図1は電力バックアップシステム100の実施例の模式的なブロック図である。電力バックアップシステム100は、第1の電源102、第2の電源104、第1の一対又は一組の無停電電源装置106、第2の一対又は一組の無停電電源装置108、第1の負荷110(1)、第2の負荷110(2)、第1の発電機114(1)、及び第2の発電機114(2)を含む。但し、電力バックアップシステム100は、より多くの又は少ない構成要素を含み得る。例えば、一実施形態において、電力バックアップシステム100は、第1の一対の無停電電源装置106のみを含み、第2の一対の無停電電源装置108を含まず、負荷は1つのみ、又は3つ以上含んでもよい。電力バックアップシステム100は、第1の電源102及び第2の電源104を、第1の一対の無停電電源装置106及び第2の一対の無停電電源装置108に、図1に例示するように電気的に結合する結線C1−C8を含む。さらに、第1の電源102及び第2の電源104は、それぞれ電気的結線C9及びC10を介して、従来の負荷112に電気的に結合されている。一実施形態において、電力バックアップシステム100は、第1の電源102に接続された発電機114(1)及び第2の電源104に接続された発電機114(2)を含む。電源102、電源104、又はその両方によって提供される電力は、第1の一対の無停電電源装置106、第2の一対の無停電電源装置108、又はその両方、及び発電機114(1)又は114(2)、又はその両方によって、一又は複数の負荷を駆動するために使用される。この一又は複数の負荷とは、例えば、負荷110(1)及び/又は負荷110(2)であって、これらは第1の一対の無停電電源装置106及び第2の一対の無停電電源装置108のそれぞれの出力端子(図示せず)に結合されている。電力バックアップシステム100の特徴及び機能は、本明細に記載されるよりも少ない又は多くの構成要素を用いて実現することができる。例えば、結線C1−C10のうちの一又は複数は、例えば回路遮断器又はヒューズなどの受動部品を経由しており、図1の電力バックアップシステム100に示す部品の詳細な構成は、例示であって限定ではない。また、一又は複数の発電機を結合して例えば114とし、2MW出力の発電機が2つの1MW容量のスイッチ102に電力を供給してもよく、逆に、2つの600KW出力の発電機の出力を同期して1つの1MW容量のスイッチ102に電力を供給してもよい。
一実施形態において、電力バックアップシステムは、データセンタなどの建物118の内部に配置されてもよい。一実施形態において、電力バックアップシステム100は建物の外部に配置されてもよい。一実施形態において、電力バックアップシステムの一部が建物118の内部に配置され、電力バックアップシステム100の一部が建物118の外部に配置されてもよい。例えば、第1及び第2の電源102及び104は建物118の外部に配置され、第1及び第2の一対の無停電電源装置106及び108は建物118の内部に配置されてもよい。
従って、本明細書に記載した様々な実施形態 は、電力バックアップシステム100の特定の配置に限定されず、また図1に示す構成は例示に過ぎない。
第1の電源102は交流(AC)主電源102(1)を含む。AC主電源102(1)自体は、入力が送電網116(1)又はその他の発電施設(図示せず)に結合され、出力が変圧器102(2)に電気的に結合されていてもよい。変圧器102(2)の出力は、電源自動切替スイッチ(ATS)102(3)に結合されてもよい。ATS102(3)は、AC主電源102(1)が故障した場合に発電機114(1)から電力を受けるための入力ゲート(図示せず)を含む。ATS102(3)の出力は、さらにバス102(4)に結合される。バス102(4)は、一又は複数の結線(例えば、結線C1、C3、C5、C7、及びC9)に電力を出力する。
同様に、第2の電源104は交流(AC)主電源104(1)を含む。AC主電源104(1)自体は、入力が送電網116(2)又はその他の発電施設(図示せず)に結合され、出力が変圧器104(2)に結合されていてもよい。一実施形態において、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)は共に同一の送電網116(1)又は116(2)に結合されてもよい。変圧器104(2)の出力は、電源自動切替スイッチ(ATS)104(3)に結合されてもよい。ATS104(3)は、AC主電源104(1)が故障した場合に発電機114(1)から電力を受けるための入力ゲート(図示せず)を含む。ATS104(3)の出力は、さらにバス104(4)に結合される。バス104(4)は、一又は複数の結線(例えば、結線C2、C4、C6、C8、及びC10)に電力を出力する。一実施形態において、第2の電源104は第1の電源102から独立している。あるいは、第2の電源104は第1の電源102と同一であるか、又は第1の電源102に電力を依存していてもよい。一実施形態において、第1の電源102及び/又は第2の電源104は、「ネットメータリング」に対応していてもよい。「ネットメータリング」においては、負荷110(1)及び110(2)の所有者が、再生され送電網116(1)及び/又は116(2)に戻された電気の少なくとも一部に対する金銭又はエネルギーによるクレジットを受ける。一実施形態において、第1の電源102及び/又は第2の電源104は、「ピークシェービング」に対応していてもよい。「ピークシェービング」においては、電力の使用者(例えば、負荷110(1)及び/又は110(2))は、電力需要のピーク時以外に比較的安価な公共電力を利用し、ピーク時に自らの電力(の一部又は全体)を発電して、高需要時の料金を回避することができる。一実施形態において、第1の電源102及び/又は第2の電源104は、主電源と協調してコジェネレーションモードに入り、コスト低減、エネルギー効率化、又は環境に優しい「グリーン」な用途を実現してもよい。
AC主電源102(1)は、例えば電力会社からの所定の電圧及び周波数(例えば、送電電圧(>115KV)、中電圧(例えば、33.4kV)、480V/60Hz、277V/60Hz、240V/60Hz、120V/60Hz、又はその他の値)の交流電力を供給する電源であってもよい。一実施形態において、AC主電源102(1)は公知の特性係数を有する実質的に正弦関数で表される出力電流を提供し、一又は複数の負荷、例えば負荷110(1)及び/又は負荷110(2)を駆動する。同様に、AC主電源104(1)は、AC主電源102(1)と類似の物理構造及び特性を有する。しかしながら、一実施形態において、AC主電源104(1)はAC主電源102(1)における出力に対して非同期の電流又は電力を出力してもよい。「非同期」という用語は、AC主電源102(1)とAC主電源104(1)とにおける出力が、互いに実質的に位相が異なる、実質的に周波数が異なる、実質的に振幅が異なる、又はこれらの組合せとなっていることに関連している。例えば、AC主電源102(1)の出力位相が、AC主電源104(1)の出力位相と実質的に異なってもよい。例えば、AC主電源102(1)とAC主電源104(1)におけるそれぞれの出力波形の位相が所定の許容誤差の範囲外にある場合、これら2つの位相は非同期と見なされる。別の実施形態において、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)から出力された電流又は電力は、同期してもよい。例えば、AC主電源102(1)とAC主電源104(1)におけるそれぞれの位相、周波数、振幅、又はそれらの組合せが、互いの所定の許容誤差の範囲内にある場合、これらの出力は「同期している」と見なされる。一実施形態において、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)は公共電力の提供者から同期した電力を供給されてもよい。一実施形態において、このような同期は並列板又は配電盤を用いずに実現してもよい。一実施形態において、実用的な目的のため、AC主電源102(1)からの出力はAC主電源104(1)からの出力と全く同じである。AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)のそれぞれの出力の具体的なパラメータ値は、電力バックアップシステム100が実施されている特定の地理的位置に依存する。上述のように、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)は、建物119の外部に配置されてもよく、あるいは建物118の電力/電気室(例えば、データセンター)に配置されてもよい。一実施形態において、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)は、直流(DC)電源で置き換えられてもよい。限定ではなく例として、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)は少なくとも1MWの電力を提供してもよい。さらに、AC主電源102(1)及び/又はAC主電源104(1)は、単相、複相、又は三相の電源であってもよい。
一実施形態において、変圧器102(2)及び104(2)は、それぞれAC主電源102(1)及びAC主電源104(1)から提供される電圧よりも低い電圧を出力することができるステップダウン変圧器であってもよい。一実施形態において、変圧器102(2)及び104(2)はそれぞれステップアップ変圧器であってもよい。限定ではなく例として、変圧器102(2)及び104(2)は、それぞれMVの範囲内のある値から480V又は400Vのステップダウン電圧を提供してもよい。変圧器102(2)及び104(2)は、負荷110(1)及び/又は110(2)の必要に応じて、電圧を2つ以上のレベルにステップアップ又はステップダウンしてもよい。通常、UPS106(1)、106(2)、108(1)、及び/又は108(2)、及び/又は負荷110(1)及び/又は110(2)が必要とする出力範囲は、480/400/277/240/220/208/120/110Vなどの標準電圧でもよい。
ATS102(3)及びATS104(3)は、それぞれ変圧器102(2)及び104(2)の出力端子に結合された三相センシングスイッチであってもよい。一実施形態において、ATS102(3)及びATS104(3)は、より一般的で安価な単相センシングスイッチであってもよい。さらに、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)のうちの一又は複数が故障又は想定を下回る稼動状態である場合には、ATS102(3)及びATS104(3)は、それぞれ発電機114(1)及び114(2)から電力を受けてもよい。例えば、負荷(例えば、負荷110(1))を発電機114(1)及び114(2)に切り替えることに加えて、ATS102(3)及びATS104(3)はまた、一次電源(例えば、AC主電源102(1)及び104(1))で監視される電圧に基づいて、それぞれ発電機114(1)及び114(2)に対して起動を命令する。また、ATS102(3)及びATS104(3)は、発電機114(1)及び114(2)が稼動して一時的に電力を提供しているときに、それぞれ発電機114(1)及び114(2)を公共電力から絶縁する。ATS102(3)及びATS104(3)の制御能力は手動のみであるか、又は自動と手動との組合せである。例えば、ATS102(3)及びATS104(3)の内部のコントローラ又はプロセッサは、継続的に又は予めプログラムされた時間間隔で、AC主電源102(1)、発電機114(1)、AC主電源104(1)、及び/又は発電機114(2)のそれぞれに関連する様々な特性係数を監視し、AC主電源102(1)、発電機114(1)、AC主電源104(1)、及び/又は発電機114(2)のうちの一又は複数を接続/遮断する決定を行って、高い又は許容範囲の特性を有する電力を提供する。同様に、ATS102(3)及びATS104(3)は、AC主電源102(1)、発電機114(1)、AC主電源104(1)、及び/又は発電機114(2)からの出力の電力特定を監視してその中から最適なものを選択する人間のオペレータによって操作されてもよい。さらに、このような監視は、制御室においてリモートで行われてもよい。この場合、ATS102(3)及びATS104(3)において算出された電力特性パラメータは、制御室内でコンピュータによって分析及び表示され、人間のオペレータに提供されて意思決定がなされる。一実施形態において、ATS102(3)及びATS104(3)は、それらからの出力を調節するために、プロセッサ及びメモリを用いて実施されるロジックコントローラを有してもよい。そのような調節には、出力の前にATS102(3)及びATS104(3)への入力に対して行われるノイズフィルタリング、スムージング、歪み低減、及びアナログ又はデジタル信号処理を含むが、これらには限定されない。
発電機114(1)及び114(2)は、例えば、最小定格が1MWの発電機でもよい。但し、発電機114(1)及び114(2)の詳細な定格は、負荷110(1)及び/又は負荷110(2)によって使用される電流に依存する。例として、発電機114(1)及び114(2)は、負荷110(1)及び110(2)の安全な動作のための信頼性要求に合致する任意の発電機であってもよい。通常、据え付け型のディーゼル発電機が使用される。但し、使用可能条件が用途及びニーズ(負荷110(1)及び110(2)の用途及びニーズ)に合致するならば、移動型の、天然ガス、プロパン、蒸気タービン、又は太陽光による発電機を用いてもよい。これらの発電機を「無停電」電力システムとともに用いて、ピークシェービング及びその他の機能を提供してもよい。
さらに、「発電機」という用語は単に、システム又は特定の用途の要求に合致するように選択された、もう一つの公共電力又はその他の給電機構のことである。「発電機」は予備用又は非常用の電力である必要はなく、一次「公共」電力であってもよい。但し、信頼性を確保するため、発電機114(1)及び114(2)は、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)のいずれかとは全く異なる給電機構であってもよい。
図1に示す通り、ATS102(3)及びATS104(3)からの出力電力は、それぞれバス102(4)及び104(4)を介して結線C1−C10に提供される。一実施形態において、バス102(4)及び104(4)は銅製のバスであり、受動装置であるが、通常の技能を有する当業者に知られる他の種類のバスを用いてもよい。10本の出力結線C1−C10のみが示されているが、本開示に接した通常の技能を有する当業者によって予想されるように、バス102(4)及び104(4)からの出力結線の数は、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)からの出力電力が用いられる特定の用途に従って、増減し得る。例えば、一実施形態において、バス102(4)からの結線C1及びC3、及びバス104(4)からの結線C2及びC4は、第1の一対の無停電電源装置106に接続され、それらに電力を提供する。同様に、バス102(4)からの結線C5及びC7、及びバス104(4)からの結線C6及びC8は、第2の一対の無停電電源装置108に接続され、それらに電力を提供する。
結線C1−C10は物理結線であり、例えば、適切な標準定格を有し、AC主電源102(1)、発電機114(1)、AC主電源104(1)、及び/又は発電機114(2)によって提供される電力を処理する電力ケーブルである。結線C1−C10は、AC主電源102(1)、発電機114(1)、AC主電源104(1)、及び/又は発電機114(2)、及び第1の一対のUPS106、第2の一対のUPS108、及び従来の負荷112の間の直接接続であるか、又はそれを形成する。但し、一実施形態において、結線C1−C10は、誘電性のチョークコイル、回路ブレーカ、及び/又はヒューズなどの受動部品を介して物理的に配線されてもよい。一実施形態において、結線C1−C10は銅製であるが、銅アルミニウム合金材料など、如何なる電力等級の材料も結線C1−C10に用いることができる。
一実施形態において、第1の一対の無停電電源装置106は第1の無停電電源装置(UPS)106(1)及び第2のUPS106(2)を含む。UPS106(1)及び106(2)の各々は、交流(AC)を直流に整流して負荷110(1)を駆動するように構成されてもよい。一実施形態において、負荷110(1)が交流負荷であるとき、この整流処理は実行されない。一実施形態において、UPS106(1)への入力電流は結線C1及びC2を介して第1の電源102及び第2の電源104にそれぞれ提供される。同様に、UPS106(2)への入力電流は結線C3及びC4を介して第1の電源102及び第2の電源104にそれぞれ提供される。UPS106(1)及び106(2)によって受けられた入力電流は、互いに非同期であってもよい。一実施形態において、結線C1及びC2を介して提供されるUPS106(1)への入力電流と、結線C3及びC4を介して提供されるUPS106(2)への入力電流とは、同期していてもよい。入力電流が同期しているか非同期であるかに関係なく、UPS106(1)及びUPS106(2)は、デジタル方式で同期した出力電流を提供して負荷110(1)を駆動する。なお、2つのUPS106(1)及び106(2)が図示されているが、第1の一対の無停電電源装置106はより多くのUPSを含んでもよく、その場合「一対」という語句は適用されない。例えば、第1の一対の無停電電源装置106が3つのUPSを含む場合には、第1の3つ組の無停電電源装置106、あるいは汎用的に、第1の組の電源106と呼ばれ、本明細書で開示される実施形態の特徴及び機能は特定の数のUPSに限定されない。
一実施形態において、第1のUPS106(1)はその第1の入力ゲートにおいて第1の一次フィード106(11)を有し、第2の入力ゲートにおいて第1の保守作業時バイパスフィード106(12)を有する。第1の一次フィード106(11)は結線C1によってバス102(4)に直接結合され、UPS106(1)の第1の入力ゲート/端子において第1の電源102(例えば、AC主電源102(1)又は発電機114(1))からのAC電流又は電力を受ける。第1の保守作業時バイパスフィード106(12)は結線C2によってバス104(4)に直接結合され、UPS106(1)の第2の入力ゲート/端子において第2の電源104(例えば、AC主電源104(1)又は発電機114(2))からのAC電流又は電力を受ける。本明細書で用いられるように、「直接」という語は記述される構成要素間の直接接続に関連し、中間に能動素子(例えば、能動スイッチ、配電盤など)が存在しないことを示す。例えば、上述のように、結線C1は第1の一次フィード106(11)及びバス102(4)の間の接続であるか、又はそれを形成する。一実施形態において、このような直接接続は間に受動部品(例えば、ヒューズ、回路ブレーカ、ブレーカパネルなど)を含み、第1の電源102及び第2の電源104のそれぞれのバス102(4)とバス104(4)との間を切り替える実質的な能動部品を含まない。
一実施形態において、第2のUPS106(2)はその第1の入力ゲートにおいて第2の一次フィード106(21)を有し、第2の入力ゲートにおいて第2の保守作業時バイパスフィード106(22)を有する。第2の一次フィード106(21)は結線C4によってバス104(4)に直接結合され、UPS106(2)の第1の入力ゲート/端子において第2の電源104(例えば、AC主電源104(1)又は発電機114(2))からのAC電流又は電力を受ける。第2の保守作業時バイパスフィード106(22)は結線C3によってバス102(4)に直接結合され、UPS106(2)の第2の入力ゲート/端子において第1の電源102(例えば、AC主電源102(1)又は発電機114(1))からのAC電流又は電力を受ける。なお、図1に示す結線の構成において、第1の一次フィード106(11)及び第2の一次フィード106(21)は共に異なる電源、すなわち、第1の電源102及び第2の電源104にそれぞれ直接接続されている。同様に、第1の保守作業時バイパスフィード106(12)及び第2の保守作業時バイパスフィード106(22)は共に異なる電源、すなわち、第2の電源104及び第1の電源102にそれぞれ直接接続されている。一実施形態において、このような直接接続は間に受動部品(例えば、ヒューズ、回路ブレーカ、ブレーカパネルなど)を含み、第1の電源102及び第2の電源104のそれぞれのバス102(4)とバス104(4)との間を切り替える実質的な能動部品を含まない。第2のUPS106(2)の出力は、標準的なインピーダンス整合回路(図示せず)を介して負荷110(1)に接続され、第1のUPS106(1)からの出力と並列に負荷110(1)を駆動する。一実施形態において、第1のUPS106(1)及び第2のUPS106(2)からのこれらの出力は同期している(例えば、デジタル方式で同期している)。
一実施形態において、第2の一対の無停電電源装置108は第3のUPS108(1)及び第4のUPS108(2)を含む。UPS108(1)及び108(2)の各々は、交流を直流に整流して負荷110(2)を駆動するように構成されてもよい。一実施形態において、負荷110(2)が交流負荷であるとき、この整流処理は実行されない。一実施形態において、UPS108(1)への入力電流は結線C5及びC6を介して第1の電源102及び第2の電源104にそれぞれ提供される。同様に、UPS108(2)への入力電流は結線C7及びC8を介して第1の電源102及び第2の電源104にそれぞれ提供される。一実施形態において、UPS108(1)及び108(2)によって受けられた入力電流は、互いに非同期であってもよい。一実施形態において、結線C5及びC6を介して提供されるUPS108(1)への入力電流と、結線C7及びC8を介して提供されるUPS108(2)への入力電流とは、同期していてもよい。入力電流が同期しているか非同期であるかに関係なく、UPS108(1)及びUPS108(2)は、デジタル方式で同期した出力電流を提供して負荷110(2)を駆動する。なお、2つのUPS108(1)及び108(2)が図示されているが、第2の一対の無停電電源装置108はより多くのUPSを含んでもよく、その場合「一対」という語句は適用されない。例えば、第2の一対の無停電電源装置108が3つのUPSを含む場合には、第2の3つ組の無停電電源装置108、あるいは汎用的に、第2の組の無停電電源装置108と呼ばれ、本明細書で開示される実施形態の特徴及び機能は特定の数のUPSに限定されない。
一実施形態において、第3のUPS108(1)はその第1の入力ゲートにおいて第3の一次フィード108(11)を有し、第2の入力ゲートにおいて第3の保守作業時バイパスフィード108(12)を有する。第3の一次フィード108(11)は結線C5によってバス102(4)に直接結合され、第3のUPS108(1)の第1の入力ゲート/端子において第1の電源102(例えば、AC主電源102(1)又は発電機114(1))からのAC電流又は電力を受ける。第3の保守作業時バイパスフィード108(12)は結線C6によってバス104(4)に直接結合され、第3のUPS108(1)の第2の入力ゲート/端子において第2の電源104(例えば、AC主電源104(1)又は発電機114(2))からのAC電流又は電力を受ける。一実施形態において、このような直接接続は間に受動部品(例えば、ヒューズ、回路ブレーカ、ブレーカパネルなど)を含み、第1の電源102及び第2の電源104のそれぞれのバス102(4)とバス104(4)との間を切り替える実質的な能動部品を含まない。
一実施形態において、第4のUPS108(2)はその第1の入力ゲートにおいて第4の一次フィード108(21)を有し、第2の入力ゲートにおいて第4の保守作業時バイパスフィード108(22)を有する。第4の一次フィード108(21)は結線C8によってバス104(4)に直接結合され、第4のUPS108(2)の第1の入力ゲート/端子において第2の電源104(例えば、AC主電源104(1)又は発電機114(2))からのAC電流又は電力を受ける。第4の保守作業時バイパスフィード108(22)は結線C7によってバス102(4)に直接結合され、第4のUPS108(2)の第2の入力ゲート/端子において第2の電源102(例えば、AC主電源102(1)又は発電機114(1))からのAC電流又は電力を受ける。なお、図1に示す結線の構成において、第3の一次フィード108(11)及び第4の一次フィード108(21)は共に異なる電源、すなわち、第1の電源102及び第2の電源104にそれぞれ直接接続されている。同様に、第3の保守作業時バイパスフィード108(12)及び第4の保守作業時バイパスフィード108(22)は共に異なる電源、すなわち、第2の電源104及び第1の電源102にそれぞれ直接接続されている。一実施形態において、このような直接接続は間に受動部品(例えば、ヒューズ、回路ブレーカ、ブレーカパネルなど)を含み、第1の電源102及び第2の電源104のそれぞれのバス102(4)とバス104(4)との間を切り替える実質的な能動部品を含まない。一実施形態において、第3のUPS108(1)及び第4のUPS108(2)からのこれらの出力は同期している(例えば、デジタル方式で同期している)。
「無停電」という用語は、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)のうちの一又は複数から負荷110(1)及び/又は負荷110(2)への実質的に継続的な電気又は電力の供給に関する。さらに、「無停電」という用語は、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)のうちの一又は複数から負荷110(1)及び/又は負荷110(2)への、負荷110(1)−110(n)の許容できる性能を阻害しない様な電気又は電力の出力に関する。例えば、UPS106(1)からの電力出力は、一定期間変動する場合がある。しかしながら、このような変動が負荷110(1)の正常な動作に影響しない限り、UPS106(1)からの出力電流又は電力は、「無停電」電源であると見なされる。負荷110(1)及び110(2)の許容できる、あるいは正常な動作は、負荷110(1)及び110(2)が使用される特定の用途に依存する。従って、こうした許容できる性能は特定の状況に基づいて変化する。対照的に、電力の供給が不連続になった場合、すなわち、負荷110(1)及び110(2)の動作が実質的に妨げられる場合、そのような電力出力又は電力供給は「断続的」又は「不連続」と見なされ、定義上「無停電」ではない。一実施形態において、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)のうちのいずれか2つのUPSが故障した場合、他の2つのUPSは負荷に電力を提供し続けてもよい。一実施形態において、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)はそれぞれ、500kW出力のUPSであってもよい。限定ではなく例として、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)のうちの一又は複数は、単一又は複数変換、AC−AC、AC−DC−AC、DC−AC、ロータリ(フライホイールなど)の方式のものでもよいが、これらには限定されない。
一実施形態において、従来の負荷112は結線C9によってバス102(4)に結合され、結線C10によってバス104(4)に結合される。従来の負荷112は、建物118内に存在する単相装置を全般的に示す。従来の負荷112は、単一の電力入力にのみ対応した装置であってもよく、出力を同期した第1のUPS106(1)及び第2のUPS108(1)から供給を受けるが、必ずしも4つのUPS106(1)、106(2)、108(1)、及び108(2)のすべてから供給を受けるわけではない。このような負荷の一例は、パーソナルコンピュータ(PC)の一般的なモニタである。サーバーであれば、全く非同期の負荷を調整できる2つ以上の電源を備えるように設計される場合があるが、消費者向け及びデスクトップ装置は単一の負荷を備えることが多い。この場合、従来の負荷112は、単一の入力にのみ対応した建物システム(例えば、冷房装置又はその他の暖房、換気、及び空調装置(HVAC)など)に動力を提供してもよい。これは電力バックアップシステム100が既存の建物にいかに適用されるかを示しており、保護を必要としない装置に対する改修をほとんど又は全く行わない設計となっている。同様に、第1及び第2の一対のUPS106及び108のそれぞれの後段には、ATS102(3)及び104(3)が適用され、UPSの保護を受ける装置に対してUPSの電力を提供する。従来の負荷112は三相センシングスイッチ112(1)を含み、第1の電源102及び第2の電源104からAC電流又は電力を受けてもよい。三相センシングスイッチ112(1)は、公共電力間で切り替える給電のためのものであってもよい。第1の電源102、第2の電源104、又はその両方から受けた検知された電力に基づいて、三相センシングスイッチ112(1)は従来の単一給電装置112(2)又はその他の負荷を駆動する。ここで、「単一給電」という用語は入力端子を1つのみ有する負荷のことであり、UPS106(1)、106(2)、108(1)、及び108(2)などの複式給電装置とは対照的である。これらの複式給電装置は、上述のように、一次フィード及び保守作業時バイパスフィードとして構成された少なくとも2つの入力ゲート/端子を有する。一実施形態において、従来の負荷112の有無は任意であり、存在しない場合には、電力バックアップシステム100は結線C9及びC10を含まない。
一実施形態において、負荷110(1)及び110(2)はそれぞれデータセンタ内のサーバであってもよく、これらのサーバはさらに、このデータセンタのサービスを受ける個々のコンピュータ(図示せず)に結合されている。負荷110(1)及び110(2)は別個の負荷として示されたが、一実施形態においては、負荷110(1)及び110(2)は単一の負荷であってもよい。負荷110(1)及び110(2)のさらなる例としては、付加的な下流装置、変圧器などが含まれる。本明細書で開示される実施形態の特徴及び機能は、付加110(1)及び110(2)の性質には限定されない。別の実施形態において、3つ以上の負荷が存在してもよい。別の実施形態において、単一のサーバが3つ以上の電源に対応し、複数の電力システム100に接続してこれら各システムに対する負荷110(1)又は110(2)として動作してもよい。さらに、負荷110は2つの電力入力を有し、負荷110(1)及び110(2)の両方として電力を利用して信頼性を高めてもよい(例えば、複式電源コンピュータサーバ)。
例として、電力バックアップシステム100は負荷110(1)及び110(2)のうちの一又は複数に無停電電力を提供するように構成される。一実施形態において、電力バックアップシステム100は電源(例えば、第1の電源102、第2の電源104、又はその両方)のうちの一又は複数が故障した場合に継続的な無停電電力を提供する。例えば、図1に示す例示的な実施形態において、電力バックアップシステム100は、合計で4つの独立した電源、すなわち、AC主電源102(1)、AC主電源104(1)、発電機114(1)、及び発電機114(2)を備える。但し、その他の実施形態においては、電力バックアップシステム100は独立した電源をさらに備えてもよい。電源バックアップシステム100内の結線C1−C10の構成は、これら4つの電源の少なくとも1つが機能している限り、負荷110(1)及び110(2)がUPS106(1)、106(2)、108(1)、及び/又は108(2)を介して無停電電力の供給を常に受けることができることを保証する。限定ではなく例として、電力バックアップシステム100の故障の態様を以下に述べる。
電力バックアップシステムの第1の故障の態様において、AC主電源102(1)が故障又は想定を下回る稼動状態となる(例えば、低い特性係数、振幅又は周波数の変化、位相の損失又は「遅れ」、位相不均衡など)。この態様において、ATS102(3)は異常な状態を検知し、発電機114(1)からの電力をバス102(4)に向ける。その結果、負荷110(1)及び110(2)、並びに従来の負荷112(存在している場合)は、対応する結線C1−C10を介して電力を受け続ける。同様に、発電機114(1)が故障しただけでは、電力バックアップシステム100が負荷110(1)及び110(2)を駆動する能力には影響しない。AC主電源104(1)又は発電機114(2)の一方が故障又は想定を下回る稼動状態となる、このような故障の態様に関する類似の分析が実施されてもよい。例えば、ATS104(3)はAC主電源104(1)において異常な状態を検知し、従って発電機114(2)からの電力をバス104(4)に向けてもよい。その結果、負荷110(1)及び110(2)、並びに従来の負荷112(存在している場合)は、対応する結線C1−C10を介して電力を受け続ける。同様に、発電機114(2)が故障しただけでは、電力バックアップシステム100が負荷110(1)及び110(2)を駆動する能力には影響しない。
電力バックアップシステム100の第2の故障の態様において、第1の電源102並びに発電機114(1)が共に故障する。この態様において、バス102(4)からは電流又は電力出力はなく、従って、結線C1、C3、C5、C7、及びC9は電気的に休止状態となる。一実施形態において、手動のスイッチ又は能動部品を介した「逆給電」を用いて、第2の電源104又は発電機114(2)が故障状態にあったとしても、第2の電源104又は発電機114(2)からC1、C3、C5、C7、及びC9に対して電力を提供してもよい。このような逆給電は、例えば電力バックアップシステム100の故障した構成要素を試験する際に便利である。しかしながら、第1の電源102及び発電機114(1)が完全に故障していたとしても、負荷110(1)及び110(2)は第2の電源104及び/又は発電機114(2)から電力を受ける。例えば、この故障の態様において、第1の一次フィード106(11)は結線C1を介していかなる電力も受けない。しかしながら、第1の保守作業時バイパスフィード106(12)は、結線C2を介して第2の電源104から電力を受ける。この結果、UPS106(1)から負荷110(1)への出力は維持される。同様に、結線C4によって第2の電源104に接続される第2のUPS106(2)の第2の一次フィード106(21)は、第2の電源102の故障の影響を受けず、負荷110(1)に対して電力を出力し続ける。しかしながら、結線C3を介して第1の電源102に接続されそこから電力を受ける第2の保守作業時バイパスフィード106(22)は、第1の電源102並びに発電機114(1)が共に故障した場合には、いかなる電力も受けない。
同様に、第2の故障の態様においては、図1に示すように、第3のUPS108(1)の第3の一次フィード108(11)は、結線C5を介して第1の電源102及び発電機114(1)からいかなる電力も受けず、第4のUPS108(2)の第4の保守作業時バイパスフィード108(22)は、結線C7を介して第1の電源102からいかなる電力も受けない。しかし、第3のUPS108(1)の第3の保守作業時バイパスフィード108(12)及び第4のUPS108(2)の第4の一次フィード108(21)は、第2の電源104又は発電機114(2)から電力を受け続け、従って、負荷110(2)を駆動することができ、第1の電源102及び発電機114(1)の故障による障害が発生しない。さらに、第2の故障の態様において、従来の負荷112は結線C10を介して第2の電源104から電力を受ける。
第3の故障の態様において、第2の電源104並びに発電機114(2)が共に故障する。この態様において、バス104(4)からは電流又は電力出力はなく、従って、結線C2、C4、C6、C8、及びC10は電気的に休止状態となる。しかしながら、第2の電源104及び発電機114(2)が完全に故障していたとしても、負荷110(1)及び110(2)は第1の電源102及び/又は発電機114(1)から電力を受ける。例えば、この故障の態様において、UPS106(2)の第2の一次フィード106(21)は、結線C4を介して第2の電源104及び/又は発電機114(2)からいかなる電力も受けない。同様に、UPS106(1)の第1の保守作業時バイパスフィード106(12)は、結線C2を介して第2の電源104及び/又は発電機114(2)からいかなる電力も受けない。しかしながら、第1の一次フィード106(11)及び第2の保守作業時バイパスフィード106(22)は、それぞれ結線C1及びC3を介して第1の電源102から電力を受ける。この結果、UPS106(1)から負荷110(1)への出力は維持される。
同様に、第3の故障の態様においては、図1に示すように、第3のUPS108(1)の第3の保守作業時バイパスフィード108(12)は、結線C6を介して第2の電源104及び発電機114(2)からいかなる電力も受けず、第4のUPS108(2)の第4の一次フィード108(21)は、結線C8を介して第2の電源104からいかなる電力も受けない。しかし、第3のUPS108(1)の第3の一次フィード108(11)及び第4のUPS108(2)の第4の保守作業時バイパスフィード108(22)は、第1の電源102又は発電機114(1)からそれぞれ結線C5及びC7を介して電力を受け続け、従って、負荷110(2)を駆動することができ、第2の電源104及び発電機114(2)の故障による障害が発生しない。さらに、第3の故障の態様において、従来の負荷112は結線C9を介して第1の電源102から電力を受ける。
第4の故障の態様において、発電機114(1)のみが機能し、AC主電源102(1)、AC主電源104(1)、及び発電機114(1)は稼動していない。この故障の態様において、バス102(4)は発電機114(1)からの電力を各端子に出力するため、結線C1、C3、C5、C7、及びC9は活動状態となる。その結果、AC主電源102(1)、AC主電源104(1)、及び発電機114(2)が故障していても、負荷110(1)、110(2)、及び従来型の負荷112は電力を受ける。発電機114(1)及びAC主電源102(1)が潜在的に非同期であっても、電力バックアップシステム100が負荷110(1)及び110(2)を駆動する能力には影響しない。なぜならば、第1のUPS106(1)と第2のUPS106(2)、及び第3のUPS108(1)と第4のUPS108(2)は、それぞれデジタル方式で同期するからである。
第5の故障の態様において、発電機114(2)のみが機能し、AC主電源102(1)、AC主電源104(1)、及び発電機114(1)は稼動していない。この故障の態様において、バス104(4)は発電機114(2)からの電力を各端子に出力するため、結線C2、C4、C6、C8、及びC10は活動状態となる。その結果、AC主電源102(1)、AC主電源104(1)、及び発電機114(1)が故障していても、負荷110(1)、110(2)、及び従来型負荷112は電力を受ける。
なお、上述の故障の態様は例示であって限定を意図したものではない。本開示に接した通常の技能を有する当業者であれば、上述の故障の態様の一又は複数の組合せである、その他の故障の態様を予測することができる。例えば、一対のUPSのうちの一方のUPSが故障又は想定を下回る稼動状態となった場合でも、当該一対のUPSのうちの他方のUPSは負荷に電力を供給し続ける。
一実施形態において、第1の一対のUPS106及び第2の一対のUPS108のうちの一方のみが、負荷(例えば、負荷110(1))に電力を供給するために提供されてもよい。上述の故障の態様又はそれらの組合せは、この場合も適用可能であり、負荷に対する無停電電力は一対のUPSのみでも実現できる。例えば、異なる故障の態様であっても、UPS106(1)及び106(2)は、AC主電源102(1)、AC主電源104(1)、発電機114(1)、及び発電機114(1)のうちの少なくとも1つから電力を受け続ける。さらに、一実施形態において、いずれかのUPSの一次フィードが電力を受けていない場合に、当該UPSは当初はその中に備えるバッテリに依存して負荷(例えば、負荷110(1))に電力を提供し、その後漸次保守作業時バイパスフィードから負荷への電力を伝送する。このような漸次の伝送は、プロセッサ及びメモリを有し、当該プロセッサとメモリとがUPS内の内部バスによって互いに結合されたコントローラ(図示せず)によって制御されてもよい。
一実施形態において、追加のUPSが提供されてもよい。例えば、第3の一対又は一組のUPS(図示せず)が提供されてもよく、これら第3の一対のUPSのそれぞれの一次フィードは異なる独立した電源に接続され、また同様に、これらの第3の一対のUPSのそれぞれの保守作業時バイパスフィードは異なる独立した電源に接続されてもよい。すなわち、第3の一対のUPSのうちの一方のUPSの一次フィードは、他方のUPSの保守作業時バイパスフィードと電源(例えば、電源102又は発電機114(1))を共有してもよい。同様に、第3の一対のUPSのうちの第1のUPSの保守作業時バイパスフィードは、第3の一対のUPSのうちの第2のUPSの一次フィードと共通の電源を共有してもよい。その結果、上述の故障の態様の分析は、上述の結線のように、UPSの対又は組がいくつの場合にも拡大することができる。
図2は、例えば電力バックアップシステム100を用いて電力バックアップを提供する方法200のフローチャートを示す。
方法200は、最初に処理202において、第1のUPS(例えば、第1のUPS106(1))の一次フィードが第1の電源(例えば、AC主電源102(1)及び/又は発電機114(1))に直接結合され、保守作業時バイパスフィードが第2の電源(例えば、AC主電源104(1)及び/又は発電機114(2))に直接結合される。このような直接結合は、能動部品(例えば、能動スイッチ)を含まない結合を含む。第1及び第2の電源は独立した電源であり、非同期の電力を提供してもよい。あるいは、第1及び第2の電源は独立した電源であっても、同期した電力を提供してもよい。
処理204において、第2のUPS(例えば、第2のUPS106(1))の一次フィードが第2の電源(例えば、AC主電源104(1)及び/又は発電機114(2))に直接結合され、保守作業時バイパスフィードが第1の電源(例えば、AC主電源102(1)及び/又は発電機114(1))に直接結合される。この結合においては、第2のUPSの一次フィードが、第1のUPSの一次フィードが結合されている電源とは異なる電源に結合される。同様に、この結合においては、第2のUPSの保守作業時フィードが、第1のUPSの保守作業時フィードが結合されている電源とは異なる電源に結合される。
処理206において、第1及び第2のUPSは、第1及び第2のUPSのそれぞれの出力ゲートに並列に接続された一又は複数の負荷に対して無停電電源を提供する。このように一又は複数の負荷に対して電力を提供する際には、電源の1つが故障しても第1及び第2のUPSの出力には影響しないようになっている。一実施形態において、2つのUPSからの出力はデジタル方式で同期し、一又は複数の負荷を駆動する。
なお、上述の処理202−206の特定の順番は例示であって限定を意図としたものではない。例えば、ある処理が別の処理の前、又はそれと並行して実行されてもよい。さらに、方法200の範囲を逸脱しない限り、2以上の処理を1つの処理に結合してもよい。これに代えて、又はこれに加えて、所要の特徴及び機能によっては、一又は複数の処理の有無は任意である。例えば、必要に応じて追加のUPS(例えば、第2の一対のUPS108)を、図1に例示した処理202及び204おける第1及び第2のUPSの場合と同様に、独立した電源に結合してもよい。
図3は、(図1に示される)上記で説明した電力バックアップシステム100と(その構造及び/又は機能が)同様な一つの又は複数の構成要素を備えてもよい電力バックアップシステム300の一実施例を概略的に示したブロック図である。したがって、(図3に示す)システム300の構成要素のうちシステム100と同様なものについては、図1で使用したのと同じ参照番号を使用して説明する。電力バックアップシステム300は、第1の電源102、第2の電源104、一対又は一組の無停電電源装置106、負荷110(1)、第1の三相センシングスイッチ112(1,1)、第2の三相センシングスイッチ112(1,2)、第1の従来型単一給電負荷112(2,1)、第2の従来型単一給電負荷112(2,2)、第1の発電機114(1)及び第2の発電機114(2)を備え得る。但し、電力バックアップシステム100は、より多くの又は少ない構成要素を含み得る。スイッチ112(1,1)、112(1,2)は、上記のシステム100について説明した時の三相センシングスイッチ112(1)と同様なものであってよく、負荷112(1,2)、112(2,2)は負荷112(2)と同様なものであってもよい。更に、一対又は一組の電源装置106が示されているが、システム300は、複数の対の又は組の無停電電源装置106(又は、図1に示して説明したような複数の無停電電源装置(UPS)108)を備えてもよい。
一実施形態において、電力バックアップシステム300は、第2の一対の無停電電源装置108を備えずに第1の一対の無停電電源装置106のみを備えてもよいし、3対以上の無停電電源装置を備えてもよい。また、負荷を一つのみ備えてもよいし、3つ以上の負荷を備えてもよい。また、三相センシングスイッチ112(1)を一つのみ備えてもよいし、三相センシングスイッチ112(1)を三つ以上備えてもよい。また、負荷112(2)を一つのみ備えてもよいし、負荷112(2)を3つ以上備えてもよい。電力バックアップシステム300は、第1の電源102及び第2の電源104を、第1のスイッチ112(1,1)及び第2のスイッチ112(1,2)に図3に例示するように電気的に結合する結線C1−C4を含む。一実施形態において、スイッチ112(1,1)、112(1,2)は共に、直接電源102、104に接続されている、すなわち、これらの間に能動部品を挟むことなく接続されている。また、第1の及び第2のスイッチ112(1,1)、112(1,2)は、図3に示すように結線C5−C8を介して、一対の無停電電源装置106に電気的に結合される。更に、第1の及び第2のスイッチ112(1,1)、112(1,2)は、それぞれ結線C13、C14を介して単一給電負荷112(2,1)、112(2,2)に電気的に結合される。一実施形態において、スイッチ112(1,1)、112(1,2)はそれぞれ、外部メンテナンス用バイパス接続を備え、図3に示すようにスイッチの入力が、例えば、結線C15又はC16により当該スイッチの出力に接続される。一般的に、スイッチ112(1,1)、112(1,2)は、マニュアルメンテナンス用バイパス、配電盤用スイッチ(又は、別の過電流装置)を有することがある。同様に、UPS106は、外部メンテナンス用バイパス接続を備え、図3に示すようにUPSの入力が、例えば、結線C17又はC18により当該UPSの出力に接続される。
システム100と同様に、電力バックアップシステム300は、第1の電源102に接続された発電機114(1)及び第2の電源104に接続された発電機114(2)を含む。電源102、電源104、又はその両方によって提供される電力は、一対の無停電電源装置106、発電機114(1)若しくは114(2)、又はその両方によって、一又は複数の負荷を駆動するために使用される。この一又は複数の負荷とは、例えば、一対の無停電電源装置106のそれぞれの出力端子(図示せず)に結合されている負荷110(1)である。電力バックアップシステム300の特徴及び機能は、本明細に記載されるよりも少ない又は多くの構成要素を用いて実現することができる。例えば、結線C1−C8、C13−C18のうちの一つ又は複数は、システム100の結線と同様であってもよく、例えば、システム300の結線は、例えば、回路ブレーカ又はヒューズである受動部品を介して配線されてもよい。図3の電力バックアップシステム300に示される構成要素の特定の配置は一例に過ぎず、これに限定されない。また、一又は複数の発電機を結合して例えば114とし、2MW出力の発電機が2つの1MW容量のスイッチ102に電力を供給してもよく、逆に、2つの600KW出力の発電機の出力を同期して1つの1MW容量のスイッチ102に電力を供給してもよい。電力バックアップシステム300は(部分的に又は全体が)、例えば、データセンターのような建物118の内部又は外部に配置されてもよい。例えば、第1及び第2の電源102及び104は建物118の外部に配置され、第1及び第2の一対の無停電電源装置106及び108は建物118の内部に配置されてもよい。従って、本明細書に記載した様々な実施形態 は、電力バックアップシステム300の特定の配置に限定されず、また図3に示す構成は例示に過ぎない。
第2の電源104の電力は、第1の電源102とは独立している場合もあるし、第1の電源102に依存する場合もある。一実施形態において、第1の電源102及び/又は第2の電源104は、「ネットメータリング」及び/若しくは「ピークシェービング」を可能にしてもよく、又は、上記でシステム100に関して説明したようにコジェネレーションモードで動作してもよい。更に、ATS102(3)及びATS104(3)は、三相センシングスイッチ又は単相センシングスイッチであってもよく、システム100に関して上記で説明したのと同様な配置、能力及び機能を有してもよい。
ある実施形態において、ATS102(3)の出力は、バス102(4)に結合される。バス102(4)は第1の電源102から、一の又は複数の接続(例えば、結線C1、C3)を介して、第1のスイッチ112(1,1)及び第2のスイッチ112(1,2)へと電力を出力する。同様に、ATS104(3)の出力は、バス104(4)に結合される。バス104(4)は第2の電源104からの電力を、一の又は複数の接続(例えば、結線C2、C4)を介して、第1のスイッチ112(1,1)及び第2のスイッチ112(1,2)へと出力する。一実施形態において、バス102(4)及び104(4)は銅製のバスであり、受動装置であるが、通常の技能を有する当業者に知られる他の種類のバスを用いてもよい。一般的に、バス102(4)及び104(4)は、配線溝若しくはバスダクトとして構成されてもよい、又は、停電保護及び/又は過電流保護を伴う若しくは伴わない同様な受動的配置に構成されてもよい。更に、バス102(4)及び104(4)は、その地域の電気工事規定に基づいて規定されてもよい。別の実施形態では、システム300は任意の銅製バスを備えてもよく、この場合、ATS102(3)、104(3)は、直接ATS112(1,1)、112(1,2)に接続されてもよい。
図3に示すように、ATS112(1,1)及びATS112(1,2)からの出力電力はそれぞれ、結線C5−C8に提供される。4本の出力結線C5−C8のみが示されているが、本開示に接した通常の技能を有する当業者によって予想されるように、ATS112(1,1)及びATS112(1,2)からの出力結線の数は、AC主電源102(1)及びAC主電源104(1)からの出力電力が用いられる特定の用途に従って、増減し得る。例えば、一実施形態において、ATS112(1,1)からの結線C5及びC7、及びATS112(1,2)からの結線C6及びC8は、第1の一対の無停電電源装置106に接続され、それらに電力を提供する。
無停電電源装置106は、第1の無停電電源装置(UPS)106(1)及び第2のUPS106(2)を含む。UPS106は、図1のシステム100に関して上記で説明したのと同様な構成、構造及び機能を有してもよい。例えば、UPS106(1)、106(2)の各々は、交流(AC)を直流に整流して負荷110(1)を駆動するように構成されてもよい。一実施形態において、一対のUPS106への入力電流が同期しているか非同期であるかに関係なく、UPS106(1)及びUPS106(2)は、デジタル方式で同期された出力電流を提供して負荷110(1)を駆動する。UPS106の各々が2つのUPSを含むように図示されているが、UPS106は、これよりも多い数のUPSを含んでもよい。
一実施形態において、第1のUPS106(1)はその第1の入力ゲートにおいて第1の一次フィード106(11)を有し、第2の入力ゲートにおいて第1の保守作業時バイパスフィード106(12)を有する。第1の一次フィード106(11)は結線C5によってATS112(1,1)に直接結合され、UPS106(1)の第1の入力ゲート/端子において第1の電源102(例えば、AC主電源102(1)又は発電機114(1))からのAC電流又は電力を受ける。第1の保守作業時バイパスフィード106(12)は、結線C6によってATS112(1,2)に直接結合され、UPS106(1)の第2の入力ゲート/端子において第2の電源104(例えば、AC主電源104(1)又は発電機114(2))からのAC電流又は電力を受ける。
一実施形態において、第2のUPS106(2)はその第1の入力ゲートにおいて第2の一次フィード106(21)を有し、第2の入力ゲートにおいて第2の保守作業時バイパスフィード106(22)を有する。第2の一次フィード106(21)は結線C8によってATS112(1,2)に直接結合され、UPS106(2)の第1の入力ゲート/端子において第2の電源104(例えば、AC主電源104(1)又は発電機114(2))からのAC電流又は電力を受ける。第2の保守作業時バイパスフィード106(22)は結線C7によってATS112(1,1)に直接結合され、UPS106(2)の第2の入力ゲート/端子において第1の電源102(例えば、AC主電源102(1)又は発電機114(1))からのAC電流又は電力を受ける。一実施形態において、ATS112とUPS106との間の直接接続C5−C8は、これらの間に受動部品(例えば、ヒューズ、回路ブレーカ、ブレーカパネル等)を備えてもよく、ATS112(1,1)及び112(1,2)を切り替える実質的な能動部品を有さなくてもよい。第2のUPS106(2)の出力は、標準的なインピーダンス整合回路(図示せず)を介して負荷110(1)に接続され、第1のUPS106(1)からの出力と並列に負荷110(1)を駆動する。一実施形態において、第1のUPS106(1)及び第2のUPS106(2)からのこれらの出力は同期している(例えば、デジタル方式で同期している)。
一実施形態において、単一給電負荷112(2,1)に電力を供給し駆動するべくATS112(1,1)が(結線C13を介して)電気的に接続され、単一給電負荷112(2,2)を駆動するべく当該負荷にATS112(1,2)が(結線C14を介して)電気的に接続されてもよい。負荷112(2,1)、112(2,2)としては、パーソナルコンピュータ(PC)、コンピュータサーバ、冷却又は加熱装置、換気装置、エアコン(冷暖房空調設備)部品等が含まれる。
一実施形態において、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)のうちのいずれか2つのUPSが故障した場合、他の2つのUPSは負荷に電力を提供し続けてもよい。一実施形態において、第1のUPS106(1)及び/又は第2のUPS106(2)はそれぞれ、500kW出力のUPSであってもよい。限定ではなく例として、第1のUPS106(1)及び/又は第2のUPS106(2)は、単一又は複数変換、AC−AC、AC−DC−AC、DC−AC、ロータリ(フライホイールなど)の方式のものでもよいが、これらには限定されない。
例として、電力バックアップシステム300は負荷110(1)及び110(2)のうちの一又は複数に無停電電力を提供するように構成される。一実施形態において、電力バックアップシステム300は電源(例えば、第1の電源102、第2の電源104、又はその両方)のうちの一又は複数が故障した場合に継続的な無停電電力を提供する。例えば、図3に示す例示的な実施形態において、電力バックアップシステム300は、合計で4つの独立した電源、すなわち、AC主電源102(1)、AC主電源104(1)、発電機114(1)、及び発電機114(2)を備える。但し、その他の実施形態においては、電力バックアップシステム100は独立した電源をさらに備えてもよい。電源バックアップシステム300内の結線C1−C8の構成は、これら4つの電源の少なくとも1つが機能している限り、負荷110は、UPS106(1)及び/又は106(2)(及び/又は更なるUPS)を介して無停電電力の供給を常に受けることができることを保証する。更に、システム300は、上記でシステム100に関して説明したのと同様な態様で負荷110(及び/又は負荷112)に継続して電力を供給するべく、一の又は複数の故障の態様に対処するように構成されてもよい。
一実施形態において、ATS112(1,1)は、外部保守作業用バイパス接続を有し、当該バイパスでは、ATS112(1,1)の入力(例えば、電源102に接続される入力)が、出力のうちの一つ、例えば、結線C15に接続される。同様に、ATS112(1,2)は、外部保守作業用バイパス接続を有し、当該バイパスでは、ATS112(1,2)の入力(例えば、電源104に接続される入力)が、出力のうちの一つ、例えば、結線C16に接続される。このような外部保守作業用バイパス接続は、複数の回路ブレーカのインターロックを含んでもよく、これを使用することにより、負荷110、112への電力供給を途絶えさせることなく、故障した、機能しない又は古くなったATS(1,1)又は112(1,2)を取り外す又は取り替えることができる。図示していないが、このような外部保守作業用バイパス接続は、ATS102(3)及び/又はATS104(3)に対しても利用可能である。
一実施形態において、UPS106(1)及びUPS106(2)はそれぞれ、外部保守作業用バイパス接続を有し、UPSの入力(例えば、UPSの一次フィード)が、結線C17、C18に例示されるUPSの出力のうちの一つに接続される。このような外部保守作業用バイパス接続は、複数の回路ブレーカのインターロックを含んでもよく、これを使用することにより、負荷110、112への電力供給を途絶えさせることなく、故障した、機能しない又は古くなったUPS106を取り外す又は取り替えることができる。
図4は、例えば電力バックアップシステム300を用いて電力バックアップを提供する方法400のフローチャートを示す。
方法400は、最初に処理402において、第1のUPS(例えば、第1のUPS106(1))の一次フィードが第1のスイッチ(例えば、ATS112(1,1))に直接結合され、保守作業時バイパスフィードが第2のスイッチ(例えば、ATS112(2))に結合される。ATS112(1,1)及びATS(1,2)は、図3にを参照して上記で説明したように、第1及び第2の電源102、104に直接接続されてもよい。第1及び第2の電源は独立した電源であり、非同期の電力を提供してもよい。あるいは、第1及び第2の電源は独立した電源であっても、同期した電力を提供してもよい。
処理404において、第2のUPS(例えば、第2のUPS106(2))の一次フィードが第2の電源(例えば、ATS112(1,2))に結合され、保守作業時バイパスフィードが第1の電源(例えば、ATS112(1,1))に直接結合される。この結合においては、第2のUPSの一次フィードが、第1のUPSの一次フィードが結合されている電源とは異なる電源に結合される。同様に、この結合においては、第2のUPSの保守作業時フィードが、第1のUPSの保守作業時フィードが結合されている電源とは異なる電源に結合される。
処理406において、第1及び第2のUPSは、第1及び第2のUPSのそれぞれの出力ゲートに並列に接続された一又は複数の負荷に対して無停電電源を提供する。このように一又は複数の負荷に対して電力を提供する際には、電源の1つが故障しても第1及び第2のUPSの出力には影響しないようになっている。一実施形態において、2つのUPSからの出力はデジタル方式で同期し、一又は複数の負荷を駆動する。
なお、上述の処理402−406の特定の順番は例示であって限定を意図としたものではない。例えば、ある処理が別の処理の前、又はそれと並行して実行されてもよい。さらに、方法400の範囲を逸脱しない限り、2以上の処理を1つの処理に結合してもよい。これに代えて、又はこれに加えて、所要の特徴及び機能によっては、一又は複数の処理の有無は任意である。例えば、必要に応じて追加のUPS(例えば、第2の一対のUPS108)を、図3に例示した処理402及び404おける第1及び第2のUPSの場合と同様に、スイッチ112を介して独立した電源に結合してもよい。
限定ではなく例として、本明細書に記載された様々な実施形態においては、第1の電源102及び第2の電源104が同期しているか同期していないかに関わらず、同期した電力を一又は複数の負荷、例えば、データセンタ内のサーバに提供するという利点がある。本明細書に記載された実施形態は、実質的に99%のエネルギー効率を以って電力の伝達機構に一点の障害もなく無停電電力を提供する。一実施形態において、第1の電源102、第2の電源104、発電機114(1)及び114(2)、及び第1及び第2の一対のUPS106及び108の間には、電動式断線部又は制御盤を用いない。但し、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)には個別に静的切替スイッチを組み込んでもよい。同様に、一実施形態において、第1及び第2の一対のUPS106及び108に電源を提供する際の第1の電源102及び第2の電源104の間の切り替えは、非接触で行われてもよい。本明細書に記載した様々な実施形態のさらに別の例示的な利点は、能動スイッチの実装と比較して部品コストが最大70%低減されることである。さらに、例えば緊急時に第1のAC主電源102(1)と発電機114(1)、及び/又は第2のAC主電源104(1)と発電機114(2)の間で同期が失われても、下流の負荷には影響しない。電力バックアップシステム100は電源及びUPSを比例的に追加して拡大することが可能であり、その際、拡大が必要な中央制御型の構成要素に伴う複雑なコストは発生しない。さらに、一実施形態において、構成要素間の導線の長さが有意に短縮されて抵抗負荷が低減され、さらに効率が高まる。これらは、受動部品の使用を増やすことで部分的に増進される。
一実施形態において、電力の伝達機構の組合せを用いて、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)から電力を出力してもよい。例えば、第1のUPS106(1)及び第2のUPS106(2)など、いずれの一対のUPSによって電力が共有されてもよい。別の態様として、負荷110(1)及び/又は負荷110(2)は、個別に第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)から電力を受けてもよい。さらに別の態様として、第1のUPS106(1)、第2のUPS106(2)、第3のUPS108(1)、及び/又は第4のUPS108(2)のうちの1つの電力出力ゲートからの電力が、複式電力サーバ又はその他の負荷に対して電力を提供してもよい。一実施形態において、電力バックアップシステム100、より詳細には第1の一対のUPS106及び/又は第2の一対のUPS108は、1MWから100MWの電力出力を提供するように構成される。但し、UPSの数(又はUPSのサイズ)を変更すれば、より大きい、又は小さい電力出力が可能となる。
本開示の上述の実施形態及び態様は限定を意図したものではなく、発明の概念の機能的及び構造的原理を例示するために提示及び記載されたものであって、以下の請求項の趣旨と範囲を逸脱しない様々な改変を包含することを意図している。