以下に、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮影装置の一例についてその構成を示すブロック図である。
図示の撮像装置は、例えば、デジタルカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、撮影光学系(撮像光学系ともいう)1を有している。撮影光学系1はフォーカスレンズ群1a、フォーカスレンズ群1aを移動させるレンズ駆動部6、および絞り11を備えており、光学像をカメラ本体10に導く。
レンズ駆動部6として、例えば、ステッピングモータ又は超音波モータが用いられる。レンズ駆動部6としてステッピングモータを用いた場合には、所謂オープンループ制御を行うことができるものの、超音波モータを用いた場合にはフードバック制御が必要である。よって、超音波モータを用いた場合には、別にフォーカスレンズ群1aの位置を検出する位置検出センサが備えられる。
カメラ本体10には、CCD又はCMOSセンサなどの撮像素子2が備えられており、撮像素子2には撮影光学系1を介して光学像が結像する。そして、撮像素子2は光電変換によって光学像に応じた画像信号を出力する。なお、図示の撮像素子2にA/D変換器が備えられており、撮像素子2はデジタル画像信号(以下画像データ)出力する。
図示のように、撮像素子2の前段にはシャッター12が備えられており、撮像素子2の出力である画像データは記録媒体13に保存される。
カメラ本体10には、領域選択部3が備えられており、領域選択部3によって光学像の所定の領域が選択される。そして、当該選択領域が合焦させる領域となる。選択領域の選択は撮影者(つまり、ユーザ)の操作入力(選択入力又は指示)によって手動で選択される。さらには、画像データにおける被写体認識に応じて自動的に選択領域を選択するようにしてもよい。
なお、選択領域は光学像の少なくとも一部である。また、選択領域が一定の領域とされて変更することができない場合には、領域選択部3が光学像に一定の領域を常に選択することになる。
図示のように、カメラ本体10には、コントラストAF部4が備えられており、コントラストAF部4は、コントラストAF方式によってフォーカスレンズ群1aの位置を移動させて、領域選択部3で選択された選択領域で合焦を行う。コントラストAF方式においては、予め画像に設定された選択領域をフォーカスエリアとして、当該フォーカスエリアにおけるコントラスト評価値がピークとなるフォーカスレンズ群の位置を合焦位置とする。
なお、コントラスト評価値とは、フォーカスエリアにおけるコントラストの度合を定量化した指標であって、コントラスト評価値のピークとは、コントラスト評価値が所定の閾値以上であって、かつ極大値を示す位置をいう。
撮影光学系1には、フォーカス操作部であるフォーカスダイアル5が備えられており、撮影者は、フォーカスダイアル5によってフォーカスレンズ群1aを撮影光学系1の光軸に沿って移動させることができる。撮影者がフォーカスダイアル5を回転させると、入力検出部5aはその回転方向および回転量を検出する。入力検出部5aとして、例えば、フォトインタラプタ又はホールセンサなどが用いられる。
図示の例では、フォーカスダイアル5は撮影光学系1の外周に回転可能に配設されているが、フォーカスダイアル5に限らず、フォーカス操作部としてレバーを回動させてフォーカスレンズ群1aを移動させるもの、又はスティックを倒してフォーカスレンズ群1aを移動させるものでもよい。さらには、フォーカス操作部としてダイヤル、レバー又はスティックなどの2方向に操作可能なフォーカス操作部に限らず、操作量の有無のみを入力するフォーカス操作部であってもよい。
なお、図1には示されていないが、カメラ本体10には、カメラ全体をコントロールするための処理装置(例えば、CPU)が備えられている。
図2は、図1に示すカメラにおける合焦動作を説明するための図である。そして、図2(a)はカメラを背面側から示すとともに液晶モニタを拡大して示す図であり、図2(b)はフォーカスレンズ群の位置とコントラスト評価値との関係についてその一例を示す図である。また、図2(c)はフォーカスダイアルを回転させた場合のフォーカスダイアルとフォーカスレンズ群との関係を示す図である。
図2(a)に示すように、カメラ本体10の背面には、タッチパネルを備える液晶モニタ(表示部)201が備えられるとともに、操作スイッチ部202が備えられている。この操作スイッチ部202は、図1に示す領域選択部3として用いられ、2次元4方向スイッチおよび決定スイッチを有している。
なお、領域選択部3として液晶モニタ201を用いて、液晶モニタ201に表示された画像をタッチ操作して、CPUが当該タッチ操作応じて選択領域(フォーカスエリア)を設定するようにしてもよい。
撮影者は、領域選択部3を用いてフォーカスエリアC(図2(a)に示す破線枠)を設定する。図示の例では、フォーカスエリアCには無限側にホワイトボードXが存在し、至近側に人物Yが存在する。
ここで、フォーカスエリアCに関してフォーカスレンズ群1aを無限遠から至近まで移動させたとする。図2(b)において、FxおよびFyはそれぞれコントラスト評価値がピークを示すフォーカスレンズ群1aの位置(フォーカスレンズ位置)である。フォーカスレンズ位置FxにおいてはホワイトボードXに合焦しており、フォーカスレンズ位置Fyにおいては人物Yに合焦している。
ここで、撮影者がフォーカスダイアル5を回転させるとする。図2(c)において、横軸はフォーカスダイアル5の回転角度を示し、縦軸は後述する間欠駆動モードが行われた際のフォーカスレンズ位置を示す。図示のように、ここでは、回転角度に応じてフォーカスレンズ位置は無限遠から至近まで移動する。
図3は、図1に示すカメラにおいて間欠駆動モードによる合焦動作を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートの処理は、CPUの制御下で行われる。
図2(c)および図3を参照して、フォーカスダイアル5が回転操作されると、回転操作が継続中の間、CPUは次の合焦位置に合焦させる動作を繰り返す間欠駆動モードを行う。図2(c)において、区間”1”には間欠駆動モードの前半部分の動作が示されている。区間”1”においては、領域選択部3で選択されたフォーカスエリアCを示す座標情報がコントラストAF部4に送られる(ステップS101)。
コントラストAF部4はレンズ駆動部6によってフォーカスレンズ群1aを所定の方向に移動することを開始する(ステップS104)。ここでは、レンズ駆動部6がステッピングモータであれば、ステッピングモータにパルス電圧を通電して、フォーカスレンズ群1aを移動する。また、レンズ駆動部6が超音波モータであれば、超音波モータに高周波電圧を通電して、フォーカスレンズ群1aを移動する。
なお、所定の方向とは、例えば、フォーカスダイアルの回転方向などに応じて予め定められた方向をいう。
その後、コントラストAF部4は移動を開始した位置と異なる次の合焦位置Fxにフォーカスレンズ群1aを移動させる(ステップS109)。そして、コントラストAF部4は合焦位置Fxにおいてフォーカスレンズ群1aの移動を停止する(ステップS110)。
なお、図2(c)に示すDの部分において、フォーカスレンズ群1aが一旦合焦位置Fxを通過した後、後戻りして停止するのは、一旦合焦位置を通過しなければ、コントラストAF部4はコントラスト評価値のピークを認識できないからである。
フォーカスレンズ群1aが移動を開始した位置(以下移動開始位置という)と異なる次の合焦位置を得るためには、コントラストAF部4は所定の時間が経過した後コントラスト評価値の評価を開始する必要がある。移動開始位置におけるコントラスト評価値から所定の割合だけ相対的に低下した後、コントラスト評価値の評価を開始しないと、移動開始位置又は当該移動開始位置と僅かに異なる位置を次の合焦位置としてしまうことがある。このため、上述のように、所定の時間が経過した後、コントラスト評価値の評価を開始する必要がある。
図2(c)において、区間”2”には間欠駆動モードの後半部分の動作が示されている。ステップS110の処理の後、コントラストAF部4は、フォーカスレンズ群1aが停止した合焦位置Fxを維持する(ステップS111)。つまり、コントラストAF部4は、フォーカスレンズ群1aを合焦位置Fxにおいて停止状態に維持する。
なお、停止位置を維持する場合には、フォーカスレンズ群1aの駆動を停止するだけではなく、振動および衝撃などの加速度を受けたとしても停止位置を維持する。例えば、レンズ駆動部6としてステッピングモータを用いた場合には、コントラストAF部4は必要に応じて保持通電を継続する。また、レンズ駆動部6として超音波モータを用いた場合には、コントラストAF部4は必要に応じて位置検出センサを用いてフィードバック制御を行って停止位置を維持する。
続いて、コントラストAF部4は、所定の条件が成立したか否かを判定する(ステップS112)。所定の条件が成立しないと(ステップS112において、NO)、コントラストAF部4は、ステップS111の処理に戻って上記の合焦位置Fxを維持する。
所定の条件が成立するまで合焦位置Fxを維持するのは、撮影者に合焦動作を終了するか否かを判断する時間を与えるためである。所定の条件として、例えば、所定の時間の経過が用いられ、フォーカスダイアル5の操作が行われた後、所定の時間が経過すると、コントラストAF部4は所定の条件が成立したと判定する。そして、所定の時間を調整することによって、撮影者は余裕をもって合焦動作を終了するか否かを判断することができる。
さらに、所定の条件として、例えば、フォーカスダイアル5の操作量が用いられる。そして、フォーカスダイアル5の操作量が所定の操作量を超えると、コントラストAF部4は所定の条件が成立したと判定する。
この場合、撮影者がフォーカスダイアル5の操作速度を速くすれば(つまり、操作量を増大すると)、フォーカスレンズ群1aを次の合焦位置に移動させる際の移動を速くして合焦動作を開始させることができるので、より高速に合焦動作を行うことができる。
所定の条件が成立すると(ステップS112において、YES)、コントラストAF部4はフォーカスダイアル5の操作が継続しているか否かを判定する(ステップS114)。フォーカスダイアル5の操作が継続していると(ステップS114において、YES)、コントラストAF部5は、ステップS104の処理に戻って、Fyを合焦位置として間欠駆動モードを繰り返す。ここでは、図2に示す区間”1’”および区間”2’”で示す処理が行われることになる。
一方、フォーカスダイアル5の操作が停止すると(ステップS114において、NO)、コントラストAF部4は間欠駆動モードを停止する。つまり、コントラストAF部4はフォーカスレンズ群1aを停止する。なお、フォーカスダイアル5の操作が停止する前に、フォーカスレンズ群1aが至近側の移動限界へ到達した場合には、コントラストAF部4はフォーカスレンズ群1aを停止する。
上述の間欠駆動モードにおいては、フォーカスダイアル5を操作することによって合焦動作が開始される。そして、まず、ホワイトボードXの合焦位置Fxまでフォーカスレンズ群1aを高速に移動して(図2(c)に示す区間”1”)、合焦位置Fxでフォーカスレンズ群1aは停止する(図2(c)に示す区間”2”)。
ここで、撮影者の狙いがホワイトボードXであると、撮影者は区間”2”の間にフォーカスダイアル5の操作を停止する。これによって、撮影者はホワイトボードXに合焦した状態とすることができる。
一方、撮影者の狙いが人物Yであると、撮影者はフォーカスダイアル5の操作を継続する。これによって、人物Yの合焦位置Fyまでフォーカスレンズ群1aが高速で移動することになる(図2(c)に示す区間”1’”)。そして、フォーカスレンズ群1aは合焦位置Fyで停止する(図2(c)に示す区間”2’”)。
ここで、区間”2’”の間に、撮影者がフォーカスダイアル5の操作を停止すれば、人物Yに合焦した状態とすることができる。
なお、フォーカスレンズ群1aが至近側の移動限界に到達して、フォーカスレンズ群1aが停止した後、再度フォーカスダイアル5を逆方向に操作すれば、再び合焦位置FyおよびFxでフォーカスレンズ1aを停止させることができる。
このように、本発明の第1の実施形態では、撮影者はフォーカスダイアル5によって合焦動作の開始を行うものの、フォーカスレンズ群1aの停止についてはフォーカスダイアル5の操作に依らず、コントラストAF部4の制御下で行われる。よって、パワーフォーカスを用いたカメラにおいて、フォーカスダイアルの操作に応じてピント合わせを行う際、容易にかつ確実にフォーカスレンズ群1aを合焦位置に停止させることができる。
第1の実施形態では、間欠駆動モードについて説明したが、図1に示すカメラにはパワーフォーカスモードおよびAFモードが備えられており、これら間欠駆動モード、パワーフォーカスモード、およびAFモードは撮影者によって選択的に切り替えられる。
さらに、第1の実施形態では、コントラストAFによって合焦を行う場合について説明したが、後述するように、撮像面位相差AF方式を用いるようにしてもよい。なお、撮像面位相差AF方式では、撮像素子の一部又は全ての画素についてマイクロレンズの光軸に対して受光部の感度領域を偏心させて瞳分割を行って、受光量に応じて出力される画像信号の瞳分割方向の相対的なずれ量に応じてフォーカスレンズ群1aの合焦位置からずれを算出して合焦動作を行う。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態によるカメラの一例について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態によるカメラの一例についてその構成を示すブロック図である。なお、図4において、図1に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
図4に示すカメラでは、図1に示すコントラストAF部4の代わりに、位相差AF部40が備えられている。さらに、カメラ本体10には撮像素子2とは別に、位相差AFセンサ4aが備えられ、撮影光学系1から入射した光学像が位相差AFセンサ4aに与えられる。
位相差AF部40は、撮像面位相差AFによって合焦状態の検出を行う。撮像面位相差AFでは、瞳分割によって分割された光学像を2次結像光学系(図示せず)により位相差AFセンサ4aに結像する。そして、位相差AF部40は、位相差AFセンサ4aから出力される一対の像信号における瞳分割方向の相対的なずれ量に基づいてフォーカスレンズ群1aの合焦位置を求める。
図5は、図4に示すカメラにおける合焦動作を説明するための図である。そして、図5(a)はカメラを背面側から示すとともに光学ファインダーの画像を拡大して示す図であり、図5(b)は図5(a)に示すフォーカスポイントEにおけるフォーカスレンズ群の合焦位置を示す図である。また、図5(c)はフォーカスダイアルを回転させた場合のフォーカスダイアルとフォーカスレンズ群との関係を示す図である。
図5(a)に示すように、カメラ本体10の背面側には、タッチパネルを備える液晶モニタ201および操作スイッチ部202が配置されるとともに、光学ファインダー501が備えられている。いま、撮影者は、領域選択部3を用いて光学ファインダー501に表示された画像において、ピントを合わせたいフォーカスポイントEを選択する。
図5(b)において、横軸はフォーカスレンズ群1aの位置を示し、ここでは、フォーカスポイントEについて、位相差AF部40が求めた合焦位置が示されている。図中Fxはフォーカスレンズ群1aが無限遠(図5(b)においてF0の位置)にあった場合の合焦位置(第1の合焦位置候補)の1つを示す。また、Fyはもう一つの合焦位置(第2の合焦位置候補)を示す。
なお、理想的には1つのフォーカスポイントEに対して合焦位置は1つであるが、フォーカスポイントEの周辺における被写体のコントラストおよび奥行きによっては1つのフォーカスポイントEに対して複数の合焦位置が得られることがある。上記の第2の合焦位置候補Fyは、第1の合焦位置候補Fxの位置において算出可能な場合がある((図5(b)においてMで示す)。
また、フォーカスレンズ群1aが第1の合焦位置候補Fxの位置から位置wまで移動した後に、第2の合焦位置候補Fyが算出可能となる場合もある(図5(b)においてNで示す)。
図5(c)において、横軸はフォーカスダイアル5の回転角度を示し、縦軸は間欠駆動モードを行った場合のフォーカスレンズ1aの位置を示す。図示のように、ここでは、回転角度に応じてフォーカスレンズ位置は無限遠から至近まで移動する。
図6は、図4に示すカメラにおいて間欠駆動モードによる合焦動作を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートの処理は、CPUの制御下で行われる。また、図6において、図3に示すフローチャートのステップと同一のステップについて同一の参照符号を付して説明を省略する。
図5(c)および図6を参照して、フォーカスダイアル5が回転操作されると、回転操作が継続中の間、CPUは次の合焦位置に合焦させる動作を繰り返す間欠駆動モードを行う。図5(c)において、区間”1”には間欠駆動モードの前半部分の動作が示されている。区間”1”においては、領域選択部3で選択されたフォーカスポイントEを示す座標情報が位相差AF部40に送られる(ステップS201)。
続いて、位相差AF部40は、位相差AFセンサ4aの出力に応じてフォーカスポイントEにおけるフォーカスレンズ群1aの合焦位置を求めて、次の合焦位置を算出できるか否かを判定する(ステップS202)。次の合焦位置が算出できないと(ステップS202において、NO)、位相差AF部40は、図3に示すステップS104の処理と同様にして、レンズ駆動部6によってフォーカスレンズ群1aを所定の方向に移動することを開始する。そして、位相差AF部40はステップS202の処理に戻って次の合焦位置を算出できるか否かを判定する。上記の動作は、図5(b)に示す合焦位置から位置wまでフォーカスレンズ群1aを移動する動作に対応する。
一方、次の合焦位置が算出できると(ステップS202において、YES)、位相差AF部40は、ステップS109においてフォーカスレンズ群1aの移動を開始した位置と異なる次の合焦位置Fxにフォーカスレンズ群1aを移動させた後、ステップS110の処理で合焦位置Fxにおいてフォーカスレンズ群1aの移動を停止する。
合焦位置Fxにおいて次の合焦位置Fyが算出できたのであれば、上記の動作は図5(b)に示すMの動作に対応する。また、位置wまでフォーカスレンズ群1aを移動して次の合焦位置Fyが算出できたのであれば、上記の動作は図5(b)に示すNの動作にあたる。
図5(c)において、区間”2”には間欠駆動モードの後半部分の動作が示されている。ステップS110の処理の後、位相差AF部40は、図3で説明したステップS111、S112、およびS114の処理を行う。
そして、ステップS114の処理において、フォーカスダイアル5の操作が継続していると、位相差AF部40はフォーカスレンズ位置Fyを合焦位置として、上記の間欠駆動モードの動作を繰り返す(図5(c)に示す区間”1’”および”2’”で示す処理)。
上述の間欠駆動モードにおいては、フォーカスダイアル5を操作することによって合焦動作が開始される。そして、まず、最初の合焦位置Fxまでフォーカスレンズ群1aを高速に移動して(図5(c)に示す区間”1”)、合焦位置Fxでフォーカスレンズ群1aを停止する(図5(c)に示す区間”2”)。
ここで、撮影者の狙いが合焦位置Fxであると、撮影者は区間”2”の間にフォーカスダイアル5の操作を停止する。これによって、撮影者は合焦位置Fxにおいて合焦状態とすることができる。
一方、撮影者の狙いが合焦位置Fxでないと、撮影者はフォーカスダイアル5の操作を継続する。これによって、次の合焦位置Fyまでフォーカスレンズ群1aが高速で移動することになる(図5(c)に示す区間”1’”)。そして、フォーカスレンズ群1aは合焦位置Fyで停止する(図2(c)に示す区間”2’”)。
ここで、区間”2’”の間に、撮影者がフォーカスダイアル5の操作を停止すれば、合焦位置Fyで合焦状態とすることができる。
なお、フォーカスレンズ群1aが至近側の移動限界に到達して、フォーカスレンズ群1aが停止した後、再度フォーカスダイアル5を逆方向に操作すれば、再び合焦位置FyおよびFxでフォーカスレンズ1aを停止させることができる。
このように、本発明の第2の実施形態では、撮影者はフォーカスダイアル5によって合焦動作の開始を行うものの、フォーカスレンズ群1aの停止についてはフォーカスダイアル5の操作に依らず、位相差AF部40の制御下で行われる。よって、パワーフォーカスを用いたカメラにおいて、フォーカスダイアルの操作に応じてピント合わせを行う際、容易にかつ確実にフォーカスレンズ群1aを合焦位置に停止させることができる。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、間欠駆動モードについて説明したが、図4に示すカメラにはパワーフォーカスモードおよびAFモードが備えられており、これら間欠駆動モード、パワーフォーカスモード、およびAFモードは撮影者によって選択的に切り替えられる。
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態によるカメラの一例について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態によるカメラの一例についてその構成を示すブロック図である。なお、図7において、図1に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
図7に示すカメラでは、図1に示すカメラが備える構成要素に加えて、被写体入力部7および被写体認識部8が構成要素として付加されている。撮影者は被写体入力部7によって被写体認識部8によって認識される被写体に関する情報(被写体情報)を入力する。例えば、被写体入力部7は、被写体情報として「人の顔」、「車」、又は「鳥」などの普通名詞を被写体認識部8に入力する。
被写体認識部8には撮像素子2の出力である画像データが入力される。被写体認識部8は、画像データにおいて被写体情報に応じた被写体を認識する。例えば、被写体情報として「人の顔」と入力されると、被写体認識部8は画像データを解析して、人の顔が存在する顔領域を認識する。そして、領域選択部3は、被写体認識部8で認識された被写体が存在する領域(被写体領域)を選択する。
図8は、図7に示すカメラにおける合焦動作を説明するための図である。そして、図8(a)は画像データが示す画像の一例を示す図であり、図8(b)は人物の合焦位置を示す図である。また、図8(c)はフォーカスダイアルを回転させた場合のフォーカスダイアルとフォーカスレンズ群との関係を示す図である。
いま、被写体入力部7によって、被写体情報として「人の顔」が入力されたものとする。被写体認識部8は、図8(a)に示す画像において人の顔が存在する顔領域F、G、およびHを認識する。そして、領域選択部3は、被写体認識部8によって認識された顔領域F、G、およびHをフォーカスエリアとして選択する。
図8(b)において、縦軸はフォーカスレンズ群1aの位置を示し、Fa、Fb、およびFcはそれぞれ顔人物F、G、およびHに対する合焦位置を示す。図8(c)において、横軸はフォーカスダイアル5の回転角度を示し、縦軸は間欠駆動モードが行われた際のフォーカスレンズ群1aの位置を示す。
図9は、図7に示すカメラにおいて間欠駆動モードによる合焦動作の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートの処理は、CPUの制御下で行われる。また、図9において、図3に示すフローチャートのステップと同一のステップについて同一の参照符号を付して説明を省略する。
図8(c)および図9を参照して、フォーカスダイアル5が回転操作されると、回転操作が継続中の間、CPUは次の合焦位置に合焦させる動作を繰り返す間欠駆動モードを行う。
まず、被写体入力部7は被写体情報を示す「人の顔」を被写体認識部8に送る(ステップS301)。その後、コントラストAF部4は、図3に示すステップS104の処理を行う。
続いて、被写体認識部8は、図8(a)に示す画像において、「人の顔」が存在する領域Fを顔領域として認識する(ステップS305)。そして、被写体認識部8は顔領域Fを領域選択部3に送る(ステップS306)。
次に、領域選択部3は顔領域Fをフォーカスエリアとして選択する(ステップS307)。そして、領域選択部3は、当該フォーカスエリアFを示す座標情報をコントラストAF部4に送る(ステップS308)。その後、コントラストAF部4は、図3で説明したようにして、ステップS109において、フォーカスエリアFに対応する合焦位置Faにフォーカスレンズ群1aを駆動する(図8(c)に示す区間”1”の動作)。
その後、コントラストAF部4は、図3で説明したステップS110およびS111においてフォーカスレンズ群1aを停止して、その状態を維持する(図8(c)に示す区間”2”の動作)。そして、コントラストAF部4は、図3で説明したステップS111、S112、およびS114の処理を行う。
ステップS114において、フォーカスダイアル5の操作が継続していると、被写体認識部8は、ステップS305において図8(a)に示す画像の「人の顔」が存在する領域Gを顔領域として認識する。そして、被写体認識部8は、ステップS306において顔領域Gを領域選択部3に送る(ステップS306)。
次に、領域選択部3は、ステップS307において顔領域Gをフォーカスエリアとして選択する。そして、領域選択部3は、ステップS308において当該フォーカスエリアGを示す座標情報をコントラストAF部4に送る。その後、コントラストAF部4は、図3で説明したようにして、ステップS109において、フォーカスエリアGに対応する合焦位置Fbにフォーカスレンズ群1aを駆動する(図8(c)に示す区間”1’”の動作)。
その後、コントラストAF部4は、図3で説明したステップS110およびS111においてフォーカスレンズ群1aを停止して、その状態を維持する(図8(c)に示す区間”2’”の動作)。そして、コントラストAF部4は、図3で説明したステップS111、S112、およびS114の処理を行う。
ステップS114において、フォーカスダイアル5の操作が継続していると、被写体認識部8は、ステップS305において図8(a)に示す画像の「人の顔」が存在する領域Hを顔領域として認識する。そして、被写体認識部8は、ステップS306において顔領域Gを領域選択部3に送る(ステップS306)。
次に、領域選択部3は、ステップS307において顔領域Gをフォーカスエリアとして選択する。そして、領域選択部3は、ステップS308において当該フォーカスエリアHを示す座標情報をコントラストAF部4に送る。その後、コントラストAF部4は、図3で説明したようにして、ステップS109において、フォーカスエリアHに対応する合焦位置Fcにフォーカスレンズ群1aを駆動する(図8(c)に示す区間”1’’”の動作)。
その後、コントラストAF部4は、図3で説明したステップS110およびS111においてフォーカスレンズ群1aを停止して、その状態を維持する(図8(c)に示す区間”2’’”の動作)。そして、コントラストAF部4は、図3で説明したステップS111、S112、およびS114の処理を行う。
このようにして、コントラストAF部4はステップS114の処理において、フォーカスダイアル5の操作が停止するまで、間欠駆動モードを行うことになる。そして、フォーカスダイアル5の操作が停止すると、コントラストAF部4は間欠駆動モードを終了する。
なお、フォーカスダイアル5の操作を停止する前に、フォーカスレンズ群1aが至近側の移動限界に到達すると、コントラストAF部4はフォーカスレンズ群1aを停止する。そして、再度フォーカスダイアル5を逆方向に回転操作すれば、再び合焦位置Fc、Fb、又はFaでフォーカスレンズ群1aを停止させることができる。
このように、図9に示す間欠駆動モードでは、撮影者がフォーカスダイアル5を操作すると、コントラストAF部4はフォーカスレンズ群1aを駆動して合焦動作を開始する。その後、コントラストAF部4は顔領域Fに対応する合焦位置Faまでフォーカスレンズ群1aを高速に駆動して(図8(c)に示す区間”1”)、合焦位置Faでフォーカスレンズ群1aを停止して、その状態を維持する(図8(c)に示す区間”2”)。
ここで、撮影者の狙いが人物Fであれば、区間”2”においてフォーカスダイアル5の操作を停止する。これによって、撮影者は人物Fに合焦した状態とすることができる。
一方、撮影者の狙いが人物Gであると、撮影者はフォーカスダイアル5の操作を継続する。これによって、コントラストAF部4は顔領域Gに対応する合焦位置Fbまでフォーカスレンズ群1aを高速で駆動して(図8(c)に示す区間”1’”)、合焦位置Fbでフォーカスレンズ群1aを停止する(図8(c)に示す区間”2’”)。これによって、撮影者は人物Gに合焦した状態とすることができる。
また、撮影者の狙いが人物Hであると、撮影者はフォーカスダイアル5の操作を継続する。これによって、コントラストAF部4は顔領域Hに対応する合焦位置Fcまでフォーカスレンズ群1aを高速で駆動して(図8(c)に示す区間”1’’”)、合焦位置Fcでフォーカスレンズ群1aを停止する(図8(c)に示す区間”2’’”)。これによって、撮影者は人物Hに合焦した状態とすることができる。
このように、本発明の第3の実施形態では、撮影者はフォーカスダイアル5によって合焦動作の開始を行うものの、フォーカスレンズ群1aの停止についてはフォーカスダイアル5の操作に依らず、コントラストAF部4の制御下で行われる。よって、パワーフォーカスを用いたカメラにおいて、フォーカスダイアルの操作に応じてピント合わせを行う際、容易にかつ確実にフォーカスレンズ群1aを合焦位置に停止させることができる。
第3の実施形態では、被写体認識部8で認識すべき被写体について撮影者が被写体入力部7で指定するようにした。一方、被写体入力部7を備えることなく、被写体認識部8で認識すべき被写体を撮影者が指定することなく、被写体認識部8が被写体を自動的に認識するようにしてもよい。この際には、被写体認識部8は、例えば、被写体として人物の顔、鳥、および花などを認識するようにする。
図10は、図7に示すカメラにおいて間欠駆動モードによる合焦動作の他の例を説明するためのフローチャートである。なお、図10において、図9に示すフローチャートのステップと同一のステップについては同一の参照符号を付して説明を省略する。
図10に示すフローチャートにおいては、間欠駆動モードが開始されると、コントラストAF部4は、ステップS104の処理を行ってフォーカスレンズ群2aの駆動を開始する。被写体認識部8は撮像素子2で得られた画像において、予め定められた被写体(例えば、人物の顔、鳥、および花)を認識する(ステップS405)。そして、被写体認識部8は被写体が存在する領域(被写体領域)を領域選択部3に送る(ステップS406)。その後、図9で説明したようにして、ステップS307以降の処理が順次行われる。
このように、撮影者が被写体を指定することなく、被写体認識部8が予め定められた被写体を認識するようにしてもよい。
[第4の実施形態]
続いて、本発明の第4の実施形態によるカメラの一例について説明する。なお、第4の実施形態に係るカメラの構成は図7に示すカメラと同様である。
図11は、本発明の第4の実施形態によるカメラにおける合焦動作を説明するための図である。そして、図11(a)は画像データが示す画像の一例を示す図であり、図11(b)は人物の合焦位置を示す図である。また、図11(c)はフォーカスダイアルを回転させた場合のフォーカスダイアルとフォーカスレンズ群との関係を示す図である。
図11(a)に示す画像においては、被写体として四人の人物が存在する。ここで、撮影者が被写体入力部7によって、「人物Fの顔」、「人物Gの顔」、および「人物Hの顔」を指定したとする。当該指定に応じて、被写体認識部8は人物F、人物G、および人物Hの顔領域を認識する。
一方、被写体認識部8は、被写体入力部7で未指定の人物Dの顔については認識を行わない。そして、領域選択部3は、被写体認識部8で認識された顔領域A、B、およびCをフォーカスエリアとして選択することになる。そして、コントラストAF部4は、当該フォーカスエリアに応じて、図11(b)および図11(c)に示すようにして、合焦動作を行う。なお、図11(b)および図11(c)は図8(b)および図8(c)に示す例と同一である。
図12は本発明の第4の実施形態によるカメラにおいて間欠駆動モードによる合焦動作の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図12において、図9に示すフローチャートのステップと同一のステップについて同一の参照符号を付して説明を省略する。
いま、図11(a)に示す画像において、撮影者が被写体入力部7によって人物F、G、及びHを指定したとする。これによって、被写体入力部7は被写体情報として顔領域F、G、およびHを被写体認識部8に送る(ステップS501)。そして、コントラストAF部4は、ステップS104の処理を行って、フォーカスレンズ群1aの駆動を開始する。
続いて、被写体認識部8は被写体である「人物Fの顔」、「人物Gの顔」、および「人物Hの顔」を認識する。そして、被写体認識部8は「人物Fの顔」、「人物Gの顔」、「人物Hの顔」が存在する領域を、顔領域F、G、およびHとして領域選択部3に送る(ステップS506)。領域選択部3は顔領域F、G、およびHの各々をフォーカスエリアとして選択する(ステップS507)。
領域選択部3は、ステップS308において当該フォーカスエリアをコントラストAF部4に送る。そして、コントラストAF部4は、ステップS109、S110、S111、S112、およびS114の処理を行う。なお、ここでは、まずフォーカスエリアFについて合焦動作が行われ、ステップS114においてフォーカスダイアル5の操作が継続していると、コントラストAF部4はステップS109の処理に戻って、フォーカスエリアGについて合焦動作を行う。
その後、ステップS114においてフォーカスダイアル5の操作が継続していると、コントラストAF部4はステップS109の処理に戻って、フォーカスエリアHについて合焦動作を行うことになる。
このように、本発明の第4の実施形態では、撮影者が指定した被写体について、被写体認識部8が被写体認識処理を行う。そして、認識処理の結果得られた全ての被写体について領域選択部3においてフォーカスエリアとして選択する。コントラストAF部4は、フォーカスダイアル5の操作に応じて順次フォーカスエリアを変更して合焦動作を行う。
第4の実施形態においても、撮影者はフォーカスダイアル5によって合焦動作の開始を行うものの、フォーカスレンズ群1aの停止についてはフォーカスダイアル5の操作に依らず、コントラストAF部4の制御下で行われる。よって、パワーフォーカスを用いたカメラにおいて、フォーカスダイアルの操作に応じてピント合わせを行う際、容易にかつ確実にフォーカスレンズ群1aを合焦位置に停止させることができる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態によるカメラの一例について説明する。なお、第5の実施形態に係るカメラの構成は図7に示すカメラと同様である。
第5の実施形態においては、被写体入力部7によって撮影者は、被写体認識部8で認識すべき複数の被写体を入力することができる。さらに、撮影者は、被写体入力部7によって複数の被写体についてその認識順位を入力することができる。
例えば、撮影者は、被写体入力部7によって「人物Fの顔」、「人物Gの顔」、および「人物Hの顔」を認識すべき被写体として入力する。さらに、撮影者は、被写体入力部7によって、「人物Fの顔」の優先順位を「1」、「人物Gの顔」の優先順位を「3」、「人物Hの顔」の優先順位を「2」として設定することができる。
被写体認識8は、被写体入力部7で入力された最も認識順位の高い被写体を認識する。上述の例では、被写体認識部8は、撮像素子2の出力である画像において優先順位が「1」である「人物Fの顔」が存在する顔領域Fを認識する。
図13は、本発明の第5の実施形態によるカメラにおける合焦動作を説明するための図である。そして、図13(a)は画像データが示す画像の一例を示す図であり、図13(b)は人物の合焦位置を示す図である。また、図13(c)はフォーカスダイアルを回転させた場合のフォーカスダイアルとフォーカスレンズ群との関係の一例を示す図であり、図13(d)はフォーカスダイアルを回転させた場合のフォーカスダイアルとフォーカスレンズ群との関係の他の例を示す図である。
図13(a)に示す画像においては、被写体として四人の人物が存在する。ここで、撮影者が被写体入力部7によって、「人物Fの顔」を優先順位「1」、「人物Gの顔」を優先順位「3」、そして、「人物Hの顔」の優先順位を「2」と設定したとする。当該設定によって、被写体認識部8は、画像において優先順位が「1」である「人物Fの顔」が存在する顔領域Fを認識する。
この際、被写体認識部8は優先順位が2以下の人物GおよびHCの顔を認識する処理を行いない。また、被写体認識部8は、被写体入力部7で指定されなかった人物Iの顔についても認識処理を行わない。
領域選択部3は、被写体認識部8によって認識された顔領域Fをフォーカスエリアとして選択する。なお、上述の優先順位は、後述するようにして変更される。
コントラストAF部4は、当該フォーカスエリアに応じて、後述するようにして、合焦動作を行う、なお、図13(b)において、フォーカスレンズ位置Fa、Fb、およびFcはそれぞれ顔領域F、G、およびHの合焦位置を示す。
図14は、本発明の第5の実施形態によるカメラにおいて間欠駆動モードによる合焦動作の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図14において、図12に示すフローチャートのステップと同一のステップについて同一の参照符号を付して説明を省略する。
図13(c)および図14を参照して、CPUはフォーカスダイアル5の回転操作があると、間駆動作モードを実行する。ここで、撮影者は、前述のように、被写体入力部7によって「人物Fの顔」、「人物Gの顔」、および「人物Hの顔」の優先順位をそれぞれ「1」、「3」、および「2」と設定したものとする。これによって、被写体入力部7は、優先順位が第1位の「人物Fの顔」を被写体情報として被写体認識部8に送る(ステップS601)。
その後、前述のステップS104の処理が行われ、被写体認識部8は、画像において優先順位「1」である「人物Fの顔」が存在する顔領域Fを認識する(ステップS605)。そして、被写体認識部8は当該顔領域Fを示す座標情報を領域選択部3に送る(ステップS606)。領域選択部3は顔領域Fをフォーカスエリアとして選択する(ステップS607)。
その後、前述のステップS308、S109、およびS110の処理が行われる(図13(c)に示す区間”1”)。さらに、ステップS111およびS112の処理が行われて(図13(c)に示す区間”2”)、ステップS112において、所定の条件が成立すると、コントラストAF部4は、被写体入力部7によって入力された優先順位を変更する(ステップS613)。
ここでは、コントラストAF部4は、例えば、乱数表を用いるなど予め設定された規則によって優先順位を変更する。そして、優先順位の変更によって、例えば、「人物Hの顔」の優先順位が「1」になったものとする。
続いて、ステップS114において、フォーカスダイアル5の操作が継続していると、処理はステップS601に戻って、[人物Hの顔]が被写体情報として被写体入力部7から被写体認識部8に送られる。そして、ステップS104、S605、S606、S607、S308、S109、S110、S111、およびS112の処理が行われる(図13(c)に示す区間”1’”および”2’”)。
同様にして、ステップS112において、所定の条件が成立すると、コントラストAF部4は、ステップS613において被写体入力部7によって入力された優先順位を変更する(ステップS613)。
ここでは、優先順位の変更によって、例えば、「人物Gの顔」の優先順位が「1」になったものとする。そして、前述のようにして、「人物Gの顔」について、ステップS104、S605、S606、S607、S308、およびS109の処理が行われる。
コントラストAF部4は、図13(c)に示す顔領域Hの合焦位置Fcを過ぎた後、E点で示すフォーカスレンズ群1aの移動限界Fz(至近側の移動限界)までフォーカスレンズ群1aを移動する。そして、コントラストAF部4は、合焦位置Fbをサーチするためフォーカスレンズ群1aを逆方向に駆動し、ステップS110において合焦位置Fbでフォーカスレンズ群1aの駆動を停止する((図13(c)に示す区間”1’’”および”2’’”)。その後、ステップS111、112、S613、およびS114の処理が行われることになる。
なお、図13(d)に示すように、合焦位置Faから合焦位置Fcに向かう過程Gにおいて「人物Bの顔」に係る合焦位置が存在することが事前に分かれば、コントラストAF部4は、駆動限界Fzまでフォーカスレンズ群1aを駆動することなく、合焦位置Fcにフォーカスレンズ群1aが達したF点において、フォーカスレンズ群を逆方向に駆動する。
図15は、本発明の第5の実施形態によるカメラにおいて間欠駆動モードによる合焦動作の他の例を説明するためのフローチャートである。なお、図15において、図14に示すフローチャートのステップと同一のステップについて同一の参照符号を付して説明を省略する。
図15に示すフローチャートにおいては、優先順位を変更する際、優先順位が最も高い被写体の優先順位を最下位として、他の被写体の優先順位を順次繰り上げる。ステップS112において、所定の条件が成立すると、コントラストAF部4は、優先順位が最も高い被写体の優先順位を最下位として、他の被写体の優先順位を順次繰り上げる(ステップS713)。その後、コントラストAF部4はステップS114の処理に進む。
このように、本発明の第5の実施形態においても、パワーフォーカスを用いたカメラにおいて、フォーカスダイアルの操作に応じてピント合わせを行う際、容易にかつ確実にフォーカスレンズ群1aを合焦位置に停止させることができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態によるカメラの一例について説明する。
図16は、本発明の第6の実施形態によるカメラの一例についてその構成を示すブロック図である。なお、図16において、図7に示すカメラと同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
図示のカメラにおいて、カメラ本体10には速度検出部5bが備えられている。速度検出部5bは、フォーカスダイアル5の操作速度を検出するためのものである。
カメラに備えられたCPUは、速度検出部5bで検出されたフォーカスダイアル5の操作速度が予め設定された速度閾値よりも大きいと、撮影者が合焦位置を自らの視認および操作で決定する意思はないと判定する。そして、CPUは前述の間欠駆動モードを実行する。
一方、速度検出部5bで検出されたフォーカスダイアル5の操作速度が速度閾値未満であると、CPUは撮影者が合焦位置を自らの視認および操作で決定する意思があると判定する。その結果、CPUは間欠駆動モードを実行することなく、フォーカスダイアル5の操作(つまり、回転角度および速度)に応じてフォーカスレンズ群1aを駆動するパワーフォーカスモードを行う。
このようにして、フォーカスダイアル5の操作速度に応じて、間欠駆動モードおよびパワーフォーカスモードの切り替えを行うと、撮影者の意思を反映させつつ、容易にかつ確実にフォーカスレンズをピントのピーク位置に停止させることができる。
上述の説明から明らかなように、図1に示す例では、CPUおよびコントラストAF部4が制御手段として機能する。さらに、CPU、シャッター12、および撮像素子2が撮像手段として機能する。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を撮像装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、当該制御プログラムを撮像装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。