JP6575868B2 - 燃料電池システムの運転方法および燃料電池システムにおける燃料組成推定方法 - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池システムの運転方法および燃料電池システムにおける燃料組成推定方法に関する。
特許文献1は、高温作動型の燃料電池とその燃料電池に供給するための性状すなわち組成および単位体積当りの発熱量が変動し性状が互いに異なる複数種類の燃料を各々供給する複数の燃料供給系と、複数の燃料供給系を合流して燃料電池に接続された混合管と、その混合管に設けられ、混合燃料の性状および流量を計測する混合燃料性状計測手段とを有する燃料電池システムにおいて、電流密度を制御する電流密度制御手段を備え、混合管に設けた改質器の上流側に蒸気流量調整弁を有する蒸気管が接続されており、混合燃料性状計測手段からの信号を受けて蒸気流量調整弁を制御する燃料電池制御手段を設け、その燃料電池制御手段は、混合燃料性状計測手段により計測された混合燃料の組成と単位体積当りの発熱量と流量とが計測され、その混合燃料に含まれる高級炭化水素成分の比率から炭素分を求め、その時点の水蒸気供給量から水素分を求めて炭素と水素との比率を演算し、その演算された炭素と水素との比率が1:5乃至1:15の範囲内にあるか否かを判断し、その範囲外であれば蒸気流量調整弁を制御して混合燃料の炭素および水素の比率を範囲内になるように水蒸気量を調節し、その範囲内にあれば水蒸気供給量を維持する機能を有することを特徴とする燃料電池システム、を開示する。
特許文献2は、水素製造プラントにおいて、原料ガスの質量流量を計測する質量流量計と、質量流量計によって計測される質量流量に基づいて、原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その値に基づいて、水蒸気の流量を制御するための信号を、水蒸気流量調節器へ出力する制御演算手段とを備え、制御演算手段は、質量流量計によって計測される質量流量と、原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて水蒸気の質量流量を制御する方法、を開示する。
国際公開第2013/001753号 国際公開第2013/153944号
本開示は、一例として、燃料電池システムの耐久性を向上することを課題とする。
本開示の燃料電池システムの運転方法の一態様(aspect)は、燃料を供給する燃料供給器と、燃料以外の反応ガスと前記燃料供給器から供給される燃料とを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、カソードとアノードとを備え、前記カソードに供給される酸化剤ガスと前記改質器から前記アノードに供給される水素含有ガスとを用いて発電する燃料電池と、前記アノードから排出されるアノードオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、を備えた燃料電池システムの起動方法であって、前記目標温度プロファイルは前記燃料電池システムの起動運転時における前記燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、起動運転時に、前記温度検知器で検知された温度が前記目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、前記燃料供給器から前記改質器に供給される燃料の流量を制御する。
本開示の燃料電池システムにおける燃料組成推定方法の一態様(aspect)は、燃料を供給する燃料供給器と、燃料以外の反応ガスと前記燃料供給器から供給される燃料とを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、カソードとアノードとを備え、前記カソードに供給される酸化剤ガスと前記改質器から前記アノードに供給される水素含有ガスとを用いて発電する燃料電池と、前記アノードから排出されるアノードオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、を備えた燃料電池システムにおける燃料組成推定方法であって、前記目標温度プロファイルは前記燃料電池システムの起動運転時における前記燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、起動運転時に、前記温度検知器で検知された温度が前記目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、前記燃料供給器から前記改質器に供給される燃料の流量を制御し、前記起動運転時の燃料の流量に基づいて燃料の組成を推定する。
本開示の一態様によれば、簡潔な装置構成により燃料電池システムの耐久性を向上することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態にかかる燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態にかかる燃料電池システムにおける起動からの経過時間と検知温度との関係を示す概念図である。 図3は、各燃料についてウォッベ指数と熱量との関係を示す図である。 図4は、実施例にかかる燃料電池システムの起動方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施例の燃料電池システムにおいて、PID制御が行われた場合の温度の時間変化を示す概念図である。 図6は、各燃料について炭素数と発熱量との関係を示す図である。
燃料電池システムの耐久性を向上するために鋭意検討が行われた。その結果、以下の知見を得た。
シリンダーに充填されたLPG、およびガスパイプラインから供給される欧州の都市ガス等を燃料に用いる燃料電池システムでは、燃料の組成および熱量が時間と共に変動する。該変動により、燃料電池スタックおよび改質器、燃焼器等の温度は設計値から大きく外れる可能性がある。温度制御が不十分になると、高温による熱劣化、低温による炭素析出、および燃料枯れ(starvation)等により、燃料電池システムが損傷する可能性がある。
炭素析出とは、例えば、燃料電池スタックの温度低下により水素含有ガスに含まれる炭化水素および一酸化炭素等の不均化反応(CH→C+2H、2CO→C+CO)が発生することで、スタック流路内等に炭素が析出する現象をいう。
燃料枯れとは、例えば、発電時にアノードに供給される水素含有ガス流量が不足することによって、アノードに含まれるニッケル等の電極触媒が酸化される現象をいう。ニッケルが酸化されると膨張するが、アノードへ十分な量の水素含有ガスが供給される等して、再度アノードの周囲が還元的になるとニッケルは還元されて収縮する。膨張と収縮とを繰り返すことで、燃料電池は損傷しうる。
特に起動時には、燃料電池システム内部の温度ばらつきが大きいために、かかる損傷が発生する可能性は高くなりやすい。起動後の発電時においても、燃料組成が変動して、燃料利用率およびS/C等が設計値から大きく外れれば、燃料電池システムが損傷する可能性がある。
燃料電池システムにおいて、燃料組成の変動を検知する方法として、カロリーメータ、ガスクロマトグラフ、および、質量流量計等を用いる方法も考えられる。しかしながら、これらの特別な機器を設ければ、コストが上昇する。
そこで、カソードから排出されるカソードオフガスとアノードから排出されるアノードオフガスとを反応させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、を備えた燃料電池システムにおいて、目標温度プロファイルは燃料電池システムの起動運転時における燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、起動運転時に、温度検知器で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、燃料供給器から改質器に供給される燃料の流量を制御することに想到した。
また、カソードから排出されるカソードオフガスとアノードから排出されるアノードオフガスとを反応させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、を備えた燃料電池システムにおいて、目標温度プロファイルは燃料電池システムの起動運転時における燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、起動運転時に、温度検知器で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、燃料供給器から改質器に供給される燃料の流量を制御し、起動運転時の燃料の流量に基づいて燃料の組成を推定することに想到した。
かかる構成では、簡潔な装置構成により燃料電池システムの耐久性を向上することができる。燃料の組成を推定する構成では、該推定された燃料組成を利用することで、発電時の過熱(over-heating)、炭素析出、燃料枯れ等が発生する可能性を低減できる。
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。
以下で説明する実施形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、あくまで一例であり、本発明を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比等については正確な表示ではない場合がある。また、製造方法においては、必要に応じて、各工程の順序等を変更でき、かつ、他の公知の工程を追加できる。
(第1実施形態)
第1実施形態の燃料電池システムの起動方法は、燃料を供給する燃料供給器と、燃料以外の反応ガスと燃料供給器から供給される燃料とを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、カソードとアノードとを備え、カソードに供給される酸化剤ガスと改質器からアノードに供給される水素含有ガスとを用いて発電する燃料電池と、アノードから排出されるアノードオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、を備えた燃料電池システムの起動方法であって、目標温度プロファイルは燃料電池システムの起動運転時における燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、起動運転時に、温度検知器で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、燃料供給器から改質器に供給される燃料の流量を制御する。
かかる構成では、簡潔な装置構成により燃料電池システムの耐久性を向上することができる。
上記燃料電池システムの起動方法において、起動運転時の燃料の流量と、目標温度プロファイルを設定するための基礎となった燃料の組成と、に基づいて、起動運転時に供給されている燃料の組成を推定してもよい。
「起動運転時の燃料の流量」とは、例えば、起動運転終了時の流量でもよいし、発電運転開始時の流量でもよいし、少なくとも一部に起動運転時を含む所定期間の平均流量であってもよい。
上記燃料電池システムの起動方法において、燃料電池は固体酸化物型燃料電池であってもよい。
上記燃料電池システムの起動方法において、燃料の主成分が飽和鎖式炭化水素であってもよい。
第1実施形態の燃料電池システムにおける燃料組成推定方法は、燃料を供給する燃料供給器と、燃料以外の反応ガスと燃料供給器から供給される燃料とを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、カソードとアノードとを備え、カソードに供給される酸化剤ガスと改質器からアノードに供給される水素含有ガスとを用いて発電する燃料電池と、アノードから排出されるアノードオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、を備えた燃料電池システムにおける燃料組成推定方法であって、目標温度プロファイルは燃料電池システムの起動運転時における燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、起動運転時に、温度検知器で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、燃料供給器から改質器に供給される燃料の流量を制御し、起動運転時の燃料の流量に基づいて燃料の組成を推定する。
かかる構成では、簡潔な装置構成により燃料電池システムの耐久性を向上することができる。
「起動運転時の燃料の流量」とは、起動運転終了時の流量でもよいし、発電運転開始時の流量でもよいし、少なくとも一部に起動運転時を含む所定期間の平均流量であってもよい。
上記燃料組成推定方法は、起動運転時の燃料の流量と、目標温度プロファイルを設定するための基礎となった燃料の組成と、に基づいて、起動運転時に供給されている燃料の組成を推定するものであってもよい。
上記燃料組成推定方法において、燃料電池は固体酸化物型燃料電池であってもよい。
上記燃料組成推定方法において、燃料の主成分が飽和鎖式炭化水素であってもよい。
[装置構成]
図1は、第1実施形態にかかる燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図1を参照しつつ、第1実施形態の燃料電池システム100について説明する。
図1に示す例において、燃料電池システム100は、燃料供給器10と、改質器12と、アノード14およびカソード16を含む燃料電池18と、燃焼器20と、温度検知器22と、記憶器24と、を備える。
燃料供給器10は、燃料を供給する。より具体的には、燃料供給器10は改質器12へと燃料供給流路(図示せず)を介して燃料を供給してもよい。燃料供給器10は、燃料タンク、ガスボンベ、ブロワ、ポンプ、および、流量調整弁等で構成されうる。燃料供給器10は、供給される燃料の流量を検知できてもよい。検知された流量は、制御器(後述)に送られてもよい。燃料供給器10とは別個に、燃料の流量を検知する流量検知器が設けられてもよい。
燃料としては、例えば、少なくとも炭素および水素を構成元素とする有機化合物を含有する物質とすることができる。具体的には、水素ガス、天然ガス、都市ガス、LPG、LNG、プロパンガス、ブタンガス、メタンを主成分とするガス等の炭化水素、およびメタノール、エタノール等のアルコール、灯油が例示される。都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。灯油およびアルコール等の液体の発電原料を用いる場合には、発電原料が改質器に供給される前に、発電原料が加熱されて気化されてもよい。燃料の主成分は、飽和鎖式炭化水素(一般式:C2n+2)であってもよい。メタンは飽和鎖式炭化水素の一例である。なお、主成分とは、体積重量%で50%以上、好ましくは70%以上の成分を意味する。
改質器12は、燃料以外の反応ガスと燃料供給器10から供給される燃料とを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する。燃料以外の反応ガスは、水蒸気、および空気等とすることができる。反応ガスは、反応ガス供給流路(図示せず)により改質器12へと供給されてもよい。燃料以外の反応ガスに水蒸気が含まれる場合、水蒸気は改質器12内部で生成されてもよいし、改質器12の外部に蒸発器11が設けられてもよい。蒸発器11で気化させられた改質水は、燃料供給器10から供給された原料ガスと混合される。
改質反応は、例えば、水蒸気改質反応、オートサーマル反応が挙げられる。改質器12で進行する改質反応は、改質器12に供給される反応ガスによって異なりうる。例えば、反応ガスが水蒸気の場合は、水蒸気改質反応(SR)が進行しうる。反応ガスが水蒸気と空気の両方の場合は酸化的水蒸気改質反応(OSR)等が進行しうる。
改質器12は、例えば、容器内部に改質触媒が充填されることで構成されうる。改質触媒によって、改質反応が進行し、燃料および水から水素含有ガスが生成される。改質触媒には、一般的に、Pt、Ru、Rh等の貴金属系触媒およびNiからなる群の中から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。具体的には例えば、白金およびルテニウムの少なくともいずれか一方を含浸したアルミナ担体を用いてもよい。改質触媒は、本例に限定されるものではなく、改質触媒を最適な温度範囲に維持した場合に改質反応を進行させ得る触媒であれば、いかなる材料であっても構わない。改質器12は、反応ガス供給流路に設置されると共に、蒸発器を内蔵してもよい。
改質器12で生成した改質ガスは、水素含有ガス供給経路(図示せず)を通った後、燃料電池18のアノード14へ供給される。
図1には示されていないが、各改質反応において必要となる機器が適宜設けられてもよい。例えば、改質反応が水蒸気改質反応であれば、改質器を加熱する燃焼器と水蒸気を生成する蒸発器と水供給器とが設けられてもよい。蒸発器は、例えば、水が通流する容器を外面から燃焼ガス等で加熱する構成であってもよい。水供給器としては、例えば、ギアポンプおよびプランジャポンプ等の容量式ポンプを用いてもよい。
改質器12を加熱する燃焼器の燃料は、いずれの燃料であってもよいが、例えば、改質器12より排出される水素含有ガスが用いられてもよいし、アノードオフガスが用いられてもよい。水蒸気を生成するための熱源は特に限定されない。該熱源としては、例えば、燃焼器、電熱ヒータ、改質器、および燃料電池のいずれか、またはそれらの任意の組合せ等とすることができる。改質反応がオートサーマル反応であれば、さらに、改質器に空気を供給する空気供給器(図示せず)が設けられてもよい。
燃料電池18は、カソード16に供給される酸化剤ガスと改質器12からアノード14に供給される水素含有ガスとを用いて発電する。燃料電池18は、固体酸化物型燃料電池であってもよい。酸化剤ガスは、例えば、空気や酸素とすることができる。
燃料電池18においては、例えば、アノード14に供給される水素含有ガス(改質ガス)とカソード16に供給される空気中の酸素による下記の電気化学反応により、電力が生成されうる。
+0.5O→H
CO+0.5O→CO
燃料電池18が固体酸化物形燃料電池である場合、カソード16からアノード14へ酸素イオンが電解質を通って移動して、上記反応を行うため、上記反応はいずれもアノード14にて発生する。上記反応により生成したHOとCO、および上記反応で消費されなかった水素含有ガスは、アノードオフガスとしてアノードから排出され、燃焼器20へ供給される。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給流路(図示せず)を介してカソード16へと供給されうる。酸化剤ガス供給流路には、酸化剤ガス供給器(図示せず)が設けられてもよい。酸化剤ガス供給器としては、例えば、ブロワ等を用いることができる。
燃料電池18は、例えば、アノードとカソードとの間で発電反応を行って発電する複数の燃料電池単セルを直列に接続したスタックを含むように構成される。燃料電池18は、平板型セルおよびインターコネクタ等の部材を積層した平板型スタックを含んで構成されてもよい。燃料電池18は、円筒型セルおよびインターコネクタ等の部材を束にして固定することで直列に接続した円筒型スタックを含んで構成されてもよい。
スタックは、アノードオフガスとカソードオフガスとがそれぞれ混合されることなく排出される密閉型であってもよいし、アノードオフガスとカソードオフガスとが混合された後に排出される開放型であってもよい。開放型スタックの場合、アノードオフガスとカソードオフガスはスタック直後の混合器で混合されたのち燃焼されてもよい。
燃料電池単セルには、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を電解質等に用いた公知の構成を採用しうる。燃料電池単セルの材料としては、イットリビウムやスカンジウムをドープしたジルコニア、あるいはランタンガレート系の固体電解質を用いることもできる。イットリア安定化ジルコニアを用いた燃料電池単セルでは、電解質の厚みにも依存するが、例えば、摂氏600度から摂氏1000度程度の温度範囲で発電反応が行われる。
燃料電池18の発電により得られた電力は、燃料電池18が備える端子(図示せず)を介して外部負荷へと供給される。該端子と外部負荷との間に、DC/DCコンバータやDC/ACインバータが設けられてもよい。
燃焼器20は、アノード14から排出されるアノードオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは燃焼ガス流路(図示せず)を介して燃料電池システム外部へと排出されてもよい。
燃焼器20は、カソード16から排出されるカソードオフガスとアノード14から排出されるカソードオフガスとを燃焼させて燃焼ガスを生成してもよい。この場合、燃焼器20とカソード16とは、カソードオフガス流路(図示せず)により接続され、燃焼器20とアノード14とは、アノードオフガス流路(図示せず)により接続される。
燃焼器20には、アノードオフガスを燃焼させるために、カソードオフガスに代えて、あるいはカソードオフガスに加えて更に、他の酸化剤ガス(例えば、燃料電池システム100の外部から取り込んだ空気等)が供給されてもよい。燃料電池システム100の外部から取り込んだ空気でアノードオフガスを燃焼させ、得られた燃焼ガスがカソードオフガスと混合されて燃焼ガス流路に供給されてもよい。
燃焼器20は、改質器12を加熱するために用いられてもよい。あるいは、燃焼ガスが改質器12の加熱に用いられてもよい。改質器12は、例えば、燃焼ガスにより直接加熱されてもよいし、燃焼ガスと熱交換する熱交換器(図示せず)を介して間接的に加熱されてもよい。後者の場合には、改質器12が該熱交換器を含む構成としてもよい。熱交換器は燃焼ガス流路に設けられうる。熱交換器から排出された燃焼ガスは、燃料電池システム100の外部へと排出されてもよい。
温度検知器22は、燃焼ガスの温度を検知する。温度検知器22としては、例えば、サーミスタ、熱電対等を用いることができる。温度検知器22は、燃焼ガスの温度を検知できれば、いずれの箇所に設けられてもよい。具体的には例えば、燃焼器20に設けられてもよいし、燃焼ガス流路に設けられてもよいし、改質器12に設けられてもよいし、燃料電池18に設けられてもよい。燃焼ガスの流路に温度検知器22が設けられる構成では、燃料組成および熱量等の違いをより敏感に検知できる。
記憶器24は、予め設定された目標温度プロファイルを記憶している。記憶器24としては、例えば、メモリ等を用いることができる。記憶器24は、制御器であってもよい。制御器は、制御機能を有するものであればよく、演算処理部と、制御プログラムを記憶する記憶部とを備える。例えば、制御器は、マイクロコントローラ、PLC(Programmable Logic Controller) 等が例示される。また、演算処理部としては、MPU、CPUが例示される。記憶部としては、メモリが例示される。制御器は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
記憶器24が制御器である場合、温度検知器22が検知した温度は制御器に送られてもよい。制御器は、燃料供給器10から改質器12へと供給される燃料の流量を制御する流量制御器であってもよい。
目標温度プロファイルは燃料電池システム100の起動運転時における燃焼ガスの目標温度の時間変化を含む。目標温度プロファイルは、起動運転時以外の燃焼ガスの目標温度およびその他の情報を含んでいてもよい。外気温に応じて複数の目標温度プロファイルから一つが選択されてもよい。あるいは外気温に応じて予め設定された方法で目標温度プロファイルが生成ないし補正されてもよい。「予め設定された目標温度プロファイル」とは、それらの態様を含むものとして定義されうる。
[起動方法]
本実施形態にかかる燃料電池システム100の起動方法は、温度検知器22で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、燃料供給器10から改質器12に供給される燃料の流量を制御する。
図2は、第1実施形態にかかる燃料電池システムにおける起動開始時からの経過時間と検知温度との関係を示す概念図である。図2に示す例では、温度検知器22で検知された温度は、起動後、時間の経過と共に、目標温度プロファイルに近づいている。なお、起動開始時とは、燃料電池システム内で燃料が着火した時点としてもよい。
本実施形態にかかる燃料電池システム100の起動方法は、温度検知器22で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度に近づくように、燃料供給器10から改質器12に供給される燃料の流量を制御するものであってもよい。すなわち、「目標温度となる」とは、検知温度と目標温度とが完全に一致することを要求するものではなく、検知温度が目標温度に近づく場合を含みうる。
具体的には、例えば、温度検知器22で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度よりも高い場合は、燃料供給器10から改質器12に供給される燃料の流量を減少させ、温度検知器22で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度よりも低い場合は、燃料供給器10から改質器12に供給される燃料の流量を増加させてもよい。
あるいは例えば、温度検知器22で検知された温度が目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度を含む所定範囲よりも高い場合は、燃料供給器10から改質器12に供給される燃料の流量を減少させ、温度検知器22で検知された温度が該所定範囲よりも低い場合は、燃料供給器10から改質器12に供給される燃料の流量を増加させてもよい。
燃料の増加または減少は、予め設定した割合(例えば変更前の流量の10%)だけ変化させてもよいし、予め設定した流量分だけ変化させてもよい。
あるいは例えば、制御方法として、温度検知器22で検知された温度と目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度との差分に基づくPID制御が用いられてもよい。
あるいは例えば、温度検知器22で検知された温度と目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度との差分が、予め設定した値以上となった場合に、一定量の燃料流量の増減が実施されてもよい。
目標温度プロファイルを、燃料電池システム100内の各部で高温による熱劣化、炭素析出等の問題が起こらないものに設定することにより、起動時の高温による熱劣化、炭素析出等を防止できる。目標温度プロファイルは、実験で求めたものであってもよいし、シミュレーションで求めたものであってもよい。
なお、蒸発器11が改質器12に供給する水蒸気の量を一定となるように制御するようにしてもよい。これにより、より正確に燃焼ガスの温度を検知することができる。
[燃料組成推定方法]
本実施形態にかかる燃料電池システム100における燃料組成の推定方法は、起動運転時の燃料の流量に基づいて燃料の組成を推定するものである。
「起動運転時の燃料の流量」とは、例えば、起動運転が終了した時点において燃料供給器10が改質器12へと供給している燃料の流量(「流量」とは単位時間当たりの流量をいい、例えば、0℃かつ1気圧における流量を表す単位であるStandard Liter per Minute (SLM)で規定されるものであってもよい、以下同じ)であってもよいし、発電運転が開始した時点において燃料供給器10が改質器12へと供給している燃料の流量であってもよい。あるいは例えば、起動運転中の所定期間において燃料供給器10が改質器12へと供給している燃料の平均流量であってもよい。起動運転が終了した時点とは、例えば、発電運転が開始された時点とすることができる。発電運転が開始した時点とは、例えば、燃料電池18からの電流の取り出しが開始された時点とすることができる。
「組成」とは、例えば、燃料が飽和鎖式炭化水素(メタン、エタン、ブタン等、一般式C(2n+2)で表される物質)であると仮定した時のnの値で仮想的に表されるC
(2n+2)をいう。
[実施例]
以下、実施例にかかる燃料電池システムの運転方法および燃料組成推定方法について説明する。
本実施例では、設計時に日本の13Aガスを想定して燃料電池システムの構成および運転条件が決定されているものとする。その上で、ドイツのDVGW(Deutscher Verein des Gas-und Wasserfaches:ドイツガス水道協会)の定めるG260という基準の「Lガス」を燃料に用いて当該燃料電池システムを運転した場合を考える。
実施例にかかる燃料電池システムの装置構成は、図1に示した構成と同様とすることができる。よって、共通する構成要素には同一の符号および名称を付して、詳細な説明を省略する。
<ガス組成>
まず、上記の「Lガス」について説明する。都市ガスは、ガス会社から配管を通じて家庭等に供給される。都市ガスの組成および熱量等は、ガス組成や熱量が変動することがある。例えば欧州のドイツではDVGWが定める、G260という基準に基づき、配管を通じて各家庭などに供給されるガス組成や熱量が管理されている。
本基準によると、配管に供給されるガス組成および熱量の範囲は、表1に示すように、ガスの熱量(Hs)と、ウォッベ指数(Ws)と、ガスの比重(d)とを用いて、2種類
(LガスとHガス)に分類されている。なお、「比重」は、空気を1とした場合の相対値で表す(以下同様)。
[Lガス]
30.2 ≦ Hs ≦ 47.2(MJ/m
39.6 ≦ Ws ≦ 46.8(MJ/m
0.55 ≦ d ≦ 0.75
[Hガス]
30.2 ≦ Hs ≦ 47.2(MJ/m
49.0 ≦ Ws ≦ 56.5(MJ/m
0.55 ≦ d ≦ 0.75
ここで、ウォッベ指数:Wsとは、ガスの熱量(Hs)と、ガスの比重(d)とから、

で計算される値である。
図3は、各燃料についてウォッベ指数と熱量との関係を示す図である。図3は、LガスおよびHガスそれぞれのパラメータの範囲を、縦軸にガスの熱量(Hs)、横軸にウォッベ指数(Ws)を取ってプロットしたグラフを示す。なお、図3は、25℃、1013.25mbar、および、乾燥状態におけるものである。
図中の点線部分と実線部分とで囲まれた部分のうち、左側の領域がLガスであり、右側の領域がHガスである。
なお、比較のため、ドイツの標準ガス規格であるG20、G25、G27、G231を図中に示す。また参考のため、日本の都市ガス組成(13A)も図中に示す。
表2に上記の各ガスの組成を示す。
例えば、ドイツで採用されている上記の基準に従うと、配管を通じて各家庭などに供給される都市ガスの組成や熱量は、LガスあるいはHガスのそれぞれについて、規定された範囲内で変動する可能性がある。組成および熱量等が設計値からずれた場合、設定値と同じ燃料流量のままだと、燃焼ガスの温度および燃料電池システムの各部の温度は設定値からずれることになる。
本実施例では、燃料に13Aガスを用いることを前提として、燃料および空気等の供給量を最適化して起動した場合に温度検知器22で検知される温度の時間変化が、目標温度プロファイルとして記憶器24に記憶されている(図2参照)。
13Aは、日本における都市ガスの一般的な組成である。13Aガスは、以下の組成を有する。
メタン(CH):88.9%
エタン(C):6.8%
プロパン(C):3.1%
ブタン(C10):1.2%
<起動方法>
本実施例の燃料電池システムが、G260のLガスが供給されている地域に設置され、起動された場合を考える。より具体的には、ドイツにおけるガス組成の規格の一つである、G27(CH:82%、N:18%)が、燃料電池システムに供給された場合を考える。
G27の熱量は656(kJ/モル)である。一方、13Aの熱量は、903(kJ/モル)である。予め設定された温度プロファイルは13Aを用いて最適化してある。よって、燃料ガス(G27)が供給されると、起動開始後より、温度検知器22が検知する温度は、目標温度プロファイルにより定まる温度よりも低くなる。
図4は、実施例にかかる燃料電池システムの起動方法の一例を示すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、実施例の燃料電池システムの起動方法について説明する。例えば、記憶器24が制御器の場合には、図4に示す制御は、制御器が燃料電池システム100の各部を制御することで実行されうる。
図4に例示する起動方法では、起動シーケンスが開始されると(スタート)、温度検知器22により燃焼ガスの温度が検知される(ステップS10)。
次に、燃焼ガス温度が目標温度プロファイルから決まる目標温度よりも高いか否かの判定が行われる(ステップS11)。
ステップS11の判定結果がYESの場合には、燃料流量が減少され(ステップS12)、ステップS10へと戻る(リターン)。
ステップS11の判定結果がNOの場合には、燃料流量が増加され(ステップS13)、ステップS10へと戻る(リターン)。
上記のフローチャートは特に簡略化されているが、より具体的にはPID制御が行われる。
図5は、実施例の燃料電池システムにおいて、PID制御が行われた場合の温度の時間変化を示す概念図である。
PID制御により、経過時間t0からt1まで燃料流量が増加されるとともに、温度検知器22の検知温度は上昇する。
経過時間t1において、温度検知器22の検知温度は目標温度プロファイルよりも高くなる。そこで、PID制御により、経過時間t1からt2まで燃料流量が減少されるとともに、温度検知器22の検知温度は低下する。
経過時間t2において、温度検知器22の検知温度は目標温度プロファイルよりも低くなる。そこで、PID制御により、経過時間t2からt3まで燃料流量が増加されるとともに、温度検知器22の検知温度は上昇する。
同様の制御を行いながら、経過時間t5において、起動を完了する。すなわち、発電を開始する。
このように燃料流量を制御することにより、温度検知器22の検知温度は、目標温度プロファイルと略同じ温度へと収束していく。よって、起動時の高温熱劣化および炭素析出などの問題を防止することができる。
<燃料組成推定方法>
本実施例では、起動運転が終了した時点、すなわち発電状態に移行する時点において、単位時間当たりに燃料電池システムへと供給される燃料の熱量(改質器12へと供給される燃料の熱量)は、目標温度プロファイルにおいて、起動運転終了時に単位時間当たりに燃料電池システムに供給される燃料の熱量Q0(kJ/分)と略等しくなる。
ここで、単位時間当たりに燃料電池システムに供給される燃料の熱量(kJ/分)とは、以下の数式のように、単位時間当たりの流量(モル/分)×単位モル当たりの熱量(kJ/モル)で表される。
Q0=F0×H0 ・・・(1)
Q0は、目標温度プロファイルにおいて、単位時間当たりに燃料電池システムに供給される燃料の熱量(kJ/分)であり、F0は、目標温度プロファイルにおいて、燃料電池システムに供給される燃料の単位時間当たりの流量(モル/分)であり、H0は、目標温度プロファイルにおいて、燃料電池システムに供給される燃料の単位モル当たりの熱量(kJ/モル)である。
起動運転終了時には、図4に示す燃料流量制御によって、Q1はQ0にほぼ等しくなっている。
Q1=F1×H1 ・・・(2)
Q1は、起動運転終了時において単位時間当たりに燃料電池システムに供給される燃料の熱量(kJ/分)であり、F1は、起動運転終了時において燃料電池システムに供給される燃料の単位時間当たりの流量(モル/分)であり、H1は、起動運転終了時において燃料電池システムに供給される燃料の単位モル当たりの熱量(kJ/モル)である。
Q1=Q0とすると、式(1)および(2)より、
H1=(F0×H0)/F1 ・・・(3)
となる。F0およびH0は予め設定された値であり、かつ、F1は起動時に測定されている値である。よって、式(3)より、H1の値が得られる。
図6は、各燃料について炭素数と発熱量との関係を示す図である。図6に示すように、燃料ガス組成がC(2n+2)であると仮定した場合、燃料ガスの熱量は、nの値(
燃料ガスの平均炭素数)にほぼ比例する。よって、H1の値より、起動運転終了時における燃料の組成(燃料が飽和鎖式炭化水素であると仮定した時のnの値)が計算できる。すなわち、燃料の組成(平均炭素数)を推定することができる。
燃料の組成が推定できれば、発電運転時において、より正確に燃料利用率(Uf)を設定できるので、燃料枯れが発生する可能性を低減できる。また、S/Cもより正確に設定できるので、炭素析出を抑制できる。
上述の通り、起動運転終了時に燃料電池システムへ供給されている熱量(kJ/分)は、目標温度プロファイル作成の基礎となった条件下で起動運転終了時に燃料電池システムへ供給される熱量(kJ/分)と略同等になる。
式(3)より、起動運転終了時において燃料電池システムへ供給される燃料の単位モル当たりの熱量(kJ/モル)が計算される。
本実施例においては、起動運転終了時において燃料電池システムへ供給される燃料の単位時間当たりの流量(F1)は0.275(モル/分)である。目標温度プロファイル作成の基礎となった条件下で起動運転終了時において燃料電池システムへ供給される燃料の単位時間当たりの流量(F0)は0.2(モル/分)である。よって、
H1=(0.2×903)/0.275=656(kJ/モル)
と計算される。H1を図6のプロットの近似式である、下記の式(4)に代入することにより、燃料の平均炭素数が求まる。
H1(kJ/モル)=625×平均炭素数+167 ・・・(4)
すなわち、平均炭素数が0.78であることが推定できる。これにより、発電時のUfやS/Cをより正確に制御することができ、発電時の炭素析出および燃料枯れを抑制することができる。
欧州における都市ガス(ガスパイプラインから供給されるガス)のように、燃料電池システムに供給される燃料は、組成および熱量等が変動する場合がある。かかる場合でも、本実施例の燃料電池システムによれば、簡潔な装置構成により、燃料電池システム各部の温度が設計値から大きくずれる可能性を容易に低減できる。よって、燃料電池システムの耐久性を向上することができる。
特に、起動時の高温熱劣化や炭素析出などの問題を低減することができる。また、燃料の組成を推定し、発電時の炭素析出および燃料枯れ等の問題を低減することができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の一態様は、耐久性が向上された燃料電池システムとして有用である。
10 燃料供給器
11 蒸発器
12 改質器
14 アノード
16 カソード
18 燃料電池
20 燃焼器
22 温度検知器
24 記憶器
100 燃料電池システム

Claims (10)

  1. 燃料を供給する燃料供給器と、
    燃料以外の反応ガスと前記燃料供給器から供給される燃料とを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、
    カソードとアノードとを備え、前記カソードに供給される酸化剤ガスと前記改質器から前記アノードに供給される水素含有ガスとを用いて発電する燃料電池と、
    前記アノードから排出されるアノードオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、
    予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、
    を備えた燃料電池システムの運転方法であって、
    前記目標温度プロファイルは前記燃料電池システムの起動運転時における前記燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、
    起動運転時に、前記温度検知器で検知された温度が前記目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、前記燃料供給器から前記改質器に供給される燃料の流量を制御する、
    燃料電池システムの運転方法。
  2. 前記燃料電池システムは、前記改質器に水蒸気を供給する蒸発器を備え、
    前記起動運転時に、前記蒸発器が前記改質器に供給する水蒸気の量を一定となるように制御する、
    請求項1に記載の燃料電池システムの運転方法。
  3. 前記起動運転時の燃料の流量と、前記目標温度プロファイルを設定するための基礎となった燃料の組成と、に基づいて、前記起動運転時に供給されている燃料の組成を推定する、
    請求項1または2に記載の燃料電池システムの運転方法。
  4. 前記燃料電池は固体酸化物型燃料電池である、
    請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法。
  5. 前記燃料の主成分が飽和鎖式炭化水素である、
    請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムの運転方法。
  6. 燃料を供給する燃料供給器と、
    燃料以外の反応ガスと前記燃料供給器から供給される燃料とを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、
    カソードとアノードとを備え、前記カソードに供給される酸化剤ガスと前記改質器から前記アノードに供給される水素含有ガスとを用いて発電する燃料電池と、
    前記アノードから排出されるアノードオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼ガスの温度を検知する温度検知器と、
    予め設定された目標温度プロファイルを記憶した記憶器と、
    を備えた燃料電池システムにおける燃料組成推定方法であって、
    前記目標温度プロファイルは前記燃料電池システムの起動運転時における前記燃焼ガスの目標温度の時間変化を含み、
    起動運転時に、前記温度検知器で検知された温度が前記目標温度プロファイルに基づいて特定される目標温度となるように、前記燃料供給器から前記改質器に供給される燃料の流量を制御し、
    前記起動運転時の燃料の流量に基づいて燃料の組成を推定する、
    燃料電池システムにおける燃料組成推定方法。
  7. 前記燃料電池システムは、前記改質器に水蒸気を供給する蒸発器を備え、
    前記起動運転時に、前記蒸発器が前記改質器に供給する水蒸気の量を一定となるように制御する、
    請求項6に記載の燃料電池システムにおける燃料組成推定方法。
  8. 前記起動運転時の燃料の流量と、前記目標温度プロファイルを設定するための基礎となった燃料の組成と、に基づいて、前記起動運転時に供給されている燃料の組成を推定する、
    請求項6または7に記載の燃料組成推定方法。
  9. 前記燃料電池は固体酸化物型燃料電池である、
    請求項6から8のいずれかに記載の燃料組成推定方法。
  10. 前記燃料の主成分が飽和鎖式炭化水素である、
    請求項6から9のいずれかに記載の燃料組成推定方法。
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