JP6563342B2 - 部品取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の脚片を有する搭載部品を回路基板に固定するための部品取付構造に関するものである。
電気部品やカバー部材等の搭載部品を回路基板に固定する場合、搭載部材の本体に弾性変形可能な複数の脚片を突出形成すると共に、回路基板に各脚片に対応する複数の取付孔を穿設し、各脚片を内側へ撓めながら取付孔に挿入することにより、脚片の先端側に形成した爪部を取付孔の周縁部に係止させるという部品取付構造が広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
このように構成された部品取付構造では、搭載部材の本体から突出する脚片の弾性を利用して、脚片の爪部が回路基板の取付孔に対してスナップフィットされるため、ネジ止めや接着材等を用いた固定手段に比べると、簡単な組立作業によって搭載部材を回路基板の所定位置に取り付けることができる。
実開平3−85611号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の部品取付構造においては、搭載部品の脚片を回路基板の取付孔に差し込んでスナップフィットさせた後、取付孔から突出する脚片に対して回路基板の板面方向に沿う外力が加わった場合、その外力を受けて脚片が簡単に内側へ撓んでしまうため、スナップフィットが不用意に解除されて搭載部品が回路基板から脱落してしまうという問題があった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、搭載部品を回路基板の所定位置に簡単かつ確実に固定することができる部品取付構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の部品取付構造は、先端側に爪部を有する複数の脚片が本体から突出形成されている搭載部品と、前記脚片を挿入可能な複数の取付孔が設けられている回路基板とを備え、前記回路基板の一面側で前記爪部を前記取付孔の周縁部に係止させることにより、前記本体が前記回路基板の他面側に保持されている部品取付構造において、前記回路基板の一面に前記取付孔の周縁部に位置するランドが設けられていると共に、このランド上に半田が付着されており、前記爪部の下面に前記半田を収容可能で且つ前記回路基板の板面方向において前記取付孔と反対側から前記半田に係止可能な係止溝が形成されているという構成にした。
このように構成された部品取付構造では、取付孔の周縁部に設けられたランドに半田が付着されており、搭載部品の本体から突出する脚片を回路基板の取付孔に挿入して、脚片の爪部が取付孔の周縁部にスナップフィットされる際に、爪部の下面に形成した係止溝が半田を乗り越えて係止されるため、スナップフィット後の脚片に回路基板の板面方向に沿う外力が加わったとしても、爪部が取付孔から外れてしまうことを確実に防止することができる。ここで、ランドは回路基板に設けられる配線パターンのパターン形状を変更するだけで済み、ランド上に半田を付着させる作業も回路基板に実装される電子部品等の半田付け工程で行うことができるため、ランドと半田の追加によってコストアップになることはない。
上記の構成において、複数の脚片の1つが回路基板の板面方向に弾性変形可能な第1脚片であると共に、残りの1つが変形困難な第2脚片であり、この第1脚片の爪部に係止溝が形成されていると、第2脚片を対応する取付孔の周縁部に係止させた状態で、搭載部材を回動させながら第1脚片を対応する取付孔に挿入することにより、第1脚片の爪部に形成された係止溝をランド上の半田に簡単かつ確実にスナップフィットさせることができる。しかも、搭載部品の本体から突出する第1および第2脚片のうち、弾性変形可能な第1脚片については半田と係止溝によって外力に対する変形が防止され、第2脚片はそもそも外力に対して変形しにくいものであるため、搭載部品が回路基板から脱落してしまうことを確実に防止できる。
この場合において、回路基板の一面から突出する第2脚片の高さ寸法が第1脚片の高さ寸法よりも小さく設定されていると、第2脚片の剛性が高められて変形しにくくなるだけでなく、第2脚片に外力が加わる可能性を低く抑えることができる。
本発明の部品取付構造によれば、搭載部品を回路基板の所定位置に簡単かつ確実に固定することができる。
本発明の実施形態例に係る部品取付構造が適用された回路基板の裏面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図2のA部拡大図である。 実施形態例に係る部品取付構造が適用される回路基板と搭載部品の斜視図である。 該搭載部品を回路基板に取り付ける手順を示す説明図である。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すように、回路基板1の表面にはマイクロスイッチ2やチップ部品(図示省略)等を含む複数の電子部品が実装されており、これら電子部品は回路基板1に設けられた図示せぬ配線パターンのランドに半田付けされている。図1〜図4に示すように、回路基板1には長方形状の取付孔3が所定間隔を存して2つ穿設されており、一方の取付孔3の周縁部には半田5を付着させたランド4が設けられている。このランド4は前述した配線パターンと同様に銅箔をパターニングしたものからなるが、回路の電気的接続には関与しないダミーランドである。
回路基板1の裏面にはフォトインターラプタ6からなる光学素子が実装されており、このフォトインターラプタ6は合成樹脂製のカバー部材7によって覆われている。カバー部材7は本発明の部品取付構造で用いられる搭載部材に相当し、後述するように、カバー部材7は取付孔3を介して回路基板1に固定されるようになっている。
カバー部材7は、上面を開口した箱形形状の本体8と、本体8の相対向する外側壁から突出する第1脚片9および第2脚片10とによって構成されており、本体8の底面にはフォトインターラプタ6の出射光を透過可能な貫通孔8aが形成されている。
第1脚片9は本体8の一側壁から湾曲部分を経て上方へ片持ち梁状に延びているため、回路基板1の板面方向に弾性変形可能となっている。この第1脚片9は先端側にフック状の爪部9aを有しており、爪部9aの下面にはランド4上に付着された半田5を収容できる大きさの係止溝9bが形成されている。第2脚片10は本体8の他側壁から斜め側方へ一体的に延びているため、剛性が高く変形しにくいものとなっている。第2脚片10も先端側にフック状の爪部10aを有しており、この爪部10aの下面と第1脚片9の爪部9aの下面は同一平面内に位置している。ただし、第2脚片10の爪部10aは第1脚片9の爪部9aの上側部分をカットした形状となっているため、爪部10aの高さ寸法は爪部9aの高さ寸法よりも低くなっている。
このように構成されたカバー部材7を回路基板1に取り付ける手順について説明すると、図5に示すように、まず第2脚片10の爪部10aを回路基板1の下方から図示右側の取付孔3に挿入し、この爪部10aの下面を取付孔3の上部周縁に当接させた後、カバー部材7を爪部10aと取付孔3の当接箇所を支点に時計回り方向へ回動する。すると、第1脚片9の爪部9aが図示左側の取付孔3の下部周縁に突き当たるが、そのまま本体8を回路基板1の下面側に向けて押し込むと、弾性変形可能な第1脚片9が内側へ撓みながら取付孔3に差し込まれる。さらに本体8を押し込んで爪部9aが取付孔3内を通過して回路基板1の上面に達すると、第1脚片9が外側へ拡がるように弾性復帰するため、図2,3に示すように、爪部9aの底面に形成した係止溝9bが取付孔3の周縁部に設けられた半田5を乗り越えて係止される。その結果、第1および第2脚片9,10の爪部9a,10aが対応する取付孔3の周縁部に係止され、カバー部材7はフォトインターラプタ6を覆った状態で回路基板1の下面に固定される。
以上説明したように、本実施形態例にかかる部品取付構造では、回路基板1の取付孔3の周縁部にランド4を設けると共に、該ランド4に半田5を付着させて盛り上がり部分を形成してあり、カバー部材7の本体8から突出する第1脚片9を取付孔3に挿入し、先端側の爪部9aが取付孔3の周縁部にスナップフィットされる際に、爪部9aの底面に形成した係止溝9bが半田5を乗り越えて係止されるようになっている。その結果、スナップフィット後に回路基板1の上面から突出する第1脚片9の爪部9aに、図3の矢印Fで示すような回路基板1の板面方向に沿う外力が加わったとしても、係止溝9bと半田5の係止部分が外力Fのストッパーとして機能するため、爪部9aが取付孔3から不用意に外れてしまうことを防止できる。
ここで、取付孔3の周縁部に設けられたランド4は回路基板1に引き回される配線パターンのパターン形状を変更するだけで済み、ランド4上に半田5を付着させる作業も回路基板1に実装されるマイクロスイッチ2等の電子部品を半田付けする工程で行うことができるため、ランド4と半田5の追加によってコストアップになることはない。
また、カバー部材7の本体8から突出する2本の脚片のうち、一方が回路基板1の板面方向に弾性変形可能な第1脚片9であって、この第1脚片9の爪部9aの底面に係止溝9bが形成されていると共に、他方が剛性の高い変形困難な第2脚片10となっているため、第2脚片10の爪部10aを対応する取付孔3の周縁部に係止させた状態で、カバー部材7を回動させながら第1脚片9の爪部9aを対応する取付孔3に挿入することにより、爪部9aの係止溝9bをランド4上の半田5に簡単かつ確実にスナップフィットさせることができる。しかも、もう一方の第2脚片10は剛性が高くて変形しにくいものとなっているため、回路基板1の上面から突出する第1脚片9の爪部9aと第2脚片10の爪部10aのいずれに外力が加わったとしても、これら第1および第2脚片9,10が取付孔3から外れてしまうことはなく、カバー部材7が回路基板1から脱落してしまうことを確実に防止できる。
さらに、回路基板1の上面から突出する第2脚片10の爪部10aの高さ寸法が第1脚片9の爪部9aの高さ寸法よりも低く設定されているため、第2脚片10全体の剛性が高められて変形しにくくなると共に、第2脚片10に外力が加わる可能性そのものを低く抑えすることができる。
なお、上記実施形態例では、第1脚片9の爪部9aに形成した係止溝9bをランド4上の半田5に係止させているが、ランド4にジャンパーチップやチップ抵抗器等のチップ部品を半田付けし、このチップ部品に爪部9aの係止溝9bを係止させるようにしても良い。
また、上記実施形態例では、回路基板1に固定される搭載部品として、一対の脚片9,10を有するカバー部材7を例示して説明したが、フライバックトランス等のように先端側に爪部を有する複数の脚片が本体から突出形成されている部品であれば、カバー部材7以外の部品を搭載部品として用いることも可能である。
1 回路基板
2 マイクロスイッチ
3 取付孔
4 ランド
5 半田
6 フォトインターラプタ
7 カバー部材(搭載部品)
8 本体
9 第1脚片
9a 爪部
9b 係止溝
10 第2脚片
10a 爪部

Claims (3)

  1. 先端側に爪部を有する複数の脚片が本体から突出形成されている搭載部品と、前記脚片を挿入可能な複数の取付孔が設けられている回路基板とを備え、前記回路基板の一面側で前記爪部を前記取付孔の周縁部に係止させることにより、前記本体が前記回路基板の他面側に保持されている部品取付構造において、
    前記回路基板の一面に前記取付孔の周縁部に位置するランドが設けられていると共に、このランド上に半田が付着されており、前記爪部の下面に前記半田を収容可能で且つ前記回路基板の板面方向において前記取付孔と反対側から前記半田に係止可能な係止溝が形成されていることを特徴とする部品取付構造。
  2. 請求項1の記載において、複数の前記脚片の1つが前記回路基板の板面方向に弾性変形可能な第1脚片であると共に、残りの1つが変形困難な第2脚片であり、前記係止溝が前記第1脚片の前記爪部に形成されていることを特徴とする部品取付構造。
  3. 請求項2の記載において、前記回路基板の一面から突出する前記第2脚片の高さ寸法が前記第1脚片の高さ寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする部品取付構造。
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