JP6572877B2 - 燃料電池アノード用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池アノード用触媒に関し、さらに詳しくは、金属元素Mを含む白金ブロンズを含む燃料電池アノード用触媒に関する。
固体高分子形燃料電池の触媒層には、通常、触媒粒子を担持した担体(電極触媒)と、固体高分子電解質(触媒層アイオノマ)との混合物が用いられている。また、触媒粒子には、通常、白金又は白金合金が用いられている。
一般に、触媒粒子の担持量が多くなるほど、電極触媒の性能は向上する。しかし、白金又は白金合金は高価であるため、白金の使用量が多くなるほど、燃料電池のコストが上昇する。燃料電池を低コスト化するためには、触媒層全体に含まれる白金量を低減する必要がある。また、燃料電池における白金使用量を低減するには、少ない白金量で高い性能を示す電極触媒が必要である。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、MxPt34型(M=Li、Na、Mg、Ca、Zn、Cd、Co、及びNi)の白金金属酸化物(Platinum Metal Oxides)の合成方法が開示されている。
同文献には、LixPt34、CoxPt34、及びNixPt34は、高い酸素還元活性と、Pt34電極と同等のボルタンメトリック特性とを持つ点が記載されている。
また、非特許文献2には、ニッケル−白金酸化物ブロンズ(NixPt34、x=0.4〜0.5)の合成法及びその物性(サイクリックボルタンメトリー、X線回折、X線光電子分光(XPS)、X線吸収微細構造(XAFS))が開示されている。
同文献には、ニッケル−白金酸化物ブロンズは、熱酸中における溶解度が低く、メタル白金(metallic platinum)に近い触媒活性を示すため、カソード触媒として使用可能である点が記載されている。
燃料電池において、白金は、カソード用触媒としてだけでなく、アノード用触媒としても用いられている。また、白金は、一般に、カーボン担体表面に担持された状態で用いられている。しかし、白金担持カーボンをアノード用触媒として用いた場合において、水素が欠乏している条件下(すなわち、高電位)に曝された時には、カーボン担体が酸化劣化し、触媒性能が低下する。
一方、非特許文献1、2には、白金ブロンズをカソード用触媒として使用可能である点が記載されている。しかし、これらの文献においては、白金ブロンズ表面のみの酸素還元及び水電解性能しか評価しておらず、メタル化した表面の活性を評価していない。また、これらの文献においては、水素酸化活性の評価(すなわち、アノード用触媒としての有用性)についても評価していない。
R.D.Shannon et al., Inorg. Chem., 21, 3372(1982) D.A.Tryk et al., Proceeding of the Symposium on Electrode Materials and Processed for Energy Conversion and Strage, 408-417(1994)
本発明が解決しようとする課題は、白金ブロンズを含む新規な燃料電池アノード用触媒を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、水素が欠乏している条件下(すなわち、高電位)に曝された場合であっても、触媒性能の劣化が少ない新規な燃料電池アノード用触媒を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池アノード用触媒は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記燃料電池アノード用触媒は、金属元素Mを含む白金ブロンズを含む。
(2)前記金属元素Mは、Co、Ce、Mn、In、Bi、及びCaからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素からなる。
所定の金属元素Mを含む白金ブロンズは、白金担持カーボンと同等以上の水素酸化活性と、白金担持カーボンよりも高い水電解活性とを併せ持つ。これは、燃料電池アノード作動環境下では白金ブロンズの表面の一部がメタル白金化するために、メタル白金触媒並みの水素酸化活性を示すと同時に、白金ブロンズとしての水電解酸素発生性能を示すためと考えられる。そのため、これを燃料電池アノード用触媒として用いると、白金担持カーボンと同等以上の水素酸化活性が得られる。また、水素欠乏状態においても担体表面が高電位にならないため、カーボン担体の酸化劣化を抑制することができる。
さらに、白金ブロンズを触媒として用いると、メタル白金を触媒に用いた場合に比べて、白金使用量を削減することができる。
本発明に係る燃料電池アノード用触媒の模式図である。 熱処理後の試料(CoxPt34+Pt)及び熱処理前の原料混合物(PtO2+Co硝酸塩)のXRDパターンである。 熱処理後の試料(図3(A))及び熱処理前の原料混合物(図3(B))のSEM像である。 王水処理前後の試料のXRDパターンである。
Pt/Vulcan(登録商標)、IrO2、及びMxPt34(M=Co、Ce、Li、Mn、Cu、In、Na、Ag、Bi、Ca)の水電解活性である。 Co−PtブロンズとPt/Vulcan(登録商標)の水素酸化活性及び水電解酸素発生活性である。 電気化学評価後のCoxPt34/GCのXRDパターンである。 電気化学評価後のCoxPt34のSTEM像(図8(A):低倍率像、図8(B):高倍率像)である。
電気化学評価前後のCoxPt34のXPSスペクトルである。 表面及びバルク層にある原子のXPSスペクトルのシグナルへの寄与を説明するための模式図である。 メタルPtの厚み(Δx/λ')とΔS'/SPtとの関係を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 燃料電池アノード用触媒]
本発明に係る燃料電池アノード用触媒は、以下の構成を備えている。
(1)前記燃料電池アノード用触媒は、金属元素Mを含む白金ブロンズを含む。
(2)前記金属元素Mは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Tl、Pd、Bi、及びランタノイドからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素からなる。
[1.1. 白金ブロンズ]
「白金ブロンズ」とは、白金、酸素、及び、第三成分として金属元素Mのイオンを含む複合金属酸化物をいう。白金ブロンズの組成式は、一般にMxPt34で表される。白金ブロンズの空間群はPm3nであり、白金原子が6cサイト、酸素原子が8eサイト、金属元素Mが2aサイトに位置する。金属元素Mの量xは、合成条件(金属仕込み量、合成温度など)により異なる。xは、通常、0<x≦1である。
本発明に係る燃料電池アノード用触媒は、白金ブロンズのみからなるものでも良く、あるいは、白金ブロンズを適切な担体(例えば、カーボン担体)の表面に担持したものでも良い。さらに、白金ブロンズは、単独で用いても良く、あるいは、他の触媒と併用しても良い。
[1.2. 金属元素M]
金属元素Mは、
(a)Li、Na、K、Rb、Cs、
(b)Mg、Ca、Sr、Ba、
(c)Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、
(d)Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、
(e)Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Tl、Pd、Bi、又はランタノイドからなる。白金ブロンズには、これらのいずれか1種の金属元素Mが含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
これらの中でも、金属元素Mは、Co、Ce、Li、Mn、Cu、In、Na、Ag、Bi、及びCaからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素が好ましい。これらの金属元素Mを含む白金ブロンズは、いずれも白金担持カーボンに比べて水電解活性が高く、水素欠乏状態における耐久性が高い。
[1.3. 白金ブロンズの表面状態]
合成直後の白金ブロンズの表面は、酸化物の状態になっていると考えられる。しかし、アノード作動環境下で使用すると、白金ブロンズが還元され、表面の一部がメタル白金層となる。但し、理由の詳細は不明であるが、アノード作動環境下で長時間使用しても、白金ブロンズの表面全面がメタル白金層となることはない。
白金ブロンズの表面積に対するメタル白金層の面積の割合は、金属元素Mの種類や使用条件により異なる。メタル白金層の被覆率=電気化学有効表面積(ECSA)÷BET表面積×100(%)と定義すると、被覆率は、通常、10〜30%となる。
白金ブロンズの表面が還元されることにより生成するメタル白金層の厚みは、極めて薄い。そのため、白金ブロンズに対してX線回折測定を行った場合、白金に由来するピークは認められない。
一方、XPS測定を行うと、メタル白金層の厚みを見積もることができる。後述する方法を用いると、XPS測定から求められるメタル白金層の厚みは、1.6nm以下と見積もられる。
[1.4. 用途]
本発明に係る触媒は、種々の燃料電池のアノード用触媒として使用することができる。本発明が適用可能な燃料電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池などがある。
[2. 燃料電池アノード用触媒の製造方法]
[2.1. 白金ブロンズの製造]
白金ブロンズは、
(a)白金源に対して所定量の金属元素Mの原料を添加し、
(b)原料混合物を所定の条件下で固相反応させ、
(c)必要に応じて、得られた反応物から副生したメタル白金を除去する
ことにより得られる。
[2.1.1. 配合工程]
まず、白金源に対して所定量の金属元素Mの原料(以下、「金属源」ともいう)を添加する(配合工程)。
白金源は、白金ブロンズを合成可能なものである限りにおいて、特に限定されない、白金源としては、例えば、
(a)酸化白金(PtO2)、
(b)白金の硝酸塩、クロロ錯体、アンミン塩、ヒドロキシ錯体
などがある。
金属源は、白金ブロンズを合成可能なものである限りにおいて、特に限定されない。金属源としては、例えば、
(a)硝酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、炭酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩などの無機アニオンとの塩、
(b)酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩などの有機アニオンとの塩、
などがある。
金属源の添加量は、目的に応じて最適な添加量を選択する。一般に、金属源の添加量が多くなるほど、xの大きな白金ブロンズが得られる。
[2.1.2. 反応工程]
次に、原料混合物を所定の条件下で固相反応させる(反応工程)。反応条件は、白金ブロンズの組成や原料の種類に応じて最適な条件を選択する。反応温度は、白金ブロンズの組成等にもよるが、通常、650〜700℃である。反応時間は、通常、数分〜数時間程度である。原料混合物を所定の条件下で熱処理すると、白金ブロンズが生成すると同時に、メタル白金が副生する。
[2.1.3. 精製工程]
次に、必要に応じて、得られた反応物から副成したメタル白金を除去する(精製工程)。メタル白金の除去は、王水処理により行うのが好ましい。所定の条件下で王水処理を行うと、反応物から白金ブロンズを単離することができる。
[2.2. 燃料電池アノード用触媒の製造]
得られた白金ブロンズは、そのまま触媒として用いても良く、あるいは、適切な担体の表面に担持させた状態で使用しても良い。
担体表面に白金ブロンズを担持させた触媒は、白金ブロンズの粉末及び担体を適切な溶媒中に分散させ、溶媒を除去することにより得られる。
[3. 作用]
燃料電池アノード用触媒として、従来、白金担持カーボンを用いるのが一般的である。しかし、白金担持カーボンをアノード用触媒として用いた場合において、水素が欠乏している条件下(すなわち、高電位)に曝された時には、担体カーボンが酸化劣化し、触媒性能が低下する。また、白金は高価であるため、燃料電池を高コスト化させる一因となっている。
これに対し、所定の金属元素Mを含む白金ブロンズは、白金担持カーボンと同等以上の水素酸化活性と、白金担持カーボンよりも高い水電解活性とを併せ持つ。これは、以下の理由によると考えられる。
図1に、本発明に係る燃料電池アノード用触媒の模式図を示す。白金ブロンズを燃料電池アノード作動環境下で使用すると、白金ブロンズの表面の一部がメタル白金化する。メタル白金層の表面において、低電位では、水素が酸化されてプロトンが生成する反応が進行する。そのため、白金ブロンズを燃料電池アノード用触媒として用いると、白金担持カーボンと同等以上の水素酸化活性を示す。
一方、白金ブロンズが露出している面において、高電位では、水の電気分解が進行し、酸素が発生する反応が進行する。そのため、水素欠乏状態においても担体表面が高電位にならないため、カーボン担体の酸化劣化を抑制することができる。
さらに、白金ブロンズを触媒として用いると、メタル白金を触媒に用いた場合に比べて、白金使用量を削減することができる。
白金ブロンズは、金属元素Mの種類によらず水電解活性を示す。これは、水電解活性が白金酸化物に由来する性質であるため、すなわち、白金と酸素との結合を有する部位に由来する性質であるためと考えられる。
また、白金ブロンズは、金属元素Mの種類によらずアノード作動環境下において水素酸化活性を示す。これは、アノード作動環境が還元雰囲気であるため、金属元素Mの種類によらず白金ブロンズの表面の一部がメタル白金化するためである。メタル白金化が生じたか否かは、電位サイクル試験においてメタル白金で見られるような水素吸脱着及び白金の酸化還元のシグナルがあるか否かで確認することができる。
(実施例1〜3、参考例4〜5、実施例6、参考例7〜8、実施例9〜10、比較例1〜2)
[1. 試料の作製]
非特許文献1を参考にし、次に記載する方法で白金ブロンズを合成した。酸化白金(PtO2)と金属硝酸塩とをモル比で3:1になるように秤取し、乳鉢で混合した。金属硝酸塩には、Co(NO3)2・6H2O(実施例1)、Ce(NO3)3・6H2O(実施例2)、
Ca(NO3)2・4H2O(実施例3)、LiNO3 (参考例4)
NaNO3参考例5)、Bi(NO3)3・5H2O(実施例6)、
AgNO3 (参考例7)、Cu(NO3)2・3H2(参考例8)、
Mn(NO3)2・6H2O(実施例9)、又はIn(NO3)3・5H2O(実施例10)
を用いた。
次に、混合物を、空気通気下(1L/min)、650℃で5時間熱処理した。さらに、得られた反応物(白金ブロンズとメタル白金の混合物)を熱王水に30分間浸漬し、上澄み液を除去することでメタル白金を除去した。
比較として、白金担持カーボンの代表例としてPt/Vulcan(登録商標)(COパルス比表面積:158m2/g)(比較例1)、及び酸化イリジウム粉末(BET比表面積:53.6m2/g)(比較例2)を用いた。
[2. 評価]
[2.1. 合成直後の白金ブロンズのXRD測定及びSEM観察]
図2に、熱処理後の試料(CoxPt34+Pt)及び熱処理前の原料混合物(PtO2+Co硝酸塩)のXRDパターンを示す。また、図3に、熱処理後の試料(図3(A))及び熱処理前の原料混合物(図3(B))のSEM像を示す。図2及び図3より、
(a)粗大な原料混合物から、微細な反応物が得られること、及び、
(b)反応物は、白金ブロンズ(CoxPt34)とメタル白金との混合物からなること、
がわかる。
図4に、王水処理前後の試料のXRDパターンを示す。図4より、王水処理によりメタル白金が除去され、白金ブロンズが単離されたことが確認できる。
[2.2. BET比表面積]
各白金ブロンズについて、窒素吸着測定によりBET比表面積を求めた。表1に、その結果を示す。得られた白金ブロンズは、いずれも高い比表面積を有していた。
Figure 0006572877
[2.3. 水素酸化活性及び水電解活性]
白金ブロンズ粉末をアセトンに分散させた後、グラッシーカーボン(GC)電極表面に塗布して乾燥させた。これを作用極として電気化学測定を行い、白金有効表面積、水素酸化活性、及び水電解(酸素発生)活性を評価した。参照電極は可逆水素電極、対極は金メッシュ、電解液は0.1Mの過塩素酸とし、液温は30℃に調整した。白金の有効表面積は、水素の吸着波の電気量と脱着波の電気量の平均値から求めた。水電解活性は、1.7Vでの電流値をBET比表面積で規格化した値を指標とした。
図5に、Pt/Vulcan(登録商標)、IrO2、及びMxPt34(M=Co、Ce、Li、Mn、Cu、In、Na、Ag、Bi、Ca)の水電解活性を示す。図5より、白金ブロンズの水電解活性は、金属元素Mの種類によらず、Pt/Vulcan(登録商標)並み、或いは、それ以上であることがわかる。
図6に、Co−PtブロンズとPt/Vulcan(登録商標)の水素酸化活性及び水電解酸素発生活性の評価を示す。図6より、Co白金ブロンズは、Pt/Vulcan(登録商標)並みの水素酸化活性を示すことがわかる。図示はしないが、Co以外の金属元素Mを含む白金ブロンズも同様であり、水素酸化活性を示すことが確認された。
[2.4. 電気化学評価後の白金ブロンズのXRD測定、TEM観察及びXPS測定]
電気化学評価後の試料をXRD測定、TEM観察、及びXPS測定で評価した。
図7に、電気化学評価後のCoxPt34/GCのXRDパターンを示す。なお、図7には、GC、Ptmetal(シミュレーションパターン)、及びCoxPt34(粉末)のXRDパターンも併せて示した。図7に示すように、電気化学評価後のCoxPt34/GCのXRDパターンにおいて、CoxPt34のピークは見られるが、メタル白金のピークは見られない。従って、電位サイクルにより、バルク層は白金ブロンズのまま、表層のみがXRD測定では検出できないくらい小さい粒子又は薄い層のメタル白金になったと推定される。これは、以下のSTEM像からも確認できる。
図8に、電気化学評価後のCoxPt34のSTEM像(図8(A):低倍率像、図8(B):高倍率像)を示す。図8(B)は、図8(A)の破線で囲った領域を拡大したものである。図8より、白金ブロンズの表面に粒子状又はアイランド状のメタル白金があることが分かる。
図9に、電気化学評価前後のCoxPt34のXPSスペクトルを示す。図9より、白金層の厚みは、1.6nm以下と推定される。計算の詳細は、後述の通りである。
[2.5. 白金ブロンズ表面のメタル白金層の厚みの計算]
図10に、表面及びバルク層にある原子のXPSスペクトルのシグナルへの寄与を説明するための模式図を示す。一般に、表面及びバルク層にある原子のXPSのシグナルへの寄与は、図10(A)に示すように、指数関数的に減衰する(参考文献1、2)。
[参考文献1] Carley, A. F.; Robert, M. W. Proc. R. Soc. London, Ser. A, 363, 403-424(1978)
[参考文献2] Tanuma, S.; Powell, C. J.; Penn, D. R. Surf. Interface Anal. 11, 577-589(1988)
ここで、強度が1/eとなる表面からの距離は、非弾性平均自由工程(IMFP、以下、「λ」という)とcosφの積λ'(=λ×cosφ)で近似できる。φは、検出角度で、45°である。
白金ブロンズ表面の厚みΔxの部分が、メタル白金化した場合のO1sピークの強度変化を考える。この場合、Δxの領域の酸素原子が失われるため、O1sシグナル強度は、図10(B)の上図のハッチングを施した部分の面積の分だけ減少する。その減少率は、次の式(1)で表される。
Figure 0006572877
以上は、白金ブロンズ表面のすべての領域でメタル白金が生成した場合の考察である。CoxPt34の場合、実際には、BET比表面積:18.8m2/gに対して、電気化学測定により求めたメタル白金の有効表面積(ECSA)は3.7m2/gであったことから、白金ブロンズ表面の20%がメタル白金化したと考えられる。従って、実際のO1sシグナルの減少率は、式(2)で表される。
Figure 0006572877
図11に、式(2)より見積もられた、メタルPtの厚み(Δx/λ')とΔS'/SPtとの関係を示す。ここで、横軸(厚みのスケール)は、λ’との比で表した。白金ブロンズのIMFPの文献値は見つかっていないが、文献値が得られた白金族酸化物のIMFPの中で最も大きな値(λ=2.3nm for IrO2、@電子エネルギー958eV(X線源: AlKα(1486.6eV))の場合)を用いると、λ’=1.6nmが得られる。図11から分かる通り、仮にΔx=λ’であったとすると、O1sシグナルの減少率は、0.12〜0.13になる。
表2に、今回の実験で得られた、メタル白金生成前後のO1sシグナル強度の変化を示す。なお、表2では、メタル化前後で白金ブロンズ重量当たりの原子数が変化しないPtのシグナル強度で規格化している。上で見積もられたように、仮に1.6nmのメタル白金層が生成していれば、O1sシグナル強度が10%以上減少するはずであるが、今回の実験では実質的にO1sシグナル強度は減少していない。従って、生成したメタル白金層は、1.6nmより非常に薄いこと(せいぜい、1ML程度の厚みであること)が示唆される。この結果は、XRDの結果とも整合している。
Figure 0006572877
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る燃料電池アノード用触媒は、各種の燃料電池のアノード触媒として使用することができる。

Claims (3)

  1. 以下の構成を備えた燃料電池アノード用触媒。
    (1)前記燃料電池アノード用触媒は、金属元素Mを含む白金ブロンズを含む。
    (2)前記金属元素Mは、Co、Ce、Mn、In、Bi、及びCaからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素からなる。
  2. 前記白金ブロンズは、表面の一部がメタル白金層からなる請求項1に記載の燃料電池アノード用触媒。
  3. 前記白金ブロンズは、
    (a)X線回折測定を行った時に、白金に由来するピークがなく、かつ、
    (b)XPS測定から求められる前記メタル白金層の厚みが1.6nm以下である
    請求項2に記載の燃料電池アノード用触媒。
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