以下、実施形態の鉄道車両制御装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における鉄道車両制御装置100を含む車両駆動装置1の構成の一例を示す図である。本実施形態における車両駆動装置1は、鉄道用の電気車両(以下、「鉄道車両」と称する)に搭載される。鉄道車両は、集電器10が直流電源または交流電源である架線Pに接触することにより、架線Pから電力供給を受けてレールR上を走行する。図1では架線Pが直流電源であるものとする。車両駆動装置1は、主要な構成要素として、モータ20と、インバータ30と、鉄道車両制御装置100とを備える。
集電器10からの電力供給経路には、フィルタリアクトル12が設けられている。フィルタリアクトル12は、架線Pから供給される電流を平滑化させる。また、集電器10から帰線であるレールRまでの間には、インバータ30と並列にフィルタコンデンサ14が設けられている。フィルタコンデンサ14は、インバータ30に供給される電圧を安定化させる。
モータ20は、例えば、かご型の誘導電動機である。モータ20は、図示しない歯車等の連結機構を介して車輪Wに連結され、走行用の駆動力を出力する。モータ20には、U相、V相、およびW相の電力線が接続されている。U相の電力線には電流センサ22Uが取り付けられ、W相の電力線には電流センサ22Wが取り付けられている。これらの電流センサの検出値を示す信号は、鉄道車両制御装置に入力される。なお、モータ20は、「駆動部」の一例である。なお、モータ20は、永久磁石型電動機等、他の種類の電動機であってもよい。
また、モータ20には、回転検出部24が取り付けられる。回転検出部24は、モータ20の回転部材であるロータ20Aの回転速度νを検出する。回転検出部24は、例えばPGセンサである。なお、回転検出部24は、モータ20のロータ20Aの回転角度を検出するものであってもよい。この場合、回転検出部24は、例えばレゾルバセンサであり、鉄道車両制御装置100においてパルス信号をカウントすること等によってロータ20Aの回転速度νが算出される。なお、回転検出部24は、ロータ20Aの回転速度νに代えて、出力軸の回転速度を検出してもよいし、車輪の回転速度を検出してもよい。また、鉄道車両制御装置100は、ロータ20Aの回転速度νを検出するセンサを省略して、センサレスでロータ20Aの回転速度νまたは回転角を算出してもよい。
具体的には、鉄道車両制御装置100は、電流センサ22U、22Wにより検出される電流値や、インバータ30の各相の電圧値、電流値を用いてモータ20のすべり周波数を算出し、算出したすべり周波数に基づいてモータ20のロータ20Aの回転速度νまたは回転角を算出してもよい。また、鉄道車両制御装置100は、インバータ30の各相の電圧値からモータ20内部の誘起電圧を算出し、算出した誘起電圧に基づいて回転速度νまたは回転角を算出してもよい。
インバータ30は、モータ20を駆動する。インバータ30は、3相(UVM相)の電力を生成するスイッチング素子32−1〜32−6を備える。インバータ30は、これらのスイッチング素子が任意に導通(オン)・阻止(オフ)動作されることによって、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換する。すなわち、インバータ30は、PWM(Pulse Width Modulation)インバータである。各スイッチング素子は、例えば逆並列に接続されたダイオードを内蔵したIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。なお、スイッチング素子として、他の種類のスイッチング素子を使用してもよい。
車両駆動装置1を搭載する鉄道車両の運転は、運転台に取り付けられたマスターコントローラ40を操作することによって行われる。マスターコントローラ40は、種々の態様を採用し得るが、例えば、前方に押すことによって制動・減速を指示し、後方に引くことによって加速を指示することができる横軸型のマスターコントローラである。マスターコントローラ40に対してなされた操作量を示す信号、或いは操作に基づいて決定される制御信号は、鉄道車両制御装置に入力される。なお、マスターコントローラ40は、「操作部」の一例である。また、マスターコントローラ40に対してなされた操作量を示す信号、或いは操作に基づいて決定される制御信号は、「入力操作」の一例である。
鉄道車両制御装置100は、鉄道車両の車輪Wの空転、或いは滑走を検出するためにモータ20をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいて、インバータ30を制御する。空転や滑走は、急勾配や降雨時に鉄道車両の車輪WとレールRとの間の粘着性が低下することにより発生する。以下、鉄道車両の車輪Wの空転および滑走を、まとめて「空転」と称して説明する。
図2は、第1の実施形態における鉄道車両制御装置100の機能構成の一例を示す図である。本実施形態における鉄道車両制御装置100は、制御部110と、記憶部130とを備える。制御部110は、電流指令演算部112と、電圧指令演算部114と、変換部116と、PWM制御部118と、加速度演算部120と、空転判定部122と、積算部124と、空転頻度演算部126とを備える。なお、図1に示す回転検出部24、加速度演算部120、および空転判定部122を合わせたものは、「検出部」の一例である。また、積算部124および空転頻度演算部126は、「検出程度制御部」の一例である。
上述した制御部110の機能部のうち一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが記憶部130に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、制御部110の機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とを有する。記憶部130に記憶される情報は、プロセッサが実行するプログラムの他、後述する閾値αth、閾値Tth、閾値Fmax、閾値Fmin、図5に示すマップMP(或いはマップMPに相当するテーブルや関数、アルゴリズム)、空転頻度F、空転回数Ni、回転加速度α、時間T等の情報を含む。
以下、制御部110の各機能部について説明する。電流指令演算部112は、マスターコントローラ40から入力された加速度指令値(ノッチ数)に基づいて、出力すべきパワーを決定し、決定したパワーと、現在のロータ20Aの回転速度νとを用いて、モータ20のトルクを決定する。
電流指令演算部112は、決定したトルクに基づいて、インバータ30からモータ20に供給する電流の指令値を算出する。具体的には、電流指令演算部112は、加速度指令値(ノッチ数)と現在のロータ20Aの回転速度νとに基づいて、d軸電流指令値IdRefとq軸電流指令値IqRefとを生成し、生成したd軸電流指令値IdRefとq軸電流指令値IqRefとを電圧指令演算部52に出力する。ここで、d軸電流とは、モータ20の二次側磁束の方向(d軸方向)に流れる電流であり、q軸電流とは、d軸と直交する方向(q軸方向)に流れる電流である。
また、電流指令演算部112は、後述する空転判定部122により車輪Wが空転していると判定された場合、生成したq軸電流指令値IqRefの値を小さくする。これによって、鉄道車両制御装置100は、モータ20が出力するトルクを少なくすることで、車輪WとレールRの路面との間の粘着性を向上させることができる。この結果、鉄道車両制御装置100は、車輪Wの空転を抑制することができる。なお、電流指令演算部112は、モータ20が回転子の内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石構造の同期モータIPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)である場合、d軸電流指令値IdRef(磁束電流)とq軸電流指令値IqRef(トルク電流)との双方の値を小さくしてもよい。
電圧指令演算部114は、電流指令演算部112から入力された電流指令値(IdRef、IqRef)と、変換部116から入力されたd軸電流値Idおよびq軸電流値Iqとに基づいて、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成し、生成したd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを変換部116に出力する。
変換部116は、電圧指令演算部114から入力されたd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換し、変換した3相の電圧指令値Vu、Vv、VwをPWM制御部118に出力する。また、変換部116は、電流センサ22U、22Wから入力されたU相およびW相の電流を、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iqに変換し、変換したd軸電流値Idおよびq軸電流値Iqを電圧指令演算部114に出力する。
PWM制御部118は、予め設定された三角波と各相電圧指令Vu、Vv、Vwとを個別に比較して各相のゲート指令値を生成し、生成したゲート指令値を、インバータ30を構成する各相のスイッチング素子に出力することで、インバータ30を制御する。なお、上述したd軸、q軸とU相、V相、W相との間の相互変換は、例えば、クラーク変換やパーク変換等のベクトル変換を用いて行う。なお、実施形態で説明したインバータ30の駆動手法は、あくまで一例であり、他の手法を採用してもよい。
加速度演算部120は、回転検出部24により検出された回転速度νからロータ20Aの回転加速度αを算出する。具体的には、加速度演算部120は、回転検出部24により検出された回転速度νを微分演算することにより回転加速度αを算出する。
空転判定部122は、加速度演算部120により算出された回転加速度αに基づいて車輪Wが空転しているか否かを判定する。図3は、空転判定部122による空転の判定方法の一例を説明するための図である。また、図4は、空転判定部122による空転の判定方法の他の例を説明するための図である。図3および図4における横軸は時間t(例えば単位は[sec])を表し、縦軸は回転加速度α(例えば単位は[Hz/sec])の絶対値を表す。図3に示すように、空転判定部122は、例えば、加速度演算部120により算出された回転加速度αが継続的に閾値αthを超えている時間Tが、閾値Tthを超える場合に、車輪Wが空転していると判定する。また、図4に示すように、空転判定部122は、例えば、加速度演算部120により算出された回転加速度αが継続的に閾値αthを超えている時間Tが、閾値Tthを超えない場合に、車輪Wが空転していないと判定する。なお、ここでは回転加速度αが正の場合の空転(加速時に発生)と、回転加速度αが負の場合の空転(減速時に発生)とに対して同じ閾値αthおよびTthを用いるものとしたが、回転加速度αが正の場合の空転と負の場合の空転とに対して異なる閾値を適用してもよい。
空転判定部122は、車輪Wが空転していると判定した場合、モータ20に供給する電流を低下(減少)させる旨の指令を電流指令演算部112に出力する。指令を受け取った電流指令演算部112は、生成した電流指令値を、より小さい値の電流指令値に変更する処理を行う。なお、空転判定部122から電流指令演算部112に出力される指令は、モータ20に力行のための電流を供給させる指令であってもよいし、回生のための電流を供給させる指令であってもよい。すなわち、空転判定部122は、加速時に発生する空転と、減速時に発生する空転とのいずれの場合にも対応することが可能である。
積算部124は、予め定められた積算時間τ(例えば10秒程度)ごとに、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定された回数を積算する。以下、積算時間τごとの積算回数を「空転回数Ni」と称する。積算部124は、例えば、積算時間τの間に、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定された回数を、空転回数Niとして算出する。積算部124は、積算した空転回数Niを記憶部130に記憶させる。
積算部124は、空転回数Niを記憶部130に記憶させる際、記憶部130内に設けられた空転回数Niの記憶領域の単位数xに応じて、既に空転回数Niが記憶されている記憶領域に対し、新たに空転回数Niを上書きして記憶させてもよい。
図5は、空転回数Niを記憶部130に記憶させる方法の一例について説明するための図である。図5の例では、記憶部130は、空転回数Niを記憶する記憶領域として記憶領域A-1からA-3の3つの記憶領域を有している。例えば、記憶領域A-1には、t-1回目に積算された空転回数Niが記憶され、記憶領域A-2には、t回目に積算された空転回数Niが記憶され、記憶領域A-3には、t+1回目に積算された空転回数Niが記憶されている。以下、一単位の記憶領域に空転回数Niを記憶させる動作を記憶領域の単位数x分繰り返すことを「1セット」と称して説明する。図5の例では、1セットは3回分である。
このような場合、積算部124は、t+1回目に積算した空転回数Niを、t-1回目の空転回数Niを記憶させた記憶領域A-1に上書き記憶させる。また、積算部124は、t+2回目に積算した空転回数Niを、t回目の空転回数Niを記憶させた記憶領域A-2に上書き記憶させる。以下、同様に積算部124は、上述した処理を周期的に繰り返し実行し、記憶領域A-1→A-2→A-3→A-1→…(以下省略)の順序で積算した空転回数Niを上書き記憶させる。
この結果、積算部124は、上述した記憶部130の上書き動作を繰り返し行うことにより、常に現時点から30秒前までに発生した空転回数Niを記憶部130に記憶させ、記憶部130に記憶させる空転回数Niの演算結果を積算時間τ(上述した例では10秒)毎に最新の値に更新させることができる。また、用意すべき記憶領域を増大させることを抑制することができ、リソースの浪費を防止することができる。なお、上述した例において積算時間τを、「10秒」として説明したがこれに限られない。積算部124は、例えば、1秒ごとや1分ごとに空転回数Niを積算してもよい。また、1セット分の時間は「30秒」に限られず、例えば1分であってもよいし、10分であってもよい。
空転頻度演算部126は、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定された頻度(以下、「空転頻度F」と称する)を算出する。例えば、空転頻度演算部126は、積算部124により1セット分の空転回数Niの積算処理が実施された場合、1セット分の空転回数Niの総和(N1+N2+…+Nx)を1セット分の時間で除算したものを、空転頻度Fとして算出する。これにより、空転頻度演算部126は、時間変化に伴って緩やかに値が変化する空転頻度Fを算出することができ、急激な制御の切り替わりによって鉄道車両の乗り心地が悪化するのを抑制することができる。なお、空転頻度演算部126は、直近側の空転回数Niの加重を大きくした加重平均等を、空転頻度Fとして算出してもよい。
鉄道車両が走行するレールRの路面の状況は、雨天等の天候の変化に影響を受けやすい。このような場合、天候の変化に伴って変化するレールRの路面の状態は、空転の発生頻度に影響を与える。例えば、雨が降った後の濡れた状態のレールR路面と、乾いた状態のレールR路面とでは、空転(または滑走)の発生頻度が異なる。
従って、鉄道車両制御装置100は、レールRの路面が濡れた状態から乾いた状態へと移り変わる際に、或いは、乾いた状態から濡れた状態へと移り変わる際に、算出する空転頻度Fを、この路面の状態変化に速やかに追従させる必要がある。
一方で、鉄道車両制御装置100は、鉄道車両の乗り心地を悪化するのを防ぐために、路面の状態が変わる位置で急激な車輪制御を行わないようにする必要がある。また、悪天候時にトンネルを通過する際のように、レールRの状況が急激に変化する場合、迅速に追従し過ぎると、急激な車輪制御を行ってしまうような場合がある。
これに対し、鉄道車両制御装置100は、上述したように30秒程度、あるいは1分間程度の1セット時間ごとに空転回数Niを積算し、数秒から数十秒間隔程度の積算時間τで記憶部130の空転回数Niを更新するため、空転頻度Fを急激に変化させることがなくなる。この結果、鉄道車両制御装置100は、レールRの路面の状況の変化に徐々に適応させる車輪制御を行うことができる。
また、空転頻度演算部126は、算出した空転頻度Fに基づいて、空転判定部122による空転判定時に参照される閾値αthおよび閾値Tthを設定する。図6は、記憶部130に格納されたマップMPの一例を示す図である。空転頻度演算部126は、図6に例示するマップMPを参照して、空転判定時に参照される閾値αthおよび閾値Tthの設定処理を行う。なお、記憶部130には、マップMPに代えて、マップMPと同等の関数、テーブル、またはアルゴリズム等の情報が格納されていてもよい。この場合、空転頻度演算部126は、記憶部130に格納された関数等を用いて閾値αthおよび閾値Tthを設定する。
図6において、推移線LN1は、閾値αthの空転頻度Fに応じた変化を示し、推移線LN2は、閾値Tthの空転頻度Fに応じた変化を示している。図6に示すように、空転頻度演算部126は、例えば、算出した空転頻度Fが下限に設けられた閾値Fmin以下の場合、閾値αthを一定値α1に設定すると共に、閾値Tthを一定値T1に設定する。また、空転頻度演算部126は、例えば、算出した空転頻度Fが下限に設けられた閾値Fmin以上で、且つ上限に設けられた閾値Fmax以下の場合、空転頻度Fの増加に伴って減少するような値に閾値αthおよび閾値Tthを設定する。
また、空転頻度演算部126は、例えば、算出した空転頻度Fが上限に設けられた閾値Fmax以上の場合、閾値αthおよび閾値Tthを初期値よりも小さい一定値α2およびT2に、それぞれ設定する。このように、空転頻度演算部126は、算出した空転頻度Fが大きい程、すなわち空転が発生しやすい状態である程、閾値αthおよび閾値Tthを小さく設定することで、高頻度で空転が発生する環境下では空転を検出しやすくして感度を上昇させ、低頻度で空転が発生する環境下では空転を検出しにくくして誤検出を抑制する。なお、鉄道車両制御装置100の運用が開始されてから1セット分の時間(例えば30秒)が経過するまでの期間において、閾値αthおよび閾値Tthには、それぞれ一定値α1および一定値T1が設定されているものとする。
また、本実施形態では、それ以下で回転加速度αに対する閾値αthが一定値となる空転頻度Fの下限と、それ以下で時間に対する閾値Tthが一定値となる空転頻度Fの下限とが同じ閾値Fminであるものとしたが、これらは異なる値であってもよい。また、それ以上で回転加速度αに対する閾値αthが一定値となる空転頻度Fの上限と、それ以上で時間に対する閾値Tthが一定値となる空転頻度Fの上限とが同じ閾値Fmaxであるものとしたが、これらは異なる値であってもよい。
このように、鉄道車両制御装置100は、空転頻度Fに応じて閾値αthおよび閾値Tthを設定することにより、車輪Wの空転発生に適切に対応することができる。鉄道車両制御装置100は、例えば、空転頻度Fが高い場合、閾値αthおよび閾値Tthを低い値に設定することにより、空転の判定感度を高く設定することができ、空転の発生を早い段階で検出することができる。この結果、鉄道車両制御装置100は、速やかにモータ20のトルクを減少させることができ、車輪WとレールRの路面との間の再粘着を早めることができる。また、鉄道車両制御装置100は、例えば、空転頻度Fが低い場合、閾値αthおよび閾値Tthを高い値に設定することにより、空転の判定感度を低く設定することができ、空転の誤検出を防止することができる。これらの結果、鉄道車両制御装置100は、車輪の空転の検出速度を向上させることができる。
なお、鉄道車両制御装置100は、空転頻度演算部126における空転頻度Fの演算処理を確実に行うために、上述した積算部124の処理において、一定の遅延時間(例えば5秒程度)を設けて空転回数Niの上書き処理を行うと好適である。上述した図5の例の場合、積算部124は、例えば、空転頻度演算部126が空転頻度Fの演算時において、t−1回目に記憶された空転回数Niを記憶領域A−1から取得するタイミングから遅延時間(例えば5秒程度)経過した後に、t+2回目に積算した空転回数Niを記憶領域A−1に上書きして記憶させる。
これによって、空転頻度演算部126は、空転頻度Fの演算処理を、空転回数Niの上書き処理のタイミングよりも前に実施することができ、現在時刻の空転頻度Fを確実に演算することができる。
以下、鉄道車両制御装置100の処理の流れについて説明する。図7は、第1の実施形態における鉄道車両制御装置100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定周期で繰り返し実行される。
まず、加速度演算部120は、回転検出部24から検出値である回転速度νを取得する(ステップS100)。次に、加速度演算部120は、取得した回転速度νからロータ20Aの回転加速度αを算出する(ステップS102)。
次に、空転判定部122は、加速度演算部120により算出された回転加速度αが閾値αth以下である状態から、閾値αthを超える状態になったか否かを判定する。空転判定部122は、加速度演算部120により算出された回転加速度αが閾値αth以下である状態から、閾値αthを超える状態になった場合、時間のカウントをゼロから開始する。
次に、空転判定部122は、加速度演算部120により算出された回転加速度αが閾値αthを超えているか否かを判定する(ステップS104)。空転判定部122は、回転加速度αが閾値αthを超えている場合、回転加速度αが閾値αthを超えている時間Tのカウントを継続し、現在のカウントが閾値Tthを超えているか否かを直ちに判定する(ステップS106)。空転判定部122は、カウントした時間Tが閾値Tthを超えている場合、車輪Wが空転していると判定し(ステップS108)、時間TがTthを超えていない場合、車輪Wが空転していないと判定する(ステップS110)。一方、空転判定部122は、回転加速度αが閾値αthを超えていない場合、車輪Wが空転していないと判定する(ステップS110)。
次に、積算部124は、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定された空転回数Niに1を加算し、空転回数Niを更新する(ステップS112)。次に、積算部124は、積算時間τが経過したか否かを判定する(ステップS114)。積算部124は、積算時間τが経過した場合、積算した空転回数Niを記憶部130に記憶させ、積算する空転回数Niをゼロクリアする。
次に、鉄道車両制御装置100は、上述したステップS100からステップS114までの空転回数Niの積算処理を1セット分実施して空転回数Niを積算し、積算した1セット分の空転回数Niを記憶部130に記憶させて更新する(ステップS116)。
空転頻度演算部126は、積算時間τが経過するたびに、積算部124により積算された空転回数Niに基づいて、空転頻度Fを算出する(ステップS118)。
次に、空転頻度演算部126は、算出した空転頻度Fに基づいて、空転判定部122による空転判定時に参照される閾値αthおよび閾値Tthを再計算し、計算結果の値に閾値αthおよび閾値Tthを設定する(ステップS120)。鉄道車両制御装置100の制御部110は、以上の一連のフローチャートの処理を毎制御サイクル実施する。
以上説明した第1の実施形態の鉄道車両制御装置100によれば、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定される頻度が大きい程、空転の判定感度を高くするように空転判定部122を制御することにより、車輪Wの空転の検出速度を向上させることができる。鉄道車両制御装置100は、空転の判定感度を高く設定した場合、速やかにモータ20のトルクを減少させることができ、車輪WとレールRの路面との間の再粘着を早めることができる。この結果、鉄道車両制御装置100は、車輪Wの空転を早い段階で検出することにより、鉄道車両の速度が低下することで運行ダイヤに影響を及ぼしたり、車輪Wが摩耗することで鉄道車両の乗り心地が悪化したりすることを防止することができる。また、鉄道車両制御装置100は、空転の判定感度を低く設定した場合、空転の誤検出を防止することができる。
また、走行するためのモータ20を搭載している鉄道車両と、モータ20を搭載していない付随の鉄道車両とを含む複数の鉄道車両により組成される列車編成において、一般的に、雨天時には先頭に近い鉄道車両ほど空転(滑走)が発生しやすい傾向がある。このような場合であっても、第1の実施形態の鉄道車両制御装置100によれば、空転がより発生しやすい先頭の鉄道車両に対して空転の判定感度を高く設定し、付随の鉄道車両に対して空転の判定感度を低く設定することにより、車両ごとに空転検出を好適に行うことができる。
また、第1の実施形態の鉄道車両制御装置100によれば、数秒から数十秒間隔程度の積算時間τで記憶部130の空転回数Niを更新することにより、空転頻度Fを緩やかに変化させることができる。この結果、鉄道車両制御装置100は、レールRの路面の状況の変化に徐々に適応させる車輪制御を行うことができる。
また、第1の実施形態の鉄道車両制御装置100によれば、空転回数Niを積算値で保持しておくことにより、トンネル通過等の一時的にレールR路面の状況が改善するような場合でも急激な車輪制御を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態における鉄道車両制御装置100について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点として、リセットタイミング判定部128について説明する。以下、上述した第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
図8は、第2の実施形態における鉄道車両制御装置100の機能構成の一例を示す図である。第2の実施形態における鉄道車両制御装置100は、上述した第1の実施形態の構成にリセットタイミング判定部128をさらに備える。リセットタイミング判定部128は、「検出部」の一機能に相当する。
リセットタイミング判定部128は、マスターコントローラ40から入力される信号に基づいて、鉄道車両が力行状態(ノッチオン状態)であるか否か、ブレーキオン状態(回生状態)であるか、或いは惰行状態(ニュートラル状態)であるかを判定する。リセットタイミング判定部128は、鉄道車両が力行状態(ノッチオン状態)から惰行状態(ニュートラル状態)に遷移したときに、積算部124による積算時間τの積算処理を一時的に停止させる。そして、再び惰行状態(ニュートラル状態)から力行状態(ノッチオン状態)、またはブレーキング状態(回生状態)に移行した場合に、リセットタイミング判定部128は、積算部124に再度積算時間τの積算処理を再開させる。
また、リセットタイミング判定部128は、鉄道車両がブレーキオン状態(回生状態)から惰行状態(ニュートラル状態)に遷移したときにも同様に、積算時間τの積算を積算部124に一時的に停止させ、再び惰行状態(ニュートラル状態)からブレーキング状態(回生状態)または力行状態(ノッチオン状態)に移行した場合、再度積算時間τの積算を積算部124に再開させる。なお、積算部124は、空転回数Niを消去させる旨の信号を取得した場合に、記憶領域A−1からA−3の全てをゼロクリアしてもよい。
この結果、第2の実施形態の鉄道車両制御装置100は、鉄道車両が加速(または減速)中でない期間、すなわち、惰行状態(ニュートラル状態)である場合、車輪Wの空転の発生確率が低いことから、空転頻度の算出に含めないことを目的とし、積算を一時的に停止する。これによって、空転頻度演算部126は、惰行期間が長い路線の走行中、または駅停車中に空転頻度の情報が不要にクリアされてしまうことを抑制する。この結果、鉄道車両制御装置100は、車輪Wの空転の検出速度を、より向上させることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態における鉄道車両制御装置100について説明する。ここでは、上述した第1および第2の実施形態との相違点として、積算部124の動作について説明する。以下、上述した第1および第2の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
第3の実施形態における積算部124は、空転頻度演算部126により算出された空転頻度Fに基づいて、算出した空転回数Niを記憶部130に記憶させる処理、または算出した空転回数Niを記憶部130に記憶させずに消去する処理を行う。
積算部124は、例えば、空転頻度Fが閾値Fmaxよりも大きい場合、空転頻度Fが高いため、算出した空転回数Niを記憶部130の記憶領域に上書きして記憶させる。すなわち、積算部124は、上述した第1、第2の実施形態と同様に、積算した上書き処理を行う。
また、積算部124は、例えば、空転頻度Fが閾値Fminよりも小さい場合、誤検知や偶発的な空転である可能性が高いため、空転検知に用いる閾値αthおよび閾値Tthを変化させない。空転回数Niの積算値がある一定以上を超えた場合に初めて、路面状況の悪化と判定し、閾値αthおよび閾値Tthを通常の値より小さくする。この結果、鉄道車両制御装置100は、車輪Wの空転の検出速度を、より向上させることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態における鉄道車両制御装置100について説明する。ここでは、上述した第1から第3の実施形態との相違点として、積算部400の構成について説明する。第4の実施形態における積算部400は、上述した第1から第3の実施形態の積算部124に相当する。以下、上述した第1から第3の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
図9は、第4の実施形態における積算部400のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態では、積算部400は、カウンタ402と、パルスジェネレータ404と、遅延器406と、シフトレジスタ408と、加算器410とを備える。
カウンタ402は、空転判定部122から車輪Wの空転の判定結果を示す判定信号を取得する。空転判定部122は、例えば、車輪Wが空転していると判定した場合に励起するパルス信号を、判定信号として生成する。カウンタ402は、空転判定部122により生成された判定信号に含まれるパルスの励起回数を、リセットRSTにパルス信号が入力されるまでの間カウントする。すなわち、カウンタ402は、空転回数Niをカウント(積算)する。カウンタ402は、遅延器406からリセットRSTに励起されたパルス信号が出力された場合に、カウントした数(以下、「カウント数」と称する)を後段のシフトレジスタ408に出力するとともに、カウント数をリセットする。
パルスジェネレータ404は、パルスが1つだけ励起された単パルス信号を生成し、生成した単パルス信号を後述する遅延器406と、シフトレジスタ408を構成する各レジスタとに対して、積算時間τごとに同時に出力する。なお、パルスジェネレータ404は、一定時間(積算時間τ)経過毎に単パルス信号を出力するものとして説明したが、鉄道車両が力行状態または回生状態において、空転回数Niの積算時間が、ある一定時間を超える度に単パルス信号を出力するものであってもよい。このような動作を行うことにより、鉄道車両制御装置100は、例えば、駅停車時間や惰行時間が長くなる場合でも空転頻度Fがリフレッシュされてしまうことを防ぐことができる。
遅延器406は、パルスジェネレータ404により出力された単パルス信号を取得した場合に、カウント数をシフトレジスタ408に出力させるためのパルス信号を、所定の時間遅延させてカウンタ402のリセットRSTに出力する。
シフトレジスタ408は、カウンタ402から出力されるカウント数を保持する。シフトレジスタ408は、レジスタR-1からR-Nにより構成され、各レジスタR-1からR-Nは、直列に接続される。レジスタR−1は、パルスジェネレータ404から単パルス信号が入力された場合、カウンタ402から出力されるカウント数を保持する。レジスタR−1は、保持したカウント数を後段のレジスタR−2に出力する。レジスタR−2は、レジスタR−1の動作と同様に、パルスジェネレータ404から単パルス信号が入力された場合、レジスタR−1から出力されるカウント数を保持する。以下、後段の各レジスタも同様に上述した動作を行う。従って、シフトレジスタ408は、パルスジェネレータ404により単パルス信号が出力される度に、前段に接続されたレジスタにより保持されるカウント数を、後段のレジスタに保持させるように動作する。なお、カウント数は、2進数や10進数、16進数等によって表されてもよく、この場合、シフトレジスタ408の構成は、当該カウント数の表示形態に合わせて適宜変更されてもよい。
加算器410は、各レジスタR-1からR-Nの保持するカウント数を全て加算し、加算した結果を、空転回数Niとして空転頻度演算部126に出力する。
以上説明した第4の実施形態の鉄道車両制御装置100によれば、上述した第1実施形態と同様に、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定される頻度が大きい程、空転の判定感度を高くするように空転判定部122を制御することにより、車輪Wの空転を好適に検出することができる。これによって、鉄道車両制御装置100は、車輪Wの空転の検出速度を向上させることができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態における鉄道車両制御装置100について説明する。ここでは、上述した第1から第4の実施形態との相違点として、積算部500の構成について説明する。第5の実施形態における積算部500は、上述した第1から第3の実施形態の積算部124、および第4の実施形態の積算部400に相当する。以下、上述した第1から第4の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
図10は、第5の実施形態における積算部400のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態における積算部400は、例えば、リセット信号生成回路510と、RSフリップフロップ回路520と、遅延器530と、カウンタ540と、比較器550と、RSフリップフロップ回路560とを備える。
マスターコントローラ40は、運転者から鉄道車両を力行状態(ノッチオン状態)にさせるための操作、或いはブレーキオン状態(回生状態)にさせるための操作を受け付けた場合、パルス信号を鉄道車両制御装置100に入力する。以下、パルス信号において、パルスが励起された状態を“1”と表し、パルスが励起されていない状態を“0”と表す。また、マスターコントローラ40は、運転者から鉄道車両を惰行状態(ニュートラル状態)にさせるための操作を受け付けた場合、“0”値のパルス信号を鉄道車両制御装置100に入力する。
リセット信号生成回路510は、例えば、ORゲート回路512と、NOTゲート回路514とにより構成される。リセット信号生成回路510は、力行状態(ノッチオン状態)を示すパルス信号(“1”)、またはブレーキオン状態(回生状態)を示すパルス信号(“1”)がORゲート回路512に入力される場合、後段のNOTゲート回路514に“1”を出力する。NOTゲート回路514は、ORゲート回路512から入力される信号を反転し、RSフリップフロップ回路560に出力する。上述した例の場合、NOTゲート回路514は、ORゲート回路512から入力される“1”を“0”に変換し、RSフリップフロップ回路560のリセットRに出力する。
RSフリップフロップ回路520には、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定される場合に、セットSに“1”が入力される。RSフリップフロップ回路520は、リセットRに入力される値が“0”である場合、セットSに入力された値“1”を遅延器530に出力する。また、RSフリップフロップ回路520は、リセットRに“1”が入力される場合、セットSに入力された値に関わらずに“0”を遅延器530に出力する。
遅延器530は、RSフリップフロップ回路520から入力される信号を所定の時間遅延させて、RSフリップフロップ回路520のリセットRに出力する。従って、RSフリップフロップ回路520は、セットSに“1”が入力された後に、所定の時間経過すると、出力する値を“0”にリセットする動作を行う。また、遅延器530は、RSフリップフロップ回路520から入力される信号を所定の時間遅延させて、カウンタ540のリセットRSTに出力する。
カウンタ540は、空転判定部122から車輪Wの空転の判定結果を示す判定信号を取得する。空転判定部122は、例えば、車輪Wが空転していると判定した場合に励起するパルス信号を、判定信号として生成する。カウンタ540は、空転判定部122により生成された判定信号に含まれるパルスの励起回数を、リセットRSTにパルス信号が入力されるまでの間カウントする。カウンタ540は、遅延器530からリセットRSTに“1”のパルス信号が出力された場合に、カウント数を後段の比較器550に出力すると共に、カウント数をリセットする。
比較器550は、カウンタ540から入力されるカウント数、すなわち空転回数Niと、記憶部130に予め記憶させておいた閾値との比較を行い、空転回数Ni(カウント数)が当該閾値以上である場合に、後段のRSフリップフロップ回路560のセットSに空転回数Niの値を出力する。
RSフリップフロップ回路560は、リセット信号生成回路510からリセットRに出力されるパルス信号が“0”である場合、比較器550からセットSに出力される値を、空転頻度演算部126に出力する。また、RSフリップフロップ回路560は、リセット信号生成回路510からリセットRに出力されるパルス信号が“1”である場合、比較器550からセットSに出力される値を出力しない。
以上説明した第5の実施形態の鉄道車両制御装置100によれば、上述した第2の実施形態と同様に、鉄道車両が加速(または減速)中でない期間、すなわち、惰行状態(ニュートラル状態)である場合、車輪Wの空転の発生確率が低いことから、空転回数Niの積算結果を記憶部130に記憶させないようにする。これによって、空転頻度演算部126は、低い値の空転頻度Fを算出することになる。この結果、鉄道車両制御装置100は、車輪Wの空転の検出速度を、より向上させることができる。
(その他の実施形態(変形例))
以下、その他の実施形態として、上述した第1から第3の実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態では、鉄道車両制御装置100は、1セット分の空転回数Niの総和の平均値を空転頻度Fとして算出すると説明したが、これに限られない。鉄道車両制御装置100は、積算時間τ(上述した実施形態では例えば10秒)ごとに空転回数Niの平均値を算出してもよい。具体的には、鉄道車両制御装置100は、例えば、現時刻である30秒から40秒の期間に積算された空転回数N3と、過去の時刻である20秒から30秒の期間に積算された空転回数N2との平均値を算出し、将来の時刻である40秒から50秒の期間では、現時刻に算出した平均値と当該時刻において積算される空転回数N4との平均値を算出する。鉄道車両制御装置100は、以降の時刻においても同様に、現時刻の空転回数Niを、過去の平均化された空転回数Niを用いて平均化する。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、空転判定部122により車輪Wが空転していると判定される頻度が大きい程、空転の判定感度を高くするように空転判定部122を制御することにより、車輪Wの空転の検出速度を向上させることができる。
実施形態の鉄道車両制御装置100は、空転の判定感度を高く設定した場合、速やかにモータ20のトルクを減少させることができ、車輪WとレールRの路面との間の再粘着を早めることができる。この結果、鉄道車両制御装置100は、車輪Wの空転を早い段階で検出することにより、鉄道車両の速度が低下することで運行ダイヤに影響を及ぼしたり、車輪Wが摩耗することで鉄道車両の乗り心地が悪化したりすることを防止することができる。また、鉄道車両制御装置100は、空転の判定感度を低く設定した場合、空転の誤検出を防止することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。