本発明の各実施形態に関わる技術について以下に簡単に説明する。
[物理チャネル/物理シグナル]
EUTRA(LTE、LTE−A)で使用される主な物理チャネル、物理シグナルについて説明を行なう。チャネルとは信号の送受信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送受信に用いられる物理的な媒体を意味する。本発明において、物理チャネルは、信号と同義的に使用され得る。なお、物理チャネルは、EUTRA(LTE、LTE−A)を発展させた通信システムにおいて、チャネル種別の追加、または、その構造(構成)やフォーマット形式が変更または追加される可能性があるが、そのような場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAでは、物理チャネルまたは物理シグナルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1サブフレームは1ms、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(1スロット)で構成される領域で定義される。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナル(PSS)と、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナル(SSS)とで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(物理セルID(Physical Cell Identity; PCI))と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルの物理セルIDを特定する。
物理報知情報チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(MIB; Master information block)を通知(設定)する目的で送信される。基地局装置は、物理報知情報チャネルによってMIBを含むマスターインフォメーションブロックメッセージを通知(送信)する。マスターインフォメーションブロックメッセージで端末装置に通知(設定)される情報、すなわちMIBで通知される情報は、下りリンク周波数帯域幅、システムフレームナンバー、およびHybrid ARQに関する物理チャネル(PHICH)の設定情報などである。
基地局装置は、サブフレーム位置と周期が静的に定まる(pre-defined)システムインフォメーションブロック タイプ1(SIB1; System information block Type1)メッセージと、レイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)であって、システムインフォメーションブロック タイプ1で指定されるシステムインフォメーションウィンドウ(SI−window)内で動的にスケジューリングされるシステムインフォメーションメッセージと、を用いてマスターインフォメーションブロック以外のセル共通情報(報知情報)を端末装置に送信する。
システムインフォメーションメッセージは、物理下りリンク制御チャネルで示される無線リソースにおいて物理下りリンク共用チャネルを用いて通知され、その用途に応じて分類された報知情報(システムインフォメーションブロック タイプ2〜タイプn(SIB2〜SIBn(nは自然数)))の一つを対応するシステムインフォメーションウィンドウ内で送信する。
報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)、ランダムアクセス設定情報、タイミング調整情報、セル毎の共通無線リソース設定情報、同周波数(異周波数、異RAT)の周辺セル情報(Neighboring cell list)、上りリンクアクセス制限情報などが通知される。
下りリンクリファレンスシグナルは、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有RS(CRS: Cell-specific reference signals)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルであり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンクリファレンスシグナルである。端末装置は、セル固有RSを受信することでセル毎の受信品質を測定することができる。また、端末装置は、セル固有RSと一緒に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照用の信号としてもセル固有RSを使用することができる。
セル固有RSに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。セル固有RSは、基地局装置より全ての下りリンクサブフレームで送信されてもよいし、基地局装置によって指定された下りリンクサブフレームでのみ送信されてもよい。また、端末装置は、セル固有RSを全ての下りリンクサブフレームで受信してもよいし、基地局装置によって指定された下りリンクサブフレームでのみ受信してもよい。
また、下りリンクリファレンスシグナルは下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンクリファレンスシグナルのことをチャネル状態情報リファレンスシグナル(Channel State Information Reference Signals;CSI−RS、CSI参照信号)と称する。また、CSI参照信号は、実際には信号の送信されない、または、ゼロパワーで送信されてもよい。一方、実際に信号が送信されるCSI参照信号は、非ゼロパワーCSI参照信号(NZP CSI-RS: Non Zero Power Channel State Information Reference Signals)と称してもよい。また、干渉成分を測定するために用いられる下りリンクの無線リソースの事をチャネル状態情報干渉測定リソース(CSI-IMR: Channel State Information - Interference Measurement Resource)あるいはCSI−IMリソースと称してもよい。
また、端末装置に対して個別に設定される下りリンクリファレンスシグナルは、UE specific Reference Signals(URS)、Demodulation Reference Signal(DMRS)と称され、物理下りリンク制御チャネル、拡張物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルを復調するときのチャネルの伝搬路補償処理のために参照される。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボル(例えば1〜4OFDMシンボル)で送信される。拡張物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH; Enhanced Physical Downlink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルPDSCHが配置されるOFDMシンボルに配置される物理下りリンク制御チャネルである。PDCCHまたはEPDCCHは、端末装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する制御情報などを通知する目的で使用される。以降、単に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)と記載した場合、特に明記がなければ、PDCCHとEPDCCHの両方の物理チャネルを意味する。
端末装置は、レイヤ2メッセージ(MAC−CE)およびレイヤ3メッセージ(ページング、システムインフォメーションなど)を送受信する前に自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメントとも称する)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。D2Dをサポートする場合、物理下りリンク制御チャネルはD2Dグラントを通知することができる。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したOFDMシンボルで送信される以外に、基地局装置から端末装置に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH; Physical Uplink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルで送信された下りリンクデータの受信確認応答(ACK/NACK;Acknowledgement/Negative Acknowledgement)や下りリンクの伝搬路(チャネル状態)情報(CSI;Channel State Information)、上りリンクの無線リソース割り当て要求(無線リソース要求、スケジューリングリクエスト(SR;Scheduling Request))を行なうために使用される。
CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記されてもよい。
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、ページングやシステムインフォメーションなどのレイヤ3メッセージを端末装置に通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される(通知される)。物理下りリンク共用チャネルは物理下りリンク制御チャネルが送信されるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに配置されて送信される。すなわち、物理下りリンク共用チャネルと物理下りリンク制御チャネルは1サブフレーム内で時分割多重される。
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、CSIやACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、上りリンクデータの他、上りリンク制御情報をレイヤ2メッセージおよびレイヤ3メッセージとして端末装置から基地局装置に通知するためにも使用される。また、下りリンクと同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンクリファレンスシグナル(上りリンク参照信号;Uplink Reference Signal(上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルとも呼称する))は、基地局装置が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調参照信号(DMRS; Demodulation ReferenceSignal)と、基地局装置が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング参照信号(SRS; Sounding Reference Signal)が含まれる。また、サウンディング参照信号には、周期的に送信される周期的サウンディング参照信号(Periodic SRS)と、基地局装置から指示されたときに送信される非周期的サウンディング参照信号(Aperiodic SRS)とがある。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知(設定)するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、複数のシーケンスによって基地局装置へ情報を通知するように構成される。例えば、64種類のシーケンスが用意されている場合、6ビットの情報を基地局装置へ示すことができる。物理ランダムアクセスチャネルは、端末装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。
端末装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の上りリンクの無線リソース要求のため、または、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要なタイミング調整情報(タイミングアドバンス(Timing Advance;TA)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するためなどに物理ランダムアクセスチャネルを用いる。また、基地局装置は、端末装置に対して物理下りリンク制御チャネルを用いてランダムアクセス手順の開始を要求することもできる。なお、D2Dの場合は、別の端末装置への送信のためにもTAを用いて送信タイミングの調整を行う。基地局装置に対するTA(第1のタイミング調整情報)と、D2Dに関するTA(D2D−TA(第2のタイミング調整情報))は、同じでも異なってもよい。
D2D−TAは、報知情報によってセル内で同じ値が通知されてもよいし、基地局装置から端末装置に対して個別に通知されてもよい。また、D2D−TAは、TAと同様に、基地局装置からの信号(例えば、MAC制御要素など)によってタイミング(値)が調整されるように構成されていてもよい。
レイヤ3メッセージは、端末装置と基地局装置のRRC(無線リソース制御)層でやり取りされる制御平面(CP(Control−plane、C−Plane))のプロトコルで取り扱われるメッセージであり、RRCシグナリングまたはRRCメッセージと同義的に使用され得る。なお、制御平面に対し、ユーザデータを取り扱うプロトコルのことをユーザ平面(UP(User−plane、U−Plane))と称する。
D2Dに関する物理チャネルとして、D2D同期シグナル(D2DSS;D2D Synchonization Signal)と、物理D2D同期チャネル(PD2DSCH;Physical D2D Synchonization Channel)などを用いることが検討されている。D2D同期シグナルは、PD2DSS(Primary D2DSS)と、SD2DSS(Secondary D2DSS)の2つの同期シグナルとで構成されてもよい。
また、物理D2D同期チャネルは、D2Dを送信する端末装置から送信され、D2Dに関する制御情報(たとえば、送信する端末装置に関する同期ID、リソースプール、システム帯域幅、TDDサブフレーム設定など)や、D2Dフレーム番号などを通知する目的で送信されてもよい。
また、D2Dを送信する端末装置が、D2Dを受信する端末装置に対してスケジューリング割り当て(Scheduling assignments:SA)を送信することもできる。SAは、D2Dに関する送信データに関するタイミング調整情報(D2D Reception Timing Advance(D2D−TA))、D2Dの内容(種別)を識別するID情報、かかるID情報に対応する送信データの無線リソースのパターン(RPT;Resource Patterns for Transmission)などを明示的、または暗黙的に通知することができる。
SAを受信した端末装置は、D2D同期シグナルから取得したタイミングと、SAに含まれるタイミング調整情報とに基づいてD2Dに関する送信データの受信タイミングを調整して受信することができる。なお、D2Dに関する送信データのタイミング調整情報は、PD2DSCHで送信してもよい。
また、RPTによって示されるD2Dに関する送信データの情報は、帯域幅情報、周波数領域のリソース情報、周波数ホッピング情報、時間領域のリソース情報などがある。D2Dを送信する端末装置は、SA、および、D2Dに関する送信データを通知する物理チャネルとして、PUSCHを用いてもよいし、それぞれ専用の物理チャネルを割り当ててもよい。
例えば、SAは、PSCCH(Physical sidelink control channel)という物理チャネルで送信されてもよい。また、D2Dに関する送信データは、Communicationであれば、PSSCH(Physical sidelink shared CHannel)という物理チャネルで送信されてもよいし、Discoveryであれば、PSDCH(Physical sidelink discovery CHannel)という物理チャネルで送信されてもよい。以降、SAと称したときは、SAを含む物理チャネル、または、かかる物理チャネルによって通知されるSA、のいずれかを意味して用いる。また、D2Dに関する送信データと称したときは、D2Dに関する送信データを含む物理チャネル、または、かかる物理チャネルによって通知される送信データ、のいずれかを意味して用いる。
PUSCHを用いる場合、D2Dを受信する端末装置は、対応する周波数でPUSCHを受信し、デコードを行う必要がある。
なお、それ以外の物理チャネルまたは物理シグナルは、本発明の各実施形態と強く関わらないため詳細な説明は省略する。説明を省略した物理チャネルまたは物理シグナルとして、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator CHannel)、物理HARQ指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator CHannel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast CHannel)などがある。
[無線ネットワーク、セル種別]
基地局装置によって制御される各周波数の通信可能範囲(通信エリア)はセルとしてみなされる。このとき、基地局装置がカバーする通信エリアは周波数毎にそれぞれ異なる広さ、異なる形状であってもよい。また、カバーするエリアが周波数毎に異なっていてもよい。基地局装置の種別やセル半径の大きさが異なるセルが、同一の周波数または異なる周波数のエリアに混在して一つの通信システムを形成している無線ネットワークのことを、ヘテロジニアスネットワークと称する。
端末装置は、端末装置のアクセスが基地局装置から通知される報知情報に基づいて禁止されていないと判断したセルであって、かつ、下りリンクの受信品質が所定の条件を満足し、その結果、かかるセルにキャンプすることによって、通常のサービスが許可されるセルを適切なセル(Suitable cell)とみなしてよい。端末装置が、キャンプしているセルから他のセルへ移動するときは、非無線リソース制御接続状態(アイドル状態(Idle mode)、非通信中)はセル再選択手順、無線リソース制御接続時(コネクティッド状態(Connected mode)、通信中)はハンドオーバ手順によって移動が行われる。
端末装置は、セル選択(セル再選択)手順によって適切なセルと判断されなかったセルを、一部のサービスのみが許可されているセル(制限セル)とみなしてよい。なお、端末装置は制限セルであってもキャンプすることができる。一部のサービスとは、たとえば緊急呼通信(Emergency call)である。端末装置は、セルにキャンプしている状態(アイドル状態)、または、あるセルにおいてコネクティッド状態にあるとき、基地局装置と通信可能なエリアに位置している、すなわち、セルのサービス区域内(カバレッジ内(in-coverage))である、と判断してよい。
基地局装置は、周波数毎に1つ以上のセルを管理している。1つの基地局装置が複数のセルを管理していてもよい。セルは、端末装置と通信可能なエリアの大きさ(セルサイズ)に応じて複数の種別に分類される。例えば、セルは、マクロセルとスモールセルに分類される。スモールセルは、一般的に半径数メートルから数十メートルまでをカバーするセルである。また、スモールセルは、そのエリアの大きさに応じて、フェムトセル、ピコセル、ナノセルなどに分類されることもある。
端末装置がある基地局装置と通信可能であるとき、その基地局装置のセルのうち、端末装置との通信に使用されるセルは在圏セル(Serving cell)であり、その他の通信に使用されないセルは周辺セル(Neighboring cell)と称される。
在圏セルの周波数は、同周波数(Intra-frequency)とも在圏周波数(Serving frequency)とも称される。同周波数ではない周波数は異周波数(Inter-frequency)と称される。キャリア・アグリゲーションやデュアルコネクティビティなどの技術によって、端末装置に対して複数の在圏セルが設定されている場合、対応する在圏周波数も複数あるとみなされる。
[バッファステータスレポート]
端末装置のMAC層は、論理チャネルに対応する送信バッファのデータ量の情報を用いて基地局装置に通知(報告)する機能を持っている。この機能をバッファステータスレポート(Buffer Status Report:BSR)と呼ぶ。BSRは、例えば、(1)送信可能な上りリンクデータが上位レイヤ(RLC層、PDCP層)で発生し、更に、かかる上りリンクデータに関わる論理チャネルの優先度が送信バッファ内のデータの優先度よりも高い、または、他に送信可能な上りリンクデータが存在しない場合、(2)BSRに関する再送信タイマー(retxBSR-Timer)が満了した場合、(3)BSRに関する周期タイマー(periodicBSR-Timer)が満了した場合、(4)BSRのMAC制御要素よりも大きいパディングビット(パディング領域)が存在する場合、にそれぞれMAC層でトリガされる。
いずれかのBSRのトリガ条件が満たされている場合であって、あるサブフレームにおいてBSRを通知するための無線リソース(物理上りリンク共用チャネルPUSCHの新規送信)が割り当てられていない場合、MAC層は、物理上りリンク制御チャネルPUCCHが割り当てられている(有効である)のであれば、物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用してスケジューリングリクエストを送信するようにPHY層に指示する。
あるいは、MAC層は、スケジューリングリクエスト送信のための物理上りリンク制御チャネルPUCCHが割り当てられていない(有効でない)のであれば、スケジューリングリクエストのためのランダムアクセス手順を開始し、物理ランダムアクセスチャネルPRACHの送信をPHY層に対して指示する。なお、MAC層は、無線リソースが割り当てられるまで、BSRをトリガ中の状態に維持しておく。トリガされたBSRは、BSRを基地局装置に送信する場合にキャンセルされる。
BSRは、そのトリガ条件によって、Regular BSR、Periodic BSR、Padding BSRにそれぞれ分類される。上述した条件(1)と(2)によってトリガされたBSRはRegular BSRであり、上述した条件(3)によってトリガされたBSRはPeriodic BSRであり、上述した条件(4)によってトリガされたBSRはPadding BSRである。
BSRは、MAC制御要素を用いて報告される。BSRが報告されるMAC制御要素のフォーマット(ビット構造)には、1つの論理チャネルグループのバッファ状態を報告するShort BSRと、複数の論理チャネルグループのバッファ状態を報告するLong BSRがある。また、PaddingBSRの送信に関し、Long BSRを送信するに十分なパディング領域が存在しない場合は、優先度の最も高い論理チャネルのBSRを送信するためのTruncated BSRのフォーマットが使用される。
BSRを報告するためのMAC制御要素をBSR MAC制御要素と称する。端末装置のMAC層で少なくとも一つのBSRがトリガされており、さらに、かかるBSRがキャンセルされていない場合において、あるサブフレームで新規送信のための上りリンクの無線リソース割り当てがある場合、端末装置は、BSR MAC制御要素を生成し、BSRに関する周期タイマー(periodicBSR-Timer)と、BSRに関する再送信タイマー(retxBSR-Timer)を開始(スタート)、または、再開始(リスタート)する。また、再送信タイマーは、新規の上りリンクデータに対する上りリンクグラントが指示された場合に再開始される。
[D2D]
D2Dの基本的な技術について簡単に説明する。
D2Dは、近接している端末装置を発見するための技術(Discovery)と、端末装置が一つまたは複数の端末装置と直接通信を行うための技術(Direct communication(Communicationとも称する))とに少なくとも分けられる。DiscoveryとCommunicationとをまとめて、ProSeとも称することもある。
D2Dにおいて、端末装置が使用するD2Dに関するリソース(無線リソース)や設定(コンフィグレーション)は、基地局装置によって設定(制御)されてもよい。すなわち、端末装置が非無線リソース制御接続状態(アイドル状態)にある場合は、報知情報によってD2Dに関する無線リソースや設定がセル毎に通知されてもよく、端末装置が無線リソース制御接続状態(コネクティッド状態)にある場合は、RRCメッセージによってD2Dに関する無線リソースや設定が通知されてもよい。
すなわち、D2Dは、端末装置同士の直接通信が可能な(D2D capable、D2D supported)端末装置と、かかる端末装置同士の直接通信のためのリソースを制御可能な基地局装置によって実現されるかもしれない。あるいは、D2Dは、端末装置同士の直接通信が可能な端末装置の事前設定(Pre−configuration)によって実現されるかもしれない。
また、Direct Communicationにおいて、スケジューリング割り当て(Scheduling assignments:SA)を送信するための無線リソースは、SA用にプールされたリソースプール(SAリソースプール)の中から端末装置に提供される。D2Dを送信する端末装置は、リソースプールに含まれる無線リソース(時間、および周波数)でSAを送信する。D2Dを受信する端末装置は、リソースプールに含まれる無線リソース(時間、および周波数)でSAを受信する。
また、Direct Communicationにおいて、D2Dに関する送信データを送信するための無線リソースは、D2Dに関する送信データ(D2Dデータ)用にプールされたリソースプール(D2Dデータリソースプール)の中から端末装置に提供される。D2Dを送信する端末装置はリソースプールから指定される無線リソース(時間、および周波数)を用いてD2Dに関する送信データを送信する。また、D2Dを受信する端末装置はリソースプールから指定される無線リソース(時間、および周波数)を用いてD2Dに関する送信データを受信する。リソースプールは、周波数情報、割り当てられるリソースブロックの範囲を示す情報や、リソースプールが開始されるフレーム番号またはサブフレーム番号とオフセット値の情報などによって示されてもよい。
ここで、SAに用いられる無線リソースがプールされたリソースプール(第1のリソースプール)と、D2Dに関する送信データに用いられる無線リソースがプールされたリソースプール(第2のリソースプール)は、報知情報によって予め設定(予約)されていてもよいし、基地局装置から端末装置ごとに個別に通知(あるいは報知)されてもよいし、他の端末装置から通知(あるいは報知)されてもよいし、事前設定(pre−configured)されていてもよいし、準静的(semi−static)に割り当てられていてもよい。
事前設定によって割り当てられる場合、かかる設定は、UICC(Universal Integrated Circuit Card)や自装置に記録される端末装置向けのアプリケーションによって提供されてもよい。UICCはハードウェアによって提供されるスマートカードでもよいし、ソフトウェアによって提供されてもよい。
ここで、端末装置に対してリソースプールからD2Dに関する無線リソース(SA、D2Dに関する送信データなど)を割り当てる方法として、端末装置が基地局装置へD2Dに関する送信データがあることを通知することによって、基地局装置から端末装置に対して個別に無線リソースを割り当てる方法(第1の無線リソース割り当て方法(Mode1あるいはスケジュール型(Scheduled)とも称する))を用いてもよいし、また、端末装置が報知情報や予め設定(予約)されたリソースプールから、ある規則に従って(または、ランダムに)無線リソースを選択して用いる方法(第2の無線リソース割り当て方法(Mode2あるいは自律型(Autonomous)とも称する))を用いてもよい。
Mode1は、端末装置が、D2Dをサポートする基地局装置のセルのカバレッジ内とみなされる範囲に位置しているときに使用されるDirect Communicationのモードである。すなわち、Mode1は、端末装置が、アイドル状態では、D2Dをサポートするセルにキャンプしている状態、また、コネクティッド状態では、かかるセルと接続している状態で使用されるモードである。コネクティッド状態でMode1のD2Dの通信を行う端末装置は、Communicationとして用いる無線リソースを要求するために、D2Dに関する送信データのバッファ量に基づくバッファステータスレポート(D2D用のバッファステータスレポート(ProSe BSR))を基地局装置に対して送信する。
Mode2は、端末装置が、D2Dをサポートする基地局装置のセルのカバレッジ内とみなされる範囲に位置していない(カバレッジ外(out-of-coverage))ときに使用されるDirect Communicationのモードである。なお、端末装置は、基地局装置から割り当てられた無線リソース(すなわちMode1)を用いている場合であっても、例外的(exceptional)に、端末装置が選択した無線リソース(すなわちMode2)を用いることができる。
なお、カバレッジ内の端末装置が、Mode1を提供できないセルにキャンプ、または接続している場合であって、かかるセルがMode2をサポートしている場合、基地局装置の指示に基づいてMode2を使用することができる。このとき、端末装置は、Mode2の無線リソースとして、事前設定によって選択された無線リソースを使用してもよいし、基地局装置からMode2として使用可能と通知された無線リソースを使用してもよい。
図6は、D2Dを送信可能な端末装置1−1(D2D transmission UE)と、D2Dを受信可能な端末装置1−2(D2D reception UE)とがMode1によるD2Dの通信を行う場合の一例を示したフローチャート図である。
図6の端末装置1−1はアイドル状態である。端末装置1−1は、D2Dに興味のある場合、受信したシステムインフォメーションメッセージの情報に基づき、セル選択処理を行う(ステップS100)。このセル選択処理において、端末装置1−1のRF(Radio Frequency)回路が対応する上りリンクバンドでD2Dをサポートしているかを示す報知情報に従って、必要であれば端末装置1−1がキャンプセルを変更する。
ステップS100は端末装置1−2でも同様に実行される。すなわち、端末装置1−2は、D2Dに興味のある場合、受信したシステムインフォメーションメッセージの情報に基づき、端末装置1−2のRF(Radio Frequency)回路が対応する上りリンクの周波数(周波数バンド)でD2Dをサポートしているかを示す報知情報に従って、必要であればセル選択処理を行う。
次に、端末装置1−1は、D2Dをサポートする基地局装置2のセルを選択してキャンプした場合に、RRCメッセージであるシステムインフォメーションメッセージを受信する(ステップS101)。システムインフォメーションメッセージは、D2Dに関する設定情報(例えば、D2DSS設定情報、PD2DSCH設定情報、周辺セルのD2D情報、SA用のリソースプール情報、D2Dに関する送信データ用のリソースプール情報、Mode1/Mode2の許可情報、など)を端末装置1−1と端末装置1−2とに通知する目的で用いられる。これらの情報は、基地局装置2から、ある独立したシステムインフォメーションブロック(例えばSIB18)で送信されてもよいし、端末装置1−1(端末装置1−2)が通信中であれば、個別のRRCメッセージで送信されてもよい。
このとき、基地局装置2のセルにおいて、Mode1のD2Dが許可されているとする(あるいは、Mode2のD2Dが許可されていないとする)。このとき、D2Dに興味があるアイドル状態の端末装置1−1は、Mode1のD2Dの通信処理を開始するため、ステップS102に示す無線リソース制御接続確立(RRC接続確立、RRC Connection Establishment)に関する一連の手順を開始し、コネクティッド状態に移行する。
端末装置1−1は、無線リソース制御接続確立手順として従来と同じ手順を用いてもよい。例えば、端末装置1−1は、システムインフォメーションより取得した共通設定(Common Configration)に基づいてランダムアクセス手順を行い、基地局装置2から指定された上りリンクの無線リソースを用いて無線リソース制御要求(RRCConnectionRequest)メッセージを送信する。このとき、端末装置1−1は、D2Dのための無線リソース制御要求であることを基地局装置2へ明示的に通知してもよい。
また、端末装置1−1は、かかる手順中に基地局装置2から指定された下りリンクの無線リソースを介して無線リソース制御設定(RRCConnectionSetup)メッセージを受信し、コネクティッド状態で用いる個別の設定情報(Dedicated Configuration)を適用する。そして、基地局装置2から指定された上りリンクの無線リソースを用いて無線リソース制御設定完了(RRCConnectionSetupComplete)メッセージを送信し、無線リソース制御接続確立手順を完了する。
端末装置1−1は、D2Dに関する設定情報を、かかる手順における無線リソース制御設定メッセージによって通知されてもよいし、無線リソース制御接続確立手順の完了後に、別のRRCメッセージ(例えば無線リソース制御再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージ)を用いて通知されてもよい。
端末装置1−1は、Mode1のD2D通信に必要な無線リソースを要求するため、基地局装置2に対してD2D用のバッファステータスレポート(ProSe BSR)を含むMAC制御要素(ProSe BSR MAC−CE)を送信する(ステップS103)。端末装置1−1は、ProSe BSR MAC−CEを送信するための無線リソースが割り当てられていなければ、スケジューリングリクエスト(SR)によって上りリンクの無線リソースを要求してもよい。端末装置1−1は、ProSe BSR MAC−CEにグループインデックスを示す情報ビットを含めてもよい。
グループインデックスは、近距離グループ通信(グループキャスト通信、ProSe Group Communication)を行うターゲット(グループ)を識別するためのグループ識別子(グループID、ProSe Layer2 GroupID)に対応するインデックス番号である。グループインデックスとグループIDは、一対一にマッピングされる。グループIDは、近距離グループ通信を行うターゲット(グループ)ごとに割り当てられる。近距離グループ通信は、他グループに対し、排他的な、または、先に占有した(pre−empted)通信を保証することによって、各グループに属する端末装置1−1(端末装置1−2)に対してのみ有効な通信を行う。
グループIDは、送信元レイヤ2ID(Source Layer2−ID)と送信先レイヤ2ID(Destination Layer2−ID)との組み合わせによって構成されてもよい。端末装置1−1は、グループインデックスを示す新たなMAC制御要素を送信してもよい。
グループID、またはグループインデックスは、例えば、基地局装置2において、Mode1のD2D通信に使用される無線リソースを優先的に割り当てるためのプライオリティ情報(グループプライオリティ情報)として用いることができる。グループインデックスは、例えば、最大n個のグループまでの近距離グループ通信を識別するために使用される場合、n個のグループに対し、それぞれ0、1、・・・、nー1の値(番号)が設定されてもよい。グループインデックスとグループIDの関連付け(対応付け)は、端末装置1−1において行われてもよいし、基地局装置2によって行われてもよいし、事前設定によって予め決められていてもよい。
端末装置1−1は、事前にグループインデックスとグループIDの関連付けの情報を基地局装置2へ送信してもよい。基地局装置2は、グループインデックスとグループIDの関連付けの情報を端末装置1−1から受信してもよい。グループインデックスとグループIDの関連付けは、RRCメッセージによって通知されてもよいし、MAC制御要素によって通知されてもよい。
ProSe BSRを受信した基地局装置2は、端末装置1−1に対して、Mode1のD2Dのために用いられるD2D無線リソース割り当て(D2Dグラント)を送信する(ステップS104)。基地局装置2は、ProSe BSRに含まれるグループインデックスやバッファ量に加え、無線リソースの割り当て状態(負荷)や干渉量などを考慮してスケジューリングを行ってもよい。
端末装置1−1は、D2D無線リソース割り当て(D2Dグラント)によって指示された無線リソースを用いてD2D通信処理を開始する(ステップS105)。例えば、端末装置1−1は、D2Dグラントによって割り当てられた無線リソースでSAを送信してもよいし、D2Dに関する送信データを送信してもよい。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面を参照しながら本発明の適切な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明において、本発明の実施形態に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における端末装置1の一例を示すブロック図である。本端末装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、符号部107、変調部108、送信部109、無線リソース制御部110、送信アンテナT01、受信アンテナR01から少なくとも構成される。図中の「〜部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置1の機能および各手順を実現する要素である。
なお、D2Dが可能な(または、D2Dに興味のある、D2Dをサポートする)端末装置1のことを、単に端末装置1と略して説明する場合がある。なお、端末装置1は、D2Dに関する通信において、D2Dを送信する端末装置1(D2D transmission(図6の端末装置1−1))と、D2Dを受信する端末装置1(D2D reception(図6の端末装置1−2))のいずれにもなりえる。
無線リソース制御部110は、端末装置1の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行する。また、受信データ制御部104と送信データ制御部106は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行する。
なお、端末装置1は、複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)または、ある一つのセルの同一サブフレーム内での受信処理と送信処理を並行して(同時に:simultaneously)サポートするために受信系のブロック(受信部101、復調部102、復号部103、受信アンテナR01)、および複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)、および送信系のブロック(符号部107、変調部108、送信部109、送信アンテナT01)の一部あるいはすべてを複数備える構成であってもよい。
端末装置1の受信処理に関し、無線リソース制御部110より受信データ制御部104へ受信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される端末装置1の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。
物理レイヤ制御情報は、基地局装置2から端末装置1に対して個別(dedicated)に送信される無線接続リソース設定、セル固有の報知情報、またはシステムパラメータなどによって設定され、無線リソース制御部110が必要に応じて物理レイヤ制御部105へ入力する。物理レイヤ制御部105は、受信に関する制御情報である受信制御情報を、受信部101、復調部102、復号部103へ適切に入力する。
受信制御情報は、下りリンクスケジューリング情報として、受信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース制御情報、SAリソースプール情報、D2Dリソースプール情報、D2Dに関する送信タイミング(またはD2Dに関するタイミング調整情報であるD2D−TA)などの情報が含まれてもよい。また、受信データ制御情報は、セカンダリセル不活性化タイマー情報、DRX制御情報、マルチキャストデータ受信情報、下りリンク再送制御情報、SA受信制御情報、D2D受信制御情報などを含む下りリンクの制御情報であり、MAC層、RLC層、PDCP層におけるそれぞれの下りリンクに関する制御情報が含まれている。
受信信号は、受信アンテナR01を経由して受信部101において受信される。D2Dの場合、受信信号は、端末装置1が送信した送信信号である場合がある。受信部101は、受信制御情報で通知された周波数と周波数帯域に従って基地局装置2(または端末装置1)からの信号を受信する。受信された信号は復調部102へと入力される。復調部102は信号の復調を行う。復調部102は、復号部103へと復調後の信号を入力する。
復号部103は、入力された信号を復号し、復号された各データ(下りリンクデータと下りリンク制御データ、下りリンクトランスポートブロックとも称す)を受信データ制御部104へと入力する。また、各データと共に基地局装置2から送信されたMAC制御要素(MAC−CE)も復号部103で復号され、関係するデータは受信データ制御部104へと入力される。
受信データ制御部104は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部105の制御(例えば、セルの活性化/不活性化、DRX制御、送信タイミング調整など)や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部104へ入力された各データは、関係するデータは無線リソース制御部110へと入力(転送)される。
また、受信データ制御部104は、受信部101などで受信された同期シグナルの受信タイミングから、端末装置1の受信タイミング(フレーム同期、サブフレーム同期、シンボル同期など)を調整する。受信タイミングは、物理レイヤ制御部105において管理され受信部101または送信部109にフィードバックされることによって、下りリンク同期、および/または上りリンク同期が適宜調整される。
また、端末装置1の送信処理に関し、無線リソース制御部110より送信データ制御部106へ送信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御部105は、送信に関する制御情報である送信制御情報を、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力する。
送信制御情報は、上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関するタイミング情報(またはTA)、多重方法、無線リソース配置情報、SAリソースプール情報、D2Dリソースプール情報、D2Dに関するタイミング情報(またはD2D−TA)などの情報が含まれている。
また、送信データ制御情報は、DTX制御情報、ランダムアクセス設定情報、上りリンク共用チャネル情報、論理チャネルプライオリティ情報、リソース要求設定情報、セルグループ情報、上りリンク再送制御情報、バッファステータスレポート、D2D送信制御情報などを含む上りリンクの制御情報である。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のランダムアクセス設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
また、無線リソース制御部110は、上りリンク送信タイミングの調整に用いるタイミング調整情報と送信タイミングタイマーを管理し、セル毎(またはセルグループ毎、TAグループ毎)に上りリンク送信タイミングの状態(送信タイミング調整状態または送信タイミング非調整状態)を管理する。タイミング調整情報と送信タイミングタイマーは、送信データ制御情報に含まれる。
なお、複数の上りリンク送信タイミングの状態を管理する必要がある場合、送信データ制御部106は、複数のそれぞれのセル(またはセルグループ、TAグループ)の上りリンク送信タイミングに対応するタイミング調整情報を管理する。さらに、送信データ制御部106は、必要であればD2Dに関する送信タイミングの状態も管理する。リソース要求設定情報には、少なくとも最大送信カウンタ設定情報と無線リソース要求禁止タイマー情報とが含まれている。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のリソース要求設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
端末装置1で生起した送信データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ、上りリンクトランスポートブロックとも称す)は、無線リソース制御部110(または、非アクセス層レイヤ部(図示せず)などの上位レイヤ部)より任意のタイミングで送信データ制御部106に入力される。このとき、送信データ制御部106は、入力された送信データの量(上りリンクバッファ量)を計算する。また、送信データ制御部106は、入力された送信データが制御平面に属するデータなのか、ユーザ平面に属するデータなのかを判別する機能を有する。
また、送信データ制御部106は、送信データが入力されたときに、送信データ制御部106内の上りリンクバッファ(図示せず)に送信データを格納する。また、送信データ制御部106は、上りリンクバッファに格納された送信データの優先度などに基づき、多重化およびアセンブルを行ない、MAC PDUを生成する。そして、送信データ制御部106は、入力された送信データの送信に必要な無線リソースが端末装置1に対して割り当てられているかを判断する。
送信データ制御部106は、無線リソース割り当てに基づいて、物理上りリンク共用チャネルPUSCH、物理上りリンク制御チャネル(SR−PUCCH)を用いた無線リソース要求、または物理ランダムアクセスチャネルを用いた無線リソース要求のいずれか一つを選択し、選択したチャネルを送信するための制御処理を物理レイヤ制御部105に対して要求する。また、送信データ制御部106は、D2D用の無線リソース割り当てに基づいて、SA(PPSACH)、またはD2Dに関する送信データ(PPCSCH)を送信するための制御処理を物理レイヤ制御部105に対して要求する。
ここで、送信データ制御部106は、入力された送信データが基地局装置2に対する通常の送信データであるか、または、別の端末装置1に対するD2Dに関する送信データであるかに基づいて、それぞれ異なるバッファステータスレポートを生成する。換言すれば、送信データ制御部106は、MAC制御要素として、通常の送信データのバッファ量に基づくバッファステータスレポート(通常のバッファステータスレポート(Normal BSR)、第1のバッファステータスレポート)と、D2Dに関する送信データのバッファ量に基づくバッファステータスレポート(D2D用のバッファステータスレポート(ProSe BSR)、第2のバッファステータスレポート)をそれぞれ生成する。
ProSe BSRは、グループ毎に複数生成されてもよい。また、符号部107は、送信制御情報に従って各データを適切に符号化し、変調部108へと入力する。
変調部108は、符号化された各データを送信するチャネル構造に基づいて適切な変調処理を行う。送信部109は、変調処理された各データを周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部109は、また、無線リソース制御部110より入力されたセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)のタイミング調整情報に従って上りリンク送信タイミングを調整し、送信アンテナT01を経由して信号を送信する。
また、必要であれば、D2Dに関するタイミング調整情報に従ってD2Dに関する送信データの送信タイミング(受信タイミング)を調整する。上りリンク制御データが配置される物理上りリンク共用チャネルは、ユーザデータの他に、例えばレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を含めることも可能である。
図1において、その他の端末装置1の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、端末装置1として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部110の上位層には、コアネットワークとの制御を執り行う非アクセス層(Non Access Stratum)レイヤ部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
図2は、本発明の第1の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置は、受信部201、復調部202、復号部203、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、符号部207、変調部208、送信部209、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211、送信アンテナT02、受信アンテナR02から少なくとも構成される。図中の「〜部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、基地局装置2の機能および各手順を実現する要素である。
無線リソース制御部210は、基地局装置2の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行する。また、受信データ制御部204と送信データ制御部206は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行する。
なお、基地局装置2は、キャリア・アグリゲーションなどによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同一サブフレーム内での送受信処理をサポートするために受信系のブロック(受信部201、復調部202、復号部203、受信アンテナR02)、および複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)、および送信系のブロック(符号部207、変調部208、送信部209、送信アンテナR02)の一部あるいはすべてを複数備える構成であってもよい。
無線リソース制御部210は、下りリンクデータと下りリンク制御データを送信データ制御部206へと入力する。送信データ制御部206は、端末装置1へ送信するMAC制御要素が存在する場合、MAC制御要素と各データ(下りリンクデータまたは下りリンク制御データ)を符号部207へと入力する。符号部207は、入力されたMAC制御要素と各データを符号化し、変調部208へと入力する。変調部208は、符号化された信号の変調を行なう。
また、変調部208で変調された信号は送信部209に入力される。送信部209は、入力された信号を周波数領域にマッピングした後、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行い、送信アンテナT02を経由して信号を送信する。下りリンク制御データが配置される物理下りリンク共用チャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
また、受信部201は、端末装置1から受信アンテナR02を経由して受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。端末装置1に対して異なる複数の送信タイミングのセルを設定している場合、受信部201はセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)に異なるタイミングで信号を受信する。受信部201で変換されたデジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて復号部203へと入力される。
復号部203は、入力された信号を復号し、復号された各データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ)を受信データ制御部204へと入力する。また、各データと共に端末装置1から送信されたMAC制御要素も復号部203で復号され、関係するデータは受信データ制御部204へと入力される。
受信データ制御部204は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部205の制御(例えば、パワーヘッドルームレポートに関する制御や、バッファステータスレポートに関する制御など)や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部204へ入力された各データは、必要に応じて無線リソース制御部210へと入力(転送)される。
また、受信データ制御部204は、端末装置1からバッファステータスレポートが復号部203から入力された場合、自基地局装置との通信のための送信リソース要求かデバイス間データ通信のための送信リソース要求かを判別し、該端末装置1に割り当てる送信リソースを設定する。
これら各ブロックの制御に必要な物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される基地局装置2の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。物理レイヤ制御情報は、上位のネットワーク装置(MMEやゲートウェイ装置(SGW)、OAMなど)やシステムパラメータにより設定され、無線リソース制御部210が必要に応じて制御部204へ入力する。
物理レイヤ制御部205は、送信に関連する物理レイヤ制御情報を送信制御情報として符号部207、変調部208、送信部209の各ブロックに入力し、受信に関連する物理レイヤ制御情報を受信制御情報として受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力する。
受信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の上りリンクに関する制御情報が含まれている。また、送信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の下りリンクに関する制御情報が含まれている。すなわち、受信データ制御情報と送信データ制御情報は、端末装置1毎に設定されている。
ネットワーク信号送受信部211は、基地局装置2間あるいは上位のネットワーク装置(MME、SGW)と基地局装置2との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。図2において、その他の基地局装置2の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、基地局装置2として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部210の上位には、無線リソース管理(Radio Resource Management)部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
図3は、Mode1のD2D通信を実行中の端末装置1が、例外的に(exceptional case)Mode2によるD2D通信を試みる場合の手順の一例を示した図である。
図3は、コネクティッド状態の端末装置1において開始される。端末装置1は、D2Dに関する送信データが生起したとき、換言すれば、ProSe BSRがトリガされた場合、および/または、基地局装置2がMode2のD2D通信をサポートしている場合、および/または、基地局装置2がコネクティッド状態の端末装置1に対して例外的にMode2のD2D通信を許可することを通知している場合に図3の手順を開始してもよい。
端末装置1は、端末装置1が選択した無線リソースを用いたD2D通信(Mode2)を例外的に行ってもよいか否かの判断に、ある時間長(サブフレーム数)のタイマーを用いる。端末装置1は、かかるタイマーを開始するための所定の条件を満たしたかどうかの判断(判定)をサブフレームごとに行う(ステップS201)。端末装置1は、ステップS201において、後述するバッファステータスレポート(すなわち、D2D通信に関する送信データの生起、または上位レイヤからの提供)に関する条件のいずれか一つ、またはその複数の組み合わせに基づいて判断を行う。
端末装置1は、所定の条件を満たしていなければ(ステップS201でNo)、ステップS201の処理を継続する。一方、端末装置1は、所定の条件を満たしている場合(ステップS201でYes)、タイマーを開始(または再開始)する。端末装置1は、タイマーが開始されている場合、タイマーが満了したかどうかをサブフレームごとに判断する(ステップS202)。端末装置1は、タイマーを開始してからの経過時間(サブフレーム数)が、ある期間(period)に等しい、または、超えたときにタイマーが満了した(expire)と判断する。端末装置1は、タイマーが満了していない場合(ステップS202でNo)、すなわち計時中(running中)の場合は、ステップS202の処理を継続する。
タイマーが満了している場合(ステップS202でYes)、端末装置1は、Mode1に加え、Mode2のD2D通信が例外的に(一時的に)許可されたと判断してよい。あるいは、端末装置1は、Mode1のD2D通信が禁止され、一方で、Mode2のD2D通信が例外的に(一時的に)許可された、または、使用可能であると判断してもよい。端末装置1は、D2D通信をMode2に切り替える(変更する、移行する)場合、換言すれば、D2D通信に関する無線リソースの選択方法を変更する場合に、ProSe BSR MAC−CEを含むMAC PDUを破棄してもよいし、対応するHARQプロセスのHARQバッファをフラッシュ(flush)してもよい。
図3におけるタイマーを開始する第1の方法として、ProSe BSRのトリガを条件として用いた場合の例について以下に示す。
端末装置1は、ProSe BSRがトリガされた場合、新たなタイマー(第1のMode2タイマーと称する)を、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして用いてもよい。端末装置1は、ProSe BSRがトリガされた場合に、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして、第1のMode2タイマーの計時を開始してもよい。端末装置1は、ProSe BSRがトリガされる条件として、通常のBSR(Normal BSR)のトリガ条件のいずれかを用いてもよい。基地局装置2は、個別のRRCメッセージ、および/または、システムインフォメーションを用いて第1のMode2タイマーの値(period)を端末装置1に通知することができる。あるいは、端末装置1は、UICCによる事前設定、または、システムにおける静的な設定に基づいて第1のMode2タイマーの値を決定することもできる。
また、基地局装置2は、第1の方法を用いることを許可するインディケーションのみを端末装置1に通知してもよい。
端末装置1は、第1のMode2タイマーが満了したときに、Mode2のD2D通信が例外的に(一時的に)使用可能であると判断してもよい。また、端末装置1は、Mode2でのD2D通信を例外的に行う場合、あるいは、第1のMode2タイマーが満了した場合、トリガされたProSe BSRの再送手順を継続してもよいし、トリガされたProSe BSRをキャンセルしてもよい。また、端末装置1は、Mode2でのD2D通信を例外的に行っている状態において、ProSe BSRをゼロとみなしてもよいし(すなわち、ProSe BSRをゼロとして報告する)、ProSe BSRがトリガしないように動作してもよい。
端末装置1は、Regular BSRに相当するProSe BSRがトリガされた場合にのみ、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして、第1のMode2タイマーの計時を開始してもよい。すなわち、端末装置1は、送信可能なD2D用の上りリンクデータが上位レイヤ(RLC層、PDCP層)で発生し、更に、かかるD2D用の上りリンクデータに関わる論理チャネルの優先度が送信バッファ内のデータの優先度よりも高い、または、他に送信可能な上りリンクデータが存在しない場合を、追加の、または代わりの条件として用いてもよい。
端末装置1は、基地局装置2からD2Dグラントを受信した場合、第1のMode2タイマーを停止してもよいし、再開始してもよい。端末装置1は、基地局装置2から(D2Dグラントではなく)上りリンクグラントを受信した場合は、第1のMode2タイマーを停止せず、そのまま計時を続けてもよい。
また、図3におけるタイマーを開始する第2の方法として、ProSe BSRがトリガされた状態での上りリンクの無線リソースの割り当てを条件として用いた場合の例について以下に示す。
端末装置1は、ProSe BSRがトリガされた状態での上りリンクの無線リソースの割り当てがされているか否かを、タイマーの開始条件として用いる。すなわち、端末装置1は、端末装置1のMAC層で少なくとも一つのProSe BSRがトリガされており、さらに、かかるProSe BSRがキャンセルされていない場合において、あるサブフレームで新規送信のための上りリンクの無線リソース割り当てが通知されている場合に、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーの計時を開始してもよい。
このとき、端末装置1は、ProSe BSRに関する再送信タイマーをMode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして用いてもよい。端末装置1は、ProSe BSRを通知可能な上りリンクの無線リソースの割り当てがある場合に、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして、ProSe BSRに関する再送信タイマーの計時を開始してもよい。ProSe BSRに関する再送信タイマーは、通常のBSRと同じ再送信タイマー(retxBSR-Timer)であってもよいし、異なる再送信タイマー(例えば、retxProSeBSR-Timer)であってもよい。
また、基地局装置2は、第2の方法を用いることを許可するインディケーションのみを端末装置1に通知してもよい。
端末装置1は、ProSe BSRに関する再送信タイマーが満了したときに、Mode2のD2D通信が例外的に(一時的に)使用可能であると判断してもよい。また、端末装置1は、Mode2でのD2D通信を例外的に行う場合、あるいは、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとしてProSe BSRに関する再送信タイマーを用いており、かつ、かかる再送信タイマーが満了した場合、ProSe BSRの再送手順を継続してもよいし、トリガされたProSe BSRをキャンセルしてもよい。また、端末装置1は、Mode2でのD2D通信を例外的に行っている状態において、ProSe BSRをゼロとみなしてもよいし(すなわち、ProSe BSRをゼロとして報告する)、ProSe BSRがトリガしないように動作してもよい。
端末装置1は、Regular BSRに相当するProSe BSRがトリガされた場合にのみ、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして、ProSe BSRに関する再送信タイマーを用いてもよい。すなわち、端末装置1は、送信可能なD2D用の上りリンクデータが上位レイヤ(RLC層、PDCP層)で発生し、更に、かかるD2D用の上りリンクデータに関わる論理チャネルの優先度が送信バッファ内のデータの優先度よりも高い、または、他に送信可能な上りリンクデータが存在しない場合を、追加の、または代わりの条件として用いてもよい。
また、基地局装置2は、タイマー値の代わりに、ProSe BSRの再送回数を示すカウンタ値を通知してもよい。端末装置1は、タイマー値の代わりに、ProSe BSRの再送回数を示すカウンタ値を用いてもよい。端末装置1は、ProSe BSRの再送回数がある第1の値に達した場合、Mode2のD2D通信が例外的に許可されたと判断してもよい。
また、基地局装置2は、タイマー値の代わりに、ProSe BSR MAC−CEを含むMAC PDUのHARQ再送回数を示すカウンタ値を通知してもよい。端末装置1は、タイマー値の代わりに、ProSe BSR MAC−CEを含むMAC PDUのHARQ再送回数を示すカウンタ値を用いてもよい。端末装置1は、ProSe BSR MAC−CEを含むMAC PDUのHARQ再送回数がある第1の値に達した場合、Mode2のD2D通信が例外的に許可されたと判断してもよい。端末装置1は、例えば、RRC層によって通知される最大HARQ送信回数(maxHARQ-Tx)を第1の値として用いてもよい。
または、端末装置1は、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして、新たなタイマー(第2のMode2タイマーと称する)を用いることもできる。端末装置1は、基地局装置2からD2Dグラントを受信した場合に、第2のMode2タイマーを停止してもよいし、再開始してもよい。端末装置1は、基地局装置2から(D2Dグラントではなく)上りリンクグラントを受信した場合は、第2のMode2タイマーを停止せず、そのまま計時を続けてもよい。
また、ProSe BSRに関する再送信タイマーに対するオフセット値を用いて第2のMode2タイマーを設定してもよい。例えば、オフセット値として“m”サブフレーム(mは整数)を示す値が通知された場合、ProSe BSRに関する再送信タイマーのタイマー値(サブフレーム数)から“m”サブフレーム減算した時間(サブフレーム数)を第2のMode2タイマーとみなしてもよい。オフセット値は正の数でも負の数でもよい。また、ProSe BSRに関する再送信タイマーに対する係数を用いて第2のMode2タイマーを設定してもよい。例えば、“2分の1”を示す係数が通知された場合、ProSe BSRに関する再送信タイマーのタイマー値(サブフレーム数)に“2分の1”を乗算した時間(サブフレーム数)を第2のMode2タイマーとみなしてもよい。
また、図3におけるタイマーを開始する第3の方法として、ProSe BSRを送信するための無線リソースを要求するSR(D2D−SRと称する)を条件として用いた場合の例について以下に示す。
端末装置1は、ProSe BSRを通知可能な上りリンクリソースの割り当てがされていない場合で、かつ、ProSe BSRの送信に用いる無線リソースを要求するためにSRをトリガしたか否かを、タイマーの開始条件として用いる。すなわち、端末装置1は、端末装置1のMAC層で少なくともProSe BSR送信のために一つのD2D−SRがトリガされており、さらに、かかるD2D−SRがキャンセルされていない場合において、あるサブフレームで新規送信のための上りリンクの無線リソース割り当てがある場合に、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーの計時を開始してもよい。なお、端末装置1は、通常の(D2Dではない)データ送信のためのSRがトリガされた場合、タイマーの開始条件が満たされていないと判断してもよい。
また、端末装置1は、Regular BSRに相当するProSe BSRがトリガされており、あるサブフレームで新規送信のための上りリンクの無線リソース割り当てがない(受信していない、設定されていない)場合に、Mode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーを用いてもよい。
端末装置1は、新たなタイマー(第3のMode2タイマーと称する)をMode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーとして用いてもよい。端末装置1は、上述した条件下でSRをトリガした場合に、第3のMode2タイマーの計時を開始してもよい。基地局装置2は、個別のRRCメッセージ、および/または、システムインフォメーションを用いて第3のMode2タイマーの値を端末装置1に通知することができる。あるいは、端末装置1は、UICCによる事前設定、または、システムにおける静的な設定に基づいて第3のMode2タイマーの値を決定することもできる。
また、基地局装置2は、第3の方法を用いることを許可するインディケーションのみを端末装置1に通知してもよい。
端末装置1は、第3のMode2タイマーが満了したときに、Mode2のD2D通信が例外的に(一時的に)使用可能であると判断してもよい。また、端末装置1は、Mode2でのD2D通信を例外的に行う場合、あるいは、第3のMode2タイマーが満了した場合、トリガされたProSe BSRの再送手順を継続してもよいし、トリガされたProSe BSRをキャンセルしてもよいし、PendingしているD2D−SRをキャンセルしてもよい。また、端末装置1は、Mode2でのD2D通信を例外的に行っている状態において、ProSe BSRをゼロとみなしてもよいし(すなわち、ProSe BSRをゼロとして報告する)、ProSe BSRがトリガしないように動作してもよい。
なお、基地局装置2は、タイマー値の代わりに、D2D−SRの再送回数を示すカウンタ値を通知してもよい。端末装置1は、タイマー値の代わりに、D2D−SRの再送回数を示すカウンタ値を用いてもよい。端末装置1は、D2D−SRの再送回数がある第1の値に達した場合、Mode2のD2D通信が例外的に許可されたと判断してもよい。
端末装置1は、基地局装置2から上りリンクグラント、または、D2Dグラントを受信した場合、第3のMode2タイマーを停止してもよいし、再開始してもよい。端末装置1は、基地局装置2から上りリンクグラントを受信した場合は、第3のMode2タイマーを停止せず、そのまま計時を続けてもよい。
端末装置1は、上述した条件が満たされた場合に開始されるタイマーのいずれか一つ、またはその複数の組み合わせをサポートする。複数の組み合わせをサポートする場合、端末装置1は、複数のタイマーの計時をパラレルに行うことができる。
ここで、上述した条件が満たされた場合に開始されるタイマーの情報は、ProSe BSRに含まれるグループインデックス毎に設定(通知)されてもよい。すなわち、グループインデックス毎に異なる複数のタイマー値が設定(通知)されてもよい。基地局装置2は、端末装置1に対してグループインデックス毎にそれぞれ個別のタイマー値を設定してもよいし、いくつかのグループインデックスに対して共通のタイマー値を設定してもよい。端末装置1は、自装置が判断(決定)した優先度に基づいてグループインデックス毎にそれぞれ個別のタイマー値を設定してもよい。端末装置1は、グループインデックス毎に独立してタイマーの動作(開始、再開始、停止、満了など)を管理する。
例えば、グループインデックス毎に第1のMode2タイマーが設定されてもよい。また、グループインデックス毎にProSe BSRに関する再送信タイマー(retxProSeBSR-Timer)が設定されてもよい。また、グループインデックス毎に第2のMode2タイマーが設定されてもよい。また、グループインデックス毎に第3のMode2タイマーが設定されてもよい。
端末装置1は、自装置が判断(決定)したグループ(グループインデックス)の優先度、グループインデックスに対応するグループの種別(タイプ、属性)、または、グループインデックスのタイマー値などの情報を、グループインデックス毎に基地局装置2に通知してもよい。これらの情報は、D2Dに関する情報要素として個別のRRCメッセージによって通知されてもよいし、システムインフォメーションによって通知されてもよいし、事前にUICCで設定されていてもよいし、事前に決められた値を用いてもよい。グループインデックスに対応するグループの種別とは、例えば、パブリックセーフティー通信(公衆安全通信)、ミッションクリティカル通信、商業通信などの通信の重要度や種別に応じて分類された情報、または、その分類に対応するインデックス情報である。
基地局装置2は、例外的に選択されるMode2の無線リソースを、システムインフォメーション、個別のRRCメッセージ、または、UICCによる事前設定のMode2の無線リソースと独立した無線リソースとして設定(通知)してもよいし、その一部または全部が共通した無線リソースとして設定(通知)してもよい。
例外的にMode2の無線リソースを使用可能であるかどうかは、基地局装置2がグループインデックス毎に通知(指定、指示、設定)してもよい。あるいは、例外的にMode2の無線リソースを使用可能であるかどうかは、端末装置1がグループインデックス毎に判断(判定)してもよい。また、グループインデックスに対するタイマー値がゼロ、またはinfinityとして通知された場合、かかるグループインデックスでは、タイマーに基づいてMode2の無線リソースを使用可能であるかの判断が行われないことを暗黙的に意味してもよい。また、グループインデックスに対してタイマー値を設定しないことによって、かかるグループインデックスでは、タイマーに基づいてMode2の無線リソースを使用可能であるかの判断が行われないことを暗黙的に意味してもよい。
端末装置1は、また、端末装置1が属する近距離グループ通信の優先度に基づいてMode2の無線リソースを使用可能であるか否かを判断してもよい。基地局装置2は、ある優先度(または、ある優先度以上)の近距離グループ通信のみがMode2の無線リソースを使用可能であることを示す情報を端末装置1に通知してもよい。例えば、基地局装置2は、優先度がHighのグループのみが例外的にMode2の無線リソースを使用可能であることを示す情報を通知してもよい。優先度がHighであるか否かは、端末装置1が判断してもよいし、基地局装置2がグループインデックスごとに判断し、端末装置1に通知してもよい。あるいは、基地局装置2は、優先度がLow、および/または、Normalのグループのみが例外的にMode2の無線リソースを使用可能であることを示す情報を通知してもよい。
例外的にMode2の無線リソースを使用可能であるかどうかを示す情報(設定)は、D2Dに関する情報要素として個別のRRCメッセージによって通知されてもよいし、システムインフォメーションによって通知されてもよいし、事前にUICCで設定されていてもよいし、事前に決められた設定(システムパラメータ)に基づいてもよい。
なお、上述した条件が満たされた場合に開始されるタイマーの情報は、グループインデックスに関わらず、端末装置1に対して1つだけ設定(通知)されてもよい。上述した条件が満たされた場合に開始されるタイマーの情報は、グループインデックスに関わらず、システムインフォメーションによって複数の端末装置1に対して共通に、および/または、またはグループ毎に、設定(通知)されてもよい。
端末装置1は、上述したいずれか一つのタイマーが満了した場合、すなわち、例外的にMode2の無線リソースを使用可能であることを示すいずれかのタイマーが満了した場合、基地局装置2に対するD2D通信の無線リソースの要求(すなわち、Mode1)を禁止(抑制、規制)するタイマー(Mode1 Prohibitタイマーと称する)を起動してもよい。このタイマーによって、端末装置1は、Modeの頻繁な変更を防ぐことができる。基地局装置2は、個別のRRCメッセージ、および/または、システムインフォメーションを用いてMode1 Prohibitタイマーの値を端末装置1に通知することができる。あるいは、端末装置1は、UICCによる事前設定、または、システムにおける静的な設定に基づいてMode1 Prohibitタイマーの値を決定することもできる。端末装置1は、Mode1 Prohibitタイマーが通知されていない場合、デフォルト値を用いてもよいし、Mode1 Prohibitタイマーを開始しないでもよい。
端末装置1は、Mode1 Prohibitタイマーの計時中である場合、ProSe BSRをトリガしないようにしてもよいし、D2D通信に関するSR(D2D−SR)をトリガしないようにしてもよい。端末装置1は、Mode1 Prohibitタイマーの計時中である場合、通常のBSR(第1のバッファステータスレポート)や、通常の上りリンクデータに関するSRをトリガしてもよい。
端末装置1は、複数のグループインデックスが一つのProSe BSRに含まれる場合、または、複数のグループインデックスに関するProSe BSRがトリガされた場合、複数のタイマーを同時に開始してもよいし、そのうちの一つを選択して開始してもよい。端末装置1は、優先度に基づいて選択してもよいし、基地局装置2からの通知に基づいて選択してもよいし、適用するタイマーの値の長さ(短さ)に基づいて選択してもよいし、グループインデックスの最大値(最小値)に基づいて選択してもよいし、ランダムに選択してもよいし、これ以外の基準に基づいて選択してもよい。
図4は、上述した条件を満たしたことによって例外的にMode2でD2D通信を行う端末装置1が、例外的な状態から離脱し、Mode1のD2D通信を行う場合の例を示したフローチャート図である。図4のフローチャート図は、図3におけるタイマーを開始する第1の方法、第2の方法と第3の方法に対して適用できる。
図4は、端末装置1が例外的にMode2を行っている状態から開始される。端末装置1は、基地局装置2のPDCCHを受信し、端末装置1に対するD2Dグラントの検出(受信)を試みている(ステップS301)。端末装置1は、基地局装置2からD2Dグラントを検出(受信)した場合(ステップS301でYes)、Mode2のD2D通信が例外的に許可された状態から、Mode1のD2D通信が許可された状態(Mode2のD2D通信を行わない状態、あるいは、Mode2の無線リソースを使用しない状態)に復帰したと判断する(ステップS302)。端末装置1は、基地局装置2からD2Dグラントを検出(受信)できなかった場合(ステップS301でNo)、端末装置1に対するD2Dグラントの検出(受信)の処理を継続する。
図5は、上述した条件を満たしたことによって例外的にMode2でD2D通信を行う端末装置1が、例外的な状態から離脱し、Mode1のD2D通信を行う場合の例を示した別のフローチャート図である。図5のフローチャート図は、図3におけるタイマーを開始する第3の方法に対して適用できる。
図5は、端末装置1が例外的にMode2を行っている状態から開始される。端末装置1は、基地局装置2のPDCCHを受信し、端末装置1に対する上りリンクグラントの検出(受信)を試みている(ステップS401)。端末装置1は、基地局装置2から上りリンクグラントを検出(受信)した場合(ステップS401でYes)、Mode2のD2D通信が例外的に許可された状態から、Mode1のD2D通信が許可された状態(Mode2のD2D通信を行わない状態、あるいは、Mode2の無線リソースを使用しない状態)に復帰したと判断する(ステップS402)。端末装置1は、基地局装置2から上りリンクグラントを検出(受信)できなかった場合(ステップS401でNo)、端末装置1に対するD2Dグラントの検出(受信)の処理を継続する。
なお、グループインデックスの代わりに論理チャネルグループID(LCGID)を用いることもできる。この場合、基地局装置2は、端末装置1に対してLCGID毎に個別のタイマー値を設定してもよい。端末装置1は、自装置が判断した優先度に基づいてLCGID毎に個別のタイマー値を設定してもよい。端末装置1は、LCGID毎に独立してタイマーの動作(開始、再開始、停止、満了など)を管理する。
このように構成することによって、端末装置1と基地局装置2は、端末装置1が基地局装置2から割り当てられる無線リソースを用いたD2D通信(Mode1)をある所定の時間内に開始できなかった場合に、端末装置1によって選択される無線リソースを用いたD2D通信(Mode2)にモードを切り替えることができるため、D2Dサービスの中断時間が減り、D2D通信のロバスト性を保証することができる。
また、端末装置1は、モードの切り替えの判断に用いるタイマーを、端末装置1が属する近距離グループ通信に基づいて設定し、それぞれ開始することができる。また、端末装置1は、端末装置1が属する近距離グループ通信に基づいて、モードを切り替えるか否かを判断することができる。また、基地局装置2は、端末装置1に対し、モードの切り替えに用いられるタイマーの情報を、端末装置1が属する近距離グループ通信毎に通知することができる。
第1の実施形態によれば、端末装置1は、D2Dに興味がある場合に、バッファステータスレポートに関する一つまたは複数の条件に基づいて起動されるタイマーと、端末装置1が属する近距離グループ通信のグループ情報とに基づいて、D2D通信のモードを効率的に切り替えることができるため、D2Dに関連する通信を効率的に行うことができる。また、基地局装置2は、端末装置1が属する近距離グループ通信のグループ情報に基づくタイマーの情報を、端末装置1に対して通知することができるため、端末装置1のD2Dに関連する通信を効率的に行わせることができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
第1の実施形態では、例外的にMode2の無線リソースを使用可能であるかどうかを判断するタイマーを、グループインデックス毎に設定する例について説明した。しかしながら、第1の実施形態において、Mode2の無線リソースを使用する場合、全てのD2Dに関する通信がMode2によって行われてしまう。そこで、第2の実施形態では、近距離グループ通信単位(すなわち、グループインデックス単位、または、グループID単位)でのモードの切り替えが可能となる方法を示す。
第2の実施形態の端末装置1と基地局装置2の構成は第1の実施形態と同じ構成でよいため説明を省略する。
端末装置1は、第1の実施形態で説明したいずれかの条件を満たした場合、グループインデックスに対応したタイマー(Mode2タイマー、および/または、ProSe BSRに関する再送信タイマー)を開始する。そして、かかるタイマーが満了した場合に、グループインデックスにマッピングされたグループIDの通信(近距離グループ通信)をMode2で行い、他のグループID(グループインデックス)に関するD2D通信はMode1で行うようにしてもよい。
なお、基地局装置2から、Mode2のD2D通信を行うグループ(グループインデックス)が通知されてもよい。基地局装置2は、Mode2のD2D通信を行うグループを、個別のRRCメッセージ、および/または、システムインフォメーションを用いて端末装置1に通知することができる。あるいは、端末装置1は、UICCによる事前設定、または、システムにおける静的な設定に基づいてMode2のD2D通信を行うグループを決定することもできる。
端末装置1は、グループインデックスに対応するタイマーが満了したときに、そのグループインデックスがMode2のD2D通信を行うグループに対応している場合、対応するProSe BSRをキャンセルしてもよい。
基地局装置2は、例外的にMode2を行う場合に選択されるMode2の無線リソースをグループ(グループインデックス)毎に用意してもよい。基地局装置2は、例外的に選択されるMode2の無線リソースを、システムインフォメーション、個別のRRCメッセージ、または、UICCによる事前設定のMode2の無線リソースと独立した無線リソースとして設定(通知)してもよいし、その一部または全部が共通した無線リソースとして設定(通知)してもよい。
基地局装置2は、Mode2の無線リソースとグループインデックスとのマッピングを示す情報、または、Mode2の無線リソースと近距離グループ通信の優先度を示す情報とのマッピングを示す情報を端末装置1に通知してもよい。端末装置1は、例外的にMode2のD2D通信を行う場合、グループID、グループインデックス、または近距離グループ通信の優先度に基づいてMode2の無線リソースを選択してもよい。
同様に、端末装置1は、例外的にMode2でD2D通信を行うグループID(グループインデックス)毎に、かかる例外的な状態から離脱させることもできる。
基地局装置2は、D2Dグラントにグループインデックスを含めて送信してもよい。端末装置1は、D2Dグラントに含まれるグループインデックスの情報に基づいて、グループインデックス毎に、Mode2のD2D通信が例外的に許可された状態から、Mode1のD2D通信が許可された状態(Mode2のD2D通信を行わない状態、あるいは、Mode2の無線リソースを使用しない状態)に復帰したと判断してもよい。
また、端末装置1は、D2Dグラントを検出した場合に、自装置が判断(決定)したグループ(グループインデックス)の優先度、グループインデックスに対応するグループの種別(タイプ、属性)などに基づいて、グループインデックス毎に、Mode2のD2D通信が例外的に許可された状態から、Mode1のD2D通信が許可された状態(Mode2のD2D通信を行わない状態、あるいは、Mode2の無線リソースを使用しない状態)に復帰したと判断してもよい。
このように構成することによって、端末装置1と基地局装置2は、端末装置1が基地局装置2から割り当てられる無線リソースを用いたD2D通信(Mode1)をある所定の時間内に開始できなかった場合に、グループ毎に端末装置1によって選択される無線リソースを用いたD2D通信(Mode2)にモードを切り替えることができるため、D2Dサービスの中断時間が減り、D2D通信のロバスト性を保証することができる。
また、端末装置1は、モードの切り替えの判断に用いるタイマーを、端末装置1が属する近距離グループ通信に基づいて設定し、それぞれ開始することができる。また、端末装置1は、端末装置1が属する近距離グループ通信に基づいて、モードを切り替えるか否かをグループ毎に判断することができる。また、基地局装置2は、端末装置1に対し、モードの切り替えに用いられるタイマーの情報を、端末装置1が属する近距離グループ通信毎に通知することができる。
第2の実施形態によれば、端末装置1は、第1の実施形態に加え、D2D通信のための無線リソースの割り当て方法を端末装置1が属する近距離グループ通信毎に効率的に切り替えることができるため、D2Dに関連する通信を効率的に行うことができる。また、基地局装置2は、D2Dの無線リソースを割り当てる場合に、端末装置1が属する近距離グループ通信のグループ情報(グループインデックス)を含めて通知することができるため、端末装置1のD2Dに関連する通信をグループ毎に効率的に行わせることができる。
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。例えば、上りリンク送信方式は、FDD(周波数分割復信)方式とTDD(時分割復信)方式のどちらの通信システムに対しても適用可能である。また、実施形態で示される各パラメータや各イベントの名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用される名称と本発明の実施形態の名称とが異なっていても、本発明の実施形態において主張する発明の趣旨に影響するものではない。
また、例えば、例外的にMode2の無線リソースを使用可能であるかを判断するタイマーは、グループインデックス毎ではなく、送信元レイヤ2ID(Source Layer2−ID)毎、または、送信先レイヤ2ID(Destination Layer2−ID)毎に設定(通知)されてもよい。
また、各実施形態で用いた「接続」とは、ある装置と別のある装置とを、物理的な回線を用いて直接接続される構成に限定されるわけではなく、論理的に接続される構成や、無線技術を用いて無線接続される構成を含む。
また、D2Dに関する送信データは、端末装置1における上りリンク周波数を用いて受信されるため、各実施形態で「下りリンク」という表現が用いられている場合、D2Dに関しては、「上りリンク周波数を用いた他の端末装置1からのD2Dに関する送信データの受信(D2D受信、D2D−Rxとも称する)」という意味に解釈されるべきである。同様に、各実施形態で「上りリンク」という表現が用いられている場合、D2Dに関しては、「上りリンク周波数を用いた他の端末装置1へのD2Dに関する送信データの送信(D2D送信、D2D−Txとも称する)」という意味に解釈されるべきである。
各実施形態の端末装置、基地局装置、通信システム、通信方法および集積回路は、D2D通信全般に対して適用できるが、特に近距離グループ通信(グループキャスト通信、ProSe Group Communication)に対してより適合している。
また、端末装置1とは、可搬型あるいは可動型の移動局装置のみならず、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器や測定機器、車載装置、さらに身に着けることが可能なウェアラブル機器やヘルスケア機器などに対し通信機能を搭載したものを含む。また、端末装置1は、人対人または人対機器の通信だけではなく、機器対機器の通信(Machine Type Communication(MTC)、マシンタイプ通信)にも用いられる。
端末装置1は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置2は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)とも称される。
なお、基地局装置2は、3GPPが規定するUMTSにおいてNBと称され、EUTRAにおいてeNBと称される。なお、3GPPが規定するUMTS、EUTRAにおける端末装置1はUEと称される。
また、説明の便宜上、機能的なブロック図を用いて、端末装置1および基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するための方法、手段、またはアルゴリズムのステップについて具体的に組み合わせて記載したが、これらは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、または、これらを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。
もしハードウェアによって実装されるのであれば、端末装置1および基地局装置2は説明したブロック図の構成以外に端末装置1および基地局装置2へ電力を供給する給電装置やバッテリー、液晶などのディスプレイ装置及びディスプレイ駆動装置、メモリ、入出力インターフェース及び入出力端子、スピーカー、その他の周辺装置によって構成される。
もしソフトウェアによって実装されるのであれば、その機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。
そして、一つ以上の命令またはコードをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された一つ以上の命令またはコードをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより端末装置1や基地局装置2の制御を行なってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
本発明の各実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明の各実施形態に関わる端末装置1および基地局装置2で動作するプログラムは、本発明の各実施形態に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、プログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の各実施形態の機能が実現される場合もある。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上記各実施形態に用いた端末装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、少なくとも本明細書で述べられた機能を発揮できるように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けの集積回路(ASIC)あるいは一般用途向けの任意の集積回路(IC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって実装または実行され得る。
汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または上述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよいし、その両方を含んでいてもよい。
プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されてもよい。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の各実施形態の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これらの具体例に限定されないことは明らかであり、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明の各実施形態に対して何ら制限を加えるものではない。
また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も本発明の技術的範囲に含まれる。