JP6569658B2 - 熱交換器及び蓄熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器及び蓄熱システムに関する。
特許文献1には、蒸発部の外表面に付着させた冷媒液を蒸発させることで、流路を流れる熱媒の温度を低下させる吸着式冷凍機が記載されている。この吸着式冷凍機では、温度が低下された(冷却された)熱媒は、熱交換器に流入して、室内の空気を冷却する。
特開2012−112602号公報
特許文献1に記載の構成では、冷媒液の蒸発により熱媒との間で熱交換を行い、さらに、熱交換器においても、温度が低下された熱媒と空気との熱交換を行う。このように、2回の熱交換を行うと、熱交換の効率が低くなることがある。また、熱交換器の構造の複雑化を招く。
本願の目的は、熱交換器及び蓄熱システムにおいて熱交換の効率を高めると共に、構造の簡素化を図ることである。
第一の態様では、熱媒と熱交換対象との間で熱交換を行う熱交換部と、前記熱媒が液相の状態で収容される液相空間と、前記熱媒が気相の状態で収容されると共に外部と出入り可能な気相空間と、が構成される相変化部と、前記相変化部から前記熱交換部へ前記熱媒を移動させる第一流路と、を有し、前記相変化部に流入する液相の前記熱媒の温度における飽和蒸気圧と前記気相空間における気相の前記熱媒の圧力とが異なるように設定されている。
この熱交換器では、相変化部に液相空間と気相空間とが構成されている。液相空間に収容された液相の熱媒の一部が気化すると、液相の熱媒の温度が低下する。また、これとは逆に、気相空間に収容された気相の熱媒が液化すると、液相の熱媒の温度が上昇する。
このようにして相変化部において温度が変化された熱媒は、第一流路により、相変化部から熱交換部に送られる。そして、熱交換部では、熱媒と熱交換対象との間で熱交換が行われる。
このように、熱媒は、相変化により潜熱の出入りを行わせる媒体と、熱交換対象との間で熱交換を行う媒体を兼ねている。実質的な熱交換は熱交換部における1回で済むので、熱交換器における熱交換の効率を高めると共に、熱交換器の構造の簡素化を図ることができる。
第二の態様では、第一の態様において、前記相変化部が、前記液相空間と前記気相空間とを隔て、気相の前記熱媒が通過する透湿膜を有する。
透湿膜により、相変化部を液相空間と気相空間とに確実に区画することができる。相変化部において、気相と液相との分離(気液分離)がなされるので、液相の熱媒を効率よく送ることができる。気相の熱媒は透湿膜を通過するので、相変化部において、熱媒の相変化に影響を与えることはない。
第三の態様では、第二の態様において、前記透湿膜が、筒状に形成され内側が前記液相空間であり外側が前記気相空間である複数の中空糸膜を含む。
透湿膜が、複数の中空糸膜を含むので、透湿膜における気液界面の面積を広く確保できる。
第四の態様では、第二又は第三の態様において、前記透湿膜を前記液相の前記熱媒が通過する圧力損失ΔP1と、前記液相空間を前記液相の前記熱媒が通過する圧力損失ΔP2との間に、ΔP1>ΔP2の関係がある。
すなわち、液相空間を液相の熱媒が通過する圧力損失ΔP2が、透湿膜を液相の熱媒が通過する圧力損失ΔP1より小さいので、液相の熱媒を効率的に液相空間に通過させて熱交換部へ送ることができる。
第五の態様では、第一〜第四のいずれか1つの態様において、前記熱交換部から前記相変化部へ前記熱媒を戻す第二流路を有する。
すなわち、第二流路によって熱媒を熱交換部から相変化部へ戻すことで、熱媒を相変化部と熱交換部との間で循環させることができ、熱媒を効率的に利用できる。
第六の態様では、第一〜第五のいずれか1つの態様において、前記熱媒が排出される熱媒排出部を有する。
たとえば、熱媒排出部から熱媒を排出することで、熱交換部において熱媒の量が過剰になることを抑制できる。
第七の態様では、第一〜第六のいずれか1つの態様において、前記熱媒を供給する熱媒供給部を有する。
たとえば、熱媒が相変化部の外へ排出されてしまった場合でも、熱媒供給部から熱媒を供給することで、熱交換部において熱媒の量が不足することを抑制できる。
第八の態様では、第一〜第七のいずれか1つの態様において、前記熱交換部による前記熱交換が顕熱の交換である。
熱媒と熱交換対象との熱交換において、熱媒の相変化を伴わないので、熱交換器の構造の簡素化を図ることができる。
第九の態様では、第一〜第八のいずれか1つの態様において、前記気相空間と接続され気相の前記熱媒の吸着又は脱着を行う反応器を有する。
したがって、たとえば相変化部で熱媒を気化する場合に、蒸気圧の低い熱媒であっても、反応器において熱媒の吸着を行う構成とすれば、効率的に熱媒を気化することができる。
相変化部で熱媒を液化する場合でも、反応器において熱媒の脱着を行う構成とすれば、熱媒を効率的に液化することができる。そして、相変化部として必要な容積も少ない。
第十の態様では、第一〜第九のいずれか1つの熱交換器と、前記気相空間と接続され気相の前記熱媒を蓄熱材に反応させて蓄熱する蓄熱器と、を有する。
この蓄熱システムでは、第一の態様の熱交換器を有するので、また、蓄熱器の蓄熱材に気相の熱媒を反応させることで、蓄熱器において蓄熱するので、この熱を他の部材に供給できる。
本発明では、熱交換の効率を高めると共に、構造の簡素化を図ることができる。
図1は第一実施形態の熱交換器(蓄熱システム)を示す構成図である。 図2は第二実施形態の熱交換器(蓄熱システム)を示す構成図である。 図3は第三実施形態の熱交換器(蓄熱システム)を示す構成図である。 図4は第三実施形態の熱交換器(蓄熱システム)の中空糸膜を示す斜視図である。
図1には、第一実施形態の熱交換器12と、この熱交換器12を備えた蓄熱システム14が示されている。この熱交換器12は、相変化部16及び顕熱交換部18を有する。相変化部16と顕熱交換部18とは、第一流路22及び第二流路24により、液密に接続されている。第一流路22により、相変化部16から液相の熱媒が顕熱交換部18に流れる。また、第二流路24により、顕熱交換部18から液相の熱媒が相変化部16に流れる。換言すれば、相変化部16と顕熱交換部18の間で熱媒を循環させる循環流路20が、第一流路22及び第二流路24によって構成されている。
相変化部16は、内部が中空の容器状の部材である、相変化部16の内部は、水平方向に延在する透湿膜26によって、上側の気相空間30と、下側の液相空間28とに区画されている。そして、第一流路22及び第二流路24は、液相空間において相変化部16の壁面に接続されている。液相空間28の熱媒(液相)が第一流路22から流出し、第二流路24から、熱媒(液相)が液相空間28に流入する。
本実施形態において、熱媒は、後述するように、相変化部16の液相空間28において液相の状態で存在し、特定の条件(圧力、温度)において、その一部が気相空間30に蒸発(気化)する媒質である。換言すれば、相変化部16の液相空間28に流入した液相の熱媒と、気相空間30に存在している気相の熱媒とで圧力差が生じている。液相の熱媒温度における飽和蒸気圧X1に対し、気相の熱媒の圧力(気相圧力X2とする)は、低い状態又は高い状態である。
この飽和蒸気圧X1が気相圧力X2よりも高い状態では、液相の熱媒の一部が気化し、気化熱により液相の熱媒の温度が低下する。これに対し、気相圧力X2が飽和蒸気圧X1と等しい状態から、わずかに気相圧力X2が高くなると、気相の熱媒の一部が液化し、凝縮熱により液相の熱媒の温度が上昇する。
このような条件を満たせば、熱媒の種類は成分構成は特に限定されない。たとえば、一成分の熱媒としては水を挙げることができる。また、二成分の熱媒としては、エタノール水溶液を挙げることができる。
透湿膜26は、気相の熱媒(熱媒分子)を透過させる微小な細孔を有する膜状の部材である。したがって、透湿膜26よりも下側の液相空間28と、上側の気相空間30を分離できると共に、液相の熱媒の一部を効率的に気化させることができる。
顕熱交換部18には、第二熱媒が流れる第二熱媒流路32が接続されている。そして、顕熱交換部18において、循環流路20を流れる熱媒と、第二熱媒流路32を流れる第二熱媒との間で、顕熱の交換がなされるようになっている。
蓄熱システム14は、吸着器36を有する。吸着器36は、接続流路34を介して、相変化部16の気相空間30に接続されている。本実施形態では、複数(2つ)の吸着器36A、36Bが気相空間30に対し並列に接続されており、交互に切り替えることで、吸着器36全体としての連続運転が可能である。以下、吸着器36A、36Bを区別しないときは、吸着器36として説明する。
接続流路34には、開閉弁38A、38Bが設けられている、開閉弁38A、38Bの開弁状態では、相変化部16の気相空間30と吸着器36との間で熱媒(気相)の移動が可能である。開閉弁38A、38Bの閉弁状態では、相変化部16の気相空間30と吸着器36との間で熱媒の移動が阻止される。
吸着器36には吸着剤が収容されており、気相の熱媒を吸着する作用を有する。また、吸着剤に吸着された熱媒を、特定の条件化で脱着する作用を有する。なお、吸着器36において気相の熱媒を吸着することで発熱し、蓄熱する作用も有する。すなわち、本実施形態では、吸着器36は、蓄熱器としても機能している。
吸着器36のそれぞれには、接続流路40を介して、凝縮器42が接続されている。本実施形態では、2つの吸着器36A、36Bに対し、1つの凝縮器42が共通で設けられている。
接続流路40には、開閉弁44A、44Bが設けられている。開閉弁44A、44Bの開弁状態では、対応する吸着器36A、36Bと凝縮器42との間で熱媒の移動が可能である。開閉弁44A、44Bの閉弁状態では、対応する吸着器36A、36Bと凝縮器42との間で熱媒の移動が阻止される。凝縮器42の内部では、吸着器36から流入した気相の熱媒からエネルギーを奪うことで、熱媒を凝縮(液化)する。
凝縮器42と、第二流路24の中間部分(接続部46)とは、戻し流路48により接続されている。戻し流路48の途中には、熱媒容器50が設けられている。凝縮器42で凝縮された液相の熱媒は、熱媒容器50に一時的に貯留される。熱媒容器50に貯留された熱媒は、第二流路24に戻される。
第二流路24には、接続部46と相変化部16の間の位置に、ポンプ52が設けられている。ポンプ52の駆動により、循環流路20において液相の熱媒を矢印F1方向に流す(圧送する)ことができる。これにより、熱媒は、相変化部16と顕熱交換部18との間で循環流路20内を循環する。
本実施形態では、相変化部16の液相空間28を冷媒が通過するときの圧力損失ΔP2と、透湿膜26を液相の熱媒が通過するときの圧力損失ΔP1との間に、ΔP1>ΔP2の関係が成立している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
ポンプ52の駆動により、液相の熱媒が循環流路20を矢印F1方向に循環する。そして、熱媒は、相変化部16の液相空間28に送られる。
2つの開閉弁38A、38Bのいずれか一方が開弁された状態では、吸着器36によって気相の熱媒を吸着することで、相変化部16の気相空間30の圧力低下を生じさせることが可能である。相変化部16では、液相空間の熱媒(液相)が気化して透湿膜26を通過し、気相空間30に至る。そして、接続流路34から吸着器36に移動して吸着される。吸着器36では、気相の熱媒が吸着されることで、発熱し、蓄熱される。
相変化部16では、液相空間28の熱媒が気化することによる潜熱で、この熱媒(液相)が冷却される(温度低下する)。液相空間28の熱媒(液相)は透湿膜26を通過しないため、液相のままで液相空間28に存在する状態を維持する。
そして、液相空間28において冷却された液相の熱媒が、第一流路22を通って顕熱交換部18に移動する。顕熱交換部18では、循環流路20を流れる熱媒と、第二熱媒流路32を流れる第二熱媒との間で、顕熱の交換がなされる。すなわち、冷却された熱媒により、第二熱媒を冷却することができる。
上記とは逆に、吸着器36に吸着された熱媒を脱着させて、相変化部16の気相空間30に送ることで、気相空間30の熱媒(気相)を凝縮させることが可能である。熱媒は透湿膜26を通過し、液相空間28において液化されるので、液相空間28の熱媒(液相)が加熱される。したがって、加熱された熱媒を顕熱交換部18に送ることで、顕熱交換部18において、第二熱媒を加熱することが可能である。
上記説明から分かるように、本実施形態の熱交換器12では、相変化を生じる媒体と、この相変化で生じた熱(冷熱又は温熱)を、熱交換対象である第二熱媒との間で熱交換する部材とが、熱媒として共通化されている。本実施形態の熱交換器12では、実質的な熱交換は、熱媒と第二熱媒との間の1回のみであるので、複数回の熱交換を行う構成と比較して、熱交換の効率が高い。
ここで、比較例として、熱媒が、他の相変化媒体との間で熱交換する構成を想定する。比較例の構成では、たとえば、相変化媒体を気化させ、この気化潜熱により熱媒を冷却することが可能である。
しかし、比較例の構成では、相変化媒体の気化により発生した蒸気を吸着器等に送る必要がある。相変化媒体の蒸気圧が低い場合には、蒸発器と吸着器とを近接配置する必要が生じ、これらの配置において制約が生じる。これに対し、本実施形態の熱交換器12では、上記したように、相変化を生じる媒体自体が冷却または加熱される構成であり、相変化媒体の移動が不要である。相変化部16と吸着器36とを離間させて配置することも可能であり、配置の自由度が高い。
第一実施形態の熱交換器12では、相変化部16に設けた透湿膜26により、液相空間28と気相空間30とを分離している。すなわち、透湿膜26により、相変化部16内で確実に気液分離できるので、ポンプ52の駆動により、液相の熱媒を効率的に圧送することで、顕熱交換部18での効率的な顕熱交換に寄与できる。
相変化部16の液相空間28を冷媒が通過するときの圧力損失ΔP2と透湿膜26を液相の熱媒が通過するときの圧力損失ΔP1との間には、ΔP1>ΔP2の関係がある。したがって、液相空間28において冷却された熱媒が不用意に気相空間30に移動することを抑制でき、効率的に熱媒を顕熱交換部18に圧送できる。
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図2に示すように、第二実施形態の熱交換器82及び蓄熱システム84では、内部に液相空間28及び気相空間30が構成される相変化部86を有するが、この相変化部86の内部に、第一実施形態に係る透湿膜26(図1参照)が設けられていない。
このような構成とされた第二実施形態の熱交換器82においても、相変化部16の液相空間28の熱媒を気化させることにで、この熱媒(液相)を冷却することが可能である。または、気相空間30の熱媒が凝縮させることで、この熱媒(液相)を加熱することが可能である。
そして、液相空間28において冷却又は加熱された液相の熱媒が、第一流路22を通って顕熱交換部18に移動する。顕熱交換部18では、循環流路20を流れる熱媒と、第二熱媒流路32を流れる第二熱媒との間で、顕熱の交換がなされる。熱交換器82における実質的な熱交換は1回なので、熱交換の効率が高い。
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図3に示すように、第三実施形態の熱交換器112及び蓄熱システム114では、相変化部116が、複数の中空糸膜126を備えている。中空糸膜126は、透湿膜の一例である。
図4に詳細に示すように、中空糸膜126のそれぞれは筒状に形成されており、中空糸膜126の内側が液相空間28、外側が気相空間30である。
中空糸膜126のそれぞれは、内側(液相空間28)と外側(気相空間30)とを連通する複数の微細な連通孔を有する。これらの連通孔は、それぞれの中空糸膜126の外側が内側に対し減圧されていない状態では、内側を流れる液体の熱媒を透過させない(若しくは透過量が少ない)。しかし、中空糸膜126の外側が内側よりも減圧されると、内側を流れる熱媒が連通孔を透過して、中空糸膜126の外側で気化するように、所定の開口断面積(孔径)に形成されている。また、これらの連通孔は、それぞれの中空糸膜126の外側が内側に対し加圧されていない状態では、外側にある気体の熱媒が透過しない(若しくは透過量が少ない)。しかし、中空糸膜126の外側が内側よりも加圧されると、外側の熱媒が連通孔を透過し、中空糸膜126の内側で液化する。
相変化部116は、第二流路24に接続される入口側マニホールド124と、第一流路22に接続される出口側マニホールド122とを有する。中空糸膜126は、入口側マニホールド124と出口側マニホールド122の間に配置されている。第二流路24から相変化部116に流入した液体の熱媒は、入口側マニホールド124により、複数の中空糸膜126の内部に向けて分流される。また、複数の中空糸膜126の内部を流れた液体の熱媒は、出口側マニホールド122で合流され、第一流路22に流出する。
このような構成とされた第三実施形態の熱交換器112においても、相変化部116の液相空間28(中空糸膜126の内側)の熱媒を気化させることで、この熱媒(液相)を冷却することが可能である。または、気相空間30(中空糸膜126の外側)の熱媒が凝縮させることで、この熱媒(液相)を加熱することが可能である。
そして、液相空間28において冷却又は加熱された液相の熱媒が、第一流路22を通って顕熱交換部18に移動する。顕熱交換部18では、循環流路20を流れる熱媒と、第二熱媒流路32を流れる第二熱媒との間で、顕熱の交換がなされる。熱交換器112における実質的な熱交換は1回なので、熱交換の効率が高い。
第三実施形態では、透湿膜の例として、中空糸膜126を用いているので、熱媒の単位体積当たりの表面積が、たとえば第一実施形態と比較して広い。熱媒の気液界面が広いので、熱媒が液相と気相とで相変化する面積も広い。このため、効率的に熱媒を冷却したり加熱したりすることが可能である。
上記各実施形態において、熱交換器12、82、112は、顕熱交換部18から相変化部16、86へ熱媒を戻す第二流路24を有する。したがって、顕熱交換部18において顕熱交換に使用した熱媒を、相変化部16、86、116に戻して再利用できる。
また、熱交換器12、82の相変化部16、86、116には、吸着器36が接続されている。吸着器36により熱媒(気相)を吸着することで、相変化部16、86、116の気相空間30の圧力を低下させることができる。この場合、吸着器36は、熱媒排出部として作用する。すなわち、気相空間30からの熱媒を排出することで、相変化部16、86、116での熱媒の気化を促進できる。
これとは逆に、吸着器36側から熱媒を相変化部16、86、116に供給する場合には、相変化部16、86、116の気相空間30の圧力を上昇させることができる。この場合、吸着器36は、熱媒供給源として作用する。すなわち、気相空間30に熱媒を供給することで、相変化部16、86、116での熱媒の液化を促進できる。
なお、相変化部16、86、116の気相空間30の圧力を低下させるためには、吸着器36以外の構成を用いることも可能である。たとえば、ポンプにより気相空間30を減圧する構成でもよい。吸着器36を用いる構成では、ポンプを用いる構成と比較すると、低いエネルギーで気相空間30を減圧できる。また、吸着器36は、気相の熱媒の吸着や脱着を行う反応器でもある。すなわち、吸着器36を用いる構成は、熱媒の吸着や脱着を効果的に用いて、気相空間30での熱媒の気化や液化を生じさせることが可能な構成である。
吸着器36は、相変化部16、86、116からの熱媒が排出される熱媒排出部であり、また、相変化部16、86、116に熱媒を供給する熱媒供給部でもある。このように、相変化部16からの熱媒の排出や、相変化部16、86、116への熱媒の供給を行うことで、顕熱交換部18において、熱媒の量を適切に調整でき、熱媒の量の過剰や不足を抑制できる。
上記各実施形態の熱交換器12、82、112では、吸着器36で吸着した熱媒を凝縮器42で凝縮(液化)し、戻し流路48により相変化部16、86、116に戻すことができる。熱媒を循環させて繰り返し使用できるので、相変化部16、86、116において効率的に熱媒の相変化を生じさせることができる。
吸着器36は、内部に蓄熱材が収容され、この蓄熱材への熱媒の吸着により、発熱する構成のものを使用することも可能である。この場合に、吸着器36では、発生した熱を蓄熱する蓄熱器として作用する。そして、吸着器36(蓄熱器)の熱を他の部材に作用させることが可能である。蓄熱材の一例としては、酸化カルシウム(CaO)の成形体を挙げることができる。たとえば、酸化カルシウムの粉体を粘土鉱物等のバインダと混練して焼成し、吸着器36の容器内に嵌り込むように円筒状に形成すればよい。蓄熱材は、水和に伴って放熱(発熱)し、脱水に伴って蓄熱(吸熱)するものであり、以下に示す化学反応の結果、放熱、蓄熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
発熱量Q又は蓄熱量Qを用いた化学反応式を示すと、
式1:CaO + HO → Ca(OH) + Q
式2:Ca(OH) + Q → CaO + H
である。
式1は蓄熱材が水和に伴って発熱量Qに相当する熱を放熱する化学反応を示し、式2は水酸化カルシウムの脱水に伴って蓄熱量Qに相当する熱を蓄熱する化学反応を示す。なお、本実施形態の蓄熱材の単位質量当たりの蓄熱容量は、一例として1.86[MJ/kg]である。
12 熱交換器
14 蓄熱システム
16 相変化部
18 顕熱交換部(熱交換部の一例)
20 循環流路
22 第一流路(循環流路)
24 第二流路(循環流路)
26 透湿膜
28 液相空間
30 気相空間
32 第二熱媒流路
36 吸着器(熱媒排出部、熱媒供給部)
82 熱交換器
84 蓄熱システム
86 相変化部
112 熱交換器
114 蓄熱システム
116 相変化部
126 中空糸膜(透湿膜)

Claims (9)

  1. 熱媒と熱交換対象との間で熱交換を行う熱交換部と、
    前記熱媒が液相の状態で収容される液相空間と、前記熱媒が気相の状態で収容されると共に外部と出入り可能な気相空間と、が構成される相変化部と、
    前記相変化部から前記熱交換部へ前記熱媒を移動させる第一流路と、
    前記相変化部の前記気相空間と接続され気相の前記熱媒の吸着により前記気相空間に圧力低下を生じさせて前記液相空間の前記熱媒を気化により冷却し、前記熱媒の脱着により気相の前記熱媒を前記気相空間に直接的に供給し前記気相空間の前記熱媒を液化により加熱可能な吸着器と、
    を有し、
    前記相変化部に流入する液相の前記熱媒の温度における飽和蒸気圧と前記気相空間における気相の前記熱媒の圧力とが異なるように設定されている熱交換器。
  2. 前記相変化部が、前記液相空間と前記気相空間とを隔て、気相の前記熱媒が通過する透湿膜を有する請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記透湿膜が、筒状に形成され内側が前記液相空間であり外側が前記気相空間である複数の中空糸膜を含む請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記透湿膜を前記液相の前記熱媒が通過する圧力損失ΔP1と、前記液相空間を前記液相の前記熱媒が通過する圧力損失ΔP2との間に、ΔP1>ΔP2の関係がある請求項2又は請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記熱交換部から前記相変化部へ前記熱媒を戻す第二流路を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記熱媒が排出される熱媒排出部を有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 前記熱媒を供給する熱媒供給部を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 前記熱交換部による前記熱交換が顕熱の交換である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の熱交換器。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の熱交換器と、
    前記気相空間と接続され気相の前記熱媒を蓄熱材に反応させて蓄熱する蓄熱器と、
    を有する蓄熱システム。
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