JP6570374B2 - 車両用空調装置の室内シール構造及び室内機 - Google Patents

車両用空調装置の室内シール構造及び室内機 Download PDF

Info

Publication number
JP6570374B2
JP6570374B2 JP2015166737A JP2015166737A JP6570374B2 JP 6570374 B2 JP6570374 B2 JP 6570374B2 JP 2015166737 A JP2015166737 A JP 2015166737A JP 2015166737 A JP2015166737 A JP 2015166737A JP 6570374 B2 JP6570374 B2 JP 6570374B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indoor
vehicle air
trim
air conditioner
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015166737A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017043198A (ja
Inventor
雅貴 山内
雅貴 山内
中出口 真治
真治 中出口
壮平 鮫島
壮平 鮫島
和平 新宮
和平 新宮
山田 清
清 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2015166737A priority Critical patent/JP6570374B2/ja
Publication of JP2017043198A publication Critical patent/JP2017043198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6570374B2 publication Critical patent/JP6570374B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T30/00Transportation of goods or passengers via railways, e.g. energy recovery or reducing air resistance

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、電車等の車両の天井に搭載される車両用空調装置の室内シール構造及び室内機に関するものである。
電車等の車両の天井に搭載される車両用空調装置の筐体は、室内熱交換器、室外熱交換器が載置される筐体本体と、筐体本体を覆う上面カバーとにより構成されている。例えば、特許文献1には、内部に室外用ダクトを収容する筐体本体と上面カバーとを密着させたシール構造により車両用空調装置の筐体をシールする技術が開示されている。このシール構造は、筐体本体のエッジにU字形状のクロロプレンゴム押出成形品を溶剤型接着剤で接着し、上面カバーに接着されたクロロプレンゴム製のパッキンに密着させて構成される。押出成形品は鉄道車輌工業会規格JRIS R 0322の絶縁規格を満たすことができるよう、30mm以上の高さに形成されている。
一方で、自動車のドア等では、トリムと呼ばれ、金属などから成る芯材が軟質合成樹脂又はゴムの被覆材で被覆された押出成形品をドア等の縁部に押し込み装着したシール構造が採用されている。例えば、特許文献2には、芯材に金属ではなく、硬質合成樹脂を用いることで軽量化やリサイクルが可能なトリムが開示されている。
特開2006−273099号公報 特開2004−231163号公報
特許文献1のようなシール構造を採用すると、押出成形品を製作し、溶剤型接着剤が塗布される領域、量などの調整を行い、そして接着しなければならないため生産性に乏しい。筐体本体に、押出成形品を接着することに代えて、例えば、トリムを装着したシール構造を用いることができれば生産性が向上すると考えられる。
一般のトリムでは芯材に金属が用いられているため鉄道車輌工業会規格JRIS R 0322の絶縁規格を満たすことが難しいが、特許文献2のように、芯材に硬質合成樹脂が用いられたトリムであれば、絶縁規格を満たすと考えられる。しかし、車両用空調装置にトリムを用いた場合、高温の環境下ではトリムの芯材を被覆する軟質合成樹脂が凝集力を失うため、トリムが屈曲する角部で裂けが生じるため、車両用空調装置のシール構造に用いることは不向きである。特に、制御装置などの電子機器を搭載する室内機のシール構造である場合には、漏電、侵水、塵や埃の侵入の恐れがあるトリムを用いることができない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、シール部材の角部、又は、繋ぎ目の絶縁性、シール性を確保し、生産性に優れる車両用空調装置の室内シール構造及び室内機を得ることを目的とする。
本発明に係る車両用空調装置の室内シール構造は、室内熱交換器と室内送風機とが収納される筐体本体のエッジに装着されたシール部材と、上面カバーに取り付けられ、前記シール部材が密着するパッキンと、を備え、前記筐体本体に前記上面カバーが取り付けられており、前記シール部材と前記パッキンとが密着した車両用空調装置の室内シール構造において、前記シール部材は、硬質合成樹脂から成る芯材と、軟質合成樹脂又はゴムから成る被覆材とを有し、前記筐体本体のエッジを覆うトリムと、軟質合成樹脂から成り、前記筐体本体のエッジの角部を覆うコーナーピースと、前記トリムと前記コーナーピースとの繋ぎ目を覆う絶縁シートと、を有する。
本発明に係る車両用空調装置の室内シール構造によれば、芯材に硬質合成樹脂を有するトリムと、軟質合成樹脂から成るコーナーピースとによりシール部材を形成して、筐体の角部を覆うシール部材の亀裂を回避する。また、トリムとコーナーピースとの繋ぎ目を絶縁シートで覆い、繋ぎ目を確実にシールする。これにより、シール部材の絶縁性と、シール性を維持し、且つ、筐体に押しつけるだけで取付けることができるシール部材により生産性を向上させることができる。
本実施の形態に係る車両用空調装置の平面図である。 図1の車両用空調装置の筐体の斜視分解図である。 図2のシール部材の部分斜視図である。 図3のシール部材のトリムの断面図である。 図4のトリムの芯材の斜視図である。 図3のシール部材のコーナーピースの斜視図(その1)である。 図2のシール部材のコーナーピースの斜視図(その2)である。 図2のシール部材の他の形態の部分斜視図である。 トリムの保持力の評価方法を示す模式図である。
実施の形態.
本実施の形態に係る車両用空調装置の室内シール構造は、車両用空調装置の室内機が配置された筐体本体と上面カバーとをシール及び絶縁するものである。
図1は、本実施の形態に係る車両用空調装置100の平面図である。図1に示すように、車両用空調装置100は、室外熱交換器111a、111bと、室外送風機112と、室内熱交換器121a、121bと、室内送風機122a、122bと、圧縮機123a、123bとを備えている。室外熱交換器111a及び111bは、外気と熱交換を行う熱源側熱交換器として機能するものであり、室内熱交換器121a及び121bは、車内に送る空気を生成する利用側熱交換器として機能するものである。室外熱交換器111a、111bと、室内熱交換器121a、121bと、圧縮機123a、123bとは、冷媒回路を構成する配管により接続されて冷凍サイクルを構成する。圧縮機123a、123bは、図示しない制御装置により制御されている。室外熱交換器111a、111bと、室外送風機112とは、室外機筐体110に収容され、室内熱交換器121a、121bと、室内送風機122a、122bと、圧縮機123a、123bとは室内機筐体120に収容されている。圧縮機123a、123bは、室内機筐体120とは別に設けられた部屋に収容されていてもよい。
なお、室内機筐体120は、車両内に設けられるものではないが、車両内に調和された空気を供給するための利用側熱交換器等を収納している。通常の空調において室内に設けられる室内機筐体と同様な位置づけになるので、本発明おいては「室内機筐体」と称するものとする。
図2は、図1の車両用空調装置100の筐体200の斜視分解図である。図2に示すように、車両用空調装置100のシール構造10は、上面カバー1と、筐体本体2とを密着させ筐体200を形成する。なお、シール構造10は、本発明の室内シール構造に相当する。筐体200は、例えば、室外機筐体110と、室内機筐体120とから構成されている。上面カバー1は、筐体本体2を覆うものであり、内面にパッキン3が接着されている。また、室外機筐体110側の上面カバー1には、図示しない空気孔が形成されている。シール部材4は、筐体本体2の内、室内機筐体120を構成する部分のエッジ22の全周に装着される。エッジ22は、上面視で直線な領域である直線部22a及びエッジ22が分岐する分岐部である角部22bから構成される。角部22bの形状は、筐体200の形状により決定されるものであり、点線円2aのL字の他にも、点線円2bのT字などの形状であってもよい。
上面カバー1が筐体本体2に取付けられると、エッジ22に接着されるシール部材4がパッキン3と密着したシール構造10により筐体200が形成される。図2において、筐体200は、室外機筐体110と室内機筐体120とが一体となった例を示しており、その全周にシール構造10が形成されているが、シール構造10は、少なくとも室内機筐体120に設けられていればよい。また、室内機筐体120を室外機筐体110とは別個に構成されていてもよい。
なお、図2において、筐体200の形状は蒲鉾形であるが、筐体200の形状は蒲鉾形に限定されない。筐体200が蒲鉾形であると、筐体本体2のエッジ22は側面視で湾曲した形状となり、上面カバー1はエッジ22に沿って湾曲した形状となる。筐体200が側面視で平坦又は台形であると、筐体本体2のエッジ22は直線であり、上面カバー1は平面となる。
次に、シール部材4の詳細について説明する。
図3は、図2のシール部材4の部分斜視図である。図3に示すように、シール部材4は、直線部22aに押し込み装着されたトリム5と、角部22bに押し込み装着され、トリム5に隣接するコーナーピース6と、その繋ぎ目8を覆う絶縁シート7により構成される。
図4は、図3のシール部材4のトリム5の断面図である。図4に示すように、トリム5は、硬質合成樹脂から成る芯材12と、芯材12を覆う被覆材13とから断面形状がU字に形成され、U字の間に押し込まれたエッジ22の直線部22aを保持する。トリム5は、鉄道車輌工業会規格JRIS R 0322の絶縁規格を満たすため、30mm以上の高さaに形成される。トリム5の高さaが高いほど絶縁性を確保できるが、筐体本体2と干渉したり、筐体本体2に収容できる機器が制限されたりしてしまうため、トリム5は必要以上に高くないことが望ましい。
被覆材13は、柔軟性を有する軟質合成樹脂又はゴムなどから形成され、シール部材4がエッジ22の形状に追従することが容易である。例えば、筐体200が蒲鉾形であり、エッジ22が湾曲していても、柔軟性を有する被覆材13は、エッジ22に追従し、湾曲することができる。被覆材13として、耐熱性、耐候性、RoHS指令など環境規制に準拠させる等の観点から、硬度が60〜80のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。ここで、硬度とは、日本工業規格JISが規定する「JIS K6253 ショアA」に基づく硬度である。被覆材13の内側面には、被覆材13を突出させたかえし14が形成されており、かえし14の先端同士によりトリム5のU字に押し込まれたエッジ22が抜け出ることがないようにエッジ22を保持する。
芯材12は、高さbが10mm〜20mmの硬質合成樹脂から形成される。芯材12の高さbを20mm以上とすると、湾曲したエッジ22に対する追従性が悪くなり、10mm以下とすると十分な保持力が得られず、エッジ22がトリム5のU字から抜け出やすくなってしまう。高さbは、15mmであると好ましい。
図5は、図4のトリム5の芯材12の斜視図である。図5に示すように、芯材12は、硬質合成樹脂から成り、長手方向に一部を除去して形成された切除部12aが一定の間隔を開けて設けられている。切除部12aは、芯材12が湾曲したエッジ22にも追従できるように設けられている。芯材12を形成する硬質合成樹脂としては、エッジ22を十分保持できる硬度を有し、耐熱性が良好なポリプロピレンなどの押出成形品を用いるとよい。
図6は、図3のシール部材4のコーナーピース6の斜視図(その1)である。図6に示すように、コーナーピース6は、断面形状がU字、上面視ではL字であり、L字の部分にエッジ22の角部22bを沿わせながらU字の部分に角部22bを押し込むみ、エッジ22の角部22bが覆われる。L字のコーナーピース6は軟質合成樹脂から成るものであるため柔軟性を有し、例えば、図2の点線円2a内に示す上面視で直角なエッジ22の角部22bに適用される。軟質合成樹脂として、例えば、被覆材13と同様のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
図7は、図2のシール部材4のコーナーピース9の斜視図(その2)である。図7に示すように、コーナーピース9は、上面視でT字の形状であってもよい。T字のコーナーピース9は、室内機筐体120の形状によりエッジ22が、図2の点線円2b内に示す角部22bのようなT字に分岐した形状である場合に適用できる。例えば、室内機筐体120に圧縮機用の部屋が設けられていた場合など、室内機筐体120が複数の部屋に分割されていたときである。この場合にも、T字のコーナーピース9は、エッジ22の形状に追従することができる。なお、点線円2b内に示す領域は、室外機筐体110と室内機筐体120とを画定するエッジ22である。そのため、少なくとも室内機筐体120側のエッジ22にシール構造を形成するL字のコーナーピース6を用いていればよく、この場合にはT字のコーナーピース9は必要としない。
ここで、再び図3を参照し、絶縁シート7について説明する。図3に示すように、絶縁シート7は、直線部22aに押し込み装着されたトリム5と、角部22bに押し込み装着されたコーナーピース6との繋ぎ目8を覆う。絶縁シート7は、軟質合成樹脂からなる薄膜であり、被覆材13、コーナーピース6と同様のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。
トリム5とコーナーピース6と絶縁シート7とによりシール部材4が形成される。シール部材4は、エッジ22の直線部22a及び角部22bに追従し、エッジ22に沿った形状となって筐体本体2のエッジ22を覆う。そして、エッジ22に装着されたシール部材4と上面カバー1に接着されたパッキン3とが密着し、筐体200を密封するシール構造10が形成される。
筐体200の形状が、例えば、蒲鉾形であり、筐体本体2のエッジ22の曲率半径が側面視でR=1800程度の半円に湾曲した形状である場合には、シール部材4の柔軟性によりシール部材4がエッジ22に追従し、湾曲した形状となる。これにより、エッジ22の全周にシール部材4が隙間なく装着され、筐体200が密封されることになる。
なお、軟質合成樹脂として、硬度が80よりも小さいオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いると、シール部材4に柔軟性を持たせたことができ、湾曲した形状のエッジ22に追従させることが容易となる。また、トリム5の芯材12の高さbを10mm〜20mmとすれば、芯材12の干渉や、被覆材13の襞が回避され、湾曲したエッジ22にも追従するシール部材4にできる。
図8は、図2のシール部材4の他の形態の部分斜視図である。図8に示すように、筐体本体2が、例えば平坦であり、側面視で長方形である場合には、短手方向の角度が図3の場合と比べて小さくなる。このような形状の筐体本体2である場合にも、柔軟性を有するシール部材4によりシール部材4がエッジ22の形状に追従しながらエッジ22を覆うことができる。エッジ22の形状は、L字、T字に限定されず、また、短手方向の角度を、図8に示すよりも大きく形成してもよい。
なお、シール部材4は、鉄道車両用材料燃焼試験において難燃性以上に区分されていなければならない。オレフィン系熱可塑性エラストマーの硬度を60よりも小さくした場合には、オレフィン系熱可塑性エラストマーに添加できる無機系難燃剤の量が制限されてしまう。オレフィン系熱可塑性エラストマーの硬度は、60〜80とすることで、シール部材4の追従性と、難燃性とを十分に確保できる。特に、硬度が70であると好ましい。上記の説明において、硬度とは、日本工業規格JISが規定する「JIS K6253 ショアA」に基づく硬度である。
芯材12の材料は、ポリプロピレンの他に、硬質合成樹脂として、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いることができる。また、硬質合成樹脂にタルク、マイカ、ガラス繊維等の無機質の紛体を混合することで、硬質合成樹脂の剛性、耐熱性を高め、線膨張係数を小さくすることができる。
被覆材13の材料は、オレフィン系熱可塑性エラストマーの他に、軟質合成樹脂として、硬度90程度のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂又はそれらの熱可塑性エラストマーを使用してもよい。また、ゴムを使用してもよく、ゴム、熱可塑性エラストマーなどに発泡材を混合してスポンジ状にして使用してもよい。ここで、硬度とは、日本工業規格JISが規定する「JIS K7215 A硬度」に基づく硬度である。
本実施の形態に係る車両用空調装置100のシール構造10について性能評価を行った。
評価を行うシール部材4のトリム5は、図4に示すように、芯材12がポリプロピレン、被覆材13が熱可塑性エラストマーから形成し、長さ100mmのトリム5を準備した。熱可塑性エラストマーは、硬度が70であるものを用いた。なお、鉄道車輌工業会規格JRIS R 0322の絶縁規格を満たすため、トリム5の高さaは30mmとした。また、鉄道車両用材料燃焼試験において難燃性以上の区分に該当するよう、無機系難燃剤として水酸化マグネシウムを採用し、熱可塑性エラストマーに混合した。コーナーピース6は、被覆材13と同様、熱可塑性エラストマーを用いて形成した。
[外観異常の観察]
トリム5が装着される筐体本体2として、エッジ22が湾曲し、その曲率半径がR=1800である場合を模擬し、厚み1.5mmのステンレス鋼材SUS304から成り、曲率半径がR=1800に湾曲した縁を有する平板を成形した。そして、トリム5に湾曲した縁を押し込み装着し、外観を観察した。その結果、波打ち等の外観異常は観察されず、良好な外観が維持されており、トリム5が湾曲した縁に追従することが観察された。
[保持力]
図9は、トリム5の保持力の評価方法を示す模式図である。図9に示すように、エッジ22の直線部22aを模擬する平板20の底辺を固定し、内側の軸方向に針金を刺通させたトリム5を取り付けた。平板20は、ステンレス鋼材SUS304を厚み1.5mmに成形したものを用いた。保持力は、平板20に装着されたトリム5を引き離す方向の力をトリム5に作用させたときに、トリム5のU字に平板20を保持しようとする力を保持力とした。保持力の測定においては、トリム5に刺通された針金をプッシュプルゲージのフックに吊し、トリム5が平板20から外れる直前まで針金を引っ張り、その時の荷重を保持力として測定した。その結果、環境温度を室温とした場合に、保持力は25Nが得られ、トリム5に押し込まれた平板20が十分な力で保持されることがわかった。
[耐熱性能]
エッジ22の直線部22a及び角部22bから成るL字を模擬し、厚み1.5mmのステンレス鋼材SUS304の平板をL字に屈曲させた。図3のトリム5に平板の直線部22aに相当する部分を押し込み、図5のコーナーピース6に平板20の角部22bに相当する部分を押し込んだ。また、トリム5とコーナーピース6との繋ぎ目8を絶縁シート7で覆い、L字の平板にシール部材4を装着した。絶縁シート7には、厚み0.5mmの両面テープ付き絶縁シートを用いた。トリム5の被覆材13と、コーナーピース6と、絶縁シート7とは、何れも、材料に熱可塑性エラストマーを用いたものであった。そして、シール部材4を装着したL字の平板を温度が100℃のオーブンに載置し、その温度を維持したまま1ヶ月放置してシール部材4の耐熱性能の評価を行った。1ヶ月後、シール部材4の外観を観察しところ、裂け、変形、変色等外観に異常は観察されず、高温の環境下でも良好に性質を維持できることがわかった。
[防水性及び絶縁性]
厚み1.5mmのSUS304を用いて、車両用空調装置100の筐体本体2を模擬する蓋のない箱及び上面カバー1を成形した。箱の寸法は、高さ50mm、幅300mm、長さ300mmとした。そして、トリム5を箱のエッジ22の直線部22aには装着し、角部22bの全4箇所にはコーナーピース6を装着した。トリム5とコーナーピース6との8か所の繋ぎ目8には、繋ぎ目8を覆うように両面テープ付きの絶縁シート7を貼り付け、シール部材4を形成した。上面カバー1として、厚み1.5mmの平板を用いて、内表面に厚み10mmのクロロプレンゴム製のパッキン3を接着した。上面カバー1をパッキン3とシール部材4とが密着するように被せて密着させた。
密着させて構成したシール構造10において、防水試験及び絶縁試験を実施した。防水試験は、日本工業規格JISが規定する「JIS E 6602:2004」に基づき、降水量200mm/h相当以上の水を10分間以上散布する試験を行った。その結果、筐体200を模擬した箱の内部に水が侵入することはなかった。また、絶縁試験においても、同様の規格に基づき、上面カバーと、箱との間に試験電圧として4.5kVを印加した。その結果、1分経過後も上面カバー又は箱が地絡することはなく、その他の異常も見られなかった。
また、構成したシール構造10を、温度が100℃に維持されたオーブンで1週間放置し、その後、上面カバー1を取り外してシール構造10の耐熱性能を評価した。その結果、上面カバーのシール部材4が箱のエッジ22から剥離してしまうという異常は見られず、高温環境下でもエッジ22を覆った状態を維持できることがわかった。
比較例.
コーナーピース6を用いずに、実施例と同様の芯材12及び被覆材13を用いたトリム5を用意した。そして、厚み1.5mmのステンレス鋼材SUS304をL字に屈曲させた平板に、トリム5を装着し、温度が60℃に維持されたオーブンに放置した。1日が経過した後、外観の変化を観察すると、角部に応力が集中し、裂けが発生していた。
このように、実施例のシール構造10では、芯材12がポリプロピレンのトリム5と、エッジ22の角部22bを覆う熱可塑性エラストマーのコーナーピース6とから成るシール部材4を形成したため、高温な環境下に放置しても角部22bに亀裂が生じなかった。また、トリム5とコーナーピース6との繋ぎ目8を、絶縁シート7で被覆することで、絶縁性、シール性を確保できることがわかった。
以上説明した本実施の形態に係る車両用空調装置100の室内シール構造10によれば、硬質合成樹脂から成る芯材12を用いたトリム5と、軟質合成樹脂から成るコーナーピース6とによりシール部材4を構成する。筐体本体2のエッジ22の角部22bはコーナーピース6が角部22bに追従し、角部22bのシール部材4に亀裂の発生を回避する。トリム5とコーナーピース6との繋ぎ目8は、繋ぎ目8に接着された絶縁シート7が覆う。これにより、シール部材4の絶縁性及びシール性が確保される。また、シール部材4は、筐体本体2のエッジ22に押しつけるだけで装着することができるため、生産性に優れた室内機筐体120が得られる。
トリム5の高さは、30mm以上とすることで、鉄道車輌工業会規格JRIS R 0322の絶縁規格を満たす高さを有するトリム5を形成できる。
また、トリム5の芯材12の高さを10mm以上20mm以下とすることで、エッジ22が湾曲していても追従を維持することができ、且つ、エッジ22を十分に保持することもできる高さにできる。
また、エッジ22が分岐する形状に応じて、T字のコーナーピース9を用いたシール部材4によりエッジ22の角部22bを覆うことで分岐したエッジ22であっても絶縁性及びシール性を確保することができる。
ポリプロピレンの芯材12は、耐熱性と十分な硬度をと有し、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなる被覆材13、コーナーピース6、及び、絶縁シート7は、耐熱性、耐候性を有し、且つ、RoHS指令など環境規制に準拠することもできる。
無機系難燃剤を用いることで環境負荷を低減し、硬度が60以上80以下とすることで湾曲したエッジ22に対する追従性がよく、且つ、難燃性が確保された被覆材13、コーナーピース6、及び、絶縁シート7が得られる。
1 上面カバー、2 筐体本体、2a、2b 点線円、3 パッキン、4 シール部材、5 トリム、6、9 コーナーピース、7 絶縁シート、8 繋ぎ目、10 シール構造、12 芯材、12a 切除部、13 被覆材、14 かえし、20 平板、22 エッジ、22a 直線部、22b 角部、100 車両用空調装置、110 室外機筐体、111a、111b 室外熱交換器、112 室外送風機、120 室内機筐体、121a、121b 、室内熱交換器、122a、122b 室内送風機、123a、123b 圧縮機、200 筐体。

Claims (7)

  1. 室内熱交換器と室内送風機とが収納される筐体本体のエッジに装着されたシール部材と、
    上面カバーに取り付けられ、前記シール部材が密着するパッキンと、
    を備え、
    前記筐体本体に前記上面カバーが取り付けられており、前記シール部材と前記パッキンとが密着した車両用空調装置の室内シール構造において、
    前記シール部材は、
    硬質合成樹脂から成る芯材と、軟質合成樹脂又はゴムから成る被覆材とを有し、前記筐体本体のエッジを覆うトリムと、
    軟質合成樹脂から成り、前記筐体本体のエッジの角部を覆うコーナーピースと、
    前記トリムと前記コーナーピースとの繋ぎ目を覆う絶縁シートと、
    を有する、
    車両用空調装置の室内シール構造。
  2. 前記トリムの高さは、30mm以上である、
    請求項1に記載の車両用空調装置の室内シール構造。
  3. 前記トリムの芯材の高さは、10mm以上20mm以下である、
    請求項1又は2に記載の車両用空調装置の室内シール構造。
  4. 前記筐体本体のエッジは、分岐部を有し、
    前記コーナーピースはT字形を有し、
    前記筐体本体のエッジの分岐部は、
    前記T字形のコーナーピースにより被覆される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用空調装置の室内シール構造。
  5. 前記芯材は、ポリプロピレンからなり、
    前記被覆材、前記コーナーピース、及び、前記絶縁シートは、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなる、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用空調装置の室内シール構造。
  6. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、
    無機系難燃剤を含み、
    硬度が60以上80以下であり、
    鉄道車両用材料燃焼試験で難燃性以上を示す、
    請求項5に記載の車両用空調装置の室内シール構造。
  7. 室内熱交換器、室内送風機を収納する室内機筐体と、
    上面カバーと、
    を有し、
    前記室内機筐体と前記上面カバーとが請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用空調装置の室内シール構造により密着した、
    車両用空調装置の室内機。
JP2015166737A 2015-08-26 2015-08-26 車両用空調装置の室内シール構造及び室内機 Active JP6570374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015166737A JP6570374B2 (ja) 2015-08-26 2015-08-26 車両用空調装置の室内シール構造及び室内機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015166737A JP6570374B2 (ja) 2015-08-26 2015-08-26 車両用空調装置の室内シール構造及び室内機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017043198A JP2017043198A (ja) 2017-03-02
JP6570374B2 true JP6570374B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=58211043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015166737A Active JP6570374B2 (ja) 2015-08-26 2015-08-26 車両用空調装置の室内シール構造及び室内機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6570374B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105510752B (zh) * 2016-01-08 2018-06-26 资阳中车电气科技有限公司 一种自动联挂解联电气连接器对接试验装置
JP6525372B1 (ja) * 2018-01-05 2019-06-05 三菱電機株式会社 エッジシール部材、エッジシール部材の製造方法、車両用空調装置のシール構造及び車両用空調装置の室内機
WO2019135314A1 (ja) * 2018-01-05 2019-07-11 三菱電機株式会社 エッジシール部材、エッジシール部材の製造方法、車両用空調装置のシール構造及び車両用空調装置の室内機

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5655544Y2 (ja) * 1977-07-02 1981-12-25
JPS55131810U (ja) * 1979-03-15 1980-09-18
JPH0418015U (ja) * 1990-06-04 1992-02-14
JP2000142267A (ja) * 1998-11-02 2000-05-23 Toyo Tire & Rubber Co Ltd オープニングトリム
JP4390621B2 (ja) * 2004-05-12 2009-12-24 株式会社アヴァンティ 鉄道車両用空調ダクトの接続構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017043198A (ja) 2017-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6570374B2 (ja) 車両用空調装置の室内シール構造及び室内機
WO2009142123A1 (ja) 貫通ダクト部材とその部材を用いた中空壁のダクト構造
CN107889408B (zh) 电控盒和空调器
JP2012013271A (ja) 空気調和機の冷媒分岐ユニット
US20090302544A1 (en) Air Duct Sealing System
CN205791293U (zh) 过线卡夹结构、包含该过线卡夹结构的空调外机及空调
JP2011208826A (ja) 空調室内機
CN104748252A (zh) 一种压缩机隔音装置、空调室外机和空调
US20140048167A1 (en) Rectangular Sheet Metal Sealed Duct
WO2018225224A1 (ja) 熱交換換気装置
US11708717B2 (en) Draft guard apparatus and method
JP2020169752A (ja) 空調ダクトおよび空調ダクトの施工方法
WO2019135314A1 (ja) エッジシール部材、エッジシール部材の製造方法、車両用空調装置のシール構造及び車両用空調装置の室内機
JP6643887B2 (ja) 封止部材および空気調和機
JP6858671B2 (ja) 吸音材取付構造
JP6525372B1 (ja) エッジシール部材、エッジシール部材の製造方法、車両用空調装置のシール構造及び車両用空調装置の室内機
JP4702890B2 (ja) ダクト用換気ファン
CA2823760C (en) Flexible register boot for heated and cooled air
JP2005164216A (ja) 天吊型空気調和装置
CN103292446B (zh) 一种空调机组的发泡箱及其发泡面板
JPH08219335A (ja) ダクトホース
JP5016357B2 (ja) 気密カバー
US2012876A (en) Sealing pad
JPH08247348A (ja) ダクトホース
JPH11131783A (ja) 建物の壁部や天井部或いは床部に設けた内蔵設備用開口の閉蓋装置及び該閉蓋装置を用いる閉蓋構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190320

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190806

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6570374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250