JP6559874B1 - レーザー加工機及び顧客先でのレーザー加工機におけるアラインメント調整方法 - Google Patents
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Abstract
Description
保護筐体をレーザー加工機から取り外し、「保守・サービス」を行うときは、クラス4の炭酸ガスレーザーを自動的に照射不能にし、レーザーアライメント調整時は同軸化(一体化)された補助用可視光レーザーポインター光を使用するレーザー加工機である。
図1に示すように、レーザー加工機1は、紙やアクリル等の様々な素材に対してレーザー加工を施すことが可能な、小型で家庭においても使用することが可能な、赤外線領域レーザー光を用いたレーザー加工機1である。
保護筐体10と加工機上蓋(アクセスパネル)132で形成した空間は加工機内部のレーザー一次反射光を遮ることができ、上蓋(アクセスパネル)132が閉じた状態でレーザー加工機本体はクラス1の安全性を有する。
排気ファン(ブロワ)以外に、付属品としてのエアーコンプレッサーもある。エアーコンプレッサーは加工時に圧縮空気を提供し、レーザーヘッドの直下に送り、発火や煙を抑える目的として使われる。
ビームコンバイナ部(複数レーザービーム一体化調整機構)36は、図6〜図7に示すように、上部支持部(レーザーポインター角度調整部:赤外線領域レーザー光と可視光レーザーとを平行にするまで調整可能)361と、X方向及びY方向の位置を調節して赤外線領域レーザー光に可視光レーザーが完全に重なるまで調整する同軸調整部362(支持台)と、基部支持部363(基台)と、略筒状本体部364と、ビームコンバイナ365とを有している。上部支持部361は、円盤形状を有している。上部支持部361の中央部には、貫通孔が形成されており、貫通孔には、レーザーポインター73が貫通した状態で挿入されて上部支持部361に固定されている。
同軸調整部362は対角に配置された2本のボールプランジャーにより押さえられて固定されている。
レーザーポインター73はウェーブスプリング3611の軸心位置を貫通している。レーザーポインター73の太さは、可視光レーザーを角度調節可能とするため、ウェーブスプリング3611の内径より1mm以上小さい、ウェーブスプリング3611の中央を貫通する部品を有するレーザーポインター73が採用されることが好ましい。これにより、ウェーブスプリング3611の内周面と、ウェーブスプリング3611の中央を貫通するレーザーポインター73の部品とは、1mm以上離れている。
図2に示すように、第1反射ミラー部35は、ミラー351が固定される反射ミラー固定部353と、固定部支持部354とを有している。ミラー351は、円盤形状に形成されている。ミラー351の表面は、赤外線領域レーザー光及び可視光レーザーL1を反射し、ミラー351の裏面は、反射ミラー固定部353に固定されている。第1反射ミラー部35は、発振器ケース70に固定されたコの字形状の固定台701に固定されている。また、第2反射ミラー部34は、左右方向レール32の左端部から前方向へ突出する板状の固定台321に固定されている。
ターゲットT1、T2は、図2、図3に示すように、長方形状の板状に形成されている。ターゲット部品には、アルミニウムに黒の陽極酸化被膜加工(黒アルマイト加工)が施されている(黒アルマイト板においては、赤いレーザーポインターが見やすいためである)。ターゲット被固定部323、324は2箇所に設けられおり、その内の1箇所は、第1反射ミラー部35と第2反射ミラー部34との間であって第2反射ミラー部34の近傍の位置である。他の箇所は、第2反射ミラー部34と第3反射ミラー部33との間であって第3反射ミラー部33の近傍の位置である。
前述のように、本実施形態によるレーザー加工機1は、卓上XY走査型赤外線領域レーザー光加工機であり、X方向の軸とY方向の軸を有し、XY軸で形成する平面範囲内の被加工物に赤外線領域レーザー光の焦点を当て、加工するものである。
赤外線領域レーザー光は直線方向に進行し、反射鏡によって反射され、対物レンズによって集光される特性を持っている。レーザー加工機の中で使用されるレーザー発振器71から照射される赤外線領域レーザー光は、レーザー発振器71に対向する第1反射ミラー部35、Y軸の端に固定されている第2反射ミラー部34、X軸に配置される可動レーザーヘッド336に固定される第3反射ミラー部33によって反射され、最終的にレーザーヘッド336にある対物レンズ(レンズ332)に集光され、焦点距離を経て被加工物にレーザー焦点を照射する。
レーザー加工機1のX軸Y軸で形成される平面の加工エリアの全域に赤外線領域レーザー光を、位置正確に、かつ加工素材に垂直に照射するには、赤外線領域レーザー光アライメントを調整する必要がある。具体的には以下のとおりである。
先ず、予めレーザー加工機1を製造等する工場で、ビームコンバイナ37、レーザーポインター73、及び、レーザー発振器71が組み合わされてユニット化された部品ユニットであって、可視光レーザーと赤外線領域レーザーとが同軸(一体)とされる調整が完了した部品ユニットを、顧客先に用意する。即ち、可視光レーザーと赤外線領域レーザーとを同軸(一体)とする調整については、顧客先においては行わず、クラス4のレーザー加工機を取り扱う安全性を確保する保護措置が採られた、レーザー加工機1を製造等する工場等において予め行う。
具体的には、第1反射ミラー部35のミラー351の角度の調整を行い、レーザーポインターからの可視光レーザーが、第2反射ミラー部34のミラー341の中心に位置するようにする。より具体的には、ターゲット被固定部323にターゲットT1を固定する。そして、第1反射ミラー部35の3つのネジ3512を回転させることにより、3つのネジ3512の突出量を変えて、反射ミラー固定部353に固定されているミラー351の姿勢(角度)を変化させて、レーザーポインターからの可視光レーザーが、ターゲットT1の中央及び第2反射ミラー部34のミラー341の中心に位置するように調整する(Y軸が任意位置にあっても第1反射ミラーから反射された可視光レーザーがT1の中心に来るように調整する)。調整が完了したら、ターゲットT1をターゲット被固定部323から取り外す。
具体的には、第2反射ミラー部34のミラー341の角度の調整を行い、レーザーポインターからの可視光レーザーが、第3反射ミラー部33のミラー331の中心に位置するようにする。具体的には、ターゲット被固定部324には、ターゲットT2を固定する。そして、第2反射ミラー部34の3つのネジ3412を回転させることにより、3つのネジ3412の突出量を変えて、反射ミラー固定部343に固定されているミラー341の姿勢(角度)を変化させて、レーザーポインターからの可視光レーザーが、第3反射ミラー部33のミラー331の中心に位置するように調整する。(レーザーヘッドが任意位置にあっても第2反射ミラーから反射された可視光レーザーがT2の中心に来るように調整する。)調整が完了したら、ターゲットT2をターゲット被固定部324から取り外す。
以上により、レーザー加工機1における、顧客先でのアラインメント調整は完了する。
また、レーザーポインター73及びビームコンバイナ部36は、レーザー発振器71において赤外線領域レーザー光を出力する照射部分に固定されて設けられ、レーザー発振器71とユニット化されている。このため、赤外線領域レーザー光と可視光レーザーとのレーザー一体化の調整作業を、レーザー発振器71の製造時に完了できるようになった。こうすることにより、ユーザー様のお宅でレーザー発振器71を交換する際に、レーザー一体化調整作業の必要性がなくなり、クラス1の安全性でアライメント調整できるようになり、安全性問題を解決できる。
本実施形態においては、可視光指示用レーザーポインター73、ビームコンバイナ365、及び、ビームコンバイナ365の角度調整機構(ビームコンバイナ部36の上部支持部(レーザーポインター角度調整部)361、同軸調整部362、基部支持部363、略筒状本体部364)を、ガラス炭酸ガスレーザー発振器の部品ユニットに組込み、部品を1つのユニットにまとめた。これにより炭酸ガスレーザーと可視光指示用レーザーの光軸(経路)を炭酸ガスレーザー発振器71の製造時に同軸化(一体化)するように調節することによりレーザー発振器71から照射される2種類のレーザーが常に同軸になる。すると、その後のレーザーアライメント調整はクラス4の炭酸ガスレーザーを使用せず、可視光指示用レーザーだけで全ての手順のレーザーアライメント調整作業を完了することが可能となる。
この結果、従来の安全性の低いクラス4の作業は、全て発振器製造工場で完結することができ、今までクラス4の作業であったレーザー発振器71の交換作業、レーザーアライメント調整作業等は、全てクラス1の安全性に変わり、ユーザーのお宅で作業することもできる。更には、専門家以外の方でもレーザーアライメント調整が可能になる。これにより小型炭酸ガスレーザー加工機1を、安全面で非常に取扱やすくなり、今まで出張訪問修理等、人件費の高価だった作業を大きく削減することができ、レーザー加工機をもっと普及することが可能となる。
また、第3反射ミラー部33は、固定部支持部334から第3反射ミラー部33のミラー331の方向へ突出量が可変に突出し、固定部支持部334に対する第3反射ミラー部33のミラー331の角度、及び、固定部支持部334から第3反射ミラー部33のミラー331までの距離、を可変とする複数のネジ3312を備える。これにより、第3反射ミラー部33のミラー331を適切な角度及び位置として、精度の高いアラインメント調整を行うことが可能となる。
本来、レーザーヘッド336にある第3反射ミラー部33のミラー331は角度調整や同軸調整できる機能があった方が良いが、これらの調整機能はレーザー発振器1、第1反射ミラー部35、第2反射ミラー部34の固定位置や姿勢(角度)を調整することにより、第3反射ミラー部33が調整不可能であっても、最終的に、赤外線領域レーザー光、可視光レーザーが対物レンズ(レンズ332)の中央にかつ垂直に透過するまで調整することができる。
またレーザーアライメント調整はほとんどレーザー安全クラス4の条件で調整することを想定されているため、今市販されている卓上型レーザー加工機の第3反射ミラー部のほとんどが調整できない構造になっている。
クラス1の条件で、レーザーポインターの可視光レーザーを補助として代用し、レーザー発振器、第1反射ミラー部、第2反射ミラー部の固定位置や姿勢(角度)を調整すれば最終的に調整することができるが、レーザー発振器、第1反射ミラー部、第2反射ミラー部の順番で調整してうまくいかない場合は最初の順からやり直さなければならない。重複の調整作業が発生し、難易度が高い。
このためレーザーアライメント調整の作業に限定する場合、第3反射ミラー部は、必ず第1反射ミラー部、第2反射ミラー部のような、角度と反射位置の調整できる構造を採用した方が良い。しかし加工機運転時の高速往復運動では下記の問題が起きる。
1. 第1反射ミラー部、第2反射ミラー部の構造をそのまま採用してしまうと部品が大きく、重くなってしまう。高速の往復運動に向かなくなる。
2. レーザーヘッド高速運動時の慣性が大きい。2個の小型コイルスプリング(コイルバネ)を使用する場合に力が足らず、運動時反射ミラーの姿勢が変わってしまう。
3. 第1ミラー部のような構造の機構を採用する場合、調整機構と支持部本体3310の間に隙間が存在する。レーザー加工機の加工時は素材からの粉塵が大量に発生するため、隙間があると反射ミラーが早く汚れてしまう。
1. コイルスプリングを使用する機構の場合はコイルバネ2本が必要、本発明はウェーブスプリング3611を1枚で調整機構を完成するため、部品点数が少なく、小型化や軽量化が容易に実現できる。
2. ウェーブスプリング3611は小型でありながら、大きな反力を持ち、高速往復移動時や振動時のミラー姿勢変化を防ぐことができる。
3. 本実施形態の調整機構は、ミラー331の角度と反射位置との両方を調整できる。角度を調整することで可視光レーザーの角度を対物レンズ332に対し垂直に調整し、3本のネジ3312を同時に回すことで垂直した状態のレーザー光を平行移動し、最終的に対物レンズ332の中央に調整することができる。
4. 4本のネジ3313を取り外せば、固定部支持部334を支持部本体3310から取り外すことができる。それができることにより第3反射ミラーのクリーニングや反射機構交換が容易に行うことができる。
5. 本実施形態の第3反射ミラー部33の調整機構には隙間がない、固定部支持部334は支持部本体3310に密着し、ネジ穴は全てネジ3312、3313で塞いでいる。汚れの大きい環境でも埃の侵入を防ぐことができる。
また、赤外線領域レーザー光としては、波長が10600nmの片面CO2レーザーが用いられたが、これに限定されず、他の赤外線領域レーザー光が用いられてもよい。
また、突出部材としてネジ3312が用いられたが、これに限定されない。例えば、伸縮可能な超小型のシリンダが突出部材として用いられてもよい。
10・・・保護筐体
37・・・ビームコンバイナ(複数レーザービーム一体化調整機構)
73・・・レーザーポインター
323、324・・・ターゲット被固定部
331、341、351・・・ミラー(反射鏡)
332・・・レンズ(対物レンズ)
3312・・・ネジ(突出部材)
Co・・・コネクタ
EC・・・回路(レーザー照射不能部)
L1・・・レーザー径路
Claims (11)
- 開閉可能な加工機本体の内部に設けられ、前記加工機本体の内部のレーザー径路を通して、CO 2 レーザー光である赤外線領域レーザー光を、前記加工機本体の内部に配置された被加工物へ照射するレーザー発振器と、
視認可能な可視光レーザーを照射するレーザーポインターと、
前記レーザーポインターの可視光レーザーを前記レーザー径路に一体化させる複数レーザービーム一体化調整機構と、
前記加工機本体が開かれた状態のときに、前記レーザー発振器から前記赤外線領域レーザー光を照射不能とするレーザー照射不能部と、を備え、
前記レーザーポインター及び前記複数レーザービーム一体化調整機構は、前記レーザー発振器において前記赤外線領域レーザー光を出力する照射部分に直接固定されて設けられ、前記レーザー径路を屈曲する反射鏡とフォーカスする対物レンズとを含まない構成で前記レーザー発振器とユニット化され、前記ユニットは、前記加工機本体の内部に配置され、
前記ユニットは、クラス4のレーザー加工機を取り扱う設備から、クラス1のレーザー加工機を取り扱う設備である顧客先へ搬送可能、且つ、一のレーザー加工機の前記ユニットと交換可能であり、
X方向の軸とY方向の軸を有し、前記X方向の軸と前記Y方向の軸とには、前記反射鏡がそれぞれ支持されて設けられ、XY軸で形成する平面範囲内の被加工物に赤外線領域レーザー光の焦点を当てて加工するXY走査型赤外線領域レーザー光加工機により構成されるレーザー加工機。 - 前記レーザー照射不能部は、前記レーザー発振器が前記赤外線領域レーザー光を照射するための回路を開閉可能なコネクタにより構成される請求項1に記載のレーザー加工機。
- 前記加工機本体には、前記反射鏡の中心位置と、前記対物レンズの中心位置と、をそれぞれ表示するターゲットがそれぞれ固定されるターゲット被固定部を有する請求項1又は請求項2に記載のレーザー加工機。
- 前記レーザー発振器からの前記赤外線領域レーザー光、及び、前記レーザーポインターからの前記可視光レーザーを反射する前記反射鏡を有する第1反射ミラー部と、
前記第1反射ミラー部の前記反射鏡に反射された、前記赤外線領域レーザー光及び前記可視光レーザーを反射する前記反射鏡を有する第2反射ミラー部と、
前記第2反射ミラー部の前記反射鏡に反射された、前記赤外線領域レーザー光及び前記可視光レーザーを、前記対物レンズへ向けて反射する前記反射鏡を有する第3反射ミラー部と、を備え、
前記第3反射ミラー部は、
前記第3反射ミラー部の前記反射鏡を収容する支持部本体と、
前記支持部本体に対して着脱可能に固定される固定部支持部と、
前記固定部支持部に対して前記第3反射ミラー部の前記反射鏡を付勢するウェーブスプリングと、
前記固定部支持部から前記第3反射ミラー部の前記反射鏡の方向へ突出量が可変に突出し、前記固定部支持部に対する前記第3反射ミラー部の前記反射鏡の角度、及び、前記固定部支持部から前記第3反射ミラー部の前記反射鏡までの距離、を可変とする複数の突出部材と、を備える請求項3に記載のレーザー加工機。 - 前記複数レーザービーム一体化調整機構は、前記可視光レーザーと前記赤外線領域レーザー光とを一体化可能に、前記レーザーポインターの照射角度及び照射位置を可変とするレーザーポインター調整機構を有する請求項1に記載のレーザー加工機。
- 前記レーザーポインター調整機構は、ウェーブスプリングと、前記ウェーブスプリングによる付勢力に抗して前記レーザーポインターの姿勢を変化させるネジと、を有する請求項5に記載のレーザー加工機。
- 前記レーザーポインターは、環状の前記ウェーブスプリングの中央を貫通する請求項6に記載のレーザー加工機。
- 前記ウェーブスプリングの内周面と、前記ウェーブスプリングの中央を貫通する前記レーザーポインターとは、1mm以上離れている請求項7に記載のレーザー加工機。
- 前記レーザーポインター調整機構は、前記レーザー発振器からの前記赤外線領域レーザー光の軸方向に平行の方向と、前記赤外線領域レーザー光に直交する方向に平行の方向とに、それぞれ前記レーザーポインターを移動させるネジを有する請求項5に記載のレーザー加工機。
- 前記レーザーポインター調整機構は、前記レーザーポインターを支持する支持台と、前記ネジを回転可能に支持する基台と、を有し、
前記支持台は、ボールプランジャーの圧力により前記基台に固定される請求項9に記載のレーザー加工機。 - 請求項1に記載のレーザー加工機の前記加工機本体を開いた状態として、前記レーザー発振器から前記赤外線領域レーザー光を照射不能とする工程と、
前記可視光レーザーと前記赤外線領域レーザー光とのレーザー径路を一体化させる前記複数レーザービーム一体化調整機構において前記一体化のための調整を行わずに、前記複数レーザービーム一体化調整機構と被加工物との間において前記可視光レーザー及び前記赤外線領域レーザー光の経路を屈曲させる反射鏡の中心位置と、前記経路をフォーカスする対物レンズの中心位置とに、前記経路をアラインメント調整する工程と、を有する顧客先でのレーザー加工機1におけるアラインメント調整方法。
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