JP6559462B2 - 極低温容器および超電導磁石装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、極低温冷凍機を用いた極低温容器および超電導磁石装置に関する。
近年、超電導磁石の冷却手段として、極低温冷媒を用いた冷却装置に代わり、極低温冷媒を使用しないで、極低温冷凍機を用いた冷却装置が主流となっている。従来の極低温冷凍機を用いた極低温容器、特に被冷却体として超電導コイルを冷却する超電導磁石装置は、極低温冷媒による冷却と比較し、極低温冷凍機の運転のみで超電導磁石の冷却を行なうことができるため、医療用、工業用、研究用への応用が進んでいる。
極低温冷凍機を用いた冷却装置は、極低温の液体冷媒を不要とし、冷却体の熱容量を極小に抑えることができるため、極低温冷凍機の異常停止時に、被冷却体である超電導磁石は瞬時に温度上昇してしまう。中でも、金属系の超電導磁石では、4Kレベルの温度に冷却されており、金属部材の比熱が小さいため、温度上昇速度が大きい。
冷却系の極低温冷凍機の異常時には、極低温容器への僅かな熱侵入量でも、被冷却体である超電導体の臨界温度までの時間が短く、超電導コイルは超電導状態(マイスナー効果)を維持することができる臨界温度以上となってクエンチが発生し、超電導コイルは超電導状態を維持できなくなる。
特に、極低温冷凍機は、運転停止中には、冷凍機構成部材が極低温容器内に熱伝導による熱侵入発生要因の熱侵入助長部材となってしまう。
一方、極低温冷凍機の異常時以外でも、冷凍機メンテナンス時には、極低温冷凍機の運転を停止させる必要がある。極低温冷凍機は、通常被冷却体である超電導コイルと熱電導率の高い伝熱部材で熱的に結合されているため、極低温冷凍機の運転を停止させてから室温まで温度上昇させるまでに数日レベルの日数を要する。
また、極低温冷凍機は、極低温冷凍機による冷却に比較して冷凍能力が小さく、室温から所定の冷却温度までの初期冷却時間が長くなってしまう。初期冷却時間を短くするためには、複数の冷凍機を使用し、冷凍能力を増強する方法があるが、複数台の冷凍機を使用して所定の冷却温度まで冷却した後は、冷凍機の台数分、消費電力が過剰となり、運転効率が悪くなる。
特開2004−55643号公報 特開2002−208511号公報 特開2013−130336号公報
超電導磁石の冷却手段として伝導冷却方式の超電導磁石は、極低温冷凍機の運転のみで被冷却体である超電導磁石の冷却を行なうことができ、冷媒冷却方式の超電導磁石と比較し、極低温の液冷媒が不要となり、極低温冷媒の蒸発(消費)の心配や再充填が不要となり、操作が簡便になるメリットがある。
そのメリットの反面、極低温冷凍機と超電導磁石との熱的結合は、熱伝導率の高い伝熱部材で熱的リンクされているため、メンテナンス時の冷凍機の室温までの上昇問題や初期冷却期間が長い等の課題がある。これらの課題は、極低温冷凍機と超電導磁石との熱的リンクを切り離したり、接続することが可能な熱スイッチを設けることで解決される。
熱スイッチには、熱スイッチON時の低熱抵抗による極低温冷凍機の急速な立上げ、スイッチOFF時には高熱抵抗により熱侵入源を小さくすることが求められる。4Kレベルの極低温の冷却が求められる極低温容器や超電導磁石装置には、冷凍能力や熱侵入量が小さく、熱的設計が厳しいため、良好な特性の熱スイッチが強く求められている。
本発明の実施形態は、上述した事情を考慮してなされたもので、冷凍機コールドヘッド冷却部と被冷却体の一部との熱的リンクを、冷凍機の駆動時に繋いで低熱抵抗を維持し、冷凍機停止時に切り離して高熱抵抗を保ち、熱的設計の自由度を向上させた極低温容器および超電導磁石装置を提供することを目的とする。
本実施形態に係る極低温容器は、上述した課題を解決するために、被冷却体を内部に格納する断熱真空容器と、この断熱真空容器に設置された冷凍機を構成する冷凍機コールドヘッドと、前記冷凍機の駆動状態の有無を検知する給電検出リレーとを有し、前記冷凍機コールドヘッドは前記断熱真空容器内にコールドヘッド冷却部が延設されており、前記冷凍機コールドヘッドは、前記断熱真空容器外の大気圧力と前記断熱真空容器内の真空との差圧によって、前記コールドヘッド冷却部が前記被冷却体の一部に所定の面圧にて押圧接触されて接触部が構成され、前記冷凍機コールドヘッドは、前記給電検出リレーにより前記冷凍機が駆動していないことを検知した場合、前記コールドヘッド冷却部が前記被冷却体の一部から切り離されて前記被冷却体を独立した非接触状態に保持することを特徴とする極低温容器を提供するものである。
また、本実施形態に係る極低温容器は、断熱真空容器内に冷凍機と主冷凍機とが備えられ、前記断熱真空容器内に設けられた輻射シールド容器内に被冷却体が格納され、前記主冷凍機は前記被冷却体を常時冷却するように伝熱板に設置され、前記冷凍機の駆動状態の有無を検知する給電検出リレーが前記断熱真空容器外に設けられ、前記冷凍機は冷凍機コールドヘッドが前記断熱真空容器内に延びるコールドヘッド冷却部を被冷却体の一部に、離接可能に接触させる接触部が構成され、前記冷凍機コールドヘッドの接触部は、前記断熱真空容器外の大気圧力と前記断熱真空容器内の真空との差圧によって、前記コールドヘッド冷却部が前記被冷却体の一部に所定の面圧にて押圧接触され、前記冷凍機コールドヘッドは、前記給電検出リレーにより前記冷凍機が駆動していないことを検知した場合、前記冷凍機停止時に前記コールドヘッド冷却部が被冷却体の一部から切り離され、前記被冷却体の一部を非接触状態に保持させることを特徴とする極低温容器を提供するものである。
さらに、本実施形態に係る超電導磁石装置は、請求項11または12に記載の極低温容器において、前記被冷却体として超電導コイルを断熱真空容器内の輻射シールド容器に格納したことを特徴とする超電導磁石装置を提供するものである。
本発明では、冷凍機コールドヘッド冷却部と被冷却体の一部との熱的リンクを、冷凍機の駆動時に繋いで低熱抵抗に維持し、冷凍機停止時に切り離して高熱抵抗に保ち、熱的設計の自由度を向上させた極低温容器および超電導磁石装置を提供することができる。
熱スイッチON時の極低温容器または超電導磁石装置の第1実施形態の構成を示す図。 熱スイッチOFF時の極低温容器または超電導磁石装置の第1実施形態の構成を示す図。 熱スイッチON時の極低温容器または超電導磁石装置の第2実施形態の構成を示す図。 熱スイッチOFF時の極低温容器または超電導磁石装置の第2実施形態の構成を示す図。 熱スイッチON時の極低温容器または超電導磁石装置の第3実施形態の構成を示す図。 熱スイッチOFF時の極低温容器または超電導磁石装置の第3実施形態の構成を示す図。 熱スイッチON時の極低温容器または超電導磁石装置の第4実施形態の構成を示す図。 熱スイッチOFF時の極低温容器または超電導磁石装置の第4実施形態の構成を示す図。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本実施形態は、極低温冷凍機を用いて被冷却体を極低温に冷却する極低温容器または超電導磁石装置に関する。極低温冷凍機で被冷却体を冷却する極低温容器は、液体ヘリウム等の極低温液冷媒を使用せずに極低温環境を実現することができる。極低温冷凍機の運転のみで極低温環境を実現できる手軽さから、磁気浮上列車やMRI装置等の工業用、医療用、研究用に広く応用されている。
[第1実施形態]
図1および図2は、極低温容器または超電導磁石装置の第1実施形態を示す概略構成図である。極低温容器10は、クライオスタットとしてのボックス状の断熱真空容器11を有する。断熱真空容器11は、内部を真空状態に保持することができ、図示しない真空ポンプにより真空排気される。断熱真空容器11内に極低温冷却環境下で動作される被冷却体12が格納される。被冷却体12には、例えば、超電導コイル、超電導素子、SQUID(Superconducting QUantum Interference Device)応用機器や極低温環境を利用する機器が含まれる。
断熱真空容器11には、極低温冷凍機14を構成する冷凍機コールドヘッド15が設置される。冷凍機コールドヘッド15は、その駆動手段や断熱真空容器11外のコンプレッサとともに極低温冷凍機14を構成しており、極低温冷凍機14は冷凍機冷却型超電導マグネットに一般的に用いられているGM(Gifford−McMahon)型冷凍機である。冷凍機コールドヘッド15は、断熱真空容器11の容器蓋16上にベローズ17を介して昇降可能な設置台18に設けられている。ベローズ17は断熱真空容器11内を真空状態に保つ仕切壁(真空容器隔壁)を構成しており、断熱真空容器11を容器外の大気圧力と容器内の真空とに仕切っている。
また、冷凍機コールドヘッド15は、駆動ケーブル20を介して駆動電流源21に接続されており、駆動電流源21からの駆動電流により冷凍機コールドヘッド15が駆動される。駆動ケーブル20には給電検出リレー22が設けられ、この給電検出リレー22により極低温冷凍機14の駆動状態の有無が検知される。給電検出リレー22は断熱真空容器11上に設けられたコールドヘッド上下制御モータ23のモータ作動を制御している。
一方、断熱真空容器11上に設置された冷凍機コールドヘッド15は、冷却ステージを構成するコールドヘッド冷却部25が断熱真空容器11内に延びて終端している。コールドヘッド冷却部25は熱スイッチ26により伝熱板27と熱接触可能に設けられ、熱的リンクにより熱結合を構成している。熱スイッチ26の接触部はコールドヘッド冷却部25を伝熱板27に熱接触させる機械式あるいは接触式熱スイッチを構成している。伝熱板27は熱伝導率の高い金属材料、例えば銅、アルミニウム等で製作される。伝熱板27は被冷却体12と一体に形成され、被冷却体12の一部を構成している。極低温冷凍機14は、冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25から熱スイッチ26および伝熱板27を介して被冷却体12を極低温、例えば4Kに冷却し、被冷却体12を断熱真空容器11内で真空状態で極低温に保持している。
ところで、極低温冷凍機14の駆動状態は給電検出リレー22で検知され、駆動時にはコールドヘッド上下制御モータ23により冷凍機コールドヘッド15を下げて、コールドヘッド冷却部25が伝熱板27と熱的リンクを構成して熱接触し、熱結合させるようになっている。このとき、熱スイッチ26がON状態に保たれる(図1)。断熱真空容器11は容器外に作用する大気圧力と容器内の真空との差圧により、冷凍機コールドヘッド15は図1の下向きの押圧力が作用し、コールドヘッド冷却部25が伝熱板27を下向きに押圧接触させる。これにより、熱スイッチ26の接触部に面圧がかけられ、接触面積を大きくして熱抵抗の低減が図られる。
一方、断熱真空容器11内を気密に保ち伸縮するベローズ17は、ばね的な弾力機能を持ち、大気圧力に抗する上向きの力を冷凍機コールドヘッド15に作用させるので、熱スイッチ26の接触部に作用する面圧をコントロールすることができる。
また、図2は、熱スイッチ26がOFF時における極低温容器10または超電導磁石装置の構成を示す。停電等により極低温冷凍機14が停止し、非駆動状態にあるときは、給電検出リレー22により、極低温冷凍機14が駆動していないことを検知し、コールドヘッド上下制御モータ23により冷凍機コールドヘッド15を押し上げて熱スイッチ26の接触部を切り離し、コールドヘッド冷却部25が伝熱板27と非接触状態に保たれる。
具体的には、停電等が発生する極低温冷凍機14の停止時には、極低温冷凍機14が駆動していないことを給電検出リレー22が検知してコールドヘッド上下制御モータ23を駆動させ、カム機構28をカム作動させる。カム機構28のカム作動により設置台18がガイドポスト29に案内されて上昇し、冷凍機コールドヘッド15は、その重力や断熱真空容器11外の大気圧力と容器内の真空との下向きの差圧に抗して押し上げられる。極低温冷凍機14の停止時には、コールドヘッド上下制御モータ23およびカム機構28は冷凍機コールドヘッド15の上昇機構を構成している。冷凍機コールドヘッド15の押上げにより、熱スイッチ26はコールドヘッド冷却部25が伝熱板27から切り離されて非接触状態となる。コールドヘッド冷却部25は伝熱板27から離れて非接触状態となり、熱スイッチ26はOFFとなる。なお、コールドヘッド上下制御モータ23の駆動により作動されるカム機構28に代えて、流体シリンダ装置やエアシリンダ装置等の昇降装置を用いて設置台18を昇降駆動させ、熱スイッチ26をON/OFF操作させるようにしてもよい。
[第1実施形態の作用]
極低温冷凍機14が停止した際には、冷凍機の停止を給電検出リレー22が検知してコールドヘッド上下制御モータ23を駆動してカム機構28等を作動させ、冷凍機コールドヘッド15を持ち上げる。冷凍機コールドヘッド15は上動してコールドヘッド冷却部25が伝熱板27から切り離されて上昇し、熱スイッチ26はOFFとなって非接触状態となる。熱スイッチ26がOFFとなって冷凍機コールドヘッド15から被冷却体12への熱リンクが解消され、熱結合が遮断されるので熱侵入を抑制することができる。熱スイッチ26はOFFとなってコールドヘッド冷却部25が伝熱板27から切り離されて非接触状態になると、冷凍機コールドヘッド15から被冷却体12への熱結合が解消される。被冷却体12は断熱真空容器11内で独立した非接触状態に保持され、被冷却体12の温度上昇速度を低減させることができる。
被冷却体12が図示しない巻枠に巻装された超電導コイルである場合には、極低温容器10は超電導磁石装置を構成している。超電導磁石装置10は熱スイッチ26がOFFとなってコールドヘッド冷却部25が伝熱板27から切り離され、冷凍機コールドヘッド15は超電導コイル12と熱的結合遮断された非接触状態となる。このため、超電導磁石を構成する超電導コイル12は比熱の小さい金属部材で構成され、熱容量が小さいが、コールドヘッド冷却部25は伝熱板27から熱的結合が遮断され、非接触状態で独立しているので、超電導コイル12への熱侵入を抑制させることができる。したがって、超電導コイル12が急速に臨界温度まで温度上昇するのを防止でき、超電導コイル12がクエンチするのを防止したり、クエンチするまでの時間を遅らせることができる。
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態の極低温容器10または超電導磁石装置では、極低温冷凍機14の駆動状態を常に給電検出リレー22で検知して、この給電検出リレー22によりコールドヘッド上下制御モータ23を自動的に駆動制御し、熱スイッチ26を自動でON/OFF制御する例を示したが、熱スイッチ26のON/OFFは手動操作で行なうようにしてもよい。手動操作で熱スイッチ26をON/OFF操作させても、断熱真空容器11外の大気圧力と容器内の真空との差圧を利用して、熱スイッチ26の接触部に面圧を作用させるので、この面圧によってコールドヘッド冷却部25は被冷却体12の一部(伝熱板27)に押圧接触され、比熱抵抗を小さくすることができ、熱スイッチ接触部の熱抵抗低減効果を有効的に図ることができる。
また、図1および図2では、冷凍機コールドヘッド15は単段のコールドヘッド冷却部(冷却ステージ)25を備えた例を示したが、冷凍機コールドヘッドは複数段のコールドヘッド冷却部、例えば2段のコールドヘッド冷却部(冷却ステージ)を備える極低温冷凍機を用いてもよい。
さらに、第1実施形態では、極低温容器10にベローズ17を設けて真空容器仕切壁を形成した例を示したが、ベローズ17に代えて冷凍機コールドヘッド15をOリング等の軸シールや稼動可能な気密機構を設けた構成により、断熱真空容器11に冷凍機コールドヘッド15を軸封して支持させる構成としてもよい。
加えて、熱スイッチ26は、冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25を被冷却体12の一部(伝熱板27)に熱接触(熱結合)させ、接触状態と非接触状態との間をコールドヘッド冷却部25(または伝熱板27)が移動自在(昇降自在)に支持された例を示した。そして、熱スイッチ26の接触部は、互いに平面加工を施した接触面同士であれば、面形状の制約は基本的に受けない。熱スイッチ26の接触部は接触面同士を互いに押圧接触させることで、平面度の差によるギャップによって生じる、真空中での単位面積当りの接触熱抵抗の増加を抑えることができる。
さらに、熱スイッチ26の接触部における接触面同士を、研摩やミラー加工等の面粗さや平面性を向上させる加工、例えば鏡面仕上げ加工が施されていれば、接触熱抵抗の低減を図ることができる。その上、接触面の片面の面粗さを小さくした滑らかな研摩面とし、他方を意図的に面粗さを大きくした面とすることで、面同士を接触させたとき、実際に接触している接点の数が多くなり、接触熱抵抗を小さくさせることができる。
また、熱スイッチ26は複数回のON/OFF操作により、接触面同士の表面に加工硬化が生じ、接触熱抵抗が拡大してしまうのを低減させるために、接触面を局所的に加熱し、回復、再結晶化させて軟化させるアニール処理をすることで、接触熱抵抗の回復装置を構成することができ、再現性の良い熱スイッチ26が得られる。
[第1実施形態の効果]
本実施形態においては、冷凍機コールドヘッドのコールドヘッド冷却部と被冷却体の一部との熱的リンクを、冷凍機の起動時に繋いで熱結合させ、低熱抵抗に維持し、冷凍機の停止時に熱的リンクを切り離して熱結合を解消し、非接触状態で高熱抵抗に保ち、被冷却体を断熱真空容器内の真空中で熱結合を遮断した独立した非接触状態に保持するので、熱的設計の自由度を向上させることができる。
また、熱スイッチON時には、冷凍機コールドヘッドのコールドヘッド冷却部と被冷却体の一部(伝熱板)との熱抵抗を小さくして冷凍機コールドヘッドの急速な立上げを図ることができ、熱スイッチOFF時にはコールドヘッド冷却部と被冷却体の一部(伝熱板)とを切り離し、非接触状態にして熱抵抗を大きくし、被冷却体への熱侵入量を小さくすることができる。
[第2実施形態]
次に、極低温容器および超電導磁石装置の第2実施形態を図3および図4を参照して説明する。
第2実施形態に係る極低温容器または超電導磁石装置を説明するに当り、第1実施形態に示された極低温容器10または熱電導磁石装置と同じ構成には同一符号を付して、重複する説明を省略ないしは簡素化する。
第2実施形態の極低温容器10Aまたは超電導磁石装置は、熱スイッチ26の被冷却体12側にばね・変位機構30が設けられる。ばね・変位機構30は熱伝導性に優れた伝熱板27に設けられ、ガイドポストに案内されるコイルスプリングが伝熱板27と冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25との間に介装されて熱接触している。超電導磁石装置は、極低温容器10内に収納される被冷却体として超電導コイルを設置したものである。
ばね・変位機構30に伝熱の効果が充分でなく、期待できない場合には、図3および図4に示すように、フレキシブルな伝熱プレート33を被冷却体12の一部を構成する伝熱板27上に設ける。フレキシブルな伝熱プレート33はばね・変位機構30のばね力により冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25側に押圧されて熱スイッチ26の接触部を構成している。この熱スイッチ26により伝熱板27とコールドヘッド冷却部25との熱的リンクを構成し、熱接合の強化が図られる。フレキシブルな伝熱プレート33は熱伝導率が良好な金属材料、例えば銅、アルミニウム材料で構成される。
[第2実施形態の作用]
極低温冷凍機14の駆動時には、駆動状態を給電検出リレー22が検知してコールドヘッド上下制御モータ23により冷凍機コールドヘッド15を下降させ、熱スイッチ26の接触部が熱的リンクを構成し、熱的接触が良好となって熱スイッチ26はON状態に保たれる(図3)。
熱スイッチ26がON状態で、熱スイッチ26の接触部に接触の面圧が作用する場合には、ばね・変位機構30の押圧力が伝熱部材のフレキシブルな伝熱プレート33に作用し、伝熱プレート33の面方向を修正してほぼ全面が均圧的に冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25に接触するように調整される。
その結果、熱スイッチ26の接触部は、コールドヘッド冷却部25である冷却ステージとフレキシブルな伝熱プレート33との熱接触が良好となって、接触熱抵抗の低減が図れ、被冷却体12は極低温、例えば4Kに冷却され、極低温状態に保たれる。
また、極低温冷凍機14が停止した際には、冷凍機停止状態を給電検出リレー22により、停電等により極低温冷凍機14が駆動していないことを検知し、コールドヘッド上下制御モータ23によりカム機構28等を作動させて冷凍機コールドヘッド15を押し上げる。冷凍機コールドヘッド15の上昇により、コールドヘッド冷却部25が押し上げられ、コールドヘッド冷却部25はフレキシブルな伝熱プレート33から切り離され、図4に示すようにフレキシブルな伝熱プレート33に接触しない非接触状態となる。
極低温冷凍機14が停止した際には、図4に示すように、熱スイッチ26がOFFとなって熱スイッチ26の接触部は切り離され、熱的リンクが解消される。熱スイッチ26のOFFにより、冷却ステージを構成するコールドヘッド冷却部25とフレキシブルな伝熱プレート33とは非接触状態となり、冷凍機コールドヘッド15から被冷却体12への熱侵入を抑制することかできる。
第2実施形態の極低温容器10または極低温磁石装置では、ばね・変位機構30を被冷却体12側に設けた例を説明したが、ばね・変位機構30を冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25側に設けてもよい。具体的には、フレキシブルな伝熱プレート33は、コールドヘッド冷却部25にばね・変位機構30を取り付けられ、フレキシブルな伝熱プレート33と被冷却体12の一部を構成する伝熱板27との間に熱的リンクを構成する熱スイッチ26を設けてもよい。この場合にも、熱スイッチ26はコールドヘッド冷却部25と被冷却体12の一部との間に設けられる。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態の極低温容器10Aまたは超電導磁石装置では、第1実施形態の効果に加えて、熱スイッチ26の接触部の不具合等のトラブル時に、極低温冷凍機14のみを取り出して保全・修理することが可能となり、メンテナンス性を向上させることができる。
[第3実施形態]
極低温容器および超電導磁石装置の第3実施形態を図5および図6を参照して説明する。
第3実施形態に係る極低温容器または超電導磁石装置を説明するに当り、第1実施形態に示された極低温容器10または超電導磁石装置と同じ構成には同一符号を付して重複する説明を省略、ないしは簡素化する。極低温容器10Bは被冷却体12として極低温素子やSQUID応用機器等を設けたものであり、被冷却体12として熱電導コイルを設けたものは超電導磁石装置を構成している。
第3実施形態の極低温容器10Bまたは超電導磁石装置は、熱スイッチ26の接触部の構成を基本的に異にし、他の構成は第1実施形態の極低温容器10または超電導磁石装置と実質的に異ならない。図5および図6に示す極低温容器10Bまたは超電導磁石装置において、熱スイッチ26の接触部は、一方の接触面、冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25の接触面が1つであるのに対し、被冷却体12側の接触面を複数としたものである。被冷却体12側の接触面には伝熱板27に複数のばね・変位機構35が備えられる。
ばね・変位機構35は、コールドヘッド冷却部25と伝熱板27との間に介装され、熱スイッチ26の各接触面に複数のコイルばねが弾力的に接触している。各コイルばねはガイドポストに案内されて伸縮するようになっている。ばね・変位機構35によって、伝熱の効果を充分に期待することができない場合には、フレキシブルな伝熱プレート36がコールドヘッド冷却部25と伝熱板27のばね・変位機構35との間に設けられる。フレキシブルな伝熱プレート36は伝熱板27に片持梁状に連結され、被冷却体12側の接触面を連接状態で複数に分割している。フレキシブルな伝熱プレート36の複数の接触面は、ばね・変位機構35にコールドヘッド冷却部25の接触面に押圧接触されて熱結合し、冷凍機コールドヘッド15から被冷却体12側への熱伝導を良好とし、熱接触による熱的リンクを構成している。
第3実施形態の極低温容器10Bまたは超電導磁石装置は、熱スイッチ26の接触部において、一方の接触面、冷凍機コールドヘッド15側接触面が1つであるのに対し、他方の接触面、被冷却体12側接触面が複数に構成される。被冷却体12側の複数の接触面の各々に面方向可変のばね・変位機構35により、各々独立してコールドヘッド冷却部25側に押圧接触される。これにより、熱スイッチ26は熱接触による熱的リンクを構成している。
[第3実施形態の作用]
第3実施形態では、熱スイッチ26の接触部において、一方の接触面、図5では冷凍機コールドヘッド15側の接触面が1つであるのに対し、他方の接触面、被冷却体12側接触面を複数とし、各々の面方向可変のばね・変位機構35を有している。この構成により、熱スイッチ26の接触部は、接触面が平面度の比較的低い加工面であっても、各接触面同士の面積が小さいために、接触面同士が全体として一体的に作成された接触面より、平面度の差による接触部の空間的ギャップを小さくすることができる。同じ加工面であれば、熱スイッチ26の接触部の分割数をN個とすると、分割された各接触面同士のギャップは一体構成時の接触面同士のギャップの1/N程度小さくすることが期待される。
極低温冷凍機14の駆動時には、冷凍機コールドヘッド15は図5に示す駆動状態となり、コールドヘッド冷却部25は各ばね・変位機構35の弾力作用により、伝熱部材であるフレキシブルな伝熱プレート36と接触状態となる。熱スイッチ26は熱接触による熱的リンクが構成されてON状態となる。熱スイッチ26がON状態で冷凍機コールドヘッド15のコールドヘッド冷却部25は被冷却体12の一部、フレキシブルな伝熱プレート36と熱接触が良好となって、被冷却体12は冷却され、極低温状態にキープされる。
その際、熱スイッチ26の接触部は、接触面全体が一体構成の場合と異なり、被冷却体12側接触面がフレキシブルな伝熱プレート36により複数形成され、複数の接触面がコールドヘッド冷却部(冷却ステージ)の接触面とばね・変位機構で個別に弾力的に押圧され、接触している。被冷却体12側の各接触面の面積が小さく、各接触面はばね・変位機構35でコールドヘッド冷却部25側に押圧接触されるので、熱スイッチ26の接触部の空間的ギャップを、接触面同士が全体的に一体で形成されたものより小さくすることができ、熱抵抗の低減を図ることができる。
熱スイッチ26の接触部は、単位面積当りの接触熱抵抗を低減させることができ、接触部の表面積のトータルを極小にすることができる。
また、極低温冷凍機14が停止した際には、冷凍機停止状態を給電検出リレー22により、極低温冷凍機14が駆動していないことを検出し、コールドヘッド上下制御モータ23によりカム機構28等を介して冷凍機コールドヘッド15を押し上げる。冷凍機コールドヘッド15の上昇により、コールドヘッド冷却部25が一体に押し上げられ、冷却ステージであるコールドヘッド冷却部25はフレキシブルな伝熱プレート36から切り離されて上昇し、図6に示すように、コールドヘッド冷却部25はフレキシブルな伝熱プレート36に接触しない非接触状態となる。熱スイッチ26はOFF状態となり、コールドヘッド冷却部25とフレキシブルな伝熱板27との熱的リンクが解消される。
したがって、極低温冷凍機14が停止し、冷凍機コールドヘッド15が温度上昇した際には、コールドヘッド冷却部25が上昇してフレキシブルな伝熱プレート36から切り離され、非接触状態となり、熱スイッチ26はOFFとなる。
このように、極低温冷凍機14が停止して冷凍機コールドヘッド15(冷凍機本体)が温度上昇した際には、冷凍機冷却ステージであるコールドヘッド冷却部25は上昇してフレキシブルな伝熱プレート36から切り離され、非接触状態となる。冷凍機コールドヘッド15が温度上昇しても、熱スイッチ26はOFF状態となり、その接触部は非接触状態となる。冷凍機コールドヘッド15の温度上昇により、温度が上がったコールドヘッド冷却部25から輻射による熱侵入量を低減させることができ、熱スイッチ26OFF時の高熱抵抗化を図ることができる。
[第3実施形態の効果]
第3実施形態では、熱スイッチ26の接触部において、接触面同士全体が一体で単体の場合とトータルの接触面積を同程度とし、密に分割すれば接触部ギャップの低減により熱抵抗の低減を図ることができる。極低温冷凍機14の駆動時、特に大容量冷凍機による熱流の大きい接触部の場合には、接触部の接触面分割による熱抵抗低減の効果が大きくなる。
また、単位面積当りの接触熱抵抗が低減されることにより、接触部の表面積のトータルを極小にすることが可能なため、冷凍機停止時において、冷凍機コールドヘッド15が温度上昇した際に、温度が上がったコールドヘッド冷却部(冷凍機冷却ステージ)から輻射による熱侵入量を低減でき、熱スイッチ26OFF時の高熱抵抗化を図ることができる。
[第4実施形態]
極低温容器および超電導磁石装置の第4実施形態を図7および図8を参照して説明する。
図7および図8は、極低温容器10Cの第4実施形態を示す概略構成図である。極低温容器10Cは、クライオスタットとしての断熱真空容器11A内に複数台の極低温冷凍機14A、例えば主冷凍機40と補助冷凍機41とを備える一方、断熱真空容器11A内に輻射シールド容器43が設置される。輻射シールド容器43内には被冷却体12が格納される。被冷却体12が超伝熱コイルである場合には極低温容器10Cは超電導磁石装置として構成される。超電導コイルは図示しない巻枠に巻き付けられて格納される。
第4実施形態に示された極低温容器10Cまたは超電導磁石装置を説明するに当り、第1実施形態の極低温容器10または超電導磁石装置と同じ構成には、同一符号を付して重複説明を省略ないしは簡素化する。
第4実施形態の極低温容器10Cまたは超電導磁石装置において、図7は熱スイッチ26がONの状態、図8は熱スイッチ26がOFFの状態をそれぞれ示す概略構成図である。極低温容器10Cの断熱真空容器11Aに設置される極低温冷凍機14Aは、多段式冷却ステージを備えた主冷凍機40と補助冷凍機41を備える。主冷凍機40は、被冷却体12を常時冷却するように伝熱板27および45上に設置される。伝熱板27,45は、被冷却体12の一部を構成しており、一方はフレキシブルな伝熱プレート45で被冷却体12を設置した伝熱板27に片持梁状に連結される。
主冷凍機40は多段式冷却ステージを構成し、1段目の冷却ステージ(コールドヘッド冷却部)46は、輻射シールド容器43に接続されてシールド容器を冷却する一方、2段目の冷却ステージ(コールドヘッド冷却部)47はフレキシブルな伝熱プレート45に接続され、伝熱板27を介して被冷却体(超電導コイル)12を冷却し、極低温に保持している。
また、補助冷凍機41は冷凍機コールドヘッドを構成しており、主冷凍機40と同様に多段式冷却ステージを構成している。1段目のコールドヘッド冷却部48は断熱真空容器11A内に位置される一方、2段目のコールドヘッド冷却部49は輻射シールド容器43内に延びて終端している。2段目のコールドヘッド冷却部49は、被冷却体12の一部である伝熱板27に対向している。2段目のコールドヘッド冷却部49と伝熱板27との間に、ばね・変位機構30が設けられる。
ばね・変位機構30は、ガイドポストに案内されて伸縮するコイルばねが2段目のコールドヘッド冷却部49と伝熱板27との間に介装され、接触している。ばね・変位機構30のコイルばねの伝熱機能が充分でない場合には、伝熱板27と2段目のコールドヘッド冷却部49との間にフレキシブルな伝熱プレート33が介装される。伝熱プレート33はばね・変位機構30の弾性力により2段目のコールドヘッド冷却部49側に押圧接触可能に構成される。
冷凍機コールドヘッドを構成する補助冷凍機41の2段目のコールドヘッド冷却部49とフレキシブルな伝熱プレート33との間が熱スイッチ26の接触部を構成している。
熱スイッチ26の接触部は、相対する接触面が離接自在に構成され、熱スイッチ26のON時に相対する接触面は接触状態となる。熱スイッチ26のOFF時には相対する接触面は非接触状態となり、相対する接触面間にギャップが形成される。
熱スイッチ26のOFF時で、接触部の相対する接触面間に形成されるギャップには、可動式輻射シールド板50が出し入れ可能に設けられる。可動式輻射シールド板50は操作ロッド51の回動操作により手動で出し入れ操作しても、あるいは操作ロッド51をコールドヘッド上下制御モータ23のモータ作動に直接あるいは減速機構を介して連動させてもよい。コールドヘッド上下制御モータ23を連動させる場合には、熱スイッチ26のON時に、熱スイッチ26の接触部から後退した不作動位置を取り、熱スイッチ26のOFF時に、熱スイッチ26の接触部間のギャップに進入する作動位置を取るように調整される。
熱スイッチ26のOFF時には、可動式輻射シールド板50が輻射シールド容器43の開口を閉塞し、輻射シールド容器43内を密封してシールドし、補助冷凍機41のコールドヘッド冷却部48,49から輻射熱が被冷却体12側に伝達されるのを防止している。
[第4実施形態の作用]
第4実施形態に示された極低温容器10Cまたは超電導磁石装置では、極低温冷凍機14Aの起動時には、図7に示すように、冷凍機コールドヘッドである補助冷凍機41を駆動させる。補助冷凍機41の作動により、コールドヘッド上下制御モータ23が動作して補助冷凍機41を下降させ、コールドヘッド冷却部48,49を下動させ、2段目のコールドヘッド冷却部49をフレキシブルな伝熱プレート33に接触させ、熱スイッチ26をONの接触状態に保つ。この構成により、断熱真空容器11A内は主冷凍機40と補助冷凍機41により急速冷却され、断熱真空容器11A内で輻射シールド容器43内に格納された被冷却体12は急速に冷却させ、極低温の冷却状態となる。
被冷却体12を通常状態で冷却する際は、図8の熱スイッチ26がOFF状態にセットされる。その際は、補助冷凍機41が停止し、この停止状態を給電検出リレー22により補助冷凍機41が駆動していないことを検知し、コールドヘッド上下制御モータ23によりカム機構28等を作動させて補助冷凍機41を押し上げる。補助冷凍機41の上昇によりコールドヘッド冷却部48,49が押し上げられて、伝熱板27やフレキシブルな伝熱プレート33から切り離され、2段目のコールドヘッド冷却部49はフレキシブルな伝熱プレート33と接触しない非接触状態となり、熱スイッチ26はOFFとなる。
熱スイッチ26のOFFにより、熱スイッチ26の接触部は、相対する接触部間にギャップが生じ、このギャップ部分に可動式輻射シールド板50が進入して輻射シールド板50が作動位置にセットされる。可動式輻射シールド板50により、輻射シールド容器43をシールドし、断熱真空容器11A内で輻射シールド容器43を密封させる。
極低温冷凍機14Aを主冷凍機40と補助冷凍機41の2台で冷却する際には、可動式輻射シールド板50は熱スイッチ26の接触部のギャップ部分から取り外し、熱スイッチ26を図7に示すようにON状態にする。
第4実施形態の極低温容器10Cまたは超電導磁石装置では、図7および図8に示すように構成することで、極低温冷凍機14Aは、主冷凍機40や補助冷凍機41を取り外すことなく、冷凍機1台運転、2台運転が可能となる。
第4実施形態の極低温容器10Cまたは超電導磁石装置では、重量の大きい被冷却体12の初期冷却や、被冷却体12である超電導コイルがクエンチして超電導コイルの温度が上昇してしまった際に、複数台の冷凍機を同時に駆動させて、再冷却時間を短縮させ、複数台の冷凍機による冷却時間の短縮が可能となる。
また、極低温容器10Cまたは超電導磁石装置が、定常状態に冷却された後は、補助冷凍機41としての図7および図8の左側の冷凍機の熱スイッチ26をOFFとし、熱スイッチ26の接触部間のギャップ部分に可動式輻射シールド板50を進入させて輻射シールド容器43をシールドすることができる。輻射シールド容器43をシールドすることで、輻射熱侵入量を低減し、安定した被冷却体12、特に超電導コイルの冷却が可能となる。
さらに、定常運転時は、極低温冷凍機14Aは、冷凍機1台の運転で被冷却体12を極低温状態で保つことができ、消費電力を低減させて効率的な運転・運用を図ることができる。
[第4実施形態の効果]
第4実施形態の極低温容器または超電導磁石装置では、可動式輻射シールド板50により、極低温冷凍機14Aの冷凍機停止時に、(補助)冷凍機41を停止させて断熱真空容器11A内で輻射シールド容器43をシールドさせ、温度上昇している補助冷凍機41からの輻射熱侵入を抑えることができる。被冷却体12が超電導コイルの場合、冷却温度を下げ、通電特性を向上させることができる。
また、断熱真空容器11Aに複数台の冷凍機40,41を設置し、被冷却体12の初期冷却や被冷却体12としての超電導コイルがクエンチした場合には、複数台の冷凍機40,41を駆動させ、再冷却時間を短縮し、複数台の冷凍機40,41の冷却時間の短縮を図ることができる。
さらに、極低温容器10Cまたは超電導磁石装置が定常状態に冷却された後は、補助冷凍機41としての熱スイッチ26をOFFとし、接触部間のギャップ部分に可動式輻射シールド板50を進入させ、輻射シールド容器43をシールドさせることで、輻射シールド容器43内への輻射熱侵入量を低減し、被冷却体12である超電導コイルの安定した冷却が可能となる。加えて、定常運転時に冷凍機1台の運転のために、消費電力を低減させ、効率的な運転、運用を図ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,10A,10B,10C…極低温容器(超電導磁石装置)、11,11A…断熱真空容器、12…被冷却体(超電導コイル)、14,14A…極低温冷凍機、15…冷凍機コールドヘッド、16…容器蓋、17…ベローズ(仕切壁)、18…設置台、20…駆動ケーブル、21…駆動電流源、22…給電検出リレー、23…コールドヘッド上下制御モータ、25…コールドヘッド冷却部(冷却ステージ)、26…熱スイッチ、27…伝熱板、28…カム機構、29…ガイドポスト、30,35…ばね・変位機構、33,36…フレキシブルな伝熱プレート、40…主冷凍機、41…補助冷凍機(冷凍機コールドヘッド)、43…輻射シールド容器、45…伝熱板(フレキシブルな伝熱プレート)、46…1段目の冷却ステージ、47…2段目の冷却ステージ、48…1段目のコールドヘッド冷却部(冷却ステージ)、49…2段目のコールドヘッド冷却部(冷却ステージ)、50…可動式輻射シールド板、51…操作ロッド。

Claims (13)

  1. 被冷却体を内部に格納する断熱真空容器と、
    この断熱真空容器に設置された冷凍機を構成する冷凍機コールドヘッドと、
    前記冷凍機の駆動状態の有無を検知する給電検出リレーとを有し、
    前記冷凍機コールドヘッドは前記断熱真空容器内にコールドヘッド冷却部が延設されており、
    前記冷凍機コールドヘッドは、前記断熱真空容器外の大気圧力と前記断熱真空容器内の真空との差圧によって、前記コールドヘッド冷却部が前記被冷却体の一部に所定の面圧にて押圧接触されて接触部が構成され、
    前記冷凍機コールドヘッドは、前記給電検出リレーにより前記冷凍機が駆動していないことを検知した場合、前記コールドヘッド冷却部が前記被冷却体の一部から切り離されて前記被冷却体を独立した非接触状態に保持することを特徴とする極低温容器。
  2. 前記冷凍機の停止時に、断熱真空容器外の大気圧と断熱真空容器内の真空との差圧に抗する力を前記冷凍機コールドヘッドに付与し、
    前記冷凍機コールドヘッドのコールドヘッド冷却部を、前記被冷却体の一部と非接触状態に保持した請求項1に記載の極低温容器。
  3. 前記冷凍機コールドヘッドのコールドヘッド冷却部が前記被冷却体の一部と離接可能に接触する接触部は、接触面同士が平面形状に構成された請求項1または2に記載の極低温容器。
  4. 前記冷凍機コールドヘッドのコールドヘッド冷却部と前記被冷却体の一部との接触部は熱スイッチを構成しており、前記熱スイッチは接触部の接触面同士の平面度の差を解消するように、少なくとも一方の接触面の面方向が変化可能で他方の接触面に面接触する構成とされた請求項1ないし3のいずれか1項に記載の極低温容器。
  5. 前記熱スイッチは、接触部の接触面同士の平面度の差によるギャップをなくすように、接触面の面方向を変化させる面変化機構が、前記冷凍機コールドヘッドのコールドヘッド冷却部に設けられ、
    前記熱スイッチのコールドヘッド冷却部側の接触面は前記コールドヘッド冷却部にフレキシブルな伝熱部材で連結された請求項4に記載の極低温容器。
  6. 前記接触部は接触面同士が両面とも鏡面仕上げされた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の極低温容器。
  7. 前記接触部は、接触面の一方が他方の接触面より面粗さを大きく仕上げた接触面に構成された請求項1ないし5のいずれか1項に記載の極低温容器。
  8. 前記接触部の少なくとも一方は、局所的にアニールされて接触面の加工硬化層を軟化させる手段を断熱真空容器内に備えた請求項1ないし7のいずれか1項に記載の極低温容器。
  9. 前記接触部の一方が複数の接触面を備え、
    前記複数の接触面は前記接触部の他方の接触面に接触する際、前記接触部の各接触面同士の平面度の差によるギャップをなくすように、前記複数の接触面の面方向を、前記他方の接触面に面接触される面変化機構をそれぞれ備えた請求項1ないし3のいずれか1項に記載の極低温容器。
  10. 請求項1ないし9に記載の極低温容器において、前記被冷却体として超電導コイルを断熱真空容器内に格納したことを特徴とする超電導磁石装置。
  11. 断熱真空容器内に冷凍機と主冷凍機とが備えられ、
    前記断熱真空容器内に設けられた輻射シールド容器内に被冷却体が格納され、
    前記主冷凍機は前記被冷却体を常時冷却するように伝熱板に設置され、
    前記冷凍機の駆動状態の有無を検知する給電検出リレーが前記断熱真空容器外に設けられ、
    前記冷凍機は冷凍機コールドヘッドが前記断熱真空容器内に延びるコールドヘッド冷却部を被冷却体の一部に、離接可能に接触させる接触部が構成され、
    前記冷凍機コールドヘッドの接触部は、前記断熱真空容器外の大気圧力と前記断熱真空容器内の真空との差圧によって、前記コールドヘッド冷却部が前記被冷却体の一部に所定の面圧にて押圧接触され、
    前記冷凍機コールドヘッドは、前記給電検出リレーにより冷凍機が駆動していないことを検知した場合、前記コールドヘッド冷却部が被冷却体の一部から切り離され、前記被冷却体の一部を非接触状態に保持させることを特徴とする極低温容器。
  12. 前記コールドヘッド冷却部を前記被冷却体の一部に離接可能に接触する接触部は熱スイッチを構成しており、
    前記熱スイッチは、接触部の接触面同士が非接触状態のOFF時に、輻射シールド板が前記熱スイッチの接触部間のギャップに挿入される作動位置と、前記接触部の接触面同士が接触状態のON時に、輻射シールド板が前記熱スイッチの接触部から離れた不作動位置との間を移動自在に操作される請求項11に記載の極低温容器。
  13. 請求項11または12に記載の極低温容器において、前記被冷却体として超電導コイルを断熱真空容器内の輻射シールド容器に格納したことを特徴とする超電導磁石装置。
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