JP6578188B2 - 光学測定器 - Google Patents
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Description
このような吸光度測定器は、高機能であって高い精度の吸光度を測定することができるという利点を有する。
しかしながら、上記のような吸光度測定器は、凹面鏡や回折格子などを用いた複雑な構成の光学系を有することに起因して、装置自体が一般的に大型のものとなってしまう。
加熱機構および光学測定機構を有する光学測定装置部と、加熱機構を有する熱処理装置部とが設けられ、
前記光学測定機構が、
貫通孔よりなる導光路が内部に形成された弾性体よりなる導光路形成体と、
前記貫通孔の一端に嵌入された光源と、
前記貫通孔の他端に前記光源の光軸と同軸状に嵌入された受光部と、
前記導光路形成体における、前記光源から出射される光の光路上に、前記導光路を交差して貫通するよう形成された、測定試料が装填された試料チューブが挿入される試料チューブ受容穴とを有し、
前記光学測定装置部と前記熱処理装置部とが熱的に分離されていることを特徴とする。
本発明の光学測定器においては、前記光学測定装置部と前記熱処理装置部との間に断熱材よりなる隔壁が設けられることによって、前記光学測定装置部と前記熱処理装置部とが熱的に分離されていることが好ましい。
本発明の光学測定器においては、前記筺体は、略直方体形の筺体本体を有し、当該筺体本体における手前側の領域に、前記光学測定装置部および前記熱処理装置部が左右方向に離間して設けられると共に、前記筺体本体の上部に、それぞれ前記光学測定装置部の蓋部および前記熱処理装置部の蓋部が設けられる構成とすることができる。
本発明の光学測定器においては、前記光学測定装置部の前記加熱機構が、前記光学測定装置部の前記蓋部内に設けられた上部ヒーター部材と、前記試料チューブ受容穴の下部に設けられた下部ヒーター部材とからなり、当該試料チューブ受容穴に挿入された試料チューブを上下から加熱するものであることが好ましい。
本発明の光学測定器においては、前記熱処理装置部の前記加熱機構が、前記熱処理装置部の前記蓋部内に設けられた上部ヒーター部材と、前記筺体本体内に設けられた、試料チューブを受容する試料チューブ受容穴が形成された下部ヒーター部材とからなることが好ましい。
本発明の光学測定器においては、前記光学測定装置部には、冷却用ファンが設けられていることが好ましい。
本発明の光学測定器においては、前記熱処理装置部には、冷却用ファンが設けられていることが好ましい。
また、本発明の光学測定器によれば、光学測定装置部と熱処理装置部とが熱的に分離されているので、2つの測定試料をそれぞれにおいて必要に応じて同時に異なる温度に加熱することができ、光学測定装置部においては加熱された試料について光学測定を行うことができる。従って、光学測定装置部と熱処理装置部とで2つの測定試料を異なる温度に加熱し、光学測定装置部において光学測定を行うことによって、例えば温度依存的に吸光度などの反応速度が変化する生化学反応において、各温度条件における測定対象物質の反応速度を迅速に取得して比較することができる。
図1は、本発明の光学測定器の構成の一例を示す平面図、図2は、図1の光学測定器の斜視図、図3は、図1の光学測定器の正面図、図4は、図1の光学測定器の右側面図、図5は、図1におけるA−A線断面図、図6は、図1におけるB−B線断面図、図7は、図1におけるC−C線断面図、図8は、図3におけるD−D線断面図である。
この光学測定器10は、測定対象物質の濃度などを吸光度として測定するためなどに用いられるものであり、測定対象物質は、例えば大腸菌、タンパク質、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅されて得られたDNAや、色素などである。
光源23が導光路形成体25に嵌入された状態で保持されることによって、光源23の光軸を概ね導光路25Hの軸と並行に設定することが容易となり、従って、受光部24の方向に光束を高い効率で配光することができる。
導光路25Hの直径は、光源23側と受光部24側とで同じであってもよく、異なっていてもよいが、不必要な散乱光、反射光、迷光を低減させる観点から、受光部24側の直径が光源23側よりも小さいことが好ましい。
なお、この例の光学測定器10においては、光源23が、導光路25Hを形成する貫通孔の、隔壁40から離間した一端(図6において右端)に配置されると共に、受光部24が当該貫通孔の隔壁40に近接した他端(図6において左端)に配置されているが、逆に配置されていてもよい。
例えば波長560nm付近の光の吸光度からBCA法によって、あるいは、波長600〜700nm付近の光の吸光度からブラッドフォード法によって、たんぱく質の濃度を定量することができる。
試料チューブ受容穴29は、PCRチューブ、または、試料チューブ、例えば1.5mLの試料チューブ若しくは2.0mLの試料チューブに対応する形状および大きさとすることができる。
従って、本発明の光学測定器10においては、例えば8本の試料チューブを一括して加熱処理および/または光学測定処理することができる。
試料ブラケットとしては、例えばポリカーボネート樹脂やアルミ等の金属からなるものを用いることができる。
上部ヒーター部材26Aは、試料チューブの上面に接触するよう蓋部21内に配置されており、蓋部21が閉状態とされることにより、上部ヒーター部材26Aが試料チューブに押圧される。また、下部ヒーター部材26Bは、試料チューブ受容穴29の下部に貫通された穴から突出した試料チューブの下面に接触するよう配置されている。上部ヒーター部材26Aおよび下部ヒーター部材26Bとしては、各々、パターンを有するシートヒーターを用いることができる。
光学測定装置部20の蓋部21は、開状態においては閉状態とされた姿勢と平行な姿勢で蓋枕15上に載置される。
上部ヒーター部材26Aおよび下部ヒーター部材26Bによる加熱温度としては、試料チューブの上面における結露を防止する観点から、上部ヒーター部材26Aによる温度が下部ヒーター部材26Bによる温度よりも高いことが好ましい。
上部ヒーター部材32Aおよび下部ヒーター部材32Bとしては、各々、パターンを有するシートヒーターを用いることができる。
熱処理装置部30の試料チューブ受容穴39は、例えば2.0mLの試料チューブに対応する形状および大きさとすることができる。
具体的には、光学測定装置部20と熱処理装置部30との間に、筺体本体12において奥行き方向(図1における上下方向)に伸びるよう隔壁40が形成されることによって、熱的に分離されている。これにより、光学測定装置部20と熱処理装置部30とを、各々独立して温度状態を制御することができる。
隔壁40は、光学測定装置部20と熱処理装置部30との間を隔てる横断熱部41と、当該横断熱部41と連続し、かつ、直交する方向に伸びる縦断熱部42とからなる、平面視で略T字状のものである。
隔壁40は、断熱材よりなり、断熱材としては例えば樹脂、繊維マット、空気層を備えた構造体などを用いることができる。
以上の光学測定器10においては、光学測定機構22の導光路形成体25における異なる試料チューブ受容穴29に、それぞれ、検量線を作成するための標準溶液を入れた試料チューブと、測定試料を入れた試料チューブとをセットし、同時に光学測定を行うことができる。
また、光学測定器10においては、2つの測定試料を光学測定装置部20および熱処理装置部30のそれぞれにおいて同時に異なる温度に加熱することができる。このとき、光学測定装置部20においては、測定試料を加熱しながら上記の光学測定を行うことができる。
また、以上の光学測定器10によれば、光学測定装置部20と熱処理装置部30とが熱的に分離されているので、2つの測定試料をそれぞれにおいて必要に応じて同時に異なる温度に加熱することができ、光学測定装置部20においては加熱された試料について光学測定を行うことができる。従って、光学測定装置部20と熱処理装置部30とで2つの測定試料を異なる温度に加熱し、光学測定装置部20において光学測定を行うことによって、例えば温度依存的に吸光度などの反応速度が変化する生化学反応において、各温度条件における測定対象物質の反応速度を迅速に取得して比較することができる。
11 筺体
12 筺体本体
15 蓋枕
17 支持脚
20 光学測定装置部
21 蓋部
22 光学測定機構
23 光源
24 受光部
25 導光路形成体
25H 導光路
26 加熱機構
26A 上部ヒーター部材
26B 下部ヒーター部材
29 試料チューブ受容穴
30 熱処理装置部
31 蓋部
32 加熱機構
32A 上部ヒーター部材
32B 下部ヒーター部材
39 試料チューブ受容穴
40 隔壁
41 横断熱部
42 縦断熱部
Claims (7)
- 筺体に
加熱機構および光学測定機構を有する光学測定装置部と、加熱機構を有する熱処理装置部とが設けられ、
前記光学測定機構が、
貫通孔よりなる導光路が内部に形成された弾性体よりなる導光路形成体と、
前記貫通孔の一端に嵌入された光源と、
前記貫通孔の他端に前記光源の光軸と同軸状に嵌入された受光部と、
前記導光路形成体における、前記光源から出射される光の光路上に、前記導光路を交差して貫通するよう形成された、測定試料が装填された試料チューブが挿入される試料チューブ受容穴とを有し、
前記光学測定装置部と前記熱処理装置部とが熱的に分離されていることを特徴とする光学測定器。 - 前記光学測定装置部と前記熱処理装置部との間に断熱材よりなる隔壁が設けられることによって、前記光学測定装置部と前記熱処理装置部とが熱的に分離されていることを特徴とする請求項1に記載の光学測定器。
- 前記筺体は、略直方体形の筺体本体を有し、当該筺体本体における手前側の領域に、前記光学測定装置部および前記熱処理装置部が左右方向に離間して設けられると共に、前記筺体本体の上部に、それぞれ前記光学測定装置部の蓋部および前記熱処理装置部の蓋部が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学測定器。
- 前記光学測定装置部の前記加熱機構が、前記光学測定装置部の前記蓋部内に設けられた上部ヒーター部材と、前記試料チューブ受容穴の下部に設けられた下部ヒーター部材とからなり、当該試料チューブ受容穴に挿入された試料チューブを上下から加熱するものであることを特徴とする請求項3に記載の光学測定器。
- 前記熱処理装置部の前記加熱機構が、前記熱処理装置部の前記蓋部内に設けられた上部ヒーター部材と、前記筺体本体内に設けられた、試料チューブを受容する試料チューブ受容穴が形成された下部ヒーター部材とからなることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光学測定器。
- 前記光学測定装置部には、冷却用ファンが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光学測定器。
- 前記熱処理装置部には、冷却用ファンが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光学測定器。
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