JP6576852B2 - デバイス情報管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、デバイス内の情報にアクセスする際に使用されるデバイス定義情報を管理するデバイス情報管理システムに関する。
従来より、大規模なプラントでは、調節弁(バルブ)の開度制御を行うポジショナなどのフィールド機器(デバイス)をコントローラを用いて制御する分散制御システム(DCS(Distributed Control System))が用いられている。
このDCSは、オペレータコンソールと、このオペレータコンソールと通信ラインを介して接続されたコントローラとを備え、プラントに配置されているフィールド機器の監視・制御を行う。
近年、このDCSの通信ラインに接続され、コントローラを経由して所望のフィールド機器にアクセスし、このフィールド機器内の各種の機器診断データなどを取得する機器管理システムが用いられている。
この機器管理システムによれば、機器管理システムの画面上に、機器診断データを表示することにより、プラントに分散して配置されているフィールド機器をオンラインで検査することが可能となる。また、フィールド機器内のパラメータを設定したり、変更したりすることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
この機器管理システムを接続したDCSにおいて、フィールド機器との間はFF(FOUNDATION Fieldbus)、HART(Highway Addressable Remote Transducer)といった通信方式でデジタル通信が行われ、機器管理システムからコントローラを経由してフィールド機器内の情報にアクセスすることができる。また、携帯デバイス設定ツールを用いることにより、この携帯デバイス設定ツールを現場に持ち込んで、フィールド機器内の情報にアクセスすることもできる。
機器管理システムや携帯デバイス設定ツールでは、フィールド機器のパラメータ構成や設定画面、メソッド(バッチプログラム)などの情報を持つデバイス定義情報を用いて、フィールド機器の設定画面(例えば、パラメータの設定・変更を可能とするパラメータ詳細画面)を表示したり、パラメータの信号変換を行って通信を行ったりする。
なお、HART通信方式ではデバイス定義情報としてDD(Device Description)ファイルを用いるが、FF通信方式では、DDファイルと併せて、デバイスの機能や性能が記述されているケーパビリティファイル(CF)も用いられる。また、DDファイルと同様に、デバイスとの通信に用いられるDTM(Device Type Manager)プログラムなどもある。
特開2010−258865号公報 特開2012−43261号公報
上述したように、機器管理システムや携帯デバイス設定ツールから所望のフィールド機器内の情報にアクセス・表示する場合、内部に記憶されているデバイス定義情報が使用される。この場合、機器管理システムや携帯デバイス設定ツールでは、アクセスしようとする所望のフィールド機器(操作対象デバイス)に対して適切なデバイス定義情報を使用する必要がある。
すなわち、新しいフィールド機器の導入や、デバイス定義情報の修正等による更新の際には、システム全体として定められた最適なデバイス定義情報(ユーザがプラント内で統一的に使うと決めたデバイス定義情報(例えば、最新のデバイス定義情報、動作確認済みのデバイス定義情報など))を機器管理システムや携帯デバイス設定ツールにインストールして、使用しなければならない。
この場合、機器管理システムは、制御室や計算機室のような普段ユーザがいる場所に置かれており、比較的デバイス定義情報のメンテナンスがし易い。しかしながら、携帯デバイス設定ツールは、普段持ち出されて使用されるため、メンテナンスが容易ではなく、デバイス定義情報の更新を忘れ易い。なお、デバイス定義情報を使用する機器管理システムが、自身のデバイス定義情報を最新のものに保つため、ベンダ等の外部サーバにアクセスし、自動更新することもある。
このため、例えば、機器管理システムにインストールされているデバイス定義情報のリビジョンと携帯デバイス設定ツールにインストールされているデバイス定義情報のリビジョンとが異なり、携帯デバイス設定ツールにおいて、フィールド機器の設定画面上の表示が最新のものとは異なるものであったり、修正前のバグを含む古いデバイス定義情報内のバッチプログラムを実行してしまうなどの問題が生じる虞があった。
なお、特許文献2には、パラメータ設定ツール(携帯デバイス設定ツール)において、自己にインストールされているDTMに対応していないフィールド機器のパラメータにアクセスする場合に、当該フィールド機器に対応するDTMをインストールしている他の機器と通信し、当該フィールド機器に対応するDTMの転送を要求し、他の機器から転送されてきたDTMを自己のDTMとして追加インストールする技術が示されている。
しかし、この特許文献2に示された技術では、仮にパラメータ設定ツール内に対応するDTMが存在した場合において、そのDTMが本当にシステム全体として定められた最適なDTMなのか否か(例えば、最新のリビジョンのDTMであるのか否か)までを判断することはできない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、携帯デバイス設定ツールにおいて、所望の操作対象デバイスにアクセスする際、システム全体として定められた最適なデバイス定義情報を常に使用することが可能なデバイス情報管理システムを提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、内部に記憶されているデバイス定義情報に基づいて操作対象デバイス内の情報にアクセスする携帯デバイス設定ツールと、この携帯デバイス設定ツールとの間で情報の送受信を行うサーバ(機器管理システム)とを備えたデバイス情報管理システムであって、携帯デバイス設定ツールは、操作対象デバイスの種別毎にそのデバイス内の情報へのアクセスに際して使用するデバイス定義情報を記憶するツール側デバイス定義情報記憶手段と、操作対象デバイスを識別する情報を読み込むデバイス識別情報読込手段と、デバイス識別情報読込手段によって読み込まれた操作対象デバイスを識別する情報に基づいて、ツール側デバイス定義情報記憶手段に記憶されているデバイス定義情報の中からその操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をツール側の最適なデバイス定義情報として特定するツール側最適デバイス定義情報特定手段と、デバイス識別情報読込手段によって読み込まれた操作対象デバイスを識別する情報と、ツール側最適デバイス定義情報特定手段によって特定されたツール側の最適なデバイス定義情報とをツール側の情報としてサーバへ送信するツール側情報送信手段とを備え、サーバは、操作対象デバイスの種別毎にそのデバイス内の情報へのアクセスに際して使用するデバイス定義情報を記憶するサーバ側デバイス定義情報記憶手段と、携帯デバイス設定ツールから送信されてくるツール側の情報を受信するツール側情報受信部と、ツール側情報受信部が受信したツール側の情報に含まれている操作対象デバイスを識別する情報に基づいて、サーバ側デバイス定義情報記憶手段に記憶されているデバイス定義情報の中からその操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をサーバ側の最適なデバイス定義情報として特定するサーバ側最適デバイス定義情報特定手段と、サーバ側最適デバイス定義情報特定手段によって特定されたサーバ側の最適なデバイス定義情報を示す情報と受信したツール側の情報に含まれているツール側の最適なデバイス定義情報を示す情報とを比較する最適デバイス定義情報比較手段と、最適デバイス定義情報比較手段での比較結果に基づき、サーバ側の最適なデバイス定義情報がツール側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報であった場合、サーバ側の最適なデバイス定義情報をサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツールに送るサーバ側情報送信手段とを備えることを特徴とする。
本発明において、携帯デバイス設定ツールは、操作対象デバイスを識別する情報を読み込み(例えば、オンラインで接続中の操作対象デバイスからその操作対象デバイスを識別する情報を読み込む。)、この読み込んだ操作対象デバイスを識別する情報に基づいて、操作対象デバイスの種別毎に記憶されているデバイス定義情報の中からその操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をツール側の最適なデバイス定義情報として特定する。そして、読み込んだ操作対象デバイスを識別する情報(例えば、デバイス種別を特定する情報)と、特定したツール側の最適なデバイス定義情報を示す情報(例えば、ファイル名)とをツール側の情報としてサーバへ送信する。
本発明において、サーバは、携帯デバイス設定ツールから送信されてくるツール側の情報を受信し、この受信したツール側の情報に含まれている操作対象デバイスを識別する情報に基づいて、操作対象デバイスの種別毎に記憶されているデバイス定義情報の中からその操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をサーバ側の最適なデバイス定義情報として特定する。そして、この特定したサーバ側の最適なデバイス定義情報を示す情報と受信したツール側の情報に含まれているツール側の最適なデバイス定義情報を示す情報とを比較し(例えば、ファイル名に含まれるリビジョン番号を比較する。)、サーバ側の最適なデバイス定義情報がツール側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報であった場合、サーバ側の最適なデバイス定義情報をサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツールに送る。
このようにして、本発明では、携帯デバイス設定ツール側で、操作対象デバイスの種別毎に記憶されているデバイス定義情報の中から所望の操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報がツール側の最適なデバイス定義情報として特定され、サーバ側で、操作対象デバイスの種別毎に記憶されているデバイス定義情報の中から所望の操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報がサーバ側の最適なデバイス定義情報として特定され、サーバ側の最適なデバイス定義情報がツール側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報であった場合(例えば、リビジョンが最新のものであった場合)、サーバ側の最適なデバイス定義情報が携帯デバイス設定ツールに送られるものとなる。なお、最適なデバイス定義情報はリビジョンが最新のものに限られるものではなく、動作確認済みのデバイス定義情報などであってもよい。
これにより、本発明では、ツール側の最適なデバイス定義情報をより適するサーバ側の最適なデバイス定義情報に書き替えるようにして、携帯デバイス設定ツールにおいて、所望の操作対象デバイスにアクセスする際、システム全体として定められた最適なデバイス定義情報を常に使用することが可能となる。また、所望の操作対象デバイスにアクセスする際、サーバ(機器管理システム)と携帯デバイス設定ツールとで、システム全体として定められた同じ最適なデバイス定義情報を常に使用することが可能となる。
また、本発明において、サーバ側情報送信手段は、ツール側の最適なデバイス定義情報がサーバ側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報であった場合、その旨を知らせる情報をサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツールに送る機能、サーバ側の最適なデバイス定義情報とツール側の最適なデバイス定義情報とが同じであった場合、携帯デバイス設定ツールへの情報の送信は行わない機能、サーバ側の最適なデバイス定義情報と比較すべきツール側の最適なデバイス定義情報が無かった場合、サーバ側の最適なデバイス定義情報をサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツールに送る機能などを備えるものとしてもよい。
また、本発明において、携帯デバイス設定ツールに、サーバ側の情報としてツール側の最適なデバイス定義情報がサーバ側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報である旨を知らせる情報が送られてきた場合、ツール側の最適なデバイス定義情報を使用するのか、サーバ側の最適なデバイス定義情報を使用するのかの選択を促す手段を設けるものとしてもよい。
本発明によれば、携帯デバイス設定ツール側で、操作対象デバイスの種別毎に記憶されているデバイス定義情報の中から所望の操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をツール側の最適なデバイス定義情報として特定し、サーバ側で、操作対象デバイスの種別毎に記憶されているデバイス定義情報の中から所望の操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をサーバ側の最適なデバイス定義情報として特定し、サーバ側の最適なデバイス定義情報がツール側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報であった場合、サーバ側の最適なデバイス定義情報を携帯デバイス設定ツールに送るようにしたので、携帯デバイス設定ツール側の最適なデバイス定義情報をより適するサーバ側の最適なデバイス定義情報に書き替えるようにして、携帯デバイス設定ツールにおいて、所望の操作対象デバイスにアクセスする際、システム全体として定められた最適なデバイス定義情報を常に使用することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るデバイス情報管理システムの要部を示す構成図である。 図2は、実施の形態1における携帯デバイス設定ツールによる所望のフィールド機器からのデバイス種別を識別する情報の読み込みを説明する図である。 図3は、デバイス種別を識別する情報を例示する図である。 図4は、デバイス定義ファイルDB中のディレクトリ構成のイメージを示す図である。 図5は、実施の形態1における携帯デバイス設定ツール内でのツール側の情報の作成と送信を説明する図である。 図6は、実施の形態1におけるデバイス定義ファイルサーバ内での処理と応答を説明する図である。 図7は、実施の形態1における携帯デバイス設定ツール内での応答受信を説明する図である。 図8は、実施の形態1における携帯デバイス設定ツール内でのデバイス定義ファイルの利用を説明する図である。 図9は、実施の形態1における携帯デバイス設定ツール中のデバイス定義ファイルとデバイス定義ファイルサーバ中のデバイス定義ファイルの関係とツール中の処理を説明する図である。 図10は、実施の形態1においてデバイス定義ファイルサーバ内の最適なデバイス定義ファイルの方が古いリビジョンである場合の携帯デバイス設定ツールでの画面表示例を示す図である。 図11は、実施の形態1のデバイス情報管理システムにおけるデバイス定義ファイルサーバおよび携帯デバイス設定ツールの要部の機能ブロック図である。 図12は、本発明の実施の形態2に係るデバイス情報管理システムの要部を示す構成図である。 図13は、実施の形態2における携帯デバイス設定ツールによる所望のフィールド機器からのデバイス種別を識別する情報の読み込みを説明する図である。 図14は、実施の形態2における携帯デバイス設定ツール内でのツール側の情報の作成と送信を説明する図である。 図15は、実施の形態2におけるデバイス定義ファイルサーバ内での処理と応答を説明する図である。 図16は、実施の形態2における携帯デバイス設定ツール内での応答受信を説明する図である。 図17は、実施の形態2における携帯デバイス設定ツール内でのデバイス定義ファイルの利用を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1:FF通信方式〕
図1は本発明の実施の形態1に係るデバイス情報管理システム100の要部を示す構成図である。同図において、1は機器管理システム(サーバ)、2(2−1)はコントローラ、3(3−1)はI/Oモジュール、4(4−1,4−2)はフィールド機器(デバイス)、5は携帯デバイス設定ツールである。
このデバイス情報管理システム100において、機器管理システム1は通信ラインLを介してコントローラ2と接続されており、コントローラ2はI/Oモジュール3を介してフィールド機器4と接続されている。I/Oモジュール3とフィールド機器4との間はFF通信方式でデジタル通信が行われる。
機器管理システム1は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。この機器管理システム1は、機器管理システム本体1Aと無線送受信機1Bとを備えており、携帯デバイス設定ツール5との間で無線によって情報の送受信を行うサーバ機能を有している。なお、この例では、機器管理システム本体1Aと無線送受信機1Bとを別体としているが、機器管理システム本体1Aと無線送受信機1Bとを一体とした一体型であっても構わない。
機器管理システム1の記憶装置には、フィールド機器4を操作対象デバイスとし、この操作対象デバイスの種別毎にそのデバイス内の情報へのアクセス(設定画面の表示、バッチプログラムの実行など)に際して使用するデバイス定義ファイルが保持されるデバイス定義ファイルDB(サーバ側デバイス定義ファイルDB1)が構築されている。この例では、サーバ側デバイス定義ファイルDB1に、DDファイルとケーパビリティファイル(CF)がデバイス定義ファイルとして書き込まれている。
なお、本実施の形態において、機器管理システム1は、制御室や計算機室のような普段ユーザがいる場所に置かれており、比較的メンテナンスがし易く、サーバ側デバイス定義ファイルDB1内のデバイス定義ファイルは、システム全体として定められた最適なデバイス定義ファイルに常に更新されながら運用されていることを前提とする。例えば、ベンダ等の外部サーバに機器管理システム1がアクセスし、自身のデバイス定義ファイルを最新のものに保つというような運用が行われていることを前提とする。以下、機器管理システム1をデバイス定義ファイルサーバと呼ぶ。このデバイス定義ファイルサーバ1が本発明でいうサーバに相当する。
携帯デバイス設定ツール5も、デバイス定義ファイルサーバ1と同様、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。
この携帯デバイス設定ツール5は、フィールド機器4が設置されている現場に持ち込まれて使用され、必要に応じてフィールド機器4と接続される。すなわち、現場で設定するときのみ、所望のフィールド機器4に接続する。また、携帯デバイス設定ツール5は、デバイス定義ファイルサーバ1との間で無線によって情報の送受信を行う無線通信機能も有している。
携帯デバイス設定ツール5の記憶装置には、フィールド機器4を操作対象デバイスとし、この操作対象デバイスの種別毎にそのデバイス内の情報へのアクセス(設定画面の表示、バッチプログラムの実行など)に際して使用するデバイス定義ファイルが保持されるデバイス定義ファイルDB(ツール側デバイス定義ファイルDB2)が構築されている。この例では、ツール側デバイス定義ファイルDB2に、DDファイルとケーパビリティファイル(CF)がデバイス定義ファイルとして書き込まれている。
以下、この実施の形態1のデバイス情報管理システム100における特有の処理動作について、デバイス定義ファイルサーバ1および携帯デバイス設定ツール5が有する機能を交えながら説明する。
〔携帯デバイス設定ツールによる所望のフィールド機器からのデバイス種別を識別する情報の読み込み〕
作業者(ユーザ)は、フィールド機器4が設置されている現場に携帯デバイス設定ツール5を持ち込み、所望の操作対象デバイスとして例えばフィールド機器4−1に携帯デバイス設定ツール5を接続する(図2参照)。
すると、携帯デバイス設定ツール5は、オンラインで接続中のフィールド機器4−1から製造者ID(Manufacturer ID)、デバイスタイプ(Device Type)、デバイスリビジョン(Device Revision)といった、フィールド機器4−1の種別(デバイス種別)を識別する情報を読み込む。この例では、フィールド機器4−1のデバイス種別を識別する情報として、「MANUFAC_ID:0DFC96」と「DEV_TYPE:0203」と「DEV_REV:02」を読み込む。また、このデバイス種別を識別する情報と合わせて、フィールド機器4−1に割り振られているタグの名称として「TAG:AVP001」を読み込む。
なお、このデバイス種別を識別する情報において、「MANUFAC_ID」は製造者ID(Manufacturer ID)、「DEV_TYPE」はデバイスタイプ(Device Type)、「DEV_REV」はデバイスリビジョン(Device Revision)を表す各パラメータ名であり、コード化された情報として読み取られる(図3参照)。
〔携帯デバイス設定ツール内でのツール側の情報の作成と送信〕
そして、携帯デバイス設定ツール5は、この読み込んだフィールド機器4−1のデバイス種別を識別する情報に基づいて、ツール側デバイス定義ファイルDB2の中から、フィールド機器4−1に対応する最適なデバイス定義ファイルをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
この実施の形態において、ツール側デバイス定義ファイルDB2では、製造者ID(Manufacturer ID)、デバイスタイプ(Device Type)をディレクトリ構成とし、その下にデバイスリビジョン(Device Revision)とDDリビジョン(Device Description Revision)をファイル名とするDDファイルが存在する形で、DDファイルを管理している。また、同じディレクトリに、さらにCFリビジョン(Capability File Revision)をファイル名に加えたCFが存在する形で、CFを管理している。図4にディレクトリ構成のイメージを示す。
携帯デバイス設定ツール5は、このディレクトリ構成に従って、ツール側デバイス定義ファイルDB2の中から、フィールド機器4−1に対応する最適なデバイス定義ファイルをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。この例では、図5に示すように、ファイル名「0201.ffo」で示される最新のDDファイルと、ファイル名「020101.cff」で示される最新のCFをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
すなわち、携帯デバイス設定ツール5は、ツール側デバイス定義ファイルDB2において、(1)フィールド機器4−1のデバイス種別を識別する情報として読み込まれた製造者ID(Manufacturer ID)が一致、かつ、(2)デバイスタイプ(Device Type)が一致、かつ、(3)デバイスリビジョン(Device Revision)が一致するという全ての条件を満たした上で、DDリビジョン(Device Description Revision)およびCFリビジョン(Capability File Revision)が最新であるDDファイルおよびCFをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
そして、携帯デバイス設定ツール5は、フィールド機器4−1から読み込んだデバイス種別を識別する情報と、このデバイス種別に基づいて特定したツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報とをツール側の情報として、デバイス定義ファイルサーバ1へ送信する。
この例では、フィールド機器4−1のデバイス種別(実機のデバイス種別)を特定する情報として、「製造者ID(Manufacturer ID):0DFC96」と「デバイスタイプ(Device Type):0203」と「デバイスリビジョン(Device Revision):02」を、ツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報として、DDファイルのファイル名「0201.ffo」とCFのファイル名「020101.cff」を、通信タイプ(FF)と合わせて、ツール側の情報としてデバイス定義ファイルサーバ1へ送信する。
〔デバイス定義ファイルサーバ内での処理と応答〕
デバイス定義ファイルサーバ1は、携帯デバイス設定ツール5からのツール側の情報を受信すると、この受信したツール側の情報に含まれているフィールド機器4−1のデバイス種別を識別する情報に基づいて、サーバ側デバイス定義ファイルDB1の中から、フィールド機器4−1に対応する最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
この実施の形態において、サーバ側デバイス定義ファイルDB1でも、製造者ID(Manufacturer ID)、デバイスタイプ(Device Type)をディレクトリ構成とし、その下にデバイスリビジョン(Device Revision)とDDリビジョン(Device Description Revision)をファイル名とするDDファイルが存在する形で、DDファイルを管理している。また、同じディレクトリに、さらにCFリビジョン(Capability File Revision)をファイル名に加えたCFが存在する形で、CFを管理している。
デバイス定義ファイルサーバ1は、このディレクトリ構成に従って、サーバ側デバイス定義ファイルDB1の中から、フィールド機器4−1に対応する最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。この例では、図6に示すように、ファイル名「0202.ffo」で示される最新のDDファイルと、ファイル名「020203.cff」で示される最新のCFをサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
すなわち、デバイス定義ファイルサーバ1は、サーバ側デバイス定義ファイルDB1において、(1)フィールド機器4−1のデバイス種別を識別する情報として読み込まれた製造者ID(Manufacturer ID)が一致、かつ、(2)デバイスタイプ(Device Type)が一致、かつ、(3)デバイスリビジョン(Device Revision)が一致するという全ての条件を満たした上で、DDリビジョン(Device Description Revision)およびCFリビジョン(Capability Revision)が最新であるDDファイルおよびCFをサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
そして、デバイス定義ファイルサーバ1は、この特定したサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報と携帯デバイス設定ツール5から送られてきたツール側の情報に含まれているツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報とを比較する。
この例では、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報であるDDファイルのファイル名「0202.ffo」およびCFのファイル名「020203.cff」と、ツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報であるDDファイルのファイル名「0201.ffo」およびCFのファイル名「020101.cff」とを比較する。
デバイス定義ファイルサーバ1は、このサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報とツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報との比較結果に基づき、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルがツール側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルであった場合、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送信する。
この例において、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルであるファイル名「0202.ffo」のDDファイルおよびファイル名「020203.cff」のCFは、ツール側の最適なデバイス定義ファイルであるファイル名「0201.ffo」のDDファイルおよびファイル名「020101.cff」のCFよりもDDリビジョン(Device Description Revision)およびCFリビジョン(Capability File Revision)が新しいので、デバイス定義ファイルサーバ1は、ファイル名「0202.ffo」のDDファイルおよびファイル名「020203.cff」のCFをサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送信する。
〔携帯デバイス設定ツール内での応答受信〕
携帯デバイス設定ツール5は、デバイス定義ファイルサーバ1からの応答を待ち、サーバ側の情報としてサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを受信すると、この受信したサーバ側の最適なデバイス定義ファイルをツール側デバイス定義ファイルDB2内に書き込む。
この例では、図7に示すように、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルとしてファイル名「0202.ffo」のDDファイルおよびファイル名「020203.cff」のCFを受信するので、このファイル名「0202.ffo」のDDファイルおよびファイル名「020203.cff」のCFをツール側デバイス定義ファイルDB2内に書き込む。
〔携帯デバイス設定ツール内でのデバイス定義ファイルの利用〕
そして、携帯デバイス設定ツール5は、図8に示すように、ツール側デバイス定義ファイルDB2内に書き込まれたファイル名「0202.ffo」のDDファイルおよびファイル名「020203.cff」のCFを使用して、フィールド機器4−1内の情報にアクセスし、フィールド機器4−1の設定画面(パラメータ詳細画面)を表示したり、パラメータの信号変換を行って通信を行ったりする。
このようにして、本実施の形態では、ツール側の最適なデバイス定義ファイルをより適するサーバ側の最適なデバイス定義ファイルに書き替えるようにして、携帯デバイス設定ツール5において、所望のフィールド機器4にアクセスする際、システム全体として定められた最適なデバイス定義ファイルを常に使用することができるようになる。
また、機器管理システム1と携帯デバイス設定ツール5の両方で使用するDD/CFのリビジョンを、自動で完全に合わせることができるため、機器管理システム1の操作者(計器室等にいるユーザ)と、携帯デバイス設定ツール5の操作者(フィールドにいるユーザ)が、全く同じ画面、同じ値(DD内の計算プログラムで加工して値を表示する場合があり、バグがあると異なる値になる)、同じバッチプログラム(バグがあると異なる動作になる)を用いることが保証される。これにより、同じ画面、同じバッチプログラムで処理を行うことが可能になり、両ユーザのコミュニケーション向上と、デバイス設定の信頼性向上につながる。
なお、上述においては、デバイス定義ファイルサーバ1において、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルがツール側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルであった場合について述べたが(図9に示す「ケース6」)、ツール側の最適なデバイス定義ファイルがサーバ側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルであった場合には(例えば、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルのリビジョンの方が古い(図9に示す「ケース5」)、その旨を知らせる情報をサーバ側の情報としてデバイス定義ファイルサーバ1から携帯デバイス設定ツール5に送るようにする。
例えば、「ケース5」の場合、デバイス定義ファイルサーバ1から携帯デバイス設定ツール5へサーバ側の最適なデバイス定義ファイルのファイル名を送り、携帯デバイス設定ツール5のユーザに対し、(1)ツール側の最適なデバイス定義ファイルと、(2)サーバ側の最適なデバイス定義ファイルとについて、どちらがより最適なデバイス定義ファイルであるのかの判断を促すようにする。
図10に、上記の(1),(2)について、どちらがより最適なデバイス定義ファイルであるのかの判断を促す場合の携帯デバイス設定ツール5における画面表示例を示す。この例では、ポップアップ画面G1上で、ツール側の最適なデバイス定義ファイルとサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとが異なることをユーザに通知し、どちらのデバイス定義ファイルを使用するのかの選択を促すようにする。ユーザは、ツール側の最適なデバイス定義ファイルを使用する場合には、ポップアップ画面G1上のボタンBT1を押し、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルを使用する場合には、ポップアップ画面G1上のボタンBT2を押す。
通常は、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルをマスタとして更新管理していると考えられるため、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルを選択する(または、デフォルトでサーバ側の最適なデバイス定義ファイルが選択されるように事前設定しておく)のが普通である。しかし、サーバ側のデバイス定義ファイルの更新ができない状況(例えば、深夜にサーバ側に人がおらず、現場に一人しかいない状況など)で、ユーザ側のデバイス定義ファイルを更新(例えば、バグ修正)して作業を行う可能性もあり、ツール側の最適なデバイス定義ファイルを選択できる形にしておく必要がある。
このため、実施の形態1では、図10に示すように、ポップアップ画面G1上で、ユーザ側のデバイス定義ファイルとツール側の最適なデバイス定義ファイルとを選択することができるような構成としている。
なお、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルとツール側の最適なデバイス定義ファイルとが同じである場合も考えられる(図9に示す「ケース4」)。この場合、デバイス定義ファイルサーバ1は、携帯デバイス設定ツール5への情報の送信は行わない。
また、ツール側には最適なデバイス定義ファイルがあるが、サーバ側には最適なデバイス定義ファイルがない場合も考えられる(図9に示す「ケース3」)。この場合も、デバイス定義ファイルサーバ1は、携帯デバイス設定ツール5への情報の送信は行わない。
また、サーバ側には最適なデバイス定義ファイルがあるが、ツール側には最適なデバイス定義ファイルがない場合も考えられる(図9に示す「ケース2」)。この場合、デバイス定義ファイルサーバ1は、携帯デバイス設定ツール5へサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを送る。
また、サーバ側にもツール側にも最適なデバイス定義ファイルがない場合が考えられる(図9に示す「ケース1」)。この場合、デバイス定義ファイルサーバ1は、携帯デバイス設定ツール5へその旨の情報を送り、エラー表示を行わせる。
図11に、実施の形態1のデバイス情報管理システム100におけるデバイス定義ファイルサーバ1および携帯デバイス設定ツール5の要部の機能ブロック図を示す。
携帯デバイス設定ツール5は、ツール側デバイス定義ファイル記憶部51と、デバイス識別情報読込部52と、ツール側最適デバイス定義ファイル特定部53と、ツール側情報送信部54と、サーバ側情報受信部55と、選択画面表示部57と、デバイス定義ファイル更新部56とを備えている。
デバイス定義ファイルサーバ(機器管理システム)1は、サーバ側デバイス定義ファイル記憶部11と、ツール側情報受信部12と、サーバ側最適デバイス定義ファイル特定部13と、最適デバイス定義ファイル比較部14と、サーバ側情報送信部15とを備えている。
携帯デバイス設定ツール5において、ツール側デバイス定義ファイル記憶部51には、フィールド機器4(操作対象デバイス)の種別毎にそのフィールド機器4内の情報へのアクセスに際して使用するデバイス定義ファイルが記憶されている。デバイス識別情報読込部52は、オンラインで接続中のフィールド機器4からそのフィールド機器4を識別する情報(フィールド機器4のデバイス種別を識別する情報)を読み込む。
ツール側最適デバイス定義ファイル特定部53は、デバイス識別情報読込部52によって読み込まれたフィールド機器4を識別する情報に基づいて、ツール側デバイス定義ファイル記憶部51に記憶されているデバイス定義ファイルの中からそのフィールド機器4に対応する最適なデバイス定義ファイルをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。ツール側情報送信部54は、デバイス識別情報読込部52によって読み込まれたフィールド機器4を識別する情報と、ツール側最適デバイス定義ファイル特定部53によって特定されたツール側の最適なデバイス定義ファイルとをツール側の情報としてデバイス定義ファイルサーバ1へ送信する。
デバイス定義ファイルサーバ1において、サーバ側デバイス定義ファイル記憶部11には、フィールド機器4(操作対象デバイス)の種別毎にそのフィールド機器4内の情報へのアクセスに際して使用するデバイス定義ファイルが記憶されている。ツール側情報受信部12は、携帯デバイス設定ツール5から送信されてくるツール側の情報を受信する。サーバ側最適デバイス定義ファイル特定部13は、ツール側情報受信部12が受信したツール側の情報に含まれているフィールド機器4を識別する情報(フィールド機器4のデバイス種別を識別する情報)に基づいて、サーバ側デバイス定義ファイル記憶部11に記憶されているデバイス定義ファイルの中からそのフィールド機器4に対応する最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
最適デバイス定義ファイル比較部14は、サーバ側最適デバイス定義ファイル特定部13によって特定されたサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報(ファイル名)と受信したツール側の情報に含まれているツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報(ファイル名)とを比較する。サーバ側情報送信部15は、最適デバイス定義ファイル比較部14での比較結果に基づき、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルがツール側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルであった場合、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送る。
また、サーバ側情報送信部15は、ツール側の最適なデバイス定義ファイルがサーバ側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルであった場合、その旨を知らせる情報をサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送る機能、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルとツール側の最適なデバイス定義ファイルとが同じであった場合、携帯デバイス設定ツール5への情報の送信は行わない機能、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルと比較すべきツール側の最適なデバイス定義ファイルが無かった場合、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツールに送る機能なども有している。
携帯デバイス設定ツール5において、サーバ側受信部55は、デバイス定義ファイルサーバ1から送られてくるサーバ側の情報を受信する。デバイス定義ファイル更新部56は、サーバ側の情報としてサーバ側の最適なデバイス定義ファイルが送られてきた場合、そのデバイス定義ファイルをツール側デバイス定義ファイル記憶部51に書き込む。選択画面表示部57は、サーバ側の情報としてツール側の最適なデバイス定義ファイルがサーバ側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルである旨を知らせる情報が送られてきた場合、ツール側の最適なデバイス定義ファイルを使用するのか、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルを使用するのかの選択を促す画面を表示する。
〔実施の形態2:HART通信方式〕
図12は本発明の実施の形態2に係るデバイス情報管理システム200の要部を示す構成図である。同図において、1は機器管理システム(サーバ)、2(2−2)はコントローラ、3(3−2)はI/Oモジュール、4(4−3,4−4)はフィールド機器(デバイス)、5は携帯デバイス設定ツールである。
このデバイス情報管理システム200において、機器管理システム1は通信ラインLを介してコントローラ2と接続されており、コントローラ2はI/Oモジュール3を介してフィールド機器4と接続されている。I/Oモジュール3とフィールド機器4との間はHART通信方式でデジタル通信が行われる。この実施の形態2においても、機器管理システム1をデバイス定義ファイルサーバと呼ぶ。
なお、HART通信方式の場合は、DDファイルのみで、CFは無く、CFに関する部分を除けば、実施の形態1で説明した内容をほゞそのまま適用することができるが、以下の点で異なっている。すなわち、最適なデバイス定義ファイル特定にあたり、フィールド機器(デバイス)から読み込んだ製造者ID(Manufacturer ID)が一致、かつ、デバイスタイプ(Device Type)が一致する条件の下で、デバイスリビジョン(Device Revision)と一致するデバイス定義ファイルが見つからない場合、それよりも古いデバイスリビジョンの中で最新のデバイスリビジョンを持つデバイス定義ファイルも、最適なデバイス定義ファイルとして選択できることが実施の形態1で説明した内容と異なっている。
〔携帯デバイス設定ツールによる所望のフィールド機器からのデバイスの種別を識別する情報の読み込み〕
作業者(ユーザ)は、フィールド機器4が設置されている現場に携帯デバイス設定ツール5を持ち込み、所望の操作対象デバイスとして例えばフィールド機器4−3に携帯デバイス設定ツール5を接続する(図13参照)。
すると、携帯デバイス設定ツール5は、オンラインで接続中のフィールド機器4−3から製造者ID(Manufacturer ID)、デバイスタイプ(Device Type)、デバイスリビジョン(Device Revision)といった、フィールド機器4−1のデバイス種別を識別する情報(パラメータ)を読み込む。この例では、フィールド機器4−3のデバイス種別を識別する情報として、「MANUFAC_ID:000036」と「DEV_TYPE:0002」と「DEV_REV:01」を読み込む。また、このデバイス種別を識別する情報と合わせて、フィールド機器4−3に割り振られているタグの名称として「TAG:ST001」を読み込む。
〔携帯デバイス設定ツール内でのツール側の情報の作成と送信〕
そして、携帯デバイス設定ツール5は、この読み込んだフィールド機器4−3のデバイス種別を識別する情報に基づいて、ツール側デバイス定義ファイルDB2の中から、フィールド機器4−3に対応する最適なデバイス定義ファイルをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
この実施の形態において、ツール側デバイス定義ファイルDB2では、製造者ID(Manufacturer ID)、デバイスタイプ(Device Type)をディレクトリ構成とし、その下にデバイスリビジョン(Device Revision)とDDリビジョン(Device Description Revision)をファイル名とするDDファイルが存在する形で、DDファイルを管理している。
携帯デバイス設定ツール5は、このディレクトリ構成に従って、ツール側デバイス定義ファイルDB2の中から、フィールド機器4−3に対応する最適なデバイス定義ファイルをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。この例では、図14に示すように、「DEV_TYPE:0002」のDDファイルは無い。このため、携帯デバイス設定ツール5は、ツール側の最適なデバイス定義ファイルは無いと判断する。
そして、携帯デバイス設定ツール5は、フィールド機器4−3から読み込んだデバイス種別を識別する情報と、このデバイス種別を識別する情報に基づいて特定したツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報とをツール側の情報としてデバイス定義ファイルサーバ1へ送信する。
この例では、フィールド機器4−1のデバイス種別を識別する情報(実機のデバイス種別を識別する情報)として、「製造者ID(Manufacturer ID):000036」と「デバイスタイプ(Device Type):0002」と「デバイスリビジョン(Device Revision):01」を、ツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報として、ツール側の最適なデバイス定義ファイルが無い旨の情報(「無し」)を、通信タイプ(HART)と合わせて、ツール側の情報としてデバイス定義ファイルサーバ1へ送信する。
〔デバイス定義ファイルサーバ内での処理と応答〕
デバイス定義ファイルサーバ1は、携帯デバイス設定ツール5からのツール側の情報を受信すると、この受信したツール側の情報に含まれているフィールド機器4−3のデバイス種別を識別する情報に基づいて、サーバ側デバイス定義ファイルDB1の中から、フィールド機器4−3に対応する最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
この実施の形態において、サーバ側デバイス定義ファイルDB1でも、製造者ID(Manufacturer ID)、デバイスタイプ(Device Type)をディレクトリ構成とし、その下にデバイスリビジョン(Device Revision)とDDリビジョン(Device Description Revision)をファイル名とするDDファイルが存在する形で、DDファイルを管理している。
デバイス定義ファイルサーバ1は、このディレクトリ構成に従って、サーバ側デバイス定義ファイルDB1の中から、フィールド機器4−3に対応する最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。この例では、図15に示すように、ファイル名「0102.fm8」で示される最新のDDファイルをツール側の最適なデバイス定義ファイルとして特定する。
そして、デバイス定義ファイルサーバ1は、この特定したサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報と携帯デバイス設定ツール5から送られてきたツール側の情報に含まれているツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報とを比較する。この例では、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報であるDDファイルのファイル名「0102.fm8」と、ツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報である「無し」とを比較する。
デバイス定義ファイルサーバ1は、このサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報とツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報との比較結果に基づき、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルがツール側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルであった場合、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送信する。
また、デバイス定義ファイルサーバ1は、このサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報とツール側の最適なデバイス定義ファイルを示す情報との比較結果に基づき、ツール側の最適なデバイス定義ファイルがサーバ側の最適なデバイス定義ファイルよりもより最適なデバイス定義ファイルであった場合、その旨を知らせる情報をサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送信する。また、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルとツール側の最適なデバイス定義ファイルとが同じであった場合、携帯デバイス設定ツール5への情報の送信は行わない。また、また、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルと比較すべきツール側の最適なデバイス定義ファイルが無かった場合、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルをサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送信する。
この例において、ツール側には最適なデバイス定義ファイルは無いので、デバイス定義ファイルサーバ1は、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルとして特定されたファイル名「0102.fm8」のDDファイルをサーバ側の情報として携帯デバイス設定ツール5に送信する。
〔携帯デバイス設定ツール内での応答受信〕
携帯デバイス設定ツール5は、デバイス定義ファイルサーバ1からの応答を待ち、サーバ側の情報としてサーバ側の最適なデバイス定義ファイルを受信すると、この受信したサーバ側の最適なデバイス定義ファイルをツール側のデバイス定義ファイルDB2内に書き込む。
この例では、図16に示すように、サーバ側の最適なデバイス定義ファイルとしてファイル名「0102.fm8」のDDファイルを受信するので、このファイル名「0102.fm8」のDDファイルをツール側のデバイス定義ファイルDB2内に書き込む。
〔携帯デバイス設定ツール内でのデバイス定義ファイルの利用〕
そして、携帯デバイス設定ツール5は、図17に示すように、ツール側デバイス定義ファイルDB2内に書き込まれたファイル名「0102.fm8」のDDファイルを使用して、フィールド機器4−3内の情報にアクセスし、フィールド機器4−3の設定画面(パラメータ詳細画面)を表示したり、パラメータの信号変換を行って通信を行ったりする。
なお、上述した実施の形態1ではデバイス定義ファイルをDDファイルとCFとし、実施の形態2ではデバイス定義ファイルをDDファイルとしたが、同様に用いられるDTMに対しても適用可能である。
また、上述した実施の形態1,2では、携帯デバイス設定ツール5とデバイス定義ファイルサーバ1との間の通信を無線通信を基本としているが、有線による通信であっても構わない。将来の工業システムとして、機器管理システムからフィールド機器まで工業用のイーサネット(登録商標)を用いた制御バスだけ構成されるシステムが出現した場合には、そのバスを用いてデバイス定義ファイルを送信することが可能と考えられる(現在のFF/HARTシステムでは実現が難しい)。
また、通信状況が悪い場所での使用を考慮し、携帯デバイス設定ツール5が保持するデバイス定義ファイルの更新を自動で行わないモードを用意するようにしてもよい。このようなモードを用意することにより、デバイス定義ファイルサーバ1を見つけられずに通信リトライが続き、パフォーマンス悪化につながることを防ぐことも可能となる。
また、ユーザのコマンドで携帯デバイス設定ツール5が保持する全てのデバイス定義ファイルのリストをデバイス定義ファイルサーバ1に送信し、それよりも新しいデバイス定義ファイル全てを携帯デバイス設定ツール5に送信し、まとめて設定するといった機能を設けることも考えられる。しかし、送信対象が大量のデータになる可能性があり、ユーザにとって待ち時間が多く発生する可能性がある。これに対して、上述した実施の形態1,2では、オンラインでの操作中に数ファイルのみ自動で送信するので、送信対象が大量のデータとはならず、ユーザにとっての待ち時間も少ない。
また、上述した実施の形態1,2では、機器管理システム1に携帯デバイス設定ツール5との間で情報の送受信を行うサーバ機能を持たせるものとしたが、すなわち機器管理システム1を本発明でいうサーバとしたが、専用のサーバを別途用意するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、携帯デバイス設定ツール5をフィールド機器4に接続し、オンラインで接続中のフィールド機器4からそのフィールド機器4のデバイス種別を識別する情報を読み込むようにしたが、オフライン(接続先デバイスなし)作業で所望のフィールド機器4のデバイス種別を読み込むようにしてもよい。
オフライン作業の場合、所望のフィールド機器(操作対象デバイス)4のデバイス種別を識別する情報は、別途定められているデバイスのオフライン定義データから得るようにする。オフライン作業の場合、携帯デバイス設定ツール5は、操作対象デバイスのオフライン定義データの設定画面を表示する。
また、上述した実施の形態1,2では、デバイス定義ファイルのリビジョンを比較するようにしたが、リビジョンだけではなくバージョンを含めて比較するようにしてもよい。「リビジョン」とは「修正」「改訂」といった意味で、機能は変更せずに不具合を修正する場合にリビジョン番号を変更する。「バージョン」は「版」と言う意味で、ソフトウェアの機能が異なる(機能の追加や変更がある)場合に異なった番号になる。実施の形態1,2では、デバイスリビジョンが「バージョン」に相当し、DDリビジョンやCFリビジョンが「リビジョン」に相当し、「リビジョン」と「バージョン」とを区別していないが、「リビジョン」と「バージョン」とを区別するプロトコルに適用するような場合、リビジョンだけではなくバージョンを含めて比較することが考えられる。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本発明は、ポジショナなどのフィールド機器内の情報にアクセスする際に使用されるデバイス定義ファイルを管理するデバイス情報管理システムとして利用することができる。
1…機器管理システム(デバイス定義ファイルサーバ)、DB1…サーバ側デバイス定義ファイルDB、4(4−1〜4−4)…フィールド機器、5…携帯デバイス設定ツール、DB2…ツール側デバイス定義ファイルDB、11…サーバ側デバイス定義ファイル記憶部、12…ツール側情報受信部、13…サーバ側最適デバイス定義ファイル特定部、14…最適デバイス定義ファイル比較部、15…サーバ側情報送信部、51…ツール側デバイス定義ファイル記憶部、52…デバイス識別情報読込部、53…ツール側最適デバイス定義ファイル特定部、54…ツール側情報送信部、55…サーバ側受信部、56…デバイス定義ファイル更新部、57…選択画面表示部、100,200…デバイス情報管理システム。

Claims (5)

  1. 内部に記憶されているデバイス定義情報に基づいて操作対象デバイス内の情報にアクセスする携帯デバイス設定ツールと、この携帯デバイス設定ツールとの間で情報の送受信を行うサーバとを備えたデバイス情報管理システムであって、
    前記携帯デバイス設定ツールは、
    前記操作対象デバイスの種別毎にそのデバイス内の情報へのアクセスに際して使用するデバイス定義情報を記憶するツール側デバイス定義情報記憶手段と、
    前記操作対象デバイスを識別する情報を読み込むデバイス識別情報読込手段と、
    前記デバイス識別情報読込手段によって読み込まれた操作対象デバイスを識別する情報に基づいて、前記ツール側デバイス定義情報記憶手段に記憶されているデバイス定義情報の中からその操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をツール側の最適なデバイス定義情報として特定するツール側最適デバイス定義情報特定手段と、
    前記デバイス識別情報読込手段によって読み込まれた操作対象デバイスを識別する情報と、前記ツール側最適デバイス定義情報特定手段によって特定されたツール側の最適なデバイス定義情報とをツール側の情報として前記サーバへ送信するツール側情報送信手段とを備え、
    前記サーバは、
    前記操作対象デバイスの種別毎にそのデバイス内の情報へのアクセスに際して使用するデバイス定義情報を記憶するサーバ側デバイス定義情報記憶手段と、
    前記携帯デバイス設定ツールから送信されてくる前記ツール側の情報を受信するツール側情報受信部と、
    前記ツール側情報受信部が受信したツール側の情報に含まれている前記操作対象デバイスを識別する情報に基づいて、前記サーバ側デバイス定義情報記憶手段に記憶されているデバイス定義情報の中からその操作対象デバイスに対応する最適なデバイス定義情報をサーバ側の最適なデバイス定義情報として特定するサーバ側最適デバイス定義情報特定手段と、
    前記サーバ側最適デバイス定義情報特定手段によって特定されたサーバ側の最適なデバイス定義情報を示す情報と前記受信したツール側の情報に含まれている前記ツール側の最適なデバイス定義情報を示す情報とを比較する最適デバイス定義情報比較手段と、
    前記最適デバイス定義情報比較手段での比較結果に基づき、前記サーバ側の最適なデバイス定義情報が前記ツール側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報であった場合、前記サーバ側の最適なデバイス定義情報をサーバ側の情報として前記携帯デバイス設定ツールに送るサーバ側情報送信手段と
    を備えることを特徴とするデバイス情報管理システム。
  2. 請求項1に記載されたデバイス情報管理システムにおいて、
    前記サーバ側情報送信手段は、
    前記ツール側の最適なデバイス定義情報が前記サーバ側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報であった場合、その旨を知らせる情報をサーバ側の情報として前記携帯デバイス設定ツールに送る
    ことを特徴とするデバイス情報管理システム。
  3. 請求項1に記載されたデバイス情報管理システムにおいて、
    前記サーバ側情報送信手段は、
    前記サーバ側の最適なデバイス定義情報と前記ツール側の最適なデバイス定義情報とが同じであった場合、前記携帯デバイス設定ツールへの情報の送信は行わない
    ことを特徴とするデバイス情報管理システム。
  4. 請求項1に記載されたデバイス情報管理システムにおいて、
    前記サーバ側情報送信手段は、
    前記サーバ側の最適なデバイス定義情報と比較すべき前記ツール側の最適なデバイス定義情報が無かった場合、前記サーバ側の最適なデバイス定義情報を前記サーバ側の情報として前記携帯デバイス設定ツールに送る
    ことを特徴とするデバイス情報管理システム。
  5. 請求項2に記載されたデバイス情報管理システムにおいて、
    前記携帯デバイス設定ツールは、
    前記サーバ側の情報としてツール側の最適なデバイス定義情報がサーバ側の最適なデバイス定義情報よりもより最適なデバイス定義情報である旨を知らせる情報が送られてきた場合、ツール側の最適なデバイス定義情報を使用するのか、サーバ側の最適なデバイス定義情報を使用するのかの選択を促す手段
    を備えることを特徴とするデバイス情報管理システム。
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