JP6559350B2 - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、補助機器を接続し、その補助機器から得られる情報に基づいて制御を行う制御装置及び補助機器を制御する制御方法に関する。
特許文献1には、車両LAN(Local Area Network)装置を介して車両データを送受信する車両データ通信部と、車両データ及び変換テーブルを記憶する記憶部と、変換テーブルに基づいて車両独自の形式である車両データをアプリケーションで利用可能な実用データ形式に変換するとともに、アプリケーションで算出された実用データ形式の車両データを変換テーブルに基づいて車両独自の形式の車両データに変換する車両データ変換部と、アプリケーションが車両データにアクセスする車両情報I/Fとを備える車載端末が記載されている。特許文献1に記載された車載端末は、センサ等の機器からの車両データを、変換テーブルを用いて、アプリケーションで利用可能な実用データに変換している。
特願2001−138079号公報
ここで、従来例では、例えば、センサ等の補助機器を新たに設置した場合には、新たに設置された機器の車両データを実用データ形式のデータに変換するための変換テーブルを別に用意しなければならない。車両データを実用データ形式のデータに変換する変換テーブルの作成は、煩雑である。さらに、車両データ毎に、このような変換テーブルの作成を行わなければならない。
このため、従来例では、新たにセンサ等の補助機器を設置する場合に、この補助機器を使用することができるようにするために、多くの労力が必要となる。
そこで、本発明は、新たにセンサ等の補助機器を設置した場合に、新たな補助機器を容易に使用できるようにすることを目的とする。
本発明の一態様に係る制御装置は、補助機器を接続し、当該補助機器から得られる情報に基づいて制御を行う制御装置であって、前記補助機器を動作させるための変数及びAPI名を示すコンフィギュレーションファイルを有するとともに、前記補助機器を動作させるために必要な変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を生成するドライバ部と、前記補助機器が接続された際に、前記ドライバ部から前記コンフィギュレーションファイルを取得するとともに、前記ドライバ部からの前記シンボル情報を参照して、前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性を確認し、前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性が確認できた場合に、前記シンボル情報に記載された変数及びAPIを使用して、前記補助機器を動作させるミドルウェア部と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る制御方法は、接続された補助機器を制御する制御方法であって、前記補助機器が接続された際に、前記補助機器を動作させるための変数及びAPI名を示すコンフィギュレーションファイルを取得し、前記補助機器を動作させるために必要な変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を生成し、前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性を確認し、前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性が確認できた場合に、前記シンボル情報に記載された変数及びAPIを使用して、前記補助機器を動作させることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、センサ等の補助機器が新たに設置された場合に、新たな補助機器からの入力を吸収する吸収層を設けることで、上位のアプリケーションを変更することなく、新たな補助機器を容易に使用することができる。
実施の形態1〜4に係る車両制御システムの構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1〜4における、F/Eボード、B/Eボード及びナビボードの構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1〜4における補助機器を自動車に搭載した一例を示す概略図である。 実施の形態1〜4におけるCSMWの周辺ソフトウェアスタックの一例を示す概略図である。 実施の形態1〜4におけるCSMWにて参照するコンフィギュレーションファイルの一例を示す概略図である。 実施の形態1〜4において、CFGファイルの受け渡しを説明するための概略図である。 (A)及び(B)は、F/Eボード、B/Eボード及びナビボードのそれぞれのハードウェア構成の一例を示す概略図である。 実施の形態1において、CSMWを介して、データを下位機能部から上位機能部に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。 実施の形態2において、CSMWを介して、機器制御データを上位機能部から下位機能部に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。 実施の形態3において、CSMWを介して、機器データを下位機能部から上位機能部に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。 実施の形態4において、CSMWを介して、機器制御データを上位機能部から下位機能部に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1〜4に係る車両制御システム100の構成の一例を示すブロック図である。
車両制御システム100は、補助機器1と、フロントエンドボード(以下、F/Eボードという)110と、車両の挙動判断等を行うバックエンドボード(以下、B/Eボードという)140と、GPS(Global Positioning System)13からの入力データに基づいて動作するナビボード150とを備える。
そして、F/Eボード110及びB/Eボード140により、車両の制御を行う制御装置105が構成される。制御装置105は、補助機器1を接続し、補助機器1から得られる情報に基づいて制御を行う。
F/Eボード110には、補助機器1として、単眼カメラ2と、ステレオカメラ3と、側方ソナー4と、ミリ波レーダ5と、ソナー6と、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)7とが接続されている。ここでは、補助機器1は、単眼カメラ2及びステレオカメラ3といったカメラと、側方ソナー4、ミリ波レーダ5、ソナー6及びLIDAR7といったセンサとを含む。
単眼カメラ2及びステレオカメラ3は、撮像を行い、その映像データを取得する。
側方ソナー4は、車体の側方から15m程度の遠距離までの間で、他車等の障害物が近づいて来るか否かを判断するため、アナログオーディオ(音波)を用いて計測する。なお、側方ソナー4とF/Eボード110との間には、データのやり取りを行うために必要なアナログデジタル変換器(以下、AD/DAという)8が設けられている。
ミリ波レーダ5は、電波を自動車周囲に向けて発射し障害物からの反射波を測定することで障害物までの距離及び方向を測り、この障害物までの距離及び方向等の情報を取得する。なお、ミリ波レーダ5は、図示してはいないが、データを取得するミリ波レーダ本体と、そのデータをやり取りするミリ波レーダECUとを備える。
ソナー6は、音波を用いて車両周辺の障害物を検知する。
LIDAR7は、レーザー光を用いて車両周辺の障害物を検知する。
また、F/Eボード110は、V2Pモジュール9と、V2Iモジュール10と、GPS受信機11と、INS(Inertial Navigation System:慣性航法装置)12と、データのやり取りを行う。
V2Pは、Vehicle to Personの略で、V2Pモジュール9は、自車周辺の歩行者を検知して、その検知結果を示す歩行者動向情報を取得する。V2Iは、Vehicle to Infrastructureの略で、V2Iモジュール10は、自動車と、インフラとして設定してある路側器との通信結果を示す路側器情報を取得する。V2Pモジュール9及びV2Iモジュール10を合わせてV2Xモジュールともいう。
GPS受信機11は、GPSの各種情報を受信する。
INS12は、地上の航法援助施設からの電波又は地磁気等に頼らずに、移動する自動車の加速度から、移動方向、速度及び距離を求め、位置を特定するための搭載用航法装置である。
B/Eボード140は、SPI(Serial Peripheral Interface)を介して、F/Eボード110とデータのやり取りを行う。
図2は、実施の形態1〜4における、F/Eボード110、B/Eボード140及びナビボード150の構成の一例を示すブロック図である。
単眼カメラ2及びステレオカメラ3は、LVDS(Low Voltage Differentian Signaling)で映像データをF/Eボード110のカスタマイザブルミドルウェア(以下、CSMWという)111を介して、センサフュージョン112に伝送する。LVDSは、短距離用のデジタル有線伝送技術で、小振幅及び低消費電力で比較的高速な差動インタフェースである。LVDSは、グラフィックスカードからビデオモニタへの映像データ等のデータの伝送に使用される。
側方ソナー4における計測結果は、AD/DA8でデジタル変調され、CSMW111を介してセンサフュージョン112に伝送される。
なお、CSMW111をミドルウェア部ともいう。
F/Eボード110には、補助機器1を動作させるためのドライバ部106が設けられている。例えば、ドライバ部106は、補助機器1を動作させるための変数及びAPI(Application Programming Interface)名を示すコンフィギュレーションファイル(CFGファイルという)を保持する。また、ドライバ部106は、CSMW111からの指示に応じて、補助機器1を動作させるために必要な変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を生成し、生成されたシンボル情報をCSMW111に与える。なお、図2には、ドライバ部106は1つしか示されていないが、ドライバ部106は、補助機器1の各々に設けられているものとする。
そして、CSMW111は、補助機器1が接続された際に、ドライバ部106からCFGファイルを取得するとともに、ドライバ部106からのシンボル情報を参照して、CFGファイルとシンボル情報との整合性を確認する。例えば、CFGファイルに記載されている変数及びAPI名に対応する全てのアドレスがシンボル情報に記載されているか否かを確認する。CFGファイルとシンボル情報との整合性が確認できた場合、言い換えると、CFGファイルに記載されている変数及びAPI名に対応する全てのアドレスがシンボル情報に記載されている場合に、CSMW111は、シンボル情報に記載された変数及びAPIを使用して、補助機器1を動作させる。
CAN(Controller Area Network)101は、耐ノイズ性強化を考慮して設計された、接続機器相互間のデータ伝送に使用される通信経路である。CAN101は、機器の制御情報の伝送用として普及しており、自動車においてはセンサとの情報のやり取り、エンジン又はブレーキの状態及び故障診断情報等の情報の伝送に使用されている。
ミリ波レーダ5は、障害物までの距離及び方向等の情報を、CAN101及びCSMW111を介して、センサフュージョン112に伝送する。
ソナー6からの情報は、CAN101及びCSMW111を介して、センサフュージョン112に伝送される。
V2Pモジュール9は、路側器情報を、CAN101及びCSMW111を介して、座標変換部113に伝送する。
V2Iモジュール10は、歩行者動向情報を、CAN101及びCSMW111を介して、ダイナミックマップ部114に伝送する。
イーサネット(登録商標)102は、コンピュータネットワーク規格の1つであるが、車載の場合、自動車の周辺監視用のセンサのデータを伝送する通信ネットワークとして採用される。
LIDAR7からの情報は、イーサネット102及びCSMW111を介して、センサフュージョン112に伝送される。
GPS受信機11及びINS12からの情報は、CSMW111を介して、ロケータ部115に伝送される。
ナビボード150は、HMI(Human Machine Interface)151と、ナビゲーション部152とを備える。
HMI151は、ユーザからの指示の入力を受け付ける入力部である。
ナビゲーション部152は、GPS13からのシリアル信号と、HMI51からの情報に基づいて動作し、F/Eボード110とデータのやり取りを行っている。
GPS13からの信号は、シリアル通信ケーブル104を介して、ナビボード150上のナビゲーション部152に伝送される。
上述の通り、補助機器1からの種々のデータ、例えば、単眼カメラ2からの映像データ、ステレオカメラ3からの映像データ、ミリ波レーダ5からの電波情報、及び、ソナー6からの音波情報等は、CSMW111を介して、センサフュージョン112に伝送される。補助機器1からの種々のデータは、センサフュージョン112により、統合的に処理され互いに協調されたデータとなってシンクロナイズされる。シンクロナイズされたデータは、センサフュージョン112からその上位アプリであるマップ生成部116に伝送される。
V2Pモジュール9からCSMW111を介して座標変換部113に伝送されたデータは、座標変換部113からマップ生成部116に伝送される。
V2Iモジュール10からCSMW111を介してダイナミックマップ部114に伝送されたデータは、ダイナミックマップ部114から地図情報としてマップ生成部116及びレーンレベルルート生成部117に伝送される。
単眼カメラ2の映像データは、LVDS及びCSMW111を介して、ロケータ部115にも入力され、また、GPS受信機11及びINS12からのデータもロケータ部115に入力される。さらに、マップ生成部116からの道路障害物情報が、ロケータ部115に入力される。これらロケータ部115に伝送されたデータは、自車位置情報として、マップ生成部116、レーンレベルルート生成部117及びナビゲーション部152に伝送される。
ナビゲーション部152からの誘導情報は、イーサネット102経由でレーンレベルルート生成部117に入力される。その他のECU(Electronic Control Unit)160からは、自車速度情報、自車加速度情報、操舵角情報、アクセル/ブレーキ情報及びウィンカ操作情報が、CAN101経由で運転操作特性部118に入力される。この内、自車速度情報は、CAN101を介して、マップ生成部116にも入力される。
マップ生成部116からは、3Dマップ情報が、リスクマップ生成部119の死角検出部119a、移動予測部120に伝送され、また、3Dマップ情報は、イーサネット102を介して、ナビボード150のHMI151に伝送される。
運動モデルデータベース121は、データベース内の情報を運動モデル更新部122からの更新情報で更新し、運動モデル情報を移動予測部120に入力する。
移動予測部120は、マップ生成部116からの3Dマップ情報と運動モデルデータベース121からの運動モデル情報とから移動予測情報を生成し、これをリスクマップ生成部119のリスク推定部119bに入力する。
レーンレベルルート生成部117は、地図情報及びレーンレベルルート情報をパス生成部123に入力する。
運転操作特性部118は、運転操作特性データベース124と運転操作特性情報をやり取りし、更新された運転操作特性情報をパス生成部123に入力する。
パス生成部123は、パス情報を、イーサネット102を介して、ナビボード150のHMI151に入力する。また、パス生成部123は、パス情報をSPI通信経路103経由で、B/Eボード140の判断部141に入力する。
HMI151は、CAN101からF/E故障情報及びB/E故障情報を取得すると共に、CAN101に運転モード及び緊急停止情報を送信する。
B/Eボード140の判断部141は、自車位置情報、道路勾配情報、カーブ曲率情報をCAN経由で取得する。また、判断部141は、車両制御情報及びB/E故障情報をCAN101に送信すると共に、車両制御情報及びB/E故障情報を車両制御判断部142に入力する。
車両制御判断部142は、CAN101から運転モード及びF/E故障情報を取得すると共に、CAN101からセンシング情報を取得した緊急制御部143から緊急制御情報を取得する。
図3は、実施の形態1〜4における補助機器1を自動車に搭載した一例を示す概略図である。
自動車MOには、車両制御システム100が搭載されている。
単眼カメラ2は、自動車MOの前方中央と後方中央に取り付けられており、夫々前方及び後方の物体を認識する。
ステレオカメラ3は、自動車MOのフロントガラス上部に取り付けられ、前方の物体を認識する。
側方ソナー4は、自動車MOの側方に取り付けられ、夫々右側方及び左側方を認識する。
ミリ波レーダ5は、自動車MOの前方左右に取り付けられ、夫々前方の左右を走査する。
ソナー6は、自動車MOの前方左右に取り付けられ、夫々前方の左右を走査する。
LIDAR7は、自動車MOの屋根中央に取り付けられ、自動車MOの周囲全てを走査する。
図4は、実施の形態1〜4におけるCSMW111の周辺ソフトウェアスタックの一例を示す概略図である。
図4では、単眼カメラ2、ステレオカメラ3、ミリ波レーダ5、ソナー6及びLIDAR7がF/Eボード110に接続されているものとして説明する。
単眼カメラ2の映像データは、LVDS及びCSMW111を介して属性判別部2aに入力される。
ステレオカメラ3の映像データは、LVDS経由でステレオ測距部3aに入力される。ステレオ測距部3aからの情報は、CSMW111を介して第1物体抽出部3bと、カメラベースでの第1道路特徴抽出部3cに入力される。
ミリ波レーダ5からの情報は、CAN101経由で第1測距部5aに入力される。第1測距部5aからの情報は、CSMW111を介して、第2物体抽出部5bに入力される。
ソナー6からの情報は、CAN101経由で第2測距部6aに入力される。第2測距部6aからの情報は、CSMW111を介して、第3物体抽出部6bに入力される。
LIDAR7からの情報は、イーサネット102経由で第3測距部7aに入力される。第3測距部7aからの情報は、CSMW111を介して、第4物体抽出部7bとレーザーベースの第2道路特徴抽出部7cに入力される。
ここで、属性判別部2a、ステレオ測距部3a、第1物体抽出部3b、第1道路特徴抽出部3c、第1測距部5a、第2物体抽出部5b、第2測距部6a、第3物体抽出部6b、第3測距部7a、第4物体抽出部7b、第2道路特徴抽出部7c、同一物体合成部112a及び協調センシング部112bを機能部と言う総称で呼ぶ。
また、単眼カメラ2から属性判別部2aにCSMW111を介して情報を渡す場合、ステレオ測距部3aから第1物体抽出部3b及び第1道路特徴抽出部3cにCSMW111を介して情報を渡す場合、第1測距部5aから第2物体抽出部5bにCSMW111を介して情報を渡す場合、第2測距部6aから第3物体抽出部6bにCSMW111を介して情報を渡す場合、及び、第3測距部7aから第4物体抽出部7b及び第2道路特徴抽出部7cにCSMW111を介して情報を渡す場合、CSMW111は、各情報にタイムスタンプを付与する。
次に各機能部からCSMW111を介してセンサフュージョン112にデータを入力する例を説明する。
属性判別部2aは、CSMW111を介して、物体属性情報をセンサフュージョン112内の同一物体合成部112aに入力する。
第1物体抽出部3bは、CSMW111を介して、相対位置情報、サイズ情報及び相対速度情報をセンサフュージョン112内の同一物体合成部112aに入力する。
第1道路特徴抽出部3cは、CSMW111を介して、自車位置情報及び自車姿勢情報をセンサフュージョン112内の協調センシング部112bに入力する。
第2物体抽出部5bは、CSMW111を介して、相対位置情報、サイズ情報及び相対速度情報をセンサフュージョン112内の同一物体合成部112aに入力する。
第3物体抽出部6bは、CSMW111を介して、相対位置情報、サイズ情報及び相対速度情報をセンサフュージョン112内の同一物体合成部112aに入力する。
第4物体抽出部7bは、CSMW111を介して、相対位置情報、サイズ情報及び相対速度情報をセンサフュージョン112内の同一物体合成部112aに入力する。
第2道路特徴抽出部7cは、CSMW111を介して、自車位置情報及び自車姿勢情報をセンサフュージョン112内の協調センシング部112bに入力する。
センサフュージョン112内の同一物体合成部112aは、下位の機能部から収集した相対位置情報、サイズ情報、相対速度情報及び物体属性情報をセンサフュージョン112の上位アプリ130に渡す。ここでの上位アプリ130は、図2のマップ生成部116に相当する。
また、センサフュージョン112内の協調センシング部112bは、下位の機能部から収集した自車位置情報及び自車姿勢情報をセンサフュージョン112の上位アプリ130に渡す。
ここで、属性判別部2aから同一物体合成部112aにCSMW111を介して情報を渡す場合、第1物体抽出部3bから同一物体合成部112aにCSMW111を介して情報を渡す場合、第1道路特徴抽出部3cから協調センシング部112bにCSMW111を介して情報を渡す場合、第2物体抽出部5bから同一物体合成部112aにCSMW111を介して情報を渡す場合、第3物体抽出部6bから同一物体合成部112aにCSMW111を介して情報を渡す場合、第4物体抽出部7bから同一物体合成部112aにCSMW111を介して情報を渡す場合、第2道路特徴抽出部7cから協調センシング部112bにCSMW111を介して情報を渡す場合には、CSMW111は、センサフュージョン112が受け取れる情報に成型し直してセンサフュージョン112にデータを渡す。
図5は、実施の形態1〜4におけるCSMW111にて参照するCFGファイルの一例を示す図である。
F/Eボード110に接続する1つの補助機器1に対して1つのCFGファイルが必要である。図5に示されているCFGファイル170は、ミリ波レーダ5を接続する際のものである。
接続するミリ波レーダ5の機種名はMW−Raderであり、それに対応するCFGファイル名は「MW−Rader.ini」である。
CFGファイル170は、セクションと呼ばれるデータ領域で幾つかのブロックに区切られる。セクションは[]で括られた文字列で定義され、予め名称が規定された機能セクションと、任意の名称を持つデータ内容定義セクションがある。機能セクションは、どの補助機器1が接続されても共通して使用される名称を有する。例えば、図5に示された例では、[INTERFACE]、[STRUCTURE]及び[DATA_SPEC]が機能セクションである。データ内容定義セクションは、接続された補助機器1毎にコーディングする必要があり、そのコード上に表れる変数の名称を示す。例えば、図5に示された例では、[Timestamp]、[Velocity]及び[RangeDistance]がデータ内容定義セクションである。
CFGファイル170にて最初に記載されているのは、インタフェース情報セクション[INTERFACE]である。
「SensorName」は、接続される補助機器1の名称を示す。ここでは、ミリ波レーダ5の名称「MW−Rader」が定義されている。
「UpIndMode」は、補助機器1のドライバ部が上位機能部にデータを渡す際のデータ通知方式を示す。例えば、データ通知方式は、「0」〜「2」の整数で定義されている。図5の例では、「0」が選択され、データが生成されたら、逐一、上位機能部に通知することが示されている。上位機能部は、例えば、CSMW111である。
「IFType」は、補助機器1から上位機能部にデータを渡す際のインタフェースの種別を示す。例えば、インタフェースの種別は、「0」〜「6」の整数で定義されている。「0」は「IPC(InterProcess Communication)」であり、「1」は「メモリ」であり、「2」は「CAN」であり、「3」は「Ethernet」であり、「4」は「LVDS」であり、「5」は「USB(Universal Serial Bus)」であり、「6」は「UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)」である。ここでは、「2」が選択され、CAN101を用いて通信することが示されている。
「CanMsgID」は、補助機器1のドライバ部がデータをフィルタリングする際に使用する「Can ID」を示す。なお、「CanMsgID」は、「IFType」で「CAN」が選択されたために定義されており、「IFType」で別の種別が選択された場合には、選択された種別に応じた項目で値が定義される。
「DnModPath」は、使用するドライバオブジェクト本体があるパス名を示す。このパス名で示されるパスから、CSMW111は、補助機器1の実行ファイルを読み込む。
「DnApiOpen」は、ドライバ部が使用する伝送路のOpen処理の関数名を示す。
「DnApiClose」は、ドライバ部が使用する伝送路のClose処理の関数名を示す。
「DnApiRead」は、ドライバ部が使用する伝送路の読み込み処理の関数名を示す。
「DnApiWrite」は、ドライバ部が使用する伝送路の書き込み処理の関数名を示す。
「DnApiioctrl」は、ドライバ部が使用する伝送路のプロパティ設定処理の関数名を示す。
「DnApiSeek」は、ドライバ部が使用する伝送路のSeek処理の関数名を示す。
「DnApiOpen」、「DnApiClose」、「DnApiRead」、「DnApiWrite」、「DnApiioctrl」及び「DnApiSeek」では、ドライバコード上の関数名(API名)が定義されている。CSMW111は、「DnApiOpen」、「DnApiClose」、「DnApiRead」、「DnApiWrite」、「DnApiioctrl」又は「DnApiSeek」のフォーマットにより、その後に続く「ドライバコード上の関数名」を認識する。その後に、CSMW111は、フィルタ設定でシンボル情報からその関数名とそれに割り当てられているアドレスを認識する。これにより、CSMW111は、ドライバ部における関数をコールすることができる。
次に、[STRUCTURE]セクションは、上位提供データ構造定義セクションであり、補助機器1からCSMW111に渡すデータの構造を定義する。
図5では、補助機器1からCSMW111に渡すデータのメンバとして、「Timestamp(タイムスタンプ)」、「Velocity(速度)」、「RangeDistance(物体距離)」、「RangeRate(物体速度)」及び「Angle(物体角度)」が含まれており、それぞれ、32ビットで構成されている。
次に、[DATA_SPEC]セクションは、[STRUCTURE]セクションで定義されたメンバの詳細を示す。
例えば、図5の例では、[Timestamp]セクションでは、「F」は変数そのものを示し、ここでは、「_TIMESTAMP_」という変数名の値がタイムスタンプの値であることを示している。
[Velocity]セクションでは、「IdF」は、データを取得するインタフェースの種別を示し、図5の例では、CAN101からデータを取得することが示されている。「Id」は、CAN IDを示し、「Ox730」のCAN IDで送られてきたデータが速度を格納していることを示している。「F」は、上述のように変数そのものを示し、「#2」は、データの2バイト目の1バイトが変数の値であることを示している。
以上のように、CFGファイル170には、補助機器1のS/Wの実行ファイルのパス、使用するAPI群の定義、メンバ変数の宣言及び定義等の情報が記載される。
図6は、実施の形態1〜4におけるCFGファイル170の受け渡しを説明するための概略図である。
補助機器1のドライバ部106は、補助機器1が接続された際に、CSMW111にCFGファイル170を与える。CSMW111は、CFGファイル170を参照することで、上位機能部131が補助機器1を制御できるようにする。
以上に記載されたF/Eボード110、B/Eボード140及びナビボード150のそれぞれの一部又は全部は、例えば、図7(A)に示されているように、メモリ180と、メモリ180に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ181とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。
また、F/Eボード110、B/Eボード140及びナビボード150のそれぞれの一部又は全部は、例えば、図7(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路182で構成することもできる。
なお、図6に示されているドライバ部106についても、メモリ180及びプロセッサ181、又は、処理回路182で構成することができる。
図8は、実施の形態1において、CSMW111を介して、データを下位機能部133から上位機能部131に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。CSMW111は、機能部又はドライバ部との間で機器データの入出力を行う。具体的には、機能部にデータを提供する「機器データ通知」と、デバイスドライバ抽象化層からデータを取り込む「機器データ受信」の2つがあるが機能は同じである。APIとしては同期方式と非同期方式の両方が提供されるが、実施の形態1では同期方式で機器データを下位機能部133から上位機能部131へ渡す例を説明する。また、同期方式については、CSMW111に機器データが蓄積されていない場合の挙動として機器データを受信するまで待つ「ブロック」、指定時間まで待つ「タイムアウト(T/O)付きブロック」、待たずに即座にデータなしを返す「ブロック無し」の3つの挙動がある。
なお、ここでの下位機能部133は、図6に示したドライバ部106に相当する。
同期方式で機器データを下位機能部133から上位機能部131へ渡すにあたって、まず、CSMW111は、F/Eボード110に接続されている各種補助機器1の構成を把握するため、機器構成情報取得処理を行う。この際、接続されている各種補助機器1毎にCFGファイル170が用意されており、下位機能部133は、対応するCFGファイル170をロードする(S10)。
そしてCSMW111が実体を提供する機器登録処理を上位機能部131がコールし(S11)、機器登録メッセージ(登録命令)をCSMW111が受信する(S12)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示したフィルタ設定処理をコールし(S13)、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を取得する(S14)。シンボル情報は、変数及びAPI名とそのアドレスとを対応付けた情報である。
CSMW111は、このシンボル情報を取得して(S15)、取得されたシンボル情報とロードされたCFGファイル170とを比較して、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIを把握することが可能となる。例えば、CSMW111は、CFGファイル170で把握された変数及びAPI名と、シンボル情報に含まれている変数及びAPI名とを比較し、これらが一致した場合には、対応するアドレスから変数及びAPIを呼び出すことができるようになる。
続いて、CSMW111が実体を提供する機器開始処理を上位機能部131がコールし(S16)、機器開始メッセージ(開始命令)をCSMW111が受信する(S17)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示した機器受信開始処理をコールし(S18)、補助機器1からのデータ受信を開始するのに必要な処理を行う(S19)。
CSMW111は、FIFOバッファ生成処理を行い、上りFIFOバッファ134を生成する(S20)。
そして、機器受信開始処理(S19)を行った下位機能部は、機器データDDを受信してフィルタリング処理を行い(S21)、バッファ135に機器データDDをPUSHする(S22)。
さらに、CSMW111は、機器データリード処理をコールし(S23)、下位機能部のバッファ135にPUSHされた機器データDDをPULLして読み込み、機器データDDをCSMW111が取り込む(S24)。
所望の機器データDDを取り込んだCSMW111は、データ変換処理を行い(S25)、ステップS20で生成された上りFIFOバッファ134に機器データDDをPUSHする(S26)。
ここで上位機能部131は、CSMW111が実体を提供する機器データリード処理をポーリングで行い(S27)、上りFIFOバッファ134からPULLして機器データDDを取得する(S28)。
以上説明した実施の形態1によれば、下記(1)の効果が得られる。
(1)実施の形態では、車両制御システム100は、自動車MOに搭載された単眼カメラ2、ステレオカメラ3、ミリ波レーダ5、ソナー6又はLIDAR7といった各種補助機器1、これら各種補助機器1を動作させる機能部、及び、下位の機能部から上位の機能部へデータを受け渡すCSMW111から構成される。各種補助機器1は、自動車MOに搭載されているが、常に同じ機器に置換されるとは限らず、異なるバージョンの機器又は仕様の異なる他社の機器に置換されることもある。例えば、ミリ波レーダ5が他社製のミリ波レーダに置き換えられることもある。この場合、この補助機器1のCFGファイルに、この補助機器1を動作させるための構造体及びAPIを定義すれば、CSMW111は、起動時にそのCFGファイルを読み込むだけで、CSMW111及びその上位のセンサフュージョン112を変更することなく、上位機能部は下位機能部からの機器データを、同期方式で取得することができる。なお、この場合、この補助機器1のドライバ部に相当する下位機能部のみを改修するだけで、補助機器1の置換ができ、CSMW111の上位アプリケーションは変える必要がないため、様々な開発現場でドライバ部に相当する機能部のみを開発するだけで済む。このため、車両制御システム100は、アプリケーションサポートパッケージとして製品化することが可能である。
実施の形態2.
以下、実施の形態2における車両制御システム100の説明を行う。実施の形態2における車両制御システム100は、F/Eボード110と、F/Eボード110に接続された各種補助機器1と、B/Eボード140と、ナビボード150とを備え、実施の形態1と同様に構成されている。
但し、実施の形態2における車両制御システム100は、その処理において、実施の形態1と異なっている。
図9は、実施の形態2において、CSMW111を介して、機器制御データ(制御情報)を上位機能部131から下位機能部133に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。
CSMW111は、機能部及びデバイスドライバとの間で機器制御データの入出力を行う。具体的には、上位機能部131から機器制御データを受け取って下位機能部133に渡す「制御データ受信」と、CSMW111内部で共通データフォーマット変換した機器制御データを機能部又はデバイスドライバ抽象化層に出力する「制御データ出力」の2つがあるが機能は同じである。APIとしては、CSMW111は、上位機能部131には非同期方式を、下位機能部133には同期方式及び非同期方式の両方を提供するが、実施の形態2では同期方式で機器制御データを上位機能部131から下位機能部133へ渡す例を説明する。また、機器制御データは機器データの場合と異なり少量かつ低頻度であることが想定されるため、データ受け渡し方式はデータ保証方式のみとなる。
同期方式で機器制御データを上位機能部131から下位機能部133へ渡すにあたって、まず、CSMW111は、F/Eボード110に接続されている各種補助機器1の構成を把握するため、機器構成情報取得処理を行う。この際、接続されている各種補助機器1毎にCFGファイル170が用意されており、下位機能部133は、対応するCFGファイル170をロードする(S30)。
そしてCSMW111が実体を提供する機器登録処理を上位機能部131がコールし(S31)、機器登録メッセージをCSMW111が受信する(S32)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示したフィルタ設定処理をコールし(S33)、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を取得する(S34)。
CSMW111は、このシンボル情報を取得して(S35)、取得されたシンボル情報とロードされたCFGファイル170とを比較して、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIを把握することが可能となる。
続いて、CSMW111が実体を提供する機器開始処理を上位機能部131がコールし(S36)、機器開始メッセージをCSMW111が受信する(S37)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示した機器受信開始処理をコールし(S38)、補助機器1からのデータ受信を開始するのに必要な処理を行う(S39)。
上位機能部131は、CSMW111が実体を提供する機器制御データライト処理を行い、CSMW111は機器制御データDCDを書き込むメッセージ(書き込み命令)を受信する(S40)。
このようなメッセージを受信したCSMW111は、データ変換処理を行い(S41)、下りFIFOバッファ136に機器制御データDCDをPUSHする(S42)。
さらに、下位機能部133は、機器制御データリード処理をコールし(S43)、CSMW111は、下りFIFOバッファ136にPUSHされた機器制御データDCDをPULLして読み込み(S44)、機器制御データDCDを下位機能部133がポーリングして取り込む(S45)。
以上説明した実施の形態2によれば、上記(1)の効果の他に、下記(2)の効果が得られる。
(2)実施の形態2では、各種補助機器1は、自動車MOに搭載されているが、常に同じ機器に置換されるとは限らず、異なるバージョンの機器又は仕様の異なる他社の機器に置換されることもある。この場合、置換された機器のCFGファイル170にその機器を制御させるための構造体及びAPIを定義すれば、CSMW111は、起動時にこのCFGファイルを読み込むだけで、CSMW111及びその上位のセンサフュージョン112を変更することなく、下位機能部133は、上位機能部131からの機器制御データを、同期方式で取得することができる。なお、この場合、補助機器1のドライバ部に相当する下位機能部133のみを改修するだけで、補助機器1の置換ができ、CSMW111の上位アプリケーションは変える必要がないため、様々な開発現場でドライバ部に相当する機能部のみを開発するだけで済む。このため、車両制御システム100は、アプリケーションサポートパッケージとして製品化することが可能である。
実施の形態3.
以下、実施の形態3における車両制御システム100の説明を行う。実施の形態3における車両制御システム100は、F/Eボード110と、F/Eボード110に接続された各種補助機器1と、B/Eボード140と、ナビボード150とを備え、実施の形態1と同様に構成されている。
但し、実施の形態3における車両制御システム100は、その処理において、実施の形態1と異なっている。
図10は、実施の形態3において、CSMW111を介して、機器データを下位機能部133から上位機能部131に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。CSMW111は、機能部及びデバイスドライバとの間で機器データの入出力を行う。具体的には、機能部にデータを提供する「機器データ通知」と、デバイスドライバ抽象化層からデータを取り込む「機器データ受信」の2つがあるが機能は同じである。CSMW111は、APIとしては同期方式と非同期方式の両方を提供するが、実施の形態3では非同期方式で機器データを下位機能部133から上位機能部131へ渡す例を説明する。また、非同期方式については、データ取得毎に通知を行う逐次通知型と、周期的に複数のタイミングで受信したデータを一括して通知する周期型とが用意される。更にデータの受け渡し方式として、データの実体をデータ提供先が用意したメモリにコピーして渡すデータ保証型と、データ提供元が確保したメモリのアドレスを渡す速度優先型との2つの方式がある。速度優先型の場合、機器データの受信によりCSMW111内部のバッファが周回するまでが提供データの存続期間となる。
非同期方式で機器データを下位機能部133から上位機能部131へ渡すにあたって、まず、CSMW111は、F/Eボード110に接続されている各種補助機器1の構成を把握するため、機器構成情報取得処理を行う。この際、接続されている各種補助機器1毎にCFGファイル170が用意されており、下位機能部133は、対応するCFGファイル170をロードする(S50)。
そしてCSMW111が実体を提供する機器登録処理を上位機能部131がコールし(S51)、機器登録メッセージをCSMW111が受信する(S52)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示したフィルタ設定処理をコールし(S53)、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を取得する(S54)。
CSMW111は、このシンボル情報を取得して(S55)、取得されたシンボル情報とロードされたCFGファイル170とを比較して、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIを把握することが可能となる。
続いて、CSMW111が実体を提供する機器開始処理を上位機能部131がコールし(S56)、機器開始メッセージをCSMW111が受信する(S57)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示した機器受信開始処理をコールし(S58)、補助機器1からのデータ受信を開始するのに必要な処理を行う(S59)。
CSMW111は、FIFOバッファ生成処理を行い、上りFIFOバッファ134を生成する(S60)。
そして、ステップS59で機器受信開始処理を行った下位機能部133は、機器データを受信してフィルタリング処理を行う(S61)。
さらに、CSMW111は、CSMW111が実体を提供するコールバック通知処理をコールし、下位機能部133から機器データDDをCSMW111が取得する(S62)。
所望の機器データDDを取得したCSMW111は、データ変換処理を行い(S63)、ステップS60で生成された上りFIFOバッファ134に、機器データDDをPUSHする(S64)。
ここで上位機能部131は、CSMW111がインタフェース仕様を提示するコールバック通知処理を行い、上りFIFOバッファ134からPULLして機器データDDを取得する(S65)。
以上説明した実施の形態3によれば、上記(1)及び(2)の効果の他に、下記(3)の効果が得られる。
(3)各種補助機器1は、自動車MOに搭載されているが、常に同じ機器に置換されるとは限らず、異なるバージョンの機器又は仕様の異なる他社の機器に置換されることもある。この場合、置換された補助機器1のCFGファイル170にこの補助機器1を動作させるための構造体及びAPIを定義すれば、CSMW111は、起動時にCFGファイル170を読み込むだけで、CSMW111及びその上位のセンサフュージョン112を変更することなく、上位機能部131は、下位機能部133からの機器データを、非同期方式で取得することが可能となる。なお、この場合、この補助機器1のドライバ部に相当する下位機能部133のみを改修するだけで補助機器1の置換ができ、CSMW111の上位アプリケーションは変える必要がないため、様々な開発現場でドライバ部に相当する機能部のみを開発するだけで済む。このため、車両制御システム100は、アプリケーションサポートパッケージとして製品化することが可能である。
実施の形態4.
以下、実施の形態4における車両制御システム100の説明を行う。実施の形態4における車両制御システム100は、F/Eボード110と、F/Eボード110に接続された各種補助機器1と、B/Eボード140と、ナビボード150とを備え、実施の形態1と同様に構成されている。
但し、実施の形態4における車両制御システム100は、その処理において、実施の形態1と異なっている。
図11は、実施の形態4において、CSMW111を介して、機器制御データを上位機能部131から下位機能部133に渡す処理の一例を示すステートチャート図である。
CSMW111は、機能部及びデバイスドライバとの間で機器制御データの入出力を行う。具体的には、CSMW111は、機能部から機器制御データを受け取って機能部に渡す「制御データ受信」と、CSMW111内部で共通データフォーマット変換した機能制御データを機能部やデバイスドライバ抽象化層に出力する「制御データ出力」の2つがあるが機能は同じである。CSMW111は、APIとしては上位機能部131には非同期方式を、下位機能部133には同期方式及び非同期方式の両方を提供するが、実施の形態4では非同期方式で機器制御データを上位機能部131から下位機能部133へ渡す例を説明する。また、機器制御データは、機器データの場合と異なり少量かつ低頻度であることが想定されるため、データ受け渡し方式は、非同期方式についても逐次型のみとなる。
非同期方式で機器制御データを上位機能部131から下位機能部133へ渡すにあたって、まず、CSMW111は、F/Eボード110に接続されている各種補助機器1の構成を把握するため、機器構成情報取得処理を行う。この際、接続されている各種補助機器1毎にCFGファイル170が用意されており、下位機能部133は、対応するCFGファイル170をロードする(S70)。
そしてCSMW111が実体を提供する機器登録処理を上位機能部131がコールし(S71)、機器登録メッセージをCSMW111が受信する(S72)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示したフィルタ設定処理をコールし(S73)、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を取得する(S74)。
CSMW111は、このシンボル情報を取得して(S75)、取得されたシンボル情報とロードされたCFGファイル170とを比較して、機器動作に必要なメンバ変数及びAPIを把握することが可能となる。
続いて、CSMW111が実体を提供する機器開始処理を上位機能部131がコールし(S76)、機器開始メッセージをCSMW111が受信する(S77)。
下位機能部133は、CSMW111がインタフェース仕様を提示した機器受信開始処理をコールし(S78)、補助機器1からのデータ受信を開始するのに必要な処理を行う(S79)。
上位機能部131は、CSMW111が実体を提供する機器制御データライト処理を行い、CSMW111は機器制御データDCDを書き込むメッセージを受信する(S80)。
このようなメッセージを受信したCSMW111は、データ変換処理を行い(S81)取得した機器制御データDCDを逐次方式で通知する(S82)。
さらに、下位機能部133は、機器制御データライト処理をコールし、通知された機器制御データDCDを自身に書き込んで取得する(S83)。
以上説明した実施の形態4によれば、上記(1)〜(3)の効果の他に、下記(4)の効果が得られる。
(4)各種補助機器1は、自動車MOに搭載されているが、常に同じ機器に置換されるとは限らず、異なるバージョンの機器又は仕様の異なる他社の機器に置換されることもある。この場合、置換された補助機器1のCFGファイル170にこの補助機器1を制御させるための構造体及びAPIを定義すれば、CSMW111は、起動時にCFGファイル170を読み込むだけで、CSMW111及びその上位のセンサフュージョン112を変更することなく、下位機能部133は、上位機能部131からの機器制御データを、非同期方式で取得することが可能となる。なお、この場合、補助機器1のドライバ部に相当する下位機能部133のみを改修するだけで補助機器1の置換ができ、CSMW111の上位アプリケーションは変える必要がないため、様々な開発現場でドライバ部に相当する機能部のみを開発するだけで済む。このため、車両制御システム100は、アプリケーションサポートパッケージとして製品化することが可能である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することが出来る。
1 補助機器、 2 単眼カメラ、 3 ステレオカメラ、 4 側方ソナー、 5 ミリ波レーダ、 6 ソナー、 7 LIDAR、 100 車両制御システム、 101 CAN、 102 イーサネット、 105 制御装置、 106 ドライバ部、 110 F/Eボード、 111 CSMW、 112 センサフュージョン、 140 B/Eボード、 150 ナビボード、 180 メモリ、 181 プロセッサ、 182 処理回路。

Claims (5)

  1. 補助機器を接続し、当該補助機器から得られる情報に基づいて制御を行う制御装置であって、
    前記補助機器を動作させるための変数及びAPI名を示すコンフィギュレーションファイルを有するとともに、前記補助機器を動作させるために必要な変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を生成するドライバ部と、
    前記補助機器が接続された際に、前記ドライバ部から前記コンフィギュレーションファイルを取得するとともに、前記ドライバ部からの前記シンボル情報を参照して、前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性を確認し、前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性が確認できた場合に、前記シンボル情報に記載された変数及びAPIを使用して、前記補助機器を動作させるミドルウェア部と、を備えること
    を特徴とする制御装置。
  2. 前記補助機器から得られる情報を用いて処理を行う上位機能部をさらに備え、
    前記ミドルウェア部は、
    前記補助機器が接続された際に、前記ドライバ部から前記コンフィギュレーションファイルを取得し、
    前記上位機能部からの登録命令に応じて、前記ドライバ部から前記シンボル情報を参照して、前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性を確認し、
    前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性が確認できた場合に、前記上位機能部からの開始命令に応じて、前記シンボル情報に記載された変数及びAPIを使用して、前記補助機器を動作させて、前記補助機器から得られた情報を前記上位機能部に与えること
    を特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記ミドルウェア部は、前記上位機能部からの書き込み命令に応じて、前記上位機能部からの制御情報を前記ドライバ部に与えること
    を特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記コンフィギュレーションファイルには、前記補助機器の実行ファイルのパスが含まれており、
    前記ミドルウェア部は、前記コンフィギュレーションファイルに含まれているパスから前記実行ファイルを読み込むこと
    を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の制御装置。
  5. 接続された補助機器を制御する制御方法であって、
    前記補助機器が接続された際に、前記補助機器を動作させるための変数及びAPI名を示すコンフィギュレーションファイルを取得し、
    前記補助機器を動作させるために必要な変数及びAPIのシンボルが記載されたシンボル情報を生成し、
    前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性を確認し、
    前記コンフィギュレーションファイルと前記シンボル情報との整合性が確認できた場合に、前記シンボル情報に記載された変数及びAPIを使用して、前記補助機器を動作させること
    を特徴とする制御方法。
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