以下に図面を参照して、本発明にかかる応答処理プログラム、応答処理方法、応答処理装置および応答処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1Aは、実施の形態にかかる応答処理方法の一実施例を示す説明図である。図1Aにおいて、応答処理装置101は、質問データと回答データとの関連付け情報に基づいて、入力された質問データに関連する回答データを提示するコンピュータである。質問データは、例えば、FAQとして登録される質問データである。FAQは、「頻繁に尋ねられる質問」であり、あらかじめ予想される質問に対して、質問データと回答データをまとめたものである。
質問データは、何らかの問題の解決方法を問うものであってもよく、また、話し言葉による問いかけであってもよい。回答データは、例えば、質問された問題の解決方法を示す回答や、話し言葉による問いかけに対する回答である。質問データ、回答データは、単語または複数の単語の組み合わせによって表現されてもよく、また、1または複数の文章によって表現されてもよい。
ここで、あらかじめ質問データに回答データを関連付けて記憶しておくと、新たな質問データが記憶済の質問データと同じ場合は、記憶済の質問データに関連付けられた回答データを新たな質問データの回答として提示することができる。しかし、質問データに対応付けた回答データが適切でなかったり、記憶済の質問データとは異なる質問データが入力されたりすることがある。
この場合、質問データに対する回答が提示できなかったり、質問データに対して適切な回答を提示することができなかったりして、ユーザの満足度の低下を招くおそれがある。質問データを大量に登録し、適切な回答データを登録することで、この問題に対応することが考えられるが、登録作業に手間や時間がかかり効率的でない。
そこで、本実施の形態では、効率的に質問データを登録して、質問データに対して適切な回答を提示できる率を効果的に高める応答処理方法について説明する。以下、応答処理装置101の処理例について説明する。
(1)応答処理装置101は、記憶部110を参照して、関連する回答を特定できなかった、または、提示した回答について否定的な評価がなされた解決不良の質問データを表示する。ここで、記憶部110は、過去に入力された質問データに対する応答結果を記憶する。
例えば、記憶部110は、入力質問と対応付けて、候補なし、および、正解なしの情報を記憶する。入力質問は、過去に入力された質問データを示す。候補なし「○」は、関連する回答を特定できなかった質問データを示す。候補なし「×」は、関連する回答を特定できた質問データを示す。候補なし「○」の質問データは、いわゆる、ゼロ件ヒットの質問データである。
正解なし「○」は、提示した回答について否定的な評価がなされた質問データを示す。例えば、提示した回答について否定的な評価がなされた質問データは、質問データに対して関連する回答を提示したにもかかわらず、いずれの回答も選択されず、「この中にはない」といった項目の選択がなされた質問データである。正解なし「×」は、提示した回答のいずれかが選択された質問データを示す。
この場合、応答処理装置101は、記憶部110を参照して、候補なし、または、正解なしのいずれかが「○」となっている入力質問を、解決不良の質問データとして特定する。そして、応答処理装置101は、特定した解決不良の質問データをディスプレイ120に表示する。
ディスプレイ120は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する表示装置である。ディスプレイ120は、応答処理装置101が有していてもよく、また、応答処理装置101に接続された他のコンピュータが有していてもよい。
図1Aの例では、解決不良の質問データとして、「雪やんだみたいだねー」と「雪がやみましたね」とが表示されている。
(2)応答処理装置101は、表示された解決不良の質問データのうち、指定された解決不良の質問データを、回答データとの関連付け情報を追加登録する対象の質問データとして設定する。解決不良の質問データを追加登録する対象の質問データとして設定することで、例えば、新たなFAQとして、解決不良の質問データと回答データとの関連付け情報を登録することができる。また、解決不良の質問データがFAQとして既に登録されていれば、解決不良の質問データと関連付ける回答データを追加・変更したりすることができる。
図1Aの例では、ディスプレイ120に表示された解決不良の質問データのうち、「雪やんだみたいだねー」が指定された場合を想定する。この場合、応答処理装置101は、指定された解決不良の質問データ「雪やんだみたいだねー」を、回答データとの関連付け情報を追加登録する対象の質問データとして設定する。
なお、応答処理装置101は、解決不良の質問データを対象の質問データとして設定したことに応じて、例えば、図1Bに示すような情報登録画面130をディスプレイ120に表示することにしてもよい。
図1Bは、情報登録画面の画面例を示す説明図である。図1Bにおいて、情報登録画面130は、対象の質問データとして設定した解決不良の質問データについて、回答データとの関連付け情報を追加登録する操作画面である。
情報登録画面130において、ボックス131には、対象の質問データとして設定した解決不良の質問データと関連付ける回答データを入力することができる。また、情報登録画面130において、ボタン132を選択すると、対象の質問データとして設定した解決不良の質問データと、ボックス131に入力された回答データとの関連付け情報を追加登録することができる。
図1Bの例では、情報登録画面130によれば、解決不良の質問データ「雪やんだみたいだねー」と回答データとの関連付け情報を登録することができる。例えば、ボックス131に「やったねぇ!」が入力された状態で、ボタン132が選択されると、解決不良の質問データ「雪やんだみたいだねー」と回答データ「やったねぇ!」との関連付け情報が新たに登録される。
このように、応答処理装置101によれば、FAQシステムのユーザが期待する回答が得られなかった解決不良の質問データを提示して、FAQとして新規登録すべき質問データや、関連付ける回答データを見直すべき質問データを判断しやすくさせることができる。また、応答処理装置101によれば、提示した解決不良の質問データの中からいずれかの質問データを指定することで、当該質問データについて、回答データとの関連付け情報の追加登録を行うことが可能となる。これにより、効率的に質問データを登録可能となり、質問データに対して適切な回答を提示できる率を効果的に高めることができる。
(応答処理システム200のシステム構成例)
つぎに、図1Aに示した応答処理装置101を含む応答処理システム200のシステム構成例について説明する。応答処理システム200は、例えば、チャットボットを利用したFAQシステムに適用される。
図2は、応答処理システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、応答処理システム200は、応答処理装置101と、作業者端末201と、を含む。応答処理システム200において、応答処理装置101および作業者端末201は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
応答処理装置101は、FAQマスタ220およびチャットログDB(Database)230を有する。FAQマスタ220およびチャットログDB230の記憶内容については、図4および図5を用いて後述する。応答処理装置101は、例えば、サーバである。
また、応答処理装置101は、応答処理システム200(FAQシステム)に入力された質問データに関連する回答データを出力する。質問データに関連する回答データは、例えば、FAQシステムやFAQサイトにおいて採用されている既存の検索アルゴリズムを用いて検索される。
具体的には、例えば、応答処理装置101は、FAQマスタ220を参照して、入力された質問データに一致する質問を検索する。そして、応答処理装置101は、質問データに一致する質問が検索された場合に、検索された質問に対応する回答を、入力された質問データに関連する回答データとして出力する。
検索された質問に対応する回答は、例えば、検索された質問と同一のタイトルの質問に関連する回答、すなわち、検索された質問とFAQ−IDが同一の質問に関連する回答である(例えば、後述の図4参照)。一方、入力された質問データに関連する回答データが検索されなかった場合は、応答処理装置101は、入力された質問データに関連する回答データがないことを示す検索結果(ゼロ件ヒット)を出力する。
また、質問データに関連する回答データを検索するにあたり、応答処理装置101は、入力された質問データを形態素解析して形態素に分解することにしてもよい。そして、応答処理装置101は、FAQマスタ220を参照して、所定の検索条件にしたがって、分解した形態素に対応するFAQを検索することにしてもよい。
ただし、応答処理システム200において、ユーザからの質問データの入力を受け付けて、入力された質問データに関連する回答データを検索・出力する処理は、応答処理装置101とは異なる他のコンピュータにより実行されることにしてもよい。また、FAQマスタ220やチャットログDB230は、例えば、応答処理装置101がアクセス可能な他のコンピュータ(例えば、データベースサーバ)が有することにしてもよい。
作業者端末201は、作業者が使用するコンピュータである。作業者は、FAQのメンテナンスを行う者であり、例えば、応答処理システム200の管理者である。作業者端末201は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット型PCなどである。
(応答処理装置101のハードウェア構成例)
図3は、応答処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、応答処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、応答処理装置101の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOS(Operating System)のプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、図2に示した作業者端末201)に接続される。そして、I/F303は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、応答処理装置101は、上述した構成部のほかに、例えば、SSD(Solid State Drive)、入力装置、ディスプレイ等を有することにしてもよい。また、図2に示した作業者端末201についても、応答処理装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、作業者端末201は、上述した構成部のほかに、入力装置、ディスプレイ等を有する。
(FAQマスタ220の記憶内容)
つぎに、応答処理装置101が有するFAQマスタ220の記憶内容について説明する。FAQマスタ220は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図4は、FAQマスタ220の記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、FAQマスタ220は、FAQ−ID、タイトル、質問および回答のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、FAQ情報(例えば、FAQ情報400−1〜400−3)をレコードとして記憶する。
ここで、FAQ−IDは、FAQを識別する識別子である。タイトルは、複数の質問のうちの代表の質問である。互いに意味が類似する複数の質問には、同一のタイトルが付与される。そして、タイトルが同一のFAQには、同一のFAQ−IDが付与される。質問は、FAQを形成する質問を示す質問データである。回答は、質問に関連する回答を示す回答データである。すなわち、1つのFAQは、n個の質問と、m個の回答とをまとめたものとなる(n,mは、1以上の自然数である)。
例えば、FAQ情報400−1は、FAQ1のタイトル「雪がやんだね」、質問「雪がやんだね」および回答「よかったね」を示す。また、FAQ情報400−2は、FAQ1のタイトル「雪がやんだね」、質問「雪がやんだね」および回答「そうだね」を示す。FAQ情報400−1,400−2は、同一のFAQである。
(チャットログDB230の記憶内容)
つぎに、応答処理装置101が有するチャットログDB230の記憶内容について説明する。チャットログDB230は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。図1Aに示した記憶部110は、例えば、チャットログDB230に相当する。
図5は、チャットログDB230の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、チャットログDB230は、入力質問、FAQ−IDおよびFAQ−LISTのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、チャットログ情報(例えば、チャットログ情報500−1,500−2)をレコードとして記憶する。
ここで、入力質問は、応答処理システム200(FAQシステム)に入力された質問データである。FAQ−IDは、入力質問に対して提示された回答データのうち選択された回答データのFAQ−IDである。入力質問に対して回答データが提示されなかった場合は、FAQ−IDフィールドには「−(Null)」が設定される。
また、回答データが提示されたにもかかわらず、いずれの回答データも選択されなかった場合は、FAQ−IDフィールドには「Not Found」が設定される。FAQ−ID「Not Found」は、入力質問に対して提示した回答データの中に、ユーザが期待するFAQがなかったことを示す。すなわち、FAQ−ID「Not Found」の入力質問は、提示した回答について否定的な評価がなされた質問データを示す。
FAQ−LISTは、入力質問に対して提示された回答データのリストである。入力質問に対して回答データが提示されなかった場合は、FAQ−LISTフィールドには「Not Found」が設定される。FAQ−LIST「Not Found」は、入力質問に関連する回答データがないことを示す。すなわち、FAQ−LIST「Not Found」の入力質問は、関連する回答を特定できなかった質問データを示す。
例えば、チャットログ情報500−1は、入力質問「雪やんだみたいだねー」に対して関連する回答を特定できなかったことを示す。また、チャットログ情報500−2は、入力質問「雪って何ですか」に対して提示した回答(FAQ10)について否定的な評価がなされたことを示す。
(応答処理装置101の機能的構成例)
図6は、応答処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図6において、応答処理装置101は、取得部601と、特定部602と、算出部603と、評価部604と、表示制御部605と、受付部606と、設定部607と、を含む。取得部601〜設定部607は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
取得部601は、過去に入力された質問データに対する応答結果を取得する。過去に入力された質問データは、応答処理システム200(FAQシステム)を利用するユーザにより入力された質問データである。質問データに対する応答結果としては、例えば、第1、第2および第3の応答結果がある。
第1の応答結果は、入力された質問データに対して関連する回答を特定できなかったことを示す応答結果である。第2の応答結果は、入力された質問データに対して提示した回答について否定的な評価がなされたことを示す応答結果である。第3の応答結果は、入力された質問データに対して提示した回答のうち選択された回答を示す応答結果である。
具体的には、例えば、自装置においてユーザから入力された質問データを処理する場合、取得部601は、自装置において処理された質問データに対する応答結果を取得する。また、自装置とは異なる他のコンピュータにおいてユーザから入力された質問データを処理する場合、取得部601は、他のコンピュータにおいて処理された質問データに対する応答結果を、他のコンピュータから取得する。
取得された質問データに対する応答結果は、例えば、図5に示したチャットログDB230に記憶される。例えば、第1の応答結果が取得された場合、入力された質問データと対応付けて、FAQ−ID「−」およびFAQ−LIST「Not Found」が記憶される。また、第2の応答結果が取得された場合、入力された質問データと対応付けて、FAQ−ID「Not Found」およびFAQ−LIST「提示した回答のFAQ−ID」が記憶される。また、第3の応答結果が取得された場合、入力された質問データと対応付けて、FAQ−ID「選択された回答のFAQ−ID」およびFAQ−LIST「提示した回答のFAQ−ID」が記憶される。
特定部602は、取得された質問データに対する応答結果に基づいて、解決不良の質問データを特定する。ここで、解決不良の質問データは、関連する回答を特定できなかった質問データ、または、提示した回答について否定的な評価がなされた質問データである。具体的には、例えば、特定部602は、チャットログDB230を参照して、FAQ−IDまたはFAQ−LISTのいずれかのフィールドに「Not Found」が設定された入力質問を、解決不良の質問データとして特定する。FAQ−ID「Not Found」の入力質問は、提示した回答について否定的な評価がなされた質問データである。FAQ−LIST「Not Found」の入力質問は、関連する回答を特定できなかった質問データである。なお、チャットログDB230内のどの期間のチャットログ情報を用いるかは任意に設定可能である。
特定された解決不良の質問データは、例えば、図7に示すような解決不良質問テーブル700に記憶される。解決不良質問テーブル700は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。ここで、解決不良質問テーブル700の記憶内容について説明する。
図7は、解決不良質問テーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、解決不良質問テーブル700は、解決不良質問、ゼロ件ヒット、適合回答無しおよび改善率のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、解決不良質問情報(例えば、解決不良質問情報700−1〜700−3)をレコードとして記憶する。
ここで、解決不良質問は、解決不良の質問データを示す。ゼロ件ヒットは、関連する回答を特定できなかった回数、すなわち、ゼロ件ヒットとなった回数を示す。適合回答無しは、提示した回答について否定的な評価がなされた回数を示す。改善率は、解決不良の質問データについて関連する回答を特定できたと仮定するとヒット率(または、不良率)が改善する程度を示す。ヒット率、不良率については後述する。
図7の(7−1)の例では、解決不良の質問データとして、「雪やんだみたいだねー」、「雪やんどるよ」および「雪降っていません」が設定された結果、解決不良質問情報700−1〜700−3がレコードとして記憶されている。ただし、この時点では、各解決不良質問情報700−1〜700−3のゼロ件ヒット、適合回答無しおよび改善率は「−」である。
図6の説明に戻り、算出部603は、特定された解決不良の質問データについて、解決不良の発生回数を算出する。ここで、解決不良の発生回数は、解決不良の質問データについて、関連する回答を特定できなかった回数、または、提示した回答について否定的な評価がなされた回数である。
具体的には、例えば、算出部603は、チャットログDB230を参照して、特定された解決不良の質問データについて、FAQ−LISTフィールドに「Not Found」が設定されたレコードの数を計数する。これにより、関連する回答を特定できなかった回数、すなわち、ゼロ件ヒットの件数を算出することができる。
また、例えば、算出部603は、チャットログDB230を参照して、特定された解決不良の質問データについて、FAQ−IDフィールドに「Not Found」が設定されたレコードの数を計数する。これにより、提示した回答について否定的な評価がなされた回数、すなわち、適合回答無しの件数を算出することができる。
算出された解決不良の発生回数は、例えば、解決不良質問テーブル700に記憶される。図7の(7−2)の例では、解決不良の質問データ「雪やんだみたいだねー」について、解決不良の発生回数として、関連する回答を特定できなかった回数「8」が算出された結果、解決不良質問情報700−1のゼロ件ヒットフィールドに「8」が設定されている。また、解決不良の質問データ「雪やんどるよ」について、解決不良の発生回数として、関連する回答を特定できなかった回数「6」が算出された結果、解決不良質問情報700−2のゼロ件ヒットフィールドに「6」が設定されている。また、解決不良の質問データ「雪降っていません」について、解決不良の発生回数として、提示した回答について否定的な評価がなされた回数「6」が算出された結果、解決不良質問情報700−3の適合回答無しフィールドに「6」が設定されている。
また、算出部603は、取得された質問データに対する応答結果に基づいて、解決不良割合または解決割合を算出する。ここで、解決不良割合は、質問データのうち解決不良の質問データが占める割合、いわゆる、不良率である。また、解決割合は、質問データのうち解決不良の質問データを除く質問データが占める割合、いわゆる、ヒット率である。
解決不良割合および解決割合は、FAQシステムを総合評価するための指標である。例えば、FAQシステムの解決不良割合が低いほど、ユーザの満足度が高いシステムといえる。換言すれば、FAQシステムの解決割合が高いほど、ユーザの満足度が高いシステムといえる。
具体的には、例えば、算出部603は、チャットログDB230内の全レコード数Nを計数する。全レコード数Nは、FAQの検索件数に相当する。また、算出部603は、チャットログDB230を参照して、FAQ−IDフィールドにFAQ−IDが設定されたレコードの数Xを計数する。そして、算出部603は、下記式(1)を用いて、ヒット率(解決割合)を算出することができる。ヒット率(解決割合)の単位は、[%]である。
ヒット率=X/N×100 ・・・(1)
一例として、全レコード数Nを「83」とし、FAQ−IDフィールドにFAQ−IDが設定されたレコードの数Xを「51」とする。この場合、ヒット率は、「61.45[%]」となる。
また、算出部603は、チャットログDB230を参照して、FAQ−IDまたはFAQ−LISTのいずれかのフィールドに「Not Found」が設定されたレコードの数Yを計数する。そして、算出部603は、下記式(2)を用いて、不良率(解決不良割合)を算出することができる。不良率(解決不良割合)の単位は、[%]である。
不良率=Y/N×100 ・・・(2)
一例として、全レコード数Nを「83」とし、FAQ−IDまたはFAQ−LISTのいずれかのフィールドに「Not Found」が設定されたレコードの数Yを「32」とする。この場合、不良率は、「38.55[%]」となる。
算出された解決不良割合(不良率)または解決割合(ヒット率)は、例えば、後述の図8に示すような評価テーブル800に記憶される。評価テーブル800は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
また、算出部603は、特定された解決不良の質問データについて、算出した解決不良の発生回数に基づいて、関連する回答を特定できたと仮定すると解決不良の割合が改善する程度を示す情報を算出する。具体的には、例えば、算出部603は、解決不良質問テーブル700を参照して、解決不良の質問データの解決不良発生回数yを特定する。
ここで、解決不良発生回数yは、ゼロ件ヒットの件数であってもよく、また、適合回答無しの件数であってもよく、また、ゼロ件ヒットの件数と適合回答無しの件数を足し合わせたものであってもよい。そして、算出部603は、下記式(3)を用いて、解決不良の質問データの改善率を算出する。改善率は、解決不良の質問データについて、関連する回答を特定できたと仮定すると解決不良の割合が改善する程度を示す指標値である。改善率の単位は、[%]である。
改善率=y/N×100 ・・・(3)
一例として、全レコード数Nを「83」とし、ある解決不良の質問データの解決不良発生回数yを「8」とする。また、解決不良発生回数yは、ゼロ件ヒットの件数と適合回答無しの件数を足し合わせたものとする。この場合、改善率は、「10[%]」となる(ただし、小数点以下を四捨五入)。
算出された改善率は、例えば、解決不良質問テーブル700に記憶される。図7の(7−3)の例では、解決不良の質問データ「雪やんだみたいだねー」について、改善率「10[%]」が算出された結果、解決不良質問情報700−1の改善率フィールドに「10」が設定されている。また、解決不良の質問データ「雪やんどるよ」について、改善率「7[%]」が算出された結果、解決不良質問情報700−2の改善率フィールドに「7」が設定されている。また、解決不良の質問データ「雪降っていません」について、改善率「7[%]」が算出された結果、解決不良質問情報700−3の改善率フィールドに「7」が設定されている。
評価部604は、算出された解決不良割合または解決割合に基づいて、FAQシステムを評価する。具体的には、例えば、評価部604は、算出されたヒット率(解決割合)に基づいて、FAQシステムをランクS,A,B,C,D,Eのいずれかにランク付けすることにしてもよい。
ここで、ランクS,A,B,C,D,Eのうち、ランクSが最も高いランクであり、ランクEが最も低いランクである。より詳細に説明すると、例えば、評価部604は、ヒット率が100[%]であれば、ランクSとする。また、評価部604は、ヒット率が75[%]以上100[%]未満であれば、ランクAとする。また、評価部604は、ヒット率が50[%]以上75[%]未満であれば、ランクBとする。また、評価部604は、ヒット率が25[%]以上50[%]未満であれば、ランクCとする。また、評価部604は、ヒット率が0[%]以上25[%]未満であれば、ランクDとする。また、評価部604は、ヒット率が0[%]であれば、ランクEとする。
一例として、ヒット率を「61.45[%]」とすると、応答処理システム200の評価結果は、ランクBとなる。評価された結果は、例えば、評価テーブル800に記憶される。ここで、評価テーブル800の記憶内容について説明する。
図8は、評価テーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、評価テーブル800は、ヒット率と、不良率と、ランクとを記憶する。ヒット率は、FAQシステムの解決割合である。不良率は、FAQシステムの解決不良割合である。ランクは、FAQシステムの評価結果である。
図8の例では、応答処理システム200のヒット率は「61.45[%]」であり、不良率は「38.55[%]」であり、ランクは「B」である。
図6の説明に戻り、表示制御部605は、特定された解決不良の質問データを表示する。具体的には、例えば、表示制御部605は、解決不良質問テーブル700を参照して、解決不良の質問データを指定可能に表示する。表示先のディスプレイは、例えば、作業者端末201のディスプレイ(不図示)であってもよく、また、自装置のディスプレイ(不図示)であってもよい。
また、表示制御部605は、解決不良の質問データの表示の際に、算出された解決不良の発生回数が多いほど、優先度の高い質問データとして表示することにしてもよい。具体的には、例えば、表示制御部605は、解決不良質問テーブル700を参照して、解決不良発生回数yが多い質問データほど、上位に表示することにしてもよい。
また、例えば、表示制御部605は、解決不良質問テーブル700を参照して、解決不良発生回数yがあらかじめ決められた閾値以上となる質問データを表示することにしてもよい。なお、解決不良発生回数yは、上述したように、ゼロ件ヒットの件数、または、適合回答無しの件数、または、ゼロ件ヒットの件数と適合回答無しの件数を足し合わせたものである。
また、表示制御部605は、算出された解決不良割合または解決割合を表示することにしてもよい。具体的には、例えば、表示制御部605は、解決不良の質問データの表示の際に、評価テーブル800を参照して、応答処理システム200のヒット率または不良率をあわせて表示することにしてもよい。
また、表示制御部605は、評価されたFAQシステムの評価結果を表示することにしてもよい。具体的には、例えば、表示制御部605は、解決不良の質問データの表示の際に、評価テーブル800を参照して、応答処理システム200のランクをあわせて表示することにしてもよい。
より詳細に説明すると、例えば、表示制御部605は、解決不良質問テーブル700および評価テーブル800を参照して、後述の図9に示すような解決不良質問指定画面900を、作業者端末201のディスプレイに表示することにしてもよい。解決不良質問指定画面900についての詳細な説明は、図9を用いて後述する。
また、表示制御部605は、解決不良の質問データに対応付けて、解決不良の質問データについて算出された、関連する回答を特定できたと仮定すると解決不良の割合が改善する程度を示す情報を表示することにしてもよい。具体的には、例えば、表示制御部605は、解決不良の質問データの表示の際に、解決不良質問テーブル700を参照して、解決不良の質問データの改善率をあわせて表示することにしてもよい。
なお、解決不良の質問データの改善率の表示例については、図12を用いて後述する。
また、表示制御部605は、算出された解決不良割合が所定の基準を超える場合に、解決不良の割合が改善する程度が高い順に質問データを必要最小限の質問データがいずれであるか表示することにしてもよい。解決不良割合が所定の基準を超えるという条件は、換言すれば、解決割合が所定の基準を下回るという条件に相当する。所定の基準は、任意に設定可能である。
一例として、所定の基準を、上述したランクS,A,B,C,D,Eのうちの「ランクA」とする。すなわち、応答処理システム200のヒット率が75[%]以上100[%]未満であれば、ランクAとなり、所定の基準を満たすとする。例えば、表示制御部605は、評価テーブル800を参照して、応答処理システム200のランク「B」を特定し、所定の基準を満たしていないと判断する。
この場合、表示制御部605は、評価テーブル800を参照して、応答処理システム200のヒット率「61.45[%]」を特定する。つぎに、表示制御部605は、特定したヒット率「61.45」に基づいて、所定の基準を満たすにはヒット率を少なくともどれだけ上げる必要があるかを判断する。
ここでは、ヒット率を「13.55[%](75−61.45)」上げれば所定の基準を満たす。この場合、表示制御部605は、例えば、解決不良質問テーブル700を参照して、改善率が高い順に、ヒット率を「13.55[%]」上げるための必要最小限の質問データの組合せを特定する。
図7の(7−3)の例では、改善率が高い順に、解決不良質問情報700−1,700−2の改善率の合計が「17[%]」である。このため、表示制御部605は、ヒット率を「13.55[%]」上げるための必要最小限の質問データの組合せとして、解決不良の質問データ「雪やんだみたいだねー」および「雪やんどるよ」を特定する。そして、表示制御部605は、特定した解決不良の質問データ「雪やんだみたいだねー」および「雪やんどるよ」を、他の解決不良の質問データと判別可能に表示する。
なお、解決不良割合が所定の基準を超える場合に、解決不良の割合が改善する程度が高い順に、必要最小限の質問データがいずれであるかを表示する場合の表示例については、図13を用いて後述する。
受付部606は、表示された解決不良の質問データのうちのいずれかの解決不良の質問データの指定を受け付ける。解決不良の質問データの指定は、例えば、後述の図9に示すような解決不良質問指定画面900において行われる。具体的には、例えば、受付部606は、作業者端末201から解決不良質問指定画面900において指定された解決不良の質問データを示す指定結果を受信することにより、解決不良の質問データの指定を受け付ける。
設定部607は、指定された解決不良の質問データを、回答データとの関連付け情報を追加登録する対象の質問データとして設定する。ここで、回答データとの関連付け情報とは、指定された解決不良の質問データをFAQとして登録するにあたり、当該質問データに関連する回答データを特定するための情報である。
また、表示制御部605は、追加登録する対象の質問データが設定されると、当該質問データと回答データとの関連付け情報を新規登録するための情報登録画面(例えば、図1Bに示したような情報登録画面130)を表示することにしてもよい。情報登録画面によれば、追加登録する対象の質問データと関連付ける回答データを入力することができる。
情報登録画面において回答データが入力された場合、設定部607は、追加登録する対象の質問データと、入力された回答データとをFAQマスタ220に関連付けて記憶する。これにより、新たなFAQとして、追加登録する対象の質問データを回答データと関連付けて、FAQマスタ220に新規登録することができる。なお、タイトルには、例えば、追加登録する対象の質問データが設定される。
なお、追加登録する対象の質問データが、既にFAQとしてFAQマスタ220に登録されている場合には、表示制御部605は、情報登録画面において、当該質問データと関連付けられた登録済の回答データを編集可能に表示することにしてもよい。この際、表示制御部605は、同一FAQの他の質問データについても表示することにしてもよい。これにより、既にFAQとして登録済の解決不良の質問データについて、関連付ける回答データの追加、削除、変更等を行うことができる。
また、表示制御部605は、追加登録する対象の質問データが設定されると、当該質問データに類似する、登録済の質問データを表示することにしてもよい。具体的には、例えば、表示制御部605は、FAQマスタ220を参照して、追加登録する対象の質問データと、登録済の質問データとの類似度を算出する。登録済の質問データは、FAQマスタ220の質問フィールドに設定された質問データである。
なお、類似度の算出には、既存のいかなる技術を用いることにしてもよい。例えば、TF(Term Frequency)−IDF(Inverse Document Frequency)や、レーベンシュタイン距離(編集距離)などを用いた既存の類似度算出手法により、質問データ間の類似度を算出することができる。
つぎに、表示制御部605は、算出した類似度が閾値以上の登録済の質問データを、追加登録する対象の質問データに類似する、登録済の質問データとして特定する。閾値は、任意に設定可能である。そして、表示制御部605は、特定した登録済の質問データを選択可能に表示する。この際、表示制御部605は、特定した登録済の質問データのうち、類似度が高い上位いくつか(例えば、10個)の質問データを選択可能に表示することにしてもよい。
なお、追加登録する対象の質問データに類似する、登録済の質問データの表示例については、図10を用いて後述する。また、追加登録する対象の質問データに類似する、登録済の質問データがない場合には、表示制御部605は、追加登録する対象の質問データと回答データとの関連付け情報を新規登録するための情報登録画面を表示することにしてもよい。
受付部606は、表示された登録済の質問データのうちのいずれかの登録済の質問データの選択を受け付ける。登録済の質問データの選択は、例えば、後述の図10に示すような類似質問一覧画面1000において行われる。具体的には、例えば、受付部606は、作業者端末201から類似質問一覧画面1000において選択された登録済の質問データを示す選択結果を受信することにより、登録済の質問データの選択を受け付ける。
また、設定部607は、表示された登録済の質問データのうち、選択された登録済の質問データに関連付けられた登録済の回答データを、設定した追加登録する対象の質問データと新たに関連付ける。具体的には、例えば、設定部607は、FAQマスタ220を参照して、選択された登録済の質問データのFAQ−IDに関連付けられた登録済の回答データを特定する。そして、設定部607は、特定した登録済の回答データを、追加登録する対象の質問データと新たに関連付ける。
より詳細に説明すると、例えば、追加登録する対象の質問データを、選択された登録済の質問データと同一のFAQとして、特定した登録済の回答データと関連付けて、FAQマスタ220に登録する。これにより、既存のFAQに、追加登録する対象の質問データを追加登録することができる。
また、算出部603は、指定された解決不良の質問データと回答データとの関連付け情報の追加登録がなされると、指定された質問データについては、関連する回答が特定できた質問データとして、解決不良割合または解決割合を新たに算出することにしてもよい。
具体的には、例えば、算出部603は、下記式(4)を用いて、指定された質問データについて、関連する回答が特定できた質問データとして、新たなヒット率を予測値として算出することにしてもよい。yは、指定された質問データの解決不良発生回数である。Xは、FAQ−IDフィールドにFAQ−IDが設定されたチャットログDB230内のレコードの数である。Nは、チャットログDB230内の全レコード数である。
ヒット率(予測値)=(X+y)/N×100 ・・・(4)
一例として、全レコード数Nを「83」とし、FAQ−IDフィールドにFAQ−IDが設定されたレコードの数Xを「51」とし、ある解決不良の質問データの解決不良発生回数yを「8」とする。この場合、ヒット率(予測値)は、「71[%]」となる(ただし、小数点以下は四捨五入)。ただし、ヒット率(予測値)は、元のヒット率に、解決不良の質問データの改善率を上乗せすることで求めることにしてもよい。
そして、表示制御部605は、新たに算出された解決不良割合または解決割合を表示することにしてもよい。具体的には、例えば、表示制御部605は、解決不良の質問データの表示の際に、新たに算出されたヒット率または不良率を予測値として表示することにしてもよい。
なお、新たに算出された解決不良割合(不良率)または解決割合(ヒット率)を表示する場合の表示例については、図14を用いて後述する。
応答処理装置101の各機能部は、応答処理システム200内の他のコンピュータ、例えば、作業者端末201で実現することにしてもよい。また、応答処理装置101の各機能部は、応答処理システム200内の複数のコンピュータにより実現されることにしてもよい。
(解決不良質問指定画面900の画面例)
つぎに、図9を用いて、解決不良質問指定画面900の画面例について説明する。ここでは、解決不良質問指定画面900を、応答処理システム200の管理者が使用する作業者端末201のディスプレイ(不図示)に表示する場合を例に挙げて説明する。
図9は、解決不良質問指定画面900の画面例を示す説明図である。図9において、解決不良質問指定画面900は、解決不良の質問データを指定可能に表示する操作画面である。ただし、図9では、解決不良の質問データの一部を抜粋して表示している。
解決不良質問指定画面900において、入力ワードは、解決不良の質問データを示す。出現回数は、解決不良の質問データを用いた検索件数であり、解決不良の質問データを入力質問とするチャットログDB230内のレコードの数である。ただし、出現回数は、ゼロ件ヒットの数と、適合回答無しの数とを足し合わせた値であってもよい。
ゼロ件ヒットは、解決不良の質問データについて、関連する回答を特定できなかった回数、すなわち、ゼロ件ヒットの件数を示す。適合回答無しは、解決不良の質問データについて、提示した回答について否定的な評価がなされた回数を示す。なお、順位は、出現回数が多い順に付けられている。
ヒット率は、FAQシステム(応答処理システム200)を総合評価するための指標であり、質問データのうち解決不良の質問データを除く質問データが占める割合(解決割合)である。ランク「B」は、ヒット率に基づいて評価されたFAQシステムの評価結果である。
FAQ検索件数は、チャットログDB230内の全レコード数Nを示す。ゼロ件ヒット件数は、解決不良の質問データそれぞれのゼロ件ヒットの数を足し合わせた合計値を示す。適合回答無し件数は、解決不良の質問データそれぞれの適合回答無しの数を足し合わせた合計値を示す。
解決不良質問指定画面900によれば、応答処理システム200の管理者は、回答データとの関連付け情報を追加登録する対象の質問データを指定することができる。具体的には、解決不良質問指定画面900において、作業者端末201の不図示の入力装置を用いた操作入力により、いずれかの入力ワードを指定することで、回答データとの関連付け情報を追加登録する対象の質問データを指定することができる。
また、解決不良質問指定画面900によれば、応答処理システム200の管理者は、解決不良の質問データそれぞれについて、ゼロ件ヒットや適合回答無しの数から解決不良の発生回数を把握することができる。これにより、応答処理システム200の管理者は、解決不良の質問データのうち、優先的にFAQを新規登録すべき質問データや、優先的にFAQの整備を行うべき質問データを判断しやすくなる。
また、解決不良質問指定画面900では、解決不良の発生回数が多いほど、優先度の高い質問データとして上位に表示される。これにより、応答処理システム200の管理者は、解決不良の質問データのうち、優先的にFAQを新規登録すべき質問データや、優先的にFAQの整備を行うべき質問データを判断しやすくなる。
また、解決不良質問指定画面900によれば、応答処理システム200の管理者は、ヒット率「61.45[%]」やランクBから、FAQシステムに求められる基準を満たしているかどうかを判断して、FAQシステムの現状のユーザ満足度等を評価することができる。
また、解決不良質問指定画面900によれば、応答処理システム200の管理者は、FAQ検索件数、ゼロ件ヒット件数および適合回答無し件数から、どれくらいの数の検索件数に対して、どれくらいの数の解決不良が発生しているかを把握することができる。
ここでは、解決不良質問指定画面900において、入力ワード「雪やんだみたいだねー」が指定された場合を想定する。この場合、図10に示すような類似質問一覧画面1000が、作業者端末201のディスプレイに表示される。
(類似質問一覧画面1000の画面例)
つぎに、図10を用いて、類似質問一覧画面1000の画面例について説明する。
図10は、類似質問一覧画面1000の画面例を示す説明図である。図10において、類似質問一覧画面1000は、図9に示した解決不良質問指定画面900において指定された入力ワード「雪やんだみたいだねー」に類似する登録済の質問データを選択可能に表示する操作画面である。類似質問一覧画面1000において、タイトルは、類似質問を含むFAQのタイトルである。類似質問は、入力ワード「雪やんだみたいだねー」に類似する登録済の質問データである。
類似質問一覧画面1000において、入力装置を用いた操作入力により、いずれかの類似質問を選択することで、入力ワード「雪やんだみたいだねー」に対して登録済の回答データを新たに関連付ける登録済の質問データを選択することができる。
このように、類似質問一覧画面1000によれば、入力ワード「雪やんだみたいだねー」に類似する登録済の質問データの中から、入力ワード「雪やんだみたいだねー」を追加登録するFAQの質問データを選択することができる。
なお、類似質問一覧画面1000において、入力装置を用いた操作入力により、新規登録ボタン1001を選択すると、入力ワード「雪やんだみたいだねー」と関連付ける回答データを入力する情報登録画面を表示することができる。
ここでは、類似質問一覧画面1000において、類似質問「雪がやんだね」が選択された場合を想定する。この場合、図11に示すような類似質問登録画面1100が、作業者端末201のディスプレイに表示される。
(類似質問登録画面1100の画面例)
つぎに、図11を用いて、類似質問登録画面1100の画面例について説明する。
図11は、類似質問登録画面1100の画面例を示す説明図である。図11において、類似質問登録画面1100は、解決不良の質問データを登録済のFAQに追加登録するための操作画面である。類似質問登録画面1100には、解決不良質問指定画面900において指定された入力ワード「雪やんだみたいだねー」とともに、登録済の質問「雪がやんだね」および「雪がやみましたね」が表示されている。星印が付された質問「雪がやんだね」は、タイトルとなる代表質問である。
類似質問登録画面1100において、入力装置を用いた操作入力により、ボタン1101を選択すると、入力ワード「雪やんだみたいだねー」を、登録済の質問「雪がやんだね」および「雪がやみましたね」と同一のFAQに追加登録することができる。
具体的には、例えば、設定部607は、FAQマスタ220を参照して、登録済の質問「雪がやんだね」のFAQ−ID「1」に関連付けられた登録済の回答データを特定する。そして、設定部607は、特定した登録済の回答データそれぞれを、入力ワード「雪やんだみたいだねー」と関連付けて、FAQマスタ220に登録する。
一例として、FAQ−ID「1」に関連付けられた登録済の回答データを「よかったね」とする(図4参照)。この場合、設定部607は、FAQ−ID「1」とタイトル「雪がやんだね」と質問「雪やんだみたいだねー」と回答「よかったね」とを関連付けて、FAQマスタ220に記憶する。これにより、新たなFAQ情報がFAQマスタ220にレコードとして記憶される。
なお、類似質問登録画面1100において、タブ1102を選択すると、登録済の質問「雪がやんだね」および「雪がやみましたね」に関連付けられた登録済の回答(例えば、「よかったね」、「そうだね」)を確認することができる。
(解決不良質問指定画面900の他の画面例)
つぎに、図12〜図14を用いて、解決不良質問指定画面900の他の画面例について説明する。ただし、図9を用いて説明した箇所と同一箇所については、説明を省略する。
まず、図12を用いて、解決不良の質問データの改善率の表示例について説明する。
図12は、解決不良質問指定画面900の他の画面例を示す説明図(その1)である。図12において、解決不良質問指定画面900には、解決不良の質問データである入力ワードに対応付けて、改善率が表示されている。
図12の解決不良質問指定画面900によれば、応答処理システム200の管理者は、解決不良の質問データそれぞれについて、関連する回答を特定できたと仮定すると解決不良の割合が改善する程度を把握することができる。これにより、管理者は、FAQシステムのヒット率を効果的に高めるために、どの質問データについて、優先的にFAQの新規登録等を行えばよいのかを判断しやすくなる。
つぎに、図13を用いて、解決不良割合が所定の基準を超える場合に、解決不良の割合が改善する程度が高い順に、必要最小限の質問データがいずれであるかを表示する場合の表示例について説明する。ここでは、所定の基準を、上述したランクS,A,B,C,D,Eのうちの「ランクA」とする。
図13は、解決不良質問指定画面900の他の画面例を示す説明図(その2)である。図13において、解決不良質問指定画面900では、FAQシステムのヒット率が所定の基準を満たすための必要最小限の入力ワードが、他の入力データと判別可能に表示されている。具体的には、入力ワード「雪やんだみたいだねー」および「雪やんどるよ」に対応する部分が強調表示されている。
図13の解決不良質問指定画面900によれば、管理者は、ランクBをランクAに上げるための必要最小限の入力ワードの組合せを容易に把握することができ、どの質問データについて、優先的にFAQの新規登録等を行えばよいのかを判断しやすくなる。図15の例では、ランクBをランクAに上げるためには、入力ワード「雪やんだみたいだねー」および「雪やんどるよ」について、優先的にFAQの新規登録等を行えばよいと判断することができる。
つぎに、図14を用いて、新たに算出された解決割合(ヒット率)を表示する場合の表示例について説明する。ここでは、入力ワード「雪やんだみたいだねー」と回答データとの関連付け情報の追加登録がなされた場合を想定する。
図14は、解決不良質問指定画面900の他の画面例を示す説明図(その3)である。図14において、解決不良質問指定画面900には、入力ワード「雪やんだみたいだねー」を関連する回答が特定できた質問データとして、新たに算出されたヒット率(予測値)が表示されている。
図14の解決不良質問指定画面900によれば、管理者は、入力ワード「雪やんだみたいだねー」をFAQに登録したことにより、FAQシステムのヒット率について、今後10[%]程度の上昇が見込まれることを把握することができる。
(応答処理装置101の登録支援処理手順)
つぎに、図15および図16を用いて、応答処理装置101の登録支援処理手順について説明する。応答処理装置101の登録支援処理は、例えば、作業者端末201からの開始要求に応じて実行される。
図15および図16は、応答処理装置101の登録支援処理手順の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートにおいて、まず、応答処理装置101は、チャットログDB230を参照して、解決不良の質問データを特定する(ステップS1501)。特定された解決不良の質問データは、解決不良質問テーブル700に記憶される。
つぎに、応答処理装置101は、チャットログDB230を参照して、特定した解決不良の質問データについて、解決不良の発生回数を算出する(ステップS1502)。解決不良の発生回数は、例えば、ゼロ件ヒットの数と適合回答無しの数である。算出された解決不良の発生回数は、解決不良質問テーブル700に記憶される。
つぎに、応答処理装置101は、解決不良質問テーブル700を参照して、上記式(3)を用いて、特定した解決不良の質問データの改善率を算出する(ステップS1503)。算出された改善率は、解決不良質問テーブル700に記憶される。
つぎに、応答処理装置101は、チャットログDB230を参照して、上記式(1)を用いて、FAQシステムのヒット率を算出する(ステップS1504)。つぎに、応答処理装置101は、算出したヒット率に基づいて、FAQシステムのランクを評価する(ステップS1505)。算出されたヒット率、および、評価された評価結果は、評価テーブル800に記憶される。
そして、応答処理装置101は、解決不良質問テーブル700および評価テーブル800を参照して、解決不良質問指定画面900を作業者端末201に表示して(ステップS1506)、図16に示すステップS1601に移行する。
図16のフローチャートにおいて、まず、応答処理装置101は、解決不良質問指定画面900において、表示した解決不良の質問データのうちのいずれかの解決不良の質問データの指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS1601)。ここで、解決不良の質問データの指定を受け付けていない場合(ステップS1601:No)、応答処理装置101は、ステップS1607に移行する。
一方、解決不良の質問データの指定を受け付けた場合(ステップS1601:Yes)、応答処理装置101は、指定された解決不良の質問データを、回答データとの関連付け情報を追加登録する対象の質問データとして設定する(ステップS1602)。
つぎに、応答処理装置101は、FAQマスタ220を参照して、設定した追加登録する対象の質問データに類似する登録済の類似質問データを特定する(ステップS1603)。そして、応答処理装置101は、特定した登録済の類似質問データを選択可能に表示する類似質問一覧画面1000を作業者端末201に表示する(ステップS1604)。
つぎに、応答処理装置101は、類似質問一覧画面1000において、表示した登録済の類似質問データのうちのいずれかの類似質問データの選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS1605)。ここで、応答処理装置101は、類似質問データの選択を受け付けるのを待つ(ステップS1605:No)。
類似質問データの選択を受け付けた場合(ステップS1605:Yes)、応答処理装置101は、設定した追加登録する対象の質問データを、選択された類似質問データと同一のFAQとして、FAQマスタ220に登録する(ステップS1606)。
そして、応答処理装置101は、解決不良の質問データの指定を終了するか否かを判断する(ステップS1607)。なお、解決不良の質問データの指定は、例えば、作業者端末201からの終了要求に応じて終了する。
ここで、解決不良の質問データの指定を終了しない場合(ステップS1607:No)、応答処理装置101は、ステップS1601に戻る。一方、解決不良の質問データの指定を終了する場合(ステップS1607:Yes)、応答処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、FAQとして登録すべき質問データや回答データについての登録作業を効率的に行うことができる。
なお、ステップS1603において、登録済の類似質問データが特定されなかった場合には、応答処理装置101は、追加登録する対象の質問データと回答データとの関連付け情報を新規登録するための情報登録画面を表示することにしてもよい。
また、ステップS1605において、類似質問データの選択を受け付けなかった場合に、応答処理装置101は、追加登録する対象の質問データと回答データとの関連付け情報を新規登録するための情報登録画面を表示することにしてもよい。
また、ステップS1606において、設定した追加登録する対象の質問データについて、FAQマスタ220への追加登録がなされると、応答処理装置101は、FAQシステムのヒット率を新たに算出して、解決不良質問指定画面900に表示することにしてもよい。
以上説明したように、実施の形態にかかる応答処理装置101によれば、チャットログDB230を参照して、解決不良の質問データを表示し、表示した解決不良の質問データのうち、指定された解決不良の質問データを、回答データとの関連付け情報を追加登録する対象の質問データとして設定することができる。解決不良の質問データは、関連する回答を特定できなかった、または、提示した回答について否定的な評価がなされた質問データである。
これにより、FAQシステムのユーザが期待する回答が得られなかった質問データを提示して、FAQとして新規登録すべき質問データや、関連付ける回答データを見直すべき質問データを判断しやすくさせることができる。
また、応答処理装置101によれば、解決不良の質問データの表示の際に、解決不良の発生回数が多いほど、優先度の高い質問データとして表示することができる。これにより、解決不良の質問データのみを表示する場合に比べて、優先的にFAQを新規登録すべき質問データや、優先的にFAQの整備を行うべき質問データを判断しやすくさせることができる。
また、応答処理装置101によれば、チャットログDB230を参照して、解決不良割合または解決割合を表示することができる。解決不良割合は、質問データのうち解決不良の質問データが占める割合である。解決割合は、質問データのうち解決不良の質問データを除く質問データが占める割合である。これにより、FAQシステムが求められる基準を満たしているかといったことを判断可能となり、FAQシステムの現状のユーザ満足度等を評価することができる。
また、応答処理装置101によれば、解決不良の質問データに対応付けて、改善率を表示することができる。改善率は、解決不良の質問データについて関連する回答を特定できたと仮定すると解決不良の割合が改善する程度を示す情報である。これにより、FAQシステムのヒット率を効果的に高めるために、どの質問データについて、優先的にFAQの新規登録等を行えばよいのかを判断しやすくさせることができる。
また、応答処理装置101によれば、解決不良割合が所定の基準を超える場合に、解決不良の割合が改善する程度が高い順に質問データを必要最小限の質問データがいずれであるか識別可能に表示することができる。これにより、FAQシステムに求められる基準を満たすために、どの質問データについて、優先的にFAQの新規登録等を行えばよいのかを判断しやすくさせることができる。
また、応答処理装置101によれば、解決不良の質問データと回答データとの関連付け情報の追加登録がなされると、当該質問データについては、関連する回答が特定できた質問データとして、解決不良割合または解決割合を新たに算出することができる。これにより、解決不良の質問データと回答データとの関連付け情報の追加登録がなされたことにより、例えば、FAQシステムのヒット率について、今後どの程度の上昇が見込まれるかを提示することができる。
また、応答処理装置101によれば、チャットログDB230を参照して、解決不良の質問データを表示し、表示した特定の質問データに類似する、登録済の質問データを表示することができる。特定の質問データは、表示された解決不良の質問データのうち、指定された解決不良の質問データである。そして、応答処理装置101によれば、表示した登録済の質問データのうち、選択された登録済の質問データに関連付けられた登録済の回答データを、特定の質問データと新たに関連付けることができる。
これにより、解決不良の質問データに類似する登録済の質問データの中からいずれかの質問データを選択するという簡単な操作によって、既存のFAQに解決不良の質問データを追加登録することができる。このため、追加登録する対象の質問データと関連付ける回答データを手入力する場合に比べて、登録作業にかかる手数を減らして作業負荷を軽減することができる。
これらのことから、実施の形態にかかる応答処理装置101および応答処理システム200によれば、効率的に質問データを登録可能にして、質問データに対して適切な回答を提示できる率(ヒット率)を効果的に高めることができる。
なお、本実施の形態で説明した応答処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本応答処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本応答処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。