JP6575117B2 - 表示装置、表示装置の制御方法、および、プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数の表示部を備えた表示装置が入力画像を表示する場合の処理負荷を軽減することを目的とする。
本発明によれば、第1表示部と第2表示部で第1及び第2画像を表示し、第1画像及び第2画像が、表示対象の画像を分割した画像で構成される画像領域に加え、分割された画像を含まない非画像領域を含む。このため、表示対象の画像の高解像度化や拡大等の処理を伴わず、若しくは、処理の負荷を抑えられる。さらに、画像を表示部に転送する転送速度を抑えられる。また、非画像領域を生成する処理、非画像領域を単純化すれば容易に負荷を抑えられる。従って、画像の表示に係る負荷を抑えて、対象の画像を使用者に視認させることができる。
本発明によれば、疑似画像を用いることにより、画像の表示に係る負荷を抑えて、対象の画像を使用者に視認させることができる。
本発明によれば、対象の画像を分割して第1表示部と第2表示部とで表示することにより、処理の負荷を抑えて、2つの表示部を活用して対象の画像を表示できる。
本発明によれば、表示対象の画像を分割し、分割した画像の位置を変えずに第1及び第2表示部で表示するので、2つの表示部を利用して1つの表示対象の画像を使用者に視認させることができる。
本発明によれば、第1画像の画像領域と第2画像の画像領域の表示位置を適切に調整して、表示対象の画像の視認性を良好に保つことができる。
本発明によれば、使用者が自覚する見え方に対応して画像領域の表示位置を調整でき、表示対象の画像の視認性を良好に保つことができる。
本発明によれば、使用者が自覚する見え方に対応して画像領域の表示位置を調整でき、表示対象の画像の視認性を良好に保つことができる。
本発明によれば、使用者の視線方向に合わせて画像領域の表示位置を調整でき、表示対象の画像の視認性を良好に保つことができる。
本発明によれば、使用者の利き目の視線方向を優先するように、画像領域の表示位置を調整でき、表示対象の画像の視認性を良好に保つことができる。
本発明によれば、疑似画像領域の表示形態を調整することで、疑似画像領域を透過する外景、或いは、疑似画像領域に対応する画像領域の視認性を制御できる。
本発明によれば、外景に含まれる対象物に対応するAR表示を、良好に行うことができる。
本発明によれば、第1表示部が表示する画像と第2表示部が表示する画像とを重複させることができる。これにより、第1及び第2表示部が表示する画像の継ぎ目が違和感を抱かせる場合に、この違和感を解消して高品位の画像を表示できる。
本発明によれば、画像処理部が表示対象の画像を分割する処理、及び、非画像領域を組み合わせて第1または第2画像を生成する処理の負荷を軽減できる。
本発明によれば、第1画像と第2画像とが、より複雑な形状で組み合わされて、表示対象を視認させる。このため、例えば使用者が視認しやすい形状で表示対象の画像を分割して、画像を表示できる。
本発明によれば、第1及び第2表示部の表示サイズが等しいので、第1表示部が表示する画像と第2表示部が表示する画像との対応が明確になり、2つの表示部の画像から1つの表示対象の画像を認識しやすいという利点がある。
本発明によれば、第1及び第2表示部に表示される画像において共通する位置に指標があるので、第1表示部及び第2表示部が表示する画像の対応が明確になる。このため、2つの表示部の画像から1つの表示対象の画像を認識しやすいという利点がある。
本発明によれば、必要に応じて指標の視認性を高めることができ、指標が表示対象の画像の視認を阻害しないように適切に表示できる。
本発明によれば、指標が必要な場合には指標を大きく表示させて視認性を高めることができ、指標の必要性が低下すると指標を小さくして、画像の視認の妨げとならないように表示できる。これにより、指標を適切に表示して、利便性の向上を図ることができる。
本発明によれば、第1表示部及び第2表示部が、光を走査して画像を視認させる構成を有する場合に、この構成において第1画像及び第2画像が良好に視認されるように、表示を制御できる。これにより、走査型の表示装置において、表示対象の画像を良好に視認できる。
本発明によれば、画像を表示するタイミングを異ならせることで、画像を転送するタイミングを分散させることができ、単位時間あたりの画像の転送量を抑えられる。
本発明によれば、第1表示部と第2表示部で第1及び第2画像を表示することにより、表示対象の画像の高解像度化や拡大等の処理を伴わず、若しくは、処理の負荷を抑えることができ、画像を表示部に転送する転送速度を抑えられる。このため、画像の表示に係る負荷を抑えて、対象の画像を使用者に視認させることができる。また、使用者の視線方向に合わせて画像領域の表示位置を調整でき、表示対象の画像の視認性を良好に保つことができる。
本発明によれば、表示対象の画像の高解像度化や拡大等の処理を伴わず、若しくは、処理の負荷を抑えられる。さらに、画像を表示部に転送する転送速度を抑えられる。また、非画像領域を生成する処理、非画像領域を単純化すれば容易に負荷を抑えられる。従って、画像の表示に係る負荷を抑えて、対象の画像を使用者に視認させることができる。
本発明によれば、表示対象の画像の高解像度化や拡大等の処理を伴わず、若しくは、処理の負荷を抑えられる。さらに、画像を表示部に転送する転送速度を抑えられる。また、非画像領域を生成する処理、非画像領域を単純化すれば容易に負荷を抑えられる。従って、画像の表示に係る負荷を抑えて、対象の画像を使用者に視認させることができる。
以下、図面を参照して本発明を適用した第1の実施形態について説明する。
図1は、頭部装着型表示装置100の外観構成を示す説明図である。頭部装着型表示装置100は、頭部に装着する表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)とも呼ばれる。本実施形態の頭部装着型表示装置100は、使用者が、虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過型の頭部装着型表示装置である。なお、本明細書では、頭部装着型表示装置100によって使用者が視認する虚像を便宜的に「表示画像」とも呼ぶ。また、画像データに基づいて生成される画像光を射出することを「画像を表示する」ともいう。
調光板は右光学像表示部26および左光学像表示部28に対し着脱可能としてもよく、複数種類の調光板を交換して装着可能としてもよいし、省略してもよい。
図2に示すように、制御装置10は、制御部140と、操作部135と、入力情報取得部110(受付部)と、記憶部120と、電源130と、インターフェイス180と、送信部(Tx)51および送信部(Tx)52と、を有している。
操作部135は、使用者による操作を検出する。操作部135は、図1に示した決定キー11、表示切替キー13、トラックパッド14、輝度切替キー15、方向キー16、メニューキー17、電源スイッチ18の各部を備える。
電源130は、頭部装着型表示装置100の各部に電力を供給する。電源130としては、例えば二次電池を利用できる。
制御部140は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMまたは記憶部120に記憶されたプログラムを実行することにより、頭部装着型表示装置100の各部を制御する。制御部140は、上記プログラムを実行することにより、頭部装着型表示装置100の基本制御システムであるオペレーティングシステム(ОS)150として機能する。また、制御部140は、上記プログラムを実行して、画像処理部160、分割制御部164、音声処理部170、及び表示制御部190として機能する。これらの機能はオペレーティングシステム150の一部であってもよいし、オペレーティングシステム150上で動作するアプリケーションプログラムの機能であってもよい。
なお、画像処理部160は、必要に応じて、画像データに対して、解像度変換処理、輝度、彩度の調整といった種々の色調補正処理、キーストーン補正処理等の画像処理を実行してもよい。
分割表示は、コンテンツの画像を分割し、右表示駆動部22と左表示駆動部24に、分けて表示する方法である。分割表示の実行時には、分割制御部164が画像の分割状態や分割した画像の表示位置を制御し、この制御に従って画像処理部160が画像を分割して表示する。画像処理部160が、コンテンツの画像から右眼用画像データ及び左眼用画像データを生成する処理で、複製による画像データのデータ量の増加を抑えることができるため、処理負荷を軽減できる。分割表示の詳細については後述する。
GPS115は、アンテナ(図示略)を備え、GPS(Global Positioning System)信号を受信し、制御装置10の現在位置を求める。GPS115は、GPS信号に基づいて求めた現在位置や現在時刻を制御部140に出力する。また、GPS115はGPS信号に含まれる情報に基づいて現在時刻を取得し、制御装置10の制御部140が計時する時刻を修正させる機能を備えていてもよい。
通信部117は、無線LAN(WiFi(登録商標))やBluetooth(登録商標)規格に準じた無線データ通信を実行する。
ここで、画像供給装置OAを無線通信回線により制御装置10に接続することも可能である。この場合、画像供給装置OAは、通信部117と無線通信を実行して、コンテンツのデータをMiracast(登録商標)等の無線通信技術により送信する。
なお、左バックライト制御部202と、左LCD制御部212と、左バックライト222と、左LCD242と、を総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。また、左投写光学系252は、左LCD242から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。左光学像表示部28としての左導光板262は、左投写光学系252から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の左眼LEに導く。なお、左投写光学系252と左導光板262とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
分割制御部164は、インターフェイス180または通信部117でコンテンツが入力され、操作部135の操作によりコンテンツの表示が指示されると、画像処理部160及び表示制御部190を制御して、分割表示を開始する(ステップS11)。
ここで、通常の画像の表示を実行するか、分割表示を実行するかは、予め設定される。また、分割制御部164は、画像供給装置OAから入力されるコンテンツの画像について、アスペクト比、表示サイズまたは表示解像度、表示リフレッシュレート等の属性を判定し、判定した属性に合わせて、分割表示を実行するか否かを判定してもよい。また、判定した属性に対応付けて自動的に判定を行ってもよいし、属性が、使用者が設定した条件に該当する場合に分割表示を実行してもよい。さらに、分割表示を実行するか否かを選択する入力操作を、使用者が実行可能なようにしてもよい。
続いて、分割制御部164が、例えば記憶部120に記憶された設定データ123を参照して、画像の分割に関する設定を取得する(ステップS13)。設定データ123は、画像処理部160が取得したコンテンツの画像データの分割の態様について設定するデータである。画像データの分割の態様は、縦(垂直方向)半分、横(水平方向)半分、横ライン単位、縦ライン単位、ドット単位など、各種の態様があり、分割した各データの重複部を設けてもよいし、マーカーを付してもよい。分割の態様については図4〜図9に具体例を挙げて後述する。なお、マーカーとは、例えばバーコード等の1次元コード、QRコード(登録商標)等の2次元コード、或いはその他の機械認識可能なマーカー等が挙げられ、情報を含むものであっても含まないものであってもよい。
その後、画像処理部160は、右眼用画像データを送信部51を介して右表示駆動部22に送信し、左眼用画像データを送信部52を介して左表示駆動部24に送信し、右眼用の画像と左眼用の画像とを表示させる(ステップS16)。
図4は、縦方向(上下方向、高さ方向、垂直方向)における所定位置で画像を分割する例を示す図である。図4(A)は分割前のコンテンツの画像(分割前画像)350を示し、(B)は分割された一方の画像(分割画像)351を示し、(C)は分割された他方の画像(分割画像)353を示す。図4(D)は分割画像351をもとにした左眼用画像352を示し、図4(E)は分割画像353をもとにした右眼用画像354を示す。
分割画像351は分割前画像350の上半分に相当する。分割画像351は、縦方向の解像度(画素数)が分割前画像350の半分であるため、画像処理部160は、分割画像351をもとに左眼用画像352(第1画像)を出力する。左眼用画像352は、画像領域352Aと、疑似画像領域352Bとで構成される。画像領域352Aは分割画像351であり、疑似画像領域352Bは縦方向の解像度を調整するために画像処理部160が追加するダミーのデータである。
また、画像処理部160は、分割画像353をもとに右眼用画像354(第2画像)を出力する。右眼用画像354は、画像領域354Aと、疑似画像領域354Bとで構成される。画像領域354Aは分割画像353であり、疑似画像領域354Bは、縦方向の解像度を調整するために画像処理部160が追加するダミーのデータである。
表示サイズが大きい場合、画像領域352A、354Aが見えるほか、疑似画像領域352B、354Bが明瞭に視認される。このため、疑似画像領域352B、354Bが目立つことで、画像領域352A、354Aがぼやけて見える傾向がある。また、表示サイズが大きいほど左眼用画像352及び右眼用画像354が明るく見えることが判明した。これは、左眼用画像352及び右眼用画像354の光量が多いためだと考えられる。
これに対し、表示サイズが小さい場合には、疑似画像領域352B、354Bが目立ちにくく、画像領域352A、354Aが明瞭に見える傾向があった。また、画像領域352A、354Aのずれが小さく、正しく重ね合わされた状態で分割前画像350を視認することができたが、表示サイズが小さいほど認識される画像が暗くなった。
このことから、左眼用画像352及び右眼用画像354の表示サイズは小さい方が好ましく、例えば、右光学像表示部26、左光学像表示部28の表示可能領域に対し、縦方向及び横方向のいずれにも半分以下のサイズであると、好ましい。
例えば、画像処理部160は、記憶部120のDRAMから分割前画像350を読み出し、上半分を分割画像351としてDRAM上に書き出し、下半分を分割画像353としてDRAM上に書き出す。続いて、画像処理部160は、DRAM上の分割画像351に、疑似画像領域352Bを構成するダミーデータを付加して、左眼用画像352を生成する。同様に、画像処理部160は、DRAM上の分割画像353にダミーデータを付加して右眼用画像354を生成する。この場合、DRAM上には左眼用画像352及び右眼用画像354の画像データが記憶される。画像処理部160は、DRAMから左眼用画像352及び右眼用画像354を読み出して、送信部51、52により出力する。
また、画像処理部160は、疑似画像領域354Bに相当する量のダミーデータを送信部51に出力し、このダミーデータの出力の後に、分割前画像350の中央位置から下半分のデータを読み出して、送信部51に出力する。この処理で画像処理部160が送信部51に出力するデータは、図4(E)に示す右眼用画像354のデータと同じものである。
このように、DRAM上に左眼用画像352及び右眼用画像354の画像データを実際に記憶しなくても、分割前画像350を分割し、分割した分割画像351、353をもとに左眼用画像352及び右眼用画像354を出力する動作を実現できる。
さらに、画像処理部160が、送信部51に出力するデータと送信部52に出力するデータとを並列的に処理し、出力するプロセッサーを備えている場合、分割前画像350の上半分に係る処理と下半分に係る処理とを並列して実行できる。このとき、各処理でDRAMから読み出すデータは別のデータであるため、DRAM上の同一アドレスに対する処理が衝突、競合することはなく、競合調整の処理の必要性は低い。このため、分割前画像350の全体を送信部51と送信部52の各々に出力する場合に比べて、制御部140全体の処理の負荷を軽減できる。
この場合、画像処理部160が出力する単位時間あたりの画像データ量を抑えることができ、より一層、処理の負荷を軽減できる。左光学像表示部28と右光学像表示部26が画像を表示するタイミングが異なるが、表示される画像のフレーム周波数が極端に低くない場合(例えば、数フレーム〜数十フレーム/秒)、使用者が知覚する残像が重ね合わされる。このため、使用者が、右光学像表示部26の表示画像と左光学像表示部28の表示画像を重ね合わせて、分割前画像350を認識できる。
左眼用画像355及び右眼用画像356は、いずれも、重ね位置マークM(指標)が含まれている。図4(F)、(G)の例では、重ね位置マークMが画像の中央に配置されているが、左眼用画像355における重ね位置マークMの位置と、右眼用画像356における重ね位置マークMの位置とは同じ位置である。つまり、左眼用画像355及び右眼用画像356は、右光学像表示部26、左光学像表示部28で表示される表示サイズが同一に設定され、共通する位置に重ね位置マークMを含む。この場合、重ね位置マークMは、使用者の右眼と左眼の両方に見える。このため、左眼用画像355と右眼用画像356の画像領域を合成するときの位置合わせの目安、或いは基準として機能するので、使用者は重ね位置マークMを基準として、無理なく左右の眼に見える画像を合成して、分割される前の分割前画像350を認識できる。
左眼用画像355及び右眼用画像356における重ね位置マークMの表示位置、及び、重ね位置マークMの表示サイズは、分割制御部164が設定し、画像処理部160に重ね位置マークMを表示させる。分割制御部164は、記憶部120に予め記憶される重ね位置マークMの画像を読み出して、画像処理部160により、重ね位置マークMを指定した位置及びサイズで表示させる。
また、例えば、画像処理部160が、分割制御部164の制御により、重ね位置マークの表示色と輝度を調整可能とし、左眼用画像355及び右眼用画像356の色に対応して、重ね位置マークの表示色と輝度を決めてもよい。重ね位置マークが複数の図形等で構成される場合、これら複数の図形等の表示形態を異ならせてもよい。
画像処理部160は、分割画像357、359をもとに、左眼用画像358及び右眼用画像360を生成して、送信部51、52に出力する。
また、右眼用画像360の右半分は、分割画像359を含む画像領域360Aであり、左半分が疑似画像領域360Bである。疑似画像領域360Bは、疑似画像領域352B、354Bと同様に、画像処理部160が付加するダミーデータで構成される。右眼用画像360における画像領域360Aの位置、及びサイズは、分割前画像350における分割画像359と同じである。
すなわち、左光学像表示部28及び右光学像表示部26のそれぞれが、左眼用画像358及び右眼用画像360を表示した場合、使用者には分割前画像350が認識される。分割前画像350を分割することにより、画像処理部160が分割前画像350の全体を送信部51と送信部52の各々に出力する場合に比べて、制御部140全体の処理の負荷を軽減できる。
左眼用画像358の疑似画像領域358Bは、右眼用画像360の画像領域360Aと同じサイズ、同じ画素数となっており、疑似画像領域360Bは、画像領域358Aと同じサイズ、同じ画素数となっている。このため、使用者の脳の働きにより画像を合成する際に、画像とダミーデータとが重ね合わされるので、自然に画像の重ね合わせがなされ、無理なく、使用者は分割前画像350を認識できる。
また、分割前画像350の左半分である分割画像357は、左眼用画像358の左半分の画像領域358Aとなっており、分割前画像350の右半分である分割画像359は、右眼用画像360の右半分である画像領域360Aとなっている。このため、使用者は、より自然に画像を重ね合わせて分割前画像350を認識できる。
また、左光学像表示部28の表示可能領域における左眼用画像358の表示位置と、右光学像表示部26の表示可能領域における右眼用画像360の表示位置とは、同じ位置にすることが望ましい。さらに、左光学像表示部28の表示可能領域における左眼用画像358の表示サイズと、右光学像表示部26の表示可能領域における右眼用画像360の表示サイズも、同じサイズであると、より好ましい。この場合、使用者が左右の眼の視野を合成して分割前画像350を認識しやすいという利点がある。
図6は、図5と同様に横方向(水平方向)における所定の位置で画像を分割する例を示す図であり、図6(A)は分割前画像350を示し、(B)は分割画像361を示し、(C)は分割画像363を示す。図6(D)は分割画像361をもとにした左眼用画像362を示し、図6(E)は分割画像363をもとにした右眼用画像364を示す。図6(A)〜(E)中の一点鎖線は、分割前画像350の横方向における中央位置を示す。
画像処理部160は、分割画像361、363をもとに、左眼用画像362及び右眼用画像364を生成して、送信部51、52に出力する。
また、右眼用画像360の右半分は、分割画像359を含む画像領域360Aであり、左半分が疑似画像領域360Bである。疑似画像領域360Bは、疑似画像領域352B、354Bと同様に、画像処理部160が付加するダミーデータで構成される。右眼用画像360における画像領域360Aの位置、及びサイズは、分割前画像350における分割画像359と同じである。
ここで、左眼用画像362は左眼用画像358とは異なり、分割前画像350の中央より右側の部分を含んでいる。また、右眼用画像364も同様に、右眼用画像360とは異なり、分割前画像350の中央より左側の部分を含む。つまり、画像領域362Aと画像領域364Aとは重複する部分がある。
また、疑似画像領域362B、364Bの表示色が画像領域362A、364Aに比べて明るい色である場合、或いは、画像領域362A、364Aと同等の輝度である場合は、画像領域362A、364Aが重なる重複領域の明るさは、重複領域以外と同等になる可能性がある。この場合には、上記の違和感を生じるおそれは小さい。
従って、画像処理部160は、設定されている疑似画像領域362B、364Bの色を判定し、この色に応じて、重複領域の輝度を調整する必要の有無を判別してもよい。そして、調整が必要と判別した場合に、上記のように重複領域の画像データの輝度を調整する処理を行って、画像データを右表示駆動部22、左表示駆動部24に出力してもよい。
また、重複部分が大きくなるほど、画像処理部160は処理する画像は、分割前画像350の2つ分に近づく。つまり、分割前画像350を分割して左眼用画像と右眼用画像を生成することの効果が薄れる。従って、重複部分の大きさは、使用者が画像を重ね合わせる指標としての効果が得られる程度の大きさを有し、かつ、小さい方が好ましい。
図7は、分割前画像350を、縦方向における複数の位置で分割する例を示す図である。図7(A)は複数の分割画像片371Aで構成される分割画像371を示し、(B)は複数の分割画像片373Aで構成される分割画像373を示す。図7(C)は分割画像371をもとにした左眼用画像372を示し、図7(D)は分割画像373をもとにした右眼用画像374を示す。
左眼用画像372の疑似画像領域372Bは、右眼用画像374の画像領域374Aと同数の画像片で構成され、各画像片は同サイズ、同画素数となっている。また、疑似画像領域374Bは画像領域372Aと同数の画像片で構成され、各画像片は同サイズ、同画素数である。
すなわち、使用者には左眼用画像372及び右眼用画像374を重ね合わせた分割前画像350が認識される。そして、分割前画像350を分割することにより、画像処理部160が分割前画像350の全体を送信部51と送信部52の各々に出力する場合に比べて、制御部140全体の処理の負荷を軽減できる。
さらに、分割前画像350を横方向のラインを単位として分割するので、分割された分割画像371、373では、分割画像片371A、373Aの数を多くすることができる。この場合、分割画像371、373はいずれも分割前画像350の上部から下部までを含んでいるので、左眼用画像372及び右眼用画像374は、一方だけでも分割前画像350に近い画像を使用者に認識させる。使用者は、両方の眼で分割前画像350に近い画像を視認できるので、使用者の違和感を軽減できる。
図8(A)は複数の分割画像片375Aで構成される分割画像375を示し、(B)は複数の分割画像片377Aで構成される分割画像377を示す。図8(C)は分割画像375をもとにした左眼用画像376を示し、図8(D)は分割画像377をもとにした右眼用画像378を示す。
図9(A)は複数の分割画像片379Aで構成される分割画像379を示し、(B)は複数の分割画像片381Aで構成される分割画像381を示す。図8(C)は分割画像379をもとにした左眼用画像380を示し、図8(D)は分割画像381をもとにした右眼用画像382を示す。
また、左眼用画像380の疑似画像領域380Bは、右眼用画像382の画像領域382Aと同数の画像片を有し、各画像片は同サイズ、同画素数となっている。疑似画像領域382Bは、画像領域380Aと同数の画像片を有し、各画像片は同サイズ、同画素数となっている。
図10は、頭部装着型表示装置100の動作を示すフローチャートであり、特に、重ね位置マークMのサイズを変化させる動作を示す。また、図11は重ね位置マークMの表示サイズの変化を示す図であり、図11(A)及び(B)は重ね位置マークMの表示サイズが大きい状態を示す。また、図11(C)及び(D)は重ね位置マークMの表示サイズを縮小した状態を示し、図11(E)及び(F)は異なる形状の重ね位置マークMを表示した状態を示す。
使用者が画像(映像を含む)を見始めるときには、左眼用画像355及び右眼用画像356を一つの画像として認識する見方に慣れていないため、重ね位置マークMは有効に機能する。しかし、画像を見続けるうちに使用者が慣れてくると、左眼用画像355及び右眼用画像356の位置合わせの指標として、重ね位置マークMの必要性は小さくなる。
分割制御部164は、画像表示部20による画像の表示を開始すると(ステップS21)、重ね位置マークMを、予め設定された最大サイズで、画像処理部160により表示させる(ステップS22)。その後、分割制御部164は、重ね位置マークMの表示状態を継続した時間を監視し、予め設定された時間に達したか否かを判定する(ステップS23)。設定された時間に達した場合(ステップS23;YES)、分割制御部164は、重ね位置マークMの表示サイズを縮小し、画像処理部160により、重ね位置マークMの表示を更新させる(ステップS24)。つまり、重ね位置マークMを表示する時間が経過する毎に、重ね位置マークMが縮小される。
ここで、図11(C)及び(D)に示すように、重ね位置マークMが縮小されると、画像領域352Aと画像領域354Aの視認性に対する重ね位置マークMの影響が小さくなり、使用者は表示対象の分割前画像350を見やすくなる。
図12は、頭部装着型表示装置100の動作を示すフローチャートであり、特に、表示位置調整の動作を示す。また、図13は表示位置調整の動作において頭部装着型表示装置100が表示する画像の例を示す図である。図13(A)は使用者が知覚する画像を模式的に示す合成画像391であり、図13(B)及び(C)は表示位置調整における表示例を示す。
分割制御部164は、例えば操作部135の操作に応じて表示位置の調整を開始し(ステップS41)、表示位置の調整を行うための調整用画像データを記憶部120から取得する(ステップS42)。調整用画像データは、例えば図13(B)、(C)に示した矢印等を含む。分割制御部164は、画像処理部160により調整用画像データに基づく画像を表示させ(ステップS43)、ここで、使用者が表示位置の移動の指示を入力する(ステップS44)。分割制御部164は、指示入力に応じて、右LCD241及び左LCD242における表示位置を変更し(ステップS45)、表示位置の調整が完了したか否かを判定する(ステップS46)。
分割制御部164は、例えば、操作部135により調整完了の指示が入力された場合に、調整が完了したと判定する(ステップS46;YES)。分割制御部164は、調整用の画像の表示を終了するとともに、ステップS45の移動後の表示位置を、右LCD241と左LCD242のそれぞれについて取得して、設定データ123に記録し(ステップS47)、本処理を終了する。また、調整が完了していないと判定した場合(ステップS46)、分割制御部164はステップS44に戻り、移動の指示を受け付ける。
図14には、図8を参照して説明した複数の分割画像片375Aで構成される左眼用画像376(図14(A))、及び、複数の分割画像片377Aで構成される右眼用画像378(図14(B))を表示する場合の動作を示す。
ここで、画像処理部160は、右LCD制御部211及び左LCD制御部212に、2ラインを単位とし、ラインの先頭位置から画像信号を送信することができる。この場合、左LCD制御部212は、図14(B)に示すように、左LCD242の表示可能領域242Aの端部から、画像領域376Aを、縦方向の2ラインずつ描画する。右LCD制御部211は、図14(C)に示すように、右LCD241の表示可能領域241Aの端部から、画像領域378Aを、縦方向の2ラインずつ描画する。
また、非画像領域は、分割された画像とは異なる疑似画像を含む疑似画像領域とすることができる。
表示位置を調整する動作において、分割制御部164は、右光学像表示部26における右眼用画像が有する画像領域の表示位置、及び、左光学像表示部28における左眼用画像が有する画像領域の表示位置のうち、少なくとも一方を変更すればよい。また、必要に応じて、右光学像表示部26における右眼用画像が有する画像領域の表示位置、及び、左光学像表示部28における左眼用画像が有する画像領域の表示位置の両方を変更してもよい。
疑似画像領域の表示形態は、疑似画像領域を一様の色で構成する場合の表示色に限らず、疑似画像領域の色合い、輝度であってもよい。上記の例ではダミーデータの色が無彩色であるため、使用者が分割画像351、353を合成して分割前画像350を認識する妨げとはならない。しかしながら、疑似画像領域の色を有彩色としてもよい。この場合、使用者が視認する分割前画像350の色合いを、疑似画像領域の色の影響で変化させることができる。
さらに、疑似画像領域352B、354Bの輝度が低い場合は、この疑似画像領域352B、354Bに重なる位置に外景が見えやすいので、使用者には外光が知覚される。これに対し、疑似画像領域352B、354Bの輝度が高いと、外景が透過しにくいので、使用者は外景の影響を受けることなく分割前画像350を視認できる。
なお、疑似画像領域の表示形態は一定でなくてもよく、変化させてもよい。この場合、画像処理部160は、表示する分割前画像350の輝度や色調の変化に合わせて、疑似画像領域の表示形態(色、輝度、色調など)を変化させてもよい。或いは、分割前画像350が変化しない場合に、時間の経過に伴い、疑似画像領域の表示形態を変化させてもよい。
また、画像処理部160は、図7〜図9を参照して説明したように、左眼用画像及び右眼用画像の各々に、複数の画像領域と複数の疑似画像領域とを配置してもよい。この場合、左眼用画像と右眼用画像とが、より複雑な形状で組み合わされて、使用者に表示対象の画像を視認させる。このため、例えば使用者が視認しやすい形状で表示対象の画像を分割して、画像を表示できる。
また、上記頭部装着型表示装置100において、画像処理部160は、図4(F)、(G)を参照して説明したように、左眼用画像及び右眼用画像の共通する位置に所定の指標(重ね位置マークM)を含ませてもよい。さらに、左光学像表示部28及び右光学像表示部26の表示サイズを等しくしてもよい。この場合、共通の位置に指標が配置されるため、右光学像表示部26が表示する画像と左光学像表示部28が表示する画像との対応が明確になる。使用者は、2つの表示部の画像から1つの表示対象の画像を認識しやすいという利点がある。
この構成では、左眼用画像及び右眼用画像の画像領域の表示色、表示輝度または画像全体の光量を調整することで、左眼用画像と右眼用画像の見え方を調整できる。例えば、外光の光量に合わせて輝度または光量を調整し、外景よりも表示対象の画像を見やすくすることも、外景を見やすくすることもできる。
さらに、左眼用画像及び右眼用画像に含まれる疑似画像領域の色及び/又は明るさを調整することで、左眼用画像と右眼用画像の見え方を調整できる。例えば、外光の光量が高い場合に、疑似画像領域の輝度を高くして、表示対象の画像を明るく見せることができる。また、例えば、外光の光量が低い場合に疑似画像領域の輝度を低くして、表示対象の画像を暗くし、外景に合わせて見やすくすることができる。反対に、外光の光量が低い場合に疑似画像領域の輝度を高くして、表示対象の画像を目立たせることもできる。
図15は、第2の実施形態の頭部装着型表示装置100Aの機能的構成を示すブロック図である。また、図9は、頭部装着型表示装置100Aが備える画像表示部20Aの要部構成を示す図であり、(A)は画像表示部20Aを使用者の頭部側から見た要部斜視図、(B)は視線方向の説明図である。
本第2の実施形態では、使用者の視線を検出する機能、及び、使用者の視線方向に位置する対象物に対応するAR表示を行う機能を備えた頭部装着型表示装置100Aについて説明する。本第2の実施形態において、第1の実施形態と同様に構成される各部については同符号を付して説明を省略する。
図16(A)に示す261A,262Aは、それぞれ、右導光板261及び左導光板262に形成されたハーフミラーであり、外景を透過可能に画像を表示する表示領域に相当する。ハーフミラー261A、262Aは、上記第1の実施形態の画像表示部20においても同様に存在する。
例えば、図16(B)に示すように、距離センサー64は、使用者の右眼REの視線RDと左眼LEの視線LDとの先にある対象物OBまでの距離を検出する。この場合、距離センサー64が検出を行う方向64Aは、画像表示部20Aの正面である。
本実施形態の距離センサー64の測定方向は、頭部装着型表示装置100Aの表側方向であり、カメラ61の撮像方向と重複する。
図17は、頭部装着型表示装置100Aの動作を示すフローチャートであり、視線方向に対応して表示対象の画像を分割する境界位置を調整する動作を示す。図18は、図17に示す動作の説明図であり、(A)、(B)及び(C)は視野特性を示し、(A)は水平方向の視野を示し、(B)は垂直方向の視野を示し、(C)は視線方向を示す直線に垂直な面における視野の分布を示す。また、図18(D)、(E)、(F)、(G)は分割画像の態様を示す。
有効視野V2は、眼球運動だけで瞬時に情報受容ができる領域であり、その範囲は、視線方向を中心として、水平方向(図中X2)におよそ±30°垂直方向(図中Y2)におよそ±20°とされる。また、安定注視野V3は、眼球・頭部運動により無理なく注視できる範囲であり、効果的な情報受容ができる領域とされる。安定注視野V3の範囲は、視線方向を中心として、水平方向(図中X3)におよそ±60〜90°、垂直方向(図中Y3)におよそ±45〜70°とされる。
ステップS62で表示される利き目設定用画像は、使用者が、利き目が右眼であるか左眼であるかを容易に自分で判別できるような画像である。この利き目設定用画像は、右光学像表示部26及び左光学像表示部28を透過して視認される外景を利用して、利き目を判定できる画像であってもよい。また、利き目を判定するために使用者に片目を閉じるよう案内するメッセージや画像を含んでもよい。
分割制御部164は、視線センサー68による視線の検出を実行する(ステップS66)。ステップS66で、分割制御部164は、視線センサー68が検出する使用者の利き目の視線方向のみに基づいて視線方向を特定してもよい。また、利き目の視線方向が優先されるように、視線センサー68が検出する右眼REの視線方向RD、及び、左眼LEの視線方向LDに基づいて、視線方向を求めてもよい。
人間の利き目は注視する方向によって変化することがあるので、分割制御部164は、ステップS66で視線を検出した場合に、検出した視線方向から求められる注視方向が、設定データ123で設定された利き目とは逆側である場合に、設定データ123で設定される利き目と逆側の目を利き目としてS67〜S68の処理を行ってもよい。例えば、設定データ123により右眼が利き目として設定され、ステップS66で検出した視線方向が使用者の視界の左半分に属する場合、左眼を利き目として、ステップS67〜S68の処理を行ってもよい。
このように、視線方向に対応して重畳領域W1の位置及びサイズを調整することにより、使用者の視野における弁別視野V1が重畳領域W1に含まれるように画像を表示できる。このため、使用者は、重畳領域W1を明瞭に視認できるとともに、使用者の視機能が発揮されにくい安定注視野V3等においては、画像を左右に分割することで処理負荷を軽減できる。
分割制御部164は、使用者が画像表示部20Aを透過して視認する対象物に対応して、ARコンテンツを表示するAR表示を行う。対象物は外景に含まれる物体、人、動物、或いは遠景である。分割制御部164は、AR表示で、この対象物に対応する位置に画像や文字等を表示することで、対象物に関する情報を提供し、或いは、画像表示部20A越しに見える対象物の姿の見え方を変える。ARコンテンツは、対象物に対応する位置に表示される画像や文字のデータを含む。また、ARコンテンツに、対象物を特定するデータ、及び、画像や文字の表示位置に関するデータ等を含んでもよい。ARコンテンツのデータは、例えば記憶部120に記憶される。
分割制御部164は、使用者の視界に位置する対象物を検出する。そして、AR表示制御部186は、検出した対象物に対応するARコンテンツの表示位置を決定し、ARコンテンツを表示する。ARコンテンツは、使用者が対象物を視認する位置に重なるように、或いは、対象物を視認する位置に合わせて、表示することが望ましい。このため、分割制御部164は、対象物の位置を特定するが、特定の方法は、例えばカメラ61の撮像画像データから対象物の画像を検出する方法等がある。本実施形態で、分割制御部164は、使用者の視線方向に対象物があると推定し、使用者の視線方向に存在する物体までの距離を距離センサー64で検出することで、対象物が位置する方向と距離を得る。
以下、MEMSミラーを採用した構成について、第3の実施形態として説明する。
図20は、本発明を適用した第3の実施形態の頭部装着型表示装置100Bの機能的構成を示すブロック図である。
頭部装着型表示装置100Bは、上記第1及び第2の実施形態で説明した制御装置10に、画像表示部20Bを接続して構成される。画像表示部20Bは、第1の実施形態の画像表示部20、及び、第2の実施形態で説明した画像表示部20Aが備える右表示駆動部22及び左表示駆動部24を、右表示駆動部22A及び左表示駆動部24Aに置き換えた構成を有する。
光源401は、例えばレーザー光源(図示略)を備え、赤(R)、緑(G)、青(B)の色光を合成した合成光を出射する。右光源駆動部402は、光源401に駆動電流を供給して、光源401を点灯させる。
ミラー403は、光源401が光を放射する放射部に向けて配置され、光源401の出射光を反射する。MEMSスキャナー404は、ミラー403を動かして傾きを制御することにより、ミラー403の反射光の光路を変化させる。MEMSスキャナー404の動作により、ミラー403の反射光は右導光板261のハーフミラー261A(図16(A))に照射される。また、MEMSスキャナー404はミラー403を高速で駆動することにより、ミラー403の反射光を、ハーフミラー261A上で2次元的に走査(掃引)できる。このため、ハーフミラー261Aに、ミラー403の反射光により像を形成し、使用者に画像を見せることができる。
ミラー駆動制御部405は、受信部53で受信した制御データに基づき、MEMSスキャナー404の動きを制御する。
光源411は、例えばレーザー光源(図示略)を備え、赤(R)、緑(G)、青(B)の色光を合成した合成光を出射する。左光源駆動部412は、光源411に駆動電流を供給して、光源411を点灯させる。
ミラー413は、光源401が光を放射する放射部に向けて配置され、光源411の出射光を反射する。MEMSスキャナー414は、ミラー413を動かして傾きを制御することにより、ミラー413の反射光の光路を変化させる。MEMSスキャナー414の動作により、ミラー413の反射光は左導光板262のハーフミラー262A(図16(A))に照射される。また、MEMSスキャナー414はミラー413を高速で駆動することにより、ミラー413の反射光を、ハーフミラー262A上で2次元的に走査できる。このため、ハーフミラー262Aに、ミラー413の反射光により像を形成し、使用者に画像を見せることができる。
ミラー駆動制御部415は、受信部54で受信した制御データに基づき、MEMSスキャナー414の動きを制御する。
この構成において、ハーフミラー261A、262Aは反射部として機能する。
図21(A)に例示するように、画像表示部20Bは、レーザーが発した画像光を走査することで画像を表示する。例えば、ハーフミラー261Aにおいては、画像光は、軌跡405Aに示すように水平方向に走査される。詳細には、画像光は、ハーフミラー261Aを水平方向に移動し、ハーフミラー261Aの端で折り返して斜め下方に移動し、再び水平方向に移動する。このため、軌跡405Aの両端には、折り返し部405Bが発生する。この折り返し部405Bの発生に対応するため、ハーフミラー261Aでは、折り返し部405Bを含まない範囲が表示可能領域261Cとなる。図示はしないが左導光板262に左表示駆動部24Aが表示する場合も同様である。
図22は画像の表示例を示し、(A)は分割前画像350を示し、(B)及び(C)は分割画像を示す。分割画像395は、使用者の左眼に視認させる左眼用の分割画像片395Aと、ダミーデータからなる疑似画像領域395Bとを含む。また、分割画像396は、使用者の右眼に視認させる右眼用の分割画像片396Aと、ダミーデータからなる疑似画像領域396Bとを含む。
この場合、右表示駆動部22Aは、図23(C)に示すように、ミラー403の反射光を水平方向に掃引することが好ましい。左表示駆動部24Aも同様である。
分割制御部164は、記憶部120から表示対象の画像データを取得し(ステップS101)、画像を分割する境界位置を決定する(ステップS102)。次に、分割制御部164は、ステップS102で決定した境界位置に、折り返し部405Bのように表示できない非描画部を加味して、分割画像のサイズを決定する(ステップS103)。ステップS103で決定されるサイズは、拡大率や縮小率を示すものではなく、分割画像に設けられる重畳領域の大きさに関するサイズである。また、ステップS103では、分割する境界位置を変更してもよい。
さらに、頭部装着型表示装置100Bは、光源401、右光源駆動部402、ミラー403を備えるMEMSスキャナー404、及びミラー駆動制御部405を有する右表示駆動部22Aを具備する。また、光源411、左光源駆動部412、ミラー413を有するMEMSスキャナー414、及びミラー駆動制御部415を有する左表示駆動部24Aを具備する。そして、頭部装着型表示装置100Bは、MEMSスキャナー404、414が画像光を走査する振幅に対応する分割画像を生成して、画像表示部20Bにより表示する。例えば、分割制御部164は、画像処理部160を制御して、画像光の走査における折り返し部405Bを加味して分割画像を生成する。このため、画像光の掃引により画像を表示する構成において、分割画像が良好に視認されるように、表示を制御できる。
例えば、上記実施形態では、矩形の分割前画像350を分割して表示する例について説明したが、表示する画像のサイズ、形状、画素数、カラー画像か白黒画像かの種別、及び、動画像か静止画像かについて限定されない。
また、上記各実施形態において、右眼用画像と左眼用画像とにおける分割領域とを、1フレーム毎など、所定時間ごとに切り替える構成としてもよい。この場合、所定の時間毎に1つの分割前画像を左右の眼に視認させることができるので、画像の視認性を高める効果が期待できる。
また、制御装置10に設けられた方向キー16やトラックパッド14の一方を省略したり、方向キー16やトラックパッド14に加えてまたは方向キー16やトラックパッド14に代えて操作用スティック等の他の操作用インターフェイスを設けたりしてもよい。また、制御装置10は、キーボードやマウス等の入力デバイスを接続可能な構成であり、キーボードやマウスから入力を受け付けるものとしてもよい。
また、カメラ61の撮像画像やCGを利用して、MR表示やVR表示を行う構成は、外光とともに画像を視認させる表示装置に限らず、各種の表示装置に適用可能であり、例えば外景を視認できない状態で画像を表示する表示装置にも適用可能である。具体的には、カメラ61の撮像画像、この撮像画像に基づき生成される画像やCG、予め記憶された映像データや外部から入力される映像データに基づく映像等を表示する表示装置に、本発明を適用できる。この種の表示装置としては、外景を視認できない、いわゆるクローズ型の表示装置を含むことができる。また、AR表示、MR表示、或いはVR表示といった処理を行わず、外部から入力される映像データまたはアナログ映像信号を表示する表示装置も、本発明の適用対象として勿論含まれる。
また、制御装置10と画像表示部20とが、より長いケーブルまたは無線通信回線により接続され、制御装置10として、ノート型コンピューター、タブレット型コンピューターまたはデスクトップ型コンピューター、ゲーム機や携帯型電話機やスマートフォンや携帯型メディアプレーヤーを含む携帯型電子機器、その他の専用機器等を用いてもよい。
Claims (20)
- 使用者の左眼に対応して画像を表示する第1表示部、及び、使用者の右眼に対応して画像を表示する第2表示部と、
表示対象の画像(左眼用の画像と右目用の画像が多重化された多重化画像を除く)を分割し、分割された画像を含む第1画像及び第2画像を、前記第1及び第2表示部に出力する画像処理部と、を備え、
前記第1画像及び前記第2画像は、前記画像処理部により分割された画像で構成される画像領域と、前記分割された画像を含まない非画像領域とを含み、
前記第1画像及び前記第2画像の一方の前記非画像領域の位置は、他方の前記画像領域の位置に対応し、
前記第1画像及び前記第2画像は、前記第1表示部及び前記第2表示部で表示された場合に、使用者に前記表示対象の画像として視認される画像であり、
前記画像処理部は、前記第1画像及び前記第2画像における前記画像領域の位置を、前記表示対象の画像における前記分割された画像の位置に対応させること、
を特徴とする表示装置。 - 前記第1画像及び前記第2画像に含まれる前記非画像領域は、前記分割された画像とは異なる疑似画像を含む疑似画像領域であること、
を特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 前記第1表示部における前記第1画像の前記画像領域の表示位置、及び、前記第2表示部における前記第2画像の前記画像領域の表示位置を制御する表示状態制御部を備えること、
を特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。 - 前記使用者の入力を受け付ける受付部を備え、
前記表示状態制御部は、前記受付部により受け付けた入力に従って、前記第1表示部における前記第1画像の前記画像領域の表示位置、及び、前記第2表示部における前記第2画像の前記画像領域の表示位置の少なくともいずれかを変更すること、
を特徴とする請求項3に記載の表示装置。 - 前記使用者の視線の状態に対応して、前記第1表示部における前記第1画像の前記画像領域の表示位置、及び、前記第2表示部における前記第2画像の前記画像領域の表示位置の少なくともいずれかを制御すること、
を特徴とする請求項3または4に記載の表示装置。 - 前記使用者の視線方向を検出する視線検出部を備え、
前記表示状態制御部は、前記視線検出部で検出した視線方向に対応して、前記第1表示部における前記第1画像の前記画像領域の表示位置、及び、前記第2表示部における前記第2画像の前記画像領域の表示位置の少なくともいずれかを制御すること、
を特徴とする請求項5記載の表示装置。 - 前記表示状態制御部は、前記視線検出部で検出した前記使用者の利き目の視線方向に対応して、前記第1表示部における前記第1画像の前記画像領域の表示位置、及び、前記第2表示部における前記第2画像の前記画像領域の表示位置を制御すること、
を特徴とする請求項6記載の表示装置。 - 前記第1表示部及び前記第2表示部は、外景を透過し、前記外景とともに視認できるように前記画像を表示し、
前記表示状態制御部は、前記第1画像または前記第2画像の少なくともいずれかにおける前記非画像領域の輝度又は表示色を調整すること、を特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の表示装置。 - 前記外景に含まれる対象物を前記使用者が視認する位置に対応して、前記表示対象の画像を前記第1表示部及び前記第2表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記表示状態制御部は、前記対象物を前記使用者が視認する位置に対応して、前記第1表示部における前記第1画像の前記画像領域の表示位置、及び、前記第2表示部における前記第2画像の前記画像領域の表示位置を制御すること、
を特徴とする請求項8記載の表示装置。 - 前記画像処理部は、前記表示対象の画像から、互いに重複する部分を有する2つの画像を抽出し、これら2つの画像をそれぞれ前記第1画像及び前記第2画像の前記画像領域とすること、を特徴とする請求項3から9のいずれかに記載の表示装置。
- 前記表示状態制御部は、前記第1画像及び前記第2画像において予め設定された領域に前記画像領域および前記非画像領域を配置すること、を特徴とする請求項3から10のいずれかに記載の表示装置。
- 前記表示状態制御部は、前記第1画像及び前記第2画像の各々に、複数の前記画像領域と複数の前記非画像領域とを配置すること、を特徴とする請求項3から11のいずれかに記載の表示装置。
- 前記表示状態制御部は、前記第1画像が前記第1表示部で表示される表示サイズと前記第2画像が前記第2表示部で表示される表示サイズとを同一に設定すること、を特徴とする請求項3から12のいずれかに記載の表示装置。
- 前記表示状態制御部は、前記第1画像及び前記第2画像の共通する位置に所定の指標を配置すること、を特徴とする請求項3から13のいずれかに記載の表示装置。
- 前記表示状態制御部は、前記第1表示部及び前記第2表示部に表示する前記指標の表示サイズを変化させること、
を特徴とする請求項14に記載の表示装置。 - 前記表示状態制御部は、前記指標の表示サイズを時間の経過とともに縮小させ、前記表示対象の画像が変化した場合に、前記指標の表示サイズを拡大すること、
を特徴とする請求項14または15に記載の表示装置。 - 前記第1表示部及び前記第2表示部は、それぞれ、
光源と、前記光源からの光を2次元走査する光走査部と、
前記光走査部が2次元走査する光を前記使用者に向けて反射する反射部と、を備えて構成され、
前記表示状態制御部は、前記第1表示部及び前記第2表示部の前記光走査部が光を走査する振幅に対応する前記第1画像及び前記第2画像を、前記画像処理部から前記第1及び第2表示部に出力させること、
を特徴とする請求項3から16のいずれかに記載の表示装置。 - 前記第1表示部及び前記第2表示部は互いに異なるタイミングで前記第1画像と前記第2画像とを表示すること、を特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の表示装置。
- 第1及び第2表示部を備える表示装置の制御方法であって、
表示対象の画像(左眼用の画像と右目用の画像が多重化された多重化画像を除く)を分割し、
分割された画像に対応する第1画像及び第2画像を、前記第1及び第2表示部で表示し、
前記第1画像及び第2画像を、前記分割された画像で構成される画像領域と、前記分割された画像を含まない非画像領域とを含み、かつ前記第1画像及び前記第2画像の一方の前記非画像領域の位置が他方の前記画像領域の位置に対応する画像であり、
前記第1画像及び前記第2画像は、前記第1表示部及び前記第2表示部で表示された場合に、使用者に前記表示対象の画像として視認される画像であり、
前記第1画像及び前記第2画像における前記画像領域の位置を、前記表示対象の画像における前記分割された画像の位置に対応させること、
を特徴とする表示装置の制御方法。 - 第1及び第2表示部を備える表示装置を制御するコンピューターが実行可能なプログラムであって、
前記コンピューターを、
表示対象の画像(左眼用の画像と右目用の画像が多重化された多重化画像を除く)を分割し、分割された画像を含む第1画像及び第2画像を、前記第1及び第2表示部に出力する画像処理部として機能させ、
前記第1画像及び前記第2画像は、前記画像処理部により分割された画像で構成される画像領域と、前記分割された画像を含まない非画像領域とを含み、前記第1画像及び前記第2画像の一方の前記非画像領域の位置を、他方の前記画像領域の位置に対応させ、
前記第1画像及び前記第2画像は、前記第1表示部及び前記第2表示部で表示された場合に、使用者に前記表示対象の画像として視認される画像であり、
前記第1画像及び前記第2画像における前記画像領域の位置を、前記表示対象の画像における前記分割された画像の位置に対応させること、
を特徴とするプログラム。
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