JP6567502B2 - 式x1−gqretpegaeakpwy−x2の環状ペプチドを含有する凍結乾燥物 - Google Patents

式x1−gqretpegaeakpwy−x2の環状ペプチドを含有する凍結乾燥物 Download PDF

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Description

本発明は、哺乳動物、例えば、ヒト、の肺への投与に向けられた薬学的に許容可能な凍結乾燥物に関する。
薬学的な有効成分の活性は、これらの有効成分が体内または処置される器官にそれぞれ到達する方法にむしろ本質的に依存する。
最も一般的な医薬の投与方法は非経口投与である。医薬は皮膚を通して、例えば、血流や筋肉に直接または皮膚下に直接注入される。
医薬摂取の他の一般的な形態は胃や腸管への経口投与からなる。医薬に含まれる有効成分は胃や腸管において遊離され、吸収を介して体内、血中および器官に達する。
医薬はまた皮膚または粘膜を通して投与され得る。
注入に代わるものとして、経口吸入の方法が提案された。それによれば、医薬は粉末の形態や呼吸空気とともに肺空間に到達可能な液滴の形態で口や咽頭に送達される。そこからこれらの医薬は肺組織を通して血液に送達され、ひいては全身的に体内に供給される。
しかしながら、医薬の経口吸入は、今日でもなお実質的な技術的問題をもたらす。特に、例えばタンパク質等の高分子量を有する有効成分は経口吸入による適用が非常に限られている。噴霧化またはスプレーするプロセスの間の加熱および加圧により、有効成分としてのタンパク質は損傷を受けるか、あるいは物理的に不活性化される。有効なタンパク質成分は経口吸入前の保管および経口吸入中の保管の双方でむしろ不安定である。加えて、このようなペプチド有効成分は肺気腔ですでに分解されることがある。
このようなタンパク質の吸入用製剤においてこれを解消するために、多種多様な医薬処方物が開発された。従って、このようなタンパク質の吸入用製剤は、所望の溶解特性を実現するため、安定性を保証するため、タンパク質の活性を保護するために、カルシウムまたはナトリウム塩のような塩、安定化剤および界面活性剤、特定の緩衝液混合物、脂質混合物およびその他を含み得る。タンパク質医薬の生産における他の混合物としては、例えば、アルブミン、浸透物質、抗酸化剤、凝集および沈殿を妨げるための化学物質、リポソーム、ゼラチン、アルギン酸塩、糖類等を含む。
このように製造され、薬学的に処理された吸入用ペプチドおよびタンパク質製剤はその後肺組織を通して意図的にまたは偶然に血液に到達し、そこで検出され得る。
要約すると、国際的に登録されたタンパク質/ペプチドに基づく吸入用医薬は現時点で2つ、すなわち、プルモザイム(商標)(デオキシリボヌクレア−ゼ)およびエクスベラ(商標)(インスリン)のみである。活性や安定性を保証するために、これらの製剤は、例えば塩(それぞれ、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、またはクエン酸ナトリウム、マンニトール、グリセロール、水酸化ナトリウム)を含有する。
ヒト医薬用のタンパク質/ペプチド処方物の製造のため通常の技術的手段としては水分除去のための凍結乾燥がある(例えば、J Pharm Sci. 2009 Sep;98(9):2886-908)。しかしながら、これらの最新式の処理の間には、ペプチドの安定性や活性を確保するために例えば、二糖のような補助剤が添加される。(Allison SD et al, Arch Biochem Biophys. 1999 May 15;365(2):289-98)。さらに、凍結乾燥中の水分除去後の活性や安定性を確保するため(Roberts et al, Adv Drug Deliv Rev. 2002 Jun, 17;54(4):459-76 2002, Morris et al, Antimicrob Agents Chemother. 2012 Jun;56(6):3298-308. doi: 10.1128/AAC.06335-11)やタンパク質分解プロセスによる分解を妨げるため(Lee et al, Regul Pept. 2009 Jan 8;152(1-3):101-7; Baginski et al, Pharm Res. 2012 Jun;29(6):1425-34)または分子量に好ましい影響を与えるため(Veronese & Pasut, Drug Discov Today. 2005 Nov 1;10(21):1451-8; Patton & Byron, Nat Rev Drug Discov. 2007 Jan;6(1):67-74)には、ポリエチレングリコール(PEG)をペプチドおよびタンパク質に結合させることにより成功することがそれぞれ証明されている。
今般、驚くべきことに、肺の機能に好ましい影響を与えるいくつかのペプチドについて添加剤を伴わない適用形態が見出され、この適用形態が非常に適切であることが明らかとなった。
1つの面において、本発明によれば、下記式の環状ペプチド:
1−GQRETPEGAEAKPWY−X2
[式中、
1は、特にはC(Cys)、KSP(Lys−Ser−Pro)、K(Lys)、オルニチン、4−アミノ酪酸、β−アラニンのアミノ酸(配列)から選択される天然および非天然アミノ酸を含んでなる、1〜4、特には1〜3個のアミノ酸(配列)を含んでなり、かつ、
2は、特にはC(Cys)、D(Asp)、G(Gly)およびE(Glu)の群から選択される天然アミノ酸を含んでなり、かつ、
1は、左側の1位にN末端アミノ酸を含んでなり、かつ、X2は、右側の位置の最後にC末端アミノ酸を含んでなる。]
であって、添加剤および/または安定化剤を伴わない凍結乾燥物の形態である環状ペプチドが提供される。
本発明により提供される凍結乾燥物は、本明細書において「本発明の(本発明の下での、本発明による)凍結乾燥物」とも表される。本発明による凍結乾燥物におけるペプチドは、本明細書において「本発明の(本発明の下での、本発明による)ペプチド」とも表される。
本発明の凍結乾燥物において、1またはいくつかの式Iの環状ペプチドが存在してもよく、好ましくは、式Iのペプチドが1つのみ存在する。
式Iの環状化合物は、下記のアミノ酸配列を有する化合物が環状化されたものである:
1−Gly−Gln−Arg−Glu−Thr−Pro−Glu−Gly−
Ala−Glu−Ala−Lys−Pro−Trp−Tyr−X2
[式中、X1およびX2は上記で定義された通りである。]
式Iの新規化合物も本発明の対象である。
式Iの化合物における環は、式Iの化合物の2つのアミノ酸残基における2つの適当な置換基の間の結合、例えば、アミド結合またはジスルフィド架橋により形成され得、その際、環は、好ましくは、少なくとも15、より好ましくは少なくとも17、最大19または20、例えば、17〜19の、環員として式Iの化合物に存在するアミノ酸残基を含んでなる。
好ましくは、環の形成は、X1におけるアミノ酸、好ましくは、X1における1位のアミノ酸における適当な置換基と、X2における適当な置換基との間の結合により形成される。
本発明の式Iのアミノ酸配列に用いられ得る天然アミノ酸は知られており、例えば、G(Gly)、A(Ala)、V(Val)、L(Leu)、I(Ile)、M(Met)、P(Pro)、F(Phe)、W(Trp)、S(Ser)、T(Thr)、N(Asn)、Q(Gln)、C(Cys)、U(Sec)、Y(Tyr)、D(Asp)、E(Glu)、H(His)、K(Lys)、R(Arg)を含んでなる。
本発明の式Iのアミノ酸配列に用いられ得る非天然アミノ酸は、下記を含んでなる:
(i)原則として天然アミノ酸の化学構造を有するが、αアミノ酸とは異なるアミノ酸、
(ii)D型の天然アミノ酸、すなわち天然L型以外のものであり、つまり、2位のC原子にあるアルキル基がL配置ではなくD配置で存在する天然アミノ酸、
(iii)例えば、上記の(i)および(ii)で定義されたもの以外の非天然アミノ酸であって、2〜12、例えば2〜6の炭素原子、少なくとも1つのアミノ基(例えば、1つまたは2つ)および少なくとも1つのカルボキシ基(例えば、1つまたは2つ)、加えて所望により天然アミノ酸にも存在する置換基、例えば、OH、−CONH2、−NH−C(=NH2)NH2、SH、(C1-4)アルキル−S−、フェニル、ヘテロシクリル(例えば、5または6員環を含んでなり、N、O、Sから選択され、好ましくはNである少なくとも1つの異種原子(例えば、1つまたは2つ)を含んでなり、これらはフェニル等のさらなる環とアニールされていてもよく、例えば、プロリル、インドリル、イミダゾリルを含んでなる)を含んでなるもの。
本発明の式Iの非天然アミノ酸は、オルニチン、4−アミノ酪酸、β−アラニンを含んでなる。
さらなる面において、本発明の式Iの環状化合物は、
−配列番号1:
シクロ(CGQRETPEGAEAKPWYC)
[式中、両末端のシステイン残基の間でジスルフィド架橋が形成される。]のアミノ酸配列を有する化合物;
−配列番号2:
シクロ(KSPGQRETPEGAEAKPWYE)
[式中、N末端のリジン残基のε−炭素原子に結合しているアミノ基とC末端のグルタミン酸残基のγ−炭素原子に結合している側鎖カルボキシ基との間でアミド結合が形成される。]のアミノ酸配列を有する化合物;
−配列番号3:
シクロ(KGQRETPEGAEAKPWYG)
[式中、N末端のリジン残基の側鎖のε−炭素原子に結合しているアミノ基とC末端のグリシン残基のカルボキシ基との間でアミド結合が形成される。]のアミノ酸配列を有する化合物;
−配列番号4:
シクロ(オルニチン−GQRETPEGAEAKPWYG)
[式中、N末端のオルニチン残基の側鎖のδ−炭素原子に結合しているアミノ基とC末端のグリシン残基のカルボキシ基との間でアミド結合が形成される。]のアミノ酸配列を有する化合物;
−配列番号5:
シクロ(4−アミノ酪酸−GQRETPEGAEAKPWYD)
[式中、N末端の4−アミノ酪酸残基のアミノ基とC末端のアスパラギン酸残基のβ−炭素原子に結合している側鎖カルボキシ基との間でアミド結合が形成される。]のアミノ酸配列を有する化合物;および
−配列番号6:
シクロ(β−アラニン−GQRETPEGAEAKPWYE)
[式中、N末端のβ−アラニン残基(3−アミノプロパン酸残基)のアミノ基とC末端のグルタミン酸残基のγ−炭素原子に結合している側鎖カルボキシ基との間でアミド結合が形成される。]のアミノ酸配列を有する化合物
を含んでなる。
式Iの化合物および配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列の化合物において、アミノ酸は、環形成に導く結合を除いて、通常のペプチドのように連結される。
式Iの環状化合物は、本明細書において「本発明の(本発明の下での、本発明による)環状化合物」とも表され、いずれの形態(例えば、遊離形態および塩形態)の式Iの環状化合物を含んでなる。生物学的環境においては、通常、式Iの化合物は塩の形態で存在する。
さらなる面において、本発明の凍結乾燥物における式Iの化合物は、塩の形態である。
このような塩としては、好ましくは、薬学的に許容可能な塩を含んでなるが、例えば、製造/単離/精製を目的とする、薬学的に許容されない塩も含まれる。
生物学的環境において、式Iの化合物の塩は、通常、塩酸塩である。
遊離形態の本発明の式Iの環状化合物は、塩形態の本発明の式Iの環状化合物に変換してもよく、逆の場合も同様である。
本発明の式Iの環状化合物は、異性体および異性体混合物、例えば、光学異性体の形態であってよい。式Iの環状化合物は、例えば不斉炭素原子を含んでいてもよく、それゆえ、エナンチオマー、ジアステレオ異性体およびこれらの混合物、例えばラセミ化合物の形態にすることができる。式Iの環状化合物は、不斉炭素原子の個々の置換基に関して、(R)−、(S)−または(R,S)−配置、好ましくは(R)−または(S)−配置で存在していてもよい。異性体混合物は、適切には、例えば、純粋な異性体を得るための従来法に従って、例えばこれに類似的に、分離されてもよい。本発明は、いずれの異性体形態およびいずれの異性体混合物の形態の式Iの環状化合物を含んでなる。天然アミノ酸の場合は、置換基の配置が、通常天然アミノ酸でみられるものである。
本発明の環状化合物は、適宜、例えば、従来法または本明細書に記載される方法、例えば固相ペプチド合成に従って、例えばこれに類似的に、そして場合により、ジイソプロピルカルボジイミドおよび/またはN−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の適当なカップリング剤およびN,N−ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒を用いる、2−クロロトリチルクロリド樹脂についてのフルオレニルメトキシカルボニル/t−ブチル保護方法に従って、製造してもよい。保護されたアミノ酸は、C末端アミノ酸から開始するペプチド鎖に続けて連結されてもよい。フルオレニルメトキシカルボニル保護基の脱保護は、塩基、例えばピペリジン(N,N−ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中の20%ピペリジン等)を用いて行ってよい。(部分的に)保護されていてもよい完成したペプチドの樹脂からの切り出しは、適宜、例えば、適当な溶媒、例えば、CH2Cl2等のハロゲン化炭化水素中の酢酸等の酸(例えば、酢酸およびCH2Cl2の1:1の混合物中)の補助により行ってよい。
システイン含有ペプチドの場合、樹脂からの切り出しの後、側鎖の脱保護は、必要に応じて、例えばトリフルオロ酢酸(TFA)等の強酸、例えば、95%TFA/5%H2Oを用いて行ってよい。ジスルフィド結合を得るための環化は、例えば、pH8.5にて90時間の粗直鎖ペプチドのエアレーションにより達成可能な、末端システイン残基の酸化により行ってよい。得られた粗ペプチド生成物は、RP−C18−シリカゲルカラム等の適当なカラムでのクロマトグラフィー、例えば、逆相中圧液体クロマトグラフィー(RP−MPLC)により、アセトニトリル−水勾配5%〜40%の勾配等の溶出勾配を便利に用いて精製してもよい。トリフルオロ酢酸対イオンは、例えば、Lewatit MP64カラム等のカラム上で、例えば、酢酸により置換されてもよい(酢酸型)。水での最終洗浄の後、精製されたペプチドは、酢酸塩として凍結乾燥されてよく、淡色、例えば、白色の粉末の形態で得られてよい。
システイン不含ペプチドの場合、環化工程は、適宜、例えば、樹脂から切り出した後、部分的に保護されたままの直鎖ペプチドに行ってもよい。システイン不含ペプチドの選択的環化の後、必要に応じて、TFAにおいて側鎖の脱保護を行ってもよい。精製工程は、例えば、クロマトグラフィーを介して(例えば、分取RP−MPLCにより)行ってもよい。このようにして得られたペプチドにおいて、トリフルオロ酢酸イオンの酢酸による置換を例えば上記のように行ってもよい。ペプチドの酢酸型の凍結乾燥は、例えば、システイン含有ペプチドと同様に行ってもよい。
得られたペプチドの分子量は、エレクトロスプレーイオン化質量分析またはMALDI−TOF−MSにより確認してもよい。例えば、分析高速液体クロマトグラフィーにより、純度を決定してもよい。
式Iの環状化合物は、配列番号1、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列を有する化合物を含んでなる。このような化合物は、例えば、Hazemi P., Tzotzos, S. Fischer B., Andavan, G.S.B., Fischer H., Pietschmann H, Lucas, R. and Lemmens-Gruber, R. in J Med Chem. 2010 November 25, 53(22): 8021−8029, "Essential structural features of TNF-α lectin-like domain derived peptides for activation of amiloride-sensitive sodium current in A549 cells"により、「アミロライド感受性上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)」を活性化し、よって、肺における疾患の処置に有用であることが知られている。アミロライド感受性ナトリウムイオンチャネル(ENaC)の活性化により、肺組織を通してナトリウムイオンが輸送されるようになる。浸透勾配が形成されると受動水輸送が引き起こされる。このモデルを肺に当てはめると、アミロライド感受性ナトリウムイオンチャネルの活性化は、例えば肺浮腫の場合の肺における水の蓄積の低減に用いられ得る。
本発明の開発の過程で、本発明の式I[式中、X1およびX2は上記で定義された通りである。]の、例えば、配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドの肺組織を通しての血中への能動または受動輸送は、望ましくなく、起こるべきではないことが見出されたが、これは、もし配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドが、肺組織の表面に沈着し、頂端配向のアミロライド感受性ナトリウムイオンチャネルを活性化できるように経口吸入を通して肺の空間に達すると、配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドの生理学的活性に実質的に寄与するためである。
驚くべきことに、本発明による凍結乾燥物から水の添加により調製されたエアロゾルの吸入後、本発明のペプチドは血中で検出されなかったことが示された(実施例10)。
吸入製剤は、過去および現在において通常、肺組織を通した吸入の後、血流へと通り過ぎるように開発されており、それゆえ、できる限り非経口注入が避けられている。これまでの吸入医薬の標的は主に全身作用である。血中における薬剤の分布を通して、分子は各組織や器官に到達する。しかしながら、全身適用の実質的不利益は、処置すべき疾患と関係がない身体の器官や組織での毒性や副作用に関して非常に幅広い。
これとは対照的に、本発明の凍結乾燥物から製造された水性エアロゾルを投与すると、ペプチドは空気と肺上皮の間のバリアに到達し、ナトリウムチャネルを活性化する。本発明のペプチドはこのようにして肺の上皮組織へ「局所的に」作動し、全身的ではない。肺組織を通してのペプチドのステップは望ましくないが、起こらない。
文献で知られているペプチド処方物とは対照的に、本発明の凍結乾燥物から製造され、かつ、添加剤を含有しない水性エアロゾルによれば、吸入されたペプチドが肺を通して血中に広がることを避けることに成功した。これにより、肺以外の他の器官に対しても、ペプチドに見込まれる全身性の毒性特性を避けることができるという、非常に好ましい効果が得られる。別の方法で通常の副作用を取り除いてもよく、これにより優れた薬効が提供される。血中へ拡散させることなく内側肺表面へ局所投与することにより、全身適用と比較して必要とされる活性物質が著しく少なくなる。
さらにまた、驚くべきことに、式Iの環状ペプチド、特には、配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドを、添加剤を伴わずに含んでなる本発明による凍結乾燥物において、化学的かつ生物学的な不安定性を事実上数か月から数年にかけて排除できることが明らかとなった。すなわち、本発明の式Iの環状ペプチド、例えば、配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチド、の化学構造および生物学的活性は、驚くべきことに一般的に使用される添加剤および/または安定化剤を伴わないにも関わらず損傷を受けないことが明らかとなった。
本発明の式I、特には配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドを吸入で投与すると、環状ペプチドは、例えば、スプレー用装置(ネブライザー)の保管容器において、添加剤を伴わなくとも、溶解された形態、すなわち水溶液において長時間安定であるように構成されることが明らかとなった。加えて、本発明の式Iの、特には本発明の配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドは、吸入形態への変換の際、驚くべきことに一般的に使用される添加剤および/または安定化剤を伴わなくとも、配列番号1〜6の環状タンパク質が損傷を受けず、よって十分に活性が維持されるような方法で製造することができることが分かった。
例えば、スプレーすることに適切な形態である、本発明の式I、特には配列番号1〜6のペプチドの少なくとも1つの溶液の製造に関し、これらのペプチドは水に溶解させてよく、得られた溶液は、例えば、一般的に使用される添加剤および/または安定化剤等としてのさらなる添加剤を伴わずに凍結乾燥させてもよく、それにより粉末を得ることができる。凍結乾燥の前に、混濁物を除去するために溶液を濾過してもよい。
本発明のさらなる面によれば、スプレーすることに適したエアロゾル、特には添加剤および/または安定化剤を伴わないエアロゾルの製造のための、本発明による凍結乾燥物の使用が提供される。
本発明による凍結乾燥物の使用は、本明細書において「本発明による(の)使用」とも表される。
このような凍結乾燥形態の式I、特には、配列番号1〜6のペプチドは、通常の添加剤および/または安定化剤を添加しなくても、低温環境で少なくとも24か月および室温で少なくとも6か月安定であることを見出した。
本発明による凍結乾燥物は、エアロゾルを直接調製するために、または溶液として保管(例えば、保管容器において)するために、例えば、添加剤を伴い、または伴わずに、例えば、添加剤を伴わずに、エアロゾルを得るために投与用水に溶解させてもよい。
さらなる面において、本発明によれば、式I[式中、X1およびX2は上記で定義された通りである。]のペプチドが、特には、添加剤および/または安定化剤を伴わずに、水溶液に存在する凍結乾燥物の使用が提供される。
驚くべきことに、有利には、このように溶解された式I[式中、X1およびX2は上記で定義された通りである。]、特には、配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドは、溶液において少なくとも7日間安定であり、すなわち、環状ペプチドの生物学的活性は、吸入形状に変換する際に、通常の添加剤および/または安定化剤を添加しなくても減少しないことが明らかとなった。
本発明、特には、配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドを適用すると、ペプチドの溶液は、例えば環状ペプチドをスプレーするネブライザーにより、エアロゾルへ変換することができるように構成されることが分かった。それにより、エアロゾル粒子は5μm以下の直径を有するように得られることが分かった。
さらにまた、≦5μmの直径を有する液滴を主に含んでなるエアロゾルは、結果としてエアロゾルが肺の空間に到達するため、特に投与に適していることが明らかとなった。液滴サイズの下限は単に実施可能な液滴サイズに従う。
さらなる面において、本発明によれば、粒径が≦5μmの直径を有するエアロゾルの製造のための凍結乾燥物の使用が提供される。
さらなる面において、本発明によれば、凍結乾燥物から製造されるエアロゾルが、吸入剤の形態で肺機能を改善および/または調整するために用いられることを特徴とする、本発明による凍結乾燥物の使用が提供される。
さらなる面において、本発明によれば、本発明による凍結乾燥物から製造されるエアロゾル、特には添加剤を伴わないエアロゾルの肺機能の改善のため、例えば、肺浮腫の処置のための使用が提供され、
さらなる面において、添加剤を伴わない本発明による凍結乾燥物を吸入剤の形態で患者に投与することを特徴とする、肺機能を改善するため、例えば、肺浮腫を処置するための方法が提供され、および
さらなる面において、肺機能を改善/調整するために、または、肺機能を改善/調整するために吸入するために使用するための本発明による凍結乾燥物が提供される。
適当な投与量は、異なる因子、例えば、式Iの環状化合物の化学的性質および薬物動態特性、個々の宿主、例えば、その体重、年齢、および患者の個々の状態、ならびに疾患の性質および重篤度に依存する。しかしながら、一般的に、大型哺乳動物、例えばヒトにおける満足できる結果については、例えば数回、例えば4回までの(部分)投薬で投与される、(およそ)0.1mg/kg体重〜約(およそ)200mg/kg体重、例えば、1mg/kg体重から100mg/kg体重までの(1日)投与量が、満足できる結果をもたらし得る。子供は通常、成人の投与量の半分が与えられる。
本研究ではさらに、驚くべきことに、生体外でドナー肺を、すなわち、患者への移植前、式Iの環状ペプチド[式中、X1およびX2は上記で定義された通りである。]、特には、配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドで処置することにより、肺機能が改善/調整されることが示された。これにより、移植される肺が移植前に本発明の凍結乾燥物由来のエアロゾル(特には、添加剤を伴わない)で処置されると著しい改善が達成されることが示された。
さらなる面において、本発明によれば、ドナー肺に、本発明による凍結乾燥物から、特には添加剤および/または安定化剤を伴わずに製造される水性エアロゾルを生体外でスプレーすることを特徴とする、肺機能を調整/改善するための体外方法が提供される。
肺の処置はまた、受容者において移植がなされた後にも行うことができる。
よって、図1に示されるような結果が得られた。それによるエアロゾル中の本発明による式Iの環状ペプチドの濃度は5nM〜およそ150nMであった。
図1は、配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドの濃度依存的な活性を示す。x軸は、配列番号1〜6の環状タンパク質の濃度をnM(対数目盛り)で示し、y軸はナトリウムイオン流を%で示す。 図2は、肺移植をシミュレーションする体の外(体外(extra-corporal)、生体外(ex vivo))での肺灌流における配列番号1の環状ペプチドの吸入適用の結果を示す。図2Aにおいて、x軸には時点T1〜T4を示し、配列番号1のペプチドの吸入適用後(1時間に1度)測定を行った。y軸にはコンプライアンスをプロットし、図2Bにおいては、x軸には再び時点T1〜T4を、y軸には動静脈pO2の差のΔpO2をプロットする。対照として注入用水(WFI)を用いた。グループごとに8回の実験の平均を示す。 図3は、配列番号1〜7のアミノ酸配列を有するペプチドの凍結乾燥サイクルを示し、パネル温度(実線)および生成物温度(点線)は℃で(y軸)、時間は分で(x軸)プロットする。 図4は、冷却トラップにおいてエアロゾルを濃縮するための実験用アセンブリを図式的に示す。ここで、 1は、氷と塩が充填されたポリスチレン容器を示し、 2は、溶解されたペプチド(対照物質)を有する小チューブを示し、 3は、ネブライザーを示し、 4は、保管空間を示し、かつ 5は、対照モジュールを示す。 図5は、2つの異なるネブライザー(A型およびB型)から生産される、配列番号1のアミノ酸配列を有する環状ペプチドのエアロゾルの平均粒径分布を示す。レーザー回析(流速:15L/分)により決定を行った。エラーバーが示すもの=SD。線はエアロゾル中、≦5μmの直径を有する粒子の個々の部分を示す。x軸には液滴サイズをμmで、y軸には累積量を%でプロットする。 図6に、呼吸模擬装置における配列番号1のアミノ酸配列を有する環状ペプチドのエアロゾルの各場所:1=吸入フィルター2=呼気フィルター3=フィルター接続部4=ネブライザーY部(一方向弁を含む)5=ネブライザー中の残留物(A型およびB型の2種のネブライザーを用いた。)での分布を示す。
実施例1:ペプチド合成
ペプチドは、以下の工程に従って製造された:
アミノ酸の連続的結合;固相からの選択的切り出し;精製および凍結乾燥、選択的環化;保護基の開裂;精製および凍結乾燥;解析調査。
すべての本発明の環状ペプチド、配列番号1〜6のアミノ酸配列のペプチドおよび配列番号7のアミノ酸配列を有するペプチドは、担体(2−クロロトリチルクロリド樹脂)上で固相合成の形式のフルオレニルメトキシカルボニル/t−ブチル保護方法に従って完全自動で製造した。ジイソプロピルカルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールをカップリング試薬として使用した。カップリング工程はいずれも溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミドにおいて行った。それにより、保護されたアミノ酸は出発物質として使用されたC末端アミノ酸にそれぞれ連続的に結合させた。フルオレニルメトキシカルボニルの脱保護は、N,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンにおいて行った。完成された部分的に保護されたペプチドの樹脂からの切り出しは、酢酸およびジクロロメタンの1:1の混合物において行った。
システイン含有ペプチドの場合、担体(樹脂)からの切り出しの後、側鎖の脱保護を95%トリフルオロ酢酸において行い、その後すぐに、塩基pH(8.5)にて90時間、粗直鎖ペプチドのエアレーションにより達成可能な末端システイン残基の酸化により環化を行った。粗環状ペプチドを、RP−C18−シリカゲルカラムでの逆相中圧液体クロマトグラフィー(RP−MPLC)により、5%〜40%アセトニトリル/水の勾配で精製した。最後に、トリフルオロ酢酸イオンを、Lewatit MP64カラム上で、酢酸により置換した(酢酸型)。水での洗浄の後、精製されたペプチドを酢酸塩として凍結乾燥し、白色から灰白色の粉末として得た。
システイン不含ペプチドの場合、担体(樹脂)から切り出した後、環化工程を部分的に保護された直鎖ペプチドに行った。システイン不含ペプチドの選択的環化の後、トリフルオロ酢酸において側鎖の脱保護を行い、その後、分取RP−MPLCクロマトグラフィーによりトリフルオロ酢酸イオンの酢酸による置換と酢酸型の凍結乾燥をシステイン含有ペプチドと同様に行った。
その後、配列番号1〜6の環状タンパク質について逆相HPLCにより純度および質量に関する分析を行った。
配列番号1の環状タンパク質の純度は96.3%であった。m/z(ESI)1924.2(M++1)。
配列番号2の環状タンパク質の純度は96.3%であった。m/z(ESI)1924.2(M++1)。
配列番号3の環状タンパク質の純度は98.8%であった。m/z(ESI)1888.2(M++1)。
配列番号4の環状タンパク質の純度は97.4%であった。m/z(ESI)1873.4(M++1)。
配列番号5の環状タンパク質の純度は99%であった。m/z(MALDI−TOF)1901.6(M++1)。
配列番号6の環状タンパク質の純度は99%であった。m/z(MALDI−TOF)1902.7(M++1)。
配列番号7の環状タンパク質の純度は95%であった。m/z(MALDI−TOF)1778.02(M++1)。
配列番号7:
シクロ(CGQREAPAGAAAKPWYC)
のアミノ酸配列を有する化合物[式中、両末端のシステイン残基の間でジスルフィド架橋が形成される。]は生物学的に不活性であることが明らかとなったため、比較目的で使用した。
実施例2:アミロライド感受性上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)の電気生理学的試験
巨視的ナトリウムイオン電流は、「パッチクランプ」技法による「ホールセル」コンフィギュレーションにおけるヒト肺上皮細胞A549に由来した(Hamill et al, Pflugers Arch. 1981, 391(2):85-100., 1981)。「ホールセル」コンフィギュレーションにおける電流については以下のバスおよび電極溶液を使用した:
バス溶液:135mMメタンスルホン酸ナトリウム、10mM NaCl、2.7mM KCl、1.8mM CaCl2、2mM MgCl2、5.5mMグルコールおよび10mM HEPES、pH7.4。
電極溶液:120mMメタンスルホン酸カリウム、15mM KCl、6mM NaCl、1mM Mg2ATP、2mM Na3ATP、10mM HEPESおよび0.5mM EGTA(pH7.2)。
カバーガラスとその上の培養された細胞を1mlの容量の試験バスに移し、顕微鏡台に固定し(Axiovert100、400倍拡大)、細胞を上記バス溶液で灌流した。次いで、(カバーガラスに付着した)適当な細胞から電流を推測した。このため、電解質溶液(約1〜3μmの規定の加熱研磨された先端開口部を有するガラス毛管が3〜5MΩの電極先端部の電気抵抗に対応する)を充填した微小電極を取り付け、膜を吸引し、それにより、リーク電流を最少にするため、膜と電極との間に「ギガオームシール」を形成させた。「ホールセル」コンフィギュレーションでは、細胞のすべてのイオンチャネルを通して流れる電流の測定を可能にするために、電極先端部の下の膜を破壊した。「ギガオームシール」を得ると、規定の膜保持電位が前置増幅器(CV−4 Headstag、アクソン・インスツルメンツ)および増幅器(Axopatch 1D、アクソン・インスツルメンツ)を通して生じ、それによりイオンチャネルを通して流れる電流が測定される。
パルスのプロトコールは、5秒間の−100mVの細胞膜の過分極および続く20mVずつの+100mVへの段階的な脱分極から構成された。
このプロトコールは、環状タンパク質添加の前(対照)および後に行った。このようにして得られた電流をプログラムPCLAMP6.0により記録し、分析した。このため、アミロライド存在下で得られた電流を先に記録した電流から差し引き、その結果、上皮ナトリウムチャネルによるアミロライド感受性ナトリウム電流を決定することができた。
測定の結果としては、細胞のアミロライド感受性ナトリウムイオン電流に対する配列番号1〜7の環状タンパク質の活性を示す表1に概要を示す。個々のペプチドの活性はEC50(nM)として示す。EC50は、最大活性(すなわち、電流の強さIの最大増加)の50%が測定される効果濃度である。
図1では、配列番号1〜7の環状タンパク質の活性を濃度依存的にプロットする。最大活性は100%で示した。
表1および図1に示される試験は、配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドは生物学的に活性であり、一方、配列番号7のアミノ酸配列を有する環状ペプチドは、構造的にはある程度似ているが不活性であることを示す。
実施例3:凍結乾燥物の製造
式Iの環状ペプチドの安定保管形態の開発を技術的規模で行った。そのため、配列番号1〜6の環状ペプチドと配列番号7の環状ペプチドを純水に0.1mg/ml〜100mg/mlの量で溶解し、混濁物、汚染、滅菌されていない可能性のあるものを除去するために細孔径0.2μmのフィルターにより濾過した。
濾過後、純水に溶解された環状ペプチドをガラスまたはプラスチックのアンプルに分注し、フリーズドライ(凍結乾燥)により安定な粉末に変換した。それにより、表2に記載される凍結乾燥パラメータおよび図3に記載される凍結乾燥サイクルが得られた。
凍結乾燥の結果、配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドについてそれぞれ白色粉末が得られた。
実施例4:実施例2の凍結乾燥物の室温および冷蔵庫保管後の安定性試験
配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの凍結乾燥物の安定性試験を技術的規模で行った。そのため、2〜8℃で24か月までと、25℃、相対湿度60%で6か月まで凍結乾燥物の保存を行った。安定性はこの期間の異なる時点で試験を行った。特に、環状ペプチドの外観、含有量、純度について試験を行った。そのために、例えば、目視検査や逆相HPLC等の研究室で一般的な分析方法を用いた。
加えて、2〜8℃で24か月保管後、パッチクランプ実験により生物学的活性を決定した。それにより、A549細胞の巨視的電流を、下記「アミロライド感受性ナトリウムイオンチャネル(ENaC)の電気生理学的試験」で記載される「パッチクランプ」技法の「ホールセル」コンフィギュレーションにおいて推測した。
表3に、配列番号1〜6のアミノ酸配列を有する環状ペプチドのそれぞれの凍結乾燥物の、それぞれ、時点T=0および6か月後(T=6M)または24か月後(T=24M)での安定性試験の結果の概要を示す。全時点で外観は変化しなかった。環状ペプチドの含有量と純度はわずかな変動を示すのみである。
配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの凍結乾燥物はそれぞれ2〜8℃で24か月までと25℃/60%相対湿度で6か月までの間安定である。
パッチクランプ実験により測定された生物学的活性によれば、配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドのそれぞれの凍結乾燥物は2〜8℃で24か月の保存後であっても十分に活性であることが明らかとなった。
実施例5:吸入前の配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液の製造
配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状タンパク質の投与用プレ製剤について、実施例2に従って凍結乾燥により得られた安定白色粉末をそれぞれ規定容積の純水に溶解し、0.1mg/mlおよび100mg/mlの間の濃度で得た。得られた配列番号1〜6の環状タンパク質の溶液はその後ネブライザーの保管容器に移した。配列番号1〜6の環状ペプチドを水に溶解することにより透明な溶液を得た。
実施例6:溶解製剤における配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの吸入後の安定性についての試験
実用的な理由から、配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液は、吸入用に製造した後、直接使用できるとは限らない。このような理由から、水溶液の安定性を実験的に試験した。よって、すぐに使える溶液を、研究室で一般的に使用されるシリンジにおいて2〜8℃で7日間、あるいは、ネブライザーの容器において25℃で24時間のいずれかで保存した。特に、配列番号1の環状タンパク質の外観、含有量および純度を試験した。よって、使用する方法は、例えば、目視検査や逆相HPLCによる分析として研究室で一般的に用いられる分析方法を用いた。
配列番号1のアミノ酸配列を有する環状ペプチドの水溶液の安定性試験の結果を表4に示す。全時点で外観は変化しなかった。環状ペプチドの含有量と純度はわずかな変動を示すのみである。
よって、吸入用の配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液は、研究室で一般的に使用されるシリンジにおいて2〜8℃で7日間安定であり、ネブライザーの容器において25℃で少なくとも24時間安定である。
実施例7:溶解された製剤における配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドのエアロゾルへの変換の間の安定性に関する試験
タンパク質およびペプチドは予想以上に不安定であることがあるため、溶解された製剤における配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドがエアロゾルへの変換の間、安定性が維持されるか否かを試験した。そのために、実施例4に記載されるように環状ペプチドを水に溶解した。ネブライザーの保管容器に充填した後、環状ペプチドの水溶液をエアロゾルに変換した。これには「メッシュ式」ネブライザーを使用した。ネブライザーから排出されるエアロゾルを図4に示すような冷却トラップに回収した。回収されたエアロゾルの生物学的活性をパッチクランプ法により決定した。それにより、A549細胞の巨視的電流を、下記「アミロライド感受性ナトリウムイオンチャネル(ENaC)の電気生理学的試験」で記載される「パッチクランプ」技法の「ホールセル」コンフィギュレーションにおいて推測した。
濃縮されたエアロゾルの化学的安定性を逆相HPLC/MSにより決定した。
溶解された製剤における配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドは、エアロゾルへの変換の間、その生物学的および化学的安定性が維持されることを実験的に示すことができた。
実施例8:配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドのエアロゾルの物理化学的特性
水溶液をエアロゾルに変換するネブライザーにより、配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液もエアロゾルに変換することができる。このようなエアロゾルは中間液滴サイズおよびエアロゾル液滴のサイズ分布に関して特徴づけることができる。これには薬局方にも記載される従来法を使用する。分析方法の1つとしてカスケードインパクター、実際の構成には「次世代インパクター」を使用する。それにより、穴の直径を板ごとに小さくしていき、穴の量を増やす一連の篩板を通してエアロゾルを処理する。他の分析方法、レーザー回析測定では、レーザーにより液滴サイズを測定する。これらの測定の間に決定される2つの重要なパラメータのうち、一方はすべての液滴の直径のメジアン、他方は≦5μmの直径を有する液滴の量である。文献には、吸入されたエアロゾル粒子が実際に肺に到達する限界としての直径が記載されている。
実際に生成されたエアロゾルから一部のみが患者に利用可能であることが漫然と知られている。よって、使用者に利用可能なエアロゾルの量を決定するために呼吸模擬装置で試験を行った。粒径を試験し、呼吸模擬装置を実行するために、配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液からのエアロゾルを使用した。エアロゾルを生成するために異なるネブライザー型を使用した。ネブライザーAおよびBはいわゆる「メッシュ式ネブライザー」である。
3つの異なるネブライザーから生成される、配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドのエアロゾルの特性を示す表5および図5を参照すると、エアロゾル中、≦5μmの直径を有する液滴の量はすべてのネブライザーにおいて少なくとも50%であった。
さらにまた、「吸入フィルター」での環状タンパク質の定量的検証が記載される図6に示されるように、ネブライザーにより生成された、配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液のエアロゾルの主な部分は吸入に利用可能である。利用可能でないエアロゾルの部分は極めて少ない(図6)。
実施例9:非経口投与後の血中の 配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの証明
非経口投与後の血中の配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの実験的証明をイヌおよびラットにおいて行った。その実験のために、ボーラスとして配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液(25mg/kg体重)を実験動物に静脈内投与した。静脈内適用終了の直後、血液を採取し、配列番号1のアミノ酸配列の環状タンパク質の濃度を研究室で一般的な逆相HPLC/MSにより決定した。結果は、静脈内適用後の配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドの血漿濃度を示す表6に示す。
実施例10:エアロゾルとして吸入後の肺組織における配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの証明
配列番号1〜6のアミノ酸配列の環状ペプチドの証明はラットの肺組織において行うことができる。その実験のために、配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドの水溶液からネブライザーを用いてエアロゾルを生産した。エアロゾルは実験動物に吸入させた(72mg/kg体重)。エアロゾル吸入の終了後、実験動物の肺組織を血液について検討を行った。逆相HPLC/MSにより配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドの濃度を決定した。代表的に、配列番号1のアミノ酸配列の環状ペプチドは、合計で72mg/kg体重の吸入後、1.2μg/gの濃度で肺組織において検出することができた。対照的に、配列番号1のアミノ酸の環状ペプチドは検出限界0.1μg/mlまで血中では検出することができなかった。
実施例11:脱グリコシル化細胞表面に対する配列番号1〜7のアミノ酸配列のペプチドの影響
ホールセル実験において、パッチクランプ測定の直前に、A549細胞を酵素「PNGase F」(ペプチド−N4−(N−アセチル−β−D−グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼF)、100ユニットで1〜5分間インキュベートし、1mLバスのチャンバーに移す前に、培養された細胞を有するカバーガラスを外液ですすいだ。対照の記録後、240nMの配列番号1のアミノ酸配列のペプチドをバス溶液に添加した。対照条件下で前処置をせず、引き続いて配列番号1〜7のアミノ酸配列のペプチドを添加する細胞と、PNGase Fによる前処置を伴う細胞から総細胞電流をEh=−100mVで記録した。ホールセル様式におけるパッチクランプアッセイ使用の下での脱グリコシル化実験の結果を、配列番号1〜7のアミノ酸配列のペプチドによるナトリウム電流の活性化に対するA549細胞の脱グリコシル化の影響を示す表7に示す。ホールセル電流はEh=−100mVで記録した。バス溶液中の配列番号1〜7のアミノ酸配列のペプチド濃度は240nMであった。
パッチクランプアッセイの前にPNGase Fを伴う細胞(処置)は、配列番号1〜6のアミノ酸配列のペプチドのナトリウム電流を増加させる能力を低下させた。ペプチドをバスに添加しない制御条件の下、−100mVの保持電位では、非処置細胞においてもPNGase Fで前処置した細胞においてもナトリウム電流が25.4pAであった。非処置細胞においては、バス溶液へ配列番号1〜6のアミノ酸配列のペプチドを添加し(最終濃度240nM)、−100mVの保持電位で、ナトリウム電流は著しく1,000pA以上となった。対照的に、配列番号7のアミノ酸配列のペプチドは活性を示さなかった。
実施例12:ブタへの肺移植実験
脳死ブタを仰向けにし、垂直胸骨切開を行った。心膜と両胸膜腔を開いた。下および上大静脈を包囲した。右心室排出管における巾着縫合により流入カテーテルを肺動脈に挿入した。下および上大静脈を接続させることにより流入閉塞を、大動脈をホチキスでとめることにより排出閉塞を得た。その後、流入カテーテルを通して、冷等張保護溶液(50ml/ブタのkg体重、カリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオン、デキストラン、グルコース、緩衝液イオンを含んでなる)で予防的にすすぐことにより肺を保護した。左心管の切断により排出を生じさせた。その間に肺を50%酸素に曝し、氷スラッジを両胸膜腔と縦隔に入れた。
外植技術は、要すると、以下の工程に従って、心臓と食道を除去した。
a)気管の両側の胸腔に渡る軟組織を切開する。
b)両肺間膜の切断(非常に深く、困難な露出)、その後、それぞれ、下部胸部上行大動脈または食道のVCIの切断。
c)残存する縦隔接着の鈍的分離。
d)クリップでの気管閉鎖前のドナー肺の完全拡張。
外植の後、肺をガーゼで包み、アイスバッグに入れ、低カリウム−デキストラン−細胞外溶液で満たし、4℃で18〜24時間保存した。
生体外肺調整のために、EVLP技術を用いた(血管外肺灌流)。EVLP技術では、ドナー肺をポンプ、エアレーターおよびフィルターから構成される循環に入れる。EVLP技術では、温度を37℃まで上昇させることができる。EVLP技術では、酸素を肺に送達するためにエアレーターを用いる。ポンプは、ヒトアルブミンおよび栄養素を含有する細胞外溶液とともに肺を灌流するためにポンプを用いる。EVLPの間、肺の機能は、鍵となる指標に関して定期的に評価することができる。
実験ブタ肺移植実験については、EVLP循環を2.0リットルのヒトアルブミン溶液でプライムした。この細胞外溶液は最適な膠質浸透圧を有した。循環を通気した後、肺と接続するまでプライム物質を20℃で循環させた。ヘパリン、セフロキシム、メチルプレドニゾロンを灌流液に添加した。
ブタ由来のドナー肺の処理は、左心房を開いて副子固定し、閉鎖された灌流循環を維持するために、左心房カフ(LA)に組み込まれた圧力監視付きカテーテルを有するシラスティックの漏斗状のチューブに縫い付けることで開始した。
確実かつ十分な排水の排出を達成するために、そのチューブを、進行中の5−0mモノフィラメント糸の使用の下で、LAカフに固定し吻合した。同型のカニューレを肺動脈(PA)の貫通のために使用し、必要に応じてPAサイズに調整するために修正を加えた。500ml緩衝細胞外溶液の使用の下で、逆行性バックテーブルリンスを行った。気道を洗浄するために、ドナー肺をEVLP循環に固定する前に、気管を開き、直接気管支の吸出しを行った。気管内チューブ(サイズ8mm I.D.)を気管に導入し、臍帯バンドでしっかりと固定した。その後、肺をEVLP循環ユニットに移した。最初に、PAカニューレを通気させるために、LAカニューレと循環を接続し、逆流をゆっくりと開始した。通気が完了次第、PAカニューレを循環に接続し、150ml/分の順行性の流れを灌流液を用いて室温で開始した。次の30分で、灌流の温度を段階的に37℃に上昇させた。温度が32〜34℃に到達次第、エアレーション速度と灌流液の流速を段階的に上昇させることにより、ブタのドナー肺の機械的エアレーションを開始した。
EVLPガスの流れは、開始される(0.5L/分のガス流で開始し、流入灌流液pCO2に基づいて滴定)ガス変換器膜により、肺へ酸素を運び、二酸化炭素を流入灌流液へ送達し(86%N2、6%O2、8%CO2)、流入灌流液圧(pCO2)は35〜45mm Hgに維持される。肺が十分に拡張されると、単純液体標準ネブライザー系使用の下で、単回投与量のAP301(5ml水中、1mg/kg)をEVLP系スイッチングにより、ブタのドナー肺に与え、換気し、通過させた。
EVLP実験の間、血流を定期的に決定した。以下の機能パラメータは毎時間測定し、記録した。
−肺動脈流(PAF):L/分
−(平均)肺動脈圧(PAP):mmHg
−左心房圧(LAP):mmHg
−肺血管抵抗(PVR=[PAP−LAP]×80/PAF):ダイン/秒/cm−5
−気道の中圧、最高圧およびプラトー圧(mAwP、ピークAwP、プラトーAwP):cm H2
−動的コンプライアンス(mL/cm H2O)
−灌流ガス分析−流入(PA)および流出(PV)pO2、pCO2およびpH。
結果
本研究は、肺移植をシミュレーションする体外系における肺機能に対する配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドの影響を評価する。研究の結果によれば、図2Aおよび図2Bに示されるように、吸入を通して投与すると、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドで処置された肺において動的肺適合や動静脈pO2の差のΔpO2の双方が改善されることが示された。
配列番号7のアミノ酸配列を有するペプチドを使用しても肺に対する影響を改善しないことが示された。

Claims (9)

  1. 下記式の環状ペプチド:
    −GQRETPEGAEAKPWY−X
    [式中、
    は、天然および非天然アミノ酸を含んでなる、1〜4個のアミノ酸(配列)を含んでなり、かつ、
    は、天然アミノ酸を含んでなり、かつ、
    は、左側の1位にN末端アミノ酸を含んでなり、かつ、Xは、右側の位置の最後にC末端アミノ酸を含んでなる。]
    を含有し、添加剤および安定化剤を伴わない吸引用の水性エアロゾルの形態である医薬であって、
    前記式Iの環状ペプチドは、酢酸塩の形態であり、
    前記水性エアロゾルは、添加剤および安定化剤を伴わない、酢酸塩の形態である式Iの環状ペプチドの凍結乾燥物を含有し、
    前記添加剤および安定化剤は、凍結乾燥時および噴霧時の加熱および加圧に対して、ペプチドの化学構造および生物学的活性を維持するためのものである、医薬。
  2. 式I中のXが、C(Cys)、KSP(Lys−Ser−Pro)、K(Lys)、オルニチン、4−アミノ酪酸、β−アラニンのアミノ酸(配列)から選択される、請求項1に記載の医薬。
  3. 式I中のXが、C(Cys)、D(Asp)、G(Gly)およびE(Glu)の群から選択される、請求項1または2に記載の医薬。
  4. 式Iの環状化合物が、
    −配列番号1:
    シクロ(CGQRETPEGAEAKPWYC)
    [式中、両末端のシステイン残基の間でジスルフィド架橋が形成される。];
    −配列番号2:
    シクロ(KSPGQRETPEGAEAKPWYE)
    [式中、N末端のリジン残基のε−炭素原子に結合しているアミノ基とC末端のグルタミン酸残基のγ−炭素原子に結合している側鎖カルボキシ基との間でアミド結合が形成される。];
    −配列番号3:
    シクロ(KGQRETPEGAEAKPWYG)
    [式中、N末端のリジン残基の側鎖のε−炭素原子に結合しているアミノ基とC末端のグリシン残基のカルボキシ基との間でアミド結合が形成される。];
    −配列番号4:
    シクロ(オルニチン−GQRETPEGAEAKPWYG)
    [式中、N末端のオルニチン残基の側鎖のδ−炭素原子に結合しているアミノ基とC末端のグリシン残基のカルボキシ基との間でアミド結合が形成される。];
    −配列番号5:
    シクロ(4−アミノ酪酸−GQRETPEGAEAKPWYD)
    [式中、N末端の4−アミノ酪酸残基のアミノ基とC末端のアスパラギン酸残基のβ−炭素原子に結合している側鎖カルボキシ基との間でアミド結合が形成される。];および
    −配列番号6:
    シクロ(β−アラニン−GQRETPEGAEAKPWYE)
    [式中、N末端のβ−アラニン残基(3−アミノプロパン酸残基)のアミノ基とC末端のグルタミン酸残基のγ−炭素原子に結合している側鎖カルボキシ基との間でアミド結合が形成される。]
    のアミノ酸配列のペプチドから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
  5. スプレーされるエアロゾルの粒径が、≦5μmの直径を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬。
  6. 肺機能を改善するための、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬。
  7. 肺浮腫の治療のための、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬が含有する水性エアロゾルの調製方法であって、
    添加剤および安定化剤を伴わない、酢酸塩の形態である請求項1に定義される前記式Iの環状ペプチドの凍結乾燥物を水に溶解する工程、および
    得られた水溶液を、添加剤および安定化剤を伴わずに、スプレーする工程を含む、調製方法。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬を、ドナー肺に生体外でスプレーする、肺機能を改善するための体外方法。
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