JP6562308B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池を搭載した燃料電池車両において、燃料電池の運転終了後に燃料電池内部を掃気(「パージ」とも呼ぶ)するパージ処理を実行することにより、燃料電池内部の水分量を低減させ、その後、低温環境下においても良好な始動性を確保する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−211163号公報
ところで、ユーザが車両の充填口リッドを開いて燃料ガスである水素を水素タンクへ充填している最中にパージ処理が実行されると、ユーザに違和感を与えるおそれがある。このため、充填口リッドの開状態でのパージ処理の実行を禁止することが想定されるが、この場合、充填口リッドが閉め忘れられているときなどでは、必要なパージ処理が実行されず、その後、燃料電池を始動する際の始動性が低下するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、燃料電池のパージ処理を的確に行い、良好な始動性を確保できる燃料電池システムを提供する。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、
燃料電池と、該燃料電池へ供給される燃料ガスが充填されるタンクと、該タンクへの燃料ガスの充填が行われる充填口と、該充填口を覆う開閉可能な充填口リッドと、該充填口リッドの開閉状態を検知するリッド開閉センサと、前記燃料電池の運転終了後に前記燃料電池のガス流路を掃気するパージ処理の実行を制御するパージ制御部と、を有する燃料電池システムであって、
前記パージ制御部は、
前記燃料電池の運転終了後における所定タイミングで前記パージ処理の可否を判断するパージ可否判断部と、前記パージ可否判断部でパージ処理可と判断された場合に、前記パージ処理を実行させるパージ実行部と、を有し、
前記パージ可否判断部は、
前記所定タイミングにおいて、前記リッド開閉センサからの検知信号に基づいて、
前記充填口リッドが閉状態であるとき、または前記充填口リッドの開状態の持続時間が所定時間を越えているときに、パージ処理可と判断し、
前記充填口リッドの開状態の持続時間が所定時間未満であるときに、パージ処理不可と判断する。
この構成の燃料電池システムによれば、ユーザが充填口リッドを開いて充填口から燃料ガスをタンクへ充填している最中にパージ処理が実行されるのを抑制できる。これにより、燃料ガスの充填中にパージ処理が実行されることによるユーザへの違和感を抑えることができる。また、充填口リッドが開いた状態であっても、その開状態の持続時間が所定時間を越えたときは、パージ処理を実行する。これにより、例えば、充填口リッドが閉め忘れられている場合には、パージ処理を実行し、低温環境下においても、その後に燃料電池を始動する際の良好な始動性を確保できる。
本発明の燃料電池システムによれば、燃料電池のパージ処理を的確に行い、良好な始動性を確保できる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す概略図である。 車両に設けられた充填口部分の概略斜視図である。 パージ制御部によるパージ実行可否判定処理を説明するフローチャートである。
次に、本発明に係る燃料電池システムの一実施の形態を説明する。以下、この燃料電池システムを燃料電池車両の車載発電システムに適用した場合について説明するが、本発明はこのような適用例に限らず、船舶,航空機,電車、歩行ロボット等のあらゆる移動体への適用や、例えば燃料電池が建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムへの適用も可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す概略図である。
この燃料電池システム100は、燃料電池車両に搭載され、運転者からの要求に応じて、駆動力として用いられる電力を出力する。燃料電池システム100は、燃料電池10と、制御部20と、カソードガス供給部30と、カソードガス排出部40と、アノードガス供給部50と、アノードガス循環排出部60と、冷媒供給部70とを備える。
燃料電池10は、反応ガスとして水素(アノードガス)と空気(カソードガス)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池10は、発電体である複数の単セル11が積層されたスタック構造を有する。各単セル11は、電解質膜の両面に電極を配置した発電体である膜電極接合体(図示せず)と、膜電極接合体を狭持する2枚のセパレータ(図示せず)とを有する。
燃料電池10の電解質膜は、内部に水分を包含した湿潤状態のときに良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜によって構成することができる。また、電極は、発電反応を促進させるための触媒が担持された導電性粒子によって構成することができる。触媒としては、例えば、白金(Pt)を採用することができ、導電性粒子としては、例えば、カーボン(C)粒子を採用することができる。
制御部20は、中央処理装置と主記憶装置とを備えるマイクロコンピュータによって構成することができる。制御部20は、以下に説明する各構成部を制御して、燃料電池10に出力要求に応じた電力を発電させる発電制御部としての機能を備える。また、制御部20は、パージ制御部21としての機能を備える。
パージ制御部21は、燃料電池10の運転終了後に、燃料電池システム100の各構成部を制御して、燃料電池10に残留する水分や、燃料電池システム100の配管・バルブ等に付着している水分を低減させるための掃気処理(パージ処理)を実行する。
カソードガス供給部30は、カソードガス配管31と、エアコンプレッサ32と、エアフロメータ33と、開閉弁34とを備える。カソードガス配管31は、燃料電池10のカソード側に接続された配管である。エアコンプレッサ32は、カソードガス配管31を介して燃料電池10と接続されており、外気を取り込んで圧縮した空気を、カソードガスとして燃料電池10に供給する。
エアフロメータ33は、エアコンプレッサ32の上流側において、エアコンプレッサ32が取り込む外気の量を計測し、制御部20に送信する。制御部20は、この計測値に基づいて、エアコンプレッサ32を駆動することにより、燃料電池10に対する空気の供給量を制御する。開閉弁34は、エアコンプレッサ32と燃料電池10との間に設けられている。開閉弁34は、通常、閉じた状態であり、エアコンプレッサ32から所定の圧力を有する空気がカソードガス配管31に供給されたときに開く。
カソードガス排出部40は、カソード排ガス配管41と、調圧弁43と、圧力計測部44とを備える。カソード排ガス配管41は、燃料電池10のカソード側に接続された配管であり、カソード排ガスを燃料電池システム100の外部へと排出する。調圧弁43は、カソード排ガス配管41におけるカソード排ガスの圧力(燃料電池10のカソード側の背圧)を調整する。圧力計測部44は、調圧弁43の上流側に設けられており、カソード排ガスの圧力を計測し、その計測値を制御部20に送信する。制御部20は、圧力計測部44の計測値に基づいて調圧弁43の開度を調整する。
アノードガス供給部50は、アノードガス配管51と、水素タンク52と、開閉弁53と、レギュレータ54と、水素供給装置55と、圧力計測部56とを備える。水素タンク52は、アノードガス配管51を介して燃料電池10のアノードと接続されており、タンク内に充填された水素を燃料電池10に供給する。
開閉弁53と、レギュレータ54と、水素供給装置55と、圧力計測部56とは、アノードガス配管51に、この順序で、上流側(水素タンク52側)から設けられている。開閉弁53は、制御部20からの指令により開閉し、水素タンク52から水素供給装置55の上流側への水素の流入を制御する。レギュレータ54は、水素供給装置55の上流側における水素の圧力を調整するための減圧弁であり、その開度が制御部20によって制御されている。
水素供給装置55は、例えば、電磁駆動式の開閉弁であるインジェクタによって構成することができる。圧力計測部56は、水素供給装置55の下流側の水素の圧力を計測し、制御部20に送信する。制御部20は、圧力計測部56の計測値に基づき、水素供給装置55を制御することによって、燃料電池10に供給される水素量を制御する。
アノードガス循環排出部60は、アノード排ガス配管61と、気液分離部62と、アノードガス循環配管63と、水素循環用ポンプ64と、アノード排水配管65と、排水弁66と、圧力計測部67とを備える。アノード排ガス配管61は、燃料電池10のアノードの出口と気液分離部62とを接続する配管であり、発電反応に用いられることのなかった未反応ガス(水素や窒素など)を含むアノード排ガスを気液分離部62へと誘導する。
気液分離部62は、アノードガス循環配管63と、アノード排水配管65とに接続されている。気液分離部62は、アノード排ガスに含まれる気体成分と水分とを分離し、気体成分については、アノードガス循環配管63へと誘導し、水分についてはアノード排水配管65へと誘導する。
アノードガス循環配管63は、アノードガス配管51の水素供給装置55より下流に接続されている。アノードガス循環配管63には、水素循環用ポンプ64が設けられており、この水素循環用ポンプ64によって、気液分離部62において分離された気体成分に含まれる水素は、アノードガス配管51へと送り出される。
このように、この燃料電池システム100では、燃料電池10の運転中には、アノード排ガスに含まれる水素を循環させて、再び燃料電池10に供給することにより、水素の利用効率を向上させている。
アノード排水配管65は、気液分離部62において分離された水分を燃料電池システム100の外部へと排出するための配管である。排水弁66は、アノード排水配管65に設けられており、制御部20からの指令に応じて開閉する。制御部20は、燃料電池システム100の運転中には、通常、排水弁66を閉じておき、予め設定された所定の排水タイミングや、アノード排ガス中の不活性ガスの排出タイミングで排水弁66を開く。
アノードガス循環排出部60の圧力計測部67は、アノード排ガス配管61に設けられている。圧力計測部67は、燃料電池10の水素マニホールドの出口近傍において、アノード排ガスの圧力(燃料電池10のアノード側の背圧)を計測し、制御部20が送信する。
冷媒供給部70は、冷媒用配管71と、ラジエータ72と、三方弁73と、冷媒循環用ポンプ75と、2つの冷媒温度計測部76a,76bとを備える。冷媒用配管71は、燃料電池10を冷却するための冷媒を循環させるための配管であり、上流側配管71aと、下流側配管71bと、バイパス配管71cとで構成される。
上流側配管71aは、燃料電池10に設けられた冷媒用の出口マニホールドとラジエータ72の入口とを接続する。下流側配管71bは、燃料電池10に設けられた冷媒用の入口マニホールドとラジエータ72の出口とを接続する。バイパス配管71cは、一端が、三方弁73を介して上流側配管71aと接続され、他端が、下流側配管71bに接続されている。制御部20は、三方弁73の開閉を制御することにより、バイパス配管71cへの冷媒の流入量を調整して、ラジエータ72への冷媒の流入量を制御する。
ラジエータ72は、冷媒用配管71に設けられており、冷媒用配管71を流れる冷媒と外気との間で熱交換させることにより、冷媒を冷却する。冷媒循環用ポンプ75は、下流側配管71bにおいて、バイパス配管71cの接続箇所より下流側(燃料電池10の冷媒入口側)に設けられており、制御部20の指令に基づき駆動する。
2つの冷媒温度計測部76a,76bはそれぞれ、上流側配管71aと、下流側配管71bとに設けられており、それぞれの計測値を制御部20へと送信する。以下では、上流側配管71aの冷媒温度計測部76aを「出口側温度計測部76a」とも呼び、下流側配管71bの冷媒温度計測部76bを「入口側温度計測部76b」とも呼ぶ。
制御部20は、各冷媒温度計測部76a,76bのそれぞれの計測値の差から燃料電池10の運転温度を検出し、その運転温度に基づき、冷媒循環用ポンプ75の回転数を制御して、燃料電池10の運転温度を調整する。また、パージ制御部21は、出口側温度計測部76aの計測値を、パージ処理の実行可否の判定に用いる。
燃料電池システム100は、さらに、燃料電池車両外部の気温(外気温)を計測可能な外気温センサ80を備える。外気温センサ80は、測定結果を制御部20に送信する。なお、パージ制御部21は、外気温センサ80の測定温度を、パージ処理の実行可否の判定に用いる。
また、燃料電池システム100は、図示や詳細な説明は省略するが、二次電池と、DC/DCコンバータとを備える。二次電池は、燃料電池10が出力する電力や回生電力を蓄電し、燃料電池10とともに電力源として機能する。DC/DCコンバータは、二次電池の充放電や燃料電池10の出力電圧を制御することができる。なお、上述した燃料電池システム100の各構成部は、二次電池の電力を用いることにより、燃料電池10の運転終了後においても駆動することが可能である。
図2は、車両に設けられた充填口部分の概略斜視図である。
図2に示すように、燃料電池システム100を搭載した燃料電池車両は、充填口91を備えている。この充填口91は、水素ステーションの充填ノズル(図示略)が接続可能とされている。そして、この充填口91に充填ノズルを接合させた状態で、水素タンク52へ水素が充填される。燃料電池車両には、充填口91を覆う充填口リッド92が回動可能に設けられている。充填口91は、充填口リッド92が開かれることで露出され、充填ノズルの接続が可能とされる。また、充填口91の近傍には、充填口リッド92の開閉状態を検知するリッド開閉センサ93が設けられている。リッド開閉センサ93の検知信号は、制御部20のパージ制御部21に送信される。
ここで、燃料電池10の各単セル11は湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す電解質膜を備えている。そのため、燃料電池10の運転中には、燃料電池10の内部は湿潤状態に保持されることが望ましい。しかし、燃料電池10の運転終了後に、燃料電池10の内部や、その接続配管の内部に多量の水分が残留していると、その水分は、氷点下などの低温環境下において凍結してしまう。そうした残留水分の凍結は、燃料電池10の内部やその接続配管における反応ガスの流路の閉塞などの不具合を引き起こし、燃料電池10の始動性を低下させる原因となる。
そこで、本実施形態に係る燃料電池システム100では、燃料電池10の運転を終了させて車両を停車させた後に、パージ制御部21が、燃料電池10の内部やその接続配管における反応ガスの流路を掃気するパージ処理(パーキングパージ)を実行する。なお、本明細書において、「燃料電池10の運転終了後」とは、運転者が、車両の運転を停止させた後の状態(いわゆるイグニションキーがオフの状態)を意味しており、燃料電池10が運転者からの要求に応じた電力の出力を停止している状態を意味する。
パージ制御部21は、出口側温度計測部76aの計測値、外気温センサ80の測定温度に基づいてパージ処理の要否を判断し、必要に応じてパージ処理を実行する。パージ処理では、パージ制御部21が、アノードガス循環排出部60(図1)の水素循環用ポンプ64を駆動させ、燃料電池10に残留している水素を含むガスをパージガスとして循環させる。そして、所定のタイミングで排水弁66を開き、気液分離部62において分離された液水を排水する。このように、燃料電池10のアノード側のガスを循環させるパージ処理を実行することにより、燃料電池10やその接続配管等に残留していた水分量と、燃料電池10や水素用の配管51,61,63に残留していた水素量とを低減させることができる。これにより、燃料電池システム100内における残留水の凍結を抑制し、システム始動時における良好な始動性を得ることができる。
ところで、燃料電池10の運転終了後にユーザが車両の充填口リッド92を開いて燃料ガスである水素を充填口91から充填している最中にパージ処理が実行され、燃料電池システム100の水素循環用ポンプ64が駆動されると、ユーザに違和感を与えるおそれがある。このため、パージ制御部21では、充填口リッド92のリード開閉センサ93からの検知信号に基づいて、開状態でのパージ処理の実行を禁止することが想定されるが、この場合、充填口リッド92が閉め忘れているときなどでは、必要なパージ処理が実行されず、その後、燃料電池10を始動する際の始動性が低下するおそれがある。
このため、本実施形態では、パージ制御部21に、燃料電池10の運転終了後における所定タイミングでパージ処理の可否を判断するパージ可否判断部22と、パージ可否判断部22でパージ処理可と判断された場合にパージ処理を実行させるパージ実行部23とを備え、以下のパージ実行可否判定処理を行う。
図3は、パージ制御部によるパージ実行可否判定処理を説明するフローチャートである。
パージ可否判断部22は、燃料電池システム100の運転終了後、所定タイミング毎に起動する(ステップS01)。制御部20には、タイマーが内蔵されており、制御部20は、タイマーによって定期的に起動する。パージ可否判断部22は、この制御部20が定期的に起動(Wake−up)する所定間隔でパージ処理の判断を行うべく起動する。
パージ可否判断部22は、リッド開閉センサ93からの検知信号に基づいて、充填口リッド92の開閉状態を判定する(ステップS02)。
パージ可否判断部22は、充填口リッド92が閉じられていると判定すると(ステップS02:No)、リッド閉め忘れフラグをOFFに設定する(ステップS03)。
パージ可否判断部22は、充填口リッド92が開かれていると判定すると(ステップS02:Yes)、充填口リッド92が開いた状態の開持続時間(Tcount)を計測する(ステップS04)。この開持続時間(Tcount)は、タイマーによって制御部20が定期的に起動するごとに、その起動間隔時間(Wake−up間隔)が加算された時間(Tcount=Tcount+Wake−up間隔)となる。そして、この開持続時間(Tcount)が予め設定された所定時間(閾値)を越えているかを判定する(ステップS05)。この所定時間は、ユーザによう水素タンク52への燃料ガスの充填に十分に必要な時間(約1時間程度)である。
パージ可否判断部22は、開持続時間が所定時間(閾値)を越えていると判定すると(ステップS05:Yes)、リッド閉め忘れフラグをONに設定する(ステップS06)。なお、パージ可否判断部22は、開持続時間が所定時間(閾値)を越えていないと判定すると(ステップS05:No)、リッド閉め忘れフラグをOFFに設定する(ステップS03)。
パージ可否判断部22は、パージ実行部23からパージ処理の実行要求の有無を判定する(ステップS07)。そして、パージ実行部23からパージ処理の実行要求が有ると判定した場合は(ステップS07:Yes)、リッド開閉センサ93からの検知信号に基づいて、充填口リッド92の開閉状態を判定する(ステップS08)。なお、パージ可否判断部22は、パージ実行部23からパージ処理の実行要求が無いと判定した場合は(ステップS08:No)、パージ実行要否判定処理を終了する。
パージ可否判断部22は、充填口リッド92が開かれていると判定すると(ステップS08:Yes)、リッド閉め忘れフラグがONであるか否かを判定する(ステップS09)。
そして、リッド閉め忘れフラグ判定(ステップS09)において、リッド閉め忘れフラグがONである場合は(ステップS09:Yes)、パージ可否判断部22がパージ処理可と判断する。これにより、パージ実行部23によるパージ処理が実行される(ステップS10)。つまり、充填口リッド92が閉め忘れられるなどにより、燃料ガスの充填に十分に必要な所定時間を越えてもなお開状態が持続しているような場合には、パージ処理が実行される。これにより、低温環境下においても、その後の始動時に凍結等の不具合なく良好な始動性が確保される。
これに対して、リッド閉め忘れフラグ判定(ステップS09)において、リッド閉め忘れフラグがOFFである場合は(ステップS09:No)、パージ可否判断部22がパージ処理不可と判断する。この場合、パージ実行部23によるパージ処理が実行されることなく、パージ実行要否判定処理を終了する。つまり、充填口リッド92が開かれていても、充填口リッド92の開状態が燃料ガスの充填に十分に必要な所定時間に達していない場合には、パージ処理が実行されることはない。これにより、ユーザによる燃料ガスの充填中におけるパージ処理の実行が抑制される。
なお、パージ可否判断部22は、充填口リッド92が閉じられていると判定した場合は(ステップS08:No)、パージ可否判断部22がパージ処理可と判断する。これにより、パージ実行部23によるパージ処理が実行される(ステップS10)。したがって、低温環境下においても、その後の始動時に凍結等の不具合なく良好な始動性が確保される。
このように、本実施形態に係る燃料電池システム100によれば、ユーザが充填口リッド92を開いて充填口91から燃料ガスを水素タンク52へ充填している最中にパージ処理が実行されるのを抑制できる。これにより、燃料ガスの充填中にパージ処理が実行されることによるユーザへの違和感を抑えることができる。また、充填口リッド92が開いた状態であっても、その開いた状態の開持続時間が所定時間を越えたときは、パージ処理を実行する。これにより、例えば、充填口リッド92が閉め忘れて開状態が持続した場合には、パージ処理を実行し、低温環境下においても、その後に燃料電池10を始動する際の良好な始動性を確保できる。
10 燃料電池
21 パージ制御部
22 パージ可否判断部
23 パージ実行部
52 水素タンク(タンク)
91 充填口
92 充填口リッド
93 リッド開閉センサ
100 燃料電池システム

Claims (1)

  1. 燃料電池と、該燃料電池へ供給される燃料ガスが充填されるタンクと、該タンクへの燃料ガスの充填が行われる充填口と、該充填口を覆う開閉可能な充填口リッドと、該充填口リッドの開閉状態を検知するリッド開閉センサと、前記燃料電池の運転終了後に前記燃料電池のガス流路を掃気するパージ処理の実行を制御するパージ制御部と、を有する燃料電池システムであって、
    前記パージ制御部は、
    前記燃料電池の運転終了後における所定タイミングで前記パージ処理の可否を判断するパージ可否判断部と、前記パージ可否判断部でパージ処理可と判断された場合に、前記パージ処理を実行させるパージ実行部と、を有し、
    前記パージ可否判断部は、
    前記所定タイミングにおいて、前記リッド開閉センサからの検知信号に基づいて、
    前記充填口リッドが閉状態であるとき、または前記充填口リッドの開状態の持続時間が所定時間を越えているときに、パージ処理可と判断し、
    前記充填口リッドの開状態の持続時間が所定時間未満であるときに、パージ処理不可と判断する
    燃料電池システム。
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