JP6574882B2 - 自動車のフロントドア用窓ガラス及びフロントドア構造 - Google Patents

自動車のフロントドア用窓ガラス及びフロントドア構造 Download PDF

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Description

本発明は、物品とその物品上に形成された防曇膜であって、その防曇膜が紫外線遮蔽機能及び赤外線遮蔽機能の少なくとも一方を有する防曇膜を備えた防曇膜つき物品に関する。
防曇膜つき物品は、浴室、洗面所では防曇鏡として、車両の開口部では防曇窓として使用されている。防曇膜としては、吸水性樹脂を含む膜が知られている。
例えば、特許文献1には、吸水性樹脂を含む吸水層と、この層の上に形成された透水性の保護層とを備えた2層構成の防曇膜が開示されている。
特許文献2には、単層の防曇膜であって、吸水性樹脂と、コロイダルシリカ(シリカ微粒子)と、シリコンアルコキシドの加水分解物又は部分加水分解物由来のシリカとを所定比率で含む防曇膜が開示されている。
特開2001−146585号公報 特開2012−117025号公報
近年では、防曇膜つき物品に、紫外線遮蔽性や赤外線遮蔽性が求められることがある。そこで、本発明は、実用的な強度と防曇性とを有しながらも、それらの機能をさらに有する、防曇膜を備えた物品を提供することを目的とする。
本発明は、
物品と、
前記物品上に形成された有機物及び無機酸化物を含む有機無機複合防曇膜と、を備え、
前記有機物が吸水性樹脂を含み、
前記無機酸化物がシリカを含み、
前記有機無機複合防曇膜が前記吸水性樹脂を主成分とし、
前記有機無機複合防曇膜が紫外線吸収剤及び/又は赤外線吸収剤をさらに含む、防曇膜つき物品、を提供する。
本発明の防曇膜つき物品は、強度を低下させることなく、防曇性と、紫外線遮蔽機能及び赤外線遮蔽機能の少なくとも一方とを兼ね備えることが可能である。
実施例4、参照例1、参照例5及び比較例1の防曇膜つき物品の透過率を示すグラフである。 参照例3、4、5及び比較例2の防曇膜つき物品の透過率を示すグラフである。 ロボットアームと吐出部を備えたノズルフローコーターを用いて、自動車用ドアガラスに有機無機複合防曇膜形成用塗工液を塗布する工程を示す図である。 自動車の右側前方ドアに設置されるドアガラス上に、有機無機複合防曇膜形成用塗工液が接する位置の軌跡を示す図である。 ロボットアームと吐出部を備えたノズルフローコーターを用いて、自動車用ドアガラスに有機無機複合防曇膜形成用塗工液を塗布する工程を示す図である。 自動車の右側前方のドアに設置される、防曇膜が形成されたドアガラスを示す平面図である。 自動車の右側前方ドアとドアガラスを示す平面図である。 自動車のドアに設置されたガラスランと、ドアガラスの断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の説明は、本発明を特定の実施形態に制限する趣旨ではない。なお、以降の説明において、「金属化合物」における「金属」は、慣用に従い、シリコン(Si)を含む意味で使用する。
本実施形態による防曇膜つき物品は、物品と、物品上に形成された有機物及び無機酸化物を含む有機無機複合防曇膜と、を備えている。
[物品]
物品としては、その形状を問わないが、ガラス、樹脂、金属、セラミックス、それらの組み合わせ等が挙げられる。物品としては、透光性物品が好ましく、透明物品がより好ましい。透光性物品又は透明物品としては、ガラス板、樹脂板に代表される透光性又は透明基板が好ましい。基板としては、高い表面硬度を有するガラス板が好ましい。
(ガラス板)
ガラス板は、例えば、車両用、建築用及び産業用の各分野で最も一般に用いられているフロート板ガラスであってよい。ガラス板は、着色されている必要はないが、グリーン、ブロンズ等に着色されていてもよい。また、強化ガラス、合わせガラス、複層ガラス等へと処理又は加工されていてもよい。主面の形状も、平面、曲面のいずれであってもよい。板厚は、例えば1〜12mmであり、建築用としては3〜10mmが、車両用としては1〜5mmがそれぞれ好適である。ガラス板は、フロート板ガラスのような透明なガラスに限らず、透光性は有するが透明ではない擦りガラスであってもよい。擦りガラスの表面に防曇膜を形成することにより、透明となることもある。
ガラス板が車両用窓ガラスに用いられる場合、車両の意匠性の向上のために、車両用窓ガラスの周縁部にはセラミック遮蔽層が形成されることがある。セラミック遮蔽層は、窓ガラスを車両本体に接合する接着剤、発泡材等の樹脂材料の紫外線による劣化を防止する役割も担っている。セラミック遮蔽層は、セラミックペーストを塗布し、焼成することにより形成される。本発明の物品は、このようなセラミック遮蔽層つきガラス板であってもよい。
(樹脂板)
樹脂板としては、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板に代表されるアクリル樹脂板が適している。樹脂板の板厚は、2〜8mmが適切であり、3〜6mmが好適である。樹脂板の表面には、有機無機複合防曇膜との密着性を向上させるための表面処理を施してもよい。樹脂板の表面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の酸化処理、及びサンドブラスト法、溶剤処理法等の凹凸化処理を挙げることができる。これらの処理の中では、効果及び操作性の観点からコロナ放電処理が好ましい。
(鏡)
物品は、その一方の主面上に反射膜を設けた鏡であってもよい。鏡を構成する物品としても、ガラス板等の透明基板が適している。この場合、有機無機複合防曇膜は、反射膜を設けた透明基板の主面と反対側の主面に形成されることが好ましい。防曇膜つき鏡は、いわゆる防曇鏡として使用できる。
[有機無機複合防曇膜]
有機無機複合防曇膜は、物品の表面に形成された単層膜である。有機無機複合防曇膜は、有機物及び無機酸化物を含む。有機物は吸水性樹脂を含み、無機酸化物はシリカを含む。有機無機複合防曇膜は、紫外線吸収剤及び/又は赤外線吸収剤を含む。以下、各成分について説明する。
(吸水性樹脂)
吸水性樹脂としては特に制限はなく、ポリエチレングリコール、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステルポリオール、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル、エポキシ系樹脂及びポリウレタン樹脂であり、より好ましいのは、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ系樹脂及びポリウレタン樹脂であり、特に好ましいのは、ポリビニルアセタール樹脂である。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールにアルデヒドを縮合反応させてアセタール化することにより得ることができる。ポリビニルアルコールのアセタール化は、酸触媒の存在下で水媒体を用いる沈澱法、アルコール等の溶媒を用いる溶解法等公知の方法を用いて実施すればよい。アセタール化は、ポリ酢酸ビニルのケン化と並行して実施することもできる。アセタール化度は、2〜40モル%、さらには3〜30モル%、特に5〜20モル%、場合によっては5〜15モル%が好ましい。アセタール化度は、例えば13C核磁気共鳴スペクトル法に基づいて測定することができる。アセタール化度が上記範囲にあるポリビニルアセタール樹脂は、吸水性及び耐水性が良好である有機無機複合防曇膜の形成に適している。
ポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは200〜4500であり、より好ましくは500〜4500である。高い平均重合度は、吸水性及び耐水性が良好である有機無機複合防曇膜の形成に有利であるが、平均重合度が高すぎると溶液の粘度が高くなり過ぎて膜の形成に支障をきたすことがある。ポリビニルアルコールのケン化度は、75〜99.8モル%が好ましい。
ポリビニルアルコールに縮合反応させるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルカルバルデヒド、オクチルカルバルデヒド、デシルカルバルデヒド等の脂肪族アルデヒドを挙げることができる。また、ベンズアルデヒド;2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、その他のアルキル基置換ベンズアルデヒド;クロロベンズアルデヒド、その他のハロゲン原子置換ベンズアルデヒド;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基等のアルキル基を除く官能基により水素原子が置換された置換ベンズアルデヒド;ナフトアルデヒド、アントラアルデヒド等の縮合芳香環アルデヒド等の芳香族アルデヒドを挙げることができる。疎水性が強い芳香族アルデヒドは、低アセタール化度で耐水性に優れた有機無機複合防曇膜を形成する上で有利である。芳香族アルデヒドの使用は、水酸基を多く残存させながら吸水性が高い膜を形成する上でも有利である。ポリビニルアセタール樹脂は、芳香族アルデヒド、特にベンズアルデヒドに由来するアセタール構造を含むことが好ましい。
エポキシ系樹脂としては、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、環式脂肪族エポキシ樹脂である。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネートとポリオールとで構成されるポリウレタン樹脂が挙げられる。ポリオールとしては、アクリルポリオール及びポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましい。
有機無機複合防曇膜は、吸水性樹脂を主成分とする。本発明において、「主成分」とは、質量基準で含有率が最も高い成分を意味する。有機無機複合防曇膜の重量に基づく吸水性樹脂の含有率は、膜硬度、吸水性及び防曇性の観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、特に好ましくは65重量%以上であり、95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下である。
(無機酸化物)
無機酸化物は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物であり、少なくとも、Siの酸化物(シリカ)を含む。有機無機複合防曇膜は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01重量部以上であり、より好ましくは0.1重量部以上、さらに好ましくは0.2重量部以上、特に好ましくは1重量部以上、最も好ましくは5重量部以上、場合によっては10重量部以上、必要であれば20重量部以上、また、好ましくは50重量部以下、より好ましくは45重量部以下、さらに好ましくは40重量部以下、特に好ましくは35重量部以下、最も好ましくは33重量部以下、場合によっては30重量部以下となるように、無機酸化物を含むことが好ましい。無機酸化物は、有機無機複合防曇膜の強度、特に耐摩耗性を確保するために必要な成分であるが、その含有量が多くなると、有機無機複合防曇膜の防曇性が低下する。
(無機酸化物微粒子)
有機無機複合防曇膜は、無機酸化物の少なくとも一部として、無機酸化物微粒子をさらに含んでいてもよい。無機酸化物微粒子を構成する無機酸化物は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物であり、好ましくはシリカ微粒子である。シリカ微粒子は、例えば、コロイダルシリカを添加することにより有機無機複合防曇膜に導入できる。無機酸化物微粒子は、有機無機複合防曇膜に加えられた応力を、有機無機複合防曇膜を支持する物品に伝達する作用に優れ、硬度も高い。したがって、無機酸化物微粒子の添加は、有機無機複合防曇膜の耐摩耗性を向上させる観点から有利である。また、有機無機複合防曇膜に無機酸化物微粒子を添加すると、微粒子が接触又は近接している部位に微細な空隙が形成され、この空隙から膜中に水蒸気が取り込まれやすくなる。このため、無機酸化物微粒子の添加は、防曇性の向上に有利に作用することもある。無機酸化物微粒子は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液に、予め形成した無機酸化物微粒子を添加することにより、有機無機複合防曇膜に供給することができる。
無機酸化物微粒子の平均粒径が大きすぎると、有機無機複合防曇膜が白濁することがあり、小さすぎると凝集して均一に分散させることが困難となる。この観点から、無機酸化物微粒子の平均粒径は、好ましくは1〜20nmであり、より好ましくは5〜20nmである。なお、ここでは、無機酸化物微粒子の平均粒径を、一次粒子の状態で記述している。また、無機酸化物微粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いた観察により任意に選択した50個の微粒子の粒径を測定し、その平均値を採用して定めることとする。無機酸化物微粒子は、その含有量が多くなると、有機無機複合防曇膜全体の吸水量が低下し、有機無機複合防曇膜が白濁するおそれがある。無機酸化物微粒子は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0〜50重量部であり、より好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは5〜25重量部、特に好ましくは10〜20重量部となるように添加するとよい。
(加水分解性金属化合物)
無機酸化物を有機無機複合防曇膜に配合するためには、加水分解性基を有する金属化合物(加水分解性金属化合物)又はその加水分解物を、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液に添加するとよい。加水分解性金属化合物としては、以下の式(I)で表される、加水分解性基を有するシリコン化合物が好ましい。無機酸化物に含まれるシリカは、加水分解性基を有するシリコン化合物又はその加水分解物由来のシリカを含むことが好ましい。式(I)で表される加水分解性基を有するシリコン化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、シロキサン結合で結合したシリコン化合物において、そのシリコンの一部に有機金属が直接結合しているものもシリカに含める。
mSiX4-m (I)
式(I)におけるRは、水素原子が反応性官能基に置換されていてもよい炭素数1〜3の炭化水素基である。炭素数1〜3の炭化水素基としては、炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基)及び炭素数2〜3のアルケニル基(ビニル基、アリル基、プロペニル基)等が挙げられる。
反応性官能基は、好ましくはオキシグリシジル基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種である。反応性官能基を有する加水分解性金属化合物は、有機物である吸水性樹脂と無機酸化物であるシリカとを強固に結合し、有機無機複合防曇膜の耐摩耗性、硬度等の向上に寄与し得る。
式(I)におけるXは、加水分解性基又はハロゲン原子である。加水分解性基としては、例えば、アルコキシル基、アセトキシ基、アルケニルオキシ基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。アルコキシル基としては、炭素数1〜4のアルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)等が挙げられる。加水分解性基のうち好ましいのは、アルコキシル基であり、より好ましいのは、炭素数1〜4のアルコキシル基である。ハロゲン原子としては、例えば塩素である。
式(I)におけるmは、0〜2の整数であり、好ましくは0〜1の整数である。
式(I)で表される加水分解性基を有するシリコン化合物の好ましい具体例は、式(I)におけるXがアルコキシル基であるシリコンアルコキシドである。また、シリコンアルコキシドは、式(I)においてm=0の化合物(SiX4)に相当する4官能シリコンアルコキシドを含むことがより好ましい。4官能シリコンアルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。シリコンアルコキシドは、単独で用いても2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合には、シリコンアルコキシドの主成分が4官能シリコンアルコキシドであることがより好ましい。
シリコンアルコキシドは、4官能シリコンアルコキシドと、式(I)においてm=1の化合物(RSiX3)に相当する3官能シリコンアルコキシドとを含むことがより好ましい。反応性官能基を有しない3官能シリコンアルコキシドの具体例としては、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。反応性官能基を有する3官能シリコンアルコキシドの具体例としては、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、アミノアルキルトリアルコキシシラン(3−アミノプロピルトリエトキシシラン等)等が挙げられる。
反応性官能基を有するシリコンアルコキシドは、シランカップリング剤と呼ばれることがある。式(I)においてm=2の化合物(R2SiX2)に相当する2官能シリコンアルコキシドも、Rの少なくとも一方が反応性官能基である場合は、シランカップリング剤である。Rの少なくとも一方が反応性官能基を有する2官能シリコンアルコキシドの具体例としては、グリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシラン(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等)、アミノアルキルアルキルジアルコキシシラン[N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等]等が挙げられる。
紫外線吸収剤又は赤外線吸収剤が有機物である場合は、特に、シリコンアルコキシドは、シランカップリング剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤又は赤外線吸収剤による光遮蔽性(例えば紫外線遮蔽性)が向上するためである。シランカップリング剤によって有機無機複合防曇膜の光遮蔽性が向上する理由は、シランカップリング剤の添加によって、有機化合物である光吸収剤がシリカを含む吸水性樹脂中により均一に分散した状態になることにあると考えられる(後述する参照例1と実施例3との対比、又は参照例2と実施例4との対比)。
式(I)で表される加水分解性基を有するシリコン化合物は、加水分解及び重縮合が完全に進行すると、以下の式(II)で表される成分を供給する。
mSiO(4-m)/2 (II)
式(II)におけるR及びmは、上述したとおりである。加水分解及び重縮合の後、式(II)で表される化合物は、実際には、有機無機複合防曇膜中において、シリコン原子と酸素原子とが交互に接続し、かつ三次元的に広がるシロキサン結合(Si−O−Si)のネットワーク構造を形成する。
有機無機複合防曇膜中の4官能シリコンアルコキシド又は3官能シリコンアルコキシドに由来するシリカの含有量が多くなると、有機無機複合防曇膜の防曇性が低下することがある。これは、有機無機複合防曇膜の柔軟性が低下し、水分の吸収及び放出に伴う膜の膨潤及び収縮が制限されることが一因である。4官能シリコンアルコキシドに由来するシリカは、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは3〜10重量部の範囲で添加するとよい。3官能シリコンアルコキシドに由来するシリカは、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0〜30重量部、より好ましくは0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部の範囲で添加するとよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’―ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン化合物[2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等]、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物[2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−s−トリアジン等]及びシアノアクリレート化合物[エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等]等の有機物が挙げられる。紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、紫外線吸収剤は、ポリメチン化合物、イミダゾリン化合物、クマリン化合物、ナフタルイミド化合物、ペリレン化合物、アゾ化合物、イソインドリノン化合物、キノフタロン化合物及びキノリン化合物から選ばれる少なくとも1種の有機色素であってもよい。紫外線吸収剤のうち好ましいのは、有機物である紫外線吸収剤であり、より好ましいのは、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物及びシアノアクリレート化合物から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましいのは、ベンゾフェノン化合物である。ベンゾフェノン化合物は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液に含まれるアルコール系溶媒への溶解性が良く、ポリビニルアセタール樹脂により均一に分散するため好ましい。紫外線吸収剤は、ヒドロキシル基を有することが好ましく、紫外線吸収剤が有する1つのベンゼン骨格に、水酸基が2個以上結合したものがより好ましい。紫外線吸収剤は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1.0〜40重量部、さらに好ましくは2〜35重量部の範囲で添加するとよい。
赤外線吸収剤としては、例えば、ポリメチン化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ナフトキノン化合物、アントラキノン化合物、ジチオール化合物、インモニウム化合物、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ピリリウム化合物、セリリウム化合物、スクワリリウム化合物、ベンゼンジチオール金属錯体アニオンとシアニン色素カチオンとの対イオン結合体等の有機系赤外線吸収剤;酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンモン、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化ランタン、酸化タングステン、インジウム錫酸化物、アンチモン錫酸化物等の無機系赤外線吸収剤;等が挙げられる。赤外線吸収剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。赤外線吸収剤のうち好ましいのは、無機系赤外線吸収剤であり、より好ましいのは、インジウム錫酸化物及び/又はアンチモン錫酸化物である。インジウム錫酸化物及び/又はアンチモン錫酸化物は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液中での安定性が良く、ポリビニルアセタール樹脂により均一に分散するため好ましい。赤外線吸収剤は、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1.0〜40重量部、さらに好ましくは2〜35重量部の範囲で添加するとよい。
(架橋構造)
有機無機複合防曇膜は、有機ホウ素化合物、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤に由来する架橋構造を含んでいてもよい。架橋構造の導入は、有機無機複合防曇膜の耐摩耗性、耐水性を向上させる。別の観点から述べると、架橋構造の導入は、有機無機複合防曇膜の防曇性能を低下させることなくその耐久性を改善することを容易にする。
架橋剤は、用いる吸水性樹脂を架橋できるものであれば、その種類は特に限定されない。ここでは、有機チタン化合物についてのみ例を挙げる。有機チタン化合物は、例えば、チタンアルコキシド、チタンキレート化合物及びチタンアシレートから選ばれる少なくとも1つである。チタンアルコキシドは、例えば、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラオクトキシドである。チタンキレ−ト化合物は、例えば、チタンアセチルアセトナート、チタンアセト酢酸エチル、チタンオクチレングリコール、チタントリエタノールアミン、チタンラクテートである。チタンラクテートは、アンモニウム塩(チタンラクテートアンモニウム)であってもよい。チタンアシレートは、例えばチタンステアレートである。好ましい有機チタン化合物は、チタンキレート化合物、特にチタンラクテートである。
吸水性樹脂がポリビニルアセタール樹脂である場合の好ましい架橋剤は、有機チタン化合物、特にチタンラクテートである。
(その他の任意成分)
有機無機複合防曇膜には、その他の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、防曇性を改善する機能を有するグリセリン、エチレングリコール等のグリコール類が挙げられる。添加剤は、界面活性剤、界面調整剤、スリップ性付与剤、レベリング剤、消泡剤、防腐剤等であってもよい。
[膜厚]
有機無機複合防曇膜の膜厚は、要求される防曇特性その他に応じて適宜調整すればよい。有機無機複合防曇膜の膜厚は、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmである。
[有機無機複合防曇膜の成膜]
有機無機複合防曇膜は、有機無機複合防曇膜を形成するための塗工液を透明基板等の物品上に塗布し、塗布した塗工液を乾燥させることにより、成膜することができる。塗工液の調製に用いる溶媒、塗工液の塗布方法は、公知の材料及び方法を用いればよい。
塗工液の塗布工程では、雰囲気の相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持することが好ましい。相対湿度を低く保持すると、有機無機複合防曇膜が雰囲気から水分を過剰に吸収することを防止できる。雰囲気から水分が多量に吸収されると、有機無機複合防曇膜のマトリックス内に入り込んで残存した水が膜の強度を低下させるおそれがある。
塗工液の乾燥工程は、風乾工程と、加熱を伴う加熱乾燥工程とを含むことが好ましい。風乾工程は、相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持した雰囲気に塗工液を曝すことにより、実施するとよい。風乾工程は、非加熱工程として、言い換えると室温で実施できる。塗工液に加水分解性シリコン化合物が含まれている場合、加熱乾燥工程では、シリコン化合物の加水分解物等に含まれるシラノール基及び物品上に存在する水酸基が関与する脱水反応が進行し、シリコン原子と酸素原子とからなるマトリックス構造(Si−O結合のネットワーク)が発達する。
吸水性樹脂等の有機物の分解を避けるべく、加熱乾燥工程において適用する温度は過度に高くしないほうがよい。この場合の適切な加熱温度は、300℃以下、例えば100〜200℃である。
本発明の防曇膜つき物品は、優れた光遮蔽性を有する。特に、物品がガラス板である場合に光遮蔽性が向上し、具体的にはISO 9050(1990年度版)に定める紫外線透過率が2.0%以下、好ましくは1.5%以下、場合によっては0.5%以下であって、高い紫外線遮蔽性を有し得る。また、波長1000〜2000nmの平均透過率が30%以下、場合によっては26%以下という、高い赤外線遮蔽性を有する。
本発明の防曇膜つき物品は、優れた耐摩耗性を有する。特に物品がガラス板である場合であって、荷重を2.45N、回転数を500回に変更した以外はJIS R3212:2008に規定されたテーバー摩耗試験と同様の方法でテーバー摩耗試験を行った場合、テーバー摩耗試験の前後で、曇価の変化が7%以下、場合によっては5%以下という、高い耐摩耗性を有する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限を受けるものではない。
参照例1>
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン「Uvinul3050」(BASF社製)0.5重量部、アルコール溶媒「ソルミックスAP−7」[日本アルコール販売(株)製]18.62重量部、精製水17.63重量部、酸触媒として硝酸0.05重量部、テトラエトキシシラン「KBE−04」[信越化学工業(株)製]0.69重量部、レベリング剤「KP−341」[信越化学工業(株)製]0.01重量部、ポリビニルアセタール樹脂含有溶液「エスレック KX−5」[固形分8重量%、ベンズアルデヒドに由来するアセタール構造を含む、アセタール化度:9モル%、積水化学工業(株)製]62.5重量部、をガラス製容器に入れ、25℃で3時間撹拌することにより、有機無機複合防曇膜形成用塗工液を調製した。ここで、KP−341は任意の添加剤であるが、塗工液を塗工して得られた防曇膜に生じる縦スジの発生を効果的に抑制し、防曇膜つき物品の外観、品質の向上に寄与する。次いで、市販の紫外線カットグリーンガラス「UVFL」[厚さ3.1mm、日本板硝子(株)製]を100×100mmに切断して洗浄し、それに20℃、相対湿度30%の環境下で、有機無機複合防曇膜形成用塗工液をフローコート法により塗工した。同環境下で10分間乾燥させた後、高温高湿度環境下にて予備硬化処理を行い、次いで120℃で30分間の加熱処理を実施し、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−1を作製した。
参照例2>
「Uvinul3050」の部数を0.75重量部に変更し、「ソルミックスAP−7」の部数を18.37重量部に変更した以外は参照例1と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−2を作製した。
<実施例3>
「ソルミックスAP−7」の部数を20.06重量部に変更し、精製水の部数を15.63重量部に変更し、「KBE−04」の部数を1.04重量部に変更し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−403」[信越化学工業(株)製]0.21重量部を添加したこと以外は参照例1と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−3を作製した。
<実施例4>
「Uvinul3050」の部数を0.75重量部に変更し、「ソルミックスAP−7」の部数を19.81重量部に変更し、「KBE−04」の部数を1.04重量%に変更し、「KBM−403」0.21重量%を添加したこと以外は参照例1と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−4を作製した。
参照例3
「ソルミックスAP−7」20.14重量部、精製水15.63重量部、酸触媒として硝酸0.05重量部、「KBE−04」1.04重量部、インジウム錫酸化物微粒子分散液[40重量%エチルアルコール分散液、三菱マテリアル電子化成(株)製]0.63重量部、「KP−341」0.01重量部、「エスレックKX−5」62.5重量部をガラス製容器に入れ、25℃で3時間撹拌することにより、有機無機複合防曇膜形成用塗工液を調製した。次いで、市販の紫外線カットグリーンガラス「UVFL」を100×100mmに切断して洗浄し、それに20℃、相対湿度30%の環境下で、有機無機複合防曇膜形成用塗工液をフローコート法により塗工した。同環境下で10分間乾燥させた後、高温高湿度環境下にて予備硬化処理を行い、次いで120℃で30分間の加熱処理を実施し、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−5を作製した。
参照例4
「ソルミックスAP−7」の部数を19.33重量部に変更し、「KBM−403」0.21重量部を添加したこと以外は参照例3と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−6を作製した。
参照例5
「ソルミックスAP−7」の部数を19.39重量部に変更し、「Uvinul3050」0.75重量部を添加したこと以外は参照例3と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−7を作製した。
<実施例8>
「ソルミックスAP−7」の部数を19.18重量部に変更し、「Uvinul3050」0.75重量部を添加し、「KBM−403」[信越化学工業(株)製]0.21重量部を添加したこと以外は参照例3と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−8を作製した。
<実施例9>
「ソルミックスAP−7」の部数を20.37重量部に変更し、精製水の部数を15.63重量部に変更し、硝酸の部数を0.01重量部に変更し、「KBM−403」0.28重量部を添加し、表面調整剤「BYK−307」[ビックケミー・ジャパン(株)製]0.01重量部を添加したこと以外は参照例1と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品E−9を作製した。ここで、BYK−307は任意の成分であるが、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを含有する表面調整剤であり、防曇膜の表面滑り性をよくすることができる。
<比較例1>
参照例1で用いたものと同じ市販の紫外線カットグリーンガラス「UVFL」を100×100mmに切断して洗浄したものを、そのまま使用した(防曇膜つき物品C−1)。
<比較例2>
「Uvinul3050」を未添加とし、「ソルミックスAP−7」の部数を19.12重量部に変更したこと以外は参照例1と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品C−2を作製した。
<比較例3>
「Uvinul3050」を未添加とし、「ソルミックスAP−7」の部数を20.56重量部に変更し、精製水の部数を15.63重量部に変更し、「KBE−04」の部数を1.04重量部に変更し、「KBM−403」0.21重量部を添加したこと以外は参照例1と同様にして、膜厚5μmの防曇膜を備えた防曇膜つき物品C−3を作製した。
実施例3、4、8、9、参照例1〜5、比較例1〜3で調製した有機無機複合防曇膜形成用塗工液中の各成分の、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する重量部を表1に示す。ここで、テトラエトキシシラン由来のシリカの質量部とは、テトラエトキシシランをSiO2に換算した質量部であり、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン由来のシリカの質量部とは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランをSiO1.5に換算した質量部である。
Figure 0006574882
実施例3、4、8、9、参照例1〜5、比較例1〜3で作製した防曇膜つき物品の性能を、以下の方法により評価した。結果を表2に示す。
<外観>
防曇膜つき物品の外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:ムラ、白濁、クラックなし。
×:ムラ、白濁、クラックの少なくとも一つがあり。
<曇価>
防曇膜つき物品の曇価を、ヘーズメーター「HZ−V3」[スガ試験機(株)製]を用いて測定し、下記の基準で評価した。
○:曇価が1.0%以下であった。
×:曇価が1.0%より大であった。
<防曇性>
防曇膜つき物品を、20℃、相対湿度30%の環境下に1時間放置した。恒温水槽を用いて水温を35℃にした温水面上に防曇膜つき物品が水蒸気に晒されるように配置し、防曇膜に曇りが認められるまでの時間を測定し、下記の基準で評価した。
○:曇りが確認されるまでに、50秒間以上要した。
△:曇りが確認されるまでに30秒間より長く要したが、50秒間未満で曇りが確認された。
×:30秒間以下で曇りが確認された。
<耐摩耗性>
防曇膜つき物品をテーバー摩耗試験機「5130」(TABER INDUSTRIES社製)に設置し、250gの荷重で500回転させ、試験前後での曇価の変化量ΔHz(%)を測定した。曇価はヘーズメーター「HZ−1S」[スガ試験機(株)製]を用いて測定し、下記の基準で評価した。
○:ΔHzが7%以下であった。
×:ΔHzが7%超、又は塗膜の剥離の少なくとも一方が生じた。
<光学特性>
分光光度計「U−4100」[(株)日立製作所製]を用いて、防曇膜つき物品の可視光透過率:YA、紫外線透過率:TUV380、近赤外域平均透過率:TNIRを測定した。YAは、JIS R3106:1998に従い、光源であるCIE標準イルミナントAに対する透過率である。TUV380は、ISO 9050(1990年度版)に定める紫外線透過率である。TNIRは、波長1000〜2000nmにおける平均透過率であり、赤外線カット性能の指標である。これらをそれぞれ下記の基準で評価した。
<YA>
○:70%以上
×:70%未満
<TUV380
○:2.0%以下
×:2.0%より大
<TNIR
○:30%未満
×:30%以上
Figure 0006574882
実施例3、4、8、9、参照例1〜5の防曇膜つき物品と比較例1〜3の防曇膜つき物品とを比較すると、比較例1〜3の防曇膜つき物品は、外観、曇価、防曇性、耐摩耗性、YAは実施例3、4、8、9、参照例1〜5の防曇膜つき物品と同等レベルであるものの、TUV380とTNIRは劣っているため、防曇性と、紫外線遮蔽機能及び赤外線遮蔽機能の少なくとも一方とを兼ね備えていない。
実施例3、4、8、9、参照例1〜5の防曇膜つき物品は、可視光透過率YAがいずれも71.3%以上であり、本発明の防曇膜を施さない比較例1のそれに遜色がなく、極めて高い可視光透過率を有する。本発明の防曇膜つき物品は、自動車の運転席・助手席側面窓(フロントドア)や前面窓(ウインドシールド)の窓ガラスに要求される可視光透過率に関する保安基準を満たし、それらの窓ガラスとして好適に用いられる。
参照例6
参照例5の有機無機複合防曇膜形成用塗工液を、ロボットアームと吐出部を備えたノズルフローコーターを用いて、自動車用ドアガラスの車内面に塗布した。ノズルフローコーターは、図3に例示するコーターであり、ガラス板10を保持しながら移動させるロボットアーム7と、塗工液Gを射出する射出部8とを備える。ガラス板10は、ロボットアーム7により、ロボットアーム7により保持されている部位が、鉛直方向に対してd°の角度で傾斜して保持されている。dは好ましくは−3°〜+30°である。射出部8は、ノズル82と、このノズル82を支持する基部81とを備える。射出部8では、チューブ84により供給される塗工液Gを、ノズル82からガラス板10に射出した。ロボットアーム7は、先端部の吸盤によりガラス板10を保持し、ノズル82とガラス板10とを相対移動させることができる。ノズル82とガラス板10とを相対移動させつつ、塗工液Gのノズル82からの射出を制御することにより、塗工液Gがガラス板10に接する位置の軌跡を制御し、ガラス板10の主面17上の所定領域に、塗工液Gを塗布することができる。
自動車用ドアガラスは、乗用車等の右側前方のドアの窓に設置されるものであって、図4に例示するとおり、車内側から見て左側辺が右側辺と比べて短く、また車内側の主面17が凹面になっている。塗工液Gがガラス板に接する位置の軌跡を、図4に示す。
ノズル82からの塗工液Gの射出を、図4における主面17上の塗布開始領域Raから開始し、ロボットアーム7を制御してガラス板10を下方向(図3における矢印U)に移動させた。このとき、射出された塗工液Gが、右側辺部13に達しない程度に面方向内側に塗工液Gを射出する。これにより、図4における塗工液Gの右側縁ラインL2が、ガラス板10の右側辺部13から面方向内側に現れる。
塗工液Gの塗布位置が、図4における塗布開始領域Raから矢印S101の方向に移動して領域Rbに到達した後、塗布位置が領域Rbから矢印S102に沿って移動して領域Rcに到達するようにガラス板10を移動させた。このとき、上辺部11から隙間を空けて塗工液Gを塗布した。塗布された塗工液Gは下方に流れ落ち、下辺部12まで到達した。これにより、塗工液Gの上縁ラインL1が、ガラス板10の上辺部11から面方向下側に現れ、上縁ラインL1から下方の塗工液Gを直接射出しない領域にも、塗工液Gを行き渡らせることができた。塗工液Gの塗布位置が領域Rcに達すると、塗布位置が領域Rcから矢印S103に沿って移動して領域Rdに到達するようにガラス板10を移動させた。このとき、射出された塗工液Gが、左側辺部14に達しない程度に面方向内側に塗工液Gを射出した。これにより、防曇膜形成用塗工液Gの左側縁ラインL3が、ガラス板10の左側辺部14から面方向内側に現れる。なお、この工程では、ガラス板10を上方に移動させるのではなく、ガラス板10をノズル82から離間させる方向に移動させて、左側辺部14に沿って塗工液Gを塗布した(図5の矢印W)。
図5におけるノズル82とガラス板10との距離が拡がるので、ガラス板に接触する直前の塗工液Gの勢いが弱まる。そのため、塗工液Gが図4における左側辺部14に達したり、他の主面(防曇膜16が形成された主面17の裏面18(図8))に回り込んだりすることを防ぐことができた。
このようにして作製した防曇膜つき物品は、図6における主面17上の一部に防曇膜16が施されるが、上縁ラインL1と上辺部11との間、右側縁ラインL2と右側辺部13との間、左側縁ラインL3と左側辺部14との間に、防曇膜が施されていない領域15が形成されている(図6)。
乗用車等の前方のドアの窓に設置されるドアガラスは、窓の開閉のために、窓ガラスとして昇降が可能なように窓枠に取り付けられる。その際、窓枠と窓ガラスとの隙間を埋める部材として、ガラスラン(ウエザーストリップ、モール等と呼称されることもある)が設けられ、窓を完全に閉めた状態では、窓ガラスの上辺部だけでなく側辺部もガラスランに挟持される。そして窓ガラスの昇降時には、ガラス板の上部及び側辺部の周囲部がガラスランと摺動する(図7)。図7における自動車の右側前方ドア1は、枠体2、具体的には、上方枠21、下方枠22、後方枠23及び前方枠24によって囲まれた開口部25を有し、開口部25に沿ってガラスラン6を有する。上方枠21内の上方枠ラン61と、下方枠22内の下方枠ラン62と、後方枠23内の後方枠ラン63と、前方枠24内の前方枠ラン64とを備える。ガラス板10は、駆動部3により高さH1から高さH2の間を昇降する。
窓ガラスを昇降させて窓の開閉操作を繰り返した場合には、窓ガラスの上辺部や側辺部がガラスランに繰り返し摺動する。摺動する領域にも被膜が施されている場合、摺動により被膜に傷がついて表面粗さが大きくなってしまう。上辺部の被膜の傷は目立って美観を損ね、また側辺部では美観の他に表面粗さの大きさに起因してガラスランとの間の摩擦係数が大きくなり、窓ガラスの昇降時にビビリ音等の異音が生じるおそれがある。また、ガラスランが劣化しやすくもなる。
参照例6では、窓ガラスの周辺部に防曇膜が施されていない領域15が形成されている。この領域15は、ガラスラン6と接触する領域の少なくとも一部、好ましくは接触する領域のすべてを含むので(図8)、摺動により主面17上に形成された防曇膜16に傷が生じるおそれが低く、よって上記の不具合を効果的に抑制することができる。
なお、窓ガラスの周辺部に防曇膜が施されていない領域については、ドアの窓においてドアガラスを閉め切り位置まで上昇させた(窓を閉めた)ときに、車内側から見て防曇膜が施されていない領域15が視認されなくてもよく、視認されてもよい。防曇膜が施されていない領域15が視認されない場合、車内側から見えるガラス面の全面に防曇機能が発揮される点で好ましい。一方、視認される場合、車内環境がガラスが曇りやすい環境になったときに、防曇膜が施されている領域は未だ曇っていないが、先に防曇膜が施されていない領域15が曇ることになる。この点で、防曇膜が施されていない領域15は、窓を閉めたときに、車内がガラスの曇りやすい環境になったことを容易に視認できる程度にあればよい。
さらに、本発明の防曇膜つき物品は、フロントドア用窓ガラスだけでなく、ウインドシールド用窓ガラスとして用いることもできる。この場合、窓ガラスの全面に防曇膜が施されていてもよく、防曇膜が施されていない領域が設けられていてもよい。防曇膜が施されていない領域は、ウインドシールド用窓ガラスにおいて、上辺部近傍に設けることが好ましく、窓ガラスを車両に装着した際の車両中心線と平行な鉛直面上のガラス開口部の端部から、その開口部の実長の20%以内の範囲に設けることがより好ましい。窓ガラスの全面に施されている場合、車内側から見えるガラス面の全面に防曇機能が発揮される点で好ましい。
ウインドシールド用窓ガラスに防曇膜が施されていない領域が設けられている場合、前述のドアガラスの車内側から見て防曇膜が施されていない領域が視認される場合の効果が得られることに加え、ウインドシールド用窓ガラスの車内面に貼付が義務づけられているステッカの貼り替え作業によっても防曇膜を損傷し難く、また貼り替え作業の効率化を図るという利点を有する。防曇膜が施されていない領域が、ウインドシールド用窓ガラスの上辺部近傍であれば、その領域が曇ってもその曇りは運転者が交通状況を確認するために必要な視野を妨げ難い。またウインドシールド用窓ガラスの車内面に貼付する検査標章、点検整備済標章は、自動車検査、法定点検整備ごとに貼り替えることが必要だが、防曇膜の上に貼付されたそれらのステッカを、金属製のヘラ(スクレーパ等)でこそげ落としたり、強力な溶剤等でステッカの糊を溶解したりして剥がす際に、防曇膜に傷がつくおそれがある。防曇膜が施されていない領域が、ウインドシールド用窓ガラスの上辺部近傍であれば、これらステッカをその防曇膜が施されていない領域に貼付することができ、その場合、貼り替え作業で防曇膜を損傷し難く、また貼り替え作業の効率化を図ることができる。この利点は、防曇膜が施されていない領域が、ウインドシールド用窓ガラスを車両に装着した際の車両中心線と平行な鉛直面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲に設けられている場合に、さらに効果的に発揮される。
本発明の防曇膜つき物品は、強度を低下させることなく、防曇性と、紫外線遮蔽機能及び赤外線遮蔽機能の少なくとも一方とを兼ね備えていることから、特に、自動車又は建築用の窓ガラス等として有用である。

Claims (12)

  1. ガラスを含む物品と、
    前記物品上に形成された有機物及び無機酸化物を含む単層膜の有機無機複合防曇膜と、を備え、
    前記有機物が吸水性樹脂を含み、
    前記吸水性樹脂がポリビニルアセタール樹脂を含み、
    前記無機酸化物がシリカを含み、
    前記シリカが、加水分解性基を有するシリコン化合物又はその加水分解物由来のシリカを含み、
    前記加水分解性基を有するシリコン化合物が、シリコンアルコキシドを含み、
    前記シリコンアルコキシドが、シランカップリング剤を含み、
    前記有機無機複合防曇膜が前記吸水性樹脂を主成分とし、
    前記有機無機複合防曇膜が紫外線吸収剤をさらに含み、
    前記紫外線吸収剤が有機物であり、
    ISO 9050(1990年度版)に従って算出した紫外線透過率TUV380が2.0%以下であり、
    CIE標準イルミナントAを用いて、JIS R3106:1998に従って算出した可視光透過率YAが70%以上である、自動車のフロントドア用窓ガラス。
  2. 前記物品の上辺部及び側辺部の少なくとも一方は、前記有機無機複合防曇膜が形成されていない領域を有する、請求項1に記載のフロントドア用窓ガラス。
  3. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物及びシアノアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載のフロントドア用窓ガラス。
  4. 前記有機無機複合防曇膜が赤外線吸収剤をさらに含み、
    前記赤外線吸収剤が、インジウム錫酸化物微粒子及び/又はアンチモン錫酸化物微粒子を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のフロントドア用窓ガラス。
  5. 記シリコンアルコキシドが4官能シリコンアルコキシドを含み、
    前記シリコンアルコキシドの主成分が4官能シリコンアルコキシドである、請求項に記載のフロントドア用窓ガラス。
  6. 前記シリコンアルコキシドが、さらに3官能シリコンアルコキシドを含む、請求項に記載のフロントドア用窓ガラス。
  7. 前記防曇膜が、無機酸化物微粒子をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のフロントドア用窓ガラス。
  8. 前記無機酸化物微粒子が、シリカ微粒子である、請求項に記載のフロントドア用窓ガラス。
  9. 前記物品がガラス板であり、荷重2.45N、回転数500回とした以外はJIS R3212:2008に規定されたテーバー摩耗試験の前後で、曇価の変化が7%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のフロントドア用窓ガラス。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のフロントドア用窓ガラスと、
    開口部を有し、かつ前記フロントドア用窓ガラスが内部を昇降できるように取り付けられた枠体と、
    前記開口部に沿って配置されたガラスランと、
    前記フロントドア用窓ガラスを昇降させることによって前記開口部を開閉する駆動部と、
    を備えた、自動車のフロントドア構造。
  11. 前記フロントドア用窓ガラスが、前記開口部を締め切る締め切り位置まで上昇したときに、前記物品において、前記有機無機複合防曇膜が形成されていない領域が車内側から視認されない、請求項10に記載のフロントドア構造。
  12. 前記フロントドア用窓ガラスが、前記開口部を締め切る締め切り位置まで上昇したときに、前記物品において、前記有機無機複合防曇膜が形成されていない領域が車内側から視認される、請求項10に記載のフロントドア構造。
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