JP6566722B2 - プレライニングブロック - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉、加熱炉、高炉、熱風炉、転炉、電気炉、取鍋、あるいは2次精錬炉などの鉄の製造工程で使用される工業炉のライニングに使用され、耐火物どうしを組み合わせたプレライニングブロックに関する。
鉄の製造工程で使用される工業炉では、れんが等の耐火物をライニングする際に、作業能率向上のためにあらかじめ複数の耐火物をモルタル目地で接合したプレライニングブロックが使用されている。
例えば、特許文献1には、多数の耐火れんがをその長さ方向が炉壁厚みの方向に配向するように積み重ねて接着一体化した耐火ブロックを炉内に搬入し、この耐火物ブロックを円筒型溶融金属路炉の炉内の周方向及び高さ方向に順次積み付ける炉内内張り施工方法が開示されている。そして、この特許文献1の施工方法では、耐火物ブロックを炉内に搬入するために、クレーンの先に専用のL字型フックを取り付け、このL字型フックで耐火物ブロックの中央部の下面を保持して吊り上げるようにしている。
しかしながら、特許文献1の施工方法では、L字型フックで耐火物ブロックを吊り上げて移送する際に、L字型フックが耐火物ブロックの中央部の下面しか保持していないため、その移送の際に耐火物ブロックの両側部の耐火物のモルタル目地に亀裂が発生することがある。モルタル目地に亀裂が生じると、耐火物が溶鋼やスラグと接触する場合にはモルタル目地に溶鋼やスラグが侵入し局部的な損傷を生じる可能性があり、耐火物がガスと接している場合にはモルタル目地の亀裂からガスがリークする場合がある。さらに、大きな亀裂が発生した場合には、使用中に耐火物がずれて耐火物ブロックに大きな亀裂が発生し、耐火物が剥落する可能性もある。
また、特許文献2には、補修すべき壁体を複数の積層部分に分け、各積層部分と一致する形状に複数のれんがを組み合わせた耐火物集合体を炉外で形成し、コークス炉の壁体補修部を解体除去した後、前記耐火物集合体で壁体を築造する補修方法が開示さている。
しかしながら、特許文献2の耐火物集合体は、コークス炉内に搬入して施工する際、その下面を、下側に配置される耐火物とモルタルを介して接合しなければならないため、吊り上げるときに下面全体を保持することが不可能である。一方、この耐火物集合体を例えば側面にフックを設けて吊り上げる場合には、複数の小形状の耐火物が組み合わせられているため、耐火物間のモルタル目地が開いてしまい、耐火物集合体が変形したり、耐火物が脱落する可能性もある。
そこで、特許文献3には、このような耐火物集合体をコークス炉内に搬入して取り込むための装置として、耐火物集合体の両側面を圧着する圧着板と、圧着板を開閉する腕と、腕の開閉中心となるピンと、腕の延長部の先端部を拡縮する拡縮装置とを備えたレンガ取り込み装置が開示されている。しかしながら、このレンガ取り込み装置を使用すると、耐火物集合体の両側面に大きな圧力が加わるので、その圧力により耐火物がずれてモルタル目地に亀裂が発生する場合がある。
特開2007−263447号公報 特開2001−19968号公報 特開2001−19969号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐火物どうしを組み合わせたプレライニングブロックを移送する際の耐火物のずれや崩落を防止することにある。
本発明者らは、プレライニングブロックの目地部を含む表面に有機系のコーティング層を形成することで、移送する際の耐火物のずれや崩落を防止できるとともに、有機系のコーティング層は加熱により分解するので使用時にはプレライニングブロックの性能に悪影響を与えることがないことを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の(1)から(3)のプレライニングブロックが提供される。
(1)鉄の製造工程で使用される工業炉に使用され、耐火物どうしを組み合わせたプレライニングブロックであって、表面において施工時のモルタルとの接触面を除く面に、目地部を含むようにポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂からなる有機系のコーティング層が形成されたプレライニングブロック。
(2)鉄の製造工程で使用される工業炉に使用され、耐火物どうしを組み合わせたプレライニングブロックであって、表面において施工時のモルタルとの接触面を除く面に、目地部を含むように引張強度が15MPa以上である有機系のコーティング層が形成されたプレライニングブロック。
(3)コークス炉に使用される請求項1又は請求項2に記載のプレライニングブロック。
このように本発明では、プレライニングブロックの目地部の強度を補強するために、その目地部に有機系のコーティング層を形成するが、有機系のコーティング層は加熱により分解するので、使用時にはプレライニングブロックの性能に悪影響を与えることはない。すなわち、本発明は、プレライニングブロックの目地部の補強のために有機系のコーティング層を適用したことで、プレライニングブロックの本来の性能を損なうことなく、移送する際の耐火物のずれや崩落を防止することができ、特にこの点で鉄の製造工程で使用されるプレライニングブロックとしての有用性がある。
本発明においてコーティング層は、目地部に発生する応力に応じて任意の部位の目地部を含む面に形成することができる。すなわち、一部の面にコーティング層を形成しても良いし、全面に形成しても良いが、特に、耐火物どうしを、モルタルを介して接合したモルタル目地を有するプレライニングブロックにおいては、プレライニングブロックを移送する場合、中でも吊り上げて移送する場合には、モルタル目地に引張応力が掛かるためこのモルタル目地に亀裂が生じやすい。したがって、このモルタル目地を含むように有機系のコーティング層を形成することで、プレライニングブロックを移送する際のモルタル目地の亀裂を効果的に抑制できる。なお、本発明でいう目地部とは、前述のモルタルを使用したモルタル目地のほか、モルタルを使用しない空目地を含むものである。
本発明においてコーティング層は、ポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂で形成することが好ましい。ポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂は、表1に示すように他のコーティング用樹脂と比較して引張強度が非常に高い特徴がある。このため、他のコーティング用樹脂と比較してコーティング厚みが薄くてもあるいはコーティング面積が小さくてもプレライニングブロックを移送するときに目地部に生じる引張応力に十分対応できる。また、ポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂はスプレーで施工することができ、しかも直ぐに硬化し強度が発現することから、プレライニングブロックの目地部を素早くコーティングすることができ、作業能率に優れている。
鉄の製造工程で使用される工業炉は使用される前に加熱され、この加熱により有機系のコーティング層は分解されるが、その分解ガスが多くなると作業環境が悪化したりさらには環境汚染が問題となる。この点、コーティング用樹脂としてポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂を使用すれば、前述のように他のコーティング用樹脂と比較してコーティング厚みを薄くしたりあるいはコーティング面積を小さくできるため、樹脂の分解ガスの発生を抑制することができる。
また、本発明で使用するポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂は、引張強度が15MPa以上のものを使用することが好ましい。引張強度の高いポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂を使用することで、目地部の亀裂をより確実に抑制することができ、しかもコーティング厚みをより薄くすることができるため炉内で発生するガス量を抑制することができる。なお、本発明でいう引張強度はASTMD412による。
プレライニングブロックは築炉時にモルタルを介して他の耐火物(プレライニングブロック)と接合される場合が多い。モルタルはプレライニングブロックの気孔に侵入することで強固な結合組織を形成するが、モルタルとプレライニングブロックとの間にコーティング層が存在すると、この強固な結合組織が形成されないため構造体としての強度が不十分になる場合もある。さらに、コークス炉などではガスリークが発生するため問題となる場合もある。したがって、モルタルとプレライニングブロックとの接着力を高める点からは、プレライニングブロックの表面において施工時のモルタルとの接触面には、コーティング層を形成しないか少ない面積とすることが好ましい。
本発明のプレライニングブロックは、鉄の製造工程で使用される工業炉に適用するが、中でもコークス炉に適用することが好ましい。コークス炉では、プレライニングブロックを炉長方向に分割した単位とすることで、長辺側側面にモルタルと接触しない面(モルタル非接触面)を有するプレライニングブロックとすることができるからである。例えば、燃焼室を高さ方向と炉長方向に分割し、炉長方向に長い略直方体に分割したプレライニングブロックの長辺側側面には移送時に大きな引張応力が掛かるが、この長辺側側面は炭化室になるためモルタル非接触面であり、問題なくコーティング層を形成できる。そして、モルタルと接触する上下の面の目地部と一部の側面にはコーティング層を形成しなくても、これらの面の目地部では移送時の引張応力が小さいので、目地部の亀裂が生じにくい構造体とすることができる。
以上のとおり。本発明によれば、プレライニングブロックの表面において目地部を含むように有機系のコーティング層を形成したことで、プレライニングブロックを移送する際の耐火物のずれや崩落を防止することができる。そして、有機系のコーティング層は加熱により分解するので、プレライニングブロックの本来の性能を損なうことなく、移送する際の耐火物のずれや崩落を防止することができる。
また、目地部がモルタル目地の場合、プレライニングブロックを移送する際に、そのモルタル目地の亀裂を抑制することができるため、施工後のプレラインニングブロックのモルタル目地の亀裂によるトラブルを防止することができる。
さらに、コーティング層をポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂により形成することで、コーティング層の厚みを薄くしたり、コーティング層の面積を小さくできるため、施工後のコーティング層の分解ガスの発生量を低減することができる。
また、一般的に転炉では、耐火物(れんが)はモルタルを使用することなく空目地でライニングされるため、従来技術ではプレライニングブロックとすることができなかったが、本発明によれば目地部を跨ぐようにコーティング層を形成することで、プレライニングブロックとすることができ、このプレライニングブロックを使用することで転炉のライニング施工を効率的に実施できるようになる。
コーティング層を形成する前の状態のプレライニングブロックを示す斜視図である。 本発明の第1の実施例によるプレライニングブロックを示す斜視図である。 本発明の第2の実施例によるプレライニングブロックを示す斜視図である。 本発明の第3の実施例によるプレライニングブロックを示す斜視図である。 本発明の第4の実施例によるプレライニングブロックを示す斜視図である。 本発明の第5の実施例によるプレライニングブロックを示す斜視図である。 本発明の第6の実施例によるプレライニングブロックを示す斜視図である。
本発明のプレライニングブロックは、複数の耐火物どうしをモルタルを使用せず空目地で組み合わせた耐火物の集合体、あるいは複数の耐火物どうしをモルタルを使用してモルタル目地で接合して組み合わせた耐火物の集合体のいずれにも適用することができる。そして、耐火物としては、鉄の製造工程で使用される工業炉に一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、不焼成れんが、焼成れんが、あるいはプレキャストブロックなどである。これらの耐火物を接合するモルタルにも制約はなく、一般的なモルタルが使用可能である。また、プレライニングブロックの大きささや形状についても特に制約はない。
本発明において有機系のコーティング層は、前述のとおりポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂で形成することが好ましいが、これには限定されず、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を使用することもできる。
本発明において好適に使用可能なポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂は、構造体の表面にコーティングするためなどに一般に市販されているもの使用することができる。また使用条件によって、目地部に高い強度が要求される場合には、引張強度が15MPa以上のものを使用することができる。このような引張強度の条件を満足するポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂も、コーティング材として一般に市販されているものを使用することができ、例えばポリウレア樹脂として株式会社ジャパンホームランドセキュリティのLINE−Xを使用することができる。
図1には、コーティング層を形成する前の状態のプレライニングブロックを示す。このプレライニングブロック1は、コークス炉の燃焼室を高さ方向と炉長方向に分割し、炉長方向に長い略直方体に分割した形状を有し、耐火物として珪石れんが2を1段当たり10個使用し、高さ方向に4段配置して組み合わせたものである。
このプレライニングブロック1は、施工時には上面3と下面4と両方の長手方向の端面5,6の合計6面がモルタルを介して他のプレライニングブロック(耐火物)と接合され、これら以外の表面が、施工時のモルタルと接触しないモルタル非接触面となる。また、珪石れんが2どうしの目地部7には、接着強度が0.9MPaの珪酸ソーダを結合剤とする硅石材質のモルタルを目地部7の厚みが平均3mmとなるように使用している。なお、図1のプレライニングブロック1では、その縦方向の目地部7(縦目地)が連続しないように珪石れんがが配置されている。このプレライニングブロック1の各段は、長辺側が1192mm、短辺側が886mm、高さが120mmで全体の重量は約336kgである。珪石れんがは、かさ比重が1.87、見掛け気孔率が18.5%、SiO含有量が95.5質量%のものを使用した。
図2には、本発明の第1の実施例によるプレライニングブロック1を示す、このプレライニングブロック1は、図1のプレライニングブロックにおいて施工時のモルタル非接触面のうち、両方の長辺側側面9,10と両方の短辺側側面11,12の合計4面をポリウレア樹脂でコーティングしコーティング層16を形成したものである。具体的にはポリウレア樹脂として株式会社ジャパンホームランドセキュリティのLINE−X(引張強度23MPa、伸長率160%)を使用し、これをスプレーで吹き付けることで約1mmの厚みのコーティング層16を形成した。このプレライニングブロック1の側面の上部には、クレーンで吊り上げるための金属製のフックを4箇所に接着材で貼り付けている。
図3には、本発明の第2の実施例によるプレライニングブロックを示す。このプレライニングブロック1は、図1のプレライニングブロックにおいて施工時のモルタル非接着面のうち、長辺側の両側面の最下段の2面13,14にのみ、ポリウレア樹脂をコーティングしてコーティング層16を形成したものである。また、長辺側の両側面の最下段部には吊り上げ用のフックを入れるための孔15を片側に2個有している。ポリウレア樹脂としては、前述の第1の実施例と同様に株式会社ジャパンホームランドセキュリティのLINE−Xを使用し、これをスプレーで吹き付けることで約1mmの厚みのコーティング層16をした。
これら図2及び図3の実施例に示すようにコーティング層16は、プレライニングブロック1を吊り上げるなどの移送時に目地部に働く引張応力で目地部に亀裂が発生することを抑制することを主目的として形成するものであり、この点から、プレライニングブロックにおいて目地部の引張応力の大きな部位に形成することが効果的である。例えば図3の第2の実施例の場合には、最下段の縦目地に大きな引張応力が働くので、この最下段の縦目地を含む最下段の表面にのみ、コーティング層16を形成するだけでも目地部の亀裂の発生を抑制することができる。その他の目地部はモルタルの接着強度で十分である。
また、コーティング層16は、少なくともプレライニングブロック1の目地部を跨ぐように形成すれば、目地部の亀裂の発生を抑制する効果が得られる。さらに、目地部を含む面を被覆するように形成すれば、プレライニングブロックとコーティング層との接着強度を高めることができるので、より目地部の補強効果が得られる。
コーティング層を形成する部位、面積、及び厚みは、目地部に働く引張強度、目地部の接着強度、及び耐火物とコーティング層との接着性等に応じて適宜決定することができる。大型のプレライニングブロックになるほど、目地部の引張応力が大きくなるのでコーティング層を形成する面積を広くしたり、その厚みを大きくすることで目地部の補強をすることができる。また、接着力の小さいモルタルを使用したり、気孔率の低い耐火物を使用する場合には目地部の接着強度が低くなるため、コーティング層を形成する面積を広くしたり、その厚みを大きくする。さらに、耐火物の表面とコーティング層を形成するためのコーティング材との濡れ性などで、コーティング層と耐火物との接着性が悪い場合には、コーティング層を形成する面積を広くすることができる。
次に、図3と同様のプレライニングブロックに対して、異なる種類のコーティング材及び耐火物を使用した試験結果を表2に示す。
表2中、試験例1から試験例4及び試験例7から試験例9で使用した耐火物及びモルタルは、図1のプレライニングブロックと同じものである。一方、試験例5では、耐火物としてAl含有量が90質量%のアルミナセメントを使用したキャスタブル製のアルミナブロックを使用した。このアルミナブロックは110℃で乾燥したものであり、これを使用したプレライニングブロックの目地部には、Al含有量が90質量%の珪酸ボンドのモルタルを使用した。また、試験例6では、耐火物としてはAl含有量が85質量%、黒鉛含有量が10質量%の不焼成アルミナカーボンれんがを使用し、モルタルにはフェノール樹脂をバインダーとしたアルミナカーボン質モルタルを使用した。そして、コーティング層の厚みは、試験例1から試験例7では1mmとし、試験例8及び試験例9では4mmとした。
以上の構成を有する各試験例のプレライニングブロックをクレーンで約3mの高さに吊り上げて、左右に往復5回揺らした後下ろすテストを3回繰り返した後、最下段のれんがについて底面から観察して目地部の亀裂の有無を確認した。
また、別途、加熱試験を実施した。加熱試験では、珪石れんが1個の表面(230mm×115mm)に、試験例3、試験例4及び試験例7についてはコーティング層を1mm厚みで形成し、試験例8及び試験例9についてはコーティング層を4mm厚みで形成し、それぞれガスバーナで加熱しコーティング層を燃焼した。
試験例1から試験例3は引張強度の異なるポリウレア樹脂を使用した例であり、試験例1では一方の長辺側の中央の縦目地に微小亀裂が発生したが実用上問題となるレベルではなく、試験例2及び試験例3では亀裂がなく良好であった。試験例4はポリウレタン−ウレア樹脂を使用した例であり、ポリウレア樹脂を使用した場合と同様に亀裂がなく良好であった。試験例5及び試験例6は、それぞれ耐火物としてキャスタブル製のアルミナブロック及び不焼成アルミナカーボンれんがを使用した例であり、いずれも亀裂がなく良好であった。試験例7はエポキシ樹脂を使用して1mm厚みのコーティング層を形成した例であり、両側の長辺側の中央の縦目地の一部に幅約0.3mmの亀裂が発生したが実用上問題となるレベルではなかった。試験例8はエポキシ樹脂を使用して4mm厚みのコーティング層を形成した例であり、亀裂は発生しなかった。試験例9はポリウレタン樹脂を使用して4mm厚みのコーティング層を形成した例であり、亀裂は発生しなかった
また、加熱試験の結果、試験例3及び試験例4では煙が少なく刺激臭もほとんどなかったが、試験例7では黒煙が発生して刺激臭がし、試験例8では大量の黒煙が発生して刺激臭がし、試験例9では、煙は多少発生したが刺激臭は少なかった。なお、黒煙が発生した試験例7及び試験例8であっても、コスト上の問題はあるものの適切な排気ガス浄化装置等を設ければ使用可能である。
以下、本発明のプレライニングブロックの他の実施例を説明する。
図4には、本発明の第3の実施例によるプレライニングブロックを示す。図4のプレライニングブロックは、コークス炉の蓄熱室の本壁を高さ方向と炉長方向に分割した形状を有し、耐火物として珪石れんが2を1段当たり12個使用し、高さ方向に7段配置したものである。その大きさは、縦1050mm、横400mm、高さ1083mmである。このプレライニングブロック1は施工時には上面3と下面4と長手方向の両端面5,6との合計4面がモルタルを介して他の耐火物と接合され、両側の長辺側側面の突出面17,18がモルタル非接触面となる。また、珪石れんが2どうしの目地部7には接着強度が0.9MPaの珪酸ソーダを結合剤とする硅石材質のモルタルを目地部7の厚みが平均3mmとなるように使用している。そして、モルタル非接触面である前述の突出面17,18の全面にポリウレア樹脂を1mm厚みでスプレーコーティングしてコーティング層を形成し、1日間の大気養生を行った後、懸吊し実施工に供した。その結果、目地開きや耐火物(珪石れんが)の剥離・脱落もなく安全に施工できた。また、コークス炉の稼働中において、コーティング層を形成した面からのガスリークもなく健全にコースス炉を稼動させることができた。
図5には、本発明の第4の実施例によるプレライニングブロックを示す。図4のプレライニングブロックは、コークス炉のソールフリュー部を高さ方向と炉長方向に分割した形状を有し、その大きさは、縦約520mm、横約1050mm、高さ1350mmである。このプレライニングブロックは施工時に上面3と下面4と長辺側側面9,10がモルタルを介して他のプレライニングブロック(耐火物)と接合され、短辺側側面11,12とソールフリュー内面19がモルタル非接触面でとなる。この短辺側側面11,12とソールフリュー内面19にポリウレア樹脂を1mm厚みでスプレーコーティングしてコーティング層を形成し、1日間の大気養生を行った後、懸吊し実施工に供した。その結果、目地開きや耐火物(珪石れんが)の剥離・脱落もなく安全に施工できた。また、コークス炉の稼働中において、コーティング層を形成した面からのガスリークもなく健全にコースス炉を稼動させることができた。
なお、前述の第3の実施例及び第4の実施例について、事前に加熱試験を行った結果、いずれも煙が少なく刺激臭もほとんどなかった。
図6には、本発明の第5の実施例によるプレライニングブロックを示す。図6のプレライニングブロックは、170t溶鋼鍋のスラグライン部の巻き替えの中間補修において、3段分のスラグライン用マグネシアカーボンれんがをマグネシア質モルタルであらかじめ接着して一体化したもので、具体的には、溶鋼鍋20のスラグライン部を円周方向に8分割した形状を有し、その繋ぎ面23を除く稼働面21及び背面22の全体にポリウレア樹脂を2mm厚みでコーティングしてコーティング層を形成することで結束一体化したものである。このプレライニングブロックを、重機にて溶鋼鍋内に吊り込み補修部位へ施工した。同一作業を7回繰り返し、プレライニングブロック間には加工煉瓦を装入し築炉を行った。施工時に、れんがのずれや崩落はなかった。
図7には、本発明の第6の実施例によるプレライニングブロックを示す。図6のプレライニングブロックは、転炉で使用されるマグネシアカーボンれんがを1段に3個、2段で6個を、モルタルを使用せず空目地で組み合わせて集合体とし、その上面3と下面4と長辺側側面9,10との4つの面にポリウレア樹脂を1mm厚みでスプレーコーティングしてコーティング層を形成したものである。このプレライニングブロックを、重機にて転炉内に吊り込み補修部位へ施工したが、れんがのずれや崩落はなかった。
1 プレライニングブロック
2 珪石れんが
3 上面
4 下面
5,6 長手方向の端面
7 目地部
8 最下段
9,10 長辺側側面
11,12 短辺側側面
13,14 長辺側の最下段
15 孔
16 コーティング層
17,18 長辺側側面の突出面
19 ソールフリュー内面
20 溶鋼鍋
21 稼働面
22 背面
23 繋ぎ面

Claims (3)

  1. 鉄の製造工程で使用される工業炉に使用され、耐火物どうしを組み合わせたプレライニングブロックであって、表面において施工時のモルタルとの接触面を除く面に、目地部を含むようにポリウレア樹脂又はポリウレタン−ウレア複合樹脂からなる有機系のコーティング層が形成されたプレライニングブロック。
  2. 鉄の製造工程で使用される工業炉に使用され、耐火物どうしを組み合わせたプレライニングブロックであって、表面において施工時のモルタルとの接触面を除く面に、目地部を含むように引張強度が15MPa以上である有機系のコーティング層が形成されたプレライニングブロック。
  3. コークス炉に使用される請求項1又は請求項2に記載のプレライニングブロック。
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