JP6562133B2 - 中継装置、プログラム更新システム、およびプログラム更新方法 - Google Patents
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Description
ECUには、たとえば、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作に対してエンジンやブレーキ、EPS(Electric Power Steering)等の制御を行う走行系に関わるもの、乗員によるスイッチ操作に応じてヘッドライトの点灯/消灯やワイパーON/OFF、ドアロック/アンロック等、運転席近傍に配設されるメータ類の動作を行うものがある。
ECUの制御プログラムは、車両の仕向け地やグレードなどに応じて異なることがあり、制御プログラムのバージョンアップに対応して、旧バージョンの制御プログラムを新バージョンの制御プログラムに書き換える必要がある。
本実施の形態には、少なくとも以下のものが含まれる。
すなわち、本実施の形態に含まれる中継装置は、車載ネットワークに属する複数の制御装置と通信する中継装置であって、複数の制御装置に対する同時更新の必要性がある複数の更新プログラムと、車載ネットワークのトポロジーとを記憶する記憶部と、複数の更新プログラムを対応する制御装置にそれぞれ送信する車内通信部と、自装置に個別に接続された互いに独立する複数の車載ネットワークに属する制御装置については、当該制御装置に対応する複数の更新プログラムを並行して送信するように車内通信部を制御する制御部と、を備える。
この構成によれば、同時更新の必要性がある複数の更新プログラムのうちの、中継装置に個別に接続された互いに独立する複数の車載ネットワークに属する制御装置に対する更新プログラムについては、中継装置からの伝送の開始を同時にすることができる。このため、これら複数の更新プログラムを、それぞれ、制御プログラムの書き換えの終了後に順に送信する場合よりも、複数の更新プログラムの伝送時間の合計を短縮することができる。その結果、同時更新所要時間を短くすることができる。
適切な条件が中継装置に設定されることによって、同時更新の必要性がある複数の更新プログラムの伝送にかかる時間の合計を短くすることができる。その結果、同時更新所要時間を短くすることができる。
第1時間:更新プログラムの伝送時間
第2時間:更新プログラムのチェックに要する時間
第3時間:更新プログラムを用いた制御プログラムの書き換えに要する時間
この構成によって、同時更新の必要性がある複数の更新プログラムの伝送にかかる時間の合計を短くすることができる。その結果、同時更新所要時間を短くすることができる。
この構成によって、制御プログラムの書き換えに要する時間が長い更新プログラムほど先に伝送され、制御プログラムの書き換えが先に開始される。そして、制御プログラムの書き換えと並行して、次の更新プログラムが伝送される。そのため、各制御プログラムの書き換えの終了後に順に更新プログラムを伝送するよりも同時更新所要期間を短縮することができる。
この構成によって、各更新プログラムについて対応する制御装置での当該更新プログラムのチェックおよび制御プログラムの書き換えを早く開始できるため、また、当該更新プログラムのチェックおよび制御プログラムの書き換えと並行して次の更新プログラムが伝送される。そのため、各制御プログラムの書き換えの終了後に順に更新プログラムを伝送するよりも同時更新所要期間をより短縮することができる。
この構成によって、各制御装置に対して適した名前等の識別情報を予め付与しておくことによって、更新所要期間をより短縮することができる。
この構成によって、ローカルネットワークでの更新プログラムの伝送と並行して、次の更新プログラムをメインネットワークで送信することができ、複数の更新プログラムの伝送時間の合計を短縮することができる。その結果、同時更新所要時間をより短縮することができる。
この構成によって、メインネットワークでの更新プログラムの送信を効率的に行うことができ、複数の更新プログラムの伝送時間の合計を短縮することができる。
この構成によれば、同時更新の必要性がある複数の更新プログラムのうちの、中継装置に個別に接続された互いに独立する複数の車載ネットワークに属する制御装置に対する更新プログラムについては、中継装置からの伝送の開始を同時にすることができる。このため、これら複数の更新プログラムを、それぞれ、制御プログラムの書き換えの終了後に順に送信する場合よりも、複数の更新プログラムの伝送時間の合計を短縮することができる。その結果、同時更新所要時間を短くすることができる。
この構成によれば、同時更新の必要性がある複数の更新プログラムのうちの、中継装置に個別に接続された互いに独立する複数の車載ネットワークに属する制御装置に対する更新プログラムについては、中継装置からの伝送の開始を同時にすることができる。このため、これら複数の更新プログラムを、それぞれ、制御プログラムの書き換えの終了後に順に送信する場合よりも、複数の更新プログラムの伝送時間の合計を短縮することができる。その結果、同時更新所要時間を短くすることができる。
以下に、図面を参照しつつ、好ましい実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るプログラム更新システムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプログラム更新システムは、広域通信網2を介して通信可能な車両1、管理サーバ5およびDL(ダウンロード)サーバ6を含む。
管理サーバ5およびDLサーバ6は、たとえば、車両1のカーメーカーにより運営されており、予め会員登録されたユーザが所有する多数の車両1と通信可能である。
車両1には、共通の車内通信線にバス接続された複数のECU30による通信グループ(車載ネットワーク)が存在し、ゲートウェイ10は、通信グループ間の通信やECU30と車外の装置との通信を中継する中継装置として機能する。このため、ゲートウェイ10には、複数の車内通信線が接続されている。
ゲートウェイ10は、ECU30から取得した情報を無線通信部15に送信し、無線通信部15は、その情報を管理サーバ5などの車外装置に送信する。
図2は、ゲートウェイ10の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ゲートウェイ10は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、および車内通信部14などを備える。ゲートウェイ10は、無線通信部15と車内通信線とを介して接続されているが、これらは一つの装置で構成してもよい。
CPU11は、たとえば時分割で複数のプログラムを切り替えて実行することにより、複数のプログラムを並列的に実行可能である。RAM12は、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)等のメモリ素子で構成され、CPU11が実行するプログラムおよび実行に必要なデータ等が一時的に記憶される。
記憶部13は、CPU11が実行するプログラムおよび実行に必要なデータ等を記憶する記憶領域を有する。記憶部13は、DLサーバ6から受信した各ECU30の更新プログラムなども記憶する。また、記憶部13には、車載ネットワークである、各ECU30およびバスNW1〜NW3の形成するトポロジーも記憶されている。車載ネットワークのトポロジーは、更新プログラムの伝送および後述するスケジューリング処理において用いられる。
車内通信部14は、CPU11から与えられた情報を対象のECU30へ送信するとともに、ECU30から受信した情報をCPU11に与える。車内通信部14は、上記の通信規格だけでなく、車載ネットワークに用いる他の通信規格によって通信してもよい。
無線通信部15は、図示しない基地局により形成される広域通信網2を介して、CPU11から与えられた情報を管理サーバ5等の車外装置に送信するとともに、車外装置から受信した情報をCPU11に与える。
別の通信装置と管理サーバ5等の車外装置とが広域通信網2を通じた無線通信が可能である場合には、車外装置→別の通信装置→有線通信部→ゲートウェイ10の通信経路により、車外装置とゲートウェイ10とが通信可能になる。
図3は、ECU30の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ECU30は、CPU31、RAM32、記憶部33、通信部34などを備える。ECU30は、車両1に搭載された対象機器を個別に制御する車載制御装置である。ECU30の種類には、たとえば、エンジン制御ECU、ステアリング制御ECU、およびドアロック制御ECUなどがある。
RAM32は、SRAMまたはDRAM等のメモリ素子で構成され、CPU31が実行するプログラムおよび実行に必要なデータ等が一時的に記憶される。
記憶部33が記憶する情報には、たとえば、車内の制御対象である対象機器を制御するための情報処理をCPU31に実行させるためのコンピュータプログラム(以下、「制御プログラム」という。)が含まれる。
通信部34は、CPU31から与えられた情報をゲートウェイ10へ送信するとともに、ゲートウェイ10から受信した情報をCPU31に与える。通信部34は、上記の通信規格だけなく、車載ネットワークに用いる他の通信規格によって通信してもよい。
ここで、通常モードとは、ECU30のCPU31が、対象機器に対する本来的な制御(たとえば、燃料エンジンに対するエンジン制御や、ドアロックモータに対するドアロック制御など)を実行する制御モードのことである。
すなわち、リプログラミングモードは、CPU31が、記憶部33のROM領域に対して、制御プログラムの消去や書き換えを行う制御モードのことである。CPU31は、この制御モードのときにのみ、記憶部33のROM領域に格納された制御プログラムを新バージョンに更新することが可能となる。
起動部35は、上記のベリファイ処理の完了後に、CPU31を更新後の制御プログラムによって動作させる。
図4は、管理サーバ5の内部構成を示すブロック図である。
図4に示すように、管理サーバ5は、CPU51、ROM52、RAM53、記憶部54、および通信部55などを備える。
RAM53は、SRAM又はDRAM等のメモリ素子で構成され、CPU51が実行するプログラムおよび実行に必要なデータ等が一時的に記憶される。
通信部55は、所定の通信規格に則って通信処理を実行する通信装置よりなり、携帯電話網等の広域通信網2に接続されて当該通信処理を実行する。通信部55は、CPU51から与えられた情報を、広域通信網2を介して外部装置に送信するとともに、広域通信網2を介して受信した情報をCPU51に与える。
リビジョンテーブルRTは、車両1の車両識別番号(VIN)と、車両識別番号ごとのリビジョンアップの履歴を表す識別情報であるリビジョン番号と、各リビジョン番号に対応するECU1〜3のバージョンとを纏めたテーブルよりなる。
たとえば、現状のリビジョン番号である「R2.0」の場合には、ECU1のバージョン1.0の制御プログラム、ECU2のバージョン1.3の制御プログラム、およびECU3のバージョン2.0の制御プログラムの動作確認が取れている。
従って、車両1をR2.0からR2.4にリビジョンアップする場合には、ECU1の1.0から1.2へのバージョンアップ、ECU2の1.3から2.0へのバージョンアップ(更新)、およびECU3の2.0から2.2へのバージョンアップ(更新)を同じタイミングに行う必要がある。ここで、「同じタイミング」とは、複数のECU30がゲートウェイ10からの要求に応じてリプロモードに移行してから、次に、ゲートウェイ10からの要求に応じてリセットされ、ベリファイ処理の完了後に通常モードに復帰するまでのタイミングを指す。以降の説明において、上記の意味で同じタイミングに複数の制御プログラムを更新することを「同時更新」とも言う。
もっとも、管理サーバ5が保持するリビジョンテーブルRTには、管理サーバ5の登録会員が所有するすべての車両1の車両識別番号(VIN)ごとに、上記と同様のバージョン情報が記録されている。また、DLサーバ6には、すべてのECU30に関する複数の更新プログラムが格納されている。
CPU51は、照合の結果、ゲートウェイ10から通知されたECU1〜3のバージョン情報が最新でないと判定した場合には、最新バージョンに更新するための更新プログラムの保存先URLとダウンロード要求とをゲートウェイ10に送信する。
図5は、本実施形態のプログラム更新システムにおいて実行される、複数のECU1〜3に対する制御プログラムの同時更新の一例を示すシーケンス図である。なお、以下においては、図4のリビジョンテーブルRTに従って、各ECU1〜3の制御プログラムを次のように更新する場合を想定する。
リビジョン番号:R2.0→R2.4
ECU1:バージョン1.0→バージョン1.2
ECU2:バージョン1.3→バージョン2.0
ECU3:バージョン2.0→バージョン2.2
ECU1のバージョン1.0からバージョン1.2への更新プログラムを「Δ1」とし、ECU2のバージョン1.3からバージョン2.0への更新プログラムを「Δ2」とし、ECU3のバージョン2.0からバージョン2.2への更新プログラムを「Δ3」とする。
図示の例では、ECU1の制御プログラムの現バージョンは「1.0」であり、ECU2の制御プログラムの現バージョンは「1.3」であり、ECU3の制御プログラムの現バージョンは「2.0」である。
管理サーバ5は、ゲートウェイ10から通知されたバージョン情報と車両識別番号に基づいて、前述のリビジョンテーブルRT(図4参照)を探索することにより、各ECU1〜3について、車両1の各ECU1〜3の制御プログラムを同じタイミングに更新する必要があるか否かを判定する。
また、管理サーバ5は、最新版のリビジョンR2.4が存在することから、ECU1のバージョン1.2への更新、ECU2のバージョン2.0への更新、および、ECU3のバージョン2.2への更新を、同じタイミングに行う必要があると判定する。
これにより、ゲートウェイ10は、各ECU1〜3のための更新プログラムΔ1〜Δ3をDLサーバ6からダウンロードする(ステップS4)。ゲートウェイ10は、受信した更新プログラムΔ1〜Δ3を自装置の記憶部13に一時的に格納して保存する。
更新要求を受信したゲートウェイ10は、記憶部13に保存した更新プログラムΔ1〜Δ3を用いて制御プログラムを更新させるべく、各ECU1〜3にリプロモード移行要求をそれぞれ送信する(ステップS7)。
ECU1は、受信した更新プログラムΔ1を展開して旧バージョン1.0に適用することにより、制御プログラムを旧バージョン1.0から新バージョン1.2に書き換える。書き換えが完了すると、ECU1は、書き換えの完了通知をゲートウェイ10に送信する(ステップS10)。
ECU2は、受信した更新プログラムΔ2を展開して旧バージョン1.3に適用することにより、制御プログラムを旧バージョン1.3から新バージョン2.0に書き換える。書き換えが完了すると、ECU2は、書き換えの完了通知をゲートウェイ10に送信する(ステップS12)。
ECU3は、受信した更新プログラムΔ3を展開して旧バージョン2.0に適用することにより、制御プログラムを旧バージョン2.0から新バージョン2.2に書き換える。書き換えが完了すると、ECU3は、書き換えの完了通知をゲートウェイ10に送信する(ステップS14)。
通常モード移行要求を受信した各ECU1〜3は、自身の制御モードをリプロモードから通常モードに切り替え、リセット要求に応じてシステムを再起動する。これにより、各ECU1〜3が、新バージョンの制御プログラムによりそれぞれ動作する。
これにより、管理サーバ5は、車両1の各ECU1〜3について、制御プログラムの更新がすべて完了したことを察知する。
図6は、ステップS8のスケジューリング処理の流れを表したフローチャートである。図6のフローチャートに表されたスケジューリング処理は、ゲートウェイ10のCPU11が記憶部13に記憶されているスケジューリング処理実行用のプログラムをRAM12上に読み出して実行することによって実現される。このとき、図2に示されるようにCPU11は、該プログラムを実行することによって実現される機能であるスケジューリング部111および更新制御部112を含む。CPU11がこれら機能を発揮することによってスケジューリング処理が実現される。図6のフローチャートに表された動作は、複数の更新プログラムをDLサーバ6から取得し、同時更新する制御プログラムが複数ある場合に開始される。
図7は、同時更新の必要性がある複数の更新プログラムの第1の具体例を表した図である。図7を参照して、第1の例において、第1の更新プログラムΔ1はECU_A用の更新プログラムであって、第1のメインバスNW1でECU_Aに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Aにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Aで制御プログラムが書き換えられる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、30[s(秒)]、10[s]および30[s]である。第2の更新プログラムΔ2はECU_F用の更新プログラムであって、第2のメインバスNW2でECU_Fに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Fにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Fで制御プログラムが書き換えられる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、10[s]、10[s]および30[s]である。第3の更新プログラムΔ3はECU_D用の更新プログラムであって、第1のメインバスNW1でECU_Cまで伝送され、ECU_Cを介してローカルバスNW3でECU_Dに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Dにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Dで制御プログラムが書き換えられる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、60[s]、10[s]および30[s]である。なお、更新プログラムΔ3の伝送(第1のタスク)については、さらに、第1のメインバスNW1での伝送に要する時間は30[s]およびローカルバスNW3での伝送に要する時間は30[s]である。また、メインバスNW1からローカルバスNW3への伝送を中継するECU_Cは中継バッファを使用可能であって、メインバスNW1からローカルバスNW3への伝送の中継時間が10[s]である。
図9は、同時更新の必要性がある更新プログラムの第2の具体例を表した図である。図9を参照して、第2の例において、第1の更新プログラムΔ1はECU_A用の更新プログラムであって、第1のメインバスNW1でECU_Aに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Aにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Aで制御プログラムが書き換えされる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、30[s]、10[s]および30[s]である。第2の更新プログラムΔ2はECU_F用の更新プログラムであって、第2のメインバスNW2でECU_Fに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Fにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Fで制御プログラムが書き換えされる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、10[s]、10[s]および30[s]である。第3の更新プログラムΔ3はECU_D用の更新プログラムであって、第1のメインバスNW1でECU_Cまで伝送され、ECU_Cを介してローカルバスNW3でECU_Dに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Dにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Dで制御プログラムが書き換えられる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、120[s]、10[s]および20[s]である。なお、第2の例では、メインバスNW1からローカルバスNW3への伝送を中継するECU_Cは中継バッファを使用不可である(バッファ機能を有さない)。そのため、ECU_D用の更新プログラムΔ3の伝送においては、ローカルバスNW3での伝送速度と同じ速度で第1のメインバスNW1で伝送されるため、第1のメインバスNW1での伝送に要する時間が、ローカルバスNW3での伝送に要する時間と同じ120[s]となる。
図11は、同時更新の必要性がある更新プログラムの第3の具体例を表した図である。図11を参照して、第3の例において、第1の更新プログラムΔ1はECU_A用の更新プログラムであって、第1のメインバスNW1でECU_Aに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Aにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Aで制御プログラムが書き換えられる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、30[s]、20[s]および40[s]である。第2の更新プログラムΔ2はECU_B用の更新プログラムであって、第1のメインバスNW1でECU_Bに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Bにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Bで制御プログラムが書き換えられる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、10[s]、10[s]および20[s]である。第3の更新プログラムΔ3はECU_C用の更新プログラムであって、第1のメインバスNW1でECU_Cに伝送されて(第1のタスク)、ECU_Cにおいて更新ファイルのチェックが実行され(第2のタスク)、ECU_Cで制御プログラムが書き換えられる(第3のタスク)。第1時間〜第3時間は、20[s]、10[s]および50[s]である。すなわち、これら複数の更新プログラムΔ1〜Δ3は、すべて、第1のメインバスNW1に属するECU用であって、メインバスNW1のみで各ECUに伝送される。
第1の実施の形態にかかるプログラム更新システムによれば、複数のECUそれぞれの制御プログラムを同時更新する場合に、更新プログラムを提供する車外装置であるDLサーバ6からECU30への更新プログラムの送信を中継する中継装置であるゲートウェイ10において、複数の更新プログラムの送信順序を決定するスケジューリング処理が実行される。
これにより、同時更新所要時間を短くすることができる。
なお、上記したスケジューリング処理は、DLサーバ6からECU30へ送信される更新プログラムを中継するいずれの中継装置で行われてもよい。たとえば、DLサーバ6からECU30へ送信される更新プログラムが、ゲートウェイ10に加えて、図1に示されていないさらなる中継装置によって中継される場合、当該さらなる中継装置において上記のスケジューリング処理が実行されてもよい。または、ゲートウェイ10と当該さらなる中継装置との協働によってスケジューリング処理が実現されてもよい。
2 広域通信網
5 管理サーバ(中継装置)
6 DLサーバ
10 ゲートウェイ(中継装置)
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 車内通信部
15 無線通信部
30 ECU(制御装置)
31 CPU
32 RAM
33 記憶部
34 通信部
35 起動部
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 記憶部
55 通信部
NW1〜NW3 バス(車載ネットワーク)
111 スケジューリング部
112 更新制御部
Claims (11)
- 車載ネットワークに属する複数の制御装置と通信する中継装置であって、
複数の前記制御装置のそれぞれに対して、互いに重複したタイミングで適用されるべき複数の更新プログラムと、前記車載ネットワークのトポロジーとを記憶する記憶部と、
複数の前記更新プログラムを対応する前記制御装置にそれぞれ送信する車内通信部と、
自装置に個別に接続された互いに独立する複数の前記車載ネットワークに属する前記制御装置に対して、それぞれの前記制御装置に対応する複数の前記更新プログラムを、前記トポロジーに基づき並行して送信するように前記車内通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、1つの前記車載ネットワークに、自装置に直接接続されたメインネットワークと、前記メインネットワークに接続された前記制御装置を分岐ノードとして前記メインネットワークから分岐するローカルネットワークとが含まれ、前記メインネットワークの伝送能力が前記ローカルネットワークの伝送能力より高く、前記メインネットワークに接続された第1制御装置に対する第1更新プログラムと、前記ローカルネットワークに接続された第2装置に対する第2更新プログラムとを送信する場合において、前記ローカルネットワークの伝送能力以下の伝送速度で前記メインネットワークにおいて前記第2更新プログラムを送信し、前記メインネットワークに生じた空き帯域を利用することで前記メインネットワークにおいて前記第2更新プログラムと並行して前記第1更新プログラムを送信するように、前記車内通信部を制御し、
前記第1更新プログラムと前記第2更新プログラムとは互いに異なる更新プログラムである、
中継装置。 - 前記制御部は、前記第1更新プログラムに優先して、前記第2更新プログラムを送信するよう、前記車内通信部を制御する、
請求項1に記載の中継装置。 - 前記制御部は、所定の条件に従って複数の前記更新プログラムの送信順序を決定する、請求項1又は2に記載の中継装置。
- 前記所定の条件は、各前記制御装置での、下記の第1時間〜第3時間を含む更新所要時間の組み合わせである同時更新所要時間を最も短くするスケジューリング条件よりなり、
前記同時更新所要時間は、前記複数の更新プログラムのうちの最初に前記制御装置に伝送される更新プログラムについての前記第1時間の開始時から、前記複数の更新プログラムの最後に制御プログラムの書き換えが終了する更新プログラムについての前記第3時間の終了時までの時間である、請求項3に記載の中継装置。
第1時間:更新プログラムの伝送時間
第2時間:更新プログラムのチェックに要する時間
第3時間:更新プログラムを用いた制御プログラムの書き換えに要する時間 - 前記スケジューリング条件には、
バス型トポロジーである1つの前記車載ネットワークに含まれる複数の前記制御装置について、前記第3時間が長い前記制御装置ほど前記更新プログラムの送信順序を早めることが含まれる、請求項4に記載の中継装置。 - 前記スケジューリング条件には、
バス型トポロジーである1つの前記車載ネットワークに含まれる複数の前記制御装置について、前記第1時間が短い前記制御装置ほど前記更新プログラムの送信順序を早めることが含まれる、請求項4または請求項5に記載の中継装置。 - 前記スケジューリング条件には、
バス型トポロジーである1つの前記車載ネットワークに含まれる複数の前記制御装置について、前記制御装置に付与された識別情報に基づいて送信順序を決定することが含まれる、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の中継装置。 - 前記スケジューリング条件には、前記ローカルネットワークに接続された前記制御装置への送信順序を、前記メインネットワークに接続された前記制御装置の送信順序よりも早めることが含まれる、請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の中継装置。
- 前記制御部は、前記分岐ノードが、前記メインネットワークから前記ローカルネットワークへの前記第2更新プログラムの伝送を中継するためのバッファ機能を有するか否かに応じて、前記メインネットワークの伝送速度を決定する、請求項8に記載の中継装置。
- 車載ネットワークに属する複数の制御装置と、前記複数の制御装置と通信する中継装置と、を含むプログラム更新システムであって、
前記中継装置は、
複数の前記制御装置のそれぞれに対して、互いに重複したタイミングで適用されるべき複数の更新プログラムと、前記車載ネットワークのトポロジーとを記憶する記憶部と、
複数の前記更新プログラムを対応する前記制御装置にそれぞれ送信する車内通信部と、
自装置に個別に接続された互いに独立する複数の前記車載ネットワークに属する前記制御装置に対して、それぞれの前記制御装置に対応する複数の前記更新プログラムを、前記トポロジーに基づき並行して送信するように前記車内通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、1つの前記車載ネットワークに、自装置に直接接続されたメインネットワークと、前記メインネットワークに接続された前記制御装置を分岐ノードとして前記メインネットワークから分岐するローカルネットワークとが含まれ、前記メインネットワークの伝送能力が前記ローカルネットワークの伝送能力より高く、前記メインネットワークに接続された第1制御装置に対する第1更新プログラムと、前記ローカルネットワークに接続された第2装置に対する第2更新プログラムとを送信する場合において、前記ローカルネットワークの伝送能力以下の伝送速度で前記メインネットワークにおいて前記第2更新プログラムを送信し、前記メインネットワークに生じた空き帯域を利用することで前記メインネットワークにおいて前記第2更新プログラムと並行して前記第1更新プログラムを送信するように、前記車内通信部を制御し、
前記第1更新プログラムと前記第2更新プログラムとは互いに異なる更新プログラムである、
プログラム更新システム。 - 車載ネットワークに属する複数の制御装置と通信する中継装置が実行するプログラム更新方法であって、
複数の前記制御装置のそれぞれに対して、互いに重複したタイミングで適用されるべき複数の更新プログラムと、前記車載ネットワークのトポロジーとを記憶するステップと、
複数の前記更新プログラムを対応する前記制御装置にそれぞれ送信するステップと、を含み、
前記送信するステップは、前記中継装置に個別に接続された互いに独立する複数の前記車載ネットワークに属する前記制御装置に対して、それぞれの前記制御装置に対応する複数の前記更新プログラムを、前記トポロジーに基づき並行して送信することを含み、
前記送信するステップは、1つの前記車載ネットワークに、自装置に直接接続されたメインネットワークと、前記メインネットワークに接続された前記制御装置を分岐ノードとして前記メインネットワークから分岐するローカルネットワークとが含まれ、前記メインネットワークの伝送能力が前記ローカルネットワークの伝送能力より高く、前記メインネットワークに接続された第1制御装置に対する第1更新プログラムと、前記ローカルネットワークに接続された第2装置に対する第2更新プログラムとを送信する場合において、前記ローカルネットワークの伝送能力以下の伝送速度で前記メインネットワークにおいて前記第2更新プログラムを送信し、前記メインネットワークに生じた空き帯域を利用することで前記メインネットワークにおいて前記第2更新プログラムと並行して前記第1更新プログラムを送信することを含み、
前記第1更新プログラムと前記第2更新プログラムとは互いに異なる更新プログラムである、
プログラム更新方法。
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