JP6577395B2 - 内部品質判定システム - Google Patents

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Description

本発明は、マンゴーやアボガドなどの大きな種を有する農産物等の測定対象物の内部品質を判定する内部品質判定システムに関する。
測定対象物に光を照射して内部透過光を受光し、この透過光を分光処理して測定対象物の内部品質を判定する内部品質判定システムは、公知である。
例えば、下記特許文献1及び2には、青果物が載置されたトレーを搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される青果物に対して測定光を照射する投光部と、前記投光部から青果物に照射され且つ当該青果物を透過した透過光を受光する受光部とを備えた内部品質判定システムが開示されている。
しかしながら、前記特許文献1及び2に記載の内部品質判定システムにおいては、内部品質を判定すべき青果物がマンゴーやアボガドなどの大きな種を有する場合には、透過光が行き渡らない「死角」が生じてしまい、青果物全体の内部品質を正確に判定できないという問題があった。
即ち、前記特許文献1及び2に記載の構成においては、前記投光部は前記搬送機構を挟んで前記搬送機構の幅方向両側に配置された第1及び第2投光部を有するものとされる一方で、前記受光部は前記搬送機構の上方に配置された単一の受光部とされている。
斯かる構成において、内部品質を判定すべき青果物がマンゴーやアボガドなどの大きな種を有する場合には、青果物の内部のうち種の下方に位置する部分には透過光が行き渡らず、結果として、青果物全体の内部品質を正確に判定できないことになる。
また、下記特許文献3には、農産物が載置されたトレーを搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される農産物に対して測定光を照射する投光部と、前記投光部から農産物に照射され且つ当該農産物を透過した透過光を受光する受光部とを備えた内部品質判定システムにおいて、前記投光部を前記搬送機構の下方に配置し、且つ、前記受光部を前記搬送機構の上方に配置させる形態、並びに、前記投光部を前記搬送機構の下方に配置し、且つ、前記受光部を前記搬送機構の搬送幅方向両側に配置させる形態が開示されている。
しかしながら、前記特許文献3に記載の構成においても、内部品質を測定すべき農産物がマンゴーやアボガドなどの大きな種を有する場合には、農産物の内部のうち種の上方に位置する部分には透過光が行き渡らず、結果として、農産物全体の内部品質を正確に判定できないことになる。
特開2007−303939号公報 特開2007−303940号公報 特開2012−122876号公報
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、測定対象物が内部に種等の光を透過しない部分を有していたとしても当該測定対象物の内部全体の品質を精度良く判定可能な内部品質判定システムの提供を目的とする。
明は、前記目的を達成するために、測定対象物が載置される主面を含む受け座部を有するトレイと、複数の前記トレイを直列状態で搬送する搬送機構と、前記搬送機構の搬送途中に設けられた上側測定領域において前記搬送機構の上方から測定対象物に向けて測定光を投光する上側投光部と、前記上側測定領域において前記搬送機構を挟んで搬送幅方向に対向配置された上側投光部用第1及び第2受光部と、搬送機構の搬送方向に関し前記上側測定領域とは異なる下側測定領域において前記搬送機構の下方から測定対象物に向けて測定光を投光する下側投光部と、前記下側測定領域において前記搬送機構を挟んで搬送幅方向に対向配置された下側投光部用第1及び第2受光部と、前記上側投光部用第1及び第2受光部並びに前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された透過光に基づき測定対象物の内部品質を判定する制御装置とを備え、前記受け座部には、前記下側投光部からの測定光が測定対象物に照射されることを可能とする開口又はスリットが設けられ、前記トレイは、前記下側投光部から前記開口又はスリットを介して測定対象物に照射され且つ当該測定対象物を透過した透過光が前記下側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容し、且つ、前記上側投光部から測定対象物に照射され且つ当該測定対象物を透過した透過光が前記上側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容するように構成されている内部品質判定システムを提供する。
好ましくは、前記内部品質判定システムには、前記開口又はスリットに対応した開口又はスリットが設けられた遮蔽壁部を有し、前記遮蔽壁部によって測定対象物の上方を覆うように前記トレイに設置可能なカバーが備えられる。
この場合、前記トレイ及び前記カバーは、前記下側投光部から前記トレイの前記開口又はスリットを介して測定対象物に照射され且つ測定対象物を透過した透過光が前記下側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容し、且つ、前記上側投光部から前記カバーの前記開口又はスリットを介して測定対象物に照射され且つ測定対象物を透過した透過光が前記上側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容するように構成される。
記内部品質判定システムは、前記上側投光部用第1及び第2受光部並びに前記下側投光部用第1及び第2受光部に光学的に接続され、前記上側投光部用第1及び第2受光部並びに前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された測定対象物からの透過光を分光して分光情報を生成する分光装置を備え得る。
この場合、前記制御装置は、前記分光装置からの分光情報に基づき測定対象物の内部品質を判定するように構成される。
例えば、前記分光装置は、前記上側投光部用第1及び第2受光部にて受光された光を混合状態で入力し、且つ、前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された光を混合状態で入力する共通分光器を有し得る。
この場合、前記制御装置は、前記上側投光部及び前記下側投光部の作動制御を司るように構成され、一のトレイが前記上側測定領域に到達すると、前記上側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記上側投光部用第1及び第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記共通分光器から入力すると共に、一のトレイが前記下側測定領域に到達すると、前記下側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記共通分光器から入力するように構成され得る。
これに代えて、前記分光装置は、前記上側投光部用第1受光部及び前記下側投光部用第1受光部に光学的に接続され、前記上側投光部用第1受光部及び前記下側投光部用第1受光部にて受光された透過光を分光して第1分光情報を生成する第1分光器と、前記上側投光部用第2受光部及び前記下側投光部用第2受光部に光学的に接続され、前記上側投光部用第2受光部及び前記下側投光部用第2受光部にて受光された透過光を分光して第2分光情報を生成する第2分光器とを有し得る。
この場合、前記制御装置は、前記上側投光部及び前記下側投光部の作動制御を司るように構成され、一のトレイが前記上側測定領域に到達すると、前記上側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記上側投光部用第1受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第1分光器から入力し且つ前記上側投光部用第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第2分光器から入力すると共に、一のトレイが前記下側測定領域に到達すると、前記下側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記下側投光部用第1受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第1分光器から入力し且つ前記下側投光部用第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第2分光器から入力するように構成される。
本発明に係る内部品質判定システムによれば、複数のトレイを搬送する搬送機構の搬送途中に設けられた上側測定領域において、上側投光部が前記搬送機構の上方から測定光を照射するように配置され且つ上側投光部用第1及び第2受光部が前記搬送機構を挟んで搬送幅方向に対向配置され、搬送方向に関し上側測定領域とは異なる下側測定領域において、下側投光部が前記搬送機構の下方から測定光を照射するように配置され且つ下側投光部用第1及び第2受光部が前記搬送機構を挟んで搬送幅方向に対向配置され、
前記上側投光部用第1及び第2受光部並びに前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された透過光に基づき制御装置が測定対象物の内部品質を判定するように構成されており、さらに、前記トレイが、前記下側投光部から前記トレイの受け座部に設けられた開口又はスリットを介して測定対象物に照射されて当該測定対象物を透過した透過光の前記下側投光部用第1及び第2受光部への進行を許容し、且つ、前記上側投光部から測定対象物に照射されて当該測定対象物を透過した透過光の前記上側投光部用第1及び第2受光部への進行を許容するように構成されているので、測定対象物がマンゴーやアボガド等の大きな種を有する場合であっても、測定対象物の内部全体の品質を精度良く判定することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る内部品質判定システムの模式平面図である。 図2は、図1に示す前記内部品質判定システムの模式側面図である。 図3は、図2におけるIII-III線に沿った前記内部品質判定システムの模式断面図である。 図4は、前記内部品質判定システムにおけるトレイにカバーが取り付けられた状態の斜視図である。 図5は、図4の分解斜視図である。 図6(a)は、従来の内部品質判定システムの模式正面図であり、図6(b)は、前記実施の形態1に係る内部品質判定システムの模式正面図である。 図7は、前記実施の形態1の変形例に係る内部品質判定システムの模式平面図である。 図8は、前記内部品質判定システムに適用可能なカバー設置機構の模式側面図である。 図9は、本発明の実施の形態2に係る内部品質判定システムの模式平面図である。 図10は、図9に示す前記内部品質判定システムの模式側面図である。 図11は、図10におけるXI-XI線に沿った前記内部品質判定システムの模式断面図である。 図12は、前記実施の形態2の変形例に係る内部品質判定システムの模式平面図である。
実施の形態1
以下、本発明に係る内部品質判定システムの好ましい一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に、それぞれ、本実施の形態に係る内部品質判定システム1の模式平面図及び模式側面図を示す。
また、図3に、図2におけるIII-III線に沿った前記内部品質判定システム1の模式断面図を示す。
図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る内部品質判定システム1は、測定対象物300が載置されるトレイ100と、前記トレイ100を搬送する搬送機構10と、前記搬送機構10によって搬送されている測定対象物300に対して測定光を投光する投光部30と、前記投光部30によって照射された測定光のうち測定対象物300を透過した透過光を受光する受光部50と、分光装置70と、制御装置90とを備えている。
図2及び図3に示すように、前記内部品質判定システム1は、前記投光部30として、前記搬送機構10の搬送途中に設けられた測定領域10Bにおいて前記搬送機構100を挟んで上下に対向配置され、測定対象物300に向けて測定光を発光する上側投光部30U及び下側投光部30Dを有している。
前記上側投光部30U及び前記下側投光部30Dは、例えば、近赤外領域の波長の光を照射可能なハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDランプ等が利用される。
前記上側投光部30U及び前記下側投光部30Dは、同一波長域の光を投光するものとされ、且つ、測定対象物300に照射された時点での光強度が略同一となるように測定対象物300からの離間距離が同一とされる。
また、前記内部品質判定システム1は、前記受光部50として、前記測定領域10Bにおいて前記搬送機構10を挟んで搬送幅方向に対向配置された第1及び第2受光部50(1)、50(2)を有している。
前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)は、例えば、後端が前記分光装置70に光学的に接続された光ファイバーの先端とされ得る。
前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)は、測定対象物300の透過光を同一条件で受光し得るように、測定対象物300からの離間距離が同一とされる。
図4及び図5に、それぞれ、前記トレイ100の斜視図及び分解斜視図を示す。
なお、前記トレイ100の理解容易化の為に、図4及び図5においては測定対象物300の図示を省略している。
図1及び図3〜図5に示すように、前記トレイ100は、前記搬送機構10に支持され、搬送される基部110と、前記基部110に連結され、測定対象物300が載置される主面131を含む受け座部130とを有している。
本実施の形態においては、前記基部110は、前記搬送機構10の搬送幅方向に離間された第1及び第2側壁111、112と、前記第1及び第2側壁111、112の搬送方向前側同士を連結する前側連結部113と、前記第1及び第2側壁111、112の搬送方向後側同士を連結する後側連結部114とを有している。
前記第1及び第2側壁111、112の各々には、搬送方向前側及び後側に上方へ延在された支柱115が設けられており、前記受け座部130は、前記第1及び第2側壁111、112に設けられた合計4個の支柱115に支持されている。
前記基部110の搬送方向前側及び後側には、それぞれ、前記搬送機構10の搬送幅方向に沿った前側及び後側連結ロッド120、122が支持されている。
本実施の形態においては、前記基部110の搬送方向前側には、搬送方向前方に開くスリット116が設けられており、前記前側連結ロッド120は前記スリット116に挿通されている。
前記基部110の搬送方向後側には、前記搬送機構10の搬送幅方向に開口する取付孔118が設けられており、前記後側連結ロッド122は前記取付孔118に挿通されている。
図1及び図3〜図5に示すように、前記受け座部130には、前記下側投光部30Dからの測定光が、前記主面131に載置された状態の測定対象物300に照射されることを可能とする開口又はスリット135が設けられている。
前記トレイ100は、前記下側投光部30Dから前記開口又はスリット135を介して測定対象物300に照射され且つ当該測定対象物300を透過した透過光及び前記上側投光部30Uから測定対象物300に照射され且つ当該測定対象物300を透過した透過光が前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)へ向けて進行することを許容するように構成されている。
本実施の形態においては、図4及び図5等に示すように、前記主面131に載置される測定対象物300の搬送姿勢安定化を図るべく、前記受け座部130は上方に開く凹状とされている。
この場合、凹状とされた前記受け座部130の深さは、図3に示すように、前記主面131に載置された測定対象物300と前記受光部50(1)、50(2)との間に光の通路が確保されるように、設定される。
前記搬送機構10は、複数個の前記トレイ100を直列状態で搬送するように構成されている。
本実施の形態においては、図1及び図2に示すように、前記搬送機構10は、駆動スプロケット等の駆動回転体11と、従動スプロケット等の従動回転体12と、前記駆動回転体11及び前記従動回転体の搬送幅方向一方側に巻き回されたチェーン等の第1無端体15(1)と、前記駆動回転体11及び前記従動回転体の搬送幅方向他方側に巻き回されたチェーン等の第2無端体15(2)とを有している。
前記トレイ100は、前記前側連結ロッド120及び前記後側連結ロッド122の両端部が前記第1及び第2無端体15(1)、15(2)に連結されることで、前記搬送機構10によって無端状に搬送される。
図1及び図2に示すように、前記搬送機構10は、前記主面131が上方を向く姿勢で前記トレイ100を搬送し、前記主面131への測定対象物の載置が可能とされた載置領域10Aと、前記主面131が上方を向く姿勢で前記トレイ100を搬送し、前記載置領域10Aより搬送方向下流側に設けられた測定領域10Bと、前記主面131が上方を向く姿勢で前記トレイ100を搬送し、前記測定領域10Bより搬送方向下流側に設けられた仕分け領域10Cと、前記仕分け領域10Cを通過した前記トレイを前記載置領域10Aへ戻すリターン領域10Dとを含む無端状の搬送経路を有している。
前記分光装置70は、前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)にて受光された測定対象物300の透過光を分光してスペクトル信号等の分光情報を生成する。
本実施の形態においては、図1〜図3に示すように、前記分光装置70は、前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)にて受光された光を混合状態で入力する共通分光器71を有している。
前記制御装置90は、前記分光装置70からの分光情報に基づき測定対象物300の内部品質を判定する。
即ち、前記制御装置90には、予め、糖度等の特定内部品質に関する閾値データが記憶されている。
そして、前記制御装置90は、前記分光装置70から受信する、一のトレイに載置された測定対象物300の分光情報と前記閾値データとの対比に基づき、当該測定対象物300の内部品質の判定を行う。
斯かる構成の前記内部品質判定システム1によれば、測定対象物300がマンゴーやアボガド等の大きな種を有する場合であっても、測定対象物300の内部全体の品質を正確に判定することができる。
即ち、従来の内部品質判定システム500は、図6(a)に示すように、下方から測定対象物300に向けて測定光を投光する単一の投光部30と、測定対象物300の搬送幅方向両側に配置された第1及び第2受光部50(1)、50(2)とを有している。
この従来の内部品質判定システム500においては、下方から投光された前記単一投光部30の測定光は、測定対象物300の内部のうち種310の直上方に位置する部分315を透過できず、前記種310の直上方部分315が「死角」になってしまう。
従って、この従来の内部品質判定システム500における内部品質判定には、前記「死角」部分の内部品質が反映されないことになる。
これに対し、本実施の形態に係る内部品質判定システム1においては、図6(b)に示し且つ前述した通り、前記上側投光部30U及び前記下側投光部30Dがそれぞれ測定対象物300に向けて上方及び下方から測定光を投光し、且つ、前記搬送機構10の搬送幅方向両側に配置された前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)が測定対象物300を透過した透過光を受光する。
斯かる構成によれば、測定対象物300の内部のうち種310よりも上方に位置する部分には前記上側投光部30Uからの光が透過し、測定対象物300の内部のうち種310よりも下方に位置する部分には前記下側投光部30Dからの光が通過することになる。
従って、測定対象物300が大きな種310を有する場合であっても、測定対象物300の内部全体の品質を正確に判定することができる。
本実施の形態に係る前記内部品質判定システム1は、図1〜図5に示すように、さらに、測定対象物300の上方を覆うように前記トレイ100に分離可能に設置されるカバー150を備えている。
前記カバー150は、測定対象物300の上方を覆う遮蔽壁部160を有しており、前記遮蔽壁部160には、前記トレイ100における前記開口またはスリット135に対応した開口又はスリット165が設けられている。
図3〜図5に示すように、前記トレイ100及び前記カバー150は、前記トレイ100の前記開口又はスリット135を介して前記下側投光部30Dから照射され且つ測定対象物300の内部を透過した透過光、及び、前記カバー150の前記開口又はスリット165を介して前記上側投光部30Uから照射され且つ測定対象物300の内部を透過した透過光が、前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)へ向けて進行することを許容するように構成されている。
本実施の形態においては、図4及び図5に示すように、前記遮蔽壁部160は前記受け座部130の凹状に対応し且つ下方に開く凹状とされており、前記カバー150には、前記遮蔽壁部160における前後左右4箇所から下方へ延びる支柱170が設けられている。
前記カバー150の支柱170は前記トレイ100の支柱115上に載置されるようになっており、前記カバー150の支柱170を前記トレイ100の支柱115上に載置させた状態において、前記遮蔽壁部160及び前記受け座部130の間には、測定対象物300の透過光が前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)へ向かって進む通路が画されている。
このように、前記トレイ100における開口又はスリット135に対応した開口又はスリット165を有する前記カバー150を備えることにより、前記上側投光部30Uから照射され且つ測定対象物の内部を透過した透過光と前記下側投光部30Dから照射され且つ測定対象物の内部を透過した透過光との照射条件を揃えることができ、これにより、測定対象物300の内部品質をより正確に判定することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記分光装置70は、前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)にて受光された光を混合状態で入力するように構成されているが、これに代えて、図7に示すように、前記分光装置70が、前記第1受光部50(1)に光学的に接続され、前記第1受光部50(1)にて受光された透過光を分光して第1分光情報を生成する第1分光器72(1)と、前記第2受光部50(2)に光学的に接続され、前記第2受光部50(2)にて受光された透過光を分光して第2分光情報を生成する第2分光器72(2)とを有するように変形することも可能である。
斯かる変形例1’によれば、前記第1分光情報に基づき測定対象物300の搬送幅方向一方側の内部品質を判定し、且つ、前記第2分光情報に基づき測定対象物300の搬送幅方向他方側の内部品質を判定することができる。
ここで、主として図1及び図2を参照しつつ前記内部品質判定システム1の動作説明を行う。
前記搬送機構10の載置領域10Aにおいては、前記カバー150は前記トレイ100から分離されており、この載置領域10Aにおいて作業者は上方を向く状態で且つ上方が開放されている前記主面131上に測定対象物300を載置する。
主面131上に測定対象物300が載置された一のトレイ100が測定領域10Bに到達するまでの間に、前記一のトレイ100には前記カバー150が設置される。
前記カバー150の設置は、作業者による手作業で行うことも可能であるし、若しくは、自動で行うことも可能である。
前記カバー150の自動設置は、例えば、図8に示すカバー設置機構200によって行うことができる。
前記カバー設置機構200は、前記搬送機構10における載置領域10Aから仕分け領域10Cへ至る部分と対向する搬送面211を有し、無端状に搬送されるカバー搬送機構210と、前記カバー搬送機構210に支持されたカバー移動機構230とを有している。
前記カバー移動機構230は、前記カバー搬送機構210に支持された基端部材231と、前記基端部材231に上下方向進退自在に収容された可動部材233と、前記可動部材233を進退動作させるアクチュエータ(図示せず)とを有している。
前記可動部材233は、先端部において前記カバー150を支持しており、前記アクチュエータによって、前記カバー150を前記トレイ100に設置させる伸張位置と前記カバー150を前記トレイ100から上方へ退避させる収縮位置とを取り得るようになっている。
前記アクチュエータは前記制御装置90によって作動制御され得る。
この場合、前記内部品質判定システム1には、一のトレイ100が所定のカバー設置位置に到達したことを検出するカバー設置位置センサ(図示せず)及び前記一のトレイ100が測定領域10Bより搬送方向下流側の所定のカバー取り外し位置に到達したことを検出するカバー取り外し位置センサ(図示せず)が備えられる。
そして、前記制御装置90は、前記カバー設置位置センサからの信号に基づき前記可動部材233が伸張位置を取るように前記アクチュエータを作動させ、前記カバー取り外し位置センサからの信号に基づき前記可動部材233が収縮位置を取るように前記アクチュエータを作動させる。
好ましくは、前記カバー150の支柱170と前記トレイ100の支柱115との間にばねやゴム等の上下方向に弾性変形可能な緩衝部材(図示せず)を介挿させることができる。
前記緩衝部材を設けることにより、測定対象物300の個体差に有効に対応することができる。
前記上側発光部30U及び前記下側発光部30Dの発光のON/OFFは前記制御装置90によって制御される。
即ち、図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る前記内部品質判定システム1は、前記搬送機構10によって搬送される一のトレイ100が測定領域10Bに到達したことを検出する測定領域センサ190を備えている。
前記制御装置90は、前記測定領域センサ190からの信号に基づき一のトレイ100が測定領域10Bに到達したことを検知すると、前記上側発光部30U及び前記下側発光部30Dを同時に発光させ、前記第1及び第2受光部50(1)、50(2)によって受光された透過光の分光情報を前記分光装置70から入力する。
好ましくは、測定領域10Bに到達した一のトレイ100、前記上側発光部30U、前記下側発光部30D、前記第1受光部50(1)及び前記第2受光部50(2)を含む測定空間20を暗室状態とすることができる。
斯かる構成によれば、外乱光の影響を可及的に防止することができる。
本実施の形態に係る前記内部品質判定システム1は、さらに、前記搬送機構10によって搬送される一のトレイ100が仕分け領域10Cに到達したことを検出する仕分け領域センサ192を備えている。
前記制御装置90は、前記仕分け領域センサ192からの信号に基づき一のトレイ100が仕分け領域10Cに到達したことを検知すると、当該一のトレイ100に載置されている測定対象物300の判定結果をモニタ等の表示手段95に表示させることができる。
斯かる構成によれば、作業者は、前記表示手段95に表示された判定結果に基づき、前記一のトレイ100上の測定対象物300を仕分け処理することができる。
これに代えて、前記内部品質判定システム1に、仕分け領域10Cにおいて測定対象物300を前記搬送機構10から対応する仕分け位置へ払い出す払い出し機構(図示せず)を備え、前記制御装置90が、内部品質の判定結果に基づき、前記払い出し機構を作動させるように構成することも可能である。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記制御装置90は、一のトレイ100が測定領域10Bに到達すると前記上側投光部30U及び前記下側投光部30Dを同時に発光させるように構成されているが、これに代えて、前記上側発光部30U及び前記下側発光部30Dの発光タイミングを異ならせることも可能である。
この場合には、前記制御装置90は、前記搬送機構10の搬送動作も制御するように構成される。
即ち、前記制御装置90は、一のトレイ100が測定領域10Bに到達すると前記搬送機構10を停止させた状態で前記上側投光部30U及び前記下側投光部30Dの一方のみを発光させ、前記分光装置70を介して前記一方の投光部からの光による透過光のみの分光情報を入力し、その後に、前記一方の投光部の発光を停止させて他方の投光部のみを発光させ、前記分光装置70を介して前記他方の投光部からの光による透過光のみの分光情報を入力するように構成される。
かかる変形例によれば、前記制御装置90は、前記上側投光部30Uからの光による透過光のみに基づき測定対象物300の上側半分の内部品質を判定でき、前記下側投光部30Dからの光による透過光のみに基づき測定対象物300の下側半分の内部品質を判定できる。
この変形例において、図7に示すように前記分光装置70に前記第1及び第2分光器72(1)、72(2)を備えれば、前記上側投光部30Uのみが発光している状態での前記第1分光器72(1)からの第1分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち上側且つ搬送幅方向一方側の1/4の品質を、前記第2分光器72(2)からの第2分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち上側且つ搬送幅方向他方側の1/4の品質をそれぞれ判定できる。
同様に、前記下側投光部30Dのみが発光している状態での前記第1分光器72(1)からの第1分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち下側且つ搬送幅方向一方側の1/4の品質を、前記第2分光器72(2)からの第2分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち下側且つ搬送幅方向他方側の1/4の品質をそれぞれ判定できる。
実施の形態2
以下、本発明に係る内部品質判定システムの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図9及び図10に、それぞれ、本実施の形態に係る内部品質判定システム2の模式平面図及び模式側面図を示す。
また、図11に、図10におけるXI-XI線に沿った前記内部品質判定システム2の模式断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると実質的に同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
本実施の形態に係る内部品質判定システム2は、前記上側投光部30U及び前記下側投光部30Dが前記搬送機構10の搬送方向に関し異なる位置に設置されている点、並びに、前記受光部50が前記上側投光部30Uから投光され且つ測定対象物300を透過した透過光を受光する上側投光部用第1及び第2受光部50U(1)、50U(2)と前記下側投光部30Dから投光され且つ測定対象物300を透過した透過光を受光する下側投光部用第1及び第2受光部50D(1)、50D(2)とを有している点において、前記実施の形態1に係る内部品質判定システム1と相違している。
詳しくは、図10に示すように、前記上側投光部30Uは前記搬送機構10における搬送方向に関し上側測定領域10B(U)に配置されており、前記下側投光部30Dは前記搬送機構10における搬送方向に関し前記上側測定領域10B(U)とは異なる下側測定領域10B(D)に配置されている。
なお、本実施の形態においては、図10に示すように、前記上側測定領域10B(U)は前記下側測定領域10B(D)よりも搬送方向上流側に設定されているが、当然ながら、前記上側測定領域10B(U)を前記下側測定領域10B(D)よりも搬送方向下流側に設定することも可能である。
図9に示すように、前記上側投光部用第1及び第2受光部50U(1)、50U(2)は、前記上側測定領域10B(U)において前記搬送機構10を挟んで搬送幅方向に対向配置されており、前記上側投光部30Uから測定対象物300に照射され且つ測定対象物300の内部のうち上側部分を透過した透過光を受光するようになっている。
一方、前記下側投光部用第1及び第2受光部50D(1)、50D(2)は、前記下側測定領域10B(D)において前記搬送機構10を挟んで搬送幅方向に対向配置されており、前記下側投光部30Dから測定対象物300に照射され且つ測定対象物300の内部のうち下側部分を透過した透過光を受光するようになっている。
本実施の形態においては、前記制御装置90は、上側測定領域センサ190(U)からの信号に基づき一のトレイ100が前記上側測定領域10B(U)に到達したことを検知すると前記上側投光部30Uを発光させ、測定対象物300を透過して前記上側投光部用第1及び第2受光部50U(1)、50U(2)にて受光された透過光の分光情報を前記分光装置70から入力すると共に、下側測定領域センサ190(D)からの信号に基づき一のトレイ100が前記下側測定領域10B(D)に到達したことを検知すると、前記下側投光部30Dを発光させ、測定対象物300を透過して前記下側投光部用第1及び第2受光部50D(1)、50D(2)にて受光された透過光の分光情報を前記分光装置70から入力するように構成されている。
斯かる構成の前記内部品質判定システム2によれば、測定対象物300の内部のうちの上側半分及び下側半分の品質判定をそれぞれ個別に行うことができる。
好ましくは、上側測定領域10B(U)に到達した一のトレイ100、前記上側発光部30U、前記上側投光部用第1受光部50U(1)及び前記上側投光部用第2受光部50U(2)を含む上側測定空間20U、並びに、下側測定領域10B(D)に到達した一のトレイ100、前記下側発光部30D、前記下側投光部用第1受光部50D(1)及び前記下側投光部用第2受光部50D(2)を含む下側測定空間20Dを暗室状態とすることができる。
斯かる構成によれば、外乱光の影響を可及的に防止することができる。
図12に示すように、前記分光装置70が、前記上側投光部用第1受光部50U(1)及び前記下側投光部用第1受光部50D(1)に光学的に接続された搬送幅方向一方側受光部用の第1分光器72(1)と、前記上側投光部用第2受光部50U(2)及び前記下側投光部用第2受光部50D(2)に光学的に接続された搬送幅方向他方側受光部用の第2分光器72(2)とを備えるように変形することも可能である。
図12に示す変形例2’によれば、前記上側測定領域10B(U)において前記上側投光部30Uが発光している状態での前記第1分光器72(1)からの第1分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち上側且つ搬送幅方向一方側の1/4の品質を、前記第2分光器72(2)からの第2分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち上側且つ搬送幅方向他方側の1/4の品質をそれぞれ判定できる。
同様に、前記下側測定領域10B(D)において前記下側投光部30Dが発光している状態での前記第1分光器72(1)からの第1分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち下側且つ搬送幅方向一方側の1/4の品質を、前記第2分光器72(2)からの第2分光情報に基づき測定対象物300の内部のうち下側且つ搬送幅方向他方側の1/4の品質をそれぞれ判定できる。
なお、前記各実施の形態においては、後端が前記分光装置70に光学的に接続された光ファイバーの先端を前記受光部50(1)、50(2)(50U(1)、50U(2)、50D(1)、50D(2))として作用させているが、本発明はかかる形態に限定されるものでは無く、ハイパースペクトルカメラを前記受光部50(1)、50(2)(50U(1)、50U(2)、50D(1)、50D(2))として作用させることも可能である。この場合、前記分光装置70は省略される。
1、1’、2、2’ 内部品質判定システム
10 搬送機構
10B 測定領域
30U 上側投光部
30D 下側投光部
50(1) 第1受光部
50(2) 第2受光部
50U(1) 上側投光部用第1受光部
50U(2) 上側投光部用第2受光部
50D(1) 下側投光部用第1受光部
50D(2) 下側投光部用第2受光部
70 分光装置
71 共通分光器
72(1) 第1分光器
72(2) 第2分光器
90 制御装置
100 トレイ
130 受け座部
131 主面
135 開口又はスリット
150 カバー
160 遮蔽壁部
165 開口又はスリット
300 測定対象物

Claims (5)

  1. 測定対象物が載置される主面を含む受け座部を有するトレイと、複数の前記トレイを直列状態で搬送する搬送機構と、前記搬送機構の搬送途中に設けられた上側測定領域において前記搬送機構の上方から測定対象物に向けて測定光を投光する上側投光部と、前記上側測定領域において前記搬送機構を挟んで搬送幅方向に対向配置された上側投光部用第1及び第2受光部と、搬送機構の搬送方向に関し前記上側測定領域とは異なる下側測定領域において前記搬送機構の下方から測定対象物に向けて測定光を投光する下側投光部と、前記下側測定領域において前記搬送機構を挟んで搬送幅方向に対向配置された下側投光部用第1及び第2受光部と、前記上側投光部用第1及び第2受光部並びに前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された透過光に基づき測定対象物の内部品質を判定する制御装置とを備え、
    前記受け座部には、前記下側投光部からの測定光が測定対象物に照射されることを可能とする開口又はスリットが設けられ、
    前記トレイは、前記下側投光部から前記開口又はスリットを介して測定対象物に照射され且つ当該測定対象物を透過した透過光が前記下側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容し、且つ、前記上側投光部から測定対象物に照射され且つ当該測定対象物を透過した透過光が前記上側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容するように構成されていることを特徴とする内部品質判定システム。
  2. 前記開口又はスリットに対応した開口又はスリットが設けられた遮蔽壁部を有し、前記遮蔽壁部によって測定対象物の上方を覆うように前記トレイに設置可能なカバーを備え、
    前記トレイ及び前記カバーは、前記下側投光部から前記トレイの前記開口又はスリットを介して測定対象物に照射され且つ測定対象物を透過した透過光が前記下側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容し、且つ、前記上側投光部から前記カバーの前記開口又はスリットを介して測定対象物に照射され且つ測定対象物を透過した透過光が前記上側投光部用第1及び第2受光部へ向けて進行することを許容するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の内部品質判定システム。
  3. 前記上側投光部用第1及び第2受光部並びに前記下側投光部用第1及び第2受光部に光学的に接続され、前記上側投光部用第1及び第2受光部並びに前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された測定対象物からの透過光を分光して分光情報を生成する分光装置を備え、
    前記制御装置は、前記分光装置からの分光情報に基づき測定対象物の内部品質を判定することを特徴とする請求項又はに記載の内部品質判定システム。
  4. 前記分光装置は、前記上側投光部用第1及び第2受光部にて受光された光を混合状態で入力し、且つ、前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された光を混合状態で入力する共通分光器を有し、
    前記制御装置は、前記上側投光部及び前記下側投光部の作動制御を司るように構成されており、一のトレイが前記上側測定領域に到達すると、前記上側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記上側投光部用第1及び第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記共通分光器から入力すると共に、一のトレイが前記下側測定領域に到達すると、前記下側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記下側投光部用第1及び第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記共通分光器から入力するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の内部品質判定システム。
  5. 前記分光装置は、前記上側投光部用第1受光部及び前記下側投光部用第1受光部に光学的に接続され、前記上側投光部用第1受光部及び前記下側投光部用第1受光部にて受光された透過光を分光して第1分光情報を生成する第1分光器と、前記上側投光部用第2受光部及び前記下側投光部用第2受光部に光学的に接続され、前記上側投光部用第2受光部及び前記下側投光部用第2受光部にて受光された透過光を分光して第2分光情報を生成する第2分光器とを有し、
    前記制御装置は、前記上側投光部及び前記下側投光部の作動制御を司るように構成されており、一のトレイが前記上側測定領域に到達すると、前記上側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記上側投光部用第1受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第1分光器から入力し且つ前記上側投光部用第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第2分光器から入力すると共に、一のトレイが前記下側測定領域に到達すると、前記下側投光部を発光させ、測定対象物を透過して前記下側投光部用第1受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第1分光器から入力し且つ前記下側投光部用第2受光部にて受光された透過光の分光情報を前記第2分光器から入力するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の内部品質判定システム。
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