JP6578257B2 - 汚染土壌の無害化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚染土壌の無害化処理方法に関する。
トンネル工事や再開発工事などにより発生する残土には、砒素をはじめとする自然由来の汚染物質による汚染土壌も含まれており、前記残土の捨て場の確保が困難となっている。前記汚染土壌の特徴として、前記汚染物質の添加量が、土壌汚染対策法に規定されている添加量基準に対して比較的微量である一方、溶出量基準に対して数倍〜数10倍程度超過するという傾向があるため、前記溶出量基準を満たすことが重要となっている。
そこで、本出願人は、前記汚染物質を吸着させるための鉄粉を前記汚染土壌に添加する鉄粉添加工程と、乾式磁選しやすくするため、磁選前の前記汚染土壌の水分含有量を調整して前記汚染土壌を団粒状にする水分含有量調整工程と、水分含有量を調整された汚染土壌から、前記鉄粉を乾式磁選により磁選物として分離除去する乾式磁選工程とを含む汚染土壌の無害化処理方法を提案している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この提案では、前記水分含有量調整工程において、中性固化材などを混合して前記汚染土壌の水分含有量を調整しており、前記中性固化材を添加した後の汚染土壌は、団粒の粒径が大きくなり、乾式磁選しにくくなるため、前記汚染物質の除去効果が低下するという問題がある。
特許第5647371号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、浄化土が効率よく得られ、得られた浄化土が再利用しやすい汚染土壌の無害化処理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、セレン、水銀、シアン、フッ素及びほう素から選択される少なくとも1種の汚染物質を含む汚染土壌に対して鉄粉を添加する鉄粉添加工程と、前記汚染土壌に灰乃至炭化物を添加する灰乃至炭化物添加工程と、前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌から前記鉄粉を乾式磁選により回収除去する乾式磁選工程とを含むことを特徴とする汚染土壌の無害化処理方法である。
前記<1>に記載の汚染土壌の無害化処理方法において、前記鉄粉添加工程では、砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、セレン、水銀、シアン、フッ素及びほう素から選択される少なくとも1種の前記汚染物質を含む前記汚染土壌に対して前記鉄粉が添加されることにより、前記鉄粉に前記汚染物質を吸着させる。前記灰乃至炭化物添加工程では、前記汚染土壌に前記灰乃至炭化物を添加させることにより、前記灰乃至炭化物が前記汚染土壌中の水分を吸着するため、前記汚染土壌を団粒状にすることができる。前記灰乃至炭化物が添加された浄化土は、中性域であるため再利用しやすい。前記乾式磁選工程では、前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌から前記鉄粉が乾式磁選により回収除去される。このとき、前記鉄粉には前記汚染物質が吸着されており、団粒状の前記汚染土壌から前記汚染物質が前記鉄粉とともに回収除去される。
<2> 前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌における質量基準の累積50%粒子径D50が、6mm以下である前記<1>に記載の汚染土壌の無害化処理方法である。
前記<2>に記載の汚染土壌の無害化処理方法において、前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌における質量基準の累積50%粒子径D50を6mm以下とすることにより、前記乾式磁選により前記汚染物質を吸着し得る前記鉄粉を磁着しやすくなり、磁着物の回収率が向上するため、前記浄化土が効率よく得られやすくなる。
<3> 前記灰乃至炭化物のBET比表面積が、0.1m/g以上500m/g以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理方法である。
前記<3>に記載の汚染土壌の無害化処理方法において、前記灰乃至炭化物のBET比表面積を0.1m/g以上500m/g以下とすることにより、前記灰乃至炭化物が前記汚染土壌中の水分を吸着しやすくなるため、前記累積50%粒子径D50が小さくなりやすくなる。
<4> 前記灰乃至炭化物が、汚泥炭化物、汚泥焼却灰、木質灰、及び活性炭の粉体のうち少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理方法である。
前記<4>に記載の汚染土壌の無害化処理方法において、前記灰乃至炭化物が、汚泥炭化物、汚泥焼却灰、木質灰、及び活性炭の粉体のうち少なくともいずれかであることにより、得られる浄化土は、中性域となるため再利用しやすくなる。
<5> 前記汚泥炭化物及び前記汚泥焼却灰が、下水汚泥炭化物及び下水汚泥焼却灰である前記<4>に記載の汚染土壌の無害化処理方法である。
前記<5>に記載の汚染土壌の無害化処理方法において、前記汚泥炭化物及び前記汚泥焼却灰が、下水汚泥炭化物及び下水汚泥焼却灰であることにより、前記汚染土壌中の水分を吸着しやすくなる。
<6> 前記汚染土壌に対する前記灰乃至炭化物の添加量が、0.1質量%以上30質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理方法である。
前記<6>に記載の汚染土壌の無害化処理方法において、前記汚染土壌に対する前記灰乃至炭化物の添加量を0.1質量%以上30質量%以下とすることにより、処理後土壌の質量が著しく増えることがなく、また、累積50%粒子径D50が処理に適当な値まで小さくすることができるため、前記乾式磁選工程における磁着物の回収率を向上させることができる。
<7> 前記鉄粉又は前記灰乃至炭化物を添加する前の前記汚染土壌の水分含有量が、60質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理方法である。
前記<7>に記載の汚染土壌の無害化処理方法において、前記鉄粉又は前記灰乃至炭化物を添加する前の前記汚染土壌の水分含有量を60質量%以下とすることにより、前記灰乃至炭化物添加工程における前記灰乃至炭化物の添加量を低減させることができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、浄化土が効率よく得られ、得られた浄化土が再利用しやすい汚染土壌の無害化処理方法を提供することができる。
図1は、本発明の汚染土壌の無害化処理方法の一例を示すフロー図である。 図2Aは、実施例における汚泥炭化物を示す写真である。 図2Bは、実施例における汚泥焼却灰を示す写真である。 図3は、汚染土壌の水分含有量を調整する材料の添加量と、汚染土壌における団粒の質量基準の累積50%粒子径D50との関係を示すグラフである。 図4Aは、汚染土壌に汚泥炭化物を添加し、乾式磁選した後の非磁着物に水を注入して静置する前の状態を示す写真である。 図4Bは、汚染土壌に汚泥炭化物を添加し、乾式磁選した後の非磁着物に水を注入して静置した後の状態を示す写真である。 図5Aは、汚染土壌に汚泥焼却灰を添加し、乾式磁選した後の非磁着物に水を注入して静置する前の状態を示す写真である。 図5Bは、汚染土壌に汚泥焼却灰を添加し、乾式磁選した後の非磁着物に水を注入して静置した後の状態を示す写真である。
(汚染土壌の無害化処理方法)
本発明の汚染土壌の無害化処理方法は、鉄粉添加工程と、灰乃至炭化物添加工程と、乾式磁選工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<鉄粉添加工程>
前記鉄粉添加工程は、砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、セレン、水銀、シアン、フッ素及びほう素から選択される少なくとも1種の汚染物質を含む汚染土壌に対して鉄粉を添加する工程である。前記鉄粉添加工程では、前記汚染土壌に対して前記鉄粉が添加されることにより、前記鉄粉に前記汚染物質を吸着させることができる。
前記汚染土壌とは、例えば、道路工事、トンネル建設工事、再開発工事等の各種建設工事に伴って発生する残土であり、主に自然由来の前記汚染物質を含有する土壌を意味する。
前記汚染物質としては、例えば、砒素(As)、鉛(Pb)、六価クロム(Cr(VI))、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、水銀(Hg)、シアン(CN)、フッ素(F)、ほう素(B)などが挙げられる。これらのうち、シアンを除く汚染物質は、土壌の汚染に係る環境基準の対象物質のうち、自然由来により岩石や土壌に存在する物質である。
前記汚染土壌に対する前記鉄粉の添加量としては、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1質量%以下がより好ましい。前記鉄粉の添加量が前記好ましい範囲内であると、乾式磁選により前記汚染土壌から前記汚染物質を効率よく分離除去することができる。
前記鉄粉の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、還元鉄粉、ダライコ鉄粉(屑鉄を原料とする)、アトマイズ鉄粉などが挙げられる。これらの中でも、還元鉄粉が好ましい。
また、前記汚染土壌には、前記汚染物質が前記鉄粉に吸着しやすくなるように、前記鉄粉に加えて酸を添加することが好ましい。
前記汚染土壌に対する前記酸の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量%以上1質量%以下が好ましい。
前記酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塩酸、硫酸が好ましい。
前記酸処理後の前記汚染土壌のpHとしては、4.0〜9.0が好ましく、6.0〜8.0がより好ましい。前記pHが前記好ましい範囲内であると、前記汚染物質の溶出性が変化せず安全であるとともに、通常の土壌は中性域であるため浄化土を再利用しやすい点で有利である。
また、前記酸を添加する際に、水による希釈を行わないことが好ましい。水での希釈を行わなければ、前記灰乃至炭化物添加工程における前記灰乃至炭化物の添加量を少なくすることができる。
前記汚染土壌中に粗大な礫などが入っている場合、前記汚染土壌の前処理として、破砕や篩分けを行うことが好ましい。前記汚染土壌の前処理として破砕や篩分けを行うと、前記鉄粉、又は前記鉄粉及び前記酸を前記汚染土壌と混合機に投入して混合する際に、前記混合に支障をきたしにくくすることができる。
前記混合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、団粒の細分効果を勘案すると、打撃式混合機よりも、せん断式混合機が好ましい。前記せん断式混合機としては、例えば、二軸式パドル混合機などが挙げられる。
<灰乃至炭化物添加工程>
前記灰乃至炭化物添加工程は、前記汚染土壌に前記灰乃至炭化物を添加する工程であり、前記灰乃至炭化物を添加することにより、前記汚染土壌における質量基準の累積50%粒子径D50が小さくなり、前記乾式磁選工程において、磁着物の回収率を向上させることができる。
前記灰乃至炭化物添加工程は、前記乾式磁選工程の前であればどのタイミングで行ってもよく、具体的には、前記鉄粉添加工程の前に行ってもよく、前記鉄粉添加工程と同時に行ってもよい。
前記灰乃至炭化物のBET比表面積としては、0.1m/g以上500m/g以下が好ましく、1m/g以上100m/g以下がより好ましい。前記BET比表面積が前記好ましい範囲内であると、前記灰乃至炭化物を前記汚染土壌に添加する際のハンドリング性が良好になるとともに、前記汚染土壌中の水分を吸着しやすくなる点で有利である。
前記BET比表面積は、例えば、比表面積/細孔分布測定装置(BELSORP−miniII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、JIS Z 8830(気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法)などに準じて求めることができる。
前記灰乃至炭化物の平均一次粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.001mm以上1mm以下が好ましく、0.01mm以上0.1mm以下がより好ましい。前記灰乃至炭化物の平均一次粒子径が前記好ましい範囲内であると、前記灰乃至炭化物を土壌に添加する際のハンドリング性が良好になるとともに、前記汚染土壌に均一に混合されやすくなる点で有利である。
前記灰乃至炭化物の平均一次粒子径は、例えば、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(MT3000II、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記灰乃至炭化物のpHとしては、4以上9以下が好ましく、6以上8以下がより好ましい。前記灰乃至炭化物のpHが前記好ましい範囲内であると、前記汚染物質が溶出後に変化することがなく、安全である。また、処理後土壌を浄化土として利用する場合にも通常の土壌は中性域であるため、前記pHが前記好ましい範囲内であることが好ましい。
前記灰乃至炭化物のpHは、例えば、pHメーター(HM−30P、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定することができる。
前記汚染土壌に対する前記灰乃至炭化物の添加量としては、特に制限はなく、前記汚染土壌の水分含有量に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記灰乃至炭化物の添加量が前記好ましい範囲内であると、処理後土壌の質量が著しく増えることがなく、また、累積50%粒子径D50が処理に適当な値まで小さくすることができるため、前記乾式磁選工程における磁着物の回収率を向上させることができる。
また、前記灰乃至炭化物の添加量は、前記汚染土壌の水分含有量に応じて決定してもよい。
前記灰乃至炭化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、汚泥焼却灰、木質灰等の灰;汚泥炭化物、活性炭の粉体等の炭化物などが挙げられる。これらの中でも、コスト的に優位である点で、汚泥焼却灰、汚泥炭化物が好ましい。
前記灰乃至炭化物の形状としては、粉体が好ましい。
前記汚泥炭化物は、粉末状の黒色であって、汚泥を低酸素状態で熱処理し、汚泥中に含まれる水分等を放出させ、熱分解させることにより未燃分が十分に残っている炭化物である。前記汚泥炭化物は、水分の吸着性の点から、下水汚泥に対して上記のように熱処理した下水汚泥炭化物が好ましい。
前記汚泥炭化物は、例えば、流動床式炭化炉を用いて、加熱温度を400℃以上850℃以下、加熱時間を1秒間以上600秒間以下の熱処理により得ることができる。
前記汚泥焼却灰は、粉末状の赤茶色であって、汚泥を酸素雰囲気中で熱処理した未燃分が少ない灰である。前記汚泥焼却灰は、水分の吸着性の点から、下水汚泥に対して上記のように熱処理した下水汚泥焼却灰が好ましい。
前記汚泥焼却灰は、例えば、流動床式焼却炉を用いて、加熱温度を600℃以上1,000℃以下、加熱時間を1秒間以上600秒間以下の熱処理により得ることができる。
前記木質灰は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バイオマスで用いた木質チップなどを焼却した灰が好ましい。
前記鉄粉又は前記灰乃至炭化物を添加する前の前記汚染土壌の水分含有量としては、60質量%以下であることが好ましく、36質量%以下がより好ましく、22質量%以下が更に好ましく、14質量%以下が特に好ましい。前記汚染土壌の水分含有量が36質量%以下であると、前記汚染土壌の団粒が概ね土壌粒子単体となるため、磁性分離しやすくなり、乾式磁選を効率よく行うことができる。
前記汚染土壌の水分含有量は、例えば、汚染土壌の質量(湿潤土壌質量w1)を測定の後、乾燥炉などを用いて前記汚染土壌を乾燥させた後、あらためて前記汚染土壌の質量(乾燥土壌質量w2)を測定し、次式により算出することができる。
水分含有量(%)=[1−(乾燥土壌質量w2/湿潤土壌質量w1)]×100
前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌における質量基準の累積50%粒子径D50は、6mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましい。前記累積50%粒子径D50が前記好ましい範囲内であると、乾式磁選により前記汚染物質を吸着し得る前記鉄粉を磁着しやすくなり、磁着物の回収率を向上させることができる。
前記累積50%粒子径D50は、予め目開き9.5mmの標準篩で篩分けした9.5mm以下の汚染土壌100g(100wet−質量%)に、所定量の鉄粉、前記灰乃至炭化物などを混合して団粒とした前記汚染土壌を、標準篩を用いて質量基準での粒度を測定した結果に基づいて得た粒度分布から求めることができる。
<乾式磁選工程>
前記乾式磁選工程は、前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌から前記鉄粉を乾式磁選により回収除去する工程である。前記乾式磁選工程では、団粒状にした前記汚染土壌から前記鉄粉を分離することにより、前記鉄粉が吸着した前記汚染物質を磁着物として除去し、回収された非磁着物(浄化土)に含まれる前記汚染物質の溶出量を低減することができる。
前記乾式磁選としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁力選別機を用いて行うことなどが挙げられる。
前記磁力選別機で用いる磁束密度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.15T以上1.2T以下が好ましく、0.15T以上0.7T以下がより好ましい。前記磁束密度が0.15T以上0.7T以下であると、前記鉄粉を前記汚染土壌から十分に分離回収できる。前記磁束密度が1.2Tを超えると、前記汚染土壌中に存在する弱磁性の土壌粒子も回収されて磁着物の量が多くなってしまう。このような磁着物は、別途、汚染濃縮土壌として処分が生じるため、弱磁性の土壌粒子を多く回収することは効率的ではない。
前記灰乃至炭化物が添加され、団粒状になった汚染土壌は、磁力選別機に投入され、磁力により磁着物と非磁着物とに分離され、前記非磁着物が浄化土となる。
得られた前記浄化土のAs溶出量としては、0.01mg/L以下が好ましい。得られた前記浄化土のAs含有量としては、150mg/kg以下が好ましい。前記As溶出量及び前記As含有量が前記好ましい範囲内であると、土壌汚染対策法に規定されている土壌溶出量基準及び土壌含有量基準を満たし、前記浄化土として再利用することができる。
得られた浄化土の体積膨張比としては、1.2以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。前記体積膨張比が前記好ましい範囲内であると、前記浄化土の土質強度等が保たれるため、浄化土を再利用する際の利用用途が広くなる。
前記体積膨張比は、200mLの計量カップに得られた浄化土を転圧しながら50mL充填して体積容量(V1)を量り、水を50mL注入して24時間静置させた後、その体積容量(V2)を量り、次式、体積膨張比=V2/V1により求めることができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、運搬工程などが挙げられる。
前記運搬工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記磁着物を処理施設に運搬する工程、前記非磁着物を埋戻し場所などに運搬する工程などが挙げられる。
前記運搬手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トラックなどの自動車による運搬などが挙げられる。
図1は、本発明の汚染土壌の無害化処理方法の一例を示すフロー図である。
図1に示すように、まず、掘削した前記汚染土壌に前記鉄粉、又は前記鉄粉及び前記酸を混合機に投入してよく混合する(鉄粉添加工程)。このとき、前記汚染土壌中に粗大な礫等が入っている場合は、混合に支障をきたすため、事前に篩分け及び破砕するなどの前処理を行うことが好ましい。
次に、前記鉄粉を添加混合した前記汚染土壌に、好ましくは10分間程度養生した後、前記灰乃至炭化物を添加する(灰乃至炭化物添加工程)。
次に、例えば、磁束密度を0.15T以上0.7T以下とした乾式磁選により、前記汚染物質を吸着した前記鉄粉を回収除去する(乾式磁選工程)。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<汚泥炭化物の製造>
下水汚泥を、流動床式炭化炉を用いて500℃で10秒間の熱処理を行い、製造例1の汚泥炭化物を得た。得られた製造例1の前記汚泥炭化物は、図2Aで示すとおり、粉末状で黒色であった。
得られた製造例1の汚泥炭化物のBET比表面積をJIS Z 8830に準じ比表面積/細孔分布測定装置(BELSORP−miniII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定した。また、pHをpHメーター(HM−30P、東亜ディーケーケー株式会社製)、導電率を電気伝導率計(CM−31P、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。それぞれ結果を表1に示す。
(製造例2)
<汚泥焼却灰の製造>
下水汚泥を、流動床式焼却炉を用いて850℃で10秒間の熱処理を行い、製造例2の汚泥焼却灰を得た。得られた製造例2の前記汚泥焼却灰は、図2Bで示すとおり、粉末状で赤茶色であった。
得られた製造例2の汚泥焼却灰のBET比表面積、pH、及び導電率を前記汚泥炭化物と同様に測定した。それぞれ結果を表1に示す。
(実施例1)
<団粒状の汚染土壌における質量基準での累積50%粒子径D50評価>
目開き9.5mm以下に篩分けし、水分含有量が23.4質量%の砒素汚染土壌100g(100wet−質量%)に、鉄粉0.5wet−質量%と、製造例1で得られた前記汚泥炭化物0.5wet−質量%とを添加して混合し、前記砒素汚染土壌を団粒状にした。団粒状にした前記砒素汚染土壌を有姿(団粒状を保持したまま)の状態で標準篩(Testing Sieve、東京スクリーン株式会社製)を用いて得た質量基準での粒度分布から、質量基準の累積50%粒子径D50を求めた。結果を表2−1及び図3に示す。
<磁着物回収率評価>
得られた団粒状の前記砒素汚染土壌を、磁束密度が0.7Tの磁石により乾式磁選し、磁着物と非磁着物とに分離して磁着物の回収率を求めた。以上により、実施例1の汚染土壌の無害化処理方法を行った。結果を表2−1及び図3に示す。
(実施例2〜4)
実施例1において、前記砒素汚染土壌に対する製造例1の汚泥炭化物の添加量を表2−1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の汚染土壌の無害化処理方法を行い、評価を行った。結果を表2−1及び図3に示す。
(実施例5〜8)
実施例1において、製造例1の汚泥炭化物を製造例2の汚泥焼却灰に代え、前記砒素汚染土壌に対する前記汚泥焼却灰の添加量を表2−2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5〜8の汚染土壌の無害化処理方法を行い、評価を行った。結果を表2−2及び図3に示す。
(比較例1〜6)
実施例1において、製造例1の汚泥炭化物を半水石膏(ジプサンダーC、石原産業株式会社製)に代え、前記砒素汚染土壌に対する前記半水石膏の添加量を表2−3に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜6の汚染土壌の無害化処理方法を行い、評価を行った。結果を表2−3及び図3に示す。
(実施例9)
<無害化処理評価>
目開き9.5mm以下に篩分けし、水分含有量が23.4質量%の砒素汚染土壌100g(100wet−質量%)に、鉄粉0.5wet−質量%と、製造例1の汚泥炭化物10wet−質量%とを添加して混合し、前記砒素汚染土壌を団粒状にした。
次に、得られた団粒状の前記砒素汚染土壌を、前記磁力選別機を用いて、磁束密度が0.7Tの磁石により乾式磁選し、磁着物と非磁着物とに分離した。
得られた非磁着物及び磁着物について、底質調査方法に基づく添加量分析及び環境省告示第18号に基づく溶出量分析を行った。
以上により、実施例9の汚染土壌の無害化処理方法を行った。結果を表3−1に示す。
なお、上記表3−1中の「汚染土壌のAs含有量」及び「磁着物中のAs収支」は、下記式から求めた。また、下記表3−2、表3−3、及び表3−4中の「汚染土壌のAs含有量」及び「磁着物中のAs収支」も同様に、下記式から求めた。
・汚染土壌のAs含有量(mg/kg)=(浄化土のAs含有量×浄化土の乾燥質量+磁着物のAs含有量×磁着物の乾燥質量)/(浄化土の乾燥質量+磁着物の乾燥質量)
・磁着物中のAs収支(%)=(磁着物のAs含有量×磁着物の乾燥質量)×100/(汚染土壌のAs含有量×汚染土壌の乾燥質量)
(実施例10)
実施例9において、製造例1の汚泥炭化物を製造例2の汚泥焼却灰に代え、前記砒素汚染土壌のAs含有量を表3−2に示すように変えた以外は、実施例9と同様にして、実施例10の汚染土壌の無害化処理方法を行い、評価を行った。結果を表3−2に示す。
(比較例7)
実施例9において、製造例1の汚泥炭化物を半水石膏(ジプサンダーC、石原産業株式会社製)に代え、前記砒素汚染土壌のAs含有量を表3−3に示すように変えた以外は、実施例9と同様にして、比較例7の汚染土壌の無害化処理方法を行い、評価を行った。結果を表3−3に示す。
(実施例11)
<非磁着物(浄化土)の体積膨張比>
目開き9.5mm以下に篩分けし、水分含有量が23.4質量%の砒素汚染土壌100g(100wet−質量%)に、鉄粉0.5wet−質量%と、製造例1の汚泥炭化物10wet−質量%を添加して混合し、前記砒素汚染土壌を団粒状にした。
次に、得られた団粒状の前記砒素汚染土壌を、前記磁力選別機を用いて、磁束密度が0.7Tの磁石により乾式磁選し、磁着物と非磁着物とに分離した。
得られた前記非磁着物(浄化土)の前記体積膨張比は、200mLの計量カップに前記非磁着物を転圧しながら50mL充填して体積容量(V1)を量り、水を50mL注入し(図4A参照)、24時間静置させた後(図4B参照)、その体積容量(V2)を量り、次式、体積膨張比=V2/V1により求めた。
以上により、実施例11の汚染土壌の無害化処理方法を行った。結果を表4に示す。
(実施例12)
実施例11において、製造例1の汚泥炭化物を製造例2の汚泥焼却灰に代えた以外は、実施例11と同様にして、実施例12の汚染土壌の無害化処理方法を行い、評価を行った。結果を表4に示す。
なお、200mLの計量カップに前記非磁着物を転圧しながら50mL充填して水を50mL注入したときの様子を図5Aに、その後24時間静置させた後の様子を図5Bに示す。

Claims (6)

  1. 砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、セレン、水銀、シアン、フッ素及びほう素から選択される少なくとも1種の汚染物質を含む汚染土壌に対して鉄粉を添加する鉄粉添加工程と、
    前記汚染土壌に灰乃至炭化物を添加する灰乃至炭化物添加工程と、
    前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌から前記鉄粉を乾式磁選により回収除去する乾式磁選工程とを含み、
    前記灰乃至炭化物が添加された前記汚染土壌における質量基準の累積50%粒子径D 50 が、6mm以下であることを特徴とする汚染土壌の無害化処理方法。
  2. 前記灰乃至炭化物のBET比表面積が、0.1m /g以上500m /g以下である請求項1に記載の汚染土壌の無害化処理方法。
  3. 前記灰乃至炭化物が、汚泥炭化物、汚泥焼却灰、木質灰、及び活性炭の粉体のうち少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理方法。
  4. 前記汚泥炭化物及び前記汚泥焼却灰が、下水汚泥炭化物及び下水汚泥焼却灰である請求項3に記載の汚染土壌の無害化処理方法。
  5. 前記汚染土壌に対する前記灰乃至炭化物の添加量が、0.1質量%以上30質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理方法。
  6. 前記鉄粉又は前記灰乃至炭化物を添加する前の前記汚染土壌の水分含有量が、60質量%以下である請求項1から5のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理方法。
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