JP6562388B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の制御装置に関し、より具体的には、複数の気筒の全てにおいて燃焼を行う全筒運転と、一部の気筒において燃焼を行う減筒運転が可能なエンジンを有する車両の制御装置に関する。
従来、車両の制御装置として、走行時の車輪のスリップを検知した場合に、エンジンのトルクを減少させることによって車輪のグリップ力を回復して、スリップを早期抑制するトラクション制御を行うものがある。例えば特許文献1に記載の制御装置では、前後輪の回転数の差に対応するスリップ率を計算し、このスリップ率が閾値を超えた場合に、エンジンの点火時期をリタードさせることによってトルクを減少させる制御を行う。また、特許文献1に記載の制御装置では、トラクション制御が所定時間以上継続された場合には、排気系へ流出する未燃ガスの増加による触媒への負担を軽減するために、複数の気筒の全てにおいて燃焼を行う全筒運転から、一部の気筒において燃焼を行う減筒運転を行うことにより、エンジン出力を制御する。
特開2010−31848号公報
ところで、減筒運転は、上記のような、トラクション制御時の触媒への負担を軽減するために行われる場合に限らず、例えば燃費を向上させるために所定の運転領域において行われる場合がある。全筒運転から減筒運転に切り替える場合には、燃焼を行う気筒、すなわち稼働気筒における出力を増大させるべく、稼働気筒への吸気量を増大させる制御が行われるが、吸気量が実際に増大するまでには一定の時間がかかる。このため、吸気量が実際に増大するまでの間にエンジン出力が低下して、全筒運転から減筒運転への切り替え時にトルク段差が生じる場合がある。このトルク段差を抑制するには、エンジンの点火時期をリタードする制御を行うことが考えられる。
しかしながら、上記のトラクション制御の最中に全筒運転から減筒運転への切替時の点火時期のリタード制御が重なった場合、点火時期が過剰に遅角側に制御される可能性があり、エンジンが失火するおそれがある。このような問題は、上記のようなトラクション制御を行う場合に限らず、点火時期をリタードすることによってエンジンのトルクを減少させる制御を行う場合に発生しうる問題である。
本発明の目的は、点火時期をリタードすることによってトルクを低減させる制御を行っている間の、全筒運転と減筒運転との切替による過剰な点火時期のリタードを防止することができる車両の制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の車両の制御装置は、複数の気筒を備え且つ複数の気筒の全てにおいて燃焼を行う全筒運転及び複数の気筒のうち一部の気筒において燃焼を行う減筒運転が可能なエンジンと、エンジンの燃焼室に臨む位置に設けられた点火プラグと、所定の車両要求に基づいて、点火プラグの点火時期をリタードすることによりエンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン手段と、を備えた車両の制御装置であって、全筒運転と減筒運転との切替時のトルク段差を抑制するために、点火プラグの点火時期をリタードする点火リタード手段と、トルクダウン手段によるトルクダウンの実施中に、全筒運転と減筒運転との切替を禁止する抑制手段と、を備える、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、所定の車両要求に基づいて、トルクダウン手段が、点火プラグの点火時期をリタードすることによってエンジンのトルクダウンを実施する。一方、点火リタード手段は、全筒運転と減筒運転との切替時に、点火プラグの点火時期をリタードすることによって切替時のトルク段差を抑制する。トルクダウン手段によるトルクダウンの実施中には、抑制手段が、全筒運転と減筒運転との切替を禁止する
トルクダウン手段によって点火時期がリタードされる間は、抑制手段が全筒運転と減筒運転との切替を禁止するので、過剰に点火時期がリタードされるのが抑制される。
本発明において、好ましくは、全筒運転と減筒運転との切替時に、点火リタード手段による点火時期のリタードに合わせて気筒内への吸気量を増大させるように構成される。
このように構成された本発明においては、全筒運転と減筒運転との切替時に、気筒内への吸気量を増大させるので、吸気量が増大するまでの遅れによるエンジン出力の低下が、点火リタード手段による点火時期のリタードによって抑制され、全筒運転と減筒運転との切替時のトルク段差が抑制される。
本発明において、好ましくは、トルクダウン手段は、車両が所定車速以下のときの駆動輪のスリップを低減するためにエンジンのトルクダウンを実施するように構成される。
このように構成された本発明においては、トルクダウン手段は、車両が所定車速以下のときの駆動輪のスリップを低減するためにトルクダウンを実施する。このトルクダウンの実施中には、点火リタード手段による点火時期のリタードが抑制されるので、駆動輪のスリップを低減するためにトルクダウンを実施している間の点火時期の過剰なリタードが抑制される。
上記の目的を達成するために、本発明の車両の制御装置は、複数の気筒を備え且つ複数の気筒の全てにおいて燃焼を行う全筒運転及び複数の気筒のうち一部の気筒において燃焼を行う減筒運転が可能なエンジンと、エンジンの燃焼室に臨む位置に設けられた点火プラグと、車両が所定車速以下のときに、駆動輪のスリップを低減するために点火プラグの点火時期をリタードすることによりエンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン手段と、を備えた車両の制御装置であって、全筒運転と減筒運転との切替時のトルク段差を抑制するために、点火プラグの点火時期をリタードする点火リタード手段と、車両が所定車速以下のときには、全筒運転と減筒運転との切替を禁止する抑制手段と、を備える、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、トルクダウン手段は、車両が所定車速以下のときに、駆動輪のスリップを低減するために、点火プラグの点火時期をリタードすることによってエンジンのトルクダウンを実施する。一方、点火リタード手段は、全筒運転と減筒運転との切替時に、点火プラグの点火時期をリタードすることによって切替時のトルク段差を抑制する。抑制手段は、車両が所定車速以下のときには、全筒運転と減筒運転との切替を禁止する。
したがって、車両が所定車速以下の場合には全筒運転と減筒運転との切替が抑制されるので、トルクダウン手段によってトルクダウンが実施されている場合であっても、過剰に点火時期がリタードされるのが抑制される。
本発明の一実施形態に係る車両の制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る車両の制御装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る車両の制御装置において運転モードを切り替える場合のエンジンの運転領域を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る車両の制御装置のエンジン制御処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る車両の制御装置の作用を説明するためのタイムチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置について説明する。
まず、図1乃至図3により、本発明の実施形態に係る車両の制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、本実施形態による車両の制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。図2は、本実施形態に係るエンジンの概略平面図である。図3は、本実施形態に係る車両の制御装置のブロック図である。
図1及び図3に示すように、エンジンシステム100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路1と、この吸気通路1から供給された吸気と、後述する燃料噴射弁13から供給された燃料との混合気を燃焼させて車両の動力を発生するエンジン10(具体的にはガソリンエンジン)と、このエンジン10内の燃焼により発生した排気ガスを排出する排気通路25と、エンジンシステム100に関する各種の状態を検出するセンサ30〜40と、エンジンシステム100全体を制御するPCM(Power-train Control Module)50と、を有する。
吸気通路1には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ3と、通過する吸気の量(吸入空気量)を調整するスロットルバルブ5と、エンジン10に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク7と、が設けられている。
本実施形態のエンジン10は、図2に示すように、直線状に並ぶ4つの気筒2(2A〜2D)を備えた直列4気筒型のエンジンである。このエンジン10は、主に、吸気通路1から供給された吸気を燃焼室11内に導入する吸気バルブ12と、燃焼室11に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁13と、燃焼室11内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ14と、燃焼室11内での混合気の燃焼により往復運動するピストン15と、ピストン15の往復運動により回転されるクランクシャフト16と、燃焼室11内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路25へ排出する排気バルブ17と、を有する。
気筒2A〜2Dに設けられた各ピストン15は、クランク角において180°(180°CA)の位相差をもって往復動する。これに対応して、各気筒2A〜2Dにおける点火時期は、180°CAずつ位相をずらしたタイミングに設定される。
ここで、本実施形態のエンジン10は、4つの気筒2A〜2Dのうちの全部において燃焼を行う全筒運転と、4つの気筒2A〜2Dのうちの2つを休止させ、残りの一部、本実施形態では2つの気筒を稼動させて燃焼を行う減筒運転とが可能に構成されている。
具体的には、図2の左側から順に、気筒2Aを第1気筒、気筒2Bを第2気筒、気筒2Cを第3気筒、気筒2Dを第4気筒とすると、4つの気筒2A〜2Dの全てを稼働させる全筒運転時には、第1気筒2A→第3気筒2C→第4気筒2D→第2気筒2Bの順に点火が行われる。
また、減筒運転時には、点火順序が連続しない2つの気筒(本実施形態では第1気筒2Aおよび第4気筒2D)において点火プラグ14の点火動作が禁止され、残りの2つの気筒(即ち第3気筒2C及び第2気筒2B)において交互に点火が行われる。
エンジン10は、吸気バルブ12及び排気バルブ17のそれぞれの動作タイミング(バルブの位相に相当する)を変更可能な可変動弁機構(Variable Valve Timing Mechanism)18を有している。可変動弁機構18は、吸気バルブ12の動作タイミングを変更するための可変吸気弁機構18A及び排気弁17の動作タイミングを変更するための可変排気バルブ機構18Bとを有する。可変吸気弁機構18A及び可変排気弁機構18Bとしては、公知の種々の形式を適用可能であるが、例えば電磁式又は油圧式に構成された機構を用いて、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを変化させることができる。
エンジン10は、減筒運転時に第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの吸気バルブ12及び排気バルブ17の開閉動作を停止させ、閉弁状態を保持する閉弁保持機構20を有している。この閉弁保持機構20は、例えば、カムとバルブとの間に介在し、カムの駆動力がバルブに伝達されるのを有効又は無効にするいわゆるロストモーション機構を含んで構成されている。あるいは、閉弁保持機構20は、バルブを開閉動作させるカム山を有する第1カムと、バルブの開閉動作を停止させる第2カムとの、カムプロフィールの異なる2種類のカム、及び、その第1及び第2カムのいずれか一方のカムの作動状態を選択的にバルブに伝達するいわゆるカムシフティング機構を含んで構成されてもよい。
排気通路25には、主に、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、排気ガスの浄化機能を有する排気浄化触媒26a、26bが設けられている。
エンジンシステム100には、当該エンジンシステム100に関する各種の状態を検出するセンサ30〜40が設けられている。これらセンサ30〜40は、具体的には以下の通りである。
アクセル開度センサ30(図3)は、アクセルペダルの開度(ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ量に相当する)であるアクセル開度を検出する。吸気量センサ31は、吸気通路1を通過する吸気の流量に相当する吸入空気量を検出する。スロットル開度センサ32は、スロットルバルブ5の開度であるスロットル開度を検出する。吸気圧センサ33は、エンジン10に供給される吸気の圧力に相当するインマニ圧(インテークマニホールドの圧力)を検出する。クランク角センサ34は、クランクシャフト16におけるクランク角を検出する。水温センサ35は、エンジン10を冷却する冷却水の温度である水温を検出する。温度センサ36は、エンジン10の気筒2内の温度である筒内温度を検出する。カム角センサ37、38は、それぞれ、吸気バルブ12及び排気バルブ17の閉弁時期を含む動作タイミングを検出する。車速センサ39は、車両の速度(車速)を検出する。車輪速センサ40は、車両の駆動輪の車輪速を検出する。これらの各種センサ30〜40は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S130〜S140をPCM50に出力する。
PCM50は、上述した各種センサ30〜40から入力された検出信号S130〜S140に基づいて、エンジンシステム100内の構成要素に対する制御を行う。具体的には、図3に示すように、PCM50は、スロットルバルブ5に制御信号S105を供給して、スロットルバルブ5の開閉時期やスロットル開度を制御し、燃料噴射弁13に制御信号S113を供給して、燃料噴射量や燃料噴射タイミングを制御し、点火プラグ14に制御信号S114を供給して、点火時期を制御し、可変吸気弁機構18A及び可変排気弁機構18Bのそれぞれに制御信号S118、S119を供給して、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを制御し、閉弁保持機構20に制御信号S120を供給して、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの吸気バルブ12及び排気バルブ17の開閉動作の停止/作動、閉弁状態の保持を制御する。
また、本実施形態に係るPCM50は、駆動輪にスリップが発生したと判定した場合にスリップを抑制するトラクション制御手段51と、運転領域に応じてエンジンの全筒運転と減筒運転とを切り替える全筒減筒切替手段52と、トラクション制御手段51によるトラクション制御中、全筒減筒切替手段25による全筒運転と減筒運転との切替を抑制する抑制手段53と、を有する。
トラクション制御手段51は、駆動輪にスリップが発生したか否かを判定するスリップ判定手段54と、スリップが発生した場合に、エンジン10のトルクダウンを実施するトルクダウン手段55と、を有する。
スリップ判定手段54は、車輪速センサ40から得られる駆動輪の車輪速を監視し、所定車速(例えば時速5〜10km/h)以下において車輪速が所定値以上である場合に駆動輪がスリップしていると判定するように構成されている。
トルクダウン手段55は、スリップ判定手段54によって駆動輪のスリップが発生していると判定された場合に、可変動弁機構18に制御信号を送信して点火プラグ14の点火時期をリタードすることによって、エンジン10のトルクダウンを実施するように構成されている。なお、トルクダウン手段55による点火時期のリタード量は、一定の固定量に設定されている。
全筒減筒切替手段52は、エンジン10の運転状態が全筒運転及び減筒運転のいずれの運転を行う運転領域に属しているかを判別する運転領域判別手段56と、全筒運転から減筒運転への切替を行う場合に気筒2A〜2D内への吸気量を増大させる吸気量増大手段57と、点火プラグ14の点火時期をリタードする点火リタード手段58と、を有する。
運転領域判別手段56は、クランク角センサ34から入力されたクランク角から算出されたエンジン回転数と、アクセル開度センサ30、クランク角センサ34等から入力された情報から算出されるエンジン負荷との関係から、現在のエンジン10の運転状態を判別する。
図4は、本発実施形態に係る車両の制御装置において運転モードを切り替える場合のエンジンの運転領域を概念的に示したマップである。図4は、横軸にエンジン回転数を示し、縦軸にエンジン負荷を示している。この図4に示すように、相対的にエンジン回転数が低く且つエンジン負荷が低い範囲に、減筒運転を行う減筒運転領域Aが設定されており、この減筒運転領域を除く範囲に、全筒運転を行う全筒運転領域Bが設定されている。運転状態判別手段56は、このようなマップを参照して、現在のエンジン回転数及びエンジン負荷が減筒運転領域A及び全筒運転領域Bのいずれに含まれるかを判別する。
吸気量増大手段57は、運転領域判別手段56によって現在の運転状態が減筒運転領域Aにあると判断され、その結果、エンジン10の運転を全筒運転から減筒運転に切り替える必要がある場合に、気筒2A〜2D内への吸気量を増大させるように構成されている。ここで、減筒運転をする場合、稼働する気筒が減少することによって低減する出力を補うために、燃焼を行う気筒2B、2Cにおける出力を増大させる必要がある。そこで、本実施形態では、吸気量増大手段57は、燃焼を休止する気筒2A,2Dの気筒を閉弁する前の所定時間、気筒2A〜2D内への吸気量を増大させるように構成されている。
点火リタード手段58は、運転領域判別手段56によって現在の運転状態が減筒運転領域Aにあると判断され、その結果、全筒運転から減筒運転に切り替える必要がある場合に、点火プラグ14の点火時期をリタードするように構成されている。これにより、吸気量増大手段57は、点火リタード手段58による点火時期のリタードに合わせて気筒2A〜2D内への吸気量を増大させるように構成されているとも言える。
ここで、減筒運転を行う場合、上記のように吸気量増大手段57によって気筒2A〜2Dへの吸気量を増大させるが、気筒2A〜2D内への吸気量が実際に増大するまでには一定の時間がかかるため、遅れが生じる。そこで、本実施形態では、この遅れに起因して発生する可能性のあるエンジン10のトルク段差を抑制するため、点火リタード手段58は、吸気量増大手段57による吸気量の増大制御の開始と同時に、点火プラグ14の点火時期のリタード、つまり遅角側に移動させる制御を開始するように構成されている。また、点火リタード手段58による点火時期のリタードは、吸気量増大手段57による吸気量の増大制御の終了とともに終了するように構成されている。なお、本実施形態では、点火時期のリタード量は、時間にともなって比例的に増大するように設定されている。
抑制手段53は、トルクダウン手段55によるトルクダウンの実施中は、全筒運転と減筒運転との切替を禁止するように構成されている。これにより、本実施形態では、トルクダウン手段55によるトルクダウン実施中は、吸気量増大手段57による吸気量の増大制御及び点火リタード手段58による点火時期のリタード制御が禁止されるようになっている。
これらのPCM50の各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に、上記のような構成の車両の制御装置によるエンジン制御処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る車両の制御装置のエンジン制御処理のフローチャートである。図5のエンジン制御処理は、車両のイグニッションがオンにされ、エンジンの制御装置に電源が投入された場合に起動され、繰り返し実行される。また、このエンジン制御処理は、基本的には、車両の走行中に実行される。
エンジン制御処理が開始されると、図5に示すように、PCM50は、まず、車速センサ40から得られた車速が所定車速(例えば時速5〜10km/h)以下であるか否かを判断する(ステップS1)。車速が所定車速以下であった場合には、PCM50のトラクション制御手段51のスリップ判定手段54は、車輪速が所定値以上であるか否かを判定することによって、トラクション制御が必要が否かを判定する(ステップS2)。車輪速が所定値以上である場合には、スリップ判定手段54は駆動輪のスリップが発生していると判定し(ステップS2においてYES)、PCM50はこの判定に基づいてトラクション制御の要求があると判断し、トラクション制御を開始する。
トラクション制御では、トルクダウン手段55が、可変動弁機構18によって点火プラグ14の点火時期を所定クランク角度だけリタード(遅角)させることにより、エンジン10のトルクダウンを実施する(ステップS3)。このトルクダウンにより、駆動輪のグリップ力が高まり、駆動輪のスリップが抑制される。
次に、PCM50は、エンジン10の運転領域に基づいて、エンジン10を全筒運転から減筒運転に切り替える要求があるか否かを判断する(ステップS4)。このステップでは、全筒減筒切替手段52の運転領域判別手段56が、車両のエンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて車両の運転状態が全筒運転領域Bにあるか減筒運転領域Aにあるかを判別する。
エンジン10の運転状態が全筒運転領域Bにある場合には、PCM50は、全筒運転から減筒運転への切替の要求はないと判断し(ステップS4においてNO)、スリップ判定手段54で駆動輪の車輪速が所定値未満になってトラクション制御の要求が終了したか否かを判断する(ステップS14)。ステップS4及びステップS14において、PCM50は、トラクション制御の要求が終了するまで、全筒運転から減筒運転への切替の要求がないかを監視する。
駆動輪の車輪速が所定値未満となると、ステップS14において、スリップ判定手段54が駆動輪のスリップは発生していないと判定し、PCM50はこれに基づき、トラクション制御の要求が終了したと判断する(ステップS14においてYES)。PCM50は、点火プラグ14の点火時期を所定クランク角度だけアドバンス(進角)させ、トラクション制御を開始する前の点火時期に戻し(ステップS15)、トラクション制御を終了する。
一方、ステップS4において、エンジン10が全筒運転を行っている状態であるのに対してエンジン10の運転状態が減筒運転領域Aにある場合には、PCM50は、エンジン10の運転を全筒運転から減筒運転に切り替える要求があると判断する(ステップS4においてYES)。
本実施形態においては、抑制手段53が、トルクダウン手段55によるトルクダウンの実施中は、全筒運転と減筒運転の切替を禁止するように構成されているので、この抑制手段53が全筒運転から減筒運転への切替を禁止する(ステップS5)。その結果、全筒運転から減筒運転への切替は行われない。
PCM50は、スリップ判定手段54によって駆動輪の車輪速が所定値未満になったか否かを監視することによってトラクション制御の要求が終了したか否かを監視する(ステップS6)。トラクション制御の要求が終了すると、PCM50は、PCM50は、点火プラグ14の点火時期を所定クランク角度だけアドバンス(進角)させ、トラクション制御を開始する前の点火時期に戻し(ステップS7)、トラクション制御を終了する。
トラクション制御が終了すると、抑制手段53による全筒運転から減筒運転への切替の禁止が解除されるので、PCM50は、エンジン10の全筒運転から減筒運転への切替制御を開始する(ステップS8)。
まず、吸気量増大手段57が、スロットルバルブ5の開度を増大させて、気筒2A〜2Dへの新気充填量(吸気量)の増大を開始する(ステップS9)。また、点火リタード手段58は、気筒2A〜2Dへの新気充填量の増大制御の開始と同時に、点火プラグ14の点火時期をリタード(遅角)させる(ステップS10)。
PCM50は、各気筒2A〜2Dへの新気充填量を監視し(ステップS11)、新気充填量が所定値に達すると、可変動弁機構18によって点火プラグ14の点火時期をアドバンス(進角)させて、点火時期を、点火リタード手段58による点火時期の遅角制御の開始前の点火時期に戻す(ステップS12)。
そしてPCM50は、閉弁保持機構20によって第1気筒2A及び第4気筒2Dの吸気バルブ12及び排気バルブ17を閉じ、閉弁状態を保持し、これにより減筒運転を開始する(ステップS13)。
次に、上記のような制御の作用をタイムチャートを用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る車両の制御装置の作用を説明するためのタイムチャートである。この図6では、各気筒2A〜2Dへの吸気量と、点火プラグ14の点火時期のタイムチャートを示す。まず、トラクション制御が開始されると、点火プラグの点火時期が遅角側に変更される。トラクション制御の継続中は、この遅角された点火時期が維持される。
このトラクション制御中の時間t1に、全筒運転から減筒運転への切替要求があった場合、抑制手段53によって減筒運転への切替が禁止されているため、減筒運転のための吸気量の増大及び点火時期のリタードは開始されず、トラクション制御のために遅角された点火時期が維持される。
時間t2においてトラクション制御が終了すると、点火時期がトラクション制御開始前の点火時期に戻される。それと同時に減筒運転への切替の制御が開始され、吸気量の増大及び点火時期のリタードが開始される。これにより、吸気量は時間とともに比例的に増大し、点火時期は時間とともに比例的にリタードする。時間t4において必要な吸気量が確保されると、吸気量の増大制御が終了して吸気量が増大した状態で維持されるとともに、点火時期のリタード制御が終了して点火時期がリタード制御開始前の点火時期に戻される。
このように構成された本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。
抑制手段53が、トラクション制御中は、全筒運転と減筒運転との切替を禁止するので、トルクダウン手段による点火時期のリタードに加えて減筒運転への切替時の点火時期のリタードが重なることがない。
ここで、もし仮に、抑制手段53によって、トラクション制御中の減筒運転への切替を禁止しない場合、図6に点線で示すように、時間t1において吸気量の増大が開始され、それと同時に点火時期のリタードが開始される。このとき、トラクション制御のために時間t1よりも前から既に点火時期がリタードされているため、時間t1以降は点火時期は更にリタードされることになる。吸気量の増大及び点火時期のリタードが時間t3まで続くと、図6に示すように、点火時期はリタード限界を超える場合がある。
本実施形態では、トルクダウン手段による点火時期のリタード制御中は、減筒運転への切替のための点火リタード手段58による点火時期のリタードが禁止されるので、過剰に点火時期がリタードされるのが防止され、エンジン10の失火を防止することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、以下のような態様であってもよい。
前述の実施形態では、抑制手段は、全筒運転と減筒運転との切替を禁止することによって、点火リタード手段による点火時期のリタードを禁止するように構成されていたが、これに限らず、抑制手段は、直接、点火リタード手段による点火時期のリタードを禁止するように構成されていてもよい。
抑制手段は、全筒運転と減筒運転との切替を禁止するものに限らず、例えば減筒運転への切替時の点火時期のリタード量の上限を低減したり、減筒運転への切替のための減筒運転領域を狭める等の制御により、全筒運転と減筒運転との切替を抑制するように、あるいは点火リタード手段による点火時期のリタード量を抑制するように構成されていてもよい。要するに、抑制手段は、トルクダウン手段によるトルクダウンの実施中に、点火リタード手段による点火時期のリタードを抑制するように構成されていればよい。
抑制手段は、トルクダウン手段によるトルクダウンの実施中には、全筒運転と減筒運転との切替を禁止するものに限らず、例えば車両が所定車速以下のときには点火リタード手段による点火時期のリタードを抑制するように構成されていてもよく、あるいは、車両が所定車速以下のときには、全筒運転と減筒運転との切替を抑制するように構成されていてもよい。また抑制手段の代わりに、車両が所定車速以下の運転状態においては、減筒運転自体を禁止する禁止手段を設けてもよい。
前述の実施形態では、点火リタード手段58による点火時期のリタードに合わせて吸気量増大手段57が気筒2A〜2Dへの吸気量を増大させるように構成されていたが、吸気量増大手段57は必ずしも設けられていなくてもよい。
前述の実施形態では、トルクダウン手段は、車両の所定車速以下のときの駆動輪のスリップを低減するためにエンジンのトルクダウンを実施するように構成されていたが、これに限らず、例えば自動変速機のアップシフト要求に基づいて、エンジンのトルクダウンを実施するように構成されていてもよい。要するに、トルクダウン手段は、所定の車両要求に基づいて、点火プラグの点火時期をリタードすることによりエンジンのトルクダウンを実施するように構成されていればよい。
10 エンジン
14 点火プラグ
53 抑制手段
55 トルクダウン手段
57 吸気量増大手段
58 点火リタード手段

Claims (4)

  1. 複数の気筒を備え且つ前記複数の気筒の全てにおいて燃焼を行う全筒運転及び前記複数の気筒のうち一部の気筒において燃焼を行う減筒運転が可能なエンジンと、
    前記エンジンの燃焼室に臨む位置に設けられた点火プラグと、
    所定の車両要求に基づいて、前記点火プラグの点火時期をリタードすることにより前記エンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン手段と、
    を備えた車両の制御装置であって、
    前記全筒運転と前記減筒運転との切替時のトルク段差を抑制するために、前記点火プラグの点火時期をリタードする点火リタード手段と、
    前記トルクダウン手段による前記トルクダウンの実施中に、前記全筒運転と前記減筒運転との切替を禁止する抑制手段と、を備える、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記全筒運転と前記減筒運転との切替時に、前記点火リタード手段による点火時期のリタードに合わせて前記気筒内への吸気量を増大させるように構成される、
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記トルクダウン手段は、前記車両が所定車速以下のときの駆動輪のスリップを低減するために前記エンジンのトルクダウンを実施するように構成される、
    請求項1または請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 複数の気筒を備え且つ前記複数の気筒の全てにおいて燃焼を行う全筒運転及び前記複数の気筒のうち一部の気筒において燃焼を行う減筒運転が可能なエンジンと、
    前記エンジンの燃焼室に臨む位置に設けられた点火プラグと、
    前記車両が所定車速以下のときに、駆動輪のスリップを低減するために前記点火プラグの点火時期をリタードすることにより前記エンジンのトルクダウンを実施するトルクダウン手段と、
    を備えた車両の制御装置であって、
    前記全筒運転と前記減筒運転との切替時のトルク段差を抑制するために、前記点火プラグの点火時期をリタードする点火リタード手段と、
    前記車両が前記所定車速以下のときには、前記全筒運転と前記減筒運転との切替を禁止する抑制手段と、を備える、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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