JP6556696B2 - 表面が汚染された塊状アルカリ土類金属酸化物の精製処理容器及び精製処理方法 - Google Patents

表面が汚染された塊状アルカリ土類金属酸化物の精製処理容器及び精製処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理に有効な精製処理容器および精製処理方法に関する。本発明は特に、少なくとも表面の一部に硫黄分が付着した塊状生石灰の高度の精製に有利に利用できる精製処理容器及び精製処理方法に関する。
アルカリ土類金属酸化物の代表例ということができる生石灰は、一般に、石灰石を焼成することによって製造されている。石灰石の焼成方法としては、化石燃料(石炭、コークス、石油、天然ガスなど)を燃焼させた燃焼ガスによって石灰石を焼成する方法が広く利用されている。化石燃料は、一般に硫黄分などの不純物を含むため、化石燃料の燃焼により生成した燃焼ガスを用いて焼成された生石灰は、その表面層が硫黄分を含む汚染物で汚染されていることがある。
特許文献1には、塊状生石灰の表面汚染物質を除去する方法として、筒状回転体の内部に塊状生石灰を投入し、回転運動による転動摩耗作用を利用して生石灰表面の汚染物質を剥離させる方法が記載されている。この文献には、上記の方法の一実施例として、内部に撹拌羽根(板状突起)が取り付けられているドラムに、表面が汚染された塊状生石灰を装入して、ドラムの回転により、ドラムの内部に装入された生石灰同士、または生石灰と撹拌羽根との摩擦により表面の汚染物質を生石灰から剥離させた後、ドラムから汚染物質と生石灰とを排出させ、次いで、その排出された生石灰と汚染物質の混合物を篩分して、剥離した汚染成分と汚染物含量の低減した生石灰とを分離する方法が記載されている。この文献には、上記の方法を利用することによって、硫黄の除去については約30%の除去率が実現するとの趣旨の記載がある。
特開昭59−97556号公報
特許文献1に開示されている塊状生石灰の表面汚染物質を除去するための方法は、簡易な装置を用いる方法であり、表面が汚染された塊状生石灰の工業的な精製処理方法として有用である。しかしながら、この精製処理により除去される硫黄の割合(除去率)が、上記のように30%程度であることから充分満足できる除去率と云うことはできない。
本発明の発明者(本発明者)は、さらに高い硫黄除去率の実現を可能にする塊状生石灰の精製処理方法を見出すために、特許文献1に記載の精製処理方法により除去される硫黄の割合(除去率)が30%程度にとどまる理由を検討した。その結果、特許文献1に開示された回転ドラムを利用する生石灰からの硫黄除去方法では、回転ドラム内での汚染塊状生石灰の攪拌羽根との接触により剥離生成した硫黄片(剥離片)が、回転ドラムのその後の回転の過程で、再度生石灰に付着する傾向があり、このため、最終的に回転ドラムから取り出されて回収される精製処理済の塊状生石灰に少なからずの量の硫黄分が付着した状態となることが判明した。
本発明者はさらに検討を行った結果、回転ドラムなどの精製処理容器内で汚染塊状生石灰から剥離した硫黄分を速やかに精製処理容器から排出させることにより、剥離硫黄分の精製処理済塊状生石灰への再付着を抑制することが可能になり、その結果、最終的に回収される精製処理済塊状生石灰の硫黄残留率を顕著に低減させることができることを見出した。
上記の新規な知見に基づき、本発明者は、さらに研究を行った結果、硫黄で汚染された塊状生石灰の精製処理に関する知見は、表面が硫黄で汚染された塊状生石灰に限らず、表面が灰分により汚染された塊状生石灰を含む、表面の少なくとも一部に各種の汚染物が付着したマグネシア(酸化マグネシウム)塊状物や焼成ドロマイト塊状物などのアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理に関しても同様であることを見出した。
従って、本発明は、精製処理対象の少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物を装入する塊状物装入口、該塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段、該剥離片を排出除去させる排出口、そして処理済のアルカリ土類金属酸化物塊状物を排出させて回収するための処理済塊状物回収口を備えた少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理容器、そしてこの精製処理容器を用いる精製処理方法にある。
従って、本発明の精製処理方法は、精製処理対象の少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物を装入する塊状物装入口、該塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段、該剥離片を排出除去させる排出口、そして処理済のアルカリ土類金属酸化物塊状物を排出させて回収するための処理済塊状物回収口を備えた精製処理容器(即ち、上記の本発明の精製処理容器)に、塊状物装入口を介して、処理対象の少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物を装入する工程、装入した塊状物を汚染物剥離手段と物理的に接触させることにより該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる工程、該剥離片を排出口から排出除去する工程、そして処理済のアルカリ土類金属酸化物塊状物を処理済塊状物回収口から排出させて回収する工程を含む少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理方法にある。
なお、上記の精製処理容器は、頂面に塊状物装入口を備え、底面に処理済塊状物回収口を備えていて、頂面を相対的に高い位置に配置した傾斜状態にて周方向に回転可能に保持された筒状容器であって、塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段が、該筒状容器の内周面に備えられた突起物あるいは攪拌羽根であることが好ましい。
精製処理容器は、傾斜状態あるいは平行状態で配置された筒状容器の内部に、ら線状の溝が切ってある棒軸(スクリュ)を回転可能に収容した構成を持つ形態であってもよい。
精製処理容器はまた、頂面に塊状物装入口を備え、底面に処理済塊状物回収口を備えていて、頂面を相対的に高い位置に配置した傾斜状態にて周方向に回転可能に保持された筒状容器であって、汚染物剥離片の排出口が、筒状容器の側面に形成された複数の開口部あるいは一もしくは二以上のスリットであることが好ましい。
本発明の精製処理方法は、 精製処理容器として頂面に塊状物装入口を備え、底面に処理済塊状物回収口を備えていて、頂面を相対的に高い位置に配置した傾斜状態にて周方向に回転可能に保持された筒状容器であって、塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段が、該筒状容器の内周面に備えられた突起物であり、汚染物剥離片の排出口が筒状容器の側面に形成された複数の開口部である精製処理容器を用いる方法であって、装入した塊状物を汚染物剥離手段と物理的に接触させることにより該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる工程を、精製処理容器を周方向に回転させながら行うことが好ましい。
本発明の精製処理容器そして精製処理方法を利用することによって、塊状生石灰に代表されるアルカリ土類金属酸化物塊状物の表面に付着している硫黄などの汚染物を高い除去率で除去することが可能になり、表面の一部に汚染物が付着した塊状のアルカリ土類金属酸化物から、高い汚染物除去率にて高度に精製された精製塊状アルカリ土類金属酸化物を回収することが可能になる。
本発明の実施に有利に使用できる汚染塊状生石灰の精製処理容器を含む精製処理装置の一例の構成図である。ただし、精製処理容器の回転手段の記載は省略している。 図1の精製処理装置に備えられている円筒状容器の正面図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明の実施に有利に使用できる回分式の汚染塊状生石灰の精製容器の一例の断面図である。
本発明のアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理方法において、精製処理対象となるアルカリ土類金属酸化物塊状物は、表面が汚染されたアルカリ土類金属酸化物塊状物である。アルカリ土類金属酸化物の例としては、生石灰、焼成ドロマイト(ドロマイトを焼成して得た酸化カルシウムと酸化マグネシウムとを含む酸化物)、酸化マグネシウムを挙げることができる。これらのアルカリ土類金属酸化物の中では、特に生石灰は表面が汚染されやすいので、本発明の精製処理の対象として特に適している。アルカリ土類金属酸化物塊状物の汚染物の例としては、硫黄を挙げることができる。表面が硫黄分を含む汚染物で汚染されている汚染アルカリ土類金属酸化物塊状物の例としては、それぞれ焼成炉を用いて、化石燃料(石炭、コークス、石油、天然ガスなど)を燃焼させた燃焼ガスによって塊状石灰石、塊状ドロマイトまた塊状マグネサイトを焼成する方法により得られた塊状生石灰、塊状焼成ドロマイトまたは塊状酸化マグネシウムを挙げることができる。焼成炉としては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、ロータリキルンを用いることができる。汚染アルカリ土類金属酸化物塊状物の平均粒子径が一般に10〜100mmの範囲にある。
本発明の汚染されたアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理容器は、アルカリ土類金属酸化物塊状物の表面から汚染物を剥離するために汚染塊状物と物理的に接触する手段、そして生成した剥離片を速やかに容器外に排出除去するための排出除去手段を有する容器である。そして、本発明の精製処理方法では、当該精製処理容器を用いて汚染アルカリ土類金属酸化物塊状物の精製を行なう。
本発明の汚染アルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理方法は、上記の精製処理容器内に表面が汚染された汚染アルカリ土類金属酸化物塊状物を供給する工程、容器内でアルカリ土類金属酸化物塊状物の表面層の少なくとも一部を剥離させる工程、そして剥離された剥離片の少なくとも一部を排出除去手段によって容器の外部に排出除去した後に、容器から精製されたアルカリ土類金属酸化物塊状物を回収する工程を含む。この方法では、アルカリ土類金属酸化物塊状物の表面から剥離された汚染物(剥離片)の少なくとも一部が容器外に排出され、アルカリ土類金属酸化物塊状物に再付着しにくいため、回収される精製処理済のアルカリ土類金属酸化物塊状物表面の汚染物の残存率は顕著に低減する。
アルカリ土類金属酸化物塊状物の表面から剥離された汚染物(剥離片)を除去するための除去手段を有する容器には、アルカリ土類金属酸化物塊状物表面の汚染物の剥離を促進させるための固形媒体を入れてもよい。汚染物の剥離促進用の固形媒体の例としては、球状またはロッド(棒)状の媒体を挙げることができる。また、固形媒体の材料の例としては、金属、セラミック及び鉄球入りの樹脂を挙げることができる。
アルカリ土類金属酸化物塊状物の表面から剥離された剥離物を除去するための排出除去手段を有する容器の例としては、側面に網目領域を有する筒状容器を挙げることができる。この容器は、その内部に塊状生石灰を投入し、その容器を回転あるいは振動させて、塊状生石灰と網目領域とを接触させる、あるいは塊状生石灰同士を接触させることにより、塊状生石灰の表面層が剥離して、精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末とを生成させるとともに、生成した汚染生石灰粉末を網目領域を通過させて筒状容器の外部に排出させることができる。従って、この網目領域に形成されている網目部分は、汚染物の剥離手段としても、また汚染アルカリ土類金属酸化物塊状物から剥離した剥離片を容器外に排出除去させる手段としても利用することができる。網目領域を有する容器の例としては、周面に網目領域を有する円筒状容器、多角筒状容器、円錐状容器、底面に網目領域を有する円筒状容器及び多角筒状容器を挙げることができる。網目領域は、金属製の網もしくはパンチングメタルにより形成されていることが好ましい。網目領域の形状は、円形、楕円形、四角形、菱形であることが好ましい。網目領域の面積は、容器全体の面積に対して一般に50%以上の面積、好ましくは80%以上の面積である。容器全体が網目で形成されていてもよい。
次に、本発明のアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理方法を、アルカリ土類金属酸化物塊状物が塊状生石灰である場合を例にとり、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施に有利に使用できる汚染塊状生石灰の精製処理装置の一例の構成図である。図2は、図1の精製処理装置に備えられている円筒状容器の正面図である。図3は、図2のA−A線断面図である。
図1〜3の精製処理装置において、汚染塊状生石灰の精製は円筒状容器10の内部にて行なわれる。円筒状容器10は、頂面に原料生石灰供給口11そして底面に精製生石灰回収口12を備え、周面に網目領域13を有する。円筒状容器10は、回転駆動装置(図示せず)により頂面を上側そして底面を下側とする傾斜状態にて周面に沿って回転可能に支持されていて、特許文献1に図示されているローラーのような回転駆動手段を用いて、円筒状容器10を周面に沿って回転させることにより、円筒状容器10内の塊状生石灰1は転動しながら精製生石灰回収口12に向かって移動するようにされている。円筒状容器10の傾斜角度は、一般に1〜10度であり、原料投入量あるいは原料を容器内に滞留させる時間により調節する。網目領域13の網目のサイズは、塊状生石灰1の平均サイズに対して一般に0.01〜0.9倍の範囲、好ましくは0.0025〜0.25倍の範囲にある。
円筒状容器10の内面は、図2、3に示すように、塊状生石灰の表面層の剥離を促進する突起物として、撹拌羽根14と隔壁15とが備えられている。撹拌羽根14は図2に示すように、円筒状容器10の内壁から中央に向かう方向に延びた板状の突起物であり、円筒状容器10の回転方向に塊状生石灰1を転動させることによって、塊状生石灰1の表面層の剥離を促進する。なお、この撹拌羽根は、円筒状容器10の内壁に一端もしくは両端が接合された鎖であってもよい。隔壁15は、図3に示すように、円筒状容器10の内周方向に延びた板状の突起であって、塊状生石灰1が下側の精製生石灰回収口12に移動するのを一時的に堰き止めて、円筒状容器10内での塊状生石灰1の滞留時間を長くすることによって塊状生石灰1の表面層の剥離を促進する。
円筒状容器10の網目領域13は、外カバー16に覆われている。外カバー16は、円筒状容器10の網目領域13を通過した汚染生石灰粉末2を回収して外部に取り出すための輸送手段(図示せず)を備えている。輸送手段の例としてはベルトコンベアを挙げることができる。外カバー16には、円筒状容器10の網目領域13が汚染生石灰粉末2によって目詰まりしないようにするための目詰まり防止装置17が備えられている。目詰まり防止装置17の例としては、連続的もしくは間欠的に網目領域13に振動を付与する装置及び連続的もしくは間欠的に網目領域13に空気を吹き付ける装置を挙げることができる。さらに、外カバー16には、気相中に舞い上がった汚染生石灰粉末2を回収するための集塵機18が備えられている。
図1〜3の精製装置を用いた汚染塊状生石灰の精製処理は、例えば次のように行われる。円筒状容器10に、原料生石灰供給口11より、汚染塊状生石灰を連続的もしくは間欠的に供給し、同時に円筒状容器10を周面に沿って回転させる。円筒状容器10の回転速度は、一般に1〜50回転/分であり、容器の容積等によって調整する。この円筒状容器10の回転により、汚染塊状生石灰の表面層の少なくとも一部が剥離して、精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末(剥離片)とが生成する。汚染生石灰粉末2は網目領域13を通過して円筒状容器10の外部に排出される。一方、精製塊状生石灰は精製生石灰回収口12より回収される。
図1〜3の精製処理装置は、塊状生石灰の精製処理を連続的に行なうのに有用な装置であるが、本発明の塊状生石灰の精製処理方法は、回分式の容器を用いて行なってもよい。回分式の容器の例を図4に示す。図4は、本発明の実施に有利に使用できる回分式の汚染塊状生石灰の精製処理容器の一例の断面図である。
図4において、汚染塊状生石灰精製処理容器20は、側面に開口部21を有する汚染生石灰粉末回収容器22、汚染生石灰粉末回収容器内に収容されている周面に網目領域を有する筒状容器23、汚染生石灰粉末回収容器22と筒状容器23とを固定する固定具24、そして汚染生石灰粉末回収容器22の開口部21に着脱可能に備えられる蓋25を含む。この塊状生石灰の精製処理容器20を用いた汚染塊状生石灰の精製は、例えば次のようにして行われる。汚染塊状生石灰精製処理容器20の蓋25を外して、周面に網目領域を有する筒状容器23に汚染塊状生石灰を投入する。次いで汚染塊状生石灰精製処理容器20に蓋25を取り付けた後、汚染塊状生石灰精製処理容器20を周面に沿って回転させる。この汚染塊状生石灰精製処理容器20を回転させることによって、塊状生石灰の表面層の少なくとも一部を剥離させて、精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末とを生成させる。汚染生石灰粉末は筒状容器23の網目領域を通過して汚染生石灰粉末回収容器22に貯留される。そして、汚染塊状生石灰精製処理容器20の回転を止め、蓋25を外して、汚染生石灰粉末回収容器22から汚染生石灰粉末を回収し、筒状容器23から精製塊状生石灰を回収する。一回の汚染塊状生石灰精製において、塊状生石灰の表面層を剥離させて、精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末とを生成させる工程と、汚染生石灰粉末回収容器22から汚染生石灰粉末を回収する工程とを複数回に分けて行ってもよい。精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末とを生成させる工程と、汚染生石灰粉末回収容器22から汚染生石灰粉末を回収する工程とを複数回に分けて行うことにより、汚染生石灰粉末回収容器22内に貯留される汚染生石灰粉末の量を少量にできるため、汚染生石灰粉末が飛散して筒状容器23内の精製塊状生石灰に再付着するという現象が起こりにくくなる。
本発明の塊状生石灰の精製処理方法において、原料の汚染塊状生石灰から剥離する生石灰の量は、汚染塊状生石灰に含まれる汚染物の量によっても変動するが、汚染塊状生石灰に対して一般に2〜40質量%の範囲の量、好ましくは5〜30質量%の範囲の量である。剥離させる生石灰の量が2質量%よりも少ないと汚染物の除去が不十分となることがあり、40質量%を超えると汚染物の除去効率が悪くなる。すなわち、本発明の塊状生石灰の精製処理方法における精製塊状生石灰の回収率は、汚染塊状生石灰に対して一般に60〜98質量%の範囲、好ましくは70〜95質量%の範囲である。また、本発明の塊状生石灰の精製処理方法よる汚染物の低減率は、例えば、硫黄の場合、一般に50〜90質量%の範囲、特に60〜90質量%の範囲にある。
[実施例1]
図4に示す汚染塊状生石灰精製処理容器20を用意した。汚染生石灰粉末回収容器22としては、直径が300mm、長さが330mmのポリカーボネート製容器を用い、筒状容器23としては、目開きが5.4mmのステンレス製網から形成された直径が220mm、長さが300mmの円筒状容器を用いた。
汚染塊状生石灰精製処理容器20の蓋25を外して、筒状容器23に汚染塊状生石灰(平均粒子径:40mm、硫黄含有量:1200質量ppm)を2801g投入した(筒状容器内を占める汚染塊状生石灰の体積が、筒状容器の体積に対して約1/3となる量)。次いで蓋25を取り付けた後、汚染塊状生石灰精製処理容器20を周面に沿って45回転/分の回転速度にて15分間回転させた後、その回転を止めて、蓋25を外し、汚染生石灰粉末回収容器22から汚染生石灰粉末を回収する操作を4回繰り返して(汚染塊状生石灰精製処理容器20を回転させた時間の合計は60分間)、汚染塊状生石灰を精製処理した。その後、筒状容器23から精製塊状生石灰を回収し、その精製塊状生石灰の質量と硫黄含有量を測定した。なお、硫黄含有量は、JIS−Z−2616(金属材料の硫黄定量方法通則)に準拠した方法により測定した。
下記の表1に、精製処理の条件、塊状生石灰の硫黄含有量、そして下記の式より算出した硫黄低減率及び精製塊状生石灰の回収率を示す。
硫黄低減率(質量%)
=100−100×精製塊状生石灰の硫黄含有量/汚染塊状生石灰の硫黄含有量
精製塊状生石灰の回収率(質量%)
=100×精製塊状生石灰の質量/汚染塊状生石灰の質量
[実施例2]
筒状容器に投入した汚染塊状生石灰の量を2709gとしたこと、精製処理の条件を、汚染塊状生石灰精製処理容器を60分間回転させた後、汚染生石灰粉末回収容器から汚染生石灰粉末を回収する操作を2回繰り返す条件(汚染塊状生石灰精製処理容器を回転させた時間の合計は120分間)としたこと以外は、実施例1と同様にして汚染塊状生石灰を精製処理した。下記の表1に、精製処理の条件、塊状生石灰の硫黄含有量、硫黄低減率及び精製塊状生石灰の回収率を示す。
[実施例3]
筒状容器に投入した汚染塊状生石灰の量を2708gとしたこと、精製処理の条件を、汚染塊状生石灰精製処理容器を30分間回転させた後、汚染生石灰粉末回収容器から汚染生石灰粉末を回収する操作を2回繰り返す条件(汚染塊状生石灰精製処理容器を回転させた時間の合計は60分間)としたこと以外は、実施例1と同様にして汚染塊状生石灰を精製処理した。下記の表1に、精製処理の条件、塊状生石灰の硫黄含有量、硫黄低減率及び精製塊状生石灰の回収率を示す。
[比較例1]
内部に撹拌羽根を有するドラム(容量6.5m3)を備えたミキサ車を用意した。ミキサ車のドラムを15回転/分の回転速度にて回転させながら、ドラムのホッパに汚染塊状生石灰(粒径:40mm、硫黄含有量:948質量ppm)を、ドラム内を占める汚染塊状生石灰の体積が、ドラムの体積に対して80%となる量にて投入した。次いで、ドラムを8回転/分の回転速度で30分間回転させた後、ドラム内の精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末との混合物を排出シュートから取り出した。取り出した混合物から目視にて粒径が100mm以上のものと着色したものを除去し、粒径が10〜100mmの精製塊状生石灰を回収した。下記の表1に、精製処理の条件、塊状生石灰の硫黄含有量、硫黄低減率及び精製塊状生石灰の回収率を示す。
Figure 0006556696
注:生石灰回収率は、精製処理後に回収された塊状の生石灰の回収率を意味する。
上記表1に示した結果から、周面に網目領域を有する筒状容器を用いて、汚染塊状生石灰の表面層を剥離させて、精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末とを得て、汚染生石灰粉末を筒状容器の外部に排出させる方法(実施例1〜3)は、汚染塊状生石灰の表面層を剥離させて精製塊状生石灰と汚染生石灰粉末との混合物を得る操作を行った後、その混合物から精製塊状生石灰を回収する方法(比較例1)と比較して、硫黄の低減率(除去率)が顕著に向上することが分かる。
1 塊状生石灰
2 汚染生石灰粉末(汚染物剥離片)
10 円筒状容器
11 原料生石灰供給口
12 精製生石灰回収口
13 網目領域
14 撹拌羽根
15 隔壁
16 外カバー
17 目詰まり防止装置
18 集塵機
20 汚染塊状生石灰精製処理容器
21 開口部
22 汚染生石灰粉末回収容器
23 周面に網目領域を有する筒状容器
24 固定具
25 蓋

Claims (6)

  1. 精製処理対象の少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物を装入する塊状物装入口、該塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段、該剥離片を排出除去させる網目領域あるいは一もしくは二以上のスリットからなる剥離片排出口、そして処理済のアルカリ土類金属酸化物塊状物を排出させて回収するための処理済塊状物回収口を備えた筒状精製処理容器を用意する工程;塊状物装入口を介して、処理対象の少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物を上記筒状精製処理容器に装入する工程;上記筒状精製処理容器を回転させ、装入した塊状物を汚染物剥離手段と物理的に接触させることにより該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる工程該剥離片を上記剥離片排出口から速やかに排出除去する工程そしてその後、処理済のアルカリ土類金属酸化物塊状物を処理済塊状物回収口から排出させて回収する工程を含む少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理方法。
  2. 精製処理容器として頂面に塊状物装入口を備え、底面に処理済塊状物回収口を備えていて、頂面を相対的に高い位置に配置した傾斜状態にて周方向に回転可能に保持された筒状容器であって、塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段が、該筒状容器の内周面に備えられた突起物であり、汚染物剥離片排出口が筒状容器の側面に形成された網目領域あるいは一もしくは二以上のスリットである精製処理容器を用い、装入した塊状物を汚染物剥離手段と物理的に接触させることにより該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる工程を、精製処理容器を周方向に回転させながら行う請求項に記載の精製処理方法。
  3. 汚染物が硫黄分であって、アルカリ土類金属酸化物塊状物が、塊状生石灰、塊状焼成ドロマイト及び塊状酸化マグネシウムからなる群より選ばれる塊状物である請求項もしくはに記載の精製処理方法。
  4. 請求項1に記載の少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物の精製処理方法を実施するための精製処理容器であって、精製処理対象の少なくとも表面の一部に汚染物が付着したアルカリ土類金属酸化物塊状物を装入する塊状物装入口、該塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段、該剥離片を排出除去させる網目領域あるいは一もしくは二以上のスリットからなる剥離片排出口、そして処理済のアルカリ土類金属酸化物塊状物を排出させて回収するための処理済塊状物回収口を備え、回転可能に設置された筒状の精製処理容器。
  5. 精製処理容器が、頂面に塊状物装入口を備え、底面に処理済塊状物回収口を備えていて、頂面を相対的に高い位置に配置した傾斜状態にて周方向に回転可能に保持された筒状容器であって、塊状物との物理的な接触により該汚染物の少なくとも一部を剥離片として該塊状物から剥離させる汚染物剥離手段が、該筒状容器の内周面に備えられた突起物である請求項に記載の精製処理容器。
  6. 精製処理容器が、頂面に塊状物装入口を備え、底面に処理済塊状物回収口を備えていて、頂面を相対的に高い位置に配置した傾斜状態にて周方向に回転可能に保持された筒状容器であって、剥離片排出口が、筒状容器の側面に形成された網目領域あるいは一もしくは二以上のスリットからなる剥離片排出口である請求項もしくはに記載の精製処理容器。
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