JP6577884B2 - ショートアーク型放電ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタ等に使用される放電ランプに関し、特に、ショートアーク型放電ランプの電極に関する。
本発明のショートアーク型放電ランプは、ハロゲンなどを含む放電ガスを封入した放電管内に一対の電極を対向配置し、電極間に電圧を印加することによる電極間の電子放出によってアーク放電が生じ、発光する。プロジェクタなどに用いられる小型のショートアーク型放電ランプでは、電極芯棒の先端に巻き付けたコイルを部分的に溶融させることで、溶融部分である太径部およびアーク放電が生じる電極先端部分(以下、突起部)と、非溶融部分のコイル部とを電極先端側に形成した電極(以下、コイル溶融電極という)が使用される。
このようなショートアーク型放電ランプのアーク放電は、電極の突起部に生じることが望ましいが、ランプ点灯直後は電極温度が低く、放電ガスのガス圧も低いため、アーク放電の位置が安定せず、コイル部などの突起部以外でアーク放電が生じる。特に、電極先端側が十分加熱されていない段階では、コイル部で生じたアーク放電がコイル部や太径部のコイル側端部に長時間留まりやすい。そのため、コイル部などが蒸発し、電極物質(タングステンなど)が放電管内に付着することで、放電管の失透が生じる恐れがある。また、コイル部を含む電極形状が変形することにより、突起部以外でアーク放電が生じやすくなり、これは、照度低下や放電管のクラックあるいは変形を招く。
これを防ぐため、コイル溶融電極のコイル形状を、アーク放電の不安定化につながらない形状にする。具体的には、コイル部分の後端側にコイルの切れ端が無い構造にすることでコイル部分の後端側に鋭角な部分をなくして丸みをもたせ、コイル部より生じたアーク放電が速やかに電極先端側に移動させる試みが知られている(特許文献1参照)。
特開2004−362861号公報
コイル溶融電極では、電極芯棒に巻き回されたコイルの電極先端側一部分を溶融させて電極を成形しているため、例えば溶融した電極物質によって、コイル部分や太径部のコイル側端部の表面に突起や凹凸が生じやすい。さらにコイル部には、コイル同士の隙間や、コイル部と太径部の隙間等を有するため、電極成形後にコイル部の表面の突起等を十分に除去することは困難である。したがって、コイル部分の後端側にコイルの切れ端が無い構造としても、ランプ点灯開始時において、コイル部がアーク放電の先端側移動の障害となり、アーク放電のコイル部から突起部への速やかな移動が生じない。
よって、コイル溶融電極において、点灯開始後、速やかに電極突起部にアーク放電を移行させることが求められる。
本発明の放電ランプは、放電管と、放電管内に配置される一対の電極とを備え、例えば、一対の電極間距離(極間)が2mm以下であって、放電管内において、0.15mg/mm3以上の水銀と、希ガスと、ハロゲンとが封入されているショートアーク型放電ランプに適用可能である。そして、少なくとも一方の電極が、先端側に向けて縮径する太径部と、太径部電極先端側端面の電極先端側に形成した突起部と、太径部電極後端側端部の電極後端側に形成した、電極芯棒にコイルが巻き回されたコイル部とを有し、例えばコイル溶融電極によって構成することができる。太径部、突起部の形状は様々であり、例えば突起部は比較的寸胴な太径部に一体的に繋がったコイル溶融電極を成形することができる。
本発明では、太径部の表面において、第1凸部が、突起部の端部からコイル部の端部に渡って形成されており、これによってアーク放電がコイル部から突起部へ移動する。アーク放電のより確実な移動を考慮すると、第1凸部が電極周方向に連続的に複数配置された帯状の第1凹凸部を形成することが望ましい。第1凹凸部は第1凸部を複数有することで、第1凹凸部の電極径方向断面形状は凹凸形状となる。第1凹凸部の断面凹凸形状(凹凸の変化の程度)、その幅などは任意である。また、厳密に径方向に沿って(周方向に平行で)凹凸が形成されなくてもよい。
アーク放電を、太径部表面のなるべく短い距離で安定して突起部に移動させることを考慮すると、第1凹凸部が突起部からコイル部にかけて電極周方向に弧状となる形状に形成される構成にするのがよい。ここで、「弧状」とは、太径部表面の電極周方向において、第1凹凸部の一部分(例えば電極を側面からみた平面図において、コイル部と突起部との中間付近で第1凹凸部が電極軸と略平行となる部分)が、第1凹凸部のコイル側端部と、第1凹凸部の突起側端部と間に無く、第1凹凸部がコイル部から突起部に渡って、電極周方向に沿った変位をすることを意味する。太径部表面において、例えば第1凹凸部がコイル部から突起部に向かって変位する(延びる)ことに加えて、コイル部から第1凹凸部の一部分(例えば電極を側面からみた平面図において、コイル部と突起部との中間付近で第1凹凸部が電極軸と略平行となる部分)にかけて、一方の電極周方向に沿って変位する(延びる)。そして、第1凹凸部の一部分(例えば電極を側面からみた平面図において、コイル部と突起部との中間付近で第1凹凸部が電極軸と略平行となる部分)から突起部にかけては、他方の電極周方向(コイル部から第1凹凸部の一部分までとは逆の向きの電極周方向)に沿って変位する(延びる)。つまり、第1凹凸部は、第1凹凸部の一部分(例えばコイル部と突起部との中間付近)を頂点とした弓なり形状(なだらかな山なり形状)である。その曲り具合(電極周方向に沿った変位具合)などは任意である。また、第1凹凸部のコイル側端部の位置と突起側端部の位置とが電極軸を含む(同一の)平面上、すなわち電極径方向において同じ位置に無くても良い。例えば、所定方向から見て第1凹凸部の端から端まで目視できるような曲線であればよい。また、部分的に弧状であってもよい。
ランプ点灯姿勢に関わらずに効果的なアーク放電の移動を考慮すると、それぞれ異なる電極周方向に弧状となる一対の弧状部分をもつ第1凹凸部が形成される構成であるのがよい。ただし、その帯状、筋状の第1凹凸部が、その全体を見たときにおよそ一対であればよい。厳密に対称性を有する一対でなくてもよい。
例えば、電極径方向断面において、第1凹凸部の凸部頂点の曲率半径が、0.1μm〜250μmの範囲にすることが可能である。
一方、突起部のアーク放電がコイル側へ移動する(コイル側へ戻る)ことを防ぐため、突起部表面において、突起部を電極周方向に周回する第2凸部を、突起部の電極後端側端部から電極先端側に連続的に複数形成することで、電極軸方向に沿った断面において凹凸形状が現れる第2凹凸部を形成することが望ましい。例えば、電極径方向断面において、第2凹凸部の第2凸部頂点の曲率半径が、第2凹凸部の第2凸部高さの2倍以上に構成される。
本発明のショートアーク型放電ランプ用電極の製造方法は、電極芯棒にコイルを巻き付け、前記コイルの所定箇所にレーザを照射することによって、コイル溶融表面を有する太径部および突起部と、溶融されていないコイル部とを成形する電極製造方法であって、前記太径部の表面において、電極径方向に沿った断面に凹凸が現れる第1凹凸部が、突起部から前記コイル部に渡って形成されるように、レーザ照射する。
本発明によれば、ショートアーク型放電ランプにおいて、アーク放電を速やかに安定化させることができる。
第1の実施形態であるショートアーク型放電ランプを模式的に示した平面図である。 電極を概略的に示した平面図である。 太径部の第1凹凸部付近の電極径方向に沿った断面図である。 アーク放電の移動経路を示した電極の平面図である。 アーク放電位置と反射鏡焦点との位置関係を示した図である。 第2の実施形態における太径部の第1凹凸部付近の電極軸方向に沿った断面図である。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態であるショートアーク型放電ランプを模式的に示した平面図である。
ショートアーク型放電ランプ10は、プロジェクタなどの光源に使用可能な放電ランプであり、透明な石英ガラス製の放電管12を備える。放電管12には、モリブデン、タングステンなどの金属から成る一対の電極20(20A、20B)が、ランプ軸に沿って所定間隔(電極間距離)で対向配置される。放電管12の両側には、石英ガラス製の封止管13A、13Bが対向するように放電管12と一体的に設けられている。
一方の電極20A側に設けられた封止管13A、他方の電極20B側に設けられた封止管13Bの内部では、導電性の金属箔(図示せず)が、電極20A、20Bの芯棒22A、22Bに対しその一端が溶接されており、金属箔は封止管13A、13B内に気密に埋設されている。金属箔の他端は、封止管外部に露出する導電性リード棒(図示せず)と溶接されている。
一対の電極20(20A、20B)は、ここでは2mm以下の間隔で対向配置されている。また、放電管12内部には、0.15mg/mm3以上の水銀と、希ガスと、1×10-6〜1×10-2μmol/mm3の範囲のハロゲンとが封入されている。ただし、ハロゲンは化合物の状態で封入されている。
放電ランプ10は、50〜500(W)の交流点灯型ランプであり、図示しない電源から交流電圧が供給される。交流電圧が供給されることにより、アーク放電が電極20A、20Bの間で生じるとともに、極性が電極20A、20Bの間で交互に入れ替わる。放電ランプ10は反射鏡(図示せず)の中心軸に沿って取り付けられ、放電管12から放射される光は反射鏡(図示せず)の開口方向に沿って射出される。アーク放電の発生位置は、反射鏡(図示せず)の中心軸と実質的に一致している。
図2は、電極20Bを概略的に示した平面図である。図2を用いて、電極形状および電極製造方法について説明する。なお、電極20Aの構成も電極20Bと同じである。
電極20Bは、コイル溶融電極であり、電極芯棒22Bにコイルを巻き付け、レーザ照射によってコイルの一部を溶融させることで成形し、その先端側は、溶融部分である突起部32、太径部34と、溶融していないコイル部36とを備えている。太径部34は、先端側に向けて先細くなる縮径部33を有し、その断面は略円状になっている。
電極20Bのサイズ等は、点灯電力や放電管の大きさ、放電管内の封入物の状態や放電ガスの対流などをはじめとした様々な条件を考慮して定められる。例えば、太径部34の外径は0.5〜3mm、電極芯棒22Bの外径は0.2〜1.5mm、電極間距離は0.5〜2mmの範囲に定められる。
太径部表面34Sには、突起部との端部T1からコイル部との端部T2に渡る第1凸部を複数有する第1凹凸部G1が形成されている。第1凹凸部G1は、複数の第1凸部が所定幅で連続的に周方向に沿って形成されることで帯状となり、電極径方向断面において凹凸形状が現れる。
第1凹凸部G1は、例えば太径部表面34Sへのレーザ照射によって、弧状に形成される。具体的には、太径部表面34Sのレーザ照射位置CPへのレーザ照射を行ない、レーザ照射位置CP周辺の太径部表層を溶融する。このとき溶融した電極物質が、凝固することによって所定の波紋状凹凸形状かつ弧状形状になるように、レーザ照射量や出力等の諸仕様を調整することで、第1凹凸部G1を形成する。
第1凹凸部G1の弧状形状とは、太径部表面34Sにおいて、第1凹凸部G1のコイル側端部から突起側端部までの区間の一部分(例えばコイル部36と突起部32との中間付近であって、図2において第1凹凸部が電極軸方向と略平行となる点N)の電極周方向位置が、第1凹凸部G1のコイル側端部の電極周方向位置と、第1凹凸部G1の突起側端部の電極周方向位置とは異なる形状を示す。ただし、電極周方向位置とは、太径部34の表面上において電極軸に相当するラインから電極周方向に沿った(図2の破線に沿った)位置を表す。図2においては、第1凹凸部G1は、コイル部36との端部から点Nまでの間は、突起部32に近づくに従って一方の電極周方向に沿って(上記電極軸相当ラインから離れるように)変位する(延びる)。第1凹凸部G1の点Nから突起部との端部までの間は、突起部32に近づくに従って他方の電極周方向に沿って(電極軸相当ラインに近づくように)変位する(延びる)。つまり、第1凹凸部G1は、コイル部36との端部および突起部32との端部の位置から電極周方向の一方に対し変位量が最大となる点(ここでは頂点という。図2では第1凹凸部G1のコイル部側端部と突起部側端部との中間部分M)を持つ弓なり形状(なだらかな山なり形状)となる。なお、弓なり形状の頂点の位置は、第1凹凸部G1のコイル側端部および突起側端部の周方向位置によって定めることも可能であり、第1凹凸部G1の点Nを頂点とすることもできる。
さらに、レーザ照射量や出力等の諸仕様を調整することによって、第1凹凸部G1を太径部34のレーザ照射位置CPを中心として概ね対称的な一対の弧状部分を形成することができる。レーザ照射位置CPを中心として概ね対称的な一対の弧状とは、電極軸とレーザ照射位置CPを含む平面に対して異なった向きの一対の弧状形状であり、図2の第1凹凸部G1のように、電極軸とレーザ照射位置CPを含む表面に対して、それぞれ異なる電極周方向に頂点を持つ一対の弓なり形状(なだらかな山なり形状)である。言い換えると、図2のようにレーザ照射位置CPが電極軸上になる平面図において、電極軸に対して対称に見える様な一対の弓なり形状である。
図3は、図2の第1凹凸部G1が電極軸を略平行となる点Nにおける太径部34の電極径方向に沿った断面図である。図3は、第1凹凸部G1の断面凹凸形状を説明する図であり、弧状である第1凹凸部G1の延びる方向に垂直な断面を表すものである。第1凹凸部G1は、レーザ照射位置CPを中心とした波紋状に形成されており、先鋭な部分のない滑らかな凹凸が繰り返されている。ここでは、第1凸部の頂点S1の曲率半径r1はおよそ0.1μm〜250μmの範囲に定められ、凸部頂点の太径部表面34Sに垂直な方向に沿った、凹部底点と凸部頂点平均距離間隔(以下、第1凸高さという)H1の0.2倍以上になっている。この第1凹凸部G1の幅(第1凹凸部G1の延びる方向に対するに垂直な幅)は、例えば10μm〜800μmの範囲で形成される。さらに、第1凹凸部G1は太径部表面34Sの一部に形成され、例えば第1凹凸部G1の面積は、太径部表面Sの面積の60%以下の範囲で形成される。
一方、突起部表面32Sには、突起部32を電極周方向に周回する第2凸部を複数有する第2凹凸部G2が形成されている。第2凹凸部G2は、複数の所定幅の第2凸部が連続的に電極軸方向に沿って形成されることで帯状となり、電極軸方向断面において凹凸形状が現れる。第2凹凸部G2における凸部頂点の突起部32表面に垂直な方向に沿った、凹部底点と凸部頂点平均距離間隔(以下、第2凸高さという)H2は10μm以下であり、また凸部頂点S2の曲率半径r2は、0.1μm〜250μm以下の範囲であるとともに、第2凸高さH2の2倍以上になっている(r2、H2、S2は図示せず)。
このような第1凹凸部G1、第2凹凸部G2は、レーザ照射の照射位置、レーザ照射量、照射時間等の諸仕様を調整することでその形状が定められる。この第1凹凸部G1、第2凹凸部G2により、アーク放電の早期移動および安定化が実現される。以下、これについて説明する。
図4は、アーク放電の移動経路を示した電極の平面図である。図5は、アーク放電位置と反射鏡焦点との位置関係を示した図である。
ランプ点灯開始直後では、電極先端側(太径部34、突起部32)がコイル部36よりも温度が低いため、アーク放電がコイル部36を起点として生じる。コイル部36付近で生じたアーク放電は、電界集中によって帯状の第1凹凸部G1の第1凸部に沿って突起部32の方向へ移動していく(図4矢印参照)。第1凹凸部G1は複数の第1凸部が所定幅をもって周方向に沿って連続して形成されているため、コイル部36から第1凹凸部G1へアーク放電が移行しやすく、また、突起部32の方向へ移動中のアーク放電が第1凹凸部G1以外の太径部表面に移動し難い。
この第1凹凸部G1は、突起部32との端部T1からコイル部36との端部T2までの区間全体に渡って途切れることなく形成されているため、アーク放電は移動方向が乱れることなく突起部32の方へ移動していく。一方、第1凹凸部G1が弧状に形成されているため、縮径部33において表面形状が最も大きく変化する電極軸方向に沿っていない経路をアーク放電が移動する。これにより、電極径の急激な減少によってアーク放電が不安定となり第1凹凸部G1から他の部分に移動してしまうことを抑制し、より確実にアーク放電を突起部32に移動させることが出来る。
また、第1凹凸部G1が一対の対照的な弧状であり、どちらの経路でアーク放電が移動しても同様の効果が得られる。本放電ランプの点灯姿勢すなわちランプ点灯時におけるランプ軸方向は、鉛直方向に限らず、水平方向やその他方向の場合もある。アーク放電はより温度の高い部分に移動しやすい(例えば水平方向で点灯した場合、電極の鉛直上方側に移動しやすい)傾向があるが、第1凹凸部G1が一対の対照的な弧状、すなわち異なる向きの弧状を有することから、点灯姿勢に関わらず速やかにアーク放電を移動させることが出来る。
さらに、第1凹凸部G1の第1凸部頂点S1は、曲率半径r1が0.1μm以上かつ、第1凸高さH1の0.2倍以上であり、先鋭な部分を持たない滑らかな形状であるため、突起部32に向けて移動中のアーク放電の熱が第1凸部に過度に集中することが防止され、第1凸部の一部が蒸発して欠損する事態が生じない。したがって、一部欠損によってアーク放電の移動が中断する、または蒸発した物質が放電管内壁に付着する、もしくはその両方を防ぐことができる。なお、曲率半径r1が250μmを上回ると第1凸部上にアーク放電が生じるに十分な電界集中が生じなくなり、アーク放電が突起部に移動しない恐れがあり、曲率半径r1が250μm以下であることが望ましい。
一方、突起部32が十分に加熱されるまでの間、第1凹凸部G1を伝って移動してきたアーク放電は、電界集中によって第2凹凸部G2の第2凸部に沿って突起部32の周りを移動する。アーク放電が突起部32の周方向に沿って移動しても、図5に示すように、反射鏡焦点FPとアーク放電ADとの距離および放電距離は一定範囲にある。したがって、その間に照度の急激な変動が生じない。そして、突起部32の周りを移動するアーク放電によって突起部32の温度が十分に上昇すると、アーク放電は第2凹凸部G2のより電極先端側の第2凸部に移動し、最終的に突起部32の頂部32Tへ移動することで、安定したアーク放電状態となる。
ランプ点灯初期状態では、交流電力によって極性変化するとアーク放電が突起部32において不安定となる。場合によっては、放電管12内の対流が、アーク放電をコイル部36のある方向へ誘導しようとする。しかしながら、周回する第2凹凸部G2に沿ってアーク放電が移動するため、アーク放電がコイル側へ移動するのを抑制する。また、太径部34の第1凹凸部G1が太径部表面34Sの一部にしか形成されていないため、アーク放電のコイル側移動をより一層抑えることができる。一方、第2凹凸部G2が突起部32の頂部32Tに形成されていないため、アーク放電安定時に第2凹凸部G2が蒸発するのを防ぐことができる。
第2凹凸部G2の第2凸部も、第1凹凸部G1の第1凸部と同様、先鋭な部分を持たず滑らかな形状を有する。また、第2凹凸部G2の第2凸部高さH2が10μm以下に抑えられ、第2凸部頂点の曲率半径が、第2凸部高さH2の2倍以上であることにより、太径部34よりも高温状態になる突起部32において第2凹凸部G2の第2凸部が蒸発するのを抑えることができる。
アーク放電の早期の突起部への移動とアーク放電安定化とを実現できる上記構成のコイル溶融電極は、例えば太径部表面34Sの所定の場所に、電極の仕様に合わせた適切な条件に調整したレーザ照射を行なうことで形成可能であることから、電極製造を極めて容易にすることができる。なお、このレーザ照射をコイル溶融電極作成工程(電極芯棒の先端に巻き付けたコイルを部分的に溶融する工程)で行なうこともできる。
このように本実施形態によれば、コイル溶融表面を形成する突起部32および太径部34と、非溶融部分であるコイル部36とを形成した電極20Bを備えたショートアーク型放電ランプ10において、周方向に沿って凹凸が繰り返し連続的に所定幅で現れる第1凹凸部G1が、太径部表面34Sの突起部32からコイル部36に渡って形成されている。放電ランプ10は、交流点灯型ランプであるので、電極20Aに対しても同様に形成する。
次に、図6を用いて、第2の実施形態である放電ランプについて説明する。第2の実施形態では、凹凸部に滑らかでない先鋭な部分が形成されている。
図6は、第2の実施形態の第1凹凸部G1’が電極軸を略平行となる点における太径部34の電極径方向に沿った断面図である。図6に示すように、第1凹凸部G1’には、略平面部分Qや、凹部において滑らかでない(断面曲線が微分できない)先鋭部分Pを形成している。このような第1凹凸部G1’の形状でも、アーク放電の速やかな先端側移動を誘導することができる。なお、突起部の周方向に形成される第2凹凸部においても、同様の形状にすることができる。
なお、レーザ照射以外の製造方法によって上記第1凹凸部G1、第2凹凸部G2を設けてもよい。また、突起部については、椀状に限定されず、突起部の形状に合わせて凹凸部G2を設けないように構成してもよい。さらに、第1凹凸部G1は、その凹凸の程度、太径部表面に形成する割合など任意である。そして、一方の電極のみ第1凹凸部を設けるようにしてもよい。
10 ショートアーク型放電ランプ
20A、20B 電極(コイル溶融電極)
22A、22B 電極芯棒
32 突起部
34 太径部
36 コイル部
G1 凹凸部(第1凹凸部)
G2 凹凸部(第2凹凸部)

Claims (10)

  1. 放電管と、
    前記放電管内に配置される一対の電極と、
    前記電極を支持する電極芯棒とを備え、
    少なくとも一方の電極が、
    電極先端側に向けて縮径する太径部と、
    前記太径部より電極先端側に形成した突起部と、
    前記太径部より電極後端側に形成したコイル部とを有する電極において、
    前記太径部の外周表面の一部に、
    前記突起部から前記コイル部に渡る第1凸部を有することを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記太径部の外周表面の一部に、
    前記第1凸部を電極周方向に連続的に複数有し、
    電極径方向に沿った断面において電極周方向に沿った凹凸形状が現れる帯状の第1凹凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 前記第1凹凸部が、前記突起部から前記コイル部に渡って弧状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
  4. 前記第1凹凸部が、それぞれ異なる電極周方向に弧状となる一対の対称性をもった弧状部分を有することを特徴とする請求項3に記載の放電ランプ。
  5. 前記第1凹凸部の第1凸部頂点の曲率半径が、0.1μm〜250μmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の放電ランプ。
  6. 前記突起部の表面において、
    前記突起部を周回する第2凸部を前記突起部の電極後端側端部から電極先端側に連続的に複数有し、
    電極軸方向に沿った断面において凹凸形状が現れる帯状の第2凹凸部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の放電ランプ。
  7. 前記第2凹凸部が、前記突起部の頂部以外の表面部分に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の放電ランプ。
  8. 前記第2凹凸部の第2凸部頂点の曲率半径が、前記第2凸部の高さの2倍以上であることを特徴とする請求項7に記載の放電ランプ。
  9. 前記一対の電極間隔が2mm以下であって、
    前記放電管内において、0.15mg/mm3以上の水銀と、希ガスと、ハロゲンとが封入されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の放電ランプ。
  10. 電極芯棒にコイルを巻き付け、
    前記コイルの所定箇所にレーザを照射することによって、コイル溶融表面を有する太径部および突起部と、溶融されていないコイル部とを成形する電極製造方法であって、
    前記太径部の表面において、電極径方向に沿った断面に凹凸が現れる第1凹凸部が、前記突起部から前記コイル部に渡って形成されるように、レーザ照射することを特徴とするショートアーク型放電ランプ用電極の製造方法。
JP2016037177A 2016-02-29 2016-02-29 ショートアーク型放電ランプ Active JP6577884B2 (ja)

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