JP6575394B2 - 鉄心接合部の磁気特性の評価装置および評価方法 - Google Patents

鉄心接合部の磁気特性の評価装置および評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄心接合部の磁気特性の評価装置および評価方法に関する。
変圧器の鉄心ではエネルギー損失、すなわち鉄損が発生するため、その低減が求められており、様々な技術開発が行われてきている。鉄損は、鉄心に用いる電磁鋼板全体で発生するが、例えば特許文献1に開示されるように、鉄心の接合部(電磁鋼板の接合部)で発生する鉄損も問題になる。
鉄心の接合部は、鉄心を構成する電磁鋼板が不連続となる部分であり、磁束の流れの乱れが発生するため、鉄心の他の部分よりも高鉄損となる。この鉄損を低減するため、特許文献1〜3では、鉄心の接合部を特定の構造とする技術が提案されている。
また、接合部では電磁鋼板の間にギャップを形成することができるため、ギャップを用いて鉄心の磁気抵抗を増加させて調整することができる。この方法は、変圧器の起動時に大電流が流入する現象、すなわち励磁突入電流の抑制に利用することができる。実際に特許文献4では、接合部で組み合わされる電磁鋼板の間に非磁性のシートを挿入する方法が提案されている。
特開昭60−158609号公報 特開平6−349643号公報 特開平6−5451号公報 特開2010−287756号公報
特許文献1〜4により開示された方法を実用化するためには、鉄心の接合部での電磁鋼板の突き合わせの位置やギャップ長さなどの各パラメータを変化させ、鉄損、励磁電流、皮相電力などの磁気特性の変化を確認することにより各パラメータを最適に設定する必要がある。
しかし、電磁鋼板をはじめとする磁性材料の磁化特性および鉄損特性は、非線形であってさらに磁化方向によっても変化する。さらに、接合部では、特許文献3の図3に示されるように、磁束の流れが複雑になり、各局部の磁化の強さや方向が様々となるため、磁化特性および鉄損特性の複雑性も相まって、接合部の磁気特性の計算や推定は容易ではない。
このため、接合部での各パラメータを最適に決定するために実験を行うこととなる。特許文献1〜4では、額縁鉄心を実際に作製して磁気特性を検討している。
しかし、この実験を行う方法には効率性の問題がある。変圧器やリアクトルの鉄心を製作するには、電磁鋼板を一定量準備し、それを所定のサイズで数百枚以上切断し、それらを所定の位置に積み上げる必要がある。そして、接合部での電磁鋼板の突き合わせの位置やギャップ長さなどの各パラメータを変化させた鉄心を相当数製作する必要があり、接合部の各パラメータの最適条件を得られるまでには、かなりのコスト、工数さらには時間を要する。
このため、接合部1箇所をモデル化して比較的薄い積層厚とし、変圧器やリアクトルの鉄心とは異なる、実験的で簡易な磁気回路を構成して磁気特性を評価することも考えられる。
しかし、この方法では、変圧器やリアクトルの鉄心のような均一な磁気抵抗の閉磁気回路を構成することが難しいと考えられ、積層方向での磁束密度分布の均一性が失われ、磁束密度条件が実際の鉄心とは異なることが懸念される。
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、変圧器やリアクトルの鉄心に形成される接合部の鉄損、励磁電流、皮相電力などの磁気特性を簡易的に精度良く評価できる評価装置および評価方法を提供することを目的とし、特に、簡易な構造とするために積層方向の磁束密度分布の均一性が失われて評価精度が低下することを防止するため、積層の1層毎の磁気回路で磁気抵抗を均一化する装置と、さらに1層毎の磁束密度を調整できる装置および方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)それぞれの端面が突き合わされて一の方向に延在する2枚の電磁鋼板からなる電磁鋼板対が前記2枚の電磁鋼板の板厚方向に複数積層された電磁鋼板積層体の鉄心接合部の磁気特性の評価装置であって、
前記電磁鋼板積層体は、前記複数の電磁鋼板対それぞれの前記一の方向への全長が前記電磁鋼板対の積層方向の一方から他方へ向けて段階的に相違することによって前記一の方向の両端側に形成される2つの段差部を有するとともに、
前記鉄心接合部は、前記複数の電磁鋼板対それぞれにおける、前記一の方向についての前記2枚の電磁鋼板の突き合わせの位置が前記積層方向の一方から他方へ向けて、例えば段階的に順次、相違することによって形成され、
前記電磁鋼板積層体の前記鉄心接合部に巻き回されて配置される励磁コイルおよびBコイルと、
前記電磁鋼板積層体の前記段差部を構成する複数の前記電磁鋼板対にそれぞれ接触することにより該複数の前記電磁鋼板それぞれとともに閉磁気回路を構成する複数のヨークと
を備える、鉄心接合部の磁気特性の評価装置。
(2)前記段差部の各段それぞれの前記電磁鋼板対に巻き回されて装着された複数のサーチコイルと、前記複数のヨークそれぞれに巻き回されて装着された複数の励磁コイルおよびBコイルとを備える、1項に記載された鉄心接合部の磁気特性の評価装置。
(3)2項に記載された評価装置を用いて前記電磁鋼板積層体の鉄心接合部の磁気特性を評価する方法であって、
隣り合う2つの前記サーチコイルの間の電圧の差分から1層の電圧波形を求め、該電圧波形と目標電圧波形との差分に比例する電圧を、前記ヨークに巻き回した前記励磁コイルに与え、積層された各電磁鋼板対それぞれの磁束密度を目標波形に合致させる、鉄心接合部の磁気特性の評価方法。
(4)前記電磁鋼板積層体に巻き回されて装着された前記励磁コイルの電流と前記Bコイルの電圧、および前記ヨークに巻き回された前記励磁コイルの電流と前記Bコイルの電圧を用いて、前記電磁鋼板積層体の磁気特性を求める、3項に記載された鉄心接合部の磁気特性の評価方法。
本発明によれば、変圧器やリアクトルの鉄心の接合部の鉄損、励磁電流、皮相電力などの磁気特性を、少量の電磁鋼板を単純に構成するだけで簡易的に精度良く評価することができる。本発明によれば、特に、簡易的な装置であるために評価装置の構造が鉄心接合部を形成させた電磁鋼板の各層の磁束密度に影響を及ぼしてしまい、変圧器やリアクトルの鉄心の磁束密度分布と差異が生じることを、各層の磁気回路の磁気抵抗の差異を減少させ、さらに各層の磁束密度を個別に制御することによって防止できる。
図1は、本発明に係る評価装置の概要を示す説明図である。 図2は、本発明に係る評価装置の一部分の断面を示す説明図である。 図3は、実施例で用いる回路図である。 図4は、実施例の効果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。まず、積層された電磁鋼板積層体の各層の磁気回路の磁気抵抗の差異を減少させる装置を説明する。
図1は、本発明に係る評価装置1の概要を示す説明図であり、図2は、本発明に係る評価装置1の一部分の断面を示す説明図である。
図1,2に示すように、評価装置1は、電磁鋼板積層体2の鉄心接合部2dの磁気特性の評価装置である。電磁鋼板積層体2は、それぞれの端面が突き合わされて一の方向(図1,2における左右方向)に延在する2枚の電磁鋼板2a,2bからなる電磁鋼板対2cがこれら2枚の電磁鋼板2a,2bの板厚方向へ向けて複数枚(図示例では5枚)積層されることにより、構成される。
鉄心接合部2dは、実際の変圧器やリアクトルの鉄心接合部を模擬するものであり、積層された5枚の電磁鋼板対2cそれぞれにおける、上記一の方向についての2枚の電磁鋼板2a,2bの突き合わせの位置が積層方向の一方から他方へ向けて、例えば段階的に順次、相違することによって形成される。鉄心接合部2dでの電磁鋼板対2cの突き合わせの位置やギャップ長さなどの各パラメータを様々に変化させることにより、鉄心接合部2dの磁気特性が評価される。
図1に示す主コイル枠3は、主励磁コイル5と主Bコイル6とからなる。主励磁コイル5は、電磁鋼板積層体2の鉄心接合部2dに巻き回されて外側に配置され、電磁鋼板積層体2全体を励磁するために用いられる。主Bコイル6は、電磁鋼板積層体2の鉄心接合部2dに巻き回されて内側に配置される。なお、図2では、電磁鋼板積層体2および主コイル枠3を短縮して示す。
図1に示すように、磁気特性の評価試料である電磁鋼板積層体2は、主コイル枠3を貫通する状態で配置される。電磁鋼板積層体2の鉄心接合部2dを、主コイル枠3の長手方向の略中央部に配置することが望ましい。
図1,2に示すように、電磁鋼板積層体2は、積層された5枚の電磁鋼板対2cそれぞれの上記一の方向への全長が電磁鋼板対2cの積層方向の一方から他方へ向けて段階的に順次相違することによって一の方向の両端側に形成される2つの段差部2−1,2−2を有する。
5つのヨーク(継鉄)4は、電磁鋼板積層体2の一の方向の両側の段差部2−1,2−2を構成する5つの電磁鋼板対2cを跨って5つの電磁鋼板対2cそれぞれに接触して配置される。このように、各ヨーク4は、積層された各電磁鋼板対2cにそれぞれ設置される。
このように、鉄心接合部2dが形成された積層された電磁鋼板対2cでは、最下層の電磁鋼板対2cの全長が最も長くなっており、上層に行くに従って電磁鋼板対2cの全長は短くなり、最上層の電磁鋼板対2cの全長が最も短くなる。これによって、電磁鋼板積層体2の両端部2−1,2−2は階段状を呈する。積層された各電磁鋼板対2cの両端にそれぞれ1個のヨーク4を接触させる。
評価装置1では、複数(図示例では5つ)のヨーク4を重なった状態で使用するため、各ヨーク4の高さは、内側のヨーク4の外面に、このヨーク4の外側に配置される別のヨーク4の内面が接触しない高さとする必要があるが、一方、これら2個のヨーク4の間隔は、各ヨーク4,4の磁気抵抗の差、すなわちヨーク4,4の大きさの差を少なくするために極力小さくすることが望ましい。
以上のように、評価装置1によれば、電磁鋼板積層体2およびヨーク4を用いるため、電磁鋼板積層体2の5つの電磁鋼板対2cが構成する5つの磁気回路をほぼ同じとすることができ、これにより、磁気抵抗の各電磁鋼板対2c間の差を減少させることができ、励磁条件の各電磁鋼板対2c間の差を減少させることができる。
次に、本発明における電磁鋼板積層体2の各電磁鋼板対2の磁束密度を個別に制御する装置および方法を説明する。
評価装置1は、段差部2−1,2−2の各段それぞれの電磁鋼板対2cに巻き回されて装着された5つのサーチコイル7と、5つのヨーク4それぞれに巻き回されて装着された5つのヨーク励磁コイル8およびヨークBコイル9とを備える。
ヨーク励磁コイル8およびヨークBコイル9は、ヨーク4の全長に巻いてもよいし、一部でも、あるいは分割してもよい。図1,2では、ヨーク4の両端の電磁鋼板対2cに近い部分に設置される場合を示す。ヨーク励磁コイル8とヨークBコイル9とを重ねる場合には、ヨークBコイル9を内側(ヨーク4に接する側)に配置することが望ましい。
サーチコイル7は、積層された各電磁鋼板対2cの磁束密度を得るために用いる。サーチコイル7の設置は、各電磁鋼板対2cのヨーク接触部よりも主コイル枠3寄りに設置し、その部分の全ての電磁鋼板対2cに巻き回すことが望ましい。本来は、各電磁鋼板対2cに個別にサーチコイル7を巻くべきであるが、積層された各電磁鋼板対2cの間に隙間が生じる不具合が発生するため、望ましくない。
サーチコイル7は、電磁鋼板積層体2の一の方向への一端側のみに設置してもよいが、両端側に設置してもよい。両端側にサーチコイル7を設置する場合には、同一層にある電磁鋼板対2cの両側のサーチコイル7を直列に接続する。
磁束密度は、サーチコイル7の電圧波形から電磁誘導の法則によって算出することができる。したがって、各電磁鋼板対2cの磁束密度を個別に制御するのは、各電磁鋼板対2cに個別に巻かれていると仮定したサーチコイルの電圧波形を求めて利用することで可能である。
次に、図2に示す複数層に巻かれたサーチコイル7の電圧波形から、各電磁鋼板対2cに個別に巻かれていると仮定したサーチコイルの電圧波形を求める方法を説明する。
最下層からn番目の層である電磁鋼板対2cまで巻かれたサーチコイル7の出力電圧波形をv(n)とし、同じく最下層から(n+1)番目の層である電磁鋼板対2cまで巻かれたサーチコイル7の出力電圧波形をv(n+1)とする。この時の(n+1)番目の電磁鋼板対2cのみに巻かれると仮定したサーチコイルの出力電圧波形vs(n+1)は、各サーチコイル7の巻き数は同じとすると、下記(1)式により求められる。
vs(n+1)=v(n+1)−v(n) ・・・・・(1)
最下層から(n+1)番目の電磁鋼板対2cの磁束密度を制御するには、この電磁鋼板対2cの目標電圧波形vt(n+1)と実測から求めた電圧波形vs(n+1)との差を求め、この差分波形を、最下層から(n+1)番目の電磁鋼板対2cのヨーク励磁コイル8に与えて励磁する負帰還の方法を用いればよい。主励磁コイル5は、電磁鋼板積層体2の全体に励磁を与えるが、ヨーク励磁コイル8は、各電磁鋼板対2cの磁束密度を制御するために補助的に用いられる。
負帰還の具体的な方法としては、出力電圧波形v(n+1)および出力電圧波形v(n)をA/D変換して計算機のデータとし、計算機中に記録してある目標電圧波形vt(n+1)との差を求める計算をしてヨーク励磁コイル8に与える波形を計算し、これをD/A変換で出力して実際にヨーク励磁コイル8に与える手順が考えられる。
この手順を繰り返して最下層から(n+1)番目の電磁鋼板対2cの磁束密度を目標に近付けていく。この操作を各電磁鋼板対2cに対して順次行い、さらにそれを複数回に渡って繰り返すことにより、全ての電磁鋼板対2cの磁束密度を目標に近付けていくことができる。なお、別の負帰還の方法として、すべてアナログ回路を用いるものも考えられる。
以上のように、サーチコイル7とヨーク励磁コイル8を用い、負帰還の手法を用いれば、各電磁鋼板対2cの磁束密度を目標に合致するように制御できる。
最後に、本発明により、鉄損、励磁電流、皮相電力などの磁気特性を求める方法を説明する。
鉄損特性は、主励磁コイル5の電流と主Bコイル6の電圧の掛算による電力と、ヨーク励磁コイル8の電流とヨークBコイル9の電圧の掛算による電力とを各電磁鋼板対2cについて求めたものの総和をとることによって、求められる。
励磁電流特性は、主励磁コイル5の電流による磁界の強さと、ヨーク励磁コイル8の電流による磁界の強さを各電磁鋼板対2cについて求めたものの総和をとることによって求められる。
さらに、皮相電力特性は、前記磁界の強さを主Bコイル6の巻き数と各磁気回路の磁路長で電流に換算したものと、主Bコイル6の電圧の積として求めることができる。
このように、電磁鋼板積層体2に巻き回されて装着された励磁コイル5の電流とBコイル6の電圧、およびヨーク4に巻き回された励磁コイル8の電流とBコイル9の電圧を用いて、試料である電磁鋼板積層体2の磁気特性を求めて評価することができる。
実施例を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。なお、以降の説明は、上述した図1,2も参照しながら行う。
図3は、本実施例で用いる回路図である。本実施例における電磁鋼板積層体2の積層数は5であり、よってヨーク4の個数も5となる。
電磁鋼板積層体2の全体を励磁するために主励磁コイル5が磁化力を発生するが、これは発振器10で生成される電圧波形をパワーアンプ11で電力増幅して、シャント抵抗12を介して主励磁コイル5に電力を与えることにより、行われる。
ヨーク励磁コイル8による磁化力の発生は、コンピュータ13が記憶している波形をD/A変換器14に転送して電圧波形を発生させ、これをパワーアンプ15で電力増幅して、シャント抵抗16を介してヨーク励磁コイル8に電力を与えることにより、行われる。D/A変換器14およびパワーアンプ15は、ヨーク励磁コイル8の個数分、すなわち5台ずつ用いる。
主励磁コイル5やヨーク励磁コイル8の電流については、直列に接続したシャント抵抗12,16の電圧をA/D変換器17,18によりデジタルデータとし、コンピュータ13に転送されて記憶される。ヨーク励磁コイル8用のシャント抵抗16およびA/D変換器18は、ヨーク励磁コイル8の個数分、すなわち5台ずつ用いる。
主Bコイル6とヨークBコイル9の電圧は、A/D変換器19,20でデジタルデータとし、コンピュータ13に転送されて記憶される。ヨークBコイル9用のA/D変換器20は、ヨークBコイル9の個数分、すなわち5台ずつ用いる。
電磁鋼板積層体2の各電磁鋼板対2cの磁束密度を制御する方法を以下に説明する。電磁鋼板対2cの積層順に層No.を付け、層の全長が長い方から1〜5とする。
まず、主励磁5コイルを用い、電磁鋼板積層体2の全体で目標とする磁束密度に近づくように発振器10の出力を調整する。電磁鋼板積層体2の全体での磁束密度の測定には、主Bコイル5を用いる。
次に、層No.1のサーチコイル7の電圧をA/D変換器21によりA/D変換して計算機13で目標電圧波形と比較し、その差分波形を層No.1用のD/A変換器14に与えてヨーク励磁コイル8に加える。この工程を繰り返して層No.1の磁束密度を目標に近づける。
次に、層No.2と層No.1のサーチコイル7の電圧をA/D変換器21によりA/D変換して計算機13でそれらの差を計算して層No.2での電圧を算出し、これを目標波形と比較し、その差分波形を層No.2用のD/A変換器14に与えてヨーク励磁コイル8に加える。この工程を繰り返して層No.2の磁束密度を目標に近づける。
層No.3以降についても同様の工程を繰り返す。
層No.5が終了した時点では、その他の層でまた目標波形との差が生じているため、また層No.1から再び上記の全工程を繰り返す。この工程を繰り返す間に全層の磁束密度が目標に近づいていき、必要な精度が得られた時点でこれらの工程を終了する。
全工程が終了した時点で主励磁コイル5の電流波形、主Bコイル6の電圧波形、ヨーク励磁コイル8の電流波形、ヨークBコイル9の電圧波形が計算機13に記憶されているので、これらのデータを用いることで鉄損などの磁気特性を得ることができる。
図4は、実施例の効果を示すグラフである。
本実施例の効果は、図4に示される層No.毎の磁束密度により示される。
まず、比較例として、積層された電磁鋼板の各層の全長をすべて等しくし、ヨークを1個しか用いない場合を一点鎖線で示す。ヨークと直接接触する層No.1の磁束密度が高く、層No.2以降の磁束密度は低下することが分かる。これは、磁束がヨークと直接接触しない層には浸透し難いためである。
次に、本発明に係る電磁鋼板積層体および5つのヨークを使用する本発明例を破線で示す。層間の差は減少しているものの、十分な平坦化はできていない。積層の表面に近いほど磁束密度が低下しているが、これは漏れ磁束の影響であると考えられる。
最後に、本発明に係る装置と方法を全て適用する本発明例を実線で示す。各層間の差は十分に減少し、積層方向の磁束密度分布の均一性を得られているため、磁束密度条件を実際の鉄心と同じにして評価することができる。
1 本発明に係る評価装置
2 電磁鋼板積層体
2a,2b 電磁鋼板
2c 電磁鋼板対
2d 鉄心接合部
2−1,2−2 段差部
3 主コイル枠
4 ヨーク
5 主励磁コイル
6 主Bコイル
7 サーチコイル
8 ヨーク励磁コイル
9 ヨークBコイル
10 発振器
11 パワーアンプ
12 シャント抵抗
13 コンピュータ
14 D/A変換器
15 パワーアンプ
16 シャント抵抗
17,18 A/D変換器
18 A/D変換器
19,20 A/D変換器
21 A/D変換器

Claims (4)

  1. それぞれの端面が突き合わされて一の方向に延在する2枚の電磁鋼板からなる電磁鋼板対が前記2枚の電磁鋼板の板厚方向に複数積層された電磁鋼板積層体の鉄心接合部の磁気特性の評価装置であって、
    前記電磁鋼板積層体は、前記複数の電磁鋼板対それぞれの前記一の方向への全長が前記電磁鋼板対の積層方向の一方から他方へ向けて段階的に相違することによって前記一の方向の両端側に形成される2つの段差部を有するとともに、
    前記鉄心接合部は、前記複数の電磁鋼板対それぞれにおける、前記一の方向についての前記2枚の電磁鋼板の突き合わせの位置が前記積層方向の一方から他方へ向けて相違することによって形成され、
    前記電磁鋼板積層体の前記鉄心接合部に巻き回されて配置される励磁コイルおよびBコイルと、
    前記電磁鋼板積層体の前記段差部を構成する複数の前記電磁鋼板対にそれぞれ接触することにより該複数の前記電磁鋼板それぞれとともに閉磁気回路を構成する複数のヨークと
    を備える、鉄心接合部の磁気特性の評価装置。
  2. 前記段差部の各段それぞれの前記電磁鋼板対に巻き回されて装着された複数のサーチコイルと、前記複数のヨークそれぞれに巻き回されて装着された複数の励磁コイルおよびBコイルとを備える、請求項1に記載された鉄心接合部の磁気特性の評価装置。
  3. 請求項2に記載された評価装置を用いて前記電磁鋼板積層体の鉄心接合部の磁気特性を評価する方法であって、
    隣り合う2つの前記サーチコイルの間の電圧の差分から1層の電圧波形を求め、該電圧波形と目標電圧波形との差分に比例する電圧を、前記ヨークに巻き回した前記励磁コイルに与え、積層された各電磁鋼板対それぞれの磁束密度を目標波形に合致させる、鉄心接合部の磁気特性の評価方法。
  4. 前記電磁鋼板積層体に巻き回されて装着された前記励磁コイルの電流と前記Bコイルの電圧、および前記ヨークに巻き回された前記励磁コイルの電流と前記Bコイルの電圧を用いて、前記電磁鋼板積層体の磁気特性を求める、請求項3に記載された鉄心接合部の磁気特性の評価方法。
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