(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力変換システム10の構成を示す構成図である。なお、図面における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
電力変換システム10は、制御装置1、3つの連系変圧器2a,2b,2c、3つの単相順変換器3a,3b,3c、3つの交流電流検出器4Ia,4Ib,4Ic、及び、3つの交流電圧検出器4Va,4Vb,4Vcを備える。電力変換システム10は、三相交流の電力系統7から供給される交流電力に基づいて、3つの直流負荷8a,8b,8cにそれぞれ直流電力を供給する。
電力系統7から供給される三相交流電力は、A相、B相及びC相からなる。
単相順変換器3a〜3cの交流側は、それぞれ連系変圧器2a〜2cを介して、電力系統7の各相間に接続される。単相順変換器3aの交流側の2つの端子は、それぞれ電力系統7のA相及びB相に接続される。単相順変換器3bの交流側の2つの端子は、それぞれ電力系統7のB相及びC相に接続される。単相順変換器3cの交流側の2つの端子は、それぞれ電力系統7のC相及びA相に接続される。
単相順変換器3a〜3cの直流側には、それぞれ直流負荷8a〜8cが接続される。単相順変換器3a〜3cは、基本動作として、それぞれ電力系統7から供給される線間の単相交流電力を直流電力に変換(順変換)して、直流負荷8a〜8cに供給する。単相順変換器3a〜3cは、直流電力を交流電力に変換する逆変換機能を有し、無効電力を制御する。
単相順変換器3a〜3cは、4つの半導体スイッチ31a,31b,31c,31d及び直流コンデンサ32により電力変換回路が構成される。各半導体スイッチ31a〜31dは、スイッチング素子とこのスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオードで構成される。半導体スイッチ31a及び半導体スイッチ31bは、直列に接続される。半導体スイッチ31c及び半導体スイッチ31dは、直列に接続される。2組の直列に接続された半導体スイッチ31a〜31dは、並列に接続される。2組の直列に接続された半導体スイッチ31a〜31dと並列に直流コンデンサ32が接続される。
一方の直列に接続された半導体スイッチ31a,31bの接続点と、もう一方の直列に接続された半導体スイッチ31c,31dの接続点は、連系変圧器2a〜2cにそれぞれ接続される。単相順変換器3a〜3cは、これらの接続点から連系変圧器2a〜2cを介して交流電力が入力される。2組の直列に接続された半導体スイッチ31a〜31dを並列に接続する配線には、直流負荷8a〜8cが接続される。単相順変換器3a〜3cは、これらの配線から直流負荷8a〜8cに直流電力を供給する。
交流電流検出器4Ia〜4Icは、電力系統7からそれぞれの単相順変換器3a〜3cに流れる電流I1,I2,I3を検出する。交流電流検出器4Ia〜4Icは、それぞれ検出した電流I1〜I3を制御装置1に出力する。
交流電圧検出器4Va〜4Vcは、電力系統7からそれぞれの単相順変換器3a〜3cに印加される電圧V1,V2,V3を検出する。交流電圧検出器4Va〜4Vcは、それぞれ検出した電圧V1〜V3を制御装置1に出力する。
制御装置1は、交流電流検出器4Ia〜4Icにより検出された電流I1〜I3及び交流電圧検出器4Va〜4Vcにより検出された電圧V1〜V3に基づいて、単相順変換器3a〜3cを制御する。
図2は、本実施形態に係る制御装置1の構成を示す構成図である。
制御装置1は、3つの制御部11a,11b,11c、及び、3つの無効電力補償量演算部12a,12b,12cを備える。
制御部11aには、交流電流検出器4Iaにより検出される電流I1、交流電圧検出器4Vaにより検出される電圧V1、及び、他の2つの無効電力補償量演算部12b,12cによりそれぞれ演算される無効電力補償量Q21,Q31が入力される。制御部11aは、電流I1、電圧V1、及び、2つの無効電力補償量Q21,Q31に基づいて、単相順変換器3aを制御する。制御部11aは、単相順変換器3aを構成する半導体スイッチ31a〜31dをスイッチング制御するためのゲート信号を各半導体スイッチ31a〜31dに出力する。これにより、制御部11aは、単相順変換器3aによる電力変換を制御する。
制御部11bには、交流電流検出器4Ibにより検出される電流I2、交流電圧検出器4Vbにより検出される電圧V2、及び、他の2つの無効電力補償量演算部12a,12cによりそれぞれ演算される無効電力補償量Q11,Q32が入力される。制御部11bは、電流I2、電圧V2、及び、2つの無効電力補償量Q11,Q32に基づいて、単相順変換器3bを制御する。制御部11bは、制御部11aと同様に、単相順変換器3bによる電力変換を制御する。
制御部11cには、交流電流検出器4Icにより検出される電流I3、交流電圧検出器4Vcにより検出される電圧V3、及び、他の2つの無効電力補償量演算部12a,12bによりそれぞれ演算される無効電力補償量Q12,Q22が入力される。制御部11cは、電流I3、電圧V3、及び、2つの無効電力補償量Q12,Q22に基づいて、単相順変換器3cを制御する。制御部11cは、制御部11aと同様に、単相順変換器3cによる電力変換を制御する。
無効電力補償量演算部12a〜12cは、それぞれの単相順変換器3a〜3cに供給される交流電力に基づいて、電力系統7の三相交流電力の三相平衡を保つための無効電力補償量Q11,Q12,Q21,Q22,Q31,Q32を演算する。無効電力補償量演算部12a〜12cは、演算した無効電力補償量Q11〜Q32を、無効電力補償を要求する制御部11a〜11cにそれぞれ出力する。
以降では、制御部11a及び無効電力補償量演算部12aについて主に説明し、他の2つの制御部11b,11c及び他の2つの無効電力補償量演算部12b,12cについては、これらの対称性を考慮して同様に構成されているものとして説明を省略する。また、主に単相順変換器3aから直流負荷8aに直流電力を供給する場合について説明する。3つの単相順変換器3a〜3cからそれぞれ直流負荷8a〜8cを供給する場合については、重ね合わせの理を用いることで、同様に説明される。
今、単相順変換器3aから直流負荷8aに1pu(per unit)の直流電力が供給され、他の2つの単相順変換器3b,3cからは直流負荷8b,8cに直流電力が供給されていない場合について説明する。この場合、単相順変換器3aは、電力系統7から1puの有効電力を受電し、その他の単相順変換器3b,3cは、有効電力を受電しない。
制御部11aは、電流I1及び電圧V1に基づいて、直流負荷8aに直流電力を供給するように、単相順変換器3aを制御する。単相順変換器3aから直流負荷8aに直流電力が供給されると、電力系統7から連系変圧器2aを介して単相順変換器3aに電流I1が流れる。連系変圧器2aは、電力系統7のA相及びB相に接続されているため、電流I1は、A−B相間電圧と同位相となる。したがって、電流I1は、A相の相電圧Va及びB相の相電圧Vbとは30度ずれた位相となる。図3は、このときの各相電流の状態をベクトルで表したものである。この状態は、力率が悪く、かつ、三相が不平衡になるため、電力系統7にとっては、不都合な状態である。
無効電力補償量演算部12aは、電流I1及び電圧V1に基づいて、単相順変換器3aに有効電力が供給されることにより生じた三相不平衡の状態を三相平衡の状態にするための2つの無効電力補償量Q11,Q12を演算する。無効電力補償量演算部12aは、演算した2つの無効電力補償量Q11,Q12をそれぞれ制御部11b,11cに送信する。
無効電力補償量演算部12bは、無効電力補償量演算部12aと同様に演算した2つの無効電力補償量Q21,Q22をそれぞれ制御部11a,11cに送信する。無効電力補償量演算部12cは、無効電力補償量演算部12aと同様に演算した2つの無効電力補償量Q31,Q32をそれぞれ制御部11a,11bに送信する。
無効電力補償量Q11は、単相順変換器3bに無効電力の補償を要求するための値である。具体的には、無効電力補償量Q11は、単相順変換器3aに流れる電流I1の1/√3の大きさの電流I2が流れるように、単相順変換器3bから容量性無効電力を出力させるための値である。
無効電力補償量Q12は、単相順変換器3cに無効電力の補償を要求するための値である。具体的には、無効電力補償量Q12は、単相順変換器3aに流れる電流I1の1/√3の大きさの電流I3が流れるように、単相順変換器3cから誘導性無効電力を出力させるための値である。
図4は、単相順変換器3aから直流電力が出力され、単相順変換器3b,3cにより無効電力が補償された場合の電力系統7の相電流Ia,Ib,Icの状態をベクトルで表したベクトル図である。
図4を参照して、無効電力が補償された各相電流Ia〜Icについて説明する。なお、ここで説明する演算は、全てベクトル演算である。
A相の電流Iaは、単相順変換器3aの電流I1から単相順変換器3cの電流I3を減算したものになる。このように演算されたA相の電流Iaは、単相順変換器3aの電流I1の1/√3の大きさで、A相の相電圧と同位相となる。
B相の電流Ibは、単相順変換器3bの電流I2から単相順変換器3aの電流I1を減算したものになる。このように演算されたB相の電流Ibは、単相順変換器3aの電流I1の1/√3の大きさで、B相の相電圧と同位相となる。
C相の電流Icは、単相順変換器3cの電流I3から単相順変換器3bの電流I2を減算したものになる。このように演算されたC相の電流Icは、単相順変換器3aの電流I1の1/√3の大きさで、C相の相電圧と同位相となる。
これらのことから、無効電力補償された各相電流Ia〜Icは、それぞれの相電圧と同位相になり、大きさが等しくなる。したがって、電力系統7の三相交流は、力率が1となり、かつ、三相平衡となる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
単相順変換器3aが直流電力を出力している場合に、他の2つの単相順変換器3b,3cは、直流電力を出力していなくても、有効電力を制御することはできないが、無効電力を制御することはできる。したがって、単相順変換器3aのみが直流電力を出力している場合であっても、単相順変換器3aが設けられた相間以外の相間に設けられた他の2つの単相順変換器3b,3cにより無効電力を補償することで、電力系統7から見ると、3つの単相順変換器3a〜3cを三相平衡した力率1の負荷として運転することができる。
また、3つの単相順変換器3a〜3cがそれぞれ異なる直流電力を出力している場合についても、直流電力を出力しているそれぞれの単相順変換器3a〜3cについて、上述したように、他の単相順変換器3a〜3cで無効電力を補償するように制御すれば、重ね合わせの理により、電力系統7の三相平衡状態を保つことができる。なお、直流負荷8a〜8cは、回生電力を生じる負荷であってもよい。この場合も同様に、回生電力が生じた単相順変換器に対して、他の2つの単相順変換器で無効電力を補償することで、三相平衡状態を保つことができる。
(第2の実施形態)
図5は、本実施形態に係る制御装置1Aの構成を示す構成図である。
本実施形態は、図1に示す第1の実施形態に係る電力変換システム10において、制御装置1を制御装置1Aに代えたものである。制御装置1Aは、図2に示す第1の実施形態に係る制御装置1において、無効電力補償量演算部12a,12b,12cをそれぞれ無効電力補償量演算部12aA,12bA,12cAに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
無効電力補償量演算部12aAは、電流I1及び電圧V1に基づいて、単相順変換器3aから出力される無効電力を演算する。無効電力補償量演算部12aAは、演算した無効電力を他の2つの単相順変換器3b,3cからも出力させるように、第1の実施形態で求めた無効電力補償量Q11,Q12にこの演算した無効電力をそれぞれ加えた無効電力補償量Q11A,Q12Aを求める。無効電力補償量演算部12aAは、求めた無効電力補償量Q11A,Q12Aをそれぞれ制御部11b,11cに送信する。これにより、制御部11b,11cは、単相順変換器3aから出力される有効電力に応じた無効電力を補償するとともに、単相順変換器3aと同じ無効電力をそれぞれ他の単相順変換器3b,3cから出力させるように制御する。
同様に、無効電力補償量演算部12bAは、制御部11a,11cにそれぞれ送信する無効電力補償量Q21A,Q22Aを求め、無効電力補償量演算部12cAは、制御部11a,11bにそれぞれ送信する無効電力補償量Q31A,Q32Aを求める。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
各単相順変換器3a〜3cは、自己が出力する有効電力を補償するように、他の2つの単相順変換器3a〜3cから無効電力を出力させるとともに、自己が出力する無効電力と同じ無効電力を他の2つの単相順変換器3a〜3cから出力させることで、電力系統7の各相電圧調整をし、相電圧間のバランスを保つことができる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る電力変換システム10Bの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Bは、図1に示す第1の実施形態に係る電力変換システム10において、単相順変換器3a,3b,3cをそれぞれ単相順変換器3aB,3bB,3cBに代え、制御装置1を制御装置1Bに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
単相順変換器3aB〜3cBは、3レベル変換器である。単相順変換器3aB〜3cBは、8つの半導体スイッチ31e,31f,31g,31h,31i,31j,31k,31l、2つの直流コンデンサ32a,32b、及び、4つのダイオード33a,33b,33c,33dにより電力変換回路が構成される。なお、ここでは、単相順変換器3aB〜3cBが3レベル変換器の構成について説明するが、単相順変換器3aB〜3cBは、3以上のいくつのレベルの多レベル変換器を用いてもよい。
4つの半導体スイッチ31e,31f,31g,31hは、この順に正極側から位置し、直列に接続される。4つの半導体スイッチ31i,31j,31k,31lは、この順に正極側から位置し、直列に接続される。2つの直流コンデンサ32a,32bは、この順に正極側から位置し、直列に接続される。2組の直列に接続された半導体スイッチ31e〜31h,31i〜31l及び直列に接続された直流コンデンサ32a,32bは、並列に接続される。
2つのダイオード33a,33bは、この順に正極側から位置し、負極側から正極側に電流が流れるように直列に接続される。2つのダイオード33c,33dは、この順に正極側から位置し、負極側から正極側に電流が流れるように直列に接続される。直列に接続されたダイオード33a,33bは、直列に接続された4つの半導体スイッチ31e〜31hのうち内側に位置する2つの半導体スイッチ31f,31gと並列に接続される。直列に接続されたダイオード33c,33dは、直列に接続された4つの半導体スイッチ31i〜31lのうち内側に位置する2つの半導体スイッチ31j,31kと並列に接続される。2つの直流コンデンサ32a,32bの接続点、2つのダイオード33a,33bの接続点、及び、2つのダイオード33c,33dの接続点は、中性点として1つに接続される。
一方の内側に位置する2つの半導体スイッチ31f,31gを接続する接続点と、もう一方の内側に位置する2つの半導体スイッチ31j,31kを接続する接続点は、連系変圧器2a〜2cにそれぞれ接続される。2組の直列に接続された半導体スイッチ31e〜31h,31i〜31lを並列に接続する配線には、直流負荷8a〜8cが接続される。
制御装置1Bは、単相順変換器3aB〜3cBをそれぞれ構成する半導体スイッチ31e〜31lをスイッチング制御するためのゲート信号を各単相順変換器3aB〜3cBの各半導体スイッチ31e〜31lに出力する。これにより、制御装置1Bは、単相順変換器3aB〜3cBによる電力変換をそれぞれ制御する。その他の点は、第1の実施形態に係る制御装置1と同様である。
本実施形態によれば、第1の実施形態における単相順変換器3a〜3cの代わりに多レベルの単相順変換器3aB〜3cBで構成することにより、第1の実施形態による作用効果に加え、高調波の発生を抑制することができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る電力変換システム10Cの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Cは、図6に示す第3の実施形態に係る電力変換システム10Bにおいて、制御装置1Bを制御装置1Cに代えたものである。その他の点は、第3の実施形態と同様である。
制御装置1Cは、図5に示す第2の実施形態に係る制御装置1Aと同様の構成である。制御装置1Cは、単相順変換器3a〜3cの代わりに多レベルの単相順変換器3aB〜3cBを制御する。その他の点については、制御装置1Cは、第2の実施形態に係る制御装置1Aと同様である。
本実施形態によれば、第3の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
各単相順変換器3aB〜3cBは、自己が出力する有効電力を補償するように、他の2つの単相順変換器3aB〜3cBから無効電力を出力させるとともに、自己が出力する無効電力と同じ無効電力を他の2つの単相順変換器3aB〜3cBから出力させることで、電力系統7の各相電圧調整をし、相電圧間のバランスを保つことができる。
(第5の実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係る電力変換システム10Dの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Dは、図1に示す第1の実施形態に係る電力変換システム10において、3つの単相逆変換器5a,5b,5cを追加し、制御装置1の代わりに制御装置1Dを設け、3つの直流負荷8a〜8cの代わりに1つの三相交流負荷9に電力供給するようにしたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
単相逆変換器5a〜5cの直流側は、それぞれ単相順変換器3a〜3cの直流側と接続される。3つの単相逆変換器5a〜5cの交流側は、三相結線で接続され、三相交流負荷9と接続される。
単相逆変換器5a〜5cは、4つの半導体スイッチ51a,51b,51c,51d及び直流コンデンサ52により電力変換回路が構成される。各半導体スイッチ51a〜51dは、スイッチング素子及びスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオードで構成される。半導体スイッチ51a及び半導体スイッチ51bは、直列に接続される。半導体スイッチ51c及び半導体スイッチ51dは、直列に接続される。2組の直列に接続された半導体スイッチ51a〜51dは、並列に接続される。2組の直列に接続された半導体スイッチ51a〜51dと並列に直流コンデンサ52が接続される。
3つの単相逆変換器5a〜5cのそれぞれの直列に接続された半導体スイッチ51a,51bの接続点は、中性点として1つに接続される。3つの単相逆変換器5a〜5cのそれぞれの直列に接続された半導体スイッチ51c,51dの接続点は、三相交流負荷9の各相の端子にそれぞれ接続される。
単相逆変換器5a〜5cは、それぞれ単相順変換器3a〜3cから供給される直流電力を三相交流負荷9に供給するための各相の単相交流電力に変換する。単相逆変換器5a〜5cの交流側が三相結線されていることにより、3つの単相逆変換器5a〜5cから三相交流負荷9に三相交流電力が供給される。なお、単相逆変換器5a〜5cは、三相交流負荷9からの回生電力を直流電力に変換し、単相順変換器3a〜3cに供給してもよい。
制御装置1Dは、図2に示す第1の実施形態に係る制御装置1において、さらに、3つの単相逆変換器5a〜5cをそれぞれ制御するようにしたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る制御装置1と同様である。
制御装置1Dは、単相逆変換器5a〜5cから出力される交流電力を制御する。制御装置1Dは、直流電圧、直流電流、交流電流(負荷電流)、又は、交流電圧(負荷電圧)の少なくとも1つに基づいて、単相逆変換器5a〜5cを制御する。
本実施形態によれば、3つの単相順変換器3a〜3cから単相逆変換器5a〜5cを介して、三相交流負荷9に三相交流電力を供給する場合でも、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。したがって、三相交流負荷9に供給する三相交流電力が三相不平衡でも、電力系統7から見た単相順変換器3a〜3cに供給される負荷電力を三相平衡状態に保つことができる。
なお、単相順変換器3a〜3cは、第3の実施形態と同様に、多レベル変換器である単相順変換器3aB〜3cBにしてもよい。同様に、単相逆変換器5a〜5cについても、単相順変換器3aB〜3cBと同様の多レベル変換器にしてもよい。これにより、高調波の発生を抑制することができる。
(第6の実施形態)
図9は、本発明の第6の実施形態に係る電力変換システム10Eの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Eは、図1に示す第1の実施形態に係る電力変換システム10において、3つの連系変圧器2d,2e,2f、3つの単相順変換器3d,3e,3f、3つの交流電流検出器4Id,4Ie,4If、及び、3つの交流電圧検出器4Vd,4Ve,4Vfを追加し、制御装置1を制御装置1Eに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
単相順変換器3d〜3fの交流側は、それぞれ連系変圧器2d〜2fを介して、電力系統7に接続される。単相順変換器3dの交流側の2つの端子は、それぞれ電力系統7のA相及びC相に接続される。単相順変換器3eの交流側の2つの端子は、それぞれ電力系統7のB相及びA相に接続される。単相順変換器3fの交流側の2つの端子は、それぞれ電力系統7のC相及B相に接続される。
電力系統7の互いに異なる相間に設けられた2つの単相順変換器3a〜3fが1組として構成される。単相順変換器3dの直流側は、単相順変換器3aの直流側と並列に接続される。これにより、2つの単相順変換器3a,3dは、直流負荷8aに直流電力を供給する。単相順変換器3eの直流側は、単相順変換器3bの直流側と並列に接続される。これにより、2つの単相順変換器3b,3eは、直流負荷8bに直流電力を供給する。単相順変換器3fの直流側は、単相順変換器3cの直流側と並列に接続される。これにより、2つの単相順変換器3c,3fは、直流負荷8cに直流電力を供給する。
単相順変換器3d〜3fの電力変換回路の構成は、単相順変換器3aと同様である。
交流電流検出器4Id〜4Ifは、電力系統7からそれぞれの単相順変換器3d〜3fに流れる電流I4,I5,I6を検出する。交流電流検出器4Id〜4Ifは、それぞれ検出した電流I4〜I6を制御装置1Eに出力する。
交流電圧検出器4Vd〜4Vfは、電力系統7からそれぞれの単相順変換器3d〜3fに印加される電圧V4,V5,V6を検出する。交流電圧検出器4Vd〜4Vfは、それぞれ検出した電圧V4〜V6を制御装置1Eに出力する。
制御装置1Eは、交流電流検出器4Ia〜4Ifにより検出された電流I1〜I6及び交流電圧検出器4Va〜4Vfにより検出された電圧V1〜V6に基づいて、単相順変換器3a〜3fを制御する。
図10は、本実施形態に係る制御装置1Eの構成を示す構成図である。
制御装置1Eは、第1負荷用制御部C1、第2負荷用制御部C2、及び、第3負荷用制御部C3を備える。第1負荷用制御部C1は、主に直流負荷8aに直流電力を供給するために、2つの単相順変換器3a,3dで構成される第1組の単相順変換器3a,3dを制御する。第2負荷用制御部C2は、主に直流負荷8bに直流電力を供給するために、2つの単相順変換器3b,3eで構成される第2組の単相順変換器3b,3eを制御する。第3負荷用制御部C3は、主に直流負荷8cに直流電力を供給するために、2つの単相順変換器3c,3fで構成される第3組の単相順変換器3c,3fを制御する。
なお、以降では、主に、第1負荷用制御部C1について説明し、第2負荷用制御部C2及び第3負荷用制御部C3については、対称性を考慮して、同様に構成されているものとして、説明を省略する。
第1負荷用制御部C1は、2つの制御部11a,11d、有効電力制御部13C1、及び、循環電力演算部14C1を備える。
有効電力制御部13C1には、2つの交流電流検出器4Ia,4Idにより検出された電流I1,I4及び2つの交流電圧検出器4Va,4Vdにより検出された電圧V1,V4が入力される。有効電力制御部13C1は、電流I1,I4及び電圧V1,V4に基づいて、第1組の単相順変換器3a,3dにそれぞれ供給される有効電力P1,P4が等分になるように、2つの有効電力P1,P4を求める。具体的には、第1組の単相順変換器3a,3dから直流負荷8aに供給される直流電力を1puとすると、有効電力制御部13C1は、電力系統7から第1組の単相順変換器3a,3dにそれぞれ供給される有効電力P1,P4が1/2puとなるようにする。
循環電力演算部14C1には、第1組の単相順変換器3a,3dに供給される合計の有効電力が有効電力制御部13C1から入力される。循環電力演算部14C1は、第1組の単相順変換器3a,3dに有効電力が供給されることにより生じた三相不平衡の状態を三相平衡の状態にするために、第2組の単相順変換器3b,3e及び第3組の単相順変換器3c,3fで循環させるためのそれぞれの有効電力P12,P15,P13,P16を演算する。循環電力演算部14C1は、演算した有効電力P12,P15,P13,P16をそれぞれ第2負荷用制御部C2及び第3負荷用制御部C3に出力する。
第2負荷用制御部C2においても、循環電力演算部14C1と同様に、三相平衡の状態にするために循環させるための有効電力P21,P24,P23,P26を演算して、第1負荷用制御部C1及び第3負荷用制御部C3に出力する。
第3負荷用制御部C3においても、循環電力演算部14C1と同様に、三相平衡の状態にするために循環させるための有効電力P31,P34,P32,P35を演算して、第1負荷用制御部C1及び第2負荷用制御部C2に出力する。
制御部11aには、有効電力制御部13C1により演算された有効電力P1、及び、第2負荷用制御部C2並びに第3負荷用制御部C3により循環電力演算部14C1と同様にそれぞれ演算された有効電力P21,P31が入力される。制御部11aは、入力された3つの有効電力P1,P21,P31の総和の有効電力が単相順変換器3aに供給されるように、単相順変換器3aを制御する。制御部11aは、第1の実施形態と同様に、ゲート信号を出力することにより、単相順変換器3aを制御する。
制御部11dには、有効電力制御部13C1により演算された有効電力P4、及び、第2負荷用制御部C2並びに第3負荷用制御部C3により循環電力演算部14C1と同様にそれぞれ演算された有効電力P24,P34が入力される。制御部11dは、入力された3つの有効電力P4,P24,P34の総和の有効電力が単相順変換器3dに供給されるように、単相順変換器3dを制御する。制御部11dは、制御部11aと同様に、ゲート信号を出力することにより、単相順変換器3dを制御する。
次に、第1組の単相順変換器3a,3dから直流負荷8aに1puの直流電力を供給し、第2組の単相順変換器3b,3e及び第3組の単相順変換器3c,3fからは直流負荷8b,8cに直流電力を供給していない場合について説明する。
直流電力を供給している第1組の単相順変換器3a,3dには、それぞれ1/2puの有効電力が電力系統7から単相順変換器3a,3dの向きに供給される。
第2組の単相順変換器3bには、1/6puの有効電力が電力系統7から供給され、単相順変換器3bに供給された1/6puの有効電力を単相順変換器3eから電力系統7に戻すように有効電力を循環させる。
第3組の単相順変換器3fには、1/6puの有効電力が電力系統7から供給され、単相順変換器3fに供給された1/6puの有効電力を単相順変換器3cから電力系統7に戻すように有効電力を循環させる。
図11及び図12は、第1組の単相順変換器3a,3dから1puの直流電力が出力され、第2組の単相順変換器3b,3e及び第3組の単相順変換器3c,3fからは直流電力が出力されていない場合の電力系統7の相電流の状態をベクトルで表したベクトル図である。図11は、三相平衡にする制御が行われる前の三相不平衡状態を表している。図12は、三相平衡にする制御後の状態を表している。
図11の電流の状態について説明する。
第1組の2つの単相順変換器3a,3dが分担して、1puの直流電力を出力することにより、電力系統7から単相順変換器3a,3dにそれぞれ電流I1,I4が流れる。これにより、電力系統7のA相とB相の間に1/2pu相当の電流I1が流れ、電力系統7のA相とC相の間に1/2pu相当の電流I4が流れる。A相とB相の間に流れる電流I1は、A−B相間電圧と同位相になる。A相とC相の間に流れる電流I4は、C−A相間電圧と同位相になる。
電力系統7のA相の電流Iaは、2つの電流I1,I4の和となる。電力系統7のB相の電流Ibは、電流I1に等しい振幅で逆位相となる。電力系統7のC相の電流Icは、電流I4に等しい振幅で逆位相となる。図11に示すこの状態は、三相不平衡である。さらに、B相の電流Ib及びC相の電流Icは、相電圧に対して同相ではなく、力率1にはならない。
図12の電流の状態について説明する。なお、ここで説明する演算は、全てベクトル演算である。
A相の電流Iaは、第1組の2つの単相順変換器3a,3dの電流I1,I4の和から第2組の単相順変換器3eの電流I5と第3組の単相順変換器3cの電流I3を減算したものになる。また、A相の電流Iaは、A相の電圧と同位相になる。
B相の電流Ibは、第2組の2つの単相順変換器3b,3eの電流I2,I5の和から第1組の単相順変換器3aの電流I1と第3組の単相順変換器3fの電流I6を減算したものになる。また、B相の電流Ibは、B相の電圧と同位相になる。
C相の電流Icは、第3組の2つの単相順変換器3c,3fの電流I3,I6の和から第1組の単相順変換器3dの電流I4と第2組の単相順変換器3bの電流I2を減算したものになる。また、C相の電流Icは、C相の電圧と同位相になる。
これらのことから、直流電力を出力していない他の組の単相順変換器3b,3e,3c,3fにより、有効電力を循環させることにより、各相電流Ia〜Icは、それぞれの相電圧と同位相になり、大きさが等しくなる。したがって、電力系統7の三相交流は、力率が1となり、かつ、三相平衡となる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
第1組の単相順変換器3a,3dが直流電力を出力している場合に、他の組の単相順変換器3b,3e,3c,3fは、直流電力を出力していなくても、有効電力を循環させることはできる。したがって、第1組の単相順変換器3a,3dのみが直流電力を出力している場合であっても、他の組の単相順変換器3b,3e,3c,3fにより、第1組の単相順変換器3a,3dに供給される有効電力に対応して、有効電力を循環させることで、電力系統7から見ると、全ての組の単相順変換器3a〜3fを三相平衡した力率1の負荷として運転することができる。また、第2組の単相順変換器3b,3e又は第3組の単相順変換器3c,3fのいずれか1組のみが直流電力を出力している場合についても、同様に制御することができる。
また、3組の単相順変換器3a〜3fがそれぞれ異なる直流電力を出力している場合についても、直流電力を出力しているそれぞれの組の単相順変換器3a〜3fについて、他の組の単相順変換器3a〜3fで有効電力を循環させるように制御すれば、重ね合わせの理により、電力系統7の三相平衡状態を保つことができる。なお、直流負荷8a〜8cは、回生電力を生じる負荷であってもよい。この場合も同様に、回生電力が生じた組の単相順変換器3a〜3fに対して、他の組の単相順変換器3a〜3fで有効電力を循環させることで、三相平衡状態を保つことができる。
(第7の実施形態)
図13は、本発明の第7の実施形態に係る電力変換システム10Fの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Fは、図9に示す第6の実施形態に係る電力変換システム10Eにおいて、単相順変換器3a〜3fを単相順変換器3aF〜3fFに代え、制御装置1Eを制御装置1Fに代えたものである。その他の点は、第6の実施形態と同様である。
単相順変換器3aF〜3fFは、図6に示す第3の実施形態に係る電力変換システム10Bにおける3レベル変換器である単相順変換器3aB〜3cBと同様の電力変換回路で構成される。
制御装置1Fは、3レベル変換器である単相順変換器3aF〜3fFを制御する点以外は、第6の実施形態に係る制御装置1Eと同様である。
本実施形態によれば、第6の実施形態における単相順変換器3a〜3cの代わりに多レベルの単相順変換器3aF〜3fFで構成することにより、第6の実施形態による作用効果に加え、高調波の発生を抑制することができる。
(第8の実施形態)
図14は、本発明の第8の実施形態に係る電力変換システム10Gの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Gは、図8に示す第5の実施形態に係る電力変換システム10Dにおいて、3つの単相逆変換器5d,5e,5f及び3つの変圧器6a,6b,6cを追加し、制御装置1Dを制御装置1Gに代えたものである。その他の点は、第5の実施形態と同様である。
単相逆変換器5d〜5fは、単相逆変換器5a〜5cと同様の電力変換回路で構成される。単相逆変換器5d〜5fの直流側は、それぞれ単相逆変換器5a〜5cの直流側と並列に接続される。これにより、1組を2つで構成する3組の単相逆変換器5a〜5fが構成される。
変圧器6a〜6cは、第1の巻線及び第2の巻線で構成される絶縁変圧器である。変圧器6a〜6cの1次側(第1の巻線)の2つの端子のうち一方の端子は、単相逆変換器5a〜5cの交流側の中性点でない方の端子に接続される。変圧器6a〜6cの1次側のもう一方の端子は、三相交流負荷9の各相にそれぞれ接続される。変圧器6a〜6cの2次側(第2の巻線)の2つの端子は、単相逆変換器5d〜5fの交流側の2つの端子にそれぞれ接続される。
本実施形態によれば、第5の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
単相逆変換器5a〜5fを2つで1組とし、各組で構成される単相逆変換器5a〜5fの出力電圧(交流電圧)をそれぞれ変圧器6a〜6cを介して加算することで、三相交流負荷9に高い電圧で電力を供給することができる。
なお、本実施形態は、単相逆変換器5a〜5fを2つで1組に構成する場合について説明したが、1組を2つ以上のいくつの単相逆変換器5a〜5fで構成してもよい。いくつで構成する場合についても、2つで1組に構成する場合と同様に、変圧器6a〜6cの負荷側を直列に接続する構成にできる。
(第9の実施形態)
図15は、本発明の第9の実施形態に係る電力変換システム10Hの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Hは、図9に示す第6の実施形態に係る電力変換システム10Eにおいて、図8に示す第5の実施形態に係る3つの単相逆変換器5a〜5cを追加し、制御装置1Eの代わりに制御装置1Hを設け、3つの直流負荷8a〜8cの代わりに第5の実施形態に係る1つの三相交流負荷9に電力供給するようにしたものである。その他の点は、第6の実施形態と同様である。
制御装置1Hは、図10に示す第6の実施形態に係る制御装置1Eにおいて、さらに、第5の実施形態と同様に、3つの単相逆変換器5a〜5cをそれぞれ制御するようにしたものである。その他の点は、第6の実施形態に係る制御装置1Eと同様である。
制御装置1Hは、単相逆変換器5a〜5cから出力される交流電力を制御する。制御装置1Hは、直流電圧、直流電流、交流電流(負荷電流)、又は、交流電圧(負荷電圧)の少なくとも1つに基づいて、単相逆変換器5a〜5cを制御する。
本実施形態によれば、3組の単相順変換器3a〜3fから単相逆変換器5a〜5cを介して、三相交流負荷9に三相交流電力を供給する場合でも、第6の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。したがって、三相交流負荷9に供給する三相交流電力が三相不平衡でも、電力系統7から見た3組の単相順変換器3a〜3fに供給される負荷電力を三相平衡状態に保つことができる。
なお、単相順変換器3a〜3fは、第7の実施形態と同様に、多レベル変換器である単相順変換器3aF〜3fFにしてもよい。同様に、単相逆変換器5a〜5cについても、単相順変換器3aF〜3cFと同様の多レベル変換器にしてもよい。これにより、高調波の発生を抑制することができる。
(第10の実施形態)
図16は、本発明の第10の実施形態に係る電力変換システム10Iの構成を示す構成図である。
電力変換システム10Iは、図15に示す第9の実施形態に係る電力変換システム10Hにおいて、図14に示す第8の実施形態に係る3つの単相逆変換器5d〜5f及び3つの変圧器6a〜6cを追加し、制御装置1Hを制御装置1Iに代えたものである。その他の点は、第9の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、第9の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
単相逆変換器5a〜5fを2つで1組とし、各組で構成される単相逆変換器5a〜5fの出力電圧(交流電圧)をそれぞれ変圧器6a〜6cを介して加算することで、三相交流負荷9に高い電圧で電力を供給することができる。
なお、本実施形態は、第8の実施形態と同様に、1組を2つ以上のいくつの単相逆変換器5a〜5fで構成してもよい。また、単相順変換器3a〜3fは、第7の実施形態と同様に、多レベル変換器である単相順変換器3aF〜3fFにしてもよい。同様に、単相逆変換器5a〜5fについても、単相順変換器3aF〜3cFと同様の多レベル変換器にしてもよい。これにより、高調波の発生を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。