JP2010222605A - 耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法およびその部材を用いた発電機器 - Google Patents

耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法およびその部材を用いた発電機器 Download PDF

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義康 伊藤
Masao Arimura
正雄 有村
Shoichi Fukamatsu
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Takeshi Fujisawa
壮史 藤澤
Kenji Kamimura
健司 上村
Yasuhito Kamijo
康仁 上條
Shuichi Inagaki
修一 稲垣
Yoshio Mochida
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Abstract

【課題】耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性の高いコーティング層を作業性よく低コストで形成することができ、耐久性の向上を図ることが可能な耐食性を有する部材の製造方法およびその耐食性を有する部材を用いた発電機器を提供する。
【解決手段】還元剤粒子4と、酸化剤粒子3と、耐食性添加剤粒子5とを含有するテルミット剤1を調製する。圧縮ガスを使用する溶射装置10を用い、前記テルミット剤1を引火させ、引火により前記テルミット剤1から導かれた溶射材料を対象物15基材の表面に向けて噴射させ、前記対象物15基材の表面に前記溶射材料からなる耐食性コーティング層16を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法およびその部材を用いた発電機器に関するものである。
従来から、腐食やエロージョンが発生し易い環境下で使用される機器、例えば、発電プラントの蒸気タービン翼、ガスタービン翼、配管、熱交換器、タービンケーシング、バルブ等の発電機器等においては、腐食やエロージョンの発生および高温酸化を抑制することが求められている。
このような腐食やエロージョンの発生および高温酸化を抑制するために、耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性の高いコーティング層を機器基材の表面に形成することが考えられており、このようなコーティング層を、作業性よく、低コストで形成する方法の開発が望まれている。
ところで、金属材料の製造方法および溶接方法として、テルミット反応を利用した酸化金属とアルミニウムを用いる方法が知られている。また、金属材料の形状が欠損若しくは磨耗等により変化した場合、金属材料に溶接法で肉盛りを施して元の形状に戻す方法として、テルミット反応を利用して補修する溶接方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記テルミット反応を利用して補修する溶接方法は、次の手順で行われる。すなわち、補修の必要部分に対応する溶接予定形状の外殻を金属材料に装着することにより金属材料の側面に溶接空間を形成し、金属材料および外殻の周囲を耐火材料で覆い、外殻内に酸化金属とアルミニウムとの化学反応で生成させた高温度の溶融金属を、その直下に配置した溶融金属受けで受け止めた後に流動させながら溶接空間に充填して補修する溶接方法である。この方法は、金属材料および外殻の周囲を耐火材料で覆う等の煩雑な作業を必要とし、また、コーティング層の形成に関するものではないという問題がある。
特開2004−98138号公報
上述したとおり、従来から腐食やエロージョン、高温酸化が発生し易い環境下で使用される発電機器等においては、耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性の優れたコーティング層を、作業性よく、低コストで形成する方法の開発が望まれていた。
本発明は上述した事情に対処してなされたものであり、耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性に優れたコーティング層を、作業性よく、低コストで形成することができ、耐久性の向上を図ることが可能な耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性を有する部材の製造方法、およびその耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性を有する部材を用いた発電機器を提供することを目的とする。
本発明の耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性を有する部材の製造方法の一態様は、還元剤粒子と、酸化剤粒子と、耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する添加剤粒子とを含有するテルミット剤を調製するテルミット剤調製工程と、圧縮ガスを使用する溶射装置を用い、前記溶射装置内で前記テルミット剤を引火させ、前記テルミット剤を溶射材料に転化させるテルミット剤転化工程と、前記溶射材料を前記溶射装置から対象物基材の表面に向けて噴射し、前記対象物基材の表面に前記溶射材料からなるコーティング層を形成するコーティング層形成工程とを具備することを特徴とする。
本発明の発電プラントを構成する発電機器の一態様は、腐食、エロージョンまたは高温酸化の発生可能な対象物基材の少なくとも一部の表面部位に耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性コーティング層を形成した耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材を具備した、発電プラントを構成する発電機器において、前記部材が前述した耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法によって製造されていることを特徴とする。
本発明によれば、耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性に優れたコーティング層を、作業性よく、低コストで溶射によって形成することができ、また、このコーティング層を形成した耐腐食性や耐エロージョン性、耐高温酸化性を有する部材を発電機器として使用することによって、耐久性の向上を図ることができる。
本発明に係る耐食性部材の製造方法の一実施形態で使用されるテルミット剤の構成を模式的に示す概略図であり、(A)は粒子について説明する図、(B)はテルミット剤を構成する粒子群について説明する図。 本発明に係る耐食性部材の製造方法の一実施形態で使用されるテルミット剤の構成を模式的に示す概略図であり、(A)は粒子について説明する図、(B)はテルミット剤を構成する粒子群について説明する図。 本発明に係る溶射装置の構成を模式的に示す概略図であり、(A)は溶射装置の正面図、(B)は(A)の一部を破断した正面図。 本発明に係る溶射装置のテルミット剤引火部におけるテルミット剤の引火および反応の詳細を説明する図であり、(A)は添加剤粒子としてTiN粒子を用いて説明する図、(B)は添加剤粒子としてSiO粒子を用いて説明する図。 溶射装置のテルミット剤引火部における引火方法を説明する図であり、テルミット剤引火部に、(A)はバーナー燃焼装置を用いて説明する図、(B)は放電装置を備用いて説明する図、(C)は高周波加熱装置を用いて説明する図。 本発明の一実施形態の耐食性コーティングの最小厚みを説明するための断面図。 本発明に係る発電機器の一実施形態である蒸気タービンの概略構成を示す図であり、(A)は、全体構成を示す断面図、(B)は、(A)の一部(B部)を拡大して示す断面図。 本発明に係る発電機器の一実施形態である蒸気タービンの要部概略構成を示す断面図であり、(A)は、要部構成を示す断面図、(B)、(C)、(D)は、図8(A)の一部(B部、C部、D部)をそれぞれ拡大して示す断面図。 本発明の一実施形態の発電機器であるガスタービンの概略構成を示す図であり、(A)は、要部構成を示す断面図、(B)、(C)、(D)は、図9(A)の一部(B部、C部、D部)をそれぞれ拡大して示す断面図。 本発明に係る発電機器の一実施形態である水車の概略構成を示す斜視図。 本発明に係る発電機器の一実施形態である熱交換器の概略構成を示す断面図であり、(A)は、要部構成を示す断面図、(B)は、(A)に示す熱交換器の一部(B部)を拡大して示す断面図、(C)は、(B)に示す管板に耐食性コーティング層を形成した状態を示す断面図。 本発明に係る発電機器の一実施形態である二酸化炭素吸収装置の概略構成を示す正面図であり、(A)は、二酸化炭素吸収装置を示す概略図、(B)は(A)に示す二酸化炭素吸収装置の一部(B部)を拡大して示す断面図。 本発明に係る発電機器の一実施形態である蓄熱発電装置の概略構成を示す図であり、(A)は、蓄熱発電装置を示す斜視図、(B)は(A)に示す蓄熱発電装置の一部(B部)を拡大して示す胴体壁を示す断面図、(C)は(B)に示す胴体壁に耐食性コーティング層を形成した状態を示す断面図。
以下、本発明に係るテルミット反応を利用した耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法、およびその耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材を用いた発電機器の実施形態の詳細について、図1〜13を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の実施形態について説明する。図1は、本第1実施形態で用いられるテルミット剤の基本構成を示す図で、図1(A)はテルミット剤を構成する粒子について説明する図であり、図1(B)はテルミット剤を構成する粒子群について説明する図である。
本実施形態のテルミット剤1は、図1に示すように、還元剤からなる還元剤粒子4と、酸化剤からなる酸化剤粒子3、耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性(以下、本明細書では、「耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性」を「耐食性」と略称する。)を有する添加剤からなる添加剤粒子5から構成されている。本実施形態で用いられるテルミット剤1では、酸化剤粒子3が酸化鉄(三酸化二鉄(Fe))、還元剤粒子4がアルミニウム(Al)、添加剤粒子5が窒化チタン(TiN)からなる。
テルミット剤1を利用して緻密なコーティングを得るためには、テルミット剤1を構成する還元剤粒子4、酸化剤粒子3および添加剤粒子5を微細化することが好ましく、例えば、最小直径が1〜3nm程度のものを使用することが望ましい。また、コーティングの目的に応じて、還元剤粒子4、酸化剤粒子3および添加剤粒子5は、それぞれ直径が1nmから200μm程度の粒子を使用することができる。なお、この粒子には、後述するテルミット剤充填部からテルミット剤引火部を経て溶射されるまでの流動性を著しく妨げない限り、粒状物等を含めることができる。
また、図2は本発明に係る耐食性部材の製造方法の他の実施形態で使用されるテルミット剤の構成を模式的に示す概略図で、図2(A)はテルミット剤を構成する粒子について説明する図であり、図2(B)はテルミット剤を構成する粒子群について説明する図である。図2に示すように、添加剤粒子5をSiOで構成することも可能である。
上記のテルミット剤1,1aを構成する各粒子の割合は次のようである。例えば、還元剤粒子4の割合は10〜30質量%の範囲にあり、好ましくは20〜25質量%の範囲にあり、酸化剤粒子3の割合が40〜80質量%の範囲にあり、好ましくは40〜60質量%の範囲にあり、添加剤粒子5の割合が10〜50質量%の範囲にあり、好ましくは10〜40質量%の範囲の範囲にある。
このような粒子の割合に基づいて、還元剤粒子4を調製し、必要なテルミット反応の温度や速度が得られるように残りの成分粒子を調合してテルミット剤1を構成する。必要により、テルミット剤1を構成する各粒子を十分に混合して均質に分布させる。
また、使用可能な添加剤粒子5としては、耐食性に優れる窒化チタン(TiN)又は、チタン(Ti)、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)、チタンアルミナイトライド(TiAlN)、チタンクロムアルミナイトライド(TiCrAlN)、クロム(Cr)、窒化クロム(好ましくは、一窒化一クロム(CrN)である。)、炭化クロム(好ましくは、六炭化二十三クロム(Cr23)、二炭化三クロム(Cr)又は三炭化七クロム(Cr)である。)、タングステン(W)、炭化タングステン(好ましくは、一炭化二タングステン(WC)又は一炭化一タングステン(WC)である。)、窒化タングステン(好ましくは、一窒化二タングステン(WN)又は二窒化一タングステン(WN)である。)、ホウ素(B)、ニッケル(Ni)、窒化ニッケル(好ましくは、一窒化三ニッケル(NiN)である。)、炭化ニッケル(好ましくは、一炭化三ニッケル(NiC)である。)、コバルト(Co)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(好ましくは、四窒化三ケイ素(Si)である。)、二酸化ケイ素(SiO)等が挙げられる。これらの添加剤粒子は、単独で又は複数種を用いることによって、テルミット反応の温度や速度を制御することができる。
図3は、本実施形態の圧縮ガスを用いテルミット反応を利用する溶射装置の構成を示す図である。図3(A)は溶射装置の正面図であり、図3(B)は図3(A)の一部を破断した正面図である。なお、図3において、矢印の方向に沿って流体が流れる、すなわち、テルミット剤は同図の上側から下側に向かって流れ、テルミット剤(又は、後述する溶射材料)や圧縮ガスは、同図の左側から右側に向かって流れる構成になっている。
図3(A)に示すように、溶射装置10は、圧縮ガス部11、テルミット剤充填部12、テルミット剤引火部13およびテルミット剤噴射管14を具備している。なお、本明細書において、「引火」とは、テルミット剤を加熱してテルミット反応を行う成分間で酸化還元反応を起こさせることを意味する。
また、図3(B)に示すように、前記テルミット剤1をテルミット剤充填部12に充填し、テルミット剤1をテルミット剤噴射管14に流し込み、圧縮ガス部11からの圧縮ガスによって外部に連続的に噴射することができる。テルミット剤1はテルミット剤噴射管14を通過する際に、途中にあるテルミット剤引火部13で熱を受けて引火する。ここで、圧縮ガス部11は、ガスボンベおよび圧縮機を備えており、通常、前記テルミット剤噴射管14の直径に対し、噴射圧力は約0.1〜約50MPaの範囲に、噴射速度は約15〜約800m/s(メートル毎秒)の範囲に設定された条件で噴射を行う。
図4は、テルミット剤引火部における代表的なテルミット反応の詳細を説明する図である。図4(A)では添加剤粒子としてTiN粒子を用い、図4(B)では添加剤粒子としてSiO粒子を用いている。なお、図4において、テルミット剤(または、後述する溶射材料)や圧縮ガスは、矢印の方向に同図の左側から右側に流れる構成になっている。
図4(A)に示すように、Fe粒子、Al粒子およびTiN粒子5を含むテルミット剤が溶射装置10のテルミット剤引火部13を通過する際に、例えば、バーナー燃焼によって加熱されると、次式(1)に示すFeとAlとの間に酸化還元反応が起きる。
Fe+2Al=Al+2Fe (1)
激しい酸化還元反応によりテルミット剤自身が発熱・溶融し、テルミット剤から導かれた溶射材料はテルミット剤噴射管14を通過し圧縮ガスによって外部に噴射され、対象物15の表面に吹付けられ、溶射される。この場合、テルミット剤1には、Fe粒子、Al粒子およびTiN粒子5が含まれるのに対し、溶射材料には、Fe、AlおよびTiN(粒子)が含まれる。なお、添加剤粒子はテルミット反応の際に生じた全体の溶融物内部に拡散し、溶融物と一体になることが望ましい。TiN粒子5自体は、溶融しなくても軟化状態で使用可能である。
また、使用可能な対象物15としては、例えば、ニッケル(Ni)基合金、コバルト(Co)基合金又は鉄(Fe)基合金等の材料を挙げることができる。
図4(B)に示すように、添加剤粒子としてSiO粒子5を用いると、次式(2)に示すように、SiOとAlとの間に酸化還元反応が生ずる。かかる酸化還元反応によりSiOがSiに還元され、得られた溶射材料は圧縮ガスによって溶射装置10のテルミット剤噴射管14を介して外部に噴射され、対象物15の表面にSiを含む耐食性のコーティング層が溶射される。なお、添加剤粒子として使用される酸化ジルコニウム、酸化イットリウムは耐高温酸化の材料として添加されるものであり、テルミット反応では酸化せず、還元されることはない。
3SiO+4Al=3Si+2Al (2)
また、テルミット反応用の酸化剤粒子3として、金属酸化物(酸化鉄(三酸化二鉄(Fe)、四酸化三鉄(Fe))等)を用いることができる。
図5は、溶射装置のテルミット剤引火部における引火方法を説明する図である。溶射装置のテルミット剤引火部13に、図5(A)はバーナー燃焼装置を備える図であり、図5(B)は放電装置を備える図であり、図5(C)は高周波加熱装置を用いる図である。なお、図5において、テルミット剤(または溶射材料)又は圧縮ガスは、矢印の方向に同図の左側から右側に流れる構成になっている。
テルミット剤を引火させるためのテルミット剤引火部13は、図5(A)に示すように、バーナー燃焼装置を備えている。また、図5(B)に示すように、安全性を考慮して放電装置を用い放電によりテルミット剤を引火させることも可能である。さらに、図5(C)に示すように、高周波加熱装置を用い引火によりテルミット剤を反応させることも可能である。
図6は、耐食性コーティング層の最小厚みを説明するための断面図である。図6に示すように、対象物15の表面に溶射された耐食性のコーティング層16の最小厚みは、コーティング層16と対象物15の付着性に鑑み、あるいは対象物15の必要性に応じて、1μm〜10mm程度に調整することが好ましい。
上記式(1)のテルミット反応によると、生成酸化アルミニウム 1モルあたり836kJの発熱があり、反応の断熱温度は2800℃に達すると計算される。このように、テルミット反応により約2800℃の高温溶融剤が得られることを利用し、添加剤粒子5として、耐食性に優れる窒化チタン粒子又は、チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、チタンクロムアルミナイトライド、クロム、窒化クロム、炭化クロム、タングステン、炭化タングステン、窒化タングステン、ホウ素、ニッケル、窒化ニッケル、炭化ニッケル、コバルト、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、二酸化ケイ素等のいずれか1種を含む粒子を用いることができる。
以上説明したとおり、本実施形態では、次の作用が奏される。すなわち、テルミット反応により約2800℃の高温溶融剤が得られることを利用し、テルミット剤1に、耐食性に優れる窒化チタン又は、上述した少なくとも1種からなる添加物粒子5を添加する。得られたテルミット剤1を高温で溶融して溶射材料に転化させ、さらに溶射装置10を用い、圧縮ガスの噴射により対象物15の表面に溶射材料を溶射することによって、耐食性コーティング層16が形成される。
本実施形態によれば、耐食性に優れるコーティング層16を施工することができる。すなわち、テルミット反応に基づく発熱・溶融を利用することができるため、予め耐食性に優れる添加剤粒子5を用いてテルミット剤1を構成する。圧縮ガスを使用する溶射装置10を用い、圧縮ガスでテルミット剤1をテルミット剤引火部13に送込み、発熱・溶融させて噴射し、対象物15の損傷状況に応じて、耐食性に優れる添加剤粒子5を含むコーティング層16を施工することができる。
また、本実施形態によれば、圧縮ガスとして空気を用い低価額で溶射することができる。また、不活性ガス(例えば、ヘリウム、窒素等)を用いることによって、コーティング層の酸化を防ぐことができる。さらに、可燃性ガス(例えば、プロピレン、水素等のいずれかと酸素等との組み合わせ)を用いることによってテルミット反応の温度を高め、より融点の高い添加剤粒子5を利用することも可能である。
さらに、本実施形態によれば、テルミット反応がほぼ終了した時に溶射材料は溶射装置10から噴射され、対象物15の表面に溶射された溶射材料の温度が低くて、対象物15に与える熱の影響が少ないので、対象物15に発生する残留応力を低減することができる。
(第2実施形態)
図7は、本発明に係る発電機器の一実施形態である蒸気タービンの要部概略構成を示す図である。図7(A)は、全体構成を示す断面図であり、図7(B)は、図7(A)の一部(B部)を拡大して示す断面図である。
蒸気タービン20は、図7(A)に示すように、火力発電所用として高圧部21と、中圧部22と低圧部23とを具備し、一方、図示してはいないが、原子力発電所用として高圧部21と、低圧部23とを具備している。
蒸気タービン20の低圧部23は、図7(B)に示すように、動翼24、ノズル25、ケーシング26、タービンロータ27およびシール部28から構成されている。なお、図中に矢印で示すように、蒸気は、同図の左側から右側に向けて流れる構成となっている。
上記した低圧部23の最終段動翼24aのエロージョン部(例えば、蒸気流れ方向における上流側の前面)に、耐食性コーティング層16が形成されている。もちろん、かかる耐食性コーティング層16は、上記した低圧部23の最終段動翼24aに限らず、他の部位、例えば、高圧部21および中圧部22の動翼24、並びにノズル25のエロージョン部位等に溶射によって形成されることも可能である。
この蒸気タービン20の最終段動翼24aのエロージョンを低減するためには、耐エロージョン性、耐衝撃性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、窒化チタン、炭化タングステン、クロム、コバルト、ホウ素、ニッケルおよびケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を用いることによって、最終段動翼24aの耐エロージョン性や硬度の向上を図ることができる。
図8は、本発明の他の実施形態である蒸気タービンの要部概略構成を示す図である。図8(A)は、要部構成を示す断面図であり、図8(B)、図8(C)、図8(D)は、図8(A)の一部(B部、C部、D部)をそれぞれ拡大して示す断面図である。
図8(A)は、図7(B)に対応する断面図であり、同図と対応する部位には同一の符号を付してある。なお、図中に矢印で示すように、蒸気は、同図の左側から右側に向けて流れる構成となっている。
図8(B)に示すように、ケーシング26に損傷が生じた場合(同図の上側の図)、このケーシング26の損傷部位に、耐食性コーティング層16を溶射によって形成し(同図の下側の図)、それによってかかる損傷部位を修復することができる。
このケーシング26の損傷部位を修復するためには、耐腐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、クロム、ニッケル、チタンおよびケーシング26と同一材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を用いることによって、損傷部位を修復することができる。
また、図8(C)に示すように、蒸気タービン20を構成するノズル25のシール部28に(同図の上側の図)、耐食性コーティング層16を溶射により形成し(同図の下側の図)、かかる耐食性コーティング層16をシールとして利用して、蒸気の漏洩を低減することもできる。
このノズル25のシール部28を形成するためには、耐腐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、クロム、ニッケル、コバルト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムを用いることによって、シール部28を形成することができる。
さらに、図8(D)に示すように、蒸気タービンロータ27に損傷が生じた場合(同図の上側の図)、蒸気タービンロータ27の損傷部位に、耐食性コーティング層16を溶射によって形成し(同図の下側の図)、それによってかかる損傷部位を修復することができる。
この蒸気タービンロータ27の損傷部位を修復するためには、耐腐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、クロム、ニッケル、チタンおよび蒸気タービンロータ27と同一材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を用いることによって、蒸気タービンロータ27の損傷部位を修復することができる。
図9は、本発明の他の実施形態であるガスタービンの要部概略構成を示す断面図である。図9(B)、図9(C)、図9(D)は、図9(A)の一部(B部、C部、D部)をそれぞれ拡大して示す断面図である。
図9(A)は、ガスタービン30およびガスタービン圧縮機40の概略構成を示している。なお、図中に矢印で示すように、ガス(流体)は、同図の左側から右側に向って流れる構成となっている。
図9(B)は、ガスタービン30の動翼31および静翼32の一部(B部)を拡大して示している。ガスタービン30の動翼31および静翼32等の腐食・エロージョン・高温酸化部(例えば、流体流れ方向における上流側の前面)となる部位に、耐食性コーティング層16a、16bを溶射によって形成することにより、コーティングおよび補修を行うことができる。
ガスタービン30の動翼31および静翼32は、1000℃以上の高温燃焼ガスに曝され、高温腐食や高温酸化、高温酸化エロージョンが起き易い傾向にある。このような温度における高温腐食や高温酸化、高温酸化エロージョンを低減するために、耐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。
テルミット剤を使用する場合、例えば、テルミット剤の添加剤粒子として、コバルト、ニッケルおよびクロムからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を用いることによって、ガスタービン30の動翼31および静翼32の耐食性、遮熱性および緻密性の向上を図ることができる。
また、図9(C)は、ガスタービン30のガスタービン燃焼器33の一部(C部)を拡大して示している。ガスタービン燃焼器33についても、ガスタービン30の動翼31および静翼32の場合と同様に、耐食性コーティング層16を溶射によって形成することにより、コーティングおよび補修を行うことができる。
さらに、図9(D)は、ガスタービン圧縮機40の動翼41および静翼42の一部(D部)を拡大して示している。ガスタービン圧縮機40の動翼41と静翼42の腐食・エロージョン・高温酸化部(例えば、流体流れ方向における上流側の前面)となる部位に、耐食性コーティング層16a、16bを溶射によって形成することにより、コーティングおよび補修を行うことができる。
ガスタービン圧縮機40の動翼41および静翼42は、大気中の窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)および海塩粒子、湿り空気に曝されるため、かかる翼には腐食、孔食および飛来物の衝突による打孔が起き易い。このため、上記のような腐食、孔食および飛来物の衝突による打孔に基づく損傷を低減するために、耐孔食性、耐衝撃性、耐海水腐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、窒化チタン、炭化タングステン、炭化クロム、クロム、ニッケルおよびケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を用いることによって、ガスタービン圧縮機40の動翼41および静翼42の耐食性や硬度の向上を図ることができる。
図10は、本発明の他の実施形態である水車の要部概略構成を示す斜視図である。
水車50は、図10に示すように、水車50本体に一体に形成されたランナー51を備えている。ランナー51のエロージョン部(例えば、流体との衝突面)となる部位に、耐食性コーティング層16を溶射によって形成することにより、コーティング、肉盛溶接および補修を行うことができる。
また、水力発電用の水車50のランナー51では、土砂磨耗による損傷が起き易い。このような、水車50に一体に形成されたランナー51の土砂磨耗による損傷を低減するため、耐磨耗性および耐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、タングステン、炭化タングステン、クロム、炭化クロム、窒化チタン、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素および二酸化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を用いることによって、ランナー51の耐食性や硬度の向上を図ることができる。
図11は、本発明の他の実施形態である熱交換器の要部概略構成を示す図である。
図11(A)は、発電プラントの熱交換器60(本実施形態では復水器)の概略構成を示す断面図である。なお、符号63はタービンを、64は水室を示し、同図に矢印で示すように、冷却水が、同図の右下側から冷却配管を介して左下側に向って流れる構成となっている。図11(B)では、熱交換器60の一部(B部)を拡大して示す断面図である。図11(C)では、図11(B)における熱交換器60の管板61に耐食性コーティング層16を形成した断面図である。
図11(C)に示すように、熱交換器60の管板61に冷却配管65が配設された反対の面に、耐食性コーティング層16を溶射によって形成することにより、コーティングおよび補修を行うことができる。
また、海水を冷却媒体(冷却水)として使用する熱交換器60の管板61には、海水腐食による損傷が起き易い。このような海水腐食による損傷を低減するために、耐磨耗性および耐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、クロム、ニッケル、コバルトおよびチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を用いることによって、熱交換器60の管板61の耐食性の向上を図ることができる。
図12は、本発明の他の実施形態である二酸化炭素吸収装置の要部概略構成を示す正面図である。
図12(A)は、火力発電プラントの二酸化炭素回収装置70を概略的に示す正面図である。二酸化炭素回収装置70は二酸化炭素(CO)を回収するものである。なお、図12(A)中に矢印で示すように、ガスが、同図の下側から上側に向って流れる構成となっている。
図12(B)は図12(A)に示す二酸化炭素吸収装置の一部(B部)を拡大して示す断面図である。二酸化炭素回収装置70の内部は腐食されるため、二酸化炭素回収装置70の胴体壁内側71に耐食性を発揮し得るテルミット剤を使用することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素および二酸化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることによって、二酸化炭素回収装置70の胴体壁内側71の耐食性の向上を図ることができる。
図13は、本発明の他の実施形態である蓄熱発電装置の要部概略構成を示す図である。
図13(A)は、一部破断された蓄熱発電装置を示す斜視図であり、発電プラント、化学プラント、鉄鋼プラント等から排出された排熱を蓄えて発電する蓄熱発電装置を概略的に示している。なお、同図中に矢印で示すように、排熱は、同図の左側から右側に流れる構成となっている。図13(B)は、図13(A)に示す蓄熱発電装置の一部(B部)を拡大して示す胴体壁の断面図である。図13(C)は、図13(B)に示す蓄熱発電装置の胴体壁に耐食性コーティング層を形成した状態を示す断面図である。
図13(C)に示すように、蓄熱発電装置80の胴体壁内側81は腐食されるので、蓄熱発電装置80の胴体壁内側81に耐食性コーティング層16を形成することが好ましい。例えば、テルミット剤を構成する添加剤粒子として、クロム、ニッケル、コバルトおよび二酸化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることによって、蓄熱発電装置80の胴体壁内側81の耐食性の向上を図ることができる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、溶射装置を用い、圧縮ガスの噴射およびテルミット剤自身が発熱・溶融することにより、対象物の表面に耐食性コーティング層16を溶射することが可能である。また、複雑な装置等を用いることなく、作業性に優れ、低コストで、多種の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を備える成分を含む耐食性コーティング層16を溶射により形成することができる。また、コーティング層16を薄くすることもでき、発熱による対象物への影響を少なくすることができる。
本実施形態は、上記した発電機器だけでなく、さらに、発電機器以外であっても、腐食、エロージョン、高温酸化が発生する環境に使用されるその他の機器にも適用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形してもよい。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の発明を構成できる。例えば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…テルミット剤、3…酸化剤粒子、4…還元剤粒子、5…添加剤粒子、10…溶射装置、11…圧縮ガス部、12…テルミット剤充填部、13…テルミット剤引火部、14…テルミット剤噴射管、15…対象物、16…耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有するコーティング層(耐食性コーティング層)、20…蒸気タービン、21…蒸気タービンの高圧部、22…蒸気タービンの中圧部、23…蒸気タービンの低圧部、24…蒸気タービンの動翼、25…蒸気タービンのノズル、26…蒸気タービンのケーシング、27…蒸気タービンのタービンロータ、30…ガスタービン、31…ガスタービンの動翼、32…ガスタービンの静翼、33…ガスタービン燃焼器、40…ガスタービン圧縮機、41…ガスタービン圧縮機の動翼、42…ガスタービン圧縮機の静翼、50…水車、51…水車のランナー、60…熱交換器、61…熱交換器の管板、70…二酸化炭素回収装置、71…二酸化炭素回収装置の胴体壁内側、80…蓄熱発電装置、81…蓄熱発電装置の胴体壁内側。

Claims (11)

  1. 還元剤粒子と、酸化剤粒子と、耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する添加剤粒子とを含有するテルミット剤を調製するテルミット剤調製工程と、
    圧縮ガスを使用する溶射装置を用い、前記溶射装置内で前記テルミット剤を引火させ、前記テルミット剤を溶射材料に転化させるテルミット剤転化工程と、
    前記溶射材料を前記溶射装置から対象物基材の表面に向けて噴射し、前記対象物基材の表面に前記溶射材料からなるコーティング層を形成するコーティング層形成工程と
    を具備することを特徴とする耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  2. 前記添加剤粒子が、窒化チタン粒子又は、チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、チタンクロムアルミナイトライド、クロム、窒化クロム、炭化クロム、タングステン、炭化タングステン、窒化タングステン、ホウ素、ニッケル、窒化ニッケル、炭化ニッケル、コバルト、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素および二酸化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種よりなる粒子からなることを特徴とする請求項1記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  3. 前記還元剤粒子がアルミニウム粒子からなり、前記酸化剤粒子が金属酸化物粒子からなることを特徴とする請求項1又は2記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  4. 前記添加剤粒子が二酸化ケイ素粒子を含有し、前記対象物基材の表面にケイ素を含有するコーティング層が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  5. 前記テルミット剤を基準として、前記還元剤粒子の割合が10〜30質量%の範囲にあり、前記酸化剤粒子の割合が40〜80質量%の範囲にあり、前記添加剤粒子の割合が10〜50質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  6. 前記溶射装置は、圧縮ガス部と、テルミット剤充填部と、テルミット剤引火部と、テルミット剤噴射管とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  7. 前記圧縮ガス部は、ガスボンベと、圧縮機とを備え、前記テルミット剤噴射管の直径に対し、噴射圧力は0.1〜50MPaの範囲に、噴射速度は15〜800m/sの範囲に制御されることを特徴とする請求項6記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  8. 前記テルミット剤引火部は、バーナー加熱引火装置、高周波加熱引火装置又は放電加熱引火装置を用い、前記圧縮ガスによって前記テルミット剤充填部から前記テルミット剤噴射管を経由して送り込まれた前記テルミット剤を引火させる部分であることを特徴とする請求項6又は7記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  9. 前記コーティング層の厚さを1μm〜10mmの範囲とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  10. 前記対象物基材は、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンのノズル、蒸気タービンのロータ、蒸気タービンのケーシング、ガスタービンの動翼、ガスタービンの静翼、ガスタービンの燃焼器、水車のランナー、発電プラントの配管、熱交換器中の管板、二酸化炭素回収装置の胴体壁および蓄熱発電装置の胴体壁からなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法。
  11. 腐食、エロージョンまたは高温酸化の発生可能な対象物基材の少なくとも一部の表面部位に耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性コーティング層を形成した耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材を具備した、発電プラントを構成する発電機器において、
    前記部材が請求項1〜10のいずれか1項記載の耐腐食性、耐エロージョン性および耐高温酸化性を有する部材の製造方法によって製造されていることを特徴とする発電機器。
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