JP6564518B1 - 難燃剤組成物、それを用いた難燃性樹脂組成物、成形品、および成形品を製造する製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方の特許文献2には、樹脂材料の難燃剤成分として、オルソリン酸メラミンが記載されている(特許文献2の請求項16など)。
下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、
前記トリリン酸塩と、前記オルソリン酸塩と、前記ピロリン酸塩とを含む、難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物をイオンクロマトグラフィー法で測定し、
前記オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、
前記ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、
前記トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとしたとき、
T、Oが下記式(I)を満たす、または、T、Pが下記式(II)を満たす、
O、P、Tが、下記式(III)を満たす、および
O、P、Tが、下記一般式(V)を満たす、
難燃剤組成物が提供される。
また、本発明によれば、
下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、
前記トリリン酸塩と、前記オルソリン酸塩と、前記ピロリン酸塩とを含む、難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物をイオンクロマトグラフィー法で測定し、
前記オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、
前記ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、
前記トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとしたとき、
T、Oが下記式(I)を満たす、または、T、Pが下記式(II)を満たす、
O、P、Tが、下記式(III)を満たす、および
0.92%≦O/(O+P+T)≦22.71%を満たす、
難燃剤組成物が提供される。
また、本発明によれば、
下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、
前記トリリン酸塩と、前記オルソリン酸塩と、前記ピロリン酸塩とを含む、難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物をイオンクロマトグラフィー法で測定し、
前記オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、
前記ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、
前記トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとしたとき、
T、Oが下記式(I)を満たす、
T、Pが下記式(II)を満たす、および
O、P、Tが、下記式(III)を満たす
難燃剤組成物が提供される。
4.0×10−2%≦T/(T+O)≦95.0% ・・・式(I)
1.3×10−2%≦T/(T+P)≦25.0% ・・・式(II)
1.0×10 −2 %≦T/(O+P+T)≦25.0% ・・・式(III)
75.0%≦P/(O+P+T)≦99.0% ・・・一般式(V)
上記の難燃剤組成物と、
熱可塑性樹脂と、
を含む、難燃性樹脂組成物が提供される。
上記難燃剤組成物は、(ポリ)リン酸塩を含むリン酸塩系難燃剤であり、下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、トリリン酸塩と、オルソリン酸塩およびピロリン酸塩の少なくともいずれか一方と、を含む。
なお、(ポリ)リン酸塩は、重合度または塩の種類が異なる2以上を含んでもよい。
上記ピペラジン環を含むジアミンとしては、例えば、ピペラジンの2、3、5、6位の1箇所以上をアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のもの)で置換した化合物;ピペラジンの1位及び/又は4位のアミノ基をアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のもの)で置換した化合物が挙げられる。
上記トリアジン(ポリ)リン酸塩は、(ポリ)リン酸または(ポリ)リン酸塩と、上記トリアジン誘導体とを反応させることで得られる。例えば、(ポリ)リン酸とメラミンを任意の反応比率で反応させる、または、(ポリ)リン酸ナトリウムとメラミンを加えた後、塩酸で中和することで、トリアジン(ポリ)リン酸塩を得ることができる。
また、反応工程後、さらに加熱処理を行ってもよい。加熱処理を適温で実施することで、オルトリン酸やトリリン酸の縮合反応を進めることができる。加熱処理の温度は、例えば、150℃〜280℃、好ましくは200℃〜250℃である。また、加熱時間は、例えば、1h〜30h程度としてもよい。加熱温度や加熱時間などの加熱処理はマイルドな条件が好ましい。加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎると脱水縮合反応が進行し、トリリン酸塩が、テトラリン酸塩やそれ以上に縮合したポリリン酸塩となる恐れがある。
また、反応工程後に洗浄や精製を行ってもよい。少量の水で洗浄することにより、比較的溶解度の高いオルトリン酸塩やピロリン酸塩を洗浄し、トリリン酸塩の比率を高めることができる。
また、減圧または真空等の乾燥処理によって水を十分に除去することができる。これにより、トリリン酸塩が加水分解されることを抑制できる。
また、塩や縮合度が異なる2種以上の化合物、あるいは、(ポリ)リン酸塩由来の(ポリ)リン酸の各ピーク面積比率が異なる2種以上の化合物を適当な比率で組み合わせてブレンドし、上記難燃剤組成物を得てもよい。
また、本実施形態の難燃剤組成物を用いることで、揮発物に起因する発泡等の成型不良を抑制することができる、あるいは、分解物・揮発物による作業環境の悪化を抑制することが可能になる。
まず、下記の測定条件のイオンクロマトグラフィー法を用いて、難燃剤組成物中の、オルソリン酸塩由来のオルソリン酸、ピロリン酸塩由来のピロリン酸、およびトリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積を測定する。
続いて、オルソリン酸のピーク面積をO、ピロリン酸のピーク面積をP、トリリン酸のピーク面積をTとし、O+P+Tの面積合計100%を基準として、O,P,Tの各ピーク面積比(%)を算出する。
・測定装置:イオンクロマトグラフICS−2100(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
・カラム:Dionex IonPac AS−19(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
・検出器:電気伝導度検出器
・溶出条件:1.0mmol/Lの水酸化カリウム水溶液(0分)→60.0mmol/Lの水酸化カリウム水溶液(42分)。水酸化カリウム水溶液(溶離液)の濃度は、以下のように変化させた。
0分〜1分まで:1.0mmol/Lから10.0mmol/Lまでグラジエント。
1分超〜10分まで:10.0mmol/Lで一定。
10分超〜15分まで:10.0mmol/Lから60.0mmol/Lまでグラジエント。
15分超〜42分まで:60.0mmol/Lで一定。
・流速:1.0mL/min
・試料注入量:25μL
・カラム温度:35℃
4.0×10−2%≦T/(T+O)≦95.0% ・・・式(I)
1.3×10−2%≦T/(T+P)≦25.0% ・・・式(II)
1.0×10−2%≦T/(O+P+T)≦25.0% ・・・式(III)
4.0×10−4≦T/O≦20.0 ・・・式(IV)
75.0%≦P/(O+P+T)≦99.0% ・・・一般式(V)
上記難燃剤組成物は、上記(ポリ)リン酸塩と、上記添加剤とを混合することで得ることができる。混合する方法としては、一般に用いられる公知方法をそのまま適用することができる。
上記助剤としては、難燃助剤、ドリップ防止助剤、加工性助剤等が挙げられる。
上記酸化亜鉛としては、例えば、酸化亜鉛1種(三井金属工業(株)製)、部分被膜型酸化亜鉛(三井金属工業(株)製)、ナノファイン50(平均粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業(株)製)、ナノファインK(平均粒径0.02μmの珪酸亜鉛被膜した超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業(株)製)等の市販品を使用してもよい。
上記層状ケイ酸塩として、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、タルク等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ドリップ防止の観点から、これらの中でもサポナイト又はタルクが好ましく、価格等の経済性の観点から、特にタルクが好ましい。
上記カチオンは、金属イオンであっても良いし、その一部又は全部が、有機カチオン、(第4級)アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等の、金属イオン以外のカチオンであっても良い。
上記金属イオンとして、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、リチウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン等が挙げられる。
上記有機カチオン又は第4級アンモニウムカチオンとして、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムカチオン、ステアリルトリメチルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、ジステアリルジメチルアンモニウムカチオン、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウムカチオン、ジステアリルジベンジルアンモニウムカチオン等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記表面処理剤としては、例えば、シリコーンオイルやシランカップリング剤等が挙げられる。
上記シリコーンオイルを用いることにより、樹脂中への難燃剤組成物の分散性を高められる。また、耐水性を改善できる。
これらシランカップリング剤の中でも、難燃性、ハンドリング性、さらには難燃剤粉末の凝集を防止し、保存安定性向上の点から、エポキシ基を有するシランカップリング剤が好ましく、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシオクチルトリメトキシシランがより好ましい
上記粉塵抑制剤としては、脂肪族ジカルボン酸エーテルエステル化合物または上述のシランカップリング剤等が挙げられる。
上記一般式(4)において、炭素原子数1〜6のアルキル基としては、直鎖のアルキル基でも分岐のアルキル基でもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル基等が挙げられる。R1は、難燃性と、特にハンドリング性と保存安定性の点から、ブチル基が好ましい。
上記一般式(4)において、難燃性と、特にハンドリング性と保存安定性の点から、nは4が好ましい。また上記一般式(4)において、難燃性と、特にハンドリング性と保存安定性の点から、mは2が好ましい。
上記難燃性樹脂組成物は、上述の難燃剤組成物と熱可塑性樹脂とを含む。
上記難燃性樹脂組成物は、上述の難燃剤組成物と熱可塑性樹脂中とを混合することで得ることができる。必要に応じて、上記添加剤を混合してよい。添加剤は、難燃剤組成物中に混合してもよく、難燃剤組成物と熱可塑性樹脂との混合物中に混合してもよい。
これにより、樹脂板、シート、フィルム、異形品等の種々の形状の成形体が製造できる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、
前記トリリン酸塩と、
前記オルソリン酸塩および前記ピロリン酸塩の少なくともいずれか一方と、
を含む、難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物をイオンクロマトグラフィー法で測定し、
前記オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、
前記ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、
前記トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとしたとき、
T、Oが下記式(I)を満たす、または、
T、Pが下記式(II)を満たす、
難燃剤組成物。
4.0×10 −2 %≦T/(T+O)≦95.0% ・・・式(I)
1.3×10 −2 %≦T/(T+P)≦25.0% ・・・式(II)
2. 1.に記載の難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物が、前記オルソリン酸塩、前記ピロリン酸塩、および前記トリリン酸塩を含み、
O、P、Tが、下記式(III)を満たす、難燃剤組成物。
1.0×10 −2 %≦T/(O+P+T)≦25.0% ・・・式(III)
3. 2.に記載の難燃剤組成物であって、
O、Tが、下記式(IV)を満たす、難燃剤組成物。
4.0×10 −4 ≦T/O≦20.0 ・・・式(IV)
4. 2.または3.に記載の難燃剤組成物であって、
O、P、Tが、下記一般式(V)を満たす、難燃剤組成物。
75.0%≦P/(O+P+T)≦99.0% ・・・一般式(V)
5. 1.〜4.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(1)で表される前記ピロリン酸塩を含む、難燃剤組成物。
6. 1.〜5.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(1)中のX 1 がメラミンである前記ピロリン酸塩を含む、難燃剤組成物。
7. 1.〜6.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(3)中のY 1 がピペラジンである前記ピロリン酸塩を含む、難燃剤組成物。
8. 1.〜7.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(1)中のX 1 がメラミンである前記ピロリン酸塩と、
上記一般式(3)中のY 1 がピペラジンである前記ピロリン酸塩と、
を含む、難燃剤組成物。
9. 1.〜8.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
前記オルソリン酸塩、前記ピロリン酸塩、および前記トリリン酸塩の合計含有量は、当該難燃剤組成物100重量%に対して、20重量%以上である、難燃剤組成物。
10. 1.〜9.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
助剤を含む、難燃剤組成物。
11. 1.〜10.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
表面処理剤を含む、難燃剤組成物。
12. 1.〜11.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物であって、
粉塵抑制剤を含む、難燃剤組成物。
13. 1.〜12.のいずれか一つに記載の難燃剤組成物と、
熱可塑性樹脂と、
を含む、難燃性樹脂組成物。
14. 13.に記載の難燃性樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂を含む、難燃性樹脂組成物。
15. 13.または14.に記載の難燃性樹脂組成物を用いてなる成形品。
16. 13.または14.に記載の難燃性樹脂組成物を用いて成形品を製造する製造方法。
ジムロート冷却器を取り付けた5L五口フラスコに無水ピペラジン100.0g(1.16mol)、水2.5Lを入れ、100℃に加熱した。そこに75%リン酸水溶液304.0g(2.33mol)を4時間かけて滴下した後、100℃で5時間撹拌した。その後、ジムロート冷却器をリービッヒ冷却器に付け替え、水約2Lを留去した。氷浴で3℃に冷却し、析出した結晶をろ過により回収し、真空下110℃で4時間乾燥させて、(ポリ)リン酸塩A 247.2gを得た。
(ポリ)リン酸塩A 1.2gを入れた試験管を、250℃に加熱したアルミブロックバスに入れ、120分保持し、(ポリ)リン酸塩B 1.1gを得た。
2Lビーカーに超純水300mLと陽イオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学、2.0meq/mL)150mLを入れ、氷浴で1℃以下に冷却した。そこに三リン酸五ナトリウム19.0gを加え、1.5時間撹拌した後、濾過により陽イオン交換樹脂を除いた。イオン交換を完結させるため、陽イオン交換樹脂100mLを充填したカラム管に溶液を通液し、800mLの超純水でカラム内の溶液を流出させた。通液させた溶液にピペラジン6.60gを加え、室温で3時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下、30℃以下で水を完全に留去し、白色固体を得た。得られた白色固体を水25mL、続いてアセトン100mLで洗浄し、真空下室温で乾燥させて、(ポリ)リン酸塩C 8.2gを得た。
ジムロート冷却器を取り付けた5L五口フラスコにメラミン60.0g(0.47mol)、水2.5Lを入れ、100℃に加熱した。そこに75%リン酸水溶液68.3g(0.52mol)を3時間かけて滴下した後、100℃で5時間撹拌した。その後、ジムロート冷却器をリービッヒ冷却器に付け替え、水約2Lを留去した。室温まで冷却し、析出した結晶をろ過により回収し、真空下110℃で4時間乾燥させて、(ポリ)リン酸塩D 95.0gを得た。
1Lフラスコにピロリン酸ナトリウム十水和物169.4g(純度99%<)、メラミン95.8g(0.76mol)、水600mLを入れ、35%塩酸158.3g(1.52mol)を3時間かけて滴下し、3時間撹拌した。固体をろ過により回収し、約1Lの水で洗浄した。得られた固体を真空下70℃で10時間乾燥させて、(ポリ)リン酸塩E 146.8gを得た。
(ポリ)リン酸塩E 1.2gを入れた試験管を、230℃に加熱したアルミブロックバスに入れ、1500分保持し、(ポリ)リン酸塩F 1.1gを得た。
オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとした。
O+P+Tの面積合計を100%としたときの、O,P,Tの各ピーク面積比(%)を表1に示す。
(測定条件)
・測定装置:イオンクロマトグラフICS−2100(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
・カラム:Dionex IonPac AS−19(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
・検出器:電気伝導度検出器
・溶出条件:1.0mmol/Lの水酸化カリウム水溶液(0分)→60.0mmol/Lの水酸化カリウム水溶液(42分)。水酸化カリウム水溶液(溶離液)の濃度は、以下のように変化させた。
0分〜1分まで:1.0mmol/Lから10.0mmol/Lまでグラジエント。
1分超〜10分まで:10.0mmol/Lで一定。
10分超〜15分まで:10.0mmol/Lから60.0mmol/Lまでグラジエント。
15分超〜42分まで:60.0mmol/Lで一定。
・流速:1.0mL/min
・試料注入量:25μL
・カラム温度:35℃
・リン標準液(P:1000mg/l、KH2PO4 in H2O)、和光純薬社製
・ピロリン酸ナトリウム十水和物(純度99%<)、和光純薬社製
・三リン酸五ナトリウム、和光純薬社製
得られた(ポリ)リン酸塩A〜Fを用いて、下記の表2に示す配合比率(重量%)で混合して、難燃剤組成物(サンプル1〜19)を14g得た。
得られた各実施例・比較例の難燃剤組成物を5mg秤量し、測定試料とした。
株式会社リガク製サーモプラス2/(TG−DTAシリーズ)を用いて、窒素雰囲気下(流量:200ml/min)、測定試料:5mg、昇温速度:10℃/minの条件で、25℃から250℃に到達した後、250℃で30分間保持した(加熱処理)。このときの測定試料の重量(加熱処理後の測定試料の重量)を測定した。得られた加熱処理前後の測定試料の重量を用い、下記式により、熱重量分析(TGA)に基づく揮発量(%)を算出した。結果を表3に示す。
揮発量(%)=[1−(加熱処理後の測定試料の重量/(加熱処理前の測定試料の重量)]×100
○:揮発量が3.0%以下である
△:揮発量が3.0%超え4.0%以下である
×:揮発量が4.0%超である
ポリプロピレン(三井化学株式会社製、射出成形用グレード)100重量部にステアリン酸カルシウム(滑剤)0.1重量部、テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル]メタン(フェノール系酸化防止剤)0.1重量部、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト(リン系酸化防止剤)0.1重量部を配合して得られたポリプロピレン樹脂組成物に、得られた実施例1〜13の難燃剤組成物を43重量部配合して、200〜230℃でプレス成型し、厚さ1.6mmの試験片を得た。
得られた試験片を用いて、下記に準拠したUL−94V試験の測定を行った。
UL−94規格:長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間開始し、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。
このような難燃剤組成物は、熱可塑性樹脂の難燃性を向上できることから、難燃剤として好適に利用できることが分かった。
Claims (16)
- 下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、
前記トリリン酸塩と、前記オルソリン酸塩と、前記ピロリン酸塩とを含む、難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物をイオンクロマトグラフィー法で測定し、
前記オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、
前記ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、
前記トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとしたとき、
T、Oが下記式(I)を満たす、または、T、Pが下記式(II)を満たす、
O、P、Tが、下記式(III)を満たす、および
O、P、Tが、下記一般式(V)を満たす、
難燃剤組成物。
4.0×10−2%≦T/(T+O)≦95.0% ・・・式(I)
1.3×10−2%≦T/(T+P)≦25.0% ・・・式(II)
1.0×10 −2 %≦T/(O+P+T)≦25.0% ・・・式(III)
75.0%≦P/(O+P+T)≦99.0% ・・・一般式(V)
- 下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、
前記トリリン酸塩と、前記オルソリン酸塩と、前記ピロリン酸塩とを含む、難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物をイオンクロマトグラフィー法で測定し、
前記オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、
前記ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、
前記トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとしたとき、
T、Oが下記式(I)を満たす、または、T、Pが下記式(II)を満たす、
O、P、Tが、下記式(III)を満たす、および
0.92%≦O/(O+P+T)≦22.71%を満たす、
難燃剤組成物。
4.0×10 −2 %≦T/(T+O)≦95.0% ・・・式(I)
1.3×10 −2 %≦T/(T+P)≦25.0% ・・・式(II)
1.0×10 −2 %≦T/(O+P+T)≦25.0% ・・・式(III)
- 下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびトリリン酸塩からなる群のうち、
前記トリリン酸塩と、前記オルソリン酸塩と、前記ピロリン酸塩とを含む、難燃剤組成物であって、
当該難燃剤組成物をイオンクロマトグラフィー法で測定し、
前記オルソリン酸塩由来のオルソリン酸のピーク面積をO、
前記ピロリン酸塩由来のピロリン酸のピーク面積をP、
前記トリリン酸塩由来のトリリン酸のピーク面積をTとしたとき、
T、Oが下記式(I)を満たす、
T、Pが下記式(II)を満たす、および
O、P、Tが、下記式(III)を満たす
難燃剤組成物。
4.0×10 −2 %≦T/(T+O)≦95.0% ・・・式(I)
1.3×10 −2 %≦T/(T+P)≦25.0% ・・・式(II)
1.0×10 −2 %≦T/(O+P+T)≦25.0% ・・・式(III)
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
O、Tが、下記式(IV)を満たす、難燃剤組成物。
4.0×10−4≦T/O≦20.0 ・・・式(IV) - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(1)で表される前記ピロリン酸塩を含む、難燃剤組成物。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(1)中のX1がメラミンである前記ピロリン酸塩を含む、難燃剤組成物。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(3)中のY1がピペラジンである前記ピロリン酸塩を含む、難燃剤組成物。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
上記一般式(1)中のX1がメラミンである前記ピロリン酸塩と、
上記一般式(3)中のY1がピペラジンである前記ピロリン酸塩と、
を含む、難燃剤組成物。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
前記オルソリン酸塩、前記ピロリン酸塩、および前記トリリン酸塩の合計含有量は、当該難燃剤組成物100重量%に対して、20重量%以上である、難燃剤組成物。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
助剤を含む、難燃剤組成物。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
表面処理剤を含む、難燃剤組成物。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の難燃剤組成物であって、
粉塵抑制剤を含む、難燃剤組成物。 - 請求項1〜12のいずれか一項に記載の難燃剤組成物と、
熱可塑性樹脂と、
を含む、難燃性樹脂組成物。 - 請求項13に記載の難燃性樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂を含む、難燃性樹脂組成物。 - 請求項13または14に記載の難燃性樹脂組成物を用いてなる成形品。
- 請求項13または14に記載の難燃性樹脂組成物を用いて成形品を製造する製造方法。
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