JP6574141B2 - 既設型砂防ダムから取水する給水設備 - Google Patents

既設型砂防ダムから取水する給水設備 Download PDF

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Description

本発明は、既設型砂防ダムから取水した河川水を工業用水や飲料用水として利用するための給水設備に関する。
小さな渓流などに設置される土砂災害防止のための設備のひとつとして砂防ダムが知られており、上部には「水通し」と呼ばれる越流部を設け、同時に砂防ダム本体底部近傍に水抜き穴を設けたものが一般的である。そして山地や渓流からの土砂の流出を防ぐためだけでなく、土砂と共に流れ込む河川水を取水して給水用として利用するために、越流部に取水用桶を設けた取水装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方ダム構築時にダム上部の越流部に第1集水部と、ダム上流側底部に施設した濾過層を透過した浸透水を集水管により集めた第2集水部とを形設して、濁度濃度に応じて第1集水部及び第2集水部からの河川水を取り分けて利用する取水装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−109133号公報(図1、2) 特開2009−174215号公報(図2、3)
しかしながら、特許文献1に記載の取水装置にあっては、砂防ダムの越流部に取水用桶を設けるだけであるので、木、草、泥、砂利、大石、玉石などが砂防ダムの築堤まで満杯になった既設の砂防ダムであっても取水装置として利用可能であるが、越流部からの取水であるため、玉石や流水木が流れ込む長雨や大雨の時には取水装置に設けた防塵スクリーン保護のために折畳む必要があり、管理が煩雑であるばかりでなく、河川水の水量が少ない時期は、工業用水や飲料用水として利用可能な一定の水量を確保するのが困難であった。
一方特許文献2に記載の取水装置は、ダム上部の越流部に設けた第1集水部と、ダム側底部に設けた第2集水部とを用い、濁りの程度に応じて第1集水部あるいは第2集水部から取水しているので、工業用水や飲料用水として利用可能な濁りの少ない一定の水量を確保することはできるが、第2集水部はダム上流側底部に施設した濾過層を透過した河川水を集水管を介して集めるようにしているので、泥や砂利などが砂防ダムの築堤まで満杯になった既設の砂防ダムの底部に、新たに濾過層や集水管を敷設することはコスト面から困難であった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、玉石や流水木で築堤まで満杯になった既設の砂防ダムであっても濁度濃度が基準以下の工業用水や飲料用水として利用可能な浄化水を安定的に確保すると共に、濁水の浄水処理部への流入を防いでその耐久性の向上を図ることができる給水設備を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の既設型砂防ダムから取水する河川水の給水設備は、
ダム底部に大砂利、中砂利、小砂利、砂を積層した濾過層を有しない既設型砂防ダムに貯水された河川水を取水し浄水処理して配水池に貯水して、需要に応じて前記配水池から浄化水を供給するための給水設備であって、
前記既設型砂防ダム底部に設けた水抜き口と、
前記既設型砂防ダムの正面底部に設けられ、前記既設型砂防ダム内を浸透する浸透水を前記水抜き口から取り出す浸透水取出部と、
該浸透水取出部に設け、前記浸透水の濁度を計測する浸透水濁度計と、
前記既設型砂防ダムの越流部に原水の濁度を計測する原水濁度計と、
前記浸透水取出部から前記配水池に給水するための取水路に設けた一の電動給水弁と、
該一の電動給水弁が設けられた位置より上流側の前記取水路から分岐した排水路に設けた一の電動排水弁と、
前記浸透水濁度計の濁度、前記原水濁度計の濁度及び前記配水池の貯水量に基づき前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を開閉制御する制御部と、
前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁により給配された浸透水を浄化する浄水処理部と、
該浄水処理部を経た浄化水が前記配水池に貯水されるまでに前記浄化水の菌繁殖度を計測し、その繁殖程度に応じて滅菌剤を投入して滅菌処理を行う滅菌部と、
前記浄水処理部を経た浄化水が前記配水池に貯水されるまでに前記浄化水の濁度を計測する浄化水濁度計及び前記浄化水の残塩を計測する浄化水残塩計からなる計測部と、
を備え、
前記滅菌部で計測された菌繁殖度の計測値、前記計測部の前記浄化水濁度計で計測された浄化水濁度の計測値及び前記計測部の前記浄化水残塩計で計測された浄化水塩分量の計測値に基づき、前記浄水処理部の濾過層の洗浄時期が決定され、
前記配水池には前記浄水処理部を経た浄化水が満杯である満水線と該満水線より下方に位置する規定水位線があらかじめ設定されており、
前記制御部は、
前記配水池の貯水量が前記満水線から低下した場合においては、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値を越えると前記配水池の貯水量に拘わらず前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満となったとしても前記配水池の貯水量が前記満水線にあるとき、あるいは前記配水池の貯水量が前記満水線から前記規定水位線まで低下しても前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満となり前記配水池の貯水量が前記規定水位線未満となり前記浸透水濁度計の濁度レベルが規定値以上であれば前記一の電動給水弁を閉鎖し前記一の電動排水弁を開放し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満となり前記配水池の貯水量が前記規定水位線未満となり前記浸透水濁度計の濁度レベルが規定値未満であれば前記一の電動給水弁を開放し前記一の電動排水弁を閉鎖し、
前記配水池に前記浄水処理部を経た浄化水が補給され前記配水池の貯水量が前記満水線になる場合には、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値を越えると前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満であっても前記浸水濁度計の濁度レベルが規定値以上であれば前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満であって前記浸水濁度計の濁度レベルが規定値以下であれば、前記配水池の貯水量が前記規定水位線に達するか否かにかかわらず、前記一の電動給水弁を開放し前記一の電動排水弁を閉鎖するとともに、前記配水池の貯水量が前記満水線に到達すると前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、
前記配水池の貯水量が前記満水線を越える場合には、前記原水濁度計の濁度レベル及び前記浸水濁度計の濁度レベルに拘わらず前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖する、
ように制御される
ことを特徴としている。
本発明の手段1の既設型砂防ダムから取水する河川水の給水設備は、
既設型砂防ダムに貯水された河川水を取水し浄水処理して配水池に貯水して、需要に応じて配水池から浄化水を供給するための給水設備であって、
前記既設型砂防ダム底部に設けた浸透水取出部と、該浸透水取出部に設けた浸透水濁度計と、前記浸透水取出部から配水池に給水するための取水路に設けた駆動弁部と、前記浸透水濁度計の濁度濃度に基づき前記駆動弁部を給排制御する制御部と、前記駆動弁部により給配された浸透水を浄化する浄水処理部と、該浄水処理部を経た浄化水を貯水する配水池とを備えていることを特徴とする。
この特徴によれば、浸透水取出部が既設型砂防ダム底部に設けた水抜き穴より浸透水を取り出すようにしているので、既設の水抜き穴を利用することが可能であり、浸透水取出部の構築が容易であるばかりでなく、浸透水自体がある程度濾過された水であることから土砂の混入が少ない浸透水を確保でき、かつ浸透水取出部から取り出された浸透水を濁度濃度に基づき制御部により配水池に給水するか、排水するかの選択を駆動弁部で行い、濁度濃度の低い浸透水のみを浄水処理部に給水することで、浄水処理部での浄化のための負担を減らし、浄水処理部の耐久性の向上を図ることができる。
本発明の手段2の既設型砂防ダムから取水する河川水の給水設備は、
前記駆動弁部は、前記取水路に設けた電動給水弁と、該電動給水弁が設けられた位置より上流側の取水路から分岐した排水路に設けた電動排水弁で構成されていることを特徴とする。
この特徴によれば、給水電動弁と排水電動弁を個別に制御することができるので、浸透水の給排を迅速に切り換えることができる。
本発明の手段3の既設型砂防ダムから取水する河川水の給水設備は、
前記既設型砂防ダムの越流部に原水の濁度濃度を検出する原水濁度計を備え、該原水濁度計による原水の濁度濃度が所定レベル以上である場合には、前記電動給水弁及び電動排水弁を閉鎖することを特徴とする。
この特徴によれば、砂防ダムの越流部を超えてきた原水の濁度濃度が所定レベル以上であれば、給水電動弁及び排水電動弁を閉鎖するので、砂防ダムに流れ込んだ河川水の全量が砂防ダムに貯水されると共に、一部が越流するので、多量の雨水や土砂崩れにより水が濁った場合に、浸透水が給水電動弁を通過して浄水処理部へ流れ込むことがなく浄水処理部の洗浄作業の負担が軽減できる。また多量の雨水で越流部での河川水の流れが急速になれば、ダム底部側からの逆洗浄作用が起こり、ダム内に堆積した砂利や石等の間に挟まれた木、草、泥等を一気に洗い流すことができる。
本発明の手段4の既設型砂防ダムから取水する河川水の給水設備は、
前記既設型砂防ダムの越流部に原水の濁度濃度を検出する原水濁度計を備え、該原水濁度計による原水の濁度濃度が所定レベル未満となった場合には前記電動排水弁を解放し、更に浸透水濁度計の濁度濃度レベルが規定基準未満になれば、前記電動排水弁を閉鎖すると共に電動給水弁を開放することを特徴とする。
この特徴によれば、原水の濁度濃度が所定レベル未満になった場合には電動排水弁のみを開放して排水、排砂、排泥を行い、その後浸透水濁度計が規定基準以下になったところで電動排水弁を閉鎖すると共に電動給水弁を開放するので、濁度濃度の基準を満たした浸透水を浄水処理部へ送ることが可能となり、浄水処理部の耐久性の向上を図ることができる。
本発明の手段5の既設型砂防ダムから取水する河川水の給水設備は、
前記配水池の貯水量が満水ラインを超える場合には、濁度濃度に拘わらず前記電動給水弁及び電動排水弁を閉鎖することを特徴とする。
この特徴によれば、配水池の貯水量が満水ラインを超えれば、電動給水弁及び電動排水弁は閉鎖するので、砂防ダムに流入する河川水はダム内の既に貯水され水と交じり合って流れ、ダム内の不純物が越流水によって除去される機会が増え、配水池の貯水量が満水ラインを超える毎に砂防ダムの浄水作用が行える。
本発明の実施例における給水設備の概要を示す説明図である。 既設型砂防ダムの正面図である。 図2のA−A断面である。 本発明の給水設備の全体概略図である。 配水池の水位が満水状態から徐々に低下していく状態における原水濁度計と浸透水濁度計との濁度レベルと電動給水弁と電動排水弁との開閉状態を示す説明図である。 配水池の水位が低位の位置から満水状態に向かっていく状態における原水濁度計と浸透水濁度計との濁度レベルと電動給水弁と電動排水弁との開閉状態を示す説明図である。
本発明に係る河川における給水設備1を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る河川における給水設備1につき、図1から図4を参照して説明する。以下、図3及び図4の紙面左側を河川の上流側として説明する。既設型砂防ダム3は長年に亘って底に流木や砂利、泥等が堆積し、クリプト藻等の藻類が繁殖しているため、直接飲料水として用いることはできない。
図1は本発明の給水設備1の概要を示す説明図であって、河川に設けられた既設型砂防ダム3から浸透水取出部5を介して採取した水を、取水路8により駆動弁部7、浄水処理部9そして配水池11を経て工業用水や飲料水等として需要部13に配水を行う装置である。
既設型砂防ダムは既に砂防ダムとして建設されていて、既にダム内に流木や砂利、泥等が堆積されているものとして説明する。本発明でいう既設型砂防ダムとは、近年上流に道路を開通する場合にわずかな雨でも濁り水が入り込んでしまうことを防ぐため、砂防ダムの建設段階でダムの底に大砂利、中砂利、小砂利、砂を積層した濾過層を有するもが知られているが、このような濾過槽を有した砂防ダムは除外するものであって、従来の土砂の流れを食い止める防災ダムとし構築した従来のタイプの砂防ダムに本発明の給水設備を備えていれば、新規に構築したものであっても本発明でいう既設型砂防ダムに含まれるものと定義する。
図2に示すように、既設型砂防ダム3の越流部3Bには防塵スクリーン4aを備えた集水器4が設けられ、防塵スクリーン4aにより濾過された河川水の原水が集水器4に集められ、その原水は原水濁度計4Aにより越流部3Bにおける原水の濁度が計測される。
先ず、既設型砂防ダム3について説明すると、図2及び図3に示すように、既設型砂防ダム3は、河川を堰き止める堤体3Aと、この堤体3Aから越流部3Bを越流する河川水を取水可能に設けられた防塵スクリーン4aを備えた集水器4と、該集水器4で取水された河川水の濁度を測定する原水濁度計4A(図2参照)に接続される検水管4bとが設けられていると共に、既設型砂防ダム3の底部に設けた三つの水抜き口3a、3b、3cから、ダムの浸透水を取り出す浸透水取出部5が設けられている。原水濁度計4Aによって測定された濁度情報は逐次制御部15に送信される。
水抜き口の数は既設型砂防ダムの形式や規模が異なるので、給水量を考慮し適宜使用する水抜き口の数を選択して浸透水取出部5を構構築する。浸透水取出部5は、本実施例の場合、三つの水抜き口3a、3b、3cすべてを使用する例であり、水抜き口3a、3b、3cのダム上流側には防塵フィルタ(図示せず)を取り付けると共に、下流側は既設型砂防ダム3から突出させた接続管5aと、該接続管5aからの浸透水を集水する集水管5bと、集水管5bには集水した浸透水を配水池11側に送る取水路8の一部として構成される浸透水取出管8aとで構成している。
また集水管5bには浸透水の濁度を測定する浸透水濁度計5Aに接続される検水管5cが設けられている。浸透水濁度計5Aによって測定された濁度情報は逐次制御部15に送信される。
本発明で使用する砂防ダムは既設型砂防ダム3であるので、図3に示したように、集水管5bに集積される水は、既に木、草、泥、砂利、大石、玉石などが堆積した層を浸透してきた浸透水であり、堤体3Aから越流した原水に比べ濁度濃度のレベルは低い。
次に図4に基づき、本発明の給水設備1において、既設型砂防ダム3から配水池11までの浸透水の流れについて説明する。集水管5bから取り出された浸透水は浸透水取出管8aより流量計量弁6を介して、電動給水弁7Aと電動排水弁7Bから成る駆動弁部7に導水される。
電動給水弁7A及び電動排水弁7Bは制御部15からの信号により開閉制御される。給水弁と排水弁が電動で個別制御できるので浸透水の給排を迅速に切り換えることができる。
電動給水弁7Aが開弁状態になると、浸透水取出管8a内の浸透水は取水路8の中継部の一部として構成され第1中継導管8bより浄水処理部9に導水される。一方電動排水弁7Bが開弁状態になると、浸透水取出管8a内の浸透水は電動給水弁7Aが設けられた位置より上流側の第1中継導管8bから分岐した排水路として構成された排水管8cより河川等に排水させることができる。
第1中継導管8bにより浄水処理部9に導水された浸透水は濾過槽により濾過され、小さな異物が取り除かれた状態の濾過浸透水が第2中継導管8dより配水池11に導水される。濾過槽は、例えば上部の砂層9aと下部の砂利層9bとで積層された一般的なものであるが、特にこのような層配列に限定されるものではなく、荒砂層や豆砂利層等を適宜加えたり、浸透水の濁度、色度、臭気等に応じては、濾過槽を構成するこれら各層をより薄層または厚層として濾過能力を調整してもよい。
浄水処理部9で濾過された濾過浸透水は第2中継導管8dにより配水池11に導水されるまでに滅菌部10で濾過浸透水の菌繁殖度を測り、その繁殖程度に応じて滅菌剤を投入する滅菌処理を行うと共に、濁度計12A及び残塩計12Bから成る計測部12により濁度及び塩分量を計測する。そして菌繁殖度、濁度及び塩分量の計測数値に基づき浄水処理部9の濾過槽の洗浄時期を決定する。
配水池11に導水された濾過浸透水はその蓄積量を水位計11Aにより計測する。水位が満杯である満水線FLと規定水位線SLがあらかじめ設定されており、水位が満水線FLに到達すると、配水池11が満杯であるという情報を制御部15に送る。また水位が規定水位線SLに満たない時は、配水池11に濾過浸透水を受け入れ可能であるという情報を制御部15に送ることにより駆動弁部7の開閉制御を行うことができる。
次に制御部15と駆動弁部7の電動給水弁7Aと電動排水弁7Bとの開閉制御との関係を、満水状態から徐々に水位が低下した場合につき図5に基づき説明する。
原水濁度計4Aの濁度レベルが規定値L1を超えていると制御部15が判断すれば、配水池11の水位に関係なく電動給水弁7Aと電動排水弁7Bは共に全閉(閉鎖)状態Cとなり、既設型砂防ダム3に流入する河川水は第1中継導管8b及び排水管8cには導入されない。したがって濾過槽への泥水の混入は避けられ浄水処理部9の処理負担が軽減できる。
特に大雨等により土砂が多量に流入する場合には、原水濁度計4Aの濁度レベルが規定値L1を超え電動給水弁7Aと電動排水弁7Bは全閉状態Cとなっているために、既設型砂防ダム3の越流部3Bを越える水量が多量となり砂防ダム内も逆洗作用により撹拌洗浄されるので、砂防ダム内が大雨ごとに清掃されることになる。
次に原水濁度計4Aの濁度レベルが規定値L1未満となった場合には配水池11の水位によって電動給水弁7Aと電動排水弁7Bの開閉状態が変わってくる。先ず配水池11の水位が満杯である満水線FLにあるときは、原水濁度計4A及び浸透水濁度計5Aの濁度レベルに拘わらず、電動給水弁7Aと電動排水弁7Bは共に全閉(閉鎖)状態Cのままであり、需要部13の消費に応じて水位が図4に示す規定水位線SLまで低下しても依然として電動給水弁7Aと電動排水弁7Bは共に全閉(閉鎖)状態Cにある。
満水線FLと規定水位線SLとにある程度の間隔をもたせたのは、満水線FLより少し下がると配水池11にすぐに濾過浸透水を導入することにより、電動給水弁7Aと電動排水弁7Bの開閉作動頻度が多くなることを防ぐためである。
配水池11の水位が規定水位線SL未満となり、浸透水濁度計5Aの濁度レベルが規定値L2以上であれば、電動排水弁7Bは全開状態Oとなるが電動水弁7は全閉(閉鎖)状態Cを維持する。これにより浸透水取出管8aからの浸透水は排水管8cより排水して初期段階において浸透水に混在している泥水が浄水処理部9へ送られないようにしている。
浸透水取出管8a内の濁度状態が安定し浸透水濁度計5Aの濁度レベルがL2未満になれば、電動排水弁7Bを全閉(閉鎖)状態Cにし電動排水弁7Bを全開状態Oにして浸透水を第1中継導管8bより浄水処理部9に導水する。これにより浄水処理部9を経由した濾過浸透水が第2中継導管8dより配水池11に導水され、配水池11に濾過浸透水が補給される。
次に配水池11に濾過浸透水が補給され満水線FLの位置になるまでの電動給水弁7Aと電動排水弁7Bとの開閉制御との関係を図6に基づき説明する。濾過浸透水が第2中継導管8dより配水池11に導水されその水位は次第に上昇してくる。このような状況中であっても、原水濁度計4Aの濁度レベルの規制値がL1以上になれば、直ちに電動給水弁7Aと電動排水弁7Bは共に全閉(閉鎖)する。
また原水濁度計4Aの濁度レベルの規制値がL1未満であっても、浸透水濁度計5Aの濁度レベルがL2に以上となれば、直ちに電動給水弁7Aと電動排水弁7Bは共に全閉(閉鎖)する。原水濁度計4Aの濁度レベルの規制値がL1未満であって、浸透水濁度計5Aの濁度レベルがL2未満であれば電動給水弁7Aは全開状態Oとなり、配水池11に濾過浸透水を補給し続ける。
配水池の水位が上昇し規定水位線SLを超えても原水濁度計4Aの濁度レベルの規制値がL1未満であって、浸透水濁度計5Aの濁度レベルがL2未満である限り、電動排水弁7Bは全閉のまま電動給水弁7Aのみ全開状態Oとなり、水位が満水線FLに到達したところで電動給水弁7Aは閉鎖され、配水池11への濾過浸透水の補給が停止する。
以上、本発明の既設型砂防ダム3から取水する給水設備1において、既設型砂防ダムを利用することができるので、ダムに濾過槽を構築して需要部13が要求する濁度レベルの低い浸透水を供給できる砂防ダムを新たに建設する必要はなく、しかも既設型砂防ダムが有していた水抜き穴を浸透水取出部5として利用することができるので給水設備1のコスト削減が図れる。
また浄水処理部9が既設型砂防ダムの外部にあるため、洗浄作業が楽であると共に、浄水処理部9に送水される浸透水は濁度レベルが給水に適する規定値L2以下であるため、浄水処理部9の耐久性の向上と定期的な洗浄作業頻度の低減を図ることができる。
砂防ダムの越流部3Bを超えてきた原水の濁度濃度が所定レベルL1以上であれば、電動給水弁7A及び電動排水弁7Bを閉鎖するので、多量の雨水や土砂崩れにより水が濁った場合に、浸透水が電動給水弁7Aを通過して浄水処理部9へ流れ込むことがなく浄水処理部9の洗浄作業負担が軽減できると共に、越流部3Bでの河川水の流れが急速になれば、ダム底部側からの逆洗浄作用が起こり、ダム内に堆積した砂利や石等の間に挟まれた木、草、泥等を一気に洗い流すこともできる。
原水の濁度濃度が所定レベルL1未満になった場合には排水電動弁のみを開放して排水、排砂、排泥を行い、その後浸透水濁度計5Aが規定基準L2未満になったところで電動排水弁7Bを閉鎖すると共に電動給水弁7Aを開放するので、濁度濃度の基準を満たした浸透水を浄水処理部9へ送ることが可能となり、浄水処理部9の耐久性の向上を図ることができる。
配水池11の貯水量が満水線FLを超えれば、電動給水弁7A及び電動排水弁7Bは閉鎖するので、既設型砂防ダム3に流入する河川水はダムにすでに貯水されている水と交じり合って流れるので、越流水の作用でダム内の不純物が除去される機会が増え、長年使用されて放置状態の既設型砂防ダム3であっても、砂防ダム3内の浄水作用は配水池11の貯水量が満水線FLを超える毎に行われることになる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、既に砂防ダムとして建設されていて、ダム内に流木や砂利、泥等が堆積した既設型砂防ダム3として説明してきたが、新設の砂防ダムであっても、給水の目的で濾過槽等をダム内に敷設していないものは、本発明でいう既設型砂防ダムとして解釈する。
前記実施例では、浄水処理部9として上部の砂層9aと下部の砂利層9bとで積層したタイプのものを使用しているが、微生物のバイオフィルム形成によって水を浄化する緩速濾過方式や、濾過をする前に硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウムなど凝集剤によって細かい粒子を凝集させる急速濾過方式を採用してもよい。
濾過槽のメンテナンスは、所定の期間を設定して制御部15により自動的に行うようにしてもよいし、濾過槽の濾過状態を点検して制御部15に設けた逆洗作動ボタン(図示せず)の手動操作で、電動給水弁7Aと電動排水弁7Bを閉鎖して行うようにしてもよい。
尚、本発明では原水濁度計4A及び浸透水濁度計5Aによる濁度レベルを計測して駆動弁部7を制御しているが、濁度だけでなく色度あるいは臭気等も検出し、濁度レベルだけでなく色度や臭気等の許容レベルを加味して駆動弁部7を制御するようにしてもよい。
1 給水設備
3 既設型砂防ダム
5 浸透水取出部
7 駆動弁部
7A 電動給水弁
7B 電動排水弁
8 取水路
9 浄水処理部
11 配水池
13 需要部
15 制御部

Claims (1)

  1. ダム底部に大砂利、中砂利、小砂利、砂を積層した濾過層を有しない既設型砂防ダムに貯水された河川水を取水し浄水処理して配水池に貯水して、需要に応じて前記配水池から浄化水を供給するための給水設備であって、
    前記既設型砂防ダム底部に設けた水抜き口と、
    前記既設型砂防ダムの正面底部に設けられ、前記既設型砂防ダム内を浸透する浸透水を前記水抜き口から取り出す浸透水取出部と、
    該浸透水取出部に設け、前記浸透水の濁度を計測する浸透水濁度計と、
    前記既設型砂防ダムの越流部に原水の濁度を計測する原水濁度計と、
    前記浸透水取出部から前記配水池に給水するための取水路に設けた一の電動給水弁と、
    該一の電動給水弁が設けられた位置より上流側の前記取水路から分岐した排水路に設けた一の電動排水弁と、
    前記浸透水濁度計の濁度、前記原水濁度計の濁度及び前記配水池の貯水量に基づき前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を開閉制御する制御部と、
    前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁により給配された浸透水を浄化する浄水処理部と、
    該浄水処理部を経た浄化水が前記配水池に貯水されるまでに前記浄化水の菌繁殖度を計測し、その繁殖程度に応じて滅菌剤を投入して滅菌処理を行う滅菌部と、
    前記浄水処理部を経た浄化水が前記配水池に貯水されるまでに前記浄化水の濁度を計測する浄化水濁度計及び前記浄化水の残塩を計測する浄化水残塩計からなる計測部と、
    を備え、
    前記滅菌部で計測された菌繁殖度の計測値、前記計測部の前記浄化水濁度計で計測された浄化水濁度の計測値及び前記計測部の前記浄化水残塩計で計測された浄化水塩分量の計測値に基づき、前記浄水処理部の濾過層の洗浄時期が決定され、
    前記配水池には前記浄水処理部を経た浄化水が満杯である満水線と該満水線より下方に位置する規定水位線があらかじめ設定されており、
    前記制御部は、
    前記配水池の貯水量が前記満水線から低下した場合においては、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値を越えると前記配水池の貯水量に拘わらず前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満となったとしても前記配水池の貯水量が前記満水線にあるとき、あるいは前記配水池の貯水量が前記満水線から前記規定水位線まで低下しても前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満となり前記配水池の貯水量が前記規定水位線未満となり前記浸透水濁度計の濁度レベルが規定値以上であれば前記一の電動給水弁を閉鎖し前記一の電動排水弁を開放し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満となり前記配水池の貯水量が前記規定水位線未満となり前記浸透水濁度計の濁度レベルが規定値未満であれば前記一の電動給水弁を開放し前記一の電動排水弁を閉鎖し、
    前記配水池に前記浄水処理部を経た浄化水が補給され前記配水池の貯水量が前記満水線になる場合には、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値を越えると前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満であっても前記浸水濁度計の濁度レベルが規定値以上であれば前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、前記原水濁度計の濁度レベルが規定値未満であって前記浸水濁度計の濁度レベルが規定値以下であれば、前記配水池の貯水量が前記規定水位線に達するか否かにかかわらず、前記一の電動給水弁を開放し前記一の電動排水弁を閉鎖するとともに、前記配水池の貯水量が前記満水線に到達すると前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖し、
    前記配水池の貯水量が前記満水線を越える場合には、前記原水濁度計の濁度レベル及び前記浸水濁度計の濁度レベルに拘わらず前記一の電動給水弁及び前記一の電動排水弁を閉鎖する、
    ように制御される
    ことを特徴とする既設型砂防ダムから取水する河川水の給水設備。
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