本発明は、(2R,6S,13aS,14aR,16aS,Z)−N−(シクロプロピルスルホニル)−6−(5−メチルピラジン−2−カルボキサミド)−5,16−ジオキソ−2−(フェナントリジン−6−イルオキシ)−1,2,3,5,6,7,8,9,10,11,13a,14,14a,15,16,16a−ヘキサデカヒドロシクロプロパ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアザシクロペンタデシン−14a−カルボキサミド
(本明細書中において「化合物I」)の結晶多形を特徴とする。化合物Iは、強力なHCVプロテアーゼ阻害剤である。化合物Iの合成および製剤化は、米国特許出願公開第2010/0144608号明細書および同第2011/0312973号明細書に記載されており、この両方の全体が、参照により本明細書中に援用される。
化合物Iなどの大分子の結晶構造は、通常、予測不可能である。化合物Iの幾つかの新規の結晶多形が、本発明に従って単離されたが、これらの単離の前に、これらの多形の存在は、予測されていなかったか、または予想されていなかった。驚いたことに、これらの新規の多形は、米国特許出願公開第2010/0144608号明細書の実施例49dに記載されている結晶性水和物と比べて、改善された加工性および収率を有し得、これらの比較的大きな粒径のおかげでより容易に精製され得ることも見出された。かなりの量の有機溶媒を欠くこともまた、これらの多形を、化合物Iを含む医薬組成物を生成する溶融押出法における使用に特に適するようにする。
1つの態様において、本発明は、粉末X線回折(PXRD)パターンにおいて、5.8、10.7、11.1、11.8、13.1、13.5、18.3、20.2、25.5および26.7という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの結晶形(本明細書中以後、A形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ92%、70%、84%、90%、100%、88%、44%、40%、49%および57%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、A形は、PXRDパターンにおいて、5.82、10.73、11.05、11.84、13.11、13.54、18.29、20.19、25.55および26.66という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ92%、70%、84%、90%、100%、88%、44%、40%、49%および57%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、A形は、PXRDパターンにおいて、5.8、9.9、10.7、11.1、11.3、11.8、12.7、12.9、13.1、13.5、14.1、17.9、18.3、19.0、20.2、20.7、24.6、25.3、25.5および26.7という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ92%、30%、70%、84%、33%、90%、38%、33%、100%、88%、33%、29%、44%、29%、40%、37%、31%、34%、49%および57%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のさらに別の実施形態において、A形は、PXRDパターンにおいて、5.82、9.89、10.73、11.05、11.27、11.84、12.69、12.93、13.11、13.54、14.14、17.90、18.29、18.97、20.19、20.75、24.58、25.26、25.55および26.66という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ92%、30%、70%、84%、33%、90%、38%、33%、100%、88%、33%、29%、44%、29%、40%、37%、31%、34%、49%および57%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、A形は、PXRDパターンにおいて、5.8、6.8、9.3、9.4、9.9、10.7、11.1、11.3、11.8、12.4、12.7、12.9、13.1、13.5、14.0、14.1、14.4、14.8、15.5、15.9、16.5、16.6、17.0、17.2、17.7、17.9、18.3、19.0、19.3、19.5、19.8、20.2、20.7、21.3、21.5、21.8、22.0、22.2、22.7、23.0、23.3、23.8、24.0、24.6、24.8、25.0、25.3、25.5、25.8、26.7、27.1および29.8という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ92%、7%、15%、21%、30%、70%、84%、33%、90%、19%、38%、33%、100%、88%、23%、33%、12%、17%、18%、11%、13%、12%、9%、23%、28%、29%、44%、29%、9%、20%、23%、40%、37%、10%、22%、9%、7%、17%、8%、16%、12%、18%、17%、31%、10%、5%、34%、49%、11%、57%、28%および25%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、A形は、PXRDパターンにおいて、5.82、6.77、9.27、9.40、9.89、10.73、11.05、11.27、11.84、12.37、12.69、12.93、13.11、13.54、13.98、14.14、14.39、14.82、15.53、15.85、16.46、16.63、17.04、17.24、17.68、17.90、18.29、18.97、19.26、19.48、19.84、20.19、20.75、21.32、21.54、21.80、22.02、22.23、22.70、22.98、23.26、23.84、23.97、24.58、24.77、24.98、25.26、25.55、25.85、26.66、27.14および29.81という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ92%、7%、15%、21%、30%、70%、84%、33%、90%、19%、38%、33%、100%、88%、23%、33%、12%、17%、18%、11%、13%、12%、9%、23%、28%、29%、44%、29%、9%、20%、23%、40%、37%、10%、22%、9%、7%、17%、8%、16%、12%、18%、17%、31%、10%、5%、34%、49%、11%、57%、28%および25%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、A形は、図1に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、A形は、表1に定義されているような結晶構造を有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、A形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約0個の水分子を含む。
別の態様において、本発明は、PXRDパターンにおいて、11.6、13.1、13.4、14.3、14.7、19.2、22.3、24.1、25.3および27.8という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの別の結晶形(本明細書中以後、B形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ39%、100%、88%、49%、41%、34%、30%、36%、34%および50%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、B形は、PXRDパターンにおいて、11.62、13.06、13.35、14.31、14.67、19.17、22.34、24.08、25.35および27.85という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ39%、100%、88%、49%、41%、34%、30%、36%、34%および50%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、B形は、PXRDパターンにおいて、10.7、10.9、11.6、13.1、13.4、13.8、14.3、14.7、17.5、17.6、19.2、20.0、22.3、24.1、24.5、25.3、26.3、27.8、28.1および31.3という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ23%、22%、39%、100%、88%、23%、49%、41%、27%、22%、34%、20%、30%、36%、21%、34%、20%、50%、20%および23%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、B形は、PXRDパターンにおいて、10.69、10.88、11.62、13.06、13.35、13.79、14.31、14.67、17.47、17.62、19.17、19.97、22.34、24.08、24.51、25.35、26.27、27.85、28.15および31.29という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ23%、22%、39%、100%、88%、23%、49%、41%、27%、22%、34%、20%、30%、36%、21%、34%、20%、50%、20%および23%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、B形は、PXRDパターンにおいて、10.7、10.9、11.6、13.1、13.4、13.8、14.3、14.7、15.4、17.5、17.6、18.2、19.2、19.5、20.0、20.3、20.5、20.9、21.7、21.9、22.3、22.6、23.3、24.1、24.3、24.5、25.3、25.7、25.9、26.3、27.4、27.5、27.8、28.1および31.3という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ23%、22%、39%、100%、88%、23%、49%、41%、6%、27%、22%、7%、34%、14%、20%、9%、19%、9%、8%、13%、30%、10%、14%、36%、16%、21%、34%、19%、6%、20%、8%、6%、50%、20%および23%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、B形は、PXRDパターンにおいて、10.69、10.88、11.62、13.06、13.35、13.79、14.31、14.67、15.39、17.47、17.62、18.18、19.17、19.47、19.97、20.29、20.51、20.87、21.69、21.86、22.34、22.64、23.26、24.08、24.25、24.51、25.35、25.66、25.89、26.27、27.35、27.55、27.85、28.15および31.29という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ23%、22%、39%、100%、88%、23%、49%、41%、6%、27%、22%、7%、34%、14%、20%、9%、19%、9%、8%、13%、30%、10%、14%、36%、16%、21%、34%、19%、6%、20%、8%、6%、50%、20%および23%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、B形は、図2に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、B形は、表2に定義されているような結晶構造を有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、B形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約2個の水分子を含む。
さらに別の態様において、本発明は、PXRDパターンにおいて、11.6、12.9、13.1、13.3、14.2、14.5、19.1、23.8、25.1および27.7という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの別の結晶形(本明細書中以後、C形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ38%、100%、53%、68%、43%、37%、33%、38%、36%および51%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、C形は、PXRDパターンにおいて、11.58、12.94、13.14、13.34、14.22、14.52、19.06、23.84、25.14および27.66という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ38%、100%、53%、68%、43%、37%、33%、38%、36%および51%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、C形は、PXRDパターンにおいて、10.8、11.6、12.9、13.1、13.3、13.7、14.2、14.5、17.4、19.1、19.2、19.9、20.4、22.2、23.8、24.5、25.1、25.4、26.0および27.7という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ25%、38%、100%、53%、68%、24%、43%、37%、27%、33%、28%、22%、25%、25%、38%、21%、36%、23%、25%および51%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、C形は、PXRDパターンにおいて、10.84、11.58、12.94、13.14、13.34、13.70、14.22、14.52、17.40、19.06、19.18、19.86、20.40、22.18、23.84、24.46、25.14、25.42、26.04および27.66という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ25%、38%、100%、53%、68%、24%、43%、37%、27%、33%、28%、22%、25%、25%、38%、21%、36%、23%、25%および51%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、C形は、PXRDパターンにおいて、10.7、10.8、11.6、12.9、13.1、13.3、13.7、14.2、14.5、15.3、17.4、17.6、18.1、19.1、19.2、19.3、19.9、20.2、20.4、20.8、21.6、21.8、22.2、22.6、23.1、23.3、23.8、24.1、24.5、25.1、25.4、25.8、26.0、27.1、27.3、27.7、27.9および31.1という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ19%、25%、38%、100%、53%、68%、24%、43%、37%、7%、27%、18%、6%、33%、28%、12%、22%、11%、25%、9%、10%、16%、25%、10%、16%、6%、38%、16%、21%、36%、23%、5%、25%、11%、8%、51%、17%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、C形は、PXRDパターンにおいて、10.68、10.84、11.58、12.94、13.14、13.34、13.70、14.22、14.52、15.28、17.40、17.62、18.06、19.06、19.18、19.32、19.86、20.20、20.40、20.80、21.58、21.76、22.18、22.62、23.12、23.26、23.84、24.14、24.46、25.14、25.42、25.78、26.04、27.14、27.26、27.66、27.92および31.12という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ19%、25%、38%、100%、53%、68%、24%、43%、37%、7%、27%、18%、6%、33%、28%、12%、22%、11%、25%、9%、10%、16%、25%、10%、16%、6%、38%、16%、21%、36%、23%、5%、25%、11%、8%、51%、17%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、C形は、図3に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、C形は、表3に定義されているような結晶構造を有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、C形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約2.5個の水分子を含む。
さらに別の態様において、本発明は、PXRDパターンにおいて、11.6、12.9、13.1、13.8、14.5、17.4、19.0、19.9、24.8および27.1という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの別の結晶形(本明細書中以後、D形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ21%、100%、70%、34%、23%、27%、28%、36%、21%および34%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、D形は、PXRDパターンにおいて、11.59、12.93、13.08、13.81、14.53、17.40、18.98、19.91、24.79および27.14という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ21%、100%、70%、34%、23%、27%、28%、36%、21%および34%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、D形は、PXRDパターンにおいて、10.4、10.6、11.6、12.9、13.1、13.6、13.8、14.5、17.4、19.0、19.9、22.4、23.6、23.7、24.8、25.6、26.0、27.1、27.8および30.5という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ17%、20%、21%、100%、70%、16%、34%、23%、27%、28%、36%、14%、12%、16%、21%、15%、18%、34%、15%および20%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、D形は、PXRDパターンにおいて、10.41、10.63、11.59、12.93、13.08、13.61、13.81、14.53、17.40、18.98、19.91、22.40、23.58、23.69、24.79、25.59、26.04、27.14、27.77および30.50という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ17%、20%、21%、100%、70%、16%、34%、23%、27%、28%、36%、14%、12%、16%、21%、15%、18%、34%、15%および20%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、D形は、PXRDパターンにおいて、10.4、10.6、11.6、12.9、13.1、13.6、13.8、14.5、15.1、17.4、18.0、19.0、19.5、19.7、19.9、20.3、20.8、21.0、21.3、21.9、22.4、23.1、23.6、23.7、23.8、24.8、25.6、25.7、26.0、27.1、27.8、28.6、30.5および31.7という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ17%、20%、21%、100%、70%、16%、34%、23%、6%、27%、5%、28%、9%、10%、36%、6%、6%、5%、10%、12%、14%、9%、12%、16%、9%、21%、15%、7%、18%、34%、15%、6%、20%および6%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、D形は、PXRDパターンにおいて、10.41、10.63、11.59、12.93、13.08、13.61、13.81、14.53、15.15、17.40、18.03、18.98、19.51、19.69、19.91、20.30、20.83、21.03、21.35、21.89、22.40、23.14、23.58、23.69、23.84、24.79、25.59、25.74、26.04、27.14、27.77、28.60、30.50および31.68という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ17%、20%、21%、100%、70%、16%、34%、23%、6%、27%、5%、28%、9%、10%、36%、6%、6%、5%、10%、12%、14%、9%、12%、16%、9%、21%、15%、7%、18%、34%、15%、6%、20%および6%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、D形は、図4に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、D形は、表4に定義されているような結晶構造を有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、D形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約2.75個の水分子を含む。
別の態様において、本発明は、PXRDパターンにおいて、10.6、10.7、11.6、12.7、13.0、13.3、13.8、14.5、19.0および23.4という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの別の結晶形(本明細書中以後、E形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ35%、35%、39%、100%、82%、85%、49%、36%、40%および35%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、E形は、PXRDパターンにおいて、10.60、10.74、11.55、12.75、12.95、13.27、13.82、14.49、18.96および23.39という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ35%、35%、39%、100%、82%、85%、49%、36%、40%および35%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、E形は、PXRDパターンにおいて、10.6、10.7、11.6、12.7、13.0、13.3、13.6、13.8、14.5、17.3、18.7、19.0、20.1、23.4、23.9、24.5、25.2、25.6、26.8および27.3という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ35%、35%、39%、100%、82%、85%、22%、49%、36%、25%、29%、40%、28%、35%、25%、29%、25%、23%、27%および26%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、E形は、PXRDパターンにおいて、10.60、10.74、11.55、12.75、12.95、13.27、13.59、13.82、14.49、17.32、18.68、18.96、20.10、23.39、23.88、24.46、25.17、25.56、26.80および27.28という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ35%、35%、39%、100%、82%、85%、22%、49%、36%、25%、29%、40%、28%、35%、25%、29%、25%、23%、27%および26%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、E形は、PXRDパターンにおいて、5.8、10.6、10.7、11.6、12.7、13.0、13.3、13.6、13.8、14.5、14.9、17.3、17.5、17.9、18.7、19.0、19.7、19.9、20.1、20.6、21.5、22.0、22.5、22.9、23.4、23.9、24.5、25.2、25.6、26.0、26.8、27.3および30.1という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ6%、35%、35%、39%、100%、82%、85%、22%、49%、36%、7%、25%、17%、11%、29%、40%、8%、16%、28%、11%、18%、21%、13%、16%、35%、25%、29%、25%、23%、5%、27%、26%および12%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、E形は、PXRDパターンにおいて、5.78、10.60、10.74、11.55、12.75、12.95、13.27、13.59、13.82、14.49、14.91、17.32、17.51、17.90、18.68、18.96、19.74、19.92、20.10、20.59、21.51、21.99、22.47、22.93、23.39、23.88、24.46、25.17、25.56、25.99、26.80、27.28および30.11という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ6%、35%、35%、39%、100%、82%、85%、22%、49%、36%、7%、25%、17%、11%、29%、40%、8%、16%、28%、11%、18%、21%、13%、16%、35%、25%、29%、25%、23%、5%、27%、26%および12%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、E形は、図5に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、E形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約0個から約3個の水分子を含み、本発明の結晶形(例えば、A、B、C、D、F、GまたはH形)を11%の相対湿度(RH)において平衡にすることによって形成され得る。
別の態様において、本発明は、PXRDパターンにおいて、10.7、11.6、12.7、13.2、13.6、14.5、17.4、18.6、19.0、19.9および26.6という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの別の結晶形(本明細書中以後、F形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ40%、33%、100%、90%、52%、31%、31%、37%、40%、47%および34%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、F形は、PXRDパターンにおいて、10.68、11.57、12.74、13.16、13.60、14.47、17.37、18.64、18.95、19.92および26.59という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ40%、33%、100%、90%、52%、31%、31%、37%、40%、47%および34%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、F形は、PXRDパターンにおいて、10.5、10.7、11.6、12.7、13.2、13.6、14.5、17.4、18.6、19.0、19.9、21.4、21.9、22.4、23.3、24.3、25.2、25.5、26.6、27.2および29.9という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ25%、40%、33%、100%、90%、52%、31%、31%、37%、40%、47%、20%、20%、21%、29%、30%、27%、27%、34%、22%および21%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、F形は、PXRDパターンにおいて、10.52、10.68、11.57、12.74、13.16、13.60、14.47、17.37、18.64、18.95、19.92、21.39、21.88、22.41、23.28、24.30、25.19、25.54、26.59、27.22および29.91という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ25%、40%、33%、100%、90%、52%、31%、31%、37%、40%、47%、20%、20%、21%、29%、30%、27%、27%、34%、22%および21%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、F形は、PXRDパターンにおいて、5.8、10.5、10.7、11.6、12.7、13.2、13.6、14.5、14.9、17.4、17.9、18.6、19.0、19.7、19.9、20.4、20.8、21.4、21.9、22.4、23.0、23.3、23.5、23.8、24.3、25.2、25.5、26.6、27.2、28.4および29.9という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ9%、25%、40%、33%、100%、90%、52%、31%、8%、31%、11%、37%、40%、9%、47%、12%、10%、20%、20%、21%、13%、29%、6%、14%、30%、27%、27%、34%、22%、8%および21%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、F形は、PXRDパターンにおいて、5.78、10.52、10.68、11.57、12.74、13.16、13.60、14.47、14.86、17.37、17.94、18.64、18.95、19.71、19.92、20.40、20.78、21.39、21.88、22.41、23.00、23.28、23.52、23.81、24.30、25.19、25.54、26.59、27.22、28.39および29.91という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ9%、25%、40%、33%、100%、90%、52%、31%、8%、31%、11%、37%、40%、9%、47%、12%、10%、20%、20%、21%、13%、29%、6%、14%、30%、27%、27%、34%、22%、8%および21%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、F形は、図6に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、F形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約0個から約3個の水分子を含み、本発明の結晶形(例えば、A、B、C、D、E、GまたはH形)を33%の相対湿度において平衡にすることによって形成され得る。
別の態様において、本発明は、PXRDパターンにおいて、10.7、11.6、12.7、13.0、13.2、13.7、14.5、18.7、19.0および19.9という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの別の結晶形(本明細書中以後、G形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、32%、38%および42%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、G形は、PXRDパターンにおいて、10.70、11.57、12.75、13.02、13.18、13.66、14.47、18.66、18.96および19.94という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、32%、38%および42%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、G形は、PXRDパターンにおいて、10.5、10.7、11.6、12.7、13.0、13.2、13.7、14.5、17.3、18.7、19.0、19.9、21.9、23.3、24.3、25.2、25.6、26.6、27.2および30.0という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、30%、32%、38%、42%、18%、27%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、G形は、PXRDパターンにおいて、10.54、10.70、11.57、12.75、13.02、13.18、13.66、14.47、17.35、18.66、18.96、19.94、21.90、23.31、24.34、25.19、25.56、26.64、27.24および29.95という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、30%、32%、38%、42%、18%、27%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、G形は、PXRDパターンにおいて、5.8、10.5、10.7、11.6、12.7、13.0、13.2、13.7、14.5、14.9、17.3、17.9、18.7、19.0、19.7、19.9、20.5、20.9、21.4、21.9、22.4、23.0、23.3、23.8、24.3、25.2、25.6、26.6、27.2および30.0という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ7%、24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、7%、30%、9%、32%、38%、8%、42%、9%、6%、17%、18%、16%、13%、27%、10%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、G形は、PXRDパターンにおいて、5.80、10.54、10.70、11.57、12.75、13.02、13.18、13.66、14.47、14.88、17.35、17.92、18.66、18.96、19.69、19.94、20.45、20.86、21.42、21.90、22.41、22.98、23.31、23.84、24.34、25.19、25.56、26.64、27.24および29.95という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ7%、24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、7%、30%、9%、32%、38%、8%、42%、9%、6%、17%、18%、16%、13%、27%、10%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、G形は、図7に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、G形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約0個から約3個の水分子を含み、本発明の結晶形(例えば、A、B、C、D、E、FまたはH形)を43%の相対湿度において平衡にすることによって形成され得る。
別の態様において、本発明は、PXRDパターンにおいて、10.7、12.7、13.1、13.6、17.4、18.6、19.0、19.8、23.3、25.6および26.5という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する、化合物Iの別の結晶形(本明細書中以後、H形)を特徴とする。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ29%、100%、70%、53%、32%、24%、30%、27%、27%、24%および30%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、H形は、PXRDパターンにおいて、10.66、12.75、13.09、13.57、17.37、18.62、18.96、19.83、23.26、25.55および26.52という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ29%、100%、70%、53%、32%、24%、30%、27%、27%、24%および30%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、H形は、PXRDパターンにおいて、10.5、10.7、11.6、12.7、13.1、13.6、14.5、17.4、18.6、19.0、19.8、21.3、21.8、22.4、23.3、24.2、25.2、25.6、26.5、27.2および29.8という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ20%、29%、22%、100%、70%、53%、23%、32%、24%、30%、27%、15%、14%、14%、27%、21%、21%、24%、30%、18%および19%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、H形は、PXRDパターンにおいて、10.47、10.66、11.58、12.75、13.09、13.57、14.45、17.37、18.62、18.96、19.83、21.35、21.83、22.41、23.26、24.25、25.21、25.55、26.52、27.21および29.84という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ20%、29%、22%、100%、70%、53%、23%、32%、24%、30%、27%、15%、14%、14%、27%、21%、21%、24%、30%、18%および19%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、H形は、PXRDパターンにおいて、5.8、10.5、10.7、11.6、12.7、13.1、13.6、14.5、14.9、17.4、18.0、18.6、19.0、19.4、19.8、20.4、20.7、21.3、21.8、22.4、23.0、23.3、23.8、24.2、25.2、25.6、26.5、27.2および29.8という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ9%、20%、29%、22%、100%、70%、53%、23%、6%、32%、7%、24%、30%、7%、27%、9%、8%、15%、14%、14%、13%、27%、10%、21%、21%、24%、30%、18%および19%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、H形は、PXRDパターンにおいて、5.80、10.47、10.66、11.58、12.75、13.09、13.57、14.45、14.86、17.37、17.96、18.62、18.96、19.40、19.83、20.36、20.69、21.35、21.83、22.41、23.03、23.26、23.81、24.25、25.21、25.55、26.52、27.21および29.84という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ9%、20%、29%、22%、100%、70%、53%、23%、6%、32%、7%、24%、30%、7%、27%、9%、8%、15%、14%、14%、13%、27%、10%、21%、21%、24%、30%、18%および19%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、H形は、図8に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本発明のこの態様はいかなる特定の理論または計算値にも拘束されるものではないが、H形は、典型的には、化合物Iの1分子あたり約0個から約3個の水分子を含み、本発明の結晶形(例えば、A、B、C、D、E、FまたはG形)を76%の相対湿度において平衡にすることによって形成され得る。
なおも別の態様において、本発明は、化合物Iの結晶形(本明細書中以後、クラス2)を特徴とし、ここで、この結晶形が、43%の相対湿度において平衡に達するとき、これは、G形としてのPXRDパターンにおける特徴的なピークを有する。例えば、クラス2の結晶は、43%の相対湿度において平衡に達した際、PXRDパターンにおいて、10.7、11.6、12.7、13.0、13.2、13.7、14.5、18.7、19.0および19.9という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有し得る。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、32%、38%および42%という相対的な強度を有する。非限定的な例として、A、B、C、D、E、F、GおよびH形は、化合物Iの結晶形のクラス2である。
本発明のこの態様の1つの実施形態において、化合物Iの結晶形のクラス2は、43%の相対湿度において平衡に達した後、PXRDパターンにおいて、10.70、11.57、12.75、13.02、13.18、13.66、14.47、18.66、18.96および19.94という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、32%、38%および42%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、化合物Iの結晶形のクラス2は、43%の相対湿度において平衡に達した後、PXRDパターンにおいて、10.5、10.7、11.6、12.7、13.0、13.2、13.7、14.5、17.3、18.7、19.0、19.9、21.9、23.3、24.3、25.2、25.6、26.6、27.2および30.0という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、30%、32%、38%、42%、18%、27%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、化合物Iの結晶形のクラス2は、43%の相対湿度において平衡に達した後、PXRDパターンにおいて、10.54、10.70、11.57、12.75、13.02、13.18、13.66、14.47、17.35、18.66、18.96、19.94、21.90、23.31、24.34、25.19、25.56、26.64、27.24および29.95という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、30%、32%、38%、42%、18%、27%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、化合物Iの結晶形のクラス2は、43%の相対湿度において平衡に達した後、PXRDパターンにおいて、5.8、10.5、10.7、11.6、12.7、13.0、13.2、13.7、14.5、14.9、17.3、17.9、18.7、19.0、19.7、19.9、20.5、20.9、21.4、21.9、22.4、23.0、23.3、23.8、24.3、25.2、25.6、26.6、27.2および30.0という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ7%、24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、7%、30%、9%、32%、38%、8%、42%、9%、6%、17%、18%、16%、13%、27%、10%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様の別の実施形態において、化合物Iの結晶形のクラス2は、43%の相対湿度において平衡に達した後、PXRDパターンにおいて、5.80、10.54、10.70、11.57、12.75、13.02、13.18、13.66、14.47、14.88、17.35、17.92、18.66、18.96、19.69、19.94、20.45、20.86、21.42、21.90、22.41、22.98、23.31、23.84、24.34、25.19、25.56、26.64、27.24および29.95という2シータ(°2θ)の値に特徴的なピークを有する。好ましくは、これらのピークは、このPXRDパターンにおける他のピークよりも高い強度を有する。また、好ましくは、これらのピークは、それぞれ7%、24%、36%、34%、100%、102%、75%、37%、31%、7%、30%、9%、32%、38%、8%、42%、9%、6%、17%、18%、16%、13%、27%、10%、26%、24%、24%、27%、18%および18%という相対的な強度を有する。
本発明のこの態様のなおも別の実施形態において、化合物Iの結晶形のクラス2は、43%の相対湿度において平衡に達した後、図7に示されているような特徴的なPXRDピークを有する。
本明細書中で使用されるとき、特定の相対湿度における平衡は、以下の方法によって達成され得る。結晶性固体を、内径が0.0395インチのポリイミドキャピラリー(一方の端は開口しており、他方は封鎖されている。)に詰める。このキャピラリーを、特定の相対湿度において3から4週間にわたって相対湿度(RH)チャンバー内で平衡にする。当業者が理解するように、11%のRHは、塩化リチウム飽和溶液に対して平衡にすることによって得ることができ;33%のRHは、塩化マグネシウム飽和溶液に対して平衡にすることによって得ることができ;43%のRHは、炭酸カリウムに対して平衡にすることによって得ることができ;76%のRHは、酢酸ナトリウムに対して平衡にすることによって得ることができる。3から4週間の平衡の後、キャピラリーの開口端を速やかに封鎖する。PXRDデータは、キャピラリーを通る透過モードで収集することができ、これは、選択配向効果(preferred orientation effects)を最小にするために回転させることができる。INELにおける捕捉時間は、典型的には、各サンプルに対して2時間である。
本明細書中で使用されるとき、PXRDデータは、湾曲型位置敏感検出器および平行ビーム光学系を備えたG3000回折計(Inel Corp.,Artenay,France)を使用して収集することができる。この回折計は、銅陽極管(1.5kW高精度焦点)を用いて40kVおよび30mAにおいて操作される。入射ビームゲルマニウムモノクロメーターは、1.54178Åという波長を有する単色Cu−Kα線を提供する。この回折計は、1度の間隔で減衰直接ビームを使用して較正することができる。較正は、ケイ素粉末線位置対照基準(silicon powder line position reference standard)(NIST640c)を用いて確かめることができる。この装置は、Symphonixソフトウェア(Inel Corp.,Artenay,France)を使用してコンピュータ制御でき、データは、Jadeソフトウェア(バージョン6.5,Materials Data,Inc.,Livermore,CA)を使用して解析することができる。サンプルを、アルミニウムサンプルホルダー上にロードし、スライドガラスを用いて平らにすることができる。PXRDピーク位置の測定値は、典型的には±0.2度2−シータ(°2θ)である。
別の態様において、本発明は、実質的に純粋な、上に記載された結晶形を特徴とする。本明細書中で使用されるとき、用語「実質的に純粋な」は、所与の結晶形に関して使用されるとき、少なくとも90%純粋な結晶形のことを指す。これは、この結晶形が、10%超の他のいかなる形態の化合物Iも含まないことを意味する。より好ましくは、用語「実質的に純粋な」とは、少なくとも95%純粋な化合物Iの結晶形のことを指す。これは、この化合物Iの結晶形が、5%超の他のいかなる形態の化合物Iも含まないことを意味する。なおもより好ましくは、用語「実質的に純粋な」とは、少なくとも97%純粋な化合物Iの結晶形のことを指す。これは、この化合物Iの結晶形が、3%超の他のいかなる形態の化合物Iも含まないことを意味する。
1つの実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのA形を特徴とする。上に記載されたいずれのA形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのB形を特徴とする。上に記載されたいずれのB形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのC形を特徴とする。上に記載されたいずれのC形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのD形を特徴とする。上に記載されたいずれのD形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのE形を特徴とする。上に記載されたいずれのE形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのF形を特徴とする。上に記載されたいずれのF形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのG形を特徴とする。上に記載されたいずれのG形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物IのH形を特徴とする。上に記載されたいずれのH形も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な化合物Iのクラス2を特徴とする。上に記載されたいずれのクラス2も、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の結晶形(例えば、化合物Iの結晶形のA、B、C、D、E、F、GもしくはH形またはクラス2)を使用して、化合物Iを含む組成物を生成する方法を特徴とする。この方法は、本発明の結晶形を溶媒に溶解する工程を含む。本明細書中の上に記載された任意の結晶形(例えば、本明細書中に記載される任意のクラス2または任意のA、B、C、D、E、F、GもしくはH形)が、本発明の方法において使用され得る。同様に、本明細書中に記載される任意のポリマーおよび界面活性物質またはこれらの任意の組み合わせが、本明細書中に記載される方法において使用され得る。
1つの実施形態において、溶媒は、エタノールまたはメタノールなどの揮発性溶媒である。下記に記載される親水性ポリマーまたは糖アルコールなどの好適な賦形剤もまた、溶媒に溶解され得る。次いで、このようにして生成された溶液は、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥または他の溶媒蒸発法によって、溶媒を除去するために乾燥され得、これにより、化合物Iおよび賦形剤を含む固体分散体が生成される。好ましくは、化合物Iは、この固体分散体において非晶質の形態である。より好ましくは、この固体分散体は、固溶体またはガラス溶液である。多くの場合、下記に記載される医薬として許容される界面活性物質もまた、溶媒除去の前にこの溶液に加えられ得;結果として、この実施形態に従って生成される固体分散体/固溶体/ガラス溶液は、医薬として許容される界面活性物質も含み得る。
別の実施形態において、溶媒は、溶融状態またはゴム状態の、下記に記載される親水性ポリマーまたは糖アルコールなどの賦形剤である。化合物Iの結晶形は、溶融されたまたはゴム状の賦形剤に溶解する。溶融されたまたはゴム状の賦形剤への化合物Iの結晶形の溶解および混合を促進するために、加熱を使用してもよい。好ましくは、化合物Iの結晶形を賦形剤に溶解および混合するために、溶融押出が使用される。このようにして生成された溶液または溶融物は、冷却され、固化することにより、化合物Iおよび賦形剤を含む固体分散体を形成し得る。好ましくは、化合物Iは、固体分散体において非晶質の形態である。より好ましくは、固体分散体は、固溶体またはガラス溶液である。この固体分散体、固溶体またはガラス溶液は、粉砕されるか、破砕されるか、または粒状化され得、次いで、他の添加物ありまたはなしで、錠剤または別の好適な固体剤形に圧縮され得る。この固体分散体、固溶体またはガラス溶液は、錠剤または別の好適な固体剤形に、そのまま成形され得るかまたは形成され得る。多くの場合、下記に記載される医薬として許容される界面活性物質が、固化の前にこの溶液または溶融物に加えられ得;結果として、この実施形態に従って生成された固体分散体/固溶体/ガラス溶液は、医薬として許容される界面活性物質も含み得る。
さらに別の実施形態では、加熱と揮発性溶媒の両方が、好適な賦形剤を含む溶液に化合物Iの結晶形を溶解するために用いられる。
本明細書中で使用されるとき、用語「固体分散体」は、少なくとも2種の成分を含む固体状態の系のこと(液体または気体の状態と対照的なものとして)を定義し、ここで、1つの成分は、他の成分の全体に分散されている。例えば、ある活性成分または活性成分の組み合わせが、医薬として許容される親水性ポリマーおよび医薬として許容される界面活性物質を含むマトリックスに分散され得る。用語「固体分散体」は、別の相に分散されている小さい粒子の1つの相を有する系を包含する。このような固体分散体は、これらの成分の固体分散体の系が、化学的および物理的に均一であるかもしくは全体にわたって均質であるようになっているか、または(熱力学において定義されるとき)1相からなるとき、「固溶体」と呼ばれる。ガラス溶液は、溶質がガラス状溶媒に溶解されている固溶体である。
本発明の方法における使用に適した賦形剤の非限定的な例としては、数多くの親水性ポリマーが挙げられる。好ましくは、本発明の方法において使用される親水性ポリマーは、少なくとも50℃、より好ましくは、少なくとも60℃、非常に好ましくは、80℃から180℃または100℃から150℃を含むがこれらに限定されない、少なくとも80℃のTgを有する。上に記載されたTgを有する親水性ポリマーは、力学的に安定であり、常温の範囲内において十分に温度安定である、固体分散体の調製を可能にすることができ、この固体分散体は、さらなる加工なしに剤形として使用することができるか、またはほんの少量の打錠助剤を用いて錠剤に圧縮されることができる。50℃未満のTgを有する親水性ポリマーも使用してよい。
好ましくは、本発明において使用される親水性ポリマーは、水溶性である。本発明の固体組成物は、架橋ポリマーなどの難水溶性または不水溶性のポリマーも含み得る。本発明の固体組成物に含まれる親水性ポリマーは、好ましくは、20℃において水溶液に2%(w/v)で溶解されたとき、1から5000mPa・s、より好ましくは、1から700mPa・s、最も好ましくは、5から100mPa・sという見かけ粘度を有する。
本発明の方法における使用に適した親水性ポリマーとしては、N−ビニルラクタムのホモポリマーもしくはコポリマー、例えば、N−ビニルピロリドンのホモポリマーもしくはコポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)またはN−ビニルピロリドンと酢酸ビニルもしくはプロピオン酸ビニルとのコポリマー);セルロースエステル類もしくはセルロースエーテル類、例えば、アルキルセルロース類(例えば、メチルセルロースまたはエチルセルロース)、ヒドロキシアルキルセルロース類(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース類(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)およびセルロースフタレート類またはセルローススクシネート類(例えば、セルロースアセテートフタレートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート);高分子ポリアルキレンオキシド類、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー;ポリアクリレート類またはポリメタクリレート類、例えば、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸ブチル/メタクリル酸2−ジメチルアミノエチルコポリマー、ポリ(アクリル酸ヒドロキシアルキル)およびポリ(メタクリル酸ヒドロキシアルキル);ポリアクリルアミド類;酢酸ビニルポリマー、例えば、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、および部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル(部分的にけん化された「ポリビニルアルコール」とも称される。);ポリビニルアルコール;オリゴ糖類または多糖類、例えば、カラギナン、ガラクトマンナンおよびキサンタンガム;ポリヒドロキシアルキルアクリレート類;ポリヒドロキシアルキル−メタクリレート類;メタクリル酸メチルとアクリル酸とのコポリマー;ポリエチレングリコール(PEG);またはこれらの任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法における使用にとって好ましい親水性ポリマーの非限定的な例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)K17、PVP K25、PVP K30、PVP K90、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)E3、HPMC E5、HPMC E6、HPMC E15、HPMC K3、HPMC A4、HPMC A15、HPMCアセテートスクシネート(AS)LF、HPMC AS MF、HPMC AS HF、HPMC AS LG、HPMC AS MG、HPMC AS HG、HPMCフタレート(P)50、HPMC P 55、Ethocel4、Ethocel7、Ethocel10、Ethocel14、Ethocel20、コポビドン(ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー60/40)、ポリ酢酸ビニル、メタクリレート/メタクリル酸コポリマー(Eudragit)L100−55、Eudragit L100、Eudragit S100、ポリエチレングリコール(PEG)400、PEG600、PEG1450、PEG3350、PEG4000、PEG6000、PEG8000、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338およびポロキサマー407が挙げられる。
これらのうち、N−ビニルピロリドンのホモポリマーまたはコポリマー、例えば、N−ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマーが好ましい。好ましいポリマーの非限定的な例は、60重量%のN−ビニルピロリドンと40重量%の酢酸ビニルとのコポリマーである。他の好ましいポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USPではヒプロメロースとしても知られるHPMC)、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースE5グレード(HPMC−E5);およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の方法において使用される、医薬として許容される界面活性物質は、好ましくは、非イオン性界面活性物質である。より好ましくは、非イオン性界面活性物質は、2から20のHLB値を有する。HLB系(Fiedler,H.B.,ENCYLOPEDIA OF EXCIPIENTS,5th ed.,Aulendorf:ECV−Editio−Cantor−Verlag(2002))は、数値を界面活性物質に起因すると考え、親油性物質には、より低いHLB値が与えられ、親水性物質には、より高いHLB値が与えられる。
本発明の方法における使用に適した、医薬として許容される界面活性物質の非限定的な例としては、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、例えば、トリリシノール酸ポリオキシエチレングリセロールもしくはポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL;BASF Corp.)またはオキシステアリン酸ポリオキシエチレングリセロール、例えば、ポリエチレングリコール40硬化ヒマシ油(ポリオキシル40硬化ヒマシ油またはヒドロキシステアリン酸マクロゴールグリセロールとしても知られるCremophor(登録商標)RH40)もしくはポリエチレングリコール60硬化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH60);またはポリオキシエチレンソルビタンのモノ脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのモノ脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween(登録商標)40)またはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)が挙げられる。好適な界面活性物質の他の非限定的な例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、例えば、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、例えば、ポリオキシエチレン(2)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、例えば、PEG−200モノラウレート、PEG−200ジラウレート、PEG−300ジラウレート、PEG−400ジラウレート、PEG−300ジステアレート、PEG−300ジオレエート;アルキレングリコール脂肪酸モノエステル類、例えば、モノラウリン酸プロピレングリコール(Lauroglycol(登録商標));スクロース脂肪酸エステル類、例えば、スクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースジラウレート;ソルビタン脂肪酸モノエステル類、例えば、ソルビタンモノラウレート(Span(登録商標)20)、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)またはソルビタンステアレートが挙げられる。他の好適な界面活性物質としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしても知られる、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、またはポリオキシエチレンポリプロピレングリコール、例えば、Poloxamer(登録商標)124、Poloxamer(登録商標)188、Poloxamer(登録商標)237、Poloxamer(登録商標)388またはPoloxamer(登録商標)407(BASF Wyandotte Corp.)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法における使用にとって好ましい界面活性物質の非限定的な例としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、Cremophor RH40、Cremophor EL、Gelucire44/14、Gelucire50/13、D−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)、プロピレングリコールラウレート、ラウリル硫酸ナトリウムおよびソルビタンモノラウレートが挙げられる。
本明細書中で使用される、医薬として許容される界面活性物質は、医薬として許容される界面活性物質の混合物、例えば、10未満のHLB値を有する界面活性物質と10以上の(no lees than)HLB値を有する別の界面活性物質との組み合わせであり得る。
1つの実施形態において、少なくとも10のHLB値を有する界面活性物質が、本発明の方法において使用される。別の実施形態において、10未満のHLB値を有する界面活性物質が、本発明の方法において使用される。さらに別の実施形態において、2つ以上の界面活性物質の混合物(例えば、少なくとも10のHLB値を有する1つの界面活性物質と10未満のHLB値を有する別の界面活性物質との組み合わせ)が、本発明の方法において使用される。
1つの実施形態において、本発明の方法は、本発明の結晶形(例えば、化合物Iの結晶形のクラス2、またはA、B、C、D、E、F、GもしくはH形)、上に記載された親水性ポリマーおよび上に記載された界面活性物質を溶解して溶液(例えば、溶融物)を形成する工程を含む。この親水性ポリマーは、例えば、N−ビニルラクタムのホモポリマー、N−ビニルラクタムのコポリマー、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルポリマー、オリゴ糖および多糖からなる群より選択され得る。非限定的な例として、上記親水性ポリマーは、N−ビニルピロリドンのホモポリマー、N−ビニルピロリドンのコポリマー、N−ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、N−ビニルピロリドンとプロピオン酸ビニルとのコポリマー、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースフタレート、セルローススクシネート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸ブチル/メタクリル酸2−ジメチルアミノエチルコポリマー、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、カラギナン、ガラクトマンナンおよびキサンタンガムからなる群より選択される。好ましくは、上記親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)K17、PVP K25、PVP K30、PVP K90、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)E3、HPMC E5、HPMC E6、HPMC E15、HPMC K3、HPMC A4、HPMC A15、HPMCアセテートスクシネート(AS)LF、HPMC AS MF、HPMC AS HF、HPMC AS LG、HPMC AS MG、HPMC AS HG、HPMCフタレート(P)50、HPMC P 55、Ethocel4、Ethocel7、Ethocel10、Ethocel14、Ethocel20、コポビドン(ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー60/40)、ポリ酢酸ビニル、メタクリレート/メタクリル酸コポリマー(Eudragit)L100−55、Eudragit L100、Eudragit S100、ポリエチレングリコール(PEG)400、PEG600、PEG1450、PEG3350、PEG4000、PEG6000、PEG8000、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407から選択される。より好ましくは、上記親水性ポリマーは、ビニルピロリドンのホモポリマー(例えば、12から100のFikentscher K値を有するPVP、または17から30のFikentscher K値を有するPVP)または30から70重量%のN−ビニルピロリドン(VP)と70から30重量%の酢酸ビニル(VA)とのコポリマー(例えば、60重量%VPと40重量%VAとのコポリマー)から選択される。上記界面活性物質は、例えば、トリリシノール酸ポリオキシエチレングリセロールまたはポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL;BASF Corp.)またはオキシステアリン酸ポリオキシエチレングリセロール、ポリオキシエチレンソルビタンのモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキレングリコール脂肪酸モノエステル、スクロース脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸モノエステルからなる群より選択され得る。非限定的な例として、上記界面活性物質は、ポリエチレングリコール40硬化ヒマシ油(ポリオキシル40硬化ヒマシ油またはヒドロキシステアリン酸マクロゴールグリセロールとしても知られるCremophor(登録商標)RH40)、ポリエチレングリコール60硬化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのモノ脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween(登録商標)40)またはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20))、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル、PEG−200モノラウレート、PEG−200ジラウレート、PEG−300ジラウレート、PEG−400ジラウレート、PEG−300ジステアレート、PEG−300ジオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、スクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースジラウレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテートおよびソルビタンステアレートからなる群より選択される。好ましくは、上記界面活性物質は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、Cremophor RH40、Cremophor EL、Gelucire 44/14、Gelucire 50/13、D−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)、プロピレングリコールラウレート、ラウリル硫酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートから選択される。より好ましくは、上記界面活性物質は、ソルビタンモノラウレートまたはD−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートから選択される。
別の実施形態において、本発明の方法は、本発明の結晶形(例えば、化合物Iの結晶形のクラス2またはA、B、C、D、E、F、GもしくはH形)、上に記載された親水性ポリマーおよび上に記載された界面活性物質を溶解して溶液(例えば、溶融物)を形成する工程を含む。この親水性ポリマーは、N−ビニルピロリドンのホモポリマーまたはコポリマー(例えば、コポビドン)である。医薬として許容される界面活性物質は、例えば、ビタミンE TPGSまたはソルビタンモノラウレートであり得る。
本発明の溶融押出法は、典型的には、(1)本発明の結晶形(例えば、化合物Iのクラス2またはA、B、C、D、E、F、GもしくはH形)、(2)上に記載された親水性ポリマー(または別の好適な結合剤)および(3)好ましくは、上に記載された界面活性物質から溶融物を調製する工程を含む。次いで、この溶融物を、これが固化するまで冷却し得る。最初に使用される化合物Iの結晶形は、溶融物が形成されると消失する。この溶融物は、他の添加物も含み得る。「溶融」は、1つの成分が他の成分の中に埋め込まれる、好ましくは、均一に埋め込まれるようになることが可能である、液体状態またはゴム状態への転移を意味する。多くの場合、ポリマー成分が溶融する性質であり、この溶融物に、化合物Iの結晶形および界面活性物質を含む他の成分が溶解し、これにより、溶液が形成される。溶融は、通常、このポリマーの軟化点より高く加熱することを必要とする。溶融物の調製は、種々の方法で行われ得る。成分の混合は、溶融物の形成の前、形成中または形成の後に行われ得る。例えば、成分をまず混合し、次いで溶融し得るか、または混合と融解を同時に行うことができる。溶融物はまた、化合物Iを効率的に分散させるために、均質化され得る。さらに、まずポリマーを溶融し、次いで化合物Iに混合し、均質化することが好都合であり得る。1つの例では、界面活性物質以外のすべての材料を混和して押出機に供給する一方で、界面活性物質を外部で溶融し、押し出し中に注ぎ込む。
別の例において、溶融物は、化合物Iおよび上に記載された親水性ポリマーを含み、溶融物の温度は、100から170℃、好ましくは、120から150℃、非常に好ましくは、135から140℃の範囲内である。溶融物は、上に記載された医薬として許容される界面活性物質も含み得る。
なおも別の例において、溶融物は、化合物I、少なくとももう1つの抗HCV剤(例えば、HCVポリメラーゼ阻害剤もしくはHCV NS5A阻害剤、またはHCVポリメラーゼ阻害剤とHCV NS5A阻害剤との組み合わせ)および上に記載された親水性ポリマーを含む。溶融物は、上に記載された医薬として許容される界面活性物質も含み得る。
好ましくは、本明細書中に記載される溶融物は、リトナビルも含む。
溶融押出法を開始するために、化合物Iは、本発明の結晶形、例えば、クラス2またはA、B、C、D、E、F、GもしくはH形で使用される。本発明の結晶形は、まず、好適な液体溶媒、例えば、アルコール、脂肪族炭化水素、エステルまたは場合によっては液体二酸化炭素に溶解され得;この溶媒は、溶融物を調製する際に、除去、例えば、蒸発され得る。
様々な添加物、例えば、流動性調節剤(flow regulators)(例えば、コロイドシリカ)、潤滑剤、充填剤、崩壊剤、可塑剤、着色剤または安定剤(例えば、酸化防止剤、光安定剤、ラジカルスカベンジャーおよび微生物の攻撃に対する安定剤)も、溶融物に含められ得る。
溶融および/または混合は、この目的のための通例の装置において行われ得る。特に好適なものは、押出機または捏和機である。好適な押出機としては、シングルスクリュー押出機、インターメッシュスクリュー(intermeshing screw)押出機またはマルチスクリュー押出機、好ましくは、同時回転し得るかまたは逆回転し得、場合により捏和ディスクを備え得るツインスクリュー押出機が挙げられる。使用温度は、押出機の種類または使用される押出機内の配置の種類によって決定され得ることが理解されるだろう。押出機内で成分を溶融するため、混合するためおよび溶解するために必要なエネルギーの一部は、発熱体によって提供され得る。しかしながら、押出機内での材料の摩擦および剪断もまた、かなりの量のエネルギーを混合物に提供し得、これらの成分の均一な溶融物の形成を助け得る。
溶融物は、希薄から糊状、粘稠性までの範囲に及び得る。押出物の成形は、表面上に相互にマッチするくぼみを有する2つの逆回転するローラーを備えるカレンダーによって、都合よく行われ得る。この押出物は、冷却され、固化し得る。この押出物はまた、固化の前(熱間切断)または固化の後(冷間切断)に切り分けられ得る。
固化した押し出し生成物は、さらに、顆粒に粉砕され得るか、破砕され得るか、または別途縮小され得る。固化した押出物、ならびに生成された各顆粒は、化合物Iの固体分散体、好ましくは、固溶体を、親水性ポリマーおよび場合により医薬として許容される界面活性物質を含むマトリックス内に含む。これらの顆粒が、いかなる界面活性物質も含まない場合、上に記載された医薬として許容される界面活性物質が、これらの顆粒に加えられ、混和され得る。押し出し生成物は、顆粒に粉砕される前または破砕される前に、他の活性成分(例えば、リトナビル)および/または添加物とも混和され得る。これらの顆粒はさらに、好適な固体経口剤形に加工され得る。
1つの例では、コポビドンおよび上に記載された界面活性物質が混合され、粒状化された後、アエロジルおよび本発明の化合物Iの結晶形(例えば、クラス2またはA、B、C、D、E、F、GもしくはH形)が加えられる。この混合物は、リトナビルも含み得る。次いで、例えば5重量%の化合物Iを含み得るこの混合物は、粉砕される。次いで、この混合物は、押し出しに供され、このようにして生成された押出物は、カプセル剤または錠剤を生成するさらなる加工のために、粉砕され得、ふるいにかけられ得る。この例において使用される界面活性物質は、押し出し中の液体注入を通じても加えられ得る。
例えば噴霧乾燥を介した、溶媒蒸発のアプローチは、必要である場合に、より低い温度での加工が可能であるという利点を提供し、粉末特性をさらに改善するために、この方法に対して他の改変も可能にする。次いで、噴霧乾燥された粉末は、必要であればさらに製剤化され得、最終的な薬物生成物は、カプセル剤が望まれるか、錠剤が望まれるかまたは他の任意の固体剤形が望まれるかについて適応性がある。
例示的な噴霧乾燥法および噴霧乾燥装置は、K.Masters,SPRAY DRYING HANDBOOK(Halstead Press,New York,4th ed.,1985)に記載されている。本発明に適した噴霧乾燥デバイスの非限定的な例としては、Niro Inc.またはGEA Process Engineering Inc.、Buchi Labortechnik AGおよびSpray Drying Systems,Inc.が製造する噴霧乾燥機が挙げられる。噴霧乾燥法は、通常、液体混合物を小さい液滴に分割する工程、およびこれらの液滴から溶媒を蒸発させるための強い推進力が存在する容器(噴霧乾燥装置)内でこれらの液滴から溶媒を迅速に除去する工程を含む。微粒子化の手法は、例えば、二流体ノズルもしくは圧力ノズルまたはロータリーアトマイザーを伴う。溶媒を蒸発させるための強い推進力は、例えば、乾燥中の液滴の温度において噴霧乾燥装置内の溶媒の分圧を溶媒の蒸気圧より十分低く維持することによって提供され得る。これは、(1)噴霧乾燥装置内の圧力を部分真空で維持すること;(2)液体の液滴を温かい乾燥用気体(例えば、加熱された窒素)と混合すること;または(3)この両方によって達成され得る。
乾燥用気体の温度および流速ならびに噴霧乾燥機の設計は、液滴がこの装置の壁に届くまでに十分乾燥されるように選択することができる。これは、乾燥された液滴が、確実に、本質的に固体であること、微粉を形成することができること、装置の壁に貼り付かないことを助ける。噴霧乾燥された生成物は、この材料を手作業で、空気圧で、機械的に、または他の好適な手段によって、取り出すことによって回収され得る。好ましい乾燥レベルを達成するための実際の時間の長さは、液滴のサイズ、配合および噴霧乾燥機の操作に依存する。固化の後、固体粉末は、この固体粉末から溶媒をさらに蒸発させるために、さらなる時間(例えば、5から60秒間)にわたって噴霧乾燥チャンバー内に留まり得る。固体分散体が乾燥器を出るときのこの固体分散体における最終的な溶媒含有率は、好ましくは、最終生成物の安定性を改善するのに十分に低いレベルである。例えば、噴霧乾燥された粉末の残留溶媒含有率は、2重量%未満であり得る。非常に好ましくは、この残留溶媒含有率は、International Conference on Harmonization(ICH)のガイドラインに示されている限度内である。さらに、残留溶媒をなおもより低いレベルに低下させるために、噴霧乾燥された組成物をさらなる乾燥に供することが有用であり得る。溶媒レベルをさらに低下させる方法としては、流動層乾燥、赤外線乾燥、タンブル乾燥、真空乾燥ならびにこれらおよび他の方法の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
上に記載された固体押出物のように、噴霧乾燥された生成物は、上に記載された親水性ポリマーを含むマトリックス中の化合物Iの固体分散体、好ましくは、固溶体、および場合により上に記載された医薬として許容される界面活性物質を含む。噴霧乾燥された生成物が、いかなる界面活性物質も含まない場合、さらに加工する前に、上に記載された医薬として許容される界面活性物質が、噴霧乾燥された生成物に加えられ、混和され得る。
噴霧乾燥機に供給する前に、本発明の化合物Iの結晶形(例えば、クラス2またはA、B、C、D、E、F、GもしくはH形)、上に記載された親水性ポリマー、ならびに他の随意の活性成分または賦形剤、例えば、上に記載された医薬として許容される界面活性物質が、溶媒に溶解され得る。好適な溶媒としては、アルカノール(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたはこれらの混合物)、アセトン、アセトン/水、アルカノール/水混合物(例えば、エタノール/水混合物)またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。この溶液は、噴霧乾燥機に供給される前に予熱され得る。多くの場合、リトナビルが、化合物Iの結晶形とともに溶解される。
溶融押出、噴霧乾燥または他の手法によって生成される固体分散体は、任意の好適な固体経口剤形に調製され得る。1つの実施形態において、溶融押出、噴霧乾燥または他の手法によって調製される固体分散体(例えば、押出物または噴霧乾燥された粉末)は、錠剤に圧縮され得る。この固体分散体は、そのまま圧縮され得るか、または圧縮の前に、顆粒もしくは粉末に粉砕され得るかもしくは破砕され得る。圧縮は、打錠機、例えば、2つの可動パンチの間の鋼製金型において行われ得る。固体組成物が、化合物Iおよび別の抗HCV剤を含むとき、各個別の活性成分の固体分散体を別々に調製し、次いで、圧縮前に、場合により粉砕されたまたは破砕された固体分散体を混和することが可能である。化合物Iおよび別の抗HCV剤はまた、同じ固体分散体として調製され、場合により、粉砕され、および/または他の添加物と混和され、次いで、錠剤に圧縮され得る。同様に、固体組成物が、化合物Iおよびリトナビルを含むとき、各個別の活性成分の固体分散体を別々に調製し、次いで、圧縮前に、場合により粉砕されたまたは破砕された固体分散体を混和することが可能である。化合物Iおよびリトナビルはまた、同じ固体分散体として調製され、場合により、粉砕され、および/または他の添加物と混和され、次いで、錠剤に圧縮され得る。
少なくとも1つの添加物、例えば、流動性調節剤、潤滑剤、充填剤、崩壊剤または可塑剤から選択されるものが、固体分散体を圧縮する際に使用され得る。これらの添加物は、圧縮の前に、破砕されたまたは粉砕された固体分散体と混合され得る。崩壊剤は、胃の中でこの圧縮物が迅速に崩壊するのを促進し、遊離した顆粒が互いから離れた状態を維持する。好適な崩壊剤の非限定的な例は、架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウムである。好適な充填剤(増量剤とも称される。)の非限定的な例は、ラクトース一水和物、リン酸水素カルシウム、微結晶性セルロース(例えば、Avicell)、シリケート、特に、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、タルク、ジャガイモデンプンもしくはトウモロコシデンプン、イソマルト(isomalt)またはポリビニルアルコールである。好適な流動性調節剤の非限定的な例としては、高度に分散されたシリカ(例えば、Aerosilなどのコロイドシリカ)および動物性脂肪もしくは植物性脂肪または動物ろうもしくは植物ろうが挙げられる。好適な潤滑剤の非限定的な例としては、ポリエチレングリコール(例えば、1000から6000の分子量を有する。)、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムなどが挙げられる。
様々な他の添加物、例えば、染料、例えば、アゾ染料、有機顔料もしくは無機顔料、例えば、酸化アルミニウムもしくは二酸化チタン、または天然起源の色素;安定剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、ラジカルスカベンジャー、微生物の攻撃に対する安定剤もまた、本発明の方法に従って調製される固体組成物を調製する際に使用され得る。
1つの実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのA形を使用する。上に記載された任意のA形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるA形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのB形を使用する。上に記載された任意のB形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるB形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのC形を使用する。上に記載された任意のC形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるC形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのD形を使用する。上に記載された任意のD形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるD形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのE形を使用する。上に記載された任意のE形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるE形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのF形を使用する。上に記載された任意のF形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるF形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのG形を使用する。上に記載された任意のG形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるG形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物IのH形を使用する。上に記載された任意のH形が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるH形結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
別の実施形態において、上に記載された本発明の方法は、実質的に純粋な化合物Iのクラス2を使用する。上に記載された化合物Iの任意のクラス2が、本発明の方法において使用され得る。例えば、使用されるクラス2結晶は、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%であり得る。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の化合物Iの結晶形を含む組成物を特徴とする。本明細書中に記載される任意の結晶形が、本発明の組成物に含められ得る。好ましくは、この結晶形は、実質的に純粋、例えば、少なくとも90%純粋、好ましくは、少なくとも95%純粋、またはより好ましくは、少なくとも97%純粋である。1つの実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも5重量%の本発明の実質的に純粋な結晶形を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも10重量%の本発明の実質的に純粋な結晶形を含む。なおも別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも5重量%の本発明の1つ以上の結晶形を含む。さらに別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも10重量%の本発明の1つ以上の結晶形を含む。
[実施例1]
化合物Iのクラス2結晶形の調製
米国特許出願公開第2010/0144608号明細書の実施例49dに従って調製された化合物Iの結晶性水和物を、内部温度が48℃のジャケット付き反応容器に加えた後、0.2の酢酸イソプロピル、0.4のイソプロパノールおよび0.2の水という容積分率比で予め混合しておいた溶媒混合物を加えた。得られたスラリーを、1時間以上にわたって48℃で保持し、次いで、10℃に冷却し、12時間以上にわたって撹拌した。さらなる水を加えることにより、この溶媒組成物を0.2の酢酸イソプロピル、0.4のイソプロパノールおよび0.4の水という容積分率比にした。このスラリーを排出し、固体を濾過し、次いで、32℃および5.3inHgの真空オーブンにおいて60分間乾燥させた。固体を粉末X線回折によって解析したところ、この回折パターンは、米国特許出願公開第2010/0144608号明細書の実施例49dに記載されている結晶性水和物(本明細書中で「クラス1」)とは異なる結晶形であるクラス2の回折パターンと一致することが見出された。化合物Iのクラス2結晶形は、クラス1結晶形よりも有意に高い収率で生成され得る。
[実施例2]
化合物Iの結晶形Dの調製
40mgの化合物Iの結晶性クラス2を、0.2の酢酸イソプロピル、0.4のイソプロパノールおよび0.4の水という容積分率組成を有する1mlの溶媒混合物に懸濁した。この溶液を60℃に加熱することにより、透明の溶液を得て、次いで、撹拌しながら0.5℃/分の速度で20℃まで冷却した。結晶を真空濾過によって単離し、単結晶構造決定のために使用した。この構造は、化合物Iの1モルあたり2.75モルの水を含む化合物IのD形であることが見出された。
[実施例3]
化合物Iの結晶形Cの調製
20ミクロン(d50)という公称寸法を有する、化合物Iの結晶性クラス2の種子結晶を、0.2の酢酸イソプロピル、0.4のイソプロパノールおよび0.4の水という容積分率組成を有する溶媒混合物に投入して、種晶床を得た。この種晶床を40℃で撹拌した。化合物Iの濃縮溶液を酢酸イソプロピルにおいて調製した。0.5のイソプロパノールおよび0.5の水という容積分率組成を有する別個の沈殿用溶媒混合物も調製した。反応容器内の温度を40℃で維持し、また0.2の酢酸イソプロピル、0.4のイソプロパノールおよび0.4の水という反応容器内の全容積分率溶媒組成を維持しつつ、この化合物I溶液と沈殿用溶媒混合物とを同時に種晶床に加えた。化合物I溶液および沈殿用溶媒混合物のすべてが種晶床に投入されたら、このスラリーを20℃に冷却し、真空濾過を用いて濾過した。固体を濾過フラスコにおいて風乾した。より大きな結晶の1つを単結晶構造決定のために使用した。この構造は、化合物Iの1モルあたり2.5モルの水を含む化合物IのC形であることが見出された。
[実施例4]
化合物Iの結晶形Aの調製
化合物IのD形結晶を、約90時間にわたって乾燥剤の上で保管することにより、化合物Iの結晶形Aが得られた。
[実施例5]
化合物Iの結晶形Bの調製
化合物IのD形結晶を、約24時間にわたって乾燥剤の上で保管することにより、化合物Iの結晶形Bが得られた。
[実施例6]
化合物Iのクラス2結晶形の調製
0.2、0.38および0.42という容積分率の酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコールおよび水という組成の三成分溶媒混合物を調製した。適切な体積のこの溶媒に、化合物Iのクラス1結晶とクラス2結晶との混合物を加えることにより、およそ10重量パーセントのスラリーを得た。このスラリーをシェーカーブロック上で6週間撹拌した。結晶形の変換の完了を促進するために、元の溶媒混合物を含むスラリーに対して断続的に希釈を行った。これらの結晶を遠心分離によって単離し、周囲条件下で一晩乾燥させ、単結晶構造決定のために解析した。この構造は、化合物Iの1モルあたり2.25モルの水を含む結晶性クラス2と一致することが見出された。
[実施例7]
化合物Iのクラス2結晶形の調製
40℃のジャケット付き反応容器に、0.21の酢酸イソプロピル、0.39のイソプロパノールおよび0.39の水という容積分率比の溶媒混合物を加えた。この溶媒混合物を、外部の回転子−固定子デバイスによって均質化した。0.28g/gという濃度の酢酸イソプロピル中の化合物Iを含む溶液ならびに0.5のイソプロパノールおよび0.5の水という容積分率比の予め混合された二成分溶媒混合物を調製した。この化合物I/酢酸イソプロピル溶液を、そのまま均質化デバイス(先端部の速度は23m/s)に加えた一方で、イソプロピルアルコール/水混合物を、ジャケット付き反応容器の表面下に加えた。ジャケット付き反応容器内の最終的な溶媒組成が、投入全体にわたって、0.21の酢酸イソプロピル、0.39のイソプロパノールおよび0.39の水という容積分率比で維持されるように、これらの2つの溶液の添加の相対速度を調整した。初期量の化合物I/酢酸イソプロピル溶液を対応する量のイソプロパノール/水混合物とともに加えた後、クラス2種結晶(crystalline seeds)を反応容器に加えた。次いで、別の量の化合物I/酢酸イソプロピル溶液を対応する量のイソプロパノール/水混合物とともに加えることにより、さらに種晶床を形成した。この時点において、内部温度を55℃に上げ、均質化デバイスの先端速度を5m/sまで低下させた。残りの化合物I/酢酸イソプロピル溶液を対応する量のイソプロパノール/水混合物とともに加えた。総添加時間は、およそ3.5時間だった。化合物I/酢酸イソプロピルの溶液とイソプロパノール/水の溶液との同時添加の完了時に、より多くのイソプロパノール水混合物を加えることにより、最終的な溶媒組成を、0.18の酢酸イソプロピル、0.41のイソプロパノールおよび0.41の水という容積分率比に調整した。撹拌を停止し、スラリーを30分間熟成させた。このスラリーを、5から10℃/時の範囲の速度で20℃に冷却し、次いで、濾過した。湿った固体を、0.21の酢酸イソプロピル、0.39のイソプロパノールおよび0.39の水という容積分率比の3体積の三成分溶媒混合物で洗浄した。風乾させた後、これらの固体を50℃および50%の相対湿度のオーブンに入れた。固体を粉末X線回折によって解析したところ、この回折パターンは、クラス2結晶形と一致することが見出された。この方法を用いて単離された結晶性固体の粒径分布は、Malvern Masterサイザーにおいてレーザー回折に基づく湿式法によって測定したとき、バッチ間で一貫していた。
本発明の前述の説明は、例証および説明を提供するものであって、網羅的であることまたは本発明を開示されたまさにそのものに限定することを意図していない。改変および変更が、上記の教示に照らして可能であるか、または本発明の実施から取得され得る。従って、本発明の範囲が特許請求の範囲およびこれらの等価物によって定義されることに注意する。