JP6566356B2 - 血中中性脂肪上昇抑制組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、血中中性脂肪上昇抑制組成物に関する。
血液中の脂質は、大きくコレステロール及び中性脂肪に分けられる。コレステロールの構造式は下記式(1)
(1)
に示すとおりの化合物である。コレステロールは血中ではリポタンパク質と複合体を形成し、リポタンパク質の種類によって、LDL(Low Density Lipoprotein)コレステロール(いわゆる、悪玉コレステロール)やHDL(High Density Lipoprotein)コレステロール(いわゆる、善玉コレステロール)などとよばれる。
それに対して、中性脂肪は、その大部分をトリグリセリド(トリアシルグリセロール)が占める。トリグリセリドは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造をとる。トリグリセリドの一例であるトリパルミチンは、1分子のグリセロールに3分子のパルミチン酸がエステル結合したものであり、下記式(2)
(2)
により示される。
血液中の中性脂肪には、内因性及び外因性のものがある。内因性の中性脂肪は、血中の遊離脂肪酸などから肝臓で合成される。肝臓で合成された中性脂肪はLDLコレステロール(LDLとコレステロールとの複合体)に取り込まれる。
それに対して、外因性の中性脂肪は、飲食品などに含まれる中性脂肪(トリグリセリド)を摂取することにより生成される。すなわち、飲食品などに含まれるトリグリセリドは、消化管組織で消化されて、遊離脂肪酸及びモノグリセリドに分解される。生成した遊離脂肪酸及びモノグリセリドは、小腸内腔内でそれぞれのキャリアタンパク質に結合して小腸絨毛から吸収され、腸管粘膜上皮細胞内で再びトリグリセリドに転換される。このように生成したトリグリセリドは、カイロミクロンを構成し、血液中に入る。したがって、トリグリセリドを含む食事を摂取した際にみられる血中中性脂肪の上昇は、主として、外因性の中性脂肪に起因する。
血液中の脂質値が正常の範囲外である状態を脂質代謝異常症という。脂質代謝異常症は、血液中のLDL(悪玉コレステロール)が多い状態である高LDLコレステロール血症、血液中のHDL(善玉コレステロール)が少ない状態である低HDLコレステロール血症及び血液中のトリグリセリド(中性脂肪)が多い状態である高トリグリセリド血症に分類される。脂質代謝異常症は罹患したとしても、痛みなどの自覚症状を伴うことがほとんどない。その結果、脂質代謝異常症の罹患者は、気付かぬうちに症状が進行し、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な疾患を発症する危険性がある。
脂質代謝異常症に関連して、コレステロールや中性脂肪を低下し得るものとして、難消化性デキストリンが知られている。この難消化性デキストリンの作用に着眼して、例えば、難消化性デキストリンをコーティングした無洗米や難消化性デキストリンを水に添加して炊飯して得られる米飯が知られている(特許文献1及び2を参照)。
特開2004−313090号公報 特開2014−082986号公報
特許文献1及び2には、難消化性デキストリンが有する作用に依拠して、これらの文献に記載の無洗米や米飯がコレステロールや中性脂肪を低下し得ることが記載又は示唆されている。しかし、特許文献1及び2には、これらの文献に記載の無洗米や米飯が実際にコレステロールや中性脂肪を低下したことを実証した実施例等の記載はない。特に、特許文献1及び2には、コレステロールや中性脂肪を低下し得るという作用について、難消化性デキストリン自体が有する作用と、特許文献1及び2に記載の無洗米や米飯が有する作用との間にどのような関係性があるのかについて、科学的かつ合理的に説明した記載はない。
また、難消化性デキストリンに組み合わせることによって、難消化性デキストリンを単独で用いるよりも、コレステロールや中性脂肪といった脂質代謝異常症に関する指標の数値を改善し得る素材やその加工物についてはこれまでに知られていない。
そこで、本発明は、難消化性デキストリンと、難消化性デキストリンと組み合わせることによって脂質代謝異常症に関する指標の数値を顕著に改善する素材又はその加工物を含有する組成物を提供することを、本発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の素材について鋭意検討を積み重ねたところ、難消化性デキストリンと組み合わせることによって脂質代謝異常症に関する指標の数値を顕著に改善し得るものは得られなかった。そこで、本発明者らは、さらなる試行錯誤を繰り返した結果、難消化性デキストリンとココナッツ、豆又は米の抽出液や搾汁液といった液状の植物加工物とを含有する組成物は、油脂含有組成物の前に投与した場合に、脂質代謝異常症に関する指標の一つである血中中性脂肪の上昇を抑制する作用を示すことを見出した。しかも、その作用の程度は難消化性デキストリンや上記植物加工物を単独で用いた場合に比べて顕著に大きかったことから、難消化性デキストリンと上記植物加工物とを組み合わせることによって得られる血中中性脂肪上昇抑制作用は、相加的というよりもむしろ相乗的な作用であった。
その結果として、本発明者らは、血中中性脂肪上昇抑制組成物として、難消化性デキストリンと、ココナッツ、豆及び米からなる群から選ばれる少なくとも1種の素材の液状の植物加工物とを含有する組成物の創作に成功した。本発明は、かかる知見や成功例に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明によれば、難消化性デキストリンと、ココナッツ、豆及び米からなる群から選ばれる少なくとも1種の素材の植物加工物とを含有する、血中中性脂肪上昇抑制組成物が提供される。
好ましくは、本発明において、前記素材の植物加工物は、前記素材の液状の植物加工物である。
好ましくは、本発明において、前記素材の液状の植物加工物は、前記素材の抽出液又は搾汁液、又はそれらの乾燥物である。
好ましくは、本発明において、前記血中中性脂肪上昇抑制組成物は、外因性の中性脂肪による血中中性脂肪の上昇を抑制するために使用される。
好ましくは、本発明において、前記血中中性脂肪上昇抑制組成物は、油脂含有組成物を摂取する前に使用される。
好ましくは、本発明において、前記血中中性脂肪上昇抑制組成物は、使用1回量として、摂取者の体重あたり、前記難消化性デキストリンを50〜1000mg/kgを含有し、かつ、前記素材の加工物を1〜10mL/kgを含有する血中中性脂肪上昇抑制組成物である。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、血中中性脂肪の上昇を抑制する作用や血中中性脂肪を低下する作用を有する。本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、このような作用を有することにより、脂質代謝異常症や脂質代謝異常症によってもたらされる疾患、例えば、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの疾患を改善、緩和、回復、治療又は予防することが期待できる。
図1は、実施例に記載の血中TG濃度変化値AUCの相対値を示した図である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、有効成分として、難消化性デキストリンと、ココナッツ、豆及び米からなる群から選ばれる素材の植物加工物、好ましくは該素材の液状の植物加工物の1種又は2種以上を少なくとも含有することを特徴とする。
難消化性デキストリンは、通常知られているとおりのものであれば特に限定されないが、例えば、デンプン粉体に酸を添加して加熱調製される焙焼デキストリンの転移・解重合によりできる難消化性画分を水溶性食物繊維として利用するものが挙げられる。難消化性デキストリンを入手する方法は特に限定されず、例えば、デンプンを酸やα−アミラーゼで処理した後、グルコアミラーゼで消化性のデキストリンをグルコースに変換し、膜やクロマトグラフィーで食物繊維成分だけを取り出す方法や市販されているものを購入する方法などが挙げられる。難消化性デキストリンの具体例としては、平均重合度が約2000で分岐に富んだ構造を有するもの、α−1,4結合、1,6結合、1,2結合、1,3結合などのグリコシド結合を有するもの、還元末端が分子内脱水したレボグルコサンを有するもの、これらのいずれか2種以上を有するものなどが挙げられる。
ココナッツ、豆及び米は、通常知られているとおりのものであれば特に限定されないが、例えば、ココナッツは単子葉植物であるココヤシ属ココヤシ(Cocos nucifera)の果実として知られているものが挙げられ;豆は真正双子葉植物であるマメ科植物の種子(豆果)、好ましくは大豆(Glycine max)が挙げられ;米はイネ科植物のイネ(Oryza sativa)の果実、好ましくは玄米及び白米が挙げられる。
ココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物は、素材が有する成分を含有する液状物であれば特に限定されず、例えば、素材が有する成分を素材から抽出して得られる抽出液、素材の液性成分それ自体又は素材を搾汁することにより得られる搾汁液、抽出液や搾汁液の希釈液などが挙げられる。
素材の液状の植物加工物を得る方法は特に限定されず、例えば、素材を用いて抽出液や搾汁液を得る方法、市販されているものを購入する方法などが挙げられる。前者の方法としては、後述する実施例に記載されているように、素材を水に浸した後、水切りをした素材を粉砕して粉化、細粉化又は微粉化し、次いで粉状の素材を水に入れて撹拌して懸濁し、次いで得られた懸濁液から固形分を排除することにより、素材の抽出液として得ることができる。素材を粉砕する際に加水をして素材を粉砕してもよい。また、加水せずに素材に含まれる液性成分(汁)をそのまま、又は素材を圧搾することにより素材の搾汁液を得てもよく、さらに抽出液や搾汁液を水に希釈してもよい。さらに素材の液状の植物加工物は、従来公知の乾燥方法により、水分含量が10%以下、好ましくは5%以下となるように乾燥した乾燥物であってもよい。市販されている素材の液状の植物加工物としては、ココナッツウォーター、豆乳、ライスミルクなどとして市販されているものが挙げられる。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、難消化性デキストリンとココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物とを含有することにより、後述する実施例に記載があるとおり、予め摂取した油脂含有組成物の影響によって生じる血中中性脂肪の上昇を抑制する作用や上昇した血中中性脂肪を低下する作用を有する。また、本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、予め摂取した油脂分の影響だけではなく、本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物の摂取と同時又は後に摂取した油脂分の影響を緩和又は低減し得る蓋然性がある。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物における有効成分の使用量は、血中中性脂肪上昇抑制組成物を摂取した場合に血中中性脂肪上昇抑制作用を示す程度の量であれば特に限定されず、血中中性脂肪上昇抑制組成物の種類や形態などに応じて適宜設定できるが、例えば、血中中性脂肪上昇抑制組成物に対して、それぞれ0.0001wt%〜100wt%、好ましくは0.001wt%〜50wt%、さらに好ましくは0.01wt%〜30wt%である。血中中性脂肪上昇抑制組成物が油脂含有組成物などの血中中性脂肪上昇成分を含む場合は難消化性デキストリン並びにココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物の使用量を多くすることができる。
難消化性デキストリン並びにココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物の使用形態は特に限定されず、例えば、粉末状の難消化性デキストリンと素材の液状の植物加工物とを接触させて得られる溶解液、分散液又は懸濁液などが挙げられる。
血中中性脂肪上昇抑制作用は、血液中の中性脂肪の上昇を抑制する作用であれば特に限定されないが、好ましくは油脂含有組成物を摂取することなどによって生体内に取り込まれた外因性の中性脂肪による血中中性脂肪の上昇を抑制する作用である。本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、血中中性脂肪上昇抑制作用を有することにより、外因性の中性脂肪による血中中性脂肪の上昇を抑制するために使用されることや油脂含有組成物を摂取する前に使用されることが好ましい。
本発明の技術的範囲はいかなる理論や憶測にも拘泥されるわけではないが、一般的にいわれていることとして、内因性の血中中性脂肪上昇抑制作用と外因性の血中中性脂肪上昇抑制作用との間には次のような違いがある。すなわち、内因性の血中中性脂肪とは、肝臓で合成され血中に放出される中性脂肪のことである。内因性の血中中性脂肪の上昇抑制作用は、肝臓における中性脂肪の合成経路を阻害すること、又は肝臓で合成された中性脂肪を多く含む血中のVLDLなどを異化して排泄することにより達成される。それに対して、外因性の血中中性脂肪は、油脂含有組成物を消化及び分解したものを腸から取り込み及び再合成して血中に入った中性脂肪のことをいう。外因性の血中中性脂肪の上昇抑制作用は、腸からの取込みを阻害することにより達成される。このように、内因性の血中中性脂肪及び外因性の血中中性脂肪は合成組織や合成メカニズムが相違し、これらの上昇を抑制する作用機構もまた相違することから、内因性の血中中性脂肪の上昇を抑制し得たとしても、外因性の血中中性脂肪の上昇を抑制し得るとは限らず、その逆もまたいえることである。
さらに、内因性の中性脂肪による血中中性脂肪の上昇を抑制するために使用される血中中性脂肪上昇抑制組成物(内因性血中中性脂肪上昇抑制組成物)と、外因性の中性脂肪による血中中性脂肪の上昇を抑制するために使用される血中中性脂肪上昇抑制組成物(外因性血中中性脂肪上昇抑制組成物)とは、その血中中性脂肪上昇抑制効果において差異がある。すなわち、内因性血中中性脂肪上昇抑制組成物は、空腹時における血中中性脂肪の上昇を抑制するものであり、長期間の継続摂取によってはじめて発揮し、摂取を続ける限りにおいて永続的なものである。一方、外因性血中中性脂肪上昇抑制組成物は、油脂含有組成物の摂取に伴う血中中性脂肪の上昇を抑制し、その効果は単回摂取によって即時的に発揮されるものであり、一過性のものである。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、外因性の中性脂肪による血中中性脂肪の上昇を抑制するために使用されることが好ましいことから、一過性の血中中性脂肪上昇抑制組成物という態様をとり得る。さらに、食事による一過性の血中中性脂肪上昇抑制組成物という態様が好ましい。特に、食事の前に摂取することを特徴とする一過性の血中中性脂肪上昇抑制組成物という態様が好ましい。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、上記作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。例えば、特別な処理を加えることなく種々の目的に利用してもよい。本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物を経口用として用いる場合、剤形は特に限定されないが、例えば、血中中性脂肪上昇抑制剤、血中中性脂肪上昇抑制用の医薬品、医薬部外品及び一般食品以外の機能性表示が可能な食品(例えば、機能性表示食品、特定保健用食品といった保険機能食品など)などの形態をとり得る。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物の摂取量は特に限定されず、摂取者の血中中性脂肪の程度や摂取態様に応じて適宜設定され得るが、例えば、摂取1回量として、摂取者の体重を基準として、難消化性デキストリンについては10〜10,000mg/kg、好ましくは10〜1,000mg/kgであり、かつ、ココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物については0.1〜100mL/kg、好ましくは1〜10mL/kgである。ただし、ココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物は、素材に対して1〜20倍量(w/w)、好ましくは2〜10倍量(w/w)の水を用いて抽出又は希釈されたものであることが好ましい。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物の1日の摂取量は特に限定されず、例えば、難消化性デキストリンについては1〜10g、好ましくは5〜8gであり、かつ、ココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物については1〜500mL、好ましくは10〜350m、より好ましくは50〜200mLである。
上述したとおり、本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物の利用形態は特に限定されないが、例えば、経口用血中中性脂肪上昇抑制組成物とすることができる。本発明の経口用血中中性脂肪上昇抑制組成物の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。本発明の経口用血中中性脂肪上昇抑制組成物の形態としては、例えば、経口摂取に適した形態、具体的には液状、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、ペースト状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状などの各形態が挙げられる。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物の使用方法は特に限定されないが、例えば、液状体の形態である場合、この液状体をそのまま、又は水などで希釈するなどして、飲むことにより経口摂取することができる。摂取者の好みなどに応じて、このような液状物と他の固体物とを混ぜて経口摂取してもよい。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、難消化性デキストリンと、ココナッツ、豆及び米といった素材の液状の植物加工物とを少なくとも含有すればよいが、これらとその他の成分とを組み合わせたものとすることができる。その他の成分としては特に限定されないが、例えば、増粘剤、光沢剤、製造用剤などをその他の成分として用いることができる。これら以外にも、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料などをその他の成分として用いることができる。その他の成分の含有量は、本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物の形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、その血中中性脂肪上昇抑制作用により、これを摂取することは、脂質代謝異常症や脂質代謝異常症によってもたらされる疾患、例えば、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などを罹患する者及びそのリスクがある者に対しての健康維持に有用である。また、直接的及び間接的に血中中性脂肪上昇に起因するその他の疾患、例えば、高血圧症、メタボリックシンドローム、狭心症、間歇性跛行症、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などの生活習慣病などを罹患する者及びそのリスクがある者に対しての健康維持に有用である。さらには、本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、中高年者や運動不足者に有用である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
以下のとおりに、難消化性デキストリンと副素材との組み合わせによる血中中性脂肪(TG)値上昇抑制作用を評価した。
(1)被験物質
主素材としては、市販されている難消化性デキストリンを用いた。副素材としては、市販されているココナッツウォーター、豆乳及び調整したライスミルク(白色の液体)を用いた。
ライスミルクは、次のようにして調製した。すなわち、玄米 60gを1Lの水道水に浸して1晩放置した。次いで、水分を良く切った玄米をミキサーに入れ、約100mLのミネラルウォーターと共に約1分撹拌した。次いで、300mLのミネラルウォーターを加えてさらに約1分撹拌し、残渣をキムワイプで濾したものをライスミルクとした。
(2)被験試料
純水又は副素材を溶媒として、主素材が下記表1に記載の濃度になるように調製して、被験試料とした。
また、被験試料に続いて投与する脂質エマルジョンを次のとおりに調製した。すなわち、大豆油(和光純薬工業株式会社) 100g/L、レシチン、卵製(和光純薬工業株式会社) 12g/L及びグリセリン(シグマアルドリッチジャパン合同会社) 22.5g/Lとして10%(W/V)大豆油エマルジョンとなるように、まず、レシチンを50mL遠沈管に入れ、純水を適量(5mL程度)加えてボルテックスにてよく混合した。次いで、同じ遠沈管に、大豆油及びグリセリンを加えた。次いで、純水で30mLにまでフィル・アップし、ボルテックスにてよく混合した。次いで、超音波ホモジナイザー(VP−5S;TAITEC)にて、氷冷しながら10分間超音波処理した。処理後の溶液を脂質エマルジョンとした。脂質エマルジョンは投与開始の約20分前まで冷蔵保存した。投与前に室温に戻し、調製した脂質エマルジョンを一つのビーカーにまとめ、スターラーでよく混合した。
(3)被験動物
9週齢の雄性SD系ラット(日本クレア株式会社から入手)を、試験環境下で13日間飼育した。飼育環境として、照明時間は12時間とし、ケージは木材チップ(ソフトチップ;日本エスエルシー株式会社)を床じきとしたポリカーボネイト製平底ケージ(W260×D420×H180mm;日本クレア株式会社)を用いた。収容個体数は、1ケージあたり2〜3匹とした。
飼育期間において、給餌方法は原則として自由摂取とした。飼料はMF固形飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)を用い、飲水は水道水を用いた。このようにして、試験には11週齢のラットを用いた。
(4)試験手順
被験動物を、試験前日から14時間程度絶食させ、被験試料投与前(0分)の血中TG濃度及び体重がほぼ均一になるように、各群が2匹になるように群分けした(優先順位:血中TG濃度>体重)。ただし、コントロール群については3匹となるようにした。体重測定には、電子天秤(DH−R1500N;新光電子株式会社)を用いた。
飼育期間と同様の飼育方法にて、被験動物を飼育した。群分け時の体重に基づいて、被験試料をラット用胃ゾンデ(日本クレア株式会社)を用いて5mL/kgにて強制経口投与した。次いで、被験試料を投与した5分後に、群分け時の体重に基づいて、脂質エマルジョンをゾンデを用いて15mL/kg(油換算:1.5mL/kg)にて同様に強制経口投与した。脂質エマルジョンの投与前(0分)、投与1、2、3、4及び6時間後に尾静脈より血液を採取した。採取した血液から得られた血清を用いて、血中TG濃度を測定した。
血中TG濃度は、尾静脈から採取した血液を室温で30分以上静置した後、室温、5分、12,000rpmの条件で遠心分離(センテック3200;株式会社久保田製作所)し、血清を採取した。得られた血清を用いて、市販のキット(トリグリセリド−Eテストワコー;和光純薬工業株式会社)を用いて血中TG濃度を測定した。直ちに測定できない場合は、測定まで−30℃下にて保存した。
なお、被験動物には、試験前日から試験終了までの間は絶食状態とし、試験終了後はMF固形飼料を自由摂取させた。また、水道水を自由摂取させた。ただし、試験時は、脂質エマルジョン投与から4時間後の採血終了までの間は絶水状態とした。
(5)血中TG濃度結果
各群について、脂質エマルジョン投与前(0分)の血中TG濃度を基準とした、脂質エマルジョンの投与1、2、3、4及び6時間後の血中TG濃度の変化値を算出した。次いで、算出した血中TG濃度の変化値から血中TG濃度変化値AUC(血中TG濃度変化値−時間曲線下面積)を下記式に基づいて台形面積の和として算出した。
△AUC=(△AUC0−1hr)+(△AUC1−2hr)+(△AUC2−3hr)+(△AUC3−4hr)+(△AUC4−6hr
ただし、各△AUCは、[(上底+下底)×高さ(hr)÷2]で算出した。
例えば、△AUC0−1hrは[((投与前(0分)の血中TG濃度変化値)+(投与1hrの血中TG濃度変化値))×1÷2]により算出した。
上記のようにして求めた血中TG濃度変化値AUCについて、コントロール群のAUCを基準(100)としたときの各群のAUCをまとめたものを図1に示す。図1が示すとおり、難消化性デキストリンや副素材を単独で用いた群はコントロールとAUCについて差異がみられなかったにもかかわらず、難消化性デキストリンと副素材とを組み合わせた組成物はAUCの顕著な低下をもたらした。この結果は、難消化性デキストリンは、ココナッツウォーター、ライスミルク又は豆乳と組み合わせることによって、相加的よりもむしろ相乗的に血中中性脂肪の上昇を抑制する作用を示し得ることがわかった。このような難消化性デキストリンと副素材とを組み合わせた組成物が奏する血中TG濃度の上昇を顕著に抑制できるという事象は、本発明者らによって初めて見出された非常に特異な現象である。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制組成物は、血中中性脂肪の上昇を抑制する作用や血中中性脂肪を低下する作用を有することから、油脂含有組成物を摂取した際に血中中性脂肪の上昇に不安を抱える者の健康維持に有用である。したがって、本発明は、直接的及び間接的に血中中性脂肪上昇に起因する疾患、例えば、脂質代謝異常症、高血圧症、メタボリックシンドローム、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、間歇性跛行症、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などの生活習慣病に関係する疾病や症状を、緩和、改善、回復、予防又は治療することができるものであることから、これらの疾病や症状に纏わる医療費の低減や労働力低下の解消など、国民経済全体に資するものである。

Claims (4)

  1. 難消化性デキストリンと、
    ココナッツ及び大豆からなる群から選ばれる少なくとも1種の素材の植物加工物と
    を含有する、血中中性脂肪上昇抑制組成物。
  2. 難消化性デキストリンと、
    の抽出液、搾汁液、又はそれらの乾燥物とを含有する血中中性脂肪上昇抑制組成物。
  3. 前記血中中性脂肪上昇抑制組成物は、外因性の中性脂肪による血中中性脂肪の上昇を抑制するために使用される、請求項1又は2に記載の血中中性脂肪上昇抑制組成物。
  4. 前記血中中性脂肪上昇抑制組成物は、油脂含有組成物を摂取する前に使用される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の血中中性脂肪上昇抑制組成物。
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