以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機であってもよい。なお、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール60、第2リール70および第3リール80がユニット化されたリールユニット100と、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
上扉12aには、液晶ディスプレイ13、スピーカ14等の演出用の装置、および表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイやスピーカの他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けてもよい。
表示窓16の奥には、リールユニット100が、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。詳細は後述するが、各リール60,70,80の外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配置されており、各リール60,70,80が停止すると、表示窓16を通して1リール当たり3個の連続する図柄領域(上段図柄領域、中段図柄領域および下段図柄領域)が表示される。各図柄領域の範囲内には1つの図柄が表示されている。また、表示窓16には、各リール60,70,80の図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール60,70,80の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施の形態の遊技機では、第1リール60の中段と、第2リール70の中段と、第3リール80の中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施の形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール60,70,80が回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、各リール60,70,80が停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口821、クレジットされたメダルをベットするためのMAXベットボタン(ベットボタン)23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー990、回転している各リール60,70,80を停止させるためのストップボタン26(ストップボタン26a、ストップボタン26bおよびストップボタン26c)、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28等が設けられている。また、メダル投入口821の奥には、メダル投入口821から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。また、下扉12bには、演出ボタン29が設けられている。
スロットマシン10の内部には、主制御基板(主制御装置)と、副制御基板(副制御装置)とが設けられている。主制御基板は、MAXベットボタン23、スタートレバー990、ストップボタン26a〜26c、メダルセンサ等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット100や、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。また、演出ボタン29は、副制御基板によって制御されている。
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
主制御基板は、メダル投入口821にメダルが投入、または、MAXベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー990の操作を有効化する。この有効化されたスタートレバー990が操作されると遊技が開始されることとなる。有効化されたスタートレバー990が操作されると、主制御基板は、ステッピングモータSM1〜SM3(図2参照)を駆動させ、各リール60,70,80の回転を開始するとともに、乱数値を用いた内部抽選を行う。また、主制御基板は、各リール60,70,80の回転速度が所定の速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)まで上昇したことを条件に、ストップボタン26a〜26cの押下操作を有効化する。ストップボタン26a〜26cが押下操作されると、ストップボタン26a〜26cのそれぞれに内蔵されているストップスイッチがオンとなり、主制御基板に入力されるリール停止信号がオフ状態からオン状態に変化する。また、ストップボタン26a〜26cの押下操作が解放されると、ストップスイッチがオフとなり、主制御基板に入力されるリール停止信号がオン状態からオフ状態に変化する。主制御基板は、リール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づき、内部抽選の結果(抽選フラグの設定状態)に応じて、押下操作に対応するリールの停止位置を決定し、決定した停止位置(設計上の所定の停止位置)で当該リールを停止させる制御を行う。このとき、各リール60,70,80は、ソフト上の問題等に起因する停止位置のずれが生じない限り、設計上の停止位置(すなわち適正な停止位置)で停止するようになっている。
次に、図2を用いて、筐体11の内部に収容されているリールユニット100について説明する。図2(a)に示すように、リールユニット100は、第1リール60、第2リール70、第3リール80および支持フレーム90等を備えている。図2(b)に示すように、支持フレーム90は、上フレーム91、下フレーム92、左フレーム93、右フレーム94、モータフレーム95a,95b,95cおよび背面カバー96等を備えている。
上フレーム91および下フレーム92は、長尺の棒状または長尺の板状に形成され、長手方向を左右方向と一致させた状態で筐体11の内部に配置される。左フレーム93は、棒状に形成され、上フレーム91の左端と下フレーム92の左端とを連結している。右フレーム94は、棒状に形成され、上フレーム91の右端と下フレーム92の右端とを連結している。
モータフレーム95a〜95cは、略円形板状に形成され、その軸方向を左右方向と一致させ、所定の間隔だけ離間させた状態で並べて配置されている。モータフレーム95a〜95cは、上端部が上フレーム91に連結されているとともに、下端部が下フレーム92に連結されている。モータフレーム95aの中央部には、ステッピングモータSM1が固定されている。また、モータフレーム95bの中央部には、ステッピングモータSM2が固定されている。また、モータフレーム95cの中央部には、ステッピングモータSM3が固定されている。背面カバー96は、各リール60,70,80の背面側を覆う形状を有しており、上端部が上フレーム91に連結されているとともに、下端部が下フレーム92に連結されている。
図2(c)に示すように、ステッピングモータSM1のシャフトは、第1リール60の中心部であるハブ61に連結されている。これにより、第1リール60は、ステッピングモータSM1に回転駆動されるようになっている。また、ステッピングモータSM2のシャフトは、第2リール70の中心部であるハブ71に連結されている。これにより、第2リール70は、ステッピングモータSM2に回転駆動されるようになっている。また、ステッピングモータSM3のシャフトは、第3リール80の中心部であるハブ81に連結されている。これにより、第3リール80は、ステッピングモータSM3に回転駆動されるようになっている。
ステッピングモータSM1〜SM3は、4相のステッピングモータである。各ステッピングモータSM1〜SM3は、ロータと、第1相のコイル、第2相のコイル、第3相のコイルおよび第4相のコイルを有するステータとを備えている。ステッピングモータSM1〜SM3は、一のコイルをオンにする1相励磁パルスを供給するステップと、一のコイルおよび隣接する他のコイルをオンにする2相励磁パルスを供給するステップとを交互に繰り返す1−2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位させ、504ステップ更新(252ステップ角の変位)で、各リール60,70,80を一回転させている。ステッピングモータSM1〜SM3は、1ステップ角が約1.43°、励磁パルスを1ステップ更新する割込み時間tが1.49msとなっている。
図3に示す丸印の順序で、ステッピングモータSM1〜SM3の励磁パターンを更新していくことにより、各リール60,70,80が正転するようになっている。また、各リール60,70,80を停止させる場合には、第1相〜第4相のすべてのコイルを励磁させ(全相励磁させ)、各リール60,70,80の停止後に、第1相〜第4相のすべてのコイルに対する励磁を止める。
なお、図3に示すもの以外の順序で励磁パターンを更新することとしてもよい。例えば、図3に示す順序と逆の順序で励磁パターンを更新することにより、各リール60,70,80を反転(逆転)させることができる。なお、励磁方式、ステッピングモータの相の数、ステップ数は、本実施の形態のものに限られない。励磁方式、ステッピングモータの相の数、ステップ数等に合わせて適宜読み換えることで、本発明を適用することが可能である。
次に、図4および図5を用いて、各リール60,70,80の詳細について説明する。
第1リール60は、その中心部分であるハブ61と、周縁(外周)部分であるリム62と、ハブ61から放射状に延び、ハブ61とリム62とを連結するスポーク63と、図5に示すリールテープ64とを備えている。リム62は、左右方向に所定の距離だけ離間して配置された2つのリング62a,62aと、左右方向に延び、それらを互いに連結する連結片62bとを備えている。このリム62の外周には、図5に示すリールテープ64が巻回されている。
第2リール70は、その中心部分であるハブ71と、周縁(外周)部分であるリム72と、ハブ71から放射状に延び、ハブ71とリム72とを連結するスポーク73と、図5に示すリールテープ74とを備えている。リム72は、左右方向に所定の距離だけ離間して配置された2つのリング72a,72aと、左右方向に延び、それらを連結する連結片72bとを備えている。このリム72の外周には、図5に示すリールテープ74が巻回されている。
第3リール80は、その中心部分であるハブ81と、周縁(外周)部分であるリム82と、ハブ81から放射状に延び、ハブ81とリム82とを連結するスポーク83と、図5に示すリールテープ84とを備えている。リム82は、左右方向に所定の距離だけ離間して配置された2つのリング82a,82aと、左右方向に延び、それらを連結する連結片82bとを備えている。このリム82の外周には、図5に示すリールテープ84が巻回されている。
図5(a)に示すように、リールテープ64,74,84は、透光性を有する帯状のシート部材であり、長手方向(周方向)に沿って複数種類の図柄が印刷等により記されている。本実施の形態では、図5(b)に示すように、リールテープ64,74,84に21個の図柄が記されている場合について説明する。1図柄を含む領域である図柄領域は、リールテープの周面を図柄数で割ることにより画定される。各図柄領域(1コマ)には、ステッピングモータSM1〜SM3の24ステップ(12ステップ角)が均等に割り当てられている。図5(c)に示すように、各リール60,70,80が停止した際、表示窓16を介して、リールごとに3個の図柄領域が視認される。各リールが停止したときに上段表示位置に現れる図柄領域を上段図柄領域、中段表示位置に現れる図柄領域を中段図柄領域、下段表示位置に現れる図柄領域を下段図柄領域という。図5(c)では、上段図柄領域に、所定の上段図柄の一例としての青7、リプレイ、ベルが表示され、中段図柄領域に、所定の中段図柄の一例としての赤7が表示され、下段図柄領域に、所定の下段図柄の一例としてのスイカ、青7が表示されている。
なお、リールテープ64,74,84を、20図柄領域のリール(20コマリール)としてもよい。その場合、26ステップ(13ステップ角)が割り当てられた図柄領域と、24ステップ(12ステップ角)が割り当てられた図柄領域とが設けられることとなる。
次に、図6〜図8を用いて、各リール60,70,80が停止した際に、各リール60,70,80の上段図柄領域、中段図柄領域および下段図柄領域に光を照射するバックライト装置150について説明する。バックライト装置150は、各リール60,70,80における図柄領域3個分(上段図柄領域、中段図柄領域および下段図柄領域)の径方向内側(背面側)となる位置に設けられている。以下、第1リール60の内周側に設けられているバックライト装置150について説明するが、第2リール70および第3リール80の内周側に設けられているバックライト装置150についても同様の構成である。
図6に示すように、バックライト装置150は、LED(光源)200と、LED基板(光源基板)210と、LED200から照射される光の範囲を規制するリフレクタ220とを備えている。LED200は、LED基板210に実装されている。LED基板210は、リフレクタ220に保持されている。この保持は、例えば、リフレクタ220の背面側に爪部を設け、当該爪部にLED基板210を係合させることにより実現される。また、LED基板210を保持した状態のリフレクタ220(すなわちバックライト装置150)は、図2(b)で示したモータフレーム52aに連結されるようになっている。この連結は、例えば、図6(a)に示すようにリフレクタ220の一方の側部(右側部)に板状の連結部220aを設け、この連結部220aとモータフレーム52aとをねじ締めで固定することにより実現される。
LED基板210は、長方形状の板状部材であり、その長手方向が上下方向と略一致するような姿勢でリフレクタ220に保持されている。LED基板210は、リフレクタ220を介して、第1リール60の径方向内側となる位置に配置されている。換言すると、リフレクタ220は、第1リール60の外周側(リールテープ64)とLED基板210との間に配置されている。ここで、図7に示すように、第1リール60の外周における中段図柄領域の中央部の接線を接線Sとし、接線Sと直交する直線を直線Tとした場合、LED基板210は、その実装面Uが直線Tと略直交するように配置されている。換言すると、接線Sと実装面Uとは略平行となっている。
図6に戻る。LED200には、上段図柄領域の背面側となる位置に配置された上段LED(上段光源)201と、中段図柄領域の背面側となる位置に配置された中段LED(中段光源)202と、下段図柄領域の背面側となる位置に配置された下段LED(下段光源)203とがある。換言すると、上段LED201、中段LED202、下段LED203は、LED基板210の上に、上下方向に沿って、所定の間隔毎に配置されている。なお、本実施の形態では、上段LED201、中段LED202および下段LED203をそれぞれ、左右方向に一列に3個のLEDが並べられたものとしているが、このLEDの数は2個以下であっても4個以上であってもよい。また、LEDが2列以上に並べられていてもよい。
リフレクタ220は、第1リール60の径方向内側(LED基板210側)から第1リール60の径方向外側(外周面側)に向かって延びる壁部に囲まれている部屋(空間)229が、第1リール60の周方向に沿って連続して3つ並べられた形状を有している。図6(b)に示すように、リフレクタ220は、壁部として、第1リール60の周方向に沿って延び、第1リール60の軸方向に離間させて設けられた左方壁部221および右方壁部222と、第1リール60の軸方向(左右方向)に沿って延び、第1リール60の周方向に離間させて設けられた上方壁部223、上方隔壁部225、下方隔壁部226および下方壁部224とを有している。リフレクタ220は、正面から見て長方形状の外形を有しており、その長手方向が上下方向と略一致するような姿勢で配置されている。また、リフレクタ220における第1リール60外周側の縁は、第1リール60の外周に沿って円弧状となっている。
左方壁部221および右方壁部222は、その基端部(第1リール60の径方向内側の基端部)が互いに平行となるように形成され、この基端部より先端側は第1リール60の径方向外側に向かうほど離間するように形成されている。
上方隔壁部225は、第1隔壁部225aと第2隔壁部225bとを有している。また、下方隔壁部226は、第3隔壁部226aと第4隔壁部226bとを有している。上方壁部223と第1隔壁部225aとは、その基端部(第1リール60の径方向内側の基端部)が互いに平行となるように形成され、この基端部より先端側は第1リール60の径方向外側に向かうほど離間するように形成されている。第2隔壁部225bと第3隔壁部226aとは、その基端部(第1リール60の径方向内側の基端部)が互いに平行となるように形成され、この基端部より先端側は第1リール60の径方向外側に向かうほど離間するように形成されている。第4隔壁部226bと下方壁部224とは、その基端部(第1リール60の径方向内側の基端部)が互いに平行となるように形成され、この基端部より先端側は第1リール60の径方向外側に向かうほど離間するように形成されている。また、上方壁部223、下方壁部224、第1隔壁部225a、第2隔壁部225b、第3隔壁部226aおよび第4隔壁部226bの基端部は、互いに平行となっている。また、上方壁部223、下方壁部224、第1隔壁部225a、第2隔壁部225b、第3隔壁部226aおよび第4隔壁部226bの先端部は、互いに平行となっている。
第1隔壁部225aと第2隔壁部225bとは、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かうほど距離が接近し、第1リール60の外周側において、上方隔壁部225の頂部を形成している。また、第3隔壁部226aと第4隔壁部226bとは、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かうほど距離が接近し、第1リール60の外周側において、下方隔壁部226の頂部を形成している。
なお、本実施形態の遊技機においては、左方壁部221,右方壁部222、上方壁部223、下方壁部224、第1隔壁部225a、第2隔壁部225b、第3隔壁部226aおよび第4隔壁部226bは、第1リール60の径方向内側から外側に向けて一直線状に延びる形状としているが、このような形状に限られない。例えば、各壁部は、第1リール60の径方向内側から外側に向けて複数段階で段階的に部屋229が広がるような形状となっていてもよく、曲面を有する形状となっていてもよい。
図7に示すように、各部屋229において、第1リール60の径方向外側に位置する開口(外周側上段開口228a、外周側中段開口228bおよび外周側下段開口228c)が、第1リール60の径方向内側に位置する開口(内周側上段開口227a、内周側中段開口227bおよび内周側下段開口227c)より大きくなっている。また、内周側上段開口227aから上段LED201が露出し、内周側中段開口227bから中段LED202が露出し、内周側下段開口227cから下段LED203が露出するようになっている。
リフレクタ220は、3つの部屋229を有しており、LED200(上段LED201、中段LED202および下段LED203)から照射される光を、上段照射範囲と中段照射範囲と下段照射範囲とに区分けしつつ、当該光をリールテープ64の内周面(背面)に導く機能を担っている。
上段照射範囲の光は、原則、上段図柄領域を照射するようになっている。なお、上段照射範囲の光の一部(下端側)が、中段図柄領域の一部(上端側)を照射してもよい。また、中段照射範囲の光は、原則、中段図柄領域を照射するようになっている。なお、中段照射範囲の光の一部(上端側または下端側)が、上段図柄領域の一部(下端側)または下段図柄領域の一部(上端側)を照射してもよい。また、下段照射範囲の光は、原則、下段図柄領域を照射するようになっている。なお、下段照射範囲の光の一部(上端側)が、中段図柄領域の一部(下端側)を照射してもよい。
図6(b)に戻る。上段に位置する部屋229は、上段LED201から照射される光の範囲(上段照射範囲)を決定する。当該部屋229は、上段照射範囲の左端を規制する左方壁部221、上段照射範囲の右端を規制する右方壁部222、上段照射範囲の上端を規制する上方壁部223、および上段照射範囲の下端を規制する第1隔壁部225aに囲まれるようにして構成されている。
また、中段に位置する部屋229は、中段LED202から照射される光の範囲(中段照射範囲)を決定する。当該部屋229aは、中段照射範囲の左端を規制する左方壁部221、中段照射範囲の右端を規制する右方壁部222、中段照射範囲の上端を規制する第2隔壁部225b、および中段照射範囲の下端を規制する第3隔壁部226aに囲まれるようにして構成されている。
また、下段に位置する部屋229は、下段LED203から照射される光の範囲(下段照射範囲)を決定する。当該部屋229は、下段照射範囲の左端を規制する左方壁部221、下段照射範囲の右端を規制する右方壁部222、下段照射範囲の上端を規制する第4隔壁部226b、および下段照射範囲の下端を規制する下方壁部224に囲まれるようにして構成されている。
図8(a)に示すように、左方壁部221における基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210の実装面と直交する直線を直線L1とする。この左方壁部221は、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L1に対して左方に傾斜している。また、右方壁部222における基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210の実装面と直交する直線を直線L2とする。この右方壁部222は、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L2に対して右方に傾斜している。
左方壁部221の直線L1に対する傾斜角度θ1は、上段照射範囲、中段照射範囲および下段照射範囲の左端を決定する。すなわち、傾斜角度θ1は、上段LED201、中段LED202および下段LED203から照射される光が、第1リール60の上段図柄領域、中段図柄領域および下段図柄領域の左端に導かれる角度となっている。換言すると、傾斜角度θ1は、LED200から照射される光の左端を規制する角度となっている。例えば、傾斜角度θ1は、左右方向に一列に3つのLEDが配置されている場合、最も左側に位置するLEDから照射される光、および中央に位置するLEDから照射される光の左端を規制する角度となっている。
右方壁部222の直線L2に対する傾斜角度θ2は、上段照射範囲、中段照射範囲および下段照射範囲の右端を決定する。すなわち、傾斜角度θ2は、上段LED201、中段LED202および下段LED203から照射される光が、第1リール60の上段図柄領域、中段図柄領域および下段図柄領域の右端に導かれる角度となっている。換言すると、傾斜角度θ2は、LED200から照射される光の右端を規制する角度となっている。例えば、傾斜角度θ2は、左右方向に一列に3つのLEDが配置されている場合、最も右側に位置するLEDから照射される光、および中央に位置するLEDから照射される光の右端を規制する角度となっている。
図8(b)に示すように、上方壁部223における基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210の実装面と直交する直線を直線L3とする。この上方壁部223は、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L3に対して上方に傾斜している。また、第1隔壁部225aにおける基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210と直交する直線を直線L4とする。この第1隔壁部225aは、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L4に対して下方に傾斜している。
第2隔壁部225bにおける基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210の実装面と直交する直線を直線L5とする。この第2隔壁部225bは、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L5に対して上方に傾斜している。また、第3隔壁部226aにおける基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210の実装面と直交する直線を直線L6とする。この第3隔壁部226aは、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L6に対して下方に傾斜している。
第4隔壁部226bにおける基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210の実装面と直交する直線を直線L7とする。この第4隔壁部226bは、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L7に対して上方に傾斜している。また、下方壁部224における基端側(LED基板210側)の端部を通過し、かつLED基板210の実装面と直交する直線を直線L8とする。この下方壁部224は、第1リール60の径方向内側から第1リール60の径方向外側に向かって、直線L8に対して下方に傾斜している。
上方壁部223の直線L3に対する傾斜角度θ3は、上段照射範囲の上端を決定する。この傾斜角度θ3は、第1リール60が設計上の停止位置に対して1ステップ角分(約1.43°)、第1リール60の逆転方向に対してずれて停止した場合でも、上段LED201から照射される光が、上段図柄領域の上端まで導かれる角度となっている。このとき、上段LED201の位置と、上方壁部223における第1リール60の外周側の端部とを結んだ直線を直線P1とし、第1リール60を設計上の停止位置に対して逆転方向に1ステップ角回転させた際における、上段図柄領域の上端の位置をQ1とした場合、Q1は直線P1上あるいは直線P1よりも下方となっている。なお、上記では、上段図柄領域の上端まで光が到達するとしたが、上段図柄領域に表示されうる所定の上段図柄の上端まで光が到達するものであればよい。所定の上段図柄とは、例えば、上段に表示されうるすべての図柄のうち最も面積の大きい(最も上下方向寸法の大きい)図柄であるが、上段に表示されうるすべての図柄のうち光の透過率が相対的に高く、一部が光っていない場合に目立ってしまう図柄等であってもよい。
第1隔壁部225aの直線L4に対する傾斜角度θ4は、上段照射範囲の下端を決定する。また、第2隔壁部225bの直線L5に対する傾斜角度θ5は、中段照射範囲の上端を決定する。この傾斜角度θ4およびθ5は、上段照射範囲の下端と中段照射範囲の上端とが一致する、または、上段照射範囲の下端部と中段照射範囲の上端部とが僅かに重なるように、上段LED201および中段LED202から照射される光が導かれる角度となっている。これは上段図柄領域と中段図柄領域との境界部分において、輝度が低下するのを防ぐためである。
第3隔壁部226aの直線L6に対する傾斜角度θ6は、中段照射範囲の下端を決定する。また、第4隔壁部226bの直線L7に対する傾斜角度θ7は、下段照射範囲の上端を決定する。この傾斜角度θ6およびθ7は、中段照射範囲の下端と下段照射範囲の上端とが一致する、または、中段照射範囲の下端部と下段照射範囲の上端部とが僅かに重なるように、中段LED202および下段LED203から照射される光が導かれる角度となっている。これは中段図柄領域と下段図柄領域との境界部分において、輝度が低下するのを防ぐためである。
下方壁部224の直線L8に対する傾斜角度θ8は、下段照射範囲の下端を決定する。この傾斜角度θ8は、第1リール60が設計上の停止位置に対して1ステップ角分(約1.43°)、第1リール60の正転方向に対してずれて停止した場合でも、下段LED203から照射される光が、下段図柄領域の下端まで導かれる角度となっている。このとき、下段LED203の位置と、下方壁部224における第1リール60の外周側の端部とを結んだ直線を直線P2とし、第1リール60を設計上の停止位置に対して正転方向に1ステップ角回転させた際における下段図柄領域の下端の位置をQ2とした場合、Q2が直線P2上あるいは直線P2よりも上方となっている。なお、上記では、下段図柄領域の下端まで光が到達するとしたが、下段図柄領域に表示されうる所定の下段図柄の下端まで光が到達するものであればよい。所定の下段図柄とは、例えば、下段に表示されうるすべての図柄のうち最も面積の大きい(最も上下方向寸法の大きい)図柄であるが、下段に表示されうるすべての図柄のうち光の透過率が相対的に高く一部が光っていない場合に目立ってしまう図柄等であってもよい。
ここで、下方壁部224における径方向外側(外周側)の端部を、下方先端部224aとする。下方先端部224aは、光の照射範囲(下段照射範囲)の下端を規制する。また、上方壁部223における径方向外側(外周側)の端部を、上方先端部223aとする。上方先端部223aは、光の照射範囲(上段照射範囲)の上端を規制する。
リール(第1リール60)が設計上の停止位置に対して1ステップ角分、正転方向にずれて停止した場合でも、下段LED203(光源)と下方先端部224aとを結び、第1リール60に至る直線上を進む光が、所定の下段図柄の下端に到達する。このため、下段図柄の視認性が低下するのを防止できる。また、このとき、上段LED201(光源)と上方先端部223aとを結び、第1リール60に到達する直線上を進む光は、上段図柄の上方に隣接する図柄の下端には到達しない。これにより、下段図柄の視認性が低下するのを防止できるとともに、照明すべきでない図柄(すなわち上段図柄の上方に隣接する図柄)の下端に光が照射され、遊技者が誤認するのを防止できる。
また、リール(第1リール60)が設計上の停止位置に対して1ステップ角分、逆転方向にずれて停止した場合でも、上段LED201(光源)と上方先端部223aとを結び、第1リール60に至る直線上を進む光が、所定の上段図柄の上端に到達する。このため、上段図柄の視認性が低下するのを防止できる。また、このとき、下段LED203(光源)と下方先端部224aとを結び、第1リール60に到達する直線上を進む光は、下段図柄の下方に隣接する図柄の上端には到達しない。これにより、上段図柄の視認性が低下するのを防止できるとともに、照明すべきではない図柄(すなわち下段図柄の下方に隣接する図柄)の上端に光が照射され、遊技者が誤認するのを防止できる。
さらに、第1リール60が設計上の停止位置に対して1ステップ角分、正転方向にずれて停止した際に、下段図柄領域の下端まで光が到達するように構成した場合、または、第1リール60が設計上の停止位置に対して1ステップ角分、逆転方向にずれて停止した際に、上段図柄領域の上端まで光が到達するように構成した場合、1つの図柄領域に表示される図柄の面積をより大きくすることができ、図柄の視認性を向上させることができるとともに、図柄を図柄領域内に収まるように配置すれば必ず図柄が照明されるため、リールテープ上に図柄を描く際に、どこまで光が到達するかを検討する手間を省略でき、設計が容易になるとともに設計の自由度が向上するという効果を奏する。
図8(b)で示したθ3およびθ8の角度は、θ4〜θ7の角度より大きくなっている。また、傾斜角度θ3を、第1リール60が設計上の停止位置に対して2〜3ステップ角分、第1リール60の逆転方向に対してずれて停止した場合に、上段LED201から照射される光が、上段図柄領域の上端まで導かれる角度としてもよい。また、傾斜角度θ8を、第1リール60が設計上の停止位置に対して2〜3ステップ角分、第1リール60の正転方向に対してずれて停止した場合に、下段LED203から照射される光が、下段図柄領域の下端まで導かれる角度としてもよい。
リール60,70,80が、設計上の停止位置に対して正転側(正方向)あるいは逆転側(逆方向)にNステップ角分(Nは1〜3の整数)ずれて停止した場合でも、LED200の光が上段図柄の上端および下段図柄の下端まで照らすようになっていることで、リール60,70,80がずれて停止した場合であっても、図柄の視認性が低下するのを防止できる。
リール60,70,80が、正方向に1ステップ角分ずれて停止した場合でも、所定の下段図柄の下端まで照らすようになっていることで、下段図柄の視認性が低下するのを防止できる。また、このとき、上段図柄の上方に隣接する図柄の下端には光が到達しないようになっていることで、本来照明すべきではない図柄に光が到達し、遊技者が誤認するのを防止できる。
また、リール60,70,80が、逆方向に1ステップ角分ずれて停止した場合でも、所定の上段図柄の上端まで照らすようになっていることで、上段図柄の視認性が低下するのを防止できる。また、このとき、下段図柄の下方に隣接する図柄の上端には光が到達しないようになっていることで、本来照明すべきではない図柄に光が到達し、遊技者が誤認するのを防止できる。
上記のように、正方向に1ステップ角分ずれて停止した場合に、下段図柄の下端まで照らすようになっていれば、本発明の効果は十分に発揮できるが、リール60,70,80が、正方向に2ステップ角分ずれて停止した場合でも、所定の下段図柄の下端まで照らすようになっていることで、ずれが生じる多くのケースにおいて、下段図柄の視認性が低下するのを防止できる。また、このとき、上段図柄の上方に隣接する図柄の下端には光が到達しないようになっていることで、ずれが生じる多くのケースにおいて、本来照明すべきではない図柄に光が到達し、遊技者が誤認するのを防止できる。
また、逆方向に1ステップ角分ずれて停止した場合に、上段図柄の上端まで照らすようになっていれば、本発明の効果は十分に発揮できるが、リール60,70,80が、逆方向に2ステップ角分ずれて停止した場合に、所定の上段図柄の上端まで照らすようになっていることで、ずれが生じる多くのケースにおいて、上段図柄の視認性が低下するのを防止できる。また、このとき、下段図柄の下方に隣接する図柄の上端には光が到達しないようになっていることで、ずれが生じる多くのケースにおいて、本来照明すべきではない図柄に光が到達し、遊技者が誤認するのを防止できる。
さらに、リール60,70,80が、正方向に3ステップ角分ずれて停止した場合でも、所定の下段図柄の下端まで照らすようになっていることで、ずれが生じるほぼ全てのケースにおいて、下段図柄の視認性が低下するのを防止できる。
また、リール60,70,80が、逆方向に3ステップ角分ずれて停止した場合に、所定の上段図柄の上端まで照らすようになっていることで、ずれが生じる多くのケースにおいて、上段図柄の視認性が低下するのを防止できる。
なお、3ステップ角分よりも大きいずれが生じてしまうケースは、スロットマシン10が正常に動作している範囲では考えにくく、またあまりに広い範囲を照明してしまうと、上段図柄よりも上の図柄や下段図柄よりも下の図柄まで照明してしまうおそれもあるので最大でも3ステップ角分以下とすることが好ましい。
図9は、本実施の形態に係る上段照射範囲、中段照射範囲、および下段照射範囲の一例を説明する図である。上段照射範囲は、設計上の停止位置にリール60,70,80が停止したときに、リールテープ64,74,84の周方向において、上段図柄領域の全体に加え上方側にβ(βは長さ)の範囲までリールテープ64,74,84を照明できるようになっている。すなわち、上段照射範囲は、リールテープ64,74,84の周方向において、1図柄領域の周方向長さ+βの範囲までリールテープ64,74,84を照明できるようになっている。また、下段照射範囲は、設計上の停止位置にリール60,70,80が停止したときに、リールテープ64,74,84の周方向において、下段図柄領域の全体に加え下方側にβ(βは長さ)の範囲までリールテープ64,74,84を照明できるようになっている。すなわち、下段照射範囲は、リールテープ64,74,84の周方向において、1図柄領域の周方向長さ+βの範囲までリールテープ64,74,84を照明できるようになっている。また、中段照射範囲は、設計上の停止位置にリール60,70,80が停止したときに、リールテープ64,74,84の周方向において、中段図柄領域の全体に加え上方側にα/2、下方側にα/2(αは長さ)の範囲までリールテープ64,74,84を照明できるようになっている。すなわち、中段照射範囲は、リールテープ64,74,84の周方向において、1図柄領域の周方向長さ+αの範囲までリールテープ64,74,84を照明できるようになっている。ここで、αはβ未満(α<β)となるように設定されている。換言すると、中段照射範囲は、上段照射範囲および下段照射範囲よりも狭く設定されている。以上のように、各照射範囲が設定されているので、上段図柄領域の下端部においては、上段照射範囲と中段照射範囲とがα/2の分だけ重複し、下段図柄領域の上端部においては、下段照射範囲と中段照射範囲とがα/2の分だけ重複する。しかし、αがβに比べて小さく設定されていることにより、上段図柄領域と中段図柄領域との境界部および中段図柄領域と下段図柄領域との境界部において、照明が明るくなり過ぎる(輝度が高くなり過ぎる)のを防止できる。なお、これまでの記載から明らかなように、βは、リール60,70,80が、設計上の停止位置に対して正転側あるいは逆転側にNステップ角分(Nは1〜3の整数)ずれて停止した場合でも、LED200の光が上段図柄領域の上端および下段図柄領域の下端まで照らすことができる長さに設定されている。
次に、図10を用いて、第1リール60の寸法関係について説明する。なお、第2リール70および第3リール80については、第1リール60と同様であるため重複する説明を省略する。第1リール60は、直径が約φ231mmとなっている。リールの中心からLED基板210までの最小距離は、約66.1mmとなっている。
また、図8(b)で説明した直線L3〜L8に加え、上段LED201の中央を通りLED基板210の実装面に垂直な直線を直線M1とし、中段LED202の中央を通りLED基板210の実装面に垂直な直線を直線M2とし、下段LED203の中央を通りLED基板210の実装面に垂直な直線を直線M3とする。直線M1と直線L3との距離(寸法あ)は、直線M1と直線L4との距離(寸法い)より大きい。換言すると、上段LED201は、リフレクタ220の基板側開口の上下方向中央より下方側(中段LED202側)に配置されている。また、直線M2と直線L5との距離(寸法う)は、直線M2と直線L6との距離(寸法え)は、略等しい。換言すると、中段LED202は、リフレクタ220の基板側開口の上下方向略中央に位置している。また、直線M3と直線L7との距離(寸法お)は、直線M4と直線L8との距離(寸法か)より小さい。換言すると、下段LED203は、リフレクタ220の基板側開口の上下方向中央より上方側(中段LED202側)に配置されている。
なお、本実施の形態では、ステッピングモータSM1〜SM3は、504ステップ(252ステップ角)で各リール60,70,80を一回転させるものとしたが、ステッピングモータSM1〜SM3のステップ数(ステップ角数)はこれに限られるものではない。例えば、336ステップ(168ステップ角)の変位でリールが一回転するものとしてもよい。この場合、21コマリールでは1図柄当たり8ステップ角となる。また、420ステップ(210ステップ角)の変位でリールが一回転するものとしてもよい。この場合、21コマリールでは1図側当たり10ステップ角となる。
図30(a)に示すように、第1リール60を構成する一対のリング62a,62aは、対向するリング62a側(すなわち内側)に向かって突出した形状を有する一対のリールテープ支持部65,65を備えている。図4を参照しながら説明すると、ハブ61と、一対のリング62a,62aおよび連結片63bを有するリム62と、スポーク63とは、リールドラム(枠体)を構成し、この枠体における一対のリング62a,62aは、図30(a)に示す一対のリールテープ支持部65,65を備えている。この一対のリールテープ支持部65,65は、軸方向(左右方向)に所定の幅(約5mm程度)を有している。一対のリールテープ支持部65,65は、リールテープ64の左右方向(幅方向)両端の部分(約5mm幅)を支持するために設けられており、リールテープ64は、例えば貼り付けによりリールテープ支持部65に固定されている。換言すると、リールテープ64の背面側の左右の端部が、リールテープ支持部65,65(リング62a,62a)に支持されている。さらに換言すると、リールテープ支持部65,65は、LED200(図6(a)参照)とリールテープ64の背面側の左右の端部との間に介在している。なお、第2リール70および第3リール80にも同様の構成が設けられている。
図30(b)は、リールテープ64をリールテープ支持部65に貼り付けた状態を示している。リールテープ64には、他の図柄(リプレイ、ベル等)に比べて左右方向の長さが長い特別図柄301(青7、白7、BAR等)が設けられている。この特別図柄301は、図柄の外周部に形成され、光の透過率が低い非透光部311(低透光部)(高遮光部)と、非透光部311の内側に形成され、光の透過率が高い透光部312(高透光部)(低遮光部)とを有している。非透光部311は、例えば有色不透明であり、黒色等である。透光部312は、例えば有色透明であり、赤色等である。なお、非透光部311は、透光部312に比べて相対的に透過率が低く設定されていればよく、必ずしも光を完全に遮断するものでなくてもよいが、遊技者から見て実質的に透光性を有していないと感じられる程度に透過率が低いことが望ましい。
ここで、説明のために、リールテープ64の左端から約5mm内側(右側)の線を線V1とし、リールテープ64の右端から約5mm内側(左側)の線を線V2とする。
透光部312は、その端部(左端および右端)(角部)が、線V1および線V2の内側となるように設けられている。換言すると、透光部312は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部65と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重ならない位置となるように設けられている。これにより、LED200からの光がリールテープ支持部65によって遮られ、透光部312の端部(左端および右端)(角部)が陰ってしまい、視認性が低下するのを防止できる。
一方、非透光部311は、その端部(左端および右端)(角部)が線V1および線V2の外側となるように設けられている。換言すると、非透光部311は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部65と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重なる位置となるように設けられている。なお、非透光部311における左右方向のいずれか一方の端部(左端および右端)(角部)が、リールテープ支持部65と重なる位置となるように設けられていてもよい。
このように構成することで、遊技性を向上させる観点等から視認性を向上させたい特別図柄301を可能な限り大きく表示できるとともに、特別図柄301における照明を要する箇所(すなわち透光部312)には確実に光が到達し、特別図柄301の視認性の低下を防止できる。
リールテープ支持部65は、第1リール60を構成するリールドラム、すなわちハブ61(図4参照)、リム62(図4参照)およびスポーク63(図4参照)と同様に樹脂で形成されている。当該樹脂が黒色等の不透明(透光性を有しない)のものである場合、内側からの光がリールテープ支持部65によって遮られるため、透光部312をリールテープ支持部65と重ならない位置に設けることが特に有効となる。なお、樹脂が透明(無色透明または有色透明)(透光性を有する)の場合であっても、リールテープ支持部65によって光の透過量が減少することとなるため、透光部312をリールテープ支持部65と重ならない位置に設けることは有効である。
また、図11に示すように、LED基板210には、当該LED基板210に設けられたLED200のそれぞれの近傍に、それぞれのLED200を識別するための識別符号205が記されている。以下、第1リール60に設けられたLED基板210を用いて説明する。LED基板210には、第1リール60の周方向に連続して並ぶ各部屋229の底面側開口に臨んで複数のLED200が実装されている。各部屋229には2〜9個のLED200が臨んでおり、1枚のLED基板210には6〜27個のLED200が実装されている。なお、図11では、1枚のLED基板210に9個のLED200が実装されている場合を示しているが、LED200の個数はこれに限られるものではない。例えば、リフレクタ220の各部屋229の底面側開口に、それぞれ9個のLED200が臨んでいてもよい。この場合、1枚のLED基板210に27個のLED200が設けられる(実装される)ことになる。
1枚のLED基板210に9個のLED200が実装されている場合には、各LED200には、1〜9までの通し番号が付与されている。各LED200の近傍には、識別符号205として「LED1」〜「LED9」までの文字がそれぞれ記されている。なお、1枚のLED基板210にn(自然数)個のLED200が実装されている場合には、各LED200には、1〜nまでの通し番号が付与されている。そして、各LED200の近傍には、識別符号205として「LED1」〜「LEDn」までの文字がそれぞれ記されている。
通し番号は、遊技機(LED基板210)の設計者によって定められるものであり、例えば9個のLED200のうちの1個のLED200が点灯しなくなった場合等に、当該点灯しなくなったLED200の識別符号205を確認することで、点灯しなくなったLED200の通し番号を判別することが可能となり、当該点灯しなくなったLED200の識別符号205からLED基板210の回路図等を辿ることにより、LED基板210の故障個所等を解析することが可能となる。
また、識別符号205は、リフレクタ220がLED基板210の前面側に配置された状態であっても各LED200を識別可能な位置に設けられている。すなわち、リフレクタ220は、LED基板210の前方に、LED基板210のLED200が実装された面の少なくとも一部を覆うように配置されているが、リフレクタ220の各部屋229の底面側開口は、LED基板210の表面に臨んでおり、この底面側開口に臨むようにして識別符号205がLED200の近傍に記されている。したがって、リフレクタ220が配置された状態においても、リフレクタ220の底面側開口(部屋229)を通して、各LED200の通し番号が何番なのかがわかるようになっている。このとき、識別符号205は、その全体が視認可能となっていなくてもよく、各LED200を識別可能な状態となっていればよい。例えば、「LED1」〜「LEDn」までの文字のうち、その一部がリフレクタ220によって隠されていても、数字部分「1」〜「n」が判別可能な程度に見えていれば、各LED200を識別することが可能となる。
なお、識別符号205としての「LED1」〜「LED9」の文字のうちの数字部分「1」〜「9」は、リフレクタ220がLED基板210の前面側に配置された状態において、正面側から部屋229を通してすべて視認可能な状態となっている。したがって、LED基板210の前面側に設けられたLED200は全て、識別符号205により識別可能な状態となっている。
また、LED基板210の前面に設けられた識別符号205はすべて、LED200に対して同じ側(図11ではLED200の下側)に設けられている。また、識別符号205は、すべて標記方向が揃えられている。例えば、図11に示すように、識別符号205はすべて、左から右に読むように記されている。
また、ここではバックライト装置150のリフレクタ220およびLED基板210を例にとって説明したが、演出用の照明装置等の他の照明装置に用いられるリフレクタおよびLED基板についても同様に、リフレクタが配設された状態で識別符号205を判別可能に構成してもよい。また、ここでは隣接する部屋229どうしを仕切り、隣接する部屋229からの光を遮る仕切り部材として、光を反射するリフレクタ220(例えば、白色の仕切り部材)を用いた場合を例にとって説明したが、リフレクタ220の替わりに光を反射しないもの(例えば、黒色の仕切り部材)を用いてもよい。
次に、図12を用いて、スタートレバーユニット900について説明する。図12は、スタートレバーユニット900の断面図である。スタートレバーユニット900は、スタートレバー990、ハウジング901、ホルダ902、キャップ903、スリーブ904、ばね905、プッシュナット906、マスク907およびセンサ908等を備えている。なお、図12は、スタートレバー990の非操作時の状態を示している。
スタートレバー990は、球状の操作部991と、操作部991に連結されている棒状のシャフト992とを備えている。スタートレバー990は、シャフト992がスタートレバー990の設置面F(図1参照)に対して垂直となるように配置されている。設置面Fは、前後方向に対して垂直な面である。操作部991は、例えば、樹脂で形成されている。シャフト992は、例えば、ステンレスで形成されている。図12に示すように、シャフト992は、大径部993と小径部994とを備えており、大径部993と小径部994との境界となる部分には、段差部995が形成されている。段差部995は、シャフト992の軸方向と垂直な面となっている。
ハウジング901は、有底円筒状に形成されている部材であり、例えば、樹脂で形成されている。ハウジング901の底部901aには、シャフト992の小径部994を挿通させるための貫通孔901bが設けられている。ホルダ902は、円筒状に形成された部材であり、例えば、樹脂で形成されている。ホルダ902の一端側(前方側)にはハウジング901が取り付けられ、ホルダ902の他端側(後方側)には後述するキャップ903が取り付けられている。ハウジング901およびキャップ903のホルダ902への取り付けは、例えば、爪嵌合である。
シャフト992は、小径部994が貫通孔901bに挿し通され、小径部994の一部が貫通孔901bから後方に突出し、当該突出した部分がホルダ902の内部に収容されるようになっている。また、このとき、段差部995がハウジング901の底部901a(底部901aの前方側の面)と接触するようになっている。小径部994のうち、貫通孔901bから後方に突出している部分には、後述するスリーブ904、ばね905、およびプッシュナット906が挿し通されて取り付けられている。
スリーブ904は、ばね905の付勢力を受ける受け部材であり、例えば、樹脂で形成されている。スリーブ904は、ばね905と接触する面とは反対側に、シャフト992の軸方向に対して垂直な面となる平面部904aを有している。スリーブ904の平面部904aは、底部901aの後方側の面(底部901aの背面部901cという)と接触するようになっている。ばね905は、スプリングであり、例えば、ステンレスで形成されている。プッシュナット906は、ばね905の付勢力を受ける受け部材であり、例えば、樹脂で形成されている。
図12に示すように、シャフト992には、プッシュナット906の抜け止めの役割を担う抜止部996が形成されている。抜止部996は、小径部994の他の箇所より径が大きく形成された部位となっている。プッシュナット906の一端が抜止部996に当接することによって、スリーブ904、ばね905およびプッシュナット906が、小径部994に挿し通された状態で保持されている。
図12に示す状態では、ばね905の付勢力によって、スリーブ904の平面部904aと、底部901aの背面部901cとが面接触するようになっている。これにより、スタートレバー990は、シャフト992が前後方向に対して水平となる姿勢、すなわち、シャフト992が設置面Fに対して垂直となる姿勢(中立状態)を保つようになっている。なお、前面扉12の設置面Fが上下方向または左右方向に対して傾斜する傾斜面となっている場合、当該傾斜面に対して垂直となる姿勢を、スタートレバー990の中立状態としてもよい。また、前面扉12自体が垂直方向(鉛直方向)に対して傾斜している場合、その前面扉12に対して垂直となる姿勢を、スタートレバー990の中立状態としてもよい。
以下、スタートレバー990の非操作時における当該姿勢を初期位置という。また、初期位置におけるシャフト992の軸を基準軸Xとする。スタートレバー990が初期位置にある状態では、遊技者は、スタートレバー990を全方位に対して傾動させることができるようになっている。なお、スタートレバー990は、前後方向に対しても操作可能としてもよい。すなわち、スタートレバー990は、引っ張る方向または押し込む方向にも操作可能であってもよい。
次に、スタートレバー990を操作し、傾動させた場合について説明する。図13は、スタートレバー990を下方に傾動させた状態におけるスタートレバーユニット900の断面図を示している。この状態では、スリーブ904における平面部904aの一方側(上方側)が底部901aの背面部901cに当接しているとともに、平面部904aの他方側(下方側)が底部901aの背面部901cから離れた状態となっており、かつ、ばね905が所定の長さだけ撓んだ状態となっている。また、スタートレバー990を傾動させる際における、ばね905を撓ませるのに要する力は、スタートレバー990を操作するのに必要な力となっている。換言すると、スタートレバー990の操作力は、ばね905の弾性力によって実現されている。
図13に示す状態で、遊技者がスタートレバー990から指等を離すと、ばね905が元に戻る変形をすることに伴い、スリーブ904の平面部904aが底部901aの背面部901cに再び面接触するようになっている。これにより、スタートレバー990は、図12に示す状態(初期位置)に戻るようになっている。
次に、スタートレバー990の操作の検出について説明する。なお、下記説明は、スタートレバー990の操作の検出の一例を示すものであって、検出方法はこれに限定されるものではなく、他の方法でもよい。図14(a)に示すように、シャフト992の小径部994の端面は、反射面997となっている。反射面997は、後述するセンサ908から投光された光を反射可能な面となっている。キャップ903は、ホルダ902の後端側に取り付けられている蓋状の部材であり、樹脂で形成されている。キャップ903は、マスク907およびセンサ908等を保持した状態でホルダ902に取り付けられている。
マスク907は、初期位置のシャフト992と略同軸上となる位置に形成された小径の孔907aを有する板状の部材である。孔907aは、後述するセンサ908が投光する光をシャフト992側に通すために設けられている。センサ908は、初期位置のシャフト992と略同軸上となる位置に形成された投受光部(不図示)を備えている。センサ908は、例えば、制御部(不図示)からの信号に基づいて投受光部から光を投光するとともに、投光した光の反射光を受光したか否かに基づき、条件に該当する信号を出力するようになっている。
本実施形態では、図14(a)に矢印で示すように、センサ908は、反射面997で反射された反射光を受光した場合には、スタートレバー990が初期位置にあることを示す信号、すなわち、スタートレバー990の操作を検出していないことを示す信号(OFF信号)を出力するようになっている。また、図14(b)に矢印で示すように、センサ908は、反射面997で反射された反射光を受光しない場合には、スタートレバー990が初期位置にないことを示す信号、すなわち、スタートレバー990の操作を検出したことを示す信号(ON信号)を出力するようになっている。
次に、図15および図16の断面図を用いて、スタートレバー990の動作の特性について詳細に説明する。図15は、所定の機種(第1の機種とする)におけるスタートレバー990の動作特性を説明するための断面図である。図15(a)は、スタートレバー990が初期位置にある状態を示している。図15(b)は、スタートレバー990が検出位置にある状態を示している。検出位置とは、スタートレバー990の操作が検出される位置である。換言すると、検出位置とは、センサ908からON信号が出力された際のスタートレバー990の位置である。図15(c)は、スタートレバー990が最大位置にある状態を示している。最大位置とは、スタートレバー990における操作部991の傾動距離または傾動角度が最大となる位置である。操作部991の傾動距離および傾動角度については後述する。スタートレバー990の傾動は、スタートレバー990の任意の箇所がハウジング901、ホルダ902等に形成されたメカエンドに当接することによって停止するようになっている。メカエンドの箇所は、1箇所であっても複数箇所であってもよい。スタートレバー990がメカエンドに当接したとき、操作部991の傾動距離または傾動角度は最大となる、すなわち、スタートレバー990の位置は最大位置となる。
次に、操作部991の傾動距離(移動量)について説明する。図15(a)に示すように、スタートレバー990の先端を先端A(頂点A)とする。本実施の形態では、操作部991におけるシャフト992連結側とは反対側の端部、すなわち遊技者側の端部(端点)が先端A(頂点A)となっている。また、シャフト992の端部のうち、操作部991が設けられていない側の端部(端面)を、シャフト992の後端Bとする。本実施の形態では、反射面997が後端Bとなっている。なお、シャフト992の後端Bとは、前方側の操作部991を傾動させることに伴い当該傾動の向きとは逆向きに傾動する部位の端部である。
操作部991の傾動距離とは、スタートレバー990の頂点Aと基準軸Xとの間の最小距離である。図15(a)に示す初期位置では、操作部991の傾動距離は0mmとなっている。一方、図15(b)に示す検出位置では、操作部991の傾動距離は約4.0mmとなっている。
次に、操作部991(シャフト992)の傾動角度について説明する。シャフト992の軸を軸Zとした場合、シャフト992の傾動角度とは、操作部991側において、軸Zと基準軸Xとがなす角の角度である。図15(a)に示す初期位置では、基準軸Xと軸Zとが一致しているためシャフト992の傾動角度は0°となっている。一方、図15(b)に示す検出位置では、シャフト992の傾動角度は約3.9°となっている。
図15(a)に示すように、第1の機種では、シャフト992の回動中心Gから先端Aまでの距離は60.2mmとなっている。また、シャフト992の回動中心Gから後端B(反射面997)までの距離(距離S)は21.3mmとなっている。回動中心Gから先端Aまでの距離は、回動中心Gから後端Bまでの距離より長くなっている。換言すると、シャフト992の傾動の支点からスタートレバー990の先端Aまでの距離は、シャフト992の傾動の支点からシャフト992の後端Bまでの距離より長くなっている。シャフト992の傾動の支点から力点(先端A)までの距離を、当該支点から作用点(後端B)までの距離より長くすることで、より少ない力でばね905(図13参照)を撓ませることができるようになる。また、反射面997と、センサ908の投受光面側に配置されているマスク907との間の距離は4.2mmとなっている。なお、各寸法は中央値であり、それぞれが所定の公差を有している。
図15(b)に示すように、スタートレバー990を初期位置から検出位置まで傾動させる際における、操作部991の傾動距離は約4.0mmであり、シャフト992の傾動角度は約3.9°となっている。なお、このとき、スタートレバー990を初期位置から検出位置まで傾動させる際における、反射面997の中心点の傾動距離は、約1.7mmとなっている。
図15(c)に示すように、スタートレバー990を初期位置から最大位置まで傾動させる際における、操作部991の傾動距離は約8.4mmであり、シャフト992の傾動角度は約8.0°となっている。なお、このとき、スタートレバー990を初期位置から最大位置まで傾動させる際における、反射面997の中心点の傾動距離は、約2.9mmとなっている。
図16は、所定の機種(第2の機種とする)におけるスタートレバー990の動作特性を説明するための断面図である。図16(a)に示すように、第2の機種では、シャフト992の回動中心Gから先端Aまでの距離は60.2mmとなっている。また、シャフト992の回動中心Gから後端B(反射面997)までの距離(距離S)は31.3mmとなっている。回動中心Gから先端Aまでの距離は、回動中心Gから後端Bまでの距離より長くなっている。換言すると、シャフト992の傾動の支点からスタートレバー990の先端Aまでの距離は、シャフト992の傾動の支点からシャフト992の後端Bまでの距離より長くなっている。また、反射面997と、センサ908の投受光面側に配置されているマスク907との間の距離は4.2mmとなっている。なお、各寸法は中央値であり、それぞれが所定の公差を有している。
図16(a)は、スタートレバー990が初期位置にある状態を示している。初期位置では、操作部991の傾動距離は0mmであり、シャフト992の傾動角度は0°となっている。
図16(b)は、スタートレバー990が検出位置にある状態を示している。スタートレバー990を初期位置から検出位置まで傾動する際における、操作部991の傾動距離は約3.6mmであり、シャフト992の傾動角度は約3.4°である。なお、このとき、スタートレバー990を初期位置から検出位置まで傾動させる際における、反射面997の中心点の傾動距離は、約1.7mmとなっている。
図16(c)は、スタートレバー990が最大位置にある状態を示している。スタートレバー990を初期位置から最大位置まで傾動する際における、操作部991の傾動距離は約8.4mmであり、シャフト992の傾動角度は約8.0°である。なお、このとき、スタートレバー990を初期位置から最大位置まで傾動させる際における、反射面997の中心点の傾動距離は、約4.3mmとなっている。
図17は、機種ごとにおける操作部991の傾動距離およびシャフト992の傾動角度を示す図である。第1の機種において、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離(約4.0mm)は、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離(約8.4mm)の50%以下の値となっている。また、第1の機種において、初期位置から検出位置までのシャフト992の傾動角度(約3.9°)は、初期位置から最大位置までのシャフト992の傾動角度(約8.0°)の50%以下の値となっている。ただし、初期位置から検出位置までの傾動距離および傾動角度は、0を超える値となっているものとする。
第2の機種において、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離(約3.6mm)は、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離(約8.4mm)の50%以下の値となっている。また、第2の機種において、初期位置から検出位置までのシャフト992の傾動角度(約3.4°)は、初期位置から最大位置までのシャフト992の傾動角度(約8.0°)の50%以下の値となっている。ただし、初期位置から検出位置までの傾動距離および傾動角度は、0を超える値となっているものとする。
なお、傾動距離および傾動角度の値は、ばらつきを有するものであるが、値がばらついた場合であっても、初期位置から検出位置までの傾動距離および傾動角度は、初期位置から最大位置までの傾動距離および傾動角度の50%以下の値となるようになっている。
以上のように、本実施の形態に係る遊技機は、シャフト992と、シャフト992の先端側に形成された操作部991とを有するスタートレバー990を備え、スタートレバー990は、非操作時の位置である初期位置から、スタートレバー990の操作が検出される位置である検出位置を経由し、初期位置に対するスタートレバー990の操作量が最大となる位置である最大位置まで傾動可能となっており、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離は、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離に対して、0を超える値であり、かつ50%以下の値となっている。また、初期位置から検出位置までのシャフト992の傾動角度は、初期位置から最大位置までのシャフト992の傾動角度に対して、0を超える値であり、かつ50%以下となっている。
このため、スタートレバー990の操作部991を最大位置まで傾動操作するのに必要な操作量の50%以下の操作量で、スタートレバー990を操作したことが検出されるようになっている。これにより、スタートレバー990の操作が検出される感度を向上させることができる。また、スタートレバー990のレスポンスが向上した遊技機を提供することができる。また、本実施の形態に係る遊技機によれば、スタートレバー990を操作したにも拘わらず傾動不足により操作が検出されず、スタートレバー990を再操作しなければならないという煩わしさが解消される。このため、遊技機の遊技性を向上させることができる。
また、検出感度のさらなる向上という観点からは、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度に対する、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度は、50%未満の値が好ましく、48%未満の値がより好ましく、45%未満の値がさらに好ましい。また、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度に対する、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度は、20%以上の値がより好ましい。これにより、誤検知を抑制することができるためである。また、スタートレバー990は全方位に対して傾動させることができるが、スタートレバー990を、方向の異なる任意の2方向いずれに傾動させた場合であっても、初期位置から検出位置までのシャフト992の傾動角度は、初期位置から最大位置までのシャフト992の傾動角度に対して、0を超える値であり、かつ50%未満となっていることが好ましく、20%以上48%以下の値であることがより好ましい。方向の異なる任意の2方向とは、例えば上方向と下方向の2方向、右方向と左方向の2方向であるが、必ずしも中立位置を介して対称の方向である必要はなく、例えば右斜め下と左斜め下の2方向であってもよい。
また、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾斜角度は、0を超える値であり、かつ公差最大(ばらつきが最大)となった場合でも、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾斜角度に対して、50%未満の値となることがより好ましい。なお、公差最大(ばらつきが最大)とは、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾斜角度が最大となるようにばらつき、かつ初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾斜角度が最小となるようにばらついた場合を指す。このように、初期位置から検出位置までの傾動距離または傾動角度を、初期位置から最大位置までの傾動距離または傾動角度の50%未満とすることで、初期位置から最大位置までの傾動距離または傾動角度を、初期位置から検出位置までの傾動距離または傾動角度の2倍以上とし、スタートレバー990の操作の検出感度を向上させるとともに、スタートレバー990の操作が検出された後さらにスタートレバー990を操作する(傾動させる)ことが可能な範囲を十分に確保することができる。これにより、検出感度の向上と、押しごたえのある操作感の提供との相反する効果を両立させることができる。
また、図16に示すように、第2の機種は、第1の機種に対し、距離Sの寸法のみが大きくなるように変更されたものである。このように、スタートレバー990の構成を変更することなく、距離Sの寸法のみを大きくすることで、より少ない操作量でスタートレバー990の操作が検出されるようになり、スタートレバー990のレスポンスが向上する。
また、図16では、反射面997の直径が3.6mmである場合を示したが、当該直径の寸法を小さくすることによっても、スタートレバー990の操作が検出される感度を向上させることができる。例えば、図16(b)において、反射面997の直径をさらに小さくした場合、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離を約2.5mmとすることができる。
上記では、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度を、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度の50%以下の値とする場合について説明した。これに対し、例えば、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度を、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度の20%〜50%の値とした場合、上述の効果に加え、スタートレバー990の操作の誤検知を抑制することができる。当該誤検知には、例えば、スロットマシンにおけるスタートレバー990の周辺を叩くことによって発生する振動等に起因するものがある。
次に、スタートレバー990、MAXベットボタン23、およびストップボタン26の操作荷重について説明する。以下、スタートレバー990を初期位置から検出位置まで傾動させるのに要する操作荷重を、スタートレバー990の検出荷重という。また、スタートレバー990を初期位置から最大位置まで傾動させるのに要する操作荷重を、スタートレバー990の最大荷重という。スタートレバー990の検出荷重は、約1.5Nとなっている。また、スタートレバー990の最大荷重は、約3.0Nとなっている。
図18は、MAXベットボタン23の断面図である。MAXベットボタン23は、上方から下方に向かって押し込まれるように操作されるボタンである。MAXベットボタン23は、押圧部981、ばね982およびセンサ983等を備えている。押圧部981は、遊技者の指等によって操作される部品であり、例えば、樹脂で形成されている。ばね982は、押圧部981を上方に付勢するとともに、押圧部981が押し込み操作されると弾性変形し、撓むようになっている。センサ983は、例えば、フォトセンサである。センサ983は、例えば、押圧部981の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、ON信号を出力するようになっている。
ここで、押圧部981を押し込み、ばね982を弾性変形させ、センサ983からON信号(MAXベットボタン23が操作されたことを示す信号)が出力される位置まで押圧部981を移動させるのに要する荷重を、MAXベットボタン23の検出荷重とする。MAXベットボタン23の検出荷重は、約0.8Nとなっている。なお、押圧部981の初期位置から検出位置までの移動量(ONストローク)は、約1.0mmである。ONストロークは、押圧部981を、非操作時の位置である初期位置から、操作が検出される位置である検出位置まで移動させるときの移動量ということができる。
押圧部981は、検出荷重より大きな荷重で操作された場合、ばね982を弾性変形させながらさらに押し込まれるようになっている。そして、押圧部981は、任意の箇所に設けられているメカストッパー(メカエンド)に当接して、停止するようになっている。ここで、押圧部981を押し込み、ばね982を弾性変形させ、メカストッパーに当接するまで押圧部981を移動させるのに要する荷重を、MAXベットボタン23の最大荷重とする。MAXベットボタン23の最大荷重は、約1.6Nとなっている。なお、押圧部981の初期位置からメカストッパーに当接するまでの移動量(フルストローク)は、約2.0mmである。フルストロークは、押圧部981を、非操作時の位置である初期位置から、初期位置に対する操作量が最大となる位置である最大位置まで移動させるときの移動量ということができる。
図19は、ストップボタン26の断面図である。ストップボタン26は、前方から後方に向かって押し込まれるように操作されるボタンである。ストップボタン26は、押圧部984、ばね985およびセンサ986等を備えている。押圧部984、ばね985およびセンサ986は、図18に示した押圧部981、ばね982、センサ983と同等の機能を有する構成であるため、重複する説明を省略する。
ストップボタン26の検出荷重は、約0.7Nとなっている。なお、ストップボタン26のONストロークは、約1.0mmとなっている。また、ストップボタン26の最大荷重は、約1.4Nとなっている。なお、ストップボタン26のフルストロークは、約2.0mmとなっている。
MAXベットボタン23のONストロークは、ストップボタン26のONストロークと同一または略同一となっている。略同一とは、両者の差が、例えばMAXベットボタン23のONストロークの約10%以内であることをいう。例えば、MAXベットボタン23のONストロークが1.0mmである場合、ストップボタン26のONストロークが1.0mm±0.1mmの範囲内であれば両者は略同一となる。なお、上記では、MAXベットボタン23のONストロークの約10%以内としたが、ストップボタン26のONストロークの約10%以内としてもよい。
また、MAXベットボタン23のフルストロークは、ストップボタン26のフルストロークと同一または略同一となっている。略同一とは、両者の差が、例えばMAXベットボタン23のフルストロークの約10%以内であることをいう。例えば、MAXベットボタン23のフルストロークが2.0mmである場合、ストップボタン26のフルストロークが2.0mm±0.2mmの範囲内であれば両者は略同一となる。なお、上記では、MAXベットボタン23のフルストロークの約10%以内としたが、ストップボタン26のフルストロークの約10以内としてもよい。
また、MAXベットボタン23およびストップボタン26のONストロークを例えば約1.5mmとし、フルストロークを例えば約3.0mmとしてもよい。
MAXベットボタン23とストップボタン26とでONストロークおよびフルストロークが同一または略同一であり、押し込み量が同等となっているため、遊技者は同じぐらいの操作量で各ボタンを操作することができ、遊技性が向上する。
また、MAXベットボタン23のONストロークを(約1.5mm)とし、ストップボタン26のONストローク(約1.0mm)より大きくするとともに、MAXベットボタン23のフルストローク(約3.0mm)を、ストップボタン26のフルストローク(約2.0mm)より大きくしてもよい。このように、MAXベットボタン23のONストロークおよびフルストロークが、ストップボタン26のONストロークおよびフルストロークより大きい場合、遊技者は、MAXベットボタン23の操作では押し込む感覚をより得ることができ、ストップボタン26の操作では少ない操作量でテンポよく操作することができる。これにより、心地よい操作感を得ることができる。また、両者に操作量の差(変化)を設けることで、退屈しにくくなり遊技性が向上する。
図20は、スタートレバー990、MAXベットボタン23、ストップボタン26および演出ボタン29の操作荷重を示す図である。本実施の形態に係る遊技機では、遊技者にとって相対的に好適な操作荷重となるように、各ボタンの操作荷重が設定されている。スタートレバー990を、非操作時の位置である初期位置から、操作が検出される位置である検出位置まで移動させるのに必要な操作荷重(スタートレバー990の検出荷重:約1.5N)(第1検出荷重)は、ストップボタン26を初期位置から検出位置まで移動させるのに必要な操作荷重(ストップボタン26の検出荷重:約0.7N)(第3検出荷重)より大きい値となっている。換言すると、スタートレバー990を、非操作時の位置である初期位置から、操作が検出される位置である検出位置まで移動させるのに必要な操作荷重である第1検出荷重は、ストップボタン26を初期位置から検出位置まで移動させるのに必要な操作荷重である第3検出荷重より大きくなっている。また、第3検出荷重は、第1検出荷重の50%以下となっている。
また、スタートレバー990を、非操作時の位置である初期位置から、初期位置に対する操作量が最大となる位置である最大位置まで移動させるのに必要な操作荷重(スタートレバー990の最大荷重:約3.0N)(第1最大荷重)は、ストップボタン26を初期位置から最大位置まで移動させるのに必要な操作荷重(ストップボタン26の最大荷重:約1.4N)(第3最大荷重)より大きい値となっている。換言すると、スタートレバー990を、非操作時の位置である初期位置から、初期位置に対する操作量が最大となる位置である最大位置まで移動させるのに必要な操作荷重である第1最大荷重は、ストップボタン26を初期位置から最大位置まで移動させるのに必要な操作荷重である第3最大荷重より大きくなっている。また、第3最大荷重は、第1最大荷重の50%以下となっている。
スタートレバー990は、役抽選を実行する際に操作されるものであり、遊技者が期待を込めて力強く操作することがある。このため、ストップボタン26に比べて重みのある操作感をスタートレバー990に持たせることで、押しごたえがあり心地よい操作フィーリングを遊技者に提供することができる。これにより、スタートレバー990の操作感が遊技者にとって好適なものとなり、遊技性が向上する。また、ストップボタン26操作時に、軽くて心地よい操作感を遊技者に提供することができる。
また、スタートレバー990の検出荷重(約1.5N)(第1検出荷重)は、MAXベットボタン23の検出荷重(約0.8N)(第2検出荷重)より大きい値となっている。また、スタートレバー990の最大荷重(約3.0N)(第1最大荷重)は、MAXベットボタン23の最大荷重(約1.6N)(第2最大荷重)より大きい値となっている。このように、MAXベットボタン23に比べて重みのある操作感をスタートレバー990に持たせることで、押しごたえがあり心地よい操作フィーリングを遊技者に提供することができる。これにより、スタートレバー990の操作感が遊技者にとって好適なものとなり、遊技性が向上する。
なお、第1検出荷重、第2検出荷重および第3検出荷重は、予め設定された変更できない操作荷重となっている。また、第1最大荷重、第2最大荷重および第3最大荷重は、予め設定された変更できない操作荷重となっている。
また、図20に示すように、ストップボタン26の操作荷重(第3検出荷重および第3最大荷重)は、MAXベットボタン23の操作荷重(第2検出荷重および第2最大荷重)より小さい値となっている。ストップボタン26は、遊技毎に、回転リールの数に応じて複数個操作しなければならないボタンである。ストップボタン26の操作荷重が、MAXベットボタン23の操作荷重より小さく設定されていることで、遊技者は、ストップボタン26の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン26を押下することが可能となる。これにより、遊技者は快適に遊技を行うことが可能となり、遊技性が向上する。また、使用頻度の高いストップボタン26の操作荷重が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
また、MAXベットボタン23は、遊技を開始するための操作に用いられるボタンであり、上から叩くような操作が可能であるため、強い力で操作されることが多いボタンである。MAXベットボタン23の操作荷重が、ストップボタン26の操作荷重より大きく設定されていることで、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
また、スタートレバー990を、初期位置から最大位置まで移動させるときの移動量を第1最大移動量とし、MAXベットボタン23の押圧部981を、初期位置から最大位置まで移動させるときの移動量を第2最大移動量とし、ストップボタン26の押圧部984を、初期位置から最大位置まで移動させるときの移動量を第3最大移動量とすると、第1最大移動量は、第2最大移動量および第3最大移動量より大きい。また、スタートレバー990を、初期位置から検出位置まで移動させるときの移動量を第1検出移動量とし、MAXベットボタン23の押圧部981を、初期位置から検出位置まで移動させるときの移動量を第2検出移動量とし、ストップボタン26の押圧部984を、初期位置から検出位置まで移動させるときの移動量を第3検出移動量とすると、第1検出移動量は、第2検出移動量および第3検出移動量より大きい。
スタートレバー990は、役抽選を実行する際に操作されるものであり、遊技者が期待を込めて操作することがある。スタートレバー990の移動量を、MAXベットボタン23の移動量およびストップボタン26の移動量に比べて大きくすることで、スタートレバー990の操作では操作している感覚をより大きくすることができ、MAXベットボタン23の操作およびストップボタン26の操作では操作している感覚をより小さくすることができる。これにより、心地よい操作感を得ることができ、遊技性が向上する。
図1に示すように、本実施の形態では、演出ボタン29が下扉12bに設けられている。なお、演出ボタン29を設ける位置は、前面扉12の任意の箇所とすることができる。演出ボタン29は、押圧部を有し、例えば押圧部が上方から下方に押し込まれるように形成されているボタンである。なお、例えば押圧部が前方から後方に向かって押し込まれるように形成されていてもよい。演出ボタン29は、例えば、検出荷重(第4検出荷重)が約0.75N〜0.9Nとなっており、最大荷重(第4最大荷重)が約1.5N〜1.8Nとなっている。また、演出ボタン29のフルストロークは、約2.0mmとなっている。
図20に示すように、演出ボタン29の操作荷重(第4検出荷重および第4最大荷重)は、スタートレバー990の操作荷重(第1検出荷重および第1最大荷重)より小さい。換言すると、スタートレバー990の操作荷重(第1検出荷重および第1最大荷重)は、演出ボタン29の操作荷重(第4検出荷重および第4最大荷重)より大きい。スタートレバー990の操作荷重が演出ボタン29の操作荷重より大きく設定されているため、演出ボタン29に比べて重みのある操作感をスタートレバー990に持たせることができ、スタートレバー990の押しごたえのある操作感が損なわれることはない。
また、演出ボタン29の操作荷重(第4検出荷重および第4最大荷重)は、ストップボタン26の操作荷重(第3検出荷重および第3最大荷重)より大きく、MAXベットボタン23の操作荷重(第3検出荷重および第3最大荷重)と同等であるかそれよりも大きい。演出ボタン29は、ストップボタン26およびMAXベットボタン23よりも操作の頻度が低い。また、演出ボタン29は、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合、遊技者にとって勝負所である場合等に、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となるボタンであり、気分が高揚した状態の遊技者によって強い力で操作される傾向がある。そのため、演出ボタン29の操作荷重が、ストップボタン26の操作荷重より大きく、かつMAXベットボタン23の操作荷重と同等であるかそれよりも大きく設定されていることで、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。また、上下方向に操作される演出ボタン29は、興趣を向上させる契機となる場合に、遊技者によって連打操作されることがある。そのため、連打が容易となるように、演出ボタン29の操作荷重は大きすぎない値となっている。また、上下方向に対する操作の方が前後方向に対する操作に比べて連打が容易となるため、上下方向に対して操作可能に形成されている。
本実施の形態に係るスタートレバー990は、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度が、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度の50%以下の値となっている。また、スタートレバー990の検出荷重が、最大荷重の50%以下となっている。このように構成することで、操作が検出される感度を向上させるとともに、操作検出後さらに操作された場合には、押しごたえのある操作感を遊技者に提供することができる。すなわち、検出感度の向上と、押しごたえのある操作感の提供との相反する効果を両立させることができる。これにより、遊技性が向上する。
また、誤検知抑制の観点から、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度を、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度の20%〜50%の値とし、スタートレバー990の検出荷重を最大荷重の20%〜50%の値とすることがより望ましい。また、検出感度をさらに向上させたい場合、初期位置から最大位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度に対する、初期位置から検出位置までの操作部991の傾動距離またはシャフト992の傾動角度や、スタートレバー990の最大荷重に対する検出荷重を、20%〜48%の値としてもよく、さらには25%〜45%の値としてもよい。
また、本実施の形態に係るストップボタン26は、ONストロークがフルストロークの50%以下となっており、検出荷重が最大荷重の50%以下となっている。また、本実施の形態に係るMAXベットボタン23は、ONストロークがフルストロークの50%以下となっており、検出荷重が最大荷重の50%以下となっている。このため、ストップボタン26およびMAXベットボタン23においても、操作が検出される感度を向上させるとともに、操作検出後さらに操作された場合には、押しごたえのある操作感を遊技者に提供することができる。これにより、遊技性が向上する。
また、誤検知抑制の観点から、ストップボタン26のONストロークをフルストロークの20%〜50%の値とし、ストップボタン26の検出荷重を最大荷重の20%〜50%の値とすることがより望ましい。また、検出感度をさらに向上させたい場合、ストップボタン26のフルストロークに対するONストロークや、ストップボタン26の最大荷重に対する検出荷重を、20%〜48%の値としてもよく、さらには20%〜45%の値としてもよい。
また、誤検知抑制の観点から、MAXベットボタン23のONストロークをフルストロークの20%〜50%の値とし、MAXベットボタン23の検出荷重を最大荷重の20%〜50%の値とすることがより望ましい。また、検出感度をさらに向上させたい場合、MAXベットボタン23のフルストロークに対するONストロークや、MAXベットボタン23の最大荷重に対する検出荷重を、20%〜48%の値としてもよく、さらには20%〜45%の値としてもよい。
本実施の形態のスロットマシンにおいては、遊技に使用可能な正規のメダルは、φ25(直径約25mm)、厚さ約1.6mmのものとする。また、以下の説明において、単に「メダル」と言った場合には、基本的に正規のメダルを意味するものとする。また、他のスロットマシンにおける遊技において使用可能なメダルであって、本実施形態のスロットマシンに使用可能な正規のメダルよりも大径のメダルとしては、φ30(直径約30mm)のものを想定する。以下の説明において、「大径メダル」といった場合には、基本的にφ30、厚さ約1.7mmのメダルを意味するものとする。
なお、本発明において、正規のメダルおよび大径メダルは、それぞれ必ずしもφ25、φ30のメダルでなくてもよく、大径メダルが正規のメダルよりも大きいものであれば本発明を適用することが可能である。
メダル投入口821(メダル投入口部)を備えるメダル投入ユニット800について説明する。メダル投入ユニット800は、図21に示すように、メダル投入部811と、メダルを選別するセレクタ813と、メダル投入部811から投入されたメダルをセレクタ813へ導くメダル通路815と、センサユニット817と、Rシュート819と、を備えている。
メダルは、メダル投入部811のメダル投入口821から投入され、メダル通路815を通過して、セレクタ813に到達する。そして、セレクタ813では、メダルの選別が行なわれる。具体的には、メダルが正規のメダルの場合には、このメダルはRシュート819に向けて流され、Rシュート819を通ってホッパーユニットに到達する。一方、既定の大きさとは異なる大きさのメダル、例えば規定の大きさのメダルよりも小さいメダルや、不適切なタイミングで投入されたメダルは、非正規のメダルとして、前記メダル払い出し口からメダル受け皿28に排出されるように導かれる。
メダル投入部811は、メダル投入口821と、メダル制止壁822(壁部)と、メダルガイド部823と、を備えており、金属(例えば、ステンレス鋼等)により一体的に成形されている。メダルガイド部823は、メダルをメダル投入口821に案内するための部分であり、メダル投入口821に向かって前後に延びる断面円弧状の溝となっている。また、メダル制止壁822は、メダルガイド部823に沿って移動させたメダルを衝突させて、メダルの前後方向への動きを止め、メダルがメダル投入口821から投入されるように案内するためのものであり、壁面をメダル投入口821側に向けている。また、メダル制止壁822は、メダルガイド部823の後端からメダル1枚分の厚さよりも僅かに離れて配置されている。メダル投入口821は、メダルガイド部823と、メダル制止壁822との間に形成された左右に長いスリット状の孔(孔部)である。そして、遊技者が、メダルガイド部823に沿ってメダルをメダル制止壁822側に移動させ、メダルがメダル制止壁822に当接した状態でメダルを離すことで、メダルがメダル投入口821から投入されるようになっている。
メダル投入口821は、平面視において矩形状となっており、短辺(前後方向)の長さ(奥行)が正規のメダル1枚分の厚さよりも僅かに長くなっているとともに、長辺(左右方向)の長さ(幅)が正規のメダルの直径よりも僅かに長くなっている。また、メダル投入口821の短辺の長さは、正規のメダル2枚分の厚さよりも短くなっている。また、メダル投入口821は、短辺の長さが、大径メダル1枚分の厚さよりも僅かに長くなっているとともに長辺の長さが大径メダル1枚分の直径よりも短くなっている。また、メダル投入口821の短辺の長さは、大径メダル2枚分の厚さよりも短くなっている。換言すると、メダル投入口821の幅は、正規のメダルの直径よりも長く、大径メダルの直径よりも短くなっている。具体的には、例えば、約28mm〜29mmとなっている。
また、メダル制止壁822は、メダル投入口821から投入されたメダルをメダル通路815へと導く投入口側メダル通路825の後面を構成している(図3参照)。そして、メダル制止壁822の壁面と投入口側メダル通路825の後面とは面一となっている。また、メダル制止壁822は、その上部がメダル投入口821の後部から上方に延出している。また、メダル制止壁822の上縁は、メダルガイド部823よりも上方に位置しており、正面視において、メダルガイド部823の後方にメダル制止壁822の壁面が見えるようになっている。また、メダル制止壁822の上縁は、左右方向において、メダル投入口821の中央部に対応する部分が上方に凸となる山なり形状となっている。
なお、メダル制止壁822の壁面と投入口側メダル通路825の後面とは、面一となっていなくてもよく、例えば、メダル制止壁822の壁面が投入口側メダル通路825の後面よりも後方に位置するように形成されていてもよい。また、メダル制止壁822と投入口側メダル通路825の後面とが、別部材により形成されていてもよい
メダル投入口821から投入されたメダルは、投入口側メダル通路825を通過してメダル通路815に至るようになっている。
なお、以下では、メダル通路815や投入口側メダル通路825等の、メダルが通過する通路について、その断面の長辺方向(メダルの径方向に対応する方向)の長さを「幅」といい、短辺方向(メダルの厚さ方向に対応する方向)の長さを「高さ」ということとする。また、メダルが通過する通路について、メダルの後面(メダル通路815を通過するメダルにおける後側を向く面、以下同様)に対向する面を後面といい、メダルの前面(メダル通路815を通過するメダルにおける前側を向く面、以下同様)に対向する面を前面といい、メダルの側面に対向する面(通路の前面と後面とをつなぐ面)を側面という。
投入口側メダル通路825は、図22および図29に示すように、上方から下方へ向かう直線状となっており、メダルが上方から下方へ向かって真っすぐ流下するようになっている。また、投入口側メダル通路825は、上方の入口から下方の出口に向かって、幅が狭くなるとともに、高さが低くなっている。具体的には、投入口側メダル通路825の入口は、メダル投入口821に相当するので、その幅は前述の通り約28mm〜29mmとなっている。また、投入口側メダル通路825の出口の幅は、約26mmとなっている。なお、投入口側メダル通路825は、入口から出口に向かって、ほぼ直線的に幅が狭くなるように形成されていてもよく、入口付近のみ幅が広がっており、他の部分は幅が約26mmで一定の直線状となっていてもよい。また、投入口側メダル通路825の高さは、最も高い部分から最も低い部分までのどの部分においても大径メダル1枚分の厚さよりも長く、正規のメダル2枚分の厚さよりも短くなっている。
投入口側メダル通路825の下部は、メダル投入部811の下面から下方に突出する角筒状突出部827によって形成されている。また、角筒状突出部827の左前側および右後側にはそれぞれ、メダル投入部811の下面から下方に突出するボス828,828が、設けられている。また、ボス828,828は、ネジ孔を有している。また、角筒状突出部827の下端面の右前部分から下方に突出するようにして、矩形の板状の係止片829が設けられている。
メダル通路815は、レール後部材830とレール前部材831とにより形成されている(図21、図26、図29参照)。レール後部材830は、メダル通路815の後面および両側面を構成している。また、レール前部材831は、メダル通路815の前面を構成している。
メダル通路815は、入口が上方を向くとともに、出口が下方を向いた状態となっている。また、メダル通路815は、図23に示すように、入口から入ってきたメダルを、下方に向かうにつれ左方に向かうように導く第一曲部815aと、第一曲部815aから出てきたメダルを左方に向かうにつれ下方に向かうように導く第二曲部815bと、第二曲部815bから出てきたメダルを下方に導く直線部815cと、を備えている。そして、これによりメダル通路815はクランク形状となっている。また、メダル通路815の入口と出口とは、メダル通路815の左右方向において、メダル1枚分以上ずれて配置されている。そして、メダル通路815がクランク形状となっていることにより、メダル投入口821からメダル通路815の深部やセレクタ813まで異物が挿入されゴト行為が行われることが防がれている。
レール前部材831は、透明な合成樹脂により成形されている。レール前部材831は、図25および図26に示すように、板状であり、正面視において、その外形がレール後部材830の外形と略一致するようになっている。また、レール前部材831の上端部左側には、前方に突出する突出部835が設けられている。突出部835は、前方から後方に向けて切り欠いた切欠き部を備えており、この切欠き部が、下方から上方に向けてネジを挿通させるネジ挿通部835aとなっている。また、レール前部材831の上端部右側には、前方から後方に向けて断面矩形状に切り欠いた切欠き部836が形成されている。また、レール前部材831の下端部の左右両端部にはそれぞれ、ネジを挿通させるためのネジ挿通孔837,837および後方に向けて突出する突起部838,838が設けられている。また、レール前部材831の背面は、平面状となっている。
レール後部材830は、図23および図24に示すように、メダル通路815の後面を形成する背板840と、メダル通路815の右側面を形成する右側壁841と、メダル通路815の左側面を形成する左側壁842と、右側壁841または左側壁842の下端部から左右方向外側に突出するフランジ部844,844と、を備えている。また、レール後部材830は、金属(例えば、ステンレス鋼等)により一体的に成形されている。背板840は、板状であり、板面を前後方向に向けた状態となっている。また、背板840は、正面視において、前述のメダル通路815の形状(第一曲部815a、第二曲部815b、直線部815c)に沿った形状となっている。また、右側壁841および左側壁842は、背板840の右端縁または左端縁に沿って前方に突出するように形成されている。また、フランジ部844,844は、右側壁841または左側壁842の下端部と一体的に形成されている。また、フランジ部844,844の前面、右側壁841の前端面および左側壁842の前端面は、面一となっている。また、左右のフランジ部844,844それぞれには、ネジを挿通するためのネジ挿通孔845,845およびレール前部材831の突起部838が挿入される突起部挿入孔846,846が設けられている。
レール後部材830とレール前部材831とは、レール前部材831の背面が、レール後部材830のフランジ部844,844の前面、右側壁841の前端面および左側壁842の前端面と当接するとともに、突起部838,838が突起部挿入孔846,846に挿入された状態で、後述するネジ止めにより一体化されている。そして、レール後部材830の背板840と、右側壁841と、左側壁842と、レール前部材831とに囲われた空間としてのメダル通路815が形成されている。
また、背板840の両側部には、前方に突出する凸部850,850がメダル通路815の延在方向に沿って形成されている。そして、メダル通路815を流下するメダルは、左右の凸部850,850両方に常に接触可能な状態でメダル通路815を流下するようになっている。換言すると、メダル通路815を流下するメダルは、左右の凸部850,850の間に形成された凹部には、接触しないようになっている。
また、レール後部材830の背板840には、左右に長い矩形状の開口860が設けられている。また、レール後部材830の背板840の背面であって、開口860の上方位置には、後方に突出するボス864が設けられている。また、ボス864は、ネジ孔を有している。また、背板840の背面上端部の右側には、後方に突出する突出部866が設けられている。突出部866は、後方から前方に向けて切り欠いた切欠き部を備えており、この切欠き部が、下方から上方に向けてネジを挿通させるネジ挿通部866aとなっている。また、レール後部材830の左側壁842の上端部には、平面視L字状の係止部868が、前方に突出して設けられている。
レール後部材830およびレール前部材831は、図26に示すように、レール後部材830のネジ挿通部866aに挿通されたネジと、レール前部材831のネジ挿通部835aに挿通されたネジとが、メダル投入部811の2つのボス828,828それぞれのネジ孔にねじ込まれることにより、メダル投入部811と一体化されている。また、レール後部材830の係止部868が、メダル投入部811の角筒状突出部827の側面に係止されるとともに、メダル投入部811の係止片829が、レール前部材831の切欠き部836に係止されることにより、メダル投入部811に対するレール後部材830およびレール前部材831の位置決めがされている。また、レール後部材830およびレール前部材831の上端面は、メダル投入部811の角筒状突出部827の下端面に当接している。そして、これにより、投入口側メダル通路825とメダル通路815とが連通した状態となっている。
なお、レール後部材830およびレール前部材831の上端面と、メダル投入部811の下端面とは、必ずしも当接している必要はなく、両端面の間に、所定の隙間が設けられ、両端面が近接した状態となっていてもよい。
投入口側メダル通路825の出口からメダル制止壁822の上端までの長さは、メダル1枚の直径(25mm)よりも短くなっている。換言すると、メダル投入部811に形成された投入口側メダル通路825と他部材により形成されるメダル通路815との境目からメダル制止壁822の上端までの長さは、メダル1枚の直径よりも短くなっている。すなわち、本実施の形態の遊技機においては、メダル通路815と投入口側メダル通路825とのつなぎ目にメダルが引っかかることはないようにされているが、仮に当該つなぎ目にメダルが引っかかりうる構成であったとしても、当該つなぎ目にメダルが引っかかった場合に、メダルの上端がメダル制止壁822の上縁よりも上側に位置し、遊技者がメダルの後面に触れることが可能となるようになっている。これにより、メダルが引っかかった場合に、メダルを掴んで容易に引き抜くことができるようになっている。
なお、メダル通路815の後面または前面は、必ずしもメダル投入部811と別部材によって形成されていなくてもよい。すなわち、例えば、レール後部材830あるいは、レール前部材831がメダル投入部811と一体的に形成されており、これにカバー部材としてのレール前部材831あるいはレール後部材830を取り付けることでメダル通路815が形成されるようになっていてもよい。また、メダル通路815(レール後部材830およびレール前部材831)が存在せず、投入口側メダル通路825が直接セレクタ813に繋がっていてもよい。
センサユニット817は、図23および図24に示すように、センサ880と、可動片881(可動部材)とを備えている(図21参照)。センサ880は、フォトインタラプタを主要素とする電子回路である。センサ880は、可動片881の動作を検知し、検知信号を出力するようになっている。
可動片881は、メダルが接触するメダル接触部882を備えており、黒色の合成樹脂により成形されている。センサ880は、レール後部材830にネジ止めにより固定されており、開口860から可動片881のメダル接触部882がメダル通路815に突出するように、可動片881がバネ(弾性部材)により付勢されている。そして、可動片881は、メダル通路815をメダル等が通る際に、メダル接触部882に接触する当該メダル等によって押下されるとともに、当該メダル等による押下が解除されると、バネの付勢力によってメダル接触部882がメダル通路815に突出した状態に戻るようになっている。また、可動片881は、後方に突出する遮光板を備えており、可動片881が押下されると当該遮光板の動きをセンサ880が検知し、可動片881が押下されたことを示す前記検知信号をセンサ880が発するようになっている。
なお、センサ880からの検知信号は、センサ880に接続された配線を介して上述の基板ユニット(メイン制御基板)に送られるようになっている。そして、基板ユニットは、所定時間(例えば、1秒程度)連続して検知信号が送られてきた場合に、ゴト行為が行われているおそれがあると判断し、スピーカー等を介して音を発したりして異常を報知するようになっている。なお、センサユニット817は、ゴト行為等の異常を検知するものではなく、例えば、メダル通路815を通過するメダルの枚数をカウントするもの等であってもよい。また、センサ880は、可動片881の動作を検知できるものであれば、フォトインタラプタ以外のセンサを用いてもよい。
レール後部材830とレール前部材831とセレクタ813とは、図27に示すように、レール後部材830のネジ挿通孔845,845およびレール前部材831のネジ挿通孔837,837に挿通されたネジ883,883がセレクタ上部に設けられたネジ孔(図示せず)にねじ込まれることで、一体化されている。
セレクタ813は、メダルを選別するメダル選別部885と、このメダル選別部885へとメダルを導くセレクタ側メダル通路886とを備えている。セレクタ側メダル通路886は、メダルが通過する通路である。セレクタ側メダル通路886は、高さ方向(メダルの厚さ方向)に湾曲した通路となっているが、入口部分のみ高さが僅かに高くなっており、入口部分を除く通路の略全体において高さが一定となっている。また、セレクタ側メダル通路886は、どの部分においても高さがメダル2枚分の厚さ未満となっている。また、セレクタ側メダル通路886の高さは、連通するメダル通路815の高さよりも高くなっている。具体的には、メダル通路815の高さが約2.3mmなのに対し、セレクタ側メダル通路886の高さは、約3.1mmとなっている。また、セレクタ側メダル通路886の幅は、どの部分においても、正規のメダルの直径よりも僅かに長い程度となっており、大径メダルの直径よりも短くなっている。換言するとセレクタ側メダル通路886は、大径メダルが流下不可能な幅となっている。すなわち、セレクタ813は、大径メダルを選別して弾くことができないようになっている。
メダル選別部885は、メダル選別機構888と、このメダル選別機構888の後側に配置されたメダル排出部889とを備えている。メダル選別機構888は、既定のメダルであって、適切なタイミングで投入されたメダルを、メダル排出部889から落ちないように支持し、前記ホッパーユニットに向けて導くようになっている。一方、メダル選別機構888は、既定の大きさとは異なる大きさのメダルや、不適切なタイミングで投入されたメダル等の非正規のメダルを、メダル排出部889に向けて落とすようになっている。そして、メダル排出部889から落とされたメダルは、前記メダル払い出し口からメダル受け皿28に排出されるようになっている。なお、このようにメダルを選別する機構は、従来のセレクタのものを用いればよい。
次に本実施の形態の遊技機において、メダル投入口821にφ30の大径メダルMが投入された場合について図28および図29を参照しながら説明する。なお、図29は、図28のA−A線断面図にレール後部材830およびレール前部材831を加えて示した図である。
メダル投入口821の幅は、大径メダルMの直径よりも短くなっているので、大径メダルMは、メダル投入口821に引っ掛かる。具体的には、大径メダルM側面の下側部分の左右両端(図28に点P、Qで示す部分)が、メダル投入口821の縁(短辺)に当接することで、大径メダルMがメダル投入口821に引っ掛かるようになっている。換言すると、メダル投入口821は、セレクタ813で選別不可能なサイズのメダルが引っ掛かって、遊技機内部に流れないサイズに形成されている。
また、大径メダルMは、メダル投入口821に掛かった状態において、その下端部がメダル投入口821に挿入されており、大径メダルMの前面の下端は、メダル投入口821の前縁よりも下方に位置している。換言すると、大径メダルMの前面の下端は、投入口側メダル通路825の前面の上端縁よりも下方に位置しており、大径メダルMの前面の下端部は、投入口側メダル通路825の前面に覆われた状態となっている。具体的には、大径メダルMの下端からメダル投入口821の前縁(メダルガイド部823)までの距離T1が、1.5mm以上となっており、大径メダルMの前面の下端は、メダル投入口821の前縁よりも1.5mm以上下方に位置している。そして、大径メダルMの下端から1.5mmの領域は、投入口側メダル通路825の前面に覆われた状態となっている。
このように、大径メダルMの下端部がメダル投入口821に挿入されるようになっていることにより、メダル投入口821に掛かった状態の大径メダルMが倒れることが防がれ、当該大径メダルMが安定的に支えられるようになっている。なお、上述の例ではT1は、1.5mm以上としたが、0.5mm以上、5.0mm以下であることが好ましい。
また、本実施形態の遊技機においては、メダル投入口821に掛かった状態の大径メダルMは、図28の点Pおよび点Qで示す部分の近傍において、その前面が投入口側メダル通路825の前面に当接している。すなわち、大径メダルMは、その側面が点Pおよび点Qにおいてメダル投入口821部に当接するとともに、その前面が当該点Pおよび点Qの近傍においてメダル投入口821部に当接可能となっている。換言すると、大径メダルMは左右に離間した(メダルの面方向に離間した)2点において、その側面がメダル投入口821部に当接するとともに、当該2点それぞれの近傍においてその前面がメダル投入口821部に当接した状態、あるいは近接し当接可能な状態となっている。さらに換言すると、大径メダルMは、左右に離間した2点が、メダル投入口821部の左右それぞれに離間して形成された上方視コ字状の切欠き部に挿入された状態となっている。このように構成されていることにより、メダル投入口821部に挿入された大径メダルMの側面および前面が安定的に支えられ、大径メダルMが倒れることをより確実に防ぐことができる。
このように、メダル投入口821に大径メダルMの下端部が挿入されることで、大径メダルMは起立した状態でメダル投入口821に引っ掛かるようになっている。換言すると、大径メダルMは、その両面を前後方向に向けた状態でメダル投入口821に掛かるようになっている。また、このとき、大径メダルMの後面は、メダル制止壁822に近接または当接した状態となる。
また、メダルガイド部823は、その後端部における曲率が、大径メダルMの曲率以上となっている。したがって、下端部がメダル投入口821に挿入された大径メダルMは、前面側の下端部が、大径メダルMの周方向に沿ってしっかりと支えられ、安定した状態でメダル投入口821に引っ掛かるようになっている。
また、大径メダルMは、メダル投入口821に掛かった状態において、その下端が、投入口側メダル通路825の下端よりも上方に位置するようになっている。すなわち、大径メダルMの下端は、メダル投入部811に形成された投入口側メダル通路825と、これに連通するメダル通路815との境目(接続部)まで届かないようになっている。このように、大径メダルMが、投入口側メダル通路825を備えるメダル投入部811とメダル通路815を形成する他の部材との境目まで届かないようになっていることにより、大径メダルMがメダル投入口821に投入された際に、大径メダルMが当該境目に当たって浮いた状態となってしまうことが無く、確実にメダル投入口821の縁に引っ掛かるようになる。したがって、誤ってあるいは故意に投入された大径メダルMが安定的に支持されるため、大径メダルの取り出しが容易となる。
また、大径メダルMは、メダル投入口821に掛かった状態において、その下端が、センサ880や、セレクタ813の備えるセンサ等のメダルを検知するセンサよりも上方に位置するようになっており、大径メダルMがこれらのセンサまで届かないようになっている。したがって、大径メダルMが誤って投入され、メダル投入口821に掛かった際に、センサ880が反応してしまいゴト行為が行われていると誤って判断してしまったり、メダルが投入されたと誤って判断してしまったりすることを防ぐことができる。
前述のように、メダル制止壁822は、メダル投入口821の後部から上方に延出している。したがって、大径メダルMは、メダル投入口821に掛かった状態において、その後面の少なくとも一部がメダル制止壁822に覆われた状態となる。また、メダル制止壁822の上端は、メダル投入口821に掛かった状態の大径メダルMの後面の中心(上下方向における中心:図28に一点鎖線Cで図示)よりも上方に位置するように形成されている。換言すると、本実施形態の遊技機においては、メダル制止壁822は、大径メダルMの後面の下端から15mm以上の領域を覆うようになっている。このように、メダル制止壁822の上端が、大径メダルMの上下方向における中心よりも上方に位置するように形成されていることにより、大径メダルMが後方に傾きそうになった場合に、当該大径メダルMの上下方向中心よりも上方がメダル制止壁822によって支えられるため、大径メダルMが後方に倒れることが防がれ、大径メダルMが安定的に支えられる。したがって、大径メダルMの姿勢が安定し、大径メダルMの取出しが容易となる。
なお、メダル制止壁822の上端が、大径メダルMの後面の中心よりも厳密に上方に位置するように形成されていなくてもよい。すなわち、例えば、メダル制止壁822の上端の上下方向における位置が、大径メダルMの上下方向における中心から±1.5mm以内の位置となるように形成されていてもよい。換言すると、メダル制止壁822の上端の上下方向における位置が、大径メダルMの上下方向における中心部の位置となるように形成されていてもよい。このような構成であっても、大径メダルMの姿勢を安定させることができる。
また、メダル制止壁822は、大径メダルMがメダル投入口821に掛かった状態において、メダル制止壁822の上端が大径メダルMの上端よりも下方に位置するように形成されている。これにより、当該状態において、遊技者が大径メダルMの後面に触れることが可能となっている。換言すると、大径メダルMは、メダル投入口821に掛かった状態において、メダル制止壁822の裏側から見た場合に、大径メダルMの後面の一部が露出した状態となっている。このように、大径メダルMの後面に触れることが可能となっていることにより、メダル投入口821に掛かった大径メダルMの前面と後面とに触れ、大径メダルMをつまむことができ、容易に取り出すことができる。なお、大径メダルMの後面に少しでも触れることが可能となっていれば、大径メダルMをつまむことができるため、メダル制止壁822の上端は、必ずしもメダル投入口821に掛かった大径メダルMの上端よりも下方に位置するように形成されていなくてもよい。しかし、メダル投入口821に掛かった状態の大径メダルMの上端の、メダル制止壁822の上端からの突出量T2が、3mm以上となっていることが好ましく、6mm以上となっていることがさらに好ましい。このような構成によれば、大径メダルMをつまむことが容易となり、より簡単に大径メダルMを取り出すことができるようになる。
なお、大径メダルMの上端とメダル制止壁822の上端との左右方向における位置は、一致していなくてもよい。また、大径メダルMの下端と、メダルガイド部823の後端部における下端(溝の最底部)との左右方向における位置は、一致していなくてもよい。