JP2016067466A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌ざわりの良さを維持したまま、体液を吸収体に移行しやすくするとともに、さらっと感を向上させる。【解決手段】透液性表面シート3に、間欠的に複数の第1エンボス10及び第2エンボス11を施す。第1エンボス10及び第2エンボス11で囲まれた領域に肌側に膨出する第1凸部14が形成された第1画成領域12と、第1画成領域12を格子状に配列することにより、隣り合う第1画成領域12で四隅が囲まれるとともに、これら第1画成領域内の少なくとも第2エンボス11で囲まれた領域に第1凸部14より相対的に低い高さで肌側に膨出する第2凸部15が形成された第2画成領域16とを画成する。第2エンボス11は、第1画成領域12において、第1画成領域内に存在する複数の第1エンボス10の中心を通る閉合する仮想線13を引いたとき、仮想線13に沿った隣り合う第1エンボス10同士の中間であって、中心が仮想線13より内側に位置する。【選択図】図5

Description

本発明は、経血、おりもの、尿などを吸収するための生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、使い捨て紙おむつなどの吸収性物品に係り、詳しくは透液性表面シートに凹凸パターンを設けた吸収性物品に関する。
従来より、吸収性物品の表面材として、肌への接触面積を低減させることにより湿り感を抑える、或いは質感を出すとともに感触性を高めるなど種々の目的に応じて適宜のエンボスパターンが付与されたものが市場に提供されている。この種のものとしては、例えば下記特許文献1、2などを挙げることができる。
下記特許文献1では、熱接着エンボスにより囲まれた2種類の大きさの立体ドーム構造の大凸部及び小凸部を上層の肌当接面側にそれぞれ多数有し、該大凸部及び該小凸部は、それぞれ、隣り合う複数の前記熱接着エンボスで囲まれた多角形状に形成されており、前記大凸部の底面積が、前記小凸部の底面積の2倍以上であり、前記大凸部の頂点における高さが、前記小凸部の頂点における高さよりも高い吸収性物品用の表面シートが開示されている。
また、下記特許文献2では、表面シートは、波状又はジグザグ形状に蛇行しながら一方向に延びる線状のエンボスが存在し、該線状のエンボスで囲まれた凸部が、前記一方向に連なるように形成されているとともに、該凸部は、面積及び高さが大きな大凸部と面積及び高さが相対的に小さな小凸部が前記一方向に交互に存在する山脈構造を形成しており、該山脈構造は、該一方向に直交する方向に間欠的に配置され、隣り合う山脈構造どうしの間に、該一方向に連続して延びる畝が形成されている吸収性物品用の表面シートが開示されている。
特許第5421676号公報 特開2010−158488号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の表面シートでは、エンボスにより囲まれた凸部が立体ドーム構造をなし、凸部の傾斜がいずれの方向にもほぼ等しく形成されているため、凸部の頂部に体液が存在する場合、この体液がいずれの方向に流れるかは定かでない。このため、この体液がエンボスが設けられた方向に流れた場合には、このエンボスから吸収体に素早く体液が移行できるが、エンボスが設けられた方向以外の方向に流れた場合には、吸収体への体液の移行が遅くなり、表面シートに体液が残ってべた付き感が生じるなど装着感が悪化するおそれがあった。また、前記凸部がいずれの方向にもほぼ等しい緩やかな傾斜角で形成された立体ドーム構造からなる場合、凸部の頂部に溜まった体液が周囲のエンボスへの移行が遅くなるため、そのときの状況次第では凸部の頂部に体液が留まってべた付き感が生じる場合があった。
一方、上記特許文献2記載の表面シートでは、吸収性物品の長手方向に連続する線状のエンボスが付与されているため、肌と線状に接触し、エンボスによる硬さを感じやすく、肌ざわり感が悪化していた。
そこで本発明の主たる課題は、肌ざわりの良さを維持したまま、体液を吸収体に移行しやすくするとともに、さらっと感を向上した吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
前記透液性表面シートに、間欠的に多数の第1エンボス及び第2エンボスが施されるとともに、前記第1エンボス及び第2エンボスを所定のパターンで配置した第1画成領域が吸収性物品の長手方向及び幅方向に沿って格子状に設けられ、且つ隣り合う前記第1画成領域で四隅が囲まれた部分に、これら各第1画成領域に配設された前記第2エンボスを含むように第2画成領域が設けられ、
前記第1画成領域に、前記第1エンボス及び第2エンボスを基端として、肌側に膨出する第1凸部が形成されるとともに、前記第2画成領域に、少なくとも前記第2エンボスを基端として、前記第1凸部より相対的に低い高さで肌側に膨出する第2凸部が形成され、
前記第1画成領域において、前記第1エンボスは、閉合する仮想線上に中心が位置するように配置され、前記第2エンボスは、前記仮想線に沿った隣り合う前記第1エンボス同士の中間であって、中心が前記仮想線より内側に位置するように配置されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明は、透液性表面シートに間欠的に多数の第1エンボス及び第2エンボスを施すことによって、これらエンボスを基端として肌側に膨出する第1凸部及び第2凸部が多数形成された凹凸状の透液性表面シートを備えた吸収性物品である。具体的に説明すると、先ず、前記透液性表面シートには、前記第1エンボス及び第2エンボスを所定のパターンで配置した第1画成領域が格子状に設けられるとともに、隣り合う前記第1画成領域で四隅が囲まれた部分に、これら各第1画成領域に配設された第2エンボスを含むように第2画成領域が設けられている。そして、前記第1画成領域には、前記第1エンボス及び第2エンボスを基端として、肌側に膨出する第1凸部が形成されている。また、前記第2画成領域には、少なくとも前記第2エンボスを基端として、前記第1凸部より相対的に低い高さで肌側に膨出する第2凸部が形成されている。このように、相対的に高く肌側に膨出する第1凸部で四隅が囲まれた領域に、相対的に低く肌側に膨出する第2凸部を形成しているため、この第2凸部及びその周辺は、四方が第1凸部で囲まれた一時的な体液の貯留空間となる。この体液貯留空間は、第1凸部と第2凸部とを同じ高さで構成した場合より大きな空間となり、多量の体液が一時貯留できるようになるため、肌面に体液が付着しにくく、さらっと感が向上できるとともに、体液が第2凸部及びその周辺から吸収体に素早く移行できるようになる。
このとき、前記第1画成領域において、前記第1エンボスは、閉合する仮想線上に中心が位置するように配置されている。一方、第2エンボスは、前記仮想線に沿った隣り合う第1エンボス同士の中間であって、中心が前記仮想線より内側に位置するように配置されている。このように、前記第1エンボス及び第2エンボスを基端とする第1凸部は、第2エンボスの中心が第1エンボスの中心を通る仮想線より内側に位置しているため、前記第2エンボスの形成領域における第1凸部の斜面が、隣接する領域における第1凸部の斜面より相対的に急勾配となり、隣接する領域の斜面が外側に膨出するのに対し、第2エンボスの形成領域における斜面では第2エンボスが内側に食い込むように配置されているため内側に膨出するようになる。このため、第1凸部の頂部に体液が存在する場合、この体液は、急勾配となった第2エンボスが施された斜面(流下促進斜面)の方に流れやすくなるので、第2エンボスが施された前述の体液貯留空間に流れ込みやすくなっている。したがって、肌面に体液が残りにくく、さらっと感が向上できるようになる。
また、前記第1エンボス及び第2エンボスはそれぞれ、間欠的に設けられているので、エンボスによる硬さの影響が少なく、肌ざわりの良さが維持できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記仮想線は、吸収性物品の長手方向に長い楕円形である請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記仮想線を吸収性物品の長手方向に長い楕円形で形成することにより、この楕円形の仮想線を基端とした第1凸部は、楕円形の短手方向(吸収性物品の幅方向)の勾配が、楕円形の長手方向(吸収性物品の長手方向)の勾配より相対的に急勾配となるため、凸部の頂部に存在する体液が相対的に急勾配の楕円形の短手方向に沿って流れやすくなり、この楕円形の短手方向側にある前記体液貯留空間に体液が素早く流れ込むようになる。
請求項3に係る本発明として、前記第1エンボスは、前記第2エンボスより相対的に大きな面積で形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記第1エンボスを第2エンボスより相対的に大きな面積で形成してあるため、隣り合う第1凸部同士の境界が明確になるとともに、第1エンボスから吸収体に体液が移行しやすくなる。
請求項4に係る本発明として、前記第1エンボスは前記仮想線の接線方向に沿って長い長円形であり、前記第2エンボスは円形である請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記第1エンボスを前記仮想線の接線方向に沿って長い長円形で形成してあるため、この第1エンボスを基端とする第1凸部がきっちりと形成できるようになるとともに、前記第2エンボスを円形で形成してあるため、この第2エンボスにより前記第1凸部に形成される内側に膨出する急勾配の斜面が、第2エンボスの丸みに沿ってきっちりと形成できるようになる。
請求項5に係る本発明として、前記第1画成領域において、前記第1エンボスは、吸収性物品の幅方向両側部及び長手方向両端部にそれぞれ配置されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項5記載の発明では、前記楕円形の仮想線上に中心が位置する第1エンボスの具体的な配置位置について規定している。前記第1エンボスは、前記楕円形の仮想線に対し、吸収性物品の幅方向両側部及び長手方向両端部の4箇所にそれぞれ配置されている。すなわち楕円形の仮想線の長手方向及び短手方向の各頂部にそれぞれ配置している。したがって、前記第1凸部は第1エンボスによって四方が囲まれるため、明確に形成されるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、肌ざわりの良さを維持したまま、体液が吸収体に移行しやすくなるとともに、さらっと感が向上できるようになる。
透液性表面シート3の拡大平面図である。 図1のII−II線矢視図である。 体液排出時の状態を示す、図1のIII−III線矢視図である。 体液排出時の状態を示す、従来の吸収性物品の断面図である。 第1画成領域12の拡大平面図である。 図5のVI−VI線矢視図である。 図5のVII−VII線矢視図である。 生理用ナプキン1の製造工程の一部を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る生理用ナプキン1は、図1及び図2に示されるように、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、前記透液性表面シート3と吸収体4との間に備えられた親水性のセカンドシート5とを備えたものである。なお、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙(図示せず)を設けても良い。
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。
前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえば綿状パルプと高吸水性ポリマーとにより構成されている。前記高吸水性ポリマーとしては、高吸水ポリマー粒状粉(SAP)や高吸水ポリマー繊維(SAF)を用いることができる。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。吸収体4の製造方法は、柔軟性に富むように積繊パルプとすることが望ましいが、嵩を小さくできるエアレイド吸収体としてもよい。
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。
前記透液性表面シート3と吸収体4との間に配置される親水性のセカンドシート5は、体液に対して親水性を有するものであればよい。具体的には、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができる。このセカンドシート5は、後述するように、前記透液性表面シート3の裏面側に熱融着(エンボス)により接合され、両シートを積層状態としたまま透液性表面シート3と共にエンボス10、11の加工処理が施される。
前記セカンドシート5と吸収体4とは、ホットメルト接着剤等により接合するのが望ましい。前記セカンドシート5と吸収体4とが接合していることにより、経血等を前記セカンドシート5から速やかに吸収体4に浸透させ吸収させることができるようになる。
本生理用ナプキン1では、図1に示されるように、前記透液性表面シート3及びセカンドシート5に、前記透液性表面シート3の肌面側(表面側)からのエンボスにより、間欠的に多数の第1エンボス10及び第2エンボス11を施している。前記第1エンボス10及び第2エンボス11を間欠的に施すとは、各エンボス10、11によるエンボス部とエンボスが施されない離間部とが交互に形成されることであり、ナプキン幅方向又は長手方向に亘って連続するエンボス線が施されないということである。
前記透液性表面シート3とセカンドシート5とは、前記第1エンボス10及び第2エンボス11で接合されている。前記第1エンボス10及び第2エンボス11としては、熱エンボス、超音波エンボスなど公知のエンボス手段を採用できる。
前記透液性表面シート3は、図1に示されるように、前記第1エンボス10及び第2エンボス11を所定のパターンで配置した第1画成領域12が生理用ナプキン1の長手方向及び幅方向に沿って格子状に設けられるとともに、隣り合う前記第1画成領域12、12…で四隅が囲まれた部分に、これら第1画成領域12に配設された少なくとも前記第2エンボス11を含むように第2画成領域16が設けられている。前記第2画成領域16には、図1に示す例では、周囲の第1画成領域12に配設された第2エンボス11が1つずつ四隅に配置されたエンボスパターンが形成されている。前記第2画成領域16には、第1画成領域12に配設された少なくとも第2エンボス11が含まれている。このため、前記第2画成領域16は、前記第1画成領域12と一部が重なるように設けられている。
前記第1画成領域12は、図1に示すように隣り合う第1画成領域12、12同士で一部のエンボス(第1エンボス10)が共通するように区画してもよいし、図示しないが、第1画成領域12、12同士が離間するように(隣り合う第1画成領域12、12同士で共通する第1エンボス10を持たないように)配置してもよい。
前記第1画成領域12は、前記第2画成領域16より相対的に大きな面積で形成されている。また、第1画成領域12内に設けられるエンボス10、11の数は、第2画成領域16に設けられるエンボスの数より相対的に多く配置されている。
前記第1画成領域12には、前記第1エンボス10及び第2エンボス11を基端として、肌側に膨出する第1凸部14が形成されている。また、前記第2画成領域16には、少なくとも前記第2エンボス11を基端として、前記第1凸部14より相対的に低い高さで肌側に膨出する第2凸部15が形成されている。
前記第1凸部14及び第2凸部15は、図2及び図3に示されるように、透液性表面シート3をセカンドシート5より肌側に膨出させることにより形成したものであり、透液性表面シート3とセカンドシート5との間には空間部が設けられている。この空間部の体積は、第1凸部14の方が第2凸部15より相対的に大きく形成され、且つ前記空間部の高さは、第1凸部14の方が第2凸部15より相対的に大きく形成されている。
図3に示されるように、前記第2凸部15の肌側に膨出する高さH2(第2凸部15の頂部におけるセカンドシート5の非肌面から透液性表面シート3の肌面までの高さ)は、第1凸部14の肌側に膨出する高さH1(第1凸部14の頂部におけるセカンドシート5の非肌面から透液性表面シート3の肌面までの高さ)より相対的に低く設定されている(H1>H2)。前記第1凸部14の高さH1は、2.1mm〜4.0mmが好ましく、第2凸部15の高さH2は、1.0mm〜2.0mmが好ましい。前記第1凸部14の高さH1と第2凸部15の高さH2の差(H1−H2)は、0.5mm〜3.0mmが好ましい。
前記第1凸部14及び第2凸部15が設けられることにより、透液性表面シート3と肌面との接触面積が低減するので、肌ざわり感が良好になる。つまり、透液性表面シート3と肌面との接触点が、肌側へ相対的に高く膨出した第1凸部14の頂部となるため、肌面と複数の点状に接触するので、接触面積が低減し、肌当たりが良好となる。また、肌面との接触が複数の点状となり、接触部分以外では肌面との間に空間ができるので、この空間を通じて体液の流動性がよくなり、体液が吸収体に移行しやすくなる。
また、前記第2凸部15が第1凸部14より相対的に低い高さで肌側に膨出することにより、以下のような効果が奏される。前記第2凸部15及びその周辺には、図1及び図3に示されるように、四方が高く膨出した前記第1凸部14、14…で囲まれた一時的な体液の貯留空間Sが形成されるようになる。この体液貯留空間Sは、第1凸部14と第2凸部15との間のスペースでは保持しきれない大量の体液が排出された場合でも、第2凸部15の高さH2より貯留水位が上昇した第1凸部14の高さH1まで拡大して体液を保持することができるようになっている。ここで、第2凸部15の高さH2より貯留水位が上昇した場合でも、透液性表面シート3は第1凸部14の頂部で肌面に接しているため、体液貯留空間Sに溜まった体液が肌面に付着しにくく、さらっと感が維持できるようになる。また、体液貯留空間Sに一時貯留された体液は、エンボス10、11や第1凸部14、第2凸部15の表面から吸収体4に素早く移行されるようになる。
これに対して、仮に前記第1凸部14、第2凸部15の区別がなく、図4に示されるように、同じ高さの凸部で形成した場合、凸部同士の間のわずかな隙間しか体液貯留空間として利用することができず、大量の体液が排出された場合には、体液の貯留水位が上昇して体液が肌面と接触し、べた付きが生じていた。
前記第1画成領域12に設けられるエンボスパターン及び第1凸部14の断面形状について、図5〜図7に基づいて詳しく説明する。はじめにエンボスパターンについて説明すると、図5に示されるように、前記第1画成領域12において、第1エンボス10は、閉合する仮想線13上に第1ンボス10の中心C10が位置するように配置されている。つまり、前記第1エンボス10は、第1画成領域12内に存在する複数の第1エンボス10、10…の中心C10を通る仮想線13を引いたとき、この仮想線13が楕円形、円形、多角形などの閉合する形状線で形成されている。
前記仮想線13は、生理用ナプキン1の長手方向に長い楕円形に形成するのが好ましい。すなわち、第1画成領域12内の第1エンボス10、10…がそれぞれ楕円形の仮想線13上に中心C10、C10…が位置するように間欠的に配置するのがよい。このように第1エンボス10、10…を楕円形の仮想線13に沿って配置した場合、この第1エンボス10、10…を基端とした第1凸部14が楕円形の底面で肌側に膨出するようになり、楕円形の短手方向(ナプキン幅方向)における第1凸部14の外形線の勾配が、楕円形の長手方向(ナプキン長手方向)における第1凸部14の外形線の勾配より相対的に急勾配となるため、第1凸部14の頂部に存在する体液が急勾配となる楕円形の短手方向(ナプキン幅方向)に流れやすくなり、この楕円形の短手方向に形成された体液貯留空間Sに体液が流れ込みやすくなる。
前記仮想線13の平面寸法は、図5に示されるように、長手寸法L13が4.0mm〜10.0mm、短手寸法W13が3.5mm〜7.5mmとするのがよい。
前記第1エンボス10は、前記仮想線13に沿って間欠的に配置されている。前記仮想線13に沿って配置される第1エンボス10の数は、少なくとも3つ、好ましくは4つ乃至8つ、より好ましくは図5に示される4つとするのがよい。楕円形の仮想線13に4つの第1エンボス10、10…を配置する場合、楕円形の四半円点、つまり仮想線13と楕円形の長手方向中心線CL及び幅方向中心線CWとの各交点に中心C10が位置するようにそれぞれ配置するのが好ましい。これにより、第1エンボス10、10…で囲まれた領域がより明確に肌側に膨出するようになり、第1凸部14がきっちりと形成できるようになる。
前記第1エンボス10は、第2エンボス11より相対的に大きな面積で形成するのがよい。具体的には、第1エンボス10の面積は、第2エンボス11の面積の2倍〜4倍、好ましくは3倍程度とするのがよい。これにより、第1エンボス10、10…によって肌側に膨出する第1凸部14がより明確に形成されるようになるとともに、前記第2エンボス11、11…を付与することにより設けられる後述する流下促進斜面17の斜面がより明確になり、体液がこの流下促進斜面17に沿って流れやすくなる。第1エンボス10及び第2エンボス11の面積とは、各エンボス10、11の底面の面積のことである。なお、第1エンボス10と第2エンボス11とを同等の面積で形成してもよいし、第1エンボス10より第2エンボス11の方が大きな面積となるように形成してもよい。
前記第1エンボス10の平面形状は、図5に示されるように、両側縁が直線からなるとともに、両端縁が半円弧からなる長円形とするのがよい。この長円形の第1エンボス10は、長手方向を前記仮想線13の接線方向に配向するのが好ましい。これにより、第1エンボス10、10…で囲まれた領域がより明確に肌側に膨出するようになり、第1凸部14がきっちりと形成できるようになる。また、前記第1エンボス10の平面形状は、長円形の他、円、楕円、四角形、多角形など種々の形態で形成することも可能である。
前記第1エンボス10の平面寸法(エンボス底面の寸法)は、図5に示されるように仮想線13の接線方向に長い平面形状とした場合、長手寸法L10を1.0mm〜5.0mm、短手寸法W10を0.5mm〜3.0mmとするのが好ましい。
一方、第2エンボス11は、図5に示されるように、前記仮想線13に沿った隣り合う第1エンボス10、10同士の中間であって、第2エンボス11の中心C11が前記仮想線13より内側に位置するように配置されている。つまり、第2エンボス11の中心C11は、前記仮想線13より内側の半径方向に偏心量Uを有するように配置されている。
前記第2エンボス11の中心C11を仮想線13より内側に位置させる際の偏心量U(第2エンボス11の中心C11と仮想線13との前記仮想線13の半径方向の離間距離)は、仮想線13が第2エンボス11のエンボス内を通過する範囲とするのがよい。つまり、第2エンボス11を円形とした場合、前記偏心量Uは、第2エンボス11の半径以内とするのが好ましい。仮にこれより内側に偏心させた場合には、第2エンボス11によって前記第1凸部14の膨出高さが低下し、第1凸部14の傾斜による体液の流れを阻害するおそれがある。
前記第2エンボス11は、図5に示されるように、平面形状が円形であるのが好ましい。第2エンボス11を円形とすることにより、仮想線13の中心側に膨出する円弧部分が第1凸部14の外側に膨出する湾曲面と対向して、第2エンボス11による後述する流下促進斜面17の斜面がきっちりと形成できるようになる。前記第2エンボス11の平面形状は、円形の他、長円形、楕円、四角形、多角形など種々の形態で形成することも可能である。前記第2エンボス11として長手方向と短手方向を有する平面形状で形成した場合、長手方向が近接する仮想線13の接線方向と平行するように配置するのが好ましい。
前記第2エンボス11の平面寸法(エンボス底面の寸法)は、図1に示されるように円形(長手寸法L11=短手寸法W11)とした場合、0.5mm〜3.0mmとするのが好ましい。また、長手方向と短手方向を有する平面形状で形成した場合、長手寸法L11を0.5mm〜4.0mm、短手寸法W11を0.5mm〜3.0mmとするのが好ましい。
前記第2エンボス11の幅(円形の場合の直径)は、前記第1エンボス10の幅(長円形の場合の短手寸法)とほぼ同じ寸法で形成するのがよい。これにより、第1凸部14及び後述する流下促進斜面17が確実に形成されるとともに、エンボスによる硬さの影響が緩和できるようになる。すなわち、第1エンボス10と第2エンボス11とをほぼ同等の幅で形成することにより、第1エンボス10の中心C10を通る仮想線13より第2エンボス11の中心C11を内側に位置させたときに、第1エンボス10の内側縁を基端として肌側に膨出する第1凸部14に、第2エンボス11の内側縁が食い込むように配置されるため、後述する流下促進斜面17が確実に形成できるようになる。
前記第2エンボス11は、前記仮想線13に沿って隣り合う第1エンボス10、10の中間に、1又は複数配置することができる。図5に示す例では、隣り合う第1エンボス10、10間の中央部に、1つの第2エンボス11が配置されている。すなわち、楕円形の仮想線13に対して、長手方向及び短手方向の各頂部に第1エンボス10が配置され、その中間部にそれぞれ第2エンボス11が配置されている。このため、図1に示されるように、第1画成領域12を縦横に格子状に配列した状態では、隣り合う前記第1画成領域12、12…で四隅が囲まれた部分の近傍には、4つの第2エンボス11、11…が位置するようになる。なお、第1エンボス10、10間に2つ以上の第2エンボス11…を配置する場合には、ほぼ等間隔に離間して配置するのがよい。
次に、前記第1画成領域12に形成される第1凸部14の断面形状について説明する。前記第1凸部14の断面形状は、対向する第1エンボス10、10の中心を通る断面(ナプキン幅方向の断面)では、図6に示されるように、前記第1エンボス10、10を基端とし、前記仮想線13を底面とする外側に膨出するドーム状の外形で形成されている。
一方、対向する第2エンボス11、11を通る断面(斜め方向の断面)では、図7に示されるように、前記第2エンボス11の中心C11を仮想線13より内側に位置させてあるため、第1エンボス10によって形成されたドーム状の外形より内側に喰い込んで第2エンボス11が施されるようになる。このため、この断面視で、第2エンボス11の近傍領域には、第1凸部14の外形が内側に凹んだような、内側に膨出するとともに前記第1エンボス10、10を通る断面視の外形線より相対的に急勾配な流下促進斜面17が形成されるようになる。この流下促進斜面17は、図5に示されるように、第2エンボス11から第1凸部14の中心に向けて所定の範囲に及ぶように形成されている。
このように、第1凸部14に流下促進斜面17が設けられることにより、第1凸部14の頂部に体液が存在する場合、この体液は、前記第2エンボス11を施すことによって急勾配となった流下促進斜面17の方に流れやすくなり、前記第2エンボス11が施された体液貯留空間Sに流れ込みやすくなる。したがって、透液性表面シート3の表面に液残りすることがなくなり、肌面に体液が付着しにくく、表面のさらっと感が向上できるようになる。
また、第1エンボス10及び第2エンボス11がそれぞれ間欠的に設けられているため、エンボスによる硬さの影響が少なく、肌ざわりの良さが維持できるようになる。
一方、前記第2画成領域16では、図1に示されるように、周囲の四方に配置された各第1画成領域12の少なくとも第2エンボス11を基端として、これら第2エンボス11、11…で囲まれた領域の透液性表面シート3が肌側に膨出することにより、第2凸部15が形成されている。
前記第2画成領域16は、図1に示される例では、周囲の四方に配置された各第1画成領域12に配設された第2エンボス11を1つずつ含むように設けられることにより、合計4つの第2エンボス11、11…が配設されている。前記第2画成領域16では、各第1画成領域12に配設された第2エンボス11を2つ以上含むようにしてもよいし、第1エンボス10を含むようにしてもよい。
第2画成領域16では、この4つの第2エンボス11、11…は閉合する第2仮想線18上に中心が位置するように配置されている。前記第2仮想線18は、ナプキン長手方向に長い楕円形であるのが好ましいが、円形、多角形、ナプキン幅方向に長い楕円形としてもよい。前記第2仮想線18の平面寸法は、図1に示されるように、長手寸法L18が2.0mm〜4.0mm、短手寸法W18が2.0mm〜3.5mmとするのがよい。
前記第2凸部15の断面形状は、図3に示されるように、いずれの方向の断面視においても外形が外側に膨出するドーム状に形成されている。
前述の通り、前記第2画成領域16に形成される第2凸部15は、体液貯留空間Sに設けられるものであるので、前記第2凸部15の基端となる第2エンボス11は、体液貯留空間Sに形成されている。このため、体液貯留空間Sに溜まった体液は、第2エンボス11を通じて吸収体4側に吸収されやすくなっている。
前記第1画成領域12において、前記仮想線13の線上に前記第1エンボス10及び第2エンボス11が重なる割合は、仮想線13の長さに対し、30%〜80%が好ましく、65%〜75%がより好ましい。また、第2画成領域16において、第2エンボス11、11…の中心を通る円形又は楕円形の第2仮想線18を引いたとき、この第2仮想線18の線上に前記第2エンボス11が重なる割合は、第2仮想線18の長さに対し、30%〜80%が好ましく、35%〜45%がより好ましい。エンボスを付加することによって、吸収体の繊維が密になって体液が吸収体に移行しやすくなるが、仮想線13、18上のエンボスの割合が30%より小さいと、体液が吸収体4側へ移行しにくくなる一方で、この割合が80%より大きいと、エンボスによる硬さを感じやすくなる。
前記透液性表面シート3とセカンドシート5との積層構造を製造するには、図8に示される製造装置20が使用される。
前記製造装置20は、表面に、前記第1凸部14に対応する多数の凸状部と、前記第2凸部15に対応する多数の凸状部と、前記第1エンボス10に対応する多数の凹状部と、前記第2エンボス11に対応する多数の凹状部とが配置された第1エンボスロール21と、この第1エンボスロール21に対向配置されるとともに、表面に前記第1エンボスロール21の凸状部に対応する多数の凹状部と、前記第1エンボスロール21の凹状部に対応する多数の凸状部とが配置された第2エンボスロール22と、表面がフラットなフラットロール23とを備えた装置であり、前記透液性表面シート3を前記第1エンボスロール21と第2エンボスロール22との間を通過させることにより前記第1エンボスロール21の凸状部と第2エンボスロール22の凹状部との噛み合わせによって、前記第1凸部14及び第2凸部15の加工処理を行い、次いで前記透液性表面シート3が第2エンボスロール22表面を走行し、透液性表面シート3のエンボス加工部分を前記第2エンボスロール22の凹状部及び凸状部に保持した状態のまま、別途繰り出されたセカンドシート5と積層され、これら透液性表面シート3とセカンドシート5との積層状態で第2エンボスロール22とフラットロール23との間を通過させることにより、前記第2エンボスロール22の凸状部によって第1エンボス10及び第2エンボス11の加工処理を行い、透液性表面シート3とセカンドシート5とを熱融着して接合する。
〔他の形態例〕
上記形態例では、仮想線13をナプキン長手方向に長い楕円形としたが、円形や多角形などでもよく、またナプキン幅方向に長い形状に形成してもよい。
本生理用ナプキン1の性能を評価するため、透液性表面シートのエンボスパターンのみ相違する本生理用ナプキン1と従来の生理用ナプキンとを製造し、それぞれの性能試験を行った。測定は実施例及び比較例のそれぞれ5つの生理用ナプキンについて行い、5回の平均値で評価した。その方法及び結果を以下に示す。
試験に用いた実施例及び比較例に係る生理用ナプキンの仕様はそれぞれ、表1に示す通りである。実施例に係る本生理用ナプキン1では、第1画成領域12に長円形の第1エンボス10及び円形の第2エンボス11がそれぞれ、楕円形の仮想線13に沿って交互に4つずつ配置され、第2画成領域16に第2エンボス11が4つ配置されたものを用いている。前記仮想線13の長手寸法L13は7.0mm、短手寸法W13は5.5mmとし、前記第2仮想線18の長手寸法L18は3.6mm、短手寸法W18は2.8mmとした。前記第1エンボス10の平面寸法は、長手寸法L10が2.8mm、短手寸法W10が1.0mmである。前記第2エンボス11の平面寸法は直径1.0mmである。また、前記第2エンボス11の仮想線13に対する偏心量Uは0.3mmである。更に、第1画成領域12に形成される第1凸部14の高さH1は3.2mmであり、第2画成領域16に形成される第2凸部15の高さH2は1.5mmである。
一方、比較例に係る生理用ナプキンは、透液性表面シートに、ナプキン長手方向に沿って、ナプキン幅方向の一方側への突状部50と他方側への突状部51とを交互に繰り返す第1の波状パターン52と、この第1の波状パターン52をナプキン幅方向に反転させた第2の波状パターン53とをナプキン幅方向に交互に配列した波状パターンのエンボスが設けられるとともに、前記第1の波状パターン52と第2の波状パターン53との間の離間幅が、ナプキン長手方向に幅広部と幅狭部とを交互に繰り返しており、前記幅広部にドット状のエンボス54が設けらたものを用いている。この比較例に係る生理用ナプキンでは、両側の第1の波状パターン52と第2の波状パターン53の一方側への突状部50、50で挟まれた領域に、透液性表面シートが肌側に膨出する凸部が設けられている。この凸部は、前記第1の波状パターン52及び第2の波状パターン53の一方側への突状部50、50を基端として平面視略円形状に肌側に膨出した立体ドーム構造をなし、頂部が前記エンボス54によって窪んでいる。前記幅広部の第1の波状パターン52と第2の波状パターン53との最大離間幅は5.9mmである。
試験方法は次のとおりである。肌触り試験では、10人の被験者が実施例及び比較例に係る生理用ナプキンの透液性表面シートの外面側を手でなぞったとき、肌触りが良い(○)か悪い(×)かで評価した。なお、実施例及び比較例とも全ての被験者が良い(○)と評価した。
吸収スピード試験では、透液性表面シートの表面に、37℃の人工経血1ccをビーカーで注入したとき、注入開始時から表面の人工経血が吸収されたと目視で判断されたときまでにかかる時間をストップウォッチで測定し、これを3分間隔で2回行い、各回毎に評価した。
逆戻り量試験では、37℃の人工経血1ccを注入し、3分のインターバルの後、再度同一箇所に37℃の人工経血1ccを注入し、1分のインターバルの後、その上面にろ紙で被覆し、その上から5g/cmのおもりを5分間載置したときのろ紙の重さの変化量を逆戻り量として測定した。前記人工経血は、1リットル中の成分が、グリセン100ml、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)4.6g、精製水875ml、塩化ナトリウム10g、炭酸ナトリウム10.7gのものを使用した。
Figure 2016067466
試験の結果、本生理用ナプキン1では、比較例と比較して、1回目及び2回目の両方とも吸収スピードが速いという結果が得られた。本生理用ナプキン1では、上述の通り、第2エンボス11を施すことによって、第1凸部14の斜面が、前記第2エンボス11の形成領域において隣接する領域の斜面より急勾配となった流下促進斜面17となるため、第1凸部14の頂部に存在する人工経血が素早く吸収されるようになる。これに対して、比較例に係る生理用ナプキンでは、第1の波状パターン52と第2の波状パターン53の幅広部に形成された凸部が丸い立体ドーム状に形成されるため、人工経血がドーム状の斜面を流れるスピードが遅くなっていると考えられる。
また、本生理用ナプキン1では、前記流下促進斜面17に沿って人工経血が流れ、吸収体側に素早く吸収されるため、透液性表面シートに液残りが少なく、逆戻り量も少ない。これに対し、比較例に係る生理用ナプキンでは、肌側に膨出する凸部が丸い立体ドーム状に形成されるため、透液性表面シートを人工経血が流れにくく、透液性表面シートに残った体液が表面に逆戻りすることにより逆戻り量が増加していると考えられる。
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…セカンドシート、10…第1エンボス、11…第2エンボス、12…第1画成領域、13…仮想線、14…第1凸部、15…第2凸部、16…第2画成領域、17…流下促進斜面、18…第2仮想線、20…製造装置、21…第1エンボスロール、22…第2エンボスロール、23…フラットロール

Claims (5)

  1. 透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
    前記透液性表面シートに、間欠的に多数の第1エンボス及び第2エンボスが施されるとともに、前記第1エンボス及び第2エンボスを所定のパターンで配置した第1画成領域が吸収性物品の長手方向及び幅方向に沿って格子状に設けられ、且つ隣り合う前記第1画成領域で四隅が囲まれた部分に、これら各第1画成領域に配設された前記第2エンボスを含むように第2画成領域が設けられ、
    前記第1画成領域に、前記第1エンボス及び第2エンボスを基端として、肌側に膨出する第1凸部が形成されるとともに、前記第2画成領域に、少なくとも前記第2エンボスを基端として、前記第1凸部より相対的に低い高さで肌側に膨出する第2凸部が形成され、
    前記第1画成領域において、前記第1エンボスは、閉合する仮想線上に中心が位置するように配置され、前記第2エンボスは、前記仮想線に沿った隣り合う前記第1エンボス同士の中間であって、中心が前記仮想線より内側に位置するように配置されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記仮想線は、吸収性物品の長手方向に長い楕円形である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記第1エンボスは、前記第2エンボスより相対的に大きな面積で形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記第1エンボスは前記仮想線の接線方向に沿って長い長円形であり、前記第2エンボスは円形である請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記第1画成領域において、前記第1エンボスは、吸収性物品の幅方向両側部及び長手方向両端部にそれぞれ配置されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品。
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