JP6569442B2 - ドラムおよびドラム用フープ - Google Patents

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Description

本発明は、ドラムの打撃時の発生音の音量を低減する技術に関する。
一般に、アコースティックドラムでは、ドラムヘッドを打撃した際に発生する発生音の音量が大きい。このため、ドラムを演奏する場所や、ドラムと共に演奏する他の楽器との音量のバランスによっては、音量を低減する必要がある。
そこで、ドラムの音量(発生音の音量)を低減する様々な構造が提案されている。例えば特許文献1には、ドラムヘッドの打面やこれと反対側の面の一部領域に各種ミュート部材を取り付けた構造が開示されている。この構造では、ドラムヘッドを打撃した際のドラムヘッドの振動をミュート部材によって吸収することで、発生音の音量低減が実現される。
また、例えば特許文献2には、開口径が微小(例えばコンマ数mm〜数mm程度)の多数の小孔を全体に形成した構造のドラムヘッドが開示されている。この構造では、多数の小孔により、ドラムヘッドの開口率が高くなる。そのため、ドラムヘッドが打撃されて振動しても、ドラムヘッドの振幅が小さくなり、発生音の音量低減が実現される。
米国特許第5637819号明細書 特許第3835084号公報
しかしながら、特許文献1のようにミュート部材をドラムヘッドに取り付けた構造のドラムでは、打撃時の発生音におけるサステインの長さが、ミュート部材を設けない通常の構造のドラムと比較して非常に短くなって、音の伸びがなくなる。そのため、ミュート部材を用いたドラムの発生音は、通常のドラムの発生音と比較して、明るさのない不自然な音色(劣化した音色)となる、という問題がある。
また、特許文献2のように開口径が微小な小孔が形成されているドラムヘッドでは、各小孔を通じてドラムの内外に空気が流出入する際のエネルギー損失(すなわち、摩擦損失)が大きく、発生音のサステインの長さが通常のドラムの発生音と比較して非常に短くなり、アタック音のみが強調された不自然な音色となる、という問題がある。
このため、特許文献1や特許文献2に開示の技術は、聴衆に演奏を披露する際の音量低減には適さない。また、特許文献2に開示の技術では、ドラムヘッドの小孔近傍に応力集中が発生し、打撃時にドラムヘッドが破損する可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、通常のドラムの発生音に近い音色を得つつ、打撃に起因するドラムヘッドの破損の可能性を低減させ、打撃時の発生音の音量の低減を可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、外周に沿って開口孔が形成されたドラムヘッドと、開口孔の少なくとも縁部を覆う遮蔽部が内周に沿って1又は複数設けられたフープと、を有するドラムを提供する。
本発明によれば、開口孔の少なくとも縁部が遮蔽部により覆われている。すなわち開口孔の縁部が遮蔽部によって保護されているため、開口孔の縁部が打撃されることはなく、打撃に起因するドラムヘッドの破損の可能性を低減することが可能になる。このように、遮蔽部により開口孔の少なくとも縁部が保護されているため、この開口孔を大きくし、ドラムヘッドの開口率を上げることができる。そのため、通常のドラムの発生音に近い音色を得つつ、打撃時の発生音の音量の低減させることが可能になる。
より好ましい態様においては、遮蔽部とドラムヘッドは、高さ方向に隙間があいている。この態様によれば、打撃時にドラムヘッドが振動しても、遮蔽部とドラムヘッドが接触することがなく、ドラムヘッドの振動に影響を及ぼすこともない。
より好ましい態様としては、遮蔽部は、ドラムヘッドに向かって開口する貫通孔を有する。この態様によれば、貫通孔は開口孔を通じてドラムの内外に流出入する空気の流れを阻害しないため、通常のドラムの発生音により近い音色を得ることができる。
より好ましい態様としては、貫通孔による遮蔽部の開口率が30%以上である。この態様によれば、貫通孔は開口孔を通じてドラムの内外に流出入する空気の流れをより阻害しないため、通常のドラムの発生音により近い音色を得ることができる。
別の好ましい態様としては、内周に沿って設けられた1又は複数の遮蔽部を有するドラム用フープを提供する。開口孔が形成されたドラムヘッドを有するドラムにこの態様のフープを装着すると、通常のドラムの発生音に近い音色を得つつ、打撃に起因するドラムヘッドの破損の可能性を低減させ、打撃時の発生音の音量の低減させることが可能になる。
本発明の一実施形態のドラムを示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のIB−IB矢視断面図、(c)は(a)のIC−IC矢視断面図である。 同ドラムのドラムヘッドを示しており、(a)は上面図、(b)は(a)のIIB−IIB矢視断面図である。 フープの変形例(1)を示す平面図である。 フープの変形例(2)を示す平面図である。 フープの変形例(3)を示す平面図である。 フープの変形例(4)を示す平面図である。 フープの変形例(5)を示す側断面図である。
以下、図1〜2を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態のドラムを示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のIB−IB矢視断面図、(c)は(a)のIC−IC矢視断面図である。ドラム1は、例えばタムであり、図1(a)や(b)に示すように、筒状のシェル(胴部)2と、シェル2の一方の開口に取り付けられて打面として使用されるドラムヘッド3と、張設部4とを備える。シェル2は、木材や金属などの材料によって構成されている。
図2は、ドラムヘッド3を示しており、(a)は上面図、(b)は(a)のIIB−IIB矢視断面図である。ドラムヘッド3は、PET(ポリエチレンテレフタラート)などのフィルムからなる円形のヘッド部11と、フレッシュフープ14とを備える。フレッシュフープ14は、ヘッド部11の外縁に連結されて、ヘッド部11を保持する。フレッシュフープ14は、その内径寸法がシェル2の外径寸法よりも大きな円環状に形成されている。
ヘッド部11は、シェル2の一方の開口の縁部2A(図1(c)参照)の内側に配される有効振動膜部12と、有効振動膜部12の外縁に一体に形成され、シェル2の一方の開口の縁部2Aの外側に配される外側膜部13とを有する。有効振動膜部12は、ドラムヘッド3がシェル2の一方の開口に取り付けられた状態で打撃された際に有効に振動する部分である。図2(b)に示すように、外側膜部13は、ヘッド部11をシェル2に取り付けていない状態においても、有効振動膜部12の外縁から、有効振動膜部12の径方向外側に向かうにしたがって有効振動膜部12の膜厚方向に傾斜するように延在しているが、これに限ることはない。
図2(a)に示すように、有効振動膜部12は、外周領域12Aと中央領域12Bに分けられる。外周領域12Aとは、有効振動膜部12のうち打撃されない領域、あるいは、演奏において打撃される必要がない領域のことである。また、中央領域12Bとは、有効振動膜部12のうち演奏において打撃される領域のことである。本実施形態のドラムヘッド3は、ドラムスティックによって打撃される。中央領域12Bを十分な大きさで確保できるように、例えば中央領域12Bの半径は、有効振動膜部12の半径の75%に設定されるとよい。
ヘッド部11には、有効振動膜部12と外側膜部13の両方にわたって、複数の開口孔15が形成されている。各開口孔15は、フレッシュフープ14に達しており、フレッシュフープ14の内周が各開口孔15の外側の縁部となっている。
各開口孔15の内側の縁部は、有効振動膜部12の中心に向かって突き出るように湾曲している。本実施形態では、有効振動膜部12の径方向に沿う開口孔15の寸法が、有効振動膜部12の周方向に沿う開口孔15の寸法よりも小さい。このため、中央領域12Bの面積を十分に確保しながら、開口孔15の開口面積を十分に確保することが可能となる。
複数の開口孔15の各々は互いに同じ形状かつ同じ寸法に形成されている。有効振動膜部12における各開口孔15の開口面積は、例えば78mm以上に設定されるとよい。
また、複数の開口孔15は、有効振動膜部12の周方向に沿って等間隔に配列されている。同一形状かつ同一寸法の複数の開口孔15が等間隔に配列されるため、ドラムヘッドの対称性が良好に保たれ、打撃に伴うドラムヘッド3の全ての振動モードを通常のドラムヘッドに近い振動形態とすることができる。したがって、本実施形態の発生音は、複数の開口孔15が有効振動膜部12の周方向に沿って等間隔に配列されていないドラムヘッドを装着したドラムの発生音に比べて、通常のドラム(開口孔15の無いドラムヘッドを有するドラム)の発生音にさらに近い音色となる。
図1(a)に示すように、張設部4は、上記ヘッド部11をシェル2の一方の開口に張り付けて有効振動膜部12にテンションを付与する。本実施形態の張設部4は、従来周知のラグ(図1では図示略)、フープ22及びチューニングボルト23によって構成されている。
フープ22は、スチール、アルミニウム、亜鉛などの従来のアコースティックドラムに装着されるフープと同様の材質で構成されている。さらに、フープ22の製造方法は、ダイキャストが望ましく、その場合、フープ22の材質は、アルミや亜鉛であることが望ましい。
チューニングボルト23が螺着されるラグは、シェル2の周方向に均等に複数配列されている。各ラグに螺着された各チューニングボルト23を締め付けることで、フープ22がドラムヘッド3のフレッシュフープ14をシェル2の一方の開口側から他方の開口側に向けて付勢する。これによって、有効振動膜部12にテンションが付与される。
図1(a)に示す例では、張設部4のラグやチューニングボルト23の数が開口孔15の数と同数になっているが、これに限ることはない。また図1(a)に示すように、本実施形態では、開口孔15とラグとがヘッド部11の径方向に並ばないように、ドラムヘッド3をシェル2に取り付けているが、これに限ることはない。
図1(a)〜(c)に示すように、フープ22には薄板状の遮蔽部22Aが設けられている。遮蔽部22Aは、フープ22の内周に沿って設けられ、フープ22の中心に向かって突き出るように形成されている。遮蔽部22Aは、各開口孔15に対して一つずつ設けられる。遮蔽部22Aの形状は開口孔15の形状と近似しているが、遮蔽部22Aの形状は、開口孔15の形状よりも大きく形成されている。遮蔽部22Aの形状は、開口孔15の形状よりも大きいので、図1(a)に示すように、ドラム1を上面から見ると、開口孔15は遮蔽部22Aによって完全に覆われる。
さらに、遮蔽部22Aは、有効振動膜部12と高さ方向に隙間があくように開口孔15を上面から覆う。遮蔽部22Aと有効振動膜部12には高さ方向に隙間があるため、打撃時に有効振動膜部12が振動しても、有効振動膜部12と遮蔽部22Aが接触することがなく、有効振動膜部12の振動に影響を及ぼすこともない。遮蔽部22Aと有効振動膜部12の高さ方向の隙間は、例えば2mmに設定されるとよい。
遮蔽部22Aには、図1(a)に示すように、複数の小孔22Bが設けられている。複数の小孔22Bの各々は同じ直径の真円形状に形成されており、等間隔に千鳥配列されている。小孔22Bの直径は、ドラムスティックのチップの直径(約12mm)よりも小さく設定されている。小孔22Bによる遮蔽部22Aの開口率は30%以上が好ましく、より好ましくは50%以上である。遮蔽部22Aの開口率は、遮蔽部22Aの面積、小孔22Bの直径および小穴22B同士の間隔で決まるが、例えば、小孔22Bの直径は、5mmに設定されるとよく、小孔22B同士の間隔は、9mmに設定されるとよい。
以上が、ドラム1の構成である。
本実施形態のドラム1においては、有効振動膜部12に複数の開口孔15が形成されている。これにより、ドラムヘッド3を打撃した際には、ドラムヘッド3から振動が伝搬される空気の量が減少し、発生音の音量を低減することができる。
また、開口孔15は有効振動膜部12の外周領域12Aに形成されているため、十分な大きさをとることができる。その結果として、開口孔15を通じてドラム1の内外に空気が流出入する際のエネルギー損失を抑制あるいは防止して、打撃時の発生音におけるサステインの長さを通常のドラムに近づけることができる。また、開口孔15の内側の縁部は、有効振動膜部12の中心に向かって突き出るように湾曲しているため、有効振動膜部12にテンションを均一に付与することができる。その結果、本実施形態の発生音は、通常のドラムの発生音にさらに近い音色となる。さらに、本実施形態では、有効振動膜部12の径方向に沿う開口孔15の寸法が、有効振動膜部12の周方向に沿う開口孔15の寸法よりも小さいため、中央領域12Bの面積を十分に確保しながら、開口孔15の開口面積を十分に確保することが可能となる。
本実施形態の特徴は、フープ22に遮蔽部22Aを設けたことにある。フープ22に遮蔽部22Aを設けた理由は次の通りである。仮に、遮蔽部22Aが設けられていないとすると、打撃時に開口孔15の縁部が打撃されることが起こり得る。有効振動膜部12には複数の開口孔15が形成されているため、開口孔15を形成しない場合に比較して耐久性が低下しており、開口孔15の縁部が打撃されるとその打撃箇所を起点として有効振動膜部12が破損する虞がある。また、開口孔15の開口面積が大きく設定されているので、打撃時において、打撃に使用するドラムスティックを誤って開口孔15に引っ掛け、演奏が阻害される虞もある。
しかし、本実施形態では、開口孔15は遮蔽部22Aによって完全に覆われており、開口孔15の縁部を打撃から保護することができ、打撃時にドラムスティックを誤って開口孔15に引っ掛けることもない。そのため、打撃に起因する有効振動膜部12の破損の可能性が低減され、ドラム1の演奏性も良好になる。
さらに、遮蔽部22Aには複数の小孔22Bが設けられており、小孔22Bを介した空気の流出入が可能となっている。そのため、小孔22Bが設けられていない遮蔽部を装着したドラムと比較して、開口孔15を通じたドラム1の内外に流出入する空気の流れが阻害される程度が低くなる。そして、開口孔15を通じてドラム1の内外に空気が流出入する際のエネルギー損失を抑制あるいは防止して、打撃時の発生音におけるサステインの長さを通常のドラムに近づけることができる。
さらに、小孔22Bの直径はドラムスティックのチップの直径よりも小さいことから、打撃時にドラムスティックを誤って開口孔15に引っ掛けることもない。そのため、ドラム1の演奏性が良好になる。
以上のことから、本実施形態によれば、通常のドラムの発生音に近い音色を得つつ、打撃に起因するドラムヘッドの破損の可能性を低減させ、さらに演奏性を良好にし、打撃時の発生音の音量の低減を可能にすることができる。通常のドラムの発生音に近い音色を得ることができるため、ドラム1は練習用に限られず、聴衆に披露する演奏にも用いることができる。
本実施形態においては、有効振動膜部12と外側縁部13の両方にわたって開口孔15が形成されていたが、開口孔15を有効振動膜部12のみに形成する態様であってもよい。このような態様であれば、ドラムヘッド3の製造が容易になる。
また、本実施形態のドラムヘッド3やフープ22のシェル2への装着方法は、通常のドラムヘッドやフープと同じである。このため、張設部4によるヘッド部11の張り具合の調整(チューニング)を、通常のドラムヘッドの場合と同様に実施することもできる。さらに、シェル2と同一形状の他のシェルにも装着することができる。
また、本実施形態による音量の調整量は、ドラムヘッド3の開口率に応じて定まる。例えば、ドラムヘッド3の開口率が高ければ、発生音の音量を一層小さくすることができる。したがって、ドラムヘッド3の開口率が異なる複数種類のドラムヘッド3を用意しておくことで、演奏に必要な音量の発生音を発生するドラムヘッド3を適切に選択することも可能となる。
<他の実施形態>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば次の通りである。
(1)上記実施形態では、遮蔽部22Aに真円形状の小孔22Bを等間隔の千鳥配列で設けた。しかし、遮蔽部に設けられる貫通孔は、小孔22Bと同様の効果を得ることができれば、どのような形状でもよい。例えば、遮蔽部24Aに弓型形状の貫通孔24Bを設けたフープ24(図3参照)を装着したドラムは、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)上記実施形態では、開口孔15全体を覆う形状および大きさの薄板状の遮蔽部22Aをフープ22に設けた。しかし、開口孔15の縁部のみを覆う線材を遮蔽部としても用いてもよい。図4は、開口孔15の縁部のみを覆う線材状の遮蔽部25Aを有するフープ25の一例を示す図である。
図4に示すフープ25をドラム1に装着しても、有効振動膜部12の開口孔15の縁部、すなわち開口孔15の縁部を打撃から保護することができる。つまり、フープ22を用いた場合と同様に、ドラムヘッド3が破損する可能性を低減できる。さらに、遮蔽部25Aの開口率は遮蔽部22Aの開口率よりも大きいので、フープ22を装着した場合よりも、開口孔15を通じてドラム1の内外に空気が流出入する際のエネルギー損失を抑制あるいは防止する効果が高い。そのため、フープ25を装着したドラム1の打撃時の発生音のサステインの長さは、フープ22を装着したドラム1よりも、より通常のドラムに近づくことになる。
(3)上記実施形態では、フープ22の遮蔽部22Aに真円形状の小孔22Bが等間隔の千鳥配列で設けられていたが、図5に示すように、フープ26の遮蔽部26Aにメッシュ形状の貫通孔26Bを設けてもよい。すなわち、フープ26は、変形例(2)のフープ25の貫通孔25Bにメッシュを設け、貫通孔26Bとしたものである。
フープ26をドラムに装着した場合も、有効振動膜部12の開口孔15の縁部を打撃から保護することができる。そのため、フープ22を用いた場合と同様に、ドラムヘッド3が破損する可能性を低減できる。さらに、遮蔽部26Aにはメッシュ形状の貫通孔26Bが設けられているため、遮蔽部26Aの開口率はフープ22の遮蔽部22Aの開口率よりも高い。このため、フープ26を装着したドラムでは、フープ22を装着したドラム1よりも打撃時の発生音の音量をより低減でき、さらに、通常のドラムの発生音により近い音色を得ることができる。
(4)上記実施形態では、フープ22の遮蔽部22Aは開口孔15のみを覆っていたが、ドラムヘッド3における開口孔15以外の部分も覆ってもよい。具体的には、図6に示すように、フープ27の内周に沿って円環状の遮蔽部27Aを設け、この遮蔽部27Aによって、開口孔15だけでなく、有効振動膜部12の外周領域12Aも覆っていてもよい。なお、遮蔽部27Aには貫通孔27Bが設けられている。このため、フープ22に比べて、打撃時にドラムスティックを誤って開口孔15に引っ掛ける可能性が低くなり、ドラム1の演奏性がより良好になる。
(5)上記実施形態では、遮蔽部22Aの形状は、開口孔15の形状よりも大きく形成されていたが、これに限ることはない。例えば、遮蔽部22Aの形状が開口孔15の形状よりも小さく形成されていてもよい。このような場合、上記実施形態に比べて、開口孔15を通じてドラム1の内外に流出入する空気の伝搬が阻害される程度が低くなる。そのため、打撃時の発生音のサステインの長さが通常のドラムにより近づき、通常のドラムの発生音により近い音色が得られる。
(6)上記実施形態では、遮蔽部22Aに小孔22Bが設けられていたが、小孔22Bが設けられていなくてもよい。ただし、この場合には、遮蔽部22Aと有効振動膜部12との高さ方向の隙間は、上記実施形態における隙間よりも大きく設定されていることが好ましい。なぜなら、上記実施形態において、遮蔽部22Aに小孔22Bが設けられていないと、遮蔽部22Aが開口孔15を通じてドラム1の内外に流出入する空気の伝搬を阻害し、打撃時の発生音のサステインの長さは通常のドラムヘッドからかけ離れたものとなるからである。遮蔽部22Aと有効振動膜部12との高さ方向の隙間が、上記実施形態における隙間よりも大きく設定されていると、遮蔽部22Aに小孔22Bが設けられていなくとも、遮蔽部22Aにより開口15を通じてドラム1の内外に流出入する空気の伝搬が阻害される程度が低くなる。そのため、打撃時の発生音のサステインの長さが通常のドラムヘッドに近づき、通常のドラムの発生音に近い音色が得られる。
(7)上記実施形態では、小孔22Bの直径はドラムスティックのチップの直径よりも小さかったが、これに限ることはない。例えば、小孔22Bの直径がドラムスティックのチップの直径よりも大きくてもよい。このような場合、小孔22Bによる遮蔽部22Aの開口率が、上記実施形態の開口率よりも大きくなる。そのため、上記実施形態に比べて、開口孔15を通じてドラム1の内外に流出入する空気の伝搬が阻害される程度が低くなり、打撃時の発生音のサステインの長さが通常のドラムにより近づき、通常のドラムの発生音により近い音色が得られる。
(8)上記実施形態では、フープ22と遮蔽部22Aが一体化していたが、これらが分離していてもよい。具体的には、図7(a)に示すように、遮蔽部22Aと同様の小孔28Bを設けた遮蔽部28Aを有する遮蔽部材28を従来のドラムのフープ22’のリムに固定する。フープ22’のリムと接する遮蔽部材28の固定部28Cは、リング状の円盤を山折りに折り曲げた形状をしており、遮蔽部材28は、リムに固定部28Cの谷状になった底を引っ掛けることで固定される。
遮蔽部材28であれば、通常のドラムのドラムヘッドに開口孔15を設け、さらにリムに遮蔽部材28を設けるだけで本発明のドラム1を実現することができ、遮蔽部22Aを設けたフープ22を別途用意する必要がない。そのため、安価に本発明のドラム1を実現することができる。
また、図7(b)に示すように、遮蔽部22Aと同様の小孔29Bを設けた遮蔽部29Aを有する遮蔽部材29を従来のフープ22’とフレッシュフープ14との間に固定してもよい。遮蔽部材29の固定部29Cは、円環状の薄板12枚を斜めに貼り合せた形状をしており、固定部29Cの内周に沿って遮蔽部29Aが設けられている。フープ22’とフレッシュフープ14との間に固定部29Cの外周を挟み込み、チューニグボルト23を締め付けることで、フープ22がシェル2の一方の開口側から他方の開口側に向かって付勢する。これによって、有効振動膜部12にテンションが付与されると同時に、遮蔽部材29は共締めされ固定される。
遮蔽部材29であれば、遮蔽部材28と同様に、通常のドラムのフープ22を利用することができるため、安価に本発明のドラム1を実現することができる。
1……ドラム、2……シェル、2A……縁部、3……ドラムヘッド、4……張設部、11……ヘッド部、12……有効振動膜部、12A……外周領域、12B……中央領域、13……外側縁部、14……フレッシュフープ、15……開口孔、22,22’,24,25,26,27……フープ、22A,24A,25A,26A,27A,28A,29A……遮蔽部、22B,28B,29B……小孔、23……チューニングボルト、24B,25B,26B,27B……貫通孔、28,29……遮蔽部材、28C,29C……固定部。

Claims (5)

  1. 外周に沿って開口孔が形成されたドラムヘッドと、
    前記開口孔の少なくとも縁部を覆う遮蔽部が内周に沿って1又は複数設けられたフープと、
    を有するドラム。
  2. 前記遮蔽部と前記ドラムヘッドは、高さ方向に隙間があいている
    ことを特徴とする請求項1に記載のドラム。
  3. 前記遮蔽部は、前記ドラムヘッドに向かって開口する貫通孔を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム。
  4. 前記貫通孔による前記遮蔽部の開口率が30%以上である
    ことを特徴とする請求項3に記載のドラム。
  5. 内周に沿って設けられた1又は複数の遮蔽部を有するドラム用フープ



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