JP6569681B2 - デジタル変調装置、無線送信機、及び、デジタル変調方法 - Google Patents

デジタル変調装置、無線送信機、及び、デジタル変調方法 Download PDF

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Description

本願発明は、携帯電話システムや無線LAN(Local Area Network)システム等における通信機や放送機器等として用いられるデジタル変調装置等に関する。
携帯電話システムや無線LANシステム等における通信機や放送機器等として用いられる送信機には、送信電力の大きさに依存することなく、送信波形を高精度に維持しつつ、低消費電力で動作することが求められる。特に送信機の最終段に設けられる送信用の電力増幅器は、大きな電力を消費するため、高い電力効率が求められる。
近年、高い電力効率が期待される電力増幅器として、スイッチング増幅器が注目されている。スイッチング増幅器は、入力信号としてパルス波形信号が入力されることが規定されており、そのパルス波形を維持した状態のまま電力を増幅する。スイッチング増幅器によって増幅されたパルス波形信号は、フィルタ素子によって所望の無線信号における帯域以外の周波数成分が除去されたのち、無線信号としてアンテナから放射される。
図13は、このようなスイッチング増幅器の代表例であるD級もしくはS級増幅器と呼ばれる(以下これらを総称してD級増幅器と称する)増幅器の構成例を示すブロック図である。図13は、論理「1」または「0」という2値の信号を増幅するD級増幅器の構成例を示している。
図13に示すD級増幅器50には、電源と出力端子との間、並びに、出力端子と接地電位との間に、スイッチ素子51及び52が挿入されている。スイッチ素子51及び52には、開閉制御信号として相補的なパルス信号が入力され、いずれか一方のスイッチ素子のみがオンになるように制御される。D級増幅器50は、スイッチ素子51がオン、スイッチ素子52がオフのときに、電源電圧が示す電位(ハイレベル:論理「1」)を出力する。D級増幅器50は、スイッチ素子51がオフ、スイッチ素子52がオンのときに、接地電位(ローレベル:論理「0」)を出力する。
このD級増幅器50は、バイアス電流を必要としないため、理想的には電力損失を零にすることができる。スイッチング素子51及び52としては、電界効果トランジスタ、あるいはバイポーラトランジスタ等を用いることができる。
図13に示したD級増幅器50を用いる一般的な送信機の第1の例として、図14に示す送信機が知られている。この送信機は、非特許文献1に記載された、ベースバンド信号を2値信号に変換するデルタシグマ(ΔΣ)変調器を組み合わせた2値送信機である。本送信機では、RF(Radio Frequency)信号生成器60が備えるデルタシグマ変調器61及び62が、デジタルベースバンドシグナルジェネレータ80が生成したI(In−phase)Q(Quadrature−phase)信号をデルタシグマ変調する。そして、RF信号生成器60は、デジタルアップコンバートを行い、RF帯デジタル信号を生成する。本送信機では、RF信号生成器60によって生成されたRF帯デジタル信号を、D級増幅器50が所望のレベルにまで増幅する。増幅されたRFデジタル信号は、バンドパスフィルター82を介してアンテナ83から無線信号として出力される。
図15は、特許文献1に記載された、図13に示したD級増幅器50を用いる一般的な送信機の第2の例である。本送信機では、デジタルベースバンドシグナルジェネレータ80が振幅信号と位相信号を生成したのち、RF信号生成器70が備えるデルタシグマ変調器71が、当該振幅信号をデルタシグマ変調する。RF信号生成器70は、デジタルベースバンドシグナルジェネレータ80が生成した位相信号をデジタルアップコンバートすることによって、RF帯位相信号を生成する。RF信号生成器70は、デルタシグマ変調器71が出力した信号を、生成したRF帯位相信号と乗算することによって、RF帯デジタル信号を生成する。
また、携帯電話システムや無線LANシステム等における通信精度に対する要求は、年々厳しさが増している。したがって、このような送信機に関して、信号対雑音電力比(SNR)を効率的に向上する技術への期待が益々高まってきている。
このような技術の一例として、特許文献2には、同一のベースバンド信号をデルタシグマ変調して出力する複数のデジタル送信機を備えた送信機が開示されている。この送信機は、複数のデジタル送信機からの出力信号を合成して出力する合成器と、デジタル送信機毎に異なる外部信号を生成する制御部と、を備えている。そして、この送信機は、デジタル送信機毎に備えるデルタシグマ変調器における入力端子あるいは内部ノードに、デジタル送信機毎に異なる外部信号を入力する。
また、特許文献3には、デルタシグマ変調器を並列に接続し、ぞれぞれのデルタシグマ変調器が位相を時間的にすらしたクロックにより動作するシグマデルタA(Analog)D(Digital)変換器が開示されている。このシグマデルタAD変換器は、複数のデルタシグマ変調器からの出力を、マルチプレクサ回路等によって結合する。
特許第5360232号公報 国際公開第2014/042270号 特開平6-209266号公報
A. Frappe, B. Stefanelli, A. Flament, A. Kaiser and A. Cathelin, "A digital ΔΣ RF signal generator for mobile communication transmitters in 90nm CMOS," in IEEE RFIC Symp., pp.13-16, June 2008.
図14、及び、図15に示す送信機が備えるデルタシグマ変調器は、入力信号に関する周波数より十分に高い周波数で動作することによって、入力信号を2値化する際に発生する量子化雑音を、所望帯域近傍において大きく低減させることができる。
図16に、一般的なデルタシグマ変調器として、1次のデルタシグマ変調器の構成例を示す。デルタシグマ変調器61は、アダー(加算器)610、遅延器611及び612、量子化器613を備えている。デルタシグマ変調器61が処理する信号に関する伝達関数は、入力信号をIN(z)、出力信号をOUT(z)として、下記の式の通り表される。

Out(z) = IN(z) + (1− z-1)・N(z)
・・・・・・(式1)

z = exp(j・f/fs)
・・・・・・(式2)
上記式において、N(z)は、量子化器613において発生する量子化雑音である。fは、処理する信号に関する周波数領域である。fsは、デルタシグマ変調器61に関する動作周波数である。また、上記式において、「・」は乗算を示す演算子、「/」は除算を示す演算子であり、「exp」は指数関数を示す。
式1が示すように、量子化雑音N(z)には、係数として(1− z-1)が掛け合わされている。このことは、デルタシグマ変調器61に関する動作速度fsが、入力信号に関する周波数領域fに比較して大きいほど、式2に示す通りz-1が1に近づく結果、出力信号に含まれる雑音成分が低減されるので、SNRが向上することを意味する。
デルタシグマ変調器に関する動作速度限界は、デルタシグマ変調器を集積化するCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等のデバイスに関する速度性能に依存する。一般的に、CMOSデバイスの微細化が進むほど、CMOSデバイスに関する速度性能は向上するが、現状、数GHz(ギガヘルツ)前半程度が、速度性能に関する限界である。
その一方で、近年におけるデータ通信に関する需要の拡大により、携帯電話、あるいは、無線LAN規格に割り当てられる信号帯域は増加傾向にある。このため、十分なSNRを確保するためには、デルタシグマ変調器が数GHz後半以上の周波数で動作することが求められる。したがって、現在のCMOSデバイスを用いたデルタシグマ変調器では、十分に高いSNRを実現することが困難になりつつある。
特許文献1乃至3、及び、非特許文献1が開示する技術は、この問題を効率的に解決するには不十分である。本願発明の主たる目的は、この問題をより効率的に解決したデジタル変調装置等を提供することである。
本願発明の一態様に係るデジタル変調装置は、設定手段と、N個(Nは2以上の整数)のデルタシグマ変調手段と、シリアル出力手段と、を備え、前記設定手段は、前記N個のデルタシグマ変調手段に対して、互いに異なる初期値を設定し、前記N個のデルタシグマ変調手段は、入力信号を第一のクロック信号が示すクロック周期ごとにデルタシグマ変調処理することによって、前記初期値に応じて値が変化する雑音信号を包含する変調後信号を出力し、前記シリアル出力手段は、前記N個のデルタシグマ変調手段が出力した前記変調後信号を、クロック周期が前記第一のクロック信号のN分の1である第二のクロック信号が示すクロック周期ごとに順にシリアル化して出力する。
上記目的を達成する他の見地において、本願発明の一態様に係るデジタル変調方法は、設定手段が、N個のデルタシグマ変調手段に対して、互いに異なる初期値を設定し、前記N個のデルタシグマ変調手段が、入力信号を第一のクロック信号が示すクロック周期ごとにデルタシグマ変調処理することによって、前記初期値に応じて値が変化する雑音信号を包含する変調後信号を生成し、シリアル出力手段が、前記変調後信号を、クロック周期が前記第一のクロック信号のN分の1である第二のクロック信号が示すクロック周期ごとに順にシリアル化する。
本願発明は、デルタシグマ変調器に関する動作周波数を高めずに、信号対雑音電力比を効率的に向上することを可能とする。
本願発明の第1の実施形態に係るデジタル変調装置の構成を示すブロック図である。 本願発明の第1の実施形態に係る信号Rect(t)及びRect_k(t)に関するタイムチャートを例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る分周器の構成を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る分周器の構成が図3に示す場合において、分周器がデルタシグマ変調器へ入力するクロック信号に関するタイムチャートを例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る複相クロック生成器の構成を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係る複相クロック生成器の構成が図5に示す場合において、複相クロック生成器がデルタシグマ変調器へ入力するクロック信号に関するタイムチャートを例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るデジタル変調装置の動作を示すフローチャートである。 本願発明の第2の実施形態に係るデジタル変調装置の構成を示すブロック図である。 本願発明の第2の実施形態に係る初期値入力デルタシグマ変調器の構成を例示する図である。 本願発明の第3の実施形態に係る無線送信機の構成を示すブロック図である。 本願発明の第3の実施形態に係るスイッチングアンプの構成を例示する図である。 本願発明の第4の実施形態に係るデジタル変調装置の構成を示すブロック図である。 一般的なD級増幅器の構成を例示する図である。 一般的なD級増幅器を用いた送信機に関する第1の構成例を示す図である。 一般的なD級増幅器を用いた送信機に関する第2の構成例を示す図である。 一般的なデルタシグマ変調器の構成を例示する図である。 本願発明の第1の実施形態に係るデジタル変調装置のその他の構成を示すブロック図である。
以下、本願発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るデジタル変調装置10の構成を概念的に示すブロック図である。本実施形態に係るデジタル変調装置10は、設定部11、N個(Nは2以上の任意の整数)のデルタシグマ変調器(ΔΣ変調器)12−1乃至12−N、マルチプレクサ(シリアル出力部)13、及び、分周器14を備えている。
設定部11は、N個の切替スイッチ110−1乃至110−Nを備えている。切替スイッチ110−1乃至110−Nは、2つの入力の何れかを選択して出力するスイッチである。切替スイッチ110−1乃至110−Nにおける第1の入力には、順に、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに設定する初期値である初期値1乃至Nが記憶されたメモリ111−1乃至111−Nが接続されている。尚、初期値1乃至Nは、互いに異なる値が設定されていることとする。切替スイッチ110−1乃至110−Nにおける第2の入力には、入力信号を入力する信号パスが接続されている。切替スイッチ110−1乃至110−Nは、デジタル変調装置10が初期状態であるときは、当該第1の入力を出力し、デジタル変調装置10が動作を開始した(すなわち、デジタル変調装置10が入力信号を受信した)のちは、当該第2の入力を出力する。切替スイッチ110−1は、出力を、デルタシグマ変調器12−1に入力する。切替スイッチ110−2乃至110−Nも同様に、出力を、デルタシグマ変調器12−2乃至12−Nに入力する。
マルチプレクサ13は、N本の入力信号パスと1本の出力信号パスとを備えるN対1のマルチプレクサである。マルチプレクサ13は、クロック周波数がA(Aは任意の正の数)である外部クロック信号CLK−Aと同期して動作する。マルチプレクサ13は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nからの出力信号を、クロックサイクルごとに、順番に切り替えて出力する。マルチプレクサ13は、デルタシグマ変調器12−Nからの出力信号を出力したのち、デルタシグマ変調器12−1からの出力信号から順番に出力する動作を繰り返し実行する。
分周器14は、外部クロック信号CLK−AをN倍に分周したクロック信号を生成し、生成したクロック信号を、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに入力する。すなわち、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nが動作する周波数は、A/Nである。そして、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに入力されるクロック信号は同相である。
Nの値が4であるときの、分周器14の構成例を図3に示す。この場合、図3に示す通り、分周器14は、帰還構成を有する2個のDFF(D型Flip Flop)140及び141により実現される。DFF140に対して、図4(a)に示すクロック信号が入力された場合、DFF141から、図4(b)に示す通り、クロック信号を4倍に分周した信号が出力される。尚、分周器14の構成は、図3に示す構成に限定されない。Nの値が4以上である場合、分周器14は、DFFの数を増やすことにより実現できる。
図1に示す通り、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nは、入力信号をデルタシグマ変調処理したのち、マルチプレクサ13に入力する。
ここで、デルタシグマ変調器12−kからの出力信号を、DSMout_k(t)とする。なお、kは、1乃至Nのいずれかの整数である。tは、時刻を表す変数である。マルチプレクサ13は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nから出力される信号を、周波数Aのクロックサイクルごとに順に切り替えて出力する動作をするので、マルチプレクサ13からの出力信号MUXoutは式3の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式3)
なお、Rect_k(t)は、パルス幅が1/A、周期がN/Aであるパルス源信号Rect(t)に対して、図2と式4及び5に示す通り、値(k−1)/Aが示す時間遅延を持つ信号である。
Rect(t) = 1 for m・N/A <=t< (m・N +1)/A
ただし、mは0以上の整数
= 0 for それ以外
・・・・・・(式4)
Rect_k(t) = Rect(t−(k−1)/A)
・・・・・・(式5)
Rect(t)は、直流成分(1周期の時間平均値)が1/N、周期がN/Aであるので、式6に示す通りフーリエ級数展開できる。

Figure 0006569681
・・・・・・(式6)
式6において、「sin」及び「cos」は、順に、三角関数における正弦と余弦を表す。
したがって、式5及び6より、Rect_k(t)は式7の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式7)
よって、式3は、式8に示す通り書き換えることができる。

Figure 0006569681

Figure 0006569681
・・・・・・(式8)
式8の右辺第2項は、右辺第1項に、時間tを位相項に含む正弦関数や余弦関数を掛け合わせて生成される信号に相当する。すなわち、右辺第2項の信号は、右辺第1項の信号を高周波帯にアップコンバートした信号に相当する。よって、右辺第1項の信号が存在する低周波数帯においては、式9に示す近似式が成立する。

Figure 0006569681
・・・・・・(式9)
すなわち、マルチプレクサ13からの出力は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nからの出力信号の和を、値Nにより除算した値に等しい。ここで、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nが、図14に示す1次のデルタシグマ変調器61と同等である場合、図16に示すアダー610からの出力Y(n)、及び、デルタシグマ変調器61からの出力OUT(n)は、式10及び11の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式10)
OUT(n) = Y(n) + N(n)
・・・・・・(式11)
ここで、nは時系列を表す変数であり、例えば、IN(1)は入力信号の初期値である。また、N(n)は、量子化器613において発生する量子化雑音である。式10及び11は、式12及び13に示す通り展開できる。

Figure 0006569681
・・・・・・(式12)

Figure 0006569681
・・・・・・(式13)
式13は、デルタシグマ変調器61に入力される初期値IN(1)に依存して、N(n)が変化することを示している。式10及び11をz変換することによって、式14及び15が導かれる。

Y(z) = z-1 Y(z) + IN(z) − z-1 OUT(z)
・・・・・・(式14)

OUT(z) = Y(z) + N(z)
・・・・・・(式15)
式14及び15から式16が導かれる。

OUT(z) = IN(z) + (1 − z-1)・N(z)
・・・・・・(式16)
式17は、出力の時間波形out(t)を、入力信号in(t)および雑音成分nn(t)により表した式である。

OUT(t) = IN(t) + NN(t)
・・・・・・(式17)
なお、式17において、NN(t)は、離散時間領域にてz変換することにより、式16における、右辺第2項である、(1 − z-1)・N(z)となる。ここで、デルタシグマ変調器12−kからの出力信号DSMout_k(t)は、入力信号をIN(t)とすると、式18の通り表される。

DSMout_k(t) = IN(t) + NN_k(t)
・・・・・・(式18)
式18において、NN_k(t)は、式17の右辺第2項であり、デルタシグマ変調器12−kにおいて発生する雑音成分を示している。デルタシグマ変調器12−kからの出力信号に関する信号対雑音電力比SNR_kは、入力信号および雑音信号について、それぞれの2乗成分の時間平均値の比をとることにより、式19の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式19)
マルチプレクサ13からの出力MUXout(t)は、式9及び18より、式20の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式20)
マルチプレクサ13からの出力信号に関する信号対雑音比SNR_MUXは、式20における右辺の第1項と第2項について2乗した値の比をとることにより、式21の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式21)
ここで、式13に示したように、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nからの出力信号に含まれる雑音信号は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに入力される初期値IN(1)に依存して変化する。よって、N個のNN_k(t) (k=1、2、・・、N)は、設定部11において、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに設定する初期値を互いに異なる値に設定することによって、異なる信号となる。また、これらN個のNN_k(t)を互いに無相関とすることによって、互いの雑音信号の積の時間平均値は、いずれも近似的にゼロとなる。したがって、式21から、式22が導かれる。

Figure 0006569681
・・・・・・(式22)
ここで、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nにおいて発生する雑音信号に関する2乗時間平均値であるNK_k(t)2の平均値は、いずれも等しく、その値としてNNaveとする。この場合、式19及び22に示した、個々のデルタシグマ変調器からの出力信号に関するSNRであるSNR-k、及び、マルチプレクサ13からの出力信号に関するSNRであるSNR_MUXは、順に、式23及び24の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式23)

Figure 0006569681
・・・・・・(式24)
式23及び24が示す通り、マルチプレクサ13からの出力信号に関するSNRは、個々のデルタシグマ変調器12−1乃至12−Nからの出力信号に関するSNRと比較して、N倍向上する。このことは、デルタシグマ変調器の数に比例して、SNRが向上することを意味している。
次に図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係るデジタル変調装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
設定部11は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに、互いに異なる初期値を設定する(ステップS101)。デジタル変調装置10が入力信号を受信していない場合(ステップS102でNo)、デジタル変調装置10はそのまま待機する。デジタル変調装置10が入力信号を受信した場合(ステップS102でYes)、設定部11は、切替スイッチ110−1乃至110−Nにおける入力を、初期値の入力側から入力信号の入力側に切替える(ステップS103)。
デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nは、入力信号を入力する(ステップS104)。デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nは、入力信号をデルタシグマ変調処理し、その処理結果をマルチプレクサ13へ入力する(ステップS105)。マルチプレクサ13は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nから入力された信号をシリアル化し、その後、そのシリアル信号を出力して(ステップS106)、全体の処理は終了する。
本実施形態に係るデジタル変調装置10は、デルタシグマ変調器に関する動作周波数を高めずに、信号対雑音電力比を効率的に向上することができる。その理由は、設定部11が、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに、互いに異なる初期値を設定し、マルチプレクサ13が、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nが入力信号をデルタシグマ変調処理した結果を、シリアル化することにより、シリアル信号として出力するからである。
以下に、本実施形態に係るデジタル変調装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
一般に、デルタシグマ変調器が生成する信号に関するSNRは、デルタシグマ変調器に関する動作周波数を高くすることにより向上できる。一方で、この動作周波数の速度限界は、デバイス性能により律速されるので、SNRは、デバイス性能に応じて決定される。
これに対して、本実施形態に係るデジタル変調装置10は、デルタシグマ変調器に関する動作周波数を高くせずに、SNRを向上することができる。即ち、本実施形態に係るデジタル変調装置10においては、マルチプレクサ13は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに対してN倍高速に動作する必要がある。しかしながら、マルチプレクサ13の構成は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nと比較して非常に簡易的であることから、マルチプレクサ13に関する速度限界は、十分に高い。したがって、本実施形態に係るデジタル変調装置10は、SNRが高いデジタル信号を、デルタシグマ変調器に関する動作速度を上げずに生成することができる。
なお、各デルタシグマ変調器に供給するクロック信号の位相をずらして時間多重化する方法がある。この方法では、実効的なサンプルレートを、デルタシグマ変調器のサンプルレートとデルタシグマ変調器の数の積に等しい値に上昇させることにより、SNRを向上させる。しかし、この方法では、位相が異なる複数のクロック信号を供給する回路が必要となる。これに対して本実施形態では、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに供給するクロック信号が同一(共通)であるので、クロック信号を供給する回路構成は、簡易的であり、上述した方法と比べて、回路規模や消費電力を低く抑えることができる。
また、本実施形態の変形例において、図17に示すように、分周器14を複相クロック生成器15に置き換えてもよい。この場合、上述した時間多重化する方式と同様、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nに供給するクロック信号の位相をずらし、実効的なサンプルレートを上げることも可能である。複相クロック生成器15は、分周器14と比較して、回路規模及び消費電力が大きくなる。しかしながらこの場合、デジタル変調装置10は、初期値設定によるSNR向上効果と実効的なサンプルレートに関する向上効果とを組み合わせることによって、さらにSNRを向上させることが可能である。
複相クロック生成器15の構成例として、4相のクロックを生成する場合の構成例を図5に示す。図5に示す複相クロック生成器15は、DFF150乃至152を備えている。DFF151及び152における出力A乃至Dは、図6に示す、位相が異なる4相のクロックを出力する。即ち、図6は、複相クロック生成器15の構成が図5に示す場合において、複相クロック生成器15がデルタシグマ変調器12−1乃至12−Nへ入力するクロック信号に関するタイムチャートを例示する。複相クロック生成器15は、図3に示す分周器14と比較して、DFFの数が1つ多くなるので、その回路規模及び消費電力は大きくなる。
また、本実施形態に係るデジタル変調装置10においては、マルチプレクサ13が、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nのいずれかからの出力を選択する。これにより、デジタル変調装置10からの出力がとりうる値の数、もしくは、ビット幅の値は、個々のデルタシグマ変調器からの出力がとりうる値の数、もしくは、ビット幅の値と等しい。
SNRに関する向上効果は、デルタシグマ変調器12−1乃至12−Nからの出力を足し合わせた信号によって得られる。これに加えて、SNRは、その信号のとりうる値、もしくは、ビット幅の値は、足し合わすデルタシグマ変調器の数に応じて増加する。すなわち、本実施形態に係るデジタル変調装置10は、出力値の数、もしくは、ビット幅の値に関して、個別のデルタシグマ変調器と同じ値を維持したまま、SNRを向上することもできる。したがって、例えば、本実施形態に係るデジタル変調装置10が、2値出力型のデルタシグマ変調器を備えたデジタル変調装置である場合、図13に示す、2値動作のD級増幅器に、本実施形態に係るデジタル変調装置10からの出力を入力することができる。
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係るデジタル変調装置20の構成を概念的に示すブロック図である。本実施形態に係るデジタル変調装置20は、下記の構成について、第1の実施形態に係るデジタル変調装置10と異なる。
・第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器12−1乃至12−Nが、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nに置換されている。
・第1の実施形態に係る設定部11の機能を、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nが備える。すなわち、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nは、順に、初期値を格納したメモリ220−1乃至220−Nを備える。
本実施形態に係る、マルチプレクサ23、及び、分周器24は、順に、第1の実施形態に係る、マルチプレクサ13、及び、分周器14と同等の機能を備えている。
図9に、初期値入力デルタシグマ変調器22−1の具体的な構成例を示す。初期値入力デルタシグマ変調器22−2乃至22−Nの構成も、初期値入力デルタシグマ変調器22−1と同様である。図9に示す通り、本構成例に係る初期値入力デルタシグマ変調器22−1は、外部から内部ノードYに初期値信号を入力可能な切替スイッチ614を備えている。初期値入力デルタシグマ変調器22−1が、アダー610、遅延器611及び612、量子化器613を備えている構成は、図16に構成を示すデルタシグマ変調器61と同様である。
本実施形態に係るデジタル変調装置20は、デルタシグマ変調器に関する動作周波数を高めずに、信号対雑音電力比を効率的に向上することができる。その理由は、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nが、互いに異なる初期値を入力し、マルチプレクサ23が、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nが入力信号をデルタシグマ変調処理した結果を、シリアル化することにより、シリアル信号として出力するからである。
以下に、本実施形態に係るデジタル変調装置20によって実現される効果について、詳細に説明する。
前述した式13は、デルタシグマ変調器からの出力信号に含まれる雑音信号は、内部ノードYに関する初期値に依存することを示している。したがって、本実施形態に係る初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nにおいて、互いに異なる初期値をノードYに与えることにより、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nからの出力信号に含まれる雑音信号は、第1の実施形態に係るデジタル変調装置10と同様に、互いに異なる信号となる。
したがって、前述した式23及び24が示すように、本実施形態に係るデジタル変調装置20が出力する出力信号に関するSNRは、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nの各々からの出力に関するSNRと比較して、N倍向上する。このことは、初期値入力デルタシグマ変調器の数に比例して、デジタル変調装置20に関するSNRが向上することを意味している。すなわち、本実施形態に係るデジタル変調装置20は、一般的なデルタシグマ変調器に比較して、SNRが高いデジタル信号を、デルタシグマ変調器に関する動作速度を上げずに生成することができる。
なお、初期値入力デルタシグマ変調器22−1乃至22−Nに対する、外部から初期値を入力する場所は、図9に示すノードYのほか、その他の内部ノード、あるいは、入力ノードなどでもよい。また、回路規模が大きい高次のデルタシグマ変調器に関しても、外部から初期値を入力する場所は、その内部ノード、あるいは、入力ノードのいずれでもよい。
また、デルタシグマ変調器に対して、外部から初期値を入力する方法としては、互いに異なる初期値をヘッダ部に持つ入力信号を用いる方法もある。この場合、第1の実施形態に係る設定部11、および、第2の実施形態に係る切替スイッチ614のような、変調処理を行う対象である入力信号に関する入力と初期値入力とを切り替える機能は不要となる。
<第3の実施形態>
図10は、第3の実施形態に係る無線送信機3の構成を概念的に示すブロック図である。本実施形態に係る無線送信機3は、デジタル変調装置30、デジタルベースバンドシグナルジェネレータ80、スイッチングアンプ81、バンドパスフィルター82、及び、アンテナ83を備えている。
デジタル変調装置30は、デルタシグマ変調器32−1乃至32−N、マルチプレクサ33、分周器34、RF位相信号生成器36、及び、ミキサー(乗算部)37を備えている。デルタシグマ変調器32−1乃至32−N、マルチプレクサ33、及び、分周器34は、第1の実施形態に係るデジタル変調装置10、あるいは、第2の実施形態に係るデジタル変調装置20が備える構成要素と同等の機能を備えている。すなわち、デジタル変調装置30は、デジタル変調装置10、あるいは、デジタル変調装置20と少なくとも同等の機能を備えている。
デジタルベースバンドシグナルジェネレータ80は、デジタル変調装置30に、無線信号が包含する振幅信号及び位相信号を入力する。RF位相信号生成器36は、デジタルベースバンドシグナルジェネレータ80から入力された位相信号を基に、矩形RF位相信号を生成し、マルチプレクサ33及び分周器34に、生成した矩形RF位相信号をクロック信号として入力する。RF位相信号生成器36は、当該矩形RF位相信号を、ミキサー37へも入力する。
本実施形態に係る無線送信機3は、図15に示す一般的な無線送信機において、デルタシグマ変調器71を、第1の実施形態に係るデジタル変調装置10、あるいは、第2の実施形態に係るデジタル変調装置20に置き換えた構成に相当する。
無線信号RF(t)は、一般的に、式25及び26に示すように、振幅信号r(t)と、位相信号θ(t)とを用いて表される。

RF(t) = r(t)・RF_θ(t)
・・・・・・(式25)

RF_θ(t) = cos(ωc・t + θ(t))
・・・・・・(式26)
ここで、ωCは、キャリア周波数fcに2π(πは円周率)を乗じた、角周波数である。本実施形態では、デジタルベースバンドシグナルジェネレータ80が、振幅信号r(t)、及び、位相信号θ(t)を生成する。位相信号θ(t)は、RF位相信号生成器36によって、RF帯にアップコンバートされることにより、RF位相信号、すなわち、式25及び26が示すRF_θ(t)に変換される。
RF位相信号は、RF位相信号生成器36において、ゼロを閾値として大小を比較する量子化器360によって矩形化される。すなわち、RF位相信号は、式27に示す、矩形RF位相信号RF_rec_θ(t)に変換される。デジタル変調装置30は、この矩形RF位相信号を、クロック信号として使用する。

RF_rec_θ(t) = RF_θ(t) + HM(t)
・・・・・・(式27)
式27におけるHM(t)は、RF位相信号RF_θ(t)が含む高調波成分である。
振幅信号r(t)は、デジタル変調装置30に入力される。デジタル変調装置30におけるマルチプレクサ33からの出力信号Dmod(t)は、式20の右辺において、IN(t)に、r(t)を代入した信号であり、式28の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式28)
ミキサー37は、デジタル変調装置30におけるマルチプレクサ33からの出力信号Dmod(t)と、矩形RF位相信号とを乗算することによって、式29に表すデジタルRF信号 RFdig(t)を生成する。

Figure 0006569681
・・・・・・(式29)
式29における右辺第1項は、式25が示す通り、無線信号RF(t)である。無線送信器3は、このデジタルRF信号を、スイッチングアンプ81によって増幅したのち、所望成分のみを通過させる。言い換えれば、このデジタルRF信号は、式29における右辺第2項以降を除去するバンドパスフィルター82を介して、アンテナ83から放射される。
ここで、デジタル変調装置30におけるデルタシグマ変調器32−1乃至32−Nが内部に備える量子化器が2値(high/low)出力タイプである場合、デジタル変調装置30におけるマルチプレクサ33からの出力は2値である。矩形RF位相信号も2値であるので、2値(high/low)を、順に、「1」と「0」に対応させることによって、両者の積であるミキサー37からの出力もまた、「1」と「0」の2値となる。この場合、ミキサー37からの出力を、図13に示した、バイアス電流が不要であり、高効率動作が可能なD級増幅器である、スイッチングアンプ81に入力することができる。
なお、デルタシグマ変調器32−1乃至32−Nからの出力が、「0」を含んだM値(0、a_1、a_2、・・・、a_(M-1))であり、矩形RF信号の2値を「1」と「0」に割り当てた場合、ミキサー37からの出力もまた、デルタシグマ変調器32−1乃至32−Nの出力と同様に、M値となる。この場合、ミキサー37からの出力は、図11に示す通り、デコーダ810を介して、多電源であるスイッチングアンプ81が備える、M個のスイッチ素子811−0乃至811−(M−1)に入力される。このM個という値は、ミキサー37から出力されるM値の数と等しい。デコーダ810は、ミキサー37から出力された値に応じて、スイッチ素子811−0乃至811−(M−1)のうちのいずれか一つのみをオンの状態にする。スイッチングアンプ81は、このように動作することによって、ミキサー37からの出力を、増幅して出力する。
なお、式29において、RF位相信号であるHM(t)を含んだ項は、所望帯域より高い周波数成分であるので、バンドパスフィルター82により容易に除去できる。したがって、アンテナ83から出力される信号Ant(t)は、式30の通り、近似的に表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式30)
信号Ant(t)に関するSNRであるSNR_antは、右辺第2項のカッコ内部の2つの項の比をとることによって、式31の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式31)
式31は、式21におけるIN(t)をr(t)に置換した式である。したがって、式21から、式23及び24を導出した過程と同様の計算を行うことにより、SNR_ant_conv、及び、SNR_antを求めることができる。SNR_ant_convは、一般的なデルタシグマ変調装置を用いた無線送信機がアンテナから出力する信号に関するSNRである。SNR_antは、本実施形態に係る無線送信機3が、アンテナ83から出力する信号に関するSNRである。SNR_ant_conv、及び、SNR_antは、順に、式32及び33の通り表される。

Figure 0006569681
・・・・・・(式32)

Figure 0006569681
・・・・・・(式33)
本実施形態に係るデジタル変調装置30は、デルタシグマ変調器に関する動作周波数を高めずに、信号対雑音電力比を効率的に向上することができる。その理由は、デルタシグマ変調器32−1乃至32−Nが、互いに異なる初期値を入力し、マルチプレクサ33が、デルタシグマ変調器32−1乃至32−Nが入力信号をデルタシグマ変調処理した結果を、シリアル化することにより、シリアル信号として出力するからである。
式32及び33が示す通り、本実施形態に係る無線送信機3は、一般的な無線送信機と比較して、アンテナから出力するSNRがN倍高い。すなわち、本実施形態に係る無線送信機3は、一般的な無線送信機と比較して、SNRが高い無線信号を、デルタシグマ変調器に関する動作速度を上げずに生成することができる。
<第4の実施形態>
図12は、第4の実施形態に係るデジタル変調装置40の構成を概念的に示すブロック図である。
本実施形態に係るデジタル変調装置40は、設定部41、N個(Nは2以上の整数)のデルタシグマ変調部42−1乃至42−N、及び、シリアル出力部43を備える。
設定部41は、N個のデルタシグマ変調部42−1乃至42−Nに対して、互いに異なる初期値を設定する。
デルタシグマ変調部42−1乃至42−Nは、入力信号を第一のクロック信号が示すクロック周期Tごとにデルタシグマ変調処理することによって、当該初期値に応じて値が変化する雑音信号を包含する変調後信号を出力する。
シリアル出力部43は、デルタシグマ変調部42−1乃至42−Nが出力した変調後信号を、クロック周期が第一のクロック信号のN分の1である第二のクロック信号が示すクロック周期T/Nごとに順にシリアル化して出力する。
本実施形態に係るデジタル変調装置40は、デルタシグマ変調器に関する動作周波数を高めずに、信号対雑音電力比を効率的に向上することができる。その理由は、デルタシグマ変調部42−1乃至42−Nが、互いに異なる初期値を入力し、シリアル出力部43が、デルタシグマ変調部42−1乃至42−Nが入力信号をデルタシグマ変調処理した結果を、シリアル化することにより、シリアル信号として出力するからである。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本願発明を説明した。しかしながら、本願発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本願発明は、本願発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2014年9月30日に出願された日本出願特願2014−199503を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 デジタル変調装置
11 設定部
110−1乃至110−N 切替スイッチ
111−1乃至111−N メモリ
12−1乃至12−N デルタシグマ変調器
13 マルチプレクサ
14 分周器
140及び141 DFF
15 複相クロック生成器
150乃至152 DFF
20 デジタル変調装置
22−1乃至22−N 初期値入力デルタシグマ変調器
220−1乃至220−N メモリ
23 マルチプレクサ
24 分周器
3 無線送信機
30 デジタル変調装置
32−1乃至32−N デルタシグマ変調器
33 マルチプレクサ
34 分周器
36 RF位相信号生成器
360 量子化器
37 ミキサー
40 デジタル変調装置
41 設定部
42−1乃至42−N デルタシグマ変調部
43 シリアル出力部
50 D級増幅器
51及び52 スイッチ素子
60 RF信号生成器
61及び62 デルタシグマ変調器
610 アダー
611及び612 遅延器
613 量子化器
614 切替スイッチ
70 RF信号生成器
71 デルタシグマ変調器
80 デジタルベースバンドシグナルジェネレータ
81 スイッチングアンプ
810 デコーダ
811−0乃至811−(M−1) スイッチ素子
82 バンドパスフィルター
83 アンテナ

Claims (10)

  1. 入力手段と、
    N個(Nは2以上の整数)のデルタシグマ変調手段と、
    力手段と、
    を備え、
    前記入力手段は、前記N個のデルタシグマ変調手段に対して、互いに異なる初期値を入力たのち前記N個のデルタシグマ変調手段に対して同一の第一の信号を入力し、
    前記N個のデルタシグマ変調手段の個々は、前記第一の信号を第一のクロック周期ごとにデルタシグマ変調処理することによって、第二の信号を出力し、
    記出力手段は、個々の前記第二の信号を、前記第一のクロック周期のN分の1である第二のクロック周期ごとに順に出力する、
    デジタル変調装置。
  2. 前記N個のデルタシグマ変調手段の個々は、互いに位相が異なるクロック信号によって動作する、
    請求項1に記載のデジタル変調装置。
  3. 前記入力手段は、入力ノード、及び、前記入力ノード以外の1以上の内部ノードを備える前記デルタシグマ変調手段における、前記入力ノード、及び、前記1以上の内部ノードのうちの少なくとも何れかに、前記初期値を入力する、
    請求項1または2に記載のデジタル変調装置。
  4. 前記入力手段は、前記N個のデルタシグマ変調手段に、前記互いに異なる初値をヘッダ部に包含する前記同一の第一の信号を入力する、
    請求項1乃至3のいずれかに記載のデジタル変調装置。
  5. 前記N個のデルタシグマ変調手段は、同相であるクロック信号によって動作する、
    請求項1に記載のデジタル変調装置。
  6. 前記第二のクロック周期のクロック信号を分周することによって、前記第一のクロック周期のクロック信号を生成し、生成した前記第一のクロック周期のクロック信号を、前記N個のデルタシグマ変調手段へ入力する分周手段をさらに備える、
    請求項5に記載のデジタル変調装置。
  7. 乗算手段をさらに備え、
    前記N個のデルタシグマ変調手段は、振幅成分及び位相成分を含む無線信号に関して、前記振幅成分を前記第一の信号として入力し、
    前記乗算手段は、前記出力手段が出力した信号と、前記無線信号が含む前記位相成分と、を乗算して出力する、
    請求項1乃至のいずれかに記載のデジタル変調装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のデジタル変調装置を備える、
    無線送信機。
  9. 入力手段が、N個(Nは2以上の整数)のデルタシグマ変調手段に対して、互いに異なる初期値を入力たのち前記N個のデルタシグマ変調手段に対して同一の第一の信号を入力し、
    前記N個のデルタシグマ変調手段の個々が、前記第一の信号を第一のクロック周期ごとにデルタシグマ変調処理することによって、第二の信号を生成し、
    力手段が、個々の前記第二の信号を、前記第一のクロック周期のN分の1である第二のクロック周期ごとに順に出力する、
    デジタル変調方法。
  10. 前記N個のデルタシグマ変調手段の個々が、互いに位相が異なるクロック信号によって動作する、
    請求項9に記載のデジタル変調方法。
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