JP6557004B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、吸収性物品に関し、特に、使い捨ておむつに関する。
使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」とも言う)等の吸収性物品においては、さまざまな改良が行われ、その機能や着用感の向上が図られている。
吸収性物品は、吸収体によって排出された体液のほとんどを吸収する。ここで、おむつは、腹、尻及び股部分を覆うものであるので、歩行や寝返り、赤ちゃんのハイハイなどのさまざまな体、特に脚の動きの影響を受ける。特に、吸収体は、体のさまざまな動きによって、よれたり、折れたり、割れたりする場合がある。そうすると、おむつの股間へのフィット性が低下し、液漏れを起こしやすくなる。このため、フィット性を維持するために、例えば、特許文献1に見られるように、吸収体の非肌当接面側に、エンボス加工がなされたものがある。このように、吸収体にエンボス加工を施すことにより、吸収体の剛性が強化され、体の動きによって加わる力に対して、吸収体がよれにくく、割れにくくなる。
一方、使い捨ておむつの吸収体は、着用者の股下全体にわたって位置するが、排尿の際には、尿は排尿部位付近から、表面シートや吸収体を伝って拡散される。その拡散性を促すために、特許文献2には、吸収体の股間部分に、吸収体の長手方向に沿った2本の凹部を設け、この凹部によって尿を拡散させる点が記載されている。
特開2014−69002号公報 特開2012−143535号公報
一般的に使い捨ておむつは、自身の力ではトイレでの排泄行為ができない赤ちゃんや高齢者など、介助を必要する人に着用されることが多い。したがって、使い捨ておむつの交換は、着用者本人の意思でなされるだけでなく、介護者の判断によってなされる場合も多い。赤ちゃんの親や介護者など、着用者本人以外の者は、おむつが尿を吸って膨らみ、盛り上がっているのを見たり触ったりして交換する。
特許文献1に開示されているもののように、吸収体の肌当接面側には、液拡散の工夫がなされていない場合、尿が吸収体全体にすばやく拡散されず、排尿部位付近に留まってしまう場合も多かった。この場合、少量の尿、例えば、一回の排尿であっても、吸収体の排尿部位が盛り上がり、交換されることとなる。したがって、吸収体全体が有効利用されずに、捨てられてしまうこととなる。
また、特許文献2に開示されているもののように、尿の吸収体上での拡散を促すための凹部を吸収体の肌当接面側に設けたとしても、凹部の壁面付近の吸収体が液(尿)を吸ってしまうと、その部分の吸収体が膨らんでしまうので、そこから隣接する吸収体へのすばやい拡散が起こりにくい。
今回、我々は、吸収体における液の拡散には、吸収体の粗密が大きく関わっていることを発見した。具体的には、吸収体がかなり圧縮され、吸収体の密度が高密度すぎると、液を溜める空隙が少なく吸収しにくい。一方で、吸収体密度があまりに疎であると、液は吸収できるが、空隙に液が溜まってしまうことで、その場所から先への液の拡散は活発ではない。したがって、長手方向凹部に隣接する吸収体密度が疎である部分に尿が溜まってしまい、股下が盛り上がった状態となる。
このように、尿がすばやく吸収体全体に拡散せずに、排尿部位付近に留まってしまうと、排尿部位の吸収体が膨らみ、蒸れてべたつくため、着用者は不快に感じることとなる。
また、おむつの交換者は、まだおむつが尿を吸収できる状態であるにも関わらず、排尿部位付近が膨らんでいるので交換することになる。したがって、吸収体全体を有効に活用することができずに、おむつを捨てることになり不経済である。
また、仮に、交換者がおむつの排尿部位付近の状態を見たり触ったりして交換しなかったとしても、水分を吸収して膨らんだ吸収体は、乾いている時以上によれたり、割れやすくなる。したがって、1回目の排尿で尿が拡散されずに排尿部位付近の吸収体が大きく膨らんでしまうと、その後の体の動きで吸収体が割れてしまう場合がある。割れたところに、さらに排尿されると、割れ目から尿が流れ出て、液漏れを起こす場合がある。
本発明は、体液をすばやく拡散させて吸収体全体を有効活用するとともに、体液吸収後の蒸れやよれを抑制し、着用者の不快感を低減する吸収性物品を提供することを課題とする。
本発明の吸収性物品は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、吸収性物品は、表面シート上に延びる流路を複数備える流路形成領域を備え、流路は、表面シートと吸収体とを圧縮した凹部を複数備えるものである。
また、流路の底部に、凹部が間欠的に配列されているものであってもよい。
加えて、複数の流路の交差領域には、凹部は位置しないものであってもよい。
本発明の吸収性物品は、尿などの体液を流す流路に、より吸収体の圧縮密度の高い凹部を設けることにより、流路中においても、吸収体の圧縮密度差をもたらすことにより、体液を流路を介してすばやく拡散吸収させ、吸収体全体を有効に使用することができる。
本発明による吸収性物品を展開型使い捨ておむつに応用した一実施形態の外観を示す立体投影図である。 図1に示したおむつを着用した下半身を背中側から見た立体投影図である。 図1に示したおむつを展開して分解状態で示す立体投影図である。 図1に示したおむつの吸収体部分をトップシート側から見た部分上面図である。 図4に示す部分上面図の流路部分を拡大した拡大部分上面図である。 図5のVI−VI線での断面図である。 図5のVII−VII線での断面図である。 流路配列パターンの他の例を示す図である。 流路配列パターンの他の例を示す図である。 おむつの他の例を示す図5におけるVI−VI線と同様の切断線での断面図である。
本発明による吸収性物品の実施形態について、図1から図7を参照しながら詳細に説明する。
本発明を展開型使い捨ておむつに応用した第1の実施形態の外観において、正面側から見た斜視図を図1に示し、背面側から見た斜視図を図2に示す。図2は、この展開型使い捨ておむつを乳幼児が着用した際の背中側から見た下半身姿を示すものである。さらに、図1,図2に示す展開型使い捨ておむつを破断展開した分割状態にて図3に示す。
本実施形態における展開型使い捨ておむつ(以下、単におむつと記述する場合がある)10は、前身頃領域10Fと、後身頃領域10Rと、これら前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rをつなぐ股下領域10Cとを有する。また、着用時に前身頃領域10Fと後身頃領域10Rとで着用者のウエストの部分を取り囲むウエスト周り開口部10Wが形成されている。同様に、前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rの下端部股下領域10Cとで着用者の両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lが形成されている。
図2に示すように、着用時に前身頃領域10Fは、着用者の腹側に位置し、後身頃領域10Rは着用者の背側に位置する。そして、股下領域10Cは、着用者の股下を覆い、左右一対の脚周り開口部10Lに、着用者の脚がそれぞれ通された形となる。したがって、脚周り開口部10Lは、着用者の両脚の付け根から太ももあたりのいずれかに位置することとなる。
仮想線Pは、おむつ中央部において腹側から背側に向かって、股下部分を通って延びるものである。具体的には、仮想線Pは、例えば、おむつのウエスト側を上、股下側を下とすると、おむつ表面に沿って、かつ上下方向に延びると共に、股下部分を経由して、背側においても上下方向に延びるものである。言い換えれば、この上下方向とは、着用者の頭から股下への体の中心軸に沿う方向であり、仮想線Pは、体の中心軸に沿って延びるものである。
おむつ10の外側に位置するカバーシート11の後身頃領域10Rの左右両端縁部には、着用時に前身頃領域10Fの左右両端縁部に重ね合わせてこれらをつなぎ、脚周り開口部10Lを形成し得る左右一対のファスニングテープ10Aが接合されている。このファスニングテープ10Aは、前身頃領域10Fのカバーシート11上に接合されたフロントパッチシート10Bに対して繰り返し剥離可能に接合される。また、カバーシート11の後身頃領域10Rの上端部には、カバーシート11の幅方向に沿って延在し、着用者に対してウエスト周りに適度な着用感を与えるための弾性シート10Dが接合されている。
図3に示すように、本実施形態におけるおむつ10は、外側から順にカバーシート11と、バックシート12と、吸収体13と、着用者の肌に触れるトップシート14とを順に重ねて接合したものである。カバーシート11の股下領域10Cの左右両側には、それぞれ脚周り開口部10Lとなる半円弧状をなす一対の切欠き部11Aが形成されている。液不透過性のバックシート12は、このインナーカバーシート11Bに接合され、先の吸収体13は、このバックシート12と液透過性のトップシート14との間に配され、この吸収体13を介してトップシート14がバックシート12に接合される。良好な手触りを得るために薄い不織布にて形成されるアウターカバーシート11Cとインナーカバーシート11Bとの間には、脚周りギャザーを形成するための糸ゴム15がそれぞれ伸長状態で接合されている。
図4は、おむつ10の股下部分を、トップシート14側から見た部分上面図である。
トップシート14の下に位置する本実施形態の吸収体13は、主にパルプと高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」とも言う)とからなるものである。吸収体13は、前身頃、股下、後身頃にわたるように、細長い形状をしている。そして、前身頃部分M1、股下部分M2、後身頃部分M3に三区分されている。股下部分M2には、両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lに合わせて、円弧状をなす一対の切欠き部13Aが形成されている。なお、この切欠き部13Aは、吸収体13の大きさに応じて形成しなくてもよい。また、本実施形態の吸収体13は、切欠き部13Aが設けられており、中央部の幅が前後端に比べて狭い砂時計型のものであるが、本発明の吸収体の形状はこれに限らない。前身頃部分から後身頃部分を前後(上下)方向とし、それに直交する方向を左右方向とすると、例えば、前後(上下)端の角が丸く落とされているもの、前後(上下)に延びる楕円形のもの、円形のもの、前後(上下)左右の長さが同程度の矩形のものなど、さまざまな形状を含む。
そして、図4に示すように、トップシート14表面から吸収体13に向かって規則的なエンボス加工を施すことにより、複数の凹部が形成され、その凹部の並びによって斜め格子状に延びる流路21が形成されている。
図5は、斜め格子状に延びる流路21の一部を拡大したものであり、図6は、図5のVI−VI線による断面を示す図である。図7は、図5のVII−VII線による断面を示す図である。
図5に示すように、ドットなどのエンボスパターンによって、トップシート14表面から吸収体13に向かって間欠的に圧搾した凹部22を配列する。この凹部22をある程度の間隔で配列することにより、凹部22近傍の吸収体は押し下げられて、エンボスパターンがない部分(以下、「主吸収領域」とも言う)24よりも凹んだ空間23となる。したがって、凹部22を連続して形成することにより、凹んだ空間23による流路21が形成されることとなる。
エンボス加工は、トップシート14と吸収体13との間に接着剤を介在させて、トップシート14表面からトップシート14と吸収体13とを共に圧搾するものである。したがって、凹部22においてトップシート14と吸収体13とが、完全に密着した状態となっている。具体的には、圧搾により、トップシート14の一部の繊維が吸収体13の表面繊維とかみ合い、しっかりと固定される。加えて、凹部22の底面22aは、吸収体13がかなり圧縮された状態となっている。
したがって、吸収体13は、吸収体密度に関し、圧縮され、密度が高い高密度部13A、すなわち凹部22の底面22a部分と、密度が低い低密度部13C、すなわち、エンボスパターンがない部分24と、密度が中程度の中密度部13B、すなわち、凹部22及び流路21の壁面部分との3部分に分けられる。ここで、中密度部13Bは具体的には、均一の密度ではなく、底面22aからエンボスパターンがない部分24まで漸次密度が低くなっていく、密度変化部分と見るのがより適当である。図6は、吸収体13の圧縮密度に応じて色を変化させており、凹部22の底面22a付近の黒い部分が徐々に薄くなっていくように、圧縮密度は、主吸収領域24に向かって徐々に変化している。
また、吸収体14は、上述したように、主にSAPとパルプからなるものであり、密度は主にパルプ繊維密度が関与している。したがって、高密度部13Aはパルプが圧縮され、パルプ間の隙間が少ない状態である一方、低密度部13Cは、パルプ間の隙間が高密度部13Aに比べて多い状態である。
加えて、凹部22は、合成繊維であるトップシート14と主成分がパルプの吸収体13とをともに圧縮接合して形成されているので、凹部22の底面22aは、フィルム状となって液をほとんど吸収しなくなる。したがって、凹部22の底面22a上は液がほとんど吸収されずに流れ走る。そのため、流路21内の底面では、凹部22と隣接する凹部22によって押し下げられた凹んだ空間23との、吸収体13の圧縮密度が異なる部分が交互に出現することにより、液が流れ進むとともに、凹んだ空間23からは液が吸収される。
さて、液吸収トップシート14表面に付与された液は、主吸収領域24では、トップシート14を透過して吸収体13に吸収される。一方、流路21に付与された液は、凹部22底面22aがフィルム状であるため、上述したように流路21を流れ走ることとなる。この流れにおいて、流路21中の液は、凹部底面22aがフィルム状であるため、底面22aで吸収されず、壁面のトップシート14を伝って中密度部13Bへ浸透する。次に、中密度部13Bの空隙で確保できない液が、さらに空隙の大きい、低密度部13Cへ流れ込む。このようにして、液は、中密度部13Bから低密度部13Cへ進み、主吸収領域24内へ吸収されていく。
吸収体13において、排尿部位に面した部分は、主吸収領域24にも液が直接付与されるので、液を十分に吸収することになる。しかしながら、排尿部位に面していない部分は、液が直接付与されるわけではないので、排尿部位からトップシート14もしくは吸収体13経由で伝ってきた液を吸収することとなる。ここで、流路21は、排尿部位に面した部分から液を遠くへ流す役目を果たす。すなわち、流路21には、液をあまり吸収しない高密度部13Aとなる凹部22が一定間隔で形成されているので、流路21内を液が流れ、排尿部位からより遠くへ、吸収体13全体へ液が拡散されていくこととなる。ここでは、尿を例に挙げたが、経血など他の体液においても同様の拡散効果が得られるのは言うまでもない。
更に、図4に示したように、流路21は、吸収体13の全体に斜め格子状に張り巡らされているため、複数の交点21D(流路の交差領域)を有する。この交点21Dで分岐する流路21によって、さらに液は分散されて、さまざまな方向へ広がることとなる。本実施形態において、流路の交点21Dには、凹部22は位置しない(図5、図7参照。)。流路の交点21Dは、四つの主吸収領域24に面することとなるため、この交点21Dから各主吸収領域24へ液が流れ込めば、拡散効果が大きい。そこで、この交点21Dには、凹部22を設けないようにして、より液が主吸収領域24へ吸収されやすい環境にする。すなわち、図7に示すように、交点21Dは、凹部22の底面22aに比べて吸収体の圧縮密度が低く、液を吸収することとなる。さらに、より吸収体の圧縮密度の低い主吸収領域24へ液は移動していくため、交点21Dに到達した液は、矢印Aに示すように、交点21Dに面する主吸収領域24に拡散する。交点21Dは、主吸収領域24が四つ面しているので、広域ですばやく拡散され吸収することができる。また、隣接する主吸収領域24同士も交点21D部分では凹部22によって分離されていないので、吸収体13による液の吸収拡散が期待できる。
つまり、交点21Dといった複数(四つ)の主吸収領域24に面している部分では、液を四方にすばやく拡散吸収させることにより、各吸収領域24を有効に活用することができる。図4に示すように、主吸収領域24は少なくとも一辺、ほとんどは四辺を流路21に取り囲まれている。主吸収領域24内には、流路21の壁面である中密度部13Bから液が移動していく。加えてこの交点21Dからも液が進入するとなると、液の進入箇所を増やすことができる。主吸収領域24に多方向から液が進入すると、主吸収領域24全体を有効に活用することができる。このように、多方向からの液の進入が可能となるため、交点21Dに凹部22を設けた場合に比べて、主吸収領域24一区画の面積を大きくしても、十分に領域の中央部分にまで液を吸収させることが可能となる。
上述したように、おむつの吸収体13の全域に、流路21を張り巡らせることにより、排尿部位から、流路21を伝ってすばやく、吸収体13全体に尿を拡散させることができ、排尿部位のみに尿が滞ってしまうことを防ぐ。加えて、流路21は、凹部22を連続されるのではなく、一定間隔で点在させることにより、流路21底面においても、液を一部吸収させながら液を流すことができるようにする。つまり、トップシート14側、言い換えると流路21側からの上層の液拡散と、吸収体13側からの下層の液拡散の2層拡散となる。そして、流路21内(つまり上層)の液拡散速度は、吸収体13内(つまり下層)の液拡散速度よりも格段に速い。したがって、流路21を使って、液をすばやく移動させ、特定箇所に液が大量に留まってしまうことを防ぐ。
加えて分岐点である交点21Dには、凹部22を設けないことにより、交点21Dに隣接する四つの主吸収領域24に尿がすばやく吸収されることとなる。したがって、排尿部位で排出された尿は、流路21を伝ってすばやく排尿部位から遠い位置へ移動できるとともに、移動中の流路の壁面から徐々に隣接する主吸収領域24に吸収される。加えて、経路の途中に現れる各交点21Dで交わるほかの流路21に尿が分岐するだけでなく、隣接する主吸収領域24に拡散される。このように、排出された尿は、排尿部位からすばやく様々な方向に拡散されるため、尿は、排尿部位に滞ることなく、吸収体13の広い領域で吸収されることとなる。よって1回の排尿で排尿部位付近の吸収体13が大きく膨らんで、吸収体13全体の吸収力はまだあるにもかかわらず、交換されてしまうことを抑制できる。加えて、排尿部位に尿が滞らないので、排尿部位が蒸れることを抑制できる。また、主吸収領域24一区画の面積を大きくすることができるので、皮膚に当接する面の多くをエンボス加工のない滑らかで柔らかい主吸収領域24表面とすることができる。このため、肌触りのよさを維持しながら、尿をすばやく広域に拡散させることができる。
なお、図4に戻り、本実施形態の流路21は、吸収体の幅方向における、一方側(図中、向かって右側)に傾斜して延びる第1流路21aと、他方側(図中、向かって左側)に傾斜して延びる複数の第2流路21bとによって構成される。仮想線Pの吸収体13上での位置は、前身頃部分M1上端から後身頃部分M3下端に向かって延びるものとなる。具体的には、図4に示すように、吸収体13が細長い形状である場合、長手方向に延びるものである。流路21は、この仮想線Pに対して傾斜して延びる。すなわち、仮想線Pを軸として側辺に沿った方向、例えば、長手方向に対し、第1流路21aは、一方側に角度αで傾斜し、第2流路21bは、他方側に角度βで傾斜する。角度αと角度βは同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、図4では、複数の第1流路21aはそれぞれ同じ角度で傾斜し、一定間隔で配置されている。すなわち、各第1流路21aが平行かつ一定間隔で配置されている。しかしながら、本発明はこれに限らず、溝の間隔が一定でないものや、各溝の傾斜角度が異なるものも含む。第2流路21bについても同様である。
なお、吸収体13は細長い形状に限らず、正方形など縦横の長さが同じものであってもよい。この場合も、側辺に沿った方向に対して、第1溝21a、第2溝21bは傾斜して延びるものである。
また、流路21は傾斜したものだけでなく、側辺に沿った向きに延びるものであってもよい。
また、流路21はおむつの端部までは延びていない。おむつの端部にまで流路21を設けると、そこから液漏れを起こす可能性があり好ましくない。そこでおむつの各端部、すなわち、足回り開口部10L、胴回り開口部10Wには設けない。
加えて、吸収体13の端まで流路21を延ばさない方が好ましい。前身頃部分M1から後身頃部分M3にわたる方向を前後方向とすると、前後両端部には流路は形成されない。同じく、この前後方向に直交する左右方向を幅方向とすると、吸収体13は、流路形成領域N1を長手方向幅方向の中央部に有し、その両側に流路非形成領域N2を有している。図4では、吸収体13の幅方向両端部は、流路非形成領域N2であり、中央部に仮想線Pで示す長手方向の一方端から他方端に向かって帯状に流路形成領域N1が延びている。このように端部分には、流路21を設けないことにより、流路を伝った液漏れを確実に防止する。
次にエンボス加工による流路パターンの実施例について、説明する。
図4に示すように、本実施例の流路パターンは、ドット状の凹部22を連ねた格子状であり、1つの枡の対角線Q1の長さは42.4mmとなるように流路21が配置されている。また、図5に示すように、凹部22の直径Q2は2.0mm、凹部22の配列間隔Q3(隣接凹部22中心間の距離)は、2.0mmである。また、交点21Dにおける隣接凹部22中心間の距離Q4は6.0mmである。
エンボス加工をする前の吸収体13とトップシート12との厚さは、8.0mmであり、図6に示すように、凹部22の深さQ5は、約5.0mmである。
なお、エンボス加工前の吸収体13とトップシート12との厚さは、5.0mm〜20.0mmが好ましい。また、この吸収体13とトップシート12の構成に対しては、凹部22の直径Q2は、1.0mm〜4.0mmが好ましく、配列間隔Q3は、1.0mm〜9.0mmが好ましく、深さQ5は、2.0mm〜10.0mmが好ましい。また、交点21Dにおける隣接凹部22中心間の距離Q4は、2.0mm〜12.0mmが好ましい。
次に、本実施形態の流路パターンを有するおむつと、このような流路パターンを備えないおむつとの液拡散性の比較実験を説明する。
本実施形態の流路パターンを有するおむつ(実施例1)と、流路パターンを備えないおむつ(比較例1)をそれぞれ、人形に装着し、股下部分から1回につき50ccの水を注液し、3回の注液による拡散性を比較した。具体的には、おむつを仮想線P方向に腹端部、腹中央部、股下、背中央部、背端部の5つの領域に等分し、毎回注液後の各領域の重量を測定し、液拡散性を測った。そして、3回の注液を実施した後の各領域の重量のおむつ総重量に対する比率を算出した。
注液前のおむつの総重量は31.7gである。
表1は、実施例1の結果を示し、表2は、比較例1の結果を示す。
Figure 0006557004
Figure 0006557004
表1に見られるように、実施例1の本実施形態の流路パターンを備えるおむつは、吸収体の腹端部、背端部にまで液が拡散されており、股下部の重量比率が比較例1の結果に比べて少ない。したがって、注液された水が、注液部位の股下に留まらず、吸収体全体に拡散していることが理解できる。
(変形例)
流路21は、斜め格子状だけでなく、図8に示すようにハニカム状であってもよい。この場合においても各直線の交点21Dには、凹部23は設けられていない。
また、図9に示すように、流路21は曲線であってもよい。このように曲線の流路21で囲まれる主吸収領域24A、24Bの面積が異なるパターンであってもよい。この場合においても、交点21Dには、凹部23は位置しないものとする。このように、流路21を斜め格子状だけでなく、ハニカム状や曲線状とすることにより、流路21の加工によるデザイン的効果も得られ、美観が向上する。
また、流路21は、流路21となるラインを弱く圧搾して形成し、凹部22となる部分を重ねて圧搾するような、流路21対応のラインと凹部22対応のドットとを組み合わせたエンボス型を用いたものであってもよい。この場合、流路21の凹部22以外の部分23も圧搾により形成されることとなるが、圧搾の強さの差で、底面22aと吸収体13の密度差はあると認められる。流路21の凹部22以外の部分23の吸収効果は低下するが、流路21の流れを確実に確保することができる。
さらに、凹部22は、円形のドットだけでなく、半円形、四辺形、三角形など、様々な形を用いることができる。
加えて、吸収体13の上に直接、トップシート14を配したものだけでなく、吸収体13を親水性シート13Sによってくるんだ後、トップシート14を配したものであってもよい。
また、図10に示すように、トップシート14と親水性シート13Sとの間に、液拡散性を向上させる液拡散シート13Tを設けてもよい。このシートにより、体液はより拡散しやすくなる。また、親水性シート13Sは、吸収体13をくるむように取り付けられてもよいし、単に、吸収体13の端部をくるむことなく、表、裏に重ねて配置されたものであってもよい。
なお、図2におけるおむつを着用した下半身姿は、立っている状態を示しているが、本発明は、立って歩行する場合のみを対象とするものではなく、寝返りや赤ちゃんのハイハイなど脚の前後運動全般に対して、作用効果を発揮するものである。
本発明が対象とするおむつ10の構造は、上述したような展開型に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に規定された吸収性物品の構成を含むおむつでありさえすれば、どのような構成であってもよい。例えば、周知のパンツ型の使い捨ておむつや、尿漏れパッドなどであっても本発明を適用可能である。
加えて、本発明は、乳幼児向けのおむつに限らず、成人向けおむつ、尿漏れパッドなど、各種吸収性物品に適用可能である。
10 使い捨ておむつ
10A ファスニングテープ
10B フロントパッチシート
10F 前身頃領域
10R 後身頃領域
10C 股下領域
10W ウエスト周り開口部
10L 脚周り開口部
11 カバーシート
11A 切欠き部
11B インナーカバーシート
11C アウターカバーシート
12 バックシート(裏面シート)
13 吸収体
13S 親水性シート
13T 液拡散シート
14 トップシート(表面シート)
15 糸ゴム
18 サイドシート
21 流路
21a 第1流路
21b 第2流路
21D 流路の交差領域(流路の交点)
22 凹部
22a 凹部の底面
23 流路における凹部以外の部分(凹んだ空間)
24 主吸収領域

Claims (6)

  1. 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、前記表面シート上において、第1の方向に延びる第1流路と、第2の方向に延びる第2流路と、を含む複数の流路を備える流路形成領域を備え、
    前記流路は、前記表面シートと前記吸収体とを圧縮した複数の凹部と、
    前記圧縮することにより、前記凹部の近傍の前記吸収体が押し下げられて形成される凹んだ空間と、を備え、
    前記第1流路の前記凹んだ空間は、前記第1の方向において連続する壁面を有し、前記第2流路の前記凹んだ空間は、前記第2の方向において連続する壁面を有し、
    前記流路の底部に、前記凹部が間欠的に配列されており、
    前記複数の流路の交差領域には、前記凹部は位置しないことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記複数の流路の交差領域における、前記表面シートと前記吸収体の圧縮密度は、前記凹部の底の前記表面シートと前記吸収体の圧縮密度よりも低いことを特徴とする請求項に記載の吸収性物品。
  3. 前記流路は、前記流路形成領域の一方端から他方端に連続的に延びるものを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記流路形成領域は、前記吸収体の端までは達していないことを特徴とする請求項に記載の吸収性物品。
  5. 前記凹部の配列間隔は、1.0mm以上9.0mm以下であることを特徴とする請求項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収体が前身頃、股下、後身頃にわたって延在する大きさの使い捨ておむつであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
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