性と通常考えられるものである;それらは誘引力を感じることができるほど十分に強く磁石に誘引される。これらの材料は、磁化を保持し、磁石になることができる唯一のものである。フェライトおよび最も古い磁性材料であるマグネタイトおよびロデストンを含む、フェリ磁性材料は類似するが、強磁性体よりも弱い。強磁性材料とフェリ磁性材料との差異は、その顕微鏡構造と関連する。
いくつかの態様において、磁気配置システムは、常磁性物質を用いてもよい。白金、アルミニウム、および酸素などの常磁性物質は、磁石のいずれかの極に弱く誘引される。この誘引は、強磁性材料のものよりも数十万倍弱く、したがって、それは高感度の装置を用いるか、または非常に強力な磁石を用いることによってしか検出することができない。磁気強磁性流体は、液体中に懸濁された微量の強磁性粒子から作られるが、それらを磁化することができないため、常磁性であると考えられることもある。
いくつかの態様において、磁気配置システムは、反磁性物質を用いてもよい。反磁性材料は、磁石の両極によって反発されるものである。常磁性物質および強磁性物質と比較して、炭素、銅、水、およびプラスチックなどの反磁性物質は、磁石によってさらにより弱く反発される。反磁性材料の透過性は、減圧の透過性よりも低い。他の型の磁性の1つを有さない全ての物質は反磁性である;これは多くの物質を含む。通常の磁石に由来する反磁性対象物に対する力は、感じるにはあまりに弱すぎるが、非常に強い超電導磁石を用いて、鉛の小片などの反磁性対象物を空中浮揚させることができる。超電導体はその内部から磁場に反発し、強く反磁性である。
スピングラス、超常磁性、超反磁性、およびメタ磁性などの、様々な他の型の磁性が存在し、それぞれ、磁気配置システムの様々な態様において用いてもよい。
電磁石は、電流がそれを通過する時に磁石として作用するが、電流が停止した時には磁石であることを停止するワイヤのコイルから作られる。しばしば、コイルは、コイルにより生成される磁場を大きく増強する鋼鉄などの「柔らかい」強磁性材料のコアの周囲に巻き付けられる。
磁石および磁化された対象物の様々な特性を、胃内デバイスのための磁気配置システムの態様において用いてもよい。これらの特性としては、限定されるものではないが、磁場、磁気モーメント、および磁化が挙げられる。
磁束密度(磁場Bまたは単に磁場とも呼ばれ、通常はBと示される)はベクトル場である。空間中の所与の点での磁場ベクトルBは、2つの特性:1)コンパスの針の配向に沿った、その向き、および2)コンパスの針がその向きに沿ってどれぐらい強く向くかに比例する、その大きさ(強度とも呼ばれる)によって特定される。SI単位では、磁場Bの強度は、テスラで与えられる。
磁石の磁気モーメント(磁気双極子モーメントとも呼ばれ、通常はμと示される)は、磁石の全体的な磁気特性を特徴付けるベクトルである。棒磁石については、磁気モーメント点の方向は、磁石のS極からそのN極を指し示し、大きさはこれらの極がどれぐらい強いか、およびどれぐらい離れているかに関する。SI単位では、磁気モーメントは、A・m2(アンペア×平方メートル)を単位として特定される。
磁石は、それ自身で磁場を生成し、また、磁場に応答する。磁石が生成する磁場の強度は、その磁気モーメントの大きさに比例する任意の所与の点にある。さらに、磁石を、異なる供給源により生成される外部磁場に置いた場合、それを、磁気モーメントを磁場に対して平行に向きやすいトルクにかける。このトルクの量は、磁気モーメントおよび外部磁場の両方に比例する。また、磁石を、磁石および供給源の位置および配向に従って、ある方向または別の方向にそれを誘導する力にかけてもよい。磁場が空間中で均一である場合、磁石は正味の力を受けないが、それはトルクを受ける。
面積Aを有し、電流Iを担持する丸型のワイヤは磁石であり、磁気モーメントの大きさはIAに等しい。
磁化された材料の磁化は、単位容積あたりのその磁気モーメントの局所値であり、通常はMと示され、単位A/mを有する。磁石中の異なる面積を、異なる方向および強度で磁化することができるため、それはただのベクトル(磁気モーメントのような)というよりはむしろベクトル場である。良好な棒磁石は、大きさ0.1A・m2の磁気モーメントおよび1cm3、または1x10-6m3の容積を有してもよく、したがって、平均磁化大きさは100,000A/mである。鉄は、1メートルあたり100万アンペア程度の磁化を有してもよい。そのような大きな値は、鉄が磁場を生成するのにそのように有効である理由を説明する。
様々な磁石およびその磁気特性を、磁気マーカーおよび磁気センサーまたは検出器と共に磁気胃内デバイス配置システム中に実装してもよい。磁気マーカーは、センサーまたは検出器が応答性である、任意の磁気または磁化物質、材料、または対象物を含む。
可撓性磁気材料を、様々な態様において用いることもできる。そのような材料は、典型的には、ポリマー結合剤と混合した強磁性化合物(例えば、酸化鉄)を含む。様々な態様における使用にとって好適な磁気材料としては、磁気テープ、磁気シート、磁気ロール、インクジェット印刷された磁石などが挙げられる。磁気テープは、典型的には、一方の側に接着剤を含む磁気材料の層を含む。磁気シートは、別の層に接着することができるか、または他のポリマー層間に組み入れることができる磁気材料の層を含んでもよい。磁気ロールは、典型的には、例えば、押出、ラミネート加工、またはポリマー加工および薄いフィルムの形成において公知である他の技術により調製される、その中に1つ以上の支持層または障壁層が組み入れられた磁気層を含む。そのような可撓性磁気材料は、磁気応答において等方性または異方性であってもよい。
インクジェット印刷された磁石は、インクジェットまたはバブルジェット(登録商標)技術を用いて基質上に沈着させることができる磁気粒子を含む液体を含む。あるいは、磁気粒子を、レーザージェット技術を用いて基質上に印刷することができる。
酸化鉄は低コストの利点を提供することができるが、ある特定の態様において、他の磁気材料、例えば、ストロンチウム、バリウム、ネオジム、例えば、NdFeB、サマリウムコバルト、白金コバルト、および白金鉄を用いることが望ましい。
ある特定の態様において、磁気材料は、デバイスにおける1つ以上の可撓性層として提供される。可撓性磁気層を、壁を含む層の1つとして、例えば、支持層として、複合壁中に組み入れることができる。磁気層は、複合壁の全面積、または複合壁の一部面積を含んでもよい。例えば、1つ以上の狭い一片またはドット、リング、スクエア、サークル、もしくは類似する構造の1つ以上のパターンを、複合壁中の層の間に挿入するか、または複合壁の内部もしくは外部表面に取り付けるか、もしくはさもなければ接着することができる。磁気材料は、上記のような、シートもしくはロール形態にあってもよいか、または任意の好適な印刷技術(インクジェット、バブルジェット(登録商標)、レーザージェット、スクリーン印刷、リソグラフィーなど)を用いて複合壁の1つ以上の層の上に印刷することができる。
ある特定の態様において、磁気部品を、胃内バルーンに組み入れられる任意の剛性部品として、例えば、保持リングとして、またはバルーンを胃内空間に適応させるように構成される重量部品(例えば、バルーンの材料に取り付けられた、もしくは組み入れられたプラグ、ボタン、ペレット、もしくは他の固体形状)として、またはバルーンの内部容積中の自由に移動する、もしくは「緩い」部品として提供することができる。
容積占有副部品がその収縮状態にある場合に、磁場が濃縮される(より局在化する)ように見えるように、また、容積占有副部品が収縮した場合、磁場がより拡散しているように見えるように、容積占有副部品が皺になった、または折り畳まれた状態にある場合に、磁気マーカーを容積占有副部品に適用してもよい。あるいは、磁気マーカーを容積占有副部品に適用するか、または組み入れて、バルブ、ヘッド、または重りなどの、デバイスの様々な副部品の同定および配置を容易にしてもよい。磁気マーカーを、容積占有副部品の表面上に、または容積占有副部品を形成する材料の層の間に印刷もしくは塗装してもよい。あるいは、以下に記載の磁気コーティングを磁気マーカーとして用いて、容積占有副部品を同定および/または配置してもよい。容積占有副部品を可視化するための磁気コーティングは、鉄または上記の任意の好適な磁化金属材料を含んでもよい。あるいは、磁気マーカーを、容積占有副部品の全部または一部を覆うエラストマースリーブに適用してもよい。
別の態様において、容積占有副部品は、容積占有副部品の膨張時に機械的に変化する副部品を含み、その機械的変化を、磁場検出装備を用いて可視化することができる。例えば、磁気マーカーを含有する容積占有副部品の機械部分は、容積占有副部品における圧力の増大時に伸長し、より拡散した磁場をもたらしてもよい。
あるいは、容積占有副部品が構築される材料の層の間に配置される金属化されたメッシュまたは他のパターンを用いて、磁化マーカーを形成させてもよい。埋め込まれた磁化マーカーにより形成されるパターンまたは複数のパターンは、容積占有副部品が膨張した、展開された状態にある場合に配置可能である。
電磁気的検出
磁気マーカー材料を容積占有副部品中に組み入れて、磁気マーカーを感知および検出するための様々な方法および装置を含む様々な磁気配置および可視化システムを容易にしてもよいことが想定される。
いくつかの態様において、磁気配置システムは、磁場近接センサーを含む。このセンサーは、磁気マーカーにより生成される磁場の強度および配向を検出する。
いくつかの態様において、磁気検出器は、小さい固定磁石を用いて、壁の製造中にスタッド中に置かれたクギまたはネジを検出する市販の磁気スタッド検出器と同様の構成のものであってもよい。手持ち型固定磁石検出器は、小さい(固定)磁石を用いて、デバイスと共に置かれた磁気マーカーを検出する。それは、デバイスを保持するユーザーに、磁気マーカーの存在を警告する磁石上の磁気マーカーの「引っ張り(pull)」である。「引っ張り」の量は、磁気マーカーからの固定磁石の距離に比例する。例えば、固定磁気検出器と比較して、より弱い引っ張りは、体内におけるより深い深さを示すが、より強い引っ張りはより浅い深さを示す。
別の態様において、磁気配置システムは、可動磁石を用いて、デバイスの磁化部分を検出する。可動磁石検出器は、磁気マーカーに応答して自由に移動するように吊下げられたネオジム磁石を含む増強である。磁石の移動の容易性と共に、この希土類磁石の強度により、可動磁気ファインダーは、様々なサイズの患者を含むようにその検出範囲を拡張することができる(例えば、病的肥満患者に適応することができる)。したがって、検出器から遠い磁気マーカーを、この型のデバイスと共に配置することができる。磁石が磁気マーカー上で直接移動するまで、その「ホーム」位置に常にあるように、磁石を吊下げる。一度、磁石がマーカーの近くに行けば、それは、磁石と金属との間の距離に比例する加速度で身体に向かって引かれる。浅い位置に配置されるマーカーについては、磁石は異なるドスンという音を出すような速度で身体に向かって移動する。身体のより深いところにある磁気マーカーについては、移動速度が低下するため、ドスンという音はよりカチッという音になる。身体の組織は磁場に関して「絶縁」効果を示すとは予想されない。その代わりに、磁場の強度は、配置デバイスに対する検出器の距離と、配置デバイスにより生成される磁場の強度との関数であると予想される。固定磁気検出器を予め較正して、デバイスの位置を正確に同定することができる。身体の組織は、磁場に関して「絶縁」効果を示すとは予想されない。したがって、デバイスを較正(例えば、実験的に、または計算により)して、距離および方向に関する値を出力することができる。
いくつかの態様において、磁気配置システムは、内部コンデンサーを用いて、センサーが身体上を移動するにつれて人体の誘電率の変化を検出する。誘電率の変化は、身体中の高密度の対象物を示す。
内部コンデンサーを用いるいくつかの態様は、端部センサー、中心センサー、または即時型金属ファインダーであってもよい。いくつかの態様において、磁気配置システムは、センサーが身体を通って進行している磁気マーカーを追跡する時にセンサーが受動的に移動する身体の近くの進路をさらに含む。
いくつかの態様において、センサーは、センサーが身体を通って進行する時に固定されたままであり、磁気マーカーの位置を受動的に検出する身体の近くに置かれた大きい磁気シートを含む。
様々な態様において、受動的磁気システムを用いることができるか、または能動的電磁気システムを用いることができる。受動的システムにおいては、胃内空間中の磁気部品を、好適な検出器を用いて検出する。磁気部品は、例えば、永久磁石として、または磁気部品中で磁場を誘導するように構成されるex vivoデバイスによる磁気部品中で誘導される磁場により、磁場を受動的に生成することができる。対照的に、能動的システムにおいては、電磁場が生成され、電磁部品が電磁場の存在内にもたらされ、それによって、電磁場との相互作用のためin vivo電磁部品を通る電流またはそれを渡る電圧が生成される。電磁部品は、例えば、伝導性ワイヤまたは伝導性トレースを介する、ex vivoでの電流または電圧供給源との電気的通信にある。
磁力計の型
好ましい態様において、磁力計(磁気センサーまたは磁場感知デバイスとも呼ばれる)を用いて、胃内デバイスを配置および/または追跡する。磁力計を、磁場の強度のみを測定するスカラーデバイスと、磁場の方向をも測定するベクトルデバイスに分割することができる。
磁力計は、大きい距離で、例えば、数十メートルで磁性(鉄)金属を検出することができる。近年では、磁力計は、それらを非常に低コストで集積回路中に組み込むことができる程度まで小型化されている。
スカラー磁力計は、磁場の方向ではなく、それらがかけられる磁場の合計強度を測定する。プロトン磁力計としても知られる、プロトン歳差磁力計、PPMまたは単にmagは、核磁気共鳴(NMR)のため、測定しようとする磁場におけるプロトン(水素核)の共鳴周波数を測定するものである。歳差周波数は原子定数および周囲磁場の強度にのみ依存するため、この型の磁力計の精度は1ppmに達し得る。ソレノイド中の直接的な電流は、水素に富む流体の周囲に強力な磁場を作出し、いくらかのプロトンがその磁場と共にそれ自身で整列する原因となる。次いで、電流を中断させ、プロトンが周囲の磁場と共にそれ自身で再整列する時、それらは磁場に正比例する周波数で歳差運動する。これは、(時には、別々の)誘導子により拾われ、電子的に増幅され、典型的には出力がスケール化され、磁場強度として直接的に表示される、またはデジタルデータとして出力されるデジタル周波数カウンターに供給される弱回転磁場を生成する。
オーバーハウザー効果磁力計またはオーバーハウザー磁力計は、測定値を取るためにプロトン歳差磁力計と同じ基本効果を用いる。測定流体にフリーラジカルを添加することにより、核オーバーハウザー効果を活用して、プロトン歳差磁力計を有意に改良することができる。ソレノイドを用いてプロトンを整列させるよりもむしろ、低出力ラジオ周波数場を用いて、フリーラジカルの電子スピンを整列させた(分極させた)後、オーバーハウザー効果によりプロトンと共役させる。これは、2つの主な利点を有する:わずかなエネルギーを取り込むRF場の誘導(ポータブルユニットのためのより軽量のバッテリーを可能にする)、および電子−プロトンカップリングが、測定値が取られると同時に起こり得るより速いサンプリング。オーバーハウザー磁力計は、1秒あたり1回サンプリングしながら、0.01nT〜0.02nTの標準偏差を有する読取値を生成する。
光学的にポンプされるセシウム蒸気磁力計は、様々な用途において用いられる高感度(300fT/Hz0.5)かつ高精度のデバイスである。それは、このように用いられるいくつかのアルカリ蒸気(ルビジウムおよびカリウムを含む)、ならびにヘリウムの1つである。
ベクトル磁力計は、デバイスの空間的配向に対する、特定の方向にある磁場の成分を測定する能力を有する。ベクトル磁力計を有利に用いて、胃内デバイスを配置させることができる。ベクトルは、大きさと方向の両方を有する数的実体である。所与の点での地球の磁場はベクトルである。ベクトル磁力計は、総磁場の大きさと方向の両方を測定する。これらの直交磁力計を用いて、3次元全てにおける磁場の成分を測定し、医療デバイスの正確な位置を提供することができる。また、磁力計は、磁場の強度をそれ自身既知の内部定数から較正することができる場合、「絶対」と、またはそれらを既知の磁場を参照して較正する必要がある場合、「相対」と分類される。また、磁力計を、それらが時間において比較的急速に変化する(>100Hz)磁場を測定する場合、「AC」と、およびそれらがゆっくりしか(準静的)変化しないか、または静的である磁場を測定する場合、「DC」と分類することもできる。
ベクトル磁力計は、磁場の1つ以上の成分を電子的に測定する。3つの直径磁力計を用いて、方位角と伏角(傾斜角)の両方を測定することができる。成分の2乗の和の平方根を取ることにより、総磁場強度(総磁気強度、TMIとも呼ばれる)をピタゴラスの定理によって計算することができる。ベクトル磁力計は、温度ドリフトおよびフェライトコアの寸法不安定性に左右される。それらはまた、総磁場(スカラー)装置と違って、成分情報を得るためにレベリングを必要とする。これらの理由から、それらは最早鉱物探査には用いられていない。
回転コイル磁力計においては、磁場は、回転コイル中で正弦波を誘導する。信号の振幅は、それが均一である限り、磁場の強度に比例し、コイルの回転軸と力線との間の角度の正弦に比例する。この型の磁力計は、旧式のものである。
ホール効果磁力計においては、印加された磁場に比例する電圧が生成され、極性が検出される。磁気抵抗デバイスは、電気抵抗が磁場中の電荷に応じて変化するパーマロイの薄いストリップ(NiFe磁気フィルム)から作られる。それらは明確に定義された軸感度を有し、3−Dバージョンで生産することができ、集積回路として大規模生産することができる。それらは1マイクロ秒未満の応答時間を有し、1,000回/秒までで移動する担体中でサンプリングすることができる。それらを、基本的なセンサーが0.1°を確実に分解しなければならない、1°以内で読み取るコンパスにおいて用いることができる。フラックスゲート磁力計は、ワイヤの2つのコイルによって包まれた小さい、磁気感受性のコアからなる。交流電流を1つのコイルに通し、磁気飽和の交互サイクルを通してコアを駆動する;すなわち、磁化、非磁化、逆磁化などをする。この一定的に変化する磁場は、第2のコイル中に電流を誘導し、この出力電流を検出器により測定する。磁気的に中性のバックグラウンドにおいては、入力および出力電流は一致する。しかしながら、コアがバックグラウンド磁場に曝露された場合、それはその磁場と合致する場合は容易に飽和し、それと反対の場合は容易に飽和しない。したがって、交流磁場、および誘導出力電流は、入力電流と同調しない。これが当てはまる程度は、バックグラウンド磁場の強度に依存する。しばしば、出力コイル中の電流は積分され、磁場に比例する、出力アナログ電圧が得られる。
様々なセンサーが現在利用可能であり、磁場を測定するために用いられている。フラックスゲートコンパスおよびグラジオメーターは、磁場の方向および大きさを測定する。フラックスゲートは、手頃であり、頑丈であり、コンパクトである。これは、その典型的には低い電力消費に加えて、それらを、様々な感知用途にとって理想的なものにする。
典型的なフラックスゲート磁力計は、透過性コア材料の周りに巻かれた内部「駆動」(一次)コイルの周囲の「感知」(二次)コイルからなる。各センサーは、2つの注意深く一致させた半分として見ることができる磁気コアエレメントを有する。交流電流を、コアをプラスおよびマイナス飽和に駆動する駆動巻線に印加する。それぞれのコア半分における瞬間駆動電流を、任意の外部磁場に関して反対の極性で駆動する。外部磁場の非存在下では、一方のコア半分における流束は他方のそれを相殺し、したがって、感知コイルにより見られる合計流束はゼロである。外部磁場がここで印加される場合、それは、所与の瞬間で、一方のコア半分における流束を補助し、他方における流束を阻害する。これは、半分間の正味の流束不均衡を引き起こし、それらは最早互いに相殺しない。ここで、電流パルスを、全ての駆動電流位相反転上で(または第2の、および全ての偶数次高調波で)感知コイル巻線において誘導する。これにより、外部磁場と極性の両方に依存する信号が得られる。
得られる信号のサイズに影響するさらなる因子が存在する。これらの因子としては、感知巻線における巻き数、コアの磁気透過性、センサーの形状および時間に関する変化のゲート化流束速度が挙げられる。同期検出を用いて、これらの高調波信号を、外部磁場に比例するDC電圧に変換する。
SQUID、または超電導量子干渉素子は、極端に小さい磁場を測定するものである。それらは非常に高感度のベクトル磁力計であり、そのノイズレベルは商業用装置においてはわずか3fTHz-1/2であり、実験デバイスにおいては0.4fTHz-1/2である。多くの液体ヘリウム冷却型商業用SQUIDは、DC近く(1Hz未満)から数十キロヘルツまでのフラットノイズスペクトルを達成し、そのようなデバイスを時間領域生体磁気信号測定にとって理想的なものにする。実験室で証明されたSERF原子磁力計は、今までのところ、相対的に小さい周波数範囲においてであるが、競合的ノイズフロアを達成している。
SQUID磁力計は、動作するためには液体ヘリウム(4.2K)または液体窒素(77K)による冷却を必要とし、したがって、それらを用いるための包装要件は熱−機械的ならびに磁気的見地の両方からむしろ厳密である。SQUID磁力計は、脳または心臓の活動(それぞれ、脳磁図および心磁図)により生成される磁場を測定するために最も一般的に用いられている。地球物理調査は、時々、SQUIDを用いるが、諸設備はコイルに基づく磁力計よりもはるかにより複雑である。
十分に高い原子密度で、非常に高い感度を達成することができる。カリウム、セシウムまたはルビジウム蒸気を含有するスピン交換−緩和なし(SERF)原子磁力計は、上記のセシウム磁力計と同様に動作するが、1fTHz-1/2未満の感度を達成することができる。SERF磁力計は、小さい磁場においてのみ動作する。地球の磁場は、約50μTである;SERF磁力計は、0.5μT未満の磁場において動作する。
大容積検出器は、200aTHz-1/2の感度を達成した。この技術は、SQUID検出器よりも単位容積あたりの感度が高い。この技術はまた、将来、変化する磁場を検出するためにコイルと置き換わってもよい非常に小さい磁力計をもたらすこともできる。この技術は、光ファイバーケーブル上で光の形態でその入力および出力信号の全てを有する磁気センサーをもたらしてもよい[10]。これにより、高い電圧が存在する場所で磁気測定を行うことができる。
コンピューティングシステムを、磁気配置システムにおいて実装してもよい。コンピューティングシステムは、磁気センサーからデータを受信し、ある特定のアルゴリズムに従って胃内デバイスの配置、配向、および/または状態に関する情報を算出するハードウェアおよびソフトウェアを含む。
いくつかの態様において、ハードウェアは、中央演算ユニット、メモリー、アナログからデジタルへの変換器、アナログ回路、ディスプレイを含んでもよい。
いくつかの態様において、ソフトウェアは、較正、初期化、予測、推定、センサーデータの測定、配置、配向、および構成などの様々な所望の出力の算出を含むいくつかの工程を進行する。
いくつかの態様において、コンピューティングシステムは、磁気マーカーの配置、位置、配向、状態、または構成を予測するか、または推定し、対応する推定された、または予測された磁場を決定し、磁気マーカーにより生成された磁場の実際の測定を行い、予測された磁場と実際の磁場の値の差異に基づいて磁気マーカーの実際の配置、位置、配向、状態、または構成を決定する。
推定または予測を用いる態様において、計算を、反復的算出および/またはニューラルネットワークを用いて行ってもよく、ハードウェアは推定プロセッサーをさらに含んでもよい。
胃内デバイスの配置、配向および/または状態に関するプロセッサーの出力を、いくつかの様式でユーザーに通信してもよい。いくつかの態様において、出力は、ディスプレイ上に視覚的に示される。
いくつかの態様において、胃内デバイスの配置、配向、および/または状態に関するプロセッサーの出力を、スピーカーを介してユーザーに聴覚的に通信する。
いくつかの態様において、胃内デバイスの配置、配向、および/または状態に関するプロセッサーの出力を、方法の組合せを介してユーザーに通信する。例えば、システムは、スピーカーを介して送られる聴覚的警告と共に、視覚的グラフィックディスプレイを用いてもよい。
いくつかの態様において、磁気配置システムは、使用前に較正される。磁気マーカーおよびセンサーを、予め計画された位置および配向に配置して、出力信号が予想された範囲内にあることを検証する。
いくつかの態様において、磁気配置システムを、ヒト患者シミュレーター、またはダミーを用いて較正するか、またはさもなければ検証して、磁気マーカーがシミュレーターを通って移動する時に磁気配置システムを試験する。
いくつかの態様において、磁気配置システムを、近隣の磁気妨害に由来する漂遊信号についてチェックする。
一度摂取された胃内デバイスを、磁気胃内配置システムを用いて配置してもよい。
一度摂取されたデバイスの配向を、磁気胃内配置システムを用いて確認してもよい。
さらに、一度摂取されたデバイスの様々なサイズおよび構成を、磁気胃内配置システムを用いて特徴付けてもよい。例えば、バルーンの膨張、または複数のバルーンの膨張もしくは構成を特徴付け、評価してもよい。
また、磁気配置システムを、収縮システムと共に用いて、収縮プロセスを特徴付けてもよい。
様々な投与方法のタイミングおよび他の属性を、開示される磁気胃内配置システムを用いて特徴付けることができる。デバイスが内視鏡技術を用いて投与されようと、経口的に投与されようと、デバイスが胃に向かって進む時にデバイスの進行を、磁気配置システムを用いて追跡することができる。例えば、硬質ゼラチンまたは水または他の消耗品を用いるデバイスの嚥下の効果を、それが摂取された時の位置および配向を追跡することにより特徴付けてもよい。
位置の電磁気的リアルタイム確認
ある特定の態様において、市販のままの電磁気追跡技術を用いる。好適なシステムとしては、限定されるものではないが、Salt Lake City、UTのBard Access Systemsにより製造されるSherlock*II Tip Location System、またはOntario、CanadaのNDI Medical、Inc.により製造されるAurora Electromagnetic Tracking Systemが挙げられる。
Aurora System
いくつかの態様において、カテーテルの内部にセンサーを置くことにより、カテーテルを、Aurora Systemセンサーに統合させるために適合させる。他の態様において、センサーを、バルーンもしくは胃内デバイスなどの、システムの他の部品、またはここに記載される他の特徴に置いてもよい。適合性NDI Aurora System Hardware部品は、ミリメートル未満、精度未満を送達するリアルタイム電磁気追跡システムを用いて嚥下可能なカテーテルの内部に置かれたセンサーの追跡を可能にする。ソフトウェアを改変して、GE使用および消化管におけるカプセルの検出にとって適切なグラフィックユーザーインタフェースを作製した。
図1は、センサー1521を配置するための電磁気追跡システム1500の態様を記載する。システム1500は、電磁場発生器1510、システム制御ユニット1535、センサーインタフェースユニット1530、およびデジタルセンサー1521を有するカテーテル1503を含む。示される態様において、電磁場発生器1510は、電磁場を生成する。ここに記載される他の態様において、電磁場発生器1510は、例えば、超音波に基づくシステムにおける使用のための圧力波を生成してもよい(図27〜40を参照されたい)。図1に示されるように、電磁場発生器1510は、1つ以上の取り付け穴1511を含んでもよい。取り付け穴1511により、発生器1510を壁、支持体、または他の付属品に取り付けることができる。電磁場発生器コネクター1512は、電磁場発生器ケーブル1514をシステム制御ユニット1535に接続する。電磁場発生器コネクター1512は、19ピンの丸型金属コネクターであるが、他のコネクターを用いてもよい。
示されるように、電磁場発生器1510は平面状であってもよい。平面電磁場発生器1510は、低強度の、変化する電磁場を放出し、追跡する容積の位置を確立する(図6を参照されたい)。平面電磁場生成器1510は、既知の電磁場を生成するいくつかの大きいコイル(示さず)を含有する。電磁場発生器1510は、既知の容積の変化する磁束を作出する、一連の変化する磁場を産生する。この溶液は、特徴付けられた測定容積と呼ばれる。特徴付けられた測定容積の形状は、電磁場発生器の型およびそれが特徴付けられた方法に依存する。特徴付けられた測定容積は、データが収集され、電磁場発生器1510を特徴付けるために用いられた容積である。それは検出領域のサブセットである。検出領域は、電磁場発生器が、精度に関係なくセンサーを検出することができる全容積である。生成された磁場に関する測定容積を、例えば、図6に関して、ここでさらに詳細に考察する。容積は電磁場発生器1510の前面から外へ向かって突出し、電磁場発生器1510から50mmずらした。
平面電磁場発生器1510は、電磁場発生器1510を、例えば、図4に関してここにさらに詳細に記載される取り付けアームに取り付けるように設計された取り付けポイント1509を有してもよい。電磁場発生器1510は、電磁場発生器1510を固定具に固く取り付けることができる1つ以上の取り付け穴1511を有してもよい。示されるように、2つの取り付け穴1511は、M8タップ穴(ネジのピッチ1.25mm、深さ13mm)x4、側あたり2つである。しかしながら、より少ないか、または2つを超える取り付け穴1511が、様々な形状およびサイズで存在してもよい。
電磁場発生器1510はまた、卓上型電磁場発生器(示さず)であってもよい。卓上型電磁場発生器を、患者とテーブルとの間で患者テーブル上に置かれるように設計してもよい。卓上型電磁場発生器は、卓上型電磁場発生器の下に位置する伝導性材料または強磁性体材料により引き起こされる追跡ひずみを最小化する薄い障壁を含む。卓上型電磁場発生器は、既知の電磁場を生成するいくつかの大きいコイルを含有する。容積を、卓上型電磁場発生器の前面から外に向かって突出し、卓上型電磁場発生器から120mmずらしてもよい。卓上型電磁場発生器は、上記の平面電磁場発生器としての任意または全ての特徴および機能を含んでもよい。
電磁場発生器1510は、システム制御ユニット1535に接続される。発生器1510を、その間の信号の通信を可能にするケーブル1514によってシステム制御ユニット1535に接続してもよい。システム制御ユニット1535は、例えば、コンピューターまたは他の部品に接続するための、電源ケーブル1505および補助ケーブル1504、例えば、USBケーブルまたはシリアルRS−232ケーブルを含んでもよい。システム制御ユニット1535は、電磁場発生器1510に電力を供給してもよい。
システム制御ユニット1535は、センサーインタフェースユニット1530に接続される。システム制御ユニット1535を、ケーブル1534によってセンサーインタフェースユニット1530に接続してもよい。複数のケーブル1534によりシステム制御ユニット1535に接続される2つ以上のシステムインタフェースユニット1530が存在してもよい。ケーブル1534は、システム制御ユニット1535と1つ以上のセンサーインタフェースユニット1530との間の信号の電気的通信を可能にする。
システム制御ユニット1535は、システム1500の動作を制御してもよい。いくつかの態様において、システム制御ユニット1535は、システム1500の部品間のインタフェースを提供する。システム制御ユニット1535はまた、電磁場発生器1510に電力を供給する、および/または電磁場発生器1510の電磁気出力を制御してもよい。システム制御ユニット1535はまた、センサーデータを収集し(センサーインタフェースユニット1530により)、センサーの位置および配向を算出してもよい。次いで、システム制御ユニット1535は位置および配向のデータを、ホストコンピューターに送信する(図2を参照されたい)。したがって、システム制御ユニット1535はまた、コンピューターと連動してもよい。システム制御ユニット1535はまた、視覚的状態の指示を提供してもよい。
センサーインタフェースユニット1530は、カテーテル1503に接続される。カテーテル1503は、カテーテル1503の遠位末端にセンサー1521を含む。いくつかの態様において、センサー1521を、胃内デバイスと統合してもよい。センサー1521は、電磁気センサーである。いくつかの態様において、センサー1521は、超音波または電圧センサーまたはマーカーであってもよい。電圧センサーの使用は、例えば、図10Cに関して、ここにさらに詳細に考察される。ツール中に埋め込まれていてもよいセンサー1521は、1つ以上のシステムインタフェースユニット1530を介してセンサーインタフェースユニット1530に接続される。電磁気センサー1521が測定容積の内部に置かれる場合、電圧は、センサー1521中で誘導され、電磁場発生器1510により産生される変化する磁場により引き起こされる。誘導される電圧の特徴は、測定容積中のセンサー1521の位置および配向と、変化する磁場の強度および位相との組合せに依存する。
図2は、胃内デバイス1520を配置させるための電磁気センサー1506を有する電気期追跡システム1501の態様を記載する。システム1501は、1つ以上のセンサー1506を含むカテーテル1502と結合させた胃内デバイス1520を含む。システム1501は、コンピューター1540と電気的通信を行う、センサーインタフェースユニット1530、システム制御ユニット1535および電磁場発生器1510をさらに含む。
示されるように、システム1501は、非毒性的であり、感作を引き起こさない、および非刺激性である胃内デバイス1520を含む。胃内デバイス1520は、ここに記載されるバルーンまたは他の胃内デバイスのいずれかであってもよい。
胃内デバイス1520は、カテーテル1502に接続される。カテーテル1502は、胃内デバイス1520の近くのカテーテル1502の遠位末端に電磁気センサー1506を含む。いくつかの態様において、センサー1506を、カテーテル1503と胃内デバイス1520との間の中間コネクターなどの、システム1501の他の特徴と共に埋め込んでもよい。カテーテル1502は、小さい2Fr直径のカテーテルであってもよい。カテーテル1502は、1つ以上の小さい誘導センサーとしてセンサー1506を含んでもよい。さらに、外部参照センサー1622(図3Aを参照されたい)を、皮膚上などの、患者上に置いてもよい。外部参照センサー1622は、電磁場発生器1510と患者との間の参照の解剖学的枠組みを提供することが意図される。カテーテルセンサー1506は、それらがGE接合部を横断して食道を通って胃の中に移動する時の位置データを提供する。次いで、参照センサー1622およびカテーテルセンサー1506により収集されるデータは、ラップトップコンピューター上に表示される。電磁気センサーを、5または6の自由度について特徴付けることができる。
カテーテル1502は、センサーインタフェースユニット1530に接続される。いくつかの態様において、カテーテル1502は、センサーインタフェースユニット1530に直接的に接続される。他の態様において、カテーテル1502は、例えば、図3Aに関してここにさらに詳細に記載される、中間ジャンパーケーブルを介して、センサーインタフェースユニット1530に間接的に接続される。センサーインタフェースユニット1530は、センサー1506からの電気信号を増幅し、デジタル化する。センサーインタフェースユニット1530はまた、データノイズの可能性を最小化しながら、システム制御ユニット1535とセンサー1506との増大した距離を提供する。
システム1501は、システム制御ユニット1535を含む。システム制御ユニット1535は、その間の電気的通信を可能にするケーブルによってシステムインタフェースユニット1530に接続される。システム制御ユニット1535は、システムインタフェースユニット1530から情報を収集し、各センサー1506の位置および配向を算出し、コンピューター1540と連動する。
システム制御ユニット1535は、その間の電気的通信を可能にするケーブルによって電磁場発生器1510に接続される。電磁場発生器1510は、磁場1515を生成する。磁場1515は、胃内デバイス1520と、カテーテル1502中の胃内デバイス1520の近くに配置されたセンサー1506とを包含する。磁場1515とセンサー1506との相互作用は、システムインタフェースユニット1530に検出および伝送される電気信号を作出し、信号をシステム制御ユニット1535に伝送し、信号をコンピューター1540に伝送する。
コンピューター1540は、ケーブル1504によってシステム制御ユニット1535に接続される。ケーブル1504は、コンピューター1540と、システム制御ユニット1535との間の電気的通信を可能にする。コンピューター1540は、ディスプレイ1542を含む。ディスプレイ1542は、識別子1544を示す。識別子1544は、胃内デバイス1520およびカテーテル1502と共に配置された様々なセンサーの位置を示す。示されるように、胃内デバイス1520上のセンサー1506の位置ならびに例えば、図3に関してここにさらに詳細に考察される他の参照解剖学的センサーの位置に対応する複数の識別子1544が存在する。
システム1501は、電源投入して、カテーテルセンサー1506の存在、動き、および配向の変化を検出することができる。いくつかの態様において、センサー1506は、電磁場発生器1510の中心点から30cmの範囲に置かれた場合に検出される。いくつかの態様において、センサー1506のための検出範囲は、電磁場発生器1510の中心点で45cmより大きい。いくつかの態様において、システム1501は、電磁場発生器1510の中心点から30cmの範囲に置かれた場合、X方向に±2cmの境界内に電磁場発生器1510の2つの下側の角を、遠位センサー1506と共に配置することができる。
図3Aは、ヒト患者の体内に胃内デバイス1620を配置させるためにセンサーを用いるための電磁気追跡システム1601の態様を記載する。システム1601は、支持体1605上に取り付けられた電磁場発生器1610を含む。支持体1605は、金属、プラスチックまたは他の好適な材料から形成される支持構造であってもよい。支持体1605は、患者の位置と比較して電磁場発生器1610の位置を調整するために調整可能であってもよい。いくつかの態様において、支持体1605は、患者の変化する高さに適応するために上下に動くことができる。この様式で、電磁場発生器1610を、磁場が対象の領域上、例えば、患者の上半身および腹部で生成されるように配置してもよい。
示されるように、患者は、電磁場発生器1510であってもよい、電磁場発生器1610の前に立ってもよい。患者は、胃内デバイス1520であってもよく、今や患者の体内にある、胃内デバイス1620を摂取している。胃内デバイス1620は、カテーテル1502であってもよい、カテーテル1602に接続される。カテーテル1602は、その遠位に、胃内デバイス1620の近くに配置された電磁気センサー(示さず)を含む。したがって、電磁場発生器1610は、電磁気センサーと相互作用する磁場を生成する。電磁気センサーは、センサーインタフェースユニット1535であってもよいセンサーインタフェースユニット1630と、電気的通信を行う。電気的通信は、カテーテル1602を通ってセンサーインタフェースユニット1630に伸びるセンサーに接続された配線により提供される。磁場の存在のため電磁気センサーにより生成された電気信号は、センサーインタフェースユニット1630に伝送される。
システム1601はまた、外部解剖学的参照センサー1622も含む。外部参照センサー1622は、電磁場発生器1610と患者との間の参照の解剖学的枠組みを提供してもよい。小さい誘導電流がセンサー1622によって生成されるが、それらは追跡容積の内部にある。例示されるように、3つの解剖学的参照センサー1622が含まれるが、2つのみを図3Aに示す。いくつかの態様において、3つの解剖学的参照センサー1622よりも多いか、または少なくてもよい。センサー1622は、電気ケーブル1623によってセンサーインタフェースユニット1630に接続される。センサー1622は、電磁場発生器1610により生成された磁場1611に応答する。磁場の存在下では、センサー1622は電流または他の信号を生成し、これはセンサーインタフェースユニット1630に伝送される。
システム1601はまた、ジャンパーケーブル1626も含む。ジャンパーケーブル1626は、カテーテル1602からセンサーインタフェースユニット1630に向かう電気的連続性を提供するSROMチップを含有する。ジャンパーケーブル1626は、センサーインタフェースユニット1630とカテーテル1602との間の誤接続を防止するためのコネクターのオス−メス変換器を提供してもよい。ジャンパーケーブル1626のさらなる詳細は、例えば、図12に関してここに記載される。
システム制御ユニット1635は、ケーブル1604によりコンピューター1640に接続される。ケーブル1604は、システム制御ユニット1635とコンピューター1640との間の電気的通信を可能にする。コンピューターは、ディスプレイ1642を含む。ディスプレイ1642は、センサー識別子1644の位置ならびに3つの解剖学的識別子1646の位置を示す。センサー識別子1644は、センサーの位置およびカテーテル1602の遠位末端を指示する。解剖学的識別子1646は、解剖学的参照センサー1622の位置を指示する。
解剖学的参照センサー1622は、患者の上に固定され、電磁気センサーを配置する参照の枠組みを提供する。固定された既知の位置を有することにより、解剖学的参照センサー1622を用いて、電磁気センサー、したがって、胃内デバイス1620を正確に配置してもよい。参照センサー1622の位置は、解剖学的識別子1646としてディスプレイ1642上に示すが、電磁気センサーはセンサー識別子1644としてディスプレイ1642上に示す。患者の身体上のセンサー1622の位置、および解剖学的識別子1646に対するセンサー識別子1644の相対的位置を知ることにより、体内の電磁気センサー、したがって、胃内デバイス1620の位置を決定することができる。
ラップトップコンピューターであってもよいコンピューター1640は、カテーテル1602の位置、ならびに参照センサー1622の位置の「リアルタイム」表示をエンドユーザーに提供するように設計されたシステム特異的ソフトウェアプログラムを含有する。システム1601を、それぞれの使用前に較正してもよい。センサーは、較正サイクル中およびカテーテル1602が範囲内にある場合に周囲の磁場のバックグラウンド測定を行い、センサーは磁場の変化を検出し、そのデータを、コンピューター1640中に存在するソフトウェアプログラムに通信する。ソフトウェアはデータを分析し、コンピューターディスプレイ1642上に様々なセンサーの位置を提示する。いくつかの態様において、センサーまたはコンピューター1640によって、磁気エネルギーは生成されないか、またはほとんど生成されない。
胃内デバイス1620は、嚥下可能なカテーテル1602に接着されたバルーンカプセルの患者による嚥下によって投与される。カテーテルの投与を、カテーテルがGE接合部を通って食道から胃の中へ移動する時にカテーテルを可視化しながら行うことができる。使用のための説明書(示さず)を、システム1601と共に提供してもよい。説明書は、カテーテル1602を投与する方法、患者が投与中および投与後に予想すべきこと、ならびに手順の完了後にカテーテル1602を回収する方法に関する情報を提供してもよい。
カテーテル1602に接続される胃内デバイス1620は、嚥下されるように設計され、それがGE接合部を通って胃に向かって移動する時に様々なセンサーによって追跡される。デバイス1620は、嚥下された後に外部カプセルの分離を開始するように設計される。いくつかの態様において、デバイス1620は、嚥下された後、約2分で外部カプセル分離を開始する。カテーテル1602の完全な配置および除去には、それぞれの嚥下手順について約10分かかってもよい。いくつかの態様において、患者は3つのカテーテルを嚥下してもよく、したがって、これらの対象に関する嚥下手順の合計時間は、約30分である。それぞれの嚥下手順の完了後、カテーテル1602は、単に口を通してそれを引き戻すことによって除去される。
システム1601を、アプリケーションプログラムインタフェース(API)(示さず)を用いて制御してもよい。APIは、構成を可能にし、システム1601からの情報を要求するコマンドセットである。システム1601は、コンピューター1640によって要求された場合にのみ、情報を戻してもよい。いくつかの態様において、システム1601は、自動的に、例えば、設定された間隔で、または連続的に、情報を戻してもよい。
システム1601がデバイス1620を追跡している場合、それはセンサーに関する情報をコンピューター1640に戻す。システム1601は、電磁場発生器1610の座標系における、mmで与えられる各センサーの原点の位置を戻してもよい。システム1601は、四元数形式で与えられる、各センサーの配向を戻してもよい。四元数値は概数にされ、したがって、戻った値は正規化されなくてもよい。システム1601は、誤差指示値を0〜9.9の間に戻してもよい(ここで、0は誤差の非存在であり、9.9は最も高い誤差指示である)。システム1601は、各センサーの状態を戻してもよく、センサーが電磁場容積から外れている、容積から部分的に外れている、または失っているかどうかを示す。システム1601は、各センサーの転換のフレーム数を戻してもよい。フレームカウンターは、システム1601が電源投入されてすぐに始まり、APIコマンドを用いてリセットすることができる。転換と共に戻ったフレーム数は、その転換を算出するために用いられたデータが収集されたフレームに一致する。システム1601は、システムエラーを含んでもよいシステム1601の状態を戻してもよい。
様々なセンサーは5の自由度(5DOF)であるか、または6の自由度(6DOF)であってもよい。5の自由度は、x、yおよびz軸上の3つの翻訳値ならびに3つの回転値、ロール、ピッチ、およびヨーのいずれか2つに関する情報を提供する。6の自由度は、x、yおよびz軸上の3つの翻訳値ならびに3つの回転値、ロール、ピッチおよびヨーに関する情報を提供する。ただ1つのセンサーが組み込まれる態様において、センサーの縦軸の周りの回転を決定することができない。このように、単一センサーの態様については、5の自由度(5DOF)のみを決定することができる。例えば、針が物理的にどれぐらい回転するかは、それが指し示している場所および先端が位置する場所ほど重要ではない。このように、針は5DOFのツールであってもよく、ただ1つのセンサーがその設計中に組み込まれる。
互いに対して固定され、理想的には直交する2つのセンサーを含む態様において、システムは6の自由度(6DOF)を決定することができる。第1に、システムは、各センターについて5DOFの情報を決定する。次に、システムはこの情報を組合せ、比較し、固定された位置データを適用し、6の自由度(6DOF)を決定する。
例えば、超音波技師は、超音波プローブが対象の上を移動するにつれてその位置を知り、その対象上の実際の物理的位置に対してその知見を一致させる必要がある。2つのセンサーを超音波プローブに組み込むことにより、6DOFの測定がもたらされ、プローブの全ての翻訳値および回転値が捕捉されることが確保される。
電磁場発生器1610は、電磁場発生器1610のほぼ表面上に位置する原点を有する座標系を用いてもよい。このグローバル座標系を、製造中に定義してもよい。システム1601は、グローバル座標系における転換を報告してもよい。しかしながら、参照ツール(示さず)を用いるいくつかの態様において、ソフトウェアは参照ツールのローカル座標系における転換を算出し、報告することができる。
各センサーは、それ自身、原点および3つの軸により定義されるローカル座標系を有する。ローカル座標系は、測定プロセスの一部である。いくつかの態様において、単一センサーが存在してもよい。単一センサーのローカル座標系は、センサーのものに直接基づく。デフォルトにより、システムはセンサーの長さに沿ってz軸を割り当て、センサーの中心に原点を割り当てる。原点をz軸に沿って動かすことができる。z軸に関する回転を決定することができないため、xおよびy軸は固定されない。
いくつかの態様において、5DOFを有する二重センサーが存在してもよい。二重の5DOFセンサーは、本質的には同じセンサー本体コネクターに連結された2つの単一センサーである。このように、センサーは実際に、それぞれ、その設計中に組み込まれたセンサーの1つに基づく、2つのローカル座標系を有する。これらのローカル座標系は、単一センサーのものと同じように決定される。
いくつかの態様において、システム1601は、タブレット、ツール、留め具などの金属の物体を有する。これは、電磁気センサーを用いる場合に問題を作出することがあり、したがって、システム1601はしたがってある特定の金属に対して耐性であってもよい。電磁気測定システムの近くに金属を置くことにより引き起こされる問題は、渦電流に関するものである。渦電流は、伝導性材料が動的磁場に曝露された場合に引き起こされる。変化する磁場は、伝導性材料内での電子の循環流を誘導し、電流をもたらす。これらの循環電流(渦電流として知られることもある)は、それ自身の電磁気効果を生成し、元の外部磁場に対抗する磁場を作出する。導体の電導性が高いほど、多くの渦電流が発生する(対抗する磁場が多く生成される)。
伝導性金属が電磁場1611と交差する場合、得られる渦電流により作出される対応磁場は、その磁場を破壊し、生成される転換データに影響する。この効果を軽減する1つの方法は、測定されるセンサーと、渦電流を生成する物体の両方の位置を調整することである。センサーと電磁場発生器1610との間の距離が、渦電流を作出する物体のその近くよりも小さくなるようにセンサーを動かすことにより、センサー測定に対する渦電流の効果を減少させてもよい。
考慮すべき別の状況は、金属ループ中の渦電流の効果である。ループは、金属テーブルフレーム、またはコンクリート強化バーのような構造物中で生じてもよい。ループの切断は、渦電流の効果を軽減する。ループの切断が選択肢でない場合、ループの効果を最小化するようにシステム1601を配置する。いくつかの態様において、システム1601は、渦電流のような効果を考慮に入れるために特殊な技術を用いる。以下の金属合金は、医学的ツール構築において用いられるものと類似する量で適用された場合、システム1601と共に良好に作用する:コバルト−クロム合金、スチールDIN1.441、チタン(TiA16V4)および300シリーズのステンレススチール。
さらに、強磁性材料は一般に、正味の磁気特性をほとんど有さないか、または全く有さない。しかしながら、それが磁場1611に置かれた場合、その領域は、その磁場と平行に向き直り、電磁場1611が止まった場合でも向き直ったままであってもよい。ほんの少量の鉄材料を中に含む金属でも、これらの反応を有してもよい。
強磁性物体中で生成される磁場は、外部磁場1611を誘引し、外部磁場1611を物体自身に向かって曲げる。このように、システム1601の電磁場1611への強磁性物体の導入は、生成される転換データに影響し得るひずみを引き起こす。
図3Bは、図3Aに示されるシステム1601からの患者の背面図である。図3Bに示されるように、患者は、患者の背面に取り付けられた3つの外部解剖学的参照センサー1622を有する。センサー1622は、一般的には、三角構成に配置される。いくつかの態様において、センサー1622を、直角、環状、またはその他などの異なる構成に配置してもよい。センサー1622は、ケーブル1623により、センサーインタフェースユニット1630などの、システム1601の他の部品に接続される。いくつかの態様において、センサー1622を、システム1601の他の部品に無線接続してもよい。さらに示されるように、患者は、電磁場発生器1610の前に直接立っている。いくつかの態様において、患者は発生器1610の前に直接立っている必要はない。
図4は、支持体1655を含み、ヒト患者1651の体内に胃内デバイス(示さず)を配置するためのセンサー(示さず)を用いる電磁気追跡システム1650の態様を記載する。システム1650は、ここに記載される電磁場発生器1510、1610であってもよい、電磁場発生器1660の前に立っている患者1651を含む。発生器1660は、調整可能であるアーム1670と結合される。アーム1670を、電磁場発生器1660が患者1651の隣に位置するように調整してもよい。アーム1670はまた、電磁場発生器1660が患者1651の胃の近くに磁場を生成するように、それを調整してもよい。アーム1670は、垂直的ならびに水平的に電磁場発生器1660を調整してもよい。アーム1670はまた、例えば、横になっている患者に適応させるために、電磁場発生器1660を回転させることもできる。
システム1650は、コンピューター1690を支持する支持体1655を含む。支持体1655は、垂直方向に調整可能である。いくつかの態様において、支持体1655は他の方向に調整可能であってもよく、例えば、それは水平方向に調整する、回転などしてもよい。支持体1655は、コンピューター1690およびシステム1650の他の部品を置くか、または取り付けてもよい表面を含む。支持体1655はまた、支持体1655を転がすことができる4つの車輪1666も含む。いくつかの態様において、支持体1655は、より少ないか、または4つより多い車輪1666を含んでもよい。
支持体1655を、転倒を回避するように設計してもよい。いくつかの態様において、支持体1655は、転倒することなく任意のXまたはY方向に水平面から10°の傾斜に耐えてもよい。いくつかの態様において、支持体1655は、転倒することなく、任意のXまたはY方向に全重量の25%に等しい負荷に耐えてもよい。
図5は、図2〜4のシステムと共に用いることができるディスプレイの態様を記載する。ディスプレイ1700は、スクリーン1710を含む。スクリーン1710は、様々なセンサーに対応する様々な識別子の位置を表示する。スクリーン1710は、コンピューター上のディスプレイであってもよい。スクリーン1710はまた、様々な他の機械上にあってもよい。
示されるように、ディスプレイ1700は、識別子1720および1725の位置を含む。識別子1720は、カテーテルと結合したセンサーの位置に対応する。例えば、識別子1720は、電磁気センサー1506およびカテーテル1502の位置に対応してもよい。識別子1720はまた、胃内デバイス1620およびカテーテル1602と結合したセンサーの位置に対応してもよい。
ディスプレイ1700はまた、トレース1722を含んでもよい。トレース1722は、識別子1720が時間と共に移動した通り道を示してもよい。したがって、トレース1722は、センサーが患者の体内で移動した通り道を示してもよい。示されるように、トレース1722は、示されるような垂直断面、次いで、トレース1722の底部近くの屈曲部を有してもよい。いくつかの態様において、トレース1722中の屈曲部は、患者の胃の中を通って移動するセンサーの通り道を示す。したがって、トレース1722の通り道は、センサーの位置、したがって、胃内デバイスの位置を示してもよい。
識別子1725は、外部解剖学的参照センサーの位置に対応してもよい。例えば、識別子1725は、3つの解剖学的参照センサー1622の位置に対応してもよい。示されるように、識別子1725は、一般的には三角形状を形成する。これは、例えば、一般的には患者の背部に配置されるセンサー1622の三角構成に対応してもよい。患者に対する識別子1725の位置、および識別子1725に対する識別子1720の相対的位置を知ることにより、センサーの位置、したがって、体内の胃内デバイスの位置を決定してもよい。図5に示されるように、識別子1720の位置は、胃の内部に上手く置かれた胃内デバイスを示してもよい。示されるディスプレイ1700は、単なる一例であり、他の好適なディスプレイを実装してもよい。いくつかの態様において、スクリーン1710は、様々な識別子の配置を容易にするためのマーキングまたは他の参照点を含んでもよい。
図6は、図2〜4のシステムと共に用いてもよい、電磁場発生器および対応する磁場エンベロープの態様を記載する。エンベロープ1815は、センサーが、電磁場発生器1810からの生成された磁場と相互作用してもよい容積を表す。エンベロープ1815は、一般的には円筒形状で示される。いくつかの態様において、エンベロープ1815は、様々な形状を有してもよい。
図7は、図2〜4のシステムと共に実装してもよいシステム制御ユニット1910上の制御パネル1915の態様を記載する。パネル1915は、システム制御ユニット1910の背面にあってもよい。
パネル1915は、電磁場発生器ポート1920および複数のセンサーインタフェースユニットポート1925および状態表示ライト1926を含む。ポート1920を用いて、システム制御ユニット1910を他の装備と同期させてもよい。センサーインタフェースユニット1925は、センサーインタフェースユニットをシステム制御ユニットに接続し、接続されたセンサーとの通信を可能にする。例えば、ポート1925を用いて、センサーインタフェースユニット1630をシステム制御ユニット1635に接続して、センサー1506との通信を可能にしてもよい。状態表示ライト1926は、対応するポート1925がセンサーまたはカテーテルに接続されるかどうかを示してもよい。
図8は、図2〜4のシステムと共に実装してもよいセンサーインタフェースユニット2030の態様を記載する。センサーインタフェースユニット2030は、センサーと、システム制御ユニット1535または1635などのシステム制御ユニットとのインタフェースである。センサーインタフェースユニット2030の主な機能は、センサーにより生成されたアナログ信号を、デジタル信号に変換することである。デジタル信号は、プロセッシングのためにシステム制御ユニットに送られる。センサーインタフェースユニット2030の別の機能は、システム制御ユニットとセンサーとの距離を増大させ、長いツールケーブルの必要性を除去し、適用空間から遠い嵩高いシステム部品を保持することである。さらに、ツールケーブルが短いほど、センサーから信号上に現れるノイズが少なくなる。いくつかの態様において、それぞれのセンサーインタフェースユニット2030は、2つまでの5DOFセンサー、または1つの6DOFセンサーを支援することができる。
センサーインタフェースユニット2030は、センサーポート2040およびケーブル2045を含む。センサーポート2040は、センサーインタフェースユニット2030を、センサー1506などのセンサーに接続する。センサーポート2040は、10ピンの丸型プラスチックコネクターであってもよい。ケーブル204は、センサーインタフェースユニット2030を、システム制御ユニット1535または1635などのシステム制御ユニットに電気的に接続する。
図9は、図2〜4のシステムと共に用いてもよい統合センサー2115を含むカテーテル2100の態様を記載する。カテーテル2100は、カテーテル2100の長さに沿って伸びるシャフト2110を含む。シャフト2110は、電線を伸長させて、センサー2115に取り付けてもよい中空チャネルを形成する。カテーテル2100は、センサー2115と反対の末端にプラグ2120を含んでもよい。プラグ2120は、センサーインタフェースユニット1530または1630などのセンサーインタフェースユニットと結合してもよい。いくつかの態様において、プラグ2120は、システム制御ユニットに取り付けられるジャンパーケーブルと結合する。
図10Aは、図2〜4のシステムと共に用いてもよい、カテーテル2101およびセンサー2114の別の態様を記載する。カテーテルは、センサーインタフェースユニットへの接続を可能にするための約40インチのポリウレタン(pellethane)伸長チューブに結合される嚥下可能なカテーテル(約30インチ)を含有する、可撓性の親水コーティングされた、2−Frのカテーテルである。カテーテルの遠位末端は、1つは遠位末端に、第2は遠位先端から約6インチのところにある2つの小さい誘導センサーを含有する。カテーテル2101内のセンサーがGE接合部を通って食道から胃の中へ動くにつれて、センサーは電気信号をセンサーインタフェースユニットに提供する。これらの電気信号の特徴は、センサーと電磁気発生器との間の距離および角度に依存する。
いくつかの態様において、カテーテル2100または2101などの様々なカテーテルの遠位末端を、接着プラグを用いて密封する。カテーテルの遠位末端に付着されるのは、食品等級の糖を含有する親水性コーティングを有する31x12.41mmの医薬品等級のブタゼラチンカプセルである。カテーテル2101は、潤滑性を提供するための親水性コーティングを有する嚥下可能なカテーテルを提供するPebax(登録商標)(ポリエーテルブロックアミド)およびポリビニルピロリドンから形成される2Frのカテーテルシャフトを含んでもよい。カテーテルは、カテーテルを追跡するための電気信号を提供するエポキシ中に包み込まれた銅コイルを含むセンサーを含んでもよい。カテーテルは、嚥下のために食品ボーラス重量を模倣する食品等級の糖を含有するTorpac、Inc.(New Jersey、USA)により供給されるUSP等級の硬質ブタゼラチンカプセルから形成される外部カプセルを含んでもよい。外部カプセルは、潤滑性を提供するためのポリビニルピロリドン親水性コーティングを有してもよい。カテーテルは、カテーテルシャフト上にゼラチンカプセルを保持する強度を提供する熱可塑性ポリウレタンエラストマーから形成される遠位ひずみ緩和を含んでもよい。カテーテルは、センサーインタフェースユニットへの付着のためのカテーテルの長さを伸長させる熱可塑性ポリウレタンエラストマーから形成される伸長チューブを含んでもよい。カテーテルは、可視化の間にカテーテルの先端に対する視認性を提供するための316ステンレススチールから形成されるマーカーバンドを含んでもよい。カテーテルは、カテーテルの押し出された部品を一緒に連結するため、および流体接触からセンサーを密封するためのUV硬化性である接着剤を含んでもよい。カテーテルは、カテーテルとセンサーインタフェースユニットとの通信を提供する4ピンコネクターを含んでもよい。コネクターを、PBT−スチール−黄銅材料から形成させてもよい。カテーテルは、4ピンコネクターを伸長チューブに取り付けるためのひずみ緩和を提供する熱収縮コネクターを含んでもよい。熱収縮コネクターを、フルオロポリマーから形成させてもよい。
図10Aに示されるように、カテーテル2101は、近位ルアー(luer)ハブ2111を含んでもよい。ルアーハブ211は、末梢部品を付着させる、またはカテーテル2101を保持させてもよい。カテーテル2101はまた、カテーテル針、モノフィラメント糸、および針保持器を含むカテーテル内部アセンブリ2112を含んでもよい。カテーテル2101はまた、針アセンブリ2112を取り囲み、それを保護する針スリーブ2114を含んでもよい。カテーテル2101を、センサー2116と共に示す。いくつかの態様において、センサー2116は、Ontario、CanadaのNorthern Digital Inc.により製造される0.3x13mmの5DOFセンサーである。しかしながら、他のセンサーを実装してもよい。
カテーテル2101はまた、Yポート2118を含んでもよい。Yポート2118は、カテーテル2101の様々な特徴を一緒に接続するスプリッターであってもよい。いくつかの態様において、Yポート2118は、ルアーハブ2111およびひずみ緩和チューブ2122を、カテーテル突出(bump)チューブ2126と接続する。ひずみ緩和チューブ2122は、Yポート2118から軸外へ伸長し、コネクター2124と接続してもよい。コネクター2124は、コネクタースペーサー2128およびUV硬化接着剤2130を含んでもよい。接着剤2130はまた、カテーテル2101の他の位置、例えば、センサー2116の境界面およびカテーテル突出チューブ2126、および示される他の場所で用いてもよい。
カテーテル2101は、強固な機械的特性を有してもよい。いくつかの態様において、カテーテル2101は、Peebaxカテーテルシャフトの中心部分でねじれることなく、0.5cm半径のマンドレル上で180°曲がることができる。胃内デバイスは、37℃の水の中に沈めた場合、カテーテル2101から分離してもよい。カプセルとカテーテル2101との接着剤2130による結合は、室温の水の中で20秒間、予め条件付けられた場合、150グラムを超えた場合に機能しなくなる。ひずみ緩和チューブ2122とカテーテルチューブ2126との接着剤2130による結合は、1を超えるフィートポンドで機能しなくなる。カテーテル2101とマーカーバンドとの結合は、1を超えるフィートポンドで機能しなくなる。伸長チューブとカテーテルチューブ2126との結合は、1を超えるフィートポンドで機能しなくなる。
図10Bは、図10Aのカテーテルと共に実装してもよい電磁気センサー2116の態様を記載する。センサー2116は、センサー本体2117を含む。本体2117は、細長く、一般には円筒状である。しかしながら、本体2117は、様々な形状を有してもよい。本体2117は、電磁場に応答する金属または他の材料から形成される。本体2117は、縦軸2119に関して対称的である。本体2117は、幾何学的中心2121を含む。
センサー2116は、幾何学的中心2121および縦軸2119により定義されるそれ自身のローカル座標系を有する。残りの2つの軸は、縦軸2119と直交し、中心2121と交差する。いくつかの態様において、z軸はセンサーの長さに沿って伸長し、したがって、示されるような縦軸2119と一致し、その原点はセンサーの中心2121である。しかしながら、原点をz軸に沿って動かすことができる。5DOFのセンサー2116に関しては、z軸の周囲での回転を決定することができないため、直交するXおよびY軸は固定されない。
5DOFのセンサー2116に関して、x、yおよびz軸上の3つの翻訳値ならびに3つの回転値、ロール、ピッチおよびヨーのうちのいずれか2つに関する情報を提供してもよい。しかしながら、センサーの縦軸2119の周囲の回転を決定することはできない。このように、5の自由度(5DOF)のみを、単一センサーの態様について決定することができる。
図10Cは、図10Aのカテーテルと共に実装してもよい電圧センサー2160の態様を記載する。いくつかの態様において、電圧センサー2160は、Redwood、CaliforniaのProteus Digital Healthによって摂取可能な事象マーカーのために開発されたマイクロサイズの集積回路(IC)を含んでもよい。マイクロサイズの集積回路(IC)は、嚥下可能なバルーンカプセルの内部に埋め込まれる。回路が胃液に曝露された場合、それは電解質を回路に提供し、回路の表面上に構築されたバッテリーに電力を供給する。次いで、ICの電源が入り、身体に取り付けられた受信機と通信する。次いで、受信機はスマートフォンまたはタブレットコンピューターのような外部デバイスと通信して、カプセルが患者の胃液に到達した場合に関する情報を医療提供者に提供する。
いくつかの態様において、ICは、電磁気追跡システムのデバイス1520または1620などの胃内デバイスと結合される。一度、デバイスが胃に到達したら、それはバッテリーに電力を供給し、その受信機と通信するための電解質を提供され、デバイスが胃の内部にあることを示す。次いで、ICはバルーンカプセルから分離し、消化管を自然に通過する。
代替的な態様は、図10Cに示されるように、陽極2165および陰極2170をセンサー2160中に埋め込むことにより、胃内デバイスの近くで電位を作出することを含む。いくつかの態様において、陽極2165および陰極2170は、カテーテル2101などのカテーテル中に埋め込まれる。陽極2165および陰極2170は、電解質(胃液など)の存在下にある場合、電極間に電位を作出する。この生成された電圧を、小型磁気ワイヤを用いてカテーテルを通過させ、電圧を分析し、カテーテルが胃に進入したことを十分に確信できる閾値電圧レベルの確認を報告するシステムに接続する。一度、閾値電圧の確認を受信したら、バルーンを膨張させた後に、電極が取り付けられたカテーテルを身体から引き出し、したがって、陽極/陰極材料を摂取する潜在的なリスクを除去する。
ICシステムまたは陽極/陰極構成のいずれかを有する、電圧センサー2160の利点は、電圧センサー2160が、それが胃液の存在下にある場合に位置の確認のみを提供し、したがって、医師が胃の外でバルーンを永続的に膨張させるのを防ぐことができるということである。
カテーテル電極システムの別の利点は、バルーンの展開後に外来の材料が患者の体内に放置されないということである(バルーンシステムそのもの以外)。
別の態様は、電極が胃液に曝露される時のタイミングを制御し、したがって、電圧生成のタイミングを制御することができる、胃内デバイスまたはカテーテル上での特異的コーティングの使用を含む。これらのコーティングは、曝露時間を加速するために親水性であるか、低いpH値(5.0未満)でのみ可溶性であるか、または曝露時間を遅らせるために腸溶コーティングされていてもよい。
図11は、図2〜4のシステムと共に解剖学的参照センサーとして用いてもよい外部参照センサーアセンブリ2200の態様を記載する。アセンブリ2200は、ケーブル2210に接続されたセンサー2215を含む。ケーブル2210の反対の末端には、システム制御ユニット1535または1635などのシステム制御ユニットにアセンブリ2200を接続するためのコネクター220である。センサー2215は患者の背面に取り付け、固定してもよい。センサー2215を、機械的手段または他の好適な手段、例えば、衣服への付着のための接着剤またはクリップを用いて患者に固定してもよい。
図12は、図2〜4のシステムと共に用いてもよいジャンパーケーブル2300の態様を記載する。ジャンパーケーブル2300は、センサーインタフェースユニットとカテーテルとの、例えば、図3Aのシステム1601のセンサーインタフェースユニット1630とカテーテル1602との誤接続を防止するためのコネクターオス−メス変換器を提供してもよい。ケーブル2300は、コネクター2310を含む。コネクター2310は、4ピンのメスコネクターであってもよいが、他のコネクター型を用いてもよい。ケーブル2300は、ケーブル2300の長さに沿って熱収縮チューブ2340をさらに含む。コネクター2310と反対の末端には、EPROMチップ2320を有する第2のコネクター2330である。第2のコネクター2330は、10ピンのオスコネクターであってもよいが、他のコネクター型を用いてもよい。
位置の磁気的リアルタイム確認
ある特定の態様において、市販のままの磁気追跡技術を用いる。好適なシステムとしては、限定されるものではないが、Kirkland、WAのLucent Medical Systems、Inc.により開発された磁気センサーシステムが挙げられる。上記のNDI、Inc.からのAuroraシステムを含む態様などの、電磁気に基づくシステムを用いる態様は、上記の能動的電磁気センサーを用いることに留意されたい。これは、Lucent Systemを含む態様などの受動的磁気センサーを用いる態様、および以下にさらに詳細に記載される態様とは対照的である。
Lucent System
Lucent Medical Systems技術は、米国特許第5,879,297号、米国特許第6,129,668号、米国特許第6,216,028号、および米国特許第6,263,230号に記載されており、これらの内容はその全体が参照によりここに組み込まれる。Lucent技術は一般に、患者の体内の胃内デバイスの位置を検出するためのシステムおよび方法、より具体的には、胃内デバイスと結合する磁石により生成される磁場強度を感知する検出装置に関する。
Lucentシステムを用いて、胃内デバイス、例えば、胃内バルーン、または胃内バルーンを配置する、膨張させる、収縮させる、および/もしくは除去するために用いられるカテーテルの1つ以上の部分を配置することができる。胃内デバイスの位置は、胃内デバイスと結合する永久磁石によって生成される磁場を感知することにより決定される。ここで用いられる用語「と結合する」とは、胃内デバイスに永久的に固定される、解放可能に取り付けられる、またはその近くに置かれることを意味する。一態様において、磁石は、胃内バルーンより上の位置でカテーテルと結合される。別の態様において、磁石は、胃内バルーン自体と結合される。磁石は、小さく、円筒状の、回転可能に取り付けられる、希土類磁石であってもよい。好適な磁石としては、サマリウムコバルトおよびネオジム鉄ボロンなどの希土類磁石が挙げられ、それらは両方とも、単位容積あたり高い磁場強度を生成する。そのサイズあたり高い磁場強度を生成する磁石が好ましいが、アルニコ、セラミック、または鉄磁石などのより弱い磁石を用いてもよい。
磁石は永久的であるため、それは電源を必要としない。したがって、磁石はその磁場を無期限に維持し、内部または外部電源と関連する欠点なしに胃内デバイスの長期の配置および検出を可能にする。特に、電源の使用を回避することにより、電源の使用にとって必要な望ましくない電気的接続が回避される。したがって、患者に対する電気ショック(または患者の感電死の可能性)の危険性はない。さらに、磁石の静的磁場は、減衰しないまま体組織および骨を通過する。この特性により、患者の体内の任意の位置で胃内デバイスを検出するためのデバイスの使用が可能になる。
患者の体内に医療用チューブを配置するための1つの公知の技術は、米国特許第5,425,382号に記載されており、それはその全体が参照によりここに組み込まれる。その先端に永久磁石が配置されたチューブを患者に挿入する、例えば、供給チューブを、患者の鼻に挿入し、食道を下方へ、胃に入れる。検出装置を用いて、2つの異なる距離で、地球の周囲磁場に入れながら、磁石の静的磁場強度を感知する。2つの異なる距離で静的磁場強度を測定することにより、検出装置は磁場勾配を決定する。検出装置が患者の身体の周りを移動するにつれて、より高い、およびより小さい磁場勾配が示される。検出装置によって最大の大きさが示されるまで、検出装置を動かすことにより、チューブを配置する。
全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第5,425,382号に記載の検出装置は、第1および第2の磁気センサーを用いる。磁気センサーは、磁場勾配を検出するためのフラックスゲートトロイダルセンサーをそれぞれ含んでもよい。代替的な磁場勾配検出器システムは、全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第5,622,169号に記載されている。磁気センサーは、3つの直交的に配置されるフラックスゲートトロイダルセンサーエレメントをそれぞれ含む。磁気センサーは、3つの直交方向で磁場強度を測定するために直交的に配置される磁気センサーエレメントを含む。同様に、磁気センサーは、それぞれ、x、y、およびz方向で磁場強度を測定するための磁気センサーエレメントを含む。センサーを用いて、磁場勾配をx、y、およびz方向で決定してもよい。3方向での磁場勾配の測定を用いて、磁石の位置を従来のベクトル数学を用いて容易に決定してもよい。磁気勾配の数的兆候は、磁石の磁場双極子の方向を示す。磁石、したがって、胃内デバイスは、磁石により生成される磁場強度勾配を依然として検出しながら、周囲の均一な磁場(例えば、地球の磁場)の検出をゼロにするように幾何学的に構成される少なくとも2つの静的磁場強度センサーを含有する公知の検出装置を用いて検出される。磁石検出装置は、2つのセンサーでの磁場強度の差に基づいて磁石の位置を検出する。しかしながら、磁石の位置および配向に関するさらなるデータを提供するために、異なるセンサー構成を有する磁場検出装置を構築することが可能である。様々な態様は、複数センサーアレイおよび3次元で磁石の位置を正確に配置することができる収束アルゴリズムを用いた磁石の検出のための技術に関する。
受動的磁気検出器システム100の一態様を、図13に示す。検出器システム100は、筐体102、電源スイッチおよびリセットスイッチなどの制御スイッチ104、ならびにディスプレイ106を含む。例示的態様において、ディスプレイ106は2次元液晶ディスプレイである。ディスプレイ106は、不透明の背景を有するか、または医療提供者が検出器システム100の表面の下の皮膚を見ることができる透明の領域を有してもよい。外部の患者目印を見る能力は、検出器システム100を用いるカテーテルの配置に大いに役立つ。あるいは、ディスプレイ106は、ビデオモニターなどの外部ディスプレイであってもよい。
また、筐体102内に取り付けられるのは、それぞれ、第1、第2、第3、および第4の磁気センサー108、110、112、および114である。好ましい態様において、静的磁気センサー108〜112は、筐体102内での最大の分離を提供するために間隔を空ける。例示的態様において、磁気センサー108〜112は、筐体102内に実質的に平面の様式で配置され、筐体の角の近くに配置される。
磁気センサー108〜114の配向を、図14に例示し、ここで、磁気センサー108〜114は、筐体102の角の近くで、それぞれ、位置S1〜S4に配置される。図13および図14に記載のシステム100は磁気センサー108〜114に関する長方形の構成を例示するが、その原理は任意の複数センサーアレイにも容易に適用できる。したがって、システムは、磁気センサーの特定の物理的配置によって制限されない。
例示的態様において、それぞれの磁気センサー108〜114は、x、y、およびz方向での3次元測定を提供するために直交的に配置される3つの独立した磁気感知エレメントを含む。磁気センサー108〜114の感知エレメントを、それぞれの磁気センサーが同じx、y、およびz方向で静的磁場を感知するように共通の原点に対して整列させる。これにより、それぞれの磁気センサー108〜114による3次元空間での磁場強度の検出が可能になる。磁気センサー108〜114の配置により、患者内の3次元空間中で磁石の検出が可能になる。すなわち、患者内に磁石を配置することに加えて、検出器システム100は深さの情報を提供する。
磁気センサー108〜114の構成を、特殊な用途のために容易に変更することができる。例えば、複数の磁気センサーを、患者の腰部の周りに球状の配置で構成させて、胃の中の磁石120の位置を検出してもよい。さらに、磁気感知エレメントを、直交的に配置する必要はない。例えば、磁気感知エレメントを、特定の用途に適する平面アレイまたは他の都合のよい構成において構成してもよい(例えば、球状配置)。検出器システムは、解こうとする式中に未知のものが存在する、ならびに磁気感知エレメントの位置および配向が既知であるというデータを提供するために少なくとも同程度に多くの感知エレメントを有する必要がある。
3次元空間中での磁石120の位置および配向を検出することが望ましい。この結果、x、y、z、θ、およびφと都合よく考えてもよい、5つの未知のパラメータが得られ、ここで、x、y、およびzは筐体102の中心などの原点に対する3次元空間における磁石120の座標を表し、θはYZ平面における磁石の角度配向であり、φはXY平面における磁石の角度配向である。さらに、x、y、およびz方向における地球の磁場の寄与は未知である。したがって、検出器システム100により用いられるモデルは、8つの独立した測定値を要する8つの未知のパラメータを有する。ここに記載される検出器システム100の例示的態様において、12の磁気感知エレメントのセットを用いて、過剰サンプリングを提供する。この結果、合理的なレベルで計算要件を維持しながら、より高い信頼性および精度が得られる。
以下に提供される数学的記述を、x、y、およびz方向に直交的に配置された磁気感知エレメントを用いてデカルト座標系に関して最も容易に理解することができる。しかしながら、この態様はそのような配置に限定されないことを明確に理解すべきである。磁気センサー108〜114の位置および配向が既知である限り、磁気感知エレメントの任意のアラインメントを検出器システム100と共に用いてもよい。したがって、システムは、磁気感知エレメントの特定の構成によって限定されない。
図14に例示されるように、磁石120は、位置αに配置される。当業界で公知のように、磁石120は、ベクトルmにより表される磁気双極子を有する。ベクトルmは、磁気双極子の強度および配向を表す。理想的な条件下で、磁気センサー108〜114は、磁石120により生成される静的磁場を測定し、単一の測定で位置αでの磁石の位置を決定することができる。しかしながら、地球の磁場、磁石120の近くに存在してもよい浮遊磁場、磁石センサー108〜114からの内部ノイズ、増幅器などの磁気センサーと関連する電子機器により生成される内部ノイズの存在のため、「理想的」条件下で測定を実施することは実質的には不可能である。様々な形態のノイズの存在下で磁石120に関する正確な位置情報を提供するために、検出器システム100は、磁場強度に関する公知の式、ならびに磁石120の位置および配向の正確な読取を提供するために収束する推定アルゴリズムへの入力値としての実際のセンサー測定値を用いる。
磁気センサー108〜114からのデータを処理するために用いられるエレメントを、図15Aの機能ブロック図に例示し、ここで、磁気センサー108〜114はアナログ回路140に結合される。特定の形態のアナログ回路140は、特定の形態の磁気センサー108〜114に依存する。例えば、磁気センサー108〜114が、図14に例示されるものと類似する、直交的に配置されるフラックスゲートトロイダルセンサーである場合、アナログ回路140は、内容全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第5,425,382号および第5,622,669号に考察されるものなどの増幅器および積分器を含んでもよい。別の例示的態様において、磁気センサー108〜114は、磁場の強度と共に抵抗が変化する磁気抵抗エレメントを含む。それぞれの磁気センサー108〜114は、それぞれ、x、y、およびz方向で静的磁場を感知する3つの直交的に配置された磁気抵抗感知エレメントを含む。
しかしながら、磁気センサー108〜114は、任意の形態の磁気センサーであってもよい。限定されるものではないが、ここの他の場所に記載されるような、ホール効果、フラックスゲート、巻き心誘導、squid、磁気抵抗、核歳差センサーなどの、いくつかの異なる型の磁気センサーを、態様の方法の実施において用いてもよい。また、集積回路の形態にある市販の磁場勾配センサーを、検出器システム100と共に用いることもできる。さらに、磁気センサー108〜114は、同一の型のセンサーである必要はない。例えば、磁気センサー108〜112は、1つの型のセンサーであってもよいが、磁気センサー114は異なる型であってもよい。
アナログ経路140は、特定の形態の磁気センサー108〜114と共に動作するように設計される。
アナログ回路140の出力を、アナログからデジタルへの変換器(ADC)142に結合する。ADC 142は、アナログ回路140からのアナログ出力信号をデジタル形態に変換する。ADC 142の動作は、当業者には周知であり、ここに詳細には記載されない。検出器システム100はまた、中央演算ユニット(CPU)146およびメモリー148を含む。例示的な態様において、CPU 146は、Pentium(登録商標)などのマイクロプロセッサーである。メモリー148は、読取専用メモリーと、ランダムアクセスメモリーの両方を含んでもよい。ADC 142、CPU 146、メモリー148、およびディスプレイ106などの様々な部品を、バスシステム150によって一緒に結合する。当業者であれば理解できるように、バスシステム150は、典型的なコンピューターバスシステムを例示し、データに加えて、電源および制御信号を担持してもよい。
また、図15Aの機能ブロック図に例示されるのは、推定プロセッサー152である。推定プロセッサー152は、磁気センサー108〜114から誘導されるデータに基づいて、磁石120の推定位置と、磁石120の測定位置との反復的比較を実施する。反復プロセスは、推定位置と測定位置が収束し、磁石120の位置α(図14を参照されたい)の正確な測定をもたらすまで続く。推定プロセッサー152は、好ましくは、メモリー148の中に記憶され、CPU 146により実行されるコンピューター命令によって実装されることに留意すべきである。しかしながら、明確にするために、図15Aの機能ブロック図は、それが独立した機能を実施するため、独立したブロックとしての推定プロセッサー152を例示する。あるいは、推定プロセッサー152を、デジタル信号プロセッサー(示さず)などの、他の従来のコンピューター部品によって実装することができる。
検出器システム100は、磁気センサー108〜114が、磁石を点双極子源として処理することができる磁石120の位置αから十分に遠いことを推測する。さらに、地球の磁場などの任意の外来磁場の空間的変動は、点双極子源の存在によってもたらされる不均等性と比較して小さいことが推測される。しかしながら、いくつかの状況下では、地球の磁場の摂動が、近くの電気設備、金属性建造物エレメントなどの外来源によって引き起こされてもよい。検出器システム100を容易に較正して、そのような摂動を相殺することができる。
推定プロセッサー152によって用いられる式は、電気および磁気に関する物理学の基本法則から容易に誘導される。強度mの磁気双極子により生成され、位置αに置かれ、位置sで測定される静的磁場Bは、以下の式:
(式中、||s−α||5は全て、行列の数学において周知のモジュラス値である(例えば、||s−α||2は平方モジュラスである))
によって与えられる。α、m、s、およびBの値は全てベクトル値であることに留意すべきである。用語「静的磁場」は、時間変化電磁場または交番磁場とは反対に、磁石120によって生成される磁場を記述することが意図される。磁石120は、固定された、一定の(すなわち、静的な)磁場を生成する。検出器システム100により検出される磁場の強度は、磁石120と磁気センサー108〜114との距離に依存する。当業者であれば、検出される磁場強度は、磁石120が患者内で移動するにつれて、または検出器システム100が磁石に対して移動するにつれて変化してもよいことを理解できる。しかしながら、検出器システム100と磁石120との間の相対的な移動は必須ではない。検出器システム100は、検出器システムと磁石が互いに関して移動していない場合であっても、3次元空間中での磁石120の位置および配向を容易に決定することができる。
磁気センサー108〜114からの値を、式(1)において用いて、それぞれ、位置S1〜S4での磁場Bの強度を決定することができる。距離にわたる磁場Bの変化は、sに対するBの誘導体である、Bの勾配G(s)として定義される。勾配G(s)を、式(1)から誘導され、以下の形態:
(式中、Tは行列転置であり、Iは以下の形態:
を有する3x3の単位行列である)
で表される3x3の行列によって表すことができる。
式(1)を、値B、mおよびsを考慮して値αについて直接解くことができることに留意すべきである。しかしながら、そのような計算は、解くのが難しく、かなりの計算能力を必要とし得る。以下に記載の反復推定プロセスは、位置αを推定し、推定された位置に位置する磁石120から生じる予測または推定磁場を、磁気センサー108〜114により測定される実際の測定磁場と比較することにより、磁石120の位置αおよび配向を決定する。反復プロセスは、予測磁場が測定磁場に厳密に一致するまで、制御された様式で推定位置を変化させる。その点で、推定された位置および配向は、磁石120の実際の位置αおよび配向と一致する。そのような反復プロセスを、式(1)を直接用いて位置αについて解くのに必要とされる広範囲のコンピューター計算のための必要性なしに検出器システム100により非常に迅速に実施することができる。予測された磁場と実際に測定された磁場との差異は、磁石120の位置αを定量的に決定するために用いてもよい誤差、または誤差関数である。誤差関数は、磁石120の推定位置を精緻化するために反復プロセスにおいて用いられる。勾配G(s)を示す式(2)を、推定プロセッサー152(図3Aを参照されたい)により用いて、推定位置における誤差の大きさおよび方向を決定する。したがって、式(1)は、予測値を生成するために用いられ、式(2)は、磁石120の推定位置を変化させる方法を決定するための誤差結果を使用する。
磁場強度Bは、それぞれ、磁気センサー108〜114により位置S1〜S4のそれぞれにおいて測定される。図13〜図15Aには4つの磁気センサーのみを例示するが、それぞれの磁気センサーが点s1でのB(si)(ここで、i=1〜nである)の測定値を提供するように、測定をn個のセンサーに一般化してもよい。推定プロセッサー152は、量Δij(測定)=B(si)−B(sj)を算出する。この計算は、磁気センサーiから磁気センサーjへの勾配の尺度を提供し、また、磁気センサーiおよび磁気センサーjにおいて一定である(すなわち、勾配=0)、地球の磁場の効果を相殺する。推定プロセッサー152はまた、式(1)から予測値Δij(予測)を算出する。値αに関する推定を、測定値Δij(測定)と予測値Δij(予測)ができるだけ厳密に一致するまで調整する。例えば、検出器システム100は、磁石120の位置αが筐体102の下に中心があることをはじめに推測してもよい。この推定位置に基づいて、推定プロセッサー152は、磁石120が推定位置に実際にあった場合に生じるそれぞれの磁気センサー108〜114での磁場強度について予測値を算出する。例示的態様において、それぞれの磁気センサー108〜114の感知エレメントは、3つの直交方向における磁場Bの尺度を提供し、磁場強度値Bxi、Byi、およびBzi(ここで、iは1〜nに等しい)が得られる。同様に、勾配G(s)もまた、3つの直交方向のそれぞれについて算出される。
推定プロセッサー152はまた、それぞれの磁気センサー108〜114からの測定された磁場強度値を使用し、A(予測)とΔij(測定)とを比較する。Δij(予測)とΔij(測定)との差異に基づいて、推定プロセッサー152は磁石120に関する新しい推定位置を生成し(図14を参照されたい)、Δij(予測)がΔij(測定)と厳密に一致するまで予測プロセスを反復する。
Δij(予測)とΔij(測定)との一致度を、Δij(予測)とΔij(測定)との差異の2乗の和を含む費用関数により測定した後、非線形反復最適化アルゴリズムを用いて費用関数の値を最小化してもよい。費用関数の必要な勾配は、上記の式(2)を用いて算出される。多くの異なる周知の費用関数および/または最適化技術、例えば、準ニュートン法を、推定プロセッサー152により用いて、Δij(予測)とΔij(測定)との所望の一致度を達成してもよい。
推定プロセッサー152により実施される反復測定プロセスを、短期間に行うことができる。典型的な測定サイクルは、秒の画分で実施される。チューブと、結合した磁石120が患者内で移動するにつれて、磁石の位置および配向が変化する。しかしながら、測定サイクルが非常に短いため、磁石の位置および配向の変化は、任意の所与の測定サイクルの間では非常に小さく、したがって、磁石が患者の内部で移動する時、または筐体102が患者の表面上を移動する時の、磁石のリアルタイム追跡を容易にする。
上記で考察された通り、推定プロセッサーは、磁石の推定位置と、磁石の測定位置との反復的比較を実施する。初期の推定位置を、無作為選択、最も強い初期読取を有するセンサーエレメント108〜114の下での位置などのいくつかの可能な技術により誘導するか、または例えば、検出器システム100は筐体102の下に中心がある磁石120の位置αを初期に推定してもよい。しかしながら、図15Aに示される、ニューラルネットワーク154を用いて、磁石120の位置αのより正確な初期推定を提供することができる。ニューラルネットワーク154は、好ましくは、メモリー148中に記憶され、CPU 146により実行されるコンピューター命令によって実装される。しかしながら、明確にするために、図15Aの機能ブロック図は、それが独立した機能を実施するため、独立したブロックとしてのニューラルネットワーク154を例示する。あるいは、ニューラルネットワーク154を、デジタル信号プロセッサー(示さず)などの、他の従来のコンピューター部品によって実装することができる。ニューラルネットワークは、学習プロセスのおかげで、大量のデータを受信し、処理して、多くの変数に関する問題に対する解法を生成することができる。ニューラルネットワークの動作は当業界で一般に公知であり、したがって、特定の用途に関してのみここに記載される。すなわち、初期位置推定を生成するためのニューラルネットワーク154の動作が考察される。
ニューラルネットワーク154は、学習モードと動作モードとを有する。学習モードでは、ニューラルネットワーク154は、磁気センサー108〜114からの実際の測定データを提供される。それぞれの磁気センサー108〜114は3つの異なる感知エレメントを有するため、合計12のパラメータがニューラルネットワーク154に対して入力値として提供される。12のパラメータに基づいて、ニューラルネットワーク154は、磁石120の位置および配向を推定する。次いで、ニューラルネットワーク154は、磁石120の実際の位置および配向を示すデータを提供される。ニューラルネットワーク154が「学習」して、12のパラメータに基づいて磁石120の位置および配向を正確に推定するように、このプロセスを多数回繰り返す。本発明の事例では、上記の学習プロセス(例えば、12のパラメータを提供し、配置を推定し、実際の配置を提供する)を、1,000回繰り返した。ニューラルネットワーク154は、12のパラメータのセットについて最良の推定位置を学習する。検出器システム100のユーザーは学習モードでニューラルネットワーク154を動作させる必要はないことに留意すべきである。むしろ、学習モードプロセスからのデータは、検出器システム100と共に提供される。通常の動作では、ニューラルネットワーク154は、動作モードにおいてのみ用いられる。
動作モードにおいては、磁気センサー108〜114からの12のパラメータが、ニューラルネットワーク154に対して与えられ、磁石120の位置および配向の初期推定を生成する。本発明者らによって実施された実験に基づいて、ニューラルネットワーク154は、約±2cm以内で磁石120の配置の初期推定を提供することができる。そのような正確な初期推定は、磁石120の位置αを正確に決定するために推定プロセッサー152により要求される反復回数を減少させる。磁石120の位置αが検出器システム100から十分に遠い場合、磁気センサー108〜114は非常に低い信号レベルを提供することに留意すべきである。したがって、ニューラルネットワーク154は、パラメータ(すなわち、磁気センサー108〜114からの12の入力信号)が最小閾値より上になるまで、初期推定を生成せず、したがって、信頼性のある信号を提供することができる。
正確な初期推定を考慮して、推定プロセッサー152は、上記の反復プロセスを実施し、磁石120の位置αを±1mm以内で決定することができる。
検出器システム100はまた、磁石の画像を外部ディスプレイ(示さず)上に表示することができる、図15Aに示される、ディスプレイインタフェース156を含む。当業者であれば、CPU 146およびメモリー148などの、検出器システム100の多くの部品が、従来のコンピューター部品であることを理解できる。同様に、ディスプレイインタフェース156は、検出器システムの画像をPCディスプレイまたはライブ画像モニター168などの他のモニター上に示すことができる従来のインタフェースであってもよい(図15Bを参照されたい)。
外部ディスプレイの1つの利点は、筐体102が患者に対して固定された位置に留まってもよいということである。この態様において、4つの磁気センサー108〜114を、筐体102を通して均一に分布した多数のセンサー(例えば、16個のセンサー)と置き換えて、磁気センサーのアレイを形成させてもよい(図16を参照されたい)。磁石120が筐体102に対して移動するにつれて、その動きは3つ以上の磁気センサーによって検出され、磁石の位置が計算され、外部ディスプレイ上に示される。この態様において、ユーザーは筐体を再配置する必要はなく、単に、磁気センサーのアレイが磁石120の位置を追跡することができる外部ディスプレイを見ればよい。
外部ビデオディスプレイの別の利点は、検出器システム100により生成された画像を、従来の技術により生成された画像データと組み合わせる能力である。例えば、図15Bは、フルオロスコープシステム160と連結した検出器システム100の動作を例示する。フルオロスコープ160は、フルオロスコープヘッド162、フルオロスコープ画像プロセッサー164、ならびに記憶画像モニター166およびライブ画像モニター168を含む画像記憶システムを含む従来のシステムである。さらに、従来のビデオカセットレコーダー170または他の記録デバイス(コンピューターメモリー、DVDなど)は、フルオロスコープシステム160により生成された画像および検出器システム100により生成された画像を記録することができる。フルオロスコープシステム160の動作は、当業界で公知である。
検出器システム100は、公知の空間関係でフルオロスコープヘッド162に固定的に取り付けられる。患者の単一の「スナップショット」画像を、フルオロスコープシステム160を用いて取得し、例えば、ライブ画像モニター168上に表示することができる。磁石120を含有するカテーテル(図14を参照されたい)が患者に挿入されるにつれて、検出器システム100は上記の様式で磁石120の位置αを検出し、患者のスナップショット画像と共に、ライブ画像モニター168上に磁石の画像を投影することができる。この様式で、ユーザーは、検出器システム100により提供されるライブ画像データと組み合わせたフルオロスコープシステム160により提供されるスナップショットフルオロスコープ画像を有利に用いてもよい。
満足のいく動作のために、フルオロスコープ160と検出器システム100との間で適切なアラインメントを有することが好ましい。X線不透過性マーカーを患者の胸部に置き、X線不透過性マーカーを検出器システム100の角と整列させることにより、このアラインメントまたは「登録」を達成してもよい。フルオロスコープシステム160がスナップショット画像を生成する場合、検出器システム100の角は、X線不透過性マーカーのおかげでライブ画像モニター168上に示される。検出器システム100を用いる画像オーバーレイの利点は、患者がフルオロスコープシステム160からのX線に一瞬だけ曝露されるということである。その後、スナップショット画像は、スナップショット画像の上に重ね合わせた検出器システム100からの画像と共に表示される。このプロセスは、フルオロスコープシステム160に関して記載されてきたが、当業者であれば、システムがX線、磁気共鳴画像化(MRI)、ポジトロン放出断層撮影(PET)などを用いる任意の画像誘導手術プロセスに適用可能であることを理解できる。
地球の磁場もまた、磁気センサー108〜114によって検出される。しかしながら、地球の磁場が筐体102にわたって一定であると仮定すると、磁気センサー108〜114からの読取への地球の磁場の寄与は同じである。磁気センサー108〜114のいずれか2つの間の示差的信号を生成することにより、地球の磁場の効果を効率的に相殺してもよい。しかしながら、上記で考察された通り、装備、病院のベッドの柵、金属建造物エレメントなどの金属性エレメントにより引き起こされる地球の磁場における摂動または不均等性が存在してもよい。そのような干渉エレメントの予測できない性質のため、検出器システム100の適切な動作には較正が必要である。検出器システム100を、図15Aに示される較正プロセッサー158を用いて地球の磁場における局部的摂動を相殺するために容易に較正することができる。較正プロセッサー158は、好ましくは、メモリー148中に記憶され、CPU 146により実行されるコンピューター命令によって実装されることに留意すべきである。しかしながら、明確にするために、図15Aの機能ブロック図は、それが独立した機能を実施するため、独立したブロックとしての較正プロセッサー158を例示する。あるいは、較正プロセッサー158を、デジタル信号プロセッサー(示さず)などの、他の従来のコンピューター部品によって実装することができる。
初回の較正は、磁石120が患者に導入される前に実施される。したがって、初回の較正は、磁石120により生成される磁場の存在の外部で行われる。測定は、検出器システム100を用いて実施される。理想的な条件下で、地球の磁場における局部的摂動がない場合、磁気センサー108〜114により生成される信号は同じである。すなわち、x方向に向いたそれぞれの感知エレメントは同一の読取値を有するが、y方向に向いたそれぞれの感知エレメントは同一の読取値を有し、z方向に向いたそれぞれのエレメントは同一の読取値を有する。しかしながら、通常の動作条件下では、地球の磁場における局部的摂動が存在する。これらの状況下で、磁気センサー108〜114のそれぞれのセンサーエレメントにより生成される信号は全て、地球の磁場の検出に基づくいくらか異なる値を有する。磁気センサー108〜114のいずれか2つの読取値を示差的に組み合わせてもよく、理論的には、地球の磁場を相殺する。しかしながら、地球の磁場における局部的摂動のため、読取値と関連するオフセット値が存在してもよい。
較正プロセッサー158は、それぞれの磁気センサーと関連するオフセット値を決定し、測定サイクル中にオフセット値を相殺する。すなわち、それぞれの磁気センサー108〜114に関するオフセット値を、ADC 142により生成された読取値から差し引く(図15Aを参照されたい)。したがって、磁気センサー108〜114のいずれか2つの間の示差的読取値は、磁石120が導入される前はゼロである。その後、磁石120が導入されるにつれて、磁気センサー108〜114からの示差的読取値は、磁石120により生成された静的磁場のため、非ゼロ値を有する。検出器システム100が、図15Bに示されるように、固定的である場合、金属性装備、建造物エレメントなどの外部の物体により引き起こされる局部的摂動などの、地球の磁場の効果を相殺するためには、単一の較正プロセスで十分である。
しかしながら、ある特定の態様において、患者の表面上で検出器システム100を動かすのが望ましい。検出器システム100が患者上の新しい位置に移動するにつれて、局部的摂動の効果は最早完全に相殺されないため、地球の磁場における局部的摂動は検出器システム100の精度の低下を引き起こしてもよい。しかしながら、較正プロセッサー158は、磁石120の存在下であっても、検出器システム100の連続的自動再較正を可能にする。これは、図15Cに例示され、ここで、検出器システム100はデジタル化アーム180に固定的に取り付けられる。デジタル化アーム180は、3次元の動きを可能にする従来の部品である。デジタル化アーム180を、患者のベッドサイドに都合よく取り付けてもよい。好ましい態様において、検出器システム100をデジタル化アームに取り付け、デジタル化アームの3次元の動きが、検出器システム100の、それぞれ、x軸、y軸、およびz軸に対応するように向ける。ユーザーが検出器システム100を動かすにつれて、デジタル化アームは検出器システムの位置を正確に追跡し、位置を示すデータを生成する。検出器システム100はこの位置データを用いて、検出器システム100が移動するにつれて磁石120により引き起こされる測定磁場の変化を算出する。この様式で、磁石120の局部的効果を除去してもよく、得られる測定値は、検出器システム100の新しい位置での地球の磁場の局部的摂動を示す。
自動再較正プロセスは、典型的には、患者の腕に挿入し、静脈系を介して心臓へ通してもよい末梢的に挿入される中心カテーテル(PICC)などの状況において特に有用である。従来の技術を用いて、外科医は、典型的には、患者の胸部の上に印を置いて、カテーテルを挿入する予想経路に印を付ける。位置感知技術を用いることなく、外科医はカテーテルを盲目的に挿入し、例えば、蛍光透視法を用いてその位置を検証しなければならない。しかしながら、検出器システム100により、外科医はPICCの位置を追跡することができる。
上記の例においては、検出器システム100を、PICCを最初に挿入する患者の腕の上に配置してもよい。初回の較正の後(磁石120の非存在下で)、検出器システム100は較正され、任意の局部的摂動を含む地球の磁場の効果を相殺する。磁石120が導入された場合、検出器システム100は、以前に記載された様式で磁石の位置αを検出し、表示する。外科医がPICC(磁石120を取り付けた)を挿入する時に、検出器システムを再配置することによって、PICCの進行を追跡することが望ましい。デジタル化アーム180を用いて、外科医は検出器システム100を新しい位置に再配置する。例えば、検出器システム100がy方向に6インチ、x方向に3インチ移動し、z方向には移動しなかったと仮定する。検出器システム100の新しい位置に基づいて、および上記の技術を用いて、推定プロセッサー152(図15Aを参照されたい)は、磁石120に起因して新しい位置での磁場を算出することができる。磁石120から生じる新しい位置での磁場への寄与を考慮して、磁石120の効果を差し引くことができる。磁石120からの磁場の非存在下では、残りの、または「残留」磁場は、地球の磁場の結果であると推定される。残留読取値を、初回の較正のために上記の様式で処理することによって、検出器システム100を再度ゼロにするか、または再較正して、新しい位置での、局部的摂動を含む、地球の磁場を相殺する。この再較正プロセスの後、磁石120の存在のみに起因する磁場の得られる測定値を用いて、測定サイクルを開始してもよい。
ユーザーは、任意の時点で検出器システム100を手動で再較正してもよい。しかしながら、上記の技術の利点は、検出器システム100を用いる時に、検出器システム100を連続ベースで自動的に再較正してもよいということである。デジタル化アーム180は、検出器システム100の位置の連続的読取を提供し、したがって、検出器システムの位置を正確に追跡することが可能となる。検出器システム100が動くにつれて、それは常に再較正され、地球の磁場を再相殺する。上記の例においては、病院のベッドの柵などの外部の影響が測定精度の低下を引き起こすことを気にせずに、PICCを心臓に挿入する時に、検出器システム100を自在に動かして、PICCの動きを追跡してもよい。再較正システムがデジタル化アーム180に関して上記されてきたが、他の位置感知システムを容易に用いてもよいことを理解できる。
例えば、市販の追跡システムが、Ascension TechnologyおよびPolhemusにより製造されている。「Bird Tracker」として知られる、Ascension Technologyにより製造されるシステムは、6の自由度を測定し、5フィートの距離で1/2インチ以内の正確な測定値を提供し、5フィートの距離で1/2度以内の回転情報を提供するセンサーのアレイを含む。Bird Trackerにおいて用いられる感知エレメントを、筐体102に取り付け、筐体の位置を市販のシステムを用いて追跡してもよい。同様に、「3−D Tracker」として知られる、Polhemusのデバイスは、デジタル化アーム180を必要とすることなく同様の位置測定を提供する。
例えば、デジタル化アーム180を用いる位置追跡の別の適用により、外科医はディスプレイ上に示されるデジタル化された目印を提供することができる。カテーテルの挿入を補助するための一般的な外科的技術は、患者の表面上に、カテーテルにより取られる経路を近似する目印を置くことである。例えば、従来の技術を用いて、外科医は、電気ペースメーカーリード線の挿入を補助するための目印としてマーカーペンで患者の胸部上に一連のxを付けてもよい。ここに記載される原理を用いて、デジタル化アーム180を用いて、外科医により特定された目印を電子的に記録してもよい。この側面を、コンピューター入力タッチペン182または他の電子入力デバイスを、デジタル化アーム180に取り付けた場合の図17Aに例示する。コンピューター入力タッチペン182を、検出器システム100に取り付けるか、または例えば、検出器システムの中心に対応する位置でデジタル化アーム180に取り付けてもよい。磁石120を有するカテーテルの挿入の前に、外科医は、デジタル化アーム180およびコンピュータータッチペン182を用いて、一連のxにより図17Aに例示される目印を電子的に生成してもよい。コンピュータータッチペン182は、患者に電子的に「印を付ける」が、患者の上に実際の印を置く必要はない。上記の例においては、心臓ペースメーカーのリード線を挿入する場合、外科医は、ペースメーカーのリード線を挿入する経路に沿って首から心臓に向かって一連の電子目印を置いてもよい。それぞれの目印において、デジタル化アーム180は、外科医により印を付けられた位置を記録する。その後の操作において、磁石120を有するカテーテルを患者に挿入する時、デジタル化アーム180は外科医により予め印を付けられた目印に対する磁石120の位置を注記する。目印は、矢印で示される磁石120の位置と共に、図17Bに示される外部ディスプレイ184上に示される。外科医が磁石120を挿入するにつれて、磁石120が目印1から目印2から目印3などに沿って通過するように、外部ディスプレイ184上に進行が示される。この技術を用いて、外科医は、予想経路からの逸脱を容易に検出することができる。例えば、カテーテルおよび磁石120が異なる静脈に不注意に逸れた場合、外科医は、印を付けた経路からの逸脱を容易に注記し、迅速に問題を同定する。カテーテルおよび磁石120を引き出し、再挿入して、目印を付けた経路を追跡してもよい。
検出器システム100の一般的動作を、図18Aのフローチャートに例示する。開始200で、磁石120(図14を参照されたい)を、患者に挿入した。工程201において、システムは初回の較正を受ける。例示的態様において、初回の較正は、磁石120が導入される前に実施される。したがって、システム100は、磁石120からの寄与の非存在下で、局部的摂動などの地球の磁場の効果を相殺する。あるいは、磁石120により引き起こされる磁場の効果が既知であり、自動再較正プロセスに関して上記の様式で相殺することができるように、磁石120を、筐体102に関して既知の位置に配置してもよい。すなわち、既知の位置にある磁石120により引き起こされる測定磁場への寄与を、地球の磁場によってのみ引き起こされる得られる残存値を有する測定された読取値から差し引くことができる。初回の較正の後、工程202において、検出器システム100は、磁気センサー108〜114からのセンサー値を測定する。工程204Aにおいて、推定プロセッサー152(図15Aを参照されたい)は、磁石120の位置αおよび配向の初期推定を算出する。初期推定は、工程208からのセンサー位置データおよび工程209からの磁石較正データを含む。工程208で算出されたセンサー位置データは、選択された原点に対するそれぞれの磁気センサー108〜114の位置に関するデータを提供する。例えば、1つの磁気センサー(例えば、磁気センサー108)を、他の磁気センサー(例えば、磁気センサー110〜114)の相対的位置を決定するための数的原点として任意に選択してもよい。共通の原点は、数的計算のための参照の枠組みを提供する。以前に考察されたように、磁気センサー108〜114は、共通の原点に対して整列され、それぞれの磁気センサーは同じx、y、およびz方向で磁場を測定する。当業者であれば理解できるように、任意の選択された原点を、検出器システム100と共に満足のいくように用いることができる。
工程209において誘導される磁気較正データは、典型的には、磁石の製造業者により提供され、磁気双極子mの強度(図14を参照されたい)、ならびに磁石120のサイズおよび形状に関するデータを含む。測定されるセンサー値、センサー位置データ、および磁石較正データは、工程204Aにおいて推定プロセッサー152(図15Aを参照されたい)に入力値として提供される。
例示的態様において、位置αの初期推定は、工程202において誘導された測定されたセンサー値に基づいて、ニューラルネットワーク154(図15Aを参照されたい)により提供される。以前に考察されたように、ニューラルネットワーク154は、信頼できる初期推定を推測するために、磁気センサー108〜114からの最小値を必要としてもよい。ニューラルネットワーク154は、磁石の位置および配向の初期推定を提供する。
工程210において、推定プロセッサー152(図15Aを参照されたい)は、予測センサー値を算出する。上記のように、これには、3つの直交方向x、y、およびzのそれぞれにおける磁気センサー108〜114のそれぞれの組合せに関する測定値Δij(予測)が必要である。工程212において、推定プロセッサー152は、予測センサー値(すなわち、Δij(予測))と、測定センサー値(すなわち、Δij(測定))とを比較する。決定216において、推定プロセッサー152は、予測および測定センサー値が所望の許容度の範囲内で一致するかどうかを決定する。予測センサー値と測定センサー値が厳密に一致しない場合、決定216の結果はNOである。その事象においては、推定プロセッサー152は、工程218における磁石の位置αおよび配向の新しい推定を算出する。磁石120の新しい推定位置αの算出後、推定プロセッサー152は工程210に戻って、磁石の位置および配向の新しい推定を用いて予測センサー値の新しいセットを算出する。推定プロセッサー152は、磁石120の推定位置αおよび配向を調整し、厳密な一致が達成されるまで予測センサー値と測定センサー値とを比較するこの反復プロセスを継続する。予測センサー値と測定センサー値との厳密な一致が達成される場合、決定216の結果はYESである。その事象において、工程220Aにおいて、検出器システム100は、ディスプレイ106上に磁石の位置αおよび配向を表示する(図15A、図15B、および図16を参照されたい)。さらに、検出器システム100は、磁石120の位置αおよび配向が決定された信頼度を示す信頼値を表示してもよい。統計データに基づく信頼値の算出は、当業界で周知であり、ここに詳細に記載される必要はない。工程220Aにおける位置および配向データの表示後、検出器システム100は工程202に戻り、測定センサー値の新しいセットに対してプロセスを繰り返す。費用関数が大きすぎる場合、決定216において厳密な一致は達成されなくてもよい。そのような条件は、例えば、外来磁場の存在下で生じてもよい。実際には、厳密な一致は1〜2の範囲の費用関数を有するが、不正確な極小に関する最小費用関数は桁違いに大きいことが決定された。厳密な一致を達成することができない(すなわち、費用関数が大きすぎる)場合、検出器システム100は、新しい推定位置を用いて測定プロセスを新しく開始するか、または許容できないほど高い費用関数を示すエラーメッセージを生成することができる。
図18Bのフローチャートは、自動再較正を検出器システム100内に実装した場合、較正プロセッサー158により実施される工程を例示する。この実装において、工程220Aの完了後、システム100は、図18Bに例示される工程224に任意に移動してもよく、ここで、較正プロセッサー158は、検出器システム100の現在の位置を示すデジタル化アーム180(図15Cを参照されたい)からの位置データを取得する。検出器システム100の新しい位置および磁石120の既知の位置αを考慮して、較正プロセッサー158は、磁石から生じる磁場を算出し、工程226における電流測定値から磁石の効果を差し引く。このプロセスの結果として、磁気センサー108〜114(図15Aを参照されたい)により測定される残りの残存値は、局部的摂動などの、地球の磁場の効果に起因するものである。
工程228において、この残存値を用いて、検出器システム100を再度ゼロにして、新しい位置での地球の磁場の効果を相殺する。再較正プロセスの後、検出器システム100は図18Aに示される工程202に戻り、新しい位置で検出器システム100によるさらなる測定サイクルを実施し、新しい位置での動作のために再較正される。
図18Aのフローチャートに例示される自動再較正プロセスは、検出器システム100を自動的かつ連続的に再較正することに留意すべきである。しかしながら、代替的な態様において、較正プロセッサー158は、検出器システム100が所定量によって移動した場合にのみ再較正を実施する。これは、検出器システム100が移動しなかった場合の不必要な再較正を防止する。
異なる対の磁気センサー108〜114により提供される磁気強度Bの差異を用いる反復推定プロセスは上記されている。あるいは、検出器システム100は、測定磁場勾配値Gを用いることができる。この態様において、式(2)を、Bの測定値を適合させるための反復プロセスに関して上記の様式で測定値に適合させてもよい。図18Aのフローチャートに関して、工程202は、磁気センサー108〜114の対に関する勾配値を提供する。例えば、磁気勾配測定値を、それぞれ、残りの磁気センサー108〜112のそれぞれにより測定された磁場に対して、磁気センサー114により測定された磁場Bを用いて算出することができる。工程204Aにおいて、推定プロセッサー152は、磁石の位置および配向の初期推定を決定し、工程210においては、式(2)を用いて予測センサー値を算出する。工程212において、測定センサー値を、上記の費用関数などの従来の技術を用いて予測センサー値と比較する。反復プロセスは、測定センサー値と予測センサー値が所定の許容度の範囲内で一致するまで継続する。
さらに別の代替技術においては、検出器システム100は、測定データを用いて、式(2)を直接解く。直接解アプローチは、Gが正の固有値を有する対称行列であるという事実を用いる。行列Gの固有値および固有ベクトルを算出し、代数的に用いて、位置αおよびmについて直接解いてもよい。これは、mの方向ではなく、大きさが既知であると仮定してのことである。実際に、磁石較正データが製造業者により提供されるため、大きさmは既知である。この技術は、磁気双極子の配向を決定するためにさらなる磁気センサーを必要とすることに留意すべきである。数学的には、磁気双極子の配向は、+または−の記号で示される。磁場強度Bを測定することだけを必要とするさらなる磁気センサーを用いて、数学関数の記号を決定する。さらに、これらの様々な技術の組合せを、検出器システム100により用いて、磁石120の位置αを決定してもよい。
さらに別の代替手段において、Kalmanフィルターを、上記の式(1)および(2)と共に用いて、磁気センサー108〜114により形成される複数検出器アレイに関して磁気双極子mの位置を追跡してもよい。当業者には公知のように、Kalmanフィルターは、統計的信号処理および最適推定を用いる統計的予測フィルターである。Y.Bar−ShalomおよびR.E.Fortmann、Academic Press、Boston、1988による「Tracking And Data Association」などのいくつかの教科書は、Kalmanフィルターの理論および操作に関する詳細を提供する。上記の個々の技術に加えて、それぞれのセンサー型に関する費用関数の合計などの、これらの技術の組合せのいずれか、または全部を用いることができる。例えば、Δij(予測)とΔij(測定)との差異は、ある特定の許容の範囲内で一致する必要があってもよい。複数の数学的技術が、全ての差分値がその許容性を満たす解を同定することができない場合、ディスプレイ106を用いて操作者に誤差を合図することができる(図15Aを参照されたい)。それぞれのセンサー測定値の誤差の推測は、無関係であり、小さく、位置αの推定における不確実性を、例えば、Cramer−Rao限界を用いて算出することができる。したがって、測定技術間の冗長性の程度を、検出器システム100により有利に実装することができる。そのような冗長性は、生物医学的適用にとって非常に望ましい。
図13は、磁気センサー108〜114の特定の構成のための検出器システム100の動作を例示する。しかしながら、上記の技術を、実質的に任意の固定されたセンサー構成に一般化してもよい。磁気双極子mの強度が既知であると仮定すれば、最小で1個の勾配センサーまたは8個の磁場センサーが、それぞれ、G(s)およびB(s)を測定するために必要である。磁気センサーを相対的に任意に構成させることができ、したがって、装置の設計および/または他の信号もしくはノイズに関する考慮に基づいて筐体102(図13を参照されたい)内の位置に容易に配置してもよい。
磁気センサー108〜114を、既知の強度の地球の磁場を用いて構成してもよい。不均一な磁場の非存在下では(すなわち、任意の強力な磁気双極子から遠い)、全てのセンサー108〜114のXセンサーエレメントを同時に読み取ることができる。同様に、全てのYセンサーエレメントおよびZセンサーエレメントを、同時に読み取ることができる。任意の構成において、それぞれの直交方向(すなわち、Bx、By、およびBz)に関する磁場強度の平均読取値の2乗の和は一定であるべきである。一定の値の地球の磁場を用いて、従来の代数および最小2乗適合法を用いてそれぞれの磁気センサーのための適切な較正係数を決定することができる。
代替的な較正技術は、磁気センサー108〜114に対して1つ以上の位置に置かれる既知の強度の小さい磁石を用いる。測定は、それぞれの磁気センサーのための適切な較正係数を決定するために1つ以上の位置のそれぞれにおいて実施される。電磁気ケージ、Helmholtzケージなどの使用などの他の技術を用いて、磁気センサー108〜114を較正してもよい。
ディスプレイ106(図13を参照されたい)は、筐体102に対する磁石120の位置のグラフ表示を提供する。図19A〜19Dは、磁石120の位置αを指示するために検出器システム100によって用いられるいくつかの異なる技術を例示する(図14を参照されたい)。図19Aに例示される態様において、ディスプレイ106は、筐体102に対する磁石120の位置αを指示するためのサークル250ならびに一対の直交線252aおよび252bを用いる。直交線252aおよび252bは、磁石120が検出器システム100の下に中心がある場合を決定するのを補助するための視覚的指標を医療提供者に提供する。
図19Bに例示される代替的な態様において、直交線254aおよび254bなどの、固定指標254は、ディスプレイ106の中心上で照準線を形成する。サークル250、または他の指標を用いて、筐体102に対する磁石120の位置αの視覚的指示を提供する。サークル250は、磁石120が検出器システム100の直下に中心がある場合、ディスプレイ106の中心にある照準線に中心がある。
図19Cに示されるさらに別の態様において、ディスプレイ106は、磁石120の位置αの視覚的指示を提供するために、矢印260などの、異なる指標を提供する。また、矢印260を用いて、磁石120の配向を指示してもよい。
患者の表面の下にある磁石120の深さを、様々な様式でディスプレイ106上に示すことができる。例えば、ディスプレイ106の部分106aは、図19Dに示されるものなどの、棒グラフを用いて磁石120の深さの視覚的指示を提供することができる。しかしながら、ディスプレイ106の深さ指標部分106aはまた、センチメートルなどの絶対単位、または相対単位で磁石120の深さの数値的読出しを提供することもできる。
内部ディスプレイ106および外部ディスプレイは2次元ディスプレイデバイスであるが、3次元物体の外見を作出するために影およびグラフ機能を用いて磁石120を表示することができる。ビデオゲームおよび他のコンピューターアプリケーションにおいて用いられる従来の表示技術をシステム100に対して容易に適用して、磁石120が、磁気双極子の位置および方向を示すために3次元の矢印のように、またはそれから伸びる矢印を用いて磁石の形状をシミュレートするためにドーナツ型に見えるようにしてもよい。そのような3次元グラフ表示のために用いられる技術は当業界で周知であり、より詳細に記載される必要はない。
3次元グラフ画像として磁石120を表示することに加えて、システム100は、任意の視点から磁石を表示することができる。例えば、図17Bは、患者の上面から見た磁石の位置を例示し、したがって、X−Y平面で磁石の位置を例示する。しかしながら、いくつかの状況では、Y−Z平面などの異なる視点から磁石を見るのが望ましい。この視点により、ユーザーは磁石120が患者内で上下に動く(すなわち、Z軸上での動き)につれて、その動きを見ることができる。ユーザーが選択可能な表示視点が、ユーザーが任意の平面で胃内デバイスの動きを可視化することができなければならない画像誘導手術などの用途において特に有用である。例えば、心臓カテーテルを挿入する時に3つの次元全てにおいて方向の動きを見ることが重要である。任意の視点から磁石120の表示を可能にする公知の技術が存在する。例えば、MICROSOFT(登録商標)WINDOWS(登録商標)は、ユーザーがマウス、キーボードまたは他の入力デバイスを用いて表示視点を選択することができる機能を含む。
したがって、検出器システム100は、3次元空間中の磁石120の位置αを決定し、深さ指示を含む磁石の位置、ならびに磁石双極子の配向の容易に読み取れる視覚的指示を提供する。筐体102は、磁気センサー108〜114が筐体102内に等距離に分布した長方形の筐体として例示されるが、医療提供者が把握するのが容易なため、長方形の形状が選択された。しかしながら、筐体102は任意の形状またはサイズを有してもよい。さらに、ディスプレイ106は、液晶ディスプレイとして例示されるが、ドットマトリックスディスプレイなどの、任意の都合のよい2次元ディスプレイであってもよい。したがって、この態様は、筐体102の特定のサイズもしくは形状またはディスプレイ102の特定の型によって限定されない。さらに、検出器システム100は、様々な異なる磁気センサーと共に満足のいくように動作することができる。したがって、システムは、検出器システム100において用いられる磁気センサーの特定の数または型によって限定されない。
単一の磁石の3次元の位置および角度的配向を検出するための様々な技術が上記されてきた。しかしながら、態様の原理を、複数の磁石の検出に拡張してもよい。システム100は、第1の末梢的に挿入される中心カテーテル(PICC)300が患者の一方の腕に挿入され、その末端部分と結合した磁石302を有する、図20に例示されるものなどの、2つの胃内デバイスの位置を検出することができる。第2のPICC 304は患者のもう一方の腕を通して挿入され、その末端部分と結合した磁石306を含む。当業者であれば、図20が、複数の磁石と一緒の複数のチューブの使用を例示するためだけに役立つことを認識できる。公知の胃内デバイスの任意の組合せを、ここに記載される技術を用いて配置することができる。したがって、態様は、医療用チューブ(例えば、カテーテル)またはデバイスの特定の型によって限定されない。
以前に記載されたように、単一の磁石の位置および配向を、5つのパラメータにより3次元空間中で記載してもよい。同様に、磁石306の位置および配向も、同じ5つのパラメータにより特徴付けられるが、対応するパラメータは異なる値を有する可能性が高い。したがって、磁石302および306の位置および配向を、合計10の未知のパラメータにより特徴付けてもよい。さらに、x、y、およびz方向における地球の磁場の寄与は未知である。したがって、2つの磁石について検出器システム100により用いられるモデルは、13の未知のものを有し、13の独立した測定値を必要とする。図21に例示される、検出器システムの例示的態様において、それぞれ3つの直交的に向いた感知エレメントを有する位置S1〜S5に位置する、5つの磁気センサーは、15の磁気感知エレメントのセットを提供する。これは、磁石302および306の位置および配向を検出するのに十分なものである。
図21に例示されるように、磁石302は、位置α1に配置される。当業界では公知のように、磁石302は、ベクトルm1により表される磁気双極子を有する。同様に、磁石306は、位置α2に配置され、ベクトルm2により表される磁気双極子を有する。ベクトルm1およびm2は、それぞれ、磁石302および306の磁気双極子の強度および配向を表す。
位置S1〜S5に配置される磁気センサーは、磁石302と磁石306の両方により生成される合計磁場を検出する。したがって、位置S1〜S5のそれぞれの磁気センサーで感知されるベクトルは、磁気双極子m1およびm2のベクトルの組合せである。しかしながら、システム100は、磁気双極子m1およびm2の強度ならびに位置S1〜S5でのそれぞれのセンサーの位置および配向を知る。この情報、ならびに15の別々の測定値を考慮して、システムは磁石302および306の位置および配向を正確に検出することができる。上記の式を用いる測定技術を、2つの磁石に適用することができる。ここに記載されるプロセスは2つの磁石を配置させることができるが、その原理はより多くの磁石にさらに拡張することができる。上記の例において、13のパラメータは地球の磁場(3つのパラメータ)ならびに2つの磁石302および306(それぞれ5つのパラメータ)を特徴付ける。第3の磁石(示さず)を、上記で考察された同じ5つのパラメータにより特徴付けることができる。したがって、3つの磁石を特徴付けるためには18個の独立したセンサーが必要であり、4つの磁石を特徴付けるためには23個のセンサーが必要である、などである。
また、磁石302および306の初期推定位置を、ニューラルネットワーク154(図15Aを参照されたい)またはここに記載される他の技術を用いて決定してもよい。以下により詳細に記載されるように、システム100は、磁気センサーのアレイを含んでもよい(図16を参照されたい)。この態様において、推定プロセッサー152は、所定の閾値を超える測定磁場強度値を有するセンサーのサブセットを選択することができる。磁石の初期位置は、読取値が所定の閾値を超える磁気センサーに由来する値に基づくものであってもよい。
さらに、システム100は、上記の反復プロセスを実施して、磁石302および306の位置および配向を決定してもよい。複数の磁石に関する誤差(または費用)関数を最小化するための最適化プロセスを、上述の説明に基づいて容易に確認することができる。簡潔にするために、その説明はここでは繰り返さない。
単一の磁石が胃内デバイスと結合している場合、上記の様式で、磁石およびしたがって、胃内デバイスの位置および角度的配向を決定することができる。上記の技術は、磁石およびそれと結合した胃内デバイスの5の自由度を検出するのに十分である。しかしながら、当業者であれば、双極子磁石が磁化のその軸の周りで対称的であることを理解できる。したがって、胃内デバイスは、磁化の軸に沿って回転してもよく、磁石は同じ磁場を生成する。したがって、上記のシステムは、胃内デバイスの角度的回転を決定することはできない。
別の態様において、磁石302および306は両方とも、単一の胃内デバイスと結合している。図22に例示されるように、磁石302および306は、磁化のその軸が互いに整列しないように向く。図22に例示される例においては、磁石302の磁化の軸は、磁石306の磁化の軸と直交する。磁気双極子m1およびm2の強度、ならびに磁化の軸の配向ならびに磁石306に対する磁石302の物理的位置に関する知識を考慮して、システム100はそれによって胃内デバイスの第6の自由度を検出することができる。これは回転変位ωとして図22に例示される。磁石302および306の位置および配向を決定するための技術は、上記のものと同一である。しかしながら、磁化の軸の固定された配向および磁石306に対する磁石302の物理的位置に関するさらなる知識を考慮して、胃内デバイスの回転変位10を検出することができる。例えば、胃内デバイスは、ディスプレイ106(図15Aを参照されたい)または外部ディスプレイ上に示される画像により誘導される内視鏡であってもよい。システム100は、磁石302および306と結合した胃内デバイスの6の自由度(x、y、z、θ、φ、およびω)を有利に算出することができる。
以前に記載されたように、多数の磁気センサーを配置して、図16に例示されるようなセンサーアレイを形成させてもよい。筐体102は十分に大きいものであってもよい(例えば、9インチx12インチ)。この態様において、筐体102は患者の測定表面上の固定された位置に固定されたままであってもよい。磁石120(図14を参照されたい)または磁石302および306(図20を参照されたい)は筐体102の近くに配置されるため、1個以上のセンサーが磁場の存在を検出する。上記のように、磁石の位置および配向を正確に特徴付けるためには、十分な数の磁気センサーが磁場を検出し、データを提供しなければならない。上記のように、磁石の位置および配向を正確に特徴付けるためには、十分な数の磁気センサーが磁場を検出し、データを提供しなければならない。
図16は、位置S1〜S16で筐体内に均一に分布する16個の磁気センサーのアレイを例示する。以前に記載されたように、それぞれの磁気センサーは、x、y、およびzとして都合よく特徴付けられていてもよい、3つの直交する次元に配置された個々の磁気感知エレメントを含んでもよい。x、y、およびz軸に沿ったセンサーの配向は、磁気センサーを記述するための都合のよい手段を提供する。しかしながら、態様の原理は、位置S1〜S16での任意のセンサーの特定の配向を必要とせず、実際、センサーは位置S1〜S16に均一に分布される必要もない。しかしながら、システム100の適切な動作には、それぞれの磁気センサーおよび磁気感知エレメントの位置および配向が既知であることが必要である。
上記のように、小さい検出器アレイを患者に対して動かして、結合した磁石中の胃内デバイスの挿入を追跡してもよい。磁気センサーが移動するにつれて、地球の磁場の効果は変化してもよい。したがって、センサーが患者に対して動かされる時に、再較正が必要である。図16に例示される大きいアレイの利点は、筐体102を患者に対して動かす必要がないことである。したがって、地球の磁場の効果を、単一の時間について測定し、相殺することしか必要としない。
以前に記載されたように、磁石の初期位置を、最大値または所定の閾値より上の値を有する4個のセンサーから検出された磁場を用いる図16のセンサーアレイを用いて決定してもよい。例えば、磁石の初期位置が未知であると仮定すれば、位置S5、S6、S9およびS10の磁気センサーは全て、所定の閾値より上の検出値を有するか、または他の位置のセンサーにより検出されるものよりも高い値を有する。初期推定として、推定プロセッサー152(図15Aを参照されたい)は、磁石120(図14を参照されたい)が位置S5、S6、S9およびS10の磁気センサーから等距離の位置に位置すると推測してもよい。あるいは、これらの位置S5、S6、S9およびS10により定義される境界内の位置を、これらの位置のそれぞれのセンサーにより検出される値に基づいて重み付けしてもよい。例えば、位置S S6のセンサーは、位置S5、S6、S9およびS10のセンサーの最高値を有してもよい。したがって、推定プロセッサー152は、位置S5、S6、S9およびS10のそれぞれから等距離よりもむしろ位置S S6により近い磁石120に関する初期位置を算出してもよい。また、推定プロセッサー152は、他の重み関数を用いてもよい。
さらに別の代替的な態様において、位置S5、S6、S9およびS10のセンサーにより検出される値を、ニューラルネットワーク154に提供し、上記の様式で処理してもよい。したがって、システム100は、磁石120の初期推定位置を決定するための様々な技術を提供する。上記の反復プロセスを通して、1つ以上の磁石の位置および配向を、システム100によって容易に検出および追跡することができる。
[実施例]
デバイスへの部品の組み込み
図23は、胃内バルーンの封入容積中にペレット1110を組み込んだ1つの態様のバルーン1100を表す。ペレット1110は、ここで記載される電磁気センサー、磁気センサー、音響センサー、発電センサー、pHセンサーおよび/もしくは他のセンサーまたはマーカーであってもよい。ペレット1110は、固定されていないかまたは胃内バルーンの壁に取り付けられてもよい。図24は、胃内バルーンの反対側に取り付けられたボタン1210を組み込んだ1つの態様のバルーン1200を表す。ボタン1210は、ここで記載される電磁気、磁気、音響、発電、pH、および/もしくは他のボタン、センサーまたはマーカーであってもよい。図25Aは、隔壁プラグ1310、ヘッドユニット1312、リングストップ1314、チューブ隔壁1316、および止め輪1318を含むバルブシステム1300の断面を表す。止め輪は、電磁気、磁気、音響、発電、pH、および/もしくは他のセンサーまたはマーカーを含むことができる。図25Bは、図13Aの線1D〜1Dに沿った断面で表されたバルブシステムの上面図である。図25Cは、胃内バルーン1320の壁に組み込まれた図13Aおよび13Bのバルブシステムの上面図である。図26は、膨張していない形の図25A〜Cの胃内バルーンを含有するゲルキャップ1400を表す。膨張していないバルーンを含有するゲルキャップは、胃内バルーンのバルブシステムによって、磁化された部品、例えば針(表さず)を組み込んだプレスフィット接続構造1414を通して、2FRチューブ1410および4FRチューブ1412を含む二重カテーテルシステムと係合する。
音響トラッキングおよび可視化副部品
様々な態様は、上記のデバイスおよびシステムに音響トラッキングおよび可視化機能を実装することができる。ここで用いるように、「可視化」は広義に用いられ、ウルトラソニックおよび他の音響波データ、例えば波強度、波配向、波の一時的特性、センサーに及ぼす波の影響、ならびに目的のアイテムのトラッキング、配置、識別および特徴付けを促進するために用いることができる超音波または音響波の他の属性、ならびに目的のアイテムを特徴付ける超音波データに基づく、音声、視覚、触覚型または他の出力によることを含む、いくつかの方法で体内の目的のアイテムを配置するか、特徴付けるか、さもなければ識別することを指す。ここで用いるように、「音響」は、気体、液体または固体中の機械的な波を用いることを指し、振動、音、超音波および超低周波音などの技術の使用を含む。音響の態様は主に超音波との関連で記載されるが、他の音響技術、例えば上で指摘したものおよび明示的に指摘されていないもので態様を実行することもできるものと理解される。したがって、ここで記載される超音波技術は、他の音響型態様で実行することもできる。音響をベースとしたデバイスの非侵襲的性質のために、医師は、膨張の前または処置中にデバイスの位置および配向を決定または確認することを望むことができる。したがって、投与の全ての段階で胃内デバイスの位置、配向および/または状態を決定および確認するための、音響関連のデバイスおよび方法が開示される。そのような音響をベースとしたデバイスおよび技術には超音波関連の手段が含まれ、その例には、限定されるものではないが、超音波検査またはウルトラソニック映像、「高指向性」ドップラーシステム、ドップラー画像化システム、および血管内超音波診断技術に関連するシステムが含まれる。
超音波は、ヒト可聴範囲の上限を超える周波数を有する振動音圧力波である。したがって、超音波は物理的特性の差によって「正常な」(可聴)音から区別されるのではなく、ヒトがそれを聞くことができないという事実だけによって区別される。この限界はヒトによって異なるが、健康な若い成人ではおよそ20キロヘルツ(20,000ヘルツ)である。超音波デバイスは、20kHzから数ギガヘルツの周波数で作動する。
診断的音波検査(超音波検査)は、可能性がある病状または病変のために、腱、筋肉、関節、血管および内部器官を含む体内構造を可視化するために用いられる超音波をベースとした診断画像化技術である。超音波を用いて妊娠女性を検査する診療は、産科音波検査と呼ばれ、広く使われている。物理学では、「超音波」はヒトに聞こえるには高すぎる周波数の音波を指す。超音波トランスデューサー(プローブ)を用いて超音波パルスを組織に送ることによって、超音波映像(音波検査図)が作製される。音は組織の部分から反射、反響する。このエコーは記録され、オペレーターに画像として提示される。超音波を用いて組織および器官を画像化するために採用される技術は、態様の1つ以上の胃内デバイスの画像化のために応用することができる。
超音波を用いて、多くの異なるタイプの画像を形成することができる。最もよく知られているタイプはBモード画像であり、それは画像化されている組織の二次元断面図を表示する。他のタイプの画像は三次元領域を表示することができ、胃システム内の胃内デバイスの正確な配置を可能にする。ある特定の態様において、超音波の適用はデバイスを破裂させるために使用することもでき、その耐用寿命の終わりに収縮したデバイスを体から出すのを容易にする。
医療用画像化の他の有名な方法と比較して、超音波検査はいくつかの利点を有する。それは画像をリアルタイムで(取得または処理遅れの後ではなく)提供し、それは持ち運びができ、病気の患者のベッドサイドに持ってくることができ、それは費用が実質的により低く、それは有害な電離放射線を用いない。これらの特長の各々は、胃内デバイスの配置またはトラッキングのために特に有利である。
一般的な診断音波検査スキャナは2〜18メガヘルツの範囲の周波数で作動するが、生体鏡検査法では50〜100メガヘルツまでの周波数が用いられている。周波数の選択は、画像の空間分解能と画像化深度の間のトレードオフである。より低い周波数はより小さい分解能をもたらすが、体の中により深く画像化する。より高い周波数の音波はより小さい波長を有し、したがって、より小さい構造から反射または散乱させることが可能である。より高い周波数の音波はより大きな減衰係数を有し、したがって組織により容易に吸収され、体への音波の浸透深度を制限する。画像化の時点の胃内デバイスの状態によって、異なる周波数を採用することができる。例えば、特にデバイスが体表面の近くにあることが予想される喉の領域で画像化する時には、より小さい断面のために、圧縮形の膨張していない胃内デバイスは、より高い画像化波長(例えば、7〜18MHz)の使用から恩恵を受けることができるが、皮膚表面への距離がさらに遠く、より低い軸方向および側方分解能であるがより大きな浸透が観察される場合には、胃の中のより大きな膨らんだ形の胃内デバイスのためにはより低い画像化波長(例えば、1〜6MHz)が望ましいことがある。
超音波検査は、患者の上に直接的に置かれて動かされる、手持ち式のプローブ(トランスデューサーと呼ばれる)を用いることができる。音波検査は、体の軟部組織を画像化するのに有効である。表在性の構造、例えば筋肉、腱、精巣、乳房、甲状腺および副甲状腺ならびに新生児脳は、より優れた軸方向および側方の分解能を提供する、より高い周波数(7〜18MHz)で画像化される。より深部の構造、例えば肝臓および腎臓は、より低い軸方向および側方の分解能であるがより大きな浸透を有する、より低い周波数1〜6MHzで画像化される。
超音波の場合、音波は、いくつかの形をとることができるハウジングに入れられた、圧電性トランスデューサーまたは容量微加工トランスデューサーで一般的に生成される。超音波機械からの強力で短い電気パルスは、トランスデューサーリングを所望の周波数で作製する。周波数は、2MHz以下から18MHz以上の間のいずれかであってもよい。音は、トランスデューサーの形状、トランスデューサーの前のレンズ、または超音波スキャナ機からのコントロールパルスの複合セット(ビーム形成)のいずれかによって集束される。この集束は、トランスデューサーの表面からアーク状の音波を生成する。波は体内に移動し、所望の深度で集束する。
音波検査機械が焦点の方向および深度を変更することを可能にするために、トランスデューサーは物理的レンズでそれらのビームを集束するか、またはフェーズドアレイ技術を用いる。ほとんど全ての圧電トランスデューサーは、セラミック製である。トランスデューサーの表面の材料は、音が体内に効率的に伝えられるのを可能にする(例えば、ゴム様コーティング、インピーダンス整合の形)。さらに、水性ゲルは、患者の皮膚とプローブの間に一般的に置かれる。態様の技術は、胃袋が空の患者、または液体および/もしくは固体の胃内容物で部分的に満たされた胃を有する患者への、胃デバイスの投与に適用することができる。
音波は、異なる組織の間の層から、または圧縮された形のデバイスと周囲の組織の間の界面から、または膨らんだ形のデバイスと周囲の組織または胃液もしくは内容物の間の界面から、部分的に反射される。具体的には、音は、密度変化がある任意の場所で反射され、その結果、反射の一部はトランスデューサーに戻る。トランスデューサーへの音波の戻りは、逆の場合を除き、音波を送るためにそれがとったのと同じ過程をもたらす。リターン音波はトランスデューサーを振動させ、トランスデューサーは、それらがデジタル画像に加工、転換されるウルトラソニックスキャナに移動する電気パルスに振動を変換する。音波検査スキャナは、エコーが受信されるまで音が送信された時からどのくらいかかったか、またはエコーがどのくらい強力だったかを受信した各エコーから決定する。フェーズドアレイのために、その深度でそのエコーの鮮明な画像を可能にする焦点距離を決定することもできる。ウルトラソニック映像エネルギーは、特異的搬送周波数を有するパルスとして送達される。動く物体は反射によりこの周波数を変更し、その結果、動きの画像化を可能にする同時ドップラー音波検査を有することはエレクトロニクスだけの問題である。受け取った画像は、次にデジタル表示される。
超音波検査(音波検査)は、音のパルスを材料中に送るために複数の音響トランスデューサーを含有するプローブを用いる。圧縮されたかまたは膨張している胃内デバイスの場合のように、音波が異なる密度(音のインピーダンス)の材料に遭遇する度に音波の一部はプローブに反射され、エコーとして検出される。エコーがプローブに移動するのにかかる時間が測定され、エコーを引き起こす組織界面の深度を計算するために用いられる。音響インピーダンスの間の差がより大きいほど、エコーはより大きい。パルスが気体または固体に衝突する場合は、密度の差は非常に大きく、大部分の音響エネルギーが反射され、より深く見るのが不可能になる。この特徴は、膨らんだ胃内デバイスの画像化で有利である。
画像化のために用いられる周波数は、一般に1〜18MHzの範囲である。より高い周波数は対応してより小さい波長を有し、より詳細な音波検査図を作製するために用いることができる。しかし、音波の減衰はより高い周波数で増加するので、より深い組織のより優れた浸透をもたらすために、より低い周波数(3〜5MHz)を用いる。
音波検査で体の深くまで見ることは、非常に困難である。エコーが生成する度に一部の音響エネルギーが失われるが、そのほとんど(およそ)は吸音から失われる。音の速さは、それが異なる材料を通って移動する時に異なり、材料の音響インピーダンスに依存する。しかし、音波検査機器は、音の速度が1540m/sで一定であると仮定する。この仮定の結果は、不均一な組織を有する本物の体では、ビームは焦点が若干ぼけ、像分解能が低減されることである。しかし、様々な態様において、その異なる形(圧縮された、膨張している、膨張した、収縮している、収縮した)のデバイスのプロファイルは、より低い像分解能にもかかわらず一般に容易に確認される。
二次元(2D)像を生成するために、ウルトラソニックビームを掃引する。トランスデューサーは、回転させるかまたは揺り動かすことによって、機械的に掃引することができる。または、ビームを電子的に掃引するために、一次元のフェーズドアレイトランスデューサーを用いることができる。受信データは加工され、画像を構築するために用いられる。その場合、画像は体の断面の2D表示である。胃腸管内を通るデバイスの縦の通過を決定するために、2D画像は許容される。定置されると、胃の中のデバイスを三次元で画像化することが望ましいことがある。3D画像は、一連の隣接した2D画像を取得することによって生成することができる。心臓の画像化で一般的に用いられているように、3Dでビームを掃引することができる2Dフェーズドアレイトランスデューサーを採用してもよい。動きを画像化するために、ドップラー超音波検査が用いられる。異なる検出された速度は、解釈の容易さのために色で表される。あるいは、色は、受け取ったエコーの振幅を表すために用いることができる。そのような超音波検査は、有利には、食道を下降する時のデバイスを画像化するために採用することができる。
医療画像化で用いられる超音波のいくつかのモードは、様々な態様で採用することができる。Aモード(振幅モード)は、最も単純なタイプの超音波である。単一のトランスデューサーは、深度の関数としてスクリーン上にプロットされるエコーで、体を通る線をスキャンする。Aモード超音波は、例えば、膨らんだ胃内デバイスを収縮させるのに用いるための、破壊的な波エネルギーの精密正確な集束も可能にする。Bモード(輝度モード)超音波では、トランスデューサーの線状アレイは、スクリーン上で二次元像として見ることができる体を通る平面を同時にスキャンする。このモードは、現在、2Dモードとしてより一般的に知られている。Cモード画像は、Bモード画像に規定の平面で形成される。Aモード線からの特定の深度からデータを選択するゲートが用いられる。次に、この固定深度で全領域をサンプリングするために、2D平面でトランスデューサーを動かす。トランスデューサーがらせん状に領域を横断する時、およそ10秒で100cm2の領域をスキャンすることができる。Mモード(モーションモード)超音波では、パルスは矢継ぎ早に放出される−その度に、AモードまたはBモード画像のいずれかがとられる。経時的には、これは、超音波でビデオを録画するのに類似している。胃内デバイスの境界がプローブに対して移動する反射を生成するので、これは胃内デバイスの速度を決定するために用いることができる。胃内デバイスなどの動く物体の測定、可視化において、ドップラーモードはドップラー効果を利用する。速度情報は、Bモード画像上の色分けされたオーバーレイとして提示することができる。ドップラー情報は体を通る線に沿って連続的にサンプリングすることができ、各時点で検出される全ての速度が提示される(タイムラインで)。パルス波(PW)ドップラーでは、ドップラー情報は小さいサンプル容量(2D画像で規定される)だけからサンプリングされ、タイムラインで提示される。二重モードは、2Dおよび(通常)PWドップラー情報の同時提示を指すために用いられる。カラードップラーは、三重モードと呼ぶことができる。パルス反転モードでは、反対のサインを有する2つの連続パルスが放出され、その後互いから引かれる。これは、いかなる線形応答部品も消滅し、非線形圧縮率を有する気体が目立つことを意味する。パルス反転は、深部浸透基本周波数が体内に放出され、倍音が検出される調和モードの場合のように、同様の方法で用いることもできる。このように、残響および収差によるノイズおよびアーチファクトは、大いに低減される。浸透深度は、向上する側方分解能で得ることができる。超音波の追加の拡張または追加の技術はバイプラナー超音波であり、そこでは、プローブは互いに直角をなす2つの2D面を有し、より効率的な限局化および検出を提供する。オムニプレーンプローブは、複像を得るために180°回転することができるものである。3D超音波では、物体の三次元画像を作製するために、多くの2D面が一緒にデジタル的に加えられる。
造影剤増強超音波では、マイクロバブル造影剤が超音波を増強し、コントラストの増加をもたらす。同じように、有利には、胃内デバイスは、コントラストを増強するために、重質ガス、例えばパーフルオロカーボンまたは窒素で完全または部分的に満たすことができる。使用に適する重質ガスには、限定されるものではないが、窒素、アルゴン、SF6ならびにハロゲン化炭素、例えばC2F6、C3F8、C4F10、C4F8、C3F6、CF4およびCClF2−CF3が含まれる。
音波検査は、胃内デバイスなどの構造物がプローブの方へ動いているか、またはそれから離れつつあるかについて、および構造物の相対速度について評価するためにドップラー効果を採用する、ドップラー測定で増強することができる。特定の試料体積、例えば動脈内の流量または心臓弁の上の血流の噴流の周波数シフトを計算することによって、その速度および方向を決定し、可視化することができる。これは心血管研究(脈管系および心臓の音波検査)で特に有益であり、多くの領域、例えば門脈圧亢進における肝臓血管系での血液逆流の判定で必須である。ドップラー情報は、スペクトルドップラーを用いてグラフィカルに、またはカラードップラー(指向性ドップラー)もしくはパワードップラー(無指向性ドップラー)を用いて画像として表示される。このドップラーシフトは可聴範囲に入り、しばしばステレオスピーカーを用いて聞こえるように提供される。これは、合成的であるが非常に特徴のある脈動音を生成する。ほとんどの現代の音波検査機は、速度測定のためにパルスドップラーを用いる。パルス波機械は、一連のパルスを送信し、受信する。各パルスの周波数シフトは無視される。しかし、周波数シフトを得るためにパルスの相対位相変化が用いられる(周波数は相変化の速度であるので)。連続波に優るパルスドップラーの主な利点は、距離情報が得られ(送信および受信パルスの間の時間を音の速さの知識で距離に変換することができる)、ゲイン補正が適用されることである。パルスドップラーの欠点は、測定がエイリアシングを被ることがあるということである。用語「ドップラー超音波」または「ドップラー音波検査」は、速度を測定する異なる機構にもかかわらず、パルスのおよび連続的なドップラーシステムの両方に適用されることが受け入れられている。カラードップラーの表示のための基準はない。一般的な規則は、トランスデューサーに向かう流れを示すために赤色を用い、トランスデューサーから離れる流れには青色を用いること、または、標的からのエコー(散乱した)のより長い波を表す赤色シフトを表示することである。
超音波検査は、in vivoで胃内デバイスを画像化することに対していくつかの利点を提供する。超音波検査は固体表面を非常に良好に画像化し、固体と流体充満空間の間の界面を正確に表すために特に有益であり、固体の圧縮された形ならびに膨張した形の両方、または収縮した形のデバイスの画像化さえも可能にする。この方法は、胃内デバイスの動きならびに位置を示すライブ画像の取得を可能にする。この方法は既知の長期の副作用がなく、患者に不快感を引き起こすことは稀である。装置は、広く入手でき、比較的にフレキシブルである。医師の診療室またはクリニックで検査を実施することができるように、小さく持ち運びが容易なスキャナが利用できる。この技術は、他の方法、例えばCAT画像化または磁気共鳴画像化と比較しても比較的安価である。空間分解能は、他のほとんどの画像化様式におけるよりも高周波超音波トランスデューサーで優れており、胃内デバイスの正確なトラッキングを可能にする。
超音波を用いて、特に肥満患者で、身体深くの組織構造を画像化するのが困難であることがあることが知られている。体型は、画像の品質に対して大きな影響を及ぼす。画像の品質および診断精度は肥満患者で制限され、上の皮下脂肪は音波ビームを減衰させ、より低い周波数のトランスデューサーが必要とされる(より低い分解能の)。しかし、固体の圧縮された形のデバイスは、満足な画像コントラストを提供する。特に窒素、SF6または他のハロゲン化炭素を含有する時には、膨張した形のデバイスはin vivo組織構造と異なって優れたコントラストを示し、病的肥満体においてさえ容易な画像化を可能にする。
いくつかの態様において、超音波センサーは、非接触センサーを含む。ウルトラソニックレベルのまたはセンサーもしくは感知システムは、標的との接触を必要としない。医療産業では、これは、目的のマーカーまたはアイテムに混入するかさもなければ妨害することがあるインラインセンサーに優る利点である。いくつかの態様において、センサーはマイクである。
いくつかの態様において、パルス波システムが用いられる。パルスウルトラソニック技術の原理は、伝送信号がウルトラソニックエネルギーの短いバーストからなるということである。各バーストの後、センサーエレクトロニクスは、目的の媒体をエネルギーが通過するのにかかる時間に対応する小さい時間ウィンドウの中で、リターン信号を探す。このウィンドウの間に受信した信号だけが、追加の信号処理の資格を与えられる。いくつかの態様において、連続波システムが用いられる。パルス化、連続的または他の波動システムでは、センサーは、リターン波信号を受信するマイクであってもよい。
いくつかの態様において、マーカーが超音波信号を送信することができる。例えば、超音波識別(USID)は、超音波デバイスに取り付けられたかまたは埋め込まれた、単純で安価なノード(バッジ/タグ)を用いて、胃内デバイスの位置をリアルタイムで自動的に追跡し、識別するために使用することができ、それらは次に、マイクなどの超音波センサーにそれらの位置を伝えるために超音波信号を送信する。
超音波配置システムで、コンピューターシステムを実装することができる。コンピューターシステムは、超音波センサーからデータを受信し、特定のアルゴリズムに従って胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関係する情報を計算するハードウェアおよびソフトウェアを含む。いくつかの態様において、ハードウェアは、中央処理装置、メモリー、アナログからデジタルへの変換器、アナログ回路、ディスプレイを含むことができる。いくつかの態様において、ソフトウェアは、ここで議論される技術に従う、較正、初期化、予測、推定、磁気センサーデータの測定、位置、配向、サイズ、構成などを含む様々な所望の出力の計算を含む、いくつかの工程を通して進行する。
胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関するプロセッサーの出力は、いくつかの様式でユーザーに伝えることができる。いくつかの態様において、出力はディスプレイ上に視覚的に示される。
いくつかの態様において、胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関係するプロセッサーの出力は、スピーカーを通してユーザーに聞こえるように伝えられる。
いくつかの態様において、胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関係するプロセッサーの出力は、方法の組合せを通してユーザーに伝えられる。例えば、システムは、スピーカーを通して送られる可聴警報と一緒に視覚的グラフィック表示を採用することができる。
いくつかの態様において、超音波配置システムは、使用前に較正される。出力信号が予想される範囲内にあることを検証するために、超音波マーカーおよびセンサーは予定された位置および配向に置かれる。いくつかの態様において、超音波マーカーがシミュレーターを通って移動する時に超音波配置システムを検査するために、超音波配置システムは、ヒト患者シミュレーターまたはダミーを用いて較正されるかさもなければ検証される。いくつかの態様において、超音波配置システムは、近くの音波干渉からの迷子の信号について検査される。
様々な態様において、摂取された胃内デバイスを配置するかさもなければ特徴付けるために、超音波センサーは、1つ以上のマーカーと一緒に用いることができる。いくつかの態様において、既製の胃内デバイス、例えば嚥下可能な、膨らませることができるバルーンを、いかなる超音波マーカーによる変更もなしに用いることができる。そのデバイスで、音波をパルス化し、マイクでそれらのリターン信号を感知する超音波センサーを、体外で用いることができる。デバイスは、収縮状態で嚥下することができ、その後、胃の中に入ると膨張するかまたは膨張させられる。超音波センサーは、上述の技術に従って、デバイスをパルスさせ、リターン信号を受信することによって、デバイスを配置するかさもなければ特徴付けするために用いることができる。
摂取されたデバイスは、超音波胃内配置システムを用いて配置することができる。いくつかの態様において、様々な位置でパルスさせ、リターン信号を分析することによって、センサーでデバイスを配置することができる。例えば、リターン波信号を、デバイスを飲み込む前の体の位置と相関させることによって、デバイスのない身体器官に対応するリターン信号を前もって決めることができる。これにより、デバイスなしの器官または体の超音波マップを作成できるであろう。次に、デバイスを飲み込んだ後に、および体の上でセンサーを動作させることによって、体の対応する位置について異なる信号が返されるならば、デバイスの位置はこのように特定される。これは、上述の技術に従って実行することができる。
摂取されたデバイスの配向は、超音波胃内配置システムを用いて確認することができる。いくつかの態様において、デバイスの様々な位置でパルスさせおよび感知し、リターン信号を分析することによって、センサーは胃内デバイスの配向を特定することができる。例えば、患者による摂取の前に、リターン波サインとデバイスの配向の間の既知の相関の既定のデータベースが存在するように、デバイスを様々な配向でパルスさせることができる。これは、収縮したか、膨張したかまたは他の状態のデバイスについて行うことができる。次に、摂取の後、上述の技術に従って、デバイスの配向を決定するために、デバイスをパルスさせ、リターン信号を既定のデータベースと比較することができる。
さらに、上述の技術に従って超音波胃内配置システムを用いて、摂取されたデバイスの様々なサイズおよび構成を特徴付けることができる。例えば、バルーンの膨張または複数のバルーンの膨張もしくは構成を特徴付け、評価することができる。いくつかの態様において、デバイスの様々な位置でパルスさせおよび感知し、リターン信号を分析することによって、センサーは1つ以上のデバイスを特徴付けることができる。例えば、収縮したデバイスは、膨張したデバイスと異なるパルスサインを返すだろう。このような方法で、デバイスを、膨張しているか、収縮しているかまたは何らかの他の状態にあると特徴付けることができる。リターン信号サインが前もって決められ、デバイスの状態を評価するための目安の役目をするように、患者による摂取の前に、膨張したデバイスをさらに特徴付けることができるであろう。いくつかの態様において、収縮過程を特徴付けるために、超音波配置システムは収縮システムと共に用いることができる。
開示された超音波胃内配置システムおよび技術を用いて、投与の様々な方法のタイミングおよび他の属性を特徴付けることができる。デバイスが内視鏡技術を用いてかまたは経口的に投与されるかどうかにかかわらず、胃に進む時のデバイスの進行を超音波配置システムで追跡することができる。例えば、硬質ゼラチンまたは水または他の消耗品によりデバイスを飲み込むことの影響は、それが摂取される間の位置および配向を追跡することによって特徴付けることができる。いくつかの態様において、胃内デバイスを送達するために採用される内視鏡は、配置される胃内デバイスから予め選択された距離に超音波発信デバイスを組み込む。超音波発信は、胃内デバイスの近位膨張による発信超音波の変化により、膨張過程のモニタリングだけでなく、胃内バルーンの正確な配置を可能にする。
いくつかの態様において、超音波配置システムは、円形または楕円形の断面を有する胃内デバイスを特徴付けることができる。デバイス内に置かれる2つのウルトラソニックモジュールは、飛行時間型超音波技術を用いてシステムがデバイスのサイズおよび組成を測定することを可能にする。
音の速度を用いて、送信と受信の間の時間から距離を計算することができる。ウルトラソニックパルスの送信とエコーの受信の間の時間は、t=2d/Uまたはd=Ut/2、(53)によって与えられ、ここで、Uは目的の媒体中の音の速度であり、dはデバイスの直径である。送信が2つの直交方向で起こる場合は、胃内デバイスの2つの寸法を判定することができ、したがってデバイスの面積を計算することができる。デバイスが楕円であると仮定すると、長径(a)および短径(b)を用いた楕円の面積を求める式は、以下の通りである:
膨張したデバイスの内部がクリアであるならば、クリアなエコー信号が得られ、デバイスの領域を判定するためにクリアな領域で超音波パルスの飛行時間が得られる。外来の、さもなければデバイス中の物体の存在を検出するために、2つの方法を用いることができる。第1に、直交方向の散乱ウルトラソニックパルスの振幅である直交性信号を、元のパルスのエコーリターンと比較する。第2に、元のパルスエコー中の偽リターンの量は、デバイスの分析される断面での固体対液体の物体の比を判定することさえできる。
胃内デバイスは、2つの直交性ウルトラソニック送信機/受信機(「トランシーバ」)モジュールを含むことができる。1つのトランシーバは前/後(a/p)ウルトラソニックモジュールであり、他のトランシーバは側方のウルトラソニックモジュールである。デバイスは、各トランシーバモジュールからの飛行時間を測定するマイクロプロセッサーをさらに含む。マイクロプロセッサーは、デバイスエコーと空のデバイス内部を区別することが可能である。マイクロプロセッサーは、送信のための信号を調製することも可能である。マイクロプロセッサーは、コンピューターと電気的に通信する。いくつかの態様において、コンピューターおよびマイクロプロセッサーは同じ部品に組み込まれる。少なくとも1つの態様において、コンピューターは、デバイスに関連した長半径、短半径および散乱を判定することが可能なルックアップ表であってもよい。
胃内デバイスは、デバイスから体外の位置に信号を送信することが可能な送信機を含むこともできる。送信機が送信のためのアンテナを含むことができるか、またはバンド(示さず)内のアンテナが送信機と電気的に通信することができる。デバイスは、バッテリーを内蔵しているかまたは胃内デバイスエレクトロニクスに誘導的に給電することが可能な、モジュールを含むこともできる。送信された信号を受信するためのアンテナおよびアンテナと作動可能に通信する受信機は、患者の外部にあってもよい。送信機によって送信され、受信機によって受信される信号を解読し、処理することが可能なソフトウェアを有するコンピューターが含まれてもよい。コンピューターソフトウェアは、胃内デバイスの長さおよび幅を判定するために水平および縦のウルトラソニックパルスの飛行時間を測定すること、ならびに長さおよび幅を合わせて面積を求めることが可能である。縦の受信機への水平受信機の散乱および水平受信機への縦の受信機の散乱から、デバイス中のいかなる材料の存在も判定できることに留意すべきである。
様々な超音波マーカーおよびそれらの音響特性は、超音波センサーまたは検出器と一緒に超音波胃内デバイス配置システムに実装することができる。超音波マーカーは、超音波センサーまたは検出器が応答するいかなる物質、材料または物体も含む。述べた通り、ここで用いられる超音波「マーカー」は、したがって胃内デバイスそれ自体を含み、その結果、既製の未改変の胃内デバイスは、ここに開示される超音波配置システムに応答性であるかさもなければそれと一緒に用いることができる材料を既に含有していてもよい。
いくつかの態様において、マーカーは、胃内デバイスに取り付けられたおよび/または埋め込まれたおよび/またはさもなければ接続されたノードである。そのようなノードは、例えば、適用される超音波エネルギーに応答性であるバッジまたはタグであってもよい。ノードは、その位置をマイクセンサーに通信するために、超音波信号を発信または送信することもできる。ノードは、様々な配置で胃内デバイスに組み込むことができる。
音響位置
次に図27および28を参照すると、超音波を用いて胃内デバイスを配置するかさもなければ特徴付けるためのシステムが、本発明の少なくとも1つの態様に従って例示される。図27のシステム10Bは、外部の同調回路およびデバイスの中または上に埋め込まれた受動コイルを用いて、デバイスの特徴、例えばサイズを測定するために用いられる。システム10Bは、胃内デバイス14の中に置かれた第1のコイル状伝導体12(または内部コイル)を含む(図28でさらに詳細に示す)。第1のコイル状伝導体12を表すために、語句「内部コイル」および「内挿コイル」もここで用いられる。システムは、調整可能な周波数発生器16、スペクトルアナライザー18および第2のコイル状伝導体20を含む、デバイスおよび患者の外部の回路をさらに含む。第2のコイル状伝導体20を表すために、語句「外部コイル」および「アウターコイル」もここで用いられる。周波数発振器は、例えば可変周波数発振器であってもよい。語句「周波数発振器」は、反復性の電気または電子信号を生成する、任意のタイプの電気または電子デバイスを表すために用いられる。例えば、周波数発振器は、反復する正弦波を発生することが可能な電子デバイスであってもよい。語句「スペクトルアナライザー」は、信号の周波数および振幅を測定することが可能な任意の電気または電子デバイスを表すために用いられる。
以下に詳細に記載されるように、患者が不在の時と患者が存在する時の両方で共鳴を可能にするために、システムは適当なキャパシタンス、インダクタンスおよび抵抗をさらに含む。例えば、図27に示すシステムは、共鳴を達成するために調整することができる可変コンデンサー22を含む。可変コンデンサーを提供するよりは、いくつかの態様において、コンデンサーは固定値のものであってもよく、可変インダクタが含まれてもよい。
システム10Bは、図28に示す内部コイル12の中で加熱を制御するためのデバイス24を含むこともできる。図28に見られるように、デバイス24、例えば抵抗器は、内部コイルと電気的に通信する。いくつかの態様において、二端子抵抗器に取り付けられた2つの電気リード線を胃内デバイスから延長させることができ、それによって測定をとることが可能になる。すなわち、抵抗器の第1の端子は第1の電気リード線の第1の末端と電気的に通信することができ、抵抗器の第2の端子は第2の電気リード線の第1の末端と電気的に通信することができる。第1および第2の電気リード線の第2の末端は、胃内デバイス14の外側の外部に延長することができる。
少なくとも1つの態様において、電気リード線は、図29に見られるように患者の体の上のアクセスポートを通してアクセス可能である。図29は、膨張可能な部分26、固体基板28および配置タブ30を有する、内部コイル12を有する胃内デバイス14を表す。見られるように、電気リード線32は、コイル中の電流の測定を可能にするために、注入ポート34から内部コイル12まで延長する。いくつかの態様において、外部回路が胃内デバイス14および同調回路にその内部コイルを含むように、これらのリード線を外部回路に導電的に接続することができる。
上記の態様において、胃内デバイス14中の電流は誘導の結果であるので、バッテリーまたは高周波(RF)モジュールが必要でないことに留意すべきである。
システムは、胃内デバイス14のサイズを判定するために、第1のコイル状伝導体中の電流および外部回路の共鳴周波数に基づいて計算を実行することが可能なソフトウェアを有する、図27に表すコンピューター35Bをさらに含むことができる。システムのオペレーションの導出、計算および理論を、下に示す。
胃内デバイス14のサイズ、配向または他の特徴を計算するために、本発明の2つの態様は、誘導を利用する。考慮すべき、誘導を用いた第1の態様は、図30Aに図式的に示すように、内挿コイルおよび外部コイルがお互いに対して同心状および同軸状に置かれる場合である。そのような態様は、胃内デバイス14の中または上の内挿コイルが外部コイルと同心状であるように、外部コイルが患者の体の周囲に置かれる時に起こる。各ソレノイドの巻数Nは、ユニット長あたりの巻数(n)*ソレノイドの長さ(d)に同等である。したがって、図30Aの外部ソレノイドの巻数は、式N1=n1*d1によって与えられる。外部コイルは以下の電流で励起されると仮定される:
I=I0sinωt、(1)
ここで、ωは電流源の角周波数であり、I0は電流源の極大電流である。次に、比較的長いコイルの磁場Bは、以下の関係式によって与えられる:
B=μ・N1I0・sin(ω・t)/d1、(2)
ここで、N1はコイル中の巻数であり、d1はコイルの長さである。胃内デバイス14に内在するより大きな外部コイルからの磁束は、以下の通りである:
Φ=A2・B=A2・μ・N1・I0・sin(ω・t)/d1、(3)
ここで、μは内挿コイルの領域A2に含有される材料の磁気感受性であり、Bは磁場密度であり、N1はコイル中の巻数である。コイル1によってコイル2で生成される起電力(emf)は、以下の関係式によって与えられる:
E=−dΦ/dt=−A2・B=A2μ・N1・ω1・I0・(cosωt)/d1 (4)
胃内デバイス14全体で誘導される電圧は、以下の関係式によって与えられる:
ET=N2・E=−A2・μ・N1・N2・ω1・I0・cos(ω・t)/d1 (5)
コイルの自己インダクタンス(L)は、以下の通り規定される:
L=N・Φ/i=N・A・μ・N/l=N2・A・μ/d1 (6)
次に、コイル中の自己誘導emfは、以下の通りである:
V=−LdI/dt=−ω・N2・A・μ・I0・cos(ω・t)/d1 (7)
2つのコイルの相互インダクタンス(M)は、以下の通り規定される:
M21=N2・Φ21i1、(8)
ここで、コイル1の電流はコイル2で束を生成する。
N2・Φ21=N2・B1・π・R2 2、(9)
さらに、
N2・Φ21=N2・N1・π・μ0・R2 2・i1/2・R1、(10)
したがって、デバイスおよび外部コイルの相互インダクタンスは、以下によって与えることができる:
M21=N2・N1・π・μ0・R21 2/2・R1 (11)
より大きなコイルで生成される磁場はより小さいコイルを通して本質的に一定であるが、より大きなものの中でより小さいコイルで誘導される場にはこれは該当しないことに留意すべきである。しかし、より小さいものの上のより大きなコイルの相互インダクタンスは、より大きなものの上のより小さいコイルのそれに等しい。
導出の続きでは、回路の電圧は、レジスタンス(VR)、キャパシタンス(VC)およびインダクタンス(VL)からもたらされる電圧の合計であり、その結果
V=VR+VC+VL、(12)
または積分微分形での時間の関数として、
ν(t)=I1・R+L1・dI1/dt+1/C・∫I1dt、(13)
または以下の微分方程式(14)で完全に表される:
可変周波数発振器が
の励起を外部コイルならびに関連する抵抗器およびコンデンサーに適用するならば、式(14)は以下の通り記述することができる:
外部ループを含む同調(または共振)回路は、以下によって与えられる固有周波数を有する:
共振回路の品質係数、すなわちQは、以下によって与えられる:
周波数プロットの帯域幅(ω2−ω1)(すなわちスペクトルアナライザーで測定される最大半減応答時の幅)は、以下によって与えられる:
LAGBコイル中の誘導emfが既知であるならば、
LAGBが含まれない外部同調回路を考慮すると:
であり、それは直列RLC回路のための一般式である。したがって、
比例する半電力周波数は、以下の関係式によって与えられる:
ここで、誘導性回路(これは、他の抵抗のない単一の導電ループである)が、胃内デバイス14またはマーカーを含む外部回路に含まれる。外部コイルが回路1であり、胃内デバイス14またはマーカーが回路2であるならば:
であるが、デバイスに印加電圧があるので、およびデバイスのレジスタンスは小さいので、
我々は外部コイル回路の電流パラメータだけを観察するので、LAGB中の電流は排除することができ、以下を残す:
次に、式(27)に代入すると、以下の式を与える:
式(30)の導関数をとると:
これは、
に等しく、これは
に等しい。
以下に示すように、周波数の帯域幅がそうするように、外部コイルの共鳴周波数はLAGBの存在下で変化する:
分離状態およびLAGBと同心状の時の外部コイルの共鳴周波数の平方を比較すると、以下の比が得られる:
ここで、ωno_lap_bandは回路にラップバンドまたは胃内デバイス14コイルのない固有周波数であり、ωlap_bandは回路にラップバンドまたは胃内デバイス14コイルを有する固有周波数である。式(36)は、LAGBに対する外部コイルの配向が、共鳴周波数がLAGBの存在下でより小さいようなものであると仮定する。帯域幅の比は、以下によって与えられる:
L1、L2およびMの値は、コイルの幾何構造に依存する。上記のように、第1の態様は、図4Aの場合のように、内挿コイルおよび外部コイルが同心状および同軸状に置かれる構成を目的とする。そのような態様において、
であり、ここで、R1およびR2は2つのコイルの半径であり、d1およびd2は2つのコイルの長さであり、A1およびA2はコイルで囲まれるそれぞれの面積である。
M、L1、L2のための式(38)〜(40)に基づくと、
式(36)に代入すると、以下がもたらされる:
内挿コイルの面積A2を解くと、以下がもたらされる:
考慮すべき、誘導を用いた第2の態様は、図30Bに図式的に示すように、内挿コイル12および外部コイル20がお互いに対して同軸状非同心状の配置で置かれる場合である。コイルの間に、21に示すインピーダンスZがある。そのような態様は、外部コイルが患者の体の周りではなく、下または上に置かれる時に起こる。
前に明記したように、L1、L2およびMの値はコイルの幾何構造に依存する。第2の態様、すなわち2つの同軸非同心状コイルの幾何構造では、L1、L2およびMは、以下の通りである:
M、L1、L2のための式(44)〜(46)に基づくと、
式(36)に代入すると、以下がもたらされる:
内挿コイルの面積A2を解くと、以下がもたらされる:
式(43)の同心同軸態様および式(49)の非同心同軸態様の面積は、以下の式で要約することができ:
ここで、kはコイルの幾何構造に依存する。したがって、面積は、1つの絶対値からスペクトルアナライザーで測定される最大共鳴周波数の平方の比を引いたものに比例する。
したがって、胃内デバイス14またはマーカーの面積と磁気感受性の積を求めるために、共鳴周波数ピークの変化および帯域幅の変化の両方を用いることができる。誘導方法の両方の態様において、適切な相対位置を保証するために分離からの最大共鳴周波数変動を与えるために、外部コイルは、デバイスコイルに対して高さおよび配向を調整することができる。デバイスまたはマーカーでの高磁気感受性流体の使用は、胃組織を含むのではなく、デバイスまたはマーカーの面積だけが測定されることを確実とする。
前に明記したように、システムは、胃内デバイス14またはマーカーの面積を計算するためのコンピューターを含むことができる。上の式(43)および(49)に示すように、上述のものに基づいて、当業者は内挿コイルの面積を計算するソフトウェアを記述する方法を容易に理解するだろう。
最大共鳴周波数を生成するために外部コイルを調整するために、本発明のいくつかの態様は、外部コイルを固定するコイルホルダーを含む。ここで図31Aを参照すると、同心同軸状誘導態様のためのコイルホルダーの一態様が示される。コイルホルダーは、外部コイルを内部コイルと配向するために用いられる。上記の計算は2つのコイルの間の配向に基づくので、コイルホルダーの使用は、外部コイルを固定することによってシステムのセットアップを単純化することができる。図31Aに見られるように、コイルホルダー36は単に垂直の取り付け台37に可動的に係合するアームであってもよい。コイルホルダー36は、上昇および下降させることができることが重要である。コイルホルダー36を、例えばコイルホルダー上のポイント38を中心にして傾斜させることができることも重要である。この方法で、外部コイル20は、患者内の内部コイル12の周りに同心状および同軸状に置くことができる。コイルホルダーの多数の他の可能な態様がある。
ここで図31Bを参照すると、コイルホルダーの別の態様が示される。具体的には、図31Bは、非同心、同軸状誘導態様のためのコイルホルダーを表す。図31Bに見られるように、コイルホルダー36は、単に椅子39の座部の下に置かれた小さいテーブル様デバイスであってもよい。コイルホルダー36を前の通り傾斜させることができ、それによって外部コイル20を整列させる患者内の内部コイルと整列させることができることが重要である。そのような態様において、患者は椅子39に腰かけ、共鳴周波数が達成されるまで、椅子の下のコイルホルダー36を配向する。コイルホルダーの多数の他の可能な態様がある。いくつかの態様において、コイルは、患者の下ではなく上に置くことができる(表さず)。
ここで図32を参照すると、本発明の少なくとも1つの態様に従う、胃内デバイスまたはその上のマーカーを特徴付ける方法40が示される。方法40は、胃内デバイスまたはその上のマーカーを特徴付けるためのシステムを提供する工程42を含む。そのようなシステムの態様は、上に記載される。この方法は、患者の不在下でデバイスまたはマーカーの外部の回路を第1の共鳴周波数に同調させる工程44をさらに含む。これは、マーカー中のコイルの影響なしで開業医が回路を同調させ、測定することを可能にする。測定される第1の共鳴周波数は、この方法の工程46で記録される。この方法は、外部コイルを患者の近くに置く工程48をさらに含む。上記の通り、外部コイルは、2つの方法で患者の近くに置くことができる:同心状および同軸状に、ならびに非同心状および同軸状に。コイルは、デバイスもしくはマーカーの近似レベルで患者周囲に、または患者の下に置かれる。この方法は、患者が飲み込むためのマーカーを提供する工程50をさらに含む。
デバイスの測定される特徴、例えば面積は、患者がマーカーを飲み込んだ後に共鳴周波数に起こる急騰に基づく。マーカーは、無毒の常磁性材料、例えば磁気共鳴画像化(MRI)造影剤の溶液を混ぜた水であってもよい。いくつかの態様において、マーカーは単に水であってもよい。多くの場合、本方法は、MRI造影剤を摂取することなく、または非常に薄い濃度でも、デバイスまたはマーカーサイズまたは他の特徴を検出するのに十分感受性である。この方法は、患者の存在下でデバイスまたはマーカーの外部の回路を第2の共鳴周波数に同調させる工程52をさらに含む。この方法のいくつかの態様において、外部コイルは、外部回路の共鳴周波数の最大変化を得るように動かすことができる。例えば、外部コイルは、内部コイルと整列するように、上下、左右に動かすこと、および傾斜させることができる。最後に、この方法は、第1の共鳴周波数と第2の共鳴周波数の間の差に基づいて、マーカーまたはデバイスのサイズ、配向または他の特徴を計算する工程54を含む。外部同調回路の共鳴周波数の変化から、デバイスまたはマーカーの面積が計算され、MRI造影剤の磁気感受性を知る。
ここで図33A〜36、胃磁気感受性ファントムを用いる装置検証のセットアップおよび方法を参照する。図33Aは、装置検証のためのファントムの基本的セットアップの上面図を表す。セットアップは、縦軸63(図33Bに示す)、内腔64、組織66および3つの検査腹腔鏡で調節可能な胃マーカー68、例えば胃バンドを有する臑動ポンプ60を含む。所望の精度によって、より多くのマーカー68を用いることができることに留意すべきである。
臑動ポンプは磁気造影剤で充填され、ポンプはヒト嚥下速度と一貫した速度に設定される。図33Aに示す態様の側面図である図33Bに示すように、検査腹腔鏡で調節可能な胃マーカーは、ポンプ60の周りの3つの位置、P1、P2およびP3に置く。第1、第2および第3のマーカーは、ポンプの縦軸63に沿ってお互いからオフセットされる。
ここで図34を参照すると、調節可能な外部コイル70は、マーカー68の周りに置かれるように移動される。ポンプの周りに置かれるマーカー68の各々の共鳴周波数を測定する。磁気材料がファントムを通って受容器72に入り、およびポンプを通って再び戻る間に、共鳴周波数を測定する。共鳴周波数の値はピックアップコイル74で検出され、さらなる計算のために外部のエレクトロニクス76に送信される。共鳴周波数の最大偏差は、スペクトルアナライザーから判定される。
上記の技術は、胃内デバイスまたは体内の周囲の解剖学的構造の像を与えない。しかし、図35に示すように、収集されるデータをグラフィカルに表示することができる。図35に見られるように、周波数の変化は、幾何学的特徴、例えば位置P1、P2およびP3にそれぞれ置かれたマーカーの面積A1、A2およびA3とグラフィカルに相関させることができる。このように、開業医は、検証手順の間に測定された値に対してA1、A2およびA3の公知の優れた値を比較することによって、外部コイルが適切に動作していると確信することができる。
前に記載した外部周波数発振装置は、適当な高周波励起を用いて胃内腔全体をスキャンするように改変することができ、それによって、痕跡流感知磁気共鳴画像化装置を模倣することに留意すべきである。そのような装置は、適当な周波数ドメインソフトウェアを用いて画像を提供するだろう。
胃磁気感受性ファントムを用いて胃内腔のサイズを判定する方法を、図36に示す。この方法は、水または磁気共鳴画像化造影剤を含有する水溶液で臑動ポンプを充填する工程82を含む。この方法は、臑動ポンプの周りに、前に記載した第1、第2および第3のマーカーまたはデバイスを内部コイルと配置する工程84をさらに含む。第1、第2および第3のマーカーは、ポンプの縦軸に沿ってお互いからオフセットされる。この方法は、ヒト嚥下速度とほぼ同じ速度にポンプを設定する工程86をさらに含む。この方法は、ポンプを通して造影剤を送る工程88をさらに含む。この方法は、図34の外部コイル70を第1、第2および第3のマーカーの周りに順に置き、造影剤をポンプを通して送る間にスペクトルアナライザーから第1、第2および第3のマーカーの各々の共鳴周波数の最大偏差を判定する工程90をさらに含む。この方法は、それらの共鳴周波数に基づいて第1、第2および第3のマーカーの各々の面積を計算する工程92をさらに含む。
図36に記載される方法の工程は、示す順序で実施する必要がなく、このように、この方法は特定の順序に制限されるべきでないことに留意すべきである。むしろ、当業者は、例えば水溶液で充填する前にポンプを一定の速度に設定するならば、この方法は等しく良好に作動することを認める。
ここで図37〜40を参照すると、胃内デバイスを特徴付ける、例えばデバイスのサイズを測定するためのシステムが、本発明の少なくとも1つの態様に従って例示される。図37は、図29に類似する。しかし、図37に表す態様は、内部コイルの代わりに、システムに飛行時間型超音波技術を用いてマーカーおよび/またはデバイスのサイズおよび組成を測定させる、デバイスの中に置かれた2つのウルトラソニックモジュールを有する。
ウルトラソニックパルスの送信とエコーの受信の間の時間は、以下によって与えられ:
ここで、Uは媒体、一般的に水の中の音の速度であり、dは目的のデバイスまたはマーカーの直径である。
音の速度が既知であるならば、送信と受信の間の時間から寸法を計算することができる。送信が2つの直交方向で起こる場合は、マーカーの2つの寸法を判定することができ、したがってマーカーの面積を計算することができる。内腔が楕円であると仮定すると、長軸(a)および短軸(b)を用いた楕円の面積を求める式は、以下の通りである:
患者に水を飲むように指示し、こうして胃領域を洗い流すことによって、マーカーを胃組織と区別することができる。マーカーがクリアであるならば、クリアなエコー信号が得られ、マーカー領域を判定するためにクリアな領域で超音波パルスの飛行時間が得られる。
持続的な固体物体の存在を検出するために、2つの方法が用いられる。第1に、直交方向の散乱ウルトラソニックパルスの振幅である直交性信号を、元のパルスのエコーリターンと比較する。第2に、元のパルスエコー中の偽リターンの量は、マーカーによって囲まれる領域の断面での固体対液体の物体の比を判定することさえできる。
ここで図37を参照すると、胃内デバイス14は、2つの直交性ウルトラソニック送信機/受信機(「トランシーバ」)モジュール100A、102Aを含む。トランシーバ100Aは前/後(a/p)ウルトラソニックモジュールであり、トランシーバ102Aは側方のウルトラソニックモジュールである。
デバイス14は、各トランシーバモジュールからの飛行時間を測定するマイクロプロセッサー104Aをさらに含む。マイクロプロセッサーは、組織エコーと空のマーカーを区別することが可能である。マイクロプロセッサーは、送信のための信号を調製することも可能である。マイクロプロセッサーは、コンピューター105と電気的に通信する。いくつかの態様において、コンピューターおよびマイクロプロセッサーは同じ部品に組み込まれる。少なくとも1つの態様において、コンピューターは、内腔に関連した長半径、短半径および散乱を判定することが可能なルックアップ表であってもよい。
胃内デバイス14は、マーカーから体外の位置に信号を送信することが可能な送信機106Aも含む。送信機106Aが送信のためのアンテナを含むことができるか、またはバンド(示さず)内のアンテナが送信機と電気的に通信することができる。デバイス14は、バッテリーを内蔵しているかまたは腹腔鏡により調整できる胃バンドエレクトロニクスに誘導的に給電することが可能なモジュール108Aも含む。
送信された信号を受信するためのアンテナ110Aおよびアンテナと作動可能に通信する受信機112は、患者の外部にある。前のように、送信機106Aによって送信され、受信機112によって受信される信号を解読し、処理することが可能なソフトウェアを有するコンピューター35Bが含まれてもよい。コンピューターソフトウェアは、デバイス14および/またはマーカーの長さおよび幅を判定するために水平および縦のウルトラソニックパルスの飛行時間を測定すること、ならびに長さおよび幅を合わせて面積を求めることが可能である。縦の受信機への水平受信機の散乱および水平受信機への縦の受信機の散乱から、目的の領域中の物体を判定できることに留意すべきである。
ウルトラソニックシステムは、図33A〜34に関して上に記載されるものに類似の方法で較正することができる。上記の技術は、デバイス14またはマーカーまたは内部の解剖学的構造の像を与えない。しかし、図38に示すように、収集されるデータはグラフィカルに表示することができる。図38に見られるように、側方および水平の飛行時間は、位置P1、P2およびP3にそれぞれ置かれたマーカーまたはデバイス14の面積A1、A2およびA3とグラフィカルに相関させることができる。
いくつかの態様において、デバイス14またはマーカーは内側および外側を有し、ここで、内側は外側より胃内腔に近く、図37の場合のように、2つのウルトラソニックモジュールはデバイスの外側に置かれる。
図39は、ウルトラソニックモジュールを用いる飛行時間を表すパルスタイミング図を表す。ここでは、デバイス14またはマーカーが内腔の周りの胃バンドであると仮定する。図39に見られるように、胃バンド膀胱を通過する時間、胃組織を通過する時間および胃内腔を通過する時間に基づいて、飛行時間を判定することができる。
図40は、ウルトラソニック態様120Aと誘導態様130Aの両方の収集データのグラフ表示である。ウルトラソニック態様120Aは、内腔中のいかなる固体塊122も検出することができる。誘導態様130Aでは、誘導態様からの面積132、ならびに調整可能な胃バンドタブ円周からの面積134から誘導領域からの面積を引いたものが表される。
いくつかの態様において、超音波マーカーは、液体、固体またはその組合せである。胃内デバイスの中または上のサックに、様々な材料を含有することができる。音響サインが容易に特定されるように、液体の特性を調整することができる。
上記の技術は、超音波マーカーと用いることができ、容積占有副部品がその収縮状態にある時に、マーカーが特徴的な超音波の可視化またはサインを有するように、および容積占有副部品が膨張している時に、マーカーが別の特徴的な超音波の可視化またはサインを有するように、容積占有副部品が折られるかまたは畳まれた状態にある時は容積占有副部品に適用することができる。あるいは、超音波マーカーは、デバイスの様々な副部品、例えばバルブ、ヘッドまたは重量の確認および配置を促進するように、容積占有副部品に適用するかまたは組み込むことができる。超音波マーカーは、容積占有副部品の表面または容積占有副部品を形成する材料の層の間に、印刷するかまたは塗ることができる。あるいは、容積占有副部品の特定および/または配置を支援する超音波マーカーとして、音響応答性コーティングを用いることができる。あるいは、容積占有副部品の全部または一部を覆うエラストマースリーブに、超音波マーカーを適用することができる。
別の態様において、容積占有副部品は、容積占有副部品の膨張の結果機械的に変化する副部品を組み込み、その機械的変化は超音波可視化装置を用いて判定することができる。例えば、超音波可視化マーカーを含む容積占有副部品の機械的部分は、容積占有副部品の圧の増加の結果伸長することができる。
あるいは、超音波マーカーは、容積占有副部品が構築される材料の層の間に位置するメッシュ、例えば金属メッシュを用いて形成することができる。容積占有副部品が膨張し、配備された状態にある時、埋め込まれた超音波マーカーによって形成される1つ以上のパターンが出現する。
一部の態様では、超音波センサーは、非接触センサーを含む。ウルトラソニックレベルのまたはセンサーもしくは感知システムは、標的との接触を必要としない。医療産業では、これは、目的のマーカーまたはアイテムに混入するかさもなければ妨害することがあるインラインセンサーに優る利点である。一部の態様では、センサーはマイクである。
一部の態様では、パルス波システムが用いられる。パルスウルトラソニック技術の原理は、伝送信号がウルトラソニックエネルギーの短いバーストからなるということである。各バーストの後、センサーエレクトロニクスは、目的の媒体をエネルギーが通過するのにかかる時間に対応する小さい時間ウィンドウの中で、リターン信号を探す。このウィンドウの間に受信した信号だけが、追加の信号処理の資格を与えられる。一部の態様では、連続波システムが用いられる。パルス化、連続的または他の波動システムでは、センサーは、リターン波信号を受信するマイクであってもよい。
一部の態様では、マーカーが超音波信号を送信することができる。例えば、超音波識別(USID)は、超音波デバイスに取り付けられたかまたは埋め込まれた、単純で安価なノード(バッジ/タグ)を用いて、胃内デバイスの位置をリアルタイムで自動的に追跡し、識別するために使用することができ、それらは次に、マイクなどの超音波センサーにそれらの位置を伝えるために超音波信号を送信する。
超音波配置システムで、コンピューターシステムを実装することができる。コンピューターシステムは、超音波センサーからデータを受信し、特定のアルゴリズムに従って胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関係する情報を計算するハードウェアおよびソフトウェアを含む。一部の態様では、ハードウェアは、中央処理装置、メモリー、アナログからデジタルへの変換器、アナログ回路、ディスプレイを含むことができる。一部の態様では、ソフトウェアは、ここで議論される技術に従う、較正、初期化、予測、推定、磁気センサーデータの測定、位置、配向、サイズ、構成などを含む様々な所望の出力の計算を含む、いくつかの工程を通して進行する。
胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関するプロセッサーの出力は、いくつかの様式でユーザーに伝えることができる。一部の態様では、出力はディスプレイ上に視覚的に示される。
一部の態様では、胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関係するプロセッサーの出力は、スピーカーを通してユーザーに聞こえるように伝えられる。
一部の態様では、胃内デバイスの位置、配向および/または状態に関係するプロセッサーの出力は、方法の組合せを通してユーザーに伝えられる。例えば、システムは、スピーカーを通して送られる可聴警報と一緒に視覚的グラフィック表示を採用することができる。
一部の態様では、超音波配置システムは、使用前に較正される。出力信号が予想される範囲内にあることを検証するために、超音波マーカーおよびセンサーは予定された位置および配向に置かれる。一部の態様では、超音波マーカーがシミュレーターを通って移動する時に超音波配置システムを検査するために、超音波配置システムは、ヒト患者シミュレーターまたはダミーを用いて較正されるかさもなければ検証される。一部の態様では、超音波配置システムは、近くの音波干渉からの迷子の信号について検査される。
様々な態様では、摂取された胃内デバイスを配置するかさもなければ特徴付けるために、超音波センサーは、1つ以上のマーカーと一緒に用いることができる。一部の態様では、既製の胃内デバイス、例えば嚥下可能な、膨らませることができるバルーンを、いかなる超音波マーカーによる変更もなしに用いることができる。そのデバイスで、音波をパルス化し、マイクでそれらのリターン信号を感知する超音波センサーを、体外で用いることができる。デバイスは、収縮状態で嚥下することができ、その後、胃の中に入ると膨張する。超音波センサーは、上述の技術に従って、デバイスをパルスさせ、リターン信号を受信することによって、デバイスを配置するかさもなければ特徴付けするために用いることができる。
摂取されたデバイスは、超音波胃内配置システムを用いて配置することができる。一部の態様では、様々な位置でパルスさせ、リターン信号を分析することによって、センサーでデバイスを配置することができる。例えば、リターン波信号を、デバイスを飲み込む前の体の位置と相関させることによって、デバイスのない身体器官に対応するリターン信号を前もって決めることができる。これにより、デバイスなしの器官または体の超音波マップを作成できるであろう。次に、デバイスを飲み込んだ後に、および体の上でセンサーを動作させることによって、体の対応する位置について異なる信号が返されるならば、デバイスの位置はこのように特定される。これは、上述の技術に従って実行することができる。
摂取されたデバイスの配向は、超音波胃内配置システムを用いて確認することができる。一部の態様では、デバイスの様々な位置でパルスさせおよび感知し、リターン信号を分析することによって、センサーは胃内デバイスの配向を特定することができる。例えば、患者による摂取の前に、リターン波サインとデバイスの配向の間の既知の相関の既定のデータベースが存在するように、デバイスを様々な配向でパルスさせることができる。これは、収縮したか、膨張したかまたは他の状態のデバイスについて行うことができる。次に、摂取の後、上述の技術に従って、デバイスの配向を決定するために、デバイスをパルスさせ、リターン信号を既定のデータベースと比較することができる。
さらに、上述の技術に従って超音波胃内配置システムを用いて、摂取されたデバイスの様々なサイズおよび構成を特徴付けることができる。例えば、バルーンの膨張または複数のバルーンの膨張もしくは構成を特徴付け、評価することができる。一部の態様では、デバイスの様々な位置でパルスさせおよび感知し、リターン信号を分析することによって、センサーは1つ以上のデバイスを特徴付けることができる。例えば、収縮したデバイスは、膨張したデバイスと異なるパルスサインを返すだろう。このような様式で、デバイスを、膨張しているか、収縮しているかまたは何らかの他の状態にあると特徴付けることができる。リターン信号サインが前もって決められ、デバイスの状態を評価するための目安の役目をするように、患者による摂取の前に、膨張したデバイスをさらに特徴付けることができるであろう。一部の態様では、収縮過程を特徴付けるために、超音波配置システムは収縮システムと共に用いることができる。
開示された超音波胃内配置システムおよび技術を用いて、投与の様々な方法のタイミングおよび他の属性を特徴付けることができる。デバイスが内視鏡技術を用いてかまたは経口的に投与されるかどうかにかかわらず、胃に進む時のデバイスの進行を超音波配置システムで追跡することができる。例えば、硬質ゼラチンまたは水または他の消耗品によりデバイスを飲み込むことの影響は、それが摂取される間の位置および配向を追跡することによって特徴付けることができる。
一部の態様では、超音波配置システムは、円形または楕円形の断面を有する胃内デバイスを特徴付けることができる。デバイス内に置かれる2つのウルトラソニックモジュールは、飛行時間型超音波技術を用いてシステムがデバイスのサイズおよび組成を測定することを可能にする。
音の速度を用いて、送信と受信の間の時間から距離を計算することができる。ウルトラソニックパルスの送信とエコーの受信の間の時間は、t=2d/Uまたはd=Ut/2、(53)によって与えられ、ここで、Uは目的の媒体中の音の速度であり、dはデバイスの直径である。送信が2つの直交方向で起こる場合は、胃内デバイスの2つの寸法を判定することができ、したがってデバイスの面積を計算することができる。デバイスが楕円であると仮定すると、長径(a)および短径(b)を用いた楕円の面積を求める式は、以下の通りである:
A=π・a・b=(π・U2・t1・t2)/16
膨張したデバイスの内部がクリアであるならば、クリアなエコー信号が得られ、デバイスの領域を判定するためにクリアな領域で超音波パルスの飛行時間が得られる。外来の、さもなければデバイス中の物体の存在を検出するために、2つの方法を用いることができる。第1に、直交方向の散乱ウルトラソニックパルスの振幅である直交性信号を、元のパルスのエコーリターンと比較する。第2に、元のパルスエコー中の偽リターンの量は、デバイスの分析される断面での固体対液体の物体の比を判定することさえできる。
胃内デバイスは、2つの直交性ウルトラソニック送信機/受信機(「トランシーバ」)モジュールを含むことができる。1つのトランシーバは前/後(a/p)ウルトラソニックモジュールであり、他のトランシーバは側方のウルトラソニックモジュールである。デバイスは、各トランシーバモジュールからの飛行時間を測定するマイクロプロセッサーをさらに含む。マイクロプロセッサーは、デバイスエコーと空のデバイス内部を区別することが可能である。マイクロプロセッサーは、送信のための信号を調製することも可能である。マイクロプロセッサーは、コンピューターと電気的に通信する。一部の態様では、コンピューターおよびマイクロプロセッサーは同じ部品に組み込まれる。少なくとも1つの態様では、コンピューターは、デバイスに関連した長半径、短半径および散乱を判定することが可能なルックアップ表であってもよい。
胃内デバイスは、デバイスから体外の位置に信号を送信することが可能な送信機を含むこともできる。送信機が送信のためのアンテナを含むことができるか、またはバンド(示さず)内のアンテナが送信機と電気的に通信することができる。デバイスは、バッテリーを内蔵しているかまたは胃内デバイスエレクトロニクスに誘導的に給電することが可能な、モジュールを含むこともできる。送信された信号を受信するためのアンテナおよびアンテナと作動可能に通信する受信機は、患者の外部にあってもよい。送信機によって送信され、受信機によって受信される信号を解読し、処理することが可能なソフトウェアを有するコンピューターが含まれてもよい。コンピューターソフトウェアは、胃内デバイスの長さおよび幅を判定するために水平および縦のウルトラソニックパルスの飛行時間を測定すること、ならびに長さおよび幅を合わせて面積を求めることが可能である。縦の受信機への水平受信機の散乱および水平受信機への縦の受信機の散乱から、デバイス中のいかなる材料の存在も判定できることに留意すべきである。
いくつかの態様において、ウルトラソニックシステムは較正することができる。収集されるデータはグラフィカルな方法で表示することができ、側方および水平の飛行時間は胃内デバイスの様々な領域とグラフィカルに相関付けられる。
いくつかの態様において、胃内デバイスは内側および外側を有し、ここで、内側は外側より胃内デバイス内部に近く、2つのウルトラソニックモジュールは胃内デバイスの外側に置かれる。飛行時間は、胃内デバイスを通過する時間に基づいて判定することができる。
発電トラッキングおよび可視化副部品
上記のデバイスおよびシステムに、トラッキングおよび可視化機能を組み込むことができる。ここで用いるように、「可視化」は、電圧センサーまたはマーカーが遭遇する胃環境に応答して電圧を生成するためのセンサーまたはマーカーを提供することによることを含む、いくつかの方法で体内の目的のアイテムを特定することを指すために広く用いられる。本デバイスの非侵襲的性質のために、医師は、膨張の前、処置中または収縮後にデバイスの位置および配向を決定または確認することを望むことができる。したがって、投与の全ての段階で胃内デバイスの位置、配向および/または状態の決定および確認を可能にするように構成された、発電感知部品を組み込む胃内デバイスが提供される。
いくつかの態様において、発電トラッキングおよび可視化副部品は、ここに記載される他の態様に実装することができる。例えば、上記のように、図10Cは、図10Aのカテーテルと一緒に実装することができる発電センサーの態様を表す。これは単に1つの例だけであり、他の態様も発電センサーを実装することができる。図10Cのセンサーまたはここに記載される他のシステムに、またはそれで実装することができる特定の発電センサー態様が下に記載される。
いくつかの態様において、摂取可能な事象マーカー(すなわち、IEM)および/またはパーソナル信号受信機が、胃内デバイスに実装される。IEMの態様は識別子を含み、それは生理的に許容される担体に存在してもしなくてもよい。識別子は、体の標的内部生理的部位(例えば、標的化学的環境、標的物理的環境などを含む特異的標的環境)、例えば胃を含む消化管内部標的部位との接触の結果活性化されることを特徴とする。パーソナル信号受信機は、例えば体の内部またはその上の生理的位置に関連するように、およびIEMから信号を受信するように構成される。使用時、IEMは、パーソナル信号受信機によって受信され、センサーの位置の指標となることができる信号を一斉送信するかさもなければ伝える。例えば、生成される信号は、胃に配置される発電センサーの指標となることができる。所望の場合、信号受信機は1つ以上の後のオペレーション、例えば第3の外部デバイスに信号を中継すること、信号を記録すること、記録した信号を追加のデータポイントで処理することなどを実施する。
態様は、それと安定して関連する識別子を有する摂取可能な事象マーカー組成物を含む。IEM組成物の識別子は、識別子と標的生理的部位との接触の後に検出可能な信号を発生する(すなわち、発信する)ものである。本組成物の識別子は、標的生理的位置、例えば胃との接触の結果それらが活性化される(すなわち、オンにされる)限り、特定の態様および組成物の意図された適用に従い異なることができる。このように、識別子は、それが標的体(すなわち、生理的)部位と接触する時に信号を発信する識別子であってもよい。識別子は、活性化の後、例えば標的部位との接触の結果、検出可能な信号を提供することが可能な任意の部品またはデバイスであってもよい。ある特定の態様において、例えば上で要約されるように、組成物が生理的標的部位と接触すると、識別子は信号を発信する。
態様に従い、標的生理的部位または位置は異なってもよく、そこで目的の代表的標的生理的部位には、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:胃腸管、例えば口、食道、胃、小腸、大腸などの中の位置。ある特定の態様において、識別子は、標的部位の特定の組成に関係なく、標的部位での流体との接触の結果活性化されるように構成される。いくつかの態様において、識別子は、例えば胃内デバイスの位置を確認するために、目的の標的部位または領域、例えば胃と接触した後にだけ活性化されるように構成される。
識別子から得られる信号は、一般的な信号、例えば組成物が標的部位に接触したことを単に特定するだけである信号、または特異な信号、例えば、バッチ中の一群もしくは複数の異なるマーカーからの特定の摂取可能な事象マーカーが標的生理的部位に接触したことを何らかの方法で特異的に特定する信号であってもよい。さらに他の態様において、識別子は、その特定の識別子を特異的に特定する信号を発信する。したがって、ある特定の態様において、識別子は、1つのクラスの識別子と他のタイプの識別子を区別する特異な信号を発信する。ある特定の態様において、識別子は、その識別子と他の識別子を区別する特異な信号を発信する。ある特定の態様において、識別子は、それまでに生成された任意の他の識別子によって発信される信号から特異である、すなわち識別可能である信号を発信し、そこで、そのような信号は、普遍的に特異な信号(例えば、いかなる他の個体のいかなる他のフィンガープリントから異なり、したがって普遍レベルで個体を特異的に特定するヒトフィンガープリントに類似している)として見ることができる。一態様において、信号は所与の事象に関する情報を直接的に伝達することができるか、または、データベース、すなわち識別コードを組成物と関連付けるデータベースから事象に関する情報を読み出すために用いることができる、識別コードを提供することができる。
識別子は、以下を非限定的に含む様々な異なるタイプの信号を生成することができる:発電、RF信号、磁気信号、導電(近接場)信号、音響信号など。識別子の送信時間は異なることができ、ある特定の態様において、送信時間は、約1分〜約10分を含む、約0.1μ秒〜約48時間以上、例えば約0.1μ秒〜約24時間以上、例えば約0.1μ秒〜約4時間以上、例えば約1秒〜約4時間の範囲内であってもよい。所与の態様に従い、識別子は信号を一度送信することができるか、または信号を2回以上送信することができ、信号は冗長信号と見ることができる。
ある特定の態様において、識別子は、例えばそれ自体で、または嚥下可能なカテーテルもしくはバルーンなどの、組成物の生理的に許容される担体部品との組合せにより、経口摂取可能である大きさにされる。このように、ある特定の態様において、識別子エレメントは、約0.05〜約2mm以上、例えば約0.05mm〜約1mm、例えば約0.1mm〜約0.2mmの範囲内の幅;約0.05〜約2mm以上、例えば約0.05mm〜約1mm、例えば約0.1mm〜約0.2mmの範囲内の長さ、および約0.05〜約2mm以上、例えば約0.1mm〜約1mm、例えば約0.1mm〜約0.2mmを含む約0.05mm〜約0.3mmの範囲内の高さを有する大きさにされる。ある特定の態様において、識別子は、0.2mm3以下を含む1mm3以下、例えば0.1mm3以下である。識別子エレメントは、様々な異なる構成、例えば、限定されるものではないが:チップ構成、シリンダー構成、球状構成、ディスク構成などをとることができ、意図する適用、製造の方法などに基づいて特定の構成を選択することができる。
ある特定の態様において、識別子は、製造後にプログラム可能なものであってもよい。例えば、識別子によって生成される信号は、識別子が生成される後に決定することができ、そこで、識別子は、現場でプログラム可能、マスプログラム可能、フューズプログラム可能、および再プログラム可能なものでさえあってもよい。コードされていない識別子が先ず生成され、組成物への組み込みに続いてその組成物のための識別信号を発信するように次にコードされる場合、そのような態様は興味が持たれる。任意の都合のよいプログラミング技術を採用することができる。ある特定の態様において、採用したプログラミング技術は、RFID技術である。対象識別子で採用することができる目的のRFIDスマートタグ技術には、限定されるものではないが、米国特許第7,035,877号;第7,035,818号;第7,032,822号;第7,031,946号、ならびに公開出願第20050131281号などに記載のものが含まれ、その開示は参照によりここに完全に組み込まれる。RFIDまたは他のスマートタグ技術で、識別子が組成物に組み込まれた後でさえ、製造業者/販売会社は特異なIDコードを所与の識別子と関連付けることができる。ある特定の態様において、使用前に組成物の取扱いに関与する各個体または実体は、例えば、その開示は参照によりここに全体が組み込まれる米国特許第7,031,946号に記載されているように、例えば、識別子によって発信される信号に関するプログラミングの形で、識別子に情報を導入することができる。
ある特定の態様の識別子はメモリーエレメントを含み、メモリーエレメントはその容量に関して異なってもよい。ある特定の態様において、メモリーエレメントは、約1ビット〜約128ビットを含む、約1ビット〜1ギガバイト以上、例えば1ビット〜1メガバイトの範囲内の容量を有する。採用される特定の容量は、適用に従って、例えば信号が一般的な信号またはコード信号であるかによって異なってもよく、そこで、信号は、一部の追加情報、例えば識別子に関連した活性薬剤の名称などの注釈をつけられてもよくつけられなくてもよい。
いくつかの態様の識別子部品は、以下を有する:(a)活性化部品;および(b)信号発生部品、信号発生部品は、例えば上記のように活性化部品によって活性化されて識別信号を生成する。
活性化部品は、組成物と胃などの目的の標的生理的部位との接触に続いて識別子の信号発生エレメントを活性化して、例えば発信によってまたはインタロゲーションにより信号を提供する部品である。識別子の活性化はいくつかの異なる方法で達成することができ、そのようなアプローチには、限定されるものではないが、バッテリー完成、バッテリー接続などが含まれる。
バッテリー完成フォーマットに基づく活性化エレメントの態様は、完成させた時にカソード、アノードおよび電解質を含むバッテリーを採用し、電解質は、少なくとも一部、標的生理的部位に存在する流体で構成される(例えば、胃が標的生理的部位である場合は、胃に存在する胃液)。例えば、胃液活性化IEMが摂取される時、それは、例えば嚥下可能なカテーテルおよび/または胃内デバイスとともに食道を通って移動し、胃内に進行することができる。IEMの上に提供されるカソードおよびアノードは、完全なバッテリーを構成しない。しかし、カソードおよびアノードを胃液に曝露させた時、胃液はバッテリーの電解液成分として働き、バッテリーを完成する。したがって、IEMが標的部位に接触するに従って、識別子を活性化する電源が提供される。その後、データ信号が送信される。
ある特定の態様において、採用されるバッテリーは、バッテリーの2つの電極(例えば、アノードおよびカソード)を構成する2つの異なる電気化学材料を含むものである。電極材が露出し、体液、例えば胃酸または他のタイプの流体と接触する時、2つの電極材に起こるそれぞれの酸化還元反応の結果として、電位差(すなわち、電圧)が電極の間で生成する。電解質中の2つの異なる材料は、異なる電位にある。例として、銅および亜鉛は、細胞に入れられると異なる電位を有する。同様に、金およびマグネシウムは、異なる電位を有する。
アノードのための材料には、限定されるものではないが、金属、例えばマグネシウム、亜鉛、ナトリウム、リチウム、鉄およびそれらの合金が含まれる。カソードのための材料には、限定されるものではないが、塩、例えば、ヨウ化物、塩化物、臭化物、硫酸塩、ギ酸塩を含む(他のアニオンも可能)銅塩;またはFe3+塩、例えばオルトリン酸塩、ピロリン酸塩(他のアニオンも可能);または白金、金もしくは他の触媒表面の酸素もしくは水素が含まれる。層間化合物を使用することもできる。アノードについては、材料にはLi、K、Ca、Na、Mgによるグラファイトが含まれ、カソードについては、材料には酸化バナジウムおよび酸化マンガンが含まれる。
ある特定の高エネルギーアノード材料、例えばLi、Naおよび他のアルカリ金属は、水または酸素の存在下でそれらの純粋な形では不安定である。しかし、安定するならば、これらは水性環境で用いることができる。この安定化の1つの例は、Polyplus Corporation(Berkeley、CA)によって開発されたいわゆる「保護化リチウムアノード」であり、そこでは、それを急速酸化から保護し、水性環境または周囲の空気中でのその使用を可能にするために、ポリマーフィルムがリチウム金属の表面に溶着される。(Polyplusは、これに関する係属中のIPを有する)。(.dagger..dagger.)溶存酸素も、カソードの役割をすることができる。この場合、体液中の溶存酸素は、適する触媒表面、例えばPtまたは金でOH−に還元されるだろう。他の触媒も、可能である。水素還元反応での溶存水素も興味深い。
ある特定の態様において、例えばバッテリーの電圧出力を増強するために、金属の片方または両方とも非金属でドーピングされてもよい。ある特定の態様において、ドーピング剤として用いることができる非金属には、限定されるものではないが、硫黄、ヨウ素などが含まれる。
ある特定の態様において、電極材は、カソードとしてヨウ化銅(CuI)または塩化第一銅であり、アノードとしてマグネシウム(Mg)金属またはマグネシウム合金である。本発明の態様は、人体に有害でない電極材を用いる。これらの態様のあるものでは、バッテリー電源は、イオン性溶液、例えば胃液、血液または他の体液および一部の組織での電気化学反応を活用する電源として見ることができる。
図41は、本発明の態様による識別子30Mの線図を提供する。第1および第2の電極材32Mおよび33Mは、イオン性溶液39M(例えば、胃液)中にある。この構成は、電子回路40Mに加えられるような、低電圧(V−)および高電圧(V+)を発生する。その電子回路40Mの2つの出力は、電極41Mおよび42Mであり、これらは信号送信電極である。代わりの態様において、信号発生エレメント30Mは、単極を含む。代わりの態様において、通信のためのコイルを提供することができる。ある特定の態様において、電流が移動する経路を規定するチップより大きな構造、例えば膜が提供される。
図41に関して、電極32Mおよび33Mは、識別子30Mが作動する環境に適当な任意の2つの材料でできていてもよい。活性材料は、異なる電気化学ポテンシャルを有する材料の任意の対である。例えば、イオン性溶液39Mが胃酸を含むいくつかの態様において、電極32Mおよび33Mは、それらが早期に腐食しないように貴金属(例えば、金、銀、白金、パラジウムなど)でできていてもよい。あるいは、電極は、適用できるイオン性溶液中での耐久時間が、識別子30Mにその意図された機能を発揮させるのに十分長い、アルミニウムまたは任意の他の導電材料で製作されてもよい。適する材料は金属に制限されず、ある特定の態様において、対の材料は金属および非金属、例えば金属(Mgなど)と塩(CuIなど)で構成される対から選択される。活性電極材に関して、適度に異なる電気化学ポテンシャル(電圧)および低い界面抵抗を有する物質−金属、塩または層間化合物−の任意の組合せが適する。
ある特定の態様において、IEMは直列バッテリー構造を含むことを特徴とし、ここで、これらの直列バッテリー構造は、直列の異なるバッテリー構造の電極エレメント間の短絡を、排除とまではいかないが実質的に低減するように構成することができる。本発明のバッテリーは直列バッテリーであるので、バッテリーは2つ以上の単独バッテリー構造またはユニットを含み、そこでは、本発明の所与の直列バッテリーに存在することができるバッテリー構造の数は、バッテリーの所与の適用のために所望により2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上などであってもよい。各単独バッテリー構造は、少なくとも1つのアノードおよび少なくとも1つのカソードを含み、アノードおよびカソードは固体支持体の表面に存在し、アノードおよびカソードの各々のための支持体は同じであっても異なってもよい。
直列バッテリーの側面には、所与の直列のバッテリーの2つ以上の間の短絡を、排除とまではいかないが実質的に低減する構成が含まれる。短絡のこの排除は、直列の2つ以上のバッテリーで占有される小さい領域にもかかわらず、例えばバッテリーユニットが固体支持体の表面に存在する場合にもかかわらず提供される。対象直列バッテリーの態様には、直列バッテリーの2つの異なるバッテリー構造の電極間の抵抗が、所与のバッテリー構造内の電極間の抵抗よりかなり大きい構成が含まれる。ある特定の態様において、単一バッテリー構造内の電極(すなわち、アノードおよびカソード)と比較した2つの異なるバッテリー構造の電極間のイオン性抵抗の比は、約10倍以上を含む約1.5倍以上、例えば約5倍以上である。
特定の直列バッテリー構成によっては、様々な異なるアプローチを用いて、バッテリー間の短絡を排除とまではいかないが低減することができる。採用することができるある特定のアプローチは下にさらに詳しくレビューされるが、下のアプローチは、目的の特定のバッテリー構成によっては組み合わせて用いることができるかまたはできない。
ある特定の態様において、2つ以上のバッテリー構造が直列で提供され、そこで、各バッテリー構造は、チャンバー内に、例えば同じ内壁または異なる内壁の上に置かれるアノードおよびカソードを有するチャンバーを含む。チャンバーは、異なることができ、ある特定の態様において、約10-10〜約10-8Lを含む約10-12〜約10-5L、例えば約10-11〜約10-7Lの範囲内である容量を有する。ある特定の態様において、例えば、その開示は参照により全体がここに組み込まれる、PCT出願番号PCT/US07/82563に記載されているように、チャンバーは乾燥導電媒体の量を含むことができる。
ある特定の態様において、所与のチャンバーは、少なくとも1つの流体入口および少なくとも1つの流体出口ポートを含み、したがって、バッテリーが存在する組成物が目的の標的部位に到達する時に液体、例えば胃液がチャンバーに入ることができ、液体の侵入の後に気体がチャンバーから出ることができる。流体の侵入および出口ポートの寸法は異なってもよいが、ある特定の態様において、ポートは、約0.01μm〜約2mm、例えば約5μm〜約500μmの範囲内の直径を有する。
チャンバーへの流体の効率的な侵入およびそれからの気体の脱出を可能にするために、所与のチャンバーのポートは他のチャンバーのポートに対して配置され、また、直列バッテリーの2つ以上の異なるチャンバーの間の短絡があるとしても実質的にはないようにも配置される。このように、ポートの位置は、バッテリー構造自体および直列バッテリーの他のバッテリー構造とのその物理的関係の両方を考慮して選択される。構成が、例えば上記のように所望の抵抗比を提供する限り、流体ポートの任意の構成を選択することができる。
図58は、一態様による直列バッテリーの俯瞰図を提供する。図58では、直列バッテリー150は、固体支持体153の表面152Xに存在する2つの異なるバッテリー構造151Aおよび151Bで構成される。バッテリー構造151Aはカソード154Aおよびアノード155Aを含み、構造151Bはカソード154Bおよびアノード155Bを含む。図示されるように、各バッテリー構造のカソードおよびアノードは、境界156Aおよび156Bによって限定されるチャンバー内に存在する。流体のチャンバー侵入および脱出を可能にするポート157Aおよび158Aが、構造151Aの壁156Aに存在する。構造151Aのポート157Aおよび158Aは、構造151Aおよび151Bの電極間の短絡の可能性が完全ではないが実質的に排除されるように、構造151Bのポート157Bおよび158Bに対して配置される。図28に示す構成では、ポート157Aおよび158Aは境界156Aの反対側の壁に配置され、ポート157Bおよび158Bは境界156Bの反対側の壁に配置される。さらに、ポート157Aおよび158Aは、境界エレメント156B中のポート157Bおよび158Bの配置に関してそれらの境界エレメント156Aの反対側の壁に存在する。
図59は、一態様による直列バッテリーの俯瞰図を提供する。図59では、直列バッテリー160Aは、固体支持体163の表面162に存在する2つの異なるバッテリー構造161Aおよび161Bで構成される。バッテリー構造161Aはカソード164Aおよびアノード165Aを含み、構造161Bはカソード164Bおよびアノード165Bを含む。バッテリー構造が隣と互いに積み重なっているので、図59に図示する構造は図58に示すものと異なる。図示されるように、各バッテリー構造のカソードおよびアノードは、境界166Aおよび166Bによって限定されるチャンバー内に存在する。流体のチャンバー侵入および脱出を可能にするポート167Aおよび168Aが、構造161Aの壁166Aに存在する。構造161Aのポート167Aおよび168Aは、構造161Aおよび161Bの電極間の短絡の可能性が完全ではないが実質的に排除されるように、構造161Bのポート167Bおよび168Bに対して配置される。
所望の抵抗比を提供するように流体ポートを配置することに加えて、またはその代わりに、流体ポートはバッテリー構造間で所望の抵抗を提供するように改変することができる。例えば、ポートは選択的半透膜を含むことができる。任意の都合のよい半透膜を採用することができる。半透膜は、ePTFE、Dacron.RTM.、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、コラーゲン、ポリプロピレン、酢酸セルロース、ポリ(ビニリデンフルオリド)(PVDF)、ナフィオンまたは他の生体適合材料を含むことができる。膜の孔径は、特定の構成によっては異なってもよく、ある特定の態様において、膜は、孔径(約250d以下を含む約1000d以下、例えば約500d以下、例えば約100d以下、例えば約50d以下のMWカットオフ)を有する。ある特定の態様において、膜は水のみ浸透性である膜であり、したがって水と、標的部位のあるとしてもわずかな他の流体構成成分が膜を通って識別子の乾燥導電媒体前駆体に到達する。
ある特定の態様において、固体支持体153、163は回路の支持体エレメントである。回路の支持体エレメントは任意の都合のよい構成をとることができ、ある特定の態様において、集積回路(IC)チップである。電極エレメントが配置される表面は、所望により、上面、底面または他の表面、例えば側面であってもよく、ある特定の態様において、電極エレメントが少なくとも部分的に存在する表面はICチップの上面である。
ある特定の態様において、直列バッテリーは、スモールフォームファクタを有する。バッテリーは、0.02mm3以下を含む0.1mm3以下を含む、約20mm3以下、例えば約10mm3以下、例えば1.0mm3以下であってもよい。ある特定の態様において、バッテリーエレメントは、約0.5mm〜約2mmを含む、約0.01mm〜約100mm、例えば約0.1mm〜約20mmの範囲内の幅;約0.5〜約2mmを含む、約0.01mm〜約100mm、例えば約0.1mm〜約20mmの範囲内の長さ、約0.1〜約0.5mmを含む、約0.01mm〜約10mm、例えば約0.05mm〜約2mmの範囲内の高さを有する大きさにされる。
直列バッテリー態様には、その開示は参照によりここに完全に組み込まれる、米国仮出願番号第60/889,871号でさらに記載されるものが含まれる。識別子エレメントの信号発生部品は、例えば下でより詳細に記載されるように、活性化部品による活性化により、例えば受信機が受信することができる検出可能な信号を発信する構造である。ある特定の態様の信号発生部品は、活性化部品による活性化の結果、検出可能な信号を生成することおよび/または変換された一斉送信電力を変調することが可能な任意の都合のよい部品またはエレメントであってもよい。目的の検出可能な信号には、限定されるものではないが、導電信号、音響信号などが含まれる。信号発生器から発信される信号は、一般的または特異な信号であってもよく、目的の信号の代表的なタイプには、限定されるものではないが、周波数シフトコード信号;振幅変調信号;周波数変調信号などが含まれる。
ある特定の態様において、信号発生エレメントは、信号を生成または発生する回路を含む。選択される回路のタイプは、識別子の電源によって供給される駆動電力に少なくとも一部依存することがある。例えば、駆動電力が1.2ボルト以上である場合、標準のCMOS回路を採用することができる。駆動電力が約0.7〜約1.2Vの範囲内である他の態様において、閾下回路設計を採用することができる。約0.7V以下の駆動電力の場合は、ゼロ閾値トランジスター設計を採用することができる。いくつかの態様において、ここでさらに詳細に論じられるように、電源は、発電センサーと胃環境との接触によって生成される電圧であってもよい。
ある特定の態様において、信号発生部品は、活性化部品による活性化に応答してデジタルクロック信号を発生することができる、電圧制御発振器(VCO)を含む。VCOは、アドレスを割り当てられ、制御電圧でVCOを制御することができる、デジタル回路で制御することができる。このデジタル制御回路は、活性化部品および発振器を含むチップに埋め込むことができる。アドレスをコードするために振幅変調または位相偏移変調を用いて、識別信号が送信される。
信号発生部品は、発生した信号を、患者の内部または外部にあってもよい離れた受信機に送信するのに役立つ、異なる送信機部品を含むことができる。存在する時、送信機部品は、例えば発生し、発信される信号のタイプによって、いくつかの異なる構成をとることができる。ある特定の態様において、送信機部品は、1つ以上の電極で構成される。ある特定の態様において、送信機部品は、例えばアンテナ(複数可)の形の1つ以上のワイヤで構成される。ある特定の態様において、送信機部品は、1つ以上のコイルで構成される。このように、信号送信機は、様々な異なる送信機、例えば、電極、アンテナ(例えば、ワイヤの形の)コイルなどを含むことができる。ある特定の態様において、信号は、1つまたは2つの電極で、または1つまたは2つのワイヤで送信される(2電極送信機は双極子であり;1電極送信機は単極子を形成する)。ある特定の態様において、送信機は、電力の1つのダイオード電圧降下を必要とするだけである。いくつかの態様において、信号を送信するために、送信機ユニットは電気双極子または電気単極子アンテナを用いる。ある特定の態様において、識別子は、体自体が導電媒体として採用される、導電近接場モードの通信を採用する。そのような態様において、信号は、磁気信号または高周波(RF)信号ではない。
図42は、いくつかの態様による識別子で採用することができる電子回路の1つの実装形態の詳細を示す。左側に、2つのバッテリー電極、第1の金属32Mおよび第2の金属33Mがある。これらの金属は、電解質と接触する時、この場合概略図で示される発振器61Mへ電力を提供するバッテリーを形成する。金属32Mは、発振器61Mに低電圧(接地)を提供する。金属33Mは、発振器61Mに高電圧(高V)を提供する。発振器61Mが動作可能になるに従って、それはクロック信号62Mおよび逆クロック信号63Mを発生するが、それらは互いに正反対である。これらの2つのクロック信号はカウンター64Mに入り、それは、クロックサイクルの数を単に数え、いくつかのレジスタにカウント数を保存する。ここで示される例では、8ビットカウンターが採用される。したがって、カウンター64Mの出力は「00000000」の値から開始し、第1のクロックサイクルで「00000001」に変化し、「11111111」まで続く。カウンター64Mの8ビット出力は、アドレスマルチプレクサ(mux)65Mの入力に接続される。一態様において、mux65Mはアドレスインタプリタを内蔵し、それは回路内で結線することができ、発振器61Mを制御するための制御電圧を発生する。Mux65Mは直列ビット列でアドレスを再生するためにカウンター64Mの出力を用い、それは信号送信駆動回路にさらに送られる。Mux65Mは、信号送信の負荷サイクルを制御するために用いることもできる。一態様において、mux65Mは、カウンター64Mによって生成されるクロックカウントを用いて、わずか1/16の機会に信号送信をオンにする。そのような低い負荷サイクルは電力を保存し、それらの信号を詰まらせることなく他のデバイスが送信することも可能にする。所与のチップのアドレスは、8ビット、16ビットまたは32ビットであってもよい。
一態様により、mux65Mは制御電圧を生成し、それはアドレスを連続的にコードし、発振器61Mの出力周波数を変更するために用いられる。例により、制御電圧が低い時、すなわち、シリアルアドレスビットが0の時、1メガヘルツの信号が発振器で発生する。制御電圧が高い時、すなわち、アドレスビットが1の時、2メガヘルツの信号が発振器で発生する。あるいは、これは、10メガヘルツおよび20メガヘルツであってもよく、または、デバイスが位相の変調に制限される位相偏移変調アプローチでもよい。mux65Mの目的は、発振器の周波数または発振の増幅信号のAC代替態様を制御することである。
mux65Mの出力は電極ドライブ66Mに接続され、それは、差動電位を溶液に課すように電極を駆動すること、磁気信号を発生させるために振動電流をコイルに通すこと、または溶液にもしくはそれから、電荷を加えるか引き抜くように単一の電極を駆動することができる。
この様式で、デバイスは、mux65Mに保存されたアドレスを構成する0および1のシーケンスを一斉送信する。そのアドレスは繰り返し一斉送信され、金属32Mまたは金属33Mが消費されて溶液中に溶解し、バッテリーが最早作動しない時まで、一斉送信を続けるだろう。
信号発生部品のための他の構成も、当然ながら可能である。目的の他の構成には、限定されるものではないが、それぞれの開示はここに参照により組み込まれる、PCT出願番号PCT/US2006/016370および2006年7月11日に出願の仮出願番号60/807,060に記載されるものが含まれる。
ある特定の態様において、活性化部品は、電力保存エレメントを含む。例えば、バッテリーからの遅いエネルギー生成が電力保存エレメント、例えばコンデンサーで保存されるなどする、負荷サイクル構成を採用することができ、それは信号発生部品に利用されるパワーバーストを次に提供する。ある特定の態様において、活性化部品は、信号発生エレメントへの電力の送達をモジュレートする、例えば遅らせる時限素子を含むので、例えば、実質的に同じ時間に投与される異なる組成物、例えば異なるIEMからの信号は異なる時間に生成され、したがって識別可能である。
ある特定の態様において、摂取可能な事象マーカーの識別子の部品または機能ブロックは、集積回路の上に存在し、集積回路はいくつかの異なる機能ブロック、すなわちモジュールを含む。例えば、所与の識別子の中では、機能ブロック、例えば電源、送信機などの少なくとも一部、例えば全部を含む2つ以上が、受信機内の単一の集積回路に存在することができる。単一の集積回路とは、異なる機能ブロックの全てを含む単一の回路構造を意味する。このように、集積回路は、半導体材料の薄い基板の表面で製造された小型化電子回路(半導体素子ならびに受動素子を含むことができる)である、モノリシック集積回路(IC、マイクロ回路、マイクロチップ、ケイ素チップ、コンピューターチップまたはチップとしても知られる)である。本発明のある特定の態様の集積回路は、基板または回路ボードに結合している個々の半導体素子ならびに受動素子で構築された小型化電子回路である、ハイブリッド集積回路であってもよい。
本発明の態様は、マーカーが患者の体液と接触した後にそれ自体を自動的に活性化し、局所発生電力に基づいて所定の信号を送信し、ある特定の時間の後それ自体を不活性化する集積回路(IC)を含む、低出力、小型の摂取可能なマーカーを提供する。これらの態様において、上記の通り、発電電池を形成するために、IEMは患者の体液、例えば胃酸を用いる。さらに、IEMは、発電電池を形成する閉回路のインピーダンスを変更する特別な回路を用い、それによって、患者の組織および体液を通って流れる電流の振幅および波形を変調させることによって外部信号を形成する。下でより詳細に記載されるように、そのような回路構成は、回路を低電圧で動作させ、その間に患者の体と接触している受信機が検出するのに十分に強力な信号を発生することを可能にする。
IEMのICは、IC回路と同じ基板の上で製造することができる集積化発電電池と一緒にパッケージすることができる。このウエハーレベルでの組み込みはチップをかなり低減し、製造工程を単純化する。その結果、各IEMの費用をかなり下げることができる。一態様において、アノードおよびカソード電極材は基板の各側で製作され、それによってIC論理は2つの電極間にある。一態様において、論理回路は、アノードまたはカソード電極と垂直に重なる領域を最小にするように選択される位置にある。
図43は、一態様によるIEM ICの例示的なデバイス構成を図示する。一態様において、ICチップの基板204Aは発電電池のアノード(S1)に接続され、それは基板204Aの後部にコーティングされたマグネシウム(Mg)の層206Aであってもよい。基板204Aの反対側には、カソード(S2)材料の層202Aがあり、それは、この例では塩化銅(CuCl)である。電極202Aおよび206Aならびに電解質液としての役目をする体液は、発電電池を形成する。基板204Aの上で製作されるIEM IC回路は、発電電池のためにリターン回路を形成する「外部」回路である。本質的に、IEM ICはこの「外部」回路のインピーダンスを変更し、それによって体液中を流れる電流の総量を変更する。体液と接触する、例えば下でより詳細に記載されるパーソナル健康受信機の上の受信回路は、この電流変化を検出し、コードされたメッセージを受信することができる。
発電電池の2つの電極S1およびS2は、ICのための送信電極の役割もする点に留意されたい。この構成は、ICチップの複雑性をかなり低減する。さらに、流体−金属界面は高いインピーダンスをしばしば示すので、発電電池電極と異なる電極の別個の対を用いることは、回路に追加の高いインピーダンスを導入し、それによって送信効率を低減し、電力消費を増加させる可能性がある。したがって、送信のために発電電池電極を用いることは、IC回路の電力効率も向上させる。
電源をオンにすると、IEMのICは、特異な識別コードを送信する摂取可能な送信機として機能する。このICは、例えば上記のような薬学的に許容されるビヒクルの中にパッケージすることができる。IEMが嚥下され、胃内にある時、集積化発電電池またはバッテリーは、メインチップをパワーアップし、その後一斉送信かさもなければ電気的通信を開始するために、バッテリー電解質として胃酸を用いる。さらに、いくつかの丸剤を摂取し、同時に送信することができる。オペレーションの間、特異な識別コードが、例えばBPSK変調を用いて一斉送信される。この一斉送信は、受信機、例えばセンサーインタフェースユニットが受信し、復調することができる。受信機は、デコードすること、およびタイムスタンプで識別コードを保存することができる。
一態様において、IEM ICは、インピーダンス検出回路を含む。この回路は、アノードとカソード電極の間のインピーダンスを検出するように構成される。電極が電解質液、例えば胃酸中に浸かっていない時、電極間のインピーダンスは高く、ICは活性化されない。電極が電解質液と接触し、インピーダンス検出回路がインピーダンスの低下を検出する時、ICは活性化される。
いくつかの態様は、発電センサーが低電圧で動作することを可能にする。一般に、ICは0.8〜2Vの電力供給で動作することができる。一態様において、ICは、およそ1.0〜1.6Vの電力供給で動作するように構成される。さらに、発電電池は、200〜10Kオームの内部インピーダンスを示す。一態様において、発電電池は、およそ500〜5Kオームの内部インピーダンスを示す。ICは超安定した搬送クロック周波数も提供し、それによってエラー抵抗性通信を促進する。
一態様において、ICは回路の3つの部分を含む。第1の部分は、電力供給としてバッテリーを用いるインピーダンス検出回路である。第2の部分は、メッセージを一斉送信する主回路である。バッテリーが10Kオーム未満のインピーダンスを検出する前に、インピーダンス検出回路は実質的に0電力消費で主回路を保持することができる。インピーダンスがおよそ10Kオームに低下する時、主回路は活性化され、インピーダンス検出回路はそれ自体をバッテリーから分離することができる。第3の部分は、危険状態が起こる時に患者の安全性を保護するように設計されたウォッチドッグ回路である。
図44は、本発明の一態様によるIEM ICの設計を図示する例示的な概要図を提供する。一般に、IEMチップは、バッテリー部分302AおよびIC回路304Aを有する。バッテリー部分302Aは発電電池電極を含み、それは、電解質液と一緒になると発電電池を形成する。2つのバッテリー電極は、IC回路の高圧レール(VCC)および接地にそれぞれ接続される。IC回路304Aは、送信スイッチトランジスター306A、再充電トランジスター308A、再充電保護ダイオード310A、再充電コンデンサー316A、局部発振器314Aおよび制御論理回路312Aを含む。局部発振器314Aは1つ以上の搬送周波数を生成し、それは、送信スイッチトランジスター306Aをオン/オフするために送信コマンド(「一斉送信」と表示)を発するために、制御ロジック312Aによって用いられる。例えば、発振器316Aは、20kHzの信号を生成することができ、それに基づいて制御論理回路312Aはバイナリ位相偏移変調(BPSK)コードメッセージを生成することができる。制御論理回路312Aは、これらのメッセージを送信するために次にトランジスター306Aをオンオフする。
トランジスター312Aがオンにされる時、低インピーダンスの外部のリターン回路が2つの発電電池電極の間に提供される。その結果として、患者の体を通って流れる電流も増加する。トランジスター312Aがオフにされる時、2つの発電電池電極間の外部リターン回路は高いインピーダンスを示す。対応して、患者の体を通って流れる電流はかなりより低い。一斉送信時間と沈黙時間の間の体電流にかなりの差があるように、回路の残り、例えば発振器314Aおよび制御論理回路312Aの電流引込みは十分に低い点に留意されたい。
トランジスター306Aがオンにされる時、2つの発電電池電極は効果的に短絡する。その結果、電極によって提供される電圧は、トランジスター306Aがオフにされる時よりかなりより低い。制御論理回路312Aが適切に動作し続けることを確実とするために、再充電コンデンサー316Aは、制御論理回路312Aへ必要な電圧(VCC)を供給する。ICチップが沈黙時間にある時、すなわちトランジスター306Aがオフのままである時、再充電コンデンサー316Aは再充電されることに留意する。バッテリー電極間の電圧の低下を引き起こすトランジスター306Aがオンの時、ダイオード310Aはコンデンサー316Aに保存される電荷がバッテリー電極に逆流することを阻止する。一態様において、ダイオード310Aは、迅速なスイッチ時間を確かなものにするショットキーダイオードである。
送信時間の間に、発振器314Aおよび/または制御論理回路312Aは、コンデンサー316Aに保存された電荷を消耗させ、特定の閾値未満にVCCを低下させる可能性がある。例えば、再充電コンデンサー316Aにより供給される電圧は、発電電池によって供給される電圧より下に低下することがある。これらの2つの電圧の間の差は、ショットキーダイオード310Aをオンにするのに十分大きくないことがある。この場合、制御論理回路312Aは、コンデンサー316Aにバッテリー電圧を接続させてコンデンサー316Aを再充電する、再充電スイッチングトランジスター308Aをオンにするために、再充電信号を発することができる。
一態様において、IEM ICと受信機の間の通信はシンプレックスである。すなわち、IEM ICは、いかなる信号も受信せずに、信号を送信するだけである。通信は、患者の体組織および体液を通したIC電極と受信機回路の間の直接結合を通して実行される。送信は、2つの周波数、例えば1つは10kHzで、他は20kHzで実行される。他の周波数および周波数値も可能である。一般に、本発明のシステムで、異なるデータパケットフォーマットを用いることができる。一態様において、送信データパケットは長さ40ビットであり、そのうち16ビットは同期/プリアンブルパターンとして用いられる。残りの24ビットは、IEMの識別子をコードするペイロードを運ぶ。一態様において、送信がより頑強になるように、ペイロードはフォワードエラー補正(FEC)コードを含むこともできる。一態様において、データビットは搬送クロックの16サイクルを占有する。ビットは、BPSKコードされる。他のコードスキームも可能である。さらなる態様において、16ビット同期/プリアンブルパターンは、同期のための12ビットおよびプリアンブルとして4ビットを含む。
図45は、本発明の一態様に従う「0010」のビットパターンのための例示的伝送シーケンスを図示する。各ビットは、16クロックサイクルによって表される。バッテリー構成によっては、発振器への十分な電力を維持するために駆動トランジスター306Aの負荷サイクルを制限するのが望ましいことがある。一態様において、駆動トランジスター306Aの「オン」状態は、実質的に25μs以下に維持される。したがって、クロックサイクルが50μsである20kHz送信の間は、駆動装置は25μs間オンであり、25μs間オフである。10kHz送信の間は、駆動装置は25μs間オンであり、75μs間オフである。論理的「0」伝送は、データクロックサイクルの立ち上がりエッジから開始し、16クロックサイクルの間持続する。対応して、論理的「1」伝送は、データクロックサイクルの立ち下がりエッジから開始し、同じく16サイクルの間持続する。他の負荷サイクル構成およびコードスキームも可能である点に留意されたい。
図46は、本発明の一態様に従うシーケンス「10101」の20kHzの伝送のための例示的波形を提示する。例示のために、各論理的ビットは16サイクルの代わりに3クロックサイクルを占有する点に留意されたい。図47は、本発明の一態様に従うシーケンス「10101」の10kHzの伝送のための例示的波形を提示する。各論理的ビットは、3クロックサイクルに同じく短縮されている点に留意されたい。
ある特定の態様において、IEMのオペレーションは、以下の4つの期間に分けることができる:記憶、保持期間、一斉送信期間およびパワーダウン。記憶期間の間、ICはオフにされ、5mA未満を一般に消費する。保持期間の間、ICはオンにされる。しかし、一斉送信は、発振器クロック信号が安定するために無効にされる。一態様において、一斉送信期間の間、パケットは256回送信される。各送信の間、送信駆動装置トランジスターはパケットを送信する動作をし、その後しばらくの間オフにされる。送信機駆動装置トランジスターがオフの時、IEM ICの残りはオンのままである。一態様において、一斉送信全期間の間の平均負荷サイクルは、およそ3.9%に維持される。平均負荷サイクルの他の値も可能である。パワーダウン期間の間、IEM ICは丁重にパワーダウンされる。一斉送信は、完全にオフにされる。
図48は、一態様によるICのオペレーションを図示する例示的な状態図を提供する。オペレーションの間、システムは記憶期間702に先ず入り、その時、インピーダンス検出回路は2つのバッテリー電極の間のインピーダンスを検出する動作をする。その間、ICはパワーゲートオフである。インピーダンス検出回路が低いインピーダンス、例えばおよそ10キロオームのインピーダンスを検出した後、回路はパワーゲートオフ状態からIEM ICを解放する。対応して、システムは保持期間704に入る。保持期間704の間、チップの一斉送信機能は、クロック信号が安定するためにおよそ10秒の間無効にされる。次に、システムは一斉送信期間706に入る。この期間中、データパケットは1サイクルに2回、1回は10kHz、1回は20kHzで一斉送信され、サイクルパターンは、32msオン(10kHz)−768msオフ−64msオン(20kHz)−1536msオフである。各サイクルはおよそ2.4秒であり、システムはおよそ10分で256サイクルを終える。各周波数で、チップの送信負荷サイクルは、およそ3.9%に維持される点に留意されたい。残りの96.1%の時間の間、再充電コンデンサーは再充電される。その後、システムはパワーダウン状態708に入り、その時発振器は停止され、チップはパワーゲートダウンされる。何らかの理由で10分の一斉送信期間の終了前にチップが連続的に一斉送信し続けるならば、システムはチップの電力供給をリセットし、一斉送信プロセスが再び開始される点に留意されたい。そのような状況は、例えば、発振器およびその発生クロックが適切に機能することができないほど低くなるまで胃の伝導率が急降下する時に起こることがある。
いくつかの態様において、ICのためのオペレーションパラメータは、以下であってもよい:動作温度は、摂氏20〜45度であってもよく;記憶温度は、摂氏0〜60度であってもよく;記憶湿度は、20%〜90%の相対湿度であってもよく;人体伝導率/pH値は、0.01/4〜1000/11S・m-1/pHであってもよい。
いくつかの態様において、IEM回路は、以下のDCパラメータを有することができる:インピーダンス検出回路以外のメインチップ(「Vcc」)および出力駆動装置のための電力供給は、1.0〜1.8ボルト、一般的に約1.6ボルトであってもよく;再充電(「I(s2)」)の間のチップのためのDC電流は、8〜12uA、一般的に約1.6uAであってもよく;バッテリー電圧(「V(s2)」)は、1.0〜1.8ボルト、一般的に1.6ボルトであってもよく;出力駆動装置のON抵抗(「Zon」)(「Vbattery」の機能)は、7〜55オーム、一般的に11オームであってもよく;出力駆動装置のOFF抵抗(「Zoff」)は、約75K〜500kオーム、一般的に100Kオームであってもよく;完全に濡れている時のバッテリー電圧(「Vbattery」)は、約1.0〜1.8ボルト、一般的に約1.6ボルトであってもよく;チップが適切に機能するための溶液の伝導率(「Rbattery」)は、約500〜5Kオーム、一般的に約1K〜3Kオームであってもよい。
いくつかの態様において、IEM回路は、以下のACパラメータを有することができる(実際のチップ設計のために、目標値は、温度、電力供給電圧およびトランジスターの閾値電圧範囲の+/−5%〜+/−10%を有することができることに留意されたい):発振器の周波数(「f_osc」)は、256〜384kHz、一般的に約320kHzであってもよく;低い一斉送信周波数(「f1_broadcast」)は、約8〜12kHz、一般的に約10kHzであってもよく;高い一斉送信周波数(「f2_broadcast」)は、約16〜24kHz、一般的に約20kHzであってもよく;パワーオンでチップが一斉送信することを可能にする前の保持時間(「T_brdcsten」)は、約8〜12秒、一般的に約10秒であってもよく;一斉送信のための時間(「T_brdcstoff」)は、約8〜12分、一般的に約10分であってもよい。
IEMチップの物理的サイズは、0.1mm2〜10mm2の間であってもよい。特別なIC構成のために、本発明の態様は、ほとんどのタイプの丸剤に含ませるのに十分に小さいIEMチップを提供することができる。例えば、IEM ICチップは、2×2mm2未満のサイズを有することができる。一態様において、ICチップは1×1mm2以下であってもよい。一態様において、チップは1mm×1mmである。チップの基板の底側はS1電極の役目をし、S2は基板の上側に製作されるパッドである。パッドのサイズは、2500μm2〜0.25mm2の間にあってもよい。一態様において、パッドは、およそ85μm×85μmである。
前の記載はバッテリーおよび信号伝送のために同じ電極を用いるチップ構成を開示するが、ある特定の態様において、発電および信号伝送のために別々の電極が採用される。
図49は、発電センサーでバッテリーおよび信号伝送それぞれのために2つの別個の電極が用いられる1つの例示的IEMチップ構成を図示する。接地電極802は、基板800の底側に製作される。基板800の上側には、バッテリー電極804および送信電極806がある。回路領域808も、基板800の上に製作される。オペレーションの間、電極802および804で形成されるバッテリーは、領域808中の回路に電力供給を提供する。回路は送信電極806および802を駆動し、患者の体内で電流変化を生成する。送信電極806から接地電極802に流れる電流は、回路領域808の下を流れることができ、回路素子中の電位変化を引き起こすことができる。そのような電位変化は、回路領域808の中のトランジスターで望ましくないラッチアップを引き起こすことがある。
そのようなラッチアップを回避する1つのアプローチは、回路の下での電位を変えるだろう最小限の側方電流の流れがあるように、送信電極領域と回路領域を分離することである。例えば、基板接触は、回路領域から電流の流れを変更することができる領域に配置することができる。
図50は、本発明の一態様に従って回路ラッチアップを最小にする例示的なチップ構成を図示する。図50に示すように、基板の四隅に基板接触領域を置くことが可能である。その結果、基板方向に流れる電極電流は、中央にある回路領域から離れた四隅に変更される。同様に、併合電極チップ構成のために、特別なレイアウト設計を用いることができる。
図51は、IEMチップでラッチアップを最小にする例示的なレイアウトを図示する。図51に示すように、基板1000の底の上に、Mg電極1002がある。基板1000の上側に、CuCl電極1006がある。電極1002および1006は、バッテリー電極および送信電極の両方の役割をする。CuCl電極1006の下に、いくつかの送信駆動装置回路領域1004があり、それらはレイアウトの末梢に配置される。制御論理回路領域1008は、チップの中心に配置される。このように、送信駆動装置からMg電極1002方向に流れる電流は、制御論理回路領域1008から離れるように変更され、それによってトランジスターでのいかなるラッチアップも回避する。
図52は、発電センサーで用いることができるIEMの態様の分解図である。図52では、IEM1200は、例えば300μmの厚さを有する二酸化ケイ素基板1201を含む。底面の上に、例えば8μmの厚さを有するマグネシウムの電極層1202がある。Mg電極層1202と基板1201の底面の間に、例えば1000オングストロームの厚さを有するチタン層1203が配置される。基板1201の上面に、例えば6μmの厚さがある電極層(CuCl)1204が配置される。上部の電極層1204と基板1201の間に、例えば1000オングストロームの厚さを有するチタン層1205、および例えば5μmの厚さを有する金の層1206が配置される。
上の信号発生および発信プロトコールは、実質的に同じ時間に、例えば標的部位および/または環境との接触に続いて起こる活性化および送信に関して記載されているが、ある特定の態様において、IEMの活性化および信号送信は、別々の事象であってもよく、すなわち、多少の時間分離した異なる時間に起こることができる。例えば、IEMは、摂取前に活性化を可能にする伝導媒体を含むことができる。ある特定の態様において、IEMは、消化前に外部で活性化することができるように、流体、電解質スポンジまたは他の伝導媒体に封入される。これらの態様において、受信機は、信号が目的の標的部位から送信される時だけ、送信信号を検出するように構成される。例えば、システムは、体組織との接触の後にだけ送信が起こり、適切な事象マーキングを保証するように構成することができる。例えば、活性化は、IEMの処理で起こることができる。処理または接触で破壊する圧感受性膜を採用することができ、そこでは、破壊は電解質材料がバッテリーエレメントの接続を可能にするようにさせる。あるいは、胃内でのゲルカプセルの分解は、保存電解質を放出し、IEMを活性化することもできる。スポンジ(IEMの近くに水を保持する伝導材料で構成される)内にIEMを封入することは、少量の液体の存在下で活性化を起こさせる。この構成は、伝導流体の不在下で劣る送信能力を打ち消す。
他のレイアウト設計も可能である点に留意されたい。さらに、送信電流が制御回路に干渉できないように、伝導性基板から論理制御回路領域を絶縁するために、ケイ素−オーバー−インシュレータ(SOI)製作技術を用いることができる。
ある特定の態様において、識別子組成物は、対象への投与により破壊される。このように、ある特定の態様において、組成物は、例えば摂取、注射などによる体への送達に続いて、物理的に破壊される、例えば、溶解、分解、侵食などを受ける。これらの態様の組成物は、摂取され、完全ではないが実質的にインタクトのまま胃腸管輸送を生き残るように構成されるデバイスから区別される。
ある特定の態様において、識別子は、画像化システム、例えばカメラまたは他の可視化もしくは画像化エレメント、またはその構成要素、例えばCCD素子、照射素子などを含まない。ある特定の態様において、識別子は、標的生理的部位との接触を検出する活性化因子の外に、例えば生理的パラメータを感知するための感知素子を含まない。ある特定の態様において、識別子は推進エレメントを含まない。ある特定の態様において、識別子は、サンプリングエレメント、例えば流体回収エレメントを含まない。ある特定の態様において、識別子は、作動可能な活性薬剤送達エレメント、例えば送達エレメントに活性薬剤を放出させる信号を受信するまで、活性薬剤を組成物と保持するエレメントを含まない。
識別子は、任意の都合のよい処理技術を用いて製作することができる。ある特定の態様において、表面電極を有する電源を製作するために、プレーナー処理プロトコールが採用され、そこでは、表面電極は、回路支持エレメントの同じ表面に少なくとも部分的に少なくともアノードおよびカソードを含む。ある特定の態様において、バッテリー源を生成するためのウエハー接着プロトコールで、プレーナー処理プロトコールが採用される。プレーナー処理技術、例えば表面マイクロマシニングおよびバルクマイクロマシニング技術を含むマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)製作技術を、採用することができる。構造物を製作するある特定の態様で採用することができる蒸着技術には、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:電着(例えば、電気鍍金)、カソードアーク蒸着、プラズマ溶射、スパッターリング、eビーム蒸着、物理的蒸着、化学蒸着、プラズマ加速化学蒸着など。材料除去技術には、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:反応性イオンエッチング、異方性化学的エッチング、等方性化学的エッチング、例えば化学的機械研磨法、レーザー除去、電子放電加工(EDM)などによる平坦化技術。リソグラフィープロトコールも興味が持たれる。ある特定の態様において、基板に逐次的に適用される様々な異なる材料除去および蒸着プロトコールを用いて、構造物が構築され、および/または当初平面な基板の表面(複数可)から除去される、プレーナー処理プロトコールの使用に興味が持たれる。興味のある例示的な製作方法は、PCT出願番号PCT/US2006/016370においてより詳細に記載され、その開示は参照によりここに全体が組み込まれる。
ある特定の製作プロトコールでは、犠牲層が用いられる。例えば、ギャップまたは空間が所望である、ある特定の三次元態様、例えば下でさらに詳しく記載される態様において、製作の間に犠牲層を採用することができ、その場合、そのような層はバッテリーの使用の前に全部または一部が除去される。興味がある犠牲層材料には、限定されるものではないが、それらを安定処理にするために硬く焼かれてもよいホトレジストが含まれる。上側電極の蒸着が完了すると、ホトレジスト犠牲層は、任意の都合のよいプロトコールを用いて、例えばアセトンで除去することができる。犠牲層として用いることができる他の材料には、限定されるものではないが、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ヘンゾシクロブテンまたはタングステンが含まれる。犠牲層を除去する他の方法には、限定されるものではないが、気相除去、乾燥エッチング除去および過酸化水素が含まれる。
いくつかの態様において、回路支持体エレメントの同じ表面に少なくとも部分的に存在するアノードおよびカソードを含むバッテリーを製作するために、プレーナー処理、例えばMEMS製作プロトコールが採用される。「回路支持体エレメントの同じ表面に少なくとも部分的に存在する」とは、カソードの少なくとも一部およびアノードの少なくとも一部が、回路支持体エレメントの同じ表面に存在することを意味し、その場合、両方の電極が回路支持体エレメントの表面に全体が存在してもよく、1つの電極は表面に完全に存在し、他の電極は表面に部分的にだけ存在してもよく、例えば、その場合、他の電極は、第1の電極が配置される表面と異なる表面に存在する部分を含み、および、両方の電極が同じ表面に部分的に存在し、次に異なる表面に部分的に存在する。植込み型オンチップバッテリーは、様々な方法でチップの上に蒸着することができる。回路の支持体エレメントは任意の都合のよい構成をとることができ、ある特定の態様において、集積回路(IC)チップである。電極エレメントが配置される表面は、所望により、上面、底面または他の表面、例えば側面であってもよく、ある特定の態様において、電極エレメントが少なくとも部分的に存在する表面はICチップの上面である。
MEMS製作技術を用いて、いくつかの態様のバッテリーは、例えば上でレビューされるように、非常に小さいサイズで製造することができる。バッテリーの電極は、例えば約0.001〜約1000μm、例えば約0.5〜約10μmの範囲の様々な厚さで蒸着させることができる。ギャップが電極間に存在する場合、ギャップは、約0.001〜約1000μm、例えば約1〜約10μmの範囲の幅を有することができる。
一態様において、2つのカソードは、2つのカソードを分離するアノードとともにチップの表面に蒸着される。誘電層が電極と回路チップの間に蒸着され、回路接点はチップ表面を透過する。この構成は複数のバッテリーを直列に入れることを可能にし、このことは、標的部位との接触によるバッテリーの活性化により回路チップへより大きな電圧を加えることを可能にする。図60は、プレーナーの嵌合したバッテリーレイアウトを示す。誘電材料9は、回路接点7を含有する回路チップ5の上に蒸着される。アノード3は、第1のカソード1を第2のカソード2から分離する。この構成を採用する態様は、バッテリーが直列である(例えば、上記のように)態様を含み、これは、標的生理的部位との接触により回路が使用することができるより高い電圧を提供する。ある特定の態様において、電極がかなり緊密に置かれるので、この構成は低いバッテリーインピーダンスも提供する。この態様は、カソードおよびアノードエレメントの両方がチップの同じ表面に完全に存在することを特徴とする。
いくつかの態様において、アノードおよびカソードエレメントの少なくとも1つは、他の電極と同じ表面に部分的に存在するが、チップの別の表面、例えば側、底などにも部分的に存在する。例えば、アノードは、回路チップの表面の1つの側の小部分の上に存在し、その側を包み込んで回路チップの底を覆うことができる。カソードは回路チップの上面の残りに存在し、カソードとアノードの間に小さいギャップが提供される。一態様において、大きなカソードプレートが回路チップの上面の大半を覆い、アノードが回路チップの底面を覆い、上面まで側を包み込む。両方の電極、例えばプレートは、チップ上面の誘電層を通る回路接点を通して回路チップに接続することができる。
図61は、回路チップ5を覆う誘電材料9を示す。カソード1は、誘電材料9の上面の大半に蒸着される。アノード3は、上面の残りならびに回路チップ5の側面および底面に蒸着され、上部のカソード1とアノード3の間の分離を保つ。ある特定の態様において、分離は、約0.001〜約1000μm、例えば約0.1〜約100μmの範囲内、例えば約2.0μmである。ある特定の態様において、チップ5の底面にアノード3を蒸着するために、製作の間に回路チップ5を反転してもよい。アノード3およびカソード1のための回路接点7は、回路チップ5の上面に提供され、誘電体9を通って下方に進む。この構成は回路チップ5の上および底ならびに側の1つを利用するので、非常に大きな電極領域を提供する。
別の態様において、カソードは回路チップの上面に配置され、例えば回路チップの上面の誘電体の上に蒸着された層として存在する。製作の間、カソード層の上に次に犠牲層が蒸着される。犠牲層の上に次に別の層が蒸着される。犠牲層を次に除去し、標的部位流体、例えば電解質胃液がアノードおよびカソードと接触するための領域を提供するギャップを残すことができる。この態様を用いて、アノードの上に別の犠牲層を蒸着した後に、追加の電極層をお互いの上に積み重ねることができる。その際に、例えば縦の直列構成が所望の場合、植込み型のオンチップバッテリーを直列に入れることができる。
図62は、回路チップ5の上に配置された誘電層9を示す。カソード1は、誘電層9の上に、回路接点7まで通しで蒸着される。犠牲層(図示せず)がカソード1の上に蒸着されて、アノード3の蒸着のための基礎を提供する。犠牲層が蒸着されると、その表面をエッチングしてより粗い表面を提供することができる。したがって、アノード3が犠牲層の上に蒸着される時、アノード3の底は粗い表面に一致する。犠牲層は、粗く、多孔質に蒸着するカソードアークを用いて蒸着させることもできよう。チップ回路5に複数の電圧を提供するために、複数のアノード3を複数のサイズで蒸着することができる。アノード3が蒸着されると、犠牲層を除去してギャップを作製することができ、その場合、ある特定の態様において、ギャップは、約1〜約10μmを含む約0.001〜約1000μm、例えば約0.1〜約100μmの範囲内である。ある特定の態様において、アノード3とカソード1の間のギャップは、所望のインピーダンスおよび異なる電流をバッテリーに提供するように選択される。アノード3の領域は、所望により回路チップ5に異なる電圧を提供するように製造することもできる。したがって、チップスペースを最小限使用して、同じチップのために複数の電圧を複数のインピーダンスおよび電流と提供するようにアノード3を製造することができる。
いくつかの態様において、カソード層はチップ表面の誘電体の上に蒸着され、カソードの異なる領域の上に複数のアノードが蒸着される。製作の間、アノードをカソードから分離するために犠牲層が蒸着され、除去の結果、共通カソードとカソードの上に配置される2つ以上のアノードの間にギャップを生成する。図63に示すように、アノード3は、回路チップ5の外部領域に固着させてもよい。ノード3のための回路接点を置くことができるのは、そのポイント4である。2つのアノード3だけがカソード1の上に蒸着されるという点で、図63は図62と異なる。2つのアノード3は異なるサイズでもあり、したがって異なる表面積を提供する。アノード3は、適用の必要条件を満たすように製造することができる。複数の電圧が望まれるならば、アノード3は異なる材料で製造されてもよい。複数の電流が望まれるならば、アノード3は複数のサイズで製造されてもよい。複数のインピーダンスが望まれるならば、アノード3は、アノード3とカソード1の間の異なる大きさのギャップで蒸着されてもよい。
いくつかの態様において、2つのアノードプレートは回路チップの表面に存在し、カソード回路接点は表面の中央に蒸着される。次に、カソードは、アノードの上を覆うように回路接点に取り付けられ、それによってカソードとアノードの間にギャップを形成する。図64は、回路チップ5の上の空間を利用する植込み型オンチップコンデンサーの別の態様を示す。絶縁層171は、回路チップ5の表面に形成される。カソード1のための回路接点はチップの中心に形成され、アノード3はいずれかの側に形成され、回路接点とアノード3の間にギャップを残す。製作の間、アノード3の上に次に犠牲層が蒸着されて、カソード1のための基礎が形成される。カソード1が蒸着されると、犠牲層は除去されて液体が侵入する空間を提供する。
いくつかの態様において、カソードは回路チップの表面に存在し、アノードはカソードの上および少なくとも部分的に周囲にオープンチャンバーを提供するのに十分なように配置される。アノードとカソードの間に電流経路を生成するチャンバーに電解質液が流れるのを可能にする開口部が提供される。例えばチャンバーの中に空気が閉じ込められないことを確実とするために、所望により複数の開口部が提供されてもよい。図65では、アノード3はカソード1を囲み、電解質液が侵入するチャンバー173を形成する。絶縁層11は、カソード1を回路チップ5から分離する。標的部位との接触の結果、電解質液は開口部175を通ってチャンバー173に侵入する。空気が中に閉じ込められないことを確実とするために、開口部175はチャンバー173の反対の角に設置してもよい。ある特定の場合には、図65の構成が望ましいことがある。胃内に豊富な量の電解質液が存在しない場合のために、例えば図65に示すように、植込み型オンチップバッテリーを、それが接触する流体を電極周囲に封じ込めるように製作してもよい。そうすることによってバッテリーの連続的反応が確実になろうが、それが開放していたならば、流体は反応領域に侵入し、そこから出ることができ、バッテリーを停止させることがある。
例えば図65に示すように所与のバッテリーユニットがチャンバーを含む場合、所望により、チャンバーへの流体の流入および流出をモジュレートする表面被覆を採用してもよい。ある特定の態様において、チャンバーの一部の表面、例えばチャンバーの内面は、所望の流動特性を提供するように改変されてもよい。例えば、チャンバーおよび流体ポートの1つ以上の表面の表面エネルギーを、チャンバーへの流動の増大を提供するように改変することができる。例えば、チャンバーの1つ以上の表面の表面エネルギーは、表面がより親水性になるように増加させることができる。様々な異なる表面エネルギー改変プロトコールを採用することができ、その場合、選択される特定のプロトコールは、障壁の特定の組成および所望の表面エネルギー特性に依存することができる。例えば、所与の表面の表面エネルギーを増加させようとするならば、表面をプラズマ処理にかけ、表面エネルギー改変、例えば、それぞれの開示は全ての目的のためにここに完全に組み込まれる、米国特許第5,948,227号および第6,042,710号などに記載される表面改変ポリマー溶液と接触させてもよい。ある特定の態様において、例えば、その開示は参照により全体がここに組み込まれる、PCT出願番号PCT/US07/82563に記載されているように、電解質液をチャンバー内に誘引、保持するために親水性物質を採用してもよい。
ある特定の態様において、バッテリーの1つ以上の表面、例えばチャンバーの内面は、表面での気泡形成および位置をモジュレートするように改変される。例えば、バッテリーの活性化は、気泡生成、例えば水素ガス気泡生成をもたらすことがある。活性化の間に例えば活性カソードの上で生成した気泡が、カソードから別の位置に、例えばカソードから離れた位置、チャンバー外部の位置などに引き抜かれるように、表面改変を採用することができる。
上記の態様は、少なくとも1つのアノードおよび少なくとも1つのカソードが回路支持体エレメントの同じ表面に存在する、プレーナー処理プロトコールで生産されたバッテリーの例である。上記の共通の特徴を有する他の態様を生産することができるので、上記の記載は決して限定するものでない。
いくつかの態様において、バッテリー源を生成するためのウエハー接着プロトコールで、プレーナー処理プロトコールが採用される。そのような態様のあるものでは、回路チップに誘電体を蒸着することができる。誘電体の上に、次にカソード層を蒸着することができる。アノードは、別々の支持体ウエハーの上に蒸着することができる。アノードは、回路チップの底に次に接着することができ、そのポイントで、支持体ウエハーは、アノード表面を電解質液と接触させるためにエッチングすることができる。このように、植込み型オンチップバッテリーの作製で用いることができる別の製作技術は、ウエハー接着である。
植込み型オンチップバッテリーは、例えば図66の態様におけるように、2つのウエハーを用いて製造することができる。回路チップ5は、誘電体9の上に蒸着されるカソード1のための基礎を提供する。これは、第1のウエハーアセンブリ179を構成する。第2のウエハーアセンブリ178は、支持体ウエハー177およびアノード3で構成される。アノード3は、支持体ウエハー177の表面に蒸着される。アノード3は回路チップ5に次に接着され、バルク支持体ウエハー177はエッチングされてアノード3の領域を露出させる。エッチングで除去される支持体ウエハー177の量は、アノード3のために要求される面積に依存する。より多くの回路が要求される場合、支持体ウエハー177に置くことができるので、この製作方法は植込み型オンチップバッテリーに有益である可能性がある。
上述のこれらの態様および他は、カソードをアノードと切り替えるように変更すること、およびその逆も可能であり、本発明のさらに追加の開示構成を提供する。プレーナー処理で製作された目的の追加の態様には、米国仮出願第60/889,868号に記載されるものが含まれ、その開示は参照によりここに全体が組み込まれる。
上記の識別子構成要素に加えて、摂取可能な事象マーカーは、識別子の摂取を助ける、および/またはそれが目的の標的部位に到達するまで識別子を保護する、生理的に許容される担体構成要素、例えば組成物またはビヒクルに存在する(すなわち、それと合わせる)ことができる。「生理的に許容される担体構成要素」は、固体または流体(例えば、液体)であってもよい、摂取可能な組成物を意味する。そのようなマーカーは、ここに記載される方法のいずれかで、例えば、カテーテルを胃内デバイスと接続する中間デバイスまたは他と一緒の胃内デバイス、例えばバルーンと一緒のカテーテルへの組み込みによって、胃内配置システムに組み込むことができる。マーカーは、例えば位置が確認された後に、胃内配置システムの任意の構造物から解放されるように構成することができる。そのようなマーカーは、マーカーの通過、廃棄などを支援する、生理的に許容される担体構成要素に実装することができる。
一般的な担体および賦形剤、例えばコーンスターチまたはゼラチン、ラクトース、ブドウ糖、スクロース、微晶質セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウムおよびアルギン酸が関心を引く。本発明の製剤で一般的に用いられる崩壊薬には、クロスカルメロース、微晶質セルロース、コーンスターチ、グリコール酸デンプンナトリウムおよびアルギン酸が含まれる。
液状組成物は、適する液状担体(複数可)、例えば、エタノール、グリセリン、ソルビトール、非水性溶媒、例えばポリエチレングリコール、油または水の中の化合物または薬学的に許容される塩の懸濁液または溶液を、懸濁剤、保存剤、界面活性剤、湿潤剤、香料または着色剤と一緒に含むことができる。あるいは、液状製剤は再構成可能な粉末から調製することができる。例えば、活性化合物、懸濁剤、スクロースおよび甘味料を含有する粉末を水で再構成して懸濁液を形成することができ、有効成分、スクロースおよび甘味料を含有する粉末からシロップを調製することができる。
錠剤または丸剤の形の組成物は、固体組成物を調製するために通常用いられる任意の適する薬用担体(複数可)を用いて調製することができる。そのような担体の例には、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロース、微晶質セルロースおよび結合剤、例えばポリビニルピロリドンが含まれる。錠剤は、カラーフィルム被覆または担体(複数可)の一部分として含まれる着色剤とともに提供することもできる。さらに、活性化合物は、親水性または疎水性のマトリックスを含む錠剤として、制御放出剤形に製剤化することができる。
「制御放出」、「徐放性」および類似の用語は、適用または注射の直後に分散させられるのではなく、活性薬剤がある期間にわたって確認可能および制御可能な速度で送達ビヒクルから放出される時に起こる、活性薬剤送達のモードを表すために用いられる。制御放出または徐放は、数時間、数日または数カ月に拡張されてもよく、多数の因子の関数として変動することができる。本発明の医薬組成物のために、放出速度は、選択される賦形剤のタイプおよび組成物中の賦形剤の濃度に依存する。放出速度の別の決定因子は、ポリオルトエステルのユニットの間およびその中の結合の加水分解速度である。次に加水分解速度は、ポリオルトエステルの組成およびポリオルトエステル中の加水分解性結合の数によって制御することができる。本医薬組成物からの活性薬剤の放出の速度を決定する他の因子には、粒径、媒体(マトリックスの内部または外部の)の酸度ならびにマトリックス中の活性薬剤の物理的および化学的特性が含まれる。
カプセルの形の組成物は、ルーチンのカプセル化手順を用いて、例えば硬質ゼラチンカプセルへの活性化合物および賦形剤の組み込みによって調製することができる。あるいは、活性化合物および高分子量ポリエチレングリコールの半固体のマトリックスを調製し、硬質ゼラチンカプセルに充填することができるか、または、ポリエチレングリコール中の活性化合物の溶液、または食用油、例えば流動パラフィンもしくはヤシ油の中の懸濁液を調製してソフトゼラチンカプセルに充填することができる。
含まれてもよい錠剤結合剤は、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、デンプンおよびエチルセルロースである。用いることができる滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウムまたは他の金属ステアリン酸塩、ステアリン酸、シリコーン油、タルク、ワックス、油およびコロイド状シリカが含まれる。
着香剤、例えばハッカ、ウィンターグリーン油、チェリーフレーバなどを用いることもできる。さらに、剤形の外観をより魅力的にするため、または製品の識別を助けるために着色剤を加えることが望ましいことがある。これらは、ここで記載されるような、胃内バルーンが収縮したことをユーザーに合図するためにいくつかの態様で用いられる着香剤に類似していることがある。
本発明の製剤での使用に適する他の構成要素は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia、Pa.、第17版(1985)に見出すことができる。
配置システムは、IEMの識別子から信号を受信するように、すなわち、IEMの摂取後にIEMと標的生理的部位との接触を受けてIEMによって発信される信号を受信するように構成される、信号受信機を含むことができる。信号受信機は、例えば下でレビューされるように、信号発生エレメントによって発生される信号の性質によってかなり異なってもよい。このように、信号受信機は、上に示すように、様々な異なるタイプの信号、例えば、限定されるものではないが:RF信号、磁気信号、伝導性(近接場)信号、音響信号などを受信するように構成することができる。
ある特定の態様において、2つの構成要素が通信媒体として患者の体を利用するように、受信機は別の部品、例えばIEMの識別子から導電的に信号を受信するように構成される。このように、IEMの識別子と受信機の間で伝達される信号は、体を通して移動し、伝導媒体として体を必要とする。識別子から発信される信号は、体組織を通して伝導される電気的交流(a.c.)電圧信号の形で、対象の体の皮膚および他の体組織を通して送信することおよびそれから受信することができる。その結果、センサーデータは対象の皮膚および他の体組織を通して直接的に交換されるので、そのような態様は、自律センサーユニットからシステムの中央送受信ユニットおよび他の部品にセンサーデータを送信するために、いかなる追加のケーブルもしくは配線接続も、または無線リンク接続さえも必要としない。この通信プロトコールは、受信機を対象の体の任意の所望の位置に適合するように配置することができ、それによって、受信機は、信号送信を達成するために必要な電気導体に自動的に接続され、すなわち、信号送信は、対象の皮膚および他の体組織によって提供される電気導体を通して実行されるという利点を有する。受信機が感知素子(下を参照されたい)を含む場合、体全体に分配され、この身体導電媒体プロトコールによって互いに通信する複数の受信機/センサー素子を有することができる。そのような体をベースとしたデータ伝送は、そのために必要な伝送電力が極めて小さいという利点をさらに有する。これは他のデバイスの電気的動作への干渉の発生を回避し、さらに、機密医療データの予想外の傍受または盗聴および監視を阻止するのも助ける。結果としての非常に低い電力消費は、特に電力供給が限られた適用において、長期モニタリングの目標を達成するためにさらに有利である。
信号受信機は、IEMの識別エレメントから信号を受信するように構成される。このように、信号受信機は、それがIEMの識別子から発信される信号を認識することができるように構成される。ある特定の態様において、信号検出構成要素は、識別子から発信される信号の検出を受けて活性化されるものである。ある特定の態様において、信号受信機は、医薬情報科学によって可能になった複数の、例えば2つ以上、5つ以上、10個以上などの組成物を同時に検出することが可能である(すなわち、そのように構成されている)。
信号受信機は様々な異なるタイプの信号受信エレメントを含むことができ、そこで、受信エレメントの性質は、信号発生エレメントによって生成される信号の性質によって必然的に異なる。ある特定の態様において、信号受信機は、信号発生エレメントによって発信される信号を検出するための、1つ以上の電極(例えば、複数の、例えば2つ以上、3つ以上、4つ以上の対の電極などを含む、2つ以上の電極、3つ以上の電極)を含むことができる。ある特定の態様において、受信機デバイスには、ある距離、例えば電極が差動電圧を検出することを可能にする距離に分散させられる2つの電極が提供される。この距離は異なることができ、ある特定の態様において、約0.1〜約5cm、例えば約0.5〜約2.5cmの範囲内、例えば約1cmである。ある特定の態様において、第1の電極は導電性身体エレメント、例えば血液と接触しており、第2の電極は前記導電性身体エレメントに対して電気絶縁性の身体エレメント、例えば脂肪組織(脂肪)と接触している。代わりの態様において、単極を利用する受信機が採用される。ある特定の態様において、信号検出構成要素は、信号発生エレメントによって発信される信号を検出するための1つ以上のコイルを含むことができる。ある特定の態様において、信号検出部品は、信号発生エレメントによって発信される信号を検出するための音響検出エレメントを含む。ある特定の態様において、例えば信号の検出確率を増加させるために、複数対の電極(例えば、上でレビューされるように)が提供される。
目的の信号受信機には、外部のおよび植込み型の信号受信機が含まれる。外部の態様において、信号受信機はex vivoにあり、それは、受信機が使用中に体の外部に存在することを意味する。受信機が移植される場合は、信号受信機はin vivoにある。信号受信機は、少なくともそれがIEMから発信された信号を受信する間、例えばin vivoまたはex vivoで体と安定して関連するように構成される。
最も広い意味では、本発明の受信機は、それらが動作するように構成される患者に対して移動式であっても固定されてもよい。信号受信機の移動式態様には、生物対象の動作に実質的に影響を与えない方法で生物対象と安定して関連するようにサイズ設定されるものが含まれる。このような態様のように、信号受信機は、対象、例えばヒト対象で採用される時に、対象に動く能力のいかなる差も経験させない寸法を有する。これらの態様において、受信機は、そのサイズが物理的に動く対象の能力を損なわないような大きさにされる。
ある特定の態様において、信号受信機は、非常に小さいサイズを有するように構成することができる。信号受信機が小さいサイズを有する場合は、ある特定の態様において、信号受信機は、約1cm3以下を含む約5cm3以下、例えば約3cm3以下の空間容量を占有する。ある特定の態様において、信号受信機の所望の機能は、1つの充電式バッテリーで達成される。
摂取可能な事象マーカーの識別子から信号を受信することに加えて、信号受信機は、1つ以上の異なる生理的パラメータを感知する能力をさらに含むことができる。生理的パラメータを感知する能力とは、生理的パラメータまたはバイオマーカー、例えば、限定されるものではないが、流体の化学的組成を感知する能力を意味する。
ある特定の態様において、信号受信機は、信号受信および感知の二重の機能を提供する2つ以上の電極のセットを含む。例えば、信号を受信することに加えて、電極は追加の感知機能の役目をすることもできる。
ある特定の態様において、自律センサーユニットとして見ることができる信号受信機が含まれる。これらの態様のあるものでは、センサーユニットは、対象の皮膚または体表面に配置されるように調整されるセンサーおよび一対の送信/受信電極を含む。受信機は、対象の体の上に配置されるように調整される中央送受信ユニットおよび携帯用データ記録ユニットをさらに含むことができる。自律センサーユニットは、マーカーの位置を示すことができるセンサーデータ、すなわち、医学および/または物理的データ、例えば脈拍数、血中酸素含量、血糖含有量、他の血液組成データ、血圧データ、心電図データ、脳波図データ、呼吸数データ、発汗データ、体温データ、活動、動作、電極インピーダンスなどの1つ以上を対象の体から取得するように調整される。さらに、部品は、内部デバイス、例えばIEMの識別子から信号を受信する能力を含む。各自律センサーユニットの送信/受信電極は、対象の体に獲得したセンサーデータを送信するように調整されるので、これらのセンサーデータは対象の皮膚および/または他の体組織を通して中央送受信ユニット、例えば電磁気配置システムに関して上に記載されたセンサーインタフェースユニットに送信される。他の信号、例えばモニタリング信号およびポーリング信号は、対象の体組織を通して中央送受信ユニットからセンサーユニットに送信することができ、その場合、これらの信号はそれぞれのセンサーユニットの送信/受信電極によって拾われる。
信号受信機に存在することができる追加のエレメントには、限定されるものではないが、以下が含まれる:例えば摂取可能な事象マーカーから発信される信号をデコードするための信号復調器;例えば信号受信機から外部の位置に信号を送るための信号送信機;例えば受信信号、生理的パラメータデータ、医療記録データなどに関するデータを保存するためのデータ記憶素子;例えば特定の時間を事象、例えば信号受領と関連付けるためのクロック素子;前置増幅器;例えば信号受信機の異なる機能の1つ以上を調和させるためのマイクロプロセッサー。
信号受信機の植込み型バージョンの側面は、生物学的に適合するエンクロージャ、2つ以上の感知電極、一次電池または充電式バッテリー、またはコイルへの一斉送信によって誘導的に電力供給されるものであってもよい電源を有する。信号受信機は、送信された信号をデコードする復調器、事象を記録する何らかの記憶装置、クロックおよび体の外に送信する方法を含む回路を有することもできる。クロックおよび送信機能は、ある特定の態様において、省略されてもよい。送信機は、局所のデータ記憶装置から外部のデータ記憶装置に情報を伝達するRFリンクまたは伝導リンクであってもよい。
存在する場合、復調器構成要素は、医薬情報科学で可能になった医薬組成物の識別子から発信される信号を復調するように構成された、任意の都合のよい復調器であってもよい。ある特定の態様において、復調器は、かなりのノイズの存在下でさえ、非常に低い電力を消費する小規模チップを用いて、低レベルの信号の正確な信号解読を可能にするin vivo送信デコーダーである。一態様において、in vivo送信デコーダーは、2相位相変調(BPSK)を用いて変調された信号をデコードするように設計されている。信号は、Costasループを用いて次に復調させることができる。Costasループ出力に記号回復技術を適用することによって、二進コードが回復される。いくつかの態様において、in vivo送信デコーダーは、自動利得制御(AGC)ブロックを含むことができる。AGCブロックは、入力信号の最も強力な周波数構成要素および信号電力を決定することができる。信号の最も強力な周波数は、アルゴリズムの他の部分でフィルターおよび電圧制御発振器を調整するために用いることができる。これは、受信機が入力信号周波数の変動および入力信号周波数のドリフトに活発に適応するのを助けることができる。信号電力を測定することによって、AGCブロックは、信号電力を所定値に標準化するのに必要な利得を次に計算して適用することができる。Costasループで信号電力を読み出すことによって、この利得をさらに調整することができる。一態様において、in vivo送信デコーダーは、存在するノイズの量などの状態に適応するために入力信号のサンプリング速度を能動的に調整することができる。例えば、信号雑音比(SNR)が十分である場合は、サンプリング速度を低い値に維持することができる。解読プロセスの間にSNRが設定閾値未満に減少するならば、サンプリング速度を増加させることができる。この様式で、回復された信号の精度を損なうことなく、サンプリング速度をできるだけ低くに保つことができる。サンプリング速度をできるだけ低く能動的に調整することによって、アルゴリズムは電力を節約する。そのようなin vivo送信デコーダーのさらなる側面は、「In−Vivo Transmission Decoder」という名称の米国仮出願番号60/866,581で提供され、この出願の開示は参照により完全にここに組み込まれる。
ある特定の態様において、本受信機の構成要素または機能ブロックは集積回路の上に存在し、集積回路はいくつかの異なる機能ブロック、すなわちモジュールを含む。所与の受信機の中では、機能ブロックの少なくとも一部、例えば全部を含む2つ以上が、受信機内の単一の集積回路に存在することができる。単一の集積回路とは、異なる機能ブロックの全てを含む単一の回路構造を意味する。このように、集積回路は、半導体材料の薄い基板の表面で製造された小型化電子回路(半導体素子ならびに受動素子を含むことができる)である、モノリシック集積回路(IC、マイクロ回路、マイクロチップ、ケイ素チップ、コンピューターチップまたはチップとしても知られる)である。本発明のある特定の態様の集積回路は、基板または回路ボードに結合している個々の半導体素子ならびに受動素子で構築された小型化電子回路である、ハイブリッド集積回路であってもよい。
図53は、本発明の態様による、機能ブロック図の概略図を提供する。図53で、受信機10Cはそれぞれ第1および第2の電極11Cおよび12Cを含み、それらは距離Xによって分離され、識別子によって発生される信号を受信するアンテナの役割をする。この距離Xは異なることができ、ある特定の態様において、約0.5〜約5cm、例えば約0.5〜約1.5cmの範囲内、例えば約1cmである。増幅器13Cは、電極をまたぐ差別的信号を検出する。検出された信号は、復調器14Cに次に入る。復調されたデータを記憶するメモリー15Cも示す。事象を日時記録するそのメモリーに書き込むクロック16C。伝送回路(Tx)(16)は、メモリーから外部受信機にデータを伝達する(示さず)。全てのマイクロエレクトロニクスに電力を供給する電源17Cもある。表す態様において、これらのブロックの全ての間で機能を調整する、マイクロプロセッサー18Cも存在する。最後に、周辺部に巻かれたコイル19Cは、RF伝送を提供する。上に要約されるように、図53の態様で示される異なる機能ブロックの全ては、同じ集積回路の上にあってもよい。
別の態様が、図54で表される。図54では、受信機20Cの主部分は、上に掲載される機能の全ておよび電極21Cを含む。ワイヤ23Cの末端にある電極22Cも、示される。この構成は、有効な受信機の役割をするためにe0とe1の間の十分な距離を提供しながらも、受信機20Cの全体サイズを最小にする。
いくつかの態様において、信号受信機は外部であってもよい。信号受信機が外部である場合は、それらは任意の都合のよい様式で構成されてもよい。所望により、外部の構成は、植込み型態様に関して上に記載されるエレメントのいずれも含むことができる。このように、外部受信機は、図53に表され、上に記載される回路を含むことができる。したがって、所望により、上記のエレメント、例えば信号受信機、送信機、メモリー、プロセッサー、復調器などが、本発明の外部受信機に存在してもよい。例えば、本発明の外部受信機に存在することができる回路の機能図を、図55Aおよび55Bに示す。
図55Aは、一態様による受信機70Cの機能ブロック図を提供し、そこで受信機は外部インタフェースブロック71Cを含み、外部インタフェースブロックは、無線通信エレメント(例えば、アンテナ)、シリアルポート、伝導性インタフェースなどを含むことができる。信号受信機回路ブロック72Cも存在する。受信機電極機能ブロック73Cも存在する。図55Bは、本発明の態様による受信機に見出される回路74Cの図を提供する。回路74Cは、外部インタフェース75C、メモリー76C、デジタル信号プロセッサー(DSP)77Cおよびリアルタイムクロック(RTC)78Cを含む。アナログデジタル変換器(ADC)79C、前置増幅器80C、任意の参照(同相相殺回路)81Cおよび電極82Cも示す。
ある特定の外部態様において、受信機は、患者と一時的にだけ、すなわち一過性に、例えば摂取可能な事象マーカーが実際に摂取される間だけ接触するかまたは関連するように構成することができる。例えば、受信機は、2つのフィンガー電極またはハンドグリップを有する外部デバイスとして構成されてもよい。IEMの摂取を受けて、患者または医療提供者は電極に触れるかまたはハンドグリップを完全につかんで、受信機と伝導回路を生成する。IEMからの信号の発信の後に、例えばIEMが胃と接触する時に、IEMの識別子によって発信される信号は受信機によって拾われる。この時点で、受信機は、患者または医療提供者に対して、例えば可聴または視覚的な信号の形で、IEMからの信号を受信したことの表示を提供することができる。上に示したように、ある特定の外部態様において、受信機は、患者と一時的にだけ、すなわち一過性に、例えば胃内デバイス、摂取可能なマーカーなどが実際に摂取される間だけ接触するかまたは関連するように構成される。
いくつかの態様において、マーカーは、所望の結果をもたらすことが可能な任意の都合のよい手段を用いて対象によって摂取されてもよく、そこで、投与経路は、例えば上でレビューされるように、組成物の特定のフォーマットに少なくとも一部依存し、例えば胃内デバイスおよび/または嚥下可能なカテーテルと一緒にIEM組成物を嚥下することによって、摂取可能な事象マーカーを摂取することを含む。特定の用途によっては、この方法は、事象マーカーを単独で、または物体の別の組成物、例えば胃内デバイスとともに摂取することを含むことができる。例えば上でレビューしたように、摂取可能な事象マーカーが標的生理的部位に到達すると、IEMの識別子は検出可能な信号を発する。信号受信機は、受信データ(例えば、摂取可能な事象マーカーから発信された信号の形の)を様々な方法で扱うことができる。いくつかの態様において、信号受信機は、外部デバイスに(例えば、カテーテルを通して伸長するワイヤを用いて、従来のRF通信を用いて、または他)、例えば直ちにまたは多少の時間の後に単にデータを再送信し、その場合、データは受信機の記憶素子に記憶される。したがって、ある特定の態様において、信号受信機は、外部デバイスへの以降の再送信のために、または以降のデータの処理(例えば、一部のパラメータの経時的変化の検出)で用いるために受信データを記憶する。例えば、移植されたコレクターは、例えばデータ検索デバイス、例えば当技術分野で公知であるワンドを用いて開業医が交信することができる従来のRF回路(例えば、405MHzの医療デバイスバンドで動作する)を含むことができる。他の態様において、信号受信機は、何らかの行動、例えばその制御下のエフェクターを動作させること、可視的または可聴アラームを活性化すること、制御信号を体の他の場所に配置されるエフェクターに伝送することなどの行動をとるかどうか決定するために、受信データを処理する。信号受信機は、受信データを用いてこれらのおよび/または他のオペレーションの任意の組合せを実行することができる。
図56は、バルーンがその中に発電センサー5630を有する、送達/膨張カテーテル5620に取り付けられたバルーンカプセル5610を有する胃内システム5600の態様の側面図である。カプセル5610およびカテーテル5620は、ここに記載される態様のいずれであってもよい。センサー5630は、ここに記載される摂取可能な事象マーカーの態様のいずれであってもよい。カテーテル5620との接続の反対側のカプセル5610の末端に配置される、センサー5630を示す。しかし、これは単に1つの例であり、センサー630は、カプセル5610の内部または外部の任意の適する位置にあってもよい。
図57は、バルーン5710ならびに特異的pHコーティング5760を有するアノード5750およびカソード5740付きのカテーテル5720を含む、胃内バルーンシステム5700の態様の側面図である。pHコーティング5760は、胃環境、例えば胃液へのアノードおよびカソードの曝露を制御するように選択することができる。カテーテル5720は、システムによって受信される電気信号、例えば電圧を伝達するためのワイヤ5720を有することができる。ワイヤ5720は、例えば、ここに記載されるようにセンサーインタフェースユニットに電気的に接続することができる。
図67は、事象マーカーを有する発電配置システム6700の態様の患者での使用を図示する。システム6700は、患者の胃の中の胃液に曝露させられるバルーンカプセル6710を含む。カプセル6710は、ここに記載される方法のいずれで摂取されてもよい。カプセル6710は、バルーンカテーテル6720に接続される。いくつかの態様において、カテーテル6720は摂取可能な事象マーカーに接続される。いくつかの態様において、カプセル6710はマーカーに接続される。いくつかの態様において、図56のバルーンシステム5600は、図67に示すシステム6700で実行することができる。図67にさらに示すように、システム6700は、患者の体外にあってもよい信号受信機6730をさらに含むことができる。いくつかの態様において、受信機6730は患者の胃の近くに配置される。システム6700は、受信機6730と交信するモバイルデバイス6740、例えばスマートフォンまたはタブレットを含むこともできる。
図68は、アノードおよびカソードを有する発電配置システム6800の態様の患者での使用を図示する。システム6800は、患者の胃の中の胃液に曝露させられるバルーンカプセル6810を含むことができる。カプセル6810は、ここに記載される方法のいずれで摂取されてもよい。カプセル6810は、バルーンカテーテル6820の中のワイヤで電気的に接続される。いくつかの態様において、カテーテル6820はバルーン6810の近くのその遠位末端にアノードおよびカソードを含む。ここに記載されるように、アノードおよびカソードが胃液と接触すると、アノードおよびカソードは胃の中の配置を確認するための電圧信号を提供することができる。システム6800は、カソードおよびアノードと電気的に通信する電圧リード線6830を含むこともできる。電圧リード線は、電圧を測定する信号受信機6840にアノードおよびカソードを接続することができる。受信機6840は、電圧レベルが所定の閾値、例えば胃の胃環境を示す電圧レベルに到達した時を、システム6800のユーザーに報告することができる。
pHをベースとしたトラッキングおよび可視化副部品
上記のデバイスおよびシステムに、トラッキングおよび可視化機能を組み込むことができる。ここで用いるように、「可視化」は広義に用いられ、体内の目的のアイテムを、胃内デバイスまたはその一部が遭遇するpHレベルを測定することを含む、いくつかの方法で識別することを指す。本デバイスの非侵襲的性質のために、医師は、膨張の前、処置中または収縮後にデバイスの位置および配向を決定または確認することを望むことができる。したがって、投与の全ての段階で胃内デバイスの位置、配向および/または状態の決定および確認を可能にするように構成された、pH感知構成要素を組み込む胃内デバイスが提供される。
胃内デバイスが遭遇する消化管に沿ってpHレベルを示すために、様々なpH測定システムを用いることができる。図69Aは、患者で使用中のものを示す、外部コントローラ86を有する患者内部の胃内デバイス10A(図69Bに示す)、ならびに別個のディスプレイ装置87のオプションの態様を表す。示すように、外部コントローラ86は、デバイスと一体化することができる。図69Aは、コントローラ86がより大きいかまたはより精巧な表示のために別個のディスプレイ装置87に接続することができる態様も示す。
図69Bは、胃内デバイス10Aとワイヤレス外部ディスプレイ88の態様を表す。示すように、ワイヤレス通信が利用される場合は、外部ディスプレイ88を胃内デバイス10Aまたはその付属品と一緒に用いることができた。データをモニターする間、医師は、それが理想的な位置および配向などの範囲内にあることを確実とするために、胃内デバイスの配向、位置などを変更することができた。デバイス10Aは、デバイスが理想的な位置、配向などにあるかどうか判定するアルゴリズムでデータを収集し、分析する能力を有することができた。
いくつかの態様において、胃内デバイスおよび/またはそのアクセサリーは、胃内デバイスで、または食道、胃および/または腸を含む消化管の内部の1つ以上のパラメータ、例えばpHをモニターするための手順で用いるための、1つ以上のセンサーを含む。図69Cは、胃の断面内の、胃内デバイス16B、例えばバルーンの上に配置される胃内システム20BのpHセンサー28Bの態様の側面図を表す。いくつかの態様において、センサー28Bは、微細分解能、低いヒステレシスでpHを正確にモニターするように調整され、組織接触のために調整されるだろう。センサーは非常に小さい表面接触領域を有すること、またはより広い表面接触領域を有することができる。
システム20Bは、胃内デバイス16Bとは別個の機器を含むことができ、食道の下への配置のためのシャフト、およびおそらく操作のためのアームで構築することができる。システムは、胃内デバイス16Bに取り付けられるかまたは接触し、デバイスの設置後に除去することができるアクセサリーをさらに含むことができる。
いくつかの態様において、センサー28Bは、必要に応じて配置、性能、調整または他のデータをモニターするために、胃内デバイス16Bの配置の間のガイドとして用いられる。センサー28Bは、胃内デバイスを設置するか、または様々な体重減少機構によって体重減少を誘導する肥満の外科的処置を実施する時に用いられる。センサーは、胃内デバイスが適切な位置に置かれることを確実とするために用いることができる。体重減少機構は、図69Cで示すような空間占有デバイス、例えば膨張可能な胃内バルーン、またはここに記載される他の類似のデバイスを含むことができ、そこで、例えば体重減少のために適切な充填体積の達成を確かなものにするために、センサーを用いることができる。センサー28Bを備えた胃内デバイス16Bは、配置をカスタマイズするためおよび/または向上した長期性能のために患者に適合させるために、配置または調整データを集めることもできる。
有線またはワイヤレスのセンサー28Bが用いられるかどうかにかかわらず、外部ディスプレイは、胃内デバイス16Bを囲んでいる周囲pHレベルに関するデータを集めて記録する能力を有してもよい。いくつかの態様において、外部ディスプレイは、図69A〜Bに示すコントローラ86、外部ディスプレイ87および/またはワイヤレス外部ディスプレイ88の上にあってもよい。外部ディスプレイは、さらなる診断能力のために、収集されたデータの分析を実施する能力を有することもできる。外部ディスプレイは、データを集めてそれを様々な表現で表示する能力を有することができる。それは、生データ、平均を表示することができるか、または、データを分析し、全身状態を適当であるか不適当であると診断することができる。例えば、不適当な状態は赤色光で表示することができ、適当な状態は緑色光で表示できる。同様に、外部ディスプレイは明るい棒グラフで示すことができ、そこで、より適当な状態はより多くのバーで示され、より適当でない状態はより少ないバーで示される。有線のセンサーが用いられる場合は、パラメータデータを読み出すために、外部ディスプレイ87(図69A)をシステム20Bに接続して一体化してもよい。ワイヤレスセンサーが用いられる場合は、ワイヤレス外部ディスプレイ88(図69B)をシステム20Bにワイヤレスで接続してもよい。
いくつかの態様において、胃内デバイス16Bまたはその一部は、薄い柔軟なシートまたはエレメントの上に配置されるかそれに組み込まれるセンサー28Bのアレイを含有してもよい。このエレメントは、帯状、円盤、フラスト円錐、球、これらまたは他のいずれかの一部を含む様々な形状をとってもよい。センサー28Bのアレイが用いられる場合、ディスプレイはセンサーアレイ全体のpHマッピングの2Dまたは3Dカラープロットまたは図示を示すことができる。デバイス16Bのコンディションの状態を表すために、様々な視覚表示を用いてもよい。
いくつかの態様において、複数のセンサーアレイを単一のアーム24または複数のアーム24の上に配置してもよい。目的の領域を覆うために、単一のアーム24は、ループ、曲がったワイヤ、らせん状、円柱、円錐またはこれらの複数、または他の形状および複数の形をとってもよい。1つ以上のアーム24は、体への導入の間のデバイス16Bの理想的な配置のための操作を可能にするために、関節をなしてもよい。いくつかの態様において、胃カメラの作業チャネルに適合させるために、センサー28Bを狭い断面の機器に組み込むことができる。あるいは、それは関節動作式アームなどの追加機能のためにより大きなサイズ処理を必要とすることがあるが、胃カメラの隣の食道に適合するのに十分に小さく、体外での適切な操作のために十分に長くてもよい。膨張または関節動作の特徴がある場合は、デバイス16Bまたはアクセサリーは、食道の下への配置を容易にするために長く狭いプロファイルに崩れる十分な能力を有することができる。デバイス16Bは、平滑で、組織刺激の可能性を低減するような輪郭にすることもできる。
センサー28Bは患者との間接的に接触してもよく、例えばサイズ処理バルーンの外部またはチューブの外部にあってもよく、その場合、消化管はバルーンまたはチューブに接触する。センサー28Bまたはデバイス16Bは、再使用可能または使い捨て式でもよい。デバイス16Bの配置、調整または処置が完了した後、センサー28Bまたはデバイス16Bを置くために用いる機器、例えばカテーテルは除去されてもよい。
デバイス16Bを置くために用いる機器またはアクセサリーは、多くの異なる材料または材料の組合せで作製されてもよい。機器については、材料は、単一または反復使用のための胃との一時的接触のために耐酸性だろう。デバイス16Bの上に残ることを意図するデバイスアクセサリーについては、アクセサリーはより耐酸性の特性を必要とすることがある。デバイス16Bのエレメントは、ニチノール、形状記憶・プラスチック、形状記憶ゲル、ステンレス鋼、超合金、チタン、シリコーン、エラストマー、テフロン(登録商標)、ポリウレタン、ポリノルボレン、スチレンブタジエンコポリマー、架橋ポリエチレン、架橋ポリシクロオクテン、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルおよびウレタンブタジエンコポリマー、他の重合体、または上の組合せ、または他の適する材料、またはここの他の場所に記載される材料で作製されてもよい。
いくつかの態様において、システム20Bはワイヤレスまたは有線のセンサー28Bを有してもよい。有線のセンサー28Bが機器20で用いられる場合は、データ伝送用のワイヤはシャフト22Bの中に含まれてもよく、データは、モニタリングのためにはセンサー28Bから直接的にディスプレイに、例えば図69Aのコントローラ86の小さいディスプレイもしくはより大きなディスプレイ装置87に、または分析のためにはマイクロプロセッサーに、次にディスプレイに送られてもよい。マイクロプロセッサーまたは外部ディスプレイは、システム20Bに直接的に組み込まれてもよく、または、システム20Bは別のより大きな外部ディスプレイ87(図69Aに示す)に接続されてもよい。
ワイヤレスセンサー28Bがシステム20Bで用いられる場合は、センサー28Bからの遠隔測定を通して遠隔操作で信号を送受信するために、外部ディスプレイ、例えば図69Bに示すワイヤレス外部ディスプレイ88を用いることができる。外部ディスプレイ88は、モニタリングのためにデータを表示することができるか、または分析のためのマイクロプロセッサーを含有し、その後データを表示してもよい。
一態様において、コントローラ86の小さいディスプレイであれ、より大きな有線ディスプレイ87であれ、またはワイヤレスディスプレイ88であれ、別個の外部ディスプレイ装置と通信するために、ワイヤレスまたは有線のセンサー28Bをシステム20Bで使用することができる。外部ディスプレイ装置からセンサー28Bを制御することが、望ましいことがある。外部ディスプレイ装置は、データ収集を開始するようにそれに問い合わせるために、センサー28Bにコマンドを送ることができる。外部ディスプレイ装置は、データを送信するように別個のまたは同時のコマンドを送ることもできる。センサー28Bは外部ディスプレイ装置からコマンドを受け取り、次にデータを収集および/または送信するために送信または応答することができる。十分なデータを受信した時は、データの収集および/または送信を停止するようにセンサー28Bに伝えるために、コマンドを外部ディスプレイ装置からセンサー28Bに送ることができる。
さらに、外部の受信機および送信機とのデータまたは他の情報の通信を可能にするために、システム20Bのセンサー28Bおよびメモリーモジュールを送信機、受信機または両方に通信で接続することができる。送信機は、センサーから受信した信号、またはメモリーモジュールに記憶された信号データを送ることができる。
いくつかの態様において、センサー28Bは、胃内デバイス16Bの設置を支援することができる。デバイス16Bを食道の下に置き、次に充填チューブを通して食塩水、空気もしくは他の流体で、またはここに記載される方法で適当な体積まで充填することができる。このシステム20Bで、pHレベルを測定するために、センサー28Bはバルーン16と周囲の解剖学的構造の間に置かれてもよい。各患者の経時的適合性をカスタマイズするために、デバイス16Bで流体を充填または除去することによって後にデバイス16Bを調整するために、システム20Bを用いてもよい。一部の場合には、体重減少を増加させるためにデバイス16Bの充填体積を増加させることが必要なことがある。例えば設置時にバルーンが過充填された場合は、不耐性を低減するためにデバイス16Bから流体を除去することが必要なこともある。デバイス16Bは胃の中で移動および回転自由であるので、それは配向をモニターすることもできる。
センサー28Bは、性能、配置、患者状態を、または調整可能な胃内デバイス16Bのために調整を実施する必要があるかどうかについて、またはデバイス16Bを置き換えるかもしくはサイズ変更する必要があるかどうかについて理解するために、重要な患者データを集めるために用いてもよい。感知されたpHは、デバイスが理想的な状態にないかどうか検出すること、および外部ディスプレイ86にこの情報を表示することができる。
適当なアルゴリズム(複数可)は理想的なパラメータ条件(複数可)を決定および/または制御することができ、またはそのような条件(複数可)はパラメータ範囲に基づいてもよい。例えば、データは、センサー28Bから一定時間収集されてもよい。外部コントローラ86またはディスプレイ87、88のマイクロプロセッサーは、経時的平均、最小値、最大値、標準偏差または標準偏差の経時的変動、または他の適する分析を次に計算してもよい。分析に基づいて、マイクロプロセッサーは、胃内デバイス16Bが理想的な位置または調整状態にあるかどうか判定することができる。
図70Aは、食道内の胃内デバイスに組み込むことができるpHモニター18Bを有するヒトの概略側面図である。図70Aは、pHなどの生理的パラメータデータを、食道30E内に配置されるモニター18Bによってヒト40Pの体外に配置される高周波受信機または無線受信機32Bへどのように伝達することができるかについて図示する。図70Aに図示されているように、データを複数の位置から得ることができるように、複数のモニター18Bを胃内デバイス(図70Aには示さず)と合体させることができる。さらに、モニター18Bは、ここで議論される任意のpHセンサー、例えば図69A〜69Cに関するセンサー28Bであってもよい。
ある特定の態様において、このデータ伝送は、無線遠隔測定を通してリアルタイムで達成される。無線受信機32Bは、モニター18Bによる測定から12秒以内に生理的パラメータデータを受信する。このデータの受信の後、無線受信機32B装置は、当業者に周知の技術を用いて、データを記録、操作、解釈および/または表示することができる。ある特定の態様において、患者は、pH分析の間、受信機32およびレコーダーを、例えばベルト、ブレスレット、腕もしくは脚のバンドまたはネックレスに装着することができる。
ある特定の態様において、モニター18Bは、リアルタイムでデータを送信するのではなく、それが収集される時に、生理的パラメータデータ、例えばpHレベルを記録および圧縮することができる。評価期間の後、またはその中の間欠期に、濃縮されたデータのパルスをダウンロードするために外部トランシーバを用いることができる。当業者によって理解されるように、データ伝送は、所定の間隔で、または外部トランシーバもしくは他の活性化デバイスからモニター18Bに送られた活性化信号によって開始されてもよい。この方法で、患者の家で、または医師の診療室もしくは他の臨床サイトで、卓上トランシーバを利用することができる。
他の態様において、モニター18Bは、メモリーチップおよびマイクロプロセッサーを用いて、収集する時に生理的パラメータデータを記録、圧縮および記憶することができる。ヒト40Pはモニター18Bを彼または彼女の大便に排出することができ、モニター18Bを回収することができる。その後、モニター18Bに記憶されたデータを外部のデータ検索デバイスにダウンロードすることができ、それは患者の体外に配置されるコンピューターまたは他の分析機器であってもよい。このダウンロードは、当業者に周知の磁場または高周波技術を用いて、活性化信号に応答したIRまたはRF送信によって達成することができる。
図70Bは、pHモニター18Bのための電気回路の一態様の概略図である。図70Bは、生理的パラメータ、例えばpHレベルのモニター18Bのための単純化された回路を図示する。このモニター18Bは「プローブ」または「丸剤」と呼ぶこともでき、ここに記載される胃内デバイスと合体させることができる。図70Bに図示される特定の態様において、pHが感知される生理的パラメータであり、それは、pHセンサーおよび好ましくは参照センサーも含むトランスデューサー110Cで検出される。本発明では、モニタリングトランスデューサーは、生理的パラメータを感知して、信号を提供する任意のトランスデューサーであってもよく、信号の電気特性の1つ、例えば電流または電圧は、測定される生理的パラメータに比例する。
pHセンサーがここで記載されるが、様々な他の生理的パラメータ、例えば圧または温度のいずれかのセンサーを検出し、モニターすることができることを、当業者は理解する。時には、pH読取値を調整もしくは較正して、それらをより正確にするために、または患者の状態の分析に役に立つ追加のデータを供給するために、温度および/または圧がpHと一緒に感知および変換される。さらに、本発明を用いて、体液に存在するイオンまたは他の溶質の濃度を検出、分析することができる。例えば、イオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素、重炭酸またはリン酸を測定することができる。体液中のその濃度が重要であり、本発明によって測定することができる他の溶質には、とりわけ、グルコース、ビリルビン(総、抱合型または非抱合型)、クレアチニン、血液尿素窒素、尿窒素、レニンおよびアンジオテンシンが含まれる。前のパラメータの2つ以上の任意の組合せを、トランスデューサー110Cで感知することができる。トランスデューサーによって感知され、変換される任意の生理的パラメータのために、参照センサーは必要とされても必要とされなくてもよい。
図70Bは、高周波送信機回路112Cおよび電源114Cも図示する。高周波送信機回路112Cは、アンテナ(またはアンテナコイル)を含むことができ、アンテナは少なくとも一部がモニター18Bの外部であってもよい。あるいは、存在する場合、アンテナはモニター18Bの中に完全に自己内蔵型であってもよい。RF送信に代わるものとして、モニターされるパラメータを示す信号は、患者の組織を通してプローブ上の電気接点から伝導性の皮膚電極または患者と接触する他の伝導体に伝搬させることができる。
モニター18Bの中に配置される時、電源114Cは、少なくとも一時的に電荷を保存することが可能なバッテリーまたはコンデンサーまたは任意の他のデバイスであってもよい。バッテリーを電源とする態様において、バッテリーを他の回路部品から切り離し、それによって寄生性電流ドレーンを制限することによって、バッテリー寿命を延長することができる。これは、様々な方法で、例えばモニター18Bに磁気活性化スイッチを含めることによって達成することができる。このスイッチは、必要に応じてバッテリーを接続するか切り離すために用いることができる。モニター18Bを隣接する永久磁石とパッケージすることによって、スイッチを開放し、それによってバッテリーを切り離し、したがってデバイスの有効期間を延長することができる。パッケージング(および隣接する永久磁石)からモニター18Bを除去することは、スイッチを閉じ、バッテリーを接続させてモニター18Bに電力を供給させる。
いくつかの態様において、モニター18Bへの電源は、モニター18Bの外部であってもよい。例えば、モニター18Bは、当業者に周知である受動RF遠隔測定法技術、例えばRF結合で起こるように、外部の電磁気高周波(RF)源から電力を誘導することができる。モニター18Bは、モニター18Bからのデータの読取装置の役割をすることもできる、「問合せ機」としても知られる外部トランシーバ32によって送信される時間変動RF波によってエネルギーを与えられてもよい。モニター18Bの中に配置されるアンテナコイルを通ってRF場が通過する時、コイル全体でAC電圧が誘導される。この電圧は、モニター18Bに電力を供給するために整流される。モニター18Bに記憶される生理的パラメータデータは、「後方散乱」としばしば呼ばれるプロセスで問合せ機32(図70A)に逆送信される。後方散乱信号を検出することによって、モニター18Bに記憶されるデータは完全に伝達することができる。
モニター18Bのための他の可能な電源には、光、体熱および、体液で発生させることができ、様々な材料でできている電極で検出することができる電圧の電位差が含まれる。生体遠隔測定目的のためのそのような電源の利用は、R.Stuart Mackay:Bio−Medical Telemetry、Sensing and Transmitting Biological Information from Animals and Man、2d ed.、IEEE Press、New York、1993に詳しく記載され、「Electronics:Power Sources」という名称のそのセクションは、これにより参照によりここに完全に本明細書に組み込まれる。
図70Cは、回路がマイクロプロセッサー116も含むpHモニター回路の態様の概略図である。いくつかの態様において、マイクロプロセッサー116は、当業者に明らかになる機能の中でも、データの一時的な保存または記憶、トランスデューサーからの入力信号の受信およびアナログとデジタル信号の間の変換を含む1つ以上の機能を実行することができる。トランスデューサー110C、高周波送信機112Cおよび電源114Cも存在する。モニターの他の態様において、電気信号を発生、増幅、改変または清澄化するのを助けることができる多くの他の回路構成要素が用いられてもよい。そのような構成要素には、中でも、緩衝器、増幅器、信号相殺制御装置、信号増加制御装置、低パスフィルター、出力電圧固定およびAD変換器が含まれる。その全ては本発明で用いることができる携帯型pHモニタリングデバイスの多数の可能な回路特性は、Millerらによる米国特許第4,748,562号に詳しく記載されており、その開示は参照によりここに完全に組み込まれる。
ある特定の態様において、モニター18Bは、変換された生理的パラメータデータを記録するデジタルレコーダーまたはメモリーチップ(図示せず)をさらに含む。このレコーダーまたはメモリーチップは、経時的に蓄積されたこのデータの一時的な記憶を可能にする。
図71A〜71Hには、pHレベルを検出するために化学特性指示媒体を用いる胃内システムおよび装置の様々な態様の様々な図を示す。いくつかの態様において、胃内デバイスは、検出インジケータおよびハウジングを含むことができる。検出インジケータは、流体の特徴、例えば酸度に基づいて流体との接触により第1の視覚的指標から第2の視覚的指標に変化するように構成することができる。ハウジングは、流体を受け取り、流体と検出インジケータの間の接触を提供するように構成される内部チャンバーを含むことができる。ハウジングは、内腔を通して流体を患者から受け取るために、患者に挿入される内腔に取り外し可能に係合するようにさらに構成されてもよい。いくつかの態様において、取り外し可能なハウジングの第1の開口部は、患者に挿入される内腔の近位端に係合される。流体試料が取り外し可能なハウジングに接続する検出インジケータと接触するように、内腔の遠位末端から内腔を通る、および第1の開口部を通って取り外し可能なハウジングへの流体試料の移動を引き起こすことができる。流体試料の特徴を判定するために、次に、取り外し可能なハウジングに接続する参照インジケータとの検出インジケータの目視比較を実施することができる。取り外し可能なハウジングの第1の開口部は、内腔の近位端から除去されてもよい。
いくつかの態様において、胃内チューブまたはガイドエレメントは、胃内チューブおよび/またはその上の胃内デバイスが患者の胃に適切に挿入されたことの検証を容易にするために、化学特性指示媒体を組み込むことができる。患者の胃に存在する流体は、5.0未満の酸性pHを有する。胃内チューブの遠位末端を囲んでいる流体に指示媒体を曝露させることによって、指示媒体は、それらの流体のpHが5.0未満であることをユーザーが検証し、したがって、適切な位置、配向、状態などでの胃内チューブの正しい挿入を確認することを可能にする。指示媒体が胃内チューブに組み込まれる場合は、チューブの遠位末端を囲んでいる流体はチューブを通して吸引し、媒体と接触させることができ、その状態は次にユーザーが観察することができる。指示媒体がガイドエレメントに組み込まれる場合は、チューブの遠位末端を囲んでいる流体はユーザーによる追加の明白な動作なしで媒体と接触するが、媒体の状態を観察できるようにガイドエレメントをその後患者から引き抜かなければならない。胃pHの測定を得るために、インジケータを一般に用いることができる。
図71Aには、化学特性指示媒体がその近位端部分114Dの近くに組み込まれる、胃内チューブ810の例示的態様の側面図を示す。図71Bは、図71Aの断面線44−44に沿ってとられた、例示的態様チューブ810の断面図である。
図71A〜71Bに示すように、胃内チューブ810は、少なくとも1つの内腔146Dを形成する内壁814を有する、一般にチューブ状の近位端部分114Dを含むことができる。チューブ810で複数の内腔が提供される場合は、内腔146Dはチューブの遠位末端の近くの流体の吸引で用いるように調整されるものであってもよい。胃内チューブ810は、化学特性指示媒体820を収容するための部分812を含むことができる。部分812は、胃内チューブの他の部分の直径と比較して拡大されてもよい。化学特性指示媒体820が捕捉される、チャネル822が好ましくは提供される。内腔146Dとチャネル822の間で流体の連絡を可能にするために、好ましくは、内腔146Dの腔線部とチャネル822の間でいくつかの開口部816が提供される。開口部816、チャネル822および媒体820は、好ましくは、流体が内腔146Dに存在する時、それがチャネル822を水浸しにし、媒体820を曝露させるように調整される。
いくつかの態様において、媒体820は、例えば色相の変化、反射率などで発現することができる化学特性、例えばpHの視覚的指標を提供する。部分812は、媒体820を外部から見ることを可能にするために透明または半透明であってもよい。小さい媒体を容易に見ることを可能にするために、部分812の形状は拡大レンズとして作用することができる。媒体820を実装するために、pHインジケータなどで含浸されたかまたはそれを含む、リトマス、pH指示ストリップ、紙、布または任意の他の基材を限定されずに含む、任意の適当な化学特性指示媒体を用いることができる。部分812の位置およびサイズは、好ましくは、流体が内腔146Dを通して最初に吸引される時にインジケータストリップの状態が視覚的に明らかであるように選択されるので、患者の胃内の胃内チューブの正しい挿入を確認するためにユーザーがいかなる追加の工程もとる必要がない。
図71Cには、化学特性指示媒体がその近位端部分114Dの近くに組み込まれる、胃内チューブ830の追加の例示的態様の側面図を示す。図71Dには、化学特性指示媒体がその近位端部分114Dの近くに組み込まれる、胃内チューブ840の追加の例示的態様の側面図を示す。図71Eは、その断面線47−47に沿ってとられた、態様830の断面図である。図71Fは、その断面線48−48に沿ってとられた、態様840の断面図である。
図71C〜71Fに示すように、いくつかの態様において、胃内チューブ830および840の各々は、少なくとも1つの内腔146Dを形成する内壁814を有する、一般にチューブ状の近位端部分114Dを含む。チューブ830または840で複数の内腔が提供される場合は、内腔146Dはチューブの遠位末端の近くの流体の吸引で用いるように調整されるものであってもよい。胃内チューブ830は、内壁814に沿って円周方向に間隔をあけて置かれた複数の指示エレメント832の形で、内壁814に適用される化学特性指示媒体を含むことができる。胃内チューブ840は、内壁814の円周を覆う指示エレメント842の形で、内壁814に適用される化学特性指示媒体を含むことができる。指示エレメント832および842のこれらの特定の構成は、例である。他の構成を用いてもよい。
いくつかの態様において、指示エレメント832および842は、限定されるものではないが、コーティング、リトマス、pH指示ストリップ、紙、布などを含む、任意の適する化学特性指示媒体または物質を用いて形成することができる。例えば、媒体は、フェノールフタレインを含むコーティングまたはゼラチンとして形成されてもよい。媒体という用語は、指示化学物質または構成要素が基材、マトリックスまたは類似の担体の中または上で運ばれるか否かを問わず、任意の指示物質を指すことも意図される。他の指示媒体が用いられてもよい。媒体が紙ストリップなどの基材と一体化される場合は、赤外線またはウルトラソニック接着を含む適当な接着または固定技術を用いて、そのような基材を内壁814に適用することができる。指示エレメント832および842の位置およびサイズは、好ましくは、流体が内腔146Dを通して最初に吸引される時に指示エレメントの状態が視覚的に明らかであるように選択されるので、患者の胃内の胃内チューブの正しい挿入を確認するためにユーザーがいかなる追加の工程もとる必要がない。一部の適用では、指示媒体と接触する吸引された流体は、患者に再導入されてもよいか、さもなければ患者と接触してもよい。
いくつかの態様において、指示媒体自体の粒子または断片が胃内チューブを通して不注意に患者に導入されるかさもなければ患者と接触することから阻止するために、指示媒体は内壁814に取り付けられるかまたは付着している。いくつかの態様において、指示媒体は、好ましくは、いかなる潜在的毒作用も回避するように生体適合性について選択される。
図71Gには、化学特性指示媒体がその近位端部分114Dの近くに組み込まれる、胃内チューブ850の追加の例示的態様の側面図を示す。図71Gに示すように、複数の異なる指示エレメント、例えば852、854および856が提供され、各々は、異なる化学特性または化学特性の異なる値を視覚的におよび明確に指示するための媒体を有する。指示エレメント852、854および856は、例えば異なるpH閾値が感知されたことを指示するために外観を変えることができるか、または、胃内チューブの遠位末端の付近から吸引された流体中の特異的化学物質、タンパク質もしくは他の検出可能な構成成分の存在もしくは不在を指示するために外観を変えることができる。これは胃pHの測定を与えるだけでなく、胃内チューブおよび/またはデバイスの適切な設置、配向、状態などの検証となるだろう。指示エレメント852、854、856の各々の活性化外観は、視覚的に特徴的であってもよい。例えば、それらは識別可能に異なる色として出現し、それによって、どのインジケータが活性化されたかに関する曖昧性を最小にすることができる。指示エレメントはドットの形で示されるが、任意の適する形状が用いられてもよく、エレメントは任意の実際的なサイズおよび数で提供することができる。指示エレメント852、854および856を実装するために、任意の適する指示媒体、例えば図71C〜71Dの態様830および840に関連して記載されるものが用いられてもよい。
図71Hには、化学特性指示媒体がその近位端部分114Dの近くに組み込まれる、胃内チューブ860の追加の例示的態様の側面図を示す。図71Hに示すように、複数の異なる指示エレメント、例えば862、864および866が提供され、各々は、異なる化学特性または化学特性の異なる値を視覚的におよび明確に指示するための媒体を有し、各々は、どのインジケータが活性化されるかに関して曖昧性がないように、異なる形状、サイズまたは他の特徴を有する。指示エレメント862、864および866は、例えば異なるpH閾値が感知されたことを指示するために外観を変えることができるか、または、胃内チューブの遠位末端の付近から吸引された流体中の特異的化学物質、タンパク質もしくは他の検出可能な構成成分の存在もしくは不在を指示するために外観を変えることができる。指示エレメントの形状、サイズまたは他の特徴は、指示される特性に対応するように選択することができる。いくつかの態様において、指示エレメント862、864および866は、流体pHがそれぞれ4.0、5.0および3.0の特異的pH閾値を超える時に外観を変えるように設計されてもよく、指示エレメントは、これらの閾値に対応する認識可能な文字、記号またはグリフとして形成されてもよい。指示エレメントの視覚的特殊性と感知される特性の間の対応を規定する他の特徴的形状および形、ならびに他のスキームが用いられてもよい。指示エレメント862、864、866の各々の活性化外観は、どのインジケータが活性化されるかに関して曖昧性をさらに最小にするために、それらの形状に加えて、例えばそれらが識別可能に異なる色として出現する方法で視覚的に特徴的であってもよい。指示エレメント862、864および866を実装するために、任意の適する指示媒体、例えばそれぞれ図71Cおよび71Dの態様830および840に関連して記載されるものが用いられてもよい。
図72は、デバイスおよびセンサーの移植および回収のための送達手段と一緒に、スペースフィラー22Aおよびセンサー22C、例えばpHセンサーを有する胃内デバイス19Bのさらなる態様を示す。いくつかの態様において、センサー22Cは、患者の胃のpHを感知するためのpHセンサーエレメントを含み、そこで、pHセンサーエレメントは感知したpHを患者の体外の受信機にワイヤレスで送信するための送信機をさらに含むことができる。胃内デバイス19Bの位置、配向、状態、性能などを評価するために、感知したpHまたは感知したpHの変化を分析することができる。図72は、センサー22Cに固定され、縦に並んでいるスペースフィラー22Aを有する胃内デバイス19Bの態様を表す。いくつかの態様において、スペースフィラー22Aは、センサー22Cに固定され、それと平行である。いくつかの態様において、胃内デバイス19Bのスペースフィラー22Aおよびセンサー22Cは、胃小袋内で縦に並ぶように構成される。
いくつかの態様において、2つ以上のスペースフィラー22Aがあってもよい。いくつかの態様において、センサー22Cは第2のスペースフィラーであってもよい。いくつかの態様において、2つ以上のスペースフィラーは互いに縦に並んでいる。いくつかの態様において、2つ以上のスペースフィラーは互いに平行である。いくつかの態様において、第2のスペースフィラーは、第1のスペースフィラー22Aの中に全体がまたは部分的に封入される。
いくつかの態様において、2つのスペースフィラーの片方または両方の少なくとも一部は生分解性材料でできており、片方または両方は、スペースフィラー(複数可)の周囲、中または近くの内容物の特性を測定するためのセンサー22Cを有し、そこで、特性はpHを含む。いくつかの態様において、2つを超えるスペースフィラー22Aおよび/またはセンサー22Cが、胃内デバイス19Bの中、上に組み込まれるかさもなければそれと一体化される。
いくつかの態様において、胃内デバイス19Bのためのカテーテルシース25または送達デバイスは、食道24および噴門切痕を通って患者の胃40Zに入る。それが胃へ送達されると、スペースフィラー(複数可)22Aおよび/またはセンサー22Cは膨張させられる。図72に示すように、いくつかの態様において、胃内デバイス19Bは、第1のスペースフィラー22Aと第2のスペースフィラーまたはセンサー22Cの間に複数の接続メンバー36Zを含み、そこで、第1のスペースフィラー22Aは、密封入口を通して注入チュービング23に接続される。
いくつかの態様において、pHレベルを感知するために、カプセル技術が胃内デバイスに組み込まれてもよい。図73Aは、pHレベルを感知するために胃内デバイスに組み込むことができるカプセルデバイスの態様の概略図である。図73Bは、互いに接続された2つのカプセルを有する、pHを測定するための胃内デバイスに組み込むことができるシステムの概略図である。
図73Aでは、カプセルデバイスおよびその構成要素の態様が図示される。示されるように、カプセルデバイスは、カプセルデバイスを囲んでいる環境と直接接触を可能にするようにカプセルデバイスに配置される、pH電極8Bを含む。pH電極8Bは、参照電極9Bとさらに電気的接触している。さらに、カプセルデバイスは、pH測定データを記録および/または分析ユニットに送信するための送信機5Bと接続することができる手段を含む。
いくつかの態様において、カプセルデバイスは、排出可能なウェルおよびピンを好ましくは含む固定手段10Bを含む。デバイスは、機械的、化学的またはカプセルをデバイスに取り付け、固定するための他の手段であってもよい、固定手段を通して胃内デバイスに固定することができる。
いくつかの態様において、カプセルデバイスは、画像化システムと一緒に用いられるpHセンサーを有することができる。pHレベルは、可能性のある位置、配向、場所などを指示することができ、画像化システムは位置などを確認するかまたはその検証を提供するために用いることができる。いくつかの態様において、カプセルデバイスは光学式ウィンドウ1Bおよび食道の内部から画像を得るための画像化システムを含むことができる。画像化システムは、照射源2B、例えば白色LED、画像を検出する画像化カメラ3B、および画像の焦点を画像化カメラ3Bに合わせる光学システム4Bを含むことができる。照射源2Bは、光学式ウィンドウ1Bを通して食道の内部を照らすことができる。カプセルデバイスは、画像カメラ3Bのビデオ信号を送信するための送信機5Bおよびアンテナ6B、ならびにカプセルデバイスの電気素子に電力を供給する電源7B、例えばバッテリーをさらに含む。
次に、本発明の態様による複数の接続されたカプセル11Bおよび12Bを概略的に図示する図73Bを参照する。複数のカプセルは、例えば、糸、チューブ、ケーブル、ワイヤまたは柔軟な細いシャフト13Bによって接続することができる。いくつかの態様により、2つ以上のカプセルを接続するために複数の接続線またはシャフトを用いることができる。接続線13Bは2つ以上のカプセルを物理的および/または電気的に接続することができ、2、3ミリメートルからセンチメートル以上まで任意の適する長さでよい。2つのカプセル間の柔軟な接続は、同じサイズまたは質量の単一の強固であるか部分的に柔軟なカプセルデバイスより、カプセルを食道中でより動きやすく、操作しやすくすることができる。いくつかの態様において、第1のカプセル11Bは、pH測定のために必要な構成要素、およびカプセルデバイスを胃内デバイスに、その中にまたはその上に固定するための構成要素を含むことができ、そこで、第2のカプセル12Bも、pH測定のために必要な構成要素、および/またはカプセルデバイスを胃内デバイスに、その中にまたはその上に固定するための構成要素を含むことができる。いくつかの態様において、各々がpH感知および/または固定のために用いることができる2つ以上のカプセルが用いられる。いくつかの態様において、第1のカプセル11Bは、pH測定のために必要な構成要素、およびカプセルデバイスを胃の壁表面に固定するための構成要素を含むことができ、そこで、第2のカプセル12Bは、胃および/または胃内デバイスを画像化するために必要な構成要素を含むことができる。
図74は、2つのハードカプセル様ユニット11E、11Fおよびカプセルユニットを接続するソフトフレキシブルチューブ12Dを有する、胃内デバイスへの組み込みのための、1つ以上のpHセンサー61Dを備えたカプセルシステム2Cの態様を図示する。カプセル型システム2Cは、異なる直径の2つのカプセル様ハードユニットとして第1のカプセル11Eおよび第2のカプセル11Fを、ならびにカプセルを接続し、2つのカプセル11E、11Fの直径未満の直径を有するソフトフレキシブルチューブ12Dを含み、2つのカプセル11E、11Fがチューブで接続される構造を有する。
カプセル型システム2Cは、1つ以上のセンサー61D、例えばpHセンサーが、例えば第1のカプセル11Eで提供される構造を有することができる。センサー61Dの感知ゾーンは外側に曝露させられ、カプセルの内部は水密状態に維持されるように、センサー61D(複数可)は、カプセルの外部メンバー、例えば透明カバー15Dに固定される。
体液の化学パラメータ(例えば、pH値)などのデータは、感知ゾーンから得られる。得られるデータは、カプセルの中に配置されるメモリー(図には示さず)に一時的に蓄積され、その後、送信受信回路およびアンテナによって受信機に、例えば体外に配置される外部ユニットに送信される。
いくつかの態様において、pHセンサー61Dは、画像化システムと一緒に用いることができる。例えば、第1のカプセル11Eでは、ハードカプセルフレームの円筒形末梢部分は、シールメンバーを通してドーム状硬質透明カバー15Dで水密されてもよい。撮像デバイスおよび照射デバイスは、第1のカプセルの中に収容することができる。いくつかの態様において、撮像デバイスを構成する対物レンズ16Dは、遮光レンズフレーム17Dに据え付けられ、ドーム状透明カバー15Dで覆われる内部空間の中央部の透明カバー15Dの反対側に配置されてもよい。撮像エレメント、例えばCMOS撮像デバイスは、対物レンズの画像形成位置に配置することができる。いくつかの態様において、白色LED19Dはレンズフレーム17D周囲の複数の場所に照射デバイスとして配置され、白色LED19Dによって放たれる光は透明カバー15Dを通過してその外側の空間を照らす。第2のカプセル11Fの外部に、弾性樹脂カバー28Dがあってもよい。いくつかの態様において、撮像デバイスは、pHセンサー61Dが特定のpHレベルを指示した後に、胃内デバイスの位置、配向、状態などを検証するために用いられてもよい。
pHセンサーは、いくつかの方法で胃内配置システムに組み込むことができる。例えば、図23に示すように、バルーン1100はpHセンサーペレットであるペレット1110を組み込むことができる。ペレットは、固定されていないかまたは胃内バルーン1100の壁に取り付けられてもよい。別の例として、図24に示すように、一態様のバルーン1200は、胃内バルーン1200の反対側に取り付けられるpHセンサーボタンとして、ボタン1210を組み込むことができる。別の例として、図25Aの断面に示すように、バルブシステム1300は、pHセンサーを含む止め輪1318を含むことができる。図25Bは、図25Aの線1D−1Dに沿った断面で表された、pHセンサーを含むことができるバルブシステム1300の上面図である。図25Cは、pHセンサーを含むことができる胃内バルーン1320の壁に組み込まれた、図25Aおよび25Bのバルブシステムの上面図である。別例として、図26は、pHセンサーを含むことができる、膨張していない形の図25A〜Cの胃内バルーンを含有するゲルキャップ1400を表す。膨張していないバルーンを含有するゲルキャップは、胃内バルーンのバルブシステムによって、pHセンサー、例えば針(表さず)を組み込むことができるプレスフィット接続構造1414を通して、2FRチューブ1410および4FRチューブ1412を含む二重カテーテルシステムと係合する。
前の例、および/またはデバイスの任意の他の態様は、様々な方法で用いることができる。図75は、胃内デバイスを配置するためにおよび/または特徴付けるためにpH検出を用いるための方法1100の態様のフローチャートである。方法1100は、pHセンサーを有する胃内デバイスシステムが提供されるブロック1110を含むことができる。pHセンサーを有する胃内デバイスシステムは、例えば図1A〜10に関してここで記載される例または態様のいずれであってもよい。方法1100は、胃内デバイスが患者に挿入されるブロック1120をさらに含むことができる。胃内デバイスは、ここで記載される方法のいずれかで、例えばバルーンを嚥下すること、カテーテルをバルーンと挿入することなどによって、患者に挿入することができる。
方法1100は、周囲pHレベルを感知するブロック1130をさらに含むことができる。周囲pHレベルは、デバイスが遭遇する消化管中の周囲流体のpHレベルであってもよい。例えば、デバイスが管の各部を通って移動する度に、食道および/または胃のpHレベルを感知することができる。この方法は、pHレベルに関するデータがコンピューターに送信されるブロック1140をさらに含むことができる。コンピューターは、データを含む信号を受信する任意のデバイス、例えば受信機を含むものとする。いくつかの態様において、データは受信機にワイヤレスで送信される。いくつかの態様において、データは、有線のセンサーから接続されたコンピューターまたは受信機に電線によって送信される。pHデータを送信するために、ここで議論される例および/または態様のいずれもブロック1140で用いることもできる。
方法1100は、pHデータを分析するブロック1150をさらに含むことができる。pHデータは、ここで議論される方法のいずれかで、例えばディスプレイでの視覚的読取によって、数値的分析および/または他によって分析することができる。いくつかの態様において、pHデータはコンピューターで分析される。いくつかの態様において、pHデータは、医師または技術者によって分析される。
最後に、方法1100は、胃内デバイスの位置、配向、状態などがpHデータに基づいて決定されるブロック1160をさらに含むことができる。いくつかの態様において、pHデータの分析は、デバイスの可能性がある位置、配向、状態などを指示する。例えば、より低いpHレベルはデバイスが胃の中にあることを指示することができ、より高いpHレベルはデバイスが食道にあることを指示することができる。そのような情報は、例えばバルーンを膨張させるべきかどうか決定する時に有益になろう。
市販システム
いくつかの態様において、pH感知を提供するために、市販システムを本開示に組み込むことができる。そのような市販システムの1つは、Given ImagingによるBRAVO(登録商標)pHモニタリングシステムである。BRAVO(登録商標)pHモニタリングシステムは、96時間までpHデータを送信する小さなpHカプセルを利用する、無カテーテル移動式pH検査である。このシステムは、臨床医が逆流性食道炎(GERD)を診断するのを支援するための胃還流のpHの測定およびモニタリングに有益であるが、このシステムは、体内の胃内デバイスの位置、配向、状態などを検証するために、本開示の態様に組み込むこともできる。
いくつかの態様において、pH感知のための2つの主要構成要素を用いるシステムが実施される。第1の主要構成要素は、胃内デバイスの中、上に組み込まれるかさもなければそれと一体化され、データを受信機に送信する、ゲルキャップとほぼ同じサイズの小さいpHカプセルである。第2の主要構成要素は、カプセルからpHデータを受信するポケットベルサイズの受信機である。受信機からのデータは、赤外技術を用いてpH分析ソフトウェアにアップロードすることができる。カプセルは、いくつかの方法で胃内システムに組み込むことができる。さらに、複数のカプセルを様々な位置で胃内デバイスに組み込むことができる。いくつかの態様において、カプセルは胃内デバイスの反対側に、例えば上/底、前/後および左/右に置かれる。各センサーからの個々の読取値は、位置、状態などに加えてデバイスの配向の指示を提供することができる
いくつかの態様に組み込むことができる別の市販システムは、Los Angeles、CaliforniaのSierra Scientific InstrumentsからのVersaFlex(商標)システムである。システムは、胃内腔に挿入され、pH記録デバイス、例えばSierra Scientific Instruments、Los Angeles、CaliforniaからのDigitrapperに接続されるプローブ、例えばpHセンサーを有する。プローブは、患者のために最大の快適さを確かなものにするために小さく、柔軟である。プローブは、単一または二重のチャネル構成で入手できる。チュービングは、センサーチップで一般的に見出される大きな「瘤」を排除する平滑表面を有する、直径1.5mm(4Fr)のチュービングであってもよい。患者のより大きな安心感のために体温で軟化するより容易な挿管のために、それらは最適な剛性をさらに有することができる。二重のチャネル構成は、5cm間隔の2つのセンサーを特徴とする。pHプローブはいかなる手順の前に浸され、較正されなければならないので、pH緩衝液と使い捨て式チューブを含有し、手順前作業を合理化するために都合のよい溶液を提供する較正キットが提供される。較正キットは、例えばpH7およびpH4の緩衝液ならびにリンスのための脱イオン水を含むことができる。
図76は、本開示の胃内配置システムのためのスーツケースキット3800の態様の透視図である。キット3800は、ここで議論されるトラッキングシステムのいずれか、例えばシステム1501または1601を含むことができる。キット3800は、様々なシステムを運搬するための組立式の携帯型アセンブリを提供する。キット3800は、ケース3810を含む。ケース3810は、容易な運搬のためのハンドルを有する標準のスーツケースに類似してもよい。ケース3810は、上部3815および底部3820を含む。上部3815が回転して開き、閉まるように、上部3815は底部3820に回転可能に取り付けられる。上部3815は、システムの他の特徴と電気的に接続することができるディスプレイ3825を含む。
底部3820は、その中の空洞3830を規定することができる。空洞3820は、様々なシステムの様々な構成要素を保管するためのスペースを含むことができる。例えば、システム1501または1601の構成要素は、空洞3820に保管することができる。上部3815を閉じることによって、空洞3830の内容を窃盗またはエレメントから保護することができる。底部3820は、垂直支持体3835および水平支持体3840のセットをさらに含むことができる。支持体3835と3840は、互いに対して回転し、底部3820に収容することを可能にするように連結することができる。示されるように、支持体3835、3840はケース3810が高くなるように伸ばされる。支持体3835、3840は、回転を可能にするピンまたはブッシュであってもよい接合部3842で回転可能に連結することができる。
図77は、本開示の胃内配置システムのためのバックパックキット3900の態様の透視図である。キット3900は、ここで議論されるトラッキングシステムのいずれか、例えばシステム1501または1601を含むことができる。示されるように、キット390はケース3910を含む。ケース3910は様々なシステムの様々な構成要素を保管することができ、異なるキット3900へのおよびそれからのそれらの構成要素の容易な移動を可能にすることができる。ケース3910は、ストラップ3915によって支持体メンバー3908に保持されているのが示される。ストラップ3915は、ケース3910をメンバー3908に固定することを可能にすることができる。ストラップ3915には、一般的なバックパックのようにケース3910を運ぶことを求めることもできる。
支持体メンバー3908は、支持体表面3920に連結される。表面3920は、システムで処置を実施する間の、アイテムを置くための高いプラットフォームを提供する。表面3920は、ディスプレイ3925を支える。ディスプレイ3925は、様々なセンサーの位置を指示する識別子を示すために用いることができる。表面3920は、折り畳み可能な先端部分3930も含む。先端部分3930は、下の位置にあるのが示される。それは、表面3920により多くの領域を提供するために、上へ回転することもできる。表面3920および先端部分3920は、フレーム3935の上に支えられる。フレーム3935は、患者記録などのアイテム、または使い捨て式カテーテルなどのシステムの構成要素を保管するためのコンパートメントを含むことができる。いくつかの態様において、フレーム3935は、アイテムを保管するための引き出しを含む。フレーム3935は、ホイール3942で転がることによってキット3900が容易に移動することを可能にするホイール3942を有する取り付け台3940で支えられる。
フィルム透過性
37℃でのCO2拡散によって測定される気体の透過性、および様々な態様の胃内デバイスの壁または他の構成要素のための材料としての使用適合性について、様々な異なる複合フィルムを試験した。表3のデータに示すように、様々な複合壁構造の透過性をCO2拡散速度へのそれらの抵抗によって評価、判定し、そこでは、透過性試験結果がより小さいほど、気体拡散へのより高い障壁をフィルムが提供する。記すように、フィルムの透過性およびフィルムが気体拡散に提供する障壁の程度は、最も透過性の気体の1つである37℃のCO2を用いて導いた。これは、25℃で評価した時に、一般にCO2が膜を越える拡散が酸素より3〜5倍速く、窒素が酸素透過速度より0.2〜0.4倍速い他の気体拡散速度への代用物として用いることができる。表3が示す通り、フィルムの透過性はフィルムの配向(層は先ずCO2気体に曝露させられる)および相対湿度の影響も受ける。低い相対湿度(0%、充填後のバルーン内部の条件を代表する)および高い相対湿度(100%、in vivoの条件を代表する)の条件下で壁を試験した。ある特定の態様において、<10cc/m2/日の透過性を有する複合壁が一般に好まれる。しかし、CO2などのin vivoの気体による膨張および再膨張の所望の効果によっては、in vivoの条件で>10cc/m2/日のより高い透過性が望ましいことがある。例えば、表のフィルムの各々は、様々な選択される態様で使用するのに適合することができるので、生じるバルーン壁は、>10cc/m2/日さえも超えるCO2透過性、例えば、>50cc/m2/日、>100cc/m2/日、>200cc/m2/日、>300cc/m2/日、>400cc/m2/日、>500cc/m2/日、>750cc/m2/日、>1000cc/m2/日、>1500cc/m2/日、>2000cc/m2/日、>2500cc/m2/日、>3000cc/m2/日、>3500cc/m2/日、または>4000cc/m2/日の透過性さえも有する。選択された態様において、約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10cc/m2/日から約15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140または150cc/m2/日の透過性を有するのが一般に好ましい。表3およびここの他の場所で、様々なフィルムが掲載されている。フィルムが2つ以上の層を含む時、任意選択で介在する層または材料を有する、別の層に隣接する1つの材料の層を示すために、「/」が用いられる。例えば、「A/B/C」は、介在する層または材料(例えば、結合層、接着剤、表面調製物、表面処理など)の有り無しで、Bの層に隣接したAの層、および層Aに隣接した側の反対の層Bの側のCの層に隣接したBの層を含むフィルムを指す。表3の第1のエントリーに関しては、「PE/EVOH/PE」は、エチレンビニルアルコールの層に隣接したポリエチレンの第1の層、およびポリエチレンの第1の層に隣接した側の反対のエチレンビニルアルコールの側のポリエチレンの第2の層に隣接したエチレンビニルアルコールの層を含むフィルムを指す。
表3
動物研究
2つの異なる複合壁を試験した:高い障壁材料特性を有する材料(ナイロン12/PvDC/ナイロン12/LLDPE+LDPE)および低い障壁特性の材料(多層ナイロン12/LLDPE+LDPE)。バルーン初期充填材として75%N2および25%CO2の混合物を用いて、一連の実験を実施した。表4のデータに示すように、バルーンの各々は、試験期間中ずっと圧を維持したが、容量は実質的に増加した。試験した複合壁は金属キャニスターでないことを考慮すると(材料の延伸により容量および圧が変動する)、最初の気体充填からバルーン内の全気体分子の数にかなりの変化があった。内部バルーン環境はCO2および窒素で開始したので、バルーンが曝露させられた環境(N2およびCO2のヘッドスペース)のために追加のCO2が侵入した可能性が最も高いが、空気中の既存の他の気体ならびに水蒸気もバルーン壁の中で拡散した可能性も最も高い。
表4。
容量増加は、非障壁壁でよりも障壁材料複合壁で高かった。外植後のバルーン中の気体の分析(表5aおよび5b)は、初期膨張時にバルーン中に既に存在した窒素および二酸化炭素に加えて、酸素、水素およびアルゴンの増加を示した。優れた障壁複合壁(表5a)および劣った障壁複合壁(表5b)の両方によるバルーンは、in vivoで30日後に両方とも全体の容量が増加し、その間圧は維持された。優れた障壁材料(#2、表5a)を含有した複合壁によるバルーンの外植結果は、障壁材料(#3、表5b)のない壁より二酸化炭素のわずかに高い増加を示した。その不活性のために窒素がバルーンの中にまたは外に拡散した可能性が低いだけでなく、窒素ガスの拡散勾配がない(または取るに足らない)ほど、外部の胃環境が窒素の内部濃度と一致した可能性が最も高い。
表5a。
表5b。
データは、デバイスの耐用寿命にわたって容量増加を最小にすることが望ましい時、非障壁複合壁材料が障壁壁よりも望ましい可能性を示す。この観察は、胃内バルーン壁の障壁特性を最大にすることによってバルーン中の気体の初期充填を維持することを追求する従来の見識に逆行する。
擬似胃環境
非障壁フィルム複合壁で構築されたバルーン(多層ナイロン12/LLDPE+LDPE)を、擬似胃環境で試験した(可変N2/CO2ヘッドスペースによる40℃のNaClおよびペプシンを含む1.2pH HCl溶液を含有するタンク;タンク内で50%のピークCO2および0%のトラフCO2で試料を採取した)。純粋なN2またはN2(75%)とCO2(25%)の混合物でバルーンを最初に充填し、圧、容量および気体増加を経時的にモニターした。純粋な窒素で充填したバルーンは、N2/CO2混合物で充填したバルーンと比較して、CO2の有意により高い増加を示した。容量増加(CO2ガスの増加で現れる)が望まれる場合は、非障壁フィルムと共に初期充填ガスとして純粋な窒素が望ましい。実験のデータは、表6に提供する。
表6。
様々な複合壁、障壁材料ナイロン12/PvDC/ナイロン12/LLDPE+LDPE)および非障壁材料(多層ナイロン12/LLDPE+LDPE)で構築されたバルーンを、擬似胃環境で試験した(可変N2/CO2ヘッドスペース(75%/25%〜100%/0%)による40℃のNaClおよびペプシンを含む1.2pH HCl溶液を含有するタンク)。バルーンは、N2(75%)とCO2(25%)の混合物で最初に充填した。CO2障壁材料で製作されたバルーンは、試験期間にわたって圧および容量を維持したが、CO2非障壁材料で製作されたバルーンは、同じ期間で実質的な圧増加を示し、容量増加はより小さかった。結果を、表7に示す。
表7。
高いCO2障壁特性を有する複合壁(実験1、2および3)(ナイロン12/PvDC/ナイロン12/LLDPE+LDPE)および多層ナイロン12/LLDPE+LDPEからなる高いCO2透過性を有する壁(実験4、5および6)で構築されたバルーンを、擬似胃環境に曝露させた。擬似胃環境は、40℃のNaClおよびペプシンを含む1.2pH HCl溶液を含有するタンクを含んだ。タンク内のヘッドスペースは、75%N2/25%CO2ヘッドスペースを含む気体混合物から、100%N2/0%CO2を含むものに循環させた。バルーンは、N2とCO2の様々な混合物で最初に充填し、容量をモニターした。容量変化に関するデータは、表8に提供される。より高いCO2透過性を有する壁を用いて構築されたバルーンは、高いCO2障壁特性を有するものと比較して容量が実質的に増加した。より高いCO2透過性を有する壁を用いて構築されたバルーンの場合は、初期充填ガスとしてより高いN2対CO2の比を有するものは、より低いN2対CO2の比を有するものより容量増加は小さかった。データは、より高いCO2透過性を有する壁で製作されたバルーンへのCO2の透過が胃環境で速やかに起こること、および移植の初期の膨張を支援するためにこのプロセスを採用できることを実証する。
表8。
ヒト胃環境
臨床試験で10人の患者において、非障壁フィルム複合壁で構築されたバルーンをin vivoで30日間試験した。バルーン壁は、多層ナイロン12/LLDPE+LDPEを含んだ。患者1人につき1つのバルーンを投与した。バルーンをおよそ245ccまで混合ガスで充填し、バルーンの平均開始圧は気圧より上の1.01psiであった。初期充填ガスは、95%窒素および5%CO2であった。30日間の最後に、バルーンは充満して締まったままであったが、最終圧および容量を視覚的に/内視鏡で認識できなかった。回収された10個のバルーンのうち、10個のバルーンからは内部気体試料が得られ、8個は意味のあるデータを提供した。表9は、バルーンから回収されたデータを提供する。最終気体試料は胃環境を反映するものであり、平均は以下の通りである:82.4%N2、10.6%O2、5.9%CO2および0.84%Ar。したがって、内部バルーン環境は、平均胃環境気体濃度のそれを反映する。実験のデータは、表9に提供される。
表9。
デバイスの開始圧および容量を維持することが望ましいある特定の態様において、これは、移植時の内部バルーン環境(すなわち、充填ガス)を胃環境と緊密に一致させることによって達成することができる。そのような態様において、バルーンは、およそ80〜85%窒素、8〜12%酸素および4〜8%二酸化炭素を含む初期気体充填ガスで膨張させることができる。アルゴンおよび他のin vivo気体の濃度は全容量/圧にとって取るに足らないと考えることができ、便宜上省略することができるか、または所望により含めることができる。in vivoでのバルーンの膨張を助長するために、酸素および/または二酸化炭素の開始濃度を低減することができる。
異なる初期充填ガスについて様々なバルーン内の圧を経時的に判定するために、実験を実行した。図43に関して、初期充填ガスには以下のものが含まれた(容量%):100%SF6;100%N2;50%N2と組み合わせた50%SF6;75%N2と組み合わせた25%SF6;および78〜80%N2と組み合わせた18〜20%SF6。試験した1つのタイプのバルーンは、3.5ミルポリエチレンの層およびナイロンの層を含む複合ポリマー壁を含んでいた。試験した別のタイプのバルーンは、複合ポリマー壁にエチレンビニルアルコール層を含んでいた。図43に提示されるデータが示すように、充填ガスとして100%N2を含むバルーンは、試験の最初のおよそ2〜4週間にわたって圧のわずかな上昇を示し、続いて圧の経時的低下を示した。エチレンビニルアルコール層を含むバルーンは、圧を初期充填圧と同等かまたは超えるレベルにおよそ4カ月間維持することができたが、ポリエチレン/ナイロン壁を含むバルーンは、そのような圧をおよそ1カ月間維持することができた。100%SF6を含むバルーンは、最初のおよそ2〜3カ月間にわたって圧の実質的な上昇を示し、その時、圧は試験期間中横ばい状態の傾向があった。SF6にN2を加えることによって、平準化が起こる時の圧は低下した。およそ18〜20%のSF6と残りのN2の混合物は、およそ1カ月間にわたって圧の穏やかな上昇を示し、続いておよそ4カ月の期間にわたって実質的に水平な圧の維持を示した。
本発明は、具体的な態様を参照して上に記載された。しかし、上記以外の態様が、本発明の範囲内で等しく可能である。上記のものと異なる方法工程が、本発明の範囲内で提供されてもよい。本発明の異なる特徴および工程は、記載のもの以外の組合せで組み合わされてもよい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定されるだけである。
ここで引用される全ての参考文献は、参照によりここに完全に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示に矛盾する限り、本明細書はそのような矛盾する材料に取って代わるおよび/または優先するものとする。
ここに参照により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示に矛盾する限り、本明細書はそのような矛盾する材料に取って代わるおよび/または優先するものとする。
特記されない限り、全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、当業者にとって普通および通常のそれらの意味を与えられるものとし、ここでそのように明示的に規定されない限り特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきでない。
明示的に明記されない限り、本出願およびその変異形で用いられる用語および表現は、限定に対してオープンエンドと解釈するべきである。上述の例として、用語「含む」は、「限定されずに含む」を意味するものと解釈するべきである。ここで用いられる用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する」または「特徴とする」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法工程を排除するものではない。用語「例」は、議論中のアイテムの例示的な事例を提供するために用いられ、その網羅的なまたは限定するリストでない。「公知の」、「正常な」、「標準の」および類似の意味の用語などの形容詞は、記載されるアイテムを所与の時間または所与の時間現在で入手できるアイテムに限定するものと解釈するべきでなく、代わりに、現在または将来の任意の時間に入手できるかまたは公知である、公知、正常または標準の技術を包含すると解釈するべきであり、用語「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」または「望ましい」および類似の意味の単語の使用は、ある特定の特徴が本発明の構造または機能に決定的、必須であるかまたは重要でさえあることを意味するものと理解するべきでなく、代わりに、本発明の特定の態様で利用できるか利用できない代わりのまたは追加の機能を強調することを単に意図するだけであると理解するべきである。同様に、明示的に特記されていない限り、接続詞「および」で連結される一群のアイテムは、それらのアイテムの各々がその群に存在することを要求するものと解釈するべきでなく、「および/または」と解釈するべきである。同様に、明示的に特記されていない限り、接続詞「または」で連結される一群のアイテムは、その群の中での相互排他性を要求するものと解釈するべきでなく、「および/または」と解釈するべきである。さらに、本出願で用いるように、冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法上の目的語の1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すものと解釈するべきである。例として、「要素」は1つの要素または複数の要素を意味する。
一部の場合における広げる単語および語句、例えば「1つ以上」、「少なくとも」、「限定されるものではないが」または他の同様の語句の存在は、そのような広げる語句が不在であることがある場合に、より狭い場合が意図されるかまたは要求されることを意味するものと解釈されてはならない。
本明細書で用いられる成分量、反応条件その他を表す全ての数字は、全ての場合に用語「約」によって修飾されるものと理解するべきである。したがって、特に明記しない限り、ここで示される数値パラメータは、得ようと欲する所望の特性によって異なってもよい近似値である。最低限でも、および均等の原則の適用を、本出願への優先権を請求するいかなる出願のいかなる特許請求の範囲にも限定しようとするものではないが、各数値パラメータは有効桁数および通常の丸めアプローチを考慮して解釈するべきである。値の範囲が提供される場合は、範囲の上下限、および上下限の間の各中間値は、態様の範囲内に包含されると理解される。
さらに、上記のものは明快性および理解のために例示および例として多少詳細に記載されたが、特定の変更および改変を実施することができることは当業者に明らかである。したがって、記載および例は、本発明の範囲をここに記載される具体的な態様および例に限定するものと解釈するべきではなく、本発明の真の範囲および精神を伴う全ての改変および代替物もカバーするものと解釈するべきである。
以下に、出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] 体内に胃内デバイスを配置するための電磁システムであって、
電磁場を発生させるように構成される電磁場発生器;
前記システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中で電磁場に曝露された場合に電流を生成するようにさらに構成される嚥下可能な電磁気センサー;および
胃内容積占有デバイスが前記in vivoの胃内環境にある場合、前記胃内デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、前記胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、前記バルブシステムを含む、前記システム。
[2] 前記電磁気センサーが前記嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される、[1]に記載のシステム。
[3] 前記電磁気センサーが前記嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される、[2]に記載のシステム。
[4] 前記電磁気センサーが前記胃内デバイスと結合するように構成される、[1]に記載のシステム。
[5] 体外に置かれ、磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーをさらに含む、[1]〜[4]の何れか1項に記載のシステム。
[6] 体外に置かれ、磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される3つの外部参照センサーをさらに含む、[1]〜[5]の何れか1項に記載のシステム。
[7] 前記電磁気センサーおよび前記少なくとも1つの外部参照センサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む、[5]〜[6]の何れか1項に記載のシステム。
[8] 前記センサーインタフェースユニットおよび前記電磁場発生器と電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む、[7]に記載のシステム。
[9] 前記システム制御ユニットと電気的に通信し、体内の前記電磁気センサーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む、[8]に記載のシステム。
[10] 体外に置かれ、磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーをさらに含み、前記コンピュータが前記少なくとも1つの外部参照センサーの位置を示す少なくとも1つの第2の識別子を表示するようにさらに構成される、[8]に記載のシステム。
[11] 前記コンピュータが、体内の前記電磁気センサーにより伝播される経路を示す形跡を表示するようにさらに構成される、[9]〜[10]の何れか1項に記載のシステム。
[12] 前記胃内デバイスをさらに含み、前記胃内デバイスがバルーンである、[1]〜[11]の何れか1項に記載のシステム。
[13] 前記初期充填流体をさらに含み、前記胃内デバイスが、前記in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記胃内デバイスの内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[12]に記載のシステム。
[14] 前記ポリマー壁が、エチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[13]に記載のシステム。
[15] 前記ポリマー壁が、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[13]に記載のシステム。
[16] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[13]に記載のシステム。
[17] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[13]に記載のシステム。
[18] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[13]〜[17]の何れか1項に記載のシステム。
[19] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[13]〜[17]の何れか1項に記載のシステム。
[20] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が前記初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[13]〜[17]の何れか1項に記載のシステム。
[21] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[13]〜[17]の何れか1項に記載のシステム。
[22] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[13]〜[17]の何れか1項に記載のシステム。
[23] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[13]〜[22]の何れか1項に記載のシステム。
[24] 患者の体内に胃内デバイスを電磁気的に配置するための方法であって、
前記患者の体外に設置された電磁場発生器を用いて電磁場を発生させること;
カテーテルと解放可能に結合し、前記磁場発生器により発生した電磁場の存在下で電流を生成するように構成される電磁気センサーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む前記胃内デバイスを、嚥下により、前記患者の体内に導入すること;
電磁場により前記電磁気センサー中に誘導された電流を感知すること;および
前記電磁気センサー中に誘導された電流の感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、前記方法。
[25] 前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置が前記患者の胃である、[24]に記載の方法。
[26] in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、前記膨張していない胃内バルーンの内腔に前記カテーテルを介して前記初期充填流体を導入すること;ならびに
少なくとも30日の耐用寿命にわたって、前記膨張した胃内バルーンを前記in vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記バルーンの前記内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[24]〜[25]の何れか1項に記載の方法。
[27] 前記ポリマー壁がナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[26]に記載の方法。
[28] 前記ポリマー壁がナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[26]に記載の方法。
[29] 前記ポリマー壁がナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[26]に記載の方法。
[30] 前記ポリマー壁がエチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[26]に記載の方法。
[31] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[26]〜[30]の何れか1項に記載の方法。
[32] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[26]〜[31]の何れか1項に記載の方法。
[33] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が前記初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[26]〜[31]の何れか1項に記載の方法。
[34] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[26]〜[31]の何れか1項に記載の方法。
[35] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[26]〜[31]の何れか1項に記載の方法。
[36] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[26]〜[31]の何れか1項に記載の方法。
[37] 前記電磁気センサー中に誘導された電流の感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することが、前記電磁気センサーの位置を示す識別子をコンピュータ上に表示させることを含む、[24]〜[36]の何れか1項に記載の方法。
[38] 電磁場に曝露された場合に電流を生成するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーを、前記患者の体外に置くこと;および
電磁場により前記少なくとも1つの外部参照センサー中に誘導された電流を感知することをさらに含む、[24]〜[37]の何れか1項に記載の方法。
[39] 前記電磁気センサー中に誘導された電流の感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することが、前記少なくとも1つの外部参照センサーの位置を示す少なくとも1つの第2の識別子をコンピュータ上に表示させることを含む、[38]に記載の方法。
[40] 前記電磁気センサーが前記カテーテルと結合している、[24]〜[38]の何れか1項に記載の方法。
[41] 前記電磁気センサーが前記胃内デバイスと結合している、[24]〜[38]の何れか1項に記載の方法。
[42] 体内に胃内デバイスを配置するための磁気システムであって、
磁場を感知するように構成される磁場センサー;
前記システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中で局部的磁場を生成するようにさらに構成される嚥下可能な磁気マーカー;および
前記胃内デバイスが前記in vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、前記胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、前記バルブシステムを含む、前記システム。
[43] 前記磁気マーカーが前記嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される、[42]に記載のシステム。
[44] 前記磁気マーカーが前記嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される、[43]に記載のシステム。
[45] 前記磁気マーカーが前記胃内デバイスと結合するように構成される、[42]に記載のシステム。
[46] 体外に置かれ、局部的磁場を感知するように構成される少なくとも1つの外部参照センサーをさらに含む、[42]〜[45]の何れか1項に記載のシステム。
[47] 前記磁気マーカーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む、[42]〜[45]の何れか1項に記載のシステム。
[48] 前記センサーインタフェースユニットおよび前記磁場センサーと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む、[47]に記載のシステム。
[49] 前記システム制御ユニットと電気的に通信し、体内の前記磁気マーカーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む、[48]に記載のシステム。
[50] 前記コンピュータが、体内の前記磁気マーカーにより伝播される経路を示す形跡を表示するようにさらに構成される、[49]に記載のシステム。
[51] 前記胃内デバイスをさらに含み、前記胃内デバイスがバルーンである、[42]〜[50]の何れか1項に記載のシステム。
[52] 前記初期充填流体をさらに含み、前記胃内デバイスが、前記in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記胃内デバイスの内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[51]に記載のシステム。
[53] 前記ポリマー壁が、エチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[52]に記載のシステム。
[54] 前記ポリマー壁が、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[52]に記載のシステム。
[55] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[52]に記載のシステム。
[56] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[52]に記載のシステム。
[57] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[52]〜[56]の何れか1項に記載のシステム。
[58] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[52]〜[56]の何れか1項に記載のシステム。
[59] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[52]〜[56]の何れか1項に記載のシステム。
[60] 初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[52]〜[56]の何れか1項に記載のシステム。
[61] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[52]〜[56]の何れか1項に記載のシステム。
[62] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[52]〜[61]の何れか1項に記載のシステム。
[63] 患者の体内に胃内デバイスを磁気的に配置するための方法であって、
カテーテルと解放可能に結合し、磁場センサーにより感知されるように構成される磁気マーカーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む前記胃内デバイスを、嚥下により、前記患者の体内に導入すること;
前記磁場センサーを用いて磁場を感知すること;および
前記磁場の感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、前記方法。
[64] 前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置が前記患者の胃である、[63]に記載の方法。
[65] in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、前記膨張していない胃内バルーンの内腔に前記カテーテルを介して前記初期充填流体を導入すること;ならびに
少なくとも30日の耐用寿命にわたって、前記膨張した胃内バルーンを前記in vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記バルーンの前記内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[63]〜[64]の何れか1項に記載の方法。
[66] 前記ポリマー壁がナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[65]に記載の方法。
[67] 前記ポリマー壁がナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[65]に記載の方法。
[68] 前記ポリマー壁がナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[65]に記載の方法。
[69] 前記ポリマー壁がエチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[65]に記載の方法。
[70] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[65]〜[69]の何れか1項に記載の方法。
[71] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[65]〜[69]の何れか1項に記載の方法。
[72] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が前記初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[65]〜[69]の何れか1項に記載の方法。
[73] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[65]〜[69]の何れか1項に記載の方法。
[74] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[65]〜[69]の何れか1項に記載の方法。
[75] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[65]〜[69]の何れか1項に記載の方法。
[76] 前記磁気マーカーにより発生した磁場の感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することが、前記磁気マーカーの位置を示す識別子をコンピュータ上に表示させることを含む、[63]〜[75]の何れか1項に記載の方法。
[77] 前記磁気マーカーが前記カテーテルと結合している、[63]〜[75]の何れか1項に記載の方法。
[78] 前記電磁気センサーが前記胃内デバイスと結合している、[63]〜[75]の何れか1項に記載の方法。
[79] 体内に胃内デバイスを配置するための発電システムであって、
前記システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中で電圧を生成するようにさらに構成される嚥下可能な発電センサー;および
前記胃内デバイスが前記in vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、前記胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、前記バルブシステムを含む、前記システム。
[80] 前記発電センサーが前記嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される、[79]に記載のシステム。
[81] 前記発電センサーが前記嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される、[80]に記載のシステム。
[82] 前記発電センサーが前記胃内デバイスと結合するように構成される、[79]に記載のシステム。
[83] 体外に置かれ、前記発電センサーにより生成される電圧と関連するシグナルを受け取るように構成される少なくとも1つの受信器をさらに含む、[79]〜[82]の何れか1項に記載のシステム。
[84] 前記発電センサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む、[79]〜[83]の何れか1項に記載のシステム。
[85] 前記センサーインタフェースユニットおよび前記発電センサーと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む、[84]に記載のシステム。
[86] 前記システム制御ユニットと電気的に通信し、体内の前記発電センサーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む、[85]に記載のシステム。
[87] 前記胃内デバイスをさらに含み、前記胃内デバイスがバルーンである、[79]〜[86]の何れか1項に記載のシステム。
[88] 前記初期充填流体をさらに含み、前記胃内デバイスが、前記in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記胃内デバイスの内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[87]に記載のシステム。
[89] 前記ポリマー壁が、エチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[88]に記載のシステム。
[90] 前記ポリマー壁が、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[88]に記載のシステム。
[91] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[88]に記載のシステム。
[92] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[88]に記載のシステム。
[93] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[88]〜[92]の何れか1項に記載のシステム。
[94] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[88]〜[92]の何れか1項に記載のシステム。
[95] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が前記初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[88]〜[92]の何れか1項に記載のシステム。
[96] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[88]〜[92]の何れか1項に記載のシステム。
[97] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[88]〜[92]の何れか1項に記載のシステム。
[98] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[88]〜[97]の何れか1項に記載のシステム。
[99] 患者の体内に胃内デバイスを発電的に配置するための方法であって、
カテーテルと解放可能に結合し、胃内環境の存在下で電圧を生成するように構成される発電センサーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む前記胃内デバイスを、嚥下により、前記患者の体内に導入すること;
前記胃内環境との接触に応答する前記発電センサーを用いて電圧を生成すること;および
前記生成された電圧の感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、前記方法。
[100] 前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置が前記患者の胃である、[99]に記載の方法。
[101] in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、前記膨張していない胃内バルーンの内腔に前記カテーテルを介して前記初期充填流体を導入すること;ならびに
少なくとも30日の耐用寿命にわたって、前記膨張した胃内バルーンを前記in vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記バルーンの前記内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[99]〜[100]の何れか1項に記載の方法。
[102] 前記ポリマー壁がナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[101]に記載の方法。
[103] 前記ポリマー壁がナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[101]に記載の方法。
[104] 前記ポリマー壁がナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[101]に記載の方法。
[105] 前記ポリマー壁がエチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[101]に記載の方法。
[106] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[101]〜[105]の何れか1項に記載の方法。
[107] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[101]〜[105]の何れか1項に記載の方法。
[108] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が前記初期液中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[101]〜[105]の何れか1項に記載の方法。
[109] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[101]〜[105]の何れか1項に記載の方法。
[110] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[101]〜[105]の何れか1項に記載の方法。
[111] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[101]〜[110]の何れか1項に記載の方法。
[112] 前記発電センサーが前記カテーテルと結合している、[99]〜[111]の何れか1項に記載の方法。
[113] 前記発電センサーが前記胃内デバイスと結合している、[99]〜[111]の何れか1項に記載の方法。
[114] 体内に胃内デバイスを配置するためのpHに基づくシステムであって、
前記システムと結合するように構成され、in vivoの胃内環境中の流体のpHレベルを感知するようにさらに構成される嚥下可能なpHセンサー;および
前記胃内デバイスが前記in vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、前記胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、前記バルブシステムを含む、前記システム。
[115] 前記pHセンサーが前記嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される、[114]に記載のシステム。
[116] 前記pHセンサーが前記嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される、[115]に記載のシステム。
[117] 前記pHセンサーが前記胃内デバイスと結合するように構成される、[114]に記載のシステム。
[118] 体外に置かれ、前記pHセンサーにより感知されるpHレベルと関連するシグナルを受け取るように構成される少なくとも1つの受信器をさらに含む、[114]〜[117]の何れか1項に記載のシステム。
[119] 前記pHセンサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む、[114]〜[118]の何れか1項に記載のシステム。
[120] 前記センサーインタフェースユニットおよび前記pHセンサーと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む、[119]に記載のシステム。
[121] 前記システム制御ユニットと電気的に通信し、体内の前記pHセンサーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む、[120]に記載のシステム。
[122] 前記胃内デバイスをさらに含み、前記胃内デバイスがバルーンである、[114]〜[121]の何れか1項に記載のシステム。
[123] 前記初期充填流体をさらに含み、v胃内デバイスが、前記in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記胃内デバイスの内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[122]に記載のシステム。
[124] 前記ポリマー壁が、エチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[123]に記載のシステム。
[125] 前記ポリマー壁が、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[123]に記載のシステム。
[126] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[123]に記載のシステム。
[127] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[123]に記載のシステム。
[128] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[123]〜[127]の何れか1項に記載のシステム。
[129] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[123]〜[127]の何れか1項に記載のシステム。
[130] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[123]〜[127]の何れか1項に記載のシステム。
[131] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[123]〜[127]の何れか1項に記載のシステム。
[132] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[123]〜[127]の何れか1項に記載のシステム。
[133] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[123]〜[132]の何れか1項に記載のシステム。
[134] 体内の流体のpHレベルの感知に基づいて患者の体内に胃内デバイスを配置するための方法であって、
カテーテルと解放可能に結合し、体内の胃内環境中の前記流体のpHレベルを感知するように構成されるpHセンサーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む前記胃内デバイスを、嚥下により、前記患者の体内に導入すること;
前記胃内環境との前記pHセンサーの接触に応答する前記流体のpHレベルを感知すること;および
前記pHレベルの感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、前記方法。
[135] 前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置が前記患者の胃である、[134]に記載の方法。
[136] n vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、前記膨張していない胃内バルーンの内腔に前記カテーテルを介して初期充填流体を導入すること;ならびに
少なくとも30日の耐用寿命にわたって、前記膨張した胃内バルーンを前記in vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記バルーンの前記内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[134]〜[135]の何れか1項に記載の方法。
[137] 前記ポリマー壁がナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[136]に記載の方法。
[138] 前記ポリマー壁がナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[136]に記載の方法。
[139] 前記ポリマー壁がナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[136]に記載の方法。
[140] 前記ポリマー壁がエチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[136]に記載の方法。
[141] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[136]〜[140]の何れか1項に記載の方法。
[142] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[136]〜[140]の何れか1項に記載の方法。
[143] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が前記初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[136]〜[140]の何れか1項に記載の方法。
[144] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[136]〜[140]の何れか1項に記載の方法。
[145] 初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[136]〜[140]の何れか1項に記載の方法。
[146] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[136]〜[140]の何れか1項に記載の方法。
[147] 前記pHセンサーが前記カテーテルと結合している、[136]〜[146]の何れか1項に記載の方法。
[148] 前記pHセンサーが前記胃内デバイスと結合している、[136]〜[146]の何れか1項に記載の方法。
[149] 体内に胃内デバイスを配置するための音響システムであって、
音響シグナルを発生するように構成される音響シグナル発生器;
前記システムと結合するように構成され、前記発生した音響シグナルに応答してin
vivoの胃内環境中で音響応答を生成するようにさらに構成される嚥下可能な音響マーカー;および
前記胃内デバイスが前記in vivoの胃内環境にある場合、胃内容積占有デバイス中に初期充填流体を導入するように構成されるバルブシステムであって、前記胃内デバイスと解放可能に結合するように構成される嚥下可能なカテーテルを含む、前記バルブシステムを含む、前記システム。
[150] 前記音響マーカーが前記嚥下可能なカテーテルと結合するように構成される、[149]に記載のシステム。
[151] 前記音響マーカーが前記嚥下可能なカテーテルの遠位末端と結合するように構成される、[150]に記載のシステム。
[152] 前記音響マーカーが前記胃内デバイスと結合するように構成される、[149]に記載のシステム。
[153] 体外に置かれ、前記音響マーカーの前記音響応答を感知するように構成される少なくとも1つの外部音響センサーをさらに含む、[149]〜[152]の何れか1項に記載のシステム。
[154] 前記音響マーカーおよび前記音響センサーと電気的に通信するように構成されるセンサーインタフェースユニットをさらに含む、[153]に記載のシステム。
[155] 前記センサーインタフェースユニットと電気的に通信するように構成されるシステム制御ユニットをさらに含む、[154]に記載のシステム。
[156] 前記システム制御ユニットおよび前記音響センサーと電気的に通信し、体内の前記音響マーカーの位置を示す識別子を表示するように構成されるコンピュータをさらに含む、[155]に記載のシステム。
[157] 前記コンピュータが、体内の前記磁気マーカーにより伝播される経路を示す形跡を表示するようにさらに構成される、[156]に記載のシステム。
[158] 前記胃内デバイスをさらに含み、前記胃内デバイスがバルーンである、[149]〜[157]の何れか1項に記載のシステム。
[159] 前記初期充填流体をさらに含み、前記胃内デバイスが、前記in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成されるポリマー壁を含み、その結果、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記胃内デバイスの内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[158]に記載のシステム。
[160] 前記ポリマー壁が、エチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[159]に記載のシステム。
[161] 前記ポリマー壁が、ナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[159]に記載のシステム。
[162] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[159]に記載のシステム。
[163] 前記ポリマー壁が、ナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[159]に記載のシステム。
[164] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[159]〜[163]の何れか1項に記載のシステム。
[165] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[159]〜[163]の何れか1項に記載のシステム。
[166] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[159]〜[163]の何れか1項に記載のシステム。
[167] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[159]〜[160]の何れか1項に記載のシステム。
[168] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[159]〜[163]の何れか1項に記載のシステム。
[169] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[159]〜[168]の何れか1項に記載のシステム。
[170] 前記音響シグナルが超音波シグナルである、[149]〜[169]の何れか1項に記載のシステム。
[171] 患者の体内に胃内デバイスを音響的に配置するための方法であって、
胃内デバイスがカテーテルと解放可能に結合し、音響シグナルに応答して音響応答を生成するように構成される音響マーカーと結合している、膨張していない胃内バルーンを含む前記胃内デバイスを、嚥下により、前記患者の体内に導入すること;
音響シグナルを発生させること;および
前記音響シグナルに応答して生成される音響応答に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することを含む、前記方法。
[172] 前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置が前記患者の胃である、[171]に記載の方法。
[173] in vivoの胃内環境の条件下で、10cc/m 2 /日を超えるCO 2 の透過性を有するように構成されるポリマー壁を含む、前記膨張していない胃内バルーンの内腔に前記カテーテルを介して前記初期充填流体を導入すること;ならびに
少なくとも30日の耐用寿命にわたって、前記膨張した胃内バルーンを前記in vivoの胃内環境に曝露することをさらに含み、前記ポリマー壁を介する前記in vivoの胃内環境から前記バルーンの前記内腔へのCO 2 の拡散の速度および量が、少なくとも部分的には、前記初期充填流体中の不活性ガスの濃度により制御される、[171]〜[172]の何れか1項に記載の方法。
[174] 前記ポリマー壁がナイロン層、ポリ塩化ビニリデン層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[73]に記載の方法。
[175] 前記ポリマー壁がナイロン層、エチレンビニルアルコール層、およびポリエチレン層を含む3層のCO 2 障壁材料を含む、[173]に記載の方法。
[176] 前記ポリマー壁がナイロン層およびポリエチレン層を含む2層のCO 2 障壁材料を含む、[173]に記載の方法。
[177] 前記ポリマー壁がエチレンビニルアルコール層を含むCO 2 障壁材料を含む、[173]に記載の方法。
[178] 前記初期充填流体が気体N 2 から本質的になる、[173]〜[177]の何れか1項に記載の方法。
[179] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になる、[173]〜[177]の何れか1項に記載の方法。
[180] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体CO 2 から本質的になり、前記気体N 2 が初期充填流体中の前記気体CO 2 に対して濃度過剰である、[173]〜[177]の何れか1項に記載の方法。
[181] 前記初期充填流体が液体形態、蒸気形態、または気体形態の1つ以上のSF 6 を含む、[173]〜[177]の何れか1項に記載の方法。
[182] 前記初期充填流体が気体N 2 および気体SF 6 を含む、[173]〜[177]の何れか1項に記載の方法。
[183] 前記ポリマー壁が、in vivoの胃内環境の条件下で、50cc/m 2 /日を超えるCO 2 に対する透過性を有するように構成される、[173]〜[177]の何れか1項に記載の方法。
[184] 前記音響応答の感知に基づいて前記患者内部の前記膨張していない胃内バルーンの位置を確認することが、前記音響マーカーの位置を示す識別子をコンピュータ上に表示させることを含む、[173]〜[178]の何れか1項に記載の方法。
[185] 前記音響マーカーが前記カテーテルと結合している、[173]〜[174]の何れか1項に記載の方法。
[186] 前記音響マーカーが前記胃内デバイスと結合している、[173]〜[184]の何れか1項に記載の方法。
[187] 前記音響センサーが超音波センサーであり、前記音響マーカーが超音波マーカーである、[173]〜[186]の何れか1項に記載の方法。
[188] 明細書および/または図面に実質的に記載されているシステム。
[189] 明細書および/または図面に実質的に記載されている方法。