本実施形態に係る情報収集システムを、図面を参照して説明する。本実施形態に係る情報収集システムは、RFID(Radio Frequency IDentifier)技術を用いて、遊技施設において遊技機を遊技する遊技者の遊技状況、および各遊技機の遊技状況の少なくとも一方を取得するものである。本実施形態では、遊技機は、弾球遊技機(パチンコ機)、回胴式遊技機(パチスロ機)、カジノ向けビデオゲームマシン、アーケードゲーム等である。よって、遊技施設は、パチンコ機およびパチスロ機の少なくとも一方が設置された施設(以下、“パチンコホール”とも呼ぶ)、カジノ、ゲームセンター等である。以下、遊技施設として、パチンコホールを例に挙げて、本実施の形態を説明する。
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係る情報収集システム10のハードウェア構成例を示す模式図である。情報収集システム10はサーバ4およびリーダ5を含む。台間機3、サーバ4、リーダ5、およびデータランプ7それぞれは、例えば遊技施設内に設けられたLAN(Local Area Network)を介して相互に接続されている。遊技機2と遊技機2との間には、台間機(カードリーダユニット)3及びリーダ5が併設されている。1つの台間機3及び1つのリーダ5が1つの遊技機2に対応付けて設けられている。また、遊技機2の各々には、遊技結果を示す情報(払い出された遊技媒体(遊技球やメダル)の数(出玉数)、遊技するのに使われた遊技媒体の数(打玉数)、大当たり回数等の遊技の結果を示す情報)を表示するためのデータランプ7が接続されており、遊技機2の遊技結果を示す情報は、データランプ7を介してその時の時刻情報と紐づけてサーバ4に送信される。この送信はリアルタイムに実行されても良いし、所定の時間毎にまとめて実行されても良い。本実施形態では、上記送信は、所定の時間毎にまとめて実行されるものとする。よって、本実施形態におけるサーバ4に送信される情報(遊技情報)は、所定の時間毎の出玉数、打玉数、大当たり回数等を合計した情報と、所定の時間帯の開始時点の時刻および終了時点の時刻を示すものである。
リーダ5は、遊技機2間に設けられるほかに、遊技機2又は台間機3の上部や遊技者が着座する椅子等に設けられてもよい。リーダ5は、860〜960MHzや2.45GHz等のUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を定期的(本実施形態では、1分間に3回)に発信しており、数十センチ〜数メートルの通信範囲内に存在するRFタグ6から、RFタグ6に記憶してあるタグID(第1の識別子)を読み取る。すなわち、リーダ5は、RFタグ6が発した電波を受信すると、該電波より該RFタグ6のタグIDを取得する。
RFタグ6は、パッシブ型のICタグであり、リーダ5からの電波をエネルギー源として動作するので、電池を内蔵していない。RFタグ6は、リーダ5が送信する電波を受信した場合に、記憶してあるタグID情報で変調された電波(タグIDに関する電波)を発信する。本実施形態では、RFタグ6は、会員登録しているそれぞれの遊技者に予め配布されている会員カードに組み込まれている。例えば、RFタグ6の回路が会員カードに印刷されている。サーバ4においては、各会員カードの会員情報と該会員カードに組み込まれたRFタグ6のタグIDを関連付けて管理されている(データベース化している。例えば、後述する表2で示す遊技者情報テーブル)。なお、RFタグ6は、遊技者の携帯電話機やスマートフォン等の携帯品に貼付できるようにシール状に構成されてもよく、ポケットティッシュ、遊技施設のチラシ等の各種媒体に貼付した状態で遊技者に配布されてもよい。
サーバ4は、例えばメインフレーム、ワークステーション、デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)等である。サーバ4は、遊技施設の内部に設置されていてもよいし、遊技施設の外部に設置されていてもよい。サーバ4は、LANを介して接続されている各データランプ7から受信した遊技情報を自身の記憶装置に格納する。
図2は、サーバ4のハードウェア構成例を示すブロック図である。サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42及びRAM(Random Access Memory)43を含む。また、サーバ4は、ハードディスク44、光学ドライブ45、表示部46、操作部47、タイマ48及び通信部49を含む。
CPU41は、ソフトウェアプログラムに記述された命令セットを実行するためのプロセッサである。CPU41は、サーバ4の各構成部を制御する。CPU41は、ハードディスク44に記憶されたプログラム4PをRAM43に読み出し、RAM43に読み出したプログラム4Pを実行する。ROM42は、読み出し専用記憶媒体である。ROM42は、例えば不揮発性の半導体メモリである。RAM43は、主記憶装置である。RAM43は、例えばSRAM又はDRAMであり、CPU41が実行する処理の過程で必要な作業変数、データ等を一時的に記憶する。ハードディスク44は、補助記憶装置である。ハードディスク44は、サーバ4の内部に取り付けられるものであっても、サーバ4の外部に置かれるものであってもよい。ハードディスク44は、インターネットNを介してアクセス可能な記憶装置(例えば、データベースサーバ)で代替されてもよい。ハードディスク44は、CPU41が実行するプログラム4P及び各種テーブルを記憶している。光学ドライブ45は、外部の記憶媒体であるCD、DVD、BD等の光ディスク4dから情報を読み出し、光ディスク4dに情報を記憶する記憶装置である。
表示部46は、画像を表示する表示装置である。表示部46は、例えば液晶ディスプレイ等の画面を有し、CPU41からの指示に従って、プログラム4Pに係る各種情報を当該画面に表示する。操作部47は、使用者が各種の入力を行うキーボード、マウス、タッチパネル、電源スイッチ等の入力デバイスである。操作部47は、使用者の操作に基づいて入力信号を生成する。生成された入力信号は、バス4bを介してCPU41に出力される。
タイマ48は、クロックを数えることで一定時間の経過を計時する装置である。タイマ48は、計時した結果(日付及び時刻)をCPU41に出力する。通信部49は、有線又は無線通信のモデム、LANカード、ルータ、USB(Universal Serial Bus)端子、接続コネクタ等である。通信部49は、台間機3、リーダ5、データランプ7、及びインターネットNと接続されている。
なお、CPU41は、光学ドライブ45を介して、プログラム4Pを光ディスク4dから読み込んでもよい。CPU41は、通信部49を介して、プログラム4Pを外部の情報処理装置又は記憶装置から読み込んでもよい。さらに、プログラム4Pを記憶したフラッシュメモリ等の半導体メモリ4mが、サーバ4内に実装されていてもよい。また、CPU41は、各種データをハードディスク44に記憶するのではなく、通信部49を介して、外部の情報処理装置又は記憶装置に記憶してもよい。更に、CPU41は、光学ドライブ45を介して、各種テーブルを光ディスク4dに記憶してもよい。
以下に、サーバ4が記憶する各種テーブルについて説明する。ハードディスク44に記憶されるテーブルは、以下の表1に示すような機器対応テーブルを含む。機器対応テーブルは、遊技機2、台間機3及びリーダ5の対応関係を示す情報が記憶されるテーブルである。機器対応テーブルは、台番号、台間機ID及びリーダIDの各列を含む。台番号は遊技機2の識別情報であり、台間機IDは台間機3の識別情報であり、リーダIDはリーダ5の識別情報(第2の識別子)である。
なお、後述するように、本実施形態では、リーダ5は、電波送受信手段としてのアンテナと一体化している。しかしながら、該アンテナと情報処理部とは別個であっても良く、一般的にはこの情報処理部をリーダと呼ぶ。この場合、1つの情報処理部に対して複数のアンテナが接続されることもある。1つの情報処理部に複数のアンテナが接続されている場合であっても、あるRFタグからの電波を受信したアンテナの近傍に該RFタグが位置すると特定できる。よって、本発明において本質的には、RFタグ6からの電波を受信するアンテナを特定することが必要となる。本実施形態では、アンテナがリーダに一体化されているので、リーダIDとしているが、該リーダIDによりアンテナを特定していることに他ならない。アンテナと情報処理部(リーダ)とが別個の場合は、本明細書においては、リーダIDをアンテナIDと読み替えれば良い。
ハードディスク44に記憶されるテーブルは、以下の表2に示すような遊技者情報テーブルを含む。遊技者情報テーブルは、RFタグ6が組み込まれた会員カードを利用するために登録した遊技者(ユーザ)の遊技者情報が記憶されるテーブルである。遊技者情報テーブルは、遊技者ID、パスワード、タグID、氏名、年齢、性別、メールアドレスの各列を含む。パスワード、氏名、年齢、性別及びメールアドレスはそれぞれ、遊技者登録の際に遊技者が指定した情報である。タグIDは、遊技者登録の際に遊技者に配布された会員カードに組み込まれたRFタグ6の識別情報である。年齢及び性別は遊技者の属性を示す情報であり、遊技者の属性を示す情報として、遊技者が好きな遊技機2のジャンル、趣味等も遊技者情報テーブルに記憶されてもよい。なお、遊技者情報テーブルについては、RFタグ6が組み込まれた会員カードを作成する際の情報に基づいて作成すれば良い。
ハードディスク44に記憶されるテーブルは、以下の表3に示すような遊技情報テーブルを含む。遊技情報テーブルは、所謂ホールコンピュータと言われる管理装置にて一般的に管理されている遊技情報のテーブルである。遊技情報テーブルは、台番号及び遊技情報の各列を含む。台番号は遊技機2の識別情報である。遊技情報は、開始日時、終了日時、出玉数、打玉数、大当たり回数等の各列を含む。表3において開始日時及び終了日時は、データランプ7にて遊技を示す情報に紐づけた時刻である。表3において、出玉数、打玉数、および大当たり回数は、開始日時及び終了日時によって規定される遊技期間中における該当する遊技機の出玉数、打玉数、大当たり回数の総数である。このように、台番号に対応付けて、一連の遊技に関する遊技情報が遊技情報テーブルに記憶される。遊技情報テーブルに記憶される遊技情報は、確率変動回数、過去最高連チャン数等を更に含んでもよい。なお、本実施形態では、遊技情報テーブルをサーバ4に記憶させているが、サーバ4に電気的に接続された他のコンピュータ(ホールコンピュータ等)に記憶させても良い。本実施形態では、サーバ4は、データランプ7から受信した遊技情報に基づいて、遊技情報テーブルを作成する。
ハードディスク44に記憶されるテーブルは、以下の表4に示すようなリーダ読出IDテーブルを含む。リーダ読出IDテーブルは、それぞれのリーダ5がRFタグ6から読み出したRFタグ6のタグIDが記憶されるテーブルであって、本実施形態においては、“日にち”毎に作成される。リーダ読出IDテーブルは、リーダID、タグID、開始時刻及び終了時刻の各列を含む。リーダIDはリーダ5の識別情報である。タグIDは、リーダIDが示すリーダ5によっていずれかのRFタグ6から読み出されたタグIDである。開始時刻は、リーダIDが示すリーダ5が対応するタグIDをその日の最初に読み出した時刻を示し、最終時刻はその日の最後に読み出した時刻を示す。リーダ5は、いずれかのRFタグ6のタグIDに関する電波を受信した場合、受信したタグIDを、この時点での時刻を示す情報及びリーダIDと共にサーバ4へ送信する。リーダ読出IDテーブルにおいて、受信したリーダIDに対応して、その日に受信したタグIDが記憶されていない場合、サーバ4は、受信したリーダIDに対応するタグID及び開始時刻として、受信したタグID及び時刻を記憶する。また、リーダ読出IDテーブルにおいて、受信したリーダIDに対応して、その日に受信したタグIDが記憶されている場合、サーバ4は、受信したリーダIDに対応する最終時刻として、受信した時刻を記憶する。
なお、リーダ5は、例えば1分間に3回電波を発信する場合、RFタグ6が同じ位置にあると、リーダ5は20秒に1回のペースで同一のタグIDを取得することになる。よって、表4において、例えばタグIDT101の会員カードを持っている遊技者がリーダIDR01のリーダ5に対応する遊技機2を遊技している場合(該遊技機2の近くから動かない場合)、リーダ読出IDテーブルの最終時刻の欄は約20秒に1回の割合で更新されることになる。
本実施形態では、各遊技機2に対応付けられたリーダIDと、各遊技者に対応付けられたタグIDと、開始時刻および最終時刻とを日にち毎に関連づけているので、日にち毎に各台における各遊技者の遊技時間(開始時刻と最終時刻との差)を取得することができる。
さて、場合によっては、ある遊技者(タグIDT101のRFタグの会員カードを持つ人)が遊技機A(リーダIDR01のリーダに対応する遊技機)を遊技し、その遊技機Aの遊技を一旦止めて別の遊技機Bを遊技し、同じ日に再度遊技機Aを遊技すること(例えば、X時間後等)もあり得るだろう。よって、最終時刻の更新時において、前回の最終時刻から所定時間(例えば、1時間)以上経過している場合は、同一のリーダID及びタグIDが記憶されていたとしても、上記と同様にしてリーダ読出IDテーブルにおいて別途新しくリーダID、タグIDに対応する開始時刻、終了時刻を記憶する。よって、リーダ読出IDテーブルにおいて、同一のリーダID、タグIDに対応する行が複数存在することになる。この場合、その日のある遊技者の遊技機Aの総遊技時間を求める際は、リーダ読出IDテーブルにおいてタグIDT101の各々の開始時刻と最終時刻との差を足し合わせれば良い。
図3は、リーダ5及びRFタグ6のハードウェア構成例を示すブロック図である。リーダ5は、RFタグ6の所定の回路を起電させるための電波を送信し、RFタグ6からタグIDに関する電波を受信するための装置であり、CPU51、記憶部52及びRAM53を含む。また、リーダ5は、通信部54及びタイマ55を含む。CPU51は、ソフトウェアプログラムに記述された命令セットを実行するためのプロセッサである。CPU51は、バス5bを介してリーダ5の各構成部を制御する。記憶部52は、例えばフラッシュメモリ又はハードディスクであり、リーダ5の各構成部に係る制御プログラム及び各種データを記憶している。RAM53は、CPU51が実行する処理の過程で必要な作業変数、データ等を一時的に記憶する。通信部54は、LANに接続するためのインタフェースと、RFタグ6を起電させるための電波の発信、およびタグIDに関する電波を受信するためのアンテナとを有する。タイマ55は、クロックを数えることで一定時間の経過を計時する装置である。タイマ55は、計時した結果(日付及び時刻)をCPU51に出力する。このような構成において、リーダ5は、通信部54が受信したタグIDに受信時刻を紐づける処理を行う。
RFタグ6は、記憶部61及び通信部62を含む。記憶部61は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、RFタグ6に予め割り当てられた識別情報であるタグIDを記憶している。通信部62は、電波を送信、受信するためのインタフェースを有する。通信部62は、リーダ5が送信した電波を受信した場合、記憶部61に記憶してあるタグIDを読み出して送信する。リーダ5は、リーダ5から通信可能な範囲内に存在するRFタグ6が送信したタグIDを受信する。
図4は、サーバ4による情報収集処理の手順の一例を示すフローチャートである。リーダ5は、1分間に3回定期的に、UHF帯の電波を発信しており、CPU51は、タイマ55による計時結果に基づいて、電波の発信タイミングであるか否かを判定する(ステップS21)。CPU51は、発信タイミングではないと判定した場合(ステップS21:NO)、待機し、発信タイミングであると判定した場合(ステップS21:YES)、電波を発信する(ステップS22)。RFタグ6は、リーダ5から発信された電波を通信部62にて受信した場合、受信した電波によって起動し、記憶部61に記憶してあるタグIDに関する電波を通信部62から送信する。
リーダ5のCPU51は、RFタグ6から送信されたタグIDに関する電波を通信部54にて受信したか否かを判定し(ステップS23)、受信していないと判定した場合(ステップS23:NO)、ステップS21へ処理を戻す。タグIDに関する電波を受信したと判定した場合(ステップS23:YES)、CPU51は、受信したタグIDと、タイマ55による計時結果に基づくこの時点での日時情報とをリーダIDと共に通信部54にてサーバ4へ送信する(ステップS24)。サーバ4のCPU41は、リーダ5から送信されたタグID、日時情報及びリーダIDを受信したか否かを判定する(ステップS11)。
タグID等を受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、CPU41は、受信した日時情報の日にちをチェックし、該日にちに対応するリーダ読出IDテーブルにおいて、受信したリーダIDに対応付けて、受信したタグID及び日時情報に含まれる時刻を記憶する(ステップS12)。なお、リーダ読出IDテーブルにおいて、受信したリーダIDに対応して、その日に受信したタグIDが記憶されていない場合、CPU41は、受信したリーダIDに対応するタグID及び開始時刻の欄に、受信したタグID及び日時情報に含まれる時刻を記憶する。また、リーダ読出IDテーブルにおいて、受信したリーダIDに対応して、その日に受信したタグIDが記憶されている場合、CPU41は、受信したリーダIDに対応する最終時刻の欄に、受信した日時情報に含まれる時刻を記憶する。このとき、すでに最終時刻に欄に時刻が記憶されている場合は、CPU41は、最新に受信した日時情報に含まれる時刻にて上記最終時刻を更新する。タグID等を受信していないと判定した場合(ステップS11:NO)、CPU41は待機する。
本実施形態では、遊技機2の各々に対してリーダ5が設置されているので、リーダIDは遊技機2を特定するものとも言える。RFタグ6は、遊技者が所有する会員カードに組み込まれているので、タグIDは遊技者を特定するものとも言える。このような関係において、本実施形態ではリーダ5により会員カードに組み込まれたRFタグのタグIDを取得しているので、遊技者が何処の遊技機を遊技しているのかを特定できる。すなわち、CPU41は、リーダ5によってRFタグ6が読み込まれた時刻における該RFタグ6(該RFタグ6を携帯する遊技者)が遊技施設内の何処に居るのかを特定しているとも言える。
上述した処理により、サーバ4は、それぞれの遊技機2における遊技情報、それぞれのリーダ5が読み出したRFタグ6のタグIDを管理できる。1つの遊技機2、及び1つのリーダ5は対応付けられおり、各機器から取得する情報は日時情報に対応付けられているので、日時情報に基づいて、遊技情報を、RFタグ6(RFタグ6が組み込まれた会員カード)を携帯する遊技者に対応付けることができる。即ち、遊技者毎に遊技情報、どの遊技機を遊技したのか、特定の遊技機についてどれだけの時間遊技したのか等を把握できる。
図5は、サーバ4による情報集計処理の手順の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理では、サーバ4は、遊技情報テーブル及びリーダ読出IDテーブルに基づいて、それぞれの遊技者が行った遊技に係る情報を遊技者毎に記憶する遊技履歴テーブル(遊技者履歴テーブル)を生成する。遊技者履歴テーブルは、日にち毎に作成されるものであり、以下の表5に示す構成を有し、サーバ4のRAM43又はハードディスク44に記憶される。遊技者履歴テーブルは、それぞれの遊技者による遊技状態(遊技履歴)に関する情報が記憶されるテーブルである。遊技者履歴テーブルは、遊技者ID、タグID、台番号、遊技期間、及び遊技情報の各列を含む。遊技者IDは遊技者の識別情報である。台番号は遊技機2の識別情報である。遊技期間は、ある日における対応する遊技者IDの遊技者が、対応する台番号の遊技機2で遊技した期間を示し、リーダ読出IDテーブルから取得される。遊技情報は、対応する遊技者IDの遊技者が、対応する台番号の遊技機2で行った遊技に係る情報を示す。よって、遊技者履歴テーブルには、遊技者が有する会員カードに組み込まれたRFタグ6のタグIDと、該タグIDを受信したリーダ5に対応する台番号と、遊技機2における遊技情報とが対応付けて記憶される。従って、どの遊技者がどの種類の遊技機をどれだけ遊技したのかを把握することができる。
サーバ4のCPU41は、遊技者情報テーブルから対応する遊技者ID及びタグIDを読み出す(例えば、遊技者情報テーブルの上から順に読み出す)(ステップS31)。CPU41は、読み出したタグIDに対応して、対象となる日にちのリーダ読出IDテーブルに記憶してあるリーダID、開始時刻及び終了時刻(遊技期間情報)を読み出す(ステップS32)。なお、リーダ読出IDテーブルにおいて、同一のタグIDについて複数のリーダID及び/又は他の同一のリーダIDが対応付いている場合、全てのリーダID及びそれに対応付いている遊技期間情報を読み出す。CPU41は、読み出したリーダIDの各々について、それに対応付けられている台番号及び台間機IDを機器対応テーブルに基づいて特定する(ステップS33)。CPU41は、ステップS33で特定した全ての台番号の遊技機2の各々について、その遊技情報のうちで、ステップS32で取得した遊技期間情報に適合する遊技情報を遊技情報テーブルから取得する(ステップS34)。すなわち、CPU41は、該当する台番号に対応して遊技情報テーブルに記憶してある開始日時及び終了日時によって規定される各時間帯において、遊技期間情報の開始時刻が含まれる時間帯を抽出し、終了時刻が含まれる時間帯も抽出する。開始時刻を含む時間帯として抽出された時間帯と終了時刻を含む時間帯として抽出された時間帯とが異なる場合は、早い方の時間帯(開始時刻側)と遅い方の時間帯(終了時刻側)の遊技情報、およびそれら2つの時間帯の間に他の時間帯がある場合はそれら全ての時間帯の遊技情報を抽出して合算する。これにより、ステップS31で読み出した遊技者IDの遊技者に応じた遊技情報を取得できる。
CPU41は、ステップS31で読み出した遊技者ID及びタグIDと、ステップS33で特定した台番号と、ステップS32で読み出した遊技期間情報と、ステップS34で取得した遊技情報とを対応付けて遊技者履歴テーブルに記憶する(ステップS35)。これにより、1人の遊技者による遊技履歴に関する情報が遊技者履歴テーブルに記憶される。CPU41は、遊技者情報テーブルに記憶してある全ての遊技者IDに対する処理を終了したか否かを判定し(ステップS36)、処理を終了していないと判定した場合(ステップS36:NO)、ステップS31へ処理を戻す。CPU41は、未処理の遊技者ID及びタグIDを読み出し(ステップS31)、ステップS32〜S36の処理を行う。全ての処理を終了したと判定した場合(ステップS36:YES)、CPU41は処理を終了する。
上述した処理において、遊技者情報テーブルに記憶してある全ての遊技者IDに対して順次遊技履歴を生成して遊技者履歴テーブルに記憶するほかに、任意の遊技者(遊技者ID)に対してのみ遊技者履歴テーブルを生成してもよい。例えば外部装置から任意の遊技者に対する履歴情報が要求された場合に、サーバ4は、要求された遊技者についてのみ履歴情報を生成し、外部装置へ提供してもよい。
また、本実施形態では、遊技履歴テーブルとしての遊技機履歴テーブルを生成することもできる。遊技機履歴テーブルは、日にち毎に作成されるものであり、以下の表6に示す構成を有し、サーバ4のRAM43又はハードディスク44に記憶される。遊技機履歴テーブルは、それぞれの遊技機2における遊技情報(稼働状態)に関する情報が記憶されるテーブルである。遊技機履歴テーブルは、台番号、遊技情報及び遊技者属性の各例を含む。台番号は遊技機2の識別情報である。遊技情報及び遊技者属性は、対応する台番号の遊技機2で行われた遊技に関する情報及び遊技者の属性を示す。
上記遊技機履歴テーブルは一例として以下のように作成すれば良い。まずCPU41は、上記作成された遊技者履歴テーブルを参照して、台番号を基準にタグIDをソートする。例えば、CPU41は、各台番号に対応するタグIDを抽出し、台番号毎に纏める。次いで、CPU41は、遊技者情報テーブルを参照して、上記纏められたタグIDの各々について、対応する年齢、性別(属性)を抽出する。このような処理により、遊技機履歴テーブルは作成される。
上述した処理において、遊技情報テーブルに記憶してある全ての台番号に対して順次遊技履歴を生成して遊技機履歴テーブルに記憶するほかに、任意の遊技機2(台番号)に対してのみ遊技機履歴テーブルを生成してもよい。例えば外部装置から任意の遊技機2に対する履歴情報が要求された場合に、サーバ4は、要求された遊技機2についてのみ履歴情報を生成し、外部装置へ送信してもよい。
上述したように遊技者履歴テーブルや遊技機履歴テーブルを生成したサーバ4は、遊技者毎の遊技履歴(実際に遊技した遊技機の記録)及び/又は遊技機毎の遊技履歴(ある遊技機を遊技した人の記録)に基づいて、種々の集計を行う。図6は、実施の形態1に係る集計結果画面の画面レイアウトの一例を示す説明図である。集計結果画面は、各遊技機2について、台番号、遊技者数、遊技者の属性毎の割合を対応付けて表示する。集計結果画面は、例えば直近の数日間における遊技者数及び属性毎の割合、又は、ある1日における遊技者数及び属性毎の割合等を表示する。よって、それぞれの遊技機2に対して遊技者属性別の遊技情報(例えば属性毎の割合)を、例えば遊技施設の担当者のコンピュータに提供できる。
またサーバ4は、それぞれの遊技者(タグID)毎の遊技情報を提供できる。この場合、サーバ4のCPU41は、遊技者履歴テーブルから、1つの遊技者ID(タグID)に対応する台番号、日時及び遊技情報を読み出し、所定のコンピュータへ出力してもよい。またサーバ4は、遊技施設全体の遊技者について、遊技者の属性毎の遊技情報を提供できる。この場合、サーバ4のCPU41は、遊技機履歴テーブルから、台番号、遊技情報及び遊技者属性を読み出し、遊技者属性毎に分類し、それぞれの属性毎の台番号及び遊技情報を所定のコンピュータへ出力してもよい。
本実施形態では、遊技機2に対応付けて設けられたリーダ5が、RFID技術を用いてRFタグ6のタグIDを読み出し、読み出したタグIDを遊技者の識別情報として、遊技機2に対応付けている。従って、遊技機2における遊技情報、遊技履歴を遊技者毎に取得することができる。すなわち、各遊技機、各遊技者の遊技状況(遊技情報および遊技履歴の少なくとも一方)を把握することができる。
よって、例えば遊技者毎に、それぞれの遊技機2に対する遊技時間、遊技内容(遊技情報)を把握できる。また、遊技者毎に、遊技した遊技機2の遊技履歴を把握できるので、それぞれの遊技者が好む遊技機2の機種を推測できる。また、遊技機2毎に、遊技機2における遊技情報だけでなく、遊技情報に対する遊技者も把握できる。よって、遊技機2毎に、例えば1日当たりの遊技者数を把握できるだけでなく、それぞれの遊技者の属性も把握できる。例えば、アニメや映画等のコンテンツをモチーフとした遊技機の場合、該遊技機に対して上記コンテンツの遊技機を遊技する遊技者の属性を取得することができるので、上記コンテンツを用いた次期開発において、より精緻なセグメンテーション、ターゲティングを行うことができる。更に、遊技機2の機種毎に、遊技者数及び遊技者属性等を集計することにより、遊技施設毎に該遊技施設を利用する遊技者について、遊技機2の機種に対する好みの傾向を推測できる。
また、本実施形態では、RFタグを読み取った時に該読み取ったRFタグとその時の時刻とを紐づけて管理しているので、例えばホールコンピュータ等で別途取得している各遊技機の遊技情報(本実施形態では、遊技情報テーブルに該当)と絡めた分析を行うことができる。すなわち、ある時刻における所定の遊技機2の所定量の稼働は何人によるものなのか、ある遊技機2についてどんな属性の人がどれだけの稼働に貢献しているのか等を取得することができる。また、タグIDに紐づいた遊技者については、遊技した遊技機の種類、およびその遊技機に対する遊技情報を取得することができるので、ある1日についての上記遊技者の収支を自動で算出することができる。
また、本実施形態では、リーダ5はUHF帯のRFID技術を用いてRFタグ6からタグIDを読み出すので、RFタグ6がリーダ5から数メートル離れていても、リーダ5はタグIDを読み出すことができる。よって、遊技者はRFタグ6を携帯すればよく、例えばRFタグ6を所定の差込口に差し込んだり、所定の読取部に接触又は近付けたりする必要がない。また、パッシブ型のRFタグ6を用いた場合、RFタグ6の電池交換が不要である。本実施形態では、RFタグ6を会員カードに組み込んでいるので、遊技者が該会員カードを携帯しているだけで、リーダ5がRFタグ6のタグIDを取得することができる。従って、情報収集システム10は、遊技者に特定の操作をさせることなく、RFタグ6はどのリーダ5によってタグIDを読み取られたのか、すなわち、遊技者はどの位置に居たのか、さらにどれだけその位置に居たのかを把握することができる。
さて、遊技機2と遊技者とを対応付けるために、遊技機2に対応付けられたビーコンと、遊技者の携帯端末との間で無線通信によって情報の送受信を行うことや、GPSを活用することが考えられる。ビーコンやGPSを用いる場合、遊技者は、ビーコンとの通信やGPS機能を実現するために携帯端末といった電源を要する電子機器を携帯する必要がある。さらに遊技者は、上記携帯端末を携帯した上で、ビーコンと通信したり、GPS機能を活用するために携帯端末の通信機能をオンしておく必要がある。即ち、遊技者は、携帯端末を用いてビーコンと通信したり、GPS機能を発揮するために、携帯端末に対して操作を行う必要があり、それらの機能がオフされていた場合、携帯端末はビーコンとの通信やGPS機能を実行できない。これに対して、本実施形態では、遊技者は電源不要のRFタグ6を携帯しさえすればよく何らかの操作を行う必要がない。すなわち、本実施形態によれば、上述のように、遊技者に対して何らかの操作、行為をさせることなく、該遊技者の遊技状況、および各遊技機の遊技状況を取得することができる。
なお、本実施形態では、各遊技者の遊技状況、各遊技機の遊技状況を取得するために、様々なテーブル(機器対応テーブル、遊技者情報テーブル、遊技情報テーブル、リーダ読出IDテーブル、遊技者履歴テーブル、遊技機履歴テーブル)を作成しているが、これらのテーブルを作成することが本質では無い。本実施形態で重要なことは、RFタグを何らかの形で遊技者に携帯させ、該RFタグの位置(すなわち、遊技者の位置)を遊技施設内において随時特定し、特定した情報に基づいて、遊技者および遊技機の少なくとも一方の遊技状況を取得することである。よって、これを実現するためにどのようなテーブルを作成、用いても良いことは言うまでもない。
実施の形態2
実施の形態2は、サーバ4が、遊技者毎の遊技情報を遊技者の携帯端末へ出力する形態に関する。実施の形態2において、実施の形態1と同様である構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。図7は、携帯端末8のハードウェア構成例を示すブロック図である。携帯端末8は、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型PC等の可搬型情報処理装置である。携帯端末8はインターネットNを介してサーバ4と無線通信することができる。以下では、携帯端末8はスマートフォンであるものとする。
携帯端末8は、CPU81、記憶部82及びRAM83を含む。また、携帯端末8は、通信部84及びタッチパネル85を含む。CPU81は、ソフトウェアプログラムに記述された命令セットを実行するためのプロセッサである。CPU81は、バス8bを介して、携帯端末8の各構成部を制御する。CPU81は、記憶部82に記憶されたプログラム8PをRAM83に読み出して実行する。記憶部82は、例えばフラッシュメモリ又はハードディスクである。記憶部82は、サーバ4又は他の情報処理装置からダウンロードされたプログラム8P、携帯端末8の各構成部に係る制御プログラム及び各種データを記憶している。RAM83は、例えばSRAM又はDRAMであり、CPU81が実行する処理の過程で必要な作業変数、データ等を一時的に記憶する。
通信部84は、無線通信によってインターネットNに接続するためのインタフェースであり、インターネットNを介してサーバ4と通信する。タッチパネル85は、表示装置とタッチパッドのような位置入力装置とを組み合わせた電子部品である。タッチパネル85の表示装置は、例えば液晶ディスプレイ等の画面を有している。
CPU81は、通信部84を介して、プログラム8Pを外部の情報処理装置又は記憶装置から読み込んでもよい。また、CPU81は、各種データを記憶部82に記憶するのではなく、通信部84を介して外部の情報処理装置又は記憶装置に記憶してもよい。
図8は、サーバ4による情報提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の情報収集システム10では、サーバ4は、遊技者の携帯端末8からの要求に応じて、遊技者の遊技情報を携帯端末8に提供する。携帯端末8のCPU81は、プログラム8Pを実行した場合、サーバ4に対してログイン画面を要求する(ステップS61)。サーバ4のCPU41は、ログイン画面の要求を受け付けた場合、所定のログイン画面を例えばハードディスク44から読み出して携帯端末8へ送信する(ステップS62)。CPU81は、ログイン画面を受信した場合、受信したログイン画面をタッチパネル85に表示する(ステップS63)。CPU81は、タッチパネル85を介してログイン画面に入力された遊技者ID及びパスワード等の遊技者の識別情報を受け付け(ステップS64)、受け付けた遊技者識別情報をサーバ4へ送信する(ステップS65)。CPU41は、携帯端末8から遊技者識別情報を受信した場合、受信した遊技者識別情報が遊技者情報テーブルに登録されているか否かに基づいて認証を行う(ステップS66)。
CPU41は、認証できたか否かを判定し(ステップS67)、認証できたと判定した場合(ステップS67:YES)、この遊技者の遊技情報を遊技者履歴テーブルから読み出す(ステップS68)。具体的には、CPU41は、携帯端末8から受信した遊技者IDに対応付けて遊技者履歴テーブルに記憶してある遊技情報を読み出す。CPU41は、読み出した遊技情報を携帯端末8へ送信する(ステップS69)。CPU81は、サーバ4から遊技情報を受信した場合、受信した遊技情報に基づいて、遊技履歴画面をタッチパネル85に表示する(ステップS70)。
図9は、遊技履歴画面の画面レイアウトの一例を示す説明図である。遊技履歴画面は、例えば携帯端末8がサーバ4にアクセスした当日の遊技情報を表示する。遊技履歴画面における遊技情報は、例えばある1日について、遊技した遊技機2の機種毎に、遊技時間、出玉数及び打玉数等を含む。携帯端末8のCPU81は、サーバ4から受信した遊技情報を、記憶部82に記憶してもよい。この場合、CPU81は、次にプログラム8Pを起動した場合に、過去の遊技情報をタッチパネル85に表示することができる。
CPU41は、認証できなかったと判定した場合(ステップS67:NO)、認証できなかったことを示すエラー通知画面を携帯端末8に送信する(ステップS71)。CPU81は、サーバ4からエラー通知画面を受信した場合、受信したエラー通知画面をタッチパネル85に表示する(ステップS72)。
本実施の形態では、遊技者からの要求に応じて、サーバ4が各遊技者の遊技状況を各遊技者の携帯端末8に提供することができる。よって、遊技者は、自身の遊技情報や遊技履歴を覚えておく必要がなく、携帯端末8を用いてサーバ4から取得することができる。よって、例えば遊技者が自宅等に帰った後に、遊技結果をサーバ4から取得して確認できる。
実施の形態3
実施の形態3は、サーバ4が、遊技者に、遊技施設に関する広告、遊技機2に関する広告等、各種の情報を提供する形態に関する。実施の形態3において、実施の形態1,2と同様である構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。本実施の形態のサーバ4は、以下の表7に示すような広告テーブルを、例えばハードディスク44に記憶している。広告テーブルは、遊技者の属性に対応付けて、遊技者に提供すべき広告データが記憶されるテーブルである。広告テーブルは、属性及び広告データの各列を含む。属性は、年齢及び性別を含むが、これら以外の情報が含まれていてもよい。広告データは、例えば表示画面に表示するための表示用データであり、それぞれの属性の遊技者に宣伝すべき各種の情報を含む。
また、本実施の形態のサーバ4は、以下の表8に示すような宣伝機種テーブルを、例えばハードディスク44に記憶していてもよい。宣伝機種テーブルは、遊技者の属性に対応付けて、遊技者に宣伝すべき遊技機の機種が記憶されるテーブルである。宣伝機種テーブルは、属性及び宣伝すべき機種(宣伝機種)の各列を含む。表8では、遊技者の属性として、好きな遊技機のジャンルを用いているが、年齢及び性別であってもよく、その他の情報であってもよい。
図10は、サーバ4による宣伝処理の手順の一例を示すフローチャートである。リーダ5のCPU51は、通信部54を介してRFタグ6のタグIDを読み取る処理を定期的に行っており、通信可能な範囲内に存在するRFタグ6からタグIDを読み取る(ステップS81)。CPU51は、例えば直前に読み取ったタグIDを記憶しており、新たに読み取ったタグIDが、直前に読み取ったタグIDから変化したか否かを判定する(ステップS82)。タグIDが変化していないと判定した場合(ステップS82:NO)、CPU51は、ステップS81へ処理を戻す。タグIDが変化したと判定した場合(ステップS82:YES)、CPU51は、読み取ったタグIDを通信部54にてサーバ4へ送信する(ステップS83)。
サーバ4のCPU41は、リーダ5からタグIDを受信した場合、受信したタグIDに対応付けて遊技者情報テーブルに記憶してある遊技者の属性を取得する(ステップS84)。CPU41は、例えば遊技者の年齢及び性別を遊技者情報テーブルから読み出す。CPU41は、取得した属性に対応する広告データを広告テーブルから読み出す(ステップS85)。なお、CPU41は、取得した属性に対応して宣伝すべき遊技機2の機種を宣伝機種テーブルから読み出してもよい。また、CPU41は、遊技者が遊技中又は遊技していた遊技機2とは異なる遊技機2、又は種別(ジャンル)が異なる遊技機2(異種別遊技機)を特定してもよい。具体的には、CPU41は、タグIDに対応付けて遊技者履歴テーブルに遊技情報が記憶してある遊技機2とは異なる遊技機2、又はジャンルが異なる遊技機2を特定する。CPU41は、タグIDを送信してきたリーダ5のリーダIDに基づいて、このリーダ5に対応付けられている遊技機2を特定する(ステップS86)。具体的には、CPU41は、機器対応テーブルに基づいて、対応する遊技機2を特定する。CPU41は、特定した遊技機2に対応するデータランプ7に対して、ステップS85で読み出した広告データを送信する(ステップS87)。データランプ7は、サーバ4から送信された広告データを受信し(ステップS88)、受信した広告データに基づいて広告画面を表示する(ステップS89)。なお、CPU41は、属性に対応して宣伝すべき遊技機2の機種、遊技者が遊技中又は遊技していた遊技機2とは異なる遊技機2又は種別(ジャンル)が異なる遊技機2(異種別遊技機)の情報をデータランプ7に送信し、該データランプ7に表示させてもよい。
図11は、広告画面の画面レイアウトの一例を示す説明図である。広告画面は、遊技施設で行われるイベントの広告、遊技機2についての広告等を表示する。また、リーダ5が読み取ったタグIDによって、それぞれの遊技機2の遊技者を特定できるので、広告画面は、図11に示す「○○様におすすめの台」のように、遊技者に応じた広告を表示できる。この場合、サーバ4のCPU41は、タグIDに対応付けて遊技者情報テーブルに記憶してある遊技者の属性を取得する際に、遊技者の氏名も取得し、遊技者の氏名を用いた広告データを生成する。また、サーバ4が、各遊技者の過去の遊技履歴を保持している場合、過去の遊技履歴に応じた広告データを生成することができる。このように、本実施の形態では、遊技者毎に異なる内容の広告を提供することが可能となる。
上述した処理により、例えば遊技者が遊技機2での遊技を開始し、リーダ5が遊技者によって携帯されるRFタグ6のタグIDを読み取った場合に、サーバ4から、それぞれの遊技者に応じた広告データが上記遊技機2に対応するデータランプ7に提供され、該データランプ7に表示される。よって、遊技者がまさに遊技中の遊技機2の上に設置されたデータランプ7に、その遊技者に有効と予想される広告を提供できる。なお、遊技者に提供される広告は、遊技施設及び遊技機2に関する広告(レコメンドも含む)に限定されず、種々の業界における広告を提供することができる。
本実施の形態において、リーダ5(第2の電波送受信手段)を、例えば遊技施設内に設けられたデジタルサイネージに設けておき、遊技者に応じた広告や該遊技者に向けた所望の通知をデジタルサイネージに表示させるようにしてもよい。この場合、サーバ4は、デジタルサイネージとリーダ5との対応関係を記憶しておき、リーダ5からタグIDを受信した場合、タグIDを送信してきたリーダ5に対応するデジタルサイネージを特定する。すなわち、RFタグ6を携帯する遊技者が何かしらの操作をすること無くその近傍に位置するデジタルサイネージを把握することができる(見方を変えると、各デジタルサイネージは、自身の前に位置する遊技者を特定することができる)。本実施形態では、遊技者情報テーブル、広告テーブル、宣伝機種テーブル等に基づいて、そのデジタルサイネージに対して該デジタルサイネージの前に位置する遊技者に特有の広告(所定のレコメンドも含む)や通知(「○○様(上記遊技者の名前)、いらっしゃいませ」といった通知等)をするのである。
本実施の形態において、遊技者に応じた広告を、遊技者の携帯端末8に表示させるように構成してもよい。例えば、サーバ4は、リーダ5からタグIDを受信した場合、受信したタグIDに対応して遊技者情報テーブルに記憶してあるメールアドレスを取得する。そして、サーバ4は、受信したタグIDに対応する遊技者に応じた広告データを生成し、広告データを、取得したメールアドレスを用いて遊技者の携帯端末8に送信する。また、携帯端末8に所定のプログラムをインストールしておき、サーバ4は、広告データを携帯端末8のプログラム宛に送信してもよい。このような構成とした場合、遊技施設及び遊技機2に関する広告を遊技者の携帯端末8に提供することができるので、遊技者は例えば自宅等に帰った後に各種の広告を見ることができる。
本実施の形態において、遊技者の属性に応じた広告データを、例えばディープラーニングといった機械学習による学習済みの認識モデルを用いて特定してもよい。例えば、遊技者の属性が入力され、属性に応じた広告データが出力される認識モデルを用いてもよい。また、遊技者の属性及び遊技中の遊技機2の機種が入力され、おすすめの遊技機2の機種が出力される認識モデルを用いてもよい。この場合、それぞれの遊技者にとってより適切な広告を提供することができる。
実施の形態4
実施の形態4は、リーダ5がRFタグ6から読み取るタグIDに基づいて、サーバ4が、遊技施設における遊技者の行動履歴(店舗内動線等)をログファイルに記憶する形態に関する。リーダ5は、定期的にRFタグ6のタグIDを読み取る処理を行っており、タグIDを読み取った場合、この時点での日時(読取日時)と、読み取ったタグIDと、自身のリーダIDとをサーバ4へ送信する。サーバ4は、タグIDに対応付けて、タグIDを読み取ったリーダ5のリーダID及びタグIDを読み取った日時をログファイルに記憶する。実施の形態4において、実施の形態1〜3と同様である構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
図12は、遊技施設に設置されたリーダ5の分布の一例を示す説明図である。図12は、例えばパチンコホールに設置された遊技機2の配列と、それぞれの遊技機2に対応付けて設けられたリーダ5の分布とを示している。なお、遊技機2の符号2は、図12の視認性を考慮して、その多くを省略している。本実施の形態では、リーダ5は、それぞれの遊技機2に対応して設けられるほかに、例えば遊技施設の入り口付近、フロアの周囲の壁等にも設けられていてもよい。
本実施の形態のサーバ4は、以下の表9に示すような行動履歴ファイルを、例えばRAM43又はハードディスク44に記憶している。行動履歴ファイルは、リーダ5から送信されたタグID、リーダID及び読取日時を記憶するログファイルである。行動履歴ファイルは、タグID、リーダID及び日時の各列を含む。日時は、リーダ5のタイマ55が計時した結果であり、リーダ5のCPU51がタグIDを読み取った時点の日時である。
RFタグ6が組み込まれた会員カードを所持する遊技者は、自身の意思に基づいて遊技施設内を移動する。遊技施設内には多くのリーダ5が分散配置されているため、1人の遊技者のRFタグ6は、遊技者の移動に伴い、次々と異なるリーダ5によってタグIDが読み取られる。遊技施設内におけるリーダ5の設置場所は予め分かっているため、1人の遊技者のRFタグ6のタグIDを読み取ったリーダ5のリーダIDと、リーダ5がタグIDを読み取った日時とは、遊技施設内における遊技者の位置と日時とに関する行動履歴を示すことになる。本実施形態では、サーバ4は、各リーダ5から受信したタグID、リーダID及び日時を受信すると、行動履歴ファイルにおいて、タグID毎に、受信した順にリーダID及びそれに紐づく日時を記憶していく。本実施形態においては、行動履歴ファイルにおいて、例えば、タグIDT101については、リーダIDがR113、R112、R111・・・と記載されているが、これは、サーバ4が各リーダ5からタグIDT101に関する情報をこの順番で受信したことを示している。すなわち、行動履歴ファイルにおいては、各タグIDにおいて、読み取られたリーダ5のリーダIDがリーダIDによる読み取り日時の順にソートされることになる。
上述した処理により、サーバ4は、遊技者が携帯するRFタグ6のタグIDを用いて、遊技者の行動履歴を記憶することができる。上述した処理において、行動履歴ファイルに書き込まれる読取日時は、リーダ5がRFタグ6からタグIDを読み取った日時を用いるほかに、サーバ4がリーダ5からタグIDを受信した日時を用いてもよい。
上述した処理によって行動履歴ファイルにRFタグ6の移動履歴を蓄積したサーバ4は、RFタグ6の移動履歴に基づく遊技者の行動履歴から、遊技施設内における遊技者の移動経路(動線)を特定できる。サーバ4は、リーダ5の分布情報と行動履歴ファイルのデータとを用いて、遊技施設内におけるRFタグ6の移動経路を特定する。そのために、まずサーバ4は、行動履歴ファイルのデータを、日別、RFタグ6のタグID別に集計する。
サーバ4は、行動履歴ファイルから1つのRFタグ6のタグIDを選択する。サーバ4は、選択したRFタグ6のタグID毎に、リーダ5の分布情報を参照して、行動履歴ファイルにおいて該当するタグIDに関連づいているリーダIDに対応するリーダ5の位置を特定する。サーバ4は、この位置特定処理を最後のリーダIDを処理するまで次々と繰り返す。サーバ4は、特定した位置を時間順に線分で接続して、RFタグ6の移動経路を特定し、特定した移動経路を示す画像(画面情報)を生成する。また、サーバ4は、生成した画像における移動経路に沿って、行動履歴ファイルの日時を、例えばhh:mm形式で表示する。サーバ4は、生成した画像を例えば表示部46に出力する。
図13は、RFタグ6の移動経路の一例を示す説明図である。図13の例によれば、遊技者は、15:00に入り口に近い遊技機2の近傍に到着し、左折した後、15:01に入り口に最も近い第一の島の端に到達している。その後、遊技者は、フロアの壁に沿って、15:02に最奥の壁まで移動し、最奥の壁に沿って入り口から最も遠い第三の島の端に15:12に到達している。その後、遊技者は、壁に沿って入り口へ向かう方向へ移動し、第二の島と第三の島との間を移動し、第三の島における入り口側の列の2番目の遊技機2の椅子へ15:15に移動している。移動経路を示す画像において、図13には、移動経路に加えて時間を表示する例を示したがこれに限るものではない。時間に代えて時間の長短に応じて異なるマーク、色等を表示してもよい。
本実施の形態の情報収集システム10では、遊技施設における遊技者の移動経路を特定して表示することができる。移動経路を示す画像は、例えば全ての遊技者(RFタグ6)についての移動経路を表示してもよいし、属性毎に各遊技者の移動経路を表示してもよい。遊技者情報テーブルにおいて、RFタグ6のタグIDと遊技者の属性とが対応付けられている。よって、サーバ4のCPU41は、それぞれのタグIDに対応して特定した移動経路に、遊技者の属性を対応付けることができる。この場合、属性毎に遊技者の移動経路を観察できる。
また、移動経路を示す画像において、1人の遊技者の移動経路を表示する際に、この遊技者の遊技情報を遊技機2に対応させて表示してもよい。例えば、サーバ4のCPU41は、移動経路が表示される遊技者の遊技情報を遊技者履歴テーブルから読み出し、それぞれの遊技機2における遊技情報を、移動経路と共に表示してもよい。また、移動経路を示す画像において、それぞれの遊技機における遊技者数を表示してもよいし、遊技者数の大小に応じて異なるマーク、色等を表示してもよい。
実施の形態5
実施の形態5は、リーダ5を遊技機2毎に設置しない場合の動線解析の形態に関する。本実施の形態の情報収集システム10では、リーダ5よりも安価なセンサが遊技機2毎に設置されており、リーダ5は複数の遊技機2に対して1つ設置されている。実施の形態5において、実施の形態1〜4と同様である構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
図14は、リーダ5及びセンサ9の設置例を示す説明図である。図14に示す例では、4つの遊技機2に対して1つのリーダ5が設けられており、それぞれの遊技機2に対応してセンサ9が設けられている。本実施の形態のリーダ5は、4つの遊技機2のいずれかで遊技中の遊技者が携帯するRFタグ6のタグIDを読み取ることができるように、電波の周波数や受信電波に対する閾値を設定するなどして構成してある。センサ9は、例えば赤外線センサ又は画像センサであり、対応する遊技機2で遊技中の遊技者がいるか否かを検知する。なお、センサ9は、遊技者が座る椅子に設けられた着座センサであってもよく、対応する遊技機2に設けられた椅子に遊技者が着座したか否かを検知するものであってもよい。センサ9は、LANに接続されており、遊技者を検知した場合、検知した旨を示す検知信号をLANを介してサーバ4へ送信する。
本実施の形態において、サーバ4のハードディスク44に記憶されている機器対応テーブルは、以下の表10に示す構成を有する。本実施の形態の機器対応テーブルには、遊技機2、センサ9及びリーダ5の対応関係を示す情報が記憶されている。機器対応テーブルは、台番号、センサ9の識別情報であるセンサID及びリーダIDの各列を含む。台番号、及びセンサIDはそれぞれ1つずつ対応付けて記憶されているが、リーダIDは、複数のセンサIDに対して1つ対応付けて記憶されている。表10に示す例では、4つのセンサIDに対して1つのリーダIDが対応付けて記憶されている。
また、本実施の形態のリーダ読出IDテーブルは、以下の表11に示す構成を有する。本実施の形態のリーダ読出IDテーブルは、リーダID、センサID、及びタグIDの各列を含む。
本実施の形態では、リーダ5がRFタグ6からタグIDを読み取ることにより、RFタグ6を携帯する遊技者のおおよその位置を把握し、センサ9が遊技者の存在を検知することにより、遊技者が存在する遊技機2の位置を特定する。サーバ4は、リーダ5とそれに対応付けられているセンサ9との関係を把握しているので、リーダ5の検知結果とセンサ9の検知結果との組み合わせにより、リーダ5の検知結果により得られたRFタグ6を携帯する遊技者が位置するおおよその領域の中のどの遊技機2の前に該遊技者が位置するかを特定するのである。すなわち、リーダ5は、遊技施設内の遊技者の居る大まかな位置を特定するように機能し、センサ9は、その特定された大まかな位置内のどの遊技機2の前に遊技者が居るかを特定するように機能すると言える。
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。