JP6564547B1 - 内視鏡及び内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

プロセッサ10に接続する内視鏡コネクタ5のコネクタ基板8に当該コネクタ基板8の温度を直接的に測定するための温度センサ34を設け、測定したコネクタ基板8(すなわち、内視鏡コネクタ5)の温度に応じて内視鏡電源回路33からの電源供給を規制(すなわち、電源供給を制限、及び、停止)する制御を行うことにより、内視鏡1における内視鏡コネクタ5の温度を適正に管理する。

Description

本発明は、外部装置に着脱自在なコネクタを有する内視鏡及び内視鏡システムに関する。
従来、医療分野においては、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器などを観察することができる内視鏡が広く用いられている。
この種の内視鏡においては、特に先端部の発熱に対する対策を行うことが必要となる。これに対し、例えば、日本国特開2013−27418号公報には、撮像素子とその周辺回路を有する撮像装置と、電源回路としての第1レギュレータとを含んだ第1回路部を内視鏡先端部に内蔵し、第1レギュレータに電力を供給する第2レギュレータを含んだ第2回路部(コネクタ基板)をコネクタに内蔵した内視鏡において、先端部に配置した温度検出手段或いはレギュレータの過電流検出機能などにより、先端部における温度異常及び過電流のうち少なくとも一方の異常を検知した場合、第1レギュレータ或いは第2レギュレータのうち少なくとも一方の出力を停止させることにより、先端部への電力供給を停止させる技術が開示されている。
しかしながら、上述の日本国特開2013−27418号公報に開示された技術では、先端部に内蔵した第1回路部の温度管理については行っているものの、コネクタに内蔵した第2回路部(コネクタ基板)についての温度管理については何ら考慮されていない。
その一方で、先端部の温度管理を含めた内視鏡全体の制御等はコネクタ基板に実装された制御部等によって行われるため、内視鏡を的確に動作させるためにはコネクタ基板の温度が適正範囲となるよう管理する必要がある。また、コネクタ基板を内蔵するコネクタは、外部装置との着脱時等に使用者等によって把持されるため、当該コネクタの外装温度を所定の規格範囲内に維持する必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、コネクタの温度を適正に管理することができる内視鏡及び内視鏡システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様による内視鏡は、外部装置に接続するコネクタと、前記コネクタの一部を構成する外装部に内蔵され、電源回路及び電子部品を実装し、前記外部装置から電源および制御信号を受けて、前記電源回路から先端側の撮像素子および前記電子部品に電源を供給するコネクタ基板と、前記コネクタ基板の温度を測定する温度センサと、前記温度センサによって測定された前記コネクタ基板の温度に応じて、前記電源回路からの電源供給を規制する電源規制部と、を備えたものである。
また、本発明の一態様による内視鏡システムは、請求項1に記載の内視鏡と、前記内視鏡の前記コネクタが接続される外部装置と、を有し、前記外部装置は、前記内視鏡の前記電源回路に電源を供給する外部電源回路と、前記内視鏡の前記温度センサによって測定された前記コネクタ基板の温度に応じて、前記外部電源回路から前記電源回路に供給する電源を規制する外部電源規制部と、を備えたものである。
内視鏡システムの概略構成図 内視鏡システムの主として電源供給制御系を示すブロック図 プロセッサ制御部に温度検出情報を伝達するための回路図 内視鏡に対する駆動信号と温度センサからの出力との関係を例示する説明図 内視鏡コネクタのコネクタ基板上における温度センサの配置を示す模式図 内視鏡コネクタの要部断面図 コネクタ基板の要部を示す拡大断面図 外装部材を取り除いて内視鏡コネクタの要部を示す斜視図 内視鏡電源制御ルーチンを示すフローチャート 検出温度と各閾値との関係を示す説明図 電力低減モードにおける制御内容を示す図表 第1の変形例に係り、可変抵抗を備えた温度センサを実装したスコープ基板の要部を示すブロック図 第2の変形例に係り、内視鏡コネクタのコネクタ基板上における温度センサの配置を示す模式図 第3の変形例に係り、内視鏡コネクタのコネクタ基板上における温度センサの配置を示す模式図 第4の変形例に係り、内視鏡コネクタのコネクタ基板上における温度センサの配置を示す模式図
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡システムの概略構成図、図2は内視鏡システムの主として電源供給制御系を示すブロック図、図3はプロセッサ制御部に温度センサ検出情報を伝達するための回路図、図4は内視鏡に対する駆動信号と温度センサからの出力との関係を例示する説明図、図5は内視鏡コネクタのコネクタ基板上における温度センサの配置を示す模式図、図6は内視鏡コネクタの要部断面図、図7はコネクタ基板の要部を示す拡大断面図、図8は外装部材を取り除いて内視鏡コネクタの要部を示す斜視図、図9は内視鏡電源制御ルーチンを示すフローチャート、図10は検出温度と各閾値との関係を示す説明図、図11は電力低減モードにおける制御内容を示す図表である。
図1に示す内視鏡システム100は、被検体の内部の被写体を撮像して撮像信号を出力する内視鏡1と、この内視鏡1が接続される外部装置として、被写体を照明するための照明光を内視鏡1へ供給する光源としての機能及び内視鏡1から出力される撮像信号を信号処理して映像信号を出力するプロセッサとしての機能を一体に備えた光源一体型のプロセッサ10と、を備えて構成されている。また、プロセッサ10には、当該プロセッサ10から出力される映像信号に応じた画像を表示するモニタ15が接続されている。
内視鏡1は、被検体内に挿入される細長の挿入部2と、挿入部2の後端に設けられ、把持部を兼用して各種操作を行う操作部3と、操作部3から延出するユニバーサルコード4と、を有して構成されている。また、内視鏡1は、ユニバーサルコード4の端部に設けられたコネクタとしての内視鏡コネクタ5により、プロセッサ10に対して着脱可能に構成されている。
挿入部2は、先端側に設けられた硬質の先端部2aと、先端部2aの後端に連設される湾曲自在な湾曲部2bと、湾曲部2bの後端から操作部3の前端にかけて設けられる可撓性を有する可撓管部2cと、が連設されて構成されている。
なお、先端部2aには、観察部位に照明光を照射する照明光学系と観察部位からの反射光を取り込む対物光学系とが設けられ、対物光学系の結像位置に撮像素子21(図2参照)が配設されている。また、湾曲部2bには、複数の湾曲駒が配置され、操作部3に設けられた湾曲操作ノブ3aに連結される湾曲ワイヤにより、複数の湾曲駒を駆動して湾曲部2bを所望の方向に湾曲させることができる。
内視鏡コネクタ5は、例えば、図5〜図8に示すように、プロセッサ10に対して着脱自在なプラグ部6と、このプラグ部6とユニバーサルコード4との間に介装された外装7と、外装7の内部に固定されたコネクタ基板8と、を有して構成されている。
プラグ部6は、一部が平面状に切欠かれた略円柱形状をなし、このプラグ部6の基端面からはライトガイド6aが突出されている。また、プラグ部6の円弧部及び平面部には複数の電気接点6bが設けられ、これらの電気接点6bを介して、内視鏡1は、プロセッサ10との間で、各種制御信号の入出力、映像信号の出力、及び、電源の入力等を行うように構成されている。
外装7は、略円筒形状をなす部品によって構成されている。この外装7の先端側には、ユニバーサルコード4の基端側が、折れ止部7aを介して液密に連結されている。また、外装7の基端側には、プラグ部6が液密に連結されている。
コネクタ基板8は、例えば、外装7の内部において、先端側から基端側へと延在する平板状の基板によって構成されている。このコネクタ基板8は、外装7の先端側及び基端側から内部に突出する一対のブラケット9に対し、ビス9aを介して固定されている。
図5,6に示すように、コネクタ基板8の両面には、内視鏡1の全体を統括的に制御するための内視鏡制御部31やIC回路32等の各種電子部品、プロセッサ10から供給される電源を内視鏡1の各部に供給するための電源回路としての内視鏡電源回路33、及び、内視鏡コネクタ5の内部の温度としてコネクタ基板8の温度Tを検出するための温度センサ34等が実装されている。
ここで、内視鏡制御部31は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されている。なお、内視鏡制御部31は、図示しないメモリに格納されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよい。
コネクタ基板8の両面には、上述の各実装品(内視鏡制御部31、IC回路32、内視鏡電源回路33、及び、温度センサ34等)を覆うためのカバー35が設けられている。さらに、このカバー35の内部には、充填剤35aが充填されている。そして、この充填剤35aにより、コネクタ基板8に実装された各実装品が液密に封止されている。
さらに、コネクタ基板8には、プラグ部6から延出するフレキシブルプリント基板38をコネクタ基板8に電気的に接続するためのコネクタ部としてのBtoBコネクタ(ボードtoボードコネクタ)37が設けられている。ここで、フレキシブルプリント基板38は、プラグ部6の各電気接点6bと電気的に接続する複数の信号線を含んで構成されている。また、本実施形態においては、内視鏡1のメンテナンス時におけるコネクタ基板8の交換等を可能とするため、BtoBコネクタ37は、カバー35の外部において、コネクタ基板8とフレキシブルプリント基板38との接続を、カバー35の外部において(すなわち、充填剤35aによって封止されない状態にて)行うように構成されている。
プロセッサ10の内部にはプロセッサ基板50が内蔵され、このプロセッサ基板50には、内視鏡システム100を統括的に制御するためのプロセッサ制御部51をはじめとする各種電子部品が実装されるとともに、当該プロセッサ10の各部及び内視鏡1に対して電源供給を行うためのプロセッサ電源回路52等が実装されている(図2参照)。さらに、プロセッサ10の内部には、内視鏡1に対して照明光を供給するための光源部(図示せず)が内蔵されている。ここで、プロセッサ制御部51は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されている。なお、プロセッサ制御部51は、図示しないメモリに格納されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよい。
プロセッサ10は、筐体11の前面11aに、コネクタ12a,12bを備えている。これらのコネクタ12a,12bは、内視鏡の種類に応じて使用されるレセプタクル側のコネクタであり、図1においては、内視鏡1の内視鏡コネクタ5がコネクタ12aに着脱自在に接続される例を示している。
コネクタ12aは、内視鏡コネクタ5のプラグ部6が嵌合される嵌合部内に、内視鏡コネクタ5の複数の電気接点6bにそれぞれ対応する電気接点(レセプタクル接点)が設けられている。コネクタ12bも同様に、内視鏡1側の電気接点6bに対応する複数の電気接点(レセプタクル接点)が設けられている。
図1の例では、内視鏡コネクタ5のプラグ部6をコネクタ12aの嵌合部内に挿入することにより、それぞれの接点が接触して内視鏡1とプロセッサ10との電気的な接続が行われる。これにより、内視鏡1(内視鏡制御部31)とプロセッサ10(プロセッサ制御部51)との間で各種信号の授受が可能となり、また、プロセッサ10から内視鏡1への電源供給が可能となる。さらに、上述のプラグ部6の挿入により、プラグ部6の先端面から突出するライトガイド6aとプロセッサ10の光源部との光学的な接続が行われる。これにより、プロセッサ10からの照明光がライトガイド6aによって内視鏡1の先端部2aに導かれ、先端部2aの照明光学系から被検体に照射することが可能となる。
被検体に照射された照明光は被検体で反射され、その反射光(戻り光)が内視鏡1の先端部2aに内蔵された撮像素子21の受光面に光学像として結像する。先端部2a内の撮像素子21は、内視鏡コネクタ5に内蔵された内視鏡制御部31によって駆動制御され、被検体の光学像を電気信号(映像信号)に変換してプロセッサ10に出力する。
プロセッサ制御部51は、内視鏡1からの映像信号に対する各種信号処理を行い、モニタ15の表示画面上に被検体の画像を表示する。
次に、上述のように構成された内視鏡システム100における電源供給系について、図2等を参照して説明する。
本実施形態の内視鏡システム100では、内視鏡コネクタ5がプロセッサ10に接続されるとともに、プロセッサ制御部51からのオン信号がプロセッサ電源回路52に入力されると、当該プロセッサ電源回路52から内視鏡電源回路33に電源が供給されるように構成されている。
また、内視鏡制御部31からのオン信号が内視鏡電源回路33に入力されると、内視鏡電源回路33からコネクタ基板8上の各部に電源が供給されるとともに、先端部2aに配設された撮像素子21等に電源が供給されるように構成されている。
この場合において、内視鏡コネクタ5では、当該内視鏡コネクタ5の内部の温度上昇を防止するための対策として、温度センサ34により検出されるコネクタ基板8の温度に応じて、内視鏡電源回路33からの電源供給を規制するように構成されている。
この電源供給の規制は、基本的には、温度センサ34からの出力に応じて、内視鏡制御部31が内視鏡電源回路33等を制御することにより実現される。すなわち、本実施形態において、内視鏡制御部31は、電源規制部としての機能を実現する。
この場合において、温度センサ34は、例えば、サーミスタ式の温度センサによって構成されている。すなわち、例えば、図3に示すように、温度センサ34は、定電圧源(内視鏡電源回路33)にプルアップ抵抗34bを介して接続された検温部としてのサーミスタ34aと、これらサーミスタ34aとプルアップ抵抗34bとの抵抗比によって変化する出力電圧(サーミスタ出力)Vthを検出する電圧検出回路34cと、を有して構成されている。そして、電圧検出回路34cは、内視鏡制御部31に対し、サーミスタ出力Vthに応じた温度信号をコネクタ基板8の温度Tとして出力するように構成されている。
ここで、例えば、図5〜図8に示すように、本実施形態の温度センサ34は、コネクタ基板8上におけるBtoBコネクタ37の近傍に配置されており、当該位置での温度をコネクタ基板8の温度Tとして検出する。
温度センサ34からの温度信号が入力されると、内視鏡制御部31は、コネクタ基板8の温度Tの上昇に応じて、内視鏡電源回路33から内視鏡1の各部への電源供給を段階的に規制する。
具体的には、内視鏡制御部31は、コネクタ基板8の温度Tが予め設定された第1の設定温度Tth1を超えたと判断したとき、内視鏡コネクタ5における消費電力を抑制するための省電力モード制御を行う。
ここで、第1の設定温度Tth1は、例えば、通常の使用温度環境下においてはコネクタ基板8の温度上昇が想定されない水準ではあるが、温度上昇に備えて所定の警告等を行うことが望ましい温度であり、実験やシミュレーション等に基づいて設定されている。
また、内視鏡制御部31は、コネクタ基板8の温度Tが予め設定された第2の設定温度Tth2を超えたと判断したとき、内視鏡1のシャットダウンシーケンスに従って内視鏡電源回路33をオフする。
ここで、第2の設定温度Tth2は、例えば、第1の設定温度Tth1よりも高い温度であって、且つ、内視鏡コネクタ5のデバイス定格・製品外装温度規格を超過する可能性のある温度であり、実験やシミュレーション等に基づいて設定されている。
このような内視鏡制御部31による電源制御は、例えば、図9に示す内視鏡電源制御ルーチンのフローチャートに従って実行される。
このルーチンがスタートすると内視鏡制御部31は、先ず、ステップS101において、予め設定された所定の通常動作にて内視鏡1を動作させる。すなわち、内視鏡制御部31は、内視鏡1の各部に対して所定の制御信号を出力する。例えば、内視鏡制御部31は、内視鏡電源回路33に対してオン信号を含む制御信号を出力し、内視鏡電源回路33から各部に対し、所定の出力電圧での電源供給制御を行う。また、例えば、内視鏡制御部31は、撮像素子21に対し、予め設定されたフレームレートにて撮像を行わせるための駆動信号等を出力する。
さらに、内視鏡制御部31は、例えば、撮像素子21から入力された映像信号に対し画像処理等を行った後、当該映像信号を所定の出力振幅にてプロセッサ10に出力する。
ステップS101からステップS102に進むと、内視鏡制御部31は、温度センサ34によって検出されたコネクタ基板8の温度Tが予め設定された第1の設定温度Tth1を超えているか否かを調べる。
そして、ステップS102において、温度Tが第1の設定温度Tth1を超えていないと判断した場合、内視鏡制御部31は、ステップS101に戻り、内視鏡1の通常動作制御を継続する。
一方、ステップS102において、温度Tが第1の設定温度Tth1を超えたと判断した場合、内視鏡制御部31は、ステップS103に進み、使用者等に対して警報を行うための警報信号をプロセッサ10に送信する。
そして、ステップS103からステップS104に進むと、内視鏡制御部31は、内視鏡コネクタ5の内部の温度上昇を抑制すべく、内視鏡コネクタ5における消費電力を抑制するための電力低減モード制御を行う。
この電力低減モード制御としては、例えば、図11に示すように、内視鏡画像の画質に対して影響度の少ない項目から順に制御内容を変更することが望ましい。すなわち、内視鏡制御部31は、温度Tの上昇が継続する場合には、例えば、以下の順序にて制御内容を変更する。
電力低減モード制御が開始すると、内視鏡制御部31は、先ず、内視鏡電源回路33のスイッチング周波数を低下させる制御を行う。
次いで、内視鏡制御部31は、プロセッサ10に対して出力する映像信号の出力振幅を低下させる制御を行う。
次いで、内視鏡制御部31は、撮像素子21を含む撮像ユニットへの出力電圧を低下させる制御を行う。
次いで、内視鏡制御部31は、プロセッサ10に対して制御信号を出力し、プロセッサ電源回路52からの電源を絞る制御を行う。
次いで、内視鏡制御部31は、当該内視鏡制御部31において行っている映像信号に対する画像書生処理の削減・停止を行う。
次いで、内視鏡制御部31は、撮像素子21に対して制御信号を出力し、撮像素子21のフレームレートを低下させる制御を行う。
ステップS104からステップS105に進むと、内視鏡制御部31は、内視鏡制御部31は、温度センサ34によって検出されたコネクタ基板8の温度Tが予め設定された第2の設定温度Tth2を超えているか否かを調べる。
そして、ステップS105において、温度Tが第1の設定温度Tth2を超えていないと判断した場合、内視鏡制御部31は、ステップS104に戻り、内視鏡1の電力低減モード制御を継続する。
一方、ステップS105において、温度Tが第2の設定温度Tth2を超えたと判断した場合、内視鏡制御部31は、ステップS106に進み、プロセッサ10に対し、内視鏡コネクタ5の温度の異常上昇によりサーマルシャットダウンする旨の指示信号を送信する。
続くステップS107において、内視鏡制御部31は、内視鏡1を温度異常により終了させるための内視鏡終了処理シーケンスを行った後、ルーチンを抜ける。
このように、本実施形態の内視鏡1では、プロセッサ10に接続する内視鏡コネクタ5のコネクタ基板8に当該コネクタ基板8の温度を直接的に測定するための温度センサ34を設け、測定したコネクタ基板8(すなわち、内視鏡コネクタ5)の温度に応じて内視鏡電源回路33からの電源供給を規制(すなわち、電源供給を制限、及び、停止)する制御を行うことにより、内視鏡1における内視鏡コネクタ5の温度を適正に管理することができる。
この場合において、コネクタ基板8の温度検出するための方式としては、例えば、内視鏡電源回路33から内視鏡1の各部に供給する電源電圧及び電流の上昇に基づいてコネクタ基板8の温度を推定する監視回路を採用することも考えられるが、このような方式では演算が複雑化し、温度上昇を確実に検出することが困難となることも想定される。これに対し、本実施形態では、検温部としてサーミスタ34aを用いたサーミスタ式の温度センサ34を採用することにより、簡単な構成によりコネクタ基板8の温度検出を実現することができる。
また、上述の温度センサ34により、充填剤35aによって封止されていないBtoBコネクタ37の近傍の温度Tをコネクタ基板8の温度として検出することにより、仮に、BtoBコネクタ37に短絡等による温度上昇が発生したとしても、コネクタ基板8の温度上昇を的確に抑制することができる。
ここで、本実施形態の内視鏡1では、内視鏡制御部31に何らかの障害が発生した場合の対策として、例えば、図2に示すように、内視鏡制御部31から内視鏡電源回路33にオンオフ制御する信号を出力する信号線40に温度センサ34のオープンドレイン出力端子34dを接続し、コネクタ基板8の温度Tが第2の設定温度Tth2よりも高い第3の設定温度Tth3(図10参照)となったとき内視鏡電源回路33を直接オフさせる電源規制部として、温度センサ34を機能させることも可能である。
この場合、例えば、内視鏡制御部31からの制御信号として、内視鏡電源回路33をオンするときにハイレベル、オフするときにローレベルの信号が出力される場合において、温度センサ34は、温度Tが第3の設定温度Tth3を超えた際に信号線40から電流を引き込むことにより、制御信号をハイレベルからローレベルに電圧降下させ、内視鏡電源回路33をオフさせることが可能である。
さらに、本実施形態の内視鏡システム100では、さらなる障害対策として、例えば、図2,3に示すように、内視鏡制御部31とプロセッサ制御部51とを接続する信号線の一つに温度センサ34のオープンドレイン出力端子34eを接続し、コネクタ基板8の温度Tが第3の設定温度Tth3よりも高い第4の設定温度Tth4(図10参照)となったとき、プロセッサ制御部51にプロセッサ電源回路52から内視鏡電源回路33への電源供給をオフさせる電源規制部として、温度センサ34を機能させることも可能である。
この場合、例えば、内視鏡制御部31とプロセッサ制御部51との通信が確立された際にハイレベルとなり、通信が遮断された際にローレベルとなる制御信号(イネーブル信号)用の信号線41を好適に採用することができる。この信号線41は、内視鏡1の内部において、プルアップ抵抗42を介して内視鏡電源回路33に接続されている。また、プロセッサ制御部51は、信号線41に対する出力端子の他に、制御信号を監視する入力端子を有する。そして、プロセッサ制御部51は、制御信号がハイレベルからローレベルとなったとき、内視鏡制御部31との通信状態が遮断されたことを検出し、プロセッサ電源回路52から内視鏡電源回路33に対する電源供給をオフする。
このような信号線41に対し、温度センサ34は、温度Tが第4の設定温度Tth4を超えた際に信号線41から電流を引き込むことにより、制御信号をハイレベルからローレベルに電圧降下させ、プロセッサ制御部51に対し、プロセッサ電源回路52から内視鏡電源回路33に対する電源供給をオフさせることが可能である(図4参照)。
これらの構成により、仮に内視鏡制御部31によるコネクタ基板8に対する温度制御が不能となった場合にも、コネクタ基板8(内視鏡コネクタ5)を的確に熱害から保護することができる。
ここで、例えば、図12に示すように、温度センサ34に用いるプルアップ抵抗34bを可変抵抗とすることも可能である。この場合、コネクタ基板8に設けられた不揮発性メモリ45に対し、内視鏡1の機種や個体差等に応じた抵抗値を、組立工程設備46を用いて予め記憶させ、内視鏡1の起動時に内視鏡制御部31においてプルアップ抵抗34bの抵抗値を設定することにより、より適切な温度管理が可能となる。
また、例えば、図13に示すように、内視鏡コネクタ5の外装7に対する熱の伝達経路として想定されるコネクタ基板8の機械的な接点部(例えば、コネクタ基板8とブラケット9とのビス9aによる締結部)に温度センサ34を配置することも可能である。
このように構成すれば、内視鏡コネクタ5の外装7の温度をより的確に制御することができる。
また、例えば、内視鏡制御部31がFPGAによって構成されている場合、図14に示すように、内視鏡制御部31に温度センサ34としての機能を持たせることも可能である。
このように構成すれば、追加の配線や回路を設ける必要がないためコネクタ基板8の構成を簡素化することができる。
さらに、例えば、図15に示すように、コネクタ基板8上において熱源となり得るIC回路32等の近傍に温度センサ34を設けることも可能である。
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。
本出願は、2018年3月12日に日本国に出願された特願2018−44032号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。

Claims (11)

  1. 外部装置に接続するコネクタと、
    前記コネクタの一部を構成する外装部に内蔵され、電源回路及び電子部品を実装し、前記外部装置から電源および制御信号を受けて、前記電源回路から先端側の撮像素子および前記電子部品に電源を供給するコネクタ基板と、
    前記コネクタ基板の温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサによって測定された前記コネクタ基板の温度に応じて、前記電源回路からの電源供給を規制する電源規制部と、を備えたことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記電源規制部は、内視鏡制御部であり、
    前記内視鏡制御部は、前記コネクタ基板の温度が予め設定した第1の設定温度を超えたとき、前記コネクタにおける消費電力を抑制するための省電力モード制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記内視鏡制御部は、前記コネクタ基板の温度が前記第1の設定温度よりも高い第2の設定温度を超えたとき、前記電源回路の電力供給をオフすることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  4. 前記温度センサは、前記電源回路からの電源供給を規制する第2の電源規制部として機能し、前記コネクタ基板の温度が前記第2の設定温度よりも高い第3の設定温度を超えたとき、前記電源回路の電力供給をオフすることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
  5. 前記温度センサは、前記コネクタ基板を信号線に接続するコネクタ部の近傍に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  6. 前記温度センサは、前記コネクタ基板と前記外装部との温度相関性を持つ所定位置に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  7. 前記温度センサは、前記外装部と前記コネクタ基板を接続するメカ接続部に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  8. 前記温度センサは、前記コネクタ基板において熱源となる前記電子部品の近傍に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  9. 前記電源規制部は、フィールドプログラマブルデートアレイからなる内視鏡制御部であり、
    前記温度センサは、前記フィールドプログラマブルデートアレイの内部に搭載する温度センサであることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  10. 請求項1に記載の内視鏡と、
    前記内視鏡の前記コネクタが接続される外部装置と、を有し、
    前記外部装置は、
    前記内視鏡の前記電源回路に電源を供給する外部電源回路と、
    前記内視鏡の前記温度センサによって測定された前記コネクタ基板の温度に応じて、前記外部電源回路から前記電源回路に供給する電源を規制する外部電源規制部と、を備えたことを特徴とする内視鏡システム。
  11. 前記外部電源規制部は、前記コネクタ基板の温度が予め設定した第4の設定温度を超えたとき、前記外部電源回路から前記電源回路への電源供給をオフすることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡システム。
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