JP6560802B1 - 溶射方法 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的に特許文献1には、キャリアガスを噴出ノズルによりエジェクター内に噴出し、エジェクター内で原料粉体とキャリアガスとを混合し、混合した混合物を搬送経路の導管(吐出導管)に沿って下流側に導き、噴射手段により混合物を噴射し、噴射した混合物を燃焼させて耐火組成物を形成する技術が記載されている。
(1)大量噴射を行う場合、必然的に噴射量が多くなるので、リバウンドロスにより、被施工面に対する原料粉体の付着性(以下、単に「付着性」という。)が低下する。
(2)大量噴射を行う場合、混合物が搬送経路の導管(吐出導管)に接触する頻度も高くなり、吐出導管が摩耗する。
(3)大量噴射を行うために、噴射手段の噴射口の断面積を大きくすると、噴射口から噴射される混合物の流速が低くなり、逆火(混合物の搬送方向と逆方向へ発火が進む現象)を生じる危険性が高くなる。
なお、本発明において「大量噴射」とは、原料紛体の噴射量が概ね100kg/h以上のことをいう。
耐火性粉体及び可燃性粉体を含む原料粉体と、支燃性のキャリアガスとを混合した混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置を用いる溶射方法において、
前記原料紛体の噴射量は100kg/h以上であり、
前記溶射装置は、
前記原料粉体を貯蔵し当該原料粉体を払い出す払出口を有する貯蔵手段と、
加圧されたキャリアガスの流れにより前記払出口から前記原料粉体を吸入し、前記キャリアガスと前記原料粉体とを混合し前記混合物とするエジェクターと、
前記エジェクターにより生成された前記混合物を噴射する噴射手段とを備え、
前記エジェクターは、
前記払出口に連通する内部空間を有する容器部と、
加圧された前記キャリアガスを先端から前記内部空間に噴出する噴出ノズルと、
前記内部空間に一端が連通し前記混合物を流路に沿って前記一端から他端へ導く吐出導管とを備え、
前記キャリアガスの流量は50(Nm3/h)以上60(Nm3/h)以下であり、
前記吐出導管の流路内の混合物の流速は63(m/s)以上248(m/s)以下であり、
前記噴射手段の噴射口と前記吐出導管のストレート部の断面積の比(前記噴射手段の噴射口の断面積/前記吐出導管のストレート部の断面積)が1以上4以下であることを特徴とする溶射方法。
また、本発明の他の観点によれば、次の溶射方法が提供される。
耐火性粉体及び可燃性粉体を含む原料粉体と、支燃性のキャリアガスとを混合した混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置を用いる溶射方法において、
前記原料紛体の噴射量は100kg/h以上であり、
前記溶射装置は、
前記原料粉体を貯蔵し当該原料粉体を払い出す払出口を有する貯蔵手段と、
加圧されたキャリアガスの流れにより前記払出口から前記原料粉体を吸入し、前記キャリアガスと前記原料粉体とを混合し前記混合物とするエジェクターと、
前記エジェクターにより生成された前記混合物を噴射する噴射手段とを備え、
前記エジェクターは、
前記払出口に連通する内部空間を有する容器部と、
加圧された前記キャリアガスを先端から前記内部空間に噴出する噴出ノズルと、
前記内部空間に一端が連通し前記混合物を流路に沿って前記一端から他端へ導く吐出導管とを備え、
前記キャリアガスの流量は40(Nm 3 /h)以上70(Nm 3 /h)以下であり、
前記吐出導管の流路内の混合物の流速は90(m/s)以上147(m/s)以下であり、
前記噴射手段の噴射口と前記吐出導管のストレート部の断面積の比(前記噴射手段の噴射口の断面積/前記吐出導管のストレート部の断面積)が1以上4以下であることを特徴とする溶射方法。
この溶射装置は、原料粉体10を貯蔵する貯蔵手段としてのホッパー20と、エジェクター30と、噴射手段40とを備える。
ホッパー20は、その底部に原料粉体10を払い出す払出口21を有する。
エジェクター30は、加圧されたキャリアガス(酸素ガス)の流れにより払出口21から原料粉体10を吸入し、キャリアガスと原料粉体10とを混合し混合物とする。
噴射手段(噴射ノズル)40は、エジェクター30の出側と水平移送管50及びゴムホース60を介して接続されており、エジェクター30により生成された前記混合物を先端の噴射口(ノズル孔)41から噴射する。なお、水平移送管50は省略することができ、エジェクター30の出側にゴムホース60を直接接続してもよい。
なお、このエジェクター30において吐出導管33は、流路の断面積が一定のストレート部のみからなるが、ストレート部の入側及び出側に絞り部や拡張部を設けてもよい。
要件1:キャリアガスの流量は40(Nm3/h)以上70(Nm3/h)以下であること。
要件2:吐出導管の流路内の混合物の流速は63(m/s)以上248(m/s)以下であること。
要件3:噴射手段の噴射口と吐出導管のストレート部の断面積の比(噴射手段の噴射口の断面積/吐出導管のストレート部の断面積)が1以上4以下であること。
一方、キャリアガスの流量が70(Nm3/h)超となると、キャリアガスが多くなりすぎて、リバウンドロスにより付着性が低下する。
キャリアガスの流量の好ましい範囲は、50(Nm3/h)以上60(Nm3/h)以下である。
なお、本発明において「キャリアガスの流量」とは噴出ノズルから噴出されるガスの流量のことをいう。すなわち、図1の溶射装置において噴出ノズル32以外の部分、例えばゴムホース60からキャリアガスと同成分のガス(酸素ガス)を導入することがあるが、噴出ノズル32以外の部分から導入されるガスの流量は、「キャリアガスの流量」には含まれないものとする。
一方、吐出導管の流路内の混合物の流速が248(m/s)超となると、吐出導管内の摩耗が生じやすい。
吐出導管の流路内の混合物の流速の好ましい範囲は、90(m/s)以上147(m/s)以下である。
なお、吐出導管の流路内の混合物の流速は、吐出導管のストレート部の断面積とキャリアガスの流量とから計算により求めることができる。
一方、断面積比が4超であると、逆火を生じやすい。
断面積比の好ましい範囲は、1.4以上2.3以下である。
なお、「噴射手段の噴射口の断面積」とは噴射口の開口面積のことであり、噴射口が複数ある場合は、全ての噴射口の開口面積の合計とする。また、「吐出導管のストレート部の断面積」とは、吐出導管の流路方向に直交する断面における、吐出導管のストレート部の断面積のことである。
図1の溶射装置では、噴射手段40の噴射口41、吐出導管33(ストレート部)の断面はいずれも円形としたが、楕円形や矩形など円形以外の形状とすることもできる。すなわち、噴射手段の噴射口、吐出導管のストレート部がいずれの形状であっても、断面積比が要件3に規定の範囲内であればよい。
前記各評価項目の評価方法は、以下のとおりである。
ホッパー20に貯蔵されている原料粉体の重量減少率から噴射量(kg/h)を求めた。噴射量が100(kg/h)以上の場合、大量噴射を実現できるとして○(良)、100kg/h未満の場合、大量噴射を実現できないとして×(不可)とした。
原料粉体の総噴射量(kg)と常温下でのリバウンドロス(kg)から、原料粉体の付着率を求め、比較例1の付着率を100として指数化して評価した。具体的には、付着率(指数)が110超を○(良)、100超110以下を△(可)、100以下を×(不可)とした。
溶射試験後、吐出導管の摩耗状態を目視で観察し、○、△、×の3段階で相対評価した。すなわち、○、△、×の順で吐出導管の摩耗量が小さいということである。
溶射試験を繰り返し100回行い、逆火の発生が0回の場合を○(良)、1回の場合を△(可)、2回以上の場合を×(不可)とした。
前記各評価が全て○の場合を○(良)、×はないが少なくとも一つ△がある場合を△(可)、少なくとも一つ×がある場合を×(不可)とした。
一方、比較例2はキャリアガスの流量が多い例で、リバウンドロスにより付着性が低下した。
一方、比較例4は吐出導管の流路内の混合物の流速が高い例で、吐出導管の摩耗量が大きくなった。また、リバウンドロスにより付着性が低下した。
一方、比較例6は断面積比が大きい例で、逆火が発生しやすくなった。
20 ホッパー(貯蔵手段)
21 払出口
30 エジェクター
31 容器部
32 噴出ノズル
33 吐出導管
40 噴射手段(噴射ノズル)
41 噴射口(ノズル孔)
50 水平移送管
50a ライニング層
60 ゴムホース
70 垂直移送管
Claims (3)
- 耐火性粉体及び可燃性粉体を含む原料粉体と、支燃性のキャリアガスとを混合した混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置を用いる溶射方法において、
前記原料紛体の噴射量は100kg/h以上であり、
前記溶射装置は、
前記原料粉体を貯蔵し当該原料粉体を払い出す払出口を有する貯蔵手段と、
加圧されたキャリアガスの流れにより前記払出口から前記原料粉体を吸入し、前記キャリアガスと前記原料粉体とを混合し前記混合物とするエジェクターと、
前記エジェクターにより生成された前記混合物を噴射する噴射手段とを備え、
前記エジェクターは、
前記払出口に連通する内部空間を有する容器部と、
加圧された前記キャリアガスを先端から前記内部空間に噴出する噴出ノズルと、
前記内部空間に一端が連通し前記混合物を流路に沿って前記一端から他端へ導く吐出導管とを備え、
前記キャリアガスの流量は50(Nm3/h)以上60(Nm3/h)以下であり、
前記吐出導管の流路内の混合物の流速は63(m/s)以上248(m/s)以下であり、
前記噴射手段の噴射口と前記吐出導管のストレート部の断面積の比(前記噴射手段の噴射口の断面積/前記吐出導管のストレート部の断面積)が1以上4以下であることを特徴とする溶射方法。 - 耐火性粉体及び可燃性粉体を含む原料粉体と、支燃性のキャリアガスとを混合した混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置を用いる溶射方法において、
前記原料紛体の噴射量は100kg/h以上であり、
前記溶射装置は、
前記原料粉体を貯蔵し当該原料粉体を払い出す払出口を有する貯蔵手段と、
加圧されたキャリアガスの流れにより前記払出口から前記原料粉体を吸入し、前記キャリアガスと前記原料粉体とを混合し前記混合物とするエジェクターと、
前記エジェクターにより生成された前記混合物を噴射する噴射手段とを備え、
前記エジェクターは、
前記払出口に連通する内部空間を有する容器部と、
加圧された前記キャリアガスを先端から前記内部空間に噴出する噴出ノズルと、
前記内部空間に一端が連通し前記混合物を流路に沿って前記一端から他端へ導く吐出導管とを備え、
前記キャリアガスの流量は40(Nm 3 /h)以上70(Nm 3 /h)以下であり、
前記吐出導管の流路内の混合物の流速は90(m/s)以上147(m/s)以下であり、
前記噴射手段の噴射口と前記吐出導管のストレート部の断面積の比(前記噴射手段の噴射口の断面積/前記吐出導管のストレート部の断面積)が1以上4以下であることを特徴とする溶射方法。 - 前記噴射手段の噴射口と前記吐出導管のストレート部の断面積の比(前記噴射手段の噴射口の断面積/前記吐出導管のストレート部の断面積)が1.4以上2.3以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶射方法。
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